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2021-04-20 第204回国会 参議院 総務委員会 第11号
公式Web版
会議録情報
0
令和
三年四月二十日(火曜日) 午前十時開会 ─────────────
委員
の
異動
四月十五日
辞任
補欠選任
舟山
康江
君
芳賀
道也
君 四月十六日
辞任
補欠選任
高橋はるみ
君
今井絵理子
君 四月十九日
辞任
補欠選任
芳賀
道也
君
浜野
喜史
君 ─────────────
出席者
は左のとおり。
委員長
浜田
昌良
君 理 事
進藤金日子
君 堀井 巌君
那谷屋正義
君 若松
謙維君
片山虎之助
君 委 員 石井 正弘君
今井絵理子
君
片山さつき
君 滝波 宏文君 柘植 芳文君
二之湯
智君 長谷川 岳君 松下 新平君 三浦 靖君
山本
順三君 小沢
雅仁
君 岸 真紀子君
吉川
沙織
君 吉田
忠智
君 下野 六太君
柳ヶ瀬裕文
君 小林 正夫君
浜野
喜史
君 伊藤 岳君
国務大臣
総務大臣
武田
良太
君 副
大臣
内閣
府副
大臣
山本
博司君
総務
副
大臣
新谷
正義
君
大臣政務官
総務大臣政務官
古川 康君
厚生労働大臣政
務官
こやり隆史君
事務局側
常任委員会専門
員 佐藤
研資
君
法制局側
法制局長
川崎
政司
君
政府参考人
総務省行政評価
局長
白岩
俊君
総務省自治行政
局選挙部長
森
源二
君
総務省総合通信
基盤局長
竹内
芳明
君
総務省サイバー
セキュリティ統
括官 田原 康生君
法務省大臣官房
審議官
堂薗幹一郎
君
法務省大臣官房
司法法制部長
金子 修君
法務省人権擁護
局長
菊池 浩君
厚生労働省大臣
官房審議官
大坪 寛子君 ───────────── 本日の会議に付した
案件
○
政府参考人
の
出席要求
に関する件 ○
特定電気通信役務提供者
の
損害賠償責任
の
制限
及び
発信者情報
の
開示
に関する
法律
の一部を改 正する
法律案
(
内閣提出
、
衆議院送付
) ○
連合審査会
に関する件 ─────────────
浜田昌良
1
○
委員長
(
浜田昌良
君) ただいまから
総務委員会
を開会いたします。
委員
の
異動
について御
報告
いたします。 昨日までに、
舟山康江
君及び
高橋はるみ
君が
委員
を
辞任
され、その
補欠
として
浜野喜史
君及び
今井絵理子
君が選任されました。 ─────────────
浜田昌良
2
○
委員長
(
浜田昌良
君)
政府参考人
の
出席要求
に関する件についてお諮りいたします。
特定電気通信役務提供者
の
損害賠償責任
の
制限
及び
発信者情報
の
開示
に関する
法律
の一部を
改正
する
法律案
の
審査
のため、本日の
委員会
に、
理事会協議
のとおり、
総務省行政評価局長白岩俊
君外七名を
政府参考人
として
出席
を求め、その
説明
を聴取することに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
浜田昌良
3
○
委員長
(
浜田昌良
君) 御
異議
ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
浜田昌良
4
○
委員長
(
浜田昌良
君)
特定電気通信役務提供者
の
損害賠償責任
の
制限
及び
発信者情報
の
開示
に関する
法律
の一部を
改正
する
法律案
を議題といたします。 本案の
趣旨説明
は既に聴取しておりますので、これより
質疑
に入ります。
質疑
のある方は順次御発言願います。
吉川沙織
5
○
吉川沙織
君
立憲民主党
の
吉川沙織
でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 今
通常国会
においては、
内閣提出議案
の
条文
や
関連資料
に多くの
誤り
が判明し、
議院運営委員会理事会
や
委員会
で議論、
質疑
を行うとともに、本院においては、各
会派合意
の下、
議院運営委員長
から
政府
に対する
要請
についても行ったところでございます。 そんな中、先週土曜日、
特定会派
の
参院議員提出
で
成立
した
公職選挙法
の
罰則
に関する
条文
の
誤り
について報道がありました。
選挙
については当
委員会
の
所管事項
であり、
民主主義
の根幹である
選挙
に関わる
法律
の、しかも
罰則
の
条文
の
誤り
という重要な
内容
であることから、冒頭に事実
確認
だけさせていただければと思います。
総務省
に伺います。 今回の
条文誤り
を
総務省
としてはいつ
認識
し、いつ
参議院法制局
に
お伝え
になりましたでしょうか。
森源二
6
○
政府参考人
(
森源二
君)
お答え
申し上げます。
総務省
におきましては、
平成
三十年十二月に御
指摘
の
条文改正
の
漏れ
に
疑義
を持ちまして、
参議院法制局
にこのことについて
確認
の
連絡
をいたしたところでございます。
吉川沙織
7
○
吉川沙織
君 法が、まあひどい形ではありましたけど、
平成
三十年の七月に可決、
成立
をして、法を誠実に
執行
する
責務
を負う
行政
府たる
総務省
としては
条文
のチェックをされていたところ、
疑義
が生じたので、それを
参議院法制局
に伝えたということだと思います。それが
平成
三十年十二月ということでした。 では、
参議院法制局
は、
総務省
のこの伝達を受けて、これを
当該議案
の
提出会派
や
参議院事務局
に
報告
しましたか。
川崎政司
8
○
法制局長
(
川崎政司
君) まず、この度は、私
ども
の不手際によりまして
先生方
に御心配をお掛けすることになりましたこと、心よりおわび申し上げます。 その上で、お尋ねについて
お答え
をさせていただきます。
平成
三十年十二月、
総務省
から
連絡
を受けて、
提出会派
への
報告
、
事務局
に伝えるといったことはしておりません。
吉川沙織
9
○
吉川沙織
君
平成
三十年十二月、今は
令和
三年四月ももう下旬です。約二年半放置をしていたことに結果としてなりますが、なぜ
提出会派
にも
参議院事務局
にも
報告
しなかった、その
理由
について教えてください。
川崎政司
10
○
法制局長
(
川崎政司
君) まず、
総務省
から
指摘
を受けました
平成
三十年十二月の
段階
では、
整理漏れ
の
情報
が担当の第三
部長
にとどまることになり、
組織
として共有することができなかったため、対応することができませんでした。 その後、
組織
として把握するに、その後一年以上たってからでございますが、
組織
として把握するに至ったところ、これまで、そういうその
条文
の
整理漏れ
のような
ミス
につきましては、実質的な
法律改正
をする際に訂正をするといったようなことがございますので、その実質的な
改正
でどうにか
改正
できないかということでいろいろ模索をしている間に時間がたってしまったということでございます。申し訳ございません。
吉川沙織
11
○
吉川沙織
君
法制局長
、
先ほど
から
条文
の
整理漏れ
という
言葉
をお使いになりますが、
総務省
、これ
条文誤り
ということでいいですよね、
選挙部長
。
森源二
12
○
政府参考人
(
森源二
君)
条文
として正しくない、誤っているというふうに
認識
をしているものでございます。
吉川沙織
13
○
吉川沙織
君 そもそも
参議院法制局
の
認識
として、昨日
説明
に来ていただきましたけど、そのときも
条文
の不
整合
という
言葉
で終わらせようとしている。今の
説明
も
整理漏れ
とおっしゃいました。 これはあくまで
罰則
に関わる
条文
の
誤りそのもの
であって、今ほかの例をお引きになりましたけど、ほかの例は、
改正
のときにもう要らなくなった項目がその次の
改正
で
整理
をしたというだけであって、
罰則
に関わるとか
条文
の
誤りそのもの
ではありません。二年半放置してしまったということの
責任
は、
特定会派
の
参議院議員提出
の
公職選挙法
の
改正
ではありましたけれ
ども
、その
主体
として厳しく
責任
が問われてしまうのではないかと思いますが、ここで
総務省選挙部
にまた伺います。 今回の
条文誤り
に係る
罰則
の
適用
についての見解を伺います。
森源二
14
○
政府参考人
(
森源二
君)
公職選挙法
の文言上、
電子メール
を利用する方法による
選挙運動用文書図画
の頒布に係る
表示義務違反
についての
罰則
の
規定
が正しく
規定
をされていない
状況
が生じているところでございまして、本来の
立法意図
に照らしまして、同
規定
が正しく
適用
されるか否かにつきましては、これ、最終的に個別の
事案
につきまして
司法
により判断されることになるものと考えているところでございます。
吉川沙織
15
○
吉川沙織
君
法律
の
執行段階
にあれば、今
選挙部長
が
答弁
なさったとおり、一義的には検察が判断して、最終的には
裁判所
、つまり
司法
の判断になるというのは、確かにそのとおりだと思います。しかし、
行政
は
法律
を誠実に
執行
し、
司法
は争訟に対して
法律
を
適用
して裁定するのですから、いずれも
法律
がいかに
規定
しているかが重要であって、
条ずれ
の
単純ミス
で生じた
誤り
であったとしても
影響
は甚大です。 ここで改めて
参議院法制局長
に伺います。 二年半近くも放置して、仮に、この間、
令和元年
の第二十五回
参議院
通常
選挙
ありました。今も現に三つの
補欠選挙
、再
選挙
が行われています。半年以内に総
選挙
も必ず
執行
される
状況
にある中で、この間、仮に何か
事案
があったらどうするおつもりだったんですか。
川崎政司
16
○
法制局長
(
川崎政司
君) 私
ども
は、
執行機関
あるいはそういう
罰則
を
適用
するような
機関
ではございませんので、私
ども
として何かできるということはございませんが、私
ども
としましては、やはり、
先ほど
総務省
が
お答え
になったように、
規定
の
適用
の可否については、個別の
事案
あるいは具体的な事実を踏まえて
司法当局
で判断し、対応していくことになるものというふうに考えていたところでございます。
吉川沙織
17
○
吉川沙織
君 法の
執行
に至ればそうかも分かりません。ただ、この
条文
の
誤り
、あくまで
法制局
は
条文
の
整理漏れ
とか不
整合
とおっしゃいますけど、
総務省
は誠実に
条文
を読み下したら、これは
条文
の
誤り
だということです。しかも、
罰則
に関わる
条文
の
誤り
です。
法的安定性
を著しく欠く
現状
であるということ、
法制局
は
ミス
を生じた
主体
として
責任感
に欠ける、せめて
報告
は即座にするべきだったと思います。我々の
認識
と大きな開きが残念ながらあるのではないかと思いますし、私、これ四月一日の
議院運営委員会
で
官房長官
に対しても申し上げました。
条文
の
誤り
は
国民
の
権利義務
に重大な
影響
を及ぼし、また、
国民生活
、
経済活動
に混乱を招きかねない、こういうことであるということを立法府の
法制局
としても改めて
認識
いただきたいと思います。 ここでまた
総務省選挙部
に伺います。
公職選挙法
を所管し、誠実に
執行
する
責務
を有する
総務省
として、このような法の
誤り
が放置されている、この
現状
をどうお考えになりますか。
森源二
18
○
政府参考人
(
森源二
君)
本件
の
条文改正
の
漏れ
によりまして、
条文
のある、
誤り
のある
状況
、これは本当に望ましくないもので、是正される必要があるものというふうに考えているところでございます。
総務省
としても、今後見込まれる
直近
の
公職選挙法
の
改正
に併せて
本件
についても是正されるようにするなど、引き続き
参議院法制局
などと連携してしっかりと対応させていただきたいと存じます。
吉川沙織
19
○
吉川沙織
君 今回の
案件
につきましては、
総務省
は、
特定会派
の
参議院議員
が提出した
公職選挙法
の
改正
で、まあ通っちゃったので、
条文
チェックして、それを出した
主体
である
法制局
に迅速に
お伝え
になった。それを判断する、
報告
をするのはあくまで
参議院
の
法制局
にあったはずです。 ただ、このような
誤り
が生じてしまったのは、
参議院改革協議会
でも全く議論していなかった
内容
の
法案
、おととしの
参議院選挙
で初当選された
議員
の皆さんは御存じないかと思いますが、全く、
参議院改革協議会
で一年十七回掛けて
選挙制度改革どうしよう
かと議論していた以外のものが突如出てきて、たった二週間とかそんなもので
条文作成
に携わった
法制局
は過大な負担が掛かったことは容易に想定されます。ですので、
参議院改革協議会
、前の
参議院改革協議会
でも全く議論していない
内容
の
法案
を急遽、各
会派
の
合意
が大事であるにもかかわらず、それをなさらなかった
自民党会派
にも私は
責任
があるのではないかと思います。 今、
選挙部長
からお話ございましたとおり、
罰則
に係る
条文
の
誤りそのもの
ですので一刻も早く是正されるべき
内容
だと思いますので、ここは、今日午後一時から
議院運営委員会理事会
もございますので、やり取りをしていきたいと思います。
参議院法制局長
と
選挙部長
に対しては以上でございますので、
委員長
、お取り計らいよろしくお願いします。
浜田昌良
20
○
委員長
(
浜田昌良
君)
参議院法制局川崎法制局長
及び
総務省自治行政局森選挙部長
はここで退席いただいて結構でございます。
吉川沙織
21
○
吉川沙織
君 本
改正案
について質問いたします。 社会問題となっている
インターネット
上の
誹謗中傷
に対処するためのものでありますが、これ新たな
裁判手続
の
新設等
を行うものです。昨年五月には痛ましい
事件
もあったところでございますが、
インターネット
上の
誹謗中傷
の
発生状況
について
総務大臣
にお伺いいたします。
武田良太
22
○
国務大臣
(
武田良太
君)
総務省
が
委託運営
を行っています違法・
有害情報相談センター
における
相談対応件数
は、
平成
二十七
年度
以降、約五千件で高止まりしており、
センター
における
相談
が開始された
平成
二十二
年度
と比較すると約四倍となっております。
吉川沙織
23
○
吉川沙織
君
センター
が創設されてから約四倍、残念ながら
インターネット
上の
誹謗中傷
の
事案
は一方的に
右肩上がり
に増えてしまっているという
状況
が
大臣
の
答弁
から改めて分かりました。 では、
インターネット
上の
誹謗中傷
とかあると思うんですけど、
権利侵害事案
としてはどのような
類型
が多いのか、
総合通信基盤局長
に伺います。
竹内芳明
24
○
政府参考人
(
竹内芳明
君)
お答え
いたします。
総務省
として国内の
プロバイダー
に対して行いました
平成
元
年度
の調査結果によりますと、最も多い
類型
は
名誉毀損
、
プライバシー侵害事案
であり、次いで
知的財産権侵害事案
が多いとの結果が出ております。この
名誉毀損
、
プライバシー侵害事案
には
人権侵害事案
が含まれているものでございます。
令和元年
度のアンケート結果でございます。
吉川沙織
25
○
吉川沙織
君 今の
局長答弁
によれば、
名誉毀損
、
プライバシー
、それから
知的財産侵害事案
も多い、その中で
人権侵害
も含まれるということであり、大変深刻な問題だと思います。
権利侵害事案
の多いプラットフォーマーはどこなのかということに関しては、四月八日の
衆議院総務委員会
での
局長答弁
によれば、最も多いのがツイッター、次いでグーグル、
フェイスブック
ということでありましたが、近年、これらがもう当たり前のように使われるようになるとともに、
権利侵害事案
が増えているということも言えるかと思います。 では、この
法律
、制定されたときは
片山虎之助総務大臣
のときでございましたけれ
ども
、それ以降どれぐらい
改正
されたか、
局長
、教えてください。
竹内芳明
26
○
政府参考人
(
竹内芳明
君)
平成
十三年に
現行法
が
成立
して以降、
法改正
を実施したのは一回でございます。
平成
二十五年、
インターネット選挙運動
の
解禁
を
内容
とする
公職選挙法
の一部を
改正
する
法律
の
公布
、
施行
に伴いまして、
選挙運動期間
中における
名誉侵害情報
の
流通
に関する
公職
の
候補等
に係る
損害賠償責任
について特例を新設したものでございます。
吉川沙織
27
○
吉川沙織
君 それっていわゆる、まあ
改正
は
改正
なんでしょうけど、
総務委員会
でやっていました。
竹内芳明
28
○
政府参考人
(
竹内芳明
君) どの
委員会
で御審議いただくかは
国会
でお決めいただくことでございますが、たしか
倫選特
で御審議いただいたと記憶しております。
吉川沙織
29
○
吉川沙織
君 今
局長
が
答弁
なさった
平成
二十五年の公選法の
改正
は、いわゆる
インターネット選挙運動
ができるようにするための
改正
であって、そのためにこの
法案
も
改正
しなきゃいけないという
理由
であって、
総務省
が自発的に
改正
しましょうといった
改正
ではありません。
法改正
がその
平成
二十五年の
インターネット選挙運動解禁
に伴う
改正
であったということは
確認
できました。では、
総務省令
の
改正
の回数についてお伺いします。
竹内芳明
30
○
政府参考人
(
竹内芳明
君)
平成
十四年に
プロ責法
の
施行
の際に
開示請求
の
発信者情報
を定める
省令
が制定されて以降、
省令改正
は四回実施してございます。 これは、
SIMカード
の
識別番号
や
ポート番号
、あるいは
発信者
の
電話番号
といった
開示対象
については
省令
で
規定
しておりますので、そうした
改正
を四回実施してございます。
吉川沙織
31
○
吉川沙織
君 つまり、
平成
十三年、
片山虎之助総務大臣
の下で
本法
が制定されて以降、
改正
は
倫選特委員会
では行われましたけど、
総務委員会
で自発的に行われたものはなく、
省令改正
は
発信者番号開示
の
省令
に伴う
改正
が四回。
直近
の例は去年の八月であると承知しておりますけれ
ども
、本当にこれでよかったのかというところで一つお伺いしたいと思います。
先ほど
総務大臣
から、
権利侵害事案
の
件数
は増えているという
答弁
ありました。事実、
先ほど
もありましたけれ
ども
、違法・
有害情報相談センター
の
相談件数
は、
インターネット
上の
人権侵害
に関する
人権侵犯事件数
のいずれも、この十年の増加が非常に顕著です。よって、この対策の
緊急性
は高いと言えます。 ただ、
平成
十二年に公表された当時の
郵政省インターネット
上の
情報流通
の
適正確保
に関する
研究会報告書
において、
発信者情報開示
については非
訟手続
の考え方が提言されていました。にもかかわらず、
平成
十三年の
プロバイダー責任制限法制定時
には、非
訟手続
ではなく
開示請求
に関する
手続
の
制度整備
が行われるにとどまって、以降、
開示請求そのもの
に関する
見直し
は行われてきませんでした。 現在に至るまで、今日現在に至るまで、
プロバイダー責任制限法
に、
平成
十二年の
報告書
、貴重な提言いっぱい書かれています、なぜこれを踏まえた非
訟手続
を整備することとならなかったんでしょうか。
竹内芳明
32
○
政府参考人
(
竹内芳明
君)
憲法
第三十二条におきまして「何人も、
裁判所
において
裁判
を受ける
権利
を奪はれない。」とされておりまして、
憲法
上実体的な
権利義務関係
の
存否
を終局的に確定する場合には
訴訟手続
によることが
要請
されております。 このため、当時、
郵政省
におきましては、
平成
十二年の
報告書
を踏まえまして、
平成
十三年
成立
の
プロバイダー責任制限法
第四条におきまして
発信者情報開示請求権
を創設し、かかる
権利義務
の
存否
及びその
内容
を終局的に確定させるためには当事者が
訴訟手続
において争う
機会
を保障する必要があることから、
訴訟手続
で行う
機会
を保障したものでございます。 なお、近年に至りまして迅速な
被害者救済
が求められてきていることから、今般、非
訟手続
を導入する形で
見直し
を行うものでございます。
吉川沙織
33
○
吉川沙織
君 今回は非訟、
訴訟
ではなくて非訟の
手続
を取ることも認めるわけですけれ
ども
、何でもっと早くやれなかったんでしょう。
竹内芳明
34
○
政府参考人
(
竹内芳明
君)
先ほど
申し上げましたように、
憲法
上の
要請
によりまして、まず
実体法
上の
発信者情報
の
開示請求権
、これをまずは
平成
十三年の
法律
におきまして
法律
の第四条として
規定
をし、
訴訟
で争えるための
根拠規定
を置いたということでございます。 その後、
スマホ
の普及でございますとかSNSの利用の増大、こういったことに伴いまして、これは
表現
の自由と
被害者
の
救済
の
バランス
をどのように取っていくかということの上において、近年においては
被害者
の迅速な
救済
ということについての
要請
が高まってまいったという
認識
の下で、今回
改正
をお願いするものでございます。
吉川沙織
35
○
吉川沙織
君
発信者情報
の
開示
、つまり
被害者
の
救済
、
権利救済
と
表現
の自由との
バランス
というのは非常に大事だということは理解しますけれ
ども
、これだけ一気に
法改正
に、今まで至らなかったものが、
憲法
上の
要請
として、至らなかったものが今回至ったということは、やはり昨年五月のあの痛ましい
事件
も大きなきっかけになったんだと思われますが、もっと早く検討してもよかったのではないかと思います。 では、この
法案
、
改正案
の
施行期日
は、
公布
の日から起算して一年六か月以内において
政令
で定める日となっていますが、
公布日
に
施行
しない
理由
と
施行期日
はいつ頃を見込んでおられるか、お伺いします。
竹内芳明
36
○
政府参考人
(
竹内芳明
君)
委員
御
指摘
の
本法
の
施行期日
は、
公布
の日から起算して一年六月以内で
政令
で定める日としているところでございます。 これは、この
法律
の
施行
に向けましては、
最高裁判所規則
や
総務省令
、さらに新設する
開示命令事件
に関する
裁判手続
において用いられる
各種文書
の様式などの検討や
制定作業等
が相当量発生すること、また、
影響
を受ける者の範囲が
事業者等多岐
にわたるために相当の
準備期間
、
周知期間
を必要とすることを勘案して定めたものでございます。
吉川沙織
37
○
吉川沙織
君 今回、
総務省
の
法案
で
裁判手続
を新たに創設するわけですし、本
改正案
の
提案理由
のところを読みますとこう書いてあります。「
発信者情報
の
開示請求
に係る新たな
裁判手続
を創設する」、こうあります。 では、
裁判所
による
決定手続
を新設した最近の
立法例
について教えてください。
竹内芳明
38
○
政府参考人
(
竹内芳明
君)
裁判所
による
決定手続
を新設いたしました最近の
法律
におきまして、例えば例といたしましては、
令和元年
に制定されました
表題部所有者不明土地
の登記及び管理の
適正化
に関する
法律
及び
平成
十九年に
改正
されました
犯罪被害者等
の
権利利益
の保護を図るための
刑事手続
に付随する措置に関する
法律
が挙げられます。これらの法、両
法律
につきましては、いずれも
施行期日
を一年六月以内で
政令
で定める日と定めているものでございます。
吉川沙織
39
○
吉川沙織
君 今
局長
の
答弁
で、新たな
裁判手続
を
法律
の中に定めた例として
令和元年
の例と
平成
十九年の
法案
を挙げていただいて、それはいずれも
施行
が一年六か月以内とされていると伺いました。 では、この
裁判手続
を新たに新設した
二つ
の
法案
が実際
公布
の日から
施行
までどの程度掛かったのか、教えてください。
竹内芳明
40
○
政府参考人
(
竹内芳明
君) 御
説明
いたしました
二つ
の
改正法
につきましては、いずれも
公布
の日から約一年五か月後に
施行
されております。
吉川沙織
41
○
吉川沙織
君 では、今回のも、
先ほど
、なぜ
公布
と同時に
施行
できないのか、一年六か月以内にしているのかという
理由
のところで、
局長
の
答弁
によれば、最高裁の
規則
とか、
あと裁判手続
において定められるいろんなもの、それから
総務省令
の
改正
が
多岐
にわたるということが挙げられました。であると、やはり今回も
緊急性
がすごい高い
法案
であり、
施行
は早い方が、整えばいいと思うんですけれ
ども
、それなりの時間を要するということだと思います。 ここで一つ
確認
させてください。今回の
改正法
が
施行
されるのが
公布
の日から一年以上掛かってしまう
可能性
が、蓋然性が高い中、その
改正法施行
より前に起きてしまった
権利侵害事案
について、本
改正
に基づく
発信者情報開示請求
を行うことは可能でしょうか。
竹内芳明
42
○
政府参考人
(
竹内芳明
君)
改正法施行
より前に起きた
権利侵害事案
であっても、
当該権利侵害事案
について
改正法
に基づく
開示命令
の
申立て
を行うことは可能でございます。
吉川沙織
43
○
吉川沙織
君 今の
答弁
では、
改正法
がしばらく先の
施行
になるでしょうけれ
ども
、
施行
より前に起きてしまった
権利侵害事案
についても
改正法
に基づく請求を行えるということでした。 ただ、これ
開示請求
を行っても、ログが
プロバイダー
とかに残っていなければ全くもって意味を成さないおそれもあります。ログは、やっぱり事務的なものに必要なものは事業者が保存しますけど、やはりいろんな通信の秘密の観点から一定程度の期間がたてば消去するのが筋だと、それも思います、分かります。 でも、やっぱりこういうことも考えられますので、そことの関係をどう考えるかは現行
手続
と同様に大事だと思います。
裁判手続
の新設を伴う
法改正
であるために準備に時間を要することは理解しますが、やはりこの
改正
は
権利侵害事案
に対応するものですから、早期
施行
に向けて立法府の立場からも注視をしていきたいと思います。 今回の
法改正
のよりどころとなったのは、
発信者情報開示
の在り方に関する研究会最終とりまとめ、これが本
改正案
の基となっていると承知しております。今回、実際に新たな
裁判手続
が新設されれば、これ運用は
総務省
ではなくて
裁判所
となります。本
改正
の、今申し上げた研究会には、オブザーバーとして第一回からは法務省と文化庁が入っていました。でも、最高裁は第七回目からしか参加していません。 最高裁のみ途中参加となった
理由
を
総務省
に伺います。
竹内芳明
44
○
政府参考人
(
竹内芳明
君) 御
指摘
の研究会におきましては、昨年八月に中間とりまとめを公表して以降、今回の
改正法
における
改正
事項でございます新たな
裁判手続
の在り方について集中的に検討をいただきました。 こうした検討を行う際には、実際に
裁判
実務を担当する
裁判所
の知見が必要不可欠であったことから、昨年九月に開催されました第七回会合から最高
裁判所
にオブザーバーとして参加いただいたものでございます。
吉川沙織
45
○
吉川沙織
君 必要になったからということは分かるんですが、この
発信者情報開示
の在り方に関する研究会の第一回目は
令和
二年四月三十日となっています。このときは、特に新たな
裁判手続
を創設するとか、そういったことが想定されていなかったからだと思いますが、それで
認識
合いますでしょうか。
竹内芳明
46
○
政府参考人
(
竹内芳明
君) 第一回を開催した時点におきましては、広範に、
本法
が
施行
されて二十年、約二十年経過ということで、その間のサービスや技術の変化というものを踏まえて、どういう
見直し
を行っていくべきかということについて幅広く議論をスタートいたしました。 その後、痛ましい
事案
な
ども
あり、そういった
状況
も踏まえ、
先ほど
申し上げましたように、八月の中間とりまとめ以降におきましては、迅速な
被害者救済
のための新たな
裁判手続
といったテーマについて重点的に御検討いただいたものでございます。
吉川沙織
47
○
吉川沙織
君 今、四月の第一回目の時点では広範な論点について議論をする。七月十日と八月二十八日に中間とりまとめについて議論されていますが、ここでは様々慎重な意見をおっしゃった
委員
の方がいらっしゃると承知していますが、その辺、その後どう対応されたんですか。
竹内芳明
48
○
政府参考人
(
竹内芳明
君) 七月に公表いたしました中間とりまとめ案におきまして、新たな
裁判手続
についてどのような考え方、制度的な立て付けで考えていくべきかということについて少し論点
整理
的なものをお示しをいたしました。 その時点では、新たな
裁判手続
として、やはりその
権利
保障をどういうふうにやっていくのかとか細かな点まで十分議論が及んでおりませんでしたので、多くの関係者の方々から、こういった点は心配だとか、こういった点はもう少し丁寧に議論した方がいいんじゃないか、様々な御議論をいただきましたので、
先ほど
申し上げましたように、九月以降の会合におきまして最高裁にもオブザーバーとして参加いただき、また、関係の弁護士の方々などからも様々な知見をいただいて、本当に丁寧に議論を重ねて、合計十一回にわたる会合でお取りまとめをいただき、最終的には、その中間とりまとめのパブコメの際に様々問題点の
指摘
をされていた
委員
の方々もこれが恐らく現時点で考え得る最大、ベストの案であるということで、最終回においては皆様同意をいただく、
合意
をいただく形で取りまとめをいただいた、こういう経緯でございます。
吉川沙織
49
○
吉川沙織
君 中間とりまとめの
段階
では構成員の方が慎重な意見をおっしゃって、この中間とりまとめが提示されたのが七月十日で、痛ましい
事案
があったのが五月ですので、議論を若干急いだ分、ちょっと、今
答弁
あったように細かな点について議論が及んでいなかったということもありましたので、その後は丁寧に最高裁にも参加をいただいて議論をされて、このとりまとめに至っているものかと思います。 この最終とりまとめにおいては、
訴訟
ではなく、非
訟手続
創設のメリットとして、
訴訟手続
よりも
裁判所
の職権性が強い非訟
事件
手続
と書いてあります。 ここで、法務省に伺います。
裁判所
が運用上、一定程度後見的な役割を担い得ることが挙げられていますが、
裁判手続
の新設に伴う
裁判所
の負担について
認識
をお伺いいたします。
金子修
50
○
政府参考人
(金子修君) 本
法案
で想定されております新たな
裁判手続
の導入によりまして
裁判所
の負担が実際に増加するか否かにつきましては今後の運用を見守っていくことになりますが、いずれにせよ、負担が増加することになったとしても、
裁判所
においては、新たな
裁判手続
が創設された趣旨に従って適切に制度を運用するとともに、そのために必要な体制整備を行っていくものと承知しております。
吉川沙織
51
○
吉川沙織
君 今までは
訴訟
、まあ
裁判
外で任意
開示
という事例もあったと思いますけれ
ども
、非
訟手続
を創設することによって
件数
が増加する、それからまた、職権探知主義というんですか、そういったことで
裁判所
が一定程度後見的な役割を担っていくことも想定されますので、是非、運用上見つつだとは思うんですけど、適切に対応いただければと思います。 今回、
発信者情報開示
の
申立て
に当たっての費用の負担について伺います。現行
手続
で掛かる費用と新設される非
訟手続
において必要となる主な費用について、
局長
に伺います。
竹内芳明
52
○
政府参考人
(
竹内芳明
君) 現行の
裁判手続
において必要となる主な費用につきましては、仮処分
手続
については、手数料二千円のほか、担保を立てることが発令の条件となっております。この担保の額につきましては、例えば東京地方
裁判所
保全部においては通常十万円から三十万円というふうに聞いております。また、
訴訟手続
については、手数料として一万三千円でございます。 他方で、本
改正案
による新たな
裁判手続
において必要な費用、
裁判所
に納付する手数料につきましては一
申立て
当たり千円が想定され、担保を立てることは発令の条件とはなっておりません。 なお、いずれの場合におきましても、このほか、郵便切手代や弁護士費用等が必要となると考えております。
吉川沙織
53
○
吉川沙織
君 済みません、今ちょっと聞き取れない部分があったんですが、官報っておっしゃいました。
竹内芳明
54
○
政府参考人
(
竹内芳明
君) 済みません。日本郵政のかんぽではなく、担保でございます。(発言する者あり)担保、担保、担保金、担保。
吉川沙織
55
○
吉川沙織
君 いずれにしても、現行の
手続
に要する費用と新設される非
訟手続
に要する費用というのはかなり、非
訟手続
だと千円ということですので、非常に心理的、金銭的なハードルは下がることになります。となると、
被害者
の
権利
回復の観点からは、制度の使いやすさというのはとても重要です。 ただ一方で、従来よりも簡易な
手続
、割安な費用となることにより、
手続
の悪用とか濫訴のおそれがあるのではないかと思いますが、御見解を伺います。
竹内芳明
56
○
政府参考人
(
竹内芳明
君) 本
改正案
では、
権利
侵害の明白性といった
開示
の判断に当たっての実体要件は変更しておりませんので、本
改正
により濫訴が生じるとは考えておりません。また、
手続
上も、
異議
の
訴訟
が提起されない場合などには終局決定に確定判決と同一の効力として既判力が付与されるとともに、
申立て
の取下げについても一定の場合には相手方の同意を要するものとするなど対策が講じられており、本
改正
により濫訴が生じるとは考えておりません。
吉川沙織
57
○
吉川沙織
君 最終とりまとめの
報告書
の二十二ページと二十五ページに、例えば、今回の非
訟手続
の創設に当たって
件数
の増加等による負担が増しとか、あと、新たな
裁判手続
においては現在よりも簡易迅速な形でというのを書いてあるので、やはり、いい人がいればそうでない人もいるかも分かりません。あると思うんですけど、大丈夫ですか。
竹内芳明
58
○
政府参考人
(
竹内芳明
君)
先ほど
申しましたように、制度上の一定の歯止めは私
ども
しっかりと設けているというふうに考えております。 ただ一方で、今後、本
法案
をお認めいただけましたら、その運用
段階
において、どのような
状況
になっているのかというところについてはよく私
ども
としても実態を把握をし、見直すべき点があればしっかり検討していきたいと、このように考えております。
吉川沙織
59
○
吉川沙織
君 今回は、
発信者情報開示
の在り方に関する研究会で、中間とりまとめでは慎重な意見が出たけれ
ども
、その後、丁寧な議論をして、結果として、非訟と
訴訟
のハイブリッドとして、
異議
なく
開示
可否が確定した場合には、今
答弁
でも
言葉
をお使いになりましたけど、既判力が生じて濫用的な蒸し返しは防止できるとされている一方で、
手続
の悪用や濫用というのは、実はこの
発信者情報開示
制度固有じゃなくて、民事上、紛争一般に存在する問題とされています。
総務省
、この点どうお考えでしょうか。
竹内芳明
60
○
政府参考人
(
竹内芳明
君) 御
指摘
のとおり、
手続
の濫用は、本制度固有の問題ではなく、民事上、紛争一般に存在する問題でございます。このため、一部の者による濫用を防止する仕組みを設けた場合には、被害
救済
を求める他の利用者の利便を阻害するおそれもあるという点にも十分配慮することが必要でございます。
総務省
としては、
裁判所
による公正かつ厳正な
審査
の下、審理の下、
発信者情報開示
制度の適正な運営が図られるものと考えておりますが、法
施行
後、看過し得ない濫用事例が頻発した場合には、関係省庁と
相談
をし、必要な対応を検討してまいりたいと考えております。
吉川沙織
61
○
吉川沙織
君 本
改正案
の
施行
はしばらく、
先ほど
の
答弁
に鑑みれば先になるんでしょうけど、もしそういう事態が起こったならばしっかり対応していただきたいと思います。 今回、新たな
裁判手続
、つまり非訟を取り入れるということですが、これによってどの程度審理の時間が短縮されるのか、お伺いします。
竹内芳明
62
○
政府参考人
(
竹内芳明
君) 新たな
裁判手続
におきまして、
開示
まで要する期間につきましては、今回全く新たな
裁判手続
を創設するものであり、また、個別の
事案
によっても事情が異なると想定されますので、一概に
お答え
することは難しい面があるのは御理解いただきたいと思います。 その上で、
現状
二
段階
の
開示
手続
が一本化されるということに伴いまして、
手続
の迅速化ということは期待をされるわけでございます。
現状
、二
段階
合わせて一年程度掛かっているものにつきまして、一本化によりまして数か月から六か月程度で
開示
が可能となることを私
ども
としては期待をしたいと考えております。
吉川沙織
63
○
吉川沙織
君 ここで法務省に伺います。 今回採用された非訟・
訴訟手続
のハイブリッド形式では、争訟性が低く、非
訟手続
限りであれば、今
局長
から
答弁
あったように、今までよりかは早期解決が可能となると思います。ただ、これ裏返せば、争訟性が高く、非
訟手続
の後、
異議
申立て
が行われ、
訴訟
に移行する場合には時間が掛かることが考えられます。 本
改正案
で、今は二
段階
の
手続
、
手続
って何回もおっしゃいましたけど、コンテンツ
プロバイダー
とアクセス
プロバイダー
相手とする二
段階
の
手続
が一本化となるため一定程度の時間短縮は図られると考えますが、実際運用してみればそこまで変わるのか、甚だちょっと疑問です。で、今も
局長答弁
で期待したい、衆議院の
答弁
でも期待したいと、この
答弁
ぶりも実は引っかかります。 様々な
事案
があり得る中で、非訟、
訴訟
いずれにしても、
裁判所
の判断の迅速化を図っていく方策を
裁判所
としても考えていただく必要があるんじゃないかと思いますが、法務省の見解を伺います。
金子修
64
○
政府参考人
(金子修君)
裁判所
の運用に係る問題ではありますが、
委員
御
指摘
のとおり、
権利
侵害を受けた者の速やかな
救済
を図るということは重要であると考えられますところ、
裁判所
においては、新たな
裁判手続
が創設されたこの趣旨を踏まえ、適切に制度を運用していくものと
認識
しております。
吉川沙織
65
○
吉川沙織
君 適切に運用されるかどうかは、ちょっとちゃんと見ていかなきゃいけないと思います。 一方で、これ最初の方のやり取りでもありましたけど、
権利
者、
被害者
の
権利
回復と、一方で
表現
の自由との
バランス
というのは非常に難しい問題だと思います。 であるならば、
先ほど
何でこの間
改正
しなかったんですかといったときの
答弁
で、
憲法
上の
訴訟手続
であることが望ましいということを二回ぐらい繰り返されましたけれ
ども
、やはりこの
開示
判断についても、この研究会で現行の
訴訟手続
が望ましいという
指摘
も実際なされていました。
現行法
の第四条第二項においては
プロバイダー
の
発信者
に対する意見照会義務が
規定
されていますが、今後
改正法
が
施行
されれば、相当の
事件
で、現在よりも簡易迅速な形で
発信者情報
の
開示
が命じられることもあり得ます。
プロバイダー
が特段の
理由
なく意見照会を懈怠する場合も考えられるとも
報告書
に書かれて、とりまとめに書かれています。
発信者
の意見照会が確実に行われるよう、
総務省
はどう担保されますか。
竹内芳明
66
○
政府参考人
(
竹内芳明
君) 御
指摘
の意見照会義務につきましては、
開示
の請求を受けた
プロバイダー
が契約上あるいは条理上当然に負うべき義務を明文化したものでございます。 この義務を適切に行わない場合には、
発信者
が
プロバイダー
に対しまして不法行為に基づく損害賠償請求等を行うことが可能であり、こういった対応によって、こうした対応が可能になるものと考えております。
吉川沙織
67
○
吉川沙織
君
開示
判断基準について
大臣
にお伺いいたします。 今回、新たな
裁判手続
として非
訟手続
を新設します。
プロバイダー
への
開示命令
の要件として、これも何回もこの間やり取りしましたけど、
現行法
と同様の
権利
侵害の明白性の要件を維持するものとされていますが、非
訟手続
は
訴訟
と違って非公開で行われるため、
開示
可否に関する事例の蓄積や判断の透明性の確保から懸念が示されているところです。 事例の蓄積はもちろん、
表現
の自由や通信の秘密にも関わることから、
開示
判断の透明性を確保することが重要との
指摘
もありますが、
大臣
の見解を伺います。
武田良太
68
○
国務大臣
(
武田良太
君) 新たな
裁判手続
において、
裁判所
が
開示
可否の判断を行う際には、非訟
事件
手続
法上、
裁判
書に
理由
の要旨を記載することとされているところであります。これを基に、事業者団体等において
開示
可否の判断に関する事例の蓄積を図り、ガイドライン化し、これを広く公表することが期待されます。
総務省
においても、このような事業者団体等における取組を促進してまいりたいと考えております。
吉川沙織
69
○
吉川沙織
君 今
総務大臣
の
答弁
で、事業者団体とかから事例の蓄積を図るということでしたけれ
ども
、これ、
訴訟
、非訟、任意の提出も含めて、
開示
判断の円滑化というのは
裁判
外の任意の円滑化のためにも必要だと思いますが、
裁判所
における運用
状況
については、
総務省
、どうやって把握するつもりでしょうか。
局長
で結構です。
竹内芳明
70
○
政府参考人
(
竹内芳明
君)
先ほど
大臣
から御
答弁
申し上げましたように、非
訟手続
におきましては、その
理由
の要旨を
裁判
書において記載されますので、こういったものを私
ども
も支援する形でセーファー
インターネット
協会などにおいて事例集として蓄積をし、民間事業者における自主的な判断、機動的な対応というものにつながるように、私
ども
としてもしっかり支援をしてまいりたいというふうに考えております。
吉川沙織
71
○
吉川沙織
君 今
答弁
にあったただし書だと、
理由
の要旨はあるけど詳細な
理由
が示されないとかいう
指摘
もありますので、そこはしっかり見ていきたいと思います。 今まで四回
省令改正
がなされたと伺いましたが、
直近
の
省令改正
は、去年五月の痛ましい
事件
を受けて去年の八月に行われています。これ、
電話番号
の、
開示対象
に
電話番号
を追加したということですが、去年の八月に
電話番号
が
開示対象
に追加されて半年以上経過していますが、この
省令改正
によって
被害者救済
につながった
件数
を伺います。
竹内芳明
72
○
政府参考人
(
竹内芳明
君) 三月末の時点で、国内大手
プロバイダー
からの聞き取りによりますと、引き続き精査が必要な部分もございますが、
電話番号
を含む
開示請求
、五百件以上あります。このうち現
段階
で集計ができております二百八十件について見てみますと、実際に
開示
が行われた
件数
が少なくとも三十件あるというふうに承知しております。このうち、
訴訟
での
開示
が十九件、
訴訟
外での任意
開示
が十一件となっております。
吉川沙織
73
○
吉川沙織
君 私、時々、
総務省行政評価
局の規制の事前評価書を引いて質問させていただくんですけど、今回、
省令改正
によって
開示対象
に
電話番号
を追加することにより、
発信者
を特定できない事例が減少し、
被害者救済
が図られるということを効果の把握のところに書かれておいでで、実際、三十件、まあ五百件以上請求があって三十件、これをどう考えるかはありますけれ
ども
、是非、引き続き、どういう効果と
被害者救済
が図られたのかという点についてはこれからも把握をしてほしいと思います。個人的な感想としては、三十件のうち十九件が
訴訟
で、それ以外が任意だということも、なかなかこれ、任意
開示
多いのであれば、やはり事例の蓄積は大事だと思います。 この規制の事前評価書に、
発信者情報開示
における
電話番号
の
開示対象
の追加の際、これについて
施行
後五年以内に事後評価をすると書いていますが、何で五年見るんですか。
竹内芳明
74
○
政府参考人
(
竹内芳明
君) 一般に、
電話番号
の
開示
には
訴訟
により請求を行う必要がありますので、その利用実績が十分に蓄積されるまでには五年程度を要すると見込まれるためでございます。 なお、事後評価の実施時期が到来する前でありましても、制度の
見直し
検討の必要が生じた場合には、もちろん適切に対応を図ってまいる所存でございます。
吉川沙織
75
○
吉川沙織
君 まあこれ、
事案
として恐らく
法改正
施行
以降は増えるでしょうし、五年以内であっても、適切なタイミングで是非
見直し
をしてほしいと思います。 一方で、この
改正法
全体について、
施行
状況
について検討を加える検討
規定
が入っています。その検討の時期を
施行
後五年を経過した時点と明記されていますが、この
理由
について
局長
にお伺いいたします。
竹内芳明
76
○
政府参考人
(
竹内芳明
君) 本
改正法
では、この
法律
が適切に運用され、
発信者情報
の
開示請求
について、
事案
の事情に即した迅速かつ適正な解決に資するものとなっているのか、一定期間経過後に見直す旨を
規定
してございます。 この期間を五年とした
理由
は、新たな
裁判手続
が広く普及し、その利用実績が十分に蓄積されるまでに五年程度を要すると予想されるためでございます。もとより、期限の到来前におきましても、
見直し
の検討が必要な
状況
が生じましたら臨機に対応してまいりたいと考えております。
吉川沙織
77
○
吉川沙織
君 去年、
省令改正
して、
電話番号
を
開示対象
に追加した
省令改正
も五年で、今回の
法律
全体も五年。 何か、三年とかは考えなかったんですか。
竹内芳明
78
○
政府参考人
(
竹内芳明
君)
先ほど
来、
本法
公布
の日から
施行
がいつかという点もございますけれ
ども
、やはり一定のこうした新たな
手続
の利用の蓄積があり、その実施
状況
、実態について一定の把握をし、分析をし、
見直し
検討ができる時期ということで五年という期間を置いてございます。 ただ、
先ほど
も申しましたが、
状況
によっては、その以前であっても必要な検討は当然に行っていきたいと考えております。
吉川沙織
79
○
吉川沙織
君 この
改正案
は、今日、
委員会
で採決されれば、恐らくあしたの
参議院
本会議で可決、
成立
をすると思われます。そうなって、まあ
公布
がいつか分かりませんけど、
公布
から一年以上掛かって
施行
になって、そこから五年だと、何年先、結構先になります。どんどん
権利侵害事案
が増えている中で、やはり五年と言わず、見直すべきタイミングが来れば直ちに
見直し
をしていただきたいと思います。 そこで、
大臣
にお伺いいたします。
改正法施行
後においては、非
訟手続
による
発信者情報開示
の
手続
に関して、
裁判所
の後見的な役割や業務負担など、
先ほど
も
答弁
ありました、運用
状況
とともに、
手続
の活用だけではなく、悪用、濫訴が懸念される
事案
などを的確に
総務省
として把握して、制度の改善につなげていく必要があります。
開示対象
の
電話番号
についても、
被害者救済
にこれからもどの程度効果的だったのかを調査していく必要があると思います。
見直し
に向けて、効果の検証及び制度
見直し
の際にどのようなデータが必要となると考えているのか、伺います。
武田良太
80
○
国務大臣
(
武田良太
君) 五年後
見直し
における新制度の効果検証の際には、例えば、従来の
裁判手続
及び新たな
裁判手続
における請求
件数
や
開示
件数
、従来の
裁判手続
及び新たな
裁判手続
における
申立て
から
開示
決定までの所要日数、
誹謗中傷
等に関する
相談件数
などのデータを把握した上で検討していくことになろうかと考えております。 また、
総務省
としては、これらのデータなどを基にして、
改正法
が適切に運用され、
発信者情報
の
開示請求
について、その
事案
の実情に即した迅速かつ適正な解決に資するものとなっているか検証を行い、本制度の
見直し
について検討を実施してまいりたいと考えております。
吉川沙織
81
○
吉川沙織
君
平成
二十九年から、
政府
は証拠に基づく政策立案、EBPMというのを掲げています。EBPMというのは、あらかじめどういうデータが必要かというのをそろえた上で効果検証したり次の施策につなげていくのが筋ですので、あらかじめ法が
施行
される前に、今
大臣
が
答弁
いただいたようなデータ、それ以外にも有益だと思われるものをピックアップして、多分こういう
権利侵害事案
なかなか減る方向には行かないと思いますので、どのようなデータが必要なのかというのをこれから、今から、今の
段階
から精査をして、
大臣
が替わろうとも、
局長
が替わろうとも、ちゃんとした運用と
見直し
がなされるようにやっていただきたいと思います。 今回の
改正案
は、新たな
裁判手続
の新設を通じて迅速な
被害者救済
につなげるものであると
認識
していますが、
先ほど
から何回も申し上げておりますとおり、
被害者救済
と、
表現
の自由と通信の秘密とも関連する難しい課題です。
施行
までの間も、法が
施行
されてからの間も、
見直し
規定
入っておりますので、
行政
監視の観点からこれからも注視していきたいと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。 ありがとうございました。
片山虎之助
82
○
片山虎之助
君 維新の片山です。
法案
の質問の前に、コロナワクチンについて何点か質問させていただきたいと思います。時間はそう長くないんですが、一生懸命やります。 まず、コロナワクチンなんですが、私は、ワクチンができると一遍にコロナウイルスは制圧できると、収束が近いと、こういうふうに思っておりましたけれ
ども
、しかし、ワクチンを打ち出してからの方が広がっているんですね、感染は。どんどん広がっている。大変心配なんですが、最初に打ち出したのは医療従事者ですね、医療従事者。二月の半ばぐらいから、二月の初めかな。どのくらい進んでいますか。そのことを言いましたら、今日発表したんですか、昨日発表したんですか、
政府
は。簡潔に答えてください。
山本博司
83
○副
大臣
(
山本
博司君) 医療従事者につきましては、二月の十七日から接種を開始しておりまして、四月十六日時点での接種実績は約百九十二万回の接種を行っておりまして、このうち七十二万回は二回目の接種となっている次第でございます。
片山虎之助
84
○
片山虎之助
君 私の見たものでは、大体、一回が四分の一なんですよ。対象者四百八十万人の四分の一というと百二十万人。それで、二回が七十万ぐらいですよ。これは一四、五%なんですよ。終わってないんですよ。終わってない、始まったばっかりなんですよ、医療従事者は。これ、今もう高齢者を打ち始めているんですよ。これは並走してやるんですね。医療従事者が全部終わらないのに高齢者を打って、まあ危ないという
言葉
もおかしいけど、危なくないんですか。
山本博司
85
○副
大臣
(
山本
博司君) 医療従事者に関しましては、五月十日の週に一千箱ということで、四百八十万人分の配送が完了する見込みでございますけれ
ども
、もし、高齢者は今始まりましたけれ
ども
、例えば、医療従事者まだ接種を終えていない場合に関しましては、接種会場に届いた高齢者用のワクチンを活用して医療従事者自ら接種いただいた上で高齢者の接種を始めていただくことも含めて、その自治体におきまして柔軟に対応していただく形になっておる次第でございます。
片山虎之助
86
○
片山虎之助
君 それは工夫しないともうしようがないわね、両方打たないと。 そうして、一番まだ、もう本当に地方の人に会うたびに言われているのは
情報
の不足なんですよ。いつ幾ら送る、きちっと送る、後がどうなるということを常に教えていないと。市町村が中心でやるんだけれ
ども
、大変不安なんですが、その体制は整っていますか。こういうことを、私みたいなことを言う人が大勢いるから大分
状況
は変わってきているとは私は思うけれ
ども
、どうなっていますか。
山本博司
87
○副
大臣
(
山本
博司君) 今
委員
御
指摘
ございましたけれ
ども
、この供給を含めて、EUの透明化メカニズムという不安定要素はございますけれ
ども
、具体的なワクチンの配送に関しましては、実際に接種の実務を担当する自治体に対しましても、四月十二日に自治体向けの
説明
会等で具体的な形で対応している
状況
でございます。 具体的にはV―SYSで把握していただくことになりますけれ
ども
、
手続
の前倒しであるとか、配送者リストの早めの業者の共有であるとか、また、業者における配送期間の、作成期間の短縮などの結果、配送日時を早めて自治体に
お伝え
することができるようになりました。 具体的には、四月二十六日から五月九日までの配送分につきましては四月の二十三日に配送日時確定する見込みでございます。五月十日からの二週間分の配送につきましては五月三日に配送日時が確定する見込みとなっておりまして、このほか、各自治体の
説明
会の実施や、また、今厚労省には自治体サポートチームがございますので、自治体と連携をし、細やかな支援体制を整えていきたいと思います。
片山虎之助
88
○
片山虎之助
君 本当に、今度、菅総理がアメリカに行ってバイデンさんと会ったのはいいんだけれ
ども
、ファイザーのCEO、一番偉い人ですよね、それ電話で話して追加の注文取ったとかいう。何の追加で、数だけは今足りているんですよ。アストラゼネカというのが血栓ができるから排除するとか出てきているので、それは外すんですか。今で二億二千万人分あるんでしょう。分かりませんよ。それ、菅さんは何の追加注文取ったんですか。
こやり隆史
89
○
大臣政務官
(こやり隆史君) 先生御承知のとおり、今国内で承認が下りているのがファイザー一社のみのワクチンでございます。 先日、菅総理からファイザーのCEOとお話をさせていただきまして、九月までに我が国の対象者に対して確実に、ファイザー社に対してですけれ
ども
、確実にワクチンを供給できるよう追加供給を
要請
をしたところでございます。それに対しまして、CEOからは協議を迅速に進めたいという話がございました。したがいまして、総理からは、ファイザー社一社だけでも供給のめどが立ったという旨、お話をさせていただいたところでございます。
片山虎之助
90
○
片山虎之助
君 ファイザーから今で一億四千四百万分というのかな、何か知りませんが、話ができているんですよね。それを幾ら追加するんですか。あと、アストラゼネカから一億二千万、モデルナから五千万でしょう。これ、全部足すと、二回にしても一億一千万、まあ二千万というけど、子供や何か仮に外すとすれば一億一千万の計算でしょう。二億二千万回でいいんですよね。もう超えているんだけれ
ども
、どういう計算で、何を追加かよく分からない。
こやり隆史
91
○
大臣政務官
(こやり隆史君) ちょっと繰り返しになりますけれ
ども
、今承認が国内で下りているのがファイザー社だけでございます。したがいまして、先生御
指摘
のとおり、今ファイザー社との契約では一億四千四百万回分が契約が行われておりますけれ
ども
、ファイザー社に対して、更に国内の接種対象分をファイザー社から供給できるように、先日総理から申し入れたということでございます。
片山虎之助
92
○
片山虎之助
君 その現物がいつ入るか、みんな不安なんですよ、
国民
は。現物を持っていないから。やっぱり自前の国産のワクチンがなきゃ駄目ですよ、それはどんなことがあっても。安全保障上も公衆衛生上も、お金の上だってですよ。 ところが、国産というのは、昔は国産があったのに、ずうっと撤退してワクチン敗戦だって言われているじゃないですか。国産ワクチンを、国是というのはおかしいけれ
ども
、国策として大きい、そうやるあれありませんか。ちょろちょろお金を出すぐらいでできませんよ。いかがですか。
こやり隆史
93
○
大臣政務官
(こやり隆史君) 片山
委員
には先日も御
指摘
をいただきました。厚労省としてもしっかりと取り組まなければならないというふうに考えておりまして、国内のワクチン開発の進捗につきましては、先月三月にも新たに二社が臨床試験を実施開始をしております。 こうしたことに対しまして、厚労省といたしましては、開発
段階
への支援、これは六百億円、そして、臨床試験等を含めたものに対して今基金として二千六百億円強の基金を積んで予算上支援をしているところでございまして、さらに、これは国立感染症研究所あるいは国立医療研究
センター
等に臨床
情報
あるいは検体等を集約、提供することによりまして、その今申し上げました支援に加えて様々な研究基盤を提供し、迅速に国内のワクチンが開発されるように取り組んでいるところでございます。
片山虎之助
94
○
片山虎之助
君 なかなか、今のあれでファイザーだけでしょう。アストラゼネカやモデルナはまだ承認されていないようですね。それは治験者がいないからだと。日本は人口減って、特に若い人いないんだから、それはどうやってあれするんですか。その
状況
が続くと同じじゃないですか。そこはいかがですか、これから国産ワクチンを作る上でも。
こやり隆史
95
○
大臣政務官
(こやり隆史君) 済みません、一点、
先ほど
二千六百億円強と申し上げましたが、弱でございますので、訂正をさせていただきたいというふうに思います。 先生御
指摘
のとおり、ワクチン、国内の、まあ海外のメーカーも含めまして、日本国内における感染者数が極めて欧米に比べて少なかったこと等によりまして、なかなか国内で臨床試験が進まなかったという事実がございます。 そうしたことも踏まえまして、
先ほど
御
答弁
を申し上げましたように、臨床
段階
におきましても
政府
が積極的に支援をしたいということで今取り組んでいるところでございます。
片山虎之助
96
○
片山虎之助
君 ワクチンの一相、二相、三相の試験に、それから安全性や有効性やいろいろあって、この治験者を何人か確保しろと、これは国際的な取組か何かあるんですか。どこが決めているんですか。
こやり隆史
97
○
大臣政務官
(こやり隆史君) この新型コロナワクチンについての規制当局間の
情報
交換あるいはその評価に当たっての考え方につきましては、昨年の九月、九月に主な規制当局間でその考え方を
整理
をさせていただきました。そうした
整理
の下に
審査
をしているというところでございます。
片山虎之助
98
○
片山虎之助
君 このコロナ問題ではいつも
政府
は後手後手、うろうろと言われているんですよ、右往左往と言って。そういうことが言われているのは総括をしないからなんですよ、その都度。総括というか、チェックを私はやるべきだと思う。ただ、言えることと、公表できることとできないことありますよ、やり方もいろいろ難しい。しかし、
総務省
には
行政
評価局というのがあるんです。昔の
行政
監察ですよ。そこがそういうことをまさにやったらいいんですよ。言えることは言えばいいし、言えないことは言わなきゃいいんですよ。しかし、常にチェックをしていないと、いつまでたっても後手後手ですよ。私はそう思いますよ。 今度のまん防でも、まん防と言っちゃいかぬのかもしれぬけれ
ども
、まん防でも緊急事態でもきちっと客観的な基準を持って、こうなったらなるんだ、こうなったらならないんだということを
国民
に分からせないと、その都度関係者が集まって、苦労されていると思いますよ。やるとかやらぬとか、不安でしようがない。ぶわっと、まん防は使わないんだというのは、今使いまくっているじゃないですか、逆に。緊急事態は少なくすると。余り変わらないんでしょう。しかし、メッセージ性が違うから、メッセージ性が。それはうまく使えばいいんだけれ
ども
。 そういうことで、
行政
評価局の
行政
評価というのをこの際やったらどうですか。一番
国民
が関心があることをやらないというのはおかしいんじゃないですか。
白岩俊
99
○
政府参考人
(
白岩
俊君) 御
指摘
のような視点は重要な視点だと思います。 しかしながら、ワクチンの現在の接種の取組の
現状
につきましては、短期間の準備で国と地方公共団体が連携を取り合って全
国民
を対象にワクチン接種を行うという過去に経験のないものであり、関係者がそれぞれに最善を尽くして進めているという
現状
であります。一方、現場、
国民
に病気に対する緊張感があり、また早い接種への期待が強い中でのことでもあり、慎重な対応が必要であると考えます。 したがいまして、今
年度
、直ちにワクチンの確保
状況
や国と地方公共団体の連携の実情などを
行政
評価・監視のテーマに掲げて調査することは、現場の負担や
国民
に誤ったメッセージを伝えるおそれという点から考えて適切ではなく、今は現下の取組を見極めつつ、その上で適時に必要に応じてテーマに掲げていくべきかと考えます。
片山虎之助
100
○
片山虎之助
君 それじゃ、こっそりやっているのかな、事を公にしてもいいときになったらこうだということを言うために。何にもしていなきゃ駄目よ、一番ホットなことをやるのが
行政
評価なんだから。趣味じゃないんですよ、
国民
のためなんだから。いかがですか、もう一度。
白岩俊
101
○
政府参考人
(
白岩
俊君) 現時点においても各取組についての
情報
を収集しつつありますし、この後、実際に現場の
情報
を調査するというような必要が出てまいりました場合、
大臣
の御指示の下でテーマに掲げて調査を行うことは十分考えていかなければならないと思います。
片山虎之助
102
○
片山虎之助
君
大臣
、今の問答聞いて、いかがですか。いや、
行政
評価だけでなくて、ワクチンについて何か御感想、御意見があればどうぞ。
武田良太
103
○
国務大臣
(
武田良太
君) 先生御
指摘
のように、各地方公共団体、的確な
情報
が欲しいという声、私のところにも多数届いております。 ただ、今
局長
から
答弁
あったように、みんなが初体験で、そして、何とか早く進めなきゃいけないというか、気が前のめりになっている部分も現場では確かにある部分もあります。 何が一番ベストなのかということを冷静に見極めながら、しっかりとした
責任
を果たしていきたいと考えております。
片山虎之助
104
○
片山虎之助
君 どうぞ、
委員長
、ワクチン関係者、引き揚げていただいて結構です。
浜田昌良
105
○
委員長
(
浜田昌良
君) ワクチン関係の方ですか。こやり政
務官
、
山本
副
大臣
、大坪
審議官
はここで御退席いただいて結構でございます。
片山虎之助
106
○
片山虎之助
君 それでは、本来の
法案
の
プロバイダー責任制限法
に移りますけれ
ども
、
吉川
先生から言っていただいたように、
平成
十三年にこれを作ったんですね。二十年前なんですよ。それを何にもいじらずに
法案
をよく今日まで来たなと、こう思っておるんですが、何でいじろうということに今度はなったの。いじらなければ困る問題ができて、しかし、中を見ると
手続
の簡素化ですよね、統合で。それ物すごく必要性があるとも、そういうことを私が言っちゃおかしいけれ
ども
、思うんですが、いかがですか。分かりやすく言ってくださいよ。
竹内芳明
107
○
政府参考人
(
竹内芳明
君) まず、現在の法
手続
では対策が打てない
事案
が出てきているというのが大きな問題意識でございます。 例えば、ツイッターのように海外のSNSが運用するSNSにおきましては、
権利
侵害を行った、いわゆる投稿を行ったときの通信記録、ログの保存がされておりませんので、現在の
法律
では、この
権利
侵害を行ったときの投稿のログからたどっていって
発信者
を特定をする、
発信者情報開示
ができるというふうに
法律
で
規定
をしておりますけれ
ども
、こういった投稿したときのログを保存していないタイプの事業者が特に外資系を中心に出てきてしまったということでありますので、そういう場合につきましては、投稿時のログがないのであれば、その直前のログイン、アカウントへのログイン
情報
あるいはアカウントからのログアウト
情報
、こういったものからたどっていって
発信者
を特定できるようにしなければ
被害者救済
ができないということで、この点については、このSNSの最近の急激な普及というものを念頭に置いてできるだけ速やかに対応する必要があるということで、今回、その点についてはもうできるだけこのタイミングでやる必要があるというふうに考えておりますし、また、迅速な
被害者救済
につなげるための
裁判手続
についても今回創設をしたいということで、今回、
改正案
の提案に至ったわけでございます。
片山虎之助
108
○
片山虎之助
君 分かるようで分からないんですね。やっぱり木村花さんの
事件
が関係があるんじゃないの。悪質になったとか、こういうことでなかなか
被害者救済
やるのが難しくなったというような実質的な中身が要るんだわね。技術論じゃないんですよ。 実態が変わってきているんじゃないかと私は思っているので、今
総務省
に何とか
センター
があるでしょう、有害何とかという、そういう
センター
に来る
事案
が変わってきていますか、二十年前と。だから、今回、
手続
を簡素化して統合して
被害者救済
をしやすくしようと、こういう発想になったのかと思ったんですが、間違いですか。
竹内芳明
109
○
政府参考人
(
竹内芳明
君)
総務省
が
委託運営
を行っております違法・
有害情報相談センター
におきまして受け付けております
相談
の
内容
を分析してみますと、多いものは、
名誉毀損
、
プライバシー
侵害、あるいは知的財産権侵害といったものが多うございます。こういった傾向は二十年前と多くは、大きくは変わっていないところでございます。 ただ、実際の
相談件数
は、
先ほど
も御
答弁
申し上げましたように、かなり増加をしておりまして、ここ数年高止まりして、年間ベースでいいますと五千件を超える
件数
で横ばいになっている、こういう被害の
件数
が増えているということを直視をいたしまして、
被害者救済
につながる
手続
を提案させていただいているということでございます。
片山虎之助
110
○
片山虎之助
君 この関係は海外の事業者の方がどんどん勢いがあるし、サービスもいいということもあって増えていますよね。そうなると、やりにくくはないんですか。それで
影響
を受けて、こういう
誹謗中傷
が悪質になるというか程度が悪くなるというのか、そういうあれはないんですか。海外のいろんな業者ですね、巨大業者との関係での変化というのはあなた方
認識
されているのかどうか。それはないんですか。あるんじゃないかと私は思っておったんです。
竹内芳明
111
○
政府参考人
(
竹内芳明
君) はい、ございます。 最初に御
答弁
申し上げましたように、ツイッターなどの海外SNS事業者が普及してきた。当時の片山
大臣
に御指導いただいて
本法
成立
させていただいた際には、むしろ電子掲示板、2ちゃんねるといった電子掲示板が中心でございました。近年になってSNSなどの海外のプラットフォーマーが提供するSNSが急速に普及してきた。そのことによって、
先ほど
申しましたように、現在の法規制では
発信者情報
を
開示
にたどっていけない
状況
が発生してきているという
状況
がございます。
片山虎之助
112
○
片山虎之助
君 だから、そういう技術論というのか、あれよりももっとでしょう。例えば、
総務省
なら
総務省
がガイドラインみたいなものを作って、
プロバイダー
業者を指導するとか何かして、積極的に排除するようなことをガイドラインでやって、場合によって、やらない者には、制裁はできませんよ、制裁はすぐはできないけれ
ども
、勧告というのか
要請
というのか、最近はやりでもないけれ
ども
、そういうことをやって、場合によっては不服
申立て
というのか、未然防止、事後
救済
じゃなくて事前の防止の何らかの対策というのは考えられないんですか。そこまでやるのはやり過ぎになるの。
竹内芳明
113
○
政府参考人
(
竹内芳明
君) 大変重要な点、御
指摘
いただいたかと思います。 被害を受けてしまって、それから
被害者救済
ということも重要でありますけれ
ども
、御
指摘
いただきましたように、まずは未然防止ということが非常に重要かと考えております。そういう意味で、私
ども
、民間のプラットフォーマー、いわゆるSNSの
プロバイダー
に対しまして、例えば有害な
情報
の書き込みがあった場合には自主的に削除をしっかりやっていただくと。どういうものを削除するかというそのポリシーについてあらかじめ公表をしていただいて、それをしっかりやっているのかどうかという検証を行うということを今、回してございます。 本年二月からこのヒアリングを行っておりまして、実際に効果が上がっているのかどうかという効果検証を現在行っております。 そこでの現時点での
状況
としては、日本の
プロバイダー
はしっかり日本国内でどれぐらい削除を行っているかということはきちんと公表をし
説明
もできておりますけれ
ども
、海外の事業者の場合には、グローバルに対応している数というのは
説明
されるんですけれ
ども
、じゃ、国内でどの程度対応したのかということについては必ずしもきちんとした数字が出てこないし、現時点では
説明
が尽くされていないという
状況
がございますので、こういった問題については、やはり事業者に対して透明性あるいはアカウンタビリティーというところについて一層の
責任
を果たしていただく必要があるのではないかという問題意識の下で、有識者会合において今成果検証を行っていただいているところであります。
片山虎之助
114
○
片山虎之助
君 海外の巨大事業者は、まあ日本に全部事務所は持っているわね。それは日本の会社も恐らく持っているに違いないので、そういうところを押さえていくということですか。
竹内芳明
115
○
政府参考人
(
竹内芳明
君) 例えば、ツイッターや
フェイスブック
などについては、今申し上げましたようなヒアリングに参加をしていただいております。また、こういった事業者につきましては、日本国内の利用者に対して継続的にサービスを提供しておりますので、昨年
改正
をお認めいただきました電気通信事業
法改正
によりまして電気通信事業法の規律が及ぶということで、例えば、個人
情報
の漏えいでありますとか事故の発生、通信サービスの途絶などがあった場合には
総務省
に
報告
をしていただいて、私
ども
必要な指導なり改善命令が出せるという
状況
になってございます。
片山虎之助
116
○
片山虎之助
君 問題は、放送と通信なんですよ。いずれも、皆さんというか
総務省
が所管しているんだけれ
ども
。放送は不特定多数だから、これは厳しく規制すると。通信は一対一で秘密だから、これは厳重に守ると。しかし、どんどんどんどん技術の進歩で間がなくなってきているんですよ。放送は通信化し、通信は放送化しているのよ。それが放送と通信の融合なんですよ。その最たるものが
インターネット
だし、皆さんのツイッターや
フェイスブック
や何かなんですよ。これを昔の法制で断ち切るというのは、私は多分難しくなると思うの。そこをどういう研究をして、ずっと融合してくるものを法的には切り分けて、ちゃんと
国民
の利益、個人の利益を守るかということなんですよ。
プライバシー
を守り、ちゃんと秘密を守りながら、しかし規制をすると。 今やそれは
インターネット
の方が場合によっては
影響
力あるかもしれない。ミャンマーを見てくださいよ。何でも遮断されてもあれだけやっているんだから。だから、そこについての研究というのが是非要ると思うんですけど、これは
大臣
と
局長
、両方御
答弁
ください。
武田良太
117
○
国務大臣
(
武田良太
君) 先生御
指摘
のように、通信、放送の融合というのは本当に進展しまして、環境がかなり変わってきたというのは、これは我々も真剣に受け止めなければならないと思っています。 今後、この通信、放送というものが
国民生活
の向上に引き続き資するためにはどうしたものになるかということはやっぱり我々としても真剣に議論してまいりたいと、このように考えております。
浜田昌良
118
○
委員長
(
浜田昌良
君) 簡潔に
答弁
願います。
竹内芳明
119
○
政府参考人
(
竹内芳明
君) はい。 元々一対一で行われてきた通信につきましても、最近、SNSのように公然性を有する通信というものが広く普及をいたしました。そこで出てきた影の問題については、この
プロ責法
などにおいて対応してまいりましたし、今後も
状況
を見ながらしっかり改善はしていきたいと思います。 一方で、報道の自由というものを尊重いたします放送法の世界と融合してくる部分につきましては、
先ほど
大臣
から御
答弁
申し上げましたように、今後の
状況
をしっかりと先見性を持って検討してまいりたいと考えております。
片山虎之助
120
○
片山虎之助
君 終わります。
小林正夫
121
○小林正夫君
国民
民主党・新緑風会の小林正夫です。
法案
の質問の前に、無料通信アプリのLINEに関わる質問をいたします。 先月、無料通信アプリ大手LINEが、十分な
説明
がないまま利用者の個人
情報
などを中国からアクセスできる状態にしていた問題が明らかになりました。 金融庁は金融
機関
の
情報
管理体制の一斉点検を始めた、このように私は承知しております。 また、高齢者向けの新型コロナウイルスワクチン接種について、予約受付をめぐって、電話やホームページの受付のほかにLINEでの受付も行われていて、LINEによると、全国のおよそ二百の自治体が当初利用する予定で準備を進めていたが、サービスの運用を見合わせる動きもあると報道されています。 そこでお聞きしますけれ
ども
、LINEを利用している人は八千六百万人とも言われておって、また、
組織
としても利用されていると承知をしています。利用の個人
情報
などを中国からアクセスできる状態にしていたことに社会に不安が広がって混乱を招いていると、私、このように受け止めています。 今回の問題に対して、四月十九日、昨日です、昨日にLINE株式会社より
総務省
は問題の経緯やセキュリティー対策について
報告
を受けると、このように私聞いておりますけれ
ども
、その
内容
はどのようなものだったのか、また、
報告
を受けて
総務省
はどのような対応を講じるんでしょうか、
確認
いたします。
武田良太
122
○
国務大臣
(
武田良太
君) お尋ねの件でありますけれ
ども
、中国を拠点とする関連会社から日本国内のサーバーにある利用者の個人
情報
等へのアクセスが可能となっていた
事案
に関して、先月十九日に
総務省
よりLINE社に対して電気通信事業法に基づく
報告
を求めていたものであります。 昨日、同社より、通信の秘密の保護等に係る支障の発生の有無、通信の秘密の保護等のために必要な体制の確保
状況
、また、利用者への
説明
及び周知の予定などについて担当部局が
報告
を受けたところであり、現在、同部局において
内容
を精査しているところであります。 この結果を踏まえて、法令に基づき必要な対応を速やかに取ってまいりたいと考えております。
小林正夫
123
○小林正夫君 分かりました。その結果についてはまた
報告
いただけるものと、このように承知をしておきます。
総務省
でLINEを使用している業務はあるんでしょうか。あるとすれば、その業務に対してどういうふうに対応していこうと考えているんでしょうか。
田原康生
124
○
政府参考人
(田原康生君)
お答え
申し上げます。
総務省
では、採用活動、意見募集、問合せ対応、応募受付の業務においてLINEを利用していたところでございますけれ
ども
、先般の一連の報道等を受けまして現在は利用を停止しているところでございます。
小林正夫
125
○小林正夫君 今後の
総務省
の動きも注視をしていきたいと思います。 今日は、サイバー
セキュリティ統
括官の田原さんにお越しいただきました。 この
案件
とは別なんですが、今日の朝のニュースを少し取り上げます。 今日の朝のニュースを見ていると、大規模なサイバー攻撃を中国人民解放軍からの指示、JAXAなどこういうところが受けていたというような報道がありました。 この報道の事実関係はどうなっているか、分かれば教えてください。
田原康生
126
○
政府参考人
(田原康生君)
お答え
申し上げます。 今朝ほど、NHKのニュースかと思いますけれ
ども
、そのような報道があったということは承知しております。 しかしながら、私
ども
総務省
といたしまして、この
事案
の詳細については把握していない、承知していないところでございます。
小林正夫
127
○小林正夫君 分かりました。 来週にデジタル関連
法案
の連合
審査
があると、このように聞いておりますので、その場面で改めて事実関係を
確認
して、
政府
としてサイバー攻撃に対してどういう対応をしていくのか、
確認
をしたいと思います。ありがとうございました。 それでは、
法案
について質問をいたします。 まず、
大臣
にお聞きをいたしますけれ
ども
、通信事業の発展は目覚ましいものがあると、このように私思います。それで、
プロバイダー責任制限法
が二〇〇一年に制定されてから二十年です。当時の通信システムと今日の通信システムの違いを
大臣
はどのように捉えているのか、あわせて、今回の
改正
が必要になった要因は何なのか、改めてお聞きします。
武田良太
128
○
国務大臣
(
武田良太
君)
プロバイダー責任制限法
が
施行
された二十年前のネット利用についてはパソコンを通じた電子掲示板の利用が中心でありましたが、最近はスマートフォンを通じたSNSの利用が中心となっており、まさに誰もが気楽に、気軽にSNS上で
情報
をやり取りする時代となっております。こうした環境の中、近年、SNS上での
権利
侵害が顕在化しており、
裁判
上で争われる
発信者情報開示
の
件数
も増加しております。 こうした
状況
を受け、今般、簡易迅速に
発信者情報
を
開示
する
裁判手続
を創設するとともに、SNSに対応した
開示請求
制度を追加する等の
改正
を行うこととしたものであります。
小林正夫
129
○小林正夫君 参考人にお聞きします。 この二十年間に
誹謗中傷
等による損害賠償請求が発生した
件数
は何件あるのか、法務省にお聞きいたします。
堂薗幹一郎
130
○
政府参考人
(
堂薗幹一郎
君)
お答え
いたします。 最高
裁判所
におきましては、毎年、
司法
統計として、特定の
事件
類型
ごとに
事件
数を集計するなどして、その結果を公表しているところでございますが、その中には損害賠償請求
訴訟
の
事件
数の統計もあるものと承知しております。 もっとも、実務上、損害賠償請求
訴訟
には多種多様なものがございますが、これらの損害賠償請求
訴訟
の内訳まで逐一統計を取ることは困難な面があり、実際上も
誹謗中傷
等による損害賠償請求
訴訟
の
事件
数の統計は取られていないと聞いているところでございます。そのため、法務省といたしましては、その
事件
数は把握していないところでございます。
小林正夫
131
○小林正夫君 次に、
総務省
にお聞きします。 損害賠償請求には至っていないものの、SNS事業者や通信事業者に対して
開示請求
がなされた
件数
は何件あるんでしょうか。
竹内芳明
132
○
政府参考人
(
竹内芳明
君)
発信者情報開示請求
の
件数
について網羅的には把握しておりませんが、
総務省
が行いました国内の
プロバイダー
に対するアンケート調査では、
令和元年
度におきまして約二千五百件の
開示請求
がなされております。
小林正夫
133
○小林正夫君 法務省は
件数
については把握していないということがありましたけれ
ども
、私、相当な
件数
がこれあるんじゃないかというふうに思います。 そこで、
大臣
にお尋ねしますけれ
ども
、二十年間も今回の趣旨を目的とした
法改正
をしなかった、これはなぜなんでしょうか。
武田良太
134
○
国務大臣
(
武田良太
君)
平成
十四年の
本法
の
施行
以降、
総務省
としては、これまでも
情報
通信技術の進展等を踏まえて累次にわたりこの
法律
に基づく
省令
を
改正
しており、例えば
平成
二十三年には
SIMカード
識別番号
を、
令和
二年には
発信者
の
電話番号
を
発信者情報
に追加し、
開示
範囲を拡大するなど適切な対応を図ってきたところであります。 他方、今回の
法改正
については、スマートフォンを通じたSNS等の利用の拡大や
裁判
上で争われる
発信者情報開示
の
件数
の増加といった
状況
の変化が生じたため、現行の
訴訟
よりも簡易迅速に
発信者情報
を
開示
する
裁判手続
を創設する等の
改正
を行うこととしたものであります。
小林正夫
135
○小林正夫君 次にお聞きします。参考人にお聞きします。
改正
後の
手続
と現行
手続
との比較をすると、どの程度解決までに要する時間が短縮できると考えているんでしょうか。
竹内芳明
136
○
政府参考人
(
竹内芳明
君) 今般創設いたします新たな
裁判手続
につきましては、全く新たな
手続
であるということと、それから個別の
事案
によって
状況
も異なるということから一概に
お答え
するのは難しいということでございます。 ただ、従来、二
段階
の
手続
が必要であったものが一本化されるということに伴いまして、一定程度の期間短縮が図られるものと想定されます。現在、二
段階
の
手続
、合計いたしますと一年程度、一年以上掛かるものもございますけれ
ども
、これが
施行
後は、
手続
の一本化によりまして、例えば数か月から六か月程度で
開示
が可能になることを期待したいと考えております。
小林正夫
137
○小林正夫君
被害者救済
にはSNS事業者や通信事業者の協力が不可欠であると、このように思います。しかしながら、事業者によっては協力に消極的な事業者もいるかもしれないと私思います。 そこで、三点質問をいたします。
総務省
は、SNS事業者や通信事業者に対してどのような働きかけや本
法案
改正
の
趣旨説明
を実施していこうとしているのか。
二つ
目、また、協力しない事業者が生じた場合にはどのように対処をしていくのか。三つ目、
改正案
第八条に
発信者情報開示
命令が定められておりますけれ
ども
、
開示
関係役務提供者が命令に従わなかった場合に
罰則
はあるんでしょうか。この三点についてお聞きいたします。
竹内芳明
138
○
政府参考人
(
竹内芳明
君)
お答え
いたします。 まず一点目につきましては、
本法
の検討に当たりまして、まず研究会を昨年開催をいたしました。その研究会の検討過程におきましては関係事業者団体などと意見交換の
機会
を適宜設け、昨年十二月の最終とりまとめ後には、各地方総合通信局等を通じまして、本
改正案
の
内容
及び関連する取組につきまして事業者等への
情報
提供を実施するなどしてきてございます。 もとより、本
法案
の
成立
をお認めいただきました暁には、関係
省令
の策定などに向けまして、
機会
を捉えて事業者などに対し本制度の更なる周知に努めていくなど、円滑な
施行
に向けて準備を進めてまいりたいと考えております。 それから二点目の、協力しない事業者がいた場合にどうするかということでございますけれ
ども
、現在の制度の下におきまして、大手の事業者から中小事業者まで
裁判所
を通じた
開示
のプロセスに従っているものと
認識
をしております。
改正法
の下におきましてもこうした点に変わりはないと考えておりますが、海外系
プロバイダー
も含めまして主要なコンテンツ
プロバイダー
とアクセス
プロバイダー
の協力を得た上で、両者の連携体制を構築したりノウハウの共有の推進、こういった取組が有用と考えておりまして、
総務省
としては、こういったことを具体的に進めることで
被害者救済
につなげてまいりたいと考えております。 それから三点目の、命令に従わなかった場合の
罰則
でございますけれ
ども
、
改正法
案におきましては、
開示命令
に従わない
プロバイダー
に対する
罰則
は設けられておりません。 もっとも、
プロバイダー
が確定した
開示命令
に従わないときには、
開示命令
の
内容
を実現するために
被害者
は民事
執行
法に基づく強制
執行
を
裁判所
に申し立てることができます。
小林正夫
139
○小林正夫君 現行
手続
では時間が掛かることから泣き寝入りをしていた
被害者
も多くいるんじゃないかと思います。本
改正案
により
権利
侵害の回復がより速やかに行われるようになることから、
手続
の
件数
が増加すると私想定いたします。 そこで、
手続
件数
が増加することで
裁判所
の業務も増加すると考えられますが、
裁判所
との連携、調整はどのようになっているのか、また、
被害者
が
発信者情報開示
命令の
申立て
をする
裁判所
は簡易
裁判所
なのか地方
裁判所
なのか、お聞きいたします。
竹内芳明
140
○
政府参考人
(
竹内芳明
君)
お答え
いたします。 本
改正
によりまして、現行よりも簡易迅速な
裁判手続
が導入されるという面と、
手続
の
件数
が増加する
可能性
があるという面の両面が考えられますので、全体として
裁判
に係る業務量がどうなるか、期間がどうなるか、現時点で正確に見通すことは困難ということは御理解いただきたいと思います。 いずれにしましても、こういった本
法案
の策定に向けた作業、それから今後実施に向けた様々な作業につきましては、法務省、最高
裁判所
からも御協力、御支援をいただき進めてまいりましたし、今後もしっかり連携して対応してまいりたいと考えております。 それから、
申立て
をする
裁判所
につきましては地方
裁判所
でございます。これは
改正法
の第十条で
規定
してございます。本
改正案
では、これは簡易
裁判所
に
申立て
できる制度とはしておりませんが、これは取り扱う
事案
が
表現
の自由に関わるものであり、専門性を必要とするということから、地方
裁判所
で扱うこととしたものでございます。
小林正夫
141
○小林正夫君
法案
の
条文
について何点か
確認
をいたします。 本
改正案
第五条第一項に、「当該
開示
の請求に係る侵害
情報
の
流通
によって当該
開示
の請求をする者の
権利
が侵害されたことが明らかであるとき。」と、このように
規定
されておりますけれ
ども
、
権利
侵害が明らかとはどのような場合を言うのか、具体的に示していただきたい。
竹内芳明
142
○
政府参考人
(
竹内芳明
君)
お答え
いたします。
権利
侵害が明白であるとされた
裁判
例としては、例えば、電子掲示板に無断で氏名及び自宅住所が書き込まれたものや、
権利
者に無断で楽曲を複製して誰でもダウンロードできる状態にしたものがございます。
小林正夫
143
○小林正夫君 第五条第一項では、「特定電気通信による
情報
の
流通
によって自己の
権利
を侵害されたとする者」と
規定
されておりますけれ
ども
、
誹謗中傷
などは個々人により捉え方が異なると、このように思います。 本人にとっては
権利
侵害されたと思っても、他者から見たら
権利
侵害ではないと思われた場合には、本人の意思を尊重する仕組みとなっているのか、それとも
裁判所
による判断になるのか、お聞きいたします。
竹内芳明
144
○
政府参考人
(
竹内芳明
君)
被害者
から
裁判
外での
開示請求
がなされた場合には、請求を受けた
プロバイダー
におきまして
権利
侵害があったかどうかの判断が行われます。
プロバイダー
において
開示
の判断を行うのが困難な場合、一般に
被害者
は
裁判
上の
開示
の請求を行うこととなりますが、この場合、
権利
の侵害があったかどうかは、
法律
専門家である
裁判
官による厳正かつ公正な審理を経て、
裁判所
において判断されることとなります。 このように、
被害者
の意思のみに基づいて
開示
の判断がなされる仕組みとはなっておりません。
小林正夫
145
○小林正夫君 次の質問です。 SNS等で
誹謗中傷
されている方自身はSNSを利用しておらず
権利
侵害に気付いていないときに、例えば親族だとか友人等が
誹謗中傷
に気付いた場合において、親族、友人等が
開示請求
することは可能なんでしょうか。本人からの同意や委任がなければできないんでしょうか。
確認
いたします。
竹内芳明
146
○
政府参考人
(
竹内芳明
君)
プロバイダー責任制限法
では、
権利
侵害が明白であるなど一定の要件の下で、
プロバイダー
等に対して
発信者
の特定に資する
情報
の
開示
を請求できる
権利
を
被害者
に付与したものでございます。したがいまして、友人等の
被害者
でない者が
開示
の請求をすることはできません。 もっとも、
被害者
でない者が親権者であるなど法令により
裁判
上の行為をすることができる場合や弁護士資格を有する場合であれば、
被害者
本人の意向に基づいて、
被害者
の代理人として
開示
の請求を行うことは可能でございます。
小林正夫
147
○小林正夫君 次の質問です。
インターネット
やSNSは全世界で普及しています。各国でも同様に
誹謗中傷
の問題が発生していると、このように私受け止めておりますけれ
ども
、各国の法整備の
状況
はどのようになっているのか。また、
憲法
における
表現
の自由などの関係で違いはあると理解をしておりますけれ
ども
、本
改正案
は他国と比較して厳しいものなんでしょうか。いかがでしょうか。
竹内芳明
148
○
政府参考人
(
竹内芳明
君) 例えば、米国におきましては、被告の氏名を明らかにしないまま
訴訟
を提起し、その審議の前に行われる証拠収集
手続
において、
被害者
が
裁判
官の許可を得た上で文書提出命令を発行し、
プロバイダー
等の第三者に
情報
開示
を求めることができるとされます。 また、英国では、匿名の
発信者
を特定する必要がある場合に、判例法上、
裁判所
から第三者に対する
情報
開示命令
を取得することができるとされております。 ドイツでは、一定の違法
情報
により侵害を受けた場合、
裁判所
の命令に基づき第三者に
情報
の
開示
を求めることができるとされております。 このように、我が国と他国では法制度の違いもあり、一概に比較することは困難でありますけれ
ども
、各国とも
裁判所
の関与の下、匿名の
発信者
に関する
情報
を
開示
させる仕組みがあるものと承知しております。
小林正夫
149
○小林正夫君 最近、本当に
誹謗中傷
など書き込まれることが多いものですから、是非世界の
状況
も見極めながら、しっかりしたそういうような対応、対応策が必要だと、このように思います。 そして、本
改正案
の
施行
の時期について、
先ほど
吉川
委員
あるいは片山
委員
からも質問がありました。
公布
の日から起算して一年六月を超えない範囲において
改正
すると、あっ、
政令
で定めると、こうしておりますけれ
ども
、
総務省
としてはいつ頃を目途にするんでしょうか。
先ほど
は、いろんな関係箇所と調整をするので一年六月ぐらいの期間を取ったと、このように
答弁
をされましたけれ
ども
、
総務省
としてはいつ頃
施行
するというふうにしたいと考えているのか、是非教えてください。
竹内芳明
150
○
政府参考人
(
竹内芳明
君)
先ほど
御
答弁
申し上げましたように、様々な作業あるいは
周知期間
を取る必要があるということから、
公布
の日から起算して一年六月以内で
政令
で定める日に
施行
するとしてございます。 私
ども
としては、迅速な被害
救済
につなげるという観点からは、より早期の
施行
が望ましいとも考えております。いずれにしても、必要な作業ございますので、関係
機関
とも調整をし、具体的な
施行期日
を検討してまいりたいと考えております。 法務省、最高
裁判所
ともよく調整をして、作業を速やかに進めてまいりたいと考えております。
小林正夫
151
○小林正夫君
大臣
にお聞きいたします。 二〇一九年五月に発表された
総務省
の通信利用動向調査、これによると、十三歳から十九歳のスマートフォン、携帯電話所有者が、所有数が二〇一八
年度
で八七・四%、こういうことが
報告
をされました。三年前でこの数字であることから、現在ではもっと所有数が増加していると、このように思います。 そして、中学、高校生など若い人に対してSNS利用法や
誹謗中傷
に関する研修会や勉強会などの啓発活動が不可欠、このように思いますけれ
ども
、
大臣
の御所見をお聞きします。
武田良太
152
○
国務大臣
(
武田良太
君)
委員
御
指摘
のとおり、今や中学生、高校生など若い世代の約九割がスマートフォンや携帯電話を所有している
状況
であります。青少年の
情報
モラルやICTリテラシーの向上というものが重要となってまいります。 特に近年、
インターネット
上の
誹謗中傷
が社会問題化していることから、
総務省
では昨年九月に政策パッケージを取りまとめ、これに基づき学校における出前講座などを通じた啓発活動を強化をしております。 こうした青少年に対する啓発活動の取組を今後ともしっかりと進めてまいります。
小林正夫
153
○小林正夫君 参考人にお聞きします。 今
大臣
の方から、おおむねこういうことをやっていきたいと、こういう
答弁
がありましたけれ
ども
、もう少し具体的にどのような啓発活動に取り組んでいくのか、お聞きをいたします。
竹内芳明
154
○
政府参考人
(
竹内芳明
君) まず、e―ネットキャラバン、全国の小中学校などに実際に関係者が出向いて
インターネット
を利用する際の注意事項などについても必要な
情報
提供を行っておりますが、そういう中で、トラブル事例集として教本も作って周知を行っております。 その中に、この
誹謗中傷
問題の対策についても、現在テキストを追加して実施をしておりますし、様々なそのような私
ども
のホームページを使ったり、あるいは法務省の人権擁護局と共同で特設サイトを立ち上げまして、一般の方々が不用意に書き込んで加害者にならない、仮に不幸にして
被害者
になってしまった場合にはどこに
相談
すればいいのか、削除
要請
はどこにどのようにお願いすればいいのか、こういったことを分かりやすい形で
情報
提供もしっかり進めてまいりたいと考えております。
小林正夫
155
○小林正夫君 これからの時代は高速通信時代にも入るし、若い人もこういうスマートフォンなどを利用した、こういう社会になっていくと思います。 私の周りでも、特に中学生ぐらいになったお子さんがいる親から、スマートフォンを持たせたらいいのかどうか、親としては相当悩むと。その悩みは、
先ほど
おっしゃったように、いろんな心配があるからだ、こういうことが言われて、中学生になったらスマートフォンを買い与えるかどうか悩んでいるという、こういうことをよく聞きます。 是非、啓発活動をしっかりして、間違えて使われるようなことがないように、また安心して使われるようにすることがやはり
政府
としても大事な役割じゃないかと思います。是非その方向で進めていただくことをお願いをして、私の質問は終わります。 ありがとうございました。
伊藤岳
156
○伊藤岳君 日本共産党の伊藤岳です。
インターネット
上の
名誉毀損
、著作権や
プライバシー
侵害などに当たる悪質、不当な
情報
流布から
国民
の
権利
をいかに守るか、その一方で、市民が
情報
の
発信者
になる
インターネット
の大きな特性を守り、自由な言論をいかに保障し拡大をするのかということは、IT社会の最重要課題の一つだと思います。 本
改正案
が
名誉毀損
や
プライバシー
侵害などから
国民
の
権利
をどのように守るのか、自由な言論と、市民の
情報
発信の
権利
と
機会
をいかに守るのかという観点から質問をしたいと思います。 資料をお配りしました。御覧をいただきたいと思います。 木村花さんの
事件
で、
情報
開示
でメアド特定という報道記事、読売の四月六日付けの記事です。この二段目後ろから八行目ですね。証拠収集のため米国の
裁判所
に証拠
開示
を申し立てたところ、米ツイッター社が三月下旬、福井県の男の
情報
を
開示
したという。警視庁は遺族側からの
情報
提供を受け、男から任意で事情を聞いたところ、男は容疑を認めたと。こういう報道であります。そして、四月五日に書類送検をされたと伝えています。亡くなった木村花さんのお母さん、響子さんは、一番下の段の後ろから六行目になりますが、無
責任
な書き込みで追い詰められてしまうことがないよう、SNS事業者の協力が必要と痛感していますとコメントを出されております。 そこで
大臣
に伺います。
インターネット
上での
誹謗中傷
について、木村花さんの母親のSNS事業者の協力が必要とのコメント、これをどう受け止め、
認識
をされるでしょうか。
武田良太
157
○
国務大臣
(
武田良太
君) 御
指摘
のとおり、
発信者情報開示
制度の円滑な運用を実現するためには、
プロバイダー
側の理解と協力の促進が必要不可欠であると
認識
をしております。 こうした観点から、
総務省
としては、アクセス
プロバイダー
とコンテンツ
プロバイダー
間の連携体制の構築や事業者間でのノウハウ共有といった取組を進めております。また、
裁判
外における任意の
開示
に資するよう、
プロバイダー
に助言を行う民間
相談
機関
の充実や
開示
事例のガイドラインへの集積などの取組を
総務省
として支援していくこととしております。 こうした取組により
発信者情報開示
制度に対する
プロバイダー
の理解と協力が促進されるものと考えており、引き続き関係
機関
や団体と連携して取り組んでまいります。
伊藤岳
158
○伊藤岳君
総務省
には、
プロバイダー
自身による契約約款や利用規約等に基づく迅速な
開示
、
被害者救済
へ誠実に向き合う姿勢を強く求めたいと思います。 新谷副
大臣
にお聞きします。 二〇二〇年九月に公表した
インターネット
上の
誹謗中傷
への対応に関する政策パッケージでは事業者に対してどのような対策を促していますか、お示しください。
新谷正義
159
○副
大臣
(新谷
正義
君)
総務省
におきましては、
インターネット
上の
誹謗中傷
への対応に関しまして、昨年九月に策定した政策パッケージ、これにおきまして、プラットフォーム事業者による削除等の対応及び透明性、アカウンタビリティー確保を促進することとしてございます。 具体的には、プラットフォーム事業者に対して個別の働きかけを行うとともに、本年二月に開催された有識者会議におきまして、プラットフォーム事業者からは、まずは
誹謗中傷
などに関する削除
件数
、透明性レポートの公開
状況
、日本における削除
要請
に対応する体制などについてヒアリングを実施するなどの対応を行っているところでございます。 今後は、有識者会議におきまして、プラットフォーム事業者による取組が適切に行われているか、あるいは効果が十分に上がっているか、透明性の確保が十分に図られているか、こういった点を御議論をいただきまして、夏頃までに事業者による取組の効果検証を行っていただく予定となってございます。
総務省
としましては、この効果検証の結果を踏まえて、しっかり適切に対応してまいりたいと考えてございます。
伊藤岳
160
○伊藤岳君 これまで任意
開示
がされない
理由
として、
権利
の侵害が明白であると判断できなかったというものでした。実際上は、
発信者
からの
責任
追及リスクを
プロバイダー
が回避する
理由
にされていると有識者会議でも
委員
から
指摘
をされております。
総務省
にお聞きします。
インターネット
関連事業者が加盟するセーファー
インターネット
協会が四月五日に
権利
侵害明白性ガイドラインを公表し、
プロバイダー
の
相談
窓口を設置しました。この
権利
侵害明白性についての議論の経緯や
権利
侵害明白性ガイドラインの議論の、ガイドラインの概要についてお示しをいただきたいと思います。
竹内芳明
161
○
政府参考人
(
竹内芳明
君)
総務省
の有識者会議におきまして昨年八月に取りまとめられました中間とりまとめで、
プロバイダー
に助言を行う民間
相談
機関
の充実、
裁判手続
において
開示
要件に該当すると判断された判例等をガイドラインに集積することなどの民間事業者における取組を
総務省
として支援していくこととしていたところでございます。 これを踏まえまして、通信事業者の団体である一般社団法人セーファー
インターネット
協会において設置された有識者会議において、任意
開示
の促進に向けた施策の検討が行われた結果、今月五日に
権利
侵害明白性ガイドラインが策定、公表されました。また、同ガイドラインに関する理解を深めるため、
プロバイダー
からの同ガイドラインに関する
相談
を受け付ける窓口が設置されたと承知しております。 同ガイドラインは、
プロバイダー
における任意
開示
の判断に際して参照することで、適切な任意
開示
の促進につながるよう、
プロバイダー
が容易に
名誉毀損
が明白であると判断可能な
類型
を示すとともに、参考となる判例を集積したものでございます。
総務省
としては、引き続きこうした民間事業者における取組を支援してまいりたいと考えております。
伊藤岳
162
○伊藤岳君 本
改正案
は、
インターネット
上での
名誉毀損
や
プライバシー
侵害の被害、侵害を受けた
被害者
の円滑な
救済
を図るために、
発信者情報開示
について非
訟手続
を創設することになります。
竹内
局長
、
インターネット
上の違法・有害
情報
の
流通
状況
について、
先ほど
も若干お示しがありましたが、
総務省
の資料では、二〇一〇年からの十年間で約四倍に
相談件数
が増加、
相談件数
は高止まり傾向とされています。
現行法
下で、
発信者情報開示
の仮処分
申立て
の統計を教えてください。
竹内芳明
163
○
政府参考人
(
竹内芳明
君) お尋ねの
現行法
制下での
発信者情報開示
の仮処分
申立て
の
件数
につきまして、全国的には把握できておりませんが、東京地方
裁判所
における
件数
について、年々増加傾向にございます。
令和元年
度は六百三十件でありまして、ここ五年間で約二・五倍となっております。
伊藤岳
164
○伊藤岳君 非
訟手続
を導入すると、当然、非
訟手続
による対応
件数
、また、
開示
までの所要日数などを把握し統計を取ることになると思います。そして、このデータを適切な
被害者救済
になっているのかの検証に生かしていただきたいと要求しておきたいと思います。 ツイッター社やグーグルなど海外事業者を相手方とした
事件
は、現在、民事
訴訟
法第四条四項、民訴
規則
六条の二で東京地裁の管轄になっています。本
改正案
では、今まで
条文
に明記されていなかったこの管轄が民訴法に則して第十条に記載をされました。
先ほど
もお話がありました。 一般的に、
誹謗中傷
を受けた
被害者
が仮処分を申し立てると、印紙代、弁護士費用も掛かるし、金銭的負担は大きいものがあります。パブコメでも、
誹謗中傷
を受けた地方在住者が
発信者情報開示
仮処分のために東京地方
裁判所
に二回通うとなると更に旅費が十万円以上掛かることが分かって、
開示請求
を断った、断念したという事例もありました。
竹内
局長
、日弁連も、
発信者情報開示
の管轄を
被害者
の住所地とするよう管轄の
規定
を設けるべきだと要望書を出しています。検討していますでしょうか。
竹内芳明
165
○
政府参考人
(
竹内芳明
君) まず、
改正法
におけますこの
裁判
管轄の考え方でありますけれ
ども
、これは民事
訴訟
法における規律を参考として定めたものでございます。 これはもう
委員
も御存じかと思いますが、相当な準備をして訴える原告と不意に訴えられる被告の立場の調整の観点から、原告は被告の法廷に従うとするのが原則でございます。このため、
プロバイダー
の主たる営業所等の所在地を管轄する地方
裁判所
として
規定
をしているわけでございます。このほか、
本件
につきましては、専門性が高いということから、東日本の場合には東京地裁、西日本の場合には大阪地裁にも
裁判
管轄が認められる旨の
規定
を置いてございます。 この点、
委員
の御
指摘
のあった点については承知しておりますけれ
ども
、新たな
裁判手続
におきましては、地方在住の
被害者
の方にとって負担とならない方法により
開示命令
の審理を進めることが可能と考えております。 具体的には、
開示命令事件
における審理方法は陳述の聴取でありますところ、
裁判所
は
手続
の期日を開かずに書面による審理結果に基づいて判断を行うことも可能であります。また、当事者が遠隔の地に居住している場合などには、当事者の意見を聞いた上で、電話会議システム及びテレビ会議システムを利用することで
手続
期日を開くことも可能であります。 こういった
規定
を適切に活用することで、地方所在の
被害者
の負担とならない方法により
開示命令
の審理を進めることができるものと考えております。
伊藤岳
166
○伊藤岳君 非
訟手続
導入後、様々な事例を検討して、改善が必要ならば改善をするという方向で対応をしてもらいたいと思います。
特定電気通信役務提供者
に対する訴状等の送達について聞きます。 外国送達だと手間や時間が掛かり、法人によっては審尋期日呼出し状を送達している間にIPアドレスの保管期限が切れてしまって、
開示
したいデータが消えてしまうという課題がありました。
竹内
局長
、本
法案
ではこれにどう対応していますか。
竹内芳明
167
○
政府参考人
(
竹内芳明
君) 本
改正案
の
開示命令
制度におきましては、簡易な方法により相手方に申立書を送付することができるとしておりますので、
異議
の訴えに移行しない限り、
手続
全体に掛かる時間が一定程度短縮されることが想定されます。例えば、送付方法として、国際スピード郵便、EMSなどで
開示命令
申立書を送れば足りるというものでございます。
伊藤岳
168
○伊藤岳君 非訟という簡便、迅速な
手続
となっていきます。同時に、
申立て
から
開示命令
まで短縮するためには、私、
裁判所
の職員の増員も必要だと思います。このことは一つの課題として提起をしておきたいと思います。 続いて、
発信者情報開示
の扱いについて聞いていきたいと思います。 まず、
武田
大臣
にお聞きします。
インターネット
の持つ大きな特性の一つは、市民が
情報
の
発信者
になることではないでしょうか。この特性を守り、自由な言論をいかに保障し拡大するかは重要な課題だと私思います。この点、
大臣
の
認識
を伺いたいと思います。
武田良太
169
○
国務大臣
(
武田良太
君) 御
指摘
のとおり、
インターネット
は誰もが手軽に
情報
を発信し、受けることができる双方向のメディアとして発展してきており、ネットにおける
発信者
の
表現
の自由を確保することは重要と
認識
をしております。 一方で、
インターネット
上の
誹謗中傷
により
被害者
が発生していることも事実であり、
総務省
では、これまで、
被害者救済
と
表現
の自由という重要な
権利利益
との
バランス
に配慮しつつ、
プロバイダー
における円滑な対応が促進されるような環境整備を行ってきたところであります。今後とも、こうした
バランス
に配慮しつつ、適切に対応してまいりたいと考えております。 なお、
発信者
の利益保護のための仕組みは本
改正法
案においても確保されており、例えば、新たに創設される
裁判手続
において、
現行法
における
発信者情報開示請求
の要件を維持するとともに、
開示請求
を受けた
プロバイダー
等に
発信者
に意見を聞くことなどを課すなど、
発信者
に十分な配慮がなされていると考えております。
伊藤岳
170
○伊藤岳君
発信者情報
の
開示
は適正に行われるべきなのは言うまでもありません。
発信者情報開示
の在り方に関する研究会の
委員
からは、
開示
された
電話番号
が例えばウエブページなどに掲載されたり、嫌がらせや脅迫等の行為に用いられたりするおそれ、また
名誉毀損
、
プライバシー
侵害などの
被害者
側が報復として加害者の
電話番号
を電子掲示板やSNSに拡散するということも考えられる、
開示
された
発信者
の側には有効な自衛手段が余りないとの
指摘
もありました。 そこで、本
改正案
の第七条について聞きます。 第七条では、「
発信者情報
の
開示
を受けた者は、当該
発信者情報
をみだりに用いて、不当に当該
発信者情報
に係る
発信者
の名誉又は生活の平穏を害する行為をしてはならない。」と定めています。
竹内
局長
、
開示
決定により
開示
された
発信者情報
が
インターネット
上に流出した場合、本
法案
ではどう対応しますか。また、
開示
された特定
情報
を、
開示請求
した当事者の友人、知人、親族等が
インターネット
上に流出させた場合にはどの
法律
が対応することになりますか。
竹内芳明
171
○
政府参考人
(
竹内芳明
君) 本
改正法
の第七条は、「
発信者情報
の
開示
を受けた者は、当該
発信者情報
をみだりに用いて、不当に当該
発信者情報
に係る
発信者
の名誉又は生活の平穏を害する行為をしてはならない。」旨を定めております。これは民事上の義務を定めた趣旨であり、この
規定
に従わない
情報
の用い方をして
発信者
に損害が発生した場合には、民法上、
プライバシー
侵害等の不法行為を構成することとなり、
発信者
から
責任
を追及されることとなります。 したがって、
開示
決定により
開示
された
発信者情報
が
インターネット
上に流出したことにより
発信者
に損害が発生した場合には、その流出をさせた者に民法上の不法行為が
成立
することとなります。流出させた者が
開示請求
者でなく、その友人等であっても同様でございます。
伊藤岳
172
○伊藤岳君 安心して誰もがアクセスができ、発信できる社会にするために更に検討が深められることを期待をしたいと思います。 批判的言論威圧の道具たるスラップ
訴訟
を防ぐ手だても課題となっております。匿名で投稿される心ない
言葉
に苦しむケースだけではなくて、匿名
表現
の中には、消費者による企業の商品、サービスに対する口コミなど正当な批判、また、従業員による企業内不正の告発な
ども
あると思います。お金のある企業や、またお金のある団体が自身に対するこうした批判的活動を封じ込めるために、
発信者情報開示請求
を悪用、濫用するなどがあってはならないと思います。 古川政
務官
にお聞きします。 スラップ
訴訟
、このスラップ
訴訟
について、本
改正案
により創設される非
訟手続
において
発信者情報開示請求
を行いやすくする仕組みが悪用される、この危険についてどのように
認識
しているか、どのように対応していますか。
古川康
173
○
大臣政務官
(古川康君) 確かに、
委員
御
指摘
のように、
発信者情報開示請求
を行いやすくする仕組みが今回つくられようとしているわけでございます。 一方で、
現行法
では、
開示請求
における
開示
の判断の要件として、
開示請求
者の
権利
が侵害されたことが明らかであることを求めておりますが、このことは、この今回の本
改正
で導入される非
訟手続
におきましても、この
開示
の要件に変更はございません。これは、
発信者情報
の
開示
が
発信者
の
プライバシー
や
表現
の自由、通信の秘密という重大な
権利利益
に関する問題である上、その性質上、一旦
開示
されてしまうとその原状回復は困難であることから、安易に
開示
が行われることがないようにするためでございます。 したがいまして、本
改正
によって、濫用的な
開示請求
により不当な
開示
が行われるようになるものではないと考えているところでございます。 また、
手続
上も、
異議
の
訴訟
が提起されない場合などにおきましては、この終局決定に確定判決と同一の効力が付与されることになっております。言わば、既判力が認められるということになります。これにより紛争の蒸し返しが防止できますので、この
改正
によりまして
開示請求
の濫用が生じるとは考えていないところでございます。
伊藤岳
174
○伊藤岳君 本
法案
の第十四条では、
裁判所
の決定に不服がある当事者は、当該決定の告知を受けた日から一か月の期間内に
異議
の訴えを提起することができると定めております。
憲法
で定められた
裁判
を受ける
権利
を保障するものとされています。SNSにおける正当な批判や告発を萎縮させてはならないということを改めて強調しておきたいと思います。
法務省人権擁護
局長
にもおいでいただきました。法務省にお聞きします。
インターネット
上での
誹謗中傷
対策は、ネットモラルの理解促進、
相談
窓口などの周知も重要だと思います。人権擁護局では啓発や周知に取り組んでおられますが、二〇二〇年九月の政策パッケージにおける法務省としてのネット中傷防止の対応方針を示してください。
菊池浩
175
○
政府参考人
(菊池浩君)
お答え
いたします。
インターネット
上の
誹謗中傷
の問題について、法務省の人権擁護
機関
では、個別の
事案
に対する人権
相談
や人権侵犯
事件
としての調査、
救済
に加え、社会一般に対する啓発活動を行っております。
委員
御
指摘
の
総務省
の政策パッケージの中においても、法務省に関わるものとして、ユーザーにとって分かりやすい
相談
窓口の案内、プラットフォーム事業者等との連携推進、事業者団体と共同した啓発の取組が挙げられているところであります。 そこで、法務省におきましては、
総務省
等と連携して、
被害者
がどのような
相談
窓口を活用すればよいのかを分かりやすく
整理
した上で周知するとともに、法務省の人権擁護
機関
が行う削除
要請
の実効性を高めるため、
総務省
とともに
プロバイダー
事業者等との意見交換の場となる実務者検討会を継続的に開催し、さらに、人権啓発活動の一環として、
総務省
及びSNS事業者団体と連携して、SNS利用に関する人権啓発サイトを開設するなどしております。また、このほかにも、本年三月四日に
インターネット
上の
人権侵害
に関する人権シンポジウムを開催するなどしております。 今後は、これらの取組に加えまして、個々のSNS事業者と連携した啓発活動であるとか、あるいはプロスポーツの団体と連携した啓発活動を行うことを検討しております。 法務省といたしましては、今後とも、これらの取組を通じて、
インターネット
上の
誹謗中傷
の問題に対してしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
伊藤岳
176
○伊藤岳君
武田
大臣
に伺います。 他の省庁と連携をし、二〇二〇年九月の政策パッケージの実行とともに、
被害者救済
の
状況
調査を更に進めてほしいと思います。今後の
見直し
方針ですとか
認識
を伺いたいと思います。いかがでしょうか。
武田良太
177
○
国務大臣
(
武田良太
君)
インターネット
上の
誹謗中傷
対策について、
総務省
では、昨年九月策定した政策パッケージに基づく取組を実施をしております。 御
指摘
の
インターネット
上の
誹謗中傷
に関わる
被害者
の
救済
状況
については、違法・
有害情報相談センター
における
相談件数
や、法務省の人権擁護
機関
による削除
要請
件数
や削除対応率について調査を行い、本年二月に有識者会議に
報告
を行ったところであります。有識者会議においては、これらの
報告
も踏まえ、プラットフォーム事業者の取組についてヒアリングを行っていただいたところであり、今後、夏頃までにこうした事業者の取組の効果検証を行っていただく予定であります。
総務省
としては、効果検証の結果などを踏まえ、
被害者
の
救済
が進むよう適切な対応を検討してまいりたいと考えております。
伊藤岳
178
○伊藤岳君
インターネット
の技術の革新に伴い、
インターネット
上の
誹謗中傷
、
人権侵害
情報
の対応の変化が想定されます。今後も調査検討を続け、必要があれば改善し、迅速に
被害者救済
を図るよう努力を求めて、質問を終わります。
浜田昌良
179
○
委員長
(
浜田昌良
君) 他に御発言もないようですから、
質疑
は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
特定電気通信役務提供者
の
損害賠償責任
の
制限
及び
発信者情報
の
開示
に関する
法律
の一部を
改正
する
法律案
に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
浜田昌良
180
○
委員長
(
浜田昌良
君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、那谷屋君から発言を求められておりますので、これを許します。
那谷屋正義
君。
那谷屋正義
181
○
那谷屋正義
君 私は、ただいま可決されました
特定電気通信役務提供者
の
損害賠償責任
の
制限
及び
発信者情報
の
開示
に関する
法律
の一部を
改正
する
法律案
に対し、自由民主党・
国民
の声、立憲民主・社民、公明党、日本維新の会、
国民
民主党・新緑風会及び日本共産党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。
特定電気通信役務提供者
の
損害賠償責任
の
制限
及び
発信者情報
の
開示
に関する
法律
の一部を
改正
する
法律案
に対する附帯決議(案)
政府
は、
本法
施行
に当たり、次の事項についてその実現に努めるべきである。 一、迅速・的確な
被害者救済
とともに、
民主主義
の根幹である
表現
の自由、通信の秘密が確保されるよう特に留意の上、関係
機関
・団体に協力を求めて
インターネット
上の
誹謗中傷
・
人権侵害
対策に当たること。 二、
インターネット
上の
誹謗中傷
・
人権侵害
に関する
情報
発信について、過去の
権利
侵害に関する判例に基づくガイドラインを作成すること等により、運営事業者自身による契約約款や利用規約等に基づく
主体
的な削除等の取組を支援するとともに、迅速・的確な削除等の対応ができる環境整備を行うこと。 三、
インターネット
上の
誹謗中傷
・
人権侵害
情報
等に関する
相談件数
が高止まりしており、今後、デジタル化の進展により多種多様な
誹謗中傷
・
人権侵害
情報
等の発信が想定されることから、
インターネット
上で
誹謗中傷
等を受けた
被害者
の
相談
体制を関係
機関
・団体と連携の上、充実・強化し、実効性のある
被害者
支援体制を構築すること。 四、
インターネット
上の
誹謗中傷
・
人権侵害
を防止するためには、社会全体の
情報
モラルやICTリテラシーの向上が重要であることから、関係
機関
・団体が連携協力して啓発活動及び加害者や
被害者
にならない対策を行うとともに、特に児童・生徒に対する
情報
モラルやICTリテラシー教育を充実させること。 五、
インターネット
上の
誹謗中傷
・
人権侵害
が海外のウェブサイトやサーバーを経由して行われ得ることに鑑み、
発信者情報開示
手続
や削除に関し、諸外国との間で国際協力体制を構築するよう努めること。 六、
インターネット
上の
誹謗中傷
・
人権侵害
対策に当たっては、
誹謗中傷
等に関する
相談
や削除対応等の
件数
等について実態把握を行うとともに、
本法
施行
後において、
本法
に基づく非
訟手続
による対応
件数
、
開示
までの所要日数等を把握し、適切な
被害者救済
方策となっているかの検証及び運営事業者に寄せられた削除請求等の
件数
と対応結果について調査研究を行い、その結果を踏まえ必要な
見直し
を行うこと。 七、
インターネット
における今後の急速な技術革新に伴い予想される
誹謗中傷
・
人権侵害
情報
の多種多様な態様の変化に適切に対応できるよう、
発信者情報開示
及び削除の制度について不断の
見直し
を行うこと。 八、
インターネット
上で
権利
侵害を受けた
被害者
が、迅速かつ円滑に
権利
回復を図ることができるよう、
本法
に基づく非
訟手続
について、関係
機関
・団体と連携の上、適切な周知を図ること。 九、
インターネット
上で広がっている性暴力被害についても、
被害者救済
のための運営事業者の役割などを明らかにし、対策を強化すること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ
委員
各位の御賛同をお願い申し上げます。
浜田昌良
182
○
委員長
(
浜田昌良
君) ただいま那谷屋君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
浜田昌良
183
○
委員長
(
浜田昌良
君) 全会一致と認めます。よって、那谷屋君提出の附帯決議案は全会一致をもって本
委員会
の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、
武田
総務大臣
から発言を求められておりますので、この際、これを許します。
武田
総務大臣
。
武田良太
184
○
国務大臣
(
武田良太
君) ただいま御決議のありました事項につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。
浜田昌良
185
○
委員長
(
浜田昌良
君) なお、
審査
報告書
の作成につきましては、これを
委員長
に御一任願いたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
浜田昌良
186
○
委員長
(
浜田昌良
君) 御
異議
ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
浜田昌良
187
○
委員長
(
浜田昌良
君)
連合審査会
に関する件についてお諮りいたします。 デジタル社会形成基本
法案
、デジタル庁設置
法案
、デジタル社会の形成を図るための関係
法律
の整備に関する
法律案
、公的給付の支給等の迅速かつ確実な実施のための預貯金口座の登録等に関する
法律案
及び預貯金者の意思に基づく個人番号の利用による預貯金口座の管理等に関する
法律案
について、
内閣
委員会
に対し
連合審査会
の開会を申し入れることに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
浜田昌良
188
○
委員長
(
浜田昌良
君) 御
異議
ないと認め、さよう決定いたします。 なお、
連合審査会
開会の日時につきましては、これを
委員長
に御一任願いたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
浜田昌良
189
○
委員長
(
浜田昌良
君) 御
異議
ないと認め、さよう取り計らいます。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時十四分散会