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2021-04-15 第204回国会 参議院 総務委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    令和三年四月十五日(木曜日)    午後零時三十分開会     ─────────────    委員異動  四月五日     辞任         補欠選任      滝波 宏文君     阿達 雅志君      小沢 雅仁君     森本 真治君      下野 六太君     西田 実仁君  四月六日     辞任         補欠選任      阿達 雅志君     滝波 宏文君      森本 真治君     小沢 雅仁君      西田 実仁君     下野 六太君  四月七日     辞任         補欠選任      三浦  靖君     石井 準一君      下野 六太君     西田 実仁君  四月八日     辞任         補欠選任      石井 準一君     三浦  靖君      今井絵理子君     馬場 成志君      西田 実仁君     下野 六太君  四月九日     辞任         補欠選任      馬場 成志君     今井絵理子君  四月十二日     辞任         補欠選任      今井絵理子君     末松 信介君      滝波 宏文君     水落 敏栄君      岸 真紀子君     勝部 賢志君  四月十三日     辞任         補欠選任      三浦  靖君     藤末 健三君      勝部 賢志君     岸 真紀子君  四月十四日     辞任         補欠選任      末松 信介君     山田 俊男君      藤末 健三君     島村  大君      水落 敏栄君     滝波 宏文君      芳賀 道也君     舟山 康江君  四月十五日     辞任         補欠選任      島村  大君     三浦  靖君      山田 俊男君     高橋はるみ君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         浜田 昌良君     理 事                 進藤金日子君                 堀井  巌君                 那谷屋正義君                 若松 謙維君                 片山虎之助君     委 員                 石井 正弘君                 片山さつき君                 高橋はるみ君                 滝波 宏文君                 柘植 芳文君                 二之湯 智君                 長谷川 岳君                 松下 新平君                 三浦  靖君                 山田 俊男君                 山本 順三君                 小沢 雅仁君                 岸 真紀子君                 吉川 沙織君                 吉田 忠智君                 下野 六太君                 柳ヶ瀬裕文君                 小林 正夫君                 舟山 康江君                 伊藤  岳君    国務大臣        総務大臣     武田 良太君    事務局側        常任委員会専門        員        佐藤 研資君    政府参考人        内閣官房内閣参        事官       井上  淳君        内閣法制局第一        部長       木村 陽一君        総務省大臣官房        長        原  邦彰君        総務省大臣官房        地域力創造審議        官        大村 慎一君        総務省自治行政        局長       高原  剛君        総務省情報流通        行政局長     吉田 博史君        総務省総合通信        基盤局長     竹内 芳明君        消防庁次長    山口 英樹君        国土交通省航空        局航空ネットワ        ーク部長     鶴田 浩久君    参考人        日本放送協会副        会長       正籬  聡君        株式会社フジ・        メディア・ホー        ルディングス代        表取締役社長兼        COO      金光  修君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○参考人出席要求に関する件 ○行政制度地方行財政選挙消防情報通信  及び郵政事業等に関する調査  (放送事業者による外資規制違反に関する件)  (日本放送協会による聖火リレー中継音声消  去に関する件)  (ツイッター上の偽画像に関する件) ○特定電気通信役務提供者損害賠償責任の制限  及び発信者情報開示に関する法律の一部を改  正する法律案内閣提出衆議院送付)     ─────────────
  2. 浜田昌良

    委員長浜田昌良君) ただいまから総務委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日までに、今井絵理子君及び芳賀道也君が委員辞任され、その補欠として山田俊男君及び舟山康江君が選任されました。     ─────────────
  3. 浜田昌良

    委員長浜田昌良君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  行政制度地方行財政選挙消防情報通信及び郵政事業等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣参事官井上淳君外八名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 浜田昌良

    委員長浜田昌良君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 浜田昌良

    委員長浜田昌良君) 参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  行政制度地方行財政選挙消防情報通信及び郵政事業等に関する調査のため、本日の委員会株式会社フジメディアホールディングス代表取締役社長COO金光修君外一名を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 浜田昌良

    委員長浜田昌良君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  7. 浜田昌良

    委員長浜田昌良君) 行政制度地方行財政選挙消防情報通信及び郵政事業等に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  8. 吉田忠智

    吉田忠智君 立憲民主・社民の吉田忠智でございます。  今日は、NHK聖火リレー中継について、また、東北新社フジメディアホールディングス外資規制の問題、そして違反の問題、電波行政在り方について質問をさせていただきます。  一般質疑ということでほかの重要な課題もいろいろ用意をしておりましたけれども衆議院では新たにフジメディアホールディングス外資規制違反問題が出てまいりました。衆議院では今日午前中もやっておりまして、三回やりましたけれども、参議院では初めてでございます。できるだけ衆議院議論も私も議事録見て、聞いておりますけれども、深掘りをしてやりたいと思いますが、どうしても流れの中で重複する質問も出てくると思いますが、その点は御容赦をいただきたいと思います。  まず、外資規制の問題に入る前に、NHK聖火リレー中継についてNHK質問させていただきます。  報道によりますと、四月一日に長野で行われた東京オリンピック聖火リレーNHKインターネット中継で、オリンピック反対との沿道からの市民の抗議の声が入った直後、中継から音声が消えました。午後七時過ぎ、善光寺本堂を出発して長野市役所前広場までの約二キロ、二・五キロを計十二人が約三十分掛けてのリレーで、第七走者の途中から約三十秒間にわたって音声が途切れていました。私の事務所にも、何人かの方から、どうして途切れたんですかねという声もいただきました。  そこでお伺いしますが、なぜ音声が消えたのでしょうか。事実関係、そして消えた理由が判明しておりましたら、お答えいただきたいと思います。
  9. 正籬聡

    参考人(正籬聡君) お答えいたします。  NHKは、三月二十五日に福島県をスタートした東京オリンピック聖火リレー模様インターネット特設サイトNHK聖火リレーライブストリーミングというサイトでライブ配信しております。必ずしも全員の方を御紹介できるわけではないんですけれども、できるだけ多くの方々の姿をお伝えしようということで、現場での撮影を行っております。  このサイトでは、聖火リレー模様をライブでお届けするだけでなく、画面の下の方なんですけれども聖火ランナー方々がどういう思いでこのリレーに参加しているかといったことを字幕で流したりですとか、走り終えた後に撮影したインタビューですね、走った方のインタビューも併せて紹介しております。  ランナー走行中の映像音声につきましては、走っていらっしゃる聖火ランナー方々への配慮も含めて、状況に応じて対応しております。
  10. 吉田忠智

    吉田忠智君 どうして三十秒間音声が途切れたのかについて、理由になっていないんですけど、はっきり答えてください。
  11. 正籬聡

    参考人(正籬聡君) 今申し上げましたように、この聖火リレーライブストリーミング聖火リレー方々がどういう思いリレーに参加しているのかですとか、走り終えた後の撮影したインタビューも併せて紹介しております。  この走行中の映像ですとか音声については、そうした状況も踏まえて、ランナー方々への配慮も踏まえて対応しているということでございます。
  12. 吉田忠智

    吉田忠智君 オリンピックに対して、オリンピック反対とかいう声はそのときにあったというふうに聞きましたけれども、そういうことも理由の、それが理由ですか。
  13. 正籬聡

    参考人(正籬聡君) 繰り返しになりますが、走っている方々の、ランナーへの配慮も含めて、状況に応じて対応しているということでございます。
  14. 吉田忠智

    吉田忠智君 ランナーじゃなくて、インターネット中継を見られている方の、ランナーのこともそれは重要だと思います。しかし、その音声を消すというのは走っているランナーとは関係ないじゃないですか、そのときには。  余りこの問題で長々と私はやるつもりはなかったんですけど、もっとはっきり答えていただかないと次に行けないじゃないですか。答えてください。
  15. 正籬聡

    参考人(正籬聡君) 走行中の音声につきましては、繰り返しになりますけれども、この映像音声の扱いについては、走っているランナー方々への配慮等も含めて判断しているということでございます。
  16. 吉田忠智

    吉田忠智君 いや、私が心配するのは、このオリンピック聖火リレーだけの問題じゃなくて、その時々の判断でこういうことをされると困るわけですよ。だから、もっとはっきり答えてくださいよ、そこは。
  17. 正籬聡

    参考人(正籬聡君) お答えいたします。  東京オリンピックパラリンピックについての様々な御意見あることにつきましては、ニュース番組等で取り上げております。いろいろな御意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から取り上げるというのが私どもの立場です。それはニュース番組等でも含めてやっております。
  18. 吉田忠智

    吉田忠智君 じゃ、確認しますけど、意図的に三十秒消したということですね。
  19. 正籬聡

    参考人(正籬聡君) ランナー方々への配慮も含めて対応したということでございます。
  20. 吉田忠智

    吉田忠智君 NHKによりますと、国際オリンピック委員会IOC東京オリンピックパラリンピック組織委員会NHKの三者合意に基づいて、NHK聖火リレーランナーの正面からの映像を単独で撮影しており、その映像組織委員会にも提供しているとのことであります。  今回の音声消失事案について、国際オリンピック委員会東京オリンピックパラリンピック組織委員会には何か報告はしたのでしょうか。また、委員会からの注意やコメントなどありましたでしょうか。御説明ください。
  21. 正籬聡

    参考人(正籬聡君) お答えいたします。  NHKは、IOC国際オリンピック委員会、それから大会組織委員会との合意に基づきまして、聖火リレー映像制作についての協力関係を構築しております。移動日を含めて百二十一日間に及ぶオリンピック聖火リレーの全日程に同行しまして、ランナーの姿を映像取材する体制を組んでおります。  御指摘の聖火リレーライブストリーミングのこの取組ですけれどもインターネットの、NHK独自のサービスとして実施しているものでございます。今回の事例について、IOC組織委員会への報告等は課しておりません。また、注意ども受けておりません。
  22. 吉田忠智

    吉田忠智君 報告をしなかったのはなぜですか。
  23. 正籬聡

    参考人(正籬聡君) 今お話ししたことに重なりますけれども、この映像制作については、IOC大会組織委員会との合意に基づいて映像制作する体制を組んでおります。  ただ、この聖火リレーライブストリーミング取組については、NHK独自のサービスとして構築しているものでございます。それを踏まえて、特に報告注意等は受けておりません。
  24. 吉田忠智

    吉田忠智君 オリンピックパラリンピックの開催の是非も含めて、在り方については、新型コロナウイルスの第四次感染拡大とも言われる状況の中で、様々国民の中に議論があることも事実です。聖火ランナーに対してはそういう声が出たというのも、走っている方々に対してはまあいろいろ、一生懸命走っているのにという思いはあるかもしれませんが、それは、やっぱりそういう多様な意見を公平公正に報道することが私は公共放送としてのNHKの使命だと思います。  その点について今後やっぱりどうすべきか、今回の事案を踏まえて、その点のお考えをお聞かせください。
  25. 正籬聡

    参考人(正籬聡君) お答えいたします。  東京オリンピックパラリンピックをめぐりましては、様々な御意見があることはあると思います。そのことについては、ニュースですとか番組等を含めて多々取り上げております。  今後もそうした多様な意見があることを踏まえて、それから、意見が対立している問題についてはできるだけ多くの角度から論点を明らかにしていくと、そういった姿勢で臨んでまいりたいと思います。
  26. 吉田忠智

    吉田忠智君 もうこれ以上やりませんけれども、今後このようなことがないように、私たちに言わせれば、再発防止に万全を期していただきたいと思いますし、改めて、公共放送としてのNHKの役割をしっかり果たして、国民に信頼されるまたNHKであってほしいということを願いまして、もう退席して結構でございます。  委員長、そのように取り計らいを。
  27. 浜田昌良

    委員長浜田昌良君) 正籬副会長、退席いただいて結構です。
  28. 吉田忠智

    吉田忠智君 次に、東北新社の接待問題と免許取消しについて質問をいたします。  三月十七日に総務省の接待問題の検証を行う第三者委員会が初会合を行ってから間もなく一月になります。会食の前後に行われた東北新社NTT関係する政策決定について、関係者からヒアリングを行うなどして、公平性透明性を欠いたプロセスがなかったかを検証していくことを方針として調査が行われていることと理解をいたしますが、この第三者委員会進捗状況を御説明ください。
  29. 原邦彰

    政府参考人原邦彰君) お答えいたします。  情報通信行政検証委員会、三月に立ち上げさせていただきました。この進捗状況でございますが、まずは、東北新社外資規制違反問題、これを最初に着手しようということをお決めいただいております。  この問題につきまして中心に、それ以降委員会は開催されておりませんが、大変御多忙な委員の中で、資料のデータ収集確認を行っていただいておりますし、それを行いつつ、現在関係者へのヒアリング等取組も始められておりまして、精力的に行われているものと承知してございます。  検証スケジュール、内容は委員会で御判断いただきますけれども総務省としては、大臣の御指示もあり、引き続き客観的かつ公正に検証が進められるよう万全の協力を行っていきたい、このように考えてございます。  以上でございます。
  30. 吉田忠智

    吉田忠智君 一か月、この間、第三者委員会調査を進めまして、現時点の進捗を踏まえていつ頃報告ができるのか、そういうめどがございましたら説明してください。
  31. 原邦彰

    政府参考人原邦彰君) 検証スケジュール、それから報告の時期、これは委員会でお決めいただくこととなりますけれども、いずれにしても、今日の御議論も踏まえまして、私どもとしては、国会に対しては誠意を持って適時適切にその時点で開示できる情報をそのように説明したいと思っておりますし、今日の御議論もしっかりと委員先生方にお伝えしたいと、このように思ってございます。
  32. 吉田忠智

    吉田忠智君 この第三者委員会調査とは別に、一連の接待問題で、情報通信を担当する課長級以上の経験者ら百四十四人に調査対象を広げた調査を行っておりますが、調査進捗状況を御説明ください。
  33. 原邦彰

    政府参考人原邦彰君) お答えいたします。  行政がゆがめられたかどうかということとは、そのまず前提となっておりました当時の倫理規程違反、この疑いの事案につきまして、現在、情報通信担当部署本省課長級相当職以上等百四十四名を対象として、可能な限り広く事案の端緒をつかむための措置を講じていることとしてございます。現在、倫理法令違反会食に限定せず、全ての事業者等との会食について事実関係を正確に徹底的に調査しております。かなりの数の会食申告として上がってきてございます。  具体的には、職員からのそうした申告等を通じまして把握した会食情報を基に、倫理法令違反の有無を一つ一つ利害関係者に当たるかどうかという認定も、精査も必要になりますし、それから、今後、必要に応じて、これ弁護士、全てのヒアリング弁護士が、第三者の方に立ち会っていただきますが、そのヒアリングのポイントの精査、それから、NTT以外にも相手方として名前が挙がってくるような事業者については、必要に応じ順次、事実関係を進めてございます。そういう進捗状況でございます。  いずれにしても、検事経験のある弁護士の方に参加いただいて、常に第三者チェックをいただきながら、正確そして徹底的に真相究明を進め、その調査結果については国会の求めに応じて真摯に対応してまいりたいと、このように思ってございます。
  34. 吉田忠智

    吉田忠智君 徹底的にやっていただきたいと思いますが、調査終了報告時期のめどはいつ頃を考えているのか、説明ください。
  35. 原邦彰

    政府参考人原邦彰君) これ、いろいろと経緯のあった調査でございまして、とにかく正確かつ徹底的に、しかも第三者の方に常にチェックをいただきながら進めてございます。私ども、正確とは申しますが、迅速性と、こういうこともしっかりと念頭に置きながら、今日の御議論もこれも弁護士の方にしっかりお伝えしながら、迅速ということも十分に踏まえながら対応していきたいと、このように思ってございます。
  36. 吉田忠智

    吉田忠智君 正確、迅速にやっていただきたいと思います。  次に、総務省は、東北新社につきましては、当初の認定という行政処分に重大な瑕疵があったとして、総務大臣職権により、行政手続法に基づく手続を経て認定を取り消しましたと委員会説明されています。当初の認定時において外資規制に抵触しており、本来であれば認定そのものを受けることができなかったとも言われています。  四月六日には衆議院本村議員質問に対して、放送法九十三条の規定では、放送法第百三条第一項又は第百四条の規定により認定取消しを受けた者はその取消しの日から二年間は認定を受けることができない、東北新社メディアサービス認定職権により取り消されたものでございますので、放送法第九十三条の規定は適用されないと吉田局長は答弁されました。  なぜこのような職権による取消しを行ったのか、伺います。
  37. 吉田博史

    政府参考人吉田博史君) お答えいたします。  東北新社は、当初の認定時において外資規制に抵触しておりました。つまり、本来であれば認定そのものを受けることができなかった不適格な者の認定という行政処分を行ったものでございます。このため、二〇一七年一月の東北新社衛星基幹放送事業者としての当初の認定は重大な瑕疵があったとして、職権による取消しを行うことが適当と判断し、行政手続法に基づく手続を経て、本年三月二十六日に東北新社メディアサービスに対し、五月一日付けでザ・シネマ4Kについての認定取消処分を行ったものでございます。  この取消しは、当初の認定という行政処分に重大な瑕疵があったことを前提としているものでございまして、法律の特別な根拠は必要でないという点が行政法の通説と理解しております。
  38. 吉田忠智

    吉田忠智君 もう一回確認しますが、第百三条又は百四条による規定による認定取消しを行わなかった理由は何ですか。
  39. 吉田博史

    政府参考人吉田博史君) 放送法第百三条第一項は、現に外資規制に反していることが要件であると理解しております。また、第百四条第二項は、失礼しました、第二号は、不正な手段により認定を受けた者である場合に適用されると理解しております。  したがいまして、東北新社メディアサービス認定につきましては、いずれにも該当しないものと考えておりますが、当初の認定に不適格な者を認定した、するという行政処分を行ったものでございますので、そこに重大な瑕疵があると考え、職権による取消しを行ったものでございます。
  40. 吉田忠智

    吉田忠智君 九十三条の規定で二年間は認定を受けることができないということの関わりはありますか、職権取消しにしたという理由は。
  41. 吉田博史

    政府参考人吉田博史君) 職権取消しによりますと放送法第九十三条の規定の適用にはなりませんが、それは結果でございまして、理由ではございません。
  42. 吉田忠智

    吉田忠智君 ちょっとまだ十分私自身は理解できておりませんけれども、この点はまた今後、状況を見ながらまた伺いたいと思います。  それでは次に、フジテレビの外資規制違反問題について質問をいたします。  フジメディアホールディングス金光社長、お忙しいところお越しいただきましてありがとうございます。  まず、金光社長に伺います。  フジメディアホールディングス金光社長は八日の記者会見で、二〇一四年九月までの約二年間に放送法外資規制違反していたと説明をされました。また、二〇一四年十二月にこの違反について総務省に相談していたとも会見で明らかにされました。  金光社長に伺いますが、四月八日に記者会見を行うようになった経緯についてまず御説明ください。
  43. 金光修

    参考人金光修君) フジメディアホールディングス金光でございます。  まずは、過去の一時期、株主名簿作業ミスによりまして、外資規制の基準を超過し違反した状態でありましたこと、また、これにより多くの方々に御心配をお掛けしましたことを深くおわび申し上げます。大変申し訳ございませんでした。  御質問の四月八日に発表した理由でございますが、当時のことを、外部からの確認を受けたことをきっかけに改めて過去のことを思い起こし、再度計算をした上で発表すべきであると判断いたしました。発生当時の発表するかどうかの判断につきましては、そのミス経営に大きな影響を与えると認識した場合は適時開示を行う必要がありましたが、認定取消しにはならないと判断できたので、法的な適時開示義務はないと考えました。  今考えれば、適時開示義務に当たらなくても、総務省から厳重注意を受けたミスを犯したことを、経営に与える影響がないことを投資家や株主に丁寧に説明した上で、広く発表すべきだったと思っております。そのことに関しては大変反省しております。  以上です。
  44. 吉田忠智

    吉田忠智君 いや、どうして四月八日に記者会見で発表するようになったのかということについてお伺いしたいと思います。
  45. 金光修

    参考人金光修君) まず、そのことを確認されたときに、すぐにこの過去のこの過誤があった、見逃しがあったということをリリースいたしました。その際に、再度二〇一二年から一四年の過誤について数字を洗い出して、正確な数字の外資規制にオーバーしている数字を出した上で、それのリリースを四月八日に出す、出しました。それで、そのことをきっかけに記者会見をして、具体的にそれを説明する必要があったと考えたからでございます。  以上です。
  46. 吉田忠智

    吉田忠智君 ちょっと理解できないんですが、この事案が発生したのは二〇一四年九月、そして総務省に相談したのが二〇一四年の十二月、それから六年と数か月たって、四月八日に突如として記者会見をされた、その理由は何ですか。
  47. 金光修

    参考人金光修君) 二〇一四年のことに関しましては、株主名簿確定作業においてこのミスを判明したということでございます。  株主名簿確定作業というのは、九月末に締め切った株主の名簿確定を十月から始め、それで終了するという作業でございます。それが十月二十日に終わって、まずは会社法の適切な株主名簿の確定を行い、その後、それの端緒となった相互保有株、消去しなければならない株が過去どうであったかという調査に入り、当該部門が外資規制違反しているということを認識したのはその当年の十月末から十一月頭でございました。それから一か月ほどたって私のところに報告があり、それ以降、できるだけ早く対応するということで総務省の方にお届けに参りました。  総務省の方には、この過去において外資規制の外人議決権比率二〇%未満であるということにオーバーしていたという事実をお伝えしました。それとともに、その経緯と要因、それから、どの程度オーバーしていたかというその比率も含めてお渡しいたしました。その結果、厳重注意を受けたということで、今回に関して認定取消処分には至らないという判断をいたしました。  先ほど申し上げましたけれども、当社は上場企業でございます。その起こったことの影響度合いによって適時開示が、するかどうかが決まりますので、認定取消しになるという判断を受けたとしたら即時開示適時開示していたはずでございます。ただし、それが影響がないということでそのときは開示をしていなかったというところで、そのことを今回確認されたときに、それは今の社会通念上正しくない判断だと反省して、それは適時開示すべきだと、あっ、適時開示ではないです、過去に遡ってそのことがあったということを謝罪するリリースを出し、それを発表するべきであると考えてリリースを出し、それで記者会見を行ったということでございます。
  48. 吉田忠智

    吉田忠智君 どうしてこの時期にというのはちょっと分かりませんけれども、いずれにしても、そういう、公表しなければならない、リリースをしなければならないという判断にあの四月八日時点で至ったということなんですね。
  49. 金光修

    参考人金光修君) さようでございます。
  50. 吉田忠智

    吉田忠智君 それでは、続いてお伺いしますが、総務省への相談の時期と相手、その内容について時系列で御説明ください。また、そのとき総務省からどのような説明があったのかも併せてお答えください。
  51. 吉田博史

    政府参考人吉田博史君) 失礼します。  総務省の担当者とフジメディアホールディングス確認、当時の担当者とフジメディアホールディングス側に確認した結果でございます。  十二月、十二月八日頃に一回、総務省フジメディアホールディングスの間の面会が一回目が行われました。二回目の、二回ありまして、二回目の面会は、日にちが明確になっておりませんが、十二月中に行われました。担当者は、フジメディアホールディングスの常務と、当時の、当時の常務と当時の総務省放送政策課長の間でございます。  このときのやり取りといたしまして、フジメディアホールディングスから、不注意により外資規制違反の状態にあったことについてどういう理由であろうと申し訳なかった旨のおわびがございました。また、同社から総務省への報告が遅れたことのおわびもございました。さらに、総務省からの確認に対して、同社が外資規制違反の状態はその当時において既に解消されていると回答がありました。総務省からは、同社に対し、今後このようなことを二度と起こさないよう厳重に注意をしたという、以上の点を確認してございます。
  52. 吉田忠智

    吉田忠智君 当時の相談相手の当時の放送政策課長の長塩さん、東海に行かれているということですが、総務委員会においても、衆議院の方でも要求がありました。私も今日、答弁者として長塩参考人ということでお願いをしましたけれども、残念ながら理事会で認められなかったというお話を聞きました。当時の、当事者の方の話を聞きませんと解明されない部分があります。私もそういうことで質問を用意しておりましたが、その点については長塩さん本人に聞くことができませんので、残念ながら吉田局長に聞かざるを得ないということになっているわけでございます。  このことにつきましては、やっぱり国会というのは立法府でもありますし、立法するところでありますが、やっぱり行政監視機能、果たさなければならないところでありますから、そういう観点から、是非、委員長、長塩参考人を参議院の総務委員会に、衆議院衆議院で要求すると思いますが、おいでいただくように取り計らいをお願いしたいと思います。
  53. 浜田昌良

    委員長浜田昌良君) 後刻理事会で協議いたします。
  54. 吉田忠智

    吉田忠智君 金光社長にお伺いをいたしますが、フジメディアホールディングス関係者総務省関係者、政務三役を含む省庁関係者との会食の有無、あったのかなかったのか、もし会食があった場合に、年月日、出席者名、役職、費用負担の状況について御説明ください。
  55. 金光修

    参考人金光修君) お答え申し上げます。  様々な形で幅広い方々意見交換などをすることはございます。しかしながら、陳情を含むような問題のある会食はしておりません。  個別の案件についてはお答えを控えさせていただきます。
  56. 吉田忠智

    吉田忠智君 先ほど官房長にお答えをいただきましたこの接待問題についての調査、これはフジメディアホールディングスさんももちろん対象として、といいますか、もちろん聞き取りをするのは総務省の職員の方あるいはかつて職員をされた方だろうと思いますが、それは対象になっているんですかね。ちょっと確認をいたします。
  57. 原邦彰

    政府参考人原邦彰君) お答えいたします。  先ほどの、現在やっております倫理規程の調査利害関係者であるかどうかを問わず全ての事業者等との会食について申告してくださいという調査を行ってございます。
  58. 吉田忠智

    吉田忠智君 金光社長から、そういう、はっきりお答えしていただかないのは残念でありますけれども、特にこの事案が問題になった二〇一四年のこの時期、あるいはこの前後ですね、この前後にそういう会食はなかったのかどうか、改めてお伺いします。
  59. 金光修

    参考人金光修君) 個別の案件についてはお答えを控えさせていただきたいと思います。
  60. 吉田忠智

    吉田忠智君 お答えいただかないのは大変残念であります。  次に、総務大臣に伺いますが、総務大臣は四月九日の閣議後記者会見で、外資規制違反の状態が解消された後の二〇一四年十二月上旬頃、先ほど局長からも報告がありましたが、同社の当時の常務、金光社長が当時の常務でありますが、金光常務から当時の総務省放送政策課長の長塩さんに対して、放送法の解釈について相談があったことが分かりましたと、この事実を認めておられます。この際には、昭和五十六年の内閣法制局見解などにより、同社の認定放送持ち株会社としての認定について、外資規制違反の状態がその時点で存在しないのであれば、放送法上、認定取消しを行うことができないと判断したとおっしゃられています。  昭和五十六年の内閣法制局見解などと言われていますけれども、などの中身を含め、なぜ認定取消しを行うことができないとの判断に至ったのか、その根拠を改めて御説明ください。
  61. 武田良太

    ○国務大臣(武田良太君) 本件につきまして、総務省フジメディアホールディングスから報告を受けました平成二十六年十二月時点では、同社の外資規制違反状況というものは解消されておりました。また、昭和五十六年に郵政省から電波法の放送局の免許に関わる外資規制に関し内閣法制局に相談したところ、同法においては、免許の取消処分を行う時点で取消し事由が必要であり、当該事由が存在しないのであれば取消処分を行うことができないと整理をされていたところであります。  平成二十六年当時に、当時の担当者が、この電波法に関する整理を踏まえ、放送法認定放送持ち株会社についても同様に考えられるため、認定取消処分を行う時点で取消し事由が必要であり、当該事由が存在しないのであれば取消処分を行うことはできないと判断したものと考えております。  このような考え方につきましては、総務省としては今でも妥当であると考えております。したがって、フジメディアホールディングスについて認定取消しはできないと、このように考えておるわけです。  また、御指摘の、などについてでありますけれども、これはやはり、こうした事態に対しまして、様々な有識者、そして方々からこれに対する対処について御意見を聞いたということを含まれておるということであります。
  62. 吉田忠智

    吉田忠智君 今日は内閣法制局の木村法制第一部長にお越しをいただいております。この昭和五十六年の内閣法制局見解について、内閣法制局から御説明をいただきたいと思います。
  63. 木村陽一

    政府参考人(木村陽一君) 御指摘のございました見解でございますけれども、昭和五十六年六月に内閣法制局が当時の郵政省に対しまして、当時の電波法に関し、放送局の免許を受けている株式会社について、一定時点に外国人、これは外国法人も含みます、の議決権が全体の三分の一以上を占めるという事実が生ずれば、現時点において当該事実が認定できなくても、郵政大臣は電波法七十五条により免許の取消しをしなければならないかという質問に対しまして、消極に解するとお答えをしたものでございます。(発言する者あり)済みません、今三分の一というふうに申し上げました。五分の一で、誤りでございます。
  64. 吉田忠智

    吉田忠智君 大変重要なところですから、間違えないように。  それで、衆議院の方が要求をしまして、いわゆる内閣法制局意見照会処理票の資料、私もいただきました。  それで、この本文の解釈のところ、本文の解釈というか、解釈のところで、いかなる時点であっても法五条四項二号の欠格事由に該当することとなり、郵政大臣は法七十五条により免許を取り消さなければならないというふうに書いてあるんですね。その、から二ページ後の最後に、過去の一時点に右の事実があったとしても、事態の推移によって現在右の事実が存在しないのであれば、右の事実というのは五分の一を上回るということですが、郵政大臣は免許の取消処分をすることができないということですが、いかなる時点であってもと書いて、その後、過去の一時点、これちょっと矛盾するんですけど、その点御説明ください。
  65. 木村陽一

    政府参考人(木村陽一君) 何分、四十年前の文書でございます。したがいまして、ここに、申し訳ございませんけれども、書いてあること以上に私どもとして現在分かっていることはございません。  そういう意味で申しますと、ここに書いてあるとおりということで御理解を賜れればというふうに思っております。
  66. 吉田忠智

    吉田忠智君 そんなことでは法の番人とは言えませんね。  それで、総務省にお伺いしますが、このフジメディアホールディングス外資規制の問題が出てきたときに、衆議院質疑で、法制局には協議をしなかったという答弁がございましたけれども、なぜそのときに内閣法制局に協議をしなかったんです。意見照会をしなかったんですか。伺います。
  67. 吉田博史

    政府参考人吉田博史君) 二〇一四年十二月当時、当時の放送政策課長がフジメディアホールディングスから外資規制に反していた状態を聞いたときに、法制局、内閣法制局にはその時点では相談しなかったということでございます。  昭和五十六年に示されましたこの考え方に基づき、認定取消しを行うことはできないと考えられる、あっ、を踏まえまして、失礼いたしました、この見解を踏まえまして、認定取消しを行うことは、既に違法状態が解消されている場合はできないというふうに判断したと聞いております。
  68. 吉田忠智

    吉田忠智君 昭和五十六年当時から四十年近くたって、随分状況が変わっておりますよね。これ、この事案は何か東京放送、TBSの事案だと、まだ当時は一五%ぐらいで大きな問題になるかどうかという、念のためにこういう確認をしたということですから、全然違うんですよね。その点は指摘をしたいと思います。  ちょっとこれからのことを総務大臣に聞きたいもんですから次の質問に移りますが、電波行政の今後の在り方についてでございます。  外資規制は、日本だけではなく他国でも当然行っております。総務大臣も言われましたように、これはもう安全保障の根幹に関わる問題だということでございます。米国、フランスなどが規制を行っていますが、日本よりも厳しく規制しているという国もあります。他国の規制状況について簡単に御説明ください。
  69. 吉田博史

    政府参考人吉田博史君) 諸外国の放送に関する外資規制につきましては、国によって様々でありますが、現時点で私どもが把握できているところでは、例えば米国においては、地上放送事業者に対する直接出資による議決権割合が二〇%未満などに制限されていますけれども、近年、間接投資については見直しが行われ、FCCの公益審査などを経て、問題がなければ外国資本が放送局の親会社を所有できるようになってございます。  また、フランスにおいては、地上放送事業者に対する直接出資又は間接出資による議決権割合が二〇%未満などに制限されております。  さらに、韓国においては、直接出資又は間接出資、いずれも原則出資不可などの規制があると承知しております。
  70. 吉田忠智

    吉田忠智君 今回のフジメディアホールディングスさんの事案など、一連の経過を見ますと、やっぱり黙っていて、その後二〇%を下回ったときに報告をすると、それで放免になるということについては極めて問題があるという議論もなされています。  総務大臣も、放送法の改正も含めて見直しをしなければならないということを言われておりますけれども、改めて、どういうところを見直していきたいのか、法改正の内容について、現時点でのお考えを伺います。
  71. 武田良太

    ○国務大臣(武田良太君) 今回の事案を受けまして、放送法に係る外資規制在り方や実効性の確保について様々な御指摘をいただいていることは承知をいたしており、法改正も視野に検討を開始するよう既に事務方に指示を出しているところであります。  とりわけ、まず取り組むべきこととして、総務省における審査体制の強化が必要と考えており、外資比率の状況を定期的に把握できるような制度に改めることや、外資規制審査に関わる担当部署を設置することを含め、審査体制の充実に早急に取り組みたいと考えております。  なお、こうした一連の検討に資するために、諸外国の外資規制状況などを調査する外資規制調査チームを十三日に国際戦略局に設置したところであり、既に調査に着手をしております。  調査チームからの報告も踏まえつつ、外資規制の抜本的な見直しについて、法改正も視野に迅速に検討を進めてまいりたいと考えております。
  72. 吉田忠智

    吉田忠智君 一部報道がありましたけれども放送法の改正ということでございまして、既に今国会放送法の改正案が提出をされていますが、その扱いをどのようにされるお考えですか。
  73. 吉田博史

    政府参考人吉田博史君) 現在国会に提出させていただいている放送法改正案は、受信料の引下げの仕組みの導入も含めまして、NHK改革に関するものでございます。これを是非ともお認めいただき、施行する必要があると考えています。  外資規制の見直しにつきましては、今般のような事案が起こらないよう迅速に対応を進めてまいりたいと考えておりますが、一定の検討期間を要するものであり、NHK改革に関する今般の放送法改正案とは別に取り扱っていただくようお願いしたいと考えております。
  74. 吉田忠智

    吉田忠智君 いや、野党のみならず与党の中にも、この際、もう放送法改正という議論が、このフジメディアホールディングスの問題も起こって、東北新社の問題もございますけれども、出てきたわけですから、この際もう出し直して、廃案にして、一緒にやったらどうかという意見があるんですが、その点は、総務大臣、いかがですか。
  75. 吉田博史

    政府参考人吉田博史君) 現在国会に提出させていただいている放送法改正案はNHK改革に関するものでございまして、お認めいただき、施行をする必要があると私どもとしては考えております。  外資規制の見直しにつきましては、迅速に対応を進めてまいりたいと考えておりますが、NHK改革に関する今般の放送法改正案とは別に取り扱っていただくようお願いしたいと考えております。
  76. 吉田忠智

    吉田忠智君 あくまでもやりたいということです。また国対の方でもしっかり議論いただきたいと思います。  次に、この電波行政在り方、今の組織の在り方でありますが、規制をより実効性のあるものにしていくためには、国が放送事業の免許や認定を取り仕切る仕組みそのものを改めて、欧米諸国のような独立した委員会を設けるべきではないかとの提案が有識者から寄せられています。  かつて総務省でも情報通信法構想がありましたが、実現は見送られました。また、はるか昔にはGHQにより電波監理委員会が短期間あり、その復活を求めるような意見もあります。また、自民党も二〇一七年、河野太郎本部長時代に、行政改革推進本部で電波割当てに関する権限を総務省から分離することを提言したこともありました。  接待問題、あるいは今回のような黙っていれば得をするようなそういう在り方も含めて、やっぱり根本的に解決するためには、規制の構造から変えなければまた同じことを繰り返すわけであります。こうした独立した委員会を設置すべきではないか、そのこともやっぱり今後検討していくべきではないかと思いますが、総務大臣の見解を伺います。
  77. 武田良太

    ○国務大臣(武田良太君) 我が国は議院内閣制を採用しておりまして、内閣の一員である各省大臣が責任を持って行政を執行することが原則であると認識をいたしております。また、放送電波を含む情報通信分野は、技術革新や国際競争が激しく、国家戦略的対応が求められる分野であります。  したがって、機動的、総合的な判断が可能なように、合議制の委員会形式ではなく、内閣の構成員である大臣の責任の下において取り組んでいくことが必要と認識をしております。
  78. 吉田忠智

    吉田忠智君 今回のような事案が発生したときに、それぞれの官僚の皆さんの裁量でこういうことが行われるということがやっぱり大きな問題としてなったわけであります。そして、接待攻勢も行われたわけでございます。そのことをやっぱり重く受け止める必要があると思っています。  ちょっと大変、言い方がどうか分かりませんが、官僚の皆さんは自分たちの権限が剥がれるわけですから、それについてはやはり一定の抵抗感あると思いますけれども、やっぱり大臣は政治家ですから、こういう電波行政在り方そのもの、外国の事例も見ながら、もっと大局的な観点から検討すべきであると考えますが、改めて見解を伺います。
  79. 武田良太

    ○国務大臣(武田良太君) 先ほど答弁させていただきましたように、もう既に国際戦略局の中に、外国の在り方、モデルについての検討検証チームというものを、研究チームというのを立ち上げさせていただきました。この機をもって、様々なことを勉強しながらやはりしっかりとした制度設計に努めていきたいと、このように考えております。
  80. 吉田忠智

    吉田忠智君 電波行政というのは、非常にやはり今回の一連の経過を踏まえると難しい、そういう、やはり独立した機関が必要ではないかということを改めて私は感じたところでございます。  それで、今回のように、例えば五十六年、一九八二年、いや、八一年見解、当時のことを無理やりに、そういう根拠をどう使わなければならないということも大きな問題だと思います。ですから、小手先の見直しでは私はできないのではないかと。  先ほど、そういう組織も立ち上げたということでございますけれども、今後このようなことが二度とないようにということを改めて大臣の御決意を伺いたいと思います。
  81. 武田良太

    ○国務大臣(武田良太君) なぜこういうことが起きるのか、そして、もっと我々はこの外資問題に対して緊張感を持って捉えていかなくてはならないと改めて肝に銘じて今後取り組んでまいりたいと思います。
  82. 吉田忠智

    吉田忠智君 今日用意した質問項目、全部できませんでしたけれども、いずれにしても、これからしっかり総務省取組を注視をしながら、行政監視という点もございますし、具体的な提案も私どもしっかりしていきたいと考えております。  以上で質問を終わります。ありがとうございました。     ─────────────
  83. 浜田昌良

    委員長浜田昌良君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日、山田俊男君が委員辞任され、その補欠として高橋はるみ君が選任されました。     ─────────────
  84. 柳ヶ瀬裕文

    柳ヶ瀬裕文君 日本維新の会の柳ヶ瀬裕文でございます。  質問が若干かぶっている点もありますので、その質問についてはちょっと斜めから質問をしていきたいというふうに思っておりますが、是非よろしくお願い申し上げたいと思います。  まず、接待問題について、さっき何点かやり取りがされていましたけれども、でも、官房長にお伺いしたいんですが、これ、やっぱり期限を区切った方がいいと思いますよ。いつまでたっても、一か月たちました、ですけれども、何の情報開示されません。今、適時開示していきますというお話がございましたけれども、これ、いつになったら終わるのかさっぱり分からぬと。これ一年後ですか、出るのは。二年後でしょうか。さっぱり分からないですよね。これ是非期限を区切ってやっていただきたいというふうに思うんですけれども、多分めどはあると思うんです。  内部調査、またその第三者委員会、このめどをしっかりとお答えいただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
  85. 原邦彰

    政府参考人原邦彰君) お答え申し上げます。  倫理規程違反調査、先ほども御答弁申し上げましたが、現在、情報通信担当部署本省課長級相当職以上等百四十四名を対象として、可能な限り広く事案の端緒をつかむための措置を講じております。  今回、倫理法令違反会食に限定せず、先ほど申し上げました、全ての事業者等との会食について申告してくださいということにしておりまして、かなりの数の会食の件数が申告で上がってきております。現在、その申告を基に、利害関係性、あるいは必要に応じてヒアリングも行いますので、そのポイントの整理、それから、NTT以外の事業者の名前も出てきておりますので、必要に応じて順次事実確認を相手にもし始めてございます。  ただ、これは、これも国会で大変御議論ありましたが、総務省の内部調査に終わらないようにしろという御指摘がございまして、検事経験のある弁護士の方、常に第三者に、やり方も含めて、それから節目節目でチェックをいただきながら真相究明をいたしております。  私ども、当然、そんなに、今御指摘にあったようなタームで考えておるわけでございませんが、正確かつ先ほども申し上げた迅速にということでしっかりと対応してまいりたいと思いますし、今日の御指摘も持ち帰りまして、また第三者の方にもお伝えして、しっかりと取り組んでまいりたいと思っております。  それから、行政検証委員会情報通信行政検証委員会、これも御指摘がございましたが、これも、先ほど御答弁したとおり、既に関係者ヒアリング等にも着手しておりまして、しっかりと取り組んでいただいておりますし、私ども、しっかりと協力をして、今日のこの御指摘もしっかりと、その検証委員会の先生にもしっかりとお伝えしたいと思っております。
  86. 柳ヶ瀬裕文

    柳ヶ瀬裕文君 力強い御答弁をありがとうございます。  是非迅速に行っていただきたいと思いますし、スケジュール感がないということないですよね。ないと思います。ですから、それは区切りはあるわけですから、膨大な作業だということはよく分かりますけれども、これしっかりと明示をしていただきたいということ、このことを申し上げておきたいと。  なぜこれを言うかというと、こういうことで国会が止まったりとか、もうさんざんやっているわけですよ。実にくだらない話です、これは、ですよね。じゃ、電波の改正、放送法の改正等々にもう大きな影響を及ぼしているということを考えるならば、この電波行政はどんどん進化していかなければいけないというふうに考えています。そういった議論ができない、そういった議論の妨げになっている、だからこれはしっかりと決着を付けなければいけない、そのためには早くやらなければいけないということが大事だというふうに思いますので、是非お願い申し上げたいと思います。  それで、本題に入りたいと思いますけれども、これ、外資規制についてお話をさせていただきたいと思いますが、私がこの外資規制について思うことは、一つは、その外資規制の本来の目的というのが、外国の様々な勢力に日本のメディアがゆがめられないということがこの本来の趣旨であると思います。ですから、それが本当に達成されているのかどうなのかといった本質的な議論が必要だというふうに思いますし、ですから、それが、じゃ、二〇%を〇・〇〇〇五%を超えたからそれがどうなんだといったことですよね。  本質的な議論をしなければいけないというふうに思いますし、あと、もう一つ問題だと考えているのは、この放送事業者認定取消しという極めて重い処分が恣意的な裁量によって、裁量の濫用によって行われてはいけないという、この二点について考えているということでございます。  後者について話をしていきたいと思いますけれども、三月二十六日に総務省東北新社メディアサービス認定を取り消すことを公表しました。その際の報道発表資料では、参照条文として放送法第九十三条一項が記載されていました。これは、取消し規定ではなくて認定規定であるということです。  大臣は、総務大臣職権により認定を取り消したということをおっしゃっているわけですけれども、これは放送法の百三条、百四条による取消しではなくて、一般に行政法上の考え方として、行政の処分、今回の場合、認定ですけれども認定が違法又は不当であったことを当該処分庁が認識した場合に、取消しを認める明文の規定がなくても、処分の根拠規定自体を根拠として職権で取り消すことができるというふうに解されているわけですけれども、この職権による取消しということでいいのか、これ大事な部分なので、改めて見解を聞きたいと思います。
  87. 吉田博史

    政府参考人吉田博史君) 株式会社東北新社は、当初の認定時におきまして外資規制に抵触しておりました。つまり、本来であれば認定そのものを受けることができず、不適格な者の認定という行政処分を当時行ったものでございます。  このため、二〇一七年一月の株式会社東北新社衛星基幹放送事業者としての当初の認定は重大な瑕疵があったということになりますので、職権による取消しを行うことが適当と判断し、本年三月二十六日に東北新社メディアサービスに対し、五月一日付けでザ・シネマ4Kについての認定取消処分を行ったところでございます。
  88. 柳ヶ瀬裕文

    柳ヶ瀬裕文君 職権による認定取消しを行ったという見解ですけれども、これは極めて重大な判断をされたというふうに私は認識をしています。  放送法第一条の目的規定で、放送の自律を保障すること、これを原則に掲げているわけであります。行政法上、職権による取消しは認められているということはよく分かりますけれども、この言論報道機関である放送事業者認定が、明文の取消し規定もなく、この職権によって取消しが行われたということについては強い危惧を感じているところでございます。  今後、放送局の認定や免許が、この明文規定によらずに、大臣のある意味これは裁量で取り消されるということになったならば、これは大問題だというふうに考えておりますけれども、これ重大な判断をしたという認識があるのかどうか、この点についてお伺いをしたいと思います。
  89. 吉田博史

    政府参考人吉田博史君) 当然のことながら、認定取消しという判断自体は重大なものでございます。  ただ、先ほど申し上げたとおり、東北新社は当初の認定時に外資規制に抵触していたということで、不適格な者の認定を行うという行政処分を行ったということで、この当初の認定に重大な瑕疵があったということを判断したことでございます。
  90. 柳ヶ瀬裕文

    柳ヶ瀬裕文君 それが重大な瑕疵なのかどうかというところも聞いていきたいというふうに思いますけれども。  どのような場合にこの放送事業の認定取消しが可能なのかという点で、今般のフジメディアホールディングス東北新社事案に即して改めて確認をしていきたいというふうに思います。  武田大臣は四月九日の会見において、フジメディアホールディングス事案に関し、昭和五十六年の内閣法制局見解などにより、先ほどもお話ありましたけれども、同社の認定放送持ち株会社としての認定について、外資規制違反の状態がその時点で存在しないのであれば、放送法上、認定取消しを行うことができないと判断したとしています。  内閣法制局見解が示されたのはこれ昭和五十六年ということでありますけれども、その当時にはこの認定放送持ち株会社の制度というのはなかったんです。これは平成十九年にできたものですから、なかったわけですよね。そういったなかった制度、つまり、この制度を前提にして作られた見解ではないということはよく分かっていらっしゃると思いますけれども、そういったなかった制度に対して、その当時にですね、前提としてなかったものに対してこの五十六年見解が適用できるというふうに考えた理由、これについてお聞かせいただければと思います。
  91. 吉田博史

    政府参考人吉田博史君) 御指摘のとおり、昭和五十六年当時は放送事業者は電波法に基づき放送免許を受ける仕組みとなっておりまして、外資規制についても電波法の中で規定されてございました。その後の累次の制度改正を経て、自ら放送設備を持たないハード、ソフト分離型の放送事業者認定放送持ち株会社などの類型の事業者が出現してまいりました。これらに関する外資規制については放送法において規定することとされたものでございます。  平成二十六年の当時の担当者は、こうした経緯を踏まえ、放送事業者等に関する外資規制に関して、昭和五十六年当時の電波法における考え方を放送法について援用することは合理的であると認識したものと考えております。
  92. 柳ヶ瀬裕文

    柳ヶ瀬裕文君 類似だからそう判断したということですけれども、であれば、お伺いしますけれども、これはその東北新社のような認定基幹放送事業の認定の場合にもこれ同様に適用できると、内閣法制局見解がですね、適用できるというふうにお考えでしょうか。
  93. 吉田博史

    政府参考人吉田博史君) 放送法第百三条第一項による認定取消しを行うためには、その取消処分を行う時点で外資規制違反しているという取消し事由が必要であり、当該事由が存在しないのであれば取消処分を行うことができないと考えております。  一方、東北新社メディアサービスに対する認定につきましては、先ほど御説明したとおり、そもそも当初の認定時において外資規制に抵触しており、本来であれば認定そのものをすることができなかった不適格な者を認定したものでございますので、当初の認定という行政行為に重大な瑕疵があったことから取消しという判断をしたものでございます。
  94. 柳ヶ瀬裕文

    柳ヶ瀬裕文君 済みません、そういうこと聞いていなくて、これ、だから、その当時なかった認定放送持ち株会社にも適用できるということを判断されたわけですよね。であれば、この認定基幹放送事業の認定の場合にもこれが適用されるとお考えなのかどうかという質問です。いかがでしょうか。
  95. 吉田博史

    政府参考人吉田博史君) 認定基幹放送事業の認定につきましても、冒頭申し上げておる放送法第百三条の第一項による認定取消しを行うためには、その取消処分を行う時点で外資規制違反しているという取消し事由が必要であり、当該事由が存在しないのであれば同条に基づく取消処分を行うことはできないと考えています。
  96. 柳ヶ瀬裕文

    柳ヶ瀬裕文君 であれば、お伺いしたいですけれども、この明文規定に基づかない大臣職権認定を取り消す場合にもこの内閣法制局見解が適用されるんではないかというふうに考えますけれども、この点はいかがでしょうか。
  97. 吉田博史

    政府参考人吉田博史君) 東北新社につきましては、当初の認定時において外資規制に抵触しておりました。つまり、本来であれば認定そのものを受けることができなかったのでございまして、不適格な者の認定という行政処分を行ったものでございます。  したがいまして、その認定自体に重大な瑕疵がございましたので、取消しを行うことが適当と判断したものでございます。
  98. 柳ヶ瀬裕文

    柳ヶ瀬裕文君 いや、そうではなくて、それもう何度も説明を聞いているわけですけれども大臣職権で行う場合にも内閣法制局見解というものが適用されるんではないですかということを聞いているんですが、いかがでしょうか。
  99. 吉田博史

    政府参考人吉田博史君) 私どもの理解といたしましては、電波法の取消し規定が昭和五十六年当時からございますけれども、それに基づき、様々に出現してきた認定放送持ち株会社とか、あるいはその認定基幹放送事業者などの取消しにつきましても同様の条文により規定しているところでございます。  そういう経緯を踏まえれば、同様に考えていくのが合理的であるということが私どもの考え方でございます。
  100. 柳ヶ瀬裕文

    柳ヶ瀬裕文君 いや、ごめんなさい、ちょっとかみ合っていないというか、お答えになっていないんですけれども内閣法制局見解がどこまでが適用されるのかということで、今回のフジさんの件は、放送法百三条に関しては取消し認定取消しができますよね。でも、これは内閣法制局見解で取消しができないという判断をされたわけじゃないですか。  で、一方で、一方で東北新社さんに関しては大臣職権認定を取り消すということにしたわけですけれども、この大臣職権認定を取り消すといった際にも、この内閣法制局見解によって認定を取り消すことができないというふうに判断することが可能なんではないですかということを聞いているわけです。
  101. 吉田博史

    政府参考人吉田博史君) 例えば、認定放送持ち株会社の認定取消しは、放送法第百六十六条第一項におきまして、認定放送持ち株会社が各号のいずれかに該当するときとして、この欠格事由に、その一号におきまして欠格事由に該当することに至ったときということが規定されております。こういう条文の明示的な規定につきまして、従来からございました電波法における無線局免許の考え方を援用していくということは合理的であると認識したという考え方でございます。  一方で、東北新社認定取消しにつきましては、当初に行いました認定そのもの瑕疵があった、不適格な者を認定したという、言わば行政処分自体に瑕疵があったということでございますので、それを取消しをすることとしたということでございます。
  102. 柳ヶ瀬裕文

    柳ヶ瀬裕文君 全く答えになっていないんですね。  だから、これは極めて恣意的だというふうに思います。東北新社に関しては職権で取り消すということをして、この内閣法制局見解は適用できないと言っているわけですよね。片一方では、百三条を使って、それに関しては内閣法制局見解があるから認定取消しできないんだということを言っているということで、これは極めてアンバランスな判断をされているんではないかという疑念を私は持っているということをお伝えしたいというふうに思います。  東北新社事案も、これはフジさんの場合と同様に、認定取消しの時点では子会社への事業承継によって外資規制違反の状態は解消されています。ですから、これは見解の外資規制違反の状態がその時点で存在しない場合に当たると思われます。  また、これ、行政法学者の宇賀教授等によれば、許認可等を与えた時点において欠けていた許認可等の要件がその後充足されており、現時点においては許認可等を適法に与え得る場合にまで一旦職権取消しをしなければならないと解する必要は必ずしもないということが言われていまして、東北新社事案もこれに当たるというふうに思われます。  つまり、職権でその認定を取り消すのかどうなのか、これどっちでも言えるわけですよ、どっちでも言えるわけですね。この内閣法制局の見解に基づけば、これは何が書いてあるかといったならば、これ外国性排除という公益実現のためのこの見解であるわけです。だから、つまり、外国性排除という公益が実現されているというふうに解釈することができれば、これを適用することもできるというふうに思いますよ。  ですから、もう極めて幅のあることを、この東北新社に関しては恣意的にこれは非常に厳しく職権を使って認定取消しをして、かつ、こういった法制局の見解は当てはまらないとして、フジに関してはこの百三条を使って、職権取消しではないですね、百三条を使って、それが法制局見解によって認定を取り消すことはできないんだという見解を述べているということは、極めて裁量の濫用なのではないかというふうに私は考えます。  例えば、じゃ、これ、もしですよ、ちょっと例に出して申し訳ないんですけれどもフジメディアホールディングスさんが認定時にこの外資規制違反の状態であったということが発覚した場合には、これ重大な瑕疵だということで、これ認定取消しということになるんでしょうか、どうなんでしょうか。
  103. 吉田博史

    政府参考人吉田博史君) 先ほど来申し上げておりますのは、法律に、法律の条文に明示的にあるものにつきまして、そこの適用関係におきまして、現に外資規制に反している状況にあるということが必要であると考えております。  一方で、当初の認定自体が重大な瑕疵があるということであれば、職権による取消しということが、これは明示上ありませんけれども法律上その取消しという条項はございませんけれども職権により取消しということが考えられるということでございます。
  104. 柳ヶ瀬裕文

    柳ヶ瀬裕文君 これ、その取消しに至った理由が重大な瑕疵認定時にあったからなんだということを繰り返しおっしゃっていますけれども、それだけの重大な瑕疵なんですかね。  これは、外資規制というこの趣旨から考えたときに、これは明らかな計算ミスです。今回のフジさんの件も明らかな計算ミスでしょう、これは。意図的に外国勢力の傘下に入ろうと思ってねじ曲げようみたいな意図は到底考えられないわけでありまして、明らかな単純ミスですよ。それを見抜けなかった総務省にもこれは問題があるわけです、認定時にですね。そうですよね。  だけれども、それに関しては、これを職権でこれは駄目だといって一発で取り消すという、これは極めて、放送事業者という言論機関に対して与える措置としては極めて重大なことなんではないかというふうに思いますし、一方では、このフジさんに対しては百三条の適用で認定取消しはしないという判断は、それは私はそれ正しいと思いますよ。正しいと思いますけれども、この東北新社はこうでフジはこうだということを総務省が裁量の範囲でできるとするならば、それが問題なんじゃないですかというふうに思うわけであります。  この点、大臣、どうでしょうか、見解ございますか。
  105. 吉田博史

    政府参考人吉田博史君) 外資規制在り方につきましては、様々な形で、今委員おっしゃったような点も含めまして、いろんな御指摘をいただいております。大臣から御指示をいただきまして、外資規制の実効性ある在り方について検討するよう指示をいただいておりますので、検討をしてまいりたいと思っております。
  106. 柳ヶ瀬裕文

    柳ヶ瀬裕文君 いやいや、そういうことを聞いているわけではなくて、今回、外資規制の問題なんだけれども総務省の裁量の余地が、さっき吉田先生おっしゃっていました、非常に重要なことだなと思いますけれども、裁量の余地が多くて、ここには、この会社にはこれを適用する、こっちの会社にはこういったロジックを使うと。それぞれのロジックは確かに正しいかもしれないけれども、その裁量の幅が広過ぎて、全く逆の結果になっていると。  そういう力を総務省が持って、その裁量の濫用の可能性があるということに問題があるんではないかというふうに思いますけれども大臣の見解、何かございますか。
  107. 武田良太

    ○国務大臣(武田良太君) 濫用ということは、私は、当然あってはならないし、つゆともそういうことは考えてないんですけれども、先生御指摘のように、先ほどから局長答弁しておりますけれども、分かりやすく言えば、不適格であったわけです、東北新社は。でも、フジの場合は適格であったわけであって、もうそもそもそのスタート、免許の、自体からの違いがあるということであります。  ですから、これは、やっぱりそもそも論に立ち返ってみて、いろんな調査をしたところ、そもそも免許を与えるに資格がない方に与えてしまったという、これをやはりしっかりと元に戻すために私が職権でそのような対応をしたというふうに御理解をいただきたいと思っております。
  108. 柳ヶ瀬裕文

    柳ヶ瀬裕文君 もう大臣がおっしゃることはよく分かるんですよね。それで、ロジックは確かにそれで立っているということもよく分かるんですけど、ただ、それはそうしないこともできたわけですよ。職権で取り消さないという選択肢もあったわけでしょう、それは。で、重大なことをやったんだから、それは注意するよということで、もう二度とないようにしてくださいということを言って終わらせるということもできたと思いますよ。  職権は必ずしも、だから、先ほどこの法学者の方がおっしゃったように、許認可等を与えた時点において欠けていた許認可等の要件がその後充足されており、現時点においては、許認可等を適法に与え得る場合にまで一旦職権取消しをしなければならないと解する必要は必ずしもないということですから、これは総務省判断できることなんですよね。それを今回は、この東北新社さんに関しては厳しい判断をしたということです。  これは、私は、ザ・シネマ4Kという、何ですか、このメディアが六百五十世帯ぐらいしか見ている人がいないということで影響が軽微だということを考え、また、フジさんに関してはこれは影響は重大だというようなことを考えて、この裁量の余地でこれをやられて軽重付けたんじゃないかというふうに考えますけれども、それを総務省の裁量でやられたら、もうたまったもんじゃないなというふうに思うわけであります。  ですから、今回の、ちょっと時間がなくなってしまいまして、まだ時間大丈夫なんですか、これ。ああ、大丈夫ですか、はい。  時間がなくなってしまいました。本当は外資規制のそのものの実効性ということについて話をしたかったわけですけれども、またそれは後日に譲るとしまして、こういった裁量の余地が大きいということが問題なんだ、だから、そこをしっかりと、これどうやって直すのかといったならば、さっき吉田先生がおっしゃったように第三者委員会をつくっていくといったことが私たちも重要なことだというふうに思いますから、是非御検討いただきたいと、このことを申し上げまして、質問を終わります。
  109. 小林正夫

    ○小林正夫君 国民民主党・新緑風会の小林正夫です。  まず、外資規制について質問をいたします。  放送法では、外資規制違反した場合、認定を取り消さなければならないと定めています。  そこで、参考人にお伺いいたします。外資の決議権、決議権比率を二〇%未満にしている理由は何なんでしょうか。確認いたします。
  110. 吉田博史

    政府参考人吉田博史君) 基幹放送事業者等に対する外資規制は、放送が用いる電波の周波数は有限希少であり、その利用に当たっては自国民を優先させるべきであること、放送は言論報道機関としての大きな社会的影響力を有することを踏まえ、一般の無線局免許よりもより厳しい規律として、昭和三十三年の電波法改正により三分の一未満から引き下げ、五分の一未満としているものでございます。
  111. 小林正夫

    ○小林正夫君 改めて、二〇%、五分の一にしたこの理由についてお伺いいたします。
  112. 吉田博史

    政府参考人吉田博史君) これは、先ほど申し上げましたような、放送に関する電波の有限希少性により自国民を優先させるべきこと、大きな社会的影響力ということを踏まえまして、一般の無線局よりも低い数値として五分の一未満ということにしたと承知しております。
  113. 小林正夫

    ○小林正夫君 フジメディアホールディングス質問をいたします。  四月の八日の日に社長は、二〇一二年九月から二〇一四年三月の間、放送法外資規制違反し、外資の決議権比率が二〇%を超えていたと発表いたし、そして、二〇一四年十二月に、総務省に二回にわたって報告したことを明らかにされました。また、社長は記者会見で、本来は議決権の計算から外すべき子会社保有の株式を誤って算入していたことが原因ですと、このように記者会見で述べたと承知をしております。  そこで質問ですけれども、私は初歩的なミス、初歩的なミスだと思うんですけれども、この初歩的なミスをどうして犯してしまったのかということと、フジチェック体制はどうなっているのか、参考人にお聞きいたします。
  114. 金光修

    参考人金光修君) ミスしたことは大変申し訳なく思っていますので、改めておわび申し上げたいと思います。  この事例に関しましては、専門部署でも気が付かないほどの例外的な事例であります。原則的には子会社は親会社の株式を保有できませんので、この分母から消去する相互保有株というのは存在しません。  今回問題の発端となった株は、当社の子会社Aのその関連会社Bが保有している、当社の総発行株式二百三十万株のうちの五十株でございました。このBの保有しているその株式は、二〇一二年に当社がその後子会社となったAを子会社にする前から保有されていましたが、その時点におきましては相互保有株に当たりませんでした。Aを二〇一二年に子会社化したことによってその株が相互保有株に相当する株に変わったのですが、それに当該部署で気が付かなかったということでございます。  先ほども申し上げましたけれども、子会社は親会社の株を保有できませんので、子会社Aが当社の株を持っていないことはすぐに分かるのですが、そのA社がBに対して三十数%の株式を保有していることまで目が行かなかったということが基本的な見落とした原因でございました。大変申し訳ございません。
  115. 小林正夫

    ○小林正夫君 チェック体制はどうなっていたんでしょうか。
  116. 金光修

    参考人金光修君) このような例外的なことであれ、それが分かるような業務フローに改善しなければならないということで、このミスを犯した原因の解明、それから部門間の情報共有の強化、これに関しましては、会社法での株式の扱いをやっている総務、それから有価証券報告、決算をやらなければいけない財経、それは金融庁の金融商品取引法に基づいた業務をやるということで専門に特化していまして、放送法、特に外資規制の重要性に関して全社的に共通して認識を持っていたかというと、そこが甘かったので、それに関しては徹底して全社でこの重要性を認識するようにするよう努力しました。今回のことを反省するとともに、二度と起こさないことを徹底いたしました。  以上です。
  117. 小林正夫

    ○小林正夫君 続いて、金光参考人にお伺いいたします。  二〇一二年以前も同様なミスを犯している可能性があるのではないかと私危惧をいたしますけれども、ないと言い切れるんでしょうか。
  118. 金光修

    参考人金光修君) 二〇一四年九月の決算作業を十月から始め、そして決算が終わった後、過去を振り返って調べた結果、この一二年から一四年に関してのミスが発覚いたしました。当然のことながら、その以前も、トータルでかなりの年数を調べました。それから、それ以降も、今に至るまで徹底的なチェックをしております。そのミスはございません。
  119. 小林正夫

    ○小林正夫君 続いて、参考人にお伺いをいたします。  安全保障政策、産業政策、そして経済政策などの観点から、一定の事業を営む会社に対して、法令上、外国人等による議決権の取得、保有などが一定の範囲に制限をされています。航空法、放送法、電波法、日本電信電話法などが該当いたします。  今日お聞きするのは、この航空法、放送法、電波法、日本電信電話法において、法に違反して認定を取り消した事例はあるのか。さらに、今回のフジメディアホールディングスのように事後に報告して認定取消しを免れた事例はあるのかと。確認をいたします。
  120. 鶴田浩久

    政府参考人(鶴田浩久君) お答え申し上げます。  航空法では、本邦航空運送事業者につきまして、外国人、外国法人等が議決権の三分の一以上を占めることになった場合には事業許可の効力を失うとされております。これにつきまして、御質問のような事業許可が失効した事例あるいは事後に報告して失効を免れた事例は、いずれもございません。
  121. 吉田博史

    政府参考人吉田博史君) 放送分野につきましてお答えいたします。  本年三月二十六日の東北新社メディアサービスに対する取消処分、あるいは今回発覚したフジメディアホールディングスに関する外資規制違反の状態を除いては、いずれも承知しておりません。
  122. 竹内芳明

    政府参考人(竹内芳明君) 電気通信事業分野の外資規制についてお答えいたします。  まず、NTT法では、NTTにつきまして、外国人等が保有する議決権の割合が三分の一以上となるときは、その氏名及び住所を株主名簿に記載し、又は記録してはならず、それに違反した場合には違反行為をした職員等は五十万円以下の罰金に処せられることとされております。これまで、外国人等が保有する議決権割合が三分の一以上となり、株主名簿の名義書換を拒否したことはございません。  また、電波法につきましては、平成九年二月のWTO基本電気通信交渉の合意を踏まえまして、平成十年二月より、電気通信業務用無線局の外資規制につきましては完全に廃止をいたしております。  よって、電気通信事業分野の外資規制に関し、お尋ねの事例については、いずれも承知してございません。  なお、いわゆる電気通信業は安全保障上重要な業種でございますので、外為法に基づきまして、外国投資家により一%以上の株主取得につきましては、原則として事前届出を受け、国の安全を損なうなど、おそれがあるかについて審査を行うこととされているところでございます。
  123. 小林正夫

    ○小林正夫君 大臣にお聞きをいたします。  違反をしても、放送事業者から報告がなければ違反事実が分からない、違反解消後に報告すれば認定は取り消されずに済むということで、大臣、それでいいんでしょうか。処分を科す等の考え方はないんでしょうか。  放送法においてこのようなことが起きないようにするために、大臣はどう対処するのか。先ほど吉田委員の方からもこの旨の質問があって、大臣は、総務省に審査体制を強化する、また外資に関わる担当部署を設置をしていく、こういう旨の答弁があり、そして迅速に法改正を行いたいと、こういうことがお話しされました。  迅速に法改正する、いつをめどにやるということを明確に、大臣、答えてください。
  124. 武田良太

    ○国務大臣(武田良太君) 今この時点でいつということはちょっと私の方から難しいと思うんですけれども、やはり今回この事案を見まして、冷静に思って、やはり、ちょっと余りにもそのルールの整備状況が悪過ぎるんではないかということ、これはもう物すごく反省しなければならないと思っています。  これは、非常に国民に与える社会の影響も強い分野でもありますし、やはりこうした世界、分野に精通した方々に対して、やはり我々がしっかりとした相談をして、本当に、外国のいろんなモデルも見ながら、どういうのが一番適切であり、今まで不備だった部分はどういう部分なのか、そうしたことも冷静に聞きながら、一つのモデルケースつくって対処していきたいと、なるべく急いでやっていきたいと、このように考えております。
  125. 小林正夫

    ○小林正夫君 放送というのはもう国民生活の基本であり、大変重要な、最も重要な私は事業だと思います。そういうものがきちんと法律にのっとって事業が行われていることは大変大事であって、今回の事案を反省として、早く放送法の改正をしていただければと思います。  委員長、私は、金光参考人質問はこれで終わります。御退席について委員長判断をしてください。
  126. 浜田昌良

    委員長浜田昌良君) 金光参考人、御退席いただいても結構でございますが、御判断は任せます。
  127. 小林正夫

    ○小林正夫君 次の質問です。ツイッターの偽画像について質問をいたします。  参考人にお伺いいたします。  ツイッターに加藤官房長官の記者会見の表情が改ざんされ、政府が削除を要請し、四月十二日までに削除された、こういう報道があります。これの事実関係確認をいたします。
  128. 井上淳

    政府参考人井上淳君) お答えいたします。  御質問の件につきましては、二月十四日、福島県沖を震源とする地震が発生した際の加藤官房長官の記者会見の画像が改ざんされ、その改ざんされた画像がツイッターに投稿されていたものでございます。  記者会見の画像を改ざんし、あたかも実際の会見模様であるかのようにして拡散する行為は、国民の皆様に混乱や誤解を与えかねないと同時に、被災地域の皆様に大変不快な思いをさせるものであり、これは許されるものではなく、看過できるものでもないことから、政府といたしましては、四月八日にツイッター社の問合せ窓口を通じて削除を依頼したところでございます。その後、四月十二日時点で、当該画像に関する投稿が削除されていることを確認したものでございます。
  129. 小林正夫

    ○小林正夫君 私も新聞報道で加藤官房長官の写真を確認をいたしましたけれども、要は、ツイッター社が明らかにした加藤官房長官の表情は偽りだったということの確認がされたということなんでしょうか。
  130. 井上淳

    政府参考人井上淳君) お答えいたします。  記者会見の写真が改ざんされているとの情報がございまして、こちらの方で実際の会見映像確認いたしました。そのうち、当該画像のような場面は確認できなかったということで、改ざんの申出を行いました。
  131. 小林正夫

    ○小林正夫君 画像が改ざんされて今回のようにツイッター等で流れた場合に、これは法律違反に当たるのでしょうか。当たるとすれば、どの法律が適用されるのでしょうか。
  132. 竹内芳明

    政府参考人(竹内芳明君) お答えいたします。  画像が改ざんされインターネット上に投稿された場合に、これらの行為を禁止する総務省所管の法令は存在いたしません。その上で、一般論として申し上げますと、偽情報や偽画像の投稿を行った場合、刑法上の名誉毀損や偽計業務妨害、著作権法上の同一性保持権侵害、さらに、民法上の不法行為などに該当する可能性がございます。  また、大手プラットフォーム事業者の利用約款におきましては、ユーザーを欺くことを意図して改ざん又は捏造された画像等を投稿すること等が禁止されており、事業者がこの約款に沿って自主的な削除を行うこととされております。  この利用約款に基づきまして、先ほど内閣官房から御説明のありましたような自主的な削除が行われたということでございます。
  133. 小林正夫

    ○小林正夫君 通信の発展というのは私たちの本当に生活に大きな影響を与えて、非常に便利になって、利便性も高いと思います。しかし、反面、今言ったようなことも起きていることも事実です。  そこで大臣質問しますけれども、今後このような、今回のような、加藤官房長官の表情が改ざんされてしまう、このような事案が起きないようにどう対処するのか。総務省管内、あっ、総務省が管轄する法律ではこれを取り締まる法律がないと先ほど答弁がありましたけど、大臣、どうやっていくんでしょうか。
  134. 竹内芳明

    政府参考人(竹内芳明君) お答えいたします。  インターネット上の偽情報対策としましては、総務省が開催する有識者会合におきまして、昨年二月に報告書が取りまとめられております。ICTリテラシーの向上の推進、事業者による削除などの対応の促進、NPOなど民間におけるファクトチェックの推進など、具体的な推進を進めていくこととしたところでございます。  総務省としては、とりわけICTリテラシーの向上が重要と考えており、情報の発信元を確かめることや、拡散する前に一旦立ち止まって冷静に判断することなど、国民方々が偽情報に惑わされないための啓発を進めております。そのためのトラブル事例集なども作成し、公表しているところでございます。  また、総務省としては、事業者による対応も大変重要と考えておりまして、本年三月、事業者に対しましてヒアリングを行うなどして効果検証を開始したところでございます。今後、その効果結果を、検証結果を踏まえまして、課題を洗い出し、必要な対応策について検討を行っていく予定としてございます。
  135. 小林正夫

    ○小林正夫君 大臣、何か法的な、そういうものを防止するように、いろいろ今お話がありましたけれども、そういう措置も必要じゃないかと思うんですけれども大臣の御所見を。
  136. 武田良太

    ○国務大臣(武田良太君) 今答弁あったと思うんですけど、これ重要な、大変重要な問題なんです。これ、いろいろ検証結果等も踏まえてやり、しっかりと課題というものを洗い出して対処していきたいと考えております。
  137. 小林正夫

    ○小林正夫君 今日はツイッター関係での質問をしましたけれども、これがメディアだとかテレビだとか、そういうものでもこういうことが起きる可能性が私はあるんじゃないかなと心配をいたします。またこの問題は別途の機会に質疑をさせてもらいたいと、このように思っております。  次の質問に移ります。コロナ対策について質問をいたします。  大臣にお聞きをいたします。  令和元年度予備費の使用で財務省から説明を先日、私受けました。総務省として、新型コロナウイルス感染症対策に係る救急隊が使用する感染防護具等の支援に必要な経費として、令和二年三月十日の閣議決定を受けて一億五千六百四十四万円が使用された、このような報告を受けました。  具体的にどのような防護が整って、救急隊員の感染リスクは軽減されたんでしょうか、確認いたします。
  138. 武田良太

    ○国務大臣(武田良太君) 救急活動現場におきまして、新型コロナウイルス感染症に的確に対応するためには、救急隊員が安心して安全に活動できる環境を整えることが重要と考えております。  このため、お尋ねの感染防止資器材については、救急活動に支障が生じないよう、令和元年度予備費や令和二年度の三次にわたる補正予算を活用し、N95マスク、感染防止衣、グローブ、ゴーグルなどを消防庁が調達して、必要とする消防本部に配付をしてきております。  引き続き各地域の消防機関が救急活動を適切に行えるよう万全を尽くしてまいります。
  139. 小林正夫

    ○小林正夫君 今日は消防庁にもお越しいただきました。  消防庁に確認します。現状において救急隊員の防護は万全になっているんでしょうか、確認をさせてください。
  140. 山口英樹

    政府参考人(山口英樹君) お答えをさせていただきます。  消防庁といたしましては、ただいま大臣からお答えさせていただきましたとおり、感染防止衣等の提供をさせていただいているほかに、救急現場に対しまして感染防止の各種の留意点等をまとめた通知を出し、あるいはその救急隊の感染防止マニュアル、これにつきましても見直し等をして周知をしているところでございます。  全国の救急隊におかれては大変困難な状況の中で対応いただいているわけでございますけれども、これまでのところ、救急業務を直接起因としたような感染の事例は伺っていないところでございます。
  141. 小林正夫

    ○小林正夫君 コロナの収束が全く見えなくて、更に感染の拡大が広がっているというのが現状だと思います。救急隊あるいは医療関係者、ありとあらゆる要請があれば対応しなきゃいけないという業務ですので、是非お金を掛けて、防護などが用意できるならば、しっかりその救急隊員あるいは医療従事者を守っていくということが私は何よりも大事だと思いますので、そういう意味では是非政府の方にも必要な費用は使っていくべきだと、このことを申し上げておきたいと思います。  そして、コロナの関係参考人にまたお伺いしますけれども、ワクチン接種が医療関係者に今行われて、さらに、高齢者にも今接種が始まりました。自治体は、このオリンピックパラリンピック聖火リレー、これとも相まって、非常に私、自治体職員の負担が大きくなっているんじゃないか、このように心配をいたします。  過労による事故だとか住民サービスの低下がなければいいと、私このように思っておりますけれども総務省として現状をどう捉えて自治体への支援に取り組んでいるのか、確認をいたします。
  142. 大村慎一

    政府参考人(大村慎一君) お答えいたします。  自治体におきましては、新型コロナウイルス感染症対策に加えて、今般の住民向けワクチン接種体制の構築など、大変な状況にあるものと認識をいたしておりまして、最前線に立って対応されている自治体職員の皆様に対して敬意を表するとともに、これまでの御苦労、御活躍に感謝を申し上げるところでございます。  総務省では、都道府県、指定都市の幹部と総務省職員との連絡体制を構築いたしまして、これまで、新型コロナに関する医療提供体制や検査体制の整備など、その時々の課題に対応して、自治体の幹部に対して国の最新情報を提供するとともに、現場の取組状況や課題を聞き取り、関係省庁にフィードバックをしてきたところでございます。  最近は自治体のワクチン接種準備に向けた様々な情報提供を行っておりまして、例えば、厚生労働省から重要な通知やマニュアル等が発出された場合には自治体幹部にも迅速に伝わるように、連絡体制を通じて総務省からも情報提供を行っております。  また、各自治体におけるワクチン接種体制の構築に際しての参考となるように、例えば全庁的な組織体制や複数市町村での共同接種など、そういった先行的な取組を行っている他の自治体の事例を紹介するなど、好事例の横展開も行っております。  今後とも、国と地方の十分な連携協力の下、ワクチン接種が円滑に進められるよう、関係省庁と連携をしながら取り組んでまいりたいと考えております。
  143. 小林正夫

    ○小林正夫君 マイナンバーカードについて質問を用意をいたしましたけれども、私の持ち時間がなくなりまして、最後の一点だけ。  今日、資料としてマイナンバーカードの交付状況について一枚物を用意しました。  大臣にお聞きをいたします。  この資料の下の方に年齢ごとのマイナンバーカードの交付状況について書かれています。赤で囲ったところが十歳から十九歳、黄色のところが二十歳から五十四歳、水色が五十五歳から八十四歳。ここの交付率を見ると、一〇%、二〇%、三〇%と、このような状況に分かれていますが、この辺にマイナンバーカードをこれから更に普及していくための、何かこの資料から対策が浮かぶんじゃないかと思いますけど、大臣、いかがでしょうか。
  144. 武田良太

    ○国務大臣(武田良太君) 若年層の低さというのは、やはり修学中、仕事中などのため、平日日中の来庁が困難な場合が多いことが一つの原因と挙げられると思います。また、カードを利活用する場面も限られるということも要因の一つだと思います。  今後、日中の来庁が難しい方については、これまでも土日、夜間での受付や交付や、学校などに市区町村職員が出張して申請を受け付け、後日カードを郵送する出張申請受付方式による交付を積極的に行うよう要請するとともに、若年層を対象として取得促進を行った先進事例についても、今、横展開を図っております。  また、今後、健康保険証としての利用、また、国等の機関が発行するカードとの一本化、資格確認等の利活用シーンの拡大が予定されており、若年層の方々にもその利便性を実感していただくことが必要と考えております。  今後とも、各種広報の活用などにより普及促進を図ってまいりたいと考えております。
  145. 小林正夫

    ○小林正夫君 これで終わります。ありがとうございました。
  146. 伊藤岳

    ○伊藤岳君 日本共産党の伊藤岳です。  東北新社外資規制違反事案について、フジメディアホールディングス外資規制違反があったことが明らかになりました。公共の電波、放送の自主自律に関わる重大な問題です。  フジメディアホールディングス金光社長に伺います。  まず、衆議院総務委員会での答弁を確認をしたいと思います。  外資規制違反の可能性について、二〇一四年十月末から十一月頭頃に気付いた、金光氏は十一月下旬に報告を受けた、また、外資規制違反に気付いた後、外資比率二〇%未満の適法状態とする手続を取り、違反の可能性を解消した、そして、十二月頭に金光氏が外資規制違反について総務省におわびと報告に行った、十二月中にもう一度総務省に行き、面談二回目が行われた、そこで口頭での厳重注意を言い渡されたと答弁されました。  これ、間違いないでしょうか。
  147. 金光修

    参考人金光修君) この過去においてミスをしたことに気が付いたのは、この二〇一四年九月末の名簿確定をする、すなわち十月から開始される作業の終了後、過去を振り返って気付いたものでございます。  したがいまして、この二〇一四年九月末の名簿の確定しているときには、その相互保有株の存在に気が付きましたので……(発言する者あり)そういうことでございます。はい、さようでございます。
  148. 伊藤岳

    ○伊藤岳君 間違いないということですね。確認いたします。  外資規制違反の可能性を把握した時点から総務省報告に行くまでに一か月も要しています。なぜ重大な外資規制違反に気付いた後、直ちに総務省報告、相談に行かなかったんですか。
  149. 金光修

    参考人金光修君) 私も、それに関しましては社内の連携が悪くて極めて反省すべきことだと思っておりますが、なぜかと申しますと、そのときのいわゆる株主名簿を確定する株式部、それと同時に、九月の中間期の決算が行われておりまして、財務経理の中での四半期報告書、決算を発表するのと四半期報告書の出す作業がありまして、そこの連携が悪くて、四半期計算書のいわゆる総議決権数を間違って記載しているということがありました。  で、四半期報告書を訂正するかどうかという議論にその時点においては重きを置かれ、それは総務と財務経理の間で話をされていたので、本来、この放送法の重要性に気付けば、先に私なり、そのことを認識しているところに相談すべきだったものが、それをする前に会社法上のこと、いわゆる金商法上のことをその当該部門で重要視してしまったためにその一か月のロスが生まれたというふうに、今回のことで改めて調査して分かったことでございます。  大変申し訳ございません。
  150. 伊藤岳

    ○伊藤岳君 今社長も言われましたけれども、やっぱり認識の甘さだと思いますよ。  総務省に聞きます。  外資規制違反を把握してから一か月も報告が遅れたことをよしとするのですか。放送法に照らせば、本来は認定取消し、欠格事由に当たるのではないですか。
  151. 吉田博史

    政府参考人吉田博史君) フジメディアホールディングス確認したところ、先ほど委員からもお話ありましたとおり、十月末から同年十一月上旬にかけて、過去の外資規制違反を同社において認識したと聞いております。その後、十二月八日頃、総務省との間で一回目の面会が行われましたが、その際、同社から総務省への報告が遅れたことについてのおわびがありました。  外資規制違反という重要な事実であることに鑑み、同社において外資規制違反しているという事実を認識した後、速やかに御報告いただくべきであったのではないかと考えております。  なお、同社が十月末から十一月上旬にかけて認識したという時点で、九月末の株主名簿が確定した時点で外資規制違反の状態は解消されていたと承知しております。
  152. 伊藤岳

    ○伊藤岳君 一か月遅れたこと、報告遅れたこと、厳しく注意したんですか。聞いているのはそこであります。
  153. 吉田博史

    政府参考人吉田博史君) 二回目の面会の際に、フジメディアホールディングスに対し、報告が遅れたことも含めて、今後このようなことを、二度と起きないよう、厳重に注意を当時の担当課長からしております。
  154. 伊藤岳

    ○伊藤岳君 何で一回目のときに注意しないんですかね。総務省も認識が甘過ぎると思います。  二〇一四年十二月頭に金光氏が外資規制違反について総務省におわびと報告に行ったと言われましたが、いつ、総務省の誰に対してアポイントを取ったのか。総務省衆議院総務委員会ではよく分からないという、あっ、金光社長衆議院総務委員会ではよくその辺は分からないと言われたと思いますが、総務省の誰に対してまずアポイントを取ったのか、調べていただけましたか。また、どういう面談をしたいのかというのを総務省に伝えましたか。
  155. 金光修

    参考人金光修君) 前回質問されたときもお答えいたしましたが、七年前のことですので、どういう形でアポイントを取ったに関しては定かに覚えておりませんが、放送政策課長の元に訪問をお願いしたということであります。
  156. 伊藤岳

    ○伊藤岳君 外資規制違反についての可能性を一番早く伝えたのはどなたですか。放送政策課長ですか。
  157. 金光修

    参考人金光修君) 我々は、議決権の計算を間違えて、外資規制にオーバーしている、しまったという立場でございます。それが法的にどう解釈されるのかということの感触を得るために行ったので、放送政策課に赴いたんだというふうに考えております。
  158. 伊藤岳

    ○伊藤岳君 では、総務省に伺います。  フジ側からの面談のアポイントは総務省の誰が受けたんでしょうか。また、面談の趣旨をどのように聞いたんでしょうか。
  159. 吉田博史

    政府参考人吉田博史君) 当時の総務省の担当者に確認いたしましたが、面会の約束を取ったときの状況というのは覚えていないということでございます。同社の常務から当時の放送政策課長に面談の申入れがあったのではないかと思われるが、具体的にどういう形でというのは覚えていないということでございます。
  160. 伊藤岳

    ○伊藤岳君 フジ側の外資規制違反の可能性を総務省の中で一番早く聞いたのは誰ですか。
  161. 吉田博史

    政府参考人吉田博史君) 十二月八日頃に面談を行った当時の放送政策課長でございます。
  162. 伊藤岳

    ○伊藤岳君 金光社長に伺います。  十二月頭一回目と十二月中の二回目の面談には、フジ側からは誰が参加し、総務省側からは誰が参加されていましたか。
  163. 金光修

    参考人金光修君) そのときの記憶をたどると、一回目の訪問の際にはスタッフを同行させたと記憶がございます。先方は一人であったか二人であったか、最大でも二人だったというふうに記憶しております。
  164. 伊藤岳

    ○伊藤岳君 先方の二人というのは課長以上の職の方ですか。
  165. 金光修

    参考人金光修君) 課長と、いたとしたら、もう一人の方。ちょっと私はそこ、どなたかというのはちょっと覚えておりません。
  166. 伊藤岳

    ○伊藤岳君 総務省に伺います。  この二つの面談に総務省側から参加した参加者、誰ですか。
  167. 吉田博史

    政府参考人吉田博史君) 当時の放送政策課長と放送政策課の担当者と聞いております。
  168. 伊藤岳

    ○伊藤岳君 総務省に伺います。  放送法の解釈に係る放送政策課長は面談さした、一方、外資規制違反を直接担当する地上放送課長を面談に参加させなかった。これはなぜですか。
  169. 吉田博史

    政府参考人吉田博史君) 認定放送持ち株会社に関し、法令の解釈等の制度面は放送政策課、認定等の実務面は地上放送課が担当しております。本件については放送政策課で対応し、法解釈についての相談との認識であったものと聞いております。  しかしながら、放送法の解釈の相談でありましても、本事案外資規制違反という重要な事実であることに鑑み、当時の地上放送課長を含め、関係者には少なくとも事案の内容が共有されるべきものでございましたが、実際には共有されていなかったということでございます。  この点も含めて、当時の担当者の認識が甘かったと考えております。
  170. 伊藤岳

    ○伊藤岳君 もう大変重大なことだと思いますよ。  公共電波、放送の自主自律に関わる重大な外資規制違反に対する対応の体制になっていないじゃないですか。先ほど金光社長もおっしゃったとおり、放送法をどう解釈したら、どうこの外資規制違反をくぐり抜けられるのかという面談をフジ側は申し入れて、総務省はそれに対応したというふうにしかこれ思えない構図だと思います。先ほど金光社長も法の相談だというふうに言われました。  金光社長に伺います。  十二月頭、一回目の面談では、おわびと報告以外に金光社長からは何を聞いたりお話をされたのか、また総務省側からは何を聞かれたりお話があったのか。いかがですか。
  171. 金光修

    参考人金光修君) 私がその際に、行く目的として私がお話しすることは、過去において外資規制にオーバーしていたという結果の事実でございます。この経緯あるいは原因等々に関して、その時点で私は専門外なので説明するだけの知識はございませんでした。  したがいまして、それは書面で、リーガルチェックを受けた書面をお渡しするということでその目的を達したというふうに考えております。
  172. 伊藤岳

    ○伊藤岳君 もう一つお聞きしたいんですが、総務省側からはどんな話が出ましたか、一回目の面談のとき。
  173. 金光修

    参考人金光修君) 取りあえず、その事実について確認と、そのいわゆる具体的な経緯等々に関して何か質問はあったかもしれませんが、覚えておりません。
  174. 伊藤岳

    ○伊藤岳君 そうすると、やはり、一回目の面談のときに総務省側から外資規制違反についての重大性を問いただすような話はなかったということなんですね。  金光社長は、今回の外資規制違反認定取消しにならないという感触を得たのはなぜですか。
  175. 金光修

    参考人金光修君) 我々は包み隠さずその事態を御報告しました。あとは法の解釈に委ねるというところで、次のところで、今回の件は厳重注意するという形で口頭で言われましたので、それをもってこの認定取消しはないと判断いたしました。
  176. 伊藤岳

    ○伊藤岳君 その厳重注意認定取消しにならない理由総務省側はどのように説明されましたか。
  177. 金光修

    参考人金光修君) 私が言ったのは、事実を伝えて、その解釈を求めることでございます。その認定取消しになるんですか、ならないんですかという直接的な聞き方でお伺いしたわけではありません。実質的にはそれは委ねましたが。  それに対して、厳重注意すると、二度と起こさないでくださいという注意を受けるということで判断したということでございます。
  178. 伊藤岳

    ○伊藤岳君 いや、お聞きしたのは、取消しとはならない理由総務省からはどのように説明を受けましたかということです。
  179. 金光修

    参考人金光修君) その説明はございませんでした。
  180. 伊藤岳

    ○伊藤岳君 総務省に聞きます。  今の社長の答弁は事実ですか。認定取消しにならない理由総務省から説明しなかったということですか。
  181. 吉田博史

    政府参考人吉田博史君) 二〇一四年十二月におけますフジメディアホールディングス総務省の間のやり取りにつきましては、私ども確認しておりますのは、フジメディアホールディングスから、不注意により外資規制違反の状態にあったことについて、どういう理由であろうと申し訳なかった旨のおわびがあったという点と、同社から総務省への報告が遅れたことのおわびがあったこと、また、総務省からの確認に対して同社が外資規制違反の状態はその当時において既に解消されていると回答したこと、総務省から同社に対し、今後このようなことを二度と起こさないよう厳重に注意をしたことというやり取りがあったことを確認しております。
  182. 伊藤岳

    ○伊藤岳君 先ほど金光社長は、認定取消しにならない理由総務省から説明なかったと言われましたし、今の局長の話でもそういう話が出ませんでしたが、つまり、内閣法制局の見解は面談のときには持ち出されなかったということですね。
  183. 吉田博史

    政府参考人吉田博史君) そのような説明はしておりません。
  184. 伊藤岳

    ○伊藤岳君 大臣は、内閣法制局見解が、その見解の基となった事案から内閣法制局見解を導き出して、これ、厳重注意の根拠とすると言われましたが、この面談のときにはその内閣法制局見解は示されなかった。これ、不思議な話だと思います。しかも、外資規制違反の重大性について注意をしたという面談だったとは思えません。  やはり、先ほども言いましたが、認定取消しとの事態を回避するために、法的にどうくぐり抜けるかを相談する面談だったとこれ言われてもしようがないと思いますし、先ほど社長は総務省との会食の有無を問われて会食そのものも否定されませんでした。これ、疑念が強まるばかりです。  社長に伺います。  金光社長は、放送法規定する外資規制違反した状態にあったにもかかわらず厳重注意だけで済んだことについて、どのような事由によるものと受け止めているんでしょうか。
  185. 金光修

    参考人金光修君) どのような理由を想像することは、現実的に我々の知識の範囲内ではしかねることであります。法律の解釈がどういうふうに運用されるかということに関しては様々な事例があるということは認識しておりましたので、その今回の違反事例がどういう形で厳重注意になったかということは、基本的に想像するということはございませんでした、と思います。
  186. 伊藤岳

    ○伊藤岳君 総務省もこの間国会で答弁しているように、電波の周波数は有限希少で、放送は言論報道機関としての大きな社会的影響力を有するからこそ放送法外資規制規定がある、放送事業者の外資比率は国の安全保障を左右しかねない大問題だというふうに答弁されていますが、全くそのとおりだと思います。  その外資規制違反が、フジメディアホールディングスにおいて二〇一二年四月から二〇一四年三月までの二年近くにわたって放置をされていた。フジ側も総務省側も重く重く受け止めるべきだと思います。  大臣に伺います。  放送法外資規制規定の持つ意味について、大臣の見解をお聞かせください。
  187. 武田良太

    ○国務大臣(武田良太君) 放送法外資規制は、国家安全保障に係る重要な規制と認識しております。  具体的には、放送法が基幹放送事業者等に外資規制を設けているのは、放送が用いる電波の周波数は有限希少であり、その利用に当たっては自国民を優先させるべきであること、また、放送は言論報道機関としての大きな社会的影響力を有することを踏まえ、外国性を制限する趣旨であると考えております。
  188. 伊藤岳

    ○伊藤岳君 今の大臣も答弁あったとおり、外資規制規定の意味は大変重たいと思います。  そこで、総務省に伺います。  フジメディアホールディングス外資規制違反に対しての厳重注意は当時の安藤情報流通行政局長判断だったと、この間の委員会で答弁がありました。外資比率が二〇%を超えていたことがあったと後に事業者から報告された場合の対応についてどのレベルで判断されるのか、また、そのどういうレベルで判断をするのかという規定があるんでしょうか。
  189. 吉田博史

    政府参考人吉田博史君) 御指摘のとおり、二〇一四年十二月にフジメディアホールディングスから外資規制に反している状態にあったという報告があった際には、当時の情報流通行政局長判断で厳重に注意したとのことであります。  何か行政行政処分、あるいは行政、あっ、行政処分等を行う場合につきましては、総務省行政文書取扱規則におきまして決裁者というものが決まっております。ちなみに、認定取消しに関する決裁者は情報流通行政局長となっております。  ただ、いずれにいたしましても、外資規制違反という重要な事実であることに鑑みまして、当時、大臣まで報告すべきであったと考えられ、この点につきましても当時の担当者の認識は甘かったと考えております。
  190. 伊藤岳

    ○伊藤岳君 先ほど金光社長の話でも、厳重注意については放送政策課長から言い渡されたと思いますが、放送政策課長に厳重注意を言い渡す権限がありますか。
  191. 吉田博史

    政府参考人吉田博史君) 行政指導に係る決裁者につきましては、大臣局長、課長にそれぞれ分掌されているところでございます。
  192. 伊藤岳

    ○伊藤岳君 いや、ですから、放送政策課長に権限があるのかと聞いているんです。
  193. 吉田博史

    政府参考人吉田博史君) 判断を行ったのは情報流通行政局長でございます。
  194. 伊藤岳

    ○伊藤岳君 では、判断情報流通行政局長判断すれば何課長だろうが言い渡せるということなんですか。
  195. 吉田博史

    政府参考人吉田博史君) 局長がその実施を課長に委任したという形になるんだと思います。
  196. 伊藤岳

    ○伊藤岳君 本当、不思議だと思います。  この今回の外資規制違反の対応は、担当局長の認識の甘さももちろんこれありますが、そういうレベルの問題ではないと思います。対応の規定すら存在していないということが大問題だと私は思うんですね。  また、本当に担当局長判断での厳重だったのかも疑われると思います。もしそうだったとすれば、重大な外資規制違反に対して余りにもなあなあな対応です。上からの指示があったのではないかという疑問も残ります。更なる真相の究明が必要だと思います。  外資比率については、放送法九十三条一項の規定により、基幹放送の認定の際、事業継承の際、更新の際、放送事項の変更の際などに総務省、つまり総務大臣から認定を受けなければなりません。  なのに、外資規制違反があったことが事業者から後に報告された場合の対応が余りにも曖昧ではないですか。大臣の見解を伺います。
  197. 武田良太

    ○国務大臣(武田良太君) 今回の事案を受けまして、放送法に係る外資規制の実効性の確保について様々な御指摘をいただいていることは承知をいたしております。法改正も視野に検討を開始するよう事務方に指示を出しております。  とりわけ、まず取り組むべきこととして、総務省における審査体制の強化が必要と考えており、外資比率の状況を定期的に把握できるような制度に改めることや、外資規制審査に係る担当部署を設置することを含め、審査体制の充実に早急に取り組みたいと考えております。  なお、こうした一連の検討に資するため、諸外国の外資規制状況などを調査する外資規制調査チームを十三日に国際戦略局に設置したところであり、既に調査に着手をしております。  調査チームからの報告も踏まえつつ、外資規制の抜本的な見直しについて、法改正も視野に迅速に検討を進めてまいりたいと考えております。
  198. 伊藤岳

    ○伊藤岳君 今の検討されているという話でしたが、認定認定との間の期間に事業者外資規制違反に気付いた場合の総務省への報告の義務はありません。外資規制違反の状態が、次の報告認定の時点で存在しなければ認定取消しにならないとこの間答弁されています。これでは、外資規制違反の状態があったことが事実上見過ごされてしまう仕組みとなっているんではないかと思います。  この点で検討はされていますか。
  199. 吉田博史

    政府参考人吉田博史君) 大臣からも今御答弁申し上げたとおり、審査体制の強化ということを検討しております。そこにおきましては、外資比率の状況認定時などのみではなく、その後も定期的に把握できるような仕組みに改めること、あるいは、そのための外資規制審査に係る担当部署を設置するなど、そういう意味で定期的に把握できるような形にした審査体制の充実に取り組んでまいりたいと考えております。
  200. 浜田昌良

    委員長浜田昌良君) おまとめください。
  201. 伊藤岳

    ○伊藤岳君 大手事業者に対して余りにも甘い対応だったと思います。  放送法に基づいて認定を行う所管省庁としての責任が問われる問題点、課題だということを指摘をし、質問を終わります。
  202. 浜田昌良

    委員長浜田昌良君) 本日の調査はこの程度にとどめます。     ─────────────
  203. 浜田昌良

    委員長浜田昌良君) 特定電気通信役務提供者損害賠償責任の制限及び発信者情報開示に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  政府から趣旨説明を聴取いたします。武田総務大臣
  204. 武田良太

    ○国務大臣(武田良太君) 特定電気通信役務提供者損害賠償責任の制限及び発信者情報開示に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  不特定の者によって受信されることを目的として行われる特定電気通信による情報の流通によって、自己の権利を侵害されたとする者が増加する中で、発信者情報開示請求についてその事案の実情に即した迅速かつ適正な解決を図るため、発信者情報開示請求に係る新たな裁判手続を創設するとともに、開示関係役務提供者の範囲を見直す等の措置を講ずる必要があります。  次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。  第一に、裁判所が、特定電気通信による情報の流通によって自己の権利を侵害されたとする者の申立てにより、決定で、開示関係役務提供者に対し、開示請求に基づく発信者情報開示を命ずることができる発信者情報開示命令を設けることとしております。また、発信者情報開示命令の申立てを行うことができる管轄について定めるとともに、当該申立てについての決定に対する異議の訴えを提起できることとしております。  第二に、開示命令事件が終了するまでの間に発信者の特定ができなくなることを防止するため、裁判所が、開示命令の申立てをした者の申立てにより、決定で、開示関係役務提供者に対し、その保有する発信者情報を他の開示関係役務提供者に提供すること等を命ずるとともに、発信者情報の消去禁止を命ずることができることとしております。  第三に、開示関係役務提供者として、侵害情報の発信者が当該情報の送信に関連して行った他の通信を媒介した関連電気通信役務提供者を追加するとともに、所定の要件を満たす場合、関連電気通信役務提供者に対し、当該通信に係る発信者情報開示を請求することができることとしております。  以上のほか、所要の規定の整備を行うこととしております。  なお、この法律は、公布の日から起算して一年六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。  以上が、この法律案の提案理由及び内容の概要であります。  何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同を賜りますよう、お願いを申し上げます。
  205. 浜田昌良

    委員長浜田昌良君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後二時四十三分散会