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大門実紀史君 申し上げていることは、よく考えていただきたいということなんですね。プライバシー守るというのは非常に大事なことでありますので、
調査を何も拒否しろとか、そういう意味じゃないんですよ。プライバシーを守りながらやるのが任意
調査でありますので、余計なものまで暴き出すということではなくてね。暴かれたって別に構わなくても嫌なものですよね、何でもかんでも見られるというのはですね。
参考までにアメリカで今どういうことになっているかというのが最後の資料でございまして、アメリカでは二〇一九年七月に、日本とは逆の方向ですね、納税者ファースト法、これトランプ政権なんですよ、トランプ政権のときに納税者ファースト法というのが成立をいたしました。
さらに、中身は何なのかという反面
調査の関係でいくと、資料六枚目以降がその解説になっております。CNNニューズですね。
要するに、アメリカでは反面
調査の手続に、逆に納税者本人を参加してもらおうという、納税者を大事にしようという改正が行われているんですね。税務署と銀行の関係だけじゃなくて、納税者の声をきちっと聞くと。当たり前です。本人のことなんだから、本人にその手続に参加してもらうという改正がされております。
いろいろ書いてございますが、全部紹介する時間ありませんが、例えば、反面
調査は実施する前に、先立つ四十五日前までに本人に反面
調査やらせてもらいますよと、よろしいですかという通知をすると。これちょっと、大変厳しい改正になっております。
また、大体デジタルというとアメリカの方が先行しているわけですね。さっき言ったNTTどころか、民間企業もいろんなノウハウを持っているんですけど、そのアメリカでは民間のIT企業のプラットフォームを使って税務
調査の効率化をやろうなんて発想がありません。発想がありません。アメリカでさえありません。
このCNNニューズに書いてございますけど、
デジタル化による効率化というのは、アメリカにとっては納税者の手続上の権利、納税者の手続上の権利を常時侵害する装置を導入するものであると、こういう捉え方をするわけですよ。常時この
デジタル化によって侵害されるおそれがある、そういうものを導入するということになるので、逆に、この
デジタル化が進む中で納税者を参加してもらうと、歯止めを掛けると、そういうことですね。
デジタル化が進めば進むという、なればなるほど逆にそういうことをきちっと考えないといけないというのがアメリカが先に示していただいていることでありまして、このアメリカのIRSですね、連邦課税庁と日本の国税庁はなぜこんなに違うのかというふうに、違う方向ですよね、安易にやろうと。安易とは言いませんが、何も考えないでただ進めているということではないかということを大変危惧しております。
これから
検討ということなので、その点はきちっとアメリカの例も
参考にしながら構築してほしいと。
デジタル化一般を反対しているわけではありません、業務の効率化というのはね。あるいは、場合によっては納税者の方も、長い時間
調査入って、どうなるか分からない。別に悪いことしていないんだけど、何か間違いがあって指摘されたらという不安とかをずっと抱えるわけですよね。そういう点では、もうはっきりすることははっきりした方がいい場合もありますので、業務のスピード化を何も反対するものじゃありませんが、納税者の権利の点でどうかということを危惧しているわけであります。
最後に、
麻生大臣に
伺いますけれど、この前の消費者保護のあれもそうなんですけど、何でも
デジタル化すればいいというものじゃなくて、やっぱり対面で、だからこそ守っている世界、守られる世界、いろいろあるわけですよね。そういう点でいきますと、この
デジタル化を進めるからこそ権利侵害とか、何といいますか、には重々留意してやる必要がありますので、今まで国税庁、ちゃんとそういう通知は一応出しておりますので、
デジタル化に当たっての改めて通知を出すとか、そういうことも含めて、その納税者のプライバシーを侵害しないようなことを考えていく必要があるのではないかと思います。
ちょっとこれからの方向ではありますけれど、
麻生大臣のお考えをお聞きしたいと思います。