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滝波宏文君 北海道以外も、できるだけ多くの
地域での文献調査を進めていく、こうした動きは処分地選定に向かう上で重要ですし、立地自治体にとっても心強いものだと思いますので、是非結果を出していただきたいと思います。
そして、先ほど申し上げたような観点から、このような最終処分地
確保に向けた動きを中央を始め他の
地域から行って潰すようなことは、これは
原子力推進だろうが脱
原発だろうが全く建設的でないことを強調したいと思います。我が国はどうしたって最終処分場を造らねばならないし、地元のことは地元の人が決めることです。
その上で、改めて強く申し上げたいと思いますが、この使用済燃料を始めとする放射性廃棄物は、
原子力のない沖縄を除けば、大消費地である都会を始め全
国民の問題であります。大都会も中央もしっかりとこの最終処分場の問題を決して人ごとにせず自分事として、自分たちが出したごみであるということを肝に銘じて
対応していただきたい、立地の立場からどうかよろしく
お願い申し上げます。
さて、
原子力避難道に戻ります。
三・一一時の
福島第一
発電所において停止中の炉でも
事故が起きたように、
稼働していない立地であってもそこにリスクはあります。よって、再
稼働の有無にかかわらず早急な
避難道
整備が必要なのに、あれから十年が経過しても遅々として
整備は十分に進んでいないのが現実です。
例えば、私の地元福井県では、特に
立地地域である嶺南
地域において、東西に抜ける、青葉トンネルの
改修を含む国道二十七号線の
整備、そして舞鶴若狭自動車道の四車線化が不可欠です。また加えて、半島があります。縦に、南北に、山や海を越えて
避難する各種
道路、橋の
整備も進めねばなりません。東西南北の
道路を格子状に
整備しておかなければ、危機時には
避難の方向と逆方向に車両が進む災害制圧、この動きにも大きな支障が出てまいります。
三・一一というあれだけのことが起こったわけですから、
原子力避難道の
整備がもっと進んでいなければならないのですが、それを阻んでいる幾つかの点が挙げられます。
まずは、本
法案がたどった運命に象徴的に現れていますが、先ほど話した
原子力の二次元の
議論、この必要性が十分に理解されていないことです。本
法案は、
原子力の
推進、脱
原発の軸に関わりなく、立地に寄り添うためのものなのに、その点が理解されず、
原子力との名称が付いているだけで、脱
原発のお立場から、衆議院での採決でも示されてしまったように、立民、共産両党が反対されております。
先ほど立民の木戸口理事の方から、
防災インフラ整備に、
原発の是非にかかわらず進めねばならないといった御
発言もありまして、あれっと思ったわけでございますが、いずれにせよ、本来この
原子力立地
特措法は、立地に寄り添う意識をお持ちの議員が超党派で作った
議員立法であり、あれだけのことがあったことを踏まえ、三・一一後の初の今回の更新に当たって、より一層拡充があってもしかるべきでした。しかしながら、先ほど申し上げたような衆院での反応も分かるように、全党一致を基本とする
議員立法では本
法案の拡充どころか更新すら危ぶまれ、やむなく
内閣が提案する
内閣法として出さざるを得ませんでした。
内閣法では、慣習上、拡充できず単純延長となってしまいました。実は、これが
原子力避難道
整備上、誠に情けなく悲しい
状況を生んでおります。
すなわち、資料二にありますように、現在、一般の
道路整備における国の補助は
道路財政
特別法で五五%に
かさ上げされており、本
原子力立地
特措法の
かさ上げ率と一緒になってしまっています。あれだけのことがあったのに、
原子力避難道
整備は一般の
道路整備への
支援と同じ
補助率なのです。
議員立法で拡充したかったのですが、先ほど申したような経緯の中でそれに至らなかったのは先ほど述べたとおりでありますし、この擦れ違いは誠に残念であります。
このほかにも、
原子力避難道
整備が進まない理由には役所の縦割り問題もあります。すなわち、
井上大臣が所管されている
内閣府
科学技術部局の中の
原子力担当、そして、同じ
内閣府ですが、小泉
大臣担当の
原子力防災部局、そして国交省の
道路局、経産省の
資源エネルギー庁など、
関係省庁が多岐にわたっています。
また、電促税、電源開発促進税の収入減などの財政制約ももちろんあります。
さらには、ほとんどの
原子力発電所が人口の少ないところに立地しており、
費用対効果と称されるBバイC基準が障壁となっているのも現実であります。
三・一一から十年の今こそ、このようなハードルを乗り越え、
原子力避難道の
整備を進めるべく、別枠で財源を設け、短期間で集中的に、BバイCは特例的に外して早急に
整備せねばならないと強く思いますが、
政府の御
所見と
原子力避難道
整備に向けた決意を、
原子力防災とそれから
道路局、それぞれにお伺いします。