運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

2021-05-19 第204回国会 参議院 国際経済・外交に関する調査会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    令和三年五月十九日(水曜日)    午後二時九分開会     ─────────────   出席者は左のとおり。     会 長         鶴保 庸介君     理 事                 今井絵理子君                 柘植 芳文君                 中西 祐介君                 川田 龍平君                 三浦 信祐君                 柳ヶ瀬裕文君                 上田 清司君                 伊藤  岳君     委 員                 朝日健太郎君                 猪口 邦子君                 小野田紀美君                 金子原二郎君                 二之湯 智君                 森 まさこ君                 山田 修路君                 吉川ゆうみ君                 小沼  巧君                 熊谷 裕人君                 田島麻衣子君                 横沢 高徳君                 里見 隆治君                 高橋 光男君                 高良 鉄美君                 ながえ孝子君    事務局側        第一特別調査室        長        清野 和彦君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○国際経済外交に関する調査  (海を通じて世界とともに生きる日本について  )     ─────────────
  2. 鶴保庸介

    会長鶴保庸介君) ただいまから国際経済外交に関する調査会を開会いたします。  国際経済外交に関する調査を議題といたします。  本日は、中間報告書を取りまとめるに当たり、これまでの調査を踏まえ、「海を通じて世界とともに生きる日本」について委員間の意見交換を行いたいと思います。  意見交換は、あらかじめ発言者を定めずに行いたいと思います。  まず、大会派順に各会派一名ずつ指名し、その後は、会派にかかわらず御発言いただけますよう整理してまいりたいと存じます。  発言を希望される方は、挙手の上、会長の指名を受けてから御発言いただけるようにお願いいたします。  また、できるだけ多くの議員が発言機会を得られますように、委員の御発言はお一人五分程度となるように御協力をお願いいたします。  なお、御発言は着席のままで結構でございます。  それでは、発言のある方は挙手をお願いします。  中西祐介君。
  3. 中西祐介

    中西祐介君 自由民主党の中西祐介でございます。  調査会の二年目、都合十七名の参考人先生方から貴重な御意見議論を踏まえまして、来年、三年目の最終報告に向けて大きく二つのことで意見を申し述べたいと思います。  まず、調査会運営の在り方について申し上げたいと思いますが、国を挙げてテレワークを推奨する中で、感染症対策のためにオンラインでも意見聴取を行えるような環境を整えるべきだと提案申し上げたいと思います。予算委員会の方では地方公聴会に代えてオンラインでの聴取も行われたところでありますので、是非、本調査会でも早急に中継設備備品等環境整備に努めていただきたいと思います。  二点目でありますが、この調査会については、昭和六十年の参議院改革協議会の答申を踏まえて翌年から設置をされているところでありますが、その運営は各委員会に準用しているところでありまして、例年、衆議院の予算審議の裏の二月ですね、さらには予算成立後の四月から五月に、この水曜日に定例会ということで開催をして、参考人からの意見聴取、また委員間の自由討議ということを基本としてされておりますが、正直言って先生方の御負担感も非常に大きいところもあると思います。  この感染症の収束が行われれば、整えば、ODA特別委員会の例もあるように、今までは、三年に一回ぐらい海外視察、そして三年に一回ぐらい国内視察ということも含んでいたようでありますが、基本的に、座学のみならず、委員派遣等現地調査をして幅広い御意見をいただけるような運営の工夫が必要ではないかと思っておりますので、来年度の活動に向けて調査会長予算確保の御尽力に大きく期待を申し上げたいというふうに思います。  続いて、(発言する者あり)はい。議事録にも残るということなので、各調査会テーマについて申し述べたいと思います。  特にこの一年間は、横断的な視点から、北極南極極域、それから生物多様性保全、脱炭素社会に向けた取組海洋安全確保海洋環境海洋教育人材育成等をめぐる問題を調査してきたところでありますが、とりわけ六つの点について簡潔に申し上げたいと思います。  まず、安全保障及び経済上の国際的な重要性が高まっている北極についてでありますが、経済開発持続性環境先住民文化保持等も含めた多様性確保など、今後の我が国のプレゼンスをどう高めるかという論点が重要であります。科学技術社会科学分野も含めた活動を後押ししながら関係人材育成が大変重要でありまして、まさに、こうした大きなビジョン策定を、作った上で、産学官連携の下で極地政策というものを進めていくべきだというふうに思っております。  生物多様性につきましては、まさにSDGs達成に不可欠なことでありまして、気候変動安全保障経済と密接に結び付いておるところであります。陸と海の連続性ということも踏まえまして、海洋保護区の管理、保全、またODAを通じた日本モデルの普及や国際的なルール策定を主導していくことが必要だと考えています。  脱炭素社会につきましては、国際競争に勝ち得る浮体式洋上風力発電技術日本が持ち合わせていることや、海事産業クラスター維持のためにゼロエミッション船開発重要性参考人から示されたところであります。これらの開発のために、国による開発リスクの軽減、バックアップ、あるいは自動車航空産業など幅広い分野における人材あるいは技術力活用して我が国産業活性化に寄与することを主眼に置いて取り組むべきだと考えております。  海洋環境につきましては、まさに今話題の海洋プラスチックごみにつきましては、まさにアジア諸国世界的な大きな発生源になっておりまして取組強化が求められておりますが、気候変動やごみ問題の実態の把握、また対処のために全世界的な海洋観測を行う必要性参考人からも示されました。我が国は、途上国への技術移転とともに、分野横断的な海洋観測システムに係る体制整備を早急に行うべきだというふうに考えております。  海洋教育人材育成分野では、教科書への海洋に関する幅広い記述が必要との指摘がありました。また、産業を支える外航船、内航船船員育成、またライフ・キャリアプランの充実を進めるべきとの指摘もありました。  国際貿易のほぼ全てを海上輸送に頼っている現状に鑑みまして、過酷な勤務環境や有事には生命の危険もある業務内容を踏まえ、処遇や福利厚生分野を充実させることが重要であります。さらには、安全保障観点から、日本人と外国人船員の数の将来にわたる適正な水準確保安全性、安定的な待遇を確保する等の方策を講じるべきだと指摘をしておきます。  最後にでありますが、最も重要だと思っておりますのは、海洋安全確保についてであります。  この中国海警法制定など力による現状変更を目指す動きに対して、国際法を遵守しながら多国間との連携をいかに深めるか、領域を守る安全保障体制をどのように構築するのか、まさに今、我が国は極めて重要な課題を抱えておるところであります。海上保安庁の人的あるいは物的な資源確保に努め、グレーゾーンに対処する取組、また海保と自衛隊の連携強化など、環境整備を迅速化すべきだと考えております。  これらの課題はまさに我が国の存亡に関わる話でありまして、過言ではないそうしたテーマについて内外に広く周知をする、共有をする役割も本調査会が担っていかなければいけないというふうに考えております。  二〇一八年に閣議決定をされました第三期海洋基本計画が現在折り返しを迎えておるところでありますが、政府に対して、海を通じて世界とともに生きる海洋国家日本として、我が国の国益をしっかり断固として守っていくということを前提にしながら、国連海洋科学SDGsにも貢献できるよう、次期計画策定に向けた建設的な提言等を行っていくべきだと考えております。  以上であります。
  4. 鶴保庸介

    会長鶴保庸介君) 御苦労さまでした。  それでは、引き続き、川田龍平君。
  5. 川田龍平

    川田龍平君 立憲民主党川田龍平です。  今日は意見を述べさせていただきます。ありがとうございます。  第一回の極域における環境問題に関する現状課題議論の中で、先住民北極における重要なプレーヤーであり、ステークホルダーであることを伺いました。北極及び地球全体の環境保護や持続可能な開発において、先住民といかに協働していくか、その政策決定プロセスに彼らの経験、知識をどのように生かしていくかが重要であると思います。  日本においても、周辺海洋を含めた環境保護において、いかに先住民である例えばアイヌの人々とともに進めていくか、また政策決定プロセスに、アイヌ人たちや海と共存してきた沖縄、奄美大島など離島人たちの知恵と経験をいかに生かしていくかが大事だと思います。  第二回の風力発電のことが取り上げられましたが、日本技術を生かした洋上風力発電には本当に夢があると思います。脱炭素社会に向けての取組としては、太陽光発電地熱発電なども重要ですが、日本は海に囲まれた国ですから、やはり洋上風力発電はとても重要になると思います。  参考人の方からは、日本風力発電産業が小さくなってしまったが、優秀なエンジニアが残っているというお話も聞きました。また、北海道を始め東北地方太平洋側中国地方日本海側から九州まで、日本には広い範囲にわたって洋上風力発電の好適地があるというわけですから、それぞれの地域の条件に合った風車を開発できれば物すごい潜在力があると思います。もちろん、地元住民や漁師さんたち意見も聞きながら進めていくことも大事ですが、メンテナンスやそのための技術開発なども含め、新たな産業育成することにもつながるのではないかと思います。  日本だけでなく、風力発電技術東南アジア、アフリカを始め、世界に貢献していくことも可能だと思います。そのためにも、風力発電技術については、オープンソース化して開発時間を短縮するとかコストを減らしていくということも必要だろうと思います。  第三回目の海洋安全確保に向けた課題取組議論の中でありましたとおり、中国の覇権主義的な行動に対処するためには、法の支配を基本的なルールとした国際秩序確保し、共通価値観を持つ米国やEU諸国連携して外交的なプレッシャーを掛けていくことも必要だと思いますが、一方で、他方で、国を超えて協力関係を築き、協調関係強化していくことで平和を構築していくという姿勢が重要だと思います。特に、隣国の韓国台湾との協力関係は最重要だと思います。  日本は超高齢化社会になり、人口減少も進んで、市場としての魅力も薄れつつあります。経済的に生き残っていくためにも、一国の力では立ち行かなくなっているのも現実です。もちろん、韓国台湾だけでなく、フィリピン、インドネシアなど東南アジア諸国との協力関係も欠かせないと思っています。基本的な姿勢として、海を隔てて対立をするのではなく、海を共有財産公共財産と考えて諸外国と交流を進めていくことが重要であると考えます。  未来に向けては、理科教育海洋教育を積極的に呼び込むことで、次世代の人たちにもっと海に関心を持ってもらうことが大事だと思います。外航運用を永続的に維持していくためにも、将来、船員を希望する人たちを増やしていきたいという思いもあります。海に関わる仕事を、男性だけでなく女性にとっても魅力的なものにできればと思います。そのためにも、日本の里山が見直され、協力して回復、維持していこうという意識が高まっているように、里海も皆で守っていこうという機運を盛り上げていくことが必要だと思います。  最後に、他委員会ではありますが、参考人方々からは口々に、国会はまだオンラインではないのかと言われました。オンライン参考人質疑是非実現していただきたいと思います。  そして最後に、「海を通じて世界とともに生きる日本」について、やはりこの海を通じて世界とともに生きるためにも、海外視察実現是非要望いたします。  終わります。
  6. 鶴保庸介

    会長鶴保庸介君) 引き続きます。  三浦信祐君。
  7. 三浦信祐

    三浦信祐君 公明党三浦信祐でございます。  コロナ禍の中、参考人先生方国会にお越しをいただいて御教授を賜りましたこと、この場をお借りして感謝を申し上げたいと思います。  先ほど来ありますように、オンラインであればより多くの先生方に声をいただけるのではないかというふうに思いますので、重ねて皆さんと共有をさせていただきたいと思います。  多くの気付きを与えていただきましたことに基づいて、以下、意見表明といたします。  極域をめぐる諸課題への取組でありますけれども、北極海の活用について、資源調達、特にLNGの安定供給に欠かすことはできない新たな航路開拓発展性環境共有する責任日本は有しております。その責任を果たすためには、日本が長年培ってきた海洋気象観測能力情報提供体制構築北極航路開拓を促進するために必要な連携体制連絡システム構築など、優位性を発揮し、ルール化を図るために貢献することができると私は考えております。  一方で、研究開発への支援が足らないこと、海洋観測を実施するための必要な船舶の確保、そして救難体制整備についての日本能力活用等、そしてリスクヘッジ、インフラ整備などの環境構築が必要であります。政府は、積極的に北極海についての今後の展望を明確にし、協力体制世界との連携強化すべきであり、予算措置を含め、開発運用への大きなかじ取りを行っていただきたいと思います。  また、北極について国民的理解の醸成が欠かせません。南極については、日本は長年にわたって有人研究を実施し、世界的に評価も高く、国民にとってはるけき地ではあるものの、多くの国民皆様理解をしております。北極については、未開拓と言っても過言ではありません。日本にとっての有用性魅力を引き出す取組が必要と考えます。  次に、海洋安全保障確保に向けた課題取組として、中国との関係について述べます。  まず、世界国連海洋法条約に基づいた海洋活用基本でなければならないことを改めて確認すべきであり、日本政府国際社会に対して、当然のごとく、正当な主張と確実な運用を訴え続ける必要があります。  その上で、日本周辺海洋安全保障環境が厳しさを増す中、常に冷静かつ国際法に基づく対応を考えていくべきであるとの小谷参考人の御指摘に賛同いたします。中国海警法に対する過剰な反応よりも、外交上、国際連携を深める中で、海洋法の精神にのっとり、海警法運用をさせない国際圧力が必要であると私は考えます。  連日のように海上保安庁が着実に任務に当たられ、エスカレートを防ぐ先頭に立っていただいていることに敬意を表したいと思います。政府一丸となって海上保安体制強化に関する方針にのっとって整備することは必要であるものの、海上保安庁における業務執行体制のアンバランスをなくすための方策教育訓練体制の時間と施設の確保も同時に進めなければならないと私は考えております。海上保安庁のOBの方々活用も強力に推進すべきだと強く訴えたいと思います。  一方で、平和と持続可能な社会と存立のためには、日中海空連絡メカニズムを整え、運用をするために、一日も早く交渉を進め、実用化を強く求めたいと思います。また、軍事的エスカレーションを起こさないためのリスク解消へ向けて、外交当局は、粘り強く、かつ中国に言うべきことをしっかり言いつつ、冷静かつ国際法にのっとって交渉を行い、実を結ぶための努力を、あらゆる努力を重ねるべきだと考えます。  最後に、世界とつながる海を守るため、海洋プラスチックごみについて言及したいと思います。  東梅参考人からの御指摘、御提案には深く賛同するところであります。海洋プラスチック問題について、国際的ルールが存在していないことは喫緊課題であります。その中で、七十か国が条約早期発足解決へのコミットに基づく解決プロセスを図るべきだとの表明に対し、日本は出遅れていることは否めません。さらに、廃プラスチック発生量世界第三位であり、国内リサイクル率一六%と、諸外国に比べて低い我が国責任は重大であります。海洋生物保護観点から、また脱炭素社会実現を目指す観点からも、発生量を抑制する取組も欠かせません。  東梅参考人からの、海洋プラごみ問題解決へ、早期にこれらの枠組みに参加を表明ルールメーキングに最初から関わること、リーダーシップを発揮する最大のチャンスとなるとの御提案は極めて重要であり、日本は今すぐにでも取りかかるべきだと考えます。  日本における海洋教育の進展、海からの恵みと守るべきものが混在する世界との接点として、国を挙げて理解促進利活用、そして環境保全への強力な取組をすべきであり、私たち公明党もしっかりと取り組んでいきたいとの決意を込めて、意見表明とさせていただきます。  ありがとうございました。
  8. 鶴保庸介

    会長鶴保庸介君) 御苦労さまでした。  それでは次に、柳ヶ瀬裕文君。
  9. 柳ヶ瀬裕文

    柳ヶ瀬裕文君 日本維新の会の柳ヶ瀬裕文でございます。  まず、この二年間にわたって様々な参考人の招致等々の御尽力に、事務方皆様を含めて、感謝申し上げたいというふうに思います。  まず、ちょっと済みません、私、雑駁な、先ほど三分ぐらいで考えたことを話をさせていただきたいというふうに思いますけど、中西さんのオンラインには賛成です。是非オンラインやっていただきたいというふうに思います。その方が、多分オンラインでないので来れなかったという参考人の方がいらっしゃったかというふうに思いますので、調査の幅が広がるのかなというふうに思います。是非これは実現をしていただきたいというふうに思います。  また、この二年間で学んだこととして、海といっても様々な切り口のテーマが多岐にわたってあるんだなということで、重層的に様々な分野が積み重なってこの海というテーマで話し合うことがあるんだなということはよく分かりました。それと同時に、多分それは重なっている共通テーマと言えるものもたくさんあるんだろうというふうに思います。ですから、三年目に当たっては、より大きな次元でテーマ設定をして、海は中心ではあるけれども、海以外の部分を含めて、より大きなテーマ設定で話し合うことができないかなというふうに思います。  そもそも、この調査会国際経済外交に関する調査会ということでありますので、その名前に資する活動といったことも考えていった方がいいのかなというふうに思います。長期的な視点ではやっぱり環境ということになると思いますけれども、喫緊課題として私が重要だなというふうに感じているのは、やっぱり海洋安全保障の問題でございます。海警法の問題を含めてかなり緊張が高まっている中で、日本海洋国家としてどういった立場で世界と接していくのかという、まさに外交部分ですよね、これをしっかりと私たちの中で調査研究をしていくということは大いに意義のあることなんではないかなというふうに考えておりますので、是非調査よろしくお願い申し上げたいというふうに思います。  また、百聞一見にしかずということで、先ほど視察の御提案も出ていますけれども、私も是非視察実現をさせていただきたいというふうに思います。その中でも、先ほど関係の流れでいうと、例えば尖閣諸島とか、あと国境離島、こういったところに是非、単発で行くとかなり御迷惑はお掛けするようなところだというふうに思いますので、是非この調査会視察を実行していただけたら有り難いなと思います。  私も、十年前に尖閣諸島を見に行きました。そのときは漁船に乗って、多分十時間ぐらいですかね、掛けて行って、もう海に放り出されて死ぬかなというふうに思いながら行きましたけど、そのときに分かったことは、本当に尖閣諸島近辺で漁業を営んでいらっしゃる方がたくさんいるんですが、もう海は大荒れなんですね。大荒れの海の中でまさに命懸けで漁をされている方がいらっしゃるんですけれども、ただ、そこで、じゃ、放り出された、いろんなトラブルがあったとしても尖閣に寄港することはできないという、もう極めて厳しい環境にあるんだなということはよく分かった次第であります。百聞一見にしかずということですので、是非そういった視察機会を設けていただけたら有り難いなというふうに思います。  また、参考人についてですけれども、学術関係者が多かったのかなという印象を受けています。ですので、様々な運動、活動をされていらっしゃる方がいると思います。NPOで海にまつわる活動をされている方、またNGOの方、そういった方もいらっしゃると思いますので、そういう方をお招きして、その活動をしていく上での困難な点であるとか様々な考えを聞くということもいいのかなというふうに思いました。  私の発言は以上です。ありがとうございます。
  10. 鶴保庸介

    会長鶴保庸介君) 御苦労さまでした。  それでは、引き続き、上田清司君。
  11. 上田清司

    上田清司君 国民民主党新緑風会新緑風会上田でございます。  まず、今調査会の審査、討議を通じて、海洋国家日本維持並びに海洋資源を含む様々な機会をつくっていただいたこと、改めて、会長、両筆頭の御尽力感謝を申し上げたいと思います。ありがとうございました。  世界気候変動テーマになったこともございました。しばしば異常気象や災害が起こっていることも事実でありますが、冷静に私たちは対処すべきではないかと思います。  ローマ・クラブの「成長の限界」の影響を受けて、人口爆発にある意味では乗せられて、田中内閣時においては大来佐武郎氏を座長にして人口問題懇話会を設置して、当時、結論が子供は二人までと。当時の新聞の社説は、政府は手ぬるいと、人口庁をつくってもっと抑えろと、ここまで言われておりました。最近、こども庁なんという話も出ていますが、これは余計なことですが。また、四十五年前でしたので、それが、もう十五年たったら、今度は少子化といってエンゼルプランが作成されたりしてきたところでございます。このように、冷静に判断しなければならないということであります。  今はやりのEV車電気自動車ですが、トヨタのハイブリッドにかなわないもので、欧州のメーカーあるいはアメリカのメーカー自分たちの土俵をつくって、ある意味ではトヨタを追い出そう、日本車を追い出そうという作戦とも思われるところもありますので、安易にEV車に乗るということもいかがなものかという判断だってあるべきだし、日本の誇るべき自動車産業を潰さないようにしてEV車に移る、移行するというような方法なんかも考えなければならないのではないかと思います。  押しなべて、石油資本原子力資本をやっつけるためにいろんな仕掛けをしておりますし、また、原子力資本石油資本をやっつけるために、いろんな意味クリーンエネルギーだとかという形で宣伝をしていたりします。  もう本当に、美しいテーマも、時々、裏にはまさに毒の付いたとげがあったりしていますし、グリーンランドにしても、まさに名前のとおり、かつて暖かい時代には牧草が生えていたと。今は氷に閉ざされていると。縄文時代の東北も暖かくて、当時の植生などを見れば今の九州なんかと変わらないような状態でありますので、何百年とかあるいは千年という単位では、気候変動も必ずしも、丁寧に見ていかないと、その時々の雰囲気に負かされてしまう。  レジ袋の狂騒曲も私はそうだと思っています。おかげさまで、八〇%、レジ袋は要らないといって、マイバッグ。しかし、このマイバッグはほとんどがポリエステルですので、レジ袋以上にCO2を出してしまうという、これを作る過程の中で。で、やはりレジ袋的なものは家庭で必要ですから、またレジ袋的なものを結果的には購入すると。したがって、絶対量は変わらないと。一体いかがなものだったんだろうと。  こういうふうに、時々私たちは合成の誤謬みたいなことをやってしまいますので、今後もやっぱり冷静に物事を見ていく努力をしなければならないというふうに本当に思ったところでございます。  いずれにしても、見識を深める機会をたくさんいただいたことに、心から改めて、会長始め関係皆様に御礼を申し上げます。ありがとうございました。
  12. 鶴保庸介

    会長鶴保庸介君) 御苦労さまでした。  引き続きます。  伊藤岳君。
  13. 伊藤岳

    ○伊藤岳君 日本共産党の伊藤岳です。  この国会での調査を感想的に振り返りながら、意見表明をさせていただきます。  今国会調査会は、コロナ禍での調査会となりました。私も、新型コロナウイルス感染と海洋をめぐる環境問題との関係で、参考人に幾つか質問をさせていただきました。  地球温暖化の下で永久凍土が融解して、炭疽菌に感染したトナカイの死骸が露出して炭疽菌が集団発生した事故に関わって、参考人から、永久凍土の中には見えない危険がいろいろ潜んでいる、温暖化が進むと大変だと早く警鐘を鳴らすことが大事だと指摘をされました。  また、森林破壊によって人が自然の領域に過度に接近したことにより、コウモリから人への新型コロナウイルスの感染ルートが生まれた可能性が高いとの研究発表に関わって、参考人からは、調査、報告、防止、知見の体制が全く不足をしている、予算が充てられないと解決に程遠い、森林伐採でどのように病気が感染していくのか着目する必要があると述べられました。  いずれにしても、これまでの社会経済活動の在り方をこのまま続けていってよいのかを考えさせられる、私にとっては非常に刺激的な調査会となったと感じています。参考人も強調されたワンヘルスアプローチ、健全な環境、人間の健康、動物の健康を一つの健康と捉えて、今後の社会経済活動の在り方や海洋をめぐる環境問題について深めていきたいと思いました。  関連して、海洋プラごみ問題が何回かの調査会議論となりました。  私は、サーマルリサイクル、熱回収に依存せざるを得ない方策ではプラスチックごみの焼却処理によってCO2を排出することになり気候変動海洋気象に影響を与える、リデュース、削減を優先的に取り組むべきだと思うと伺いましたが、参考人からは、リサイクルだけだとやはり必ず海に出ていくものが出てくる、まずはプラスチック全体の量を減らしていくことだとお話しされました。これ、重要な指摘だと受け止めて、プラスチックの製造企業責任課題などを今後の調査に生かしていきたいと思いました。  海洋安全保障、特に海警法など今の時の話題がテーマになったことは非常に重要だったと思います。  私は、那覇市議会の意見書も紹介して、日本政府が、歴史的にも国際的にも尖閣諸島日本固有の領土であることを、中国に対しても国際社会に対しても道理を尽くしてしっかりと主張することが重要ではないかと尋ねましたが、参考人からは、もう領有権を争うような問題は存在していないと言われるが果たしてどうなんだろうか、中国日本の主張はどっちがどうなんだというところは国際社会の中には実は十分に浸透していない、もっと主張していく必要があると意見を述べられました。なるほどとうなずきました。  尖閣諸島をめぐる中国の力による現状変更、覇権主義的な行動は、国際法から見てもどんな理由でも決して許されるものではありません。そして、領土に関する紛争問題の解決においては、道理を尽くして主張し続け、国際法にのっとり、外交的、平和的解決に力を尽くすことが何より重要だと意を強くしました。引き続き調査を進めていきたいと思います。  最後に、鶴保会長、理事の皆さん、また事務方方々御苦労感謝を申し上げて、意見表明とします。  ありがとうございました。
  14. 鶴保庸介

    会長鶴保庸介君) 御苦労さまでした。  それでは、高良鉄美君。
  15. 高良鉄美

    高良鉄美君 沖縄の風の高良鉄美でございます。  私からも、幾つか意見と希望等を述べたいと思います。  最初に、コロナの関係とかオンラインの話がずっと出ておりましたので、多くの希望としてやはりオンラインというのがあると思います。そのオンラインというのは、せっかくオンラインでやるんだったら、現場とオンラインでやると。つまり、海そのものと向かい合っておけるようなオンラインの、公聴会なりの、こういう、何ですかね、意見を聞くということが非常に重要かなと、もしやるんであればですね、それもプラスしていただきたいなと思います。  あと、一番最初に、やっぱり海のこの安全保障の問題で尖閣列島よく出ましたけれども、私も中国で、山東大学というところでちょっと講演をしたら、その質問が通訳されませんでした。何で通訳していないのか、この質問をと言ったら、いや、ちょっとやりにくいということで、じゃ、どんな質問なんだと聞いたら、尖閣は琉球のものかという質問でした。何だということで、ちゃんと通訳してくださいということで、当たり前だろうと答えてくださいと言ったんですね。  それは当たり前だろうと言ったのは、それは沖縄にとっては歴史的にずっとそうであって、そういう情報があって当たり前だと思っていると。しかし、中国の学生の皆さんは、中国でいえばエリートですから、大学生、大学院生、自分で調べたんですかと。要するに、どこかから情報が入ってそういうふうになってしまったのと。だから、あなた方は、もしちゃんともう中国の中でそういうことを調べているんであれば、私と一緒にちゃんと議論をしましょうということを言ったら、物すごい、何ですかね、和んだんですね、逆に。だからやっぱり、どこから情報が入って、現場でどうなっている、そして、そういったやり取りをちゃんとやっていくことが大切じゃないかなと思いました。  そして、日本列島、沖縄のずっと南まで長いんですけれども、北海道から。特に最後の与那国のところは、自分の八重山郡の石垣島よりもずっと台湾が近い。そして、この台湾が近いところで、台湾が見えるので、与那国町の役場には、与那国が映っている台湾、そもそもですね、大きなのが映っているんですけれども。やっぱりその距離感とともに、日本からいうと与那国のこの先はもう外国ですね。  そうすると、航路としては、与那国からすると、普通に行って、関税なども、非常に簡単に税関できたら非常にいいんですけれども、それがなくて那覇に行かなきゃいけないと、もうずっと離れたところに行かなきゃいけないと。だから、内航と外航という話がありましたけれども、そこら辺も非常に、昔から、いわゆる戦前からずっと付き合ってきた海との関係では全く違うんだということも御理解いただきたいなと思っております。  そして、尖閣の問題ずっと続きますけれども、むしろ尖閣は、沖縄の方からいうと、貿易のため、交易のための島だったんですね。要するに、中国に持っていく、それで向こうからまた持って帰る、あるいは中国の方から来ると。こういう形ですので、海の道という言い方をしますけれども、この大交易の時代の、琉球の大交易の時代のその中の存在であったということがあるんで、やはり平和の海にしようということでお話をしているわけですけれども。安全保障の問題もそこはそこで一つは重要かもしれませんが、別のルートとしてやっぱり外交、海の外交みたいなものをきちんとやった方がいいんじゃないかなという私は意見を持っています。  それからもう一つ、海洋博というのが四十五年ちょっと前ぐらいに沖縄でありました、一九七五年ですね。この海洋博のときには、海洋資源ということも当然あって、それから、海の牧場というのもここでもお話をお聞きしたんですけれども、やはり漁業を海の中でやるということで、牧場、囲ってやっていくようなものが作られていたんですね、構想として。これから恐らくそういう養殖、いろんなものがあるんでしょうけれども、今回、漁業そのものというのが余りなかったかなというのもありまして。  海、今回の私の感想としては、もう本当にいろんな分野を改めて見させていただいたな、お聞きしたなと、もちろん安全保障だけじゃなくて環境ですね、環境、それから海洋開発、そういったものをいろいろお聞きしたものですから、とても良かったなと思いました。そういった意味で、また今後もこういう機会いただけたらと思いました。  取りあえず感謝と希望を申し上げます。ありがとうございました。
  16. 鶴保庸介

    会長鶴保庸介君) 御苦労さまでした。  それでは、一巡目最後に、ながえ孝子君。
  17. ながえ孝子

    ○ながえ孝子君 碧水会のながえ孝子です。  私は、今年になってからの初めての調査会参加だったんですが、大変勉強になりました。  再確認させていただいたこともいろいろありまして、日本は、ああ海洋国家だったなということとか、いろんな海洋資源ですとか、自然エネルギー、安全保障、物流、様々な分野で高いポテンシャルを持っているんだなということも再確認をさせていただきましたと同時に、その様々な分野で、日本の将来の課題解決に向けたいろんな議論といいましょうか、が深まりまして、いい調査活動をさせていただいたなと思っております。  特に二点挙げますと、一つは、エネルギーの問題で、再生可能エネルギーですね、海上、洋上風力の発電で、参考人の方から、今だったら、日本は風車、プロペラのメーカーというのは撤退してしまってなくなったんですけれども、今だったらこの風力発電のノウハウはあるからこれをオープン化すべきだというような、本当に重要な提言もいただきました。  あるいは、気候変動リスクの地球規模での監視体制、オーストラリアはとっても多額の投資をしている、それは海洋国家としての自覚を持って、国としての生き残りの道もここに懸けているんだというようなことも教えていただいて、ああ、なるほどなと。  どちらも気候変動への対応なんですけれども、やっぱりそれぞれの国は、例えばオーストラリアなんかですと、海水面が上がりますと、南太平洋の島国たちが沈んでしまって移民が押し寄せてくる。あるいは、ヨーロッパの国々は、このまま気候変動が進んでしまうと、アフリカ大陸が食料が足りなくなって食料危機から移民が押し寄せてくるなど、自分たちの国家存亡が懸かっている問題だと重要に捉えているということもありまして、日本としてももっと取組を進めていく、拡充していく必要があるなというようなことを思って、この調査活動がいい提言につなげていけばいい、いかなければなというふうにも感じております。  で、先ほどから出ておりますように、オンライン意見聴取というのは是非できるように進んでいったらいいなと思っております。  本当にどうもありがとうございました。
  18. 鶴保庸介

    会長鶴保庸介君) ありがとうございました。  以上で各会派の一巡目の発言は終了いたしました。  他に発言を希望される方は挙手を願いたいと思います。  他に御発言はございませんか。──他に御発言もなければ、委員間の意見交換はこの程度といたしたいと思います。  各委員におかれましては、貴重な御意見をお述べいただき、誠にありがとうございました。  本日伺いました御意見も踏まえ、各理事とも協議の上、中間報告書を作成してまいりたいと存じます。  本日はこれにて散会いたします。    午後二時四十七分散会