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2021-03-26 第204回国会 参議院 内閣委員会 第8号
公式Web版
会議録情報
0
令和三年三月二十六日(金曜日) 午後一時五十五分開会 ─────────────
委員
の
異動
三月二十五日 辞任
補欠選任
滝波
宏文
君
大家
敏志
君
宮本
周司
君
岡田
直樹
君
岩渕
友君
市田
忠義
君 ─────────────
出席者
は左のとおり。
委員長
森屋
宏君 理 事 酒井
庸行
君
徳茂
雅之君
木戸口英司
君 平木 大作君
矢田わか子
君 委 員
大家
敏志
君
岡田
直樹
君
古賀友一郎
君
高野光二郎
君 山田 太郎君
山谷えり子
君 和田
政宗
君
小沼
巧君
塩村あや
か君 杉尾 秀哉君 石川
博崇
君 柴田 巧君
高木かおり
君
市田
忠義
君
田村
智子
君
国務大臣
国務大臣
(
内閣
府
特命担
当
大臣
(
科学技
術政策
))
井上
信治
君 副
大臣
内閣
府副
大臣
三
ッ林裕巳
君
大臣政務官
内閣
府
大臣政
務官
吉川 赳君
事務局側
常任委員会専門
員 宮崎 一徳君 ───────────── 本日の会議に付した案件 ○
原子力発電施設等立地地域
の
振興
に関する
特別
措置法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
、衆
議院送付
) ─────────────
森屋宏
1
○
委員長
(
森屋宏
君) ただいまから
内閣委員会
を開会いたします。
委員
の
異動
について御報告いたします。 昨日、
岩渕友
さん、
滝波宏文
君及び
宮本周司
君が
委員
を辞任され、その
補欠
として
市田忠義
君、
大家敏志
君及び
岡田直樹
君が
選任
をされました。 ─────────────
森屋宏
2
○
委員長
(
森屋宏
君)
原子力発電施設等立地地域
の
振興
に関する
特別措置法
の一部を
改正
する
法律案
を
議題
といたします。
本案
に対する
質疑
は既に終局しておりますので、これより
討論
に入ります。 御
意見
のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
木戸口英司
3
○
木戸口英司
君 私は、
立憲民主
・
社民
を代表して、
原子力発電施設等立地地域
の
振興
に関する
特別措置法
の一部を
改正
する
法律案
に
反対
の
討論
を行います。 今月で
東日本大震災
の
発生
から十年がたちました。
福島
第一
原発事故
の
発生
により、今なお
原子力緊急事態宣言
が続き、
福島
県では
帰還困難区域
を抱えています。
原発
の
安全神話
が崩壊した現在、
原発立地地域
における
実効性
ある
避難計画
の
策定
、安心、安全を高める
振興計画
の
拡充
、
原子力防災インフラ整備
の
推進
はますます重要な
課題
と言えます。 このような中、今月に入ってもまた、
柏崎刈羽原子力発電所
で
テロ対策
に重大な不備が発覚し、
原子力規制委員会
は四段階から成る安全上の
評価
で最も深刻なレベル、赤の
暫定評価
を初めて下し、
東京電力
に
是正措置命令
を出す方針が決められています。さらに、再
稼働
を目指す
東海
第二
原発
については、
避難計画
が十分でないことから、
運転差止め
を命じる
判決
が下されています。
東京電力
に
原発
の
運営主体
として
適格性
があるのか、
原発立地地域
に
策定
が課せられた
避難計画
は
実効性
があるのか、まさにレッドカードが示されたところであり、
福島原発
での
過酷事故
の経験が生かされていないと言わざるを得ません。
原子力立地地域特措法
は、二十年前の制定時と十年前の
改正
時、いずれも
議員立法
で提案されてきましたが、今回は前回と同じ十年
単純延長
の内容で、初めて閣法として
提出
されたものです。
原発事故
後初めての
改正
であるにもかかわらず、第一条の
目的規定
に「
原子力
による
発電
が我が国の電気の
安定供給
に欠くことのできないものであることにかんがみ、」との文言を残していることは、国策として
原発
を
推進
しようとしていた時代のままです。
法案
に
原発事故
の
教訓
が生かされておらず、
原子力防災
の
効果
が明らかでない上、
立地地域
での新
エネルギー関連産業
など新たな
産業
の
振興
が全く盛り込まれていないという、二十年前の
法律
が十分な議論が尽くされないまま
延長
されることには到底
賛成
できません。
政府
には、
原発立地地域
における
避難計画
や
振興計画
を検証し、
実効性
ある
計画
の下、必要な
原子力防災
のための
整備事業
が
推進
されることと併せ、そのための
政府
の体制と制度の
在り方
について再検討することを強く求めます。 現に全国に存在している
原発
の
立地地域
への
支援
は必要なことではありますが、
原発
をめぐる環境の変化を直視せず、硬直化した考えに基づき十年間
期限
を
延長
しようとすることには
反対
であることを申し上げ、
反対討論
といたします。
田村智子
4
○
田村智子
君 私は、
日本共産党
を代表して、
原子力発電施設等立地地域
の
振興
に関する
特措法
の一部
改正法案
に
反対
の
討論
を行います。 本
法案
は、二〇〇〇年に成立、二〇一〇年に
期限延長
となった本
特措法
を更に十年
延長
するというものです。 二〇一一年に起きた
東京電力福島
第一
原発事故
によって、
原発
をめぐる状況は一変しました。とりわけ、
安全神話
が崩壊し、
原発
は
事故
が起きることを想定した
立地地域
の
対策
が求められています。その認識に立った検証を何もせずに、
原発
が電力の
安定供給
に不可欠とする法の
目的
もそのままに十年もの
延長
を行うことは、
原発
再
稼働
と
核燃料サイクル政策
の
推進
につながるものだと言わなければなりません。 本
特措法
に基づく各県の
振興計画
は非公表とされていて、参議院での審議が始まってから初めて一部の
議員
に
提出
されました。
質疑
では、
振興計画
によってあたかも
避難
のための
道路
や
施設
の
整備
が行われているがごとくの答弁がありましたが、
振興計画
には
原子力防災
や
避難
についての具体的な記述は皆無です。この
計画
に基づいてどのような
財政支援
がなされたかも全く分かりません。 しかも、各県の
計画
は、二〇〇二年から二〇〇四年にかけて作成された後、一度も
見直し
が行われていないことも明らかとなりました。
事故
が起きないという
安全神話
の上に、
事業所集積
、
基幹道路
や
箱物
の建設への
財政支援
が
原発推進
とともに行われてきたと言わざるを得ません。これらは、
立地周辺自治体
の
原発依存
を温存し、いわゆる
原発麻薬
から抜け出す妨げにもなっています。 これまでも、
原発立地交付金
など多額の
原発推進財源
が過大な
公共事業
や
施設整備
に投じられてきました。この
維持管理費
が、今や
自治体財政
を圧迫しています。福井県高浜町の元助役が長年
関電役職員
に金品を送っていたという
原発マネー還流
が明らかになりましたが、
原発立地自治体
にゆがみをもたらすやり方はやめるべきです。
柏崎刈羽原発
で
テロ対策
が行われていなかった問題で、
東京電力
は
原発事業者
としての資格がないと言われる
事態
です。
東海
第二
原発
は、
避難計画
に
実効性
はないとして、
運転差止め
の
判決
が出されました。
原発立地地域
に求められるのは、
原発
を
廃炉
にすることで
住民
の命と故郷を守ること、現実的な
避難計画
を持つこと、そして
原発
に頼らずに
地域
と
産業
の
振興
を
支援
することです。そのために我が党も力を尽くすことを表明し、
反対討論
を終わります。
森屋宏
5
○
委員長
(
森屋宏
君) 他に御
意見
もないようですから、
討論
は終局したものと認めます。 これより
採決
に入ります。
原子力発電施設等立地地域
の
振興
に関する
特別措置法
の一部を
改正
する
法律案
に
賛成
の方の
挙手
を願います。 〔
賛成者挙手
〕
森屋宏
6
○
委員長
(
森屋宏
君) 多数と認めます。よって、
本案
は多数をもって原案どおり可決すべきものと
決定
をいたしました。 この際、
小沼
君から
発言
を求められておりますので、これを許します。
小沼巧
君。
小沼巧
7
○
小沼巧
君 私は、ただいま可決されました
原子力発電施設等立地地域
の
振興
に関する
特別措置法
の一部を
改正
する
法律案
に対し、自由民主党・
国民
の声、
立憲民主
・
社民
、公明党、
日本維新
の会及び
国民民主党
・新緑風会の
各派共同提案
による
附帯決議案
を
提出
いたします。 案文を朗読いたします。
原子力発電施設等立地地域
の
振興
に関する
特別措置法
の一部を
改正
する
法律案
に対する
附帯決議
(案)
立地地域
における
防災
・安全のための
避難道路
、
避難所等
の
インフラ整備
は、
原子力発電
の
推進
、
反対
の立場に関わりなく、また、
稼働
中、休止中、
廃炉作業
中を問わず、今そこに
原子力発電施設
がある中で待ったなしの
課題
であり、
政府
は、
本法
の施行に当たり、次の諸点について適切な
措置
を講ずるべきである。 一
福島
第一
原子力発電所事故
の
教訓
を重く受け止め、
運転
を停止している
原子力発電所
を含めた
原子力発電施設等
の
安全性
を確保するため、万全の
措置
を講ずること。 二
広域避難等
を想定し、国が主導的に
関係地方公共団体等
と調整を行い、必要な
財源
を確保しつつ、複数の
府省
の所管にまたがる
施策
を総合的かつ実効的に
推進
することで、
避難先
の確保や災害時に
住民
が円滑に
避難
できる
道路等
、必要な
防災インフラ
を適切に
整備
し、
避難計画
の
実効性
を担保するよう努めること。 三
本法
は、これまで
地方税
の不
均一課税
に伴う
措置
、
国庫補助率
の
かさ上げ等
を活用しながら、
原子力発電施設等立地地域
における
振興
を行ってきたところ、今後、
振興計画
の
策定
及び変更を行うに当たっては、
原子力発電施設等立地地域
における脱
炭素社会
の
実現
に向けた
取組
の
在り方
を踏まえ、新
エネルギー源
(
エネルギー源
としての水素及び
再生可能エネルギー源
(太陽光、風力その他非
化石エネルギー源
のうち、
エネルギー源
として永続的に利用することができると認められるものをいう。)をいう。)の利用に関連する
産業
の
振興
に関しても十分に配慮すること。 四
政府
は、
温室効果ガス
の大幅な削減に向けて、徹底した省エネルギーの
取組
を
推進
するとともに、新
エネルギー源
の
主力電源化
を
実現
するため、
発電コスト
を低減する技術、高性能の
燃料電池
や蓄電池の
開発支援
など、
実効性
のある
施策
を講ずることとしているが、
原子力発電施設等立地地域
においても、脱
炭素社会
の
実現
に配慮しつつ、新
エネルギー源
の拡大や
送配電事業
の充実、
使用済核燃料対策
や
廃炉
の
具体化
に向けた
施策
の
在り方
を総合的に検討し、必要な
措置
を講ずること。 五
振興計画
を始めとした
支援措置
に関連する情報を適時適切に公開し、その運用の
透明性
を確保すること。 六 必要な場合の
法律
の
見直し
や更なる
補助
の
拡充
の検討など、
電源立地地域
の
振興
に関する他の
支援策
との機能的な連携を図りながら、
原子力発電施設等立地地域
の
振興
を不断に
推進
すること。 右
決議
する。 以上でございます。 何とぞ
委員各位
の御賛同をお願い申し上げます。
森屋宏
8
○
委員長
(
森屋宏
君) ただいま
小沼
君から
提出
されました
附帯決議案
を
議題
として、
採決
を行います。 本
附帯決議案
に
賛成
の方の
挙手
を願います。 〔
賛成者挙手
〕
森屋宏
9
○
委員長
(
森屋宏
君)
賛成
多数と認めます。よって、
小沼
君
提出
の
附帯決議案
は多数をもって本
委員会
の
決議
とすることに
決定
をいたしました。 ただいまの
決議
に対し、
井上内閣
府
特命担当大臣
から
発言
を求められておりますので、この際、これを許します。
井上内閣
府
特命担当大臣
。
井上信治
10
○
国務大臣
(
井上信治
君) ただいま御
決議
をいただきました
附帯決議
について、その趣旨を十分に尊重してまいります。
森屋宏
11
○
委員長
(
森屋宏
君) なお、
審査報告書
の作成につきましては、これを
委員長
に御一任願いたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
森屋宏
12
○
委員長
(
森屋宏
君) 御
異議
ないと認め、さよう
決定
をいたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時七分散会