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2021-03-09 第204回国会 参議院 農林水産委員会 第1号
公式Web版
会議録情報
0
令和
三年三月九日(火曜日) 午後零時六分開会 ─────────────
委員氏名
委員長
上月
良祐君 理 事 堂故 茂君 理 事
藤木
眞也君
理 事
山田
修路
君 理 事
田名部匡代
君 理 事 紙
智子
君
高橋
克法
君
野村
哲郎
君 林
芳正
君
舞立
昇治
君
宮崎
雅夫
君
山田
俊男
君
石垣のりこ
君
郡司
彰君 森
ゆうこ
君
河野
義博
君
熊野
正士
君
高橋
光男
君
石井
苗子
君
舟山
康江
君
須藤
元気君 ─────────────
委員
の
異動
一月二十七日
辞任
補欠選任
宮崎
雅夫
君
山本
順三
君
山田
修路
君
中西
祐介
君 一月二十八日
辞任
補欠選任
中西
祐介
君
山田
修路
君
山本
順三
君
宮崎
雅夫
君 ─────────────
出席者
は左のとおり。
委員長
上月
良祐君 理 事 堂故 茂君
藤木
眞也君
山田
修路
君
田名部匡代
君 紙
智子
君 委 員
高橋
克法
君
野村
哲郎
君 林
芳正
君
舞立
昇治
君
宮崎
雅夫
君
山田
俊男
君
石垣のりこ
君
郡司
彰君 森
ゆうこ
君
河野
義博
君
熊野
正士
君
高橋
光男
君
石井
苗子
君
舟山
康江
君
須藤
元気君
国務大臣
農林水産大臣
野上浩太郎
君 副
大臣
農林水産
副
大臣
宮内 秀樹君
大臣政務官
農林水産大臣政
務官
熊野
正士
君
事務局側
常任委員会専門
員 笹口 裕二君 ───────────── 本日の会議に付した案件 ○
理事補欠選任
の件 ○
国政調査
に関する件 ○
農林水産
に関する
調査
(
令和
三年度の
農林水産行政
の
基本施策
に関す る件) ─────────────
上月良祐
1
○
委員長
(
上月良祐
君) ただいまから
農林水産委員会
を開会いたします。
理事
の
補欠選任
についてお諮りいたします。
委員
の
異動
に伴い現在
理事
が一名欠員となっておりますので、その
補欠選任
を行いたいと存じます。
理事
の
選任
につきましては、先例により、
委員長
の指名に御一任願いたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
上月良祐
2
○
委員長
(
上月良祐
君) 御
異議
ないと認めます。 それでは、
理事
に
山田修路
さんを指名いたします。 ─────────────
上月良祐
3
○
委員長
(
上月良祐
君)
国政調査
に関する件についてお諮りいたします。 本
委員会
は、
今期国会
におきましても、
農林水産
に関する
調査
を行いたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
上月良祐
4
○
委員長
(
上月良祐
君) 御
異議
ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
上月良祐
5
○
委員長
(
上月良祐
君)
農林水産
に関する
調査
を議題といたします。
令和
三年度の
農林水産行政
の
基本施策
について、
農林水産大臣
から
所信
を聴取いたします。
野上農林水産大臣
。
野上浩太郎
6
○
国務大臣
(
野上浩太郎
君)
農林水産委員会
の開催に当たりまして、私の
所信
の一端を申し述べます。 まず、冒頭、
新型コロナウイルス感染症
や、この冬の
大雪
による
被害
、先月の
福島
県沖を震源とする
地震
などの
災害
により命を落とされた
方々
の御冥福をお祈りするとともに、罹患された
方々
、被災された
方々
に心よりのお見舞いを申し上げます。 今般、当省の
幹部職員
が
倫理規程違反
で
懲戒処分
を受けるに至りました。
農林水産行政
に対する
国民
の
皆様
の
信頼
を大きく損なうものであり、深くおわびを申し上げます。一日でも早く
信頼
を取り戻すため、
再発防止
と
倫理規程
の遵守を徹底し、
国民
の
皆様
の厳しい視線を常に意識しつつ、日々の仕事に真摯に取り組んでまいります。 また、
国民
の
皆様
に疑念を持たれることがないよう、
養鶏
・
鶏卵行政
の
公正性
について検証いただくため、
養鶏
・
鶏卵行政
に関する
検証委員会
を設置いたしました。しっかりと検証いただき、その結果を公表したいと考えております。 昨年来、
新型コロナウイルス感染症
により、
農林水産業
、
食品産業
を含む
我が国
の
経済社会
に大きな
影響
が生じております。また、昨年十二月からの
大雪
により、
農業用ハウス
の倒壊、破損などの
被害
が生じております。これらに加えて、
豚熱
や
鳥インフルエンザ
など、
家畜伝染病
への
対応
も続いております。 このような大変厳しい
状況
の下、
現場
で御尽力されている
方々
には本当に頭の下がる思いであり、
影響
や
被害
を受けられた
皆様
が一日でも早く日常を取り戻せるよう、
全力
で取り組んでまいります。
大雪被害
につきましては、私
自身
、新潟県の
被害状況
を視察し、被災された方の声を直接伺い、
被害
の深刻さを肌で実感しました。二月には、
農業用ハウス
や
畜舎
の再建、
修繕等
の
支援対策
を取りまとめたところであり、被災された
農林漁業者
の
皆様
の負担を軽減し、確かな
経営
の
継続
と速やかな
経営再開
が図られるよう、きめ細やかな
支援
を実施してまいります。 続きまして、
農林水産行政
に関する私の基本的な
考え方
について申し述べます。
農林水産業
は、
関連産業
である
食品産業
とともに
国民
の
皆様
に
食料
を安定供給し、
地域
の
経済
やコミュニティーを支え、その営みを通じて
国土
の
保全
などの役割を果たしている、まさに国の基であり、
農林水産業
を発展させるとともに、
日本
の原風景である美しく豊かな
農山漁村
を守っていくことが重要であると考えております。 一方、
我が国
の
農林水産業
は、
人口減少
に伴う
マーケット
の縮小や
農林漁業者
の
減少
、
高齢化
の進行など、厳しい
状況
に直面しています。さらに、
コロナ禍
により
需要
の
減少
や
価格低下等
の大きな
影響
を受けているだけでなく、
デジタル技術活用
の進展など、
社会構造
の変化にも直面しております。 こうした多岐にわたる
課題
の解決に向け、昨年閣議決定された
食料
・
農業
・
農村基本計画等
を踏まえ、
産業政策
と
地域政策
を車の両輪として、二〇三〇年の
輸出額
五兆円の
目標
の達成に向けた
施策
の
抜本的強化
、
生産基盤
の
強化
や
担い手
の
育成確保
、
スマート技術
の
開発
、
実装
、多様な
人材
や
地域資源
を活用した新たな
農村政策
の
展開
、
国土強靱化等
の
重点課題
に応えられるよう、着実に
取組
を進めてまいります。そして、これらを通じ、
食料自給率
の
向上
と
食料安全保障
の確立を図ってまいります。 さらに、昨年十二月に
農林水産業
・
地域
の
活力創造プラン
で打ち出しました、
ポストコロナ
に向けた
農林水産政策
の
強化
の
検討
も進めつつ、
農林漁業者
の
所得
の
向上
や
農山漁村
の
活性化
に引き続き
全力
で取り組んでまいります。 以下、具体的な
施策
を申し述べます。 今般の
緊急事態宣言
による
影響
も含め、
新型コロナウイルス感染症
の
感染拡大
の
影響
を受けた
農林漁業者
の
皆様
や、
関連産業
に従事される
皆様
の
生産基盤
を守るため、引き続き、
生産
の
継続
や
販売促進等
の適切な
支援
に
全力
を尽くしてまいります。 昨年の
農林水産物
・
食品
の
輸出額
は、
コロナ禍
にもかかわらず八年連続で過去
最高額
を記録し、九千二百二十三億円、
少額貨物
なども含めると九千八百六十六億円となりました。
我が国
の
農林水産業
の発展のためには、拡大する
海外市場
の
成長
を取り込むことが不可欠です。このため、
輸出拡大実行戦略
に基づき、
日本
の強みを
最大
限に生かす
品目別
の
具体的目標
の
実現
に向け、
マーケットイン
の発想で
輸出
にチャレンジする
農林水産事業者
の後押しや、
農林水産物
・
食品輸出本部
を
最大
限活用しつつ、
省庁
の垣根を越え、
政府一体
として
日本
産
食品
の
輸入規制
など
輸出
の障害を克服するための
対応
の
強化等
を図ってまいります。あわせて、
輸入品
が多くを占める
加工
、外食、
中食原料
の国産への切替えも進めます。
輸出
を含め、
農林漁業
や
食品産業
の
分野
における新たな
動き
に
対応
する
資金需要
に応えるため、フードバリューチェーン全体への
資金供給
を
促進
することを
内容
とする
農業法人
に対する投資の
円滑化
に関する法律の
見直し
を行います。 SDGsや
環境
の
重要性
が
国内外
で高まっております。このような
動き
に
対応
し、CO2ゼロ
エミッション化
、
化学農薬
、
化学肥料
の削減、
有機農業
の
面積拡大等
に向け、
食料
・
農林水産業
の
生産力向上
と
持続性
の両立を
イノベーション
により
実現
を目指すみどりの
食料システム戦略
を本年五月までに策定いたします。
社会
全体で
デジタル技術
を活用した変革が急速に進展する中、
農林水産分野
におきましても、
生産性
を
向上
させ、
成長産業化
を
推進
するためのデジタルトランスフォーメーションの
実現
に向けた
取組
を進めてまいります。 また、ロボット、
AI
、IoT、ドローンなどの
先端技術
を活用する
スマート農林水産業
の
推進
に向け、
技術開発
や
現場実装
の
促進
、
スマート技術
を用いた
農業支援サービス
の
育成
を進めてまいります。 中
山間地域
を始め活力ある
農山漁村
を
実現
するため、
日本
型直接
支払制度
による下支えを図りつつ、
農泊
、
農福連携
、
鳥獣対策
や
ジビエ利活用
などの
取組
を進めてまいります。また、
コロナ禍
において再認識された
農山漁村
の持つ価値や魅力を活用して、多様なアイデアにより
所得
と
雇用
を生み出す
農山漁村発イノベーション
を進めてまいります。
地域
の
農業生産
や必要な
農地
を
確保
するため、
農地バンク
、
農業委員会
など
関係機関
の
現場レベル
の
連携
を徹底し、人・
農地プラン
の
実行
を通じて
担い手
への
農地集積
、
集約化
を加速化します。
畜産業
の国際的な
競争環境
が厳しくなる中で、
省力化機械
の
導入
や
増頭
、
増産等
の
取組
を
推進
するため、
建築基準法
の
構造等
の
基準
によらず
畜舎等
の
建築等
ができることを
内容
とする
法制度
を整備してまいります。 就農の
検討
・
準備段階
から
経営
を確立するまでの総合的な
支援
などにより、多様な
人材
の
育成
、
確保
を進めます。あわせて、
次世代
の
担い手
への
農地
その他の
経営資源
の確実な継承を
推進
します。 また、本格化する
人口減少等
を踏まえ、各
地域
において
農業経営
を行う人の
確保
や
農地
の適切な
利用
の
促進
、
農山漁村
での
所得
と
雇用機会
の
確保等
のための
施策
について
検討
し、本年六月までにその結果を取りまとめます。
米政策
については、需給と
価格
の安定を図るためには、
令和
三年産の
主食用米
について過去
最大規模
の
作付け転換
が必要な
状況
となっております。高
収益作物
、麦、大豆などの
需要
に応じた
生産
を
支援
する
水田フル活用等
により、全ての
関係者
がしっかり
連携
して
需要
に応じた
生産
、
販売
を
推進
してまいります。
地域
の
農業
を発展させていくためには、
農業者
の
所得向上
に
全力
で取り組む農協が欠かせません。
農林水産
省としても、
JAグループ
が
自己改革
の
取組
を着実に進め、具体的な成果を上げるよう、
改革
に協力してまいります。 また、農林中央金庫について、
金融システム
の安定に係る国際的な
基準
に
対応
するため、
農水産業協同組合貯金保険法
の
見直し
を行います。
農業者
の
所得向上
に向け、引き続き、
生産資材業界
や
流通加工業界
の再編、参入を
促進
してまいります。特に
食品流通
については、
情報通信技術
の
導入
や物流の
効率化
による
合理化
、
高度化
を進めてまいります。
農業
の
競争力強化
や
農村地域
の
国土強靱化
に向け、
農地
の大
区画化
、
汎用化
、
農業水利施設
の
長寿命化
や
ため池等
の
豪雨
・
耐震化対策
など、
農業
、
農村
の
基盤整備
を
推進
してまいります。 食の安全と
消費者
の
信頼
の
確保
と
理解
の増進のため、引き続き、
科学的根拠
に基づく
食品
の
安全性確保
、正確な
情報伝達
、
食育
の
推進
に取り組みます。 今シーズン過去
最大
の
発生
となっている高
病原性鳥インフルエンザ
については、これまで、
発生県
への人的、
物的支援
、
飼養衛生管理
の全国一斉点検、
ウイルス
の特徴を踏まえた分かりやすい
情報
の
伝達
などを行ってきましたが、引き続き、一層の
警戒感
を持って
対応
してまいります。また、
発生農家
への
支援
もしっかり行ってまいります。
豚熱
、
アフリカ豚熱
も含め、
家畜伝染病
に対しては、
発生防止
、
蔓延予防
のため、都道府県や
関係省庁
と
一体
となって取り組むとともに、
改正家畜伝染病予防法
を適切に執行し、
対応
してまいります。
森林
・
林業政策
についてです。
森林
・
林業基本計画
の
見直し
に向け、
現場
の声に耳を傾けながら、精力的に
検討
を進めてまいります。 また、
森林資源
の適切な
管理
と
林業
の
成長産業化
に向け、
森林整備
、
治山対策
を
推進
するとともに、意欲と能力のある
林業経営者
への
森林
の
経営管理
の
集積
、
集約
を進めます。 さらに、
森林
の
二酸化炭素吸収源
としての
機能保全
、
強化
に向け、
間伐等
を
促進
するための
交付金等
の
支援措置
を
令和
十二年度まで延長するとともに、
成長
に優れた苗木の
植栽
の
促進等
を
内容
とする
森林
の
間伐等
の実施の
促進
に関する
特別措置法
の
見直し
を行います。 このほか、
木材生産
や
造林作業
の
自動化
などの
林業イノベーション
やCLTの普及、都市の
木造化
など、川上から川下までの
取組
を総合的に
推進
してまいります。
水産政策
についてです。昨年十二月に施行された
改正漁業法等
に基づき、
漁業者
を始めとする
関係者
の
理解
と協力を得ながら、
資源管理ロードマップ
に沿って新たな
資源管理システム
を着実に実施するとともに、漁場の総合的な
利用
を図り、
養殖業
の
成長産業化
を
推進
してまいります。 また、
水産流通適正化法
について、
現場
への丁寧な説明と施行に向けた
検討
を進め、
国内外
の
違法漁獲
の撲滅に努めてまいります。 さらに、
外国漁船
による
違法操業
の
取締り体制
の
強化
を図るとともに、近年のサンマなどの記録的な
不漁
を踏まえ、
漁業者
の収入安定を図る
積立ぷらすの基金
の積み増しや
不漁
の
原因解明
のための
調査
を実施してまいります。
東日本大震災
から十年がたちます。私
自身
、
大臣就任
後、まず
福島
県を訪問するなど、
復興
に懸命に取り組まれている
方々
の声を直接に伺ってきました。
被災地
の
皆様
を始め、多くの
方々
の御努力により着実に
復興
が進展している一方で、
営農再開
や
水産業
、
林業
の再生、
風評払拭等
、まだまだ取り組むべき
課題
があると認識しております。先月も余震と見られる大きな
地震
が
発生
したところであり、この
地震
への
対応
を含め、引き続き、被災された
農林水産業者
の
方々
が再び立ち直るために万全の
支援
を行ってまいります。 また、近年頻発する
豪雨
や台風などの
自然災害
への備えを
強化
してまいります。 以上、
農林水産行政
の今後の
展開方向
について、私の基本的な
考え方
を申し述べました。
国民
の
皆様
の豊かな食生活とそれを支える
農山漁村
を
次世代
に引き継ぐため、
産業政策
と
地域政策
の両面から
全力
で取り組み、強い
農林水産業
と美しく活力ある
農山漁村
を
実現
してまいります。
上月委員長
を始め
理事
、
委員各位
に、御指導、御鞭撻を賜りますよう、お願い申し上げます。
上月良祐
7
○
委員長
(
上月良祐
君) 以上で
所信
の聴取は終わりました。 本件に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時十八分散会