○平木大作君 公明党の平木大作でございます。
今日は、地震
防災という
観点から少しまずお話をさせていただければと思っております。
これは、
内閣府
防災のホームページでも御紹介いただいている
情報なんですけれ
ども、日本は国土面積に占める割合は〇・二五%、世界の中でも大変小さい割合なわけですけれ
ども、マグニチュード六以上の地震というところに限ってみると、世界の二割以上がこの日本の中に集中して起きているということでありまして、先週土曜日、二十日に起きました宮城県沖のあの地震もマグニチュード六・九ということでありますから、まさに世界の中でも大きな地震が集中するその一つの事例なんだろうというふうに思っております。
今年ちょうど
東日本大震災の発災から十年ということで、発災当時、私は実は、当時は仕事の
関係で長期でインドネシアにおりましたので、実際に体験をしておりません。ただ、この
東日本大震災が起きたときに、印象的な出来事が二つありました。
一つは、あれだけの地震が起きて、インドネシアも基本的に日本とそれほど時差がありませんので、リアルタイムで我々もテレビで見ていたわけでありますけれ
ども、一番最初に実は私に
連絡をくれたのはチリ人の友人でありました。これ、発災時、弟が私も宮城におりますので、宮城へ一生懸命
連絡取ろうとしたんですけれ
ども、電話もつながらない、メールもやり取りできない。こういう中で日本とのやり取りがなかなか難しかったんですけれ
ども、一番最初にメールをくれたのがチリ人の友人でありまして、大丈夫かと、君の家族も含めてということで、私の安否を気遣ってメールをくれたのかなと。最初に確かにそう書いてあるんですけれ
ども、大事なところは実はその次の部分でありまして、ところで、チリに津波が来る
情報って何か君知らないかというのを要は私に問い合わせてきておりました。私も、もう自分の家族の安否が確認できないうちに何を聞いてくるんだとちょっと頭をよぎったんですが。
ただ、これ実は、非常に実は理屈の通った話でもありまして、聞いてきたこのチリ人の友人の念頭にあったのは、一九六〇年に起きたチリ地震のことなんだろうというふうに思います。当時、チリ沖で
発生した地震が、これ
東日本大震災の五倍ぐらいの大きさの地震というふうに言われていますけれ
ども、本当に大きな地震が起きた。一昼夜かけて津波が日本に押し寄せていまして、当時、宮城、岩手を
中心に多大な被害が、津波被害があったということで、これ死者、行方不明者百四十二人、建物全半壊五千棟という大
規模な被害があったわけです。一万七千キロ離れたところから一昼夜で来てしまうということで、時速七百キロ以上というような、ジェット機並みの速度で要は大
規模な津波が押し寄せてくる。
改めて、彼が私に聞いてきたのは、今、日本ですと、まさに二十日に起きました宮城県沖地震のときもそうなんですが、まずは地震の速報があると、津波が起こるのかどうか、我々のところにはすぐ
情報が届くわけです。こういったのが私たち日本人にとっては当たり前になっているわけですけれ
ども、チリ人の彼にとっては、実はそういった
情報が一切ない中で自分たちの身をどう守ったらいいのかというのを考えて私に聞いてきてくれたわけですね。
改めて、こういう地球の反対側の話でありましたけれ
ども、本当にこの地震というものが大きくつながっている中にあって、この日本における地震の、
災害の経験の蓄積と、そしてそれに対する予測も含めた、警戒も含めた様々なノウハウというのが実は日本にあるんだなということを痛感をいたしました。
もう一つ印象的だったのが、当時、ジャカルタで私もこの震災をモニター越しに見ていたわけですけれ
ども、周りにいたインドネシア人の同僚から何を言われたかというと、こういう大きな地震が起きたときの光景がインドネシアと全然違うというふうに言われたんですね。
チリもそうですけど、インドネシアも地震大国なわけで、彼らも大きな地震というのは度々経験しているわけですけれ
ども、彼らから言わせると、大きな地震があると基本的に建物の中から全員すぐ出るというのが彼らが取るべき最初の初動なんだそうでありまして、要は何を言いたいかというと、大きな地震というのはどんな建物でも崩れかねないから中にいるのが危ないという発想だそうでありまして、ある
意味、スペースのあるところにとにかくわっと建物から出ると。なので、道も広場も全部人で埋め尽くされるというのがインドネシアでよく見る光景のようでありまして。そういう
意味でいくと、帰宅困難で
東日本大震災のときにも道がいわゆる人で埋まっていたという光景はありましたが、ただ、建物自体が崩れるみたいなことについて言うと、ごく一部を除いては日本人は余り心配しないわけであります。
そこら辺も含めて、ある
意味この耐震技術、建築技術みたいな部分でも、日本にはやはり大きな蓄積があるんだなということをインドネシアの友人から教えていただいたわけであります。
もうまさに言いたいところは今申し上げてきたとおりなんですけれ
ども、本当にこの世界の地震、大
規模な地震が集中する日本にあって、圧倒的なこの経験値と、それに基づく
防災関連技術ですとか、あるいは
災害対応、
事前防災、こういったノウハウが本当に蓄積をしているのが今の日本であって、これをきちっとやっぱり次の
災害に生かしておくことが欠かせないんだろうというふうに思っていますし、これが一つ
明記をされた重要なこととして仙台
防災枠組というのがあるんだろうというふうに思っています。
そこで、まずちょっと
大臣にお伺いしていきたいんですけれ
ども、この
東日本大震災から十年というタイミングで、国連のグテーレス事務総長もビデオメッセージの中でこの仙台
防災枠組ということに触れられておりまして、より安全な世界を目指すグローバルな指針であるというふうにしながら、各国に
災害に備えた早期の計画策定と投資ということを促されました。
小此木大臣も先日の所信の中で、この仙台
防災枠組に基づいて、我が国の知見や教訓、
防災に関する
取組を世界に発信し、
国際防災協力を
推進すると、こう表明されていたわけでありますが、具体的なお
取組についてお伺いしたいと思います。