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2021-05-12 第204回国会 参議院 資源エネルギーに関する調査会 第6号
公式Web版
会議録情報
0
令和三年五月十二日(水曜日) 午後二時開会 ─────────────
委員
の
異動
四月二十二日
辞任
補欠選任
上月
良祐君 自見はなこ君
清水
真人
君
宮島
喜文
君
森屋
宏君
高野光二郎
君 四月二十三日
辞任
補欠選任
岩本
剛人君
藤木
眞也君
五月十一日
辞任
補欠選任
高野光二郎
君
清水
真人
君
市田
忠義
君
井上
哲士
君 ─────────────
出席者
は左のとおり。 会 長
宮沢
洋一
君 理 事 滝波 宏文君 三浦 靖君 宮崎 雅夫君 青木 愛君 河野 義博君 梅村 聡君 田村 まみ君 山添 拓君 委 員 阿達 雅志君
清水
真人
君 自見はなこ君
高階恵美子
君
高橋はるみ
君
藤木
眞也君
宮島
喜文
君 岸 真紀子君
塩村あや
か君
森屋
隆君 竹内 真二君 新妻
秀規
君 音喜多 駿君 舟山 康江君
井上
哲士
君 副
大臣
経済産業
副
大臣
江島
潔君
環境
副
大臣
笹川
博義
君
事務局側
第三
特別調査室
長
亀澤
宏徳
君
政府参考人
経済産業省大臣
官房審議官
安居 徹君
経済産業省産業
技術環境局長
山下 隆一君
資源エネルギー
庁長官
保坂 伸君
資源エネルギー
庁長官官房資源
エネルギー政策
統括調整官
小野
洋太
君
資源エネルギー
庁省エネルギー
・新
エネルギー
部長
茂木 正君
資源エネルギー
庁資源
・
燃料部
長 南 亮君
資源エネルギー
庁電力
・
ガス事
業部長
松山 泰浩君
気象庁大気海洋
部長
大林 正典君
環境省地球環境
局長
小野
洋君
環境省総合環境
政策統括官
和田 篤
也君
───────────── 本日の
会議
に付した
案件
○
原子力等エネルギー
・
資源
に関する
調査
(「
資源エネルギー
の
安定供給
」のうち、
資源
の
安定供給等
) ─────────────
宮沢洋一
1
○
会長
(
宮沢洋一
君) ただいまから
資源エネルギー
に関する
調査会
を開会いたします。
委員
の
異動
について御報告いたします。 昨日までに、
上月良祐
君、
森屋宏
君、
岩本剛人君
及び
市田忠義
君が
委員
を
辞任
され、その
補欠
として
宮島喜文
君、自見はなこ君、
藤木眞也君及び井上哲士
君が選任されました。 ─────────────
宮沢洋一
2
○
会長
(
宮沢洋一
君)
原子力等エネルギー
・
資源
に関する
調査
を議題といたします。 本日は、「
資源エネルギー
の
安定供給
」のうち、「
資源
の
安定供給等
」について
政府
から
説明
を聴取し、
質疑
を行った後、
委員
間の
意見交換
を行います。 本日の議事の進め方でございますが、
経済産業省
から二十分
程度
、
環境省
から十分
程度
それぞれ
説明
を聴取し、一時間三十分
程度質疑
を行った後、一時間
程度委員
間の
意見交換
を行いたいと存じます。 なお、御発言は着席のままで結構でございます。 それでは、初めに
経済産業省
から
説明
を聴取いたします。
江島経済産業
副
大臣
。
江島潔
3
○副
大臣
(
江島潔
君) それでは、お許しをいただきましたので、着座のまま
説明
させていただきます。 それでは、
調査会
に御
指示
をいただきました項目に沿って
説明
をさせていただきます。まずは、
レアメタル
を始めとする
鉱物資源
をめぐる
国際情勢
についてでございます。 まず、二ページを御覧ください。
鉱物資源
は、銅、鉛、
亜鉛
などの
ベースメタル
や、
コバルト
、
ニッケル
、
リチウム
、
レアアース等
の
レアメタル
など多くの種類が存在し、
特性
や
市場規模
、用途も様々でございます。特に
レアメタル
は、半導体などの高
機能材
や製品の
小型化
、
軽量化
に用いられ、今後
普及
が加速する
電動車
、
IoT等
の
先端技術産業
に必要不可欠な
資源
でございます。 続きまして、三ページを御覧ください。
産業
を支える上で重要な
鉱物資源
ですが、安定的な
供給確保
に向けては様々な
課題
が存在します。特に、
レアメタル
は、地政学的な
リスク
が高い
地域
に埋蔵が偏っているケースが多くあります。
資料
に主な
レアメタル
の
産出国
をお示ししておりますが、上位三か国だけで
世界
の産出の九割を超える
鉱種
も存在をしております。 四ページでございます。 これは例でありますが、
蓄電池
などに用いられる
コバルト
であります。これは
世界
の
産出量
の約七割が
コンゴ民主共和国
に偏在しておりまして、政情の
悪化
あるいは紛争による
供給
への
影響
が懸念をされております。 このような
課題
に加えまして、次の五ページでございます。
鉱山開発
を取り巻く
環境
も
悪化
をしております。
資源国
の
インフラ整備状況
、
環境規制
、
地域住民
との
関係
などは、鉱山の
開発コスト
に
影響
を与えております。近年のプロジェクトでは、鉱石に含まれる
金属成分
の減少あるいは鉱床の
深部化
、
奥地化
が進むことによりまして、年々
開発コスト
が上昇しております。 続いて、六ページでございます。
鉱物資源
の
価格
の動向は不安定となっております。
ベースメタル
と呼ばれる
市場
が比較的大きな銅や
亜鉛
でも、
各国
の
景気動向
の
影響等
によって
価格
が大きく変動いたします。特に近年では、
米中貿易摩擦
、
新型コロナウイルス
の
感染拡大
を受けた
価格変動
が生じております。 続いて、
レアアース
についての
説明
であります。七ページを御覧ください。
レアアース
は
レアメタル
の一部ですが、多くの優れた
特性
を持って、
カーボンニュートラル
を実現する上で不可欠な素材であります。例えば、
ネオジム
あるいは
ジスプロシウム
、これらは、
電動化
の鍵である
高性能モーター
の
磁力性能
又は
耐熱性能
の向上に欠かせないものです。 実際に
レアアース
の
供給
や
価格
に多大な
影響
を与えた二〇一〇年のいわゆる
レアアースショック
について御
紹介
をいたします。八ページを御覧ください。 二〇一〇年に
中国
が
輸出枠
を大幅に
削減
したことによりまして、
中国
からの輸出が一時停滞し、
レアアース価格
が高騰いたしました。当時の
我が国
の
レアアース中国依存度
は九割を超えており、非常に深刻な問題となりました。 経産省としては、まず一番として、
中国
以外の国における
供給源
の
確保
、二番目には、
リサイクル
や省
資源
、
代替材料開発
に関する
技術開発
、そして三番目には、
中国政府
の
輸出規制
に対する
WTO提訴
、このような
対策
を講じたところであります。現在では、
レアアース
の
中国依存度
を六割
程度
まで低減をさせております。 続いて、九ページでございます。 これは、
レアアース
のうち、
ネオジム
と
ジスプロシウム
の
価格
の推移のグラフでございます。二〇一一年が
レアアースショック
の
影響
を受けた後の
価格高騰
時期であります。高騰前と比較して十倍以上の
価格
で
取引
されました。その後、
価格
は落ち着きましたが、二〇二一年に入りまして、
中国国内
の
需要増加
に伴って、再び
上昇傾向
にあります。 続いて、十ページでございます。 これは、
我が国
の
レアアース需要
であります。二〇一〇年以降、代替・
使用量削減技術
の
開発支援等
の
対策
によりまして一度減少しましたが、近年は再び
増加傾向
でございます。 以上が
レアメタル
を始めとする
鉱物資源
をめぐる
国際情勢
の
説明
となります。 続きましては、
気候変動対策
と
鉱物資源
についての
説明
でございます。十二ページを御覧ください。 二〇五〇年
カーボンニュートラル
に向けまして、特に
再生可能エネルギー
や
電動自動車
に不可欠な
蓄電池
、
モーター用
の
鉱物資源
の
需要
が
増加
をしていきます。 続いて、十三ページ、十四ページを御覧ください。
再生可能エネルギー
の
発電システム
の
部品
には多くの
鉱物資源
が使われております。例えば、
風力発電
の場合には
発電機モーター
、それから
送電用電線等
にも銅や
レアアース
を使用しております。 続いて、十五、十六ページでございます。
電動車
の製造にも
ワイヤーハーネス
、バッテリー、
駆動モーター
といった
部品
で、銅、
リチウム
、
ニッケル
、
コバルト
、
レアアース
が使用されているところです。 続いて、十七ページでございます。
風力発電
と
電動車
のいずれにも必要な
モーター
でありますが、これは
レアアース
を使った
高性能磁石
が用いられております。
レアメタル
の
安定供給確保
、これが今後の
国内製造
の鍵となってまいります。このため、
政府
としては、
中国
以外の
供給源
の
確保
、それから省
資源
、
代替材料
の
開発
を
加速化
するなどして
対策
を進めているところです。 以上が
気候変動対策
と
鉱物資源
についての
説明
でございます。 続きましては、
鉱物資源
に関する日本の
安全保障
について
説明
を申し上げます。十九ページを御覧ください。
経済産業省
は、二〇二〇年三月に策定をいたしました新
国際資源戦略
に基づきまして、
上流
・
中流権益確保
、
備蓄制度
の
整備
、運用、
国際協力体制
の
強化
、
リサイクル等
を
推進
しております。 二十ページを御覧ください。 こちらには、
鉱物資源関連施策
の全体像でございます。
上流
、
中流
、下流の各
工程
における
支援策
について御
紹介
を申し上げます。 続いて、二十一ページを御覧ください。 まず、
上流工程
であります。
鉱山開発そのもの
の
リスク
、それから
資源
の偏在といった
課題
がございます。そこで、二〇二〇年に
JOGMEC法
を改正をいたしまして、
上流
、
中流
の
開発案件
に対する
リスクマネー供給機能
を
強化
をいたしました。 続きまして、
資源外交
を通じた
資源国
との
関係強化
の
取組
について
紹介
を申し上げます。二十二ページを御覧ください。 まず、多くの
資源国
が存在する
南米地域
でありますが、これは、
首脳
それから
閣僚レベル
で
資源外交
を
展開
をしております。ハイレベルの
関係強化
に努めているところです。 続いて、二十三ページでございます。
アジア地域
におきましては、
資源ナショナリズム
の高まりを受けた
鉱業
に関する規制を受けまして、官民を通じた働きかけを
実施
をしているところです。 続いて、二十四ページでございます。
中東アフリカ地域
における
資源外交
を
紹介
をしております。 昨年の十二月には、ホウ素、それからクロムなど、多様な
鉱種
の
資源国
である
トルコ
と
協力
をいたしまして、
トルコ鉱業投資セミナー
を
開催
をいたしました。私自身、
両国
の
関係強化
に向けて発信を行ったところであります。また、
資源
のフロンティアと呼ばれる
アフリカ地域
におきましても、
アフリカ最大規模
の
鉱業大会
への
参加
、
官民経済フォーラム
の
実施等
を通じて
関係強化
を図っているところです。 続いて、二十五ページ以降を御
紹介
申し上げます。これは、
海洋鉱物資源開発
についての
紹介
でございます。
我が国
の領海、
排他的経済水域
の海底には、
海底熱水鉱床
、
コバルト
リッチクラスト、
マンガン団塊
、
レアアース泥
など
海洋鉱物資源
が確認をされております。経産省は、
海洋基本計画
に基づいて、
資源量
の把握、
生産技術
の
開発等
を
推進
をしているところです。この具体的な
取組
につきましては、二十六から二十八ページを御参照いただければと思います。 続いて、三十ページを御覧ください。今度は
中流工程
について
説明
を申し上げます。
中流工程
におきましては、
使用済製品
に含まれる
レアメタル
の
有効活用
、これが
課題
となります。現在、
小型家電リサイクル法
を通じた
レアメタル等
の
回収
、
リサイクル
に取り組んでおります。 三十一ページを御覧ください。 こちらは
小型家電
からの
資源回収実績
でありますが、
回収拡大
に向けて、自治体への
支援
、
小売店
との
連携
、
消費者
への
普及啓発
、これらを
推進
をしております。
回収
された
小型家電
から
レアメタル等
を効率的に選別、分離するための
技術開発
も
実施
をしているところです。 続きまして、
下流工程
でございます。三十二ページを御覧ください。 直近でも、
新型コロナ禍
によりまして、
重要物資
の
サプライチェーン途絶リスク
というものが
顕在化
をいたしました。予期せぬ危機に対してこうした
リスク
を解消するため、
レアアース
の使用を極力減らすこと、若しくは使用しない
技術
を
開発
することによって
サプライチェーン
の
強靱化
に取り組んでいるところです。 さらに、緊急時の
対策
について、三十三ページを御覧ください。
我が国
は、一九八三年から、短期的な
供給障害
に備えた
レアメタル備蓄
というものを
実施
をしてきております。昨年は、
世界
的な人、物の
移動制限
が長期化した場合に備えて、
供給途絶リスク
の高い
鉱種
につきまして
備蓄
を増強したところであります。 続きまして、三十四ページ、
国際協力
についてでございます。 既に
説明
申し上げましたとおり、
政府
としては、
鉱物資源
の安定的かつ効率的な調達に向けて、
供給国
である
資源国
との二国間の
協力
を行ってきました。一方で、今後は、
需要国
と
供給国
が
参加
をする多国間の枠組み、これも活用しまして、公正な
取引
の
推進
の観点も含めて、緊急時にも
協力
して対応できるような包括的な
資源外交
を
展開
をしてまいりたいと思います。
最後
に、
カーボンニュートラル
や
新型コロナウイルス感染症
を踏まえた
エネルギー政策
について
説明
を申し上げます。三十六ページを御覧ください。 こちらは、二〇一八年七月に閣議決定した第五次
エネルギー基本計画
の概要でございます。これに基づいて策定いたしましたのが
エネルギーミックス
、三十七ページとなります。 この
エネルギーミックス
は将来の
エネルギー需給構造
の
見通し
でありまして、あるべき姿を示すものであります。3
EプラスS
、すなわち
安全性
の
確保
を
大前提
として、
安定供給
、
経済効率性
及び
環境適合
の
政策目標
をバランスよく同時に達成する姿として示してございます。 続いて、三十八ページを御覧ください。その
エネルギーミックス
の
進捗状況
でございます。 二〇一三年度と比較して、二〇一九年度には、
エネルギー起源
の
CO2
、
電力コスト
が減少しております。あわせて、
エネルギー自給率
は七%から一二%に改善をしております。
取組
は着実に進捗しておりますが、まだまだ道は半ばということでございます。この
エネルギー基本計画
に関しましては、昨年の十月から
見直し
に向けた
議論
を経産省の
審議会
で行っております。 三十九ページを御覧ください。
菅総理
は、昨年十月に二〇五〇年
カーボンニュートラル
を
表明
をいたしまして、先月二十二日に、二〇三〇年度における
我が国
の
温室効果ガス
の
排出
を二〇一三年度比で四六%
削減
を目指し、さらに、五〇%の
高み
に向けて
挑戦
をしていく、このように
表明
をされました。
総理
からは、
目標
の達成に向けた施策を具体化すべく
検討
を加速する、このような
指示
があったところでございます。 新たな二〇三〇年
目標
を踏まえまして、
エネルギー政策
全体について集中的に
議論
を深め、結論を出してまいります。 続いて、四十ページを御覧ください。二〇三〇年に向けた
エネルギー政策
の
検討状況
でございます。 この中で、例えば
省エネ
につきましては、二〇三〇年の
省エネ量
の
見通し
を、従来の五千三十万キロリットルから五千八百万キロリットル
程度
の深
掘り
を見込み、更なる深
掘り
を
検討
すること、それから再
エネ
につきましては、
導入拡大
に向け、
環境アセス
の
要件見直し
などの
政策強化
の結果、二千九百億キロワット
アワー程度
を見込んで更なる
政策対応
によりどの
程度
の
導入拡大
が見込めるか、また
原子力
につきましては、
国民
の
信頼回復
に努め、安全最
優先
の再
稼働
を進めること、また火力につきましては、
安定供給確保
を
大前提
に
電源構成
の比率を引き下げていくこと、このような論点について
検討
を重ねております。 続いて、四十一ページでございます。二〇五〇年
カーボンニュートラル
の転換へのイメージでございます。
カーボンニュートラル
に向けましては、
温室効果ガス排出
の八割以上を占める
エネルギー分野
が特に重要となります。
電力部門
では、非
化石電源
の
拡大
、
産業
、民生、
運輸部門
においては、電化、
水素化
を通じた脱
炭素化
を進める必要があります。 また、
コロナ禍
による
エネルギー需要
の
影響
については、四十二ページに、現時点で可能な範囲でお示しをしているところでございます。 続きまして、
電力部門
を中心とした具体的な
課題
や
取組
について
説明
を申し上げます。四十三ページを御覧ください。 二〇一八年の
北海道胆振東部地震
、また、二〇一九年の台風十五号などの災害では大
規模
な停電が発生をいたしました。このため、
発電所
の
停止等
に備えた
予備力
の
確保
や
電力融通円滑化
のための
系統形成
の
検討
、
電力会社
などの
関係者
間の事前の備え、
発電
・
送電設備
の
自然災害
への
耐性確保
など、
激甚化
、頻発化する
自然災害
に対して、
エネルギー
の
安定供給
に向けた
最大限
の準備を進めてまいりたいと思います。 続いて、四十五ページを御覧ください。 今年の一月、断続的な寒波による
電力需要増加
、そして、
在庫減少
による
LNG火力
の
稼働抑制
などによって、
電力需給逼迫
とそれに伴う
市場価格高騰
が発生をいたしました。 これを受けて、四十六ページでございます。
需給
や
市場
における予防的、緊急的な
対策
はもちろん、
安定供給
と
カーボンニュートラル
の両立に向けた
供給力
の
確保
や
新規投資
を促進するための措置を講じるべく取り組んでまいります。 続いて、
再生可能エネルギー
の
主力電源化
に向けた
課題
や
取組
について
説明
を申し上げます。四十七ページを御覧ください。
FIT制度
の
導入
以降、再
エネ導入
は着実に進展をしておりますが、
国民負担
、
系統制約
、
立地条件
などの
課題
もあります。このような
課題
の克服に向けて、
産業
の
競争力
、
インフラ
の構築、
地域共生
、この三つの面から取り組みまして、二〇五〇年
カーボンニュートラル
に向けて再
エネ
の
最大限
の
導入
を進めてまいります。 続いて、四十九ページ、御覧ください。こちらは
原子力
についてでございます。 二〇五〇年
カーボンニュートラル実現
のためにはあらゆる選択肢を追求していく必要がありまして、確立された脱
炭素電源
である
原子力
につきましても、中長期的な方針を示すということが必要でございます。
原子力利用
に当たっては、
国民
からの
信頼回復
に努めていくことがまず必要不可欠でありまして、安全最
優先
での再
稼働
、更なる
安全性向上
の不断の追求、バックエンド問題の解決など様々な
課題
に取り組んでまいります。 続いて、五十ページを御覧ください。
水素
と
アンモニア
についてでございます。
水素
は、
発電
、
産業
、運輸など幅広い分野の脱
炭素化
に資する鍵であります。
アンモニア
は、新たに燃料として、
火力発電
、
船舶等
への利用に向けた
取組
が進んでおります。本格的な
普及
に向けて、安定的かつ安価に大量
供給
できる
インフラ
の
整備
、
発電所
における大
規模利用
の実現といった
課題
の解決に一体的に取り組んでまいります。 以上に加えまして、五十一ページを御覧いただけますでしょうか。 こちらは、二酸化
炭素
を
回収
、再利用する
カーボンリサイクル
、この新しい
技術
の
開発
、
社会実装
にも引き続き取り組んでまいります。
最後
になりますが、五十二ページを御覧ください。
カーボンニュートラル
に向けた
政策
を進める上で、成長に資するカーボンプライシングにつきましては、
産業
の
競争力強化
、
イノベーション
、
投資促進
につながる形があり得るのか、
産業政策
を所管する立場から
検討
してまいります。 成長に資する
制度設計
の在り方について、結論ありきではなくて、
炭素税
、
排出量取引制度
、
国境調整措置
や
クレジット取引
など、
環境省
とも
連携
をして
検討
を進めてまいりたいと思います。 以上が経産省からの
説明
でございます。
宮沢洋一
4
○
会長
(
宮沢洋一
君) 次に、
環境省
から
説明
を聴取いたします。
笹川環境
副
大臣
。
笹川博義
5
○副
大臣
(
笹川博義
君) それでは、
資料
に沿って
環境省
から御
説明
をさせていただきます。 まずは、
気候変動対策
に関する諸外国の
取組状況
について御
説明
をさせていただきます。 それでは、三ページをお開きください。
パリ協定
は、二〇一五年のCOP21で採択をされました。
京都議定書
においては
先進国
のみが
温室効果ガス排出
の
削減義務
を負っていたのに対して、
パリ協定
においては
国連加盟国
が
削減目標
を作ることとなりました。
協定
では、
世界
の
平均気温
の
上昇
を
工業化
以前に比べ二度Cより十分低く保ちつつ、一・五度Cに抑える努力を追求するとされており、それに向けて今世紀後半に
世界
の脱
炭素
を
実現
することを
目標
としております。 さらに、IPCCの
特別報告書
によると、一・五度Cを大きく超えないためには、二〇五〇年前後の
CO2排出量
が正味ゼロになることが必要とされております。 続いて、四ページを御覧ください。 これまでは二〇五〇年までに
温室効果ガス排出量
を八〇%
削減
するとしてきた
長期目標
について、昨年の十月、
菅総理所信表明演説
において、二〇五〇年
カーボンニュートラル
を目指すことを宣言いたしました。これに整合した野心的な
中期目標
として、四月に
地球温暖化対策本部
において、二〇三〇年度の二〇一三年度比四六%
削減
を目指し、さらに、五〇%の
高み
に向けて
挑戦
を続ける旨の
表明
があったところであります。
主要国
の
中期目標
、
長期目標
はそれぞれ表のとおりであります。
米国
が
パリ協定
に復帰し野心的な
目標
を掲げるなど、
世界
中で
気候変動対策
が本格的に進む機運が高まっているというふうに考えております。 続いて、五ページを御覧ください。
各国
では、掲げた
目標
を達成するためにそれぞれの
政策
を打ち出しております。
米国
は、
気候変動対策
を最
重要課題
の一つとしており、今後八年間で総額二兆ドルの
インフラ投資
を行う
プラン
を発表。EUにおいては、二〇五〇年までに
排出実質
ゼロを法制化しており、また英国では、
洋上風力
の
推進
など、
グリーン産業革命
のための十
項目プラン
が公表されました。 続いて、六ページを御覧ください。 四月に行われました
日米首脳会談
において、
日米気候パートナーシップ
が立ち上げをすることとなりました。この
パートナーシップ
においては、次の
三つ
の柱、すなわち、
気候野心
と
パリ協定
の
実施
に関する
協力
と対話、
気候
・
クリーンエネルギー
の
技術
及び
イノベーション
、第三国、特に
インド太平洋諸国
における地方自治体の
行動変容
などの脱
炭素社会
への移行の
加速化
に関する
協力
などが盛り込まれており、
両国
が
気候変動分野
で
世界
をリードしていくとしております。 続いて、七ページを御覧ください。 四月二十二日から二十三日にかけて、約四十か国の国・
地域
が
参加
をいたしました
米国主催
の
気候サミット
が
開催
をされ、この
会議
においては、複数の
首脳
が二〇三〇年までの
排出削減目標
の更なる引上げなどを発言する中において、
菅総理
からも、四六%の
削減
、さらに、五〇%の
高み
の
挑戦
を目指す旨の発言がなされました。 続いて、八ページを御覧ください。 本年十一月には、英国においてCOP26が
開催
を予定されております。主な論点としては、
削減目標
の引上げに関する野心、二、
パリ協定
の
実施
ルール、三、資金などについての
議論
がなされる見込みでございます。 続いて、九ページを御覧ください。 この十一月のCOP26までの間にも、G7のサミット、国連総会、G20サミットなどが予定されており、
気候
変動に関しての活発な
議論
が行われる予定となっております。 続いて、
カーボンニュートラル実現
に向けた
施策
ということであります。十一ページを御覧ください。 先ほど御
説明
を申し上げたとおり、昨年十月、
菅総理
からの、二〇五〇年
カーボンニュートラル
、脱
炭素社会
を目指すということの宣言がなされました。この中で、革新的な
イノベーション
やグリーン投資の更なる
普及
、国と地方で
検討
を行う新たな場の創設といった
取組
による経済と
環境
の好循環をつくり出す旨の言及がありました。 十二ページを御覧ください。
政府
の
検討
体制として、
総理
を本
部長
とする地球温暖化
対策
推進
本部が設置、また、個別
施策
や横断的事項を
議論
、
検討
するための各種
会議
体も設置をされました。 続いて、十三ページを御覧ください。 本年は、十一月のCOP26を始め一連の国際
会議
等が予定されていることを踏まえ、
気候変動対策
を
分野
横断的に
議論
し、グリーン社会の
実現
に向けた方針の
検討
を行うため、
気候変動対策
推進
のための有識者
会議
が設置されました。三月、四月と二回
開催
し、
気候変動対策
において
我が国
の目指す方向性や将来ビジョンについて御
議論
をいただきました。 続いて、十四ページを御覧ください。国・地方脱
炭素
実現
会議
について御
説明
をさせていただきます。 二〇五〇年までの
カーボンニュートラル
を
実現
するためには
地域
の
取組
と
国民
のライフスタイルに密接に関わる
分野
での
対策
が重要であることから、
国民
、生活者目線での
実現
に向けたロードマップと、
実現
のための具体的な方策を
議論
するために設置をされました。これまで二回の
開催
に加え、各方面からの四回のヒアリングを行いました。 現在
議論
いただいております
地域
脱
炭素
ロードマップ骨子案では、
イノベーション
を待たず適用可能な最新
技術
をフル活用し、足下からできることを直ちに実行するとの観点から、二〇二五年までの五年間を
政策
を総動員する集中期間として位置付け、
議論
を進めているところでございます。 十五ページを御覧ください。 このため、少なくとも百か所の脱
炭素
先行
地域
で二〇二五年までに脱
炭素
実現
の道筋を付け、二〇三〇年度までにこれらの
地域
で脱
炭素
を達成し、これをドミノ倒しのように全国、そして
世界
に脱
炭素
を広げていくこととしております。
地域
やライフスタイル、そしてルールといった
三つ
の
イノベーション
を
実施
することにより、脱
炭素
で強靱な活力ある
地域
社会の
実現
に向けて取り組んでまいります。 続いて、十六ページを御覧ください。 こうした
議論
の背景には、既に地方自治体レベルでは、二〇五〇年までに二酸化
炭素
排出実質
ゼロの
表明
が、本年五月六日時点で三百八十の自治体が超えました。人口
規模
にすると約一億一千万人になっております。
環境省
では、こうした自治体で具体的な
取組
が進むことが重要であると考えており、現在参議院で御審議いただいております地球温暖化
対策
推進
法改正案に位置付けた
地域
の再
エネ導入
を促進する制度や、令和二年度補正予算及び令和三年度当初予算におけるゼロカーボンシティ再
エネ
強化
支援
パッケージにより
支援
をしてまいります。 続いて、十七ページを御覧ください。 このグラフは、
我が国
の
温室効果ガス排出量
の推移と、
中期目標
、
長期目標
を示したものでございます。直近の二〇一九年度の
排出
量は千二百十二億トンであり、二〇一三年度比一四%の減でございます。十二・一二億トン、失礼しました。 新たに掲げた二〇三〇年度に二〇一三年度比四六%減や五〇%の
高み
への
挑戦
、そして二〇五〇年の
排出実質
ゼロに向けて、現在、地球温暖化
対策
計画、
エネルギー基本計画
、
パリ協定
に基づく長期戦略、この
三つ
の計画等の
見直し
を行っているところでございます。 続いて、十八ページを御覧ください。
目標
達成のための地球温暖化
対策
計画の
見直し
については、中央
環境
審議会
、
産業
構造
審議会
の合同の会合において
関係
省庁や若者の団体などへのヒアリングを行いつつ、
産業
界、学識経験者等の有識者による御審議をいただいているところでございます。 続いて、十九ページを御覧ください。次に、カーボンプライシングについて御
説明
をさせていただきます。 カーボンプライシングとは、
炭素
への
価格
付けを通じて脱
炭素
に向けた
行動変容
を促し、
CO2
削減
への努力が報われるようにするための仕組みであります。代表的な類型として、
炭素税
や国内
排出
取引
、
クレジット取引
、国際機関による
取組
やインターナルカーボンプライシング、欧米で
検討
が進められている
炭素
国境調整措置
などがあり、幅広く
検討
をしているところでございます。 今国会の
総理
の施政方針演説でも、
成長
につながるカーボンプライシングにも取り組んでまいりますとの
表明
があり、
経済産業省
とも
連携
をして、
成長
に資する制度の設計し得るかという観点からの
検討
を進めてまいります。 二十ページを御覧ください。
最後
に、再
エネ
促進に資するアセス迅速化という点について、
風力発電
所の
環境アセス
メントの迅速化を御
紹介
させていただきます。
風力発電
については、騒音やバードストライクなどの
環境
影響
の懸念もあり、適切な
環境アセス
メントが必要ですが、時間が掛かることが再
エネ
促進の
課題
とされておりました。このため、自治体と並行した審査等を行い国による審査期間を短縮するとともに、
地域
の自然的状況、社会的状況を収録した
環境アセス
メントデータベースを
整備
するなど、事業者により
調査
期間の短縮にも取り組んでいるところであります。 このほか、現在参議院で御
議論
いただいております地球温暖化
対策
推進
法改正案には、
地域
における円滑な合意形成を図り、
地域
に貢献する再
エネ導入
を促進する制度を盛り込んだところでございます。 終わりに当たりましては、集中豪雨、森林火災、大雪など、
世界
各地で異常気象が
発生
する中、脱
炭素化
は待ったなしの
課題
であり、同時に、
気候
変動への対応は、
我が国
経済を力強く
成長
させる原動力になります。
菅総理
が掲げた野心的な
目標
達成に向けてあらゆる主体の
取組
を加速させるべく
環境省
として全力で取り組み、経済と
環境
の好循環を生み出すとともに国際社会の脱
炭素化
の流れをリードしてまいりたいと考えております。 以上であります。
宮沢洋一
6
○
会長
(
宮沢洋一
君) 以上で
政府
からの
説明
聴取は終わりました。 これより
質疑
を行います。 本日の
質疑
はあらかじめ
質疑
者を定めずに行います。 まず、各会派一名ずつ指名させていただき、その後は、会派にかかわらず御発言いただけるよう整理してまいりたいと存じます。
質疑
及び答弁の際は、挙手の上、
会長
の指名を受けてから着席のまま御発言いただくようにお願いいたします。 また、
質疑
者には、その都度答弁者を明示していただくようにお願いいたします。 なお、できるだけ多くの
委員
が発言の機会を得られますように、答弁を含めた時間がお一人十分以内となるように御
協力
をお願いいたします。 それでは、
質疑
のある方は挙手をお願いいたします。 宮崎雅夫君。
宮崎雅夫
7
○宮崎雅夫君 自由民主党の宮崎雅夫でございます。 まず、
資源エネルギー
庁の保坂長官にお伺いをしたいと思います。 先ほど両副
大臣
からも御
説明
がございましたけれども、先月二十二日に
菅総理
が、二〇三〇年に向けて、
温室効果ガス
の
削減目標
について、野心的な
目標
ということで四六%
削減
するという
目標
を
表明
をされたわけでございます。その後、気象サミットでもこの新たな
削減目標
を
表明
をされて、
我が国
の気象変動
分野
への積極的なこの
取組
に対してバイデン・アメリカ大統領などからも歓迎をされたというふうに承知をしております。 こういう状況の中で、
エネルギー基本計画
の
見直し
に向けた
検討
が昨年十月から進められるというふうに承知をしておりますけれども、
関係者
も大変注目をしておるところでございます。今回の
見直し
でも、
江島
副
大臣
からも御
説明
の中でございましたけれども、今取り組んでおられるいわゆる3
EプラスS
、これの同時
実現
を目指すことということが非常に重要なことだというふうに私は考えております。 また、
総理
も、この二〇三〇年の
目標
については、この達成は決して容易なものではないというふうにも述べられておりまして、この達成に向けて、
省エネ
の
対策
、それから
エネルギー
転換も含めて、これ全ての
分野
で、部門において
取組
を
推進
をしていくことが必要なわけでございます。 これまでも
政府
としても、昨年末のグリーン
成長
戦略、この策定でありましたり、
成長
戦略の柱としても
取組
が進められてきているわけでございます。NEDOでも、十年間に二兆円の基金を造成をして、
目標
達成に
挑戦
することをコミットした企業に対して、
技術開発
から実証、
社会実装
まで一気通貫でこれ
支援
をすることになったわけでございますけれども、新たな
目標
も掲げられて、更なる
支援策
ということも必要になってくるというふうに考えます。 そこで、
エネルギー基本計画
の
見直し
に向けた現在の
検討状況
、それから
目標
実現
に向けた
支援策
についてのお考えについてまずお伺いしたいと思います。
保坂伸
8
○
政府参考人
(保坂伸君)
エネルギー基本計画
でございますけれども、昨年の十月から、総合
資源エネルギー
調査会
におきまして
見直し
に向けた
議論
を行っているところでございます。これまでに十一回
審議会
を
開催
をいたしまして、
菅総理
が
表明
された二〇五〇年
カーボンニュートラル
や、新たな二〇三〇年度の
温室効果ガス
削減目標
に向けました
課題
や対応の方向性について
議論
を深めているところでございます。 二〇五〇年
カーボンニュートラル
や二〇三〇年度の新たな
削減目標
を目指す中にありましても、
委員
御指摘のように、3
EプラスS
のバランスを取り続けていくことが重要だと考えております。脱
炭素化
と安価な
エネルギー
の
安定供給
の両立に向けまして、今後も
エネルギー政策
全体について集中的に
議論
を深め、結論を出していく所存でございますが、まだ
議論
中でございます。 また、新たな二〇三〇年度の
温室効果ガス
削減目標
につきましては、これまでの
目標
を七割以上引き上げるものでございまして、決して容易なものではございません。徹底した
省エネ
、再
エネ
の
最大限
の
導入
、確立した脱
炭素電源
である
原子力
の活用、非効率石炭
火力
のフェードアウトなどを着実に進めていく所存でございます。 御指摘の
支援策
につきましては、二兆円の基金につきましては、これ、二〇五〇年
カーボンニュートラル
の
実現
のために設けられたものでございまして、二〇三〇年度の新たな
目標
を踏まえまして、
技術
、社会面での制約やコストにも配慮をしながら、
産業
の国際
競争力
の維持
強化
と両立できるよう、必要となる投資を促す刺激策を含めまして
検討
を加速していきたいと考えているところでございます。 以上でございます。
宮崎雅夫
9
○宮崎雅夫君 ありがとうございます。どちらも今
検討
中ということでございますけれども、しっかり
検討
していただければというふうに思います。 同じく、次の質問についても保坂長官にお伺いをしたいというふうに思います。 今の
エネルギー基本計画
でも、再
エネ
については
主力電源化
を目指すというふうにされておりますし、先ほどの
江島
副
大臣
からの再
エネ
の御
説明
の中でも、これ
最大限
導入
を図っていくと、私ももちろんそういうことが必要ではないかと思いますけれども、御
説明
でもありましたけれども、やはりいろんな進めるには
課題
もあるということでございます。本
調査会
で、参考人の方でもいろんな御意見があったわけでございますけれども、系統
整備
を含めたコストのやはり問題であったり、出力の変動の問題というものもございます。 私も全国を回っておりますと、例えば太陽光
発電
、どこの農山村にもやはりあるということでございますけれども、昔は優良農地だったんじゃないかなとか、山の斜面、こんなところにもあるんだなとか、そういうふうに思ったこともございます。やはり、適地の
確保
の問題であったり地元との調整ということも非常に大切なことになってくると思います。 再
エネ
についても、
カーボンニュートラル
と、これは非常に大事なことでもありますけれども、この一面だけということではなくて、いろんな側面を見ながら総合的にやはり進めていかないといけないんじゃないかなと思います。 例えば、太陽光
発電
を
拡大
をしていくという中で優良な農地が潰れるというようなことであれば、食料
安全保障
の観点からは非常に大きな当然懸念がある。まあそういうことは起きないと思いますけれども、そういうこともあるわけでございますし、再
エネ
、それから先端
産業
でこれは欠かすことのできない
レアメタル
、
レアアース
、これ御
説明
ございましたけれども、
資源
の偏在性も高い、地政学的
リスク
が高い。こういうところに偏っているということになってきますと、
安定供給
は非常に重要な
課題
で、今取り組んでいただいているわけですけれども、これが、再
エネ
の
推進
が、
資源
にやはり乏しい
我が国
にとっては新たな
リスク
の増大にならないように留意をしていかないといけないということも視点の一つではないかなというふうに思います。 そこで、いろんな
課題
がございますけれども、再
エネ
の
主力電源化
に向けた
取組
の促進について、お考えを改めてお伺いをしたいと思います。
保坂伸
10
○
政府参考人
(保坂伸君) 再
エネ
でございますけれども、二〇五〇年の
カーボンニュートラル
の
実現
に向けた鍵でございまして、
最大限
導入
していくということは基本方針でございます。 一方で、
審議会
の中でも、再
エネ
の
最大限
の
導入
に当たりましては、一つ目、FIT賦課金による年間二兆円を超える
国民負担
の抑制、二つ目に、再
エネ
ポテンシャルの大きい
地域
と首都圏等の大
需要
地を結ぶ送電線の
整備
、三点目に、平地が限られているといった、
委員
も御指摘もございましたけれども、立地制約もある中での
地域
と共生した形での適地の
確保
といった様々な
課題
があるということも
審議会
の中で指摘をされていることも事実でございます。 こうした
課題
を克服すべく、コスト低減の
取組
の
強化
やマスター
プラン
の策定等を通じた送電網
整備
、
地域
と共生可能な形での適地の
確保
など、あらゆる
施策
を総動員していく考えでございます。加えて、現在の太陽光パネル等が輸入に依存している実態も踏まえますと、今後の
導入拡大
政策
を
産業政策
と両立して進めていく必要があると考えております。 こうした中で、
洋上風力
につきましては、昨年十二月の
官民
協議会におきまして、二〇四〇年までに三千万から四千五百万キロワットの
案件
を形成するという
導入
目標
を盛り込んだ
洋上風力
産業
ビジョンを策定したところでございます。これを呼び水としつつ、予算や税制による設備投資
支援
や
産業
界の国内調達、コスト低減
目標
の設定、国内外企業のマッチング促進等を通じて、強靱な国内
サプライチェーン
を形成していく考えでございます。 太陽光につきましては、
我が国
が他国に先んじて
開発
を進めてまいりましたペロブスカイト等の次世代型太陽電池の実用化を加速し、既存の太陽電池では設置が困難な壁などの新たな
市場
の開拓、獲得を目指しているところでございます。具体的には、第三次補正予算で
措置
したグリーン
イノベーション
基金も活用いたしまして、
製品
化も見据えた企業の
取組
を
支援
してまいります。 このような
取組
を通じまして、新たな
産業
の創出や
我が国
企業の
競争力強化
を進め、国内企業の力を生かした経済と
環境
の好循環を
実現
してまいりたいと考えておるところでございます。 以上でございます。
宮崎雅夫
11
○宮崎雅夫君 ありがとうございます。
最後
に、時間も限られておりますけれども……
宮沢洋一
12
○
会長
(
宮沢洋一
君) 宮崎さん、時間がもう、おまとめください。
宮崎雅夫
13
○宮崎雅夫君 はい、来ておりますようでございますので、
環境省
の
笹川
副
大臣
にお伺いをしたいというふうに思っておりましたけれども、ちょっとお願いだけということでまとめさせていただきたいと思います。
江島
副
大臣
、
笹川
副
大臣
の御
説明
の中でも、それぞれが
連携
をして取り組んでいくというお話もございました。カーボンプライシングのお話もございましたし、また再
エネ
の
推進
でも、両省だけではなくて
関係
省庁の
連携
ということが非常に大切になってきております。 まさしく
環境省
が旗振り役というようなことでございますので、是非、
笹川
副
大臣
におかれましては、
関係
省庁との
連携
ということを、これまでもやってきていただいておりますけれどもお願いをしたいというふうに思いますし、また、
カーボンニュートラル
の
取組
というのは、
産業
構造とか社会全体、この大転換が必要なものでもございますので、
国民
の皆さんの理解ということがもう欠かせないことだろうと思いまして、非常に地道なものでもございますけれども、是非副
大臣
のリーダーシップでもって、これについても積極的に取り組んでいただければと思います。 済みません、これで終わらせていただきます。ありがとうございました。
宮沢洋一
14
○
会長
(
宮沢洋一
君) 他に御発言はありませんか。
森屋
隆君。
森屋隆
15
○
森屋
隆君 立憲・社民共同会派の
森屋
隆でございます。発言の機会をいただきましてありがとうございます。 まずは、
笹川環境
副
大臣
に二点お伺いをしたいと思います。
菅総理
が、昨年十月の所信
表明
演説で、二〇五〇年
カーボンニュートラル
、脱
炭素社会
を
実現
を目指すと宣言しました。また、先月の
気候
変動サミットで、日本は
温室効果ガス
の
削減目標
を二〇一三年度比でこれまでの二六%
削減
から四六%の
削減
を目指すとし、さらに、五〇%の
高み
に向けて
挑戦
を続けていく決意を
表明
されました。 宣言については、積極的な
政府
の姿勢の
表明
として評価するものですが、
実現
するには様々な困難があるとの指摘があります。 その要因としては、この間の参考人
質疑
では、再生
エネルギー
の太陽光パネル、メガソーラーの大
規模
設置場所が既にない、また、
洋上風力
においても安定的な風力が望めないなどが挙げられています。現在、日本の
発電
電力を占める割合は八割が
火力
ですが、だからといって、
原子力
に依存するという方向には行けないだろうと思います。
目標
は掲げたけれども、
実現
に向けた裏付けは乏しく不透明だと思います。
CO2
実質ゼロの
実現
は、
国民
の理解がなくては到底なし得ないと考えます。 そこで、質問をさせていただきます。 現在、
CO2
ゼロ宣言の自治体が三百八十四あると承知しています。住民の理解を得るために自治体としても大変な御苦労をされていますが、国は、この現状をどのように捉え、進めていこうとしているのですか。 二点目は、
カーボンニュートラル
の
実現
に向けて、地球温暖化
対策
の
推進
に関する法律の改正案では条文に
国民
を位置付けるなどしていますが、
政府
は、どのような
国民
の理解や
協力
、言い換えればある
程度
の負担となりますが、こうしたことをどのように進めようとしているのか、教えてください。よろしくお願いします。
笹川博義
16
○副
大臣
(
笹川博義
君) 御質問ありがとうございました。 今、自治体において、この国の方向性含めて大変御理解をいただいてそれぞれ宣言をしていただいた。人口
規模
でいうと一億一千万人を超したということでありますので。ただ、それは、各基礎自治体も含めて更に理解が広がるように、我々としても
取組
についての御
説明
を丁寧にしていかなければならないというふうに思っております。
委員
からも御指摘がございましたけど、例えばこの再
エネ
につきまして、それぞれの
技術
革新も進めていかなきゃならない。それで、もう一つ大事なことは、やっぱり
地域
の合意形成が大事でありますので、そういったところでは、やはり
地域
の合意なくして再
エネ
を進めると、再
エネ
に対する信頼を崩すことにもなります。先ほど経産省さんからも御
説明
ありましたけど、新しい
技術
も革新が進んでおりますので、太陽光パネルについても、そういった
技術
の活用をしながら、さらにまた、太陽光の可能性を広げていくことも、これも大事だというふうに思っております。 また、御指摘の中ではありませんでしたけど、例えば地熱、これについても
開発
の
リスク
もございます。そういったものをどう短縮させていくのか。さらに、ポテンシャルあります。そういったものをどうまた活用していくのか。このことについてもやっぱり
地域
の御理解がなければなかなか進まないということもございますので、大事なことは、やっぱり自治体の皆さん方の理解と同時に、また
地域住民
が理解できるように我々自身が人材育成も含めてきちんとした丁寧な
説明
をしていきたいというふうに考えております。 続いて、特に個人消費ですかね、
カーボンニュートラル
を達成するためにおいて、やっぱり個人の消費の中における
CO2
の
削減
、これも大切な観点でございますので、その中にあって、
国民
生活の中で、例えば住宅ですとか自動車含めての公共施設の在り方だとか、そういうものを含めてやはり理解をしてもらうことが個人生活の変革にもつながるわけでありますので。 一番身近な例でいうと、例えばレジ袋の件、これは最初
導入
するときに大変いろんな御指摘もございました。厳しい御指摘もございました。しかし現状では、やはりレジ袋についても七割方の
削減
に成功することができたと。これはひとえに
国民
の皆さん方の御理解があったたまものだというふうに思っておりますので、そういう意味においては、
国民
の御理解がいかに大事かということの実例かというふうに思っております。
森屋隆
17
○
森屋
隆君 ありがとうございます。 次に、やはり二点、
江島経済産業
副
大臣
に二点お伺いしたいと思います。 COP26では、カーボンプライシングについて何らかの合意に至る可能性があると思うのですが、今後、国境
炭素税
について日本がどのような準備を始めているのか教えてください。また、国境
炭素税
の仕組みが、WTO、国際貿易機構
協定
などとの整合性についてどのように考えていますか。 二点目は、
カーボンニュートラル
の
実現
には、更なる再
エネ
開発
、
水素
利用
、
CO2
吸着、閉じ込め、そして
蓄電池
開発
が不可欠だと思います。二兆円の脱
炭素
基金では諸外国に比べて乏しいと思われます。そういった中で、現在、この地熱
発電
の研究
開発
について、状況を教えていただきたいと思います。
宮沢洋一
18
○
会長
(
宮沢洋一
君) それでは、まず経産省山下
産業
技術環境局長
お願いして、その後、補足があれば副
大臣
からお願いします。
山下隆一
19
○
政府参考人
(山下隆一君) まず、
国境調整措置
についてでございますけれども、国内の
気候変動対策
を進めていく際に、他国の
気候変動対策
との強度の差異に起因する競争上の不公平、これを防止することでカーボンリーケージが生ずることを防止するためのものでございます。 現在、その基本的な考え方について、有識者から成る研究会で御
議論
いただいているところなんですけれども、そういった中で、
国境調整措置
は、その
導入
自体が目的であるべきではないけれども、国内の
成長
に資するカーボンプライシングの
検討
と並行しながら、
制度設計
に必要となる
製品
の
炭素
排出
量の評価手法などの国際的なルールの策定を日本が主導すべきだということが示されてございます。 WTOルールとの
関係
では、外国の産品に対して国内の同種の産品よりも不利ではない待遇を与えるという原則との
関係
が一つの論点となり得るところでございます。
国境調整措置
がWTOルールに整合的であるかについて、これ先例はないんですけれども、税額の計算方法などにおいて輸入品に不利な扱いがなされていないかなど、制度をどう設計するかによるものだというふうに承知をしてございます。 引き続き、公平な競争条件を
確保
し、カーボンリーケージを防止する観点から、立場を同じくする国々とも
連携
しながら対応することとしてまいりたいと考えてございます。 以上でございます。
南亮
20
○
政府参考人
(南亮君) お答え申し上げます。
再生可能エネルギー
は二〇五〇年の
カーボンニュートラル
の
実現
に向けた鍵でございまして、
最大限
導入
していくということが基本方針であります。そうした中で、地熱
発電
は、天候に左右されず、安定的に
発電
可能なベースロード電源として大変重要なものだと考えております。 ただ他方、地熱
発電
には、目に見えない地下
資源
を
利用
するものであるということから、
開発
リスク
が高く、掘削などの
開発コスト
が高いということ、次に、国内の地熱
資源
の八割が賦存する国立・国定公園における
関係
法令の
規制
などがあること、こうした
課題
が存在しているというふうに認識しているところでございます。 こうした
課題
を
解決
するため、
経済産業省
としましては、御質問の研究
開発
でございますが、地下構造を把握するための探査
技術
、それから掘削コスト低減に向けた高能率、長寿命なドリルなどの研究
開発
、こうしたことを進めてきておりますが、これらに加えまして、本年度からは、国立・国定公園の外からでも公園内の地下を
開発
し得る斜め
掘り
の
技術
の研究
開発
、こうしたことを取り組んでいるところでございます。 以上でございます。
江島潔
21
○副
大臣
(
江島潔
君) 付け加えまして、私から一言申し述べさせていただきます。
森屋
委員
が大変にこの地熱
発電
に関して強い関心を持っていただいていると、心強い限りでございます。 日本は、基本的にはこの地熱、潜在的な地熱
発電
大国のはずでありますが、残念ながらまだいろんな障壁があるということでありまして、例えばアイスランドなんかは、同じ火山国であってももう非常に大きな割合、六割ぐらいたしか
発電
量のうち地熱で賄っているというような、そういう国もあるわけであります。日本もその可能性があるんですが、なかなか守られている。これ、どこに守られているかと。結構
環境省
に守られていますので、是非この辺は、今後この地熱
発電
の
開発
をどうするか、どうやったらできるかということを、その
環境省
が守っている部分と含めてうまく整合性が取れるようにしっかり取り組んでまいりたいと思います。 今ちょっと
説明
がありましたその斜め
掘り
というのは、言ってみれば外から突っ込むような、若干ちょっとこそくな手段だなという気もしておりますので、是非もっと正々堂々とその地熱
発電
を使いながら、かつちゃんと
環境省
が守るべきところも守れるような、そういう王道を進められればと思っております。
森屋隆
22
○
森屋
隆君 気象庁にも質問あったんですけれども、時間ですから終わります。ありがとうございました。
宮沢洋一
23
○
会長
(
宮沢洋一
君) 他に御発言はありませんか。 河野義博君。
河野義博
24
○河野義博君 公明党の河野義博です。 二〇五〇年
カーボンニュートラル
、菅政権の看板
政策
であります。国の形を変えるいい機会だと思っておりまして、そのために自給率をしっかり上げていく、そういった過程を通じて様々な
技術
に投資をしていくということだろうと思います。 二〇五〇年がどういう
世界
かというのは誰も予想できませんし、前回の
エネルギー基本計画
を立てる際にも、何が起こっているか分かりませんから、しっかりありとあらゆるテクノロジーに投資していくんだ、その方向性は間違っていないんだと思います。 一方で、見えている
案件
、やれば必ず結果ができるというところには重点的に投資をしていくべきでありまして、その観点からいいますと、この三十年、やれば確実に温暖化の原因を減らせるということでいえば、やはり大
規模
な浮体式の洋上
風力発電
だろうというふうに私は考えております。 現在、長崎県の五島沖で、海洋再
エネ
法を使った第一号
案件
となりますけれども、これは本当に
環境省
が長年サポートしてくださり、そして経産省、国交省もしっかりと法律を作り、
支援
をしてきたわけでありますけれども、恐らく
世界
で第一号の商業運転になるだろうと思っておりましたが、諸般の事情で、ちょっと時間の
関係
からそれは言いませんけれども、アジアで一号
案件
となる浮体式の大
規模
な商業ベースの洋上
風力発電
所になるんだろうというふうに思います。 現在、最終の選定作業が進められていると聞きますけれども、やっぱり着床式の
洋上風力
は適地が限られておりますので、しっかりこれは進めるとともに、その先を見据えた浮体式
洋上風力
の
実現
に向けてしっかり
官民
挙げて応援すべきだというふうに私は思っております。 海事
産業
とも非常に
連携
を密にしていかなければなりませんし、国内のロジスティクス、これは非常に値段が高い、海外から輸入した方が安いんじゃないかというぐらい高いという中で、やっぱり全省庁挙げて取り組まなければなりませんが、とりわけ
経済産業省
に果たしていただく役割というのは私は大きいんじゃないかというふうに思っておりますが、
江島
副
大臣
にお伺いをしたいと思っております。浮体式の洋上
風力発電
、どのように取り組んでいかれますでしょうか。
江島潔
25
○副
大臣
(
江島潔
君) この
洋上風力
でありますが、二〇五〇年の
カーボンニュートラル実現
の切り札であると思います。 昨年の十二月には
官民
で
洋上風力
産業
ビジョンを策定をいたしまして、この中で、二〇三〇年までに一千万キロワット、二〇四〇年までに浮体式も含んで三千万キロワットから四千五百万キロワットの
案件
を形成するという
導入
目標
を設定をしたところでございます。 しかしながら、日本は欧州と異なりまして遠浅の海域が非常に少ない、言わばすぐ海でどんと深くなってしまうという、そういうこの立地にございます。その中でこの四千五百万キロワットという高い
目標
を達成するためには、どうしても、深い海域でも
導入
余地が大きいこの浮体式の早期コスト低減を行って
導入拡大
を図る必要がございます。 現実に非常に浅瀬が少ないという中で、例えば私の地元の山口県でも、浅瀬に造ろうとして、それが結果的にすぐ目の前の住民の大反対に遭って頓挫しているというような事例もございます。やはりこれは、遠方であれば、浮体式であれば全くそういう
地域住民
に迷惑掛けることなくこの建設が可能でありますので、浮体式の実証、商用
プラン
トの
実現
というのは本当に大事ではないかと思います。 したがいまして、この浮体式の低コスト化のために必要な
技術開発
、これも含めた
技術開発
ロードマップ、これを今年の四月に策定をいたしたところでございます。第三次補正予算で
措置
をされましたこの二兆円のグリーン
イノベーション
基金、これも活用しながら、戦略的に
技術開発
、実証研究に引き続き取り組んでまいりたいと思います。
河野義博
26
○河野義博君 浮体式を切り札と言っていただいたことに感謝を申し上げたいと思います。 残り二問通告しておりますので、これは
政府参考人
に伺います。 この長崎の
洋上風力
、浮体式の
案件
に先行する形で、二〇一一年から、福島復興のシンボルとしまして、また、当時は
世界
初となる複数基三基が浮かぶという
洋上風力
の実証実験がなされました。大変残念ですけれども、今年度中に実証設備は実証を終えて撤去するという方針になりました。 六百二十億円を投じて行ったこのプロジェクトであります。当該実証実験によって得られた成果をどのように評価をしておられますでしょうか、またその成果を、この切り札ともいうべき大
規模
な浮体式洋上
風力発電
の事業
開発
に今後どのように生かしていくおつもりでしょうか。
茂木正
27
○
政府参考人
(茂木正君) 今
委員
から御指摘いただきました浮体式の
洋上風力
のプロジェクトでございます。 御指摘のとおり、二メガ、五メガ、七メガと、この
三つ
の浮体式の
洋上風力
の
安全性
、信頼性、経済性、これを明らかにする目的で、複数基としては当時
世界
初の本格的な実証研究として
実施
をいたしました。この事業は、令和二年度末までにデータを取得しまして継続しておりまして、事業全体の評価は今年度行うということにしております。 ただ、既に浮体式特有の
技術
的
課題
については多くの知見が得られているところであります。具体的には、各種浮体、これセミサブ、それからコンパクトセミサブ、アドバンストスパーと三種類の浮体式の実証をいたしましたけれども、そこでの
特性
ですとか、あるいは風車と組み合わせた場合の挙動や制御方法、こういったデータを蓄積をしております。それから、浮体式の
洋上風力
を設置する際、あるいは運用する際の様々なマニュアルについても蓄積していまして、こういったものがノウハウとしてしっかりと
整備
できているというふうに考えています。 今後、この再
エネ
海域
利用
法を着実に執行するとともに、こうした事業全体の評価を使いまして事業者が活用できるようにすることで、浮体式を含めた洋上
風力発電
の
導入拡大
に取り組んでまいりたいというふうに考えています。
河野義博
28
○河野義博君 やっぱりデータをしっかり開示するということが大事だろうと思います。実際の海の上で、しかも風車の高さで測った風のデータというのは日本国内では余りありません。そのデータは非常に有効なデータであって、陸上のデータとの相関を取れば、風況の確実性を高めることもできます。風車にとって一番の
リスク
は風です。風の読み方を、その信頼性を高めるためにも、このデータというのをしっかり活用していくべきだと思います。
最後
に、再
エネ
海域
利用
法における入札が今進んでおりまして、長崎、秋田、千葉で進んでおります。 これ、制度ができたからこその産みの苦しみかもしれませんけれども、これ、十分な
議論
が経ないままに入札制度が
導入
をされました。入札制度というのであれば、様々な条件を整えた上で入札とするのであれば分かるんですけれども、それぞれ入札する方々が、地元との合意形成はもとより、
環境アセス
、地質
調査
、系統接続、漁業者との調整、全て事業者が、入札する側がやらなきゃならない。にもかかわらず、
価格
で勝負しますという制度になっておりまして、それはそれで産みの苦しみとして仕方がないかなとは思いますが、行く行くは、やはり国が、ここでできますよと、アセスも終わっている、地質
調査
もある
程度
見えている、風もこのぐらい吹きますよという中で、じゃ、入札で幾らで風車建てられますかというのが本来の入札制度だと私は思います。 その点は御理解をいただいて、今、セントラル方式というのを進めていただいておりますが、その日本版セントラル方式の
実施
内容及び今後のスケジュールをお伺いして、質問を終わります。
茂木正
29
○
政府参考人
(茂木正君) 再
エネ
海域
利用
法に基づきまして、今御指摘あったとおり、既にゾーニングによる長期の占用ルール、それから漁業
関係者
など地元との調整の仕組みなどを用意いたしましたが、一方で、初期段階の基礎
調査
ですとか系統
確保
等のこうした
取組
を複数の事業者が重複して行っているということで、こうした点が非効率だという指摘は受けております。 そこで、
開発
の初期段階から
政府
がしっかり関与をいたしまして、より迅速かつ効率的に、風況ですとか地質の
調査
、それから
環境アセス
の初期段階の
調査
、それから適時に系統の
確保
などを行うと、いわゆる日本版のセントラル方式の確立に向けまして、現在実証事業に着手しているところであります。 具体的には、実証海域を今年、今選定する作業に入っておりまして、都道府県及び事業者に対して情報提供を今月末までということで依頼をしているところであります。また、必要な系統を国があらかじめ暫定的に
確保
するという仕組みについても
整備
を進めておりまして、こちらも六月中にも
関係
機関の規程等の改定を行う予定であります。 今後とも、欧州
各国
の
取組
を参考にしながら、
官民
の適切な分担、こうしたことも含めて、仕組みの具体化に努めてまいりたいというふうに考えています。
河野義博
30
○河野義博君 一日も早くセントラル方式
実現
させていただきたいと思います。 ありがとうございました。
宮沢洋一
31
○
会長
(
宮沢洋一
君) 他に御発言はありませんか。 音喜多駿君。
音喜多駿
32
○音喜多駿君 日本維新の会の音喜多駿です。 私からは、
説明
のありました
温室効果ガス
削減目標
などに関連して、自治体の
エネルギー
消費量のデータ取得問題及び家庭部門の
CO2
排出
実態統計
調査
について幾つか質問をさせていただきたいと思います。御答弁は
政府参考人
からで構いませんのでよろしくお願いいたします。
温室効果ガス
の
削減
や脱
炭素化
の
取組
の促進を図るためには、現在の
温室効果ガス排出量
を正確に算定することが重要なのは言うまでもないことです。そして、地方公共団体は、地球温暖化
対策
推進
法に基づき、地球温暖化
対策
計画に即して実行計画、これを策定することとなっており、具体的な
温室効果ガス
の
排出
の量の
削減
などの
措置
に関する計画、これを策定しなければならないということになっております。 そのためには、まず、地方公共団体の区域内の
温室効果ガス
の
排出
量、これを調べる必要があり、電気やガスをどれだけ使われたかという区域内の
エネルギー
消費量などのデータが重要となっておりました。このデータが地方公共団体実行計画を策定する基礎となりますし、国が
温室効果ガス
削減
の
政策
を打ち出す基礎データにもなっているからです。 しかしながら、こうした区域内の
エネルギー
消費量等のデータは、これまで自治体の依頼に基づいて
エネルギー
事業者が提供してきましたが、電力自由化後に提供がされなくなり、自治体が苦慮していると聞き及んでおります。 この点、
環境省
は実態を把握されておりますでしょうか。また、電力自由化後に失われた情報が実際あるのかどうか、この点、現状の問題点を伺います。
和田篤也
33
○
政府参考人
(和田篤
也君
) お答え申し上げます。 御指摘いただきました件でございますけれども、地球温暖化
対策
の
推進
に当たりましては、まず、現状の
CO2
の
排出
量などを把握することが重要でございます。このため、区域内の
排出
量をより正確に把握したいと考える自治体におきまして、電力・
ガス事
業者から区域内の
エネルギー
消費量データの提供を受けるということが、地方自治体が地球温暖化
対策
を
推進
する上で有効な方策の一つであると認識しております。 一方、御指摘のとおり、地方自治体におきまして、従前、電力・
ガス事
業者から提供を受けておりましたこれらのデータにつきまして、電力、ガス自由化以降提供を受けられなくなったという事例が存在していることは承知しているところでございます。 これまで、地方自治体や全国知事会、全国市町村会等の団体から本件に関する御要望をいただいておりますとともに、
環境省
におきましても、提供を受けられなくなりました自治体に関する
調査
を自ら行っておりまして、今後も状況把握に努めながら対応してまいりたいと考えております。
音喜多駿
34
○音喜多駿君
環境省
としては問題は把握していると、そして、自治体からもそういった要望はあったということでありました。そうだとすると、これもう早急に改善の
取組
を
環境省
が打ち出すべき、こうした大きな
政府
の
目標
もあるわけですから、改善しなければいけないと考えます。 区域内の
排出
量の算定は、
環境省
の
政策
、
環境省
が所管する法律によって求められております。
政策
、制度が要求するこうした自治体の
エネルギー
消費量等のデータは、事業者への依頼というリクエストベースに基づくのではなくて制度的に
確保
されるべき、そうした方策を模索すべきと考えますが、今後の方針を
環境省
に伺います。
和田篤也
35
○
政府参考人
(和田篤
也君
) お答え申し上げます。
環境省
が昨年度
開催
しました地球温暖化
対策
の
推進
に関する制度
検討
会というものがございますけれども、その取りまとめの中で、データ入手の効率性、
市場
競争への
影響
などに留意しつつ、域内に
供給
された電力、ガスの
使用
量について地方公共団体が把握できるような具体的な方策を
検討
し、地方公共団体が域内の
排出
量をより精緻に推計できるようにすべきであるという御提言もいただいたところでございます。 本取りまとめ、御提言を踏まえまして、現在、具体的にどのような仕組み、
委員
御指摘の制度が考えられるかなどを
資源エネルギー
庁と
検討
を行っているところでございますけれども、地方自治体の地球温暖化
対策
を一層
推進
するため、本件につきましては引き続き
議論
を重ねてまいりたいと考えております。
音喜多駿
36
○音喜多駿君 今の点、もう一点。
検討
を始めて、他省庁、
資源エネルギー
庁さんとの協調も必要だと思うんですが、
検討
して、これ、いつ頃結論が出るかとか、そうした現在のところの
見通し
みたいな、大体のスケジュール感はあるんでしょうか。そこを教えてください。
和田篤也
37
○
政府参考人
(和田篤
也君
) お答え申し上げます。 今現在鋭意
検討
しているところでございまして、具体的にこのタイミングというところまではまだ及んでいないところでございます。
音喜多駿
38
○音喜多駿君 例えば、東京都などにおいては、水道における大
規模
なスマートメーターの実証実験などを行っております。このデータ、いろいろスマートメーター等で保管するというようなお話もありますけれども、電力、ガスでも同様に、自治体を通じてスマートメーターの
普及
促進して、将来的にはそういったもので管理をしてデータを取っていく、こういうことも考えられると思います。 ただ、そうした
インフラ
は、やはり設置、
普及
に時間が掛かりますので、やはり現時点でしっかりとデータを採取すると、これを制度的に
確保
していくということはもうやらざるを得ないということでありますので、
環境省
としても、早急にこの改善策、そして制度の仕組みというのを確立していただくことを強く要望をいたします。 さて、データ、統計に関連して、家庭部門の
CO2
排出
実態統計
調査
について一つお伺いさせていただきます。 本
調査
は統計法に基づく
政府
の一般統計
調査
として
実施
されているもので、先ほどの自治体の依頼に基づいて
エネルギー
事業者が提供していたデータとともに、家庭部門の
CO2排出量
を測定するものとして重要な統計の一つとなっています。そして、こうした統計の基となる
調査
票情報、すなわち個票データが
CO2排出量
という目的変数に対する
説明
の要素になるものであって、家庭部門の
CO2
排出
削減
や
省エネ
を考える上で非常に重要なデータとなっています。 しかしながら、この個票データは、
政策
のほかには学術、教育目的のみにしか情報提供されないということになっているようで、
利用
が大変しにくく、手続の負担が大きいということを伺っております。 菅政権は、デジタル庁の設立に動くなど、行政のデジタル化、こうしたものに非常に前向きですから、これは当然派生して、オープンデータ、国や行政が持っている公共に資するデータというのはどんどんこれは公開していこうと、こういうオープンデータの
推進
というのも期待をされているわけであります。こうしたオープンデータの観点からすると、そして
国民
、事業者の
省エネ
協力
の観点から、これ、
エネルギー
事業者などが広く活用できるように、もちろん匿名の処理して、匿名処理された
調査
票情報は誰でも自由にアクセスできる、ダウンロードして活用できるようにするべきと考えますが、こちら、
環境省
の見解をお伺いいたします。
小野洋
39
○
政府参考人
(
小野
洋君) お答えいたします。
委員
から御指摘ございました家庭部門の
CO2
排出
実態統計
調査
でございますが、家庭の
CO2排出量
や
エネルギー
消費量の実態を把握するために、統計法に基づく
政府
の一般統計
調査
として
実施
し、その結果を毎年度公表しております。 これももう
委員
が先ほど御指摘されたとおりなんでございますけれども、統計法におきましては、
調査
票情報を匿名処理した匿名データについて、学術研究の発展に資すると認める場合、その他の一定
程度
の公益性が認められる統計の作成又は統計的研究を行う場合、こういった場合に一般からの求めに応じて提供することができるというふうにされております。 ということでございますので、これは統計法令上、統計の作成又は統計的研究を行わない場合、
委員
が御指摘されましたように、例えば誰でも自由にダウンロードできるようにするということはなかなか難しいかなと思います。 ただ、この統計
調査
、様々
環境省
で分析しておりますけれども、この分析結果を毎年公表する際に当たりましては、
国民
あるいは事業者に幅広く活用していただけるように十分工夫しながら、その分析、公表を行ってまいりたいと考えております。
音喜多駿
40
○音喜多駿君 残念ながら、現時点ではやっぱり一定の制限があって、このデータの自由開放というのはなかなか難しいんではないかということではありました。統計表だけではやはりこれは活用できる情報量に限りがありますから、これ、
調査
票情報へのアクセスのしやすさというものがやっぱり本統計の価値を高めることになるんじゃないかと思います。 アメリカでは、類似の統計で、匿名処理された
調査
票の情報は誰でも自由にアクセス、ダウンロードできて、
省エネ
情報提供サービスの発展に貢献したと、そういった事例もあると聞き及んでおります。あくまで匿名処理されたこの
調査
票情報が、これプライバシー権を侵害するほどの個人情報に当たるのかどうか、これ是非、
政府
や
環境省
にもう一度
検討
していただくということを要望するとともに、デジタル庁の設置ということも本日決定したわけですから、このオープンデータの観点からも、統計制度の改革、これを
政府
に引き続き求めてまいりたいと考えております。 あともうちょっとあるので、残された
資源エネルギー
庁にちょっと一問だけ聞きたいんですが。
世界
の石油
供給
について
資源エネルギー
庁はどのような認識を持っているのかということなんですけれども、二〇五〇年
カーボンニュートラル
に向けて、
再生可能エネルギー
を増やして石油
エネルギー
を減らしていくことというのは間違いなく重要なことであります。 そこで、もうちょっと時間ないのでぶっ飛ばしますが、石油の生産予測は、
世界
エネルギー
機構、IEAが発行するワールド・エナジー・アウトルックから考察すると、将来減産していく、石油生産は
減少
していくんじゃないかと。もう絶対量として石油危機が起こるんじゃないかということを唱えている論者もおりまして、こうした低迷という実態予測考えると、現状を考えると、あながち無視できない考えであると思いますが、
政府
として、この
世界
全体の石油
供給
状況、今後、危機というのが起こり得るのかどうか、そして予測を持っているのかどうか、
最後
に御見解をお伺いします。
宮沢洋一
41
○
会長
(
宮沢洋一
君) 申合せの時間が来ておりますので、簡潔に御答弁お願いします。
南亮
42
○
政府参考人
(南亮君) IEAでは、短期的には在庫水準が高く、
市場
には十分な
供給
がなされるものの、中長期的には継続的な
上流
投資が必要との
見通し
であるというふうに承知しております。 こうした国際機関の
見通し
でありますが、足下では、二〇二〇年前半の急激な油価下落による
上流
投資の
減少
や、昨今の中東
地域
における地政学
リスク
の高まりといった
環境
変化も行っておりますので、引き続き、石油のほぼ全量を輸入する
我が国
にとって、石油の
安定供給確保
の重要性は一層増していると思っておりまして、積極的な
資源外交
ですとか
リスク
マネーの
供給
、
供給源
の多角化、こうしたことを通じて石油の
供給確保
に万全を尽くしてまいりたい、そのように考えております。
音喜多駿
43
○音喜多駿君 ありがとうございます。終わります。
宮沢洋一
44
○
会長
(
宮沢洋一
君) 他に御発言はありませんか。 田村まみ君。
田村まみ
45
○田村まみ君
国民
民主党・新緑風会の田村まみです。今日はよろしくお願いいたします。 御
説明
ありがとうございました。まず初めに、
江島
副
大臣
に御質問したいと思います。 本日もパワーポイントを使って
レアメタル
を始めとする
鉱物資源
をめぐる
国際情勢
を詳細に御
説明
いただきました。銅を始めとする
ベースメタル
は引き続き二〇三〇年までに自主
開発
比率八〇%の
目標
を掲げていますが、先般提出されました総合
エネルギー
調査会
の
資源
・
燃料
分科会の報告書でも、
レアメタル
については、かつては自給率
目標
五〇%していたんですけれども、今回は残念ながら
鉱種
ごとの
安定供給確保
に取り組むという記載にとどまっているというような状態です。ただ一方で、今日
課題
を話していただいたので、相当困難があるということは私も認識をしております。 ここで質問させていただきます。
確保
競争の激化によって
レアメタル
市場
の
高騰
が続く中で、特に
上流
権益
確保
にも財政上の制約があるとするのであれば、
政府
説明
の今日の三十二ページにもありましたけれども、
我が国
の限られたリソースとしてできることというのは、
技術
力を生かした
代替
素材の
開発
ではないかというふうに私は思っております。この
代替
素材、革新素材の
開発
にこそ国の予算を重点的に投入するべきではないかというふうに考えておりますけれども、ここの重点配分の考え方、予算を含む
強化
策についてお示しください。
江島潔
46
○副
大臣
(
江島潔
君) 田村
委員
御指摘のとおりだろうと思います。 この
レアメタル
、それから
レアアース
でありますけれども、今後日本としても本当力を入れていかなきゃいけない電気自動車あるいは
IoT等
のこの
先端技術産業
には本当に欠かせないものでございます。しかしながら、先ほども申し上げましたが、地政学的な
リスク
が高い
地域
からの調達に依存しているのが現状でございます。今
委員
が御指摘をされたように、この
レアメタル
や
レアアース
に依存しない
産業
構造というものを構築するということが今後の日本の将来の行く末を決めると言っても過言ではないかと思います。 今、経産省として、予算
措置
を講じて幾つか
技術開発
に取り組んでおります。その例、二つほど例示させていただきます。 まず、
レアアース
の
使用
量を減らした
高性能磁石
の
開発
を今進めているところであります。これは、耐熱性
向上
のために添加している
ジスプロシウム
等を使わないで従来と同等の性能を発揮できる
モーター
の実用化、これにめどが立ってきたところでございます。 それから、
コバルト
、これは非常に偏っていると申し上げましたが、この
コバルト
あるいは
リチウム
等を
使用
しない
亜鉛
負極電池、
亜鉛
のマイナス極ということですけれども、これは非常に革新型の
蓄電池
ということになるわけですが、こういうものの
開発等
も今進めているところでございます。 経産省としては、この
我が国
の
産業
競争力
を一層
強化
をしていくという観点から、引き続き
レアメタル
あるいは
レアアース
を極力使わないで
モーター
や
蓄電池
などの
重要物資
を国内で
製造
できる
技術
の
開発
にしっかり取り組んでいきたいと思います。
田村まみ
47
○田村まみ君 再
エネ
に資するということもそうですけれども、この素材
開発
、パイオニアがやっぱりグローバル
市場
を席巻するという構造がこれまでも実証されたことですので、私はやはり、近々ということをおっしゃっていただいたけれども、やはり一番初めに実用化できる素材を
市場
に
供給
することが日本の
産業
の維持
拡大
を支えるものだというふうに思っておりますので、是非、私はまだ足りないというふうに思っていますので、一層の
支援
の方をお願いしたいというふうに思います。 次に、昨年、
総理
が二〇五〇年までの掲げた
カーボンニュートラル
に向けた
エネルギー政策
についてお伺いします。参考人で結構です。 CCSについて実用化が視野に入る状況となっているというふうに聞いていますが、苫小牧の実証実験以外に
我が国
での候補地、手を挙げている自治体がないというふうに私は認識をしております。漁業
関係者
との調整という
課題
もあるのは承知しておりますけれども、まず、CCSUについては、大
規模
排出
元として、工場は、例えばコンビナート地区や
火力発電
基地を中心に、もうどこにすればいいかというのも明らかですし、例えば、仮にCCSが
火力発電
に実装されたとしても、その分のコストを電気代にオンするということであれば、結果的に再
エネ
よりも高くなるようなことなので、コストの低減化に向けても実証
技術
の
開発
を改めてしていかなければいけません。この実証実験の場所が一か所では不十分です。 今後のこの実証実験をやるというふうに手挙げをしている自治体あるのか、それとも予定としてこういうところありそうという可能性あれば教えていただきたいと思います。あるかないかで結構です。
山下隆一
48
○
政府参考人
(山下隆一君) お答え申し上げます。 先生御指摘のように、確かにコストの低減とか、それから
CO2
の輸送の問題とか、あるいは関連制度の
整備
とか、あと、今御指摘ありましたような貯留地の適地の
確保
というものは
課題
としてあります。 これ、まだ、そういう意味では、余りにもこのコストの問題とか詰めなきゃいけない論点がかなり多いので、今の現時点では、この苫小牧での実証成果を生かしながら、まず、
CO2
の分離
回収
技術
の研究
開発
を通じた更なるコストの低減、それから
世界
に先駆けた液体の
CO2
の船舶輸送の
技術
確立、これを目指すための実証試験、それからCCS事業に対する国内法制度などのビジネス
環境
の
整備
に関する
検討
、そして貯留適地の
調査
、これを行っていくということで、
社会実装
に向けて迅速に取り組んでまいりたいと思います。 今のところはございません。
田村まみ
49
○田村まみ君
課題
は私も承知しておりますので、乗り越えなければいけない
課題
はあるというのは分かっているんですけれども、やはり今の時点で新
技術
といいながらも、やはり時間を要せば、結果的に、海外でほかの実証研究先行したり、
我が国
の
技術
が劣化、劣後するというようなことになりかねませんので、その見極めも含めて判断をしていかなければいけないということは申し上げたいと思います。 続いて、
カーボンリサイクル
について伺いたいと思います。 私は正直、化学の方の授業が苦手でして、ただ、化学物質を別の物質に変えるには、そこに外からの
エネルギー
を掛ける必要があるということは理解しておりますし、今日も五十一ページの方に、基本的には、
CO2
を人為的に別の物質に変えるということは、化学
産業
が日頃
製品
を作っているのと同じことをするわけなんです。そこには当然、電気を始め莫大な
エネルギー
を投入しなければならないということは、この
カーボンリサイクル
の
課題
でもあると思います。 ですが、
CO2
を別の基幹物質に変える過程でそれ以上の
CO2
をネットで
発生
させてしまっては本末転倒になります。二〇五〇年までの真にエコロジーな
カーボンリサイクル
の革新的な
技術
の確立が必要だと考えておりますが、ここについてお示しください。
江島潔
50
○副
大臣
(
江島潔
君) 御指摘のように、この
カーボンリサイクル
、これは二〇五〇年の
カーボンニュートラル
という大きな
目標
に向けましてキーテクノロジーとなると思います。また、あわせて、日本に
競争力
がある
技術
でもあります。 したがいまして、国が
支援
することによってこの
技術開発
を促進をするということが大事で、
委員
のおっしゃるように、先頭を行くということが可能であると思います。 現在、
政府
の予算事業による
支援
の結果、既に
CO2
を原料としたコンクリート、これはもう実用化をしております。それから、
CO2
を吸収をする藻によるバイオジェット
燃料
生産、これも実証が始まっているところでございます。また、
水素
と反応させてメタンを合成するメタネーション
技術
の研究が進んでおります。私は学生時代化学を学んでおりましたので、こういうことを
説明
できるのは本当にうれしく思っております。 また、
政府
による後押しを進めるためには、昨年末には
カーボンリサイクル
実行計画、これを策定をいたしまして、克服すべき
技術
面での
課題
、それからコスト
目標
等について
検討
を深めて、今
取組
をしているところでございます。 今後でありますが、このような
検討
を土台といたしまして、先ほどから何度か申し上げておりますグリーン
イノベーション
基金、これを活用しながら、コンクリート、
燃料
、化学品等の多様な
分野
での
カーボンリサイクル
技術
、これを確立をしっかりしていって、まさに日本が先頭に立てるような、そういう
技術
を確立をして、これをもって更なるこのコスト低減、あるいは
社会実装
というものを
世界
に先駆けて進めていきたいと思います。
田村まみ
51
○田村まみ君 ありがとうございます。 是非今度、化学の式とか教えていただければと思います。
最後
に一問。核のごみや最終処分の問題同様、再
エネ
、新
エネ
にあったとしても、最終処分までの掛かるコストというのも真摯に目を向けなければいけません。 是非、今日は太陽光パネルに限ってですけれども、これ再
エネ
であっても、最終処分までに
環境
負荷やコストをどう考えるか、今既にもうこの廃棄の問題出てきておると思いますけれども、こういうことについて、
環境省
、
環境
副
大臣
としてどうお考えなのか、あっ、済みません、違いましたね、
エネルギー
庁に、ついてお答えいただきたいと思います。よろしくお願いします。
茂木正
52
○
政府参考人
(茂木正君) 今御指摘ございました太陽光パネルでございます。もちろん、太陽光パネルも含めまして、再
エネ
拡大
していくときには、やはりライフサイクル全体で
環境
負荷や社会コストというのをどう抑えていくかと、こうした視点が大事だというふうに考えています。 その上で、太陽光については、これ、多様な事業者が多く参画しまして事業主体が変更されやすいという
特性
があるものですから、将来これ、放置ですとか不法投棄ですとか、こういった懸念がございます。それから、太陽光パネルは、種類によっては鉛とかセレンとか、こういう有害物質が含まれるということでありますので、こうした懸念にも対応していく必要があります。 もちろん、パネルの適正処理というのは、これは廃棄物処理法に基づきまして事業者が行う義務があるわけですが、その際の費用をしっかりどうやって
確保
するかということが大事でありまして、この点については、昨年の六月に成立しました改正再
エネ
特措法、この中で、事業用の太陽光の
発電
を対象にしまして、源泉徴収的に外部積立てを行わせると、これも事業終了までの十年間で積み立てていくという仕組みをつくったところでありまして、これ来年の七月から積立ての開始を行いますので、それに向けた今準備、周知を進めているところであります。 こうした
取組
やりながら、ライフサイクル全体での
環境
負荷や社会コストにも配慮しながら再
エネ
の
拡大
を進めてまいりたいというふうに考えます。
田村まみ
53
○田村まみ君 ありがとうございました。
環境省
には是非、再
エネ
もですが、
省エネ
の方を、しっかり私たちが取り組めるということでお願いしたいと思います。 以上です。
宮沢洋一
54
○
会長
(
宮沢洋一
君) 他に御発言はありませんか。 山添拓君。
山添拓
55
○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
政府
は、二〇三〇年度の
温室効果ガス
削減目標
を二〇一三年度比四六%
削減
とすると
表明
しました。従来の二六%減の
目標
からは上積みですが、
気候
危機打開に求められる水準からは大きく立ち遅れています。 この
目標
は、IPCC、国連
気候
変動に関する
政府
間パネルの一・五度
目標
との
関係
では科学的に
説明
できるのかどうか、
環境省
に伺います。
小野洋
56
○
政府参考人
(
小野
洋君) お答えいたします。 IPCCの一・五度
特別報告書
におきましては、地球温暖化を一・五度に抑える
排出
経路といたしまして、二〇五〇年前後に
世界
全体の
CO2排出量
は正味ゼロ近辺であるということが示されておりまして、
我が国
が、昨年十月、
総理
が
表明
されました二〇五〇年
カーボンニュートラル
もこれを踏まえたものであるということでございます。さらに、今回
総理
が
表明
された新たな二〇三〇年
目標
につきましても、
我が国
の二〇五〇年
カーボンニュートラル
目標
と整合的なものとして、次なる
成長
戦略にふさわしい野心的な
目標
であるというふうに考えてございます。
目標
達成は決して容易なものではございませんけれども、今後、
施策
を具体化し、着実に実行していくことが重要であると考えております。
環境省
といたしましても、
経済産業省
を始め
関係
省庁としっかり
連携
いたしまして、今後十年間の間に地に足の付いた
取組
がどれだけ進められるかということについて、
再生可能エネルギー
の
最大限
の
導入
や
地域
の脱
炭素化
など、
施策
の具体化を加速してまいりたいと考えております。
山添拓
57
○山添拓君 今答弁されなかったんですが、IPCCは、二〇三〇年
目標
としては二〇一〇年比で四五%
削減
です。日本の四六%
削減
というのは、二〇一〇年比にしますと四二%ですので若干足りないわけですね。一・五度
目標
と必ずしも整合しているわけではないと思います。しかも、この数字は積み上げたものではないとされていますので、今お話もありましたが、実効性が問われるのはそのとおりだと思います。 次は経産省に伺います。 グテレス事務総長は、日本など豊かな国が三〇年までに石炭
火力
を段階的に廃止することが必要だと述べています。 NPO法人
気候
ネットワークは、三〇年までの石炭
火力
フェーズアウト計画を発表し、効率の低い
技術
から順に廃止する、建設中も含めて百七十九基全てをフェーズアウトすべきだとしています。 ところが、
政府
は、非効率な石炭
火力
については休廃止を進めるものの、新規の建設は続けて温存しようとしています。三〇年四六%減、その
目標
との
関係
で、二〇三〇年時点では何基を止めて、設備容量では何割
程度
減ることになると考えていますか。
松山泰浩
58
○
政府参考人
(松山泰浩君) お答え申し上げます。 今御指摘いただきました石炭
火力
を含みます
火力発電
というものについて申し上げますと、現状では、今、電力の
安定供給
の中核を成しているのがこの
火力発電
になってございます。他方で、石炭を中心に
炭素
排出
という面ではなかなか難しい面がありますし、
カーボンニュートラル
を目指す上では、これは
安定供給
を
大前提
にということになるわけでございますけれども、その
発電
比率をできるだけ引き下げていくということが基本になると私ども認識してございます。 こうした状況の下で、
我が国
の状況を踏まえるならば、まずは非効率石炭
火力
についてこれをフェードアウトしていくという方針で考えているところでございまして、
省エネ
法の
規制
強化
により、原則非効率石炭について休廃止を求めていくということにする一方で、
安定供給
と両立させるという意味では、設備は維持しながら
稼働
率を下げていくという
措置
、さらには、柔軟な
措置
といたしまして、非効率石炭
火力
に
アンモニア
混焼等を
導入
して
発電
効率自体を最新鋭のUSCの水準にしていく
取組
を認めるといったことで、非効率
発電所
のフェードアウトと効率的なものへの転換というものを着実に進めていくという方向で進めたいと考えております。 現時点で、二〇三〇年での基数及び割合については、まだ算定しているものではございません。
山添拓
59
○山添拓君 非効率は減らしていくと、高効率は
有効活用
ということなんですけれども、それは三〇年二六%減の
目標
の下での
政策
ですから、今度野心的な
目標
を掲げたということですので、
目標
だけ野心的では意味がないので、やはり野心的な
対策
を練っていかなければならないと思いますし、そのためには、二〇三〇年全廃と、これが
目標
達成との
関係
で不可欠だと思います。国が方針を示して事業者との計画を急ぐべきだと指摘したいと思います。 同時に、この
カーボンニュートラル
は原発ゼロで
実現
すべきであります。これは十分可能な
目標
です。明日香壽川参考人は、IEA、国際
エネルギー
機関の
資料
を示して、各
エネルギー
の
温室効果ガス排出
削減
コストや雇用創出数を
説明
されました。
原子力
を新設した場合、コストは高く雇用も生まないと、メガソーラーは、雇用を生みコストも小さいと、少なくとも原発は温暖化
対策
としてはお勧めでないということが数字に基づいて
説明
されているとお話しでした。 経産省に伺いますが、新設の場合は、
原子力
は太陽光や
洋上風力
に比べてコスト面で劣ると、このことは
政府
としても認識されていますか。
小野洋太
60
○
政府参考人
(
小野
洋太
君) お答え申し上げます。 電源別の
発電
コストにつきましては、今現在、専門家におけるワーキンググループにおきまして
議論
を進めている状況でございます。特に、原発の
発電
コストについても御指摘ございましたけれども、二〇一五年のコスト検証の際に専門家より整理された考え方を踏襲して今
検討
しておりまして、新
規制
基準への対応を踏まえた追加的安全
対策
費の増額、それから福島原発事故への対応費用の増額等につきまして、直近の状況を適切に反映できるよう、今
検討
を進めているところでございます。
山添拓
61
○山添拓君 いや、せっかくこの
調査会
で意見も伺いましたので、その下で、
原子力
は太陽光や
洋上風力
に比べてコスト面で劣るということが国際的にも指摘されていると、それ自体は経産省としても把握されていると思うんですけど、いかがですか。
宮沢洋一
62
○
会長
(
宮沢洋一
君)
小野
調整官、少しマイクを下げるか、口を近づけて発言してください。
小野洋太
63
○
政府参考人
(
小野
洋太
君) はい、失礼いたしました。 御指摘の
原子力
のコストも含めまして、
エネルギー政策
に関しまして様々な分析や御意見があることは承知しているところでございます。
山添拓
64
○山添拓君 様々な分析がありますので、既に、早く進めていただきたいと思うんですけれども。日本で原発を
稼働
する場合は再
稼働
になります。旧型のものを、既設原発を運転する、その場合のコスト試算もしていただきたいと思います。より高くなると思います。 石炭
火力
を止め、原発ゼロを
実現
した場合にも、
エネルギー
の
安定供給
は可能です。 明日香参考人は、過去三年間の各電力管区のデータを使って、
需要
が高く再
エネ
の
発電
も少なかった日を選んで、石炭
火力
ゼロ、原発ゼロとした場合のシミュレーションを
説明
されました。この場合に困るのは北陸電力と四国電力の管区で、特に夏の夜でしたが、逆に言えば、そこさえ対応できれば困らないと、こういう御意見でした。ほかの管区から融通したり、
需要
側で調整をしたり、あるいは
蓄電池
を使うなり、様々
対策
も考え得るのではないかと、そういう意見でした。 そこで、経産省に伺いますが、
政府
としても、石炭
火力
ゼロ、原発ゼロを前提とした場合に電力不足が生じ得るのか、それはいつどこで生じ得るのか、具体的な
検討
を行ったことはありますか。
松山泰浩
65
○
政府参考人
(松山泰浩君) お答え申し上げます。 明日香参考人の提出されましたシミュレーションについては、大変興味深く私も拝見させていただきました。
原子力
、石炭、石油
火力
というのがないという中で、再
エネ
が非常に伸びてきたときにどういう形で
安定供給
を
実現
するかというのは非常に大きな
課題
だと思います。 太陽光が出ない夏の
需要
に対してどう対応するか、また、昼であっても太陽光、風力が出ないときにいかにバックアップするかという調整力の問題、さらには、
地域
の中における偏在に対してどう対応するか、こういったものを、現行においていえば
火力
という形で
供給
量を持っているわけですけれども、若しくは調整力として持っているわけですけれども、これを
蓄電池
若しくは連系線の大
強化
ということで対応していくということも一つのアプローチかとは思います。ただ、実際これを
安定供給
ということを考えていく中では非常に悩ましい面もたくさんあるように考えてございます。 このいただいた、提出された試算見ますと、最終
エネルギー
消費が大体三割ぐらい減っているわけでございますけれども、それがすなわち電力消費も三割減るという試算を置いて、非常に小さな電力消費だという前提で計算していくとこういう試算になるというところが本当にうまくいくかどうかという問題、さらには、
LNG火力
一〇〇%フル
稼働
ということで考えていらっしゃるわけですけれども、先ほども申し上げた、夜のときの
需要
に対する対応としての
蓄電池
、若しくは非常に広いエリア相互における融通のときの連系線容量がどれぐらい必要になってくるかという、こういった問題も考えなければならないことだと思います。 また、私ども、今年の冬の
需給
逼迫もございましたし、胆振東部若しくは台風十五号というような
災害
リスク
に対する対応ということを、通常、電力
安定供給
を考えるときには必ず考えて、念頭に置いた上での
予備力
ということを持つわけでございます。こういった
リスク
対応というものをこれはどう考えていけばいいものなのかと、こういったことも念頭に置きながらシミュレーションする必要があるかと思っております。 例年、春と秋と、夏、冬に向けた
需給
逼迫に対する対応ということで
需給
検証を行っているわけでございますが、本日広域機関で承認されました報告書によりますと、今年の夏、恐らく三・七から三・八%と、予備率、
安定供給
ぎりぎりのラインでございます。さらに、今年の冬は初めて〇・二%から〇・三%、
安定供給
ラインを割り込む形の試算が出てございます。 現状におきましてなかなか厳しい
供給力
の状況にある中で、
カーボンニュートラル
は
実現
していかなきゃならない。ですので、この先ほど申し上げました様々な
課題
に対する対応を根本的なところも含めて計算していかなきゃいけない、考えていかなきゃいけない。シミュレートという意味では、私ども、
需給
検証の中でしっかりとやっていきたいと考えておりますし、現実的な形での対応策というのを考えていきたいと考えております。
山添拓
66
○山添拓君 時間ですので終わりますけれども、いろいろ考えなくちゃいけないことがあるというのは確かです。その際、原発ゼロを前提とするシミュレーションも是非行っていただきたいと。 原発がなければ全国で電気が足りなくなるなどということはありません。
検討
もせずに原発なしには不可能だと、こういうふうにするのではなく、
省エネ
を進めて電力
需要
そのものを減らし、デマンドレスポンスなど
需要
をシフトする、何より再
エネ
の
導入
促進で
カーボンニュートラル
を原発ゼロで
実現
することを求めて、質問を終わります。
宮沢洋一
67
○
会長
(
宮沢洋一
君) 他に御発言はありませんか。──他に御発言もなければ、本日の
質疑
はこの
程度
といたします。 速記を止めてください。 〔速記中止〕
宮沢洋一
68
○
会長
(
宮沢洋一
君) 速記を起こしてください。 次に、中間報告書を取りまとめるに当たり、これまでの
調査
を踏まえ、
委員
間の
意見交換
を行います。 まず、各会派一名ずつ指名させていただき、その後は、会派にかかわらず御発言いただけるよう整理してまいりたいと存じます。 発言を希望される方は、挙手の上、
会長
の指名を受けてから御発言いただくようにお願いいたします。 また、できるだけ多くの
委員
が発言の機会を得られますように、発言時間は一回当たり五分以内となるように御
協力
をお願いいたします。 なお、御発言は着席のままで結構でございます。 それでは、発言のある方は挙手をお願いいたします。 滝波宏文君。
滝波宏文
69
○滝波宏文君 自民党の滝波宏文です。
調査会
の二年目は「
資源
の
安定供給等
」をテーマとして取り扱い、参考人から幅広い視点でお話を伺い、
議論
を重ねてまいりました。 今般、中間報告書を作成するに当たり、
資源
の
安定供給確保
に向けた対応と二〇五〇年
カーボンニュートラル
に向けた
エネルギー政策
の方向性について述べさせていただきます。 まず、国際
動向
を踏まえた
資源
の
安定供給確保
についてです。
鉱物資源
は、
我が国
が高い
競争力
を持つ
製造
業に不可欠であり、そのほぼ全量を海外に依存しています。
カーボンニュートラル
への移行に向けて鍵となるバッテリー、半導体等の生産には
レアメタル等
の鉱物が欠かせませんが、
鉱種
ごとに
地域
偏在性が高く、
価格
の変動幅が大きいなど、
安定供給
の
課題
が数多くあります。 一方、今後、国際的な獲得競争は更に熾烈を極めていくことが予想されています。例えば
米国
電気自動車メーカーのテスラ社は、バッテリーに必要な
リチウム
等について、
米国
内の
鉱床
の権益
確保
や
資源
メジャーとの調達交渉に乗り出すなどしています。
世界
最大手の
中国
バッテリーメーカーCATL社は、カナダの
資源
会社に出資し、アルゼンチンの
リチウム
開発
に乗り出したとの報道もあります。また、その多くを
中国
に依存する
レアアース
については、過去、
輸出
が止まる
レアアースショック
が
発生
するなど、常に
供給途絶リスク
をはらんでいます。 これに対し、
鉱山
権益の
確保
による
供給源
の多角化や、製錬
工程
も含めたグローバル
サプライチェーン
の
強靱化
、
資源外交
の
向上
、WTOなどでのルール作りへの関与、国家
備蓄制度
の充実など、
上流
から
下流
まで抜かりなく
政策
手段を組み合わせ、戦略的に取り組むべきと考えます。 あわせて、従来の
サプライチェーン
を超えた
資源
開発
の新たな可能性を追求する必要があります。新規の
鉱山開発
の
リスク
、コストが
上昇傾向
にある中、
リサイクル
資源
の
技術
や
レアアース
フリーの磁石など、省
資源
、
代替
技術
の
開発
は大きな可能性を秘めています。持続可能な
開発
の観点からも、こうした
取組
を更に進めることが必要です。 もう一つの可能性が、国産の
海洋鉱物資源
です。
我が国
領海及び
排他的経済水域
は
世界
第六位の広さであり、南鳥島周辺などで、
レアメタル
、
レアアース
を含む
鉱物資源
のポテンシャルが存在します。これを
利用
可能なものとするためには、十分な
資源量
の把握や
生産技術
の
開発
、経済性の
確保
、
環境
影響
の評価など、
解決
すべき
課題
が数多く存在しています。しかし、海外の
政策
等に左右されないよう国家戦略として、商業化に向けた
取組
を計画的に進めていくことが重要であります。 以上のように、
資源
の
安定供給確保
には多くの
課題
がありますが、現実的で責任ある
資源
政策
を進めていかねばなりません。 次に、
カーボンニュートラル
に向けた
エネルギー政策
の方向性についてです。 菅義偉
総理
は、二〇五〇年
カーボンニュートラル
に続き、先月の
気候
変動サミットにおいて、二〇三〇年度における
我が国
温室効果ガス
の
排出
を二〇一三年度比四六%
削減
を目指し、さらに、五〇%の
高み
に向け
挑戦
を続けていくと
表明
しました。これまでの
目標
を七割以上引き上げるものであり、大変意欲的な
目標
です。 一方で、その達成は決して容易ではありません。
資源
が乏しく、周囲を海に囲まれた
我が国
では、
エネルギー
安全保障
、経済性、
環境適合
、そして
安全性
の、3
EプラスS
を、全て単独で満たす
エネルギー
源は存在しません。
カーボンニュートラル
を目指す上で、再
エネ
は
最大限
活用すべきですが、年初の
電力需給逼迫
でも明らかになったように、再
エネ
の出力変動に対応した調整力の
確保
や、平地や遠浅の海が少ないなど
我が国
における立地制約、そしてFIT、固定
価格
買取り制度で既に消費税一%分を超えている
国民負担
増大などの問題は避けられず、再
エネ導入
には限界もあります。
我が国
の国力維持
向上
と
カーボンニュートラル
とを
実現
させるためには、最新炉リプレースの
検討
も含め、自由諸国最高級の国産
技術
であり、準国産
エネルギー
として海外にも、そして、天候にも左右されず、安定、安価、大容量の電気を
供給
できる
原子力
の
最大限
活用に向け、しっかりとかじを切ることが不可欠です。
宮沢洋一
70
○
会長
(
宮沢洋一
君) 時間ですので、おまとめください。
滝波宏文
71
○滝波宏文君 はい。そうしないと、人材も
技術
も、そして立地も維持できません。 以上のように、現実で責任のある
資源エネルギー
政策
を進めていきたいと思います。よろしくお願いします。 以上です。
宮沢洋一
72
○
会長
(
宮沢洋一
君) 他に御発言はありませんか。
塩村あや
か君。
塩村あやか
73
○
塩村あや
か君 立憲民主・社民の
塩村あや
かでございます。 本
調査会
二年目の
調査
の締めくくりに当たりまして、意見を
表明
いたします。 初めに、
資源
の
安定供給
です。 日本国内における鉱物生産はほぼゼロと、海外依存が顕著な実態にあります。
カーボンニュートラル
を
実現
するためには、
レアアース
や
コバルト
といった
レアメタル
が欠かせませんが、
レアメタル
には、主に
中国
やアフリカで生産されています。こうした国では、
環境
配慮に欠けた生産や人権侵害の懸念される労働といった深刻な問題があると言われています。 そこで、
鉱物資源
を適切な方法で安定的に調達をするためには、
資源
調達先の多角化の
取組
が求められるとともに、一日も早い海外依存からの脱却、すなわち、
資源
自給率の
向上
に直結をする
資源
リサイクル
の
取組
が欠かせません。
資源
リサイクル
は、鉄やアルミなどの
ベースメタル
では既に広く行われていますが、
レアメタル
など、
製品
にごく少量使われる貴重な
資源
についてはまだまだ十分ではありません。 そこで、
製品
のトレーサビリティーを確立するなどによって
リサイクル
をしやすい
環境
を整えるとともに、効率的かつ安定的な
回収
方法を
実現
するための研究
開発
により一層
支援
をすることが重要であります。 参考人
質疑
の中でもありましたが、鉄道やバスなどの公共交通機関を積極的に
利用
することで、
資源
消費だけではなく
環境
負荷も大きく下げることもでき、参考人は、社会性という意味でも、将来的にも重点的に進めるべきとの意見も忘れてはいけません。 また、
再生可能エネルギー
による
エネルギー
供給
を
実現
することで
エネルギー
の自給自足を目指していくメリットを強調しておきたいと思います。
燃料
資源
の海外依存を回避することで、
資源
購入のために年間十七から二十兆円の国富の海外流出を止めることができるようになるとともに、
エネルギー
安全保障
を高めることが可能となります。 次に、地球
規模
の
課題
である
カーボンニュートラル
であります。 昨年十月、
菅総理
は
カーボンニュートラル
を宣言いたしました。国際的にも経済
規模
が大きな日本がこうした宣言をすることは大変重要なことであります。ただ、ほかの国の動きに比べるとやや遅きに失したとも思われ、そのため、日本は総力を挙げて
カーボンニュートラル
に取り組まなければなりません。 昨年の当
調査会
で、私は、
エネルギー政策
におけるパラダイムシフトを図らなくてはなりませんと意見を
表明
いたしました。しかし、再
エネ
の
主力電源化
や石炭
火力発電
からの脱却は足踏み状態にあります。日本における再
エネ
の
導入
の状況を、FIT、設備
導入
量で見ますと、二〇一四年、二〇一五年には一千万キロワット近くでしたが、その後は六百万キロワット台にとどまっており、その上、国内の石炭
火力発電
所の廃止はほとんど進んでいません。 一方で、
政府
の
施策
を見ますと、
水素
や
アンモニア
の活用といった目新しいものが並びますが、いまだ研究
開発
の段階にあります。一日も早い再
エネ
の
主力電源化
、
カーボンニュートラル実現
のためには、限られた国の予算を再
エネ
やこうした
分野
に集中し、
世界
を牽引するべきで、石炭
火力
や
原子力
に浪費して、気付いたらここでも日本は時代遅れになってはいけません。
最後
に、原発です。 原発をめぐりましては、平成二十三年三月十一日から十年たった今も
国民
の不安が解消されないまま、とうとう東電柏崎刈羽
発電所
で、テロ
対策
の不備という国の
安全保障
上の問題が
発生
をいたしました。こうした大問題を引き起こした東電に原発を運用させてはならないということは言うまでもありません。 さて、原発は二〇五〇年
カーボンニュートラル
の
実現
に必要との声があることは承知をしています。しかし、原発事故は、一旦起きてしまえば取り返しの付かないということはもう誰もが知っています。その上、高い放射線を出し続ける
使用
済
燃料
の最終処分地さえ未決定のまま原発を
使用
して更に
使用
済
燃料
を増やすようなこと、これは到底許されることではありません。廃炉や核のごみまで含めるとコストも莫大で、ほかの比較にはなりません。
エネルギー政策
の在り方として、原発という負の財産、これは今すぐに断ち切らなくてはいけません。そして、再
エネ
という純国産の
エネルギー
の
最大限
の活用に的を絞った
施策
を堅実かつ着実に進めることこそが日本の進むべき道です。 以上、意見を申し上げました。
最後
になりますが、コロナ感染症が今も猛威を振るっています。その一日も早い収束を図りつつ、コロナ後、そして未来に向けて、社会経済の礎である
資源エネルギー
について与野党の枠を超えた
議論
が期待される当
調査会
の更なる活性化のため、尽力をしてまいります。 ありがとうございました。
宮沢洋一
74
○
会長
(
宮沢洋一
君) 他に御発言はありませんか。 河野義博君。
河野義博
75
○河野義博君 公明党の河野義博です。
資源
鉱物をめぐる状況、それから
カーボンニュートラル
、それぞれ分けて発言させていただきます。
資源
燃料
をめぐる状況に関しましては、本
調査会
の参考人との
意見交換
の中で、やはり輸入元、すなわち調達先の多様化が大変重要であるということ、それから、国内で一旦
利用
したものを
回収
し、そして
リサイクル
する、その体制の確立が重要であるという点、また、
代替材料
をしっかりと探っていく研究
開発
を進めていると、こういう大きく論点として三点あったかというふうに思っております。 いずれの論点ももう長らく指摘をされていたことでありまして、もう私が議員になった直後からこの
議論
というのはずっと繰り返されてきております。特に、
回収
、
リサイクル
においては都市
鉱山
が大事だということはもう長らく言われてきた中で、やはりいまだにそういうビジネスモデルとして確立されていないということが非常に問題でありまして、早くやっぱり商業ベースに乗るような
回収
・
リサイクル
システムというのを確立させなければならないし、その過程において立法府が果たすべき役割というのは大きいんだろうというふうに思っておりますので、これは、議員の先生方、また
政府
もしっかり後押しをしながら進めていく必要があるというふうに考えてございます。 そして、二つ目の論点でありますが、
カーボンニュートラル
に関しても、この
調査会
で知見を深め、
意見交換
を続けさせていただいてまいりました。 菅政権が誕生して、二〇五〇年
カーボンニュートラル
という大方針を打ち出しました。このこと自体は非常に高く評価をされるべきことだと思っております。時同じく、バイデン政権がアメリカで誕生しました。バイデン政権も、二〇五〇年
カーボンニュートラル
ということを明確に打ち出し、
パリ協定
への復帰をいたしました。 見逃してはならないことは、米、中、インドといった
排出
大国をどのように協調して地球の温暖化を食い止めていくかということであります。
中国
も、二〇六〇年
カーボンニュートラル
を宣言をいたしました。二〇一八年ベースでいいますと、
世界
の
排出
量の約三割が
中国
、一五%がアメリカ、そしてインドが七%でありまして、こういう
排出
大国といかに協調して減らしていくかということが鍵でありまして、幾ら国内で叫び続けても、これは国際協調の中で地球温暖化を食い止めていくという観点が大事でありますので、やっぱり中、米が大きくかじを切ったということは非常に、看過してはなりませんし、協調して取り組んでいかなければならないことだろうというふうに思っています。 その過程で、論点としては
三つ
、私は大きくあるなというふうに考えています。
カーボンニュートラル
、国内の
カーボンニュートラル
を目指すに向けては、先ほども申し上げましたが、やはり国の形を変えるいいチャンスだと思っています。日本は長らく食料や
資源
を海外に依存してきました。この
カーボンニュートラル
の
実現
に向けて、脱
炭素
という大きなテーマと、やっぱり
エネルギー自給率
の
向上
というものを、これは同時に
実現
していかなければなりません。
鉱物資源
燃料
の輸入を最小限にとどめておくということが非常に大事なんではないかなというふうに思っておりまして、今、電力の再
エネ
化というのは
議論
の中心になっていますが、電力だけではなくて、そもそも一次
エネルギー
供給
の再
エネ
の主力
エネルギー
化ということに取り組んでいかなければならないと私は考えています。 毎年、化石
燃料
を
我が国
は約二十兆円輸入をしています。直近十年間で申し上げますと、約十二兆円から二十八兆円のレンジで毎年輸入をし続けてきています。この
エネルギー
輸入をする、
エネルギー自給率
が僅か一二%しかない
我が国
、
原子力
発電所
がフルに
稼働
していた二〇一三年以前でも、
エネルギー自給率
というのは二割しかありませんでした。 そういった国の形を変えるいいチャンスでありますし、そういった観点で進めていかなければならないというふうに思っております。 電力の再
エネ
化ではなくて、一次
エネルギー
の再
エネ
化で
カーボンニュートラル
を
実現
していかなければなりませんし、加え、徹底的な
省エネ
を行い、様々なロス率を減らしていく、そういった観点で達成していくべきだろうというふうに思っております。 時間が参りましたので、終わります。
宮沢洋一
76
○
会長
(
宮沢洋一
君) 他に御発言はありませんか。 梅村聡君。
梅村聡
77
○梅村聡君 日本維新の会の梅村聡です。 今国会の
調査
において、専門家の皆様、有識者の皆様、そして本日の
質疑
を通しまして様々な知見が得られたと思っております。幾つかの重要なポイントを述べさせていただきたいと思います。 一つは、本日もありましたが、
レアアース
に代表されるような、
地域
偏在をしており、かつ日本の
産業
の命運を左右する
資源
の
確保
についての
課題
です。 人件費のみならず
環境
コストを極限まで切り詰め、
環境
に甚大な
影響
を与えつつ、正当なコストが含まれていないような低
価格
で
世界
の
レアアース
市場
を押さえることにある意味
中国
は成功してきたということが言えると思います。こういった
レアアース
に関して言いますと、
資源
そのものは潤沢にあり、精製コストや投資
回収
の観点から、
資源
産出
地が
中国
に集中をしてきたということが言えると思います。 そして、我々日本としましても、例えば
環境
対策
をきちんとしていない
鉱山
からは
資源
を買わないといったような行動を国際的な枠組みで行っていくことが、結果として
中国
一極集中を打開する切り札になるのではないかというふうに考えております。 また、我々日本、工業国としましても、
世界
をリードすべき
分野
に
資源
リサイクル
が挙げられると思います。
リサイクル
の
技術
革新そのもののみならず、ある
製品
の
リサイクル
のしやすさを高めることや
リサイクル
率の
目標
設定、さらには
製品
の物質のトレーサビリティー
確保
など、
リサイクル
を行うインセンティブが
製品
側に
発生
するような仕組みづくりが重要で、そしてまた、そのような生産活動を行っている企業が適切に評価される日本になることが重要であると、改めて認識をいたしました。 脱
炭素社会
への移行、
カーボンニュートラル
の観点で申し上げますと、まずは二〇三〇年、二〇五〇年に向けての
我が国
の
電源構成
について、より現実的な路線を構築する必要があると考えました。 現状の
エネルギーミックス
と、そして石炭
火力
を漸減させていくということを考えますと、やはり数学的な数字の上では、
再生可能エネルギー
の割合が一定割合以上になっていくということが想定されると思います。
省エネ
と同時並行にそれを進めたとしましても、電力料金の負担増をどの
程度
許容することができるのか、これは多くの
国民
が
参加
する対話型の
議論
、そして熟議というものが私は必要になると思われます。その
議論
が一定の幅の中に収束できるように、政治側も、そして行政側も適切にリードしていく必要があると、このことも指摘をしておきたいと思っております。
最後
になりますが、これらの
資源
の安定
確保
、
安定供給
に携わる人材育成を国もしっかりサポートする必要性を指摘しておきたいと思います。
資源
安定供給
に関しましては、
国民
の理解と納得を得られる現実的な、そして長期的視点に立った戦略的な
取組
に向けて、我々はこれからも真摯な
議論
を続けていかなければならないと思っております。 以上で私からの意見
表明
を終わらせていただきます。ありがとうございます。
宮沢洋一
78
○
会長
(
宮沢洋一
君) 他に御発言はありませんか。 舟山康江君。
舟山康江
79
○舟山康江君
国民
民主党の舟山康江でございます。 この
調査会
の二年目のテーマは「
資源
の
安定供給等
」ということでありました。何回かにわたりまして参考人の方々から様々な意見をいただきまして、私にとりましては本当に有意義な
議論
だったなと感じております。 今、
世界
全体で取り組むべき大きな
課題
は、SDGs、持続可能な
開発
目標
の
実現
であり、つまりは、地球
環境
への負荷をできるだけ低減することだと考えています。
CO2
削減
は
課題
の一つであり、
鉱物資源
などの有限
資源
をいかに持続的に
利用
していくのか、生物多様性を失わせずに節度ある
開発
に取り組んでいくのか、
カーボンニュートラル
に取り組む際に是非この観点を組み込まなければいけないということを強く感じました。 その際、まず一点目ですけれども、
鉱物資源
に関しましては、先ほど申しましたとおり、有限
資源
であり途上国に偏在していると、こんな特徴があります。
安定供給
、
我が国
として、この
鉱物資源
の
安定供給
の
確保
に向けた
取組
をしっかりと行っていくことは当然ですけれども、それに当たりましては、やはり
資源国
の
環境
や人権にもしっかりと配慮すべきであると考えています。それは二国間での
取組
はもちろんですけれども、多国間での国際
連携
、国際ルール作りに向けても日本も主導的な役割をやはりしっかりと果たしていただきたいと考えています。 あわせて、
リサイクル
ですね、
リサイクル
に取り組む、これも参考人の方から御意見がありましたけれども、やはり
資源
のない日本としては、都市
鉱山
という言葉もあるとおり、様々な
製品
に入っているこの
レアアース
、
鉱物資源
類をいかに
リサイクル
するのかということも非常に大事だと考えていますけれども、日本は
リサイクル
に取り組む業者が少ないし小さいという指摘がございました。
リサイクル
のインセンティブをしっかりと付与し、そしてまた、
リサイクル
しやすい
製品
作りというものももっと進めていくべき、こういったことを国が主導していただきたいと思いますし、もう一つは、やはりこの
鉱物資源
に頼らない
代替
素材の
開発
というのもまだまだ遅れていると考えておりますので、しっかりとこういったところにも取り組むべきだと思います。 もう一点は、
カーボンニュートラル
に向けた
エネルギー政策
に関して、これに関しては大きく三点指摘をさせていただきたいと思います。 一つは、やはりライフサイクル全体、つまり
製造
から廃棄までトータルとして
CO2
を始め
環境
負荷をいかに減らしていくのかということの配慮が必要だということであります。 二点目は、今後の
エネルギー
の在り方として、やはり地方の雇用
確保
のためにも小
規模
分散型の
取組
が鍵になると思います。そういう中で、各地で様々な
再生可能エネルギー
の事業が進められておりますけれども、残念ながら一方で、特にメガソーラーの建設の際に代表されるように、
地域
での反対運動、
地域
でのあつれき、様々なトラブルが起きているというのもこれ事実です。 そういう中で、事前に
地域
における合意形成が必要であり、これ農山漁村再
エネ
法という法律があるんですけれども、この中では、事前に基本計画を作って協議会の中でしっかりと
議論
をする、
地域住民
、自治体、そして事業者と、一緒にその中で
議論
をして、合意ができたものからしっかり再
エネ
事業に取り組んでいくというような仕組みをつくっています。一見遅いようでありますけれども、事前の調整が行われることによって、結果的にあつれきを生むことなく、
地域
の皆さんとも共存しながらの
取組
になっていくと思いますので、全体として、今後再
エネ
、
カーボンニュートラル
を
実現
するためにはこの再
エネ
の
加速化
も必要だと思いますので、是非こういった仕組みも更に前進させる必要があると考えています。 三点目ですけれども、やはり再
エネ
はもちろんですけれども、
省エネ
の
取組
というのもこれ非常に重要だと思います。住宅部門ですとか様々なところでまだまだ
省エネ
の
取組
が
我が国
は遅れていると考えています。大分様々な新しい素材もできていますけれども、再
エネ
、もちろん
エネルギー
の
供給
の多様化もそうですけれども、
省エネ
への
取組
についても更に
加速化
させていく必要があると考えています。 地球への負荷をできるだけ低減させ、持続可能な生活を
実現
するためにも、今後ともこの
調査会
を中心として
議論
を重ねていきたいと思っています。 以上です。
宮沢洋一
80
○
会長
(
宮沢洋一
君) 他に御発言はありませんか。 山添拓君。
山添拓
81
○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
調査
テーマである「
資源
の
安定供給等
」に関して意見を述べます。
気候変動対策
は、地球上における人類の生存が懸かった問題であり、
資源エネルギー
政策
を
検討
する前提というべきです。地球の
平均気温
が
産業
革命前と比べて一・二度
上昇
し、集中豪雨や熱波、森林火災など、
世界
各地で既に目に見える深刻な事態が生じています。 IPCC、国連
気候
変動に関する
政府
間パネルが二〇一八年に発表した
特別報告書
は、
産業
革命前に比べ二度
上昇
した場合、洪水や永久凍土の融解などの
リスク
が一・五度
上昇
の場合よりもはるかに高まると指摘し、早ければ二〇三〇年にも一・五度以上の
上昇
となることを警告しました。一・五度
上昇
は地球にとって臨界点であり、それを超えると温暖化を加速させる現象が連鎖し、暴走を始める可能性も指摘されています。二〇三〇年が、その先の未来への分岐点と言っても過言ではありません。
特別報告書
は、一・五度
上昇
を抑制するには、二〇三〇年までに
世界
全体で
温室効果ガス
の
排出
量を二〇一〇年比で四五%
削減
し、五〇年までに実質ゼロにする必要があるとしています。今般菅政権が掲げた二〇一三年度比四六%減は、一〇年比換算では四二%減であり、整合しません。EUや
米国
を始め
先進国
で五〇%以上の
削減
が当たり前のときに、
世界
第五位の
排出
国が四六%減では、
世界
の脱
炭素
のリーダーシップを取っていくとは言えません。 日本の
温室効果ガス排出量
の四割を
電力部門
が占めており、
排出
量が最も多い石炭
火力
の全廃が緊急の
課題
です。ところが、
政府
は、国内外で石炭
火力
を温存し
推進
する
政策
を改めようとせず、新規の建設まで進めています。
CO2
を出さないゼロエミッション
火力
をうたいますが、
実現
の保証はありません。二〇三〇年は目前です。石炭
火力
に固執するのはやめ、フェーズアウト計画を直ちに策定し、海外の石炭
火力発電
への
支援
を停止すべきです。 同時に、脱
炭素電源
として原発への依存を強めようとする動きも看過できません。東京電力の柏崎刈羽原発で、IDの不正
利用
に続き、テロ
対策
設備の機能喪失が発覚し、運転禁止命令が出されるに至りました。原発再
稼働
を進める他の
電力会社
においても、運転差止めや設置許可取消しを命ずる司法判断が相次いでおり、原発依存は前提を欠きます。 福島原発事故から十年、安全神話の下で過酷事故を引き起こし、想定外と責任を否定してきた政治の下、新増設やリプレースはもちろん、老朽原発を延命してまで再
稼働
を強行することは断じて許されません。脱
炭素
は原発ゼロで十分に
実現
できます。
再生可能エネルギー
の抜本的な
導入拡大
が必要です。 本
調査会
では、
カーボンニュートラル
は進むべき方向ではあるが、コストを意識することが必要だという意見も述べられました。しかし、明日香壽川参考人が指摘したように、
世界
の現状として、
原子力
や石炭は圧倒的に高く、太陽光や風力はその半分ないし三分の一の値段になっており、しかも低コスト化が加速する局面です。松下和夫参考人は、
地域
の
資源
、人材、
技術
を生かすことが重要だと指摘しました。石炭
火力
や原発といった大
規模
集中型の電源と比べて、太陽光や風力など小
規模
分散型の電源は雇用をつくる力も強く、
地域
循環共生圏につながります。コロナ危機を経たグリーンリカバリーは、
地域
分散と地産地消の
エネルギー
開発
で進めるべきです。
カーボンニュートラル
は、原発ゼロと
省エネ
推進
、再
エネ
の飛躍的
普及
で
実現
すべきであり、それが政治の役割です。野党は既に、原発ゼロ基本法案とその
実施
法である再
エネ
推進
法案を国会に提出しています。
委員
の皆さんの賛同を求めます。
最後
に、国連の持続可能な
開発
目標
、SDGsは、地球の限界を超えないということと同時に、貧困や格差の解消を柱としています。
気候変動対策
や
鉱物資源
開発
と貧困や格差の是正をセットで進める。そのためには、社会の利益より企業のもうけ、利潤追求を
優先
する新自由主義的な在り方を変え、企業には社会的責任を果たさせることが不可欠であることを強調して、意見とします。
宮沢洋一
82
○
会長
(
宮沢洋一
君) 他に御発言はありませんか。──他に御発言もなければ、以上で
委員
間の
意見交換
を終了いたします。 各
委員
におかれましては、貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。 本日伺いました御意見も踏まえ、各理事とも協議の上、中間報告書を作成してまいりたいと存じます。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時九分散会