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国務大臣(西村
康稔君)
経済再生担当大臣、全
世代型社会保障改革担当大臣、
経済財政政策を担当する
内閣府
特命担当大臣、
新型コロナウイルス感染症対策推進に関する
事務を担当する
国務大臣として、
所信の
一端を申し述べます。
我が国経済は、
感染症の
影響により、大変厳しい
状況にあります。昨年十―十二月期のGDP成長率は実質で前期比プラス二・八%と、二期連続のプラスとなるなど、
日本経済の潜在的な回復力を感じさせる
内容となっていますが、経済は依然としてコロナ前の水準を下回っており、回復は道半ばです。
足下では、
緊急事態宣言を発出し、首都圏については三月二十一日まで延長したところですが、その
影響も含め、経済の下振れリスクには十分な注意が必要です。感染リスクの高い場面に効果的な
対策を徹底し、
医療提供体制の
確保、営業時間短縮の働きかけの徹底、積極的疫学
調査の
実施など、まずは感染再
拡大の
防止に
全力で取り組みます。さらに、予備費を
活用したモニタリング検査に取り組むとともに、変異株の検査体制を
整備するなど、感染再
拡大の
防止に向けた
取組を徹底してまいります。厳しい
影響を受ける
方々には、
協力金や一時
支援金の支給等を行うとともに、実質無利子無担保融資を始めとする資金繰り
支援や雇用調整助成金の特例措置など万全の
支援策を講じます。
今後とも、感染
状況や経済的な
影響を注視しながら、今年度残額二・七兆円の予備費の
活用も含め、機動的に必要な
対策を講じてまいります。
今
国会において、新型インフルエンザ等
対策特別措置法等の改正案が成立しました。早期の
審議、採決に御
協力をいただき、御礼申し上げます。本改正に沿って、今後とも、
地方自治体と
連携をして、実効性の高い
対策を行うとともに、
対策に係る要請に応じていただく事業者に対して必要な
支援となるよう努めてまいります。
その上で、
国民の命と暮らしを守る
安心と希望のための総合経済
対策と、その裏付けとなる今年度第三次補正予算、来年度当初予算を
一体とした
経済財政
運営を行います。これらにより、来年度の成長率は実質四・〇%、GDPは来年度中にはコロナ前の水準を回復することを見込んでおり、その
実現に向けて
全力で取り組みます。
経済再生なくして財政健全化なしとの
基本方針の下、着実に民需主導の成長軌道に戻していくとともに、
政策効果の高い歳出への転換を徹底し、財政健全化につなげてまいります。
コロナ危機は大変厳しい試練ではありますが、その一方で、テレワークの浸透や
地方移住への関心など、
未来に向けた芽も出始めています。こうした動きを後戻りさせず、新しい成長につなげてまいります。
一つは、
デジタルニューディールです。
デジタルガバメント、通信網の
高度化等のインフラ
整備を進め、
デジタル化を通じた企業の経営革新を促してまいります。
二つ目は、グリーンニューディールです。二〇五〇年カーボンニュートラルの
実現に向け、
グリーン成長戦略が策定されました。民間
投資や
イノベーションに向けた
取組を後押ししてまいります。
三つ目が、人への
投資、ヒューマンニューディールです。少人数学級とICT
活用に個別最適な学び、キャリアアップ
支援やリカレント
教育の
強化、テレワークや副業、兼業、フリーランス等の働き方の環境
整備を進め、多様な人材の能力、発想が発揮される
社会を目指してまいります。
成長
戦略で取りまとめた実行計画において、ポストコロナ時代を見据えた主要
改革の基本的
方向性を具体化しました。今
国会において、産業競争力
強化法の改正など所要の
法案を提出するとともに、最終取りまとめに向けて、成長
戦略の検討を更に進めてまいります。
TPP11については、引き続き署名国による協定の早期締結を促すとともに、その着実な
実施、
拡大に取り組んでまいります。加入要請を通報した英国については、協定のハイスタンダードを満たせるか見極めつつ、加入
手続に従って、まずは交渉開始までのプロセスを円滑に進められるよう議長国として取り組みます。
今回のコロナ危機では、弱い立場にある
方々が大変厳しい
状況に直面しています。生活困窮者や一人親世帯への
支援など、誰一人として取り残されない包摂的な
社会の
構築に取り組んでまいります。就職氷河期世代の
方々についても、きめ細かな
支援を行います。
その上で、生産性向上に向けた
支援、雇用、賃上げを
促進する税制措置等を通じ、賃上げのモメンタムが
維持できる環境
整備に取り組んでまいります。
全
世代型社会保障改革については、昨年末の閣議決定に沿って、
少子化対策の抜本的
強化と
高齢者医療について
負担の仕組みの
見直しに取り組むため、今
国会で所要の
法案が提出されたところであり、引き続き、
改革を前に進めてまいります。
森屋委員長を始め、
理事、
委員各位の御
理解と御
協力をよろしくお願い申し上げます。