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2021-04-27 第204回国会 参議院 内閣委員会 第15号 公式Web版

  1. 会議録情報

    令和三年四月二十七日(火曜日)    午後二時一分開会     ─────────────    委員異動  四月二十二日     辞任         補欠選任      大門実紀史君     市田 忠義君  四月二十三日     辞任         補欠選任      横沢 高徳君     杉尾 秀哉君  四月二十七日     辞任         補欠選任      岡田 直樹君     加田 裕之君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         森屋  宏君     理 事                 酒井 庸行君                 徳茂 雅之君                 木戸口英司君                 平木 大作君                 矢田わか子君     委 員                 大家 敏志君                 加田 裕之君                 古賀友一郎君                 高野光二郎君                 山田 太郎君                 山谷えり子君                 和田 政宗君                 小沼  巧君                 塩村あやか君                 杉尾 秀哉君                 石川 博崇君                 柴田  巧君                 高木かおり君                 市田 忠義君                 田村 智子君    国務大臣        国務大臣        (内閣特命担        当大臣(マイナ        ンバー制度))  平井 卓也君    副大臣        総務大臣    熊田 裕通君    大臣政務官        厚生労働大臣政        務官       こやり隆史君    事務局側        常任委員会専門        員        宮崎 一徳君    政府参考人        内閣官房内閣審        議官       向井 治紀君        内閣官房内閣審        議官       時澤  忠君        内閣官房内閣審        議官       冨安泰一郎君        内閣官房内閣審        議官       二宮 清治君        内閣官房内閣審        議官       内山 博之君        内閣大臣官房        長        大塚 幸寛君        内閣大臣官房        審議官      村手  聡君        内閣地方創生        推進事務局審議        官        鎌田  篤君        内閣知的財産        戦略推進事務局        次長       渡邊 厚夫君        個人情報保護委        員会事務局長   福浦 裕介君        総務省大臣官房        審議官      阿部 知明君        法務省大臣官房        審議官      堂薗幹一郎君        文部科学省大臣        官房学習基盤審        議官       塩見づ枝君        文部科学省大臣        官房審議官    高口  努君        文化庁審議官   榎本  剛君        厚生労働省大臣        官房審議官    宮崎 敦文君        経済産業省大臣        官房審議官    三浦 章豪君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○デジタル社会形成基本法案内閣提出衆議院  送付) ○デジタル庁設置法案内閣提出衆議院送付) ○デジタル社会形成を図るための関係法律の整  備に関する法律案内閣提出衆議院送付) ○公的給付支給等の迅速かつ確実な実施のため  の預貯金口座登録等に関する法律案内閣提  出、衆議院送付) ○預貯金者意思に基づく個人番号利用による  預貯金口座管理等に関する法律案内閣提出  、衆議院送付) ○参考人出席要求に関する件     ─────────────
  2. 森屋宏

    委員長森屋宏君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日までに、大門実紀史君及び横沢高徳君が委員辞任され、その補欠として市田忠義君及び杉尾秀哉君が選任をされました。  また、本日、岡田直樹君が委員辞任され、その補欠として加田裕之君が選任をされました。     ─────────────
  3. 森屋宏

    委員長森屋宏君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  デジタル社会形成基本法案外四案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官向井治紀君外十六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 森屋宏

    委員長森屋宏君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。     ─────────────
  5. 森屋宏

    委員長森屋宏君) デジタル社会形成基本法案デジタル庁設置法案デジタル社会形成を図るための関係法律整備に関する法律案公的給付支給等の迅速かつ確実な実施のための預貯金口座登録等に関する法律案及び預貯金者意思に基づく個人番号利用による預貯金口座管理等に関する法律案、以上五案を一括して議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 古賀友一郎

    古賀友一郎君 自由民主党の古賀友一郎でございます。  午前中の連合審査に引き続いて、デジタル改革関連法案について質問をさせていただきます。  我が国情報化デジタル敗戦とまで言われるほど遅れた原因については、午前中の質疑の中でも縦割りとか調達コストの問題とかございましたけれども、平井大臣はこれまで、要するに中途半端だったと、こういうふうに答弁をしてこられたわけでございます。  私、その中途半端の背景の中に、この情報化の光と影、このうちこの影の部分の不安について正しく恐れることができてこなかったんじゃないか、私、そういうふうに思っております。  その典型例住民基本台帳ネットワークシステムでございます。もう二十年以上前になりますけれども、ちょうどIT基本法ができた平成十二年頃ですけれども、私、この当時の自治省住基ネット立ち上げに携わっておりました。住民基本台帳の氏名、住所、性別、生年月日という本人確認に最低限必要な基本情報、それから個人を識別する住民票コード全国ネットワーク化するという、まあそれだけのシステムなんですけれども、それでもこれ、相当な反発がございました。  国が国民を管理する国民背番号制などというレッテルを貼られまして、法案審議から大変荒れました。法案成立後もネットワークに接続しない自治体が出てきたり、違憲訴訟を起こされたりと、結局、全ての自治体ネットワークに接続したのは平成二十七年の三月のことでございまして、法律改正から実に十五年八か月掛かっております。  これまで住基ネットは特段の問題なく稼働しておりますし、その後、住民票コードとは別にマイナンバーができたということを考えますと、あの騒動は一体何だったのかと、こう思わざるを得ないわけであります。  この不安が先に立つという傾向は、我が国では何も情報化に限ったことではございませんけれども、私は、今後この健全なデジタル社会を推進していくには、国民が正しく恐れるためのいわゆるこの情報リテラシー、すなわち情報技術知識だけでなく、モラルも含め、賢く情報活用する力を高めていくことが鍵を握ると、こういうふうに思っております。  そして、そのためには、特に子供の頃からそうした力を養っていくことが重要だと思います。文部科学省では新しい学習指導要領情報リテラシー教育を位置付けて取組を始めておられるようですが、具体的にこの教育現場でどのような取組がなされているのか。そしてまた、今回、デジタル社会形成基本法案成立した暁には、同法三十七条の重点計画にこの情報リテラシー教育を位置付けてしっかり取り組んでいくべきだと、こう思うんですけれども、御答弁をお願いいたします。
  7. 塩見みづ枝

    政府参考人塩見づ枝君) お答え申し上げます。  昨年度から順次実施されております新しい学習指導要領におきましては、御指摘いただきましたとおり、情報活用能力言語能力と同様に学習基盤となる資質能力と位置付け、中学校技術家庭科技術分野でありますとか、高等学校に新しく設けました必履修科目であります情報Ⅰを中心に教科横断的に育成するということとしております。あわせまして、日々の生活におきましてICTを利用する、活用することが当たり前となる中で、情報社会で適正な活動を行うための基となる考え方と態度である情報モラルにつきまして、この情報活用能力に含めまして着実に育成するということとしております。  このため、文部科学省では、GIGAスクール構想による一人一台端末の整備とその効果的な活用を推進するとともに、動画教材を含む教員向け指導資料あるいは研修教材作成配付スマートフォン等をめぐるトラブル防止のための児童生徒向け啓発資料作成配付などの取組を行っております。  また、御指摘デジタル社会形成基本法案の第三十七条に規定される重点計画で取り上げるべき事項といたしまして、第二項第五号に、教育及び学習の振興に関し政府が迅速かつ重点的に講ずべき施策が掲げられているところでございまして、法案成立後、関係省庁と連携を図りつつ検討していきたいと考えております。  今後とも、情報化社会を生きる子供たちに必要な能力育成に向けまして、情報モラルを含めた情報活用能力の一層の育成に努めていきたいと考えております。
  8. 古賀友一郎

    古賀友一郎君 ありがとうございました。  重点計画へ検討ということでありましたが、まあまだ法案成立前ですからそうでしょうけれども、しっかりこれは重点的に本当に取り組んでいただきたいと思います。  特に子供たちですね、このネットを介したいじめの問題とかがございますから、やっぱりこのリテラシーをしっかりとやっぱり幼い頃からよく教育していく、大変重要なテーマだと思いますので、よろしくお願いいたします。  そして、この情報リテラシー関係で私、今日特に取り上げたいのは、スマートフォンSNSとの付き合い方についてでございます。  最近、「スマホ脳」という新刊本が出て大変評判になっております。アンデシュ・ハンセンというスウェーデン精神科医の方が書かれたものであります。それによりますと、スウェーデンでは、大人の九人に一人以上が抗うつ剤を服用しており、睡眠障害若者の数も二十年前と比べて八倍になった、これはスマホの普及と軌を一にしていると、そうした傾向は、欧米だけでなく、アジア、中東でも見られるということであります。著者は、過剰なスマホ使用うつ危険因子一つだとの見解を述べておられます。  我が国でもここ数十年でうつ病が大きく増えていると言われておりまして、昨年、国立成育医療研究センター子供とその保護者を調査いたしましたところ、小学校高学年の一五%、中学生の二四%、高校生の三〇%に中等度以上のうつ症状があり、保護者の二九%にも中等度以上のうつ症状が見られたと、こう報告されております。もっとも、これはコロナ禍での健康状態を調査したものでありますからスマホSNSとの関係は不明でございますけれども、ステイホーム等でその利用が増えているであろうことは、これは想像に難くないわけであります。  このうつ増加スマホSNS関係について、これまで政府として特に調査研究したことはないようでございますけれども、これから我が国が本格的にこのデジタル社会を目指していくのであれば私はこの問題と正面から向き合っていかねばならないと、こう思うところでございまして、政府としてはまずはきちんと調査研究から取り組むべきだと考えますけれども、今日は厚労省からこやり政務官にお越しいただいておりますので、御答弁をよろしくお願いいたします。
  9. こやり隆史

    大臣政務官(こやり隆史君) 古賀委員指摘のとおり、近年、特にうつ病増加傾向にあります。こうしたことを踏まえまして、メンタルヘルスの不調、これを未然に防ぎつつ早期対応を図ること、これが極めて重要であるというふうに考えています。  厚労省といたしましては、今年度から、うつなどのメンタルヘルスに問題を抱える方々に対しまして、精神疾患への正しい知識を持ちながら、そうした患者さんに寄り添いながら支援を行う心のサポーターを養成するための取組を進めているところでございます。  今御質問にありましたように、現時点でスマホSNS使用うつ病関係について医学的な知見は明らかではないところではございますけれども、こうしたうつ病の要因を解明すること、これは極めて重要であるというふうに認識をしております。  こうしたことを踏まえまして、古賀委員指摘も踏まえまして、今後こうしたことについて知見を収集してまいりたいというふうに考えております。
  10. 古賀友一郎

    古賀友一郎君 ありがとうございました。  確かに、まだ因果関係は確たるものはないんです。この本の著者も、危険因子一つであろうと、こういうふうな見解ですね。  ただ、これは確定的因果関係を確立されるのを待っていては手遅れになる可能性があるということでありますから、しかもこのテンポの速い、技術展開の速い世界ですから、ここは遅れることなく、しっかりとその原因究明をしていくべきだと思うわけであります。是非取組をよろしくお願いしたいと思います。  こういうふうに申し上げるのも、特に私、子供若者スマホ漬けになっていることが心配なんですね。スウェーデンでは、七歳児はほとんど毎日ネット使い、十一歳児の九八%は自分スマホを持っていると。また、イギリス子供は毎日六時間半、アメリカの十代は何と毎日九時間ネットに費やしているとのことですが、ちょっと信じ難い数字なんですけれども、そういうふうに紹介されていると。  その一方で、これもまた象徴的なんですけれども、アップル創業者の故スティーブ・ジョブズ氏は、自分の身辺にiPadを置きもしなかったと。自分子供たちにもiPadを使う時間を厳しく制限していたと。また、マイクロソフトのビル・ゲイツ氏も、子供が十四歳になるまでスマホは持たせなかった。これは非常に示唆的だと思うんですね。  今朝も私、出勤途中で多くの中学生と路上で擦れ違いましたけれども、何とこの歩きスマホをしている中学生が多いことかと改めて実感をいたしました。電車の中でもみんな下を向いてスマホをいじっている光景というのは、これはもう日常のものになってしまっておりますけれども。  この本によれば、SNSというのは人の集中力や自制心を低下させるんじゃないかということで、スマホ使用を禁止した学校で全体の成績が上がって、その格差も縮小したと、こういうイギリスの実験結果も紹介されております。  そういったことを踏まえて、是非平井大臣にお願いしたいということでございますが、この今回のデジタル社会形成基本法案の第十二条では、新たな課題についても適確かつ積極的に対応することとなっております。  私は、このスマホSNS使い過ぎが人の健康に与える影響はまさに新たな課題だと思います。スマホうつ病因果関係については、先ほど来申し上げているとおり、まだまだ知見は少ないのかも分かりませんけれども、ただ、先週の質疑でも、厚労省は、電子機器の不適切な使用睡眠や聴力、耳ですね、に与える影響について周知啓発しているという答弁がございましたし、また、午前中の質疑でも、子供視力低下について文科省対応しているという御答弁も、これ平井大臣からあったと思いますが、そういったものもございました。  大臣常々おっしゃっているとおり、このデジタル化は人を幸福にするための手段にすぎないわけでありますから、デジタル化を進めて健康を損なってしまっては、これはもう本末転倒もいいところだというふうに思うわけであります。  そこで、今回のこの基本法案成立した暁には、スマホSNS使い過ぎがうつ病その他の人の健康に与える影響について、その調査研究を同法の重点計画に位置付けて、そして、この因果関係がはっきり確定するまで待っていては、これはもういつになるか分かりません。それこそ十年たつか二十年たつかということになってしまいますので、ある程度このグレーが、グレーが濃くなってきたというようなことが見えてくれば、これはもう対策を順次打っていくというような対応で臨むべきではなかろうかと、こういうふうに思うわけでございますが、平井大臣の御見解をよろしくお願いいたします。
  11. 平井卓也

    国務大臣平井卓也君) 古賀先生の今やり取りを聞いておりまして、もう私も全く同じ問題意識持っているなと自分で思いました。  私の世代は、要するに、アナログの世界でずっとやっていて、途中からこのスマートフォンを使うようになった、つまりデジタルネーティブではないんですね。ですから、我々の世代皆さんの中には、たまにやっぱりデジタルデトックスが要るという人たちもいると思います。ただ、子供たちは生まれたときからそういう機器があるので、全然我々とはまた違うと思います。そういう意味で、先生の御指摘は今後のデジタル社会を考えていく上で非常に重要だと思います。  そして、先ほども先生もお話しになりましたが、あくまでもそのデジタル化手段であって目的ではないと、国民皆さんの幸福とやっぱり安全、安心な生活を守るためにどうやってデジタル技術をつくって、使っていくのかということが重要なことで、結局、光と影、全世界的にこの議論はあるんだと思うんですが、光と影で、その影の部分より光の方が大きいと皆さん判断してこのデジタル化というのが進んでいるんだと思います。我々はその影の部分を小さくしていく努力をしなきゃいけないという意味で、先生の御指摘はもっともです。  そして、この十二条の中にも、社会経済構造の変化に伴う雇用その他の分野における各般の新たな課題について適確かつ積極的に対応しなければならないということは規定をされています。ですから、例えば、デジタル化の進展に伴う雇用減少とか青少年の健全育成のほか、当然その中には健康面の問題も含まれているということであります。  ですから、我々はやっぱり各省庁と連携してこのような問題に常に対応していかなければならないと、そのように思っております。
  12. 古賀友一郎

    古賀友一郎君 ありがとうございました。  平井大臣問題意識を全く一にさせていただいたというふうに受け止めております。健康問題もしっかり入るんだということでございました。  大臣おっしゃったとおり、この光と影をしっかり見極めると、そして正しく恐れる、正しく付き合っていく、これがやっぱり重要だと思うんですね。だから、私は大臣にお尋ねする前に、厚労省、こやり政務官に、その研究調査研究をまずやるべきだと、それに基づいてしっかりとして、国民に警鐘を鳴らすなら鳴らし、使い方を訴えるなら訴えて、そういうふうなやり方が必要だと。そのためには、この重点計画にきっちり位置付けて、一つの柱として取り組むべきだというふうに思ったわけであります。  先ほど、生まれたときからという話がございまして、まさにそうです、私もこれ驚いたんですけど、スウェーデンの例でちょっと割愛した部分で、まさに一歳未満の乳児が、四人に一人がインターネットを使っていると。乳児がどうやって使うんだと、こう思ったわけでありますけれども、二歳児では半数以上がネットに触れていると。  いや、本当なんだろうかと思うぐらい、もしこれが本当だとすればですね、これ、人類は一体どういう進化を遂げていくのかなというふうに思うぐらいでありまして、しかし、やっぱり人間が持つこの生来のものというのはそんなに私は変わらないと思うから、やっぱりそこはしっかりと、教訓教訓としてやっぱり得ていかないといけないと思うんです。ということで、しっかりこの法案成立の暁には大臣にお取組をいただきたいと、このように心からお願いを申し上げておきたいと思います。  そして、最後に一言、いわゆる二千個問題についても言及しておきたいと思います。  かつて私が自治省でこの個人情報保護条例を担当しておりましたとき、条例を持つ自治体はまだ半分程度でありましたけれども、今回この国と全ての自治体を通じた全国統一のルールで規律しようとすることは、この個人情報保護活用の両面からこれは大変画期的な取組だというふうに私も思います。  しかし、まさにこの二千個問題でございますから、実際に統一していこうということになりますと、具体的に条例のどこをどう改正すればいいかといったことや、あるいは、そもそも統一に消極的な自治体もこれは現れるかも分かりません。  政府法案策定過程地方側やり取りをされてきているようですけれども、円滑に統一していくためには、条例改正への支援を含め、全国自治体との丁寧なコミュニケーションが大変重要だと思いますので、是非政府のお取組を御披露いただければと思います。
  13. 時澤忠

    政府参考人時澤忠君) お答えいたします。  今回の改正に伴いまして、各地方公共団体におきまして、改正法施行までに、既存の条例の全ての規定につきまして、地域の特性に照らして存置する必要があるものとそれ以外のものを棚卸しした上で、必要な条例改廃を行っていただくことになるわけです。  法案成立後、国は、地方公共団体等における法の円滑な施行に向けまして、ガイドラインの策定等必要な助言を行うこととしております。その一環としまして、地方公共団体における条例改廃につきましても、法の趣旨を踏まえ、地域の実情を聞きつつ個別に丁寧なアドバイスを行っていくこととしております。  また、法の施行後におきましても国と地方公共団体の間で十分なコミュニケーションが図られることが重要と考えておりまして、そのような趣旨から、改正案では、個人情報保護委員会地方公共団体の求めに応じ必要な情報提供技術的助言を行うことを法律上の責務として明記したところでございます。
  14. 古賀友一郎

    古賀友一郎君 ありがとうございました。しっかりお取り組みください。  終わります。
  15. 木戸口英司

    木戸口英司君 立憲民主・社民の木戸口英司です。  午前中、総務委員会との連合審査があって、そこで質疑があった件で、ちょっと通告していないんですが、大臣小沢委員からワクチン接種の件があって、私もここ数日の報道を非常に気になって、先ほどの昼も、やはりワクチン予約で大変な行列ができている、もう二時間も待ったと、マイク向けられたお年寄りがもう声を荒げて怒っているような状況でした。  もちろん、元々そのワクチンの確保という問題がそもそもあるわけですけれども、やっぱりそのコミュニケーションですね、政府自治体、あるいは自治体とその住民皆さん、まあネットでなかなか予約できないという、そういう現実もあるわけですけれども、やはりここを、やはり自治体現場力だけでなかなか解決できない現状、そして、ネットができたから、できるようになればということでない、今の問題であります。  やはり、政府全体として、今日午前中からそういう議論があったということを是非政府内で共有をして自治体と一緒に取り組んでいくということを、そういう問題意識を持っていただきたいと思うんですが、大臣一言ここに答弁をいただけませんでしょうか。
  16. 平井卓也

    国務大臣平井卓也君) 何よりもやっぱり現場が大切だと思っています。現場が要するにスムースにその目的を達成できるように、そのシステムがそれをサポートするというのが本来の形だというふうに思っています。  河野大臣の下で、VRS、接種記録を開発したのは、都道府県別の状況を含む接種状況がもうオープンになると、これは官邸のウエブページでも公表できる、それまでのワクチン接種の記録では何か月も後になってしまうと。ただ、その入力に関して、今日のさっきの質疑じゃないですけれども、いろいろとまだ不慣れなところもあってと。ただ、そこはもう改善をするように全力を挙げたいと思います。  私のところにももういっぱい来ています、そういう話は。ただ、今後のこともあるので、これは中途半端にせずに、このシステムが今後ずっと機能するように、改修できるものがあるのであればそこでもしていきたいし、使いながら、何といいますか、熟度を上げていきたいと、そんなようにも思っております。
  17. 木戸口英司

    木戸口英司君 ないものはまあしようがない、だけれども、いつまでにどうできるのかと、そういったコミュニケーションがしっかり取られれば、我が国、日本人、しっかりと対応していく、そういう国民性だと思います。  そういった中で、自治体住民がああいう形で分断されているようなそういう姿というのは非常にこの危機の中でまずい状況ですので、政府としてはしっかりとその辺をサポートあるいは情報発信をお願いをしたいと思います。  そこで、資料一で配っておりますが、先週末こういう報道がありました。内閣府、ファイル共有ストレージに対する不正アクセスということです。  資料は配っておりますので、詳細は結構ですので、簡潔に原因と今後の対応を御説明願います。
  18. 大塚幸寛

    政府参考人(大塚幸寛君) お答えを申し上げます。  今委員から御紹介いただきました、内閣府職員等が外部との間でファイルの送受信を行う際に利用しているこのファイル共有ストレージに対して不正アクセスがなされたものでございます。  この不正アクセスを検知後、直ちにこのストレージをネットワークから遮断し、利用停止の上で調査を実施してまいりました。その結果といたしまして、この不正アクセスは、ストレージの脆弱性をつかれて、ストレージ上のファイルに対する不正操作が可能となったことによるものと判明をいたしました。そして、このアクセスを受けたファイルの中に二百三十一名分の公開されていない個人情報が含まれていることが確認されたところでございます。一方で、あくまでもこのストレージはLANの外に設置されたものでございますので、LANシステム内部への影響は認められなかったところでございます。  こうしたことを踏まえ、再発防止に向けまして、ストレージの開発元による対応に加えて、私ども内閣府におきましても、新たなファイアウオールを設置する、それから職員に対しても、こうした外部からの攻撃リスクについて改めて注意喚起を行うなどの再発防止の取組を行ったところでございます。  今回の一件も教訓といたしまして、引き続き情報システムの適切な運用に努めてまいりたいと考えております。
  19. 木戸口英司

    木戸口英司君 こういうことはあるものという中でどう対応していくかということだと思います。  大臣、これからデジタルガバメントということ、これからって、今もですけれども、その上で、先ほどNISCとの連携と、あるいは役割分担という答弁もありましたけれども、改めてこの教訓として今回の実態、どのように捉えておられますでしょうか。
  20. 平井卓也

    国務大臣平井卓也君) 情報システムのセキュリティー対策については、必要なセキュリティー機能がシステムに組み込まれているかを事前に検査すると、そしてセキュリティー対策の実効性を確認するために運用状況を継続的に監視をする、何らかのインシデントが起こった場合は、速やかに被害の拡大を防ぎ、回復のための措置を講ずること、これが基本で、それをちゃんとやらなきゃいけないというふうに思っています。  そして、こうした不正アクセス事案を含めて、サイバーセキュリティーリスクの高度化、複雑化が進んでいますので、デジタルガバメントの推進に当たっては、関係省庁が緊密に連携して、検査、監視、事案対処等の一連のセキュリティー対策を強化しなければならないと考えています。  そのために、デジタル庁としては、NISCとも連携して、情報システムに関する整備方針においてサイバーセキュリティーを含めた基本的な方針を示し、その実装を進めると。そして、デジタル庁にセキュリティーの専門チームを置いて、デジタル庁が整備、運用するシステムを中心に検証、監査をすることとしています。  いずれにしても、NISCを始め関係省庁と連携して、デジタル庁として必要な体制をまず整備してセキュリティー対策の強化に取り組んでまいりたいと思います。
  21. 木戸口英司

    木戸口英司君 まさにこのデジタル改革関連法案質疑、この最中にこういう問題が、もちろん前から分かっていたわけですけれども、原因究明をしながら今回のこういう発表になったと。非常に、むしろタイミングをよしとして、これからに向かっていく一つの奇貨にしていただければと思います。もちろん、こういうことがないようにしていただくことが一番であります。  そして、LINE問題、これも午前中の質疑でありました。総務大臣から行政指導の件は答弁があったところでございますので、委託先への高い安全管理措置が必要だと、そして技術的、組織的な安全管理措置を講ずる必要性ということで行政指導があったということは分かりました。  そこで、この問題が起こって、経団連と加盟企業に対する調査が行われているということを聞いております。この件、ここも簡潔に、どういう趣旨でこの調査が行われているのか、お尋ねをいたします。
  22. 福浦裕介

    政府参考人(福浦裕介君) お答え申し上げます。  事業者が個人データの越境移転をする場合、事業者が本人に対しまして分かりやすく丁寧な説明を行い、本人が個人データの提供について適切な判断を下せるようにしていくことが重要でございます。  令和二年の改正個人情報保護法では個人データの越境移転時に本人への情報提供の充実等を求めておりまして、当委員会では、この三月二十三日から、外国へのデータ移転の実態を把握するため、経団連等の経済団体を通じまして国内主要企業に対して調査を実施したところでございます。  現時点では調査結果を回収、分析中でございますけれども、これまで一部の国内事業者からは、自社社員等の管理、客へのサービス提供等のために外国へ個人データを移転しているとの回答が得られてございます。移転先国としては、その多くは米国、アメリカでございますけれども、中国、シンガポール、タイ等アジア諸国、欧州等と回答している事業者もございました。  今後、調査分析を進めていくことによりましてしっかりと実態を把握をしまして、令和二年改正個人情報保護法の円滑な施行に向けて努めてまいりたいと考えてございます。
  23. 木戸口英司

    木戸口英司君 今回の問題の件で、またこういった調査をされることでこの各企業の安全管理措置がしっかり進んでいくことは望ましいことだと思います。  また、しかし、余りここを、いろんな誤解があったり、この海外委託そのものがどうなのかという問題になってくると、これはこれまで進めてきた施策と整合性が取れなくなってくるということもあるんだろうと思います。  資料二でお配りしている、これ、個人情報保護法第二十四条を分かりやすくまとめている日経の記事でありますけれども、結局、この個人情報保護制度を日本と同水準のを持つ国、あるいはそういった体制ができている企業には、まず本人の同意が不要な条件としてあるということですね。また、管理監督、いわゆるデータガバナンスをしっかりしている企業であれば個人の同意が不要であると、そうでない場合は個人の同意が必要だという立て付けだという認識をいたしますけれども、こういったルールについて、大臣、今回、このルール整備に対する認識、あるいはデータローカライゼーション規制ということ、先ほどこれを強めていいのかと、まあ安全管理は大事ですけれども、ただただ強めていけばいいということではないんだろうと思います。  その辺の在り方ですね、今回のLINE問題を通してどのような認識を持たれているか、お尋ねをいたします。
  24. 平井卓也

    国務大臣平井卓也君) 先生の御指摘は大変重要だと思っています。  先ほど個人情報保護委員会からその答弁がありましたが、LINE社の事案については、LINE社において一定の措置はとられており、委託先に対する必要かつ適切な監督などについてより適切な対応を求め、指導が行われたということです。ですから、そこのところをちゃんと一般の方々にも理解をしていただくというのが重要だと思います。  そして、一般論として申し上げれば、現在、我が国の事業者は、各々の経営判断によって外国の委託先等に個人データを保管しているということがあります。このような中、個人データの外国への移転に当たっては、まず移転元の国内事業者が、移転先の国による個人情報へのアクセスを含め法制上のリスクを評価した上で移転の必要性を吟味し、本人にも分かりやすく情報提供が行うことが重要。先生の今日の配付資料というのもそこでは重要です。  この観点から、昨年成立した改正個人情報保護法において、個人データの海外への移転に際しては、提供先の外国の名称とか当該外国の個人情報保護制度等について情報提供の充実を求めるなど、外国への移転に伴うリスクに対処してきたということです。  一方、我が国は、データ・フリー・フロー・ウイズ・トラスト、DFFTを提唱しております。個人データの国内保管の義務付けについては慎重であるべきであり、個人情報保護に配慮しながら国際社会におけるDFFTの具体化に注力しているというのが我が国の立場だと考えております。
  25. 木戸口英司

    木戸口英司君 そうはいっても、海外委託のその委託先を監督してしっかりと安全管理をしていくというのは非常に大変な重い責任でありますし、重い作業であると思います。そこをしっかり指導していくのが個人情報保護委員会だと思いますので、引き続きその点は強化をしていただきますように、また、LINEの問題は非常に影響が大きかったわけでありますので、引き続きお願いをしたいと思います。  そこで、デジタルプラットフォームのルール整備ということで、昨年、特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律施行成立して公布されております、スタートしております。  デジタルプラットフォーム提供者が透明性及び公正性の向上のための取組を自主的かつ積極的に行うことを基本としてこの法律ができている、そして、競争政策の観点から整備されたものと、公正取引委員会との連携の下で規制が行われるということでありますが、この質疑、これは経済産業委員会だったわけでありますけれども、外国事業者を念頭にしながら、信頼関係を前提とした対話方式による方策でこの規制が機能するのか、また、関係省庁や公正取引委員会等の密接な連携による監視側の運用体制がしっかり構築できるのかという課題指摘されてきたわけであります。  一年たったわけでありますけれども、この規制の実効性について所見を伺います。
  26. 三浦章豪

    政府参考人(三浦章豪君) お答え申し上げます。  デジタルプラットフォーム取引透明化法では、御指摘のとおり、規律の大まかな枠組みを政府が提示しつつ、事業者の自主的な取組にも一定程度委ねながら規制の目的を達成する、いわゆる共同規制と呼ばれる手法を採用しております。この手法は、変化の激しいデジタル市場においてイノベーションと規律のバランスを確保していくということに適したものではないかと考えている次第でございます。  御指摘の規制の実効性についてでございますけれども、例えばそのプラットフォーム事業者による自主的な取組状況について、取引先事業者などの声も聞きながら評価する仕組みというのを設けておりまして、これを広く公表することで改善を促すということにしております。プラットフォームにとって利用者からの評判は極めて重要であるということから、このような方法には十分な効果が期待できると考えております。  さらに、関係省庁との連携を通じて規制の実効性を高めるという観点から、御指摘のとおり、独禁法違反のおそれがあると認められる事案を把握した場合には公正取引委員会に対処を要請するといった仕組みを設けております。  こうした様々な措置を組み合わせることでしっかりと実効性を担保していきたいと考えておりまして、今後とも、公正取引委員会など関係省庁とも連携しながら、デジタルプラットフォームをめぐる取引環境の改善に向けてしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
  27. 木戸口英司

    木戸口英司君 資料三でその法律のポイントをお配りしたところでありますけれども、やはり検証しながら、このデジタルプラットフォームの影響というのは、もう私が言うまでもない、生活、仕事、それこそ健康から、様々もうその影響なしには暮らしていけないような状況の中でどのようにこの公正性、透明性を確保していくかということは非常に重要であって、その上で、個人情報保護の観点からも、このデジタルプラットフォームの現状と課題と、これはまあ非常に広い質問の仕方で恐縮なんですけれども、この認識について大臣の御見解をお伺いをいたします。
  28. 平井卓也

    国務大臣平井卓也君) このデジタルプラットフォームというのには、この特定デジタルプラットフォームの透明化と、これは要するにメガプラットフォームのことを指すわけですね。デジタルプラットフォームといえば日本にもたくさんあるわけです。シェアリングエコノミーとか、まだまだ企業としてそういうちゃんとした経営基盤が確立していないもの等々ある。そういうものを一緒にしてはならぬというのがまず一つ私あります。  グーグルにしてもアップルにしても、プライバシーポリシー、もう自ら今大きく変えようとしているので、まずはそういうことを注視しながら、また政策体系も考えなきゃいけないというふうに思うんですが、いずれにせよ、そのデジタルプラットフォーム事業者は、自社のサービスの利用と引換えに大量のパーソナルデータを取得することができ、それをターゲティングに使う使わない等々があるので、そこの問題は非常に重要だと思っています。  データの取得、利用に関する透明性の確保とか、本人関与の実効性の確保、適切な個人情報の管理というのはもう社会的に非常に重要な問題というふうに思っています。  個人情報保護法においては、個人情報利用目的の公表等や第三者提供における本人同意の取得等の規律を設けて、さらに、令和二年改正において、利用停止、消去等の個人の請求権の拡大、提供元では個人データに該当しないが提供先で個人データに該当するデータの提供について本人同意を求める制度の導入、外国事業者を報告徴収や命令の対象とするというような制度改正をやって、あとは実効性を上げていくということだと思います。  今後も、個人情報保護委員会が公正取引委員会総務省、経済産業省等関係機関と連携しながらこれらの規律を的確に執行していくことが必要であろうと、そのように考えております。
  29. 木戸口英司

    木戸口英司君 私、資料四、資料五で消費者庁、公取委の調査をお配りしたところです。これは後で御参照いただければと思うんですが、やはり利用者の皆さんがこのプロファイリングあるいはデジタル広告に対する、許容できるかできないか、やっぱりできない、あるいは懸念を持っているというアンケート調査も出ております。  なぜ私こういう質問をしたかというと、デジタル庁が内閣の下に置かれて、そして内閣総理大臣がトップでスタートをすると。大きな力を持ってこのデジタル改革を進めていくという意欲は分かりました。  しかし、その中で、この個人情報保護という問題ずっと議論されてきたんですけれども、この二千個問題を克服しながら各自治体ともつながっていく、個人情報保護委員会がですね、そして、こういうデジタルプラットフォーム、特定デジタルプラットフォームの様々な課題に向き合っていくという意味でこの個人情報保護の体制が十分なのかということはずっと議論があったわけであります。  その意味で、このデジタル庁とのバランスといいますか、同じこの機会に、個人情報保護に対する体制強化、また委員会としての体制強化ということがやはり同時に進行していかないと、様々な懸念が前回の委員会でも指摘されたわけでありますので、デジタル庁に大きな権限が集められて様々な情報が吸い上げられていくんじゃないかということ、そのことをやはり私も指摘せざるを得ないわけであります。  その意味で、ちょっと質問飛ばしますけれども、この人員や組織の体制強化、委員会のですね、そのことは取り組んでいくと、検討していくという答弁が前回あったわけですけれども、その工程を具体的に伺いたいと思います。また、行政機関に対する勧告において、勧告を重ねて有効性がなかった場合と、あり得るんだと思います。勧告が絶対だということはあり得ないわけでありますから、より強い権限を持たせることを検討するべきと考えますが、大臣、いかがでしょうか。
  30. 平井卓也

    国務大臣平井卓也君) 今回の改正により個人情報保護委員会の所掌事務や権限が大幅に拡大強化されることになるので、個人情報保護委員会の人員や組織を十分に強化していくことは必要だと考えています。具体的な内容については、令和四年度からの改正法施行に向けて、機構・定員要求等の政府内での所要の調整プロセスを経た上で、それを国会に対してお示ししていくことになるというふうに思います。  また、個人情報保護委員会は、国会同意に基づき任命された委員から構成される独立規制機関であり、その勧告は行政部内において当然尊重されると考えています。したがって、行政機関が勧告に従わないことは法の趣旨に照らして想定し難いわけですが、万が一そのような事態が生じた場合は、最終的には、内閣のトップたる内閣総理大臣の指導の下、行政全体としての個人情報の取扱いの統一が図られるものと考えております。
  31. 木戸口英司

    木戸口英司君 もう時間になりましたのでこれを最後の質問にいたしますけれども、その内閣総理大臣がトップのデジタル庁の下にデジタル監が置かれるわけですけれども、特別職ということになりますね。このCIO補佐官の話も今朝、午前中あったわけですけれども、私はこのデジタル監の、特別職の国家公務員ということで、デジタル監も政治活動は自由ということでよろしいでしょうか。
  32. 平井卓也

    国務大臣平井卓也君) デジタル監は、デジタル社会形成の推進を担うデジタル大臣助言を行うとともに、行政各部の施策の統一を図るための総合調整に加え、マイナンバー本人確認に係る政策の企画立案、重要な情報システム整備管理等の固有の行政事務を担うデジタル庁において、デジタル大臣を助け、各部局が行う事務全体の監督を行うということでございます。  ですから、これから広く各界から適格な人材を今求めているところですが、政治活動は自由なのかということに関してですが、デジタル監の服務については、政治任用の特別職であるため、国家公務員法上の政治的行為の制限は受けません。しかし、法律上、国民全体の奉仕者として公共の利益のために勤務し、職務の遂行に当たって全力を挙げて専念すべき義務、法令及び上司の職務上の命令に従う義務、信用失墜行為の禁止、守秘義務、在任中の報酬を得て行うほかの職務等の制限が課されることになっており、政治活動であっても、これらの義務規定による制約を受けるというふうに考えております。
  33. 木戸口英司

    木戸口英司君 時間になりましたので終わりにいたしますけれども、報道等で出てくる話で、内閣情報調査室の質疑もいろいろあったわけですけれども、総理が選挙で遊説に出るときに内閣情報調査室でその資料を集めたりしていたというようなこともあります。そこは特別職じゃないわけですけれども、どうしてもそういうイメージが我々にも強くあるわけでありますので、その点はまた質疑する機会があればと思っております。  以上です。
  34. 小沼巧

    ○小沼巧君 立憲民主・社民の小沼巧でございます。  一週間前の議論に引き続きまして、本日もどうぞよろしくお願いいたします。  委員会立て込んでおったもんですからいつもどおりの丁寧な通告というものができておらずということでありまして、大変恐縮でありますが、御容赦いただければと思います。  一週間前の議論の確認からさせてください。事務的には確認しておったところでありますが、通告自体はしておりませんで恐縮でございますが、一週間前、様々な議論させていただきました。  教訓は何だったのか。それを踏まえて、法律の条文で言いますところの、いわゆるシステムの共同化ないしは集約に関する、の推進か、推進ですね、に関する考え方、定義、推進の十分条件はどういったものであったのか。重点計画作成ということにおきますけれども、重要な影響を及ぼすと考えられる、これはちょっとよく分からなかったんでありますけれども、その定義とか判断基準。そして、意見を聞く対象でありますね。平井大臣からも、現場のオペレーションがあるわけだということで、自治体の職員なんかも例に出していただきながら、それはまあ反省点としてちゃんとそういった意見も聞くということも担保していきたいというような話の答弁があったところでありますが、それらについて、私も自分自身の意見、見解も交えて質疑させていただきました。  それらの点について、修正、訂正すべき点がないということを事務的に伺っておりますけれども、その理解で合っているか、まずは御答弁をいただければと思います。
  35. 時澤忠

    政府参考人時澤忠君) お答えさせていただきます。  先般御答弁申し上げたところの確認でございますが、一点だけ、先生今御指摘ありましたように、地方自治に重要な影響を及ぼすというところにつきましては、先生からも恣意的な運用がなされるのではないかというようなことで御懸念があったと思います。それ以外のところにつきましての、共同の、集約又は共同の答弁についてはそのとおりでございます。  これを補足答弁させていただきますと、国の施策の充実あるいは適正化を図るために、国において地方公共団体の意見を直接又は間接に把握する手続を設けている法律というのは一定程度存在しております。これらの法律におきましては、地方公共団体から意見を把握する対象を定性的に規定する際に、地方自治に影響を及ぼすとか、あるいはその地方自治に重大な影響を及ぼすというようなこととしているのが一般的でございまして、今回のこの私どもの法律案につきましても、この後者の規定に倣ったということでございます。  ここで規定します重要な影響を及ぼすといった定性的な概念につきましてはあらかじめ網羅的に対象を確定することはできない、これは前回答弁申し上げたとおりでございますが、同種の法律と同様でございまして、個別の案件ごとに、地方自治体が講ずる施策あるいは業務プロセスに大きく関わり、地方公共団体の行政、財政等に重要な影響を及ぼすこととなるか、これを総合的に判断して、国が判断することになるわけでございますが、いずれにしましても幅広く意見を聞いていくということが大事でありましたので、大事であります。恣意的な運用にならないように、私どもとしてもその具体的な運用は検討してまいりたいと考えているところでございます。
  36. 小沼巧

    ○小沼巧君 補足の御答弁ありがとうございました。まずはそのピン留めをさせていただいたところであります。  その上で、通告の順番ちょっと逆にしまして、個人情報保護関係からお伺いしてまいりたいなと思っております。  午前中の質疑の中でも、やっぱりこの個人情報保護の話とかというのは非常に大きな論点になっておった、これまた連合審査のみならず内閣委員会の中におきましても様々論点になっておりましたので、やっぱり何だかんだ不安に思っているんじゃないかということがあるんだろうと思います。  先ほどの先生質疑の中でも、光と影というような表現の中で、そして大臣からも影の部分を小さくしていくといったような、そういうようなお話がございました。  法律の条文に基づいてということをやっている時間はこの限られた時間でございませんので、全般的な、根本的な考え方をまずお伺いしてみたいと思っておるのですが、何でこういうことで個人情報保護が心配なのか。何かどうやら、自分たち国民住民の心が縛られるような、そういう手段にされちゃうんじゃないだろうかというような不安とか思いというのはどうにもこうにも拭えないんだと、こういう思いがあるんじゃないかと思うのであります。  そういう意味で、デジタル化、これの推進が、国民を監視するみたいなこと、思想信条、表現、プライバシー、様々いろいろあると思いますけれども、そういった情報を集約して一元的に管理しちゃおう、こういう手段として用いられることがないんだよということは法律の解釈として確認しておくべき意義があると思うのでありますが、その点について、その解釈合っているのかどうなのか、その御見解をお願いできますでしょうか。
  37. 冨安泰一郎

    政府参考人冨安泰一郎君) 御答弁いたします。  今回の法案は、デジタル庁に情報収集に関する権限を付与するものではなく、個人情報がデジタル庁に一元管理されるということではございません。また、今回の法案は、個人情報の一元管理や集約を図るものではなく、国、地方公共団体において引き続きそれぞれが保有している個人情報は分散して保有、管理されることを前提として、システムやルールを標準化、共通化していくものでございます。
  38. 小沼巧

    ○小沼巧君 平井大臣、今のお話を踏まえて、御見解、簡単でいいのでお伺いしたいと思うんですが、一元的に管理するものじゃないんですよと、また、手段として監視するみたいな、そういう手段として用いられるものなんじゃないんですよというような趣旨答弁がありました。そういう理解の下に、そういう解釈の下に今後この法律が仮に施行された場合に運用していくということの考えなのか、その点についての一言いただけますでしょうか。
  39. 平井卓也

    国務大臣平井卓也君) さっきの答弁のとおりだと思うんですが、国民の不安というのは、その具体的な法律の内容というよりは、やっぱり社会や行政のデジタル化に対する全般的な不安ということだろうと思います。  先ほども古賀委員質疑の中に、国民背番号制の時代からずっと議論のあるところ、ここをやっぱり懸念がずっと続いていて、それはだんだん小さくなってきたと思います。国民背番号制の頃、またグリーンカードの頃、住基ネットの頃、そしてマイナンバーの導入、そして現在ということですが、一方で、じゃ、デジタル化せずに紙で管理していたら、誰が見たかも分からないし、どうコピーされたかも分からないという懸念はずっとあるわけです。  なので、いずれにしろ、懸念というものに対して丁寧に説明をしていくと。さっき答弁があったように、我々は監視社会というものをつくらないという前提でデジタル化を進めてまいりますので、その辺をどのように理解していただくかということだと考えております。
  40. 小沼巧

    ○小沼巧君 監視社会とか一元化とか手段にはならないんだ、そういう解釈なんだということと理解をいたしました。  さて、その上で、個人情報保護委員会等々の関係においてお伺いしてまいりたいと思っております。  今回の法律改正等々に加えまして、個人情報保護委員会、これは地方自治体などから必要な情報の提供ないし技術的な助言を求められた場合、これは迅速に対応することが必要なんだということの規定が維持、存続するということになるかと思います。  平井大臣に簡単にお伺いしたいと思いますが、これやっぱり、個人情報保護、この立法の趣旨として、個人情報保護委員会は所管というか組織的には違うのでありますが、立法の趣旨として、何か自治体とか地方公共団体個人情報保護委員会に問合せ、意見とか技術的な助言とかをやったら、その場合は迅速に対応するんだよ、個人情報保護委員会がというような考えがこの法律の中に含まれているというような理解をしてよろしいのかどうか、趣旨を伺います。
  41. 平井卓也

    国務大臣平井卓也君) 地方公共団体個人情報保護委員会に対して必要な情報の提供又は例えば技術的な助言を求めることができること、個人情報保護委員会は、求めがあったときは必要な情報提供又は技術的な助言を行うこと、これはもう改正後の個情法の百六十六条二項に明記してあります。  専門的知見を有する独立規制機関ですから、個人情報の有用性に配慮しつつ個人の権利利益を保護するという法の目的を達成するために適切な執行を行っていくということだと思います。これまでの事務で培ったノウハウを生かした必要な体制強化、それが同時に必要だと、そのように考えております。
  42. 小沼巧

    ○小沼巧君 まさに、ありがとうございます。その条文に、条文にそのように書いてあるところでございます。  私も、経産省におりまして実際業務を直接担当したことはこれないんですが、なかなかこの個人情報の在り方ということの背景には、裏側には、情報公開請求というものがありまして、これ非常に大変で悩ましいということが役所にいた経験から仄聞しておるところであります。  国会の場におきましても、様々な資料要求等々ありますけれども、実際に行政機関との間において情報公開請求というものがあると、解釈が正直どうしたらいいのかよく分からない、迷っちゃって。物すごく判断に迷う、かつ、それを大抵限られた期間、二週間とかそういった程度の期間の中にやらなければいけないということで、なかなかこれもう非常に忙しくなってしまうというところの現場の大変さということもあるところであろうと思っております。  その意味で、体制の整備とかもございますけれども、そんな二週間みたいなルールがあるというような中で迅速に対応していくということ、その意味で、個人情報保護委員会としても実際に迅速に対応してアドバイスをするんだと、こういうことを運用及び解釈上徹底していく、そのつもりがあるのかということを問うて、今やりたいと思いますが、見解はいかがでございましょうか。
  43. 福浦裕介

    政府参考人(福浦裕介君) お答え申し上げます。  当委員会におきましては、これまでの事務で培ったノウハウを生かしながら、必要な体制強化に向けて検討してまいりたいと思います。  必要となる人員につきまして、各府省、あと地方公共団体からの出向者に加えまして、民間での実務経験を有する者や弁護士さんの力も借りながら、多様な人材確保に努めて、迅速な対応にできるように、そういう体制整備に努めてまいります。
  44. 小沼巧

    ○小沼巧君 体制整備の話は分かりましたが、迅速にというのをそれどの程度と考えているのか。場合によっては、解釈によっては分からないと、問合せしたんだけれども、解釈について迷ってしまうということをやったとしても、所管の範囲内が物すごく今回広がってしまうわけでありまして、スピーディーに回答できるのかできないのかということ、これの実効性が分からないのであります。  実際問題、法律施行されて運用が始まったといったときには、例えば二週間以内だということだったら、例えば何日間か、一週間でもいいし、三日でも何でもいいんですけれども、回答はできないというような場合も想定されると思うんですけれども、そういった場合に、正直アドバイスに時間が掛かっちゃっている。資料が出せないのは正直やむを得ないんだというような声も実際アドバイスを求めた現場から出てくるのではないかと思いますが、その場合について個人情報保護委員会としてはどのような対応を取るのか。それは、やむを得ないことはやむを得ないんだ、個人情報保護委員会の方で仕事がちょっと遅れちゃっているんだということになるのか、その点について見解をお伺いいたします。
  45. 福浦裕介

    政府参考人(福浦裕介君) 今後の対応につきましては、法の円滑な施行に向けまして、地方公共団体向けのガイドライン等を整備する中でいろんなケースを整理してまいりたいと思いますけれども、いずれにしましても、地方公共団体からの要望に対しましては迅速に対応して、その施行に支障のないように取り組んでまいりたいと考えています。
  46. 小沼巧

    ○小沼巧君 もう一問だけ、済みません、迅速にというところの内容をガイドラインで定めるところでありますけれども、いついつまでに回答が欲しいという、求められたとして、それが返せなかったというようなことの場合も想定されるんだと思います。そのような場合について、個人情報保護委員会としてはどの程度説明責任を分担することになるのかということについてガイドライン等々で定める御予定はあるものなのか。あるんだとすれば、それはどのようなことになるイメージなのか。  この点、法案の実際の審議においては大事な点だと思いますので、現時点でお答えできる範囲で構いません。お答えいただけますでしょうか。
  47. 福浦裕介

    政府参考人(福浦裕介君) 重ねてのお答えになりますが、必要な具体的なケースについては今後検討してまいりたいと思います。  いずれにしましても、地方公共団体との間で十分なコミュニケーションを図れるように、いろんな取組を通じながら、法律上に位置付けられた、必要な情報の提供とか必要な技術的な助言を行う、そういう手法を用いながら、十分にコミュニケーションを取って迅速に対応してまいりたいと考えてございます。
  48. 小沼巧

    ○小沼巧君 三度御答弁を求めましたが、必要なというところが正直どの程度なのか、それは要件として十分なのかということが分からない答弁でございました。  この点、法案審議に今後必要だと思いますので、委員長、この点につきまして理事会におきまして、今の段階で考えておるイメージについて協議いただくようお取り計らいをお願いいたします。
  49. 森屋宏

    委員長森屋宏君) 後刻理事会において協議いたします。
  50. 小沼巧

    ○小沼巧君 それでは、通告の順番二番目になります。そして、前回の質疑で最後ほとんど一問だけになってしまった、いわゆるデジタルと成長戦略ということについてお伺いしてみたいなと思っております。  前回、最後の方の時間の質問になってしまいまして、デジタルというのは一体いかなる、どういう成長戦略として位置付けられているのか、その効果はどのようなものであるのかということを平井大臣から最後に答弁をいただいたところであります。速記録よくよく見てみますと、様々なこういうアプリケーションといいますか、いろんなことが考えられるよねということでありましたが、一週間たちましたので、もう一度あえてちょっと具体的にお伺いしてみたいと思うんですが。  いわゆる成長戦略としてのデジタル、その中で、今回の法案の範囲及び法案が波及するであろうところのデジタル化の様々な施策、成長戦略の中であると思いますけど、実際問題、経済波及効果、GDPは押し上げ効果でいいと思いますけれども、これは現段階でどの程度となると想定しておられるのか。これについて、現在における検討状況をお聞かせいただければと思います。
  51. 平井卓也

    国務大臣平井卓也君) 世界的なプラットフォーマーを含めて、今急激に成長している企業の多くは、デジタルを活用して社会課題の解決や生産性の向上を実現して、新たな付加価値を創造することで経済成長に貢献しているというふうに認識しています。  今年の一月に閣議決定した令和三年度の経済見通しと経済財政運営の基本的な態度では、実質GDPにおける民間企業設備投資について、足下の落ち込みからの持ち直しに加えて総合経済対策の効果もあって、デジタル化、グリーン化の促進等に伴い、対前年比二・九%程度増加する旨が記載されているなど、デジタルとグリーンが経済成長において重要と位置付けられているものと承知しています。  こうした経済成長を後押しするために、デジタル庁としても、デジタル改革の司令塔としての機能を発揮し、徹底した国民目線の行政サービスの創出により、生産性の向上を図るとともに社会課題を解決していくこと、また、これがまたビジネスになるというふうに思っています。そして、マイナンバーカード、ガバメントクラウド、ガバメントネットワークなど、デジタル社会に共通する仕組みを整備、普及することで、官民の効率的、効果的なデジタルトランスフォーメーションを進めることができるようになります。また、データ戦略に基づいて官民のデータ資源の利活用を促進することで新たな付加価値の創出を求めること、日本経済の成長の原動力となるように取り組んでいくことが重要だと思います。  このような取組は即効性があるものばかりではないんですが、不断の取組が必要であり、一概に効果の見通しを示すことは非常に難しい面もあるんですが、デジタル庁としても、重要な事項を中心に、KPIの設定や工程表の策定、具体化などを進めることで、未来志向のデジタルトランスフォーメーションに一歩一歩着実に実現し、日本経済の成長に貢献していきたいと考えております。
  52. 小沼巧

    ○小沼巧君 定量的にはちょっと難しいよねということでございました。  理解しつつも理解し切れないなという部分があるのは、二〇一〇年ぐらいのときに、ちょっと名前忘れちゃいましたけれども、課題解決型の国家戦略ということをうたっておりまして、グリーンとか情報通信とかそういったところ、あとはライフイノベーションですか、というところで市場を獲得していくんだと、蓄電池みたいなことについても、二〇二〇年にはシェアの五〇%をやるんだと言っていたんだけれども結局はできていないということを考えると、なかなかこれまでの状況どうだったのかなということを心配して、反省しなきゃいけぬところだと思っております。  その点、時間もなくなってまいりました。一個だけ。  デジタル化ということになりますと、情報通信、ITだと思います。その中で、結局は規模の経済のところに、であるんだろうと、研究開発投資とかぼんぼんやればデータの収益とか出てくるんだろうというところで、危惧されるのは地方の中小ベンダーであります。結局、規模の経済に基づいて地方の中小ベンダーとかは消えてしまうのではないか。新しいビジネスモデルの転換ということは言いますが、現実問題、転換できる体力も意欲もなかなか生まれてこないのではないかと。結局のところ、コストは下がるかもしれない、けれども雇用も失われる、地域経済の金が回る仕組みも失われてしまうということになってしまうのではないかと危惧いたしますが、この点、いかなる対応策を考えておられるのか、お伺いします。
  53. 平井卓也

    国務大臣平井卓也君) 地方自治体システム統一・標準化の取組は、住民記録や地方税等の地方自治体の十七の基幹業務について、各地方自治体が個別に利用しているシステムから、令和七年度末までにガバメントクラウド上で提供される標準準拠システムへ移行することを我々今目指しているものであります。  現在、地方自治体システムを提供するベンダーのサービス形態は多様なものが存在するため、地方自治体がガバメントクラウドを活用することによるベンダーの影響もいろいろなパターンがあると考えています。各ベンダーにおいては、地方自治体がガバメントクラウドを活用する取組によって、自らクラウド基盤整備することなく自社が開発したアプリケーションが全国展開する機会を得ることが考えられる一方で、新たなビジネスモデルを模索する必要があるとも考えています。  新たなビジネスモデルとしては、例えば、新しい技術、デジタル技術の活用や、行政サービスの高度化に資するシステムを開発することや、デジタル化の前提となる業務改革支援などにより地方自治体デジタル化をきめ細やかにサポートして、地域のデジタルディバイド対策を担うというようなこととか、地方自治体業務のそのアウトソーシング化の一端を担うという可能性も十分にあると思います。  デジタル政府・社会を実現していく中ではデジタル関係の業務はむしろ増加するというのは間違いなく、貴重なデジタル人材が個別に同じ改修を行う等の業務から、新たな価値やきめ細かなサービスを創造する業務へとシフトされていくように、地方自治体と協力しながら、中小ベンダーに対し理解を求めるとともに支援も行ってまいりたいと考えております。
  54. 小沼巧

    ○小沼巧君 時間が参りましたので、残余の質問は後日にしたいと思います。  どうもありがとうございました。
  55. 平木大作

    ○平木大作君 公明党の平木大作でございます。  本日は、まず、申請主義からの脱却という論点で平井大臣に二問ほどまずお尋ねをしていきたいというふうに思っております。  この給付を真に必要とする方に対して、例えば、制度が複雑で理解できないですとかあるいは知らない、また窓口に行く時間が取れない、さらには必要書類がそろわずに何度も出し直さなきゃいけないと。こういったもろもろ手続に伴う煩わしさなどから利用されないとかできないという、こういう問題に対して何とかこの行政のデジタル化ということを通じて解決を図れないか、これが党内でこの法案議論する中でも最も盛り上がった論点の一つだったというふうに思っております。    〔委員長退席、理事徳茂雅之君着席〕  これは、大臣がよくおっしゃるような、全ての行政手続をスマホで片手で九十秒以内に終わらせることができるみたいなものとも相通ずる論点なのかなというふうに思っていますが、今回、そういう意味でいきますと、この公的給付口座登録法と、これは給付における申請資料を脱却する上で大きな一歩だなというふうに思っております。  この点に関しては、もうこれまでの審議の中でも、例えば大臣の御答弁の中でいきますと、更に一歩進んで情報連携できれば本当に困っている皆さんに対してできるだけ早く給付ができるようになると、こういった旨の御答弁もこれまでにあったところでございます。  じゃ、次はどうなんだろうということを考えていきたいわけですが、やはりこの法案のある意味強力な推進剤になったのは間違いなく昨年行われたあの特別定額給付金、あれがなかなかうまく給付できなかったということがあったわけでありますから、この法案成立した暁には、そういった給付はできるように、大分スムーズにできるようになるんだろうというのは皆さんの中にも何となく認識としてあるんだと思っております。  ただ、やはりこれ、いわゆる全国民に一律に給付ということでありますから、給付の仕方としてはかなり特殊なわけですね。本来であれば本当に困っている方に状況に応じた給付ができれば一番いいわけでありますが、この一律の給付、全ての方にというものと、この必要な人を見付け出して必要に応じた給付をするというのは、ここの間には大分大きなギャップが当然あるわけでありまして、ではということでお尋ねをしたいわけでありますが、大臣がお考えになっている更なる情報連携の姿、また真に支援を必要とする方への給付の在り方ということについてお考えをお示しいただけたらと思います。
  56. 平井卓也

    国務大臣平井卓也君) 今回御審議いただいている公金受取口座登録法案は、国民の皆様に任意で公金受取のための口座をマイナンバーとともに登録していただき、その口座情報を災害や感染症などの緊急時の給付金等の支給に利用できるようにするものであります。  先ほど私の答弁を引いていただきましたが、更に一歩進んで情報連携ができれば本当に困っている皆さんに対してできるだけ早く給付ができると申し上げた趣旨は、公金受取口座登録法案によって、マイナンバーとともに事前に登録いただいた口座情報を緊急時の給付金等の支給に使えるようになることに加えて、緊急時の給付金等の支給においてマイナンバー利用して必要な情報連携ができるようになる、ここが大きいわけです。そして、災害とか感染症の緊急時に国民が困っている場合に、国民からの申請を待たずにプッシュ型に近い形で給付を行うことができるという趣旨でお話をさせていただきました。  このような給付は公金受取口座登録法案によって初めて実現できるものであって、まずはこの法案成立させていただき、それをできるだけ早く使えるようにしたいと、そのように思っています。
  57. 平木大作

    ○平木大作君 もう一問、今回の法改正では、法人は公的給付口座登録の対象となっておりません。しかしながら、自然災害ですとかあるいは感染症対策、こういったものの影響緩和のために迅速な支援を必要とするという点では、これ事業者も個人も変わらないわけであります。  これ、あえてちょっとお伺いするんですが、マイナンバーと法人番号というのは当然ちょっと性質が違う。違うわけでありますが、例えば今後この法人番号についても、今例えば対象を個人事業主に広げようですとか、様々活用の検討というのが進んでおります。  こういった形で法人番号と事業者の公的給付口座、ひも付けしていくことで、例えば昨年行いました持続化給付金のような支援について迅速な給付目指していくお考えはないのか、お伺いしたいと思います。
  58. 平井卓也

    国務大臣平井卓也君) その法人に関しては、ベースレジストリーの問題として今デジタル庁内部で、内というか、準備室等々で検討をしているところでございますが、今回の公金受取口座登録法はマイナンバー利用して個人に対する給付の迅速化を目的としたものであるので、事業者に対するその給付も当然、同様に迅速化する必要があるというふうに考えています。  例えば経済産業省では、各種の補助金申請について共通の補助金申請システムを構築するとともに、システムにおいて、事業規模、従業員数、業種等、一度入力した情報は以降自動的に転記されるワンスオンリーの取組を今進めているものと承知しています。  今後、給付迅速化の取組において、法人の口座登録を行おうとすれば登録申請者である法人を認証する必要があって、法人への電子証明の普及状況等を踏まえて制度所管府省で検討が進められるものと考えており、今後設置されるデジタル庁としてもその取組を後押ししていきたいと考えております。
  59. 平木大作

    ○平木大作君 ありがとうございます。  法人の場合、この個人情報保護の問題がないということと、あわせて、今御紹介いただいたように、ベースレジストリーというものをしっかり整備していくことで、ある意味必要なところに対して必要な給付というのを迅速にできる体制がやはり大きく近づくんだろうというふうに思っております。  電子証明のことですとかまだまだやらなきゃいけないこともたくさんあるわけでありますけれども、是非とも経済産業省また中小企業庁等とも連携しながら、事業者支援にも大臣にお取り組みいただきたいと思います。  それでは、以後の質問につきましては、前回大分積み残しをしておりましたので、前回の論点に少し戻って何問かお伺いをしていきたいと思っております。  まず初めは、データ活用の官民連携という論点でございます。  政府は、新型コロナ感染症が地域経済に与える影響というものを官民が持つビッグデータを活用して可視化するウエブサイト、V―RESASというものを公開をしております。これ、私も見てみて、非常に有用なデータがたくさんあるなと、こんなに細かくいろいろ出るんだなということも含めて拝見するんですが、やっぱり、これ基になっていく情報、データをたどっていくと、例えばクレジットカードの決済情報ですとか、スマホの位置情報あるいは検索履歴とか、こういったいわゆる個人情報のところが出発点となったものを様々に加工したり、匿名化したり、ビッグデータ化して活用しているわけであります。  改めて、これ、どのようなルール、基準の下に今活用をしているのか、またあわせて、これ利用している方からの声とか反響みたいなものもあればお示しをいただきたいと思います。
  60. 鎌田篤

    政府参考人(鎌田篤君) お答えいたします。  V―RESASにつきましては、新型コロナウイルス感染症が地域経済に与える影響を可視化するものでございまして、人の流れ、消費、飲食、こういったデータを都道府県やより細かい地域単位で表示するものでございます。これによりまして、地方公共団体、商工団体、金融機関などの方が政策立案や経営戦略の策定を行う際などにお使いいただけるというものでございます。  御質問情報の公開に当たりましては、V―RESAS上では、個人、個社に関する情報ではなく、地域ごとに集約した情報を指数化して表示をしているところでございます。また、表示する地域を細分化することによりまして個社が特定されて問題が生じるおそれがある場合につきましては、データ不足により非表示という対応をしているところでございます。  また、V―RESASの活用例といたしましては、例えば岐阜県庁や北海道庁で、新型コロナで落ち込んだ旅行業界を支援するための施策の立案ですとか効果検証、こういったものに活用されているところでございます。また、民間でも、補助金申請の際の事業計画策定の根拠資料として使われるなど、官民問わず様々な場面で活用されているところでございます。
  61. 平木大作

    ○平木大作君 ありがとうございます。  私、今大事な答弁を結構いただいたなと思っております。というのは、これまで、どうしてもこの出発点が個人情報であるというところですと、これまでよくあったのは、それ特定されたらどうするんだみたいな話が必ずあって、いや、それは匿名加工しているから大丈夫ですという、ある意味、何というんでしょうか、同じところをぐるぐる回る話になってしまっている。匿名加工というのは、その個人情報が突き止められないように、戻せないようにした加工という定義でありますから、それ、文字からいうとそのとおりなんですけれども、実際にそれが抜け落ちる場合があるというのが御懸念の点なわけですね。  こういうことに関して、例えば、今御答弁いただいた中でも、仮にメッシュを小さくしていって特定される可能性がある場合には非表示にしているとか、そういった運用の面での工夫みたいなものも今御紹介をいただいて、私、こういったことを一つ一つやはりしっかりと公表していく、これがやはり何よりも安心感につながるんだろうというふうに思っております。どうもありがとうございます。  もう一点、このデータの利活用ということに関して言うと、懸念点を払拭する意味で確認しておきたいんですが、昨年十月に開催をされましたデジタル改革関連法案ワーキンググループの第二回会合で、個人情報利用について、本人同意やデータホルダーによる許諾ではなく、相当の公益性をもって利活用を認めるというデータ共同利用権という概念が提起をされております。  こうした考え方について、政府見解をお伺いしたいと思います。
  62. 二宮清治

    政府参考人(二宮清治君) お答え申し上げます。  委員お尋ねのデータ共同利用権でございますけれども、今回の法案にこれに関連する規定は一切含まれてございません。  法案の検討のための政府内のワーキンググループにおきまして有識者からデータ共同利用権の創設に関する提案があったのは事実でございますけれども、政府といたしましては、データ共同利用権の創設について具体的な検討をしたことはなく、検討する予定もございません。  その上で、一般論として申し上げれば、他人の個人情報利用することにより得られる利益を権利と位置付けることにつきましては、本人の権利利益の保護を第一義的な法目的といたします個人情報保護法制の体系と整合しない可能性が高く、極めて慎重に検討する必要があると考えてございます。
  63. 平木大作

    ○平木大作君 これ、今、一つは権利という観点から今御答弁をいただいて、私も、これ、この考え方そのものが即世間に受け入れられるかというと、まあちょっと厳しいなと感じるわけです。  ただ、同様の、例えば、様々ないわゆるデータに関する考え方、見方というのはいろいろありまして、例えばですけれども、昨年一月の世界経済フォーラムでもAPPAという概念が提案されています。これ、オーソライズド・パブリック・パーパス・アクセスということらしいんですが、ちょっと訳を引かせていただきますと、例えば、医学、医療の発展や公衆衛生の向上等の合意がなされた特定の公的な目的のためであれば、必ずしも明示的な個人同意によることなく個人の人権を別の形で保障し、データへのアクセスを許可することで目的とする価値を実現するモデルと。ちょっと分かったような分からないようなところあるんですけれども、ただ、やはりこれ、明示的な個人同意なくてもデータを利活用していいんだという立場に立っている考え方が例えば提起されているわけですね。  ある意味一つは、今回の法案の中でも、デジタル社会形成基本法案九条では、民間が主導的役割を担うというこういう原則がうたわれているわけでありまして、この利活用の在り方って、やっぱり民間の知恵を活用するというところが最初になきゃいけないんだと思うんですね。  一方で、民主導でいろんな、こんな利用の仕方できたらどうだろうというものだけに引きずられていくと必ずしも個人の権利保護にやっぱりつながらないというのは、もうこれ、これまでのGAFAのデータ利用の仕方みたいなものを見ていても分かるところでありまして、ここでしっかりとやっぱり議論を整理していただいて、いろんな意見があっていいと思いますけれども、それに対して、やはり政府として明快な利用の、利活用の考え方、立場というものを示していっていただきたいというふうに思っております。  続いて、自治体のデジタルトランスフォーメーションについても何問かお伺いしていきたいと思うんですが、マイナンバーカードを用いて全国のコンビニで住民票の写しですとか戸籍証明書などを取得できるサービス、これ、マイナンバーカードがスタートをして、二〇一六年から始まっている、ある意味デジタル化によって行政の窓口に行かずにも行政サービスを利用できるようになった最初の取組なわけでありますけれども、この取組が参加団体の割合ではまだ半数程度ということでありまして、小規模自治体を中心に導入が進んでいない状況にあるようでございます。  全国でのサービス供用が遅れている理由について、また今後どう改善されるのかについて、総務省にお伺いしたいと思います。
  64. 阿部知明

    政府参考人(阿部知明君) お答えいたします。  マイナンバーカードを活用したコンビニ交付サービスについては、導入する市区町村の拡大に取り組んできたところでございます。令和三年四月一日現在、都市部を中心に八百四十六市区町村で導入され、サービス対象となる市区町村の人口の合計は一億人を超えているところでございます。このように、コンビニ交付サービスの導入団体やサービス対象人口は増加傾向にあるものの、システム構築、運用のコストなどの課題から、委員指摘のとおり、小規模な団体を中心に導入が進んでいない状況も見受けられるところでございます。  このため、昨年度、コンビニ交付サービスを運営する地方公共団体情報システム機構、J―LISと協力しまして、導入促進に向けた実証事業を実施してございます。小規模な団体が安価にサービスを導入できるよう、証明発行サーバーをクラウド化し共同で使用できるシステムを構築したところでございます。  コンビニ交付サービスは、マイナンバーカードの利活用方法の一つとして住民にとって利便性の高いサービスであることから、小規模な団体に対し今回構築したシステム活用も図りながら、今後更にその普及に取り組んでまいりたいと考えてございます。
  65. 平木大作

    ○平木大作君 小規模な自治体はコスト面ですとか様々なところで制約があると、そこにしっかり今支援していただいているというお話でございました。  やはりこれ、目的は行政サービス、要は住民サービスの向上ということであります。もう供用開始から五年以上たっている中で、やはりまだ半数近くの自治体対応できていないという状況、しっかり改善に取り組んでいただきたいと思いますし、これ将来的には、コンビニで取れるものが住民票の写しとか印鑑証明だけじゃなくて、例えば罹災証明書の発行みたいなことも御検討いただいているわけであります。まずはその最初の基盤でありますので、速やかに全自治体で取り組みいただけますようにお願いしたいと思います。  もう一問関連して、政府は二〇二〇年度末までに地方自治体によるオープンデータ提供の取組率一〇〇%とすることを目標に掲げてきております。進捗はどうなったのか。計画よりかなり遅れているということも聞きますが、この要因についてお伺いしたいと思います。
  66. 二宮清治

    政府参考人(二宮清治君) お答え申し上げます。  地方自治体によるオープンデータ提供の取組率は、現時点におきまして約六五%となっております。取組率に関して人口規模別に見てまいりますと、人口二十万人以上の都市における取組率は約九八%であることから、人口規模の小さい自治体における取組率に課題があるというふうに認識をしているところでございます。  また、地方自治体のオープンデータの取組に関するアンケートによれば、オープンデータに取り組めていないそうした自治体における課題といたしまして、人的リソース不足が一番の要因として挙げられているところでございます。こうした状況を踏まえまして、地方自治体の状況に応じてきめ細やかな支援を行うことができますよう、オープンデータに造詣の深い有識者をオープンデータ伝道師として任命をし派遣を行って地方の具体的な取組支援していきたいと考えております。  また、地方自治体がオープンデータに取り組めないほかの要因といたしまして、オープンデータの取組方が分からないとか、オープンデータの効果等が不明確だといった御指摘がございます。これらに対しましては、ガイドラインや手引書を作成したり、オープンデータ取組事例集、いわゆるオープンデータ一〇〇などの支援ツールを作成をいたしまして、地方自治体におけるオープンデータの取組支援を行ってきたところでございます。  さらに、オープンデータに積極的に取り組んでいる自治体もございますので、オープンデータの量のみではなく、データ活用の促進につながるオープンデータの質の向上、これも重要と考えておりまして、評価指標の検討などオープンデータの質の向上についても併せて取り組んでまいりたいと考えております。
  67. 平木大作

    ○平木大作君 こちらもやはり小規模な自治体が遅れているということで、オープンデータ伝道師とか、ある意味自治体に対するアウトリーチの支援をしていただいているということで、大変にありがとうございます。  もう一問、自治体の人材活用というところについても確認をしておきたいんですが、行政のデジタル化を推進をしていく上で重要なのが、片方には民間人材の活用ということがあるわけですが、やはりもう一方で、住民サービスをよく知る自治体職員、この力をしっかりと引き出す、連携をしていくということが大事なんだろうというふうに思っております。  この点について、最近、実は自治体職員間の連携というのが結構活発化してきているというふうにお伺いをしております。よく引き合いに出されますのが、LGWAN接続系のASPであるLoGoチャット、ここを活用して、この異なる自治体間の、自治体の職員同士が割と、これ、こうしたらいいよということを情報交換していると。昨年も、その特別定額給付金のときにも住民基本台帳とのこのデータのすり合わせやったわけですけど、あのときに、自分でエクセル上のVBAでプログラム組める職員の方が、ほかの自治体の方にも共有、ここを通じて共有してあげたということもあったようでありまして、やはりこういった自治体の中でなかなかまだまだ力を発揮し切れていない職員の皆さんのこの力というのを横展開するという意味では非常にいい取組なんだなというふうに思っております。  やはり次なる課題は、今度は国と自治体の、縦の連携と言うとちょっと違うのかもしれませんが、やはりここなんだろうというふうに思っています。この点については、ただ、フェイスブック上のグループでありますデジタル改革共創プラットフォームを立ち上げていただいておりまして、今も自治体職員の皆さんと活発に意見交換を取り組んでいらっしゃるということでありますが、この手応え、今のところどんな状況で取組をされているのかについてお伺いしたいと思います。
  68. 二宮清治

    政府参考人(二宮清治君) お答え申し上げます。  お尋ねのデジタル改革共創プラットフォームでございますけれども、こちらは現在、地方自治体システム等につきまして、現場の業務や技術面から検討を実施いただける全国自治体職員と省庁の職員が一緒になりまして議論を行っている場でございます。  まず、昨年十二月に先行的にフェイスブック上にベータ版を立ち上げました。現在、自治体省庁の職員合わせまして約一千百名が参加をしております。  寄せられた意見、質問に対し省庁側が迅速に回答を行うことで多くのやり取りが行われております。特に、内閣官房IT総合戦略室より意見募集を行いました地方におけるガバメントクラウドの活用につきましては百件以上、また、新型コロナワクチンの接種確認のシステムにつきましては三百件以上の質問や意見が寄せられているところでございます。  こうした質問、意見等の中には、例えば、ガバメントクラウドに関しまして、様々な移行パターンの検証やシステムの可用性の確保、システム間連携など、ガバメントクラウドへの移行に当たって特に検討が必要な視点について御提案をいただいております。また、新たに導入いたします新型コロナワクチンの接種確認のシステムに関しましては、自治体が管理する既存の健康管理システム活用したワクチンの接種者の登録も可能にするべきといった御提案をいただいており、実際の現場に即した意見が多数寄せられているものと考えております。  また、自治体職員の間でも、取組事例の共有など、有用な情報共有がこのプラットフォームを使って行われているものと認識をしております。  さらに、四月二十日でありますけれども、自治体職員が業務中に利用いただけますよう、インターネットとLGWANに対応した正式版の運用を開始をしたところでございます。今後、自治体デジタル化に関するテーマ等を更に活発に議論していく予定でございます。  いずれにいたしましても、デジタル改革共創プラットフォームを活用いたしまして、国と自治体の職員が対等な立場で、共につくり上げながら国と地方のデジタル改革に取り組んでまいりたいと考えております。
  69. 平木大作

    ○平木大作君 ありがとうございます。様々な声を御提案としていただいているということでありました。  先ほどもVBAの話を少しやりましたけれども、自治体の職員の皆さんの中にも、自分でプログラミングできるみたいなものも含めて、非常にこのITリテラシーが高い方がいらっしゃる。行政のこのいわゆる自治体の窓口のサービスもしっかり分かっていて技術にも通じているという方の御意見というのは本当に貴重だというふうに思っております。今後も連携を更に強めていただきたいということをお願いしたいと思います。  残りの時間の中で、マイナンバー制度についても幾つかちょっと確認をさせていただきたいと思います。  まず最初は、もう非常に基本的なところで一旦ちょっと確認をしたいんですが、そもそも今般のデジタル改革関連法案によってマイナンバー制度って変わるんでしょうかということであります。  マイナンバー自体の活用という点と、それからマイナンバーカードが内蔵するICチップを用いた公的認証、公的個人認証サービスの活用と、この相違にちょっと留意して、できる限り分かりやすく御説明いただけたらと思っております。
  70. 向井治紀

    政府参考人向井治紀君) お答えいたします。  マイナンバー制度でございますが、先生指摘のとおり、マイナンバーマイナンバーカードで大きくつくられていると。その中では、マイナンバーは番号でございまして、いわゆるIDというものでございます。これ、IDの番号というのは、民間でも、あるいはほかの役所でもいろんな番号ありますけど、マイナンバーの特徴は、住民全員に、かつ重複がないというところが特徴でございます。したがって、基本的にはこれで本人を特定できるというものでございます。    〔理事徳茂雅之君退席、委員長着席〕  そして、それは、例えば大きな国税とか年金のような組織ですと、同じ人間を違う人間として扱うようなミスが過去には起こっておりました。年金なんかで起こっておりますけれども、これらをまず一意に個人を特定できると。さらに、違う機関間、例えば地方税、地方になりますと、A市にあります所得情報の、Aさんの所得情報、一方で年金機構にありますA期の年金情報、年金の事務には所得を使うことがよくございますが、そういった場合に、この年金機構にあるデータベースのAさんと自治体のデータベースにあるAさんが同じであるということが特定できると。したがって、これまで例えば所得証明を持って、紙で持ってきていただいたものをバックオフィスで連携が可能になるというものでございます。  そのIDでございますが、このIDの仕組み自体は基本的に今回の法案では変わってございませんし、また、いわゆる情報がそれぞれの、自治体なら自治体、年金機構なら年金機構にあるという分散管理も変わってございません。それを維持した上で、そういった情報連携、情報やり取り、これも特定の機関が全てを見れるということではございませんで、これまで紙で持ってきていただいたものをバックオフィスで連携すると。したがって、マイナンバー情報連携をしたからといって、その情報連携でもらったところの組織の情報が増えるわけではない。  これまで紙でもらってきたものが基本バックオフィスで来るものというふうな理解していただければいいと思っておりますが、そういった情報連携、これを、先ほどの大臣答弁にもございましたように、公的な交付金給付に使っていくというふうにございますけれども、それ以外にも、マイナンバー情報で、マイナンバーを、今回の法案ですと、看護師、保育士などの社会保障・税分野の三十二の国家資格の登録変更等の事務においてマイナンバー使いまして、情報連携により戸籍謄本とか抄本の添付を省略可能とするようなことを考えてございます。  一方で、マイナンバーカードは、先生指摘のとおり、基本は本人を確認するもの、マイナンバーは特定し、マイナンバーカードは本人を証明するものでございます。その中で、記載情報を証明する、いわゆる対面もございますが、一番重要なのは、先生指摘のとおり、チップに入っております公的個人認証でございまして、この制度も、この制度は元々民間も、官民共に利用可能であるということでございまして、先ほどもありましたように、コンビニ交付なんかでも、マイナンバーカードでコンビニ交付をやるというものでございまして、この仕組み自体は基本的には変わってございませんが、今回の法改正によりまして、例えばマイナンバーカードの取得とかそれから更新時の利便性の向上ですとか、あるいはマイナンバーカードの公的個人認証の部分スマホに入れることを可能にするような法改正をしているところでございます。  いずれにいたしましても、この今回の法改正におきまして、マイナンバー基本的な部分は変わらずに、より利便性を向上する、あるいは安全性を向上するというふうな改正をしているところでございます。
  71. 平木大作

    ○平木大作君 なかなかこの部分が、最初の一歩なんですけど、やっぱり認知をされていないというところがあります。  そこに関連して、ちょっと最後に一問だけ聞いておきたいと思うんですが、昨年末、これ日経新聞なんですけれども、政府は、小中学校学習履歴やテストの成績をマイナンバーにひも付けてオンラインで管理する仕組みをつくり、二〇二三年度にも試行する方針を固めたと、こういう報道がありました。政府自分学習履歴を生涯管理されるのかみたいな批判もあったわけであります。  この点について、最後に文科省に説明を求めたいと思います。
  72. 高口努

    政府参考人(高口努君) お答えいたします。  昨年十二月に閣議決定されましたデジタル・ガバメント実行計画におきまして、マイナンバーの利活用の促進方策の一つとして、学習者のIDとマイナンバーカードとのひも付け等転校時等の教育データの持ち運び等の方策を二〇二二年度までに検討し、二〇二三年度以降、希望する家庭、学校における活用を実現できるように取り組むことが示されております。  議員御指摘の報道はこの記載内容に関するものと考えられますけれども、本実行計画の記載は、転学、進学時などの教育に関する情報の引継ぎなどに、マイナンバーそれ自体ではなく、マイナンバーカードの活用方策について検討するという趣旨でございまして、文部科学省では現在、本実行計画を踏まえ、マイナンバーカードの活用方法や可能性について検討しているところでございます。
  73. 平木大作

    ○平木大作君 ありがとうございます。  マイナンバーと、そのカードを使った個人認証、これだけでも、ちょっと取り違えると本当に全く違う印象を与えてしまうということであります。様々これからも議論ある中でしっかりと説明をしていただきたい、このことをお願い申し上げまして、終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  74. 柴田巧

    ○柴田巧君 日本維新の会の柴田巧です。  まず、デジタル庁についてお聞きをしたいと存じます。  本会議でも、また先週のこの委員会でもデジタル庁の、ついてお聞きをしてきました。というのも、前にも申し上げましたように、このデジタル庁が本当に期待された仕事ができるか、機能を果たせるか、これがこのデジタル社会形成していけるか否かの一番のポイントだと考えますので、このデジタル庁の在り方、人材や仕事ぶり等々、他国で成功している例も参考にしながら、比べながら質問していきたいと思いますが。  とにもかくにも、このデジタル庁の守備範囲は極めて広いと。七つの柱があって、その対象とする、業務対象とするところですね、例えば、国の情報システム、地方共通のデジタル基盤マイナンバー、民間、準公共部門のデジタル化支援、データ利活用、サイバーセキュリティー、そしてデジタル人材の確保などなどがあります。  加えて、各府省に対する勧告権を含む総合調整機能、そして、政府全体のシステムを企画立案をし、情報システム整備、管理に関する事業を統括、監理をして、予算を一括計上した上で当該事業の全部又は一部を自ら執行するということで、非常に高度な仕事もしなきゃならぬということになるわけであります。  このデジタル庁、この法案成立、九月にスタートをするということになるわけですが、五百人規模で発足ということになるわけですが、今申し上げたような仕事をしっかりやっていくとなると、近い将来、もう体制の強化充実というのは今五百人規模で出発するとしても必要になるのではないかと思っていまして、この点、どういうふうに大臣は考えていらっしゃるか、まずお聞きをしたいと思います。
  75. 平井卓也

    国務大臣平井卓也君) 議員の御指摘のとおり、デジタル庁は、重点計画整備方針などを策定して、国、地方公共団体、準公共部門等の情報システムを統括、監理して、重要なシステムについては自ら整備するとともに、マイナンバー等のID制度や公的機関が保有する社会の基本的なデータ、ベースレジストリーの整備に関する企画立案など、デジタル社会形成に向けた企画立案を行うなどといった幅広い事務を担うと、当然また法律も出していかなきゃいけないということでございます。  一方、人的リソースが限られていることから、政策課題の進展や業務の遂行状況等に応じて柔軟に業務配分の見直しを行う必要があると思います。先日の質疑においても答弁させていただきましたが、デジタル庁では、局長級の統括官や課長級の参事官といった柔軟な業務の配分を可能とする組織形態を取ることで、プロジェクトごとに官民共同のチームを組成して機動的にプロジェクトを進めていこうと考えています。  また、一部システム整備、運用や、準公共分野におけるデジタル化支援及びデータ利活用環境の整備などに当たっては、デジタル庁が関係省庁と連携して取り組んでいかなければならないというふうに考えています。  他方で、特にデジタルの分野は技術の発展やそれに伴う行政需要の変化等が急速に進むということから、デジタル庁が求められる役割やそれに伴う業務量の変化に応じて、更なる体制強化を含めて必要な体制を適切に整備していかなければならないと考えています。  当初から、小さく産んで育てようというふうなことを私も考えておりまして、日々日々こういう委員会答弁の中でも、デジタル庁の仕事が増えていっているということもあると考えております。
  76. 柴田巧

    ○柴田巧君 いろんな組織も今までにない文化でつくっていく必要があると思いますし、今どうしてもデジタル庁というとこの高度IT人材のことにばっかりに集中しがち、関心が行きがちなんですが、例えばデンマークとか韓国とかこのデジタル庁的な組織を持っているところ、そして成功を収めているところは、そういう人材はもとよりですが、やはり医療とか教育とか金融とか法律とか、そういう専門家も登用しているわけですね。このITベンダーとかあるいは行政機関の双方との専門的な対話や橋渡しが可能なそういった人材も、積極的に優秀な人材を取り入れていると、それで成功を収めているというところがありますので、是非そういったことも頭に入れながら、大変高度な仕事をする役所になる、デジタル庁になると思いますので、その点もしっかりとやっていただきたいと思います。  次に、先ほどからも取り上げてはありますが、重点計画についてお尋ねをしたいと思いますが、今般の法改正が行われれば、これまでIT基本法に基づいてIT総合戦略本部がこの重点計画というのを作ってきましたが、これからは、法律が、今般のこの改正が行われればデジタル庁が作成をするということになります。  このデジタル社会形成基本法案の三十八条では、重点計画以外の国の計画は、デジタル社会形成に関しては重点計画基本とするものとすると規定をされました。これはIT基本法にはない規定です。新たに設けられたわけですが、つまり、これによって重点計画がこのデジタル社会形成に関する言わばマスタープランになったと、これまでの重点計画とはちょっと格上げになって次元が違うものになったというふうに理解していいんだと、重みが違うというふうに感じているわけですが。  そこで、このデジタル庁、九月に発足するということになるわけですが、法案が通れば、重点計画作成すると、デジタル庁が作成するということになっているわけですが、この発足後、年内にはこれ初計画を作成すると、デジタル庁が、そういうことになるのか、そしてこれは、重点計画は毎年作成をしていくということになるのか、これはどういうふうに考えているのか、大臣にお尋ねをしたいと思います。
  77. 平井卓也

    国務大臣平井卓也君) 委員指摘のとおり、デジタル社会形成基本法案第三十七条では、政府デジタル社会形成に関する施策について重点計画作成しなければならないと規定されています。そして、関連法案成立した後は、この新法に基づく重点計画については、デジタル庁の発足後速やかに、遅くとも本年中には策定、作成したいと考えています。  また、その後は、デジタル技術の進展の動向、既存施策の進捗状況や新たな施策の必要性等を勘案しつつ、基本的には毎年度計画の見直しを行うことを予定しております。
  78. 柴田巧

    ○柴田巧君 ありがとうございます。  この重点計画が大変大きな意味を持ってくると思っていますが、この作成に当たっては、三十七条の四項で、内閣総理大臣は、サイバーセキュリティ本部及び個人情報保護委員会の意見を聴いて重点計画の案を作成し、閣議の決定を求めなければならないとされています。また、この第五項では、地方自治に重要な影響を及ぼすと考えられる施策について定めようとするときは、都道府県知事を始め議長会とか市長会とか全国的な連合組織の意見を聴取しなければならないとされているわけですが。  これまでの反省に立って、このデジタル庁をつくり、そしてこの関連法案を今審議をしているわけですが、やはり国民が安心して利用するという視点が今まで欠けていたと思いますと、これから、この重点計画作成に当たっては民間の、あるいは民間団体と言ってもいいのかもしれませんが、意見も十分に聞いていくということが非常に重要なことで、これが国民目線というか、大臣国民起点のという言葉を使っていらっしゃるときもありますが、そういうデジタル社会をつくっていける第一歩になるんではないかと思いますが、この民間などからの意見の聴取、どういうふうに考えていらっしゃるか、お聞きをします。
  79. 平井卓也

    国務大臣平井卓也君) 委員の御指摘のとおり、デジタル社会形成基本法案第三十七条では、内閣総理大臣は、サイバーセキュリティ戦略本部及び個人情報保護委員会の意見を聴いて重点計画の案を作成しなければならないこと、重点計画の案において地方自治に重要な影響を及ぼすと考えられる施策について定めようとするときは、いわゆる地方六団体の意見を聴かなければならないことを規定します。  他方、民間についてはこのような意見聴取の対象とはしていないが、デジタル化を官民一緒になって推進する上では、例えば、技術の進展や市場動向の変化のスピードが増している中で、そうした状況等について民間各界の有識者の方々の意見をお聞きすることが今まで以上に重要であり、基本法案においても民間の知恵を積極的に活用することを規定しています。  今後、重点政策の作成に関して、必要に応じてですが、有識者等を含む会合の開催や、デジタル庁に置かれるデジタル社会推進会議において有識者から意見を聴取する場を設けることに加え、様々な場を活用して有識者との意見交換を行うなど、今まで以上にその有識者の知見活用してまいりたいと思います。  また同時に、もう既にオープンにしておりますが、アイデアボックスがもう一般の方々からもたくさんの御意見をいただいています。それを全部我々オープンにして、その上位のものは実現をさせていこうという方針でやっておりますので、そういう意味では、ありとあらゆる方の意見を聞いていこうと、そのように考えています。
  80. 柴田巧

    ○柴田巧君 今大臣もおっしゃったように、やっぱり国民各界各層のいろんな意見も聞いていただいて、これまでのデジタル政策の失敗は、やはり国民目線というか利用者目線が欠けていたというところがありますので、しっかりそういう場面をつくっていただきたい、そして、良いものはまた取り入れていただきたいものだと思います。  次に、デジタル化というのは、このやっぱり行政改革、規制改革と一体となってやっていくべきもので、他国もそういうことをやっているわけですね。例えば、デンマーク、韓国などでも、要するに行革を進める組織とこのデジタル庁的な組織が一体になってやっているわけでありまして、日本も既にそういう空気があるのは事実ですが、その規制改革とか行革も相まって一緒にやっていくというのが必要だと思っています。  そういう意味においても、この重点計画にやっぱり具体的な行政改革あるいは規制改革のものを盛り込んでいくということが必要になるんではないかと思いますが、大臣の御見解をお聞きをしたいと思います。
  81. 平井卓也

    国務大臣平井卓也君) デジタル化の効果を最大限に発揮するためには、既存の業務を単にシステムに置き換えるだけでは足りないと、デジタルを前提として業務プロセスを再構築する業務改革が必要であり、それに伴い、行政改革や規制改革も当然必要になります。  また、デジタル化の推進と規制改革はコインの裏表の関係であるとの認識の下、私と河野規制改革担当大臣関係大臣と意見交換を行う、2プラス1と我々呼んでいますが、これを順次開催しています。  デジタル社会形成基本法案第三十七条第二項では、重点計画に記載する事項として、国及び地方公共団体情報システムの共同化や経済活動の促進に関し政府が迅速かつ重点的に講ずべき施策が規定されており、これらには、行政運営の簡素化及び効率化を図るための国におけるデジタル化の推進、これ第二十九条ですね、情報通信技術の進展の状況や個人情報の有用性、保護の必要性を踏まえた規制の見直し、これが第二十六条ですが、含まれています。  こうしたことを踏まえまして、関連法案成立した後は、デジタル庁として、内閣府規制改革推進室等と連携して、デジタル社会形成に資する行政改革、規制改革についてしっかりと重点計画の中に盛り込んでまいりたいと考えております。
  82. 柴田巧

    ○柴田巧君 今大臣答弁されたように、行政の業務を単にデジタル化、デジタルに置き換えるだけのそういう旗振り役だけではなくて、やはり前例の踏襲主義とかあるいは旧態依然とした規制を打破をしていくと、そして、省庁横断的な行革を断行するための手段としてこのデジタル技術の導入や標準化、共通化を主導するというのがやっぱりあるべきデジタル庁の姿ではないか。他国でもそういうことで成功を収めているわけですので、是非こういう考え方に立って行革、規制改革も併せて進めていけれるようにしていただきたいと思います。  次に、こうやって、その重点計画というのは、先ほども申し上げましたように、今までになく大変重いものになります。この重点計画に定める施策については具体的な目標と目標達成期間を定めることとしているわけですが、もし、目標が定められない、あるいは期間が終了しても目標が達成できない事態が続くという場合は、やっぱりデジタル庁として、デジタル大臣としてというのが正しいのか、勧告権がやっぱり行使される、是正をしなさいと、こういうふうに直しなさいということ、早く達成しなさいと、こういうことを行使することもあり得るというふうに考えていいかどうか、大臣にお聞きをしたいと思います。
  83. 平井卓也

    国務大臣平井卓也君) 重点計画には、原則として施策の具体的な目標や達成期間を定めるということにしています。重点計画は、デジタル庁の長である内閣総理大臣が案を作成し、閣議決定を行うものであり、デジタル大臣は、その調整過程において、内閣総理大臣を助け、各施策の取りまとめに当たる役割を担うということであります。したがって、重点計画に必要な目標が定められず、デジタル大臣関係行政機関の長に勧告を行わざる得ないような事態が生じることは基本的には想定していません。  重点計画の進捗状況については、デジタル庁に置かれ全閣僚で構成されるデジタル社会推進会議において、適切にフォローアップを進め、目標の達成に向けて必要な調整を図っていくことになります。そのような仕組みの下、一義的には施策に責任を持つ各府省において必要な改善等が図られることになります。  したがって、目標の達成期間が終了しても目標が達成できないとして直ちにデジタル大臣が勧告権を行使せざる得ないような事態が生じるとは想定しておりませんが、そのような取組を経てもなお改善が必要な事態が生じ、行政各部の施策の統一を図るため特に必要があると認めるときは、デジタル大臣が勧告権を行使する場合もあり得ると考えております。  いずれにしても、勧告権については、個別の施策についてそれぞれの進捗状況等を勘案して行使するものであり、その判断を適切に行うことが必要と思います。デジタル庁が勧告権の行使を含めた総合調整機能を適切に発揮することによって、強力なデジタル政策の司令塔として社会全体のデジタル化を進めてまいりたいと考えております。
  84. 柴田巧

    ○柴田巧君 ありがとうございます。  いずれにしても、この重点計画は今までにない大変重要なものになってくると思います。しっかり丁寧に、作成するに当たっては関係機関の、民間も含めていろいろ声を聞きながら、聴取をしながら作っていただき、いろんな施策を前に進める、やっぱり、何というか、起爆剤というか大きなマスタープランに是非していただいて、勧告権を行使しなくていいような中でしっかりと前に進んでいくようにやっていただきたいと思います。  次に、個人情報権利の保護とデータの利活用のバランスということでお聞きをしたいと思いますが、そもそも二〇一九年の一月でしたか、世界経済フォーラムの年次総会で、日本から世界に対して、信頼性のある自由なデータ流通、データ・フリー・フロー・ウイズ・トラストですね、DFFTを提唱して以降、このG7あるいはG20、OECDを始めとした様々なフォーラムでこのDFFTの重要性について確認をし、議論が重ねられてきたというところであります。  大臣も、デジタル庁はデータに関するオーソリティーとしてデータ戦略の実行を進めていかなければならない、トラストの部分に関してもこれからデジタル庁がきっちりとその根拠をつくっていかなければならないという答弁もされていますが、この個人情報、プライバシーの保護とデータの利活用とのバランスについて、各国の立場様々ではありますけれども、このDFFTの考え方をどう我が国としては発展をさせ、この日本のデジタル政策に反映をさせていくのか、大臣にお尋ねをしたいと思います。
  85. 平井卓也

    国務大臣平井卓也君) 先生がお話しになったとおり、我が国は、G20大阪サミットにおいて、信頼性のある自由なデータ流通、DFFTを重要なコンセプトとして提唱して、多くの国から賛同を得ました。日本が目指しているそのデジタル社会というものは、中国のような監視型、監視社会型でもなく、アメリカのような自由なデータ流通、通信のための事業者による保護の重視でもない、もう一つの方向性として、保護活用のバランスを図るものと考えています。  昨年末、データ活用について、我が国初となるデータ戦略を策定し、我が国初のデータ戦略として、データ戦略タスクフォース第一次とりまとめを公表したところでございます。データ戦略においては、個人情報を始めとしてデータの保護と利活用のバランスを図ることが重要であり、誰がいつアクセスした等のアクセス情報を本人が確認できるようにするなど、データ運用における利用者の信頼性の確保を図る必要があるとされたところでございます。具体的には、個人情報保護に関しては、OECDプライバシーガイドラインに係る取組の推進に加えて、日米欧を中心に個人データ流通に関する相互運用可能性の向上などについて取り組もうということになりました。  今後、デジタル庁は、データのオーソリティーとしてデータ戦略の実行を進めて、信頼性のある自由なデータ流通に資するルール作りの具体化を図っていきたいと考えております。
  86. 柴田巧

    ○柴田巧君 日本国内ではそういう取組是非進めていただきたいと思いますと同時に、このDFFTの提唱者として、我が国のこの安全で信頼性の高いデータの越境ルール、越境移転ルールを、価値観を有するこの国々とともにやっぱり推進をしていく必要があると思っていまして、だんだん理解もされつつあるというふうな認識はありますが、このDFFTというコンセプトに基づき、このデータ戦略を策定、具体化し、グローバルなルール形成に日本はやっぱりリーダーシップを発揮をしていくということが非常に重要だと思っていますが、これはどういうふうに取り組んでいかれるか、お尋ねをしたいと思います。
  87. 平井卓也

    国務大臣平井卓也君) 例えば、これまでデジタル貿易に関して、我が国はDFFTの提唱者としてグローバルなルール形成にリーダーシップを発揮してきました。TPP、日米デジタル貿易協定、日英EPAを始めとするデジタル貿易分野の国際的なルール作りを主導してまいりました。また、WTOにおいて、電子商取引に関する国際的なルール作りの交渉を共同議長国として推進しています。  DFFTの具体化には、貿易のみならずプライバシーやセキュリティーなどの分野にも取り組む必要があり、基本的考え方や理念を共有する国々との間からまず連携を図りつつ、G7、OECDなどの枠組みも活用してDFFTを具体的に推進する適切なルール化を促進していきたいと考えております。
  88. 柴田巧

    ○柴田巧君 是非、この日本が提唱したDFFTというコンセプトに基づいてグローバルなルール形成に日本がリーダーシップをこれからもしっかりと発揮してもらえる、発揮するように努力をしていただきたいと思います。  では次に、防災のデジタル化について残りの時間やらせていただきたいと思いますが、誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化を目指すということでありますけれども、いろんな社会問題を解決していく上でデジタルを活用していく時代になったと思います。防災もそうだと思っていますが、日本は今、災害が頻発化、激甚化しているわけで、そんな中で迅速に生活の再建を支援する、こういったことがデジタルでもっともっとできるのではないか、していくべきではないかと思っております。  今年度の予算でも、この被災者支援システムの導入促進事業というのがあるわけですけれども、クラウドを活用したこの被災者支援システムでありますが、これはどのような効果が期待をされているのか。また、既に地方公共団体においては、約半数近くなんでしょうか、既存の被災者台帳システムというのはありますが、これとはどのように整理をされるのか、併せて内閣府にお尋ねをしたいと思います。
  89. 村手聡

    政府参考人(村手聡君) お答え申し上げます。  現在、内閣府において、自治体が共同で利用可能な被災者支援システムをクラウド上で構築を進めております。このシステム自治体利用する、活用することによりまして、住民情報と被災情報とが連携して各種被災者支援施策に活用できる、また、罹災証明書の電子申請ですとかコンビニでの交付も可能となって被災者支援、被災者の利便性の向上につながる、また、クラウド上でということでございますので、住民情報のバックアップが確保できるということで、庁舎が被災した場合でも被災者支援を行うことが可能になるといった効果があると考えてございます。  現在、被災者支援のためのシステムが御指摘のとおり約半数の市区町村で整備済みとなってございますけれども、これらの市区町村であっても、住民情報とのシステム連携というものが実際できていない、被災者支援のために一層改善の余地があるところも少なくないということでございますし、また、罹災証明書のコンビニ交付といったことにも対応できていないということでございます。既にシステム整備している自治体においても、それを活用しながら新たに構築する基盤的なシステムの機能を活用できる予定でございます。  システム整備が進んでいない自治体はもとより、多くの自治体に新たな基盤システム活用いただくことで被災者支援の効率化、円滑化につなげてまいります。よろしくお願いいたします。
  90. 柴田巧

    ○柴田巧君 被災者支援、手続の迅速化であったりですね、今もありましたが、被災者の負担の軽減、あるいは感染症対策にも効果があるということなんだと理解をしましたが、同じくこの今年度の予算の中には被災者生活再建支援制度データベースの整備に係る所要の経費も、費用も計上されております。よく似た名称ではありますが、これは被災者や行政機関窓口がワンストップで簡易に検索可能なウエブ等を構築、提供するものと承知をしておりますが、地方公共団体においてどのような負担軽減をするなどメリットがあるのか。  大規模災害のときというのは、非常に各府省やその地方公共団体で各種の災害者の支援で多くの制度が出てきます。それで、どんどんどんどん追加で出てくるということなどがあるわけで、なかなかその被災者の人、調べたり利用できるまでまた時間が掛かったりすると思っていますが、こういったところなどなどの負担軽減につながるかどうかも含めてお尋ねをしたいと思います。
  91. 村手聡

    政府参考人(村手聡君) お答え申し上げます。  本年度、被災者の生活支援生活再建支援の迅速化のために、本年度中に被災者生活再建支援制度データベースを構築する予定でございます。これまでも災害時には各省庁や地方団体から各種被災者支援制度の情報が提供されてございますけれども、多くの制度があるということに加えて新たな支援制度が追加されることもあって、地方団体や被災者が必要な支援制度を調べるのに相当の労力を要しているところでございます。  本データベースの整備により、各機関の情報を一元的に集約しワンストップで検索可能になるため、窓口職員の負担が軽減するとともに、被災者にとっても支援の迅速化につながるメリットがあると考えてございます。また、自治体自身が提供する被災者支援制度についても、御意見を伺った上でデータベースに簡便に登録できるようにする予定でございまして、併せて被災者に情報提供を行うことが可能になります。  引き続き、データベースの構築を含め、地方自治体における業務の効率化が図られるように取り組んでまいります。  以上でございます。
  92. 柴田巧

    ○柴田巧君 時間が来ましたので、まあほかにも質問ございましたが、とにかくこのデジタル化を進めることで、防災の面において、先ほど申し上げたように被災者の生活再建に資するように、また、ちょっと質問できませんでしたが、災害弱者とか、あるいはそういった方々、要援護者の避難誘導に資するとか、そういったものをしっかりとまた取り組んでいただきたいということを申し上げて、質問を終わります。  ありがとうございました。
  93. 矢田わか子

    矢田わか子君 国民民主党、矢田わか子です。今日もよろしくお願いしたいと思います。  まず、やはり新型コロナウイルスなんですね。やはり感染拡大しておりまして、緊急事態宣言が今週から発令をされているというような中にあって、昨日までにもう五十七万二千人が感染をし、一万人以上の死者を出しているというようなことであります。  こういう経過の中で、やっぱり、だからこそデジタルを活用すればしっかり感染が防げるんだというふうなことを私はやっていかなくちゃいけないんじゃないかと思っています。感染予防対策、それから患者の治療、国産ワクチンの開発に対するやはりその分析や研究活動行っている研究機関とか企業は、今、そういう行政が持っている膨大なデータを本当は活用したいということが不可欠になっているというふうに思います。  これまで医療の情報の利活用についてはやはり個人情報保護の観点から様々な制約があったというふうに思いますが、ただ、例外的に整備をされてきた中で、今回の個人情報保護改正によってこの医療データの利活用にどのような影響が出てくるのか是非説明をいただきたいと思いますし、厚労省につきましては、こやりさん、また済みません、今日もありがとうございます、センシティブな情報も含まれているということもあって、感染症に関わるデータの活用の現状についてどのように捉えているのか教えてください。
  94. こやり隆史

    大臣政務官(こやり隆史君) 委員には医療データの利活用について様々御指摘をいただいております。  御承知のとおり、この新型コロナ感染症につきましては、感染症法に基づきまして、特に感染症の発生等に関する情報につきましては厚労省に報告される仕組みとなっております。この情報につきましては、個人情報様々ございますので、それに配慮しつつ、基本的な情報の把握や整理、また実効再生産数あるいはクラスター分析など感染状況の評価、分析について専門家に御審議をいただいているということになっております。  さらに、先生先ほど御指摘をいただきました医療機関等に様々な臨床情報が今蓄積をされております。こうした情報につきまして、検査手法であるとか治療薬あるいはワクチンの開発にも活用できるように、ただいま国立感染症研究所あるいは国立国際医療研究センター等にこうした情報を集約をして、それを開発につなげようということで、第三次補正予算、令和二年度第三次補正予算で情報基盤整備事業をスタートさせていただいたところでございます。  今後とも、厚労省といたしましては、様々これからも多分御議論あると思いますけれども、個人情報保護に十分留意しながらデータの活用を図ってまいりたいというふうに考えております。
  95. 平井卓也

    国務大臣平井卓也君) 現行の個人情報保護法制では、国立病院と公立病院、民間病院では、同じ病院であっても適用される個人情報保護の規律が大きく異なっています。また、国立、公立病院については、どの地方公共団体が運営しているかによって適用される個人情報保護の規律が異なっています。その結果、複数の病院が連携して治療や研究を行う場合に、データの連携がスムーズにいかず、支障が生じているとの指摘がかねてよりあったところであります。  そこで、今回の改正では、医療分野個人情報に関する規律を全国的に統一して、およそ病院であれば、国立、公立、民間の別を問わず、日本全国どこでも原則として同じ規律が適用されるようになります。その結果、例えば、複数の医療機関の間での連携が円滑に行われるようになって、患者の容体に応じた最適な医療が受けられるようになる、医療機関の間では共同研究も行いやすくなり新たな治療薬やワクチンの開発期間が短縮される、感染症の流行や大規模災害への対応等の全国課題について必要な情報関係機関の間で迅速に共有されるといったメリットがあるものと考えております。
  96. 矢田わか子

    矢田わか子君 患者の方からすれば、やっぱり今が不安なわけですよね。かつ、今感染広がる中で、国民の本当に一大関心事はこのコロナ対策なわけです。  だからこそ、この感染者、今まで本当に五十七万人もいて、それが年代別に、症状別に、そして治療症例別にどういうふうになっているのかということのひも付け、データベース化さえすれば、やっぱり今後の治療にも当然生かせるわけですし、その方々が安心が高まるような、データを可視化することによって説得性も増すわけなので、是非そういうことを、多分一般の方だと民間と公立分かれていますよなんて全く分かっていないので、何が今これを活用することによって自分たちの安心が高まるのかということがやっぱり最大限還元すべき要素だと私は思いますし、この対応によって、もう一回そのデジタルということに対する信頼性を上げていかなくちゃいけないというふうに思いますので、是非厚労省におきましては、これ法令のもちろん進み具合にもよりますけれども、活用をお願いしたいなと思います。  続いて、前回も少し質問したJ―LISの件について再度御質問させていただきます。  大臣マイナンバーカードですね、何とか令和四年度中に全国民にということが最初方針だったと思いますけれども、この交付を進めていく上で、やはりその発行をしているとか、運営体制、その運営をしている主体者であるJ―LISの体制強化するというのは私は必要だというふうに思っています。  ただ一方で、この基金まで、これ一千八百億円という基金も造成して体制強化していく上で、マイナンバーのカードの普及、利用活用、これはまあいいとして、もう一つの役割であるいわゆるこの地方公共団体のデジタル基盤改革推進のところにどれだけの機能を今後持っていくのかということがどうも不透明だなと思っています。  いわゆる自治体情報システムの標準化、共通化に関する業務について、各地方自治体が主体的に取り組むこの事業計画だとか予算案のチェックをし、そしてベンダーへの発注とか予算執行のその状況、適正をチェックするまで、チェックに至るまで、膨大な業務を本当にJ―LISが担っていくのか、そういう目利きができる方々が人材としていらっしゃるのかということであります。単純に言えば、地方公共団体が絵描いていて、スルーして丸投げするだけだったら要らないというか、そんな役割だったらこんな千八百億も渡す必要はないわけであります。  したがって、やはりこれ、J―LISが今から一段ギアチェンジをしていただいて大きな役割を担っていくためにどういう対応方針を描かれているのか、総務省と大臣から一言ずついただければと思います。
  97. 熊田裕通

    ○副大臣(熊田裕通君) 地方公共団体情報システム機構、いわゆるJ―LISは、J―LIS法に基づき、自治体情報システムに関する調査研究情報化に関する支援教育研修などの業務を行ってきております。  具体的には、これまでも、自治体が共通に利用できるシステムの開発、自治体クラウド導入の支援自治体のセキュリティーの対策支援など、自治体情報システムの標準化、共通化等に関する自治体デジタル化に係る各種支援に取り組んできており、そのための知見や経験を有しているものと認識をしております。  令和二年度第三次補正予算でJ―LISに造成したデジタル基盤改革支援基金の執行に当たっては、標準化、共通化等の地方行政のデジタル化を推進していくため、国とJ―LISが連携協力し取組を進めていくことが重要と認識をしております。支援基金には補助金交付に要する経費も含まれていることから、総務省といたしましては、J―LISがその知見等を十分に生かしながら基金執行に当たることができるよう必要な支援等をしてまいりたいと考えております。
  98. 平井卓也

    国務大臣平井卓也君) 先生、これ大変重要な指摘だと思います。  地方公共団体の基幹システム統一・標準化等を進めるために、令和二年度第三次補正予算で総務省からJ―LISに対して約千八百億円を交付して基金と、これは大きい基金だと思います。  この基金は基幹業務システムのガバメントクラウドへの移行等のために必要な準備経費やシステム移行経費等を地方自治体に補助するものであって、基幹業務システム統一・標準化等を進める上で、当該補助金の執行を担うJ―LISの果たすべき役割は非常に重要だと認識しています。  当該補助金の補助要件の検討や執行については、国、地方公共団体等情報システム整備及び管理に関する基本的な方針を策定する観点からデジタル庁が、地方公共団体との連絡調整を担う観点から総務省がそれぞれ管理する、関与するということになります。  いずれにしても、地方公共団体の基幹業務システム統一・標準化等が円滑に進むように、地方公共団体の実情をよく聞きながら、総務省と連携して基本方針を策定してまいりたいと考えております。
  99. 矢田わか子

    矢田わか子君 今までやっぱりマイナンバーの関連事業をやってくる中で、二〇一四年から今までの間に、この仕事を出すときに、今日報道ありましたけれども、千三百八十八億円使っていて、二百七件出しているわけです。そのうちの何か八一%、百五十四件は随意契約になっているわけですよ。大手のところを毎回毎回、それこそベンダーロックと言われるものが起こっていて、これでよろしいんですかということを申し上げているわけです。  したがって、きちっと商品、発注するときにやっぱりその中身が分かっている人が発注しなければ、もう企業は丸投げになるわけです。一回やったからまた次もやってねということになっていませんかということで、会計検査院からもここは指摘をされているということでもありますので、是非、熊田副大臣、その辺りもしっかり捉えていただいて、このようなことはされないということで指導をしていただきたいなということで御要望申し上げておきたいなと思います。よろしくお願いします。  続いて、クラウド活用課題についてお伺いをしていきたいと思います。  クラウドは大変メリットもありますが、やっぱりデメリットということも私はしっかりと認識をし、リスク管理をしておく必要があるのだろうなと思っています。  政府は、資料一お配りしたとおり、このセキュリティー評価制度のISMAPをつくりまして、セキュリティー要件を満たしているクラウドサービスをあらかじめ評価、登録するという対策を講じられて、三月十二日にこの一のような安全性の評価を受けた十のクラウドサービスのリストを公表されています。何と十のうち六つのサービスはアメリカということで、他国のものであります。  このクラウドの活用に関しては、私、本会議の代表質問でも指摘させていただきましたが、やっぱりネットワークの障害とか自治体の担当者の操作ミスなどによる全国的なシステムダウンです。これをやっぱり可能性がある以上、対策なりリスク管理しておかないといけない。あるいは、やっぱり海外のクラウド運営企業、海外使う場合はですよ、それが経営破綻したり、経営方針を転換するとか、安全保障上も対策を何重にもやっぱり掛けておかなければいけないというふうに思っています。  かつて、二〇一九年の十一月、まあ御存じだと思いますが、マイクロソフトのオフィスがオフィス三六五のクラウドシステムに移行した際に、全世界規模で障害が発生しました、有名ですけれども。このクラウドでは、従来の自社運営の、そのオンプレ型のシステムにはなかった問題がやはり生じる可能性があるということで、セキュリティーを含めて、是非、クラウド化は唯一万能なソリューションではないということをしっかりと意識合わせをしておく必要があると思います。  とりわけ、発注者である国が受注する事業者に対してやはりクラウドのその能力を超えた高水準なものを要求すると、事業者としてもそのクラウドの脆弱性をどうしても克服できないという場合に受注を辞退するというようなことも出てくるかと思います。  政府として、クラウド導入に関しどのようなスタンス、そしてどのようなレベルで推進されようとしているのか、お答えいただきたいと思います。
  100. 平井卓也

    国務大臣平井卓也君) 政府としては、情報システムの調達でクラウドサービスの導入を第一に検討するクラウド・バイ・デフォルト原則を踏まえて、安全で利便性の高いクラウドサービスの導入を加速化するため、政府情報システムのためのセキュリティ評価制度、ISMAPを立ち上げたところでございます。  このISMAPでは、国際レベルの管理基準に基づいて、第三者による監査のプロセスを経て安全性が評価されたクラウドサービスをリストに登録、公表しており、政府機関等がクラウドサービスの調達を行う際はリストに登録されたサービスから調達することを原則とします。また、クラウドサービスの利用に係る基本方針を定めておりまして、データセンターを国内に置き、安全に管理することも原則にします。  このように、安全性を確保しつつも、委員指摘のような、事業者のサービス停止、あるいは受注自体等に関しその継続性について確認することは非常に重要だと考えています。このため、複数のクラウドサービス事業者が提供する複数のクラウドサービスと契約し、さらに、クラウドサービス間のデータ移行の容易性の確認を行う等、より多くの選択肢を確保し、政府が提供するサービスの可用性を確保するということが重要で、マルチクラウドを前提に考えています。  ISMAP制度については、先生から配付していただいた、三月十一日に初回の登録リストが公表されたばかりでもあって、今後、関係機関等への周知を図って、登録されるクラウドサービスの拡大に努めてまいりたいと考えています。
  101. 矢田わか子

    矢田わか子君 ISMAP、世界的にも注目されている評価制度であります。しっかりとこれも信頼性高めて、育てていかなければいけないというふうに思います。  複数、マルチのクラウドということでお答えありましたが、一方で、地方に対してGクラウド、ガバメントクラウド活用についてのメリットをしっかり伝えて、今、政府が絵を描いていらっしゃる、五年間で地方公共団体に対して標準準拠システムをしっかりと活用していただくようにしていくという工程表が出ておりますので、これも進むようにしていただきたいと思いますし、特に総務省、十七の工程表のうち二工程しかまだ作成できていないというふうにお聞きをしておりますので、是非その辺りも早めていただきたいなというふうに思います。  といいますのは、どうしても後で、後々ばっと出てくると、地方公共団体の職員もそうですけれども、ベンダーの方も急いで詰め込んだ仕事になると、またこれ働き方改革の観点から見ても無理な業務を強いるということにもなりますので、計画的に推進いただきますよう、これは御要請にとどめたいと思います。  続いて、ベースレジストリーについてお聞きをしていきたいと思います。この整備における課題についてということであります。  一枚資料、資料二をお配りさせていただいておりました。ベースレジストリーは、そこに記載のとおり、公的機関等で登録、公開され、様々な場面で参照される、人、法人、土地、建物、資格等の社会の基本データということであります。オープンデータや行政内で使うクローズデータ等、目的に応じて適切なアクセス、コントロールの下で提供できるものと定義付けられております。  今後、行政のデジタル化において、こういったベースレジストリーがオープンデータとして利活用されることを目指して政府整備を推進する方針でありますが、問題はやはり人に関する部分の扱いだと思っています。  特に問題にしたいのは私は戸籍なんですね。資料二のように、戸籍はベースレジストリーの候補の一つと今されていますが、依然として行政手続上やはり戸籍抄本等を必要とする手続が残っている中で、ワンスオンリーを実現するためにはこのベースレジストリーにやはり位置付けていく必要があるのではないかという意見と、一方で、個人情報保護の観点から慎重に扱うべきとの意見があります。この戸籍というのは世界中でも台湾と今、日本にしか残っていないものですよね。  実際にこの戸籍をしていくのかどうか、まず検討状況をお聞かせください。
  102. 平井卓也

    国務大臣平井卓也君) 昨年末、データ戦略タスクフォースの第一次とりまとめにおいて、社会の基盤となるベースレジストリーの整備について、整備方針となるロードマップを作成したところであります。ロードマップにおいては、ベースレジストリーの定義付けを行うとともに、重点整備対象候補を示し、社会的インパクトの大きいところから段階的にベースレジストリーの整備の検討を進めるというふうにしました。重点対象候補、個人、法人、土地、地図等々ですね。  で、委員が御指摘の戸籍をベースレジストリーとするか否かは検討中ではありますが、個人に係る情報については、ワンスオンリーを実現するために、デジタル・ガバメント実行計画において、マイナンバー制度による行政機関相互間の情報連携を徹底するというふうにされています。その実行計画を踏まえて、国民の理解を得ながら関係省庁と鋭意検討を進めてまいりたいと思っております。
  103. 矢田わか子

    矢田わか子君 ちょっと時間がなくなりましたので、二枚目の戸籍抄本の添付の資料もちょっと御覧になっていただきながら、まだまだ戸籍というものが日本で活用されている実態があるので、本当は法務省もちょっと御答弁いただきたかったんですけれども、まずはこの戸籍の取扱い、法務省としてもどうするのか決めていかないといけないですし、この戸籍電子証明書というものをつくろうとしているんですが、いわゆるPDF化しても正直なところ意味がないと、こんなもの写真ですからね。ほかのこの候補に挙がっている情報も含めて、一体何を目的に、どれをデータベース化して、何と何をひも付けするのかということをしっかりと整理していかなければいけないんじゃないかなというふうに思いますので、今日は提言にとどめたいと思います。  ありがとうございました。
  104. 田村智子

    ○田村智子君 日本共産党の田村智子です。  おとといから四都府県では緊急事態宣言が発令をされて、休業要請を含む厳しい要請が出されています。まん延防止等重点措置がまん延防止にならなかったわけですから、これは特措法を審議した本委員会政府は説明をする責任があると私は思います。オリンピックやワクチンについてもこの委員会に関わる業務です。私は、法案審議を一旦止めてでも、あるいは三十日にも本委員会開いてでも新型コロナ対策の審議をすべきだと理事会で求めてまいりましたが、そこがなかなか調わないので、この場でも改めて喫緊に審議を行うよう求めまして、以下、法案について質問いたします。  二十日の質問で、国や自治体などの行政機関が保有する個人情報、これ匿名化、非識別化され、第三者に提供され、利活用されていくという問題について詳しく取り上げました。何も私はこうした利活用を全て否定するという立場ではありません。もちろん、統計など匿名化された情報活用されて、それが様々な政策立案に生かされていく、これはとても大切なことだと思います。  ただ、問題提起をしたいのは、匿名加工した個人情報のビッグデータ、これが特定個人のプロファイリングに利活用されていく。ビッグデータからAIがアルゴリズムを導き出し、個人の興味、関心、嗜好、行動、体の状態などをプロファイリングし、ワンスオンリーの商品やサービスを提供すると。それが規制もなく行われていけば、個人の人格への侵害、人間の行動がデータに左右される、自由な行動や選択肢がむしろ狭められるという危険性が現にあるということなんです。  今日で三回目の質問になるんですけれども、女性に対して妊娠しているかというプロファイリングは、特定個人に対する要配慮個人情報をプロファイリングによって得ようとする行為であり、個人情報の不適切利用として禁止されるべきではないかと。  これ三回目の質問なんですけど、大臣、明確にお答えいただけないですかね。いかがでしょう。
  105. 平井卓也

    国務大臣平井卓也君) 委員問題意識はよく分かっていますよ。いわゆるプロファイリングについては、個人の権利利益を侵害する場合には、これは問題になると承知しています。  個人情報の不適切な利用による個人の利益、権利利益の侵害を防止する観点から、令和二年改正個人情報保護法においては、民間事業者に対して不正、不適正利用の禁止に関する規律を導入するなど、プロファイリングの懸念に対応するための改正を行ったということでございます。具体的には、その違法又は不当な行為を助長し、又は誘発するおそれがあるその方法により個人情報利用を行った場合は不適切利用となるということでございまして、この不適切利用の内容に関しては、三条委員会である個人情報保護委員会から正確に答えさせたいと思います。
  106. 田村智子

    ○田村智子君 じゃ、個人情報保護委員会にお聞きしますけれども、まず二点、じゃ、確認します。  念のために確認なんですけど、要配慮個人情報の取得はなぜ本人同意を必要としているのか。その観点から見れば、妊娠という、これは私は要配慮個人情報だと思います。これを取得する目的のプロファイリングというのは不適切な利用だと、禁止の対象ではないかと思いますが、いかがでしょう。
  107. 福浦裕介

    政府参考人(福浦裕介君) 二点御質問ございました。  要配慮個人情報の取得、本人同意が必要、なぜかということでございます。  個人情報保護法は、本人の人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴、犯罪により被害を被った事実その他本人に対する不当な差別、偏見その他の不利益が生じないようにその取扱いに特に配慮を要するものとして政令で定める記述等が含まれる個人情報を要配慮個人情報と定義をしまして、その取得について原則として本人同意を求めてございます。  このように、要配慮個人情報の取得について原則として本人同意が必要とされていますのは、本人の意図しないところで当該本人に関する要配慮個人情報が取得をされ、それに基づいて本人が差別的な取扱いを受けることを防止するためでございます。  次に、不適正利用との関係でございました。  来年四月一日施行予定の令和二年改正個人情報保護法におきまして、民間事業者に対しまして、違法又は不当な行為を助長し、又は誘発するおそれがある方法による個人情報利用を不適正利用として禁止をしてございます。ここで言います違法又は不当な行為は、個人情報保護法その他の法令に違反する行為に加えまして、直ちに違法とは言えないものの、個人情報その他の法令の制度趣旨や公序良俗に反している等、社会通念上適正とは認められない行為を含むものでございます。  事業者の行為が不適正利用に該当するか否かは、取り扱う個人情報の性質、行為の目的、必要性、行為態様、事業者の認識等を総合的に考慮して個別具体的に判断をする必要がございます。要配慮個人情報を把握する目的での個人情報の分析行為につきましても、その目的、必要性、行為態様、事業者の認識等を総合的に考慮して個別に判断する必要がございますが、仮に当該行為が個人の権利利益を違法に侵害するものである場合には不適正利用に該当し得ると考えてございます。
  108. 田村智子

    ○田村智子君 禅問答みたいなんですよね、それでは。だって、要配慮個人情報は本人の同意なく取得したら駄目なんですよ。違法なんですよ。  じゃ、その要配慮個人情報を得ようとする目的のプロファイリングはどうかと聞くと、そのプロファイリングをやった目的が何なのか、それは要配慮個人情報を得ようとする目的なんですよ。ところが、それについても違法とか不適切というふうに言えないんですよね。そのプロファイリングによって何をしようとしているのかを個別に見なくてはならない。これで果たして規制ができるのかということなんですよ。  本会議で私この問題取り上げて、総理に聞いて、で、今と同じなんですよ。昨年の改正で、不適切利用の禁止を導入するなど、新たな事態、プロファイリングへの懸念にも応えているんだと、昨年の改正で。でも、今の御答弁では全く懸念に応えていないと言わざるを得ないんですよ。  アメリカのターゲット社が購買履歴のプロファイリングによって女性の妊娠を特定してビジネスに活用した、これが社会問題になったのは二〇一二年です。今では、こういうプロファイリング、購買履歴からなんというプロファイリングは古典的プロファイリングでしょう。AIの技術はもっと日進月歩ですから、個人情報のプロファイリングはもっと広範に、多岐にわたって現に活用されています。  二〇一九年に日本で起きたリクナビ事件。これは、リクルートキャリア社が、リクナビに登録をして就職活動をする学生、その学生がどの企業サイトを閲覧したかという情報をクッキーによって収集をした。で、AIのプロファイリングに掛けて内定辞退率を計算して企業に売ったという、そういう事案なんですよね。これは学生個人のスコアとして提供していた。  私は、まさにその二〇二〇年の今の個人情報保護法改定の審議でこのリクナビ事件を取り上げて、では、新設される十六条の二、今の不適切な利用の禁止です、個人情報取扱事業者は、違法又は不当な行為を助長し、又は誘発するおそれがある方法により個人情報利用してはならない、これに該当するのではないですかというふうに質問をしたわけです。個人情報保護委員会は、該当する場合があり得るという答弁でした。もちろん、法案がまだできていないので、その法の条文で裁くというか指導するということはできないんだけれども、この法律施行されれば当然リクナビ事件は十六条の二に当たりますよねという質問をしたわけです。でも、まだ施行されていない、今施行に向けてガイドライン改定の議論が行われています。  それでは、そのガイドラインには、リクナビ事件のようなプロファイリングは不適正利用に当たるということが書かれることになるんでしょうか、例示されるのでしょうか。
  109. 福浦裕介

    政府参考人(福浦裕介君) お答え申し上げます。  いわゆるプロファイリングにつきまして確立された定義はないものの、一般的には本人に関する趣味や嗜好などに関する推計を行う手法であると承知をいたしております。プロファイリングについては、その目的、態様により、個人の権利利益を侵害する場合には問題となり得るものと承知をいたしておりまして、それらについては厳格に対応していくということが重要でございます。  その上で、事業者がプロファイリングのために個人情報を取り扱う場合にも、利用目的の特定、利用目的の通知、公表、安全管理措置、第三者提供に関する同意といった個人情報保護法の規律に服することとなります。加えて、昨年の個人情報保護法の改正におきましては、プロファイリングの懸念に対応すべく、利用停止、消去等の要件の緩和、不適正利用の禁止、第三者提供記録の開示、提供先における個人データとなることが想定される情報の本人同意といった新たな規律を、一定対応の、一定の対応を行ったところでございます。  当委員会としましても、個人の権利利益が侵害されることのないように、プロファイリングの場合を含め適切に対応してまいりたいと考えてございます。
  110. 田村智子

    ○田村智子君 改正された条文がどう運用されるかというのがガイドラインなので、そこにリクナビ事件がちゃんと例示されるかどうかということなんですが、お答えいただけない。  私は、個人情報保護委員会でのこのガイドラインの議論の資料を見ました。この制度の導入、この法改定の言わば契機ともなったとされるのが破産者マップ事件、これを基にしたものは例示として書かれているんですよ、資料に。  あの破産者マップ事件というのは、破産者というのは全部名前も住所も公表されるんですね、官報に公表される。それをグーグルマップに全部落として、これをネット上で公表したり、あるいは、何というんですか、売ると、電磁的記録によって売ると。これは駄目だと、こういうことをやったら駄目だという例示があるんですよ。ところが、リクナビ事件をうかがわせるような例示はないし、プロファイリングに関する記載そのものが見当たらないんですよ。  このリクナビ事件というのは、個人情報保護委員会が初めて勧告に踏み切った事案です。厚労省が職安法違反だと是正指導を行った事件です。なぜ例示として示さないのか。プロファイリングによる人権侵害を規制するという議論、これやられていないんじゃないんですか。いかがでしょうか。
  111. 福浦裕介

    政府参考人(福浦裕介君) 御指摘改正法に関連しましたガイドラインにつきましては、現在、利用停止、消去等の要件緩和や不適正利用の禁止等に関しまして、委員会において要件の考え方や事例を含めた論点の議論を行っているところでございます。  現時点におきまして、プロファイリングという行為のみに着目するのではなく、その結果個人の権利利益が侵害されているかどうかが重要であると考えてございます。  いずれにしましても、個人の権利利益の侵害を防止するという観点から、ガイドラインについて引き続き検討してまいりたいと考えてございます。
  112. 田村智子

    ○田村智子君 初めて勧告を行った事例がガイドラインに出ないなんというのは、それ、総理の答弁とも違ってきますよね。大臣答弁とも違ってきちゃいますよね。  二〇二〇年の改定、私のプロファイリングに対する質問に対して、二〇二〇年の改定がその懸念に応えるんだと答弁されている。ところが、その議論がない。  企業の採用活動にAIによるプロファイリングを活用する事例はどんどん増えているんですよ。リクルート、マイナビなどの人材サービス企業を始め、様々な企業がエントリーシートの選別など採用活動のためのAIを開発して、リクルートは自社でもどんどん活用している。他の企業にも売り込んでいる。AIによる面接を行う企業もあるんです。  AIによる審査モデルは、主に過去のデータをAIに学習をさせてモデルを構築するものです。過去のデータにはジェンダーバイアスなど何らかの偏りが含まれている可能性があり、不当に不利益を受ける事例は否定できない。これは、経済産業省のAIのこと議論しているところのガイドラインにも出てくるんですよ。不利益、不当に不利益を受ける事例は否定できない、厚労省の中でもそういう議論がされているんですよ。  そもそも、採用や人事は個人の将来に関わる重要な問題です。それをAI審査に委ねてしまうのは、私は問題だと思います。AIなどプロファイリングを用いた採用活動について個人の権利利益を守るためには、これは何らかの規制、例えば自動審査駄目とか、せめてそれぐらいの規制、こういうことをやることが必要だと思いますけど、いかがでしょうか。
  113. 福浦裕介

    政府参考人(福浦裕介君) 御答弁申し上げます。  議員御指摘の採用活動における利用も含めまして、プロファイリングにつきましては、その利用方法について様々な議論があることは承知をいたしております。  プロファイリングにつきましては、個人情報利用形態の一つとしましてその利用には期待が寄せられる一方で、その目的、態様によって個人の権利利益を侵害する場合には問題となり得ると承知をいたしております。  個人情報の不適正な利用による個人の権利利益の侵害を防止する観点から、令和二年改正個人情報保護法におきまして、民間事業者に対して不適正利用の禁止や提供先において個人データとなることが想定される情報の本人同意に関する規律を導入するなど、プロファイリングの懸念に対応する改正を行ったところでございます。  当委員会としましても、プロファイリングによって個人の権利利益が侵害されることのないよう、新たな規律を含めまして適切に法執行を行ってまいりたいと考えてございます。
  114. 田村智子

    ○田村智子君 何を聞いても同じ答弁がなされているようにちょっと聞こえてくるんですけれども、個人情報保護委員会が設置される以前には、各省庁が所管する業務との関係個人情報の取扱いについて民間事業者を監督していました。  二〇〇二年二月当時、厚生労働省のガイドライン、労働者の個人情報保護に関する行動指針、ガイドラインですね、ここでは、使用者は、原則として、個人情報のコンピューター等による自動処理又はビデオ等によるモニタリングの結果のみに基づいて労働者に対する評価又は雇用上の決定を行ってはならない。行ってはならない、コンピューター等による自動処理で人事上の評価等々を行ってはならない、それだけでやってはならない、ここまで書いているんですよ。  不適正の例示として、私はそれぐらいのことは個人情報保護委員会がガイドラインに書くべきだと思うんですが、これをお聞きしてもまた同じ答弁になってしまうと思いますので、ちょっともう次の質問に入りたいと思うんですけどね。  それで、このガイドラインではもう一点、二〇〇〇年の改正で、これもまだ施行されていないんですけれど、第三十条五項、本人の権利又は正当な利益が害されるおそれがある場合には当該保有個人データの利用停止等又は第三者への提供の停止を請求することができる、こういう条文も新設をされました。  今、私が紹介した十六条の二とか三十条の五項とかというのは、皆さんに配られた実は資料の中に出てこないんですよ。施行前だから、施行前だから私たちが今法案を審議する資料にはこの条文出てこなくて、本当にね、施行前に次の改正やるとこういうことになるんだと思って、本当大変ですよ。あっち見たりこっち見たり、今の法案がどれなんだ、今の法律がどれなんだということになっちゃうんでね。  ちょっともう戻りますけど、この利用の停止、また第三者提供の停止、これ個人の権利として新たに書き込んだと。これがどう運用されるかということも非常に重要になってくるわけですよ。今のプロファイリングとの関係でも、やっぱり私は不利益、不当な扱いを受けてしまうと、だから提供しないでくれという権利になるかどうかが問われるわけですよね。  それで、ガイドライン改定の議論を見てみますと、請求を行うには、法目的に照らして保護に値する正当な利益が存在し、それが侵害されるおそれがあることとしていて、考えられる事例として次のように示しているんです。ダイレクトメールの送付を受けた本人が送付の停止を求める意思表示をしたにもかかわらず、個人情報取扱事業者がダイレクトメールを繰り返し送付している。また別の事例として、個人情報取扱事業者が法第二十三条第一項に違反して、つまり本人同意を得ないで第三者提供を行っており、本人を識別する保有個人データについても本人の同意なく提供されるおそれがある。そして三つ目の事例、個人情報取扱事業者が退職した社員の情報を現在も自社の社員であるようにホームページ等に掲載し、これによって本人に不利益が生じている。  がっくりくるような例示なんですよ。あのね、これらは違法であり不適切事例だと誰でも容易に判断できるものですよね。本人の同意なく取得していたとか、誰が考えたっておかしいよねっていう事例なんですよ。もっと、デジタル技術ってもっとすごいことになっているわけですから、AIの活用を念頭に置いて規制の検討が必要になってくると思うんですよ。追い付いていないんですよ、これじゃ。  リクナビ事件もそれからフェイスブック・ケンブリッジ・アナリティカ事件も、どちらも個人情報保護委員会が事業者を指導した事件なんです。これらを踏まえて、事業者に対して、違法、不適切、個人の権利利益を侵害するプロファイリングの例示、これこそが必要だというふうに考えますけれども、いかがでしょうか。ちょっと違う答弁をしていただきたいと思うんですけど、いかがでしょうか。
  115. 福浦裕介

    政府参考人(福浦裕介君) 御指摘改正法に関連しましたガイドラインに関しまして、現在その要件の考え方や事例を含めた論点につきまして、現在委員会において議論を行っているところでございます。  不適正利用に関しましては、違法又は不当な行為、助長又は誘発のおそれの考え方や事例等について議論を行ってございます。また、利用停止等につきましては、拡大された利用停止請求の要件でございます本人の権利又は正当な利益が害されるおそれがある場合などの考え方について議論を行っているところでございます。また、ガイドラインにおきましては、本人が合理的に予測等できないような個人データの処理が行われる場合、どのような取扱いが行われているかを本人が予測できる程度に利用目的を特定をするということも求めて検討をいたしております。  これらの措置を通じまして、事業者が、本人の権利利益との関係で説明責任を果たしつつ、本人の予測可能な範囲で適正な利用を行うように、委員会としましてもしっかり対応してまいりたいと考えてございます。
  116. 田村智子

    ○田村智子君 このフェイスブック・ケンブリッジ・アナリティカ事件というのは本当に深刻な事件で、フェイスブックのいいねボタンがあるウエブサイトをそのフェイスブックのユーザーが閲覧をする、そのユーザーにはあらかじめ不正とも思われるようなアプリケーションが読み込ませているというのがあるんですけどね。そうすると、そのユーザーとそのお友達のやっぱりウエブ閲覧記録が吸い上げられていって、そこからその人の関心事とか不安に思っているということをプロファイリングする、で、その情報が売られたわけですよ。  そうすると、その特定個人に対してターゲット広告を行って、イギリスのEU離脱に対する投票、それからアメリカの大統領選挙、これで特定の方向に誘導する、誘導するっていう、このターゲット広告によって人間の潜在意識に働きかけて、人間の行動をコントロールする意図を持った個人情報の取扱いだったわけですよ、明らかに。  現実には、ターゲット広告を含むプロファイリングが私たちの思考や行動に影響を与えるところまで来ているんです。だから、利用停止を含む個人情報の自己コントロール権が焦点なんですよ。  ところが、これまでの答弁見ていれば、その自己情報のコントロール権というのは最高裁でも認められていませんとかね、明確な概念として確立していないとか、先ほどの答弁では、プロファイリングも確立した考え方がないという答弁まであった。そうすると、プロファイリングによるプライバシー権の侵害は、現に起きていたとしても、起きているんだけれども、このことを日本で訴えたとしても、利用停止が認められる可能性、これは極めて小さいということになってしまうんじゃないですか。  いかがでしょう、個人情報保護委員会
  117. 福浦裕介

    政府参考人(福浦裕介君) お答え申し上げます。  繰り返しになりますけれども、いわゆるプロファイリングにつきましては、その目的、態様によって個人の権利利益を侵害する場合に問題となり得るものと承知をいたしておりまして、それらについては厳格に対応していくことが重要だというふうに考えてございます。  御指摘のガイドライン等につきましても現在議論を、論点の議論を行っているところでございます。現時点において、プロファイリングという行為のみに着目するのではなく、その結果個人の権利利益が侵害されるかどうかが重要だというふうに、繰り返しですが、考えてございます。  いずれにしましても、個人の権利利益の侵害を防止するという観点から、引き続き十分かつ分かりやすい周知徹底に努めてまいりたいと考えてございます。
  118. 田村智子

    ○田村智子君 平井大臣、今のやり取り聞いていて、いかがですか。私は、やっぱり個人情報保護法の中に守るべき個人の権利利益とは何なのかが明確ではない、データ主体の権利性が曖昧である、プロファイリングについての規定がない、これは本当に問題だと思うんですよ。この遅れを、この対応の遅れをどうするのかなんですよ。  大臣、いかがですか。
  119. 平井卓也

    国務大臣平井卓也君) プロファイリングを通じた個人情報の不正利用については新たに禁止されることになった、また、ターゲティング広告に関連して、本人関与のない個人情報の収集を防止するために新たな規制を導入したということです。  先ほど先生と個情委のやり取りを聞いていて、結局、今作っているガイドラインというものが、やはり一般的な皆さんが持っているいろいろな疑問に関してやっぱり参考になるようなものになるように私も期待したいと、そのように思っております。
  120. 田村智子

    ○田村智子君 これ、本当はガイドラインだけじゃ駄目、足りないんですよ。法規制をどうするかという検討が、本当はこのデジタル社会と言うのならば最優先で私は議論されるべきだと思います。  四月二十二日、日経の一面トップで、EUがAI包括的規制案、これを発表したということが大きく報じられました。  二十一日に公表したということなんですけれども、これ、AI活用におけるリスクを四段階に分類をしてリスクに応じた規制を行っていくというんですね。一番厳しいのが禁止、政府個人の信頼性などを格付するスコアリング、これ中国などがやっていることですけど、これは禁止だと。そして、高リスクのものに、運輸、医療などとともに、企業の採用活動での利用、これはルール化をして適合性を事前に審査をする、AIを使う場合には事前審査を行うと。  こういう規制案は、昨年、EUがAI白書を発表して、既にAI規制の考え方、方向性を示しているんです。そこにどういうこと書かれているか。これ、ジェトロの資料から詳しいことがよく分かるんですけど、欧州は安全に利用、応用できるAIシステム世界的リーダーとなるべきというふうに宣言しているんです。そして、AIシステムは人間の自立と決定を支援するものでなければならない、AIシステムは人間の監督を可能としなければならない、こういう立場なんですよ。  これ、私が何度もEUを取り上げるのは、EUはこれによってAIを使わせないようにしようということじゃないんですよ。こうやって安全性と信頼性を世界中にもアピールして、私たちの国ではこんなふうに、AIの活用は民主的な社会をつくるためのものなんだと目的も明確にしていますよと。個人の権利が守られる法規制がありますよ、監督する体制もありますよ、破った企業は厳しい罰金が科せられますよ、これで信頼を得ることでAI技術をより発展させ、より国民の中にも行き渡らせて、まさに先進、AI先進になっていこうということなんですよ。  これこそ目指すべき方向だと思うんですよね。私も何もやめろと言っているんじゃないんですよ。安全性と信頼性なきデジタル社会はあり得ないと言っているんです。  いかがですか、大臣
  121. 平井卓也

    国務大臣平井卓也君) 私も、二年前、科学技術担当大臣のときにAI戦略に関わっておりました。やっぱりこの、人、人間を中心としたAI戦略という考え方は我々共通でございまして、当時もEUとAI戦略のそのモラリティーみたいなことに関して議論をしましたが、日本のAI戦略はそういう意味ではその考え方をリードしてきたというふうに考えております。  また、個人情報保護委員会との絡みについては、是非政府委員と、政府参考人から答弁していただきたいと思います。
  122. 田村智子

    ○田村智子君 世界をリードしてきたというのはちょっと驚きの発言なんですけど、また次回質問したいと思います。  ありがとうございました。
  123. 森屋宏

    委員長森屋宏君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。     ─────────────
  124. 森屋宏

    委員長森屋宏君) 参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  デジタル社会形成基本法案外四案の審査のため、参考人出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  125. 森屋宏

    委員長森屋宏君) 御異議ないと認めます。  なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  126. 森屋宏

    委員長森屋宏君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時九分散会