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2021-03-16 第204回国会 参議院 国土交通委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    令和三年三月十六日(火曜日)    午前十時開会     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         江崎  孝君     理 事                 足立 敏之君                 大野 泰正君                 青木  愛君                 杉  久武君                 浜口  誠君     委 員                 朝日健太郎君                 岩井 茂樹君                 岩本 剛人君                 岡田  広君                 金子原二郎君                 鶴保 庸介君                 牧野たかお君                 増子 輝彦君                 熊谷 裕人君                 野田 国義君                 森屋  隆君                 竹内 真二君                 西田 実仁君                 室井 邦彦君                 榛葉賀津也君                 武田 良介君    国務大臣        国土交通大臣   赤羽 一嘉君    副大臣        国土交通大臣  岩井 茂樹君    大臣政務官        国土交通大臣政        務官       朝日健太郎君    事務局側        常任委員会専門        員        林  浩之君    政府参考人        警察庁長官官房        審議官      新田 慎二君        文部科学省大臣        官房審議官    高口  努君        厚生労働省大臣        官房生活衛生・        食品安全審議官  浅沼 一成君        国土交通省大臣        官房公共交通・        物流政策審議官  久保田雅晴君        国土交通省大臣        官房土地政策審        議官       里見  晋君        国土交通省大臣        官房技術審議官  東川 直正君        国土交通省総合        政策局長     石田  優君        国土交通省国土        政策局長     中原  淳君        国土交通省不動        産・建設経済局        長        青木 由行君        国土交通省都市        局長       榊  真一君        国土交通省水管        理・国土保全局        長        井上 智夫君        国土交通省道路        局長       吉岡 幹夫君        国土交通省住宅        局長       和田 信貴君        国土交通省鉄道        局長       上原  淳君        国土交通省自動        車局長      秡川 直也君        国土交通省航空        局長       和田 浩一君        国土交通省政策        統括官      金井  甲君        気象庁長官    長谷川直之君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○国土整備交通政策推進等に関する調査  (国土交通行政等基本施策に関する件)     ─────────────
  2. 江崎孝

    委員長江崎孝君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。  政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  国土整備交通政策推進等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、警察庁長官官房審議官新田慎二君外十七名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 江崎孝

    委員長江崎孝君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  4. 江崎孝

    委員長江崎孝君) 国土整備交通政策推進等に関する調査を議題とし、国土交通行政等基本施策に関する件について質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  5. 岡田広

    岡田広君 自由民主党の岡田広です。大野筆頭足立理事始め委員皆様の御理解をいただきまして、質問に立たせていただきました。  十六年ぶりに私は国交委員会に配属になりました。十六年前の平成十七年、二〇〇五年ですが、四月二十六日に、都市鉄道等利便増進法について質疑に立ちました。前日には福知山線脱線事故が起き、国土交通委員会のメンバーでありました、大変私が御指導をいただきました国土行政のエキスパートであります岩井國臣先生委員会始まる前にこの事故について話をしていた、そんな記憶がよみがえってまいります。國臣先生の跡を継いだ御子息の茂樹先生国交大臣で大活躍をされ、そして質問をすることができるということも、因縁のような気がいたします。  この年、この事故の後、つくばエクスプレスが開業いたしました。この路線については、平成十二年一月の運輸政策審議会答申では、東京秋葉原については今後整備について検討すべき路線へとされたところであります。もちろん、秋葉原東京間の延伸については、クリアしなければならない問題がたくさんあります。その最大の条件が利用客です。最低でも一日平均二十七万人というものでありますが、これについては、開業後五年後の二十一年度には二十七万人を超えました。現在は、平均三十九万人、四十万人ということで推移をしているところであります。  茨城県の総合計画では、東京圏県南地域県西地域交通ネットワークを強化する取組として、このつくばエクスプレス延伸が挙げられています。交通政策審議会答申に位置付けられましたつくばエクスプレス延伸についての取組状況、そして、このプロジェクトに対しまして都市鉄道利便増進事業としての支援が適用できるのかどうかを岩井大臣お尋ねをしたいと思います。
  6. 岩井茂樹

    ○副大臣岩井茂樹君) 岡田先生お答えをいたします。  まずは、私の父の話がありまして、くしくも親子二代にわたりこの国土交通委員会委員ということでございまして、身の引き締まる思いと緊張感を持って答弁をさせていただきます。  常磐新線延伸につきまして、秋葉原東京間でございますが、平成二十八年四月の交通政策審議会答申におきまして、国際競争力強化拠点であるつくば国際戦略総合特区を含む常磐新線沿線都市とのアクセス利便性向上などに意義があるプロジェクトということで、しっかりと位置付けられているところでございます。  その中では、一方で、都心での事業となるため、関係地方公共団体鉄道事業者等において導入空間に係る事業費、これ、東京周辺というのはかなり立て込んでおりまして、多分深度の深い施工が必要となるということもあると思うんですが、そのようなことを踏まえて、事業計画等について十分な検討が行われることが必要だということも言われております。  また、先生指摘都市鉄道利便増進事業の適用に関しては速達性向上が求められますが、本事業は、東京駅を通じて新幹線などへのほか他路線への接続が行われることによりまして、都市鉄道利便増進事業目的である各目的地への速達性向上するということも期待されているところでございます。  このため、まずは、具体的な事業計画都市鉄道利便増進事業活用に関しては、地元地方公共団体中心となって協議会を設置するなどして、関係地方公共団体、他の鉄道事業者を含む関係者間で合意形成をまずは図ることが重要だと思われます。  国交省といたしましては、技術面制度面で必要な助言を行うとともに、できる限りの御支援していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
  7. 岡田広

    岡田広君 ありがとうございました。  副大臣から答弁をいただきましたように、鉄道事業者を始めとして一都三県の合意形成が必要であることは言うまでもありませんけれども、この合意形成に当たりまして、協議会でも努力をしている。確かに、多分深度五十メーターぐらいの深さになるのではないかと思います。相当建設費も掛かると思いますけれども、これが実現したときには是非鉄道利便等増進法の補助がお願いをしたいと思っております。  茨城県ではつくばから茨城空港まで延伸をしようという協議会もできておりますが、その前に、まず秋葉原東京間のこの延伸が私は必要なんだろうと、そういうふうに思っております。  復興まちづくり減災取組についてお尋ねをいたします。  東日本大震災から十年がたちました。十年前の三月十一日、参議院の決算総括委員会が開かれておりまして、私たちは当時野党でありました。私は、当時の菅総理を始め担当大臣に二時十六分から質問をしていた、その最中の十四時四十六分に東日本大震災発災をいたしました。  それから十年がたちました。三十二兆円の復興予算を使って、復興庁を始め政府一体となった支援によりまして、インフラ復旧だけではなくして生活再建を行ってきたことに対しては敬意を表したいと思います。しかし、これまでの検証をしてみると、様々な課題が浮き彫りになっています。復旧復興連携がうまくいかなかったという意見もあります。  災害が起こると、防潮堤道路を始め、国が復旧ということで早急に整備、補修をします。一方で、被災地域は、市町村住民と話し合いながら町の再建をし、まちづくりを進めていきます。この連携が取れなかったために、防潮堤に守られた沿岸地域住民が住まないなどのミスマッチも起こりました。復興が長期化したため、一時避難した人々避難先で仕事を見付けて戻らなかったという事例、結果として、災害公営住宅では空き部屋が出ています。計画を絶えず見直せるようにすることも大事であります。  これから首都直下型地震南海トラフ地震発生が予想されている中で、被害を最小限にするために、高知や鳴門の小学校では、南海トラフ地震に備え、避難訓練防災教育を行っています。東京では三・一一の震災時に約三百五十二万人が避難しましたが、首都直下型地震では五百十七万人が避難すると予測もされております。都では一時退避施設についての都の公共施設民間ビルの確保などに努めていますが、予定の半分、しかもコロナの前の計画です。密についても更に見直しをしなければなりません。いずれにしても、事前復興という考え方減災取組が重要であると考えます。  大震災発災から十年の節目の年であり、復興まちづくりについても検証が必要です。復興まちづくり自治体住民コミュニケーションをしっかりと図りながら進めることが重要ですが、被災時の自治体にはそれを行うための知見や人材が不足をしています。災害時の地域の円滑なコミュニケーションの実施について国の積極的な支援が必要と考えますが、政府の見解を伺いたいと思います。
  8. 榊真一

    政府参考人榊真一君) お答えをいたします。  東日本大震災では、いっときに大量の事務自治体発生し、復興に向けた体制整備や対応に立ち遅れが見られました。また、住民避難生活を送りながら復興に向けて議論を行い、速やかに合意に至り復興計画を策定することは非常に困難な状況にあったと考えております。  このため、国土交通省では、直轄調査により、沿岸津波被災四十三市町村につきまして、自治体住民コミュニケーションを図る際に必要となります被災状況復興に有効な事業制度情報を収集、整理して提供し、被災自治体復興計画策定支援してきたところであります。  こうして始まりました復興まちづくり事業でございますが、関係者の懸命な努力によりこの十年間で概成し、復興に寄与してきたと考えておりますが、一方で、地区によっては空き地の問題が顕在化するなど、課題が生じていることも承知しております。  このため、国土交通省では、十年の節目となります今年度、東日本大震災による津波被害からの市街地復興事業検証委員会を設け、検証を行ってまいりました。検証委員会では、今後の復興まちづくり在り方として、人口減少のトレンドを踏まえ、持続可能かつ適切な事業規模とすること、被災者ニーズに即した事業とするため、世帯の単位ではなく一人一人の意向を丁寧に把握すること、また、被災者意向変化に対応し事業計画を柔軟に見直すことなど、自治体住民との丁寧なコミュニケーション重要性等について御指摘をいただいております。  国土交通省といたしましては、検証委員会の御提言を踏まえ、被災地で培われましたノウハウや教訓をしっかりと継承し、今後のまちづくりに生かしてまいります。
  9. 岡田広

    岡田広君 榊局長から御答弁いただきました。  自治体住民との丁寧なコミュニケーション重要性についての答弁がありましたが、ここがやっぱり一番大事なんだろうと思います。東北三県では、この大震災以降、約三十八万人の人口が減少しています。これからの災害復興は、住居や施設を集約したコンパクトシティーを目指すことも大事であると思います。  私は、復興特別委員会筆頭理事のときに岩手県の三陸沖視察をいたしました。ハード面復興は進んでいますけれども、やっぱり大事なコミュニティーが切れたままというところもありました。防災力を高めるためにも、顔の見える、地域の顔の見える関係をつくるということはとても大事だと思いますので、更に一層の努力お願いをしたいと思います。  自然災害はいつ起こるか分かりません。今後、首都直下型地震南海トラフ地震が高い確率で発生をし、被害想定東日本大震災を大きく上回ると予測されているとき、東京一極集中している首都機能在り方をもう一度考えるべきではないかと思っています。  東京一極集中の排除や二十一世紀にふさわしい政治、行政の確立のために国会及び政府機能移転を行うべきであるとした国会等移転に関する決議が平成二年に衆参両院で採択され、特別委員会が設置されましたが、平成十六年、座長とりまとめが報告されてからは休止状態です。  今後いつ首都圏中心地震等災害が起こり得るかもしれない状況を考えるとき、早急に東京集中している首都中枢機能バックアップ体制などについて議論を再開させるべきと考えておりますが、これは、国交省の、政府考え方お尋ねをしたいと思います。
  10. 金井甲

    政府参考人金井甲君) お答え申し上げます。  諸機能東京への一極集中は、首都直下地震等巨大災害が切迫する中で、発災時の被害拡大リスクを高めると懸念されております。  その中で、国会等移転につきましては、議員立法により制定された国会等移転に関する法律に基づく検討が行われまして、平成十一年十二月に国会等移転審議会から三か所を移転候補地とする答申が出された以後は一貫して国会主導検討が行われてきたと承知をしております。  先ほど質問でも言及されておられました平成十六年十二月に国会等移転に関する政党間両院協議会におきまして座長とりまとめがされました後、国会での具体的な議論が止まっている状況であると認識をしております。  いずれにいたしましても、大変大きなエネルギーが必要でありまして、国会での議論が進むことが重要であると考えてございます。国会等移転に係る調整事務を担当する国土交通省といたしましては、国会からの要請に基づいて、必要な協力を行ってまいりたいと存じております。  また、国会等移転に限らず、災害リスクへの備えは重要であり、加えて、今回の新型コロナウイルス感染拡大では、東京一極集中課題を改めて認識をいたしました。この危機を前向きに捉えまして、例えば、接触機会の軽減のためのデジタル化推進テレワーク拡大等による新しい働き方や暮らし方推進、豊かな自然、特色ある産業、固有の歴史、文化、伝統など個性ある地域づくりや二地域居住推進など、将来世代を含めまして誰もが安全で豊かさを実感できる持続可能な国土づくりを進めていくべきと考えてございます。  国土交通省といたしましては、今後の社会経済変革に向けた動向等も踏まえながら、国土審議会におきましてこれからの国土のあるべき姿についての議論を進め、関係省庁連携し、東京一極集中是正等に向け、取り組んでまいりたいと考えてございます。
  11. 岡田広

    岡田広君 金井政策統括官から御答弁いただきました。  これからの国土在り方というものについては、やっぱりしっかり議論をしていただきたいと思います。  答弁の中に二地域居住推進というお話がありました。東京一極集中地方人口減少は我が国の大きな課題一つであることは御承知のとおりです。これらの是正のためには、東京首都機能地方移転あるいは大学企業地方分散等を推し進めながら、都市から地方への人の流れをつくることが重要です。  こうした中、今般の新型コロナウイルス感染拡大契機となって、地方分散に大きな風が吹いています。昨年より東京転出人口超過が続いていることや都市住民への地方への関心が高まっていること等の動きが見られます。こうした動きを絶好の機会と捉えて、地方移住等を進めていく必要もあると考えます。  例えば、農林水産省では、田舎での農業体験を通じた取組や半農半Xという取組推進しております。農業就業者の希望、そういう相談会大変人が、昨年の倍以上の人が来ているということもあります。国土交通省でも、今国会大臣所信の中にもありましたように、二拠点居住が取り上げています。平成十六年度より二地域居住調査検討推進に取り組んでいると聞いておりますが、今般のコロナ禍契機にされまして、是非力を入れて取り組んでほしいと考えております。都市地方の二地域居住推進は、地方への人の流れを促し、二地域居住者地域に関わり地域の魅力を知ることで、将来的には地方移住にもつながることが期待をされます。  そこで、この二地域居住推進についてどのように今後取り組んでいくのか、国土交通省の現状と見通しについてお尋ねをしたいと思います。
  12. 朝日健太郎

    大臣政務官朝日健太郎君) 二地域居住の御質問ありがとうございます。  今般の新型コロナウイルス影響は、人々の働き方や住まい方、また生き方そのものに大きな変化をもたらしていると考えております。例えば、先生からも御言及ありましたけれども、テレワーク普及が大変進んだことによりまして、東京都からは転出人口が七か月連続で転入人口を上回るという動きも出ております。こうした中で複数の生活拠点がある暮らし方であります二地域居住推進することは、地方への人の流れを生むとともに、東京一極集中是正はもちろん、広く地方創生に資する大きな契機となり得るものと考えております。  現在、国土交通省では、二地域居住推進を図るために、二地域居住に係る市町村取組事例集作成提供空き家対策総合支援事業によります空き家活用への支援全国版空き家空き地バンクによる情報提供テレワーク拠点整備支援の充実などを図っております。  また、二地域居住関係施策事例情報共有、発信により普及促進機運向上を図るために、関係省庁の御協力を得ながら、六百を超える地方公共団体を始めとする関係者皆様に御参加をいただきまして、全国地域居住促進協議会を今月九日に設立をいたしたところでございます。  さらに、令和三年度の予算案におきましては、さきの施策に加えまして、二地域居住推進を図るためのガイドラインやハンドブックの作成に取り組んでおります。  今後は、コロナ禍で生じている地方への人の流れを定着、強化させるために、関係省庁協議会等連携しつつ、二地域居住推進に向けて、申し上げたような施策を様々進めてまいる所存でございます。
  13. 岡田広

    岡田広君 朝日政務官から御答弁をいただきまして、朝日政務官は、全国を歩いており、地方の実情を一番理解をしている政務官だろうと思いますので、更に御活躍を願っております。  地方創生は、菅政権にとっても大変重要な課題一つです。二〇年に東京圏地方転出入均衡という目標を掲げて政策を進めてきました。しかし、省庁移転も、文化庁の移転が決まりましたけれども、消費者庁全面移転は見送りになるようです。なかなか政府省庁移転も進まない。そして、一五年度には、地方で働く場を増やすため、企業の本社の地方移転を税制で優遇するという政策もスタートしました。一八年度には、原則十年間は東京二十三区の大学内での定員を増やさないという地域大学振興法も成立しました。しかし、今日、余りそれぞれ効果が出ていないと私は思います。転出超過が起きているのはコロナ影響があると思われますが、コロナ感染拡大が落ち着けば、再び東京への人口集中が起こる可能性もあります。  コロナ禍をきっかけに、先ほど述べた農水省の半農半Xを始めとして、地方移住を更に拡大、広げていくことが大事だろうと思います。そのためには、企業地方移転も進め、地方の雇用を拡大していく。地方包括ケアシステムの構築とか教育環境整備とか、私は、東京国立大学を始め東京大学定員計画的に減らして、その分を地方大学定員を増やしていくというような政策をしていくということ、これは文科省ですけれども、今日は呼んでおりませんからこれは質問はいたしませんけれども、様々な施策を通して地方移住や定住を進めていくべきであるというふうに考えていますので、どうぞよろしくお願いをいたします。  それでは、赤羽大臣質問をいたします。総力戦で挑む防災減災プロジェクト推進に向けた決意をお伺いをいたします。  国土交通省が昨年七月に総力戦で挑む防災減災プロジェクトを取りまとめました。一方で、政府は、同年十二月に、令和三年度から七年度までの五か年間で事業規模が約十五兆円に及ぶ防災減災国土強靱化のための五か年加速化対策を公表いたしました。  防災減災国土強靱化のための五か年加速化対策国土交通省の総力戦で挑む防災減災プロジェクトのそれぞれの御関係を御説明いただくとともに、その推進に向けた大臣の御決意を伺いたいと思います。
  14. 赤羽一嘉

    国務大臣赤羽一嘉君) 御質問の点の前に、地方創生のことで一言だけ申し上げさせていただきたいと思いますが。  地方創生、これ、長年の課題でありながらなかなか効果的な施策が実行されてこなかったというのは事実でございますが、私は、その中で、なかなか突破口が開かれないなと思っていた中でのこのコロナ禍制約で働き方が変わり、またその中で住まい方が変わりつつあるというのはもう数字として表れている、先ほど朝日政務官の御答弁のとおりでございます。その中で、私は、やっぱり国民の皆さんの価値観も必ず変わっていくだろうと。本来相当無理をしながら東京都内の高くて狭いマンションに居を定めてみたいな形から違う生き方があるというようなことというのは、恐らく、我々の世代よりもっと若い人たち世代はそう捉えている方がたくさんいらっしゃるのではないかと。  そういう意味では、全国地方の多くが少子高齢化人口減少化過疎化が進んでいる中で、本当にこのコロナ禍という制約こそが逆転の発想で地方創生突破口にしていかなければいけないと。そういう意味で、二拠点居住にしても様々な取組を今国交省の中それぞれやっておるところでございまして、六百の団体が、地方自治体が参加していただいたというのも、大変大きなそうした関心というかを持たれているというふうに思いますので、これ、変化に遅れないような、しっかりとした先を行く国土交通行政打っていこうというふうに思っておるところでございます。  その中で、実は学校の位置付けというのは非常に大きくて、軽井沢が実はこの一連の中で大変人動き始めていて、この前、軽井沢町長とお話をさせていただきました。新しい私立小学校、中学校ができたと、そうしたことがこの二拠点居住化への非常に加速化につながっていると。今、岡田委員指摘のとおり、そうしたことも非常に重要だということでございますので、これは、政府の中で共有しながらしっかりと取り組んでいきたいと思っております。  そして、済みません、お尋ねの総力戦で挑む防災減災プロジェクト、これ、実は私、一昨年の九月、大臣に就任させていただいたその直後から、台風十五号、十七号、十九号と大変未曽有の激甚災害が頻発し、被災地に行くたびにその被害が深刻化していると、これは今までの国交省の中の各局の対応だけではとても対応できないし、これは省庁間を超えないと対応がままならないということで、このいわゆる省庁間とか、また省内の縦割りを排して、本当の国民の皆様の命と暮らしを守るという観点に立ってもう一度ハード、ソフトを一からやり直していこうというのが総力戦で挑む防災減災プロジェクトでございました。  具体的に、よく出ておりますが、例えば治水対策についても、これはこの当委員会でもいろいろ御指摘していただいているとおり、河川管理者ごとの治水対策ではなくて、上流から下流、また本川、支川、水系全体を俯瞰した形で、関わっている国、県、市町村、また地元の企業地域住民、皆さんが一堂に会して協議会を立ち上げて、また、プロジェクトを今年度中に百九の一級水系については全て策定をすることにしておるところでございます。上流では、でき得ればダムですとか遊水地で大雨をためて、下流からは計画的に河床掘削ですとか堤防強化をしていくと、これを水域全体に関わる協議会合意をしながら計画をしていくということだというふうに考えております。  そのダムの中でも、これまで利水ダムというのは全体で三分の一しか、ああ、ごめんなさい、治水に使えるのは三分の一のダムでしかなかったということで、菅総理の御発案で、昨年来から、一昨年か、治水協定を結びながら、多くの利水ダムも治水に使えるという、こうしたことを進めているところでございまして、実は、昨年の災害においてももう既にそうした効果が出ておると、洪水調節ができているということで効果が出ているということでございます。  こうした計画とか新しい取組をやはり予算的に支えなければいけない、より地元の声も受け入れた対策として、今回、本当に与党の皆さんの後押しで、防災減災国土強靱化のための五か年加速化対策と、五か年間で事業費十五兆円という大変大きな、三か年対策の一・五倍以上の大きさの内容でございますが、こうしたことが出まして、これは、ハードだけではなくてソフトも加えながら、情報の出し方ですとか地域地域での避難の在り方、コミュニティー、またマイタイムライン等々を作成しながら、本当の意味で国民の命と暮らしを守っていける対策をということでございます。  それに加えまして、今国会では、流域治水の関連法案ですとか海上交通安全法の一部を改正する法律案等を出させていただきながら、法制的にもしっかりとバックアップしていきたいと、こう考えているところでございます。
  15. 岡田広

    岡田広君 ありがとうございました。様々なこれからの政策について大臣から御答弁をいただきました。  治水対策等も大変もちろん重要であり、今回流域治水対策の法案も出しているということでありますけども、今日は、その中の道路についてお尋ねをしたいと思います。  道路は、人の流れ、物流を支えながら社会経済の発展の礎であるということは言うまでもありません。災害時には、避難経路となるだけではなくて緊急物流の輸送路や医療へのアクセスを確保するなど、まさに命の道としての役割を果たし、被災後の復旧復興推進するにも不可欠なインフラです。  道路には、人や地域をつなぐネットワークとしての機能地域や町をつくる空間としての機能もあります。これらの機能を最大限活用し、国民の暮らしと経済をしっかりと支えていくためには、近年の激甚化、頻発化する災害や急速に進む施設の老朽化への対応が喫緊の課題です。災害に強い道路ネットワークの構築、道路や橋などの老朽化対策などに迅速に対応することが必要です。  また、災害時の支援復旧復興において物資や資機材の輸送など重要な役割を担っている道路がしっかりと機能するには、日常の維持管理が重要です。しかし、建設後五十年以上を経過する道路や橋の割合は二〇一八年度に約二五%、十五年後の二〇三三年には約六三%と、加速度的に高くなっていきます。特に、地方公共団体が管理する施設については、早急に修繕等が必要な橋梁の修繕着手率は全体の三分の一程度と伺っております。  このように対策が遅れている地方公共団体に対して国土交通省支援取組をお伺いをいたしたいと思います。
  16. 吉岡幹夫

    政府参考人(吉岡幹夫君) お答え申し上げます。  道路の橋梁やトンネル等については、損傷や倒壊した際に経済活動や日常生活に大きな影響を与えることから適正な維持管理が重要であり、二〇一四年度から、国が定める統一基準により、五年に一度の頻度で点検を義務化しています。その結果、早期に修繕が必要な橋梁は二〇一八年までの点検において全国で七万橋が確認され、特に、地方公共団体が管理する橋梁は約六万三千橋で、地方の財政や技術者の不足などの課題から、その修繕等の着手は二万一千橋、三四%にとどまっており、いまだ約四万橋が修繕未着手な状況です。  国土交通省としましては、地方公共団体に対しまして、財政面では道路メンテナンス事業補助制度を活用し、長寿命化修繕計画に基づく計画的な支援を行っていますが、これまでの修繕等のペースと今後の老朽化の進行を踏まえると、不具合が生じる前に対策をする予防保全への移行に約四十年掛かる見込みでした。  この度、先ほどもお話もございましたが、防災減災国土強靱化のための五か年加速化対策では、早期に対策が必要な修繕等への集中的な対策を行うことで、五か年で地方公共団体の橋梁の修繕着手率を七割とするとともに、予防保全への移行をできる時期が約十年短縮するよう計画しているところでございます。  また、技術面では、各県ごとに設置した道路メンテナンス会議等によりメンテナンスに関する情報共有を図るとともに、国の直轄診断、修繕代行や地方公共団体向けの研修などを実施しているところでございます。  道路橋などは国民の大切な資産でありまして、次の世代へ健全な状態で引き継いでいく必要がございます。今後も、不具合が生ずる前に対策をする予防保全への早期移行に向け、地方公共団体に対して財政面及び技術面の両面から必要な支援を行ってまいります。
  17. 岡田広

    岡田広君 吉岡局長から御答弁をいただきましたが、防災減災国土強靱化推進に当たって、道路整備は欠くことのできない政策です。  道の日というのは八月十日ということで、正直、私、今年まで分かりませんでした。八月は道路ふれあい月間ということですけれども、こういう取組、国民にもしっかり広げて、道路の大切さについて国民の理解を得ていくべきだと考えております。  次に、高速道路の料金の引下げに向けた検討の必要性についてお尋ねをしたいと思います。  高速道路民営化から十五年が経過しました。民営化当時の三十八・二兆円の債務残高が令和元年度期末の実績値では二十六・八兆円まで減少し、債務は順調に減り続けております。現在はコロナ禍企業も家計も疲弊しており、高速道路料金について債務返済が順調な今だからこそ、国民負担を軽減する観点からその引下げを検討すべきかというふうに考えています。時間的な割引等も含めてということでありますが、いかがでしょうか。  そしてまた、大口・頻度割引については、物流コストの安定化等のため、平成二十五年度から割引率を五割まで引き上げるための財源を毎年手当てしていますが、一年だけの延長では事業者側も中長期事業の見通しに割引を反映しづらく、非効率的に思います。  さらに、労働環境の改善に資するということも考えると深夜割引についても要望しておきますが、現在午前零時から午前四時の適用時間帯を、労働基準法に規定されている午後十時から午前五時まで拡大していただきたいというふうに考えていますが、政府答弁を求めたいと思います。
  18. 吉岡幹夫

    政府参考人(吉岡幹夫君) お答え申し上げます。  高速道路の利用促進は、安全、安心の確保や環境改善はもとより、地域経済の活性化にも資すると認識しており、利用しやすい料金を目指すことは重要であると考えています。  委員から御指摘のあった割引プラン、いわゆる周遊プランについては、高速道路会社が積極的に取り組んでいるところであり、販売件数は、ここ十年で六倍以上となってございます。  御指摘の大口・多頻度割引の拡充については、令和二年度補正予算も活用して、令和三年度においても拡充を継続する予定です。拡充措置の継続に当たっては一定規模の財源が必要であることから、その確保に向け、引き続き取り組んでまいります。  また、深夜割引については、御指摘のとおり、本線料金所やサービスエリアにおいて割引の時間を待つために車両の滞留が発生しているという課題があること、また、労働環境の改善のために利用者団体から適用時間帯の拡充の要望が出されていることは承知してございます。  現在、国土幹線道路部会において割引の在り方について議論を進めているところでございまして、その結果も踏まえながら、深夜割引の具体的な見直しについての検討を進めてまいりたいと考えてございます。  引き続き、料金収入により、高速道路の維持管理に加え、全国から多くの要望をいただいております暫定二車線区間の四車化等の投資を実施していく必要もあることも踏まえながら、有識者からの御意見もいただきつつ、より利用しやすい料金を目指して、引き続き検討してまいります。
  19. 岡田広

    岡田広君 ありがとうございました。  GoToトラベルも、今、一時停止状態です。予算は残っています。大打撃の観光業を始めとして地方経済の活性化のためにも検討が必要ではないかと思っています。これをやるとマイカー族が休日に集中して大渋滞を引き起こすということもありますけれども、地方へ人を呼び込んでいく、そして人の流れをつくっていくという点では、大変私は検討に値するのではないかと思いますので、要望しておきたいと思います。  安全で美しい国土の実現のために、電柱の無電柱化についてお尋ねいたします。  無電柱化は、防災性の向上、安全性、快適性の確保、良好な景観の観点から実施をしています。しかしながら、我が国の無電柱化は著しく遅れています。ロンドン、パリの無電柱化率は一〇〇%、アジアの台北は九六、ソウルは五〇%となっていますが、我が国では、最も無電柱化が進んでいる東京二十三区でも八%にとどまっている状況、日本全体では約一・三%ということです。  二〇一九年の台風十五号では、千葉県などにおいて約二千本の電柱倒壊や欠損が発生しました。避難や緊急活動、緊急物資の輸送、復旧活動に支障を及ぼすとともに、最大で約九十三万戸が長期間にわたり停電するなど、日常生活に大変な支障を来しました。  災害の激甚化、頻発化等によりますます無電柱化の必要性が高まっている中で、現状を踏まえて、今後の無電柱化の推進に向けた政府取組についてもお尋ねをしておきたいと思います。
  20. 吉岡幹夫

    政府参考人(吉岡幹夫君) お答え申し上げます。  二〇一八年の台風二十一号、そして御指摘のありました二〇一九年の台風十五号では、多くの電柱が倒壊し、長期間にわたる停電が広域で発生するなど、近年の災害の激甚化、頻発化により、無電柱化の必要性が高まっているところです。  現在、災害時の救命活動や復旧活動に必要な緊急輸送道路において重点的に無電柱化を進めておりますが、電柱倒壊リスクの高い市街地等の緊急輸送道路でも約三八%しか無電柱化が完了していない状況です。このため、令和二年度十二月に閣議決定された防災減災国土強靱化のための五か年加速化対策では、市街地等の緊急輸送道路において、新たに延長約二千四百キロについて無電柱化に着手することが位置付けられたところでございます。  また、現行の無電柱化推進計画は今年度末が期限となっていますが、令和三年度を初年度とする次期無電柱化推進計画では、三つのポイントとして、一つ目は新設電柱を増やさない、二つ目としまして徹底したコスト縮減を推進する、三つ目として事業の更なるスピードアップを図るを盛り込んで策定する予定としてございます。  現在、計画策定に向け、総務省、経済産業省や電線管理者と検討を進めているところでございまして、引き続き、関係機関と連携し、無電柱化を加速してまいります。
  21. 岡田広

    岡田広君 ありがとうございました。  無電柱化はなかなか進まないというのは、やっぱりこの鍵は埋設費用の問題だろうというふうに思っていますけれども、無電柱化推進法が施行されたことをきっかけに、やっぱり事業に弾みを付けるべきだと考えています。  世界の科学技術都市を目標とするつくば市では、中心市街地などで新たな電柱の設置を規制する条例を設定しています。東京都も、都道での新設を禁じる条例を作る方針のようです。一〇〇%無電柱のロンドンやパリを学びながら、工事費を抑えられる方式を確立することが大事、しかし予算は限られていますので、答弁にありましたように、主要道での新設を禁止すると同時に、市街地再開発などに合わせて地中化を進めていくことが大事だと思いますので、要望しておきたいと思います。  公共事業関係費の確保について、大臣お尋ねをします。  建設業は、道路、河川等、社会資本の創出を通じて国民生活を支えるとともに、災害発生時には復旧事業を通じて地域の安全、安心の確保に貢献しています。特に、地方においては、雇用の場を提供し、地域経済を支える産業としての役割も大きいものがあります。社会資本をめぐる現下の課題に応えるとともに、現場の建設事業者に過度な負担を掛けないためにも、安定的な業務量の確保が不可欠です。  こうした観点から、防災減災国土強靱化五か年加速化計画とも相まって、安定的に公共事業関係費を確保していくことが求められています。これ、ピーク時には約十五兆円近くあったそうです。公共事業関係費の確保に向けた赤羽大臣決意を伺いたいと思います。
  22. 赤羽一嘉

    国務大臣赤羽一嘉君) 先ほど御答弁させていただきましたが、防災減災国土強靱化のための加速化五か年計画は、三か年の緊急対策と異なりまして、インフラの老朽化が一つの柱となっております。  また、我々国土交通省として心掛けているのは発注の平準化ということでございまして、これ、年度を越えて一年中コンスタントに仕事があるということでございます。  これ、地方自治体の方がなかなか制度として難しいところがあって、私の兵庫県でも、豊岡とか北部地域、結構雪が降る地域では、実質、県からの発注が六月になって、半年でしか仕事ができないと、こうしたことも随分指摘をされているところでございまして、こうした平準的な発注、そして中長期的な見通し、これは、五か年で十五兆円の事業費がありますので、こうしたことも随分クリアできるんではないかと。  こうしたことは、何よりも地方の守り手であり担い手である建設業の皆さん方にとって一番支えの人材の育成と確保ということに直結するんだと思うんです。やはり事業量が見通せない状況であれば、なかなか人を雇うこともできないし育成することもできないと、これは大変大きな課題となっております。  高齢化が進む傾向にありますが、しかし、やはり国土を守る、国土をつくるという大変すばらしい仕事に従事していただける人がその誇りを持って仕事をしていただける、この青年世代が手に職を持って地域のために働いていただけるような環境を全力を挙げて取り組んでいきたいと、こう決意をしております。
  23. 岡田広

    岡田広君 公共事業、大変重要だと、私も、地方経済活性化もそうですけれども、大変重要です。  昔、前政権のときに、コンクリートから人へというスローガンがありました。私、政権が替わって復興大臣も拝命をしたときに、岩手県の三陸海岸を視察をしました、普代村と田野畑村。田野畑村には八メーターの防潮堤が造られていました。普代村の村長さん、隣が八メーターだけれども、貞観津波があった歴史も踏まえて、うちは十五・五メーター、倍の防潮堤を造ろうと、造り始めました。村民の皆さんから、村長、何と無駄な公共事業をやっているんだ、業者からお金をもらったのか、いろいろ言われたそうです。防潮堤は完成しました。三・一一の大震災による大津波、八メーターを超えました。田野畑村では死者二十三人、行方不明十六人とか全半壊約六百戸という結果、普代村は、十五・五メーターの防潮水門が人の命も村の安全も守りました。被害はゼロということでありました。無駄が人の命を救った、コンクリートが人の命を救ったという事例ではなかったかと思います。恐らく、当時の村長さん、今、遠い天界で、私のやった仕事は間違っていなかったと安堵の気持ちでいるのではないんだろうかと思います。  コンクリートも人も大事だから、予算をどう付けるか、それに議論をして、私たちは頭を悩ませながら議論をするのではないかと思っています。  台風十九号、八ツ場ダム、これは事業の象徴として、大型公共事業の象徴として、八ツ場ダムは一時本体工事の中止が宣言されたのは御承知のとおりです。利根川上流にある七つのダムの貯留量の半分は八ツ場ダムです。本県の稲敷市でも、利根川が氾濫危険水位を超えたものの、この八ツ場ダムによって氾濫はしなかったということです。  財政負担も大変ですけれども、後世の人たちの、もちろん現在もそうですけど、後世の人たちの命を救うことにもなる、いかに公共事業が重要かということではないかと思いますので、是非よろしくお願いしたいと思います。  時間が来ましたので、一括して質問をしたいと思っています。建設現場の担い手確保です。  建設現場も高齢化しています。建設業就業者、若い人がなかなか入ってこないという現実、そして退職者はどんどん増えている、将来、建設業が公共事業災害対応等の社会的な使命を果たせなくなります。  給与については、建設業全体で上昇傾向ですけれども、生産労働者については、製造業と比べて大変低い水準です。他業種では当たり前になっている週休二日の確保も厳しいものがあります。働き方改革関連法のうち罰則付残業時間上限規制については、現在建設業は猶予期間ですが、二〇二四年からは例外なく適用になります。  今後、建設技能者を確保していく上でどのような取組を進めていくのか、政府にお伺いをいたします。
  24. 青木由行

    政府参考人青木由行君) お答え申し上げます。  建設業は、大臣も御答弁申し上げたとおり、地域の守り手といたしまして国民生活、社会経済を支える役割を果たしてございます。一方で、御指摘ございましたように、建設業は他産業を上回る高齢化が進んでおりまして、御指摘のとおり、近い将来、高齢者の大量離職による担い手の減少が見込まれておりますものですから、将来の建設業を支えていただく若年の入職者の確保、そして定着が喫緊の課題となっております。  このため、国交省におきましては、建設業の担い手の処遇改善、働き方改革、生産性向上、これを一体として取り組んでいるところでございます。  まず、担い手の処遇改善に向けましては、長年の課題であった社会保険への加入徹底、これを進めてきているとともに、それから、公共工事設計労務単価を九年連続で引き上げてまいりまして、技能者の賃金引上げを進める取組を展開してきております。  加えまして、若い世代にキャリアパスと処遇の見通しを示しまして、技能と経験に応じた給与の引上げをやっていこうということで、官民を挙げて、官民キャリアアップシステムの普及促進にも取り組んでいるところでございます。  また、働き方改革といたしましては、令和元年六月に成立いたしました新担い手三法に基づきまして、大臣からもお話ございましたけれども、工期の適正化、そして施工時期の平準化の推進、さらには週休二日制の確保に向けた取組推進しているところでございます。  また、生産性向上といたしましては、測量、設計、施工、維持管理に至る建設プロセス全体におけるICT活用、インフラ分野全体のDXを進めているところでございまして、こういった取組で建設業の担い手確保、しっかり取り組んでまいります。  以上でございます。
  25. 岡田広

    岡田広君 ありがとうございました。  現場勤務の技術者を中心に、残業時間の削減がなかなか進んでいません。人員不足とかあるいは書類の多さというのがあります。書類の簡素化も是非進めていただきたいと思います。  時間が来ましたので、最後、要望を、ほかの質問は割愛させていただいて、要望をさせていただきます。  測量設計業についてでありますが、国土強靱化に関する測量、設計の役割は、情報化時代の中でますますその役割を増していると考えます。デジタル化の有効性が地方公共団体にまだ理解されていない実感もありますが、国土強靱化を進めるためにも、公共施設の長寿命化等を含む将来像を検討していく必要もあります。デジタル庁の設置は、まさに国土強靱化をセットにした新たな出発点となると考えます。  地方が動かなければ、国土強靱化は絵に描いた餅になってしまいます。地方が活発に国土強靱化に取り組めるように、是非、赤羽大臣始め国交省関係者皆様努力お願いをして、質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  26. 熊谷裕人

    ○熊谷裕人君 立憲民主・社民の熊谷裕人でございます。  今日は、同僚議員の皆様方の御配慮によりまして、たっぷり質問時間を七十五分いただきましたので、じっくり質問をさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。  最初に、前回質問機会をいただいたときに、ちょっと時間が足りなくなってほとんど質問のできなかった、私の地元の話で恐縮なんですが、埼玉県のさいたま市にあります大宮駅の関係で幾つか質問をさせていただきたいと思います。  さいたま市が大宮駅グランドセントラルステーション化構想という構想を持っておりまして、大宮駅を中心としたまちづくり、駅の再構築、高度化を含めて、駅前開発などの駅前周辺の町の再構築という大きな事業をやっております。  この大宮駅というところは、国のスーパーメガリージョン構想の中にも東の外れに位置するということで位置付けられておりますし、国土形成計画の中でも、首都圏広域地方計画の中にしっかりと首都圏と東日本の結節点として、交流拠点としての役割を位置付けられている場所でございます。  スーパーメガリージョン、フェース・ツー・フェースでいろんなことを進めていくんだという計画でありましたけれど、今のコロナ禍状況の中で、フェース・ツー・フェースではなくて、オンラインを使ったというような形で社会生活の環境なんかも変わっていきますが、まだ、まだというか、しっかりと国は、位置付けておりますスーパーメガリージョン構想を今後も推進をしていくものと思っておりますが、いま一度、このスーパーメガリージョン構想と首都圏広域地方計画の中においてのこの大宮駅というところの位置付けについて確認をさせていただければと思います。
  27. 中原淳

    政府参考人(中原淳君) お答え申し上げます。  国土形成計画では、全国計画を受けて、全国八つのブロックごとに広域地方計画を策定しておりまして、その中で、広域的な視点から官民が連携して取り組む広域連携プロジェクトを位置付けているところでございます。  平成二十八年三月に策定された首都圏広域地方計画においては、御指摘の大宮は、東北、上信越、北陸方面からの新幹線が集結する東日本の玄関口であることから、スーパーメガリージョンを支える対流拠点として、その機能向上等を含む交通機関相互の結節機能を強化することが広域連携プロジェクト一つとして位置付けられているところでございます。  大宮駅グランドセントラルステーション化構想は、この首都圏広域地方計画における大宮の位置付けを踏まえてさいたま市が策定したものと承知をしております。
  28. 熊谷裕人

    ○熊谷裕人君 ありがとうございます。  地元さいたま市の方でこの大宮駅グランドセントラルステーション化構想というものを今の御答弁のように定めて、首都圏の広域対流拠点としてしっかりとこの国の考えにも基づいて進めていこうということで行われている事業だと私も承知をしておりまして、さいたま市の方は、この大宮駅グランドセントラルステーション化構想のプラン二〇二〇というのを今年度取りまとめるんだというようなお話を聞いております。  首都圏有数のターミナル駅でも大宮駅というところはありますし、機能の高度化や駅を含めた駅周辺のまちづくりというのは、やはり今の御答弁にもありましたように、東北や上越、信越、北海道までつながるという東日本の本当に扇の要の場所にありますので、この対流を促進をしていく国土の形成、そして東京への一極集中リスクの軽減、あと、これから首都直下型地震もあるんではないかというようなおそれもありますけれど、そのようなところで、東京から少し離れた位置というところが東日本全体を見るのに本当にいい場所にあると私は思っております。  こういう国の計画にも位置付けられ、地元の自治体も積極的に推進をしていこうというこの大宮駅グランドセントラルステーション化構想にもう少し私は国の方も積極的に関与していただいてもいいんではないのかなというふうに思っておりまして、地元が進めることをバックアップしていただくのもいいんですけれど、国も位置付けていただいているんですから、国も積極的にもう少しさいたま市の方へいろんな支援とか関与度を高めてもいいのではないのかなというふうに思っているんですが、何か具体的な支援策というのは国の方でお考えなのかどうか、お聞かせいただければと思います。
  29. 榊真一

    政府参考人榊真一君) お答えを申し上げます。  大宮駅グランドセントラルステーション化構想は、駅周辺街区のまちづくりと交通基盤整備、駅機能の高度化を三位一体で進めることにより東日本の玄関口としての役割等を果たすことを目的に、平成三十年七月にさいたま市において策定されたものでございます。  さいたま市におきましては、委員指摘がありましたように、構想をより具体的かつ実現可能なものとしていくため、交通広場や駅の整備イメージなどを盛り込みましたプランを令和二年度中に取りまとめ、その後、合意形成が図られたものから都市計画の手続等に着手する予定であると伺っております。  国土交通省といたしましては、今後、地域合意形成都市計画の手続等を経て具体的に事業を実施する際には、社会資本整備総合交付金等で支援をしてまいりたいと考えております。
  30. 熊谷裕人

    ○熊谷裕人君 ありがとうございます。  今年度、新しいプランを取りまとめて具体的に進んでいくと思います。決まったら今御支援をいただくという御答弁をいただきました。  国の首都圏広域地方計画の東北圏・北陸圏・北海道連結首都圏対流拠点の創出プロジェクトというところを見させていただきますと、具体的な取組内容として、国際的な結節機能の充実だったり対流拠点機能の集積強化だったり災害時のバックアップ拠点機能の強化だったり、それに、関連インフラの整備等ということがしっかりと国もやるんだというふうに書かれております。  これから、冒頭にも言いましたけれど、スーパーメガリージョン構想というのは、今、社会生活に大きな転換点がある中で、先どうなっていくのか難しい、見通すの難しいような状況でもありますが、今すぐに進めるんであればまだ間に合うプロジェクトではないかなというふうに思っておりますので、決まってから御支援をいただくというような御答弁をいただきましたけれど、決まるように国の方ももっと強力にプッシュをしていただくことも必要だと思っておりますが、早くこの構想が決まっていくために何か国からさいたま市に御提案をいただくようなことがあるかどうか、お尋ねをしたいと思います。
  31. 榊真一

    政府参考人榊真一君) 今、さいたま市におきまして、大宮駅を中心とするまちづくりについては、関係者交えて真剣な議論が行われていると承知をしております。  現場で設けられております会議では、私どもの職員も必要に応じて技術的な助言などもさせていただいておりまして、これからも、さいたま市などから御要望をいただいた場合には様々な形で御協力をしていければというふうに考えております。
  32. 熊谷裕人

    ○熊谷裕人君 ありがとうございます。  私も、地元なので、地元の皆さんからいろんなお話を聞きます。やはり大変大きなプロジェクトなんです。やはり国もこのプロジェクトを後押ししているんですよというところがもうちょっと見えてくると、地元の方ももっと安心して、いやあ、今度さいたま市の大宮駅グランドセントラルステーション化構想に我々地権者だったり権利者だったりという人たち協力しようかなというふうに思われるんではないのかなというふうに思っておりますので、本当に国もバックアップというのをよろしくお願いをしたいと思いますが、大臣、もう少し国としても地元が進めやすいように関与度を高めていただけないでしょうか。
  33. 赤羽一嘉

    国務大臣赤羽一嘉君) 私、これからやるのは、まさに地方分権という観点からいって、そこは、国が押しのけてさいたま市とか埼玉県の意向とは別のものをつくるというのは、恐らく、何というか、新首都で失敗しているような事例の二の舞を踏むことになってしまうんではないかなというふうに思っております。  これまで国が何もやらなかったわけではなくて、関東整備局を始め様々なところを新都心という形でさいたま市に集中もさせておりますし、JRでありますが、大宮駅そのものも、私が学生時代にラグビーで菅平に行ったときなんかから比べると、もう数段見違えるような駅になっているわけで、現実には、北陸新幹線も上越新幹線も東北新幹線も、ある意味ではそれだけでも相当国の投資というかやっているわけでありまして、そのことというのは、他の都市から比べると、非常に国は相当踏み込んで、その地形的な、地勢的なメリットというか重要性というのを踏まえたことはやっているんではないかなと。  これ以上、今後どうするかというのは、まさにこの地元の皆さんの意思が大事なので、それは、恐らく、さいたま市長さんも近々に何かバスタのことで御要望に来られるというふうに聞いておりますが、そうしたことは、やっぱり地元の皆さんのことがまず第一で、それに関わるサポートをするということは国としては惜しまないでやっていくと、こうしたフレームはやっぱり大事にした方がいいんではないかなというふうに思います。
  34. 熊谷裕人

    ○熊谷裕人君 ありがとうございます。  私は、国が地元を押しのけてという話をしているんではなくて、国もやっぱり一生懸命このプロジェクトについて後押しをしているんだよというところが地元の皆さんの安心感につながって、それだったら我々も市に協力して、国も後押しをしてくれているこの一大プロジェクトをやっていこうじゃないかという気持ちになるような国の関与というものをお願いをしたいなというふうに思っております。  今大臣おっしゃっていた、近所にバスタを造るという構想も聞いております。本当に大宮駅が、これからもし首都直下型地震があったときに玄関口としての機能も果たさなきゃいけませんし、茨城県の港を使ってとか、空港を使って地方の空港と連携してとか、東日本との連携に、本当に首都圏機能がストップしたときの代替機能としてすごく重要なところだと思っておりますので、是非その辺も踏まえてさいたま市の御支援をいただければ地元選出の議員としても大変うれしく思いますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。  続きまして、自転車政策について幾つか御質問をさせていただきたいと思います。  前回質問させていただいたときも、自転車を移動手段としてどのように認識しているかという質問をさせていただきまして、ある一定の御答弁をいただきました。やはりコロナ禍で満員電車に乗りたくないというような方もいらっしゃって、三密を避けるという意識の中で、自転車だったり車通勤だったりということで、若干移動手段の変化というものが見られます。そして、車よりか自転車の方が健康にもという健康志向も相まって、移動手段としてやはり自転車が今見直されているんではないのかなというふうに思っております。  前回もちょっとお尋ねをさせていただいておりますが、改めて、この自転車というものが見直されている中で、自転車を取り巻く環境の現状認識、そして自転車の活用に関わる法律なんかも整備をされておりますので、自転車の活用推進に係る国の取組等お聞かせをいただければと思います。  また、前回、自転車通勤を推進する事業の認定を行って、十一月末で三十四の企業団体に認定をさせていただいているというようなお話もありましたけれど、もしこの辺、もっともっと多くなっているようでしたら、その点についてもお聞かせをいただければと思います。
  35. 吉岡幹夫

    政府参考人(吉岡幹夫君) お答え申し上げます。  自転車は人との接触を低減する移動手段として有効であることから、新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針においても、自転車通勤等の取組を推奨しているところでございます。また、実態としても、アンケート調査でございますけれども、東京都内で四人に一人がコロナ流行後に自転車通勤を開始するなど自転車通勤が増加しているほか、さいたま市でもシェアサイクルの利用が昨年四月から十一月にかけて二倍以上に増加するなど、自転車利用のニーズが高まっております。  また、こうしたニーズの高まりを良い機会と捉えまして、自転車通行空間の整備推進するほか、企業に対する自転車通勤制度の導入に向けた手引を作成しまして、それを活用した広報をするとか、積極的な企業を認定する制度の創設を行いまして自転車通勤を促進するなど、ハード、ソフト両面で自転車活用推進する施策に一層取り組んでいるところでございます。  現在検討中の次期自転車活用推進計画についても、新型コロナウイルスによる行動の変容も見据えながら有識者会議で御議論いただいているところでございまして、速やかに次期計画を策定し、これに基づき、関係省庁連携しつつ、今後も自転車活用推進を総合的かつ計画的に進めてまいります。
  36. 熊谷裕人

    ○熊谷裕人君 ありがとうございます。  やはり自転車を利用する人がだんだん増えているということでありますので、この自転車の走行環境の整備をやはり進めていかなければ、なかなか安全な自転車の通行というものは確保できないんではないのかなと思っております。  今までは、どちらかというと、広い歩道の中で自転車と歩行者の区分をしてというのが今までの主流だったと、整備の主流だったような気がするんですが、自転車が軽車両としてやはり見直されて、自転車を道路へ出して、道路の中で車と自転車を区分して安全な通行を確保するというような自転車走行帯の整備というふうに、今、整備の手法というのが転換されているように感じられております。  地方自治体、至る所で青いペイントだったり矢羽根だったりということで道路の左側に自転車通行帯をつくっておりますし、前回は、東京都での整備の話も聞かせていただきました。  今言ったように、自転車の利用者が増えているのでそういった自転車通行帯の整備というのが全国的に今急ピッチで行われていると思いますが、その現状についてお聞かせをいただければと思います。
  37. 吉岡幹夫

    政府参考人(吉岡幹夫君) お答え申し上げます。  国土交通省では、平成二十四年に警察庁と合同で、自転車道、自転車専用通行帯、また車道混在といった自転車通行空間の整備についてまとめたガイドラインを策定するなど、安全で快適な自転車通行空間の整備を促進してまいりました。  全ての道路利用者の安全を確保するためには、歩行者、自転車、自動車がそれぞれ分離された空間となることが望ましいと考えていますが、一方で、自転車通行空間の確保に当たっては、用地買収による道路幅員の拡幅や道路空間の再編などにより新たな空間確保が必要となり、整備に時間を要する場合も少なくないため、暫定形態として車道混在の空間確保も進めているところでございます。  自転車通行空間の整備状況といたしましては、暫定形態としての車道混在の空間確保も含めると、全国整備延長は令和元年度末で二千九百三十キロとなってございます。また、このうち埼玉県内でございますけど、今分かっている状況でございますけど、県内の整備延長は二百三十四キロとなってございまして、埼玉県においては令和二年度に七・四キロを整備しているというふうに聞いてございます。  今後とも、地方公共団体に対しまして自転車ネットワークの計画を含む自転車活用推進計画の策定を働きかけるとともに、防災・安全交付金などにより支援するなど、歩行者、自転車、自動車が適切に共存できるよう、自転車通行空間の整備を促進してまいります。
  38. 熊谷裕人

    ○熊谷裕人君 ありがとうございます。地元埼玉に気遣っていただいた答弁、ありがとうございます。  続きまして、自転車の走る環境も整えていただくことも急務でもございますし、やはり移動先での止める場所、駐輪場の整備というのも問題というか急務ではないかなというふうに思っております。  一時期放置自転車が全国的に大変問題となりまして、自転車駐輪場の整備が各自治体頑張っていただいてかなり進んでおると思いますが、まだまだ通勤通学の皆さんの駐輪場と買物に市街化中心地域に来た方の止める場所というのが競合したりとか、なかなか放置自転車が全部なくならないという状況が私は続いているのではないのかなというふうに思っておりまして、まだまだ駐輪場の不足が深刻であるのではないかなというふうに思っております。  これから自転車利用者が増えてくるとそこに拍車が掛かる懸念もあるんだと思っておりますが、場所が問題で、なかなか駐輪場を整備する場所がないんだというような話も聞いておりますが、今、例えば、地下にサイクルツリーとか、空きスペースに立体的に自転車駐輪場になる自転車ツリーを造るというような企業さんもありまして、私もその企業さんに見に行かせていただいたりしておりますが、そういったことも含めて、駐輪場を整備をしていくのに財政支援を含めてどんな支援のメニューがあるのか、お聞かせいただければと思います。
  39. 榊真一

    政府参考人榊真一君) お答えをいたします。  自転車利用の推進において、駐輪場の整備は重要な課題であると考えております。  国土交通省におきましては、駐輪場の整備を進めるため、社会資本整備総合交付金等による支援を行いますとともに、附置義務条例による商業施設等への設置の促進などにも努めてきているところです。  こうした取組もあって、直近のデータでは、地方公共団体が設置する公共駐輪場の駐車可能台数は約三百六万台となっており、また、自転車等駐車場に関する附置義務条例を制定しております地方公共団体の数も百七十にまで増えてまいりました。  また、平成二十八年には、地方公共団体に対して、自転車等駐車場の整備のあり方に関するガイドラインを発出し、駐輪場の整備に当たって必要となります調査あるいは計画手法等について技術的助言を行いますとともに、駐輪対策の優良事例、優れた事例について紹介をし、その横展開に努めているところでございます。  今後とも、駐車場整備の促進にしっかり努めてまいりたいと考えております。
  40. 熊谷裕人

    ○熊谷裕人君 全国いろんな事例を紹介をしていただくという答弁をいただきましたけど、本当に皆さん、各自治体で知恵を絞ったいい事例がかなりあると思います。そんな事例も、私も、国会に来る前にいろいろと視察をさせていただいておりますので、その辺、また国交省の皆さんと意見交換しながら進めていきたいと思っております。  続いて、やはり安全ということを考えると、ヘルメットの着用ということもやはり事故対策として私は必要だと思っております。各自治体、自転車条例などの制定で自転車用のヘルメットを、着用を努力義務化をしていたり義務化をしていたりする自治体も多くなってきたと承知をしておりまして、これも、松山市なんですけれど、自転車用のヘルメットの普及率が高いという事例がありました。  何でかなと思いましたら、今皆さんのところに資料を配らせていただきました自転車用ヘルメット、これ、私の個人のものなんですけど、私も、ロードバイクに乗るので、こんなヘルメットをかぶって自転車を走らせております。こんなヘルメットが格好いいということで、高校生だとか中学生がこんなヘルメットは格好いい、かぶろうというので通学にかぶり出して、それで松山市なんかでは普及率が高くなったなんという事例があります。  できれば、ぶつかったり転倒したりということで頭部を守らなければいけないということがあると思いますが、このヘルメットの着用の普及策について国交省として取り組んでいることがありましたらお聞かせいただきたいと思います。
  41. 新田慎二

    政府参考人新田慎二君) お答えいたします。  自転車乗車中の交通事故死傷者のうちヘルメットを着用していない者の割合は減少傾向にあるものの、令和二年においては、八九・五%がヘルメットを着用していない状況でございます。  また、令和二年における自転車乗車中の交通事故につきまして、死者の約六割は頭部に致命傷を負っていること、また、死傷者に占める死者の割合がヘルメットを着用していない場合は着用している場合に比べて約三倍高いことから、交通事故による被害軽減を図るには、頭部を保護するヘルメットの着用が効果的であると認識しております。  警察におきましては、関係機関、団体連携し、交通安全教育や広報啓発等により、幼児、児童から高齢者まで幅広い年齢層に対しヘルメット着用を推奨しているところでございます。引き続き、ヘルメット着用に関する理解促進や意識醸成を通じ、自転車の安全利用を促進してまいります。
  42. 熊谷裕人

    ○熊谷裕人君 ありがとうございます。国交省じゃなくて警察庁さんでした。済みません。  続いて、やはりヘルメットもしていただいて、自転車保険の普及というところも必要なのではないのかなというふうに思っております。  自転車に乗って、先ほど言ったように、歩道も走ったりする自転車なので、やはり歩行者の方とぶつかって巨額な賠償責任が認定されるような判例なんかも出てきております。そのために、先ほど言った自治体の自転車条例なんかの中では、自転車損害賠償責任保険等への加入を義務付ける条例なんかも数多く制定をされているようでございますが、その保険の制定状況全国でどんな状況になっているのかについてお聞かせをいただければと思います。
  43. 吉岡幹夫

    政府参考人(吉岡幹夫君) お答え申し上げます。  近年、御指摘ありましたとおり、自転車が加害者となる高額賠償事故発生している状況等を踏まえ、被害者救済の観点から、自転車損害賠償責任保険等への加入を促進することは大変重要であるというふうに認識してございます。このため、国において、加入義務についての標準条例を作成、周知するなど、地方公共団体による条例制定を支援しており、義務化ないしは努力義務化する条例を制定した都道府県は、現在、二十九都道府県となってございます。  また、地方公共団体や保険会社等と連携し、ポスター、チラシ、ウエブサイト等により、国民に対する保険加入の必要性等に関する情報提供を行っているところでございます。  引き続き、保険加入が着実に進むよう、国としてしっかりと促進を図ってまいります。
  44. 熊谷裕人

    ○熊谷裕人君 ありがとうございます。  これも地元なんですけど、中学生が歩行者にぶつかってしまって一億円近い賠償というような判例もありますので、是非、自分を守るということもありますし歩行者を守るというようなところも含めて、保険の普及に尽力していただければ有り難いなというふうに思っております。  次に、自転車の走行ルールの徹底をお願いをしたいと思っておりまして、警察の方でも、この軽車両としての位置付けの後に、交通取締りをかなりしていただいておると思います。特に、お酒を飲んで自転車を乗っている方への取締りだったり、逆行するとか信号無視だとか、いろんな取締りが行われておりまして、自転車は手軽な乗り物として普及はしているんですけど、ほとんどこの法令、軽車両としての法令の教育というか認識がない方がかなりいるんだと私は思っております。  警察が今行っていただいている取締りの状況と、それから、そういう取締りの前にやはりルールというものを教えていかなければいけないんだと思っておりますが、自転車交通安全教育の実施状況などについてお聞かせをいただければと思います。
  45. 新田慎二

    政府参考人新田慎二君) お答えいたします。  警察では、歩道上において自転車と歩行者のふくそうなどから重大事故発生が懸念される地区・路線及び自転車が関係する事故の多発地区・路線を自転車指導啓発重点地区・路線と定め、同地区・路線中心に自転車利用者に対する指導、警告を行うとともに、悪質、危険な交通違反に対しては検挙措置を講じるなど、厳正に対処しております。その結果、令和二年中の自転車の違反検挙件数は前年比二千六百六件増の二万五千四百六十五件でございまして、違反態様別では、信号無視が一万四千三百四十四件、遮断踏切立入りが六千五件、一時不停止が千八百四件などとなっております。  啓発とか教育についてのお尋ねでございますけれども、自転車の関連事故件数は近年減少傾向となっておりまして、令和二年中の件数は前年比で一五・九%減少の約六万八千件でございますけれども、自転車が関連する死亡・重傷事故の約七割は自転車側に法令違反が認められております。  このため、警察としては、関係機関、団体連携しつつ、全国交通安全運動や自転車月間などの様々な機会を通じ、自転車利用者に対しまして、リーフレットなどを活用した街頭における広報啓発活動、シミュレーターなどの活用や模擬コースにおける実技指導などによる参加、体験、実践型の交通安全教育などを実施しているところでございます。  今後とも、これらの諸対策を着実に推進することにより交通ルールやマナーの周知を図り、自転車の安全利用を促進してまいります。
  46. 熊谷裕人

    ○熊谷裕人君 ありがとうございます。  取締りをしていただくということもいいんですけど、やはりこういう交通ルールというか交通法令があって、自転車もこれに従わなきゃいけないんだよということがやはり普及啓発をしていかなければいけないんじゃないのかなというふうに思っております。  私も、車を運転していて、一時停止側の方から自転車が一時停止しないで出てくるというところが一番冷やっとするんですよ。だから、こういうところは、自転車でもやっぱり一時停止は必ず止まるというようなことをどこかで教育をしていかなければいけないんではないのかなというふうに思っておりますので、警察の皆さんの方でも御努力をいただければと思っております。  それに関連して、やはり学校でも自転車のルールと乗り方について教育を進めていかなければいけないんではないのかなというふうに思っております。小学校では自転車で通勤している生徒さんはいないと思いますが、中学や高校ではやはり自転車で通学をしている生徒さん、もう増えてくるものと思っております。  そこで、小中学校で自転車の運転ルールの教育についてどんな取組がなされているのか。先ほどから例に出しておりますけれど、自転車に関する条例で、自治体として学校に自転車の交通ルールの普及について義務化をしているようなところもあると思いますけれど、そんな条例を制定をしてそういうことをやっている自治体も含めて、全国自治体というか学校でどのような自転車運転ルールの教育が行われているか、お聞かせいただければと思います。
  47. 高口努

    政府参考人(高口努君) お答えいたします。  文部科学省では、学校における交通安全教育が効果的に行われるよう、学校安全資料「「生きる力」をはぐくむ学校での安全教育」を全国の学校等に配付し、安全指導の目標、内容等も明示して、その充実を図っているところでございます。  この学校安全資料を踏まえまして、自転車に関する交通安全教育については、自転車の安全な利用、点検や整備について理解を深め、交通ルール、約束等を守って安全な乗車ができるようになるよう、児童生徒等の発達段階を考慮し、保健体育、特別活動はもとより、学校教育全体を通じて指導が行われているところでございます。先ほど議員から御指摘のございましたヘルメットの着用とその効果ということにつきましても、この学校安全資料の内容に取り上げられているところでございます。  今後とも、関係省庁連携しながら、児童生徒等に対する交通マナーの向上を含む交通安全教育の一層の充実について取り組んでまいります。
  48. 熊谷裕人

    ○熊谷裕人君 ありがとうございます。是非よろしくお願いいたします。  次に、高校におきます三ない運動というのが盛んだったんですけれど、それについては、文科省の方、分かるというか、質問して御答弁いただけるような状況でしょうか。
  49. 高口努

    政府参考人(高口努君) お答えいたします。  今議員から御指摘のございましたいわゆる三ない運動でございますけれども、昭和五十七年の全国高等学校PTA連合会においてその決議が採択されたものでございますけれども、社会情勢等の変化に鑑み、同連合会としても、平成二十九年八月の全国大会において、全国展開として取り組むことは取りやめたものと承知をしております。  この各都道府県教育委員会の方針につきまして、文部科学省におきまして、令和二年二月に聞き取りを行いました。そういたしましたら、三ない運動を継続していると回答したのは七自治体というふうに承知をしております。  高校生の交通安全教育については、二輪車、自動車の特性、交通事故の防止等について指導することとしているところでございまして、今後とも、安全運転に関する意識の向上及び実技指導等を含む実践的な交通安全教育の充実を図ってまいりたいというふうに考えてございます。
  50. 熊谷裕人

    ○熊谷裕人君 ありがとうございます。  今、三ない運動って分からない方もいらっしゃるかと思うんですが、実は、かつて、暴走族対策だったりですとか原付バイクに乗って事故死をするような高校生が多かったので、今御答弁にあったように、全国のPTA連合会の方で、高校生にバイクの免許を取らせない、それから買わない、乗らないだったかな、それで三ない運動ということで、免許も取らせないというようなことが全国的に行われておりました。  私も、実は昭和五十三年の四月十日に、十六歳で、私は三月二十三日誕生日なので、誕生日過ぎて十六歳になってすぐ、実はバイクの免許を取りました。というのは、埼玉県では駄目だったんですけれど、東京の私立の高校は大丈夫だったので取らせていただいて、取っただけで乗りませんでした。十八になって自動車の運転免許を取りましたが。  実は、私の息子が高校、県立高校に入学するときに誓約書を書かされたんです。入学するに当たって、息子さんに免許を取らせないと保護者としてサインをしろというような誓約書がありまして、これはいかがなものかなと、サインをやめようと、私のポリシーでもあって、やはり免許がきちんと取れる年齢に達したら免許を取って、交通のルールというものをしっかり頭に入れれば自転車のそういうことも、事故もなくなるしルールも徹底をされると思っていたので、息子にも十六になったら取らせようと思ったんですけど、実は、埼玉県の県立高校は、今大学四年生の息子が高校を卒業するときは取らせちゃいけないという三ない運動がまだ続いておりまして、誓約書を書かされました。  先ほど七自治体がいまだに残っているというような話でございましたけれど、誓約書を書かせるということについて文科省として何か所見がありましたらお聞かせいただきたいと思います。
  51. 高口努

    政府参考人(高口努君) お答えいたします。  文部科学省といたしましては、この三ない運動に関しましては特に推奨ということも否定ということもいたしていないところでございまして、校則等でオートバイ乗車等を許可するか否かにつきましては、通学に係る諸条件などを考慮しつつ、教育委員会や各学校が各PTAとも協議しながら実情に応じて判断するものというふうに考えているところでございます。
  52. 熊谷裕人

    ○熊谷裕人君 全国で七自治体になったので、そのうち全部の自治体でこの三ない運動も終息をされるのかなというふうに思っております。できれば、私の方は三ない運動早くなくなっていただきたいなというふうに思っております。  警察庁と文科省については、質問これまででございますので、御退席をいただいて結構でございます。
  53. 江崎孝

    委員長江崎孝君) 新田審議官、高口審議官、退出されて結構でございます。
  54. 熊谷裕人

    ○熊谷裕人君 委員長、ありがとうございました。  続きまして、自転車を観光のツールとして使っていただきたいなというふうに私は思っております。  昨年暮れの日経新聞、日経のオンラインなんですけれど、つくばの霞ケ浦りんりんロードを国がナショナルサイクルルートに指定をしていただいたというのを契機に、鹿島臨海鉄道さんがサイクルトレインの実証実験を行っているという記事がありました。  そのほかに、千葉だとか北海道だとか、いろんなところでこのサイクルトレインの実験というかが行われているなというふうに思っておりますが、全国で観光ツールとして自転車を使おうということでそのサイクルトレインが行われているような状況をつかんでおりましたらお聞かせいただければと思います。
  55. 上原淳

    政府参考人(上原淳君) お答えいたします。  自転車の分解等を行わずにそのまま列車内に自転車を持ち込むことができますサイクルトレインは、おっしゃるとおり、自転車を利用する地域住民のみならず、サイクリングを楽しむ地域外からの訪問者の双方にとって有用であると考えております。  昨年度は、全国で四十八の鉄道事業者百五路線におきましてこのサイクルトレインが運行されております。委員指摘のとおり、例えば、JR東日本のB・B・BASE、房総バイシクルベースのように、サイクルトレインの専用車両で房総半島を周遊する、そうした運行を行う企画など、サイクルツーリズムの推進にも寄与しているものと承知をいたしております。  このサイクルトレインでございますが、私どもの調査によりますと、この百五路線のうち四十四路線は、イベントに合わせたそうした臨時運行になっております。また、二十五路線につきましては、一部の期間、時間帯、曜日、そうした状況で持込みを可能にしているというものでございます。常時全区間持込み可能なものは四路線ということになっております。  その意味でいいますと、基本的には、こうしたイベント、観光の企画に対応しながらサイクルトレインが運用されているものと認識しております。
  56. 熊谷裕人

    ○熊谷裕人君 ありがとうございます。  観光、サイクルツーリズムで、ファンというか利用する人もかなり増えていると思いますので、是非これも後押しをしていただきたいなと思います。  同じく、サイクルバスというのも、やはり実証実験もありますし、いろんなバス会社さんの方でこのサイクルツーリズムを観光に利用しようということで、バスの活用、サイクルバスの活用というのも行われておりますが、列車とバスを使って、私は、このサイクルツーリズムをもっと活性化をするために、是非もっともっと活用というか、観光という面で力を入れていただきたいなというふうに思っておるんですが、いま一度、サイクルトレインとサイクルバスというところを含めて、サイクルツーリズムに対する国の取組状況についてお聞かせをいただければと思います。
  57. 上原淳

    政府参考人(上原淳君) サイクルトレインについて御報告をいたします。  サイクルトレインの実施状況につきましては、優良な取組事例などについて各鉄道事業者に広く展開を図り、その実施に向けた……
  58. 江崎孝

    委員長江崎孝君) 局長、サイクルバスに対する質問ですよ。
  59. 上原淳

    政府参考人(上原淳君) サイクルトレインとサイクルバスと、一つずつということだと思います。済みません。  サイクルトレインにつきまして、その実施に向けた検討を促すほか、観光振興事業費補助金を活用いたしましてサイクルトレインの車両の導入、改良への支援を行うなど、サイクルトレインの一層の普及促進に向けた取組を行っているところでございます。
  60. 秡川直也

    政府参考人(秡川直也君) サイクルバスですけれども、サイクルトレインと同様に、観光振興とかバス利用の増加という観点で非常に重要だと考えております。  国交省では、平成三十年度以降、そのサイクルバスの導入に係る費用について、観光ニーズへの対応とか訪日外国人の受入れ環境整備という観点で支援をさせていただいております。  今後とも、サイクルバスの活用に向けて、業界団体とも連携しながら、必要な支援を進めてまいりたいと考えております。
  61. 熊谷裕人

    ○熊谷裕人君 ありがとうございます。済みません、それぞれ是非私は大いに活用いただきたいなというふうに思っております。  続いて、ナショナルサイクリングロードの認定についてです。  今、第一弾として、霞ケ浦、琵琶湖、しまなみといったところが前回もロードとして認定をされているというふうに聞きました。私も、しまなみ海道のルートについては、是非、前に視察に行ったことがあって、プライベートでも行ってみたいなというふうに思うようなところでありました。  今、このナショナルサイクリングロードの第二弾がどうなるのかというのが、それを活用しようとしている自治体の興味というか関心の度合いが高くなっているところでございます。ナショナルサイクリングロードの第二弾の決定はいつ頃になるのかというようなところのお話を聞かせていただければと思います。
  62. 吉岡幹夫

    政府参考人(吉岡幹夫君) お答え申し上げます。  日本を代表し、世界に誇り得るサイクリングロードとして、お話ありましたとおり、令和元年十一月に、つくば霞ケ浦りんりんロード、それからビワイチ、しまなみ海道サイクリングロードの三ルートをナショナルサイクルルートとして指定しました。  また、今年の一月には、新たな候補として、トカプチ四〇〇、これ北海道でございます。それから、太平洋岸自転車道、千葉から和歌山まででございます。それから、富山湾岸サイクリングコースの三ルートを選定したところでございまして、現在、有識者において審査を行っていただいている状況でございまして、その結果を踏まえて早急に指定していきたいというふうに考えているところでございます。
  63. 熊谷裕人

    ○熊谷裕人君 ありがとうございます。  指定を待っているというか指定をしてほしいなという自治体、結構あるんだと思います。是非、観光面でも期待をされておりますので、慎重な審査の上で、早期の決定をお願いしたいと思います。  自転車の政策についての最後でございますが、私も、観光ツールとしての自転車、サイクルツーリズムとしての大きな可能性も感じておりますし、国内にも多くの自転車ファンというか利用者、観光に使おうというような方もたくさんいらっしゃると思いますし、海外からも自転車で日本のそういうナショナルサイクリングロードを走ってみたいという方もたくさんいらっしゃると思います。  そして、日常の足としても自転車の利用の可能性というのが広がっている中で、この観光ツールとしてサイクルツーリズムについてのお考え、前回の質問でも、大臣にも御理解をいただいているという答弁をいただきましたけれど、サイクルツーリズムについての大臣のお考え、そしてまた、生活の足としての自転車という面も考えて、自転車政策全体をどのように今後推進をしていくのか、大臣のお考えをお聞かせをいただければと思います。
  64. 赤羽一嘉

    国務大臣赤羽一嘉君) 十年前の東日本大震災の直後に、東京都を中心とした大都市では帰宅困難な状況が出たりして、随分自転車を通勤に使われている方が増えているというふうに実感をしております。都内の駐輪場も随分増えているというふうな現象もあると思います。  また、昨年来のコロナ禍で、やはりアウトドアという形で、健康ということで、そうした面もバックアップされているのではないかというふうに思うわけでございます。  また、観光につきましても、私も、立場上様々な全国の観光地に足を運ぶと、やっぱりサイクリストが大変増えているというのは実感をしておりますし、加えて、それを受け入れる側も、サイクルロード、サイクリングロードの整備のみならず、駅という駅では結構シェアサイクルが随分増えているなというのも、もうこれ明らかになっているというふうに思っております。  自転車で観光地を巡っていただくというのは、車での移動ではない、やはり目線も一緒で、地域の皆さんとの交流もあるでしょうし、大変観光的にもすばらしいのではないかというふうに考えているところでございますので、しっかりとサイクリングを柱の一つにした観光政策というのをしっかり進めていきたいと、こう思っておるところでございます。  先ほど御質問ありましたナショナルサイクルルート、一昨年の十一月に三つのロードを指定させていただきましたが、これ、実は大変評判が良くて、全国から手が挙がっております。まさに、費用対効果でいうと非常にコスパが大変いい政策でありますので、どんどん出したいんですが、余り出し過ぎても希少価値がなくなるというようなところもあってなかなか難しいんですが、地方創生という意味で大変地方が望まれている手段でもありますので、しっかり有効に進めていきたいと。  他方で、やはり都内、特に自転車を利用されている方が増えていることによって、冒頭御指摘もありましたが、安全性についての懸念というのも出ておりますので、そうしたことにはしっかりと警察庁と連携を取りながら対策を取っていこうと、こう思っております。
  65. 熊谷裕人

    ○熊谷裕人君 ありがとうございます。  ツール・ド・東北なんという自転車のレースもあって、東北の海岸線をずっと走ってみようなんということもあります。東北の復興ということもありますので、是非、今挙がっていないようでございますが、東北の海沿いのナショナルルートみたいなのが手を挙げてきましたら、お考えをいただければ有り難いなというふうに思っております。  続きまして、住宅政策について幾つかお尋ねをさせていただきたいと思っております。  まず、空き家への対応というのを前回も質問させていただきましたが、今日はその中で、もうちょっと時間が、いっぱいあると思ったんですけどなくなってまいりましたので、幾つかピックアップして質問させていただきたいと思いますが、公共事業への影響がある事例もあるんではないかなというふうに思っております。  所有者の不明の土地や建物があったり、それから、相続が行われたんですけど権利関係が複雑で放置をされて廃屋化をしたような住宅というのが点々と見受けられるようになってまいりました。そういったところでごみが捨てられてしまったりとか雑草が生えてしまったりとか家屋が崩れてしまったりとかいうようなこともあって、住環境への影響だったり、公共事業、特に道路の拡幅なんかで、廃屋があって権利関係が複雑でなかなかそこが整理付かなくて拡幅ができないような事例もあるんではないのかなというふうに思っております。  そのような空き家にどのようにして対応していくのか、地方自治体への助言等、国としての考えられることがありましたらお聞かせをいただければと思います。
  66. 和田信貴

    政府参考人和田信貴君) おっしゃるように、空き家対策の推進というのは全国において重要な政策課題だと認識しておりますし、特に、いわゆる廃屋等のその地域住民生活環境に深刻な悪影響を及ぼしている空き家、これへの対応というのは喫緊の課題だと思っております。  このような空き家の除却等につきましては、まずは空き家法に基づいて、市町村において、そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある空き家の所有者等に助言、指導、あるいは代執行等の措置を講ずることができるようになっております。  国交省としましても、空き家の除却等に要する経費、これに対して補助等を行っておりますし、また、市町村が空き家対策を適切に実施できるよう、空き家法に基づく措置の対象となる空き家の判断基準あるいはその措置内容等に係るガイドラインを策定して市町村支援してございます。
  67. 熊谷裕人

    ○熊谷裕人君 ありがとうございます。  空き家をやはりそういうふうに悪影響を及ぼすようなまま放置するんではなくて、やはり利活用していかなければいけないんではないのかなというふうに思っております。  空き家バンクを全国的に、全国版の空き家バンクもつくっていただいていると思うんですが、現状、これ十二月にも質問させていただいているんですけれど、登録は増えたのかどうかを御確認をさせていただきたいと思います。やはり廃屋化させないためにバンクの利用というのをもっともっと増やしていかなければいけないのではないのかなというふうに思っておりますが、現状どうなっていますでしょうか。
  68. 青木由行

    政府参考人青木由行君) お答え申し上げます。  今御指摘ございました、私ども国土交通省で、各自治体が進めておりました空き家バンクを一括して情報検索ができる仕組みとして、全国版空き家空き地バンク、構築してございます。  これにつきましては、昨年十二月にも御答弁申し上げたところなんですが、参加自治体数で申し上げますと七百六十三自治体ということで、三十四自治体増えました。また、成約件数を申し上げますと、累計が六千件だったのが七千件ということで千件増えてございまして、成約件数のトレンドを見ますと、月平均で見ますと、昨年度と比べますと約四〇%の増加というふうになってございまして、空き家、空き地へのニーズとニーズの関心が高まっているものというふうに私ども思っております。ああ、失礼しました、最初に申し上げた現在の参加自治体数は七百九十七自治体です。ちょっと修正させてください。失礼いたしました。  国土交通省といたしましても、この空き家バンクの一層の利用促進図りますために、まだつくっていない自治体に対して構築、運用のガイドラインの策定、それから、特にコロナ禍で、空き家の有効活用としてテレワークとかサテライトオフィス、こういった活用も進んでございますので、こういった事例を収集、周知する、こんな取組も進めてまいりたいというふうに思ってございます。  以上でございます。
  69. 熊谷裕人

    ○熊谷裕人君 ありがとうございます。  先ほど、岡田先生質問にも地域移住の話がございました。私も、この地域移住にこの空き家でしたり、既存住宅でも優良既存住宅というものがこの地域移住に物すごくいいツールになるんではないのかなというふうに思っております。既存住宅、優良な既存住宅や空きの事務所を使ってリノベーションをしていただいてテレワーク拠点としたりですとか、それからワーケーション、一度ワーケーションは観光なんだという答弁が本会議でもあったように記憶はしておりますが、ワーケーションを観光ということよりか地方移住への手前段階のステップとして捉えていただいて、地方への本格的な移住だとか、先ほど岡田先生議論にもありました二地域居住につなげるところにこの既存住宅をリノベーションして使って、テレワークセンターで一度そこで仕事をしていただき、そして、ワーケーションでそこを拠点として仕事をし観光をするということを経験をして、ああ、その場がいいなといって地方移住につなげるというようないいステップアップというのは、私は新しいライフスタイルに対応した取組であるんではないのかなというふうに思っておりますが、この点についていかがお考えか、国交省のお考えをお聞かせいただければと思います。
  70. 和田信貴

    政府参考人和田信貴君) 委員指摘のとおり、地方移住、あるいは関係人口政府で呼んでいますが、この創出、これらは政府全体の重要な課題であって、内閣官房を中心に、国交省を含めて各府省が連携して施策推進してございます。  この中で、先ほどおっしゃられた例えばワーケーション、こういったものは一つ地方へ住んでみようということの大きなきっかけになり得るものだと思ってございますし、また、国交省としましても、公共団体がワーケーションのための宿泊施設や、あるいはテレワーク用の仕事場あるいは拠点として空き家を改修する場合には支援制度を設けておりまして、公共団体取組を後押ししているところでございます。  今後とも、公共団体からの御相談に丁寧に応じながら、このような地方公共団体取組をしっかりとサポートしてまいりたいと考えております。
  71. 熊谷裕人

    ○熊谷裕人君 ありがとうございます。  町中の中心市街地の空き家でしたり空きの事務所というのは、私はコンパクトシティーにもつながってくるのではないのかなというふうに思っております。郊外に住んでという方もいらっしゃるので、郊外の既存住宅を活用というところも確かにあると思います。そして、コンパクトシティー、これから人口減少に対応していくのにはコンパクトにいろいろと町の機能を集約するということも必要だと思っていますので、本当は市域を分断をしたくはないんですけれど、柔軟な、町中と郊外で生活する人のライフスタイルに合わせるというような柔軟な対応が必要なのではないのかなと思っております。  そして、これから高齢化が進んでくると、町の中に住んでいても郊外に住んでいても、生活の足というところがしっかりと支援をしていかなければいけないのではないのかなというふうに思っております。これまで、生活の足というと、国交省として、どちらかというと交通不便地域をなくしていく、解消していくために新しくバス路線を引くとか、いろいろな手段で足を確保していくということがあったんですが、これから、福祉的な面もかなり考えていかないといけないんだというふうに思っております。  交通政策基本法の中でオンデマンドの地域交通というところにも力を入れていくというふうに書かれておりますが、このオンデマンドの地域交通、各自治体でも様々な取組が行われていますけど、やはり財政面で結構ネックになっているのではないのかなというふうに思っております。地域の皆さんの生活の足の確保という面で、自治体への支援策について国交省としてどんなメニューがあるか、お聞かせをいただければと思います。
  72. 久保田雅晴

    政府参考人久保田雅晴君) お答え申し上げます。  現在、地域公共交通は、多くの地域人口減少の本格化や昨今の新型コロナウイルス感染症の拡大による影響に伴いまして、バスを始めとする公共交通サービスの需要の縮小、それに伴う経営の悪化、また、運転者不足の深刻化など厳しい状況に直面してございます。他方、高齢者の運転免許の返納が年々増加し、受皿としての地域における移動手段を確保することがますます重要な課題になっていることと認識してございます。  このため、国土交通省におきましては、地域公共交通確保維持改善事業の一環として、地域地域を結ぶ幹線バス交通、地域内のコミュニティーバスや委員指摘のデマンド交通につきまして運行費に対する補助を行い、地域における移動手段の確保を図っているところでございます。  加えまして、昨年改正をいただきました地域公共交通活性化再生法におきまして、路線バスの維持が困難となった場合に、市町村等が関係者と協議し、地域の実情に応じてデマンド交通などを導入し、運送サービスを継続しやすくする制度も創設したところでございます。  今後も、これらの制度を幅広く活用いただき、必要な支援を行い、デマンド交通を始め地域住民の移動手段の確保が図られますよう、しっかりと取り組んでまいりたいと考えてございます。
  73. 熊谷裕人

    ○熊谷裕人君 ありがとうございます。  次に、ちょっと時間がなくなってしまったので、公契約の関係でちょっと質問をさせていただきたいと思います。  国交省の直轄公共工事についてどのような契約というか入札がされているのか、一般競争入札の数でしたり、そのうちの総合評価方式の数、指名競争入札の数や随意契約の数等が分かれば、全体数で構いませんのでお聞かせをいただければと思います。
  74. 東川直正

    政府参考人(東川直正君) お答え申し上げます。  国土交通省の直轄工事でございますけれども、各地方整備局等で発注しておりますけれども、道路、河川、公園などの事業におきまして、令和元年度に契約又は変更契約を行った工事が約八千件ございます。これらの工事の入札方法につきましては、一般競争入札が約九二%、指名競争入札が約三%、随意契約が約四%となっているところでございます。  指名競争入札や随意契約は、主に災害時など緊急性を要する場合や一般競争入札を行っても応札者が集まらず入札不調が生じた場合などに適用しているところでございます。また、この一般競争入札につきましては、全体で九二%あると申し上げましたけれども、そのほとんどが総合評価方式ということでございまして、また、指名競争入札につきましても総合評価方式で約七割を実施しているところでございます。その他につきましては価格のみの競争としているところでございます。
  75. 熊谷裕人

    ○熊谷裕人君 ありがとうございます。  総合評価方式、品確法に基づいてこれ多くなってきたんだと思います。確かに、公共工事の質を確保するということで、品確法、必要な面もありますけれど、どうも、何というのか、恣意的な運用がされている面もあったりするんではないかなと私個人的に思っておりまして、品確法を作ってから結構たっております。私が現役の政策秘書だった時代に作られた法律なので、私もその制定過程よく分かっておりますけれど、地方自治体の議員をやっていて、いかがなものかなという事例も見受けられるようになったので、この入札についてもう一度、その品確法を含めて精査をする必要があるのではないかなという気持ちでこの質問をさせていただいております。  契約変更の件を聞きたかったんですが、これについては、なかなか、契約変更についてどれくらい、契約変更でも、最初の事業の予定価格を契約変更をして上回ってしまったというような工事の事例がどれくらいあるのかというのを聞こうかなと思ったんですが、それはなかなか難しい、把握をするのが難しいということだったので特に質問はしませんが。  この問題意識として、これから、次に質問しますけれど、入札をしました、入札の状況は応札者が割と低い応札の状況でした、契約変更が何回も行われて最終的には倍の価格でしたみたいな事業が結構あるんではないのかなと思っておりまして、この契約変更についてどこかで分かるのかなと思ったら、ホームページとか何かには公開をされていないんです。整備局に行って閲覧をしないと分からないというような状況で、外部のチェックが目に届きにくくなっているんではないかなというふうに思っておりますが、その公共入札、契約についての外部チェックになかなか目に届きにくいと私は思っていますが、国交省としてその点どう考えておるか、お聞かせください。
  76. 東川直正

    政府参考人(東川直正君) お答え申し上げます。  御指摘のとおり、公共工事の入札及び契約の過程並びに契約の内容に関する情報を公表するということは、透明性をより一層向上させる観点から重要な観点だというふうに認識しているところでございます。  国土交通省の工事におきましては、例えば一般競争入札、ほとんどがそうでございますけれども、落札者が決定した後に、工事契約ごとにインターネットにおいて予定価格、工事設計書、調査基準価格、落札者名、落札金額などを公表しておりまして、これを公表しているところでございますけれども、御指摘のとおり、この公表している情報がある中で、閲覧をしているというものもございまして、それは、閲覧が多いものからインターネットに載せるということをこれまでしてきているところでございまして、御指摘の契約変更の内容等については、公表はしているもののまだインターネット等には載せていない状況というのが状況でございます。  御指摘いただいた契約変更の内容のインターネット等の公表などにつきましては、問題として、事務負担とか、あと費用の増加なども少し考えられるところでございますけれども、今日御意見として承ったと承知しております。
  77. 熊谷裕人

    ○熊谷裕人君 是非公表していただきたいと思います。  私、質問を用意するので一生懸命調べたんですけど分からないというような状況で、地方議会だったら、契約変更するときも議案になって、議会の承認を受けないと変更できないんですよ。そういう外部チェックが必ず入るようになっていますが国の方はなっていないというところが、これから質問するNEXCO中日本の耐震の偽装の入札にもつながっているんではないのかなというふうに思っています。  前回の青木理事の質問で、大臣の方から、中日本がしっかり調べて、それを外部の委員会でしっかりチェックしてもらうんだということで調査が進んでいます。三回終わって、中間とりまとめが出ておりました。ホームページにありましたので読ませていただいておりますが、余りにもひどい。不良が分かって調べたからよかったものの、内容が余りにもずさんで、委員会でも、もう本当にこんな状況でいいのかというような感じになっています。ほかの外部からの関与も、圧力などもあったかも含めて検証するというような、物すごく厳しい調査の中間報告になっております。  第四回の委員会もつい先日行われたようでございますが、是非、国交省としても、中日本に任せるだけではなくて、しっかりとこの調査委員会の報告を履行させるようにしていただきたいのと、よもや同じようなことが国交省の直轄事業で行われているとは思いませんが、自らのところもしっかりとこの指摘と同じようなところを再チェックをするべきだというふうに思っておりますが、国交省、何かお考えがありましたらお聞かせください。
  78. 東川直正

    政府参考人(東川直正君) 契約変更のところでございますけれども、こういった契約の当初契約の事務あるいは契約変更、これは各発注者が法令に基づいてきちんとするというのが原則だというふうに思っております。  この我々の価格については、最新の単価や積算基準に基づいて積算を行う、また適切な予定価格を設定すると、そういったこととともに、変更については、各地方整備局で恣意的にならないように、設計変更ガイドラインというのを定めまして対応してきているところでございます。  また、設計変更に当たっては、恣意性を各担当が排除するために、数量精査などの軽微な変更などを除きまして、直轄工事においては、発注者側で事務所の副所長や課長など複数名、また受注者側の現場代理人などの複数名、そういったところで双方参加して設計変更審査会というものを設けまして、そこで妥当性を確認しているところでございます。  さらに、金額が大きいものについては、事務所で変更するわけでございますけれども、きちんと整備局の方に上げてチェックをしているというような体制を取って対応してきているところでございます。  また、総合評価の入札のときの恣意性についても、これまでの経験から、審査するときには業者名をマスキングして審査する、あるいは価格を決めている、積算する部局と総合評価で技術を評価する部局を分けるとか、そういった対応をして、恣意性をなくなるようにして対応してきているところでございます。  以上でございます。
  79. 熊谷裕人

    ○熊谷裕人君 この件については引き続き議論したいと思います。  質問を終わります。ありがとうございました。
  80. 江崎孝

    委員長江崎孝君) 午後一時三十分に再開することとし、休憩をいたします。    午後零時八分休憩      ─────・─────    午後一時三十分開会
  81. 江崎孝

    委員長江崎孝君) ただいまから国土交通委員会を再開をいたします。  休憩前に引き続き、国土整備交通政策推進等に関する調査を議題とし、国土交通行政等基本施策に関する件について質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  82. 竹内真二

    ○竹内真二君 公明党の竹内真二です。質問機会をいただきましたことに、まず感謝申し上げます。  初めに、昨年十二月一日の当委員会でも質問をさせていただきました駅ホームの安全対策についてお伺いいたします。  昨年十一月二十九日に東京メトロ東西線東陽町駅で起きた転落死亡事故は、ホームドアの本体部分が設置済みではありましたが、まだ稼働していなかったために事故につながりました。事故発生の翌日には、赤羽大臣から東京メトロに対して、稼働の前倒しと稼働するまでの人員増員といった具体的な安全対策も指示をしていただきました。その結果、元々今年二月下旬の稼働予定ではありましたが、一月三十日に前倒しで稼働されました。警備員の増員も行われ、駅の利用者からも喜びの声が上がっていると、このように聞いております。  この東陽町駅での事故のように、ホームドアの本体部分のみが設置された状態での転落事故をどう防ぐのか、これがまた新たな課題となっております。稼働までには、電気系統の配線工事あるいはセンサーなどの調整を終電から始発の短い時間帯で行わざるを得ず、月単位の時間が掛かってしまうというのが現状のようです。  東陽町駅のような痛ましい事故を二度と起こさない、そのためにも、ホームドアの本体のみ設置された状態から稼働までの間は視覚障害者の方々の安全対策を特に強化をすべきだと考えますが、国土交通省の見解をお聞かせください。
  83. 上原淳

    政府参考人(上原淳君) お答えいたします。  昨年十一月に、東京メトロ東陽町駅で視覚障害者の方がホームから転落し亡くなる痛ましい事故発生いたしました。亡くなられた方の御冥福をお祈りするとともに、御遺族の皆様にお悔やみを申し上げます。  通常のホームドアの設置工事では、委員指摘のとおり、本体設備を設置した後に配線工事やセンサーの調整等を列車が運行していない深夜の時間帯に行うため、ドアが開放された状態となる期間が生じます。このため、各鉄道事業者では、本体設備設置後、ホームドアが起動するまでの間に、ホームには警備員を配備して安全確保を行うことが一般的となっております。事故発生いたしました東陽町駅におきましても、配備されていた警備員が当該旅客の転落に気付いて直ちに非常停止ボタンを押しましたが、間に合いませんでございました。  大臣の指示を受けまして、東京メトロでは、各改札口に警備員を増員するとともに、人感センサーで自動的に発声する音声案内装置を設置し、人が通過するたびに、ホームドア設置工事中です、ホームドアが開いたままになっていますので御注意くださいという音声を流しました。また、御指摘のとおり、工程の見直しによってホームドアの供用開始時期を三週間早め、一月三十日より供用を開始しております。  国土交通省では、本件事故につきまして全国鉄道事業者に直ちに周知をし、同様の事故発生しないように注意喚起をしたところでございますが、今後とも、視覚障害者の方の同様の事故防止策の検討を進めてまいりたいと考えております。
  84. 竹内真二

    ○竹内真二君 ありがとうございます。  一般の利用客の方も、結構、駅のホームでまだ稼働していないホームドアを見ることがあると思うんです。ただ、視覚障害者の方々にとっては、そのまだ稼働していない状態のホームドアというものが大変リスクの高いものであるということは余り気付かれないと思うんですね。ですから、そういうことに対しての周知というものも私は必要だと思います。  そして、春のダイヤ改正で終電の繰上げも行われておりますので、本体の設置から稼働までの工事期間、少しではありますけれども、この工事期間、工事をする時間も延びますので、できるだけこの開いたままの状態のホームドアというものを少なくする、短縮する、こういうことも是非ともよろしくお願いしたいと思います。  次に、ホームドアのない駅での安全対策としては、それぞれの鉄道会社がITやAIを使った新技術の導入を実証実験等という形で進めております。安全対策として有効な技術やそういう機器というものはできるだけ幅広い普及を促すべきだと思いますが、国交省の見解をお伺いいたします。
  85. 上原淳

    政府参考人(上原淳君) お答えいたします。  委員指摘のとおり、現在、例えばホームの端を歩行している視覚障害者の方をAI機能を持ったカメラで検知をいたしまして音声で注意喚起するシステムや、あるいは警告ブロックにQRコードを貼り付けまして、スマホで読み取ることを、歩行を支援するシステムなど、幾つもの新しい技術を活用した対策が検討されているところでございます。  駅ホームにおける視覚障害者の安全対策を議論する検討会を現在開いております。新技術等を活用した駅ホームにおける視覚障害者の安全対策検討会と申しますが、こちらにおきましては、こうした新技術を活用した転落防止策につきましてヒアリング等を行っております。  例えば、視覚障害者の団体委員の方からは、ホーム端を歩く視覚障害者に対して音声で注意喚起を行う場合は、対象者を特定しやすい具体的なメッセージとすべき、例えば、白杖をお持ちの方であるとかあるいは盲導犬をお連れの方など、また、AIで視覚障害者の方を検知する対象物、検知する場合の対象物につきましては、白杖だけでなく盲導犬も加えてほしいであるとか、あるいは先ほど申し上げましたスマホを用いたそうしたナビゲーションシステムにつきましては、歩きスマホのような利用に見られないようなこととか、そうしたいろいろな御意見をいただいているところでございます。  私どもとしましては、この検討会を通じまして視覚障害者の方々の意向を十分に踏まえて、様々な工夫、対策を検討していきたいというふうに考えております。
  86. 竹内真二

    ○竹内真二君 今、検討会での幾つかのお話をしていただきましたけれども、まさに私も、この検討会等で今議論されておりますこの新しい新技術なんですけれども、今御答弁にもありましたけれども、本当に、ホーム上にカメラがあって、そしてそれをAI等を使って白杖や盲導犬というものを検知する、それは学習が必要なんでしょうけれども、そうしたものを実用化していけば、実は東陽町の駅もそうだったんですけれども、地下鉄で、地下鉄に乗るために改札口のある階から階段を降りていきます。そうすると、すぐもう階段から降りるとホームなんですね。ただ、ホームドアの本体は設置されていた、だけど、まだ稼働していないのでドアが開いたままになっている、そこから転落してしまうという危険がやっぱりあるわけですね。ですけれども、今言ったような、カメラがあってすぐに検知をして、過って進んでいく場合にはマイクで止まってくださいと、危ないということを言えば防げる可能性が高くなるわけですね。  ですから、実用化すれば大変大きな力になると思いますので、国交省として、今も検討会等で様々御意見をお聞きしながら対応していただいていることは本当に有り難いと思っておりますけれども、更なるバックアップのほど、よろしくお願い申し上げます。  そして、今度ホームドアの方ですけれども、コロナ禍で今は鉄道会社の収益大変悪化しております。ホームドアの整備加速への影響が今懸念される声も出ております。国交省の見解をお伺いいたします。
  87. 上原淳

    政府参考人(上原淳君) お答えいたします。  議員御指摘のとおり、JR及び大手民鉄のほぼ全ての事業者が令和二年度第三・四半期連結決算で経常損失を計上しているなど、新型コロナウイルス感染症拡大影響鉄道事業者の収益が悪化をしているところでございます。一方で、ホームドアの整備は、視覚障害者を始めといたしまして、鉄道利用者の安全確保の観点から非常に重要でございます。次年度以降の新たな整備目標といたしまして、令和七年度までに優先度が高い三千番線を整備することといたしております。  新型コロナウイルス感染症拡大による鉄道事業者への影響に対しましては、国として、鉄道事業者に対して雇用調整助成金の特例措置の活用、国税、地方税の納税猶予の特例など、事業継続に向けた支援を行ってきております。  現在、多くの鉄道事業者からは、厳しい経営環境においても安全投資でございますホームドア整備は着実に進めていくとの方針であると聞いているところでございます。  国土交通省といたしましては、こうした鉄道事業者のホームドア整備に関する環境を整えながら、この施策を進めていきたいと考えております。
  88. 竹内真二

    ○竹内真二君 鉄道会社の方からも着実に整備を進めていくと、こういう環境の中にあってもですね、そういう発言があったということですので、是非ともよろしくお願いしたいと思います。  この問題での最後ですけれども、赤羽大臣、九日の所信表明の中で、視覚障害者の悲惨な転落事故を防止するため、ホームドアの整備を加速するほか、ホームドアのない駅においても新技術等を活用した転落防止対策に取り組んでいくと、このように表明をされております。このまさに二本柱の対策について、赤羽大臣の最後に決意をお聞かせください。
  89. 赤羽一嘉

    国務大臣赤羽一嘉君) 昨年一月から現在まで五件発生をしておりますし、特に、このコロナ禍で、障害者の皆さんにお話聞くと、声掛けとかをしづらい雰囲気になっているので、そういう転落のリスクも結果として高くなってしまっているという、そうしたことをどう防いでいくのかというのは大変重要な課題だというふうに思っております。  また、一つ、私の当初の想像では、白杖をつきながら、何ですか、ホーム際に点字ブロックがあるから、あそこが余りにもホームの端過ぎるのではないかというふうに想像していたんですけど、ある一件の転落のビデオを見させていただいたときには、全くそういうケースではなくて、鉄道が入ってきたものと勘違いをして、まさにこの東陽町のところですけど、普通の健常者のような形でさっさっと走って飛び込んでしまったというようなケースもあって、様々なことを想定しながら対策を取らなければいけないと、これは本当に喫緊の最重要の課題一つだと。  一つは、まさにホームドアの整備を進めていくということで、令和三年度以降の五年間で番線単位で整備を進めることにしまして、その整備ペースも二倍に加速すると、また、予算につきましても、令和二年度は第三次補正予算も含めて対前年度比一・七倍の約五十五億円の国費も確保しているところでございます。また、バリアフリーを幅広く展開してほしいという強い要望もありますので、こうした財源についても、利用者負担も含めてちょっと幅広く検討も始めなければいけないのではないかというふうに思っております。  他方で、様々、視覚障害の皆様からもいろいろ御要望をいただいておりまして、ホームドアによらない、今るる御質問もあり回答もさせていただいたような転落防止対策を検討していくと、その検討会も立ち上げをいたしまして、しっかり検討するように指示をしているところでございます。  様々新技術も活用しながら、予算で対応できるところは対応しながらも、それを補完する形で、まさに委員の御指摘のように二本柱でしっかりと進めていきたいと、こう決意をしております。
  90. 竹内真二

    ○竹内真二君 大臣、ありがとうございます。二本柱で力強い、進めていくという御回答をいただきましたので、ありがとうございます。  新技術の方の検討会も年度内には対策がまとめられるとも伺っておりますので、どうかまた引き続きの大臣のリーダーシップの発揮をよろしくお願い申し上げます。  次に、河川の監視体制や情報発信の強化についてお聞きいたします。  先週末十三日は、前線を伴った低気圧の影響で、東日本などではかなり荒れた天気となりました。私の地元千葉県でも、船橋市や我孫子市で二十四時間の降水量が三月の観測史上最大を記録しました。松戸市では、午後四時過ぎに市内を流れる坂川と新坂川で氾濫危険水位を超えました。県北西部では道路の冠水も起きました。豪雨災害の激甚化への備えというのは、もう梅雨や台風シーズンだけではなくて、いつ起きてもおかしくないという状況になっています。そこで、住民へのこの河川に関するリアルタイムの情報提供というものが非常に大事になってくると思いますが、その中でも水位計、そして河川の監視カメラの役割というのはとても大事だと思います。  実は、三年ほど前、私、二〇一八年四月にも当委員会で水位計について質問をいたしました。これは、二〇一七年七月に起きた九州北部豪雨で十四の中小河川で水位計が設置されていなかったこともあって、避難の遅れや被害拡大につながったと言われていたからです。これは、ただ、その理由としては、一基当たりの水位計の整備費が高額、それでなかなか設置できなかったということも当時言われておりました。  それで、低コスト水位計というのがその後進められるわけですけれども、十分ごとの観測データが川の水位が上昇したときだけ送られてきて、リアルタイムの情報が公開されております。水位が上昇していないときは一日に一回だけデータが更新されるというような、そういうような仕組みになっておりますけれども、河川の監視カメラの方も、実は静止画を提供する低コストのものが出ております。  そこでまず、河川の監視カメラと水位計の今の整備状況について説明をお願いいたします。
  91. 井上智夫

    政府参考人(井上智夫君) お答えいたします。  災害の危険が高まった際に市町村長がちゅうちょなく避難指示を発表したり住民が自ら危険性を認識して早めに避難するためには、河川の危険性を分かりやすく伝えることが重要です。  平成二十八年台風十号や平成二十九年七月九州北部豪雨などでは、水位情報などを十分に提供することができていなかった中小河川において大きな人的被害発生しました。一方、中小河川において水位計やカメラを早急に設置し監視体制を充実するためには、機器のコスト低減が課題でした。このため、洪水時の観測に必要な機能に特化することで設置費用を十分の一程度に縮減した水位計や、静止画の撮影に機能を限定し、低コスト化したカメラを新たに民間企業等と連携して開発し、氾濫の危険性が高い箇所への設置を集中的に進めてまいりました。  新たな水位計については、避難を開始するきっかけとして利用いただけるよう、氾濫の危険性が高いにもかかわらずこれまで水位を観測できていなかった中小河川などの約九千か所に平成二十九年度から設置を進めており、今年度末に完了する予定です。  新たなカメラについては、堤防や橋脚との関係で水位上昇の程度や氾濫の切迫性を視覚的により強く認識していただけるよう、これまで状況の監視が十分できていなかった中小河川などの約四千八百か所に平成三十年度から設置を進めており、今年度末に完了する予定です。  これらの水位情報やカメラの画像はウエブサイトなどでリアルタイムに閲覧可能となっており、平時における防災意識の向上や水害時における住民の適切な避難判断に役立てていただけるよう、その周知に努めてまいります。
  92. 竹内真二

    ○竹内真二君 もう時間がなくなってきましたので端的に聞きますが、こういった水位計、それから監視カメラ、大変設置数今もう増えて、ただ、分かりやすくそれを情報提供するということが大事になってくると思うんですが、赤羽大臣、最後、災害の激甚化に備えて、一人一人の住民のニーズに合った防災情報の充実ということの観点から見解をお伺いしたいと思います。
  93. 赤羽一嘉

    国務大臣赤羽一嘉君) これまでは、役所の特性というか、正確なものを出すということで、それがどう理解してもらうかということについては非常に欠けていた部分があると。今委員指摘のように、分かりやすい情報を積極的に提供するということを切り替えていかなければいけないと思っております。  ですから、国交省では、川の防災情報のウエブサイト、住民の避難判断に活用していただくために河川の水位やカメラの画像を提供しておりますが、この分かりやすい工夫もしておりまして、水位の情報では堤防の高さ等を表した河川の断面図の中に表示するですとか、カメラの画像につきましては増水時の画像を平常時と並べて表示するなど、よりリアリティーが伝わりやすいような工夫もしております。  加えて、今、今月末から御利用いただけますが、ウエブサイトで、事前にインターネット上で自宅を登録していただきますと、大雨の際には、ワンクリックしていただければその自宅周辺の水位やカメラ画像に直接アクセスできるようになる、そんな仕組みも今月末から始める予定でございます。  また加えて、一人一人に的確な情報をお届けするという意味では、これは実は民間の企業と組んでおりまして、スマートフォンのアプリを通じて防災情報がプッシュ型で通知できるというサービスも提供しているところでございますので、しっかり周知徹底していきたいと、こう考えております。
  94. 竹内真二

    ○竹内真二君 じゃ、時間が来ましたので終わります。  大臣、ありがとうございました。よろしくお願いします。
  95. 杉久武

    ○杉久武君 公明党の杉久武です。  先週十一日、東日本大震災から十年という大きな節目を迎えました。改めて、震災の影響によって犠牲となられました全ての方々に謹んで哀悼の意を表します。  また、先月、二月の十三日の二十三時過ぎには、福島県沖を震源とするマグニチュード七・三、最大震度六強の強い地震が発生しました。この福島県沖の地震については東日本大震災の余震とのことでありましたが、震源の深さこそ異なるものの、七・三といえば、あの阪神・淡路大震災と同じ規模の地震が起こったのかと、大変驚愕をしたところであります。  幸いにも被害を伴う津波は発生いたしませんでしたが、激しい揺れが広い範囲で観測されまして、私は当時地元大阪におりましたが、大阪でも揺れを感じました。そして、この地震によりまして、福島や宮城など東北地方を始め関東でも広く影響が及び、負傷者は百五十人を超えました。また、福島では死者一名が確認をされております。被災された皆様には改めて心からお見舞いを申し上げます。  くしくも東日本大震災から十年を前にして発生した今回の地震ですが、私たちへの何らかの警告ではないかと、改めて身に感じた次第であります。十年という年月は、ともすると当時の経緯や記憶が薄れ、どうしても防災の意識が低くなってしまいますが、我が国の地震活動はいまだ活発であります。全国的に見ても、先月一か月だけでも震度三以上の地震は福島県沖地震を含め二十五回を数え、昨日未明には和歌山県湯浅町で震度五弱の地震が発生しております。また、本日未明にも茨城県を震源とする地震があったところであります。  東日本大震災から十年という節目を機に、改めて気を引き締めて、被災から立ち上がる全ての皆様の歩みに思いをはせながら、十年前の発災以来我が党が高く掲げてまいりました人間の復興に全力を尽くすことをお誓い申し上げ、質問に移りたいと思います。  まず、気象庁にお伺いをいたします。  先月の福島県沖地震に関して確認をいたしますが、現在、東日本大震災の震源域付近にある約二十一万平方キロメートルの範囲で発生した全ての地震につきましては、震災以降、全て東日本大震災の余震という形で発表しております。しかしながら、余震の中には、東日本大震災に直接の因果関係のない地震も余震としているとの指摘や、また、震源域周辺では別の地震が複数想定されていることから、余震の発表の在り方について見直しを検討している、このような報道もございました。  そこで、気象庁に質問いたします。  まず、余震の定義について確認をしたいと思います。その上で、東日本大震災の余震について、この十年間の有感地震はどれほどあったのか、また、あわせて、大震災の震源域周辺で発生した地震を全ての余震と発表してきた運用の見直しについて気象庁は何らかの検討を行うのか、確認をしたいと思います。
  96. 長谷川直之

    政府参考人長谷川直之君) お答え申し上げます。  気象庁では、ただいま委員からお話ございましたように、東日本大震災を引き起こしました東北地方太平洋沖地震の発生後に地震活動が活発となった領域を余震域といたしまして、この領域で発生した全ての地震を余震としているところでございます。  この十年間における余震の状況でございますけれども、最新のデータで、今年の三月十四日までの間に震度一以上を観測した地震が一万四千七百三十一回発生しているところです。この余震の回数は次第に減ってきておりまして、東北地方太平洋沖地震発生前の平均的な回数に近づいてきております。このため、発生した一つ一つの地震について、この東北地方太平洋沖地震の余震であるかどうかを明確に区別することが難しくなってきております。  また、気象庁が今後も余震であることを呼びかけることで、この地域の地震が減衰しつつある東北地方太平洋沖地震の余震活動にすぎないと受け取られて、地震への警戒が緩んだり防災対応が不十分になったりしていくこともあるのではないかとの懸念も持っているところでございます。  こうしたことから、気象庁では、今後、余震域で規模の大きな地震が発生した際に国民の皆さんにどのように呼びかけるのが防災上効果的であるかということについて検討を行っているところでございます。
  97. 杉久武

    ○杉久武君 ありがとうございます。  実態に即した運用こそ災害に対する的確な対策となり得ると思いますので、見直し自体には賛成でございますので、しっかりと進めていただきたいというふうに思います。  次に、東日本大震災復興に関して質問をしていきたいと思いますが、まず、復興係数の継続についてでございます。  復興係数については、御承知のとおり、被災地における復興関連工事の間接工事費において、積算額と実績額との乖離を補い、不調や不落に対するための補正措置でございますが、復興工事が二一年度以降も続く岩手、宮城、福島の被災三県では、震災の復旧復興事業に加えて、平成二十八年に岩手などを襲った台風十号による災害令和元年の東日本台風による被害復旧工事が重複しており、復旧復興の現場に追い打ちを掛けておりまして、現場からは、復興事業の着実な推進のためにも、施工確保対策としての復興係数などの継続について繰り返し強い訴えがございました。  そこで、昨年の十二月二十日に宮城県で開催された第十一回の復興加速化会議の席上、赤羽大臣から復興係数の継続という力強い御発信がありまして、被災三県のみならず、私も大いに安堵したところでございますが、他方、そうした特例措置が正しく目的にかなっているのか、被災地の実態調査を踏まえ、適切に実態を把握することも重要であります。  そこで、国土交通省に確認をいたしますが、こういった復興係数の適用により共通仮設費と現場管理費で構成する間接工事費の割増し補正をすることや、復興歩掛かりによって直接工事費を補正することによって不調や不落がどの程度改善されているのか、確認をしたいと思います。
  98. 東川直正

    政府参考人(東川直正君) お答え申し上げます。  東日本大震災からの復旧復興事業を進めている被災地域におきましては、平成二十三年の震災後、調達環境や施工環境が悪化いたしまして、平成二十五年度には、直轄工事の入札におきまして予定価格と実勢価格の乖離が生じることによりまして、不調、不落の発生割合が約三〇%に達しておりました。  このため、平成二十五年度末までに岩手、宮城、福島の被災三県で実施する工事につきまして、直接工事費や間接工事費において予定価格の補正を行う復興係数、復興歩掛かりを導入いたしまして、施工の実態などを踏まえながら措置を継続してきたところでございます。これによりまして、この措置導入後の平成二十六年度以降は、被災三県の不調、不落の割合が一五%から二〇%に下がるなど、措置の効果が発揮されたものと考えております。  また、被災三県の復旧復興工事につきましては、令和三年度もその発注が見込まれることなどから、引き続き、この復興係数、復興歩掛かりの措置を継続するとともに、現場条件を適切に把握した上で予定価格を設定するなど、円滑な施工体制の確保に努めてまいります。
  99. 杉久武

    ○杉久武君 被災地では、震災復興に加えて台風被害や先般の余震、さらにはコロナ禍による追い打ちで、他の地域よりも厳しい状況にございます。今後も、こうした現状を綿密に把握をしていただきながら、現場のニーズを踏まえて、復興係数の継続を始め、適切な施策を是非継続して行っていただきたいというふうに思います。  その上で、震災の復興につきましては、国交省にも大変な御尽力をいただきまして、国交省の所管であります道路や鉄道、港湾などの基幹インフラの復旧復興災害公営住宅整備は見事なまでに進められてまいりました。復旧復興に御尽力をいただいている全ての皆様に改めて心から感謝を申し上げ、引き続きの御活躍お願いしたいと思います。  他方、復興への道のりは今もなお厳しいものがございまして、現在も、四万人を超える方々が避難生活を送られております。被災者皆様がいまだ不自由な生活を強いられている中で、避難生活の長期化や災害公営住宅等への移転など、被災者皆様を取り巻く生活環境そのものが根底から変化する中で、今後は、ハード面復興のみならず、心の復興、すなわち被災者皆様が人と人とのつながりをつくり、生きがいを持って生活できるための支援というものが必要になってくるかと思います。  そこで、赤羽大臣にお伺いをいたしますが、震災復興の第一期である復興・創生期間が終了し、いよいよ第二期の復興・創生期間という新しいステージが始まります。この十年を振り返って見えてきた課題復興第二期に向けたお考えについてお伺いをしたいと思います。
  100. 赤羽一嘉

    国務大臣赤羽一嘉君) 東日本大震災というのは、大変な大地震に加えて大津波、それに原子力発電所の事故と、三重苦の本当に未曽有の大災害ですので、ちょっとここを簡単に総括するというのは非常に難しいわけですが。  私、一年九か月後の、政権が替わって二〇一二年の十二月二十七日に経済産業副大臣兼原子力災害の現地対策本部長という、実は十一代目でしたので、その一年九か月間で十人替わられた、二か月に一遍現地対策本部長が替わった後で、その職を全うするべく現地に行くようになりました。一年九か月間一人で務めたわけでありますが、そのときに思ったこと、さらに、阪神・淡路大震災のときは被災者でありまして、そのときからずっと思っていたことは、要するに、被災者というと、全員が真面目な国民で、それまで一生懸命仕事をして税金を納めて家族を養って、そうした人がある日たった何十秒間の災害で家族を失い、また自宅を失い仕事も失うと、大変な状況になってしまったことに対して、被災者だからやむを得ないみたいなことを政府というのはしがちなんですね。  しかし、私は、それは本当に全くおかしな話で、真面目な国民がたまたま災害に遭ってこうした状況になったわけだから、その被災者に対する復旧復興は、一貫してその被災者の尊厳、人としての尊厳は守られるべきだと。  ですから、私は、体育館に避難所として雑魚寝をさせるようなことというのは早く直すべきだというのは一貫して思っていることであります。ですから、そうした人間の復興というのも、その尊厳を守るという観点から見ますと、まず、政府が、被災者の皆さんに対する、政府に対する信頼感、信頼のきずなというのをつくるということがやっぱり時の政府に当たる基本的な姿勢なんではないかと、それはもう一貫して変わらないということが大前提でございます。  国交省としては、やはりインフラの整備ということで、今評価していただきましたが、まさにくしの歯作戦で、三・一一から一週間で東北自動車道から東西に、太平洋沿岸地域に十六のルートを通したというのは、私はもうこれ奇跡的な、また、あれがなし得たからその後の復旧復興、大変前進ができたのではないかというふうに、本当に私も、当時の東北地方整備局の中心とした闘いというのは大変評価するところでございますが、この復興道路復興支援道路も間もなく、本年中にほぼ全部完了します。  ただ、そのハードができればソフトが付いてくるのかというと、全くそれは残念ながらそうではなくて、この十年間の時間の経過の中で、被災者の個人的な状況というのも随分変わるわけですね。家族の関係も変わるし御自身も十年年を取るわけで、そうすると、どうしても十年前の計画が必ずしもフィットしない。ですから、三・一一のときに空き地がすごく多いとか、そうしたことというのは、現象としては指摘されても、ある意味ではやむを得ないのかなと、これから克服をしなきゃいけないのかなと、私はそう思っているところでございまして、今後は、やっぱりまちづくり、柔軟なやり方というのは取っておりますけれども、町がきれいになって安全になった結果にぎわいがなくなったとか、前の人と違う人ががらっとなってコミュニティーが破壊したというようなことは極力避けるようなことを考えていかなければいけないのではないか。  国交省は、ハードのインフラだけでなくて、まちづくりも含めて責任があると考えておりますので、そうしたことはしっかり総括しながら、東日本大震災は、福島はこれからでありますので、今後、福島の復興に向けて政府の、福島の復興なくして日本の再生なしと、東北の復興なくしても同じですけど、そうした決意で取り組んでいかなければいけないと思っています。
  101. 杉久武

    ○杉久武君 ありがとうございます。  今おっしゃっていただいたように、赤羽大臣は、発災以降一貫して東北の復興、また福島の復興なくして日本の再生なしと声高に叫び続けてこられました。これからも、赤羽大臣の陣頭指揮の下、国土交通省は引き続き総力を挙げて取り組んでいただきたいというふうに思います。  残りの時間で雪の問題をやりたいと思います。  今年の雪の被害、特に積雪による大規模車両滞留について確認をいたしますが、昨年の十二月二十二日の本委員会の閉会中審査におきまして、関越道における雪による大規模車両滞留について私からこの場で厳しく指摘をさせていただきましたが、私の質疑から四日後の十二月二十六日には、赤羽大臣には早くも新潟県を訪問され、車両滞留の再発防止に向けて迅速な対応をいただきました。赤羽大臣の陣頭指揮に心から感謝申し上げたいと思います。  しかしながら、それから一月もたたない本年一月七日から十一日にかけまして、大雪の影響で、今度は北陸を中心に高速道路や一般道で立ち往生が発生しました。中でも、北陸自動車道では、福井県内の複数箇所で立ち往生が発生し、約千六百台の車が巻き込まれる事態となり、先般の質疑で私が警告した大規模車両滞留が再び発生をしてしまったわけであります。  大臣も十二日の記者会見で謝罪をされておりましたが、これは、大臣が頭を下げるというよりも、NEXCO中日本の対応こそ私は責められるべきだというふうに思います。三年前の教訓を何一つ生かすことなく、組織的に危機意識がない上に責任の所在の曖昧なNEXCO中日本の企業体質は人災とも言うべきであり、言語道断であると厳しく指摘をせざるを得ないというふうに思います。  その上で一つ指摘をしておく必要があるのが、三年前の福井豪雪を契機に設けられた車両のチェーン装着規制についてであります。  今回は大雪特別警報などの基準を満たさなかったことからチェーン規制は掛けられませんでしたけれども、そもそも、チェーン規制を始めて以降、大雪特別警報自体が全国で一度も発表されておりませんので、チェーン規制の前提そのものが根底から揺らいでいるんではないかというように危惧をしております。  そこで、国土交通省に確認をいたしますが、今回の大規模車両滞留の発生について、その原因をどのように分析をしているのか、また、国交省では大規模車両滞留の再発防止に向けた検証作業を行っていますが、その進捗状況を伺うとともに、チェーン装着規制の基準の見直しについて、国土交通省の見解を伺いたいと思います。
  102. 吉岡幹夫

    政府参考人(吉岡幹夫君) お答え申し上げます。  昨年末の関越自動車道での大規模な立ち往生に続き、今年一月七日からの短期間に集中的な降雪に伴い、北陸自動車道では約千六百台の大規模な立ち往生が発生し、二日以上も車内で待機いただくなど、利用者の皆様には大変な御迷惑をお掛けしたところです。  今回の事象は、北陸自動車道で断続的に立ち往生が発生していたものの、後続の車両が徐々に流れており、生じていた滞留も解消できると考えたこと、並行する国道八号においても渋滞が発生していたことから、北陸自動車道において交通機能を確保しようと考えたことなどにより北陸自動車道の通行止めをちゅうちょしたことが大規模な車両滞留の発生やその長期化の要因の一つだと考えております。  このため、国土交通省では、関係機関とも連携し、有識者から成る冬期道路交通確保対策委員会を開催して、平成三十年五月の大雪時の道路交通確保対策の中間とりまとめの改訂案について御審議いただき、今後提案をいただく予定としてございます。  あと、チェーン規制についても御指摘をいただきました。  冬期の降雪時には、まず除雪をしつつ、降雪が強くなった段階で通行止めを実施する二段階での道路管理を行うことを基本としております。さらに、冬期の交通を確保する観点から、その中間段階として、大雪特別警報や大雪に対する緊急発表が行われるような異例の降雪時には、あらかじめ区間を定めてチェーン装着車のみの通行を可能とするチェーン規制を平成三十年に導入したところでございます。  今回の大雪においては、大雪に対する緊急発表は行われていたものの、滞留が発生した原因となった箇所はチェーン規制の対象外であったことや、短期間、集中的な降雪であった状況を踏まえて、チェーン規制より強い措置であります通行止めを実施したところでございます。  なお、先ほどの中間とりまとめ改訂案においても、短期間の集中的な大雪の場合には、チェーン規制によらず、ちゅうちょなく通行止めすべきであるとされているところでございます。  国土交通省としては、通常の降雪時のチェーン規制等については、引き続き、冬期の運用を積み重ねて、その実効性を検証してまいります。
  103. 杉久武

    ○杉久武君 このような事態が二度と起きないように、国土交通省としては引き続き十分な対応をお願いしたいと思います。  時間になりましたので、以上で質問を終わります。ありがとうございました。
  104. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 日本維新の会の室井邦彦です。  早速質問に入らせていただきますが、最初に、東京二〇二〇オリパラの開催の意義について大臣に少し聞きたいことがございますので、お願いをしたいと思います。  もう御承知のとおり、この開催予定、東京オリパラ大会は、新型コロナウイルスの感染、こういう事情で一年延期となったわけであります。大会成功に向け、もちろん関係省庁、そして東京都、組織委員会等が連携して取組を頑張ってこられたわけでありますが、この共生社会の実現がレガシーとなり、この我が国においては復興五輪として位置付け、震災からの復興を世界に印象付ける、こういうことが求められているというふうに思っておりますが。  そこで、世界の連帯しウイルスに勝ったというようなあかしとなるこのオリパラ大会であったなというような大会にしなければいけないというふうに期待をしておりますし、そういう中で、子供たち東京オリンピック二〇二〇大会の関心を心に刻み、そして未来が希望に満ちたものとなるという、こういう大会にするために、海外一般客の受入れを断念をしたという方針となったわけでありますが、百万枚のチケット分を子供たちが最優先的に観戦できるようにしたらどうかなと、このように私一人が勝手に思っているわけじゃないと思うんですが、まあそういう思いもございまして、東京二〇二〇大会の意義に、改めて赤羽大臣の御所見をお聞きをしたい、このように思うわけであります。  大臣、よろしくお願いします。
  105. 赤羽一嘉

    国務大臣赤羽一嘉君) 東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催に当たりまして、国土交通省の所管として果たすべき責任は、スムーズな輸送等々に尽きるわけであります。  残念ながら、チケットの優先販売権というか、そうした権利は所管ではないので大臣としては申し上げられませんが、個人的な見解ということであれば、私、一九六四年の東京オリンピック大会は六歳だったんですが、小学校に上がる前だったんですが、極めて記憶に鮮明に覚えておりまして、学校に行かなくていいんだから、もう最初から最後までずっとテレビにかじりついて見ていたと。そのときに、私が振り返ると、やっぱり様々なことを学ぶことができたと。ある意味では愛国心もあったし、また、スポーツマンシップとか世界の広さとか人間の限界のなさというような様々な啓発を受けたというふうに覚えております。  そういう意味では、この東京オリンピック・パラリンピックのときに出会うことのできる青少年の皆さんにとっても大変価値のある、また価値があらしめる大会に、すばらしい大会にしていかなければいけないというのは、日本人の皆さん、多くの皆さんがそう思っていらっしゃるというふうに思っております。  ですから、生で見れるかどうかは別にして、そうした、それと、済みません、海外のお客さんを受け入れるのを断念するといった方針もまだ決まっているわけではないというふうに承知をしておりますので。  いずれにしても、多くの青少年の皆さんが東京オリンピック・パラリンピック競技大会に接することができて、お一人お一人の健全な成長に寄与できるようなすばらしい大会にしたいと、政府の一員としてはそう思っております。
  106. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 確かに大臣に対して場違いな質問をしたかも分かりませんが、そういう期待感なり、私も、東京オリンピックのときには高校三年だったかな、そういうことで、まさにコンクリートの上をアベベが走ったということに対しては、もう驚きというか、それをテレビで見るんじゃなくて、そういう感動するところをこの二〇二〇で子供たちが競技場で見るということは、今後の何年後かの日本の国の、もう関係してくる、やっぱり人づくりは国づくりであるということもよく言いますけれども、どうかそういう方向でまた大臣影響力とお力も是非発揮していただきたいなというふうに願っております。ありがとうございました。  それでは、東日本大震災からの復興と、震災を教訓としたこの防災減災の対策についてお聞きをしたいと思います。  また後半になって同じような、先生方と質問を重複いたしますけれども、それはお許し、御勘弁をいただきたいと思います。  先月発生した福島県沖を震源とする地震は、東日本大震災を引き起こした地震の余震とされたと。十年が経過した現在もその影響が続いているということでありますが、この自然の脅威に唖然としたというかおののいたような私は感があるわけでありますが、そういう中で、この東日本、先ほども言葉がございましたけれども、東日本の復興なくして日本の再生はないと、そういう合い言葉でスタートをしたわけでありますけれども、この復興の加速が国土交通省の最優先課題だということも承知をしております。  そこで、公共インフラの復興はおおむね、大臣もお言葉で言われておりましたけれども、完了してきておるということでありますが、もちろん、住宅再建復興まちづくりも、そして整備がほぼ完了している状況であるということも私も承知をしております。  しかし、このインフラが復旧されれば元に戻るというような思い込みで、被災者は故郷を離れたまま、地域住民の流出という状況が続いており、浪江町なんかは、二万数千人の人口があったわけでありますけれども、いまだに千五百人余りしか戻ってきておられないという、こんな状況でもありますが。  この真の復興の道のりが厳しく険しいなというふうに感じておりますし、私も、阪神・淡路大震災を経験したとき、尼崎に築地という庶民的な平家の町があったんですが、そこが近代的なビルとか町に変わりました。まあ本当に閑散とした、人がいるのかなというような思いと、そういう住まいに慣れない人たちが結局人との交流ができずに孤独死になられたり、下の、隣の夫婦げんかの声が聞こえて生活していたというような環境におられる方が急にモダンなところに住み始めて調子が狂ったというか、環境が変わったおかげで短い人生を閉じられたということもよく私も聞いております。  非常に難しい問題だなというふうに思っておるわけでありますけれども、ここで、十年目の節目で、国土交通省としてこの東日本大震災の総括と積み残した課題は何だろうなと、このことについて一つ質問をさせていただきたいと思います。  続いてもう一つは、災害に強い地域づくりに、この震災の教訓を伝承していくことが震災の強い地域づくりにつながる、このように思います。この震災の教訓を防災減災対策にどう生かしていくのか、真の復興に取り込んでいくのか、再び赤羽大臣に御質問をしたいと思います。
  107. 赤羽一嘉

    国務大臣赤羽一嘉君) 私も、先日の福島沖地震のときに、やはりちょうど十年目、それも余震だということで、改めて自然の猛威を再認識したところでございます。  様々な教訓ございますが、先ほど、東北自動車道を中心とした沿岸地域へのくしの歯作戦で十六ルートと、これなし得たのは、東北自動車道が潰れなかったと。この東北自動車道は、あの阪神・淡路大震災で首都高速が倒れたときに、その教訓から高速道路の橋脚の耐震化、耐震補強を相当やったと、そのことで東日本大震災に遭っても東北自動車道は基本的には一日で全面的に開通ができたと、あの縦軸がしっかりしていたことが奇跡的なあのくしの歯作戦、十六ルートが三月十八日までに完了できたと。私は、そうしたことも教訓の一つだったというふうに思っております。  様々、東日本大震災では、阪神・淡路大震災とは違って高台移転といった、これまではなかった手法でありますが、そうしたこともやり、成功したのか失敗したのかというのはいろんな評価があると思いますが、そこでは全員が移動できなかった。そこの移転できなかった理由については、これはもう一度ちゃんと分析をしながら、次あってはほしくありませんけれども、来るべきときに、やっぱり備えとしてより良い制度にするべきだというふうにも思っております。  また、福島の原発に関わった一人として思うことは、やはりリスクコミュニケーション在り方というか、正しく恐れるという、やはり恐れなくていいものも、風評、風評というか恐れて、本当にスムーズな復興のブレーキになったという側面があったと思います。これは、今のコロナウイルス禍の感染症においても、本当に脅威を正しく認識して正しく恐れると、こういうことが非常に大切なのではないかというふうに思います。  先ほど尼崎の築地地区のお話がありましたが、多分、神戸でいうと長田区なんかと似ているようなところだと思いますし、やっぱり安全、安心というのが当然最優先されるべきまちづくりだと思いますが、下町情緒というかにぎわいというか、そうしたこと、生活の場ということも加味しながら、今後そういうふうなことも、これは、要するに平素から様々な準備をしておくということが非常に大事なのではないかと。これ理想論かもしれませんが、平時のときから、万が一のときにはどういう町の再生を思っているのかというパターンを幾つか持っているようなことが、これはちょっと書生論に近いかもしれませんが、そうしたことも大事なんではないかと。  室井委員が言われたように、この教訓を伝承していくという意味では非常に重要でありまして、十年目の本年、東日本大震災による津波被害からの市街地復興事業検証委員会を設けまして、国交省の中に設けまして市街地復興事業検証を行ってきたところでございますし、また、各地域でも伝承館等々も今オープンし始めておりますので、これが風化させることなく、万が一、あってはなりませんけれども、万々が一のときにしっかり被害を最小化できるような対応ができるように全力で尽くしていきたいと、こう考えております。
  108. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 ひとつどうかよろしくお願いをしたいと思います。  時間がございませんので次の質問に入りますけれども、杉先生と同じような質問になってしまいますけれども、重複いたしますけれども御了解をしてください。  豪雪地帯における道路交通の確保についてでありますけれども、平成二十六年二月、山梨県における国道二十号で最大約四百台の車両滞留が発生したと、平成三十年二月、福井県における国道八号で最大約千五百台の車両滞留が発生した、このことを踏まえて、平成三十年二月ですか、国土交通省は冬期道路交通確保対策検討委員会を設置をされました。  繰り返し発生するこの大規模の車両滞留を減少させるためにそれぞれの対応を検討されたわけでありますが、この取組強化をいろいろと考えておられたその後、昨年の十二月ですか、群馬県の関越自動車道で上り千七百五十台、下り三百五十台の車両滞留が発生したと、また、今年の一月にも、福井県の北陸自動車道で最大約千六百台の車両滞留が発生したということであります。  この大雪時に道路交通への障害を減少させていくためには、取組を強化してきたにもかかわらずこのような大規模な車両の滞留が繰り返し発生してしまったというこの原因は何だったのか、この点をお聞きをしたいと思います。
  109. 吉岡幹夫

    政府参考人(吉岡幹夫君) お答え申し上げます。  今冬は、昨年十二月からの降雪初期から大雪や短期間に集中的な降雪がありまして、関越自動車道では約二千百台、北陸自動車道では約千六百台の大規模な立ち往生が発生し、二日以上も車内で待機いただくなど、利用者の皆様には大変御迷惑をお掛けしたところです。  今回の事象は、高速道路で断続的に立ち往生が発生したものの、並行する国道においても渋滞や通行止め等が発生していたことから、高速道路において交通機能を確保しようと考え、高速道路の通行止めをちゅうちょしたことが大規模な立ち往生の発生やその長期化の要因の一つだと考えております。
  110. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 もう一つ、あわせて、この大雪時にこの道路交通の対策をされたわけでありますけれどもこういう結果になったということで、更なる道路交通の対策の必要性を感じておるわけでありますが、今後さらに、こういうことを、経験を踏まえてどう取り組んでいくのかという、あわせて、かぶせるような質問ではありますけれども、お聞きをしたいと思います。
  111. 吉岡幹夫

    政府参考人(吉岡幹夫君) お答え申し上げます。  今回の滞留を踏まえまして、国土交通省では、関係省庁とも連携し、有識者から成る、お話ありました冬期道路交通確保対策検討委員会を開催して、平成三十年五月の大雪時の道路交通確保対策中間とりまとめの改訂案について御審議いただきまして、今後提言をいただく予定でございます。  この中間とりまとめ改訂案では、これまで、道路ネットワーク全体として大規模な車両滞留の抑制と通行止め時間の最小化を図る、道路ネットワーク機能への影響を最小化する、つまり、できるだけ道路ネットを止めないようなやり方をするという考え方から、今後は、人命を優先し、幹線上で大規模な車両滞留を徹底的に回避することに基本的な考え方を変更し、具体的には、短期間の集中的な大雪時には、通行止めの予測等の繰り返しの呼びかけ、対象の拡大、内容の具体化など、出控えなどの行動変容を促す取組、ちゅうちょない広範囲での通行止め、高速道路と並行する国道等の同時通行止めと集中除雪による物流等の途絶の回避を行うとともに、立ち往生車両が発生した場合には、滞留状況を正確に把握できる体制の確保、関係機関の連携強化、地方整備局と地方運輸局等を中心とした乗員の保護などに取り組むことが盛り込まれています。  国土交通省としては、この提言内容も踏まえ、今後、必要な改善を図ってまいります。
  112. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 くれぐれもよろしくお願いをしたいと思います。  ちょっと一昔前というと、私も運送業をしておりましたので、今は、車を止めて、そしてチェーンを巻いてという、そういう、今頃そんな姿はどこも見ませんけれども、一昔前と比べると非常に処理しやすくなっておるんですよね。チェーンの巻き方すら知らない営業のトラックの運転手もいて、それが原因で、大きくこのような滞留が生じたということも過去あったわけであります。  そんな現状から見ると、非常にやっぱりそれぞれの情報を密接にしていくということが、解消できるというふうに思っておりますので、ひとつよろしく御努力を、聞いてくれている、お願いしますね。  それでは、僕は三十六分ということでありますので、あと四と五、質問を用意しておりますので、続けて質問をさせていただきます。  四問目は、気象予測等に向けた取組情報在り方、それは、近年、局地的な集中豪雨、そして、耳にしなかった、過去ですね、線状降水帯が要因と指摘をされておるわけでありますが、気象庁は、この線状降水帯の予測精度を向上させるために、海上保安庁と連携をし、気象観測、そして監視体制を更に強化すると、大臣大臣所信でそのように言われておるわけでありますけれども。  この線状降水帯の予測精度が向上し、今後どのような、向上したときに防災情報提供がどういう形で可能になっていくのか、その点を一つお聞きしたいことと、あわせて、その線状降水帯の情報が避難行動等の効果的な判断にどのように結び付くのか、情報提供在り方が重要になると、このように思っておるわけでありますが、どう取り組んでいくのか、この二点を併せて御質問をしたいと思います。
  113. 長谷川直之

    政府参考人長谷川直之君) 線状降水帯の予測精度の向上とその情報提供ということについてお答えをいたします。  線状降水帯の予測精度を向上させるためには、その線状降水帯の発生関係の深い水蒸気などを正確に把握することとスーパーコンピューターを活用した予測技術の高度化、これが必要でございます。  水蒸気等の正確な把握につきましては、令和二年度第三次補正予算により、海洋上の観測の強化、アメダスへの湿度計の導入、最新の技術を用いた気象レーダーの更新強化などの施策を進めているところでございます。このうち海洋上の観測の強化につきましては、気象庁の観測船二隻に加えまして、海上保安庁とも、先ほどお話出たところでございますが、連携して、その測量船四隻にも観測機器を設置する計画でございまして、そこから得られた水蒸気のデータを線状降水帯の予測に役立ててまいります。  また、予測の技術につきましては、大学や研究機関などとも連携して、高度化をしっかり図ってまいります。  これらの成果を取り入れまして、来年令和四年には、半日程度前から線状降水帯などによる大雨となる可能性についての情報提供を開始することを目指しております。また、その後も、線状降水帯に関する防災気象情報をできるところから順次改善してまいります。  委員指摘のとおりで、防災気象情報住民皆様の避難行動などの判断に適切に活用いただくということが重要だと考えております。気象庁では、外部有識者による防災気象情報の伝え方に関する検討会を開催いたしまして、線状降水帯に関する情報も含めて、防災気象情報について御議論をいただいているところでございます。  こうしたことを通じて、予測精度やその向上に合わせた効果的な情報発表に努めてまいります。
  114. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 最後の質問になります。  鉄軌道のホームドアの整備促進と転落防止の対策強化について、竹内先生とのまた同じような質問になってしまいますけれども、御理解お願いをしたいと思います。  この優先整備の対象となっている十万人以上の駅におけるホームドアの整備の進捗状況はどのようになっているのか、まずお聞かせいただきたいということ、そして、令和元年におけるホームからの転落件数は二千九百二十五件であると、このうち視覚障害者の転落は六十六件に上がっております。ホームドアの整備されていない、その整備をされていない駅において視覚障害者がホームから転落しないようにする対策強化のために国土交通省はどのような検討をされているのか、この二点お聞きをして、質問を終わります。
  115. 上原淳

    政府参考人(上原淳君) お答えいたします。  ホームドアにつきましては、令和元年度末時点で全国の八百五十八駅に整備をされておりまして、そのうち、委員お尋ねの一日当たり平均利用者数十万人以上の駅におきましては、二百八十五駅中百五十四駅に整備をされております。これは、五年前の六十駅からは約二・六倍に増加しているというものでございます。  一方、ホームドアが設置されていない駅におけるホーム上の安全対策を検討するため、新技術等を活用した駅ホームにおける視覚障害者の安全対策検討会を昨年十月、大臣の指示に基づきまして設置いたしております。この検討会では、AI等を活用した転落防止策を検討するとともに、実際のホームや車両を利用いたしまして正しい白杖の使い方を学ぶ歩行訓練の必要性や手法についても議論を進めているところでございます。  国土交通省といたしましては、本検討会での議論について今年度中を目途に取りまとめを行いたいと考えておりまして、痛ましいホームからの転落事故防止を図ってまいりたいと考えております。
  116. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 終わります。
  117. 浜口誠

    ○浜口誠君 国民民主党・新緑風会の浜口誠です。今日はよろしくお願いします。  まず最初に、コロナ禍における公共交通機関への支援という観点で幾つか質問させていただきたいと思います。まず、一点目がワクチンの優先接種です。  今、ワクチンの優先接種、医療関係の従事者の皆さん、その後高齢者と、優先順位付けながら接種がこれから拡大していくということになります。そうした中で、航空業界の皆さん、鉄道業界の皆さんあるいは物流関係の皆さん、まさにキーワーカーとして国民のライフラインを支えていただいている皆さんです。こうした皆さんもやっぱり優先接種の対象にすべきではないかなというふうに考えております。  新型インフルエンザ等特措法の中に第二十八条というのがあって、そこには、特定接種という、優先的に接種する皆さんはこういう皆さんが対象になり得りますというのが記載されていますけれども、その中には、こういった公共交通機関の皆さんですとか物流関係の皆さんは含まれております。  こうした法的な面を考えても、公共交通機関、物流関係の皆さん、しっかりと優先接種の対象にしてワクチン接種をしていくべきではないかなというふうに考えておりますけれども、その点についての政府の見解をお伺いしたいと思います。
  118. 浅沼一成

    政府参考人(浅沼一成君) お答えいたします。  新型コロナワクチンの接種順位につきましては、重症化リスクや医療提供体制の確保等を踏まえ、まずは医療従事者等、次いで高齢者、六十五歳以上の方、その次に基礎疾患を有する方や高齢者施設等の従事者という形で順次接種できるようにすることを政府の分科会での議論を経て決定したところでございます。  そのため、高齢者又は基礎疾患を有する方以外の公共交通機関従事者の方につきましては優先接種の対象となりませんが、優先接種を終えた後に、ワクチンの供給量や地域の実情等を踏まえて順次接種をできるようにすることとしておりまして、引き続き、こうした考え方につきまして丁寧に説明してまいりたいと思います。
  119. 浜口誠

    ○浜口誠君 求めていた答えとは何かマッチングしていないなという感じするんですけど。  要は、あれですか、一般の方等の中での対応ということで、政府検討の中にはキーワーカーであります公共交通機関の従事者の方というのは、医療従事者、高齢者、そして基礎疾患のある方、その後についての優先順位というのはもう付けないというのが政府考え方ということでよろしいんですか。
  120. 浅沼一成

    政府参考人(浅沼一成君) お答えいたします。  今般の新型コロナワクチンの接種につきましては、その実施体制については、特定接種の枠組みではなく予防接種法の臨時接種の特例として、住民の方への接種を優先する考え方に立ちまして簡素かつ効率的な接種体制を構築するとしておりまして、先ほど申し上げた医療従事者等、また高齢者、基礎疾患を有する方などを優先的に行い、その後は地域の実情等に応じて、接種順位の順番等については地域で考えていただくということになっております。
  121. 赤羽一嘉

    国務大臣赤羽一嘉君) この案につきましては、新型インフルエンザ特措法の中で、今、浜口委員言われたように、公共交通機関並びに物流関係の方は特定接種という、何というんですか、テリトリーになっているということでございました。ですから、加えて、公共交通機関、物流の方についてはエッセンシャルワーカーとして大変な使命と責任を担っていただいているので、所管大臣としては、この件、業界からも要望をいただきましたし、政府の中でも提案をいたしました。  ただ、新型インフルエンザのときは、国民全員がワクチン接種をするという想定ではなくて、優先的に、まさに優先的に接種するという意味で特定接種というこのグループをしたわけですけど、今回は国民全員に二回接種をしなければいけないということで、様々御検討いただいたんですけれども、職種で、職種ごとにグルーピングするということが、国ではなくて地方自治体でそれをお願いするということは、それ自体に物すごく膨大な時間が掛かってしまうと。そういうことではなくて、基本的に医療関係者と高齢者というのは優先枠はありますけれども、それだけにして、それ以上のグルーピングはしない、原則はしないで、とにかく全員接種を優先するということで今回の取り計らいになったと聞いております。  ただ、その後、委員会で、衆議院の国土交通委員会でも予算委員会でもいろいろ意見が出まして、例えばですけど、国際線のパイロットなんかは非常に大変なリスクの中で業務を担っていただいておりますので、そうしたことはちょっとまだ少し相談の余地があるんではないかというふうに、数も限られていると思いますので、そうしたことは取り組んでいきたいと思いますが、国の原則論としてはそういう分け方で、あとは、今厚労省から回答ありましたように、それぞれの実施自治体で、そうした余裕があればエッセンシャルワーカーの優先枠云々ということは否定されるものではないんですが、国の原則としてはそういう整理になったということがいきさつでございます。
  122. 浜口誠

    ○浜口誠君 大臣、ありがとうございました。  是非、業界の皆さんの意見もしっかりとお聞きいただいているということですので、業界の皆さんとも連携取っていただいて、是非、所管の大臣として、優先接種に関して引き続き意見を政府内でも御発言いただければと思います。  では、続きまして、二点目なんですけれども、航空業界の皆さんの中で、先ほども国際線のパイロットのお話、大臣から出ましたけれども、国際線の乗務員の方については、国の方から、乗務した後PCR検査やってくださいねとか、あるいは移動するとき、乗務後は公共交通機関を使わずに移動してくださいと、様々な要請がされて、各社それに応じて、PCR検査も会社の負担で実施をされている、乗務後のですね、こういった対応もしております。  一方で、航空業界も、今年三月期の決算はもう未曽有の赤字です。数千億円の経常赤字を計上すると、四月以降も大変厳しいと。鉄道業界も同じです。様々、公共交通に関連する業界の皆さんは厳しい経営状況になっていると、四月以降も相当今の状態が続くんではないかなということが懸念されておりますので、今年も様々政府として支援をしていただきましたけれども、是非、来年度以降も、こういった航空業界、鉄道業界始め公共交通に関する業界の皆さんの要望もしっかり聞いていただいて、引き続きの支援策を国交省もしっかり対応していただきたいなというふうに思っておりますけれども、大臣の御所見を是非お聞かせいただきたいと思います。
  123. 赤羽一嘉

    国務大臣赤羽一嘉君) 公共交通機関として、需要が相当少なくなっている中でもその責任と使命を果たしていただいていることに対しては最大限の御支援をさせていただくというのが基本的な考え方だと思います。  ただ、ちょっとその中で、今、航空会社の乗務員に対する検疫、このPCR検査についての考え方なんですが、そもそも、航空会社の乗務員につきましては、空港検疫での検査の対象外としておりました。これは、そうした特殊な業務なので、それは信頼をして、安全対策というのはもう任せて、オウンリスク・オウンアカウントでちゃんとやってくれる、それをしてもらえるというのが大原則であって、しかし、その中で、昨年十二月以後、変異ウイルス株の警戒の高まり等々で、そうした例外なくちゃんと全員やってもらおうということになったわけです。ただ、その考え方だけは残しておりまして、航空会社というのはほかの一般の客とは全然違う、そういう違う立場で仕事をされているので、現状はそのオウンリスク・オウンアカウントで検査をやっていただくというのが残っているということでございます。  ただ、それはそれとして、別の支援は全然やらないのかというと、それはよく御承知でございますけど、この本年度の予算案でも千二百億円規模の着陸料、また航空機の燃料税の減免、こうしたことも強く御要望もいただいておるので対応しているところでございますので、引き続き航空各社とは対話を続けながら、必要な支援はしっかり全力でやっていこうと、これが考え方でございます。
  124. 浜口誠

    ○浜口誠君 ありがとうございます。  是非、鉄道業界も含めて、幅広い公共交通機関を引き続き御支援いただくことを重ねてお願い申し上げておきたいと思います。  続きまして、空港、とりわけ入国のときの水際対策、これから世界でもワクチンの接種が広がっていって、徐々に入国の制限緩和というのが行われていく可能性も出てくると思います。いつかというのはちょっとまだ分かりませんけれども、そういう入国制限の緩和がこれから徐々に進んでいくんではないかなというふうに思います。そのときに、引き続き水際対策しっかりやって、変異ウイルスも大変リスクが高いということも指摘されておりますけれども、海外から来るそういったコロナウイルスをどう水際で食い止めるかというのは大変重要な対応だというふうに認識しております。  そうした中で、PCRセンターの各空港における増設ですとか、あるいは先ほど少し議論しましたけれども、空港職員の皆さんへのワクチンの接種ですとか、さらには、入国者の方とのスマホなんかを使った非接触の連絡ツール、連絡手段を導入するだとか、計画的にこの空港における水際の感染対策というのを強化していくことが大変これから重要になってくるなというふうに思っておりますので、そうした水際対策、空港での感染防止対策の強化について、政府としての御所見がありましたらお伺いしたいと思います。
  125. 浅沼一成

    政府参考人(浅沼一成君) お答えいたします。  政府といたしましては、国民の健康と命を守り抜くことを最優先といたしまして、特に、変異株への対応については、昨年十二月十九日に英国政府から新型コロナウイルスの変異株に関する公式発表がなされた後、強い危機感を持って、速やかに水際対策の強化を図ってきたところでございます。  現在、検疫におきましては、全ての入国者に対し、出国前七十二時間以内の検査証明の提出を求め、空港検査を実施するとともに、入国後十四日間の待機等についての誓約書を提出を求めることとし、違反した場合は、氏名等の公表や検疫法上の停留、また、外国人の場合は在留資格取消し手続及び退去強制手続等の対象になり得るものとしたところでございます。  さらに、変異株が流行している国・地域からの入国者につきましては、出国前と入国者の二回の検査に加え、検疫所が確保いたしました宿泊施設での待機を求め、入国後三日目に追加の検査を実施した上で、入国後十四日間の公共交通機関の不使用と自宅等待機を求めることとし、入国後十四日間の健康フォローアップを行うためのセンターの設置を民間機関に委託し、保健所の代わりにこのセンターで入国者の日々の健康状態や自宅等の待機の状況確認等を行っており、人的、物的資源等の様々な制約条件も踏まえた中で、リスクに応じた実効的な検疫を実施しているところでございます。  こうした中、変異株流行国・地域の指定につきましては、当初、英国及び南アフリカ共和国のみであったものにつきまして随時追加し、現在十七の国・地域を対象としておりますが、今後も適時に流行国・地域の追加を検討していくこととしております。  また、従来、変異株流行国からの入国者に対して行っていた健康フォローアップにつきましては、先般の政府決定に基づき、随時対象者を全ての国からの入国者に拡大するとともに、フォローアップ内容を強化いたしまして、スマートフォンによるアプリを活用した位置情報の確認、これを原則毎日させていただきます。また、ビデオ通話による状況確認、こちらも原則毎日させていただきます。加えて、三日以上連絡が取れない場合などにおいて、民間警備会社などによる見回りを実施することとしております。これによりまして、施設での停留のみに頼ることなく、入国後十四日間の健康状態の確認と自宅等待機等を徹底する体制を構築し、国内の感染拡大防止を図ることとしております。  水際対策につきましては、関係省庁連携し、機動的に実施してきたところでございますが、今後とも、国内外の感染状況などを見極めつつ、政府全体として必要な対応を講じてまいります。
  126. 浜口誠

    ○浜口誠君 ありがとうございます。  是非、水際対策、これからもますます重要になってくると思いますので、今御説明いただいた内容に更に必要なものは付け加えて、しっかりとした体制を整えていただくことを改めて求めておきたいと思います。  では、続きまして、高速道路関係についてお話を、テーマを移したいと思います。  まず最初に、報道ベースで、高速道路の二輪車の料金を引き下げる検討をされているという報道を目にしました。後でも少し議論しますけれども、日本の高速道路は非常に高いというふうな認識を持っておりますので、二輪の料金をしっかり引き下げていただくことはいい方向だと思いますけれども、現時点での二輪車の料金の引下げの検討状況をお伺いしたいと思います。
  127. 吉岡幹夫

    政府参考人(吉岡幹夫君) お答え申し上げます。  二輪車の高速料金については、ETC搭載車両を対象に値下げする検討に入ったとの新聞報道があったことは承知してございます。  二輪車については、高速道路会社において、定額で一定期間一定エリアで自由に乗り降り自由となるツーリングプランを平成二十九年度から導入し、利用促進等を図っております。一方、報道であるような土日祝日にETC搭載車の二輪車の料金を普通車の半額とする案についても、昨年、二輪関係者等から御提案があったものと承知しており、具体的な内容等については高速道路会社において検討を進めているところです。  国土交通省といたしましても、高速道路会社の検討結果を踏まえつつ、引き続き、二輪車の利用促進及び地域活性化に向けて必要な対応をしてまいります。
  128. 浜口誠

    ○浜口誠君 今高速道路会社で検討されているということですけれども、いつぐらいに、あれですかね、結論が出るのか、現時点で国交省道路局として把握している点がありましたら教えてください。
  129. 吉岡幹夫

    政府参考人(吉岡幹夫君) お答えいたします。  検討結果の取りまとめ時期でございますけど、現時点では確定してございませんけれども、できるだけ早く結論が出るように努力したいというふうに考えてございます。
  130. 浜口誠

    ○浜口誠君 じゃ、引下げの検討をしているという認識でよろしいですね。確認です。
  131. 吉岡幹夫

    政府参考人(吉岡幹夫君) お答えいたします。  そのような提案がありましたので、そのような提案をベースに検討しているというふうに考えていただければと思います。
  132. 浜口誠

    ○浜口誠君 是非、二輪車の値下げ、しっかり御検討いただいて、より二輪車ユーザーが使いやすい高速道路料金を御提示いただきたいというふうに思います。  では、続きまして、国土交通省認識をお伺いしたいんですけれども、三大都市圏、東京、京阪神、中京圏、三大都市圏ありますけれども、この三大都市圏の中で中京圏の交通手段の特徴、どのような特徴が名古屋を中心とした中京圏ではあるのか、その点についてお伺いしたいというふうに思います。  また、名古屋高速と首都高、阪神高速、それぞれ都市高速ありますけれども、それぞれの高速道路の通行量を示す、一日の通行量を示す一キロメートル当たりの通行台数、通行量、これについて、それぞれの都市高速について教えていただきたいと思います。
  133. 吉岡幹夫

    政府参考人(吉岡幹夫君) お答えいたします。  三大都市圏の交通手段の分担率を比較いたしますと、首都圏や近畿圏では人の移動の約三割が自動車による移動となっていますが、中京圏では約六割が自動車による移動となってございまして、首都圏と近畿圏と比較して、自動車による移動の割合が大きくなっているというのがまず特徴でございます。  また、特に通勤、通学は少ないかもしれません、について見ますと、首都圏では約二割が自動車による移動となっている一方、中京圏では約五割が自動車による移動となっておりまして、これがまた中京圏の大きな特徴であるというふうに認識してございます。  もう一つ質問ございました、名古屋高速道路、それから首都高速道路、阪神高速道路のそれぞれについて、令和元年度の一日当たりの平均利用台数を供用している総延長で割った一キロ当たりの台数は、名古屋高速道路で約四千台、首都高速道路で約三千台、阪神高速道路でも約三千台というふうになってございます。
  134. 浜口誠

    ○浜口誠君 ありがとうございます。  今局長から御説明いただいた内容を絵にしたのがお手元の資料の一です。この図を見ていただけると、もう明らかなんですね。中京圏については自動車と二輪車の割合が圧倒的にほかの都市圏と比べても多いと、これだけ中京圏は自動車に頼った移動、物流になっているというのが見ていただけると思います。また、名古屋高速は、一キロメートル当たりの通行量は四千台ということで、他の都市高速に比べても非常に多いというのが今の実態です。  こうした中で、名古屋高速の料金の見直しが行われる計画になっております。今は定額制の、普通車でいけば七百八十円という料金なんですけれども、変更後は距離制の料金に切り替えるということになります。そうした中で、ETCを搭載していない現金精算車が今回の見直しによってどのような料金水準になるのか、ETC車と比べてどれだけ割高になるのか、その状況についてまずは御説明をお願いしたいと思います。
  135. 吉岡幹夫

    政府参考人(吉岡幹夫君) お答え申し上げます。  名古屋高速では、令和三年五月一日の名古屋第二環状道路の開通に合わせまして、御指摘ありましたとおり、定額料金から対距離料金に移行する予定でございます。  名古屋高速は、他の都市高速と同様、基本的に入口に料金所を設けていることから、現金でのお支払の場合、利用する出口を把握できないため、実際の利用距離ではなく、各入口から利用可能な最大距離に対応した料金を徴することというふうになります。そのため、現金車の場合は、全ての入口等のうち約八割の箇所で現金料金よりも値上がりとなる一方、残り約二割の入口で、利用可能な最大距離が限定されることから、現行料金よりも値下げとなります。  例えばですけれども、利用距離が平均に近い入口であります楠入口から名古屋高速に乗った場合でございますけれども、普通車の現行料金が七百八十円であるのに対して、新たな料金においては利用可能な最大距離が名古屋南ジャンクションまでの二十二・四キロであり、この場合の料金が千円となり、約三割の値上がりとなります。  一方、白川入口からの場合は、普通車の現行料金が七百八十円であるのに対し、利用可能な最大距離が名古屋西ジャンクションまでの七・二キロであり、この場合、料金が五百十円となり、約三割の値下がりとなります。
  136. 浜口誠

    ○浜口誠君 ありがとうございます。  今局長に御説明いただいた、一部なんですけれども、各委員先生のお手元に配ってあります資料二にあるとおりです。これが一部です、全部ではありませんけれども。  今回、ETCを付けていないいわゆる現金精算車は、現金でお支払いする皆さんは最長距離の料金を払わないといけないんですね。したがって、非常に、先ほども八割が値上げというかETCよりも高くなるというお話ありましたけれども、非常に高い料金を払わざるを得ないという料金改定になっております。下がるのは二割だけということなんですね。で、五月からなんですね。  このコロナ禍で、非常に国民の皆さん、会社の皆さんも大変な状況にある中で、ETCを付けていない車、現金で精算している車は日当たり何台ぐらいあるんですかね。その実態をまずはお伺いしたいと思います。
  137. 吉岡幹夫

    政府参考人(吉岡幹夫君) お答え申し上げます。  令和二年十二月における名古屋高速道路の日当たりの利用台数は約三十一万台であり、このうち現金支払車の利用は約七%、日当たり二万台というふうになってございます。
  138. 浜口誠

    ○浜口誠君 日当たり二万台の車が利用されているんですね。で、なおかつ上がるんです。八割は値上げ、高くなるんですね。  この五月に本当にやるんでしょうかね。これだけ国民生活が傷んでいる中で、この公共料金、高速料金というのはもう公共料金とイコールだと思いますけれども、タイミングが良くないですよね。このタイミングでやるべきものではないと思います。少なくとも、現金精算の車、ETCを付けていない車については従来どおり定額の料金で対応するだとか、何らかの配慮がやっぱりあってもしかるべきではないかというふうに思っておりますので、是非、名古屋の地域の問題だと言わずに、国土交通省の方からも、このタイミングはどうなのかということはしっかり指導もしていただけないかなというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
  139. 吉岡幹夫

    政府参考人(吉岡幹夫君) まず、名古屋高速の対距離化でございますが、まず、ETC利用も含めた全体で申し上げますと、よく御存じだと思いますけど、今回、値上げが四割で六割が値下げということで、全体では値下げの料金でございますが、今お話がありましたとおり、現金の支払が割高になるんではないかと、現金車への支払の配慮が必要ではないかということは認識しているということでございます。  対策でございますけど、まず、現金車からできるだけETC車の支払に移行していただきたいということがありまして、名古屋高速道路公社とそれから中日本高速道路会社でございますけど、におきまして、四月からETCの車載器の購入助成のキャンペーンを行うということも考えてございますし、クレジットカードを持たない方のために、ETCパーソナルカードの保証金の下限を現在の二万円から三万円に大幅に引き下げる検討なども行っているという状況でございます。  また、名古屋市においては、現金支払の利用者への更なる配慮も必要であるというふうに認識してございまして、負担軽減のための具体策についてできるだけ早期に名古屋高速道路公社が導入できるよう今検討していると聞いておりまして、国土交通省といたしましても協力してまいりたいというふうに考えているところでございます。
  140. 浜口誠

    ○浜口誠君 いろいろ対策を講じていただくというのは聞いております。  ただ、日当たり二万台、足下でも利用しているという実態がありますから、その対策でどれだけ、じゃETC付けれるかと。今、ETCが付けれないから現金で精算している車がこれだけあるというのが実態ですから、やはりその対策は対策で進めていただいてもいいと思いますけれども、それでも、五月以降、現金で精算せざるを得ない車というのは相当残ると思いますよ。それをどう考えるかというのをもう一度御答弁いただきたいと思います。
  141. 吉岡幹夫

    政府参考人(吉岡幹夫君) お答え申し上げます。  今、まさに名古屋市で具体策を考えているところでございますので、そういう内容を見ながら、どの程度影響があるのかということを考えさせていただきたいというふうに思います。  あと、先ほど、私、保証金の下限額を二万円から三万円と答えたようですが、二万円から三千円でございますので、済みません、失礼いたしました。
  142. 浜口誠

    ○浜口誠君 是非、大臣、どうですかね、本当に。  足下では、五月一日からの料金改定というのは方向は決まっておりますけれども、もう一旦立ち止まって考えていただくべき点もあるんじゃないかなと正直感じますけれども、率直な御意見、是非大臣の方からもお伺いしたいんですけど。
  143. 赤羽一嘉

    国務大臣赤羽一嘉君) 済みません、具体的なことはちょっと局長に確認してもらいたいんですけど。  一つは、ETCの導入というのは大局に見るとやっぱり進めていかなければいけないと、この当委員会でも衆議院でもそうなんですが、料金所によって事故発生率も多いとか、先日指摘を受けたところです。ただ、当然、個人の状況で、ETCを導入できにくいという個人の事情の方も少なくないし、そうしたことについては、それの導入についての、今一部御披露されたと思いますけれども、その支援をしっかりすると。理想論でいえば、全員がETCを導入できる、そうした施策として進めるということが基本なんじゃないかと。ただ、それは、なかなか言っても、一〇〇%にするというのは、東京都と国で今やっているんですけれども、そこを、最後の詰めをどうするかというのは一つ問題ですし。  それと、この時期の問題というのは、コロナの今のときにどうなのかというのは、そういう意見も多分たくさんあると思いますけれども、ちょっと今、五月一日の名古屋二環の全線開通と合わせてこの対距離制を導入するということで決めているということでありますので、浜口委員からの御指摘ですので、その点もう一度局長には確認して、今ここで返事するわけにはいきませんけれども、ちょっと瞬間的にも検討させなければいけないかなというふうに思います。
  144. 吉岡幹夫

    政府参考人(吉岡幹夫君) 今大臣からお話もありましたとおり、名古屋二環の開通に合わせて料金をセットしているということでございまして、かつETCの割合でも九二%、三%の値にもうなっているということもありまして、できるだけETCに移っていただくということと、今考えている現金車の対策を一生懸命考えて、できれば五月に進めていきたいという方向で今考えているというふうに聞いてございます。  この方向で国交省としても協力してまいりたいというふうに考えてございます。
  145. 浜口誠

    ○浜口誠君 そこをもう一旦立ち止まって考えていただきたいというのが今日の私の質問させていただいている趣旨ですので。  是非、いや、本当に、大臣言われるように全部ETCにしてあげてくださいよ、もう本当に、やるんだったら。ETCの装着できないから現金で今対応せざるを得ないというのがユーザーの実態だと思いますので、是非、いろいろ補助するんじゃなくて、もうETC付けますと、それぐらいのことをやった上で実施するならしてください、このタイミングでもしやるんでしたら。それぐらいの対応も是非現金車に対して、今回のような見直しをするのであれば。これは現金車排除ですよ、明らかに。現金車に対して冷た過ぎると思います、この環境下でやるのは。是非そこは、もう一度、名古屋の方とも御調整いただきたいなというふうに思います。  ちょっと時間ないので、次のテーマに移ります。  続きまして、お手元にもう一つ、資料三、ちょっとこれは局長にも見ていただきたいんですけれども、これ、中京圏の今回の料金の見直しを絵にしたものです。左側が現状ですね。右側が、先ほど大臣も触れていただきましたけれども、名二環という名古屋第二環状自動車道というのが五月一日に開通するんですけれども、それに合わせて、このグリーンのところがみんなオレンジに変わるんです。  ここの部分というのは、吉岡局長、料金が上がると私は理解しているんですけれども、そういう理解でよろしいですか。この三の資料、お手元の資料、あります。距離制料金に変わった後、従来グリーンのときは一キロ当たり二十四・六円なんですけれども、これがオレンジ色の料金に変わると一キロ当たり二十九・五二円にこれ上がるということなので料金引上げになるという理解をしているんですけれども、その点いかがでしょうか。
  146. 吉岡幹夫

    政府参考人(吉岡幹夫君) お答え申し上げます。  この中京圏の料金につきましては、料金を整理、統一するということでまずやってございまして、特に、名古屋市内に向かうところの料金のところを見ますと、周りを回っています東海環状よりも都心の方が安くなっているという部分がありまして、そういうことを考えましてキロ当たりの料金を変えているということでございます。  ただ、一方、この中心にあります名高速あるいは名古屋二環は同一の料金になっています。均一料金になっていますので、そこの料金を今度対距離に変えるということでございまして、この区間の地点のキロ当たりの料金はこうでございますけど、利用した形態によって料金は上がったりもするし下がったりもするということでございます。  事例もそこに出させていただいていますけど、都心に向かう車も、NEXCOの区間を通ると上がったりしますが、結果的に、名高速が下がりますので全体としては下がるというようなこともありまして、この色だけで上がる下がるという御判断をいただくのではなくて、どういう経路を通るかということで判断するというものになってございます。  結果的には、これ上がるところも半分、下がるところも半分というようなことで距離化しますので、そういう状況になっているというふうに認識してございます。
  147. 浜口誠

    ○浜口誠君 都市部は上がるんですよね。二十四・六円から二十九・五二円になる、これは上がるんじゃないですか。そこはちゃんと共通の認識に立った方がいいと思うんですけれども、それは間違いですか。
  148. 吉岡幹夫

    政府参考人(吉岡幹夫君) 都心部というのは、ちょっと名高速の部分は上がりもすれば下がりもすると、真ん中の青の部分がオレンジに変わっていますので、その部分は上がるところもあれば下がるところもあるということでございますので。  それから、名古屋二環も、今均一の料金になっているものは、上がるところも短く乗れば下がりますし、上がるので、どの区間を捉まえて都市部と言っているかはちょっと分かりませんけれども、利用する区間によって上がるところもあれば下がるところもあるというのが今回の料金だということでございます。  そこは距離に応じて決まるということと、今ある料金が幾らかによって変わってくるということでございます。
  149. 浜口誠

    ○浜口誠君 いろいろ御説明いただきましたけれども、私は、この都市圏、従来はグリーンの道が全部黄色くなることによって、対距離料金ということでいえば二十四・六円から二十九・五二円に上がるという今回見直しになっていると。  実際これ、二十九・五二円にした結果どのような対応を国土交通省としてやっていくんですか。これ実質値上げだと思うんですけれども、値上げした分はどういう活用を考えておられるんですか。
  150. 吉岡幹夫

    政府参考人(吉岡幹夫君) 何度も申し上げますけど、上がる区間もあれば下がる区間もあるので、それは距離に応じてと、今の料金に応じてなるということでございまして、上がるところだけを特別に手当てするとか下がるところをじゃ下げないとか、そういうことはしていなくて、距離に応じた料金にしていくということでございます。
  151. 浜口誠

    ○浜口誠君 では、この資料の一番下、ちょっとオレンジ色で囲ってありますけれども、いろいろ書いてありますけれども、必要な財源を確保、考慮と。要は、財源を確保するためにこういう改定をするんじゃないかなというふうに認識をしていますけれども、その点は違うんでしょうか。
  152. 吉岡幹夫

    政府参考人(吉岡幹夫君) 料金を整理する中でそのような財源が生まれるということであれば、中の渋滞の混雑の状況があるので、そういうものに生かしていくというようなことを考えているということでございます。
  153. 浜口誠

    ○浜口誠君 いろいろ高速道路についてはまだまだ議論したいことありますので、引き続きこの場でも議論させていただきたいと思います。  今日は終わります。ありがとうございました。
  154. 武田良介

    ○武田良介君 日本共産党の武田良介です。  一昨年の台風十九号で千曲川が被災をいたしました。長野市の堤防が決壊したわけですけれども、今日は、長野県東御市の護岸が崩れまして、その護岸が崩れたものに対し、今、権限代行で災害復旧工事が行われておりますが、その護岸工に不具合が生じたということであります。この問題について質問させていただきたいというふうに思います。  まず、国交省に概要の説明をお願いしたいというふうに思います。
  155. 井上智夫

    政府参考人(井上智夫君) 長野県管理の千曲川で国が権限代行を行っている災害復旧工事で発生した護岸工の不具合事象について、十二月二十八日付けの北陸地方整備局の記者発表資料に記載された不具合事象の概要を読み上げます。  令和元年台風十九号で被災した長野県東御市本海野地先については、権限代行として災害復旧工事を行っておりますが、護岸工に不具合が生じていることが確認されました。直ちに不具合箇所の調査をしたところ、次の箇所の不具合が判明しました。一、胴込めコンクリート充填不足、のり覆い大型ブロック背面の空洞が四千三百四十八か所。二、のり覆い大型ブロックの段差、ブロックの目開き、目地施工不良が九千百二十三か所。三、のり止め基礎未施工が二か所、合計百十二メートル。四、護岸端部の処理不備。  以上でございます。
  156. 武田良介

    ○武田良介君 工事の発注者は国交省の千曲川河川事務所というふうになっておりまして、受注者が大林組、もちろん下請企業ありますけれども、大林の系列のところでやっているというお話でありました。  今説明がありましたように、胴込めコンクリートの充填不足ですとかのり覆いブロックの問題、合わせると一万三千を超える不具合があるということで確認をされたわけであります。  済みません、資料、とじた順番がちょっとずれているかもしれませんけれども、申し訳ございません。おわびしておきたいと思います。  次に、ちょっとこういう問題でありますので、大臣にこの本件に関する所見といいましょうか、伺いたいと思います。
  157. 赤羽一嘉

    国務大臣赤羽一嘉君) この千曲川の被災地は、私も、十一月だったと思いますが、上旬に視察に行きました。千曲川が氾濫するというのは非常に珍しいことでありまして、しっかり見させていただきました。  ここは、権限代行で国交省から大林組というスーパーゼネコンに発注をして受注をされたと。受注者は、当たり前ですけど、工事請負契約において、設計図書に従って工期内に工事を完成させるということが義務でございますが、今回、設計図書に適合しない不具合事象が発生したと、これほど多くの箇所で発生したというのは大変遺憾であります。  このときは、たしか令和元年東日本台風、当時台風十九号ということで、一級河川等で全国百四十二の箇所で堤防が決壊するなど、確かに甚大な被害発生し、この応急復旧で、全国で約二週間で応急復旧をしなければいけないということで、そうした建設業界にとっては大変な状況だったということは確かでありますけれども、しかし、そうした事情があったにせよ、今回のような不具合事象は許されるものではなくて、改めて、工事契約の定めるところに従って厳しく対処していかなければならないと考えております。  昨年の十月に、受注者からこの不具合についての報告がありました。直ちに発注者である私ども国土交通省から受注者に対して原因究明と改善措置方針等の提出を指示し、また、今年の出水期に間に合うように再施工の指示を行ったところでございます。  この受注者に対するペナルティーにつきましては再施工を含む工事完了後にしっかり対応することになりますけれども、まずは、できるだけ早期に、出水期に間に合うように再施工を完了させて、沿川住民皆様に安心していただけるように全力で対応しなければいけないと、こう考えております。
  158. 武田良介

    ○武田良介君 この崩れた護岸の、ちょっと写真が写りが良くないですけれども、すぐ向こう側は、本海野宿といって、旧宿場町なんですね。観光地でもあると同時に、そこにお住まいの皆さんもいらっしゃいます。ですから、非常にここの護岸が崩れたということに対して恐怖を覚えておられる。これ不具合事象と説明されているんですけれども、現地の方たちは不良工事と言ってほしいと言って怒っておられましたけれども、今回のこの不良工事の原因は何でしょうか。
  159. 井上智夫

    政府参考人(井上智夫君) 千曲川の権限代行区間で生じた護岸の不具合の原因について、受注者から提出された改善措置方針等の主な内容のうち、不具合が生じた原因について読み上げます。  一、現場組織、施工体制的原因。大型ブロックを設置する工事の難易度に対する理解と河川工事経験の重要性認識が甘かったこと、河川工事経験を有するブロック工を配置できていなかったことなど。二、施工上の原因。一、胴込めコンクリート充填不足、のり覆い大型ブロック背面空洞、大型ブロック設置に際し、本来は一段ずつ施工するところ、工程を急ぐ余り二段ずつ施工し、バイブレーターが届きにくくなってコンクリートの充填性を低下させたことなど。二、のり覆い大型ブロックの段差、ブロックの目開き、目地施工不良。大型ブロック割り付け図作成に際し、平面線形や縦断線形、既設護岸とのすり付けなどの現場条件に対応した緻密なブロック割り付け計画がなされていなかったことなど。のり止め基礎未施工。既設練り石積みに対して根継ぎする構造と理解し、基礎工を省略してしまったことなど。四、護岸端部の処理不備。端部処理の協議が未決定のまま現地合わせで施工してしまったことなど。  読み上げは以上となりますが、特に、護岸の端部の処理不備については協議が未決定との報告になっているのに対し、実際は受注者が発注者の指示に従わないまま施工したことが原因であると考えているところです。
  160. 武田良介

    ○武田良介君 ちょっとおよそ信じられないようなことなんですよね。工事の難易度に対する理解が不足、河川工事の経験の重要性認識、まあ甘かったということだとか、ちょっと本当に信じられない問題と捉えております。  この問題、権限代行で行われておられます。これは、私、長野県の方にも聞きましたけれども、長野県の建設業界の方たちは、私たちからすると非常にあり得ない工事だと、業界も驚愕をしていると、長野県で行われた工事ですから、私たちの顔に泥を塗られたような気分だという、そういう怒りの声も私聞いてまいりました。  こういうことが行われているわけですけれども、これが行われることによって、資料の三も付けました、どういうことが起こるのか。耐洪水性能が低下するとか護岸コンクリートの構造が不安定化する、そして最後のところには、護岸崩壊に至る可能性がある。そうですね。千曲川は決壊してしまいましたから、そのことを感じておられる住民の皆さんが、不良工事によってブロックと堤体の間に水が入り、更に崩壊を招くような工事をされてしまったということで、非常に強い怒りを覚えておられます。  これ権限代行で行われたということなんですけれども、これ、権限代行というのは、激甚、頻発化する水害のために高度な技術が必要とされる工事、あるいは工事実施体制、技術上の制約によって都道府県管理の河川でこれらの工事を的確に実施できない場合に国土交通大臣又は水資源機構が代わって実施することだというふうに私聞いておりますけれども、この住民の皆さんは、権限代行で国が責任を持って工事してくれると安心していました。でも、そうではなかった、それだけに、今回の不良工事が発覚したことに、衝撃は本当に大きいものがある。権限代行に対する信頼が失墜しかねない大問題だというふうに私捉えておりますけれども、大臣認識を伺いたいと思います。
  161. 赤羽一嘉

    国務大臣赤羽一嘉君) 我が国として、国土交通省としても、大変この受注者に対しては怒りを禁じ得ません。  ただ、そうごちゃ混ぜにしないでほしいのは、国と県では、県から国は責任を持って権限代行を請け負いましたが、国が直接工事をするわけじゃありませんから、発注者と受注者にはまた契約をしているわけですから。こうしたこと、これは、終了して請負を通ったわけじゃない、途中の段階での調査でこれが、向こうからの報告で分かったわけですけど、これは、我々発注者にとってみれば、受注者、大林たる者が何をやっているんだと、率直に申し上げてそういうことですよ。それ以外のことはあり得ない。  だから、ただ、私が申し上げたいのは、今回、この台風十九号で、宮城県、福島県、茨城県、長野県等々で権限代行、多分五十か所ぐらいだったと思いますが、こんなことはこの一件だけで、この一件をもって権限代行が全部おかしいとか、なんということにすると、それは、とてもじゃないけど現場では回らなくなると。  これまではずっと、技術的な困難、人的な不足と、こうしたことはやっぱり国がどちらかというと乗り込んでやっていったということですから、私も、この案件は国土交通省としても大変、冒頭は遺憾に思うと言いましたけど、これ本当、あってはならないことだというふうに思っております。
  162. 武田良介

    ○武田良介君 これまで行われてきた権限代行が全て駄目だとか、そういうことを言っているわけではもちろんありません。被災者の皆さんの、この現地の皆さんの声から、権限代行ということで安心していたのにということで認識を伺いました。  国交省の対応はどうだったのかということで少し伺いたいというふうに思うんですけれども、不良工事の発生原因のところに、河川工事経験者が配置できていなかったと、一人もいなかったということが挙げられているんですけれども、国交省は、河川工事経験のある技術者が不可欠だと、そういうことは当然認識されていたということでよろしいでしょうか。
  163. 井上智夫

    政府参考人(井上智夫君) 河川における緊急的な災害復旧工事に配置する技術者については、土木施工管理技士等の資格を要件として求めております。河川工事の実績まで求めていないこれまでのこのルールで同様の不具合が生じたことはなく、このルールに基づいて受注者にしっかり施工していただくことが重要と認識しております。  また、ブロック工事を施工するために河川工事の経験を有する者を配置するかどうかは受注者、元請の受注者になりますが、において法令に基づき適切に判断すべきものであり、発注者としては、受注者に対して目的物をしっかりと仕上げてもらうよう徹底してまいりたいと考えております。
  164. 武田良介

    ○武田良介君 そういう方が必要だということを認識されていたのかということを伺ったんですけれども、認識されていたということでよろしいですよね。
  165. 井上智夫

    政府参考人(井上智夫君) 私どもは、配置する技術者については土木施工管理技士等の資格を要件として求めているというところで技術要件を求めているところでございます。
  166. 武田良介

    ○武田良介君 今回の不良工事ですけれども、一義的には、もちろん、先ほど来お話があるように大林組の責任が重大だというふうに思います。同時に、国がしっかりこれ管理監督をしていく発注者側の目というのも大事ではないかというふうに思っております。  端部、先ほどありました護岸端部の処理の不備の問題ですけれども、これ協議が未決定のままということで、先ほどの答弁でも、大林の方から報告が、報告というか協議の申入れがなかったということがありましたけれども、契約上こういう協議が必要だった、必要な協議がなされなかったということでしょうか。
  167. 井上智夫

    政府参考人(井上智夫君) 受注者からありました協議が未決定のままとの報告につきましては、武田先生への事前御説明の際には工事請負契約書の第五十五条に基づく協議が行われるべきであった旨の説明をさせていただきましたが、これは少し私どもの間違いでございまして、ここでおわびして訂正させていただきますが、改めて本工事の内容や経過等を確認させていただきました。  その結果、護岸端部の処理など当初の設計図書に記載のない工事については特記仕様書に基づき監督員の指示に従うものとされ、現に発注者側の監督員が詳細設計案の作成を指示しましたが、受注者が応じないまま工事が進められてしまったものと認識しております。
  168. 武田良介

    ○武田良介君 事前の説明、レクチャーでは、繰り返し繰り返し、資料にも付けさせていただきました、資料の四の一、二、三までですかね、付けさせていただきました。今説明のありました資料の四の二、総則の三条、それから最後の補則の五十五条、この説明は受けておりましたけれども、先ほどの特記仕様書の話、今日になって何かそういう話があるということで伺いました。正確な説明をしっかりしていただきたい、結果として私の資料も不十分なものになっているということでありますので、是非その点は指摘をさせていただきたいというふうに思います。  そういった点、協議が必要だと、事前に聞けばそういった協議が必要になるから、河川事務所の方から大林組に対して詳細の設計が必要だと、協議をしようと、早く作成してくれということを催促していたということを伺っておりますけれども、それは間違いないですね。
  169. 井上智夫

    政府参考人(井上智夫君) 間違いございません。  私どもの方から、再三にわたって詳細設計書案を作成するように、特記仕様書に基づいて受注者に指示をしておりました。
  170. 武田良介

    ○武田良介君 指示していたけれども、なぜその協議が未決定のまま工事が進んでしまったのか、実際には工事がそれで進んでしまい、今回の不具合という発表になっているわけですから、そのことの検証こそ私は必要なんだというふうに思っております。  実際、工事で使われた図面にはのり止め基礎を施工することになっていない図面も含まれていたと、それを使って工事が行われていたと、これは私も大林組に確認をさせていただきました。千曲川河川事務所も、協議が必要であるということを催促しながら、認識していたわけですから、しっかり協議がされていないことをそのままにしないで契約書どおりにきっちりと協議をしていれば、図面がのり面基礎を施工することになっていないことにも当然気付けるでしょうし、造り直しを指示することもできたんじゃないだろうか、今回の不良工事を防げたんじゃないかというふうに思いますけれども、その点いかがでしょう。
  171. 井上智夫

    政府参考人(井上智夫君) まず、今回の不具合事象のうち護岸端部の処理不備については、発注者側の監督員が特記仕様書に基づき受注者に対して詳細設計案を作成するよう再三にわたり指示していたものであり、適切に監督業務を行っていたと認識しています。  次に、護岸裏のコンクリート充填不足等の不具合事象については、受注者の責任において設計図書に従った施工をすべきものが、設計図書に適合しない施工がされたものと認識しています。  監督員の業務というものは、受注者が設計図書に従って誠実に施工することを前提として、契約の適正な履行を確認する上で必要な節目ごとに行うこととしており、具体的には、土木工事監督技術基準に基づき、あらかじめ定めた施工段階で施工状況の確認を行うこととしています。  本件においても、北陸地方整備局の監督員は同基準に基づき監督業務を行っており、これまで、護岸設置の予定箇所の確認や護岸の底部の基礎工等の不可視部分の確認など、現地の施工状況の確認を適切に実施してきたところです。  護岸ののり面工の施工状況の確認については、所定の条件を満たす受注者の施工実績に照らし、土木工事監督技術基準において設計図書との適合を工期中に一回確認を行うこととされており、本件においては、護岸全体の設置が完了する令和二年十月に行うこととしておりました。そして、その確認を行う前の十月五日に受注者から不具合の報告がありました。  監督員の確認行為はルールに従っており、不備はなかったものと考えております。
  172. 武田良介

    ○武田良介君 今回の工事については国としての検証も必要だというふうに私考えておりまして、二月八日付け、第三報というのが出されて、今説明がありましたような監督の強化の方針というのが出されております。しかし、本当にこの強化策を国交省として出すだけでいいんだろうかというふうに私は思っておりまして、なぜ協議が未決定のまま進んでしまったのかだとか、先ほど全ての権限代行ではないという話もありますけれども、大林組だけの本当に問題なんだろうか、ほかの現場はどうなっているのか、そういったことの検証も必要になってくるのではないか、現地の住民の皆さんの思いはそういう検証が必要だという思いだというふうに思っております。  というのは、この不良工事知った方から、茨城県の常総市の方でしたけれども、鬼怒川の災害復旧工事は同じような不良工事がありはしないかということで心配だということで、私の事務所にも電話もありました。しっかり国交省として今回の不良工事に関する検証をやるべきだということを改めて指摘をさせていただきたいというふうに思います。  次に、この工事の今後の進め方ですけれども、先ほどの大臣答弁にも、この後撤去し、そして再施工していくという話もありました。今この撤去作業が進められていて、改めて復旧工事が進められるという予定ですけれども、その進め方についても不安の声がありました。撤去作業と再施工を急いで突貫工事でやることになると思いますけれども、品質、安全、両方をどう確保するのか、こういう声が上がっておりますけれども、国交省、いかがお考えでしょうか。
  173. 井上智夫

    政府参考人(井上智夫君) 本災害復旧工事に係る不具合については、本年一月二十九日、受注者より改善計画書の提出があり、これに基づき、発注者より受注者に不具合のあった護岸工の再施工を請求し、既に着工しているところです。出水期までに護岸の機能を回復させる必要があるため、多くの作業を同時並行的に進め、できる限り工期を短縮することとしています。  ただし、安全の確保は当然の前提であり、受注者に対し、上下作業による資機材の落下やクレーンの回転半径内の作業錯綜等には、法令に従い、十分配慮させることとします。  また、品質の確保については、受注者に対して、現場管理体制や組織の強化、各工種の具体的な作業手順を定め、工種ごとに作成するチェックリストによる確認などを行わせることとしています。  さらに、発注者としても、今回の不具合箇所の再施工が大規模かつ短期間に実施されるものであることから、通常の工事では行わない重点的な工事監督業務として、工事着工前に施工体制をヒアリングにより確認すること、施工途中の段階確認の項目や頻度を増やすことに取り組みます。  こうした取組によって品質と安全を確保して、できるだけ早く工事を完成させたいと考えております。
  174. 武田良介

    ○武田良介君 今説明ありましたけれども、現地の方たち、一月にその工事説明資料というのが出されて、今答弁があったようないろいろ配慮しますということがあるんですが、それが記載されている説明を受けた上でも、流域住民の皆さんは、振動だとか粉じんですとか騒音、とりわけ心配をされておりました。  住民の皆さんの声聞いて進めていくことが重要だと、時には住民説明会を臨時で開くことなども含めて必要だと思いますけれども、改めて、いかがですか。
  175. 井上智夫

    政府参考人(井上智夫君) 本年一月二十四日から二十六日にかけて、発注者である国土交通省と受注者が合同で、不具合の発生状況やその後の対応について、地元説明会を開催いたしました。  この中で地元の皆様からいただいた御意見や御要望を踏まえ、受注者において、夜間作業は行わない、工事車両について朝夕の通勤通学ラッシュ時の材料運搬を避ける、振動測定の結果、管理目標値を逸脱した場合は一旦作業を中止し、速やかに原因を究明する、騒音対策の強化として、防音シートの高さを高くし、住居側に設置延長を延ばす、粉じん対策の強化として、散水車の散水頻度を必要に応じてから一時間に一回に変更するなどに取り組むこととしております。  また、地元住民向けの工事見学会の開催や電子案内掲示板を用いた工事情報提供を受注者に要請するなどにより、地元の御理解を得ながら工事を進めていくこととしています。
  176. 武田良介

    ○武田良介君 是非、住民の皆さんの声にしっかり耳を傾けて取り組んでいただきたいというふうに思います。  この点で、じゃ、最後、大臣お願いします。
  177. 赤羽一嘉

    国務大臣赤羽一嘉君) 流域住民皆様に大きな不安を与えるということはあってはならないことでありますので、今局長から答弁したように、一月二十四日、五日、六日と住民説明会をし、そして、皆様からの御要望をいただいて夜間作業を行わない等々対応しているところでございますし、また、工事の見学会もこれまで四回開催をさせていただいて、約八十名の方に参加をいただいております。  基本的にこの精神は貫きながら、しっかりと出水期までにちゃんと工事を仕上げると、これはもう大林組のプライドに懸けてやっていただかなければいけないと、こうはっきり申し上げておきたいと思います。
  178. 武田良介

    ○武田良介君 二度とこういう工事が起こらないようにしなければならないというふうに思いますし、そのための検証検討を国としても是非やっていただきたいということを重ねて求めまして、質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  179. 江崎孝

    委員長江崎孝君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後三時三十七分散会