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会長(鶴保庸介君)(鶴保庸介)
○
会長
(
鶴保庸介
君) ただいまから
国際経済
・
外交
に関する
調査会
を開会いたします。
国際経済
・
外交
に関する
調査
を議題といたします。 本日は、「海を通じて
世界
とともに生きる
日本
」のうち、「
我が国
が
海洋立国
として
国際社会
を牽引するための
取組
と
役割
」に関し、「
海洋
に係る
教育
及び
人材育成
の
現状
と
課題
」について二名の
参考人
から御
意見
をお伺いした後、
質疑
を行います。 御
出席
いただいております
参考人
は、
東京大学大学院教育学研究科附属海洋教育センター
副
センター長
であると同時に
理学系研究科
の
教授茅根創
君及び
東京海洋大学学術研究院海事システム工学部門教授逸見真
君でございます。 この際、
参考人
の
皆様
に一言御挨拶を申し上げたいと思います。
コロナ禍
の中、こうして御
出席
をいただきましたこと、誠にありがとうございます。
皆様
から忌憚のない御
意見
を賜りまして、
調査会
の
参考
にさせていただきたいと思いますので、御
協力
のほどよろしく
お願い
をいたします。ありがとうございます。 次に、議事の進め方について申し上げたいと思います。 まず、
茅根参考人
、
逸見参考人
の順にお一人二十分
程度
で御
意見
をお述べいただき、その後、二時間
程度質疑
を行いますので、御
協力
をよろしく
お願い
いたします。 また、御
発言
の際は、
挙手
をしていただき、タイミングがありますので、
挙手
を
お願い
します。
挙手
をしていただき、その都度、
会長
の許可を得ることとなっておりますので、御
承知おき
をいただきたいと思います。 なお、御
発言
は着席のままで結構でございます。 それでは、まず
茅根参考人
から
お願い
をいたします。
茅根参考人
。
kokalog - 国会議事録検索
2021-05-12 第204回国会 参議院 国際経済・外交に関する調査会 第6号
公式Web版
国際経済・外交に関する調査 (会議録情報)
0
令和三年五月十二日(水曜日) 午後一時五十九分開会 ─────────────
出席者
は左のとおり。 会 長
鶴保
庸介
君 理 事
今井絵理子
君 柘植 芳文君 中西 祐介君 川田 龍平君 三浦
信祐
君
柳ヶ瀬裕文
君 上田 清司君
伊藤
岳君 委 員
朝日健太郎
君 猪口 邦子君
小野田紀美
君
金子原二郎
君
二之湯
智君 森 まさこ君 山田
修路
君
吉川ゆうみ
君 小沼 巧君 熊谷 裕人君
田島麻衣子
君 横沢
高徳
君 里見 隆治君 高橋 光男君
高良
鉄美
君 ながえ孝子君
事務局側
第一
特別調査室
長 清野 和彦君
参考人
東京大学大学院
教育学研究科附
属海洋教育セン
ター副
センター
長 同
理学系研究科
教授
茅根
創君
東京海洋大学学
術研究院海事シ
ステム工学部門
教授
逸見
真君 ───────────── 本日の会議に付した案件 ○
国際経済
・
外交
に関する
調査
(「海を通じて
世界
とともに生きる
日本
」のう ち、
我が国
が
海洋立国
として
国際社会
を牽引す るための
取組
と
役割
(
海洋
に係る
教育
及び
人材
育成
の
現状
と
課題
)について) ─────────────
会長(鶴保庸介君)(鶴保庸介)
1
○
会長
(
鶴保庸介
君) ただいまから
国際経済
・
外交
に関する
調査会
を開会いたします。
国際経済
・
外交
に関する
調査
を議題といたします。 本日は、「海を通じて
世界
とともに生きる
日本
」のうち、「
我が国
が
海洋立国
として
国際社会
を牽引するための
取組
と
役割
」に関し、「
海洋
に係る
教育
及び
人材育成
の
現状
と
課題
」について二名の
参考人
から御
意見
をお伺いした後、
質疑
を行います。 御
出席
いただいております
参考人
は、
東京大学大学院教育学研究科附属海洋教育センター
副
センター長
であると同時に
理学系研究科
の
教授茅根創
君及び
東京海洋大学学術研究院海事システム工学部門教授逸見真
君でございます。 この際、
参考人
の
皆様
に一言御挨拶を申し上げたいと思います。
コロナ禍
の中、こうして御
出席
をいただきましたこと、誠にありがとうございます。
皆様
から忌憚のない御
意見
を賜りまして、
調査会
の
参考
にさせていただきたいと思いますので、御
協力
のほどよろしく
お願い
をいたします。ありがとうございます。 次に、議事の進め方について申し上げたいと思います。 まず、
茅根参考人
、
逸見参考人
の順にお一人二十分
程度
で御
意見
をお述べいただき、その後、二時間
程度質疑
を行いますので、御
協力
をよろしく
お願い
いたします。 また、御
発言
の際は、
挙手
をしていただき、タイミングがありますので、
挙手
を
お願い
します。
挙手
をしていただき、その都度、
会長
の許可を得ることとなっておりますので、御
承知おき
をいただきたいと思います。 なお、御
発言
は着席のままで結構でございます。 それでは、まず
茅根参考人
から
お願い
をいたします。
茅根参考人
。
参考人(茅根創君)(茅根創)
2
○
参考人
(
茅根創
君)
東京大学大学院教育学研究科附属海洋教育センター
副
センター長
で、本務は
理学系研究科
で
地球惑星科学
というところで
サンゴ礁
と
地球温暖化
の研究をしております。この十年ほど、
教育学部
の先生方と御一緒に
初等中等教育
における
海洋教育
の
普及促進
について活動、研究を続けております。 本日は、お配りしております
レジュメ
に沿って、
レジュメ
と、それから、事前にお配りしてありましたこの
配付資料
の、最初の方が本
センター
の紹介の
パンフレット
ですね、
海洋教育センター
と書かれた、それから、何枚かめくっていきますと、
センター長
の田中が書きました
総合教育技術
の記事、その次の
ページ
が同行してくださっています
日置教授
が書かれた記事、その後、本
センター
がこれまで出してきた
ポリシーブリーフ
というのが三、四、五、六とあります。これと、それから、
事務局
の方で、これ非常に大部の我々が出した「
温暖化
に挑む
海洋教育
」、
事務局
からの依頼が国際的な
海洋教育
の動向について話してほしいということだったんですが、ちょうどそれをこの本でまとめていましたので、皆様に事前にコピーをしてくださいましたが、今日は本誌の方を机上に置いてあります。それから、実際の
海洋教育
の実践についてこれまでやってきた様々な
実践例
をこの「学校における海の
学びガイドブック
」というのにまとめてあります。 こういった事前にお配りした
パンフレット
、
ポリシーブリーフ
、記事、それとこの「
温暖化
に挑む
海洋教育
」と
ガイドブック
、これを参考にしながら、主に、時間二十分ですので、
レジュメ
に従って御説明していきたいと思います。
配付資料
については以上です。 その他、もし質問になったときに適宜回覧したい、してもよいものが二つ下に並んでいます。
レジュメ
の最初の
ページ
ですが、最初に本
センター
についての御紹介です。
パンフレット
にも記載されています。 二〇一〇年から
東京大学
の
海洋アライアンス
という、
東京大学
には全部で、理学、工学、農学、それから法学にも、二百五十名の海洋の
研究者
がいるんですが、その海洋の
研究者
を貫くような、横串を貫くような、そういう全学的な機構、
海洋アライアンス
というのが二〇〇七年に誕生して、その中の一部門として
海洋教育プログラム
、特に
初等中等教育
における
海洋教育
の推進のための
センター
ができました。その
センター
の
プログラム
の私は
プログラム長
として、二〇一〇年以来活動を続けてまいりました。二〇一九年からは、
教育学
的にもっと詰めていきましょうということで、
教育学研究科
の附属の
海洋センター
として、
センター長
が
教育学
の
教育哲学
の
田中智志
、副
センター長
が理学から私という体制で
研究活動
を、活動を進めております。
アライアンス
もこの
センター
も、いずれも
日本財団
の助成によって設立、運営されています。 スタッフは、私と、それから
田中センター長
、それから、その他
教育学系
の
兼任教員
、いずれも兼任です。本務は
教育学
や理学なんですが、
兼任教員
が四名と、それから、こちらに専任する、この
海洋教育
に専任する
特任教員
が三名、
特任研究員
が六名、
事務員
二名という体制で活動しております。 これまで、全国に百以上の自治体、
教育委員会
、それから
小中高校
、幼稚園も含めてですね、百以上と連携をして、三名と六名の
特任教員
、
特任研究員
がほぼ毎月のように全国を飛び回って
実践活動
を進めております。 主な活動としましては、
パンフレット
の方に詳しくは書かれていますが、一番目玉としては、
全国海洋教育サミット
というのを毎年行っておりまして、二〇一三年から毎年で、今年は二月にオンラインになりましたけれども開催して、今年は全国七十校六百名が参加しました。昨年は、
安田講堂
と、それから
伊藤学術国際
というところでやったんですけれども、ここでは
海洋教育
に関わる教員、
実践者
、
研究者
が一堂に会して議論を行うとともに、一番の目玉は、その各全国六十校の
小中高校
、幼稚園もありましたね、の
子供たち
、
生徒たち
が
ポスターセッション
という形でそれまでの実践を発表してお互いに議論をし合うというような、そういう場を設けてきました。 さらに、
地域フォーラム
も開催し、先ほど百校以上と申し上げましたけれども、これまで四十ほどの
海洋教育
の
促進拠点
、パイオニアスクール
プログラム
の
地域展開部門
、右の
日本地図
に赤や緑でドットを打ったところですが、こういうところと、こういった学校や
教育委員会
と協働で
海洋教育
の実践や
カリキュラム開発
をこの十年間進めてまいりました。特に最近は、
教育課程特例校制度
を利用して、海洋に係る
海洋科
とか
海洋環境科
といったような科をつくって、十校程度と、そこも
海洋教育
の研究、実践を進めております。さらに、教員の方々にも
研修プログラム
を提供し、映像や資料などの一般への
啓蒙啓発
を進めています。それから、
笹川平和財団
がこれと別に三百ほどの学校にこれまで
海洋教育
の助成をしているんですけれども、それの支援も行っております。 最初に、二番目、三
ページ
目ですが、
我が国
における
海洋教育
の
位置付け
ですが、平成十九年に
国連海洋法条約
を受けて
海洋基本法
が制定されたのは皆さん当然御存じのことかと思います。この中で
学校教育
及び
社会教育
における海洋に関する教育の推進というのがうたわれていたんですけれども、残念ながら、その直後に出された
学習指導要領
では、それほど海洋をやりなさいというようなことは明文化、余り増えていませんでした。 そういった中で、
海洋基本法
のこの教育の推進というのがなかなか実現しない中で、平成二十八年に
内閣総理大臣メッセージ
、
海の日メッセージ
の中で、若い皆さんに海洋をもっと知ってほしい、
海洋教育
の取組を強化していくため、
産学官オールジャパン
による
ニッポン学び
の
海プラットフォーム
を立ち上げるということを
メッセージ
としていただきました。二〇二五年までに全ての市町村で
海洋教育
が実践されることを目指すというふうにうたわれています。 この同じ年に出した
ポリシーブリーフ
の三号ですけれども、我々の
センター
で全国の
小中学生
五千人を対象に
海洋リテラシー
について調査を行いましたところ、
尖閣諸島
の位置が分かる
小中学生
が三割、竹島や五島列島と間違えている学生が七割いて、
尖閣諸島
の場所、あるいは
EEZ
の正しい理解、そういったことがいずれも三割程度。サンマはどれですかとか離岸流はどうして危ないんですかとか、そういった比較的身近な海の知識はあるんだけれども、一たび
太平洋
に入ると、エルニーニョや、サケがどこに回遊してきますかとか、あるいは
太平洋
の島の国の名前とか、そういったものは三割以下にとどまるという結果になりました。 そういったこともかなり強く訴えてきたんです、
リテラシー
がまだ十分でないということを我々
センター
として訴えてきたわけですが、二〇一六年に、次の
学習指導要領
の改訂のときの
パブリックコメント
の中に、
海洋国家
である
我が国
の教育において、産業と経済を支える重要な役割を担っていること、さらに、
グローバル化
が進む中で、領土、国土に関しての理解を
学習指導要領
の中に盛り込みなさいということが
パブリックコメント
の中で出て、それを受けて二〇一七年に改訂された
学習指導要領
では海の記述が、これ検索してみたんですけれども、
指導要領
とその解説の中の海の記述が、その前の平成二十年度の
指導要領
に比べて一・五倍増えました。 そういう意味では、
学習指導要領
に海をもっと盛り込むという
センター
の目標が半ば達成されたんですけれども、よく中身を見てみますと、増えたのは主に
社会科
における領土、領海に関わる記述で、これが繰り返し出てまいります。地理でも公民でも出てくる。それまでは
北方領土
については教えなさいということがあったんですけれども、竹島や尖閣についても領土であることをきちんと教えろということが繰り返し出てくる。ですから、この一・五倍のほとんどはこの領土の、領海の部分だったということです。理科の方はほとんど変わっていませんでした。 これを受けて、右の図にありますように、
小中高
の地理、
社会科
で、この日本の
EEZ
を示す地図が必ず出てくるようになった。さらに、
北方領土
や沖ノ鳥島、南鳥島、与那国、それから尖閣、竹島についても必ず記述されるようになったんですけれども、余りにも、国土について知ることは、尖閣の位置が三割しか分からないという中できちんと教えることは大事なんだけれども、それだけにとどまってしまったなということで、より広い視野から
我が国
の領土、領海、
EEZ
を
位置付け
る必要があるということを
ポリシーブリーフ
の四では述べました。 さらに、長いスパンで見ますと、戦後すぐは、特に理科の部分で、これは
学習指導要領
だけ、解説でなくて
学習指導要領
の本文だけですけれども、理科に海の記述が百二十七件あったんですけれども、一九六八年以降は激減してほぼゼロ。先ほどほとんど変わらないと言ったのは解説まで含めてで、
指導要領本体
の方には、現在理科には海の記述はほとんど出ていないような状況になっています。 それでは、次の
ページ
、四
ページ
目。 世界の状況はどうかということですが、我々としては、国際的にはかなり、世界の国々で非常に
海洋教育
が盛んだから日本もやらなければという、そういうつもりで調査をしたんですけれども、割とそうでもなかった。米国や英国、中国では、それほど国家的な計画として
海洋教育
を振興している、そういったことはありませんでした。
環境教育
、
科学教育
の一環として盛んにもちろん行われてはいますけれども、国の計画、教育の指針として
海洋教育
というのは余り明確に
位置付け
られていませんでした。 そういった中で、お隣の台湾と韓国では、
国家プロジェクト
として
海洋教育
を取り入れているということが分かりました。 台湾では、二〇〇七年に
海洋教育政策白書
、二〇一四年に
国民基本教育指針
において、
教育課程
の重要な四課題の一つとして海洋を
位置付け
て、これは、
海洋産業
の
重要性
と、海洋を通じて複数の能力を育むことができるという、そういう理念です。二〇一三年には
台湾海洋教育センター
というのを設立して、
全国各地
にこの
センター
の支所を設けて
海洋教育
の実践を行っています。その内容についてはこちらの冊子にまとめてありますので、御覧ください。 さらに、韓国においても、
教科学習
の一主題として
海洋教育
を
位置付け
る。特に、海は
未来資源
の宝庫であり、
先進海洋強国
に跳躍するために
必須条件
であるということで
国家海洋教育センター
というのを最近設立して、
国立海洋科学教育館
というのも、二〇二〇年
設立予定
だったんですが、コロナで遅れているかもしれませんけれども、国として進めましょうということで、主に
海洋水産省
が中心になってやっております。 一方、中国は、皆様も御存じのとおり、
海洋強国戦略
の下で、
海洋教育強化
の必要性はうたわれているんですけれども、長期的、国家的な視野に立った
海洋教育
の計画はないようです。主に沿海の
浙江省等
で実践がされていて、その中では、
海洋資源
、
海洋権益
、
海洋国防
、
海洋開発
といったようなことが歴史と地理で主に教えられています。 アメリカでは、国全体、
学習指導要領
のようなものはなくて、州ごとに異なる教育を行っていますけれども、その中で幾つか沿岸の州ではかなり
海洋教育
を行っていますが、これは主に
環境教育
の一環、あるいは
科学リテラシー
、
海洋リテラシー
の教育として、
科学教育
として、
水族館等
の
社会教育施設
、NPOと連携して行われている事例が多いようです。 インドネシア、フィンランド、
スウェーデン等
も
科学教育
、
環境教育
の一環として行われている。 その中で、
フランス
ですが、地理の中で、
世界地図
の中で今も
フランス
は、
太平洋
、ニューカレドニアですとか、インド洋の
レユニオン
、それからカリブ海にも
海外領土
を幾つも持っているわけですが、その中で非常に詳細に自国の
海外領土
について、その
EEZ
も含めて紹介を地理でしています。そういう意味では、日本の
子供たち
が
我が国
の
EEZ
というのを一生懸命学んでいる間に、
フランス
の
子供たち
は
世界地図
の中で国の
位置付け
というのを知ることができるというわけです。 一方、
ドイツ
も国家的な
学習指導要領等
はないんですけれども、非常に先進的に、特に
ドイツ
の
地理学
というのは、人間と自然の
相互依存性
というのを
ベース
に、右下に、右にありますような、三次元構造の中で人間と環境との、自然との関係を考える。
グローバル
から
ローカル
まで、さらに、左下は構造、機能、過程、プロセスですね。こういった
システム
として人間と自然の関係を取り扱うという
地理学
の伝統の中に海洋というのを
位置付け
て、
未来空間
としての海洋を干潟から
地球温暖化
まで扱う、そういった教育をしている州があります。 特に
温暖化
についてきちんと
海洋教育
の中に取り入れているのは、今のところ
ドイツ
だけでした。台湾、韓国は、特に韓国は、どちらかというと産業としての
海洋教育
というような
位置付け
が強いように思います。私、
地球温暖化
を研究していますけれども、その中で驚いたのが、この下にある
地理教育スタンダード最新版
という中で、海面が上昇するとどういう対応があるかということで、この五番というのは、自然の地形、自然の
生態系
を活用して
海面上昇
に適応しようという、そういう
考え方
なんですね。これは日本ですと、どちらかというと護岸になってしまうんですが、非常に先進的な
考え方
だと思います。 こうしたことを踏まえて、
我が国
が目指す
海洋教育
としては、産業のため、あるいは領土、領海という、それももちろん、その二つももちろん大事なんですけれども、より根本的な、命のマトリックスとしての海、これ、この
ページ
は
教育哲学
の
田中センター長
が訴えている
ベース
の部分になるんですけれども、母なる海、全ての生命の起源であり、多様な生物を育み、それに基づいて
ハビタビリティー
をつくってくれている海、それも、人間だけでなくて、生命の
ハビタビリティー
をつくり出している海、そういう視点がなければ駄目だろうというのが私
どもセンター
の基本的な
考え方
です。
ハビタビリティー
、具体的に言いますと、気候の調節、今人間が排出した炭素の四分の一、熱の九割を海が吸収してくれています。ですから、海がなかったらもっと大変なことになってしまっていたわけですが、さらに、水産、海運、資源・エネルギー、
環境浄化
の場としての海の
重要性
というのも言うまでもありません。 一方で、津波や台風などの災害ももたらす。それが人間による破壊も進んでいて、気候の
調節機能
も現在上限に達していて、
スーパー台風
ですとか
海洋酸性化
、
海面上昇
などの問題が現在起こりつつあって、こういった問題は今の
子供たち
が大人になる頃にまさに顕在化する問題です。 こうした海洋の
重要性
を考えるとき、
温暖化
が危急の
グローバル
な課題である現在、人間と海洋の関係を再構成する必要が生じる。これまでの関係、自然との関係、海洋との関係は人間中心的で、海洋は主に人間が利用、管理するものという
考え方
だったんですけれども、それを共生的な関係、海を俺のものというふうに守るだけではなくて、公共財として、これは
センター長
の言葉ですけれども、人間に贈られ、人間があずかるものという、そういう
ベース
で
海洋教育
をつくろうというのが我々
センター
の目的です。 共生的な関係に基づいて、自然科学的な知見を踏まえつつ、それを
子供たち
一人一人がおのずから思考し、自ら活動することへいざなう教育をつくろう。これ実は
日本古来
の里山、里海という
考え方
にも示されていて、西洋的な管理という思想とは少し違うものになると思います。 これに基づいて、
東京大学
の
海洋教育
の三つの柱として、生命、環境、安全という三つの柱、さらに横軸に
グローバル
、
社会経済
、文化。
グローバル
は全てに掛かるんですが、そのたて糸とよこ糸の中に、生命の起源ですとか
水産資源
、食文化、
海洋汚染
、
気候変動
、観光、芸術、防災、領土、領海を
位置付け
ました。もちろん重要な領土、領海や
海洋産業
もそのアイテムの一つではあるんですけれども、それだけでない
海洋教育
というのをつくっていこうということです。 五番目、
実践例
ですが、これは質疑のときにもし出てきましたら、個別に御紹介したいと思います。サケの遡上の問題、海ごみの問題、あるいは川と海の、森、川、海のつながり。それから、海のない海なし県や海のない地域での
海洋教育
をどうするのか。さらに、私がテーマとしている
サンゴ礁
での
海洋教育
。竹富町は日本で一番最初に
海洋教育基本計画
というのを立ててくれて、これに我々も深く関わっております。さらに、
特別支援教育
にも海洋、海が非常に重要である。 最後、我々として政府に求める支援、期待する政策としては、まず、とにかく国の機関として、
ナショナルセンター
としての
海洋教育センター
を設立していただきたい。現在、財団、東大の努力で
センター
を十年維持してきたわけですが、是非、国の機関として常勤の、先ほど特任と言いましたけれども、特任の
研究員
は全て一年契約です、来年はどうなるか分からない、常勤の
海洋教育
を専門とする
研究者
が、我々がつくった
海洋教育
の理念と構造に基づいて
カリキュラム開発
や実践、評価を確立し、全国の支援を行っていきたい。 それから、次の
学習指導要領
の改訂がもうすぐですけれども、それに今、今日申し上げたような領土、領海にとどまらない、より本質的な
海洋教育
を充実していただきたい。
英数国社理
に海洋というのが入ることはあり得ませんから、
海洋教育
というのは当然横断的にならざるを得ないわけですが、理科、社会をつなぐ、それに
総合学習
や美術なども、横軸をつなぐような、教科を横断するような
海洋教育
。 それから、日本は北から南まで非常に海洋の環境が異なっていますけれども、その
ローカル
から
グローバル
な課題に進むような、そういう
海洋教育
を是非とも次期の
学習指導要領
に入れていただきたいというふうに思っています。この
グローバル
な課題について最後に幾つかまとめてありますが、これも質疑の際にもし何かありましたら、御紹介したいと思います。 以上、少し時間超過しました。ありがとうございました。
会長(鶴保庸介君)(鶴保庸介)
3
○
会長
(
鶴保庸介
君) ありがとうございました。 次に、
逸見参考人
に
お願い
をいたしたいと思います。
逸見参考人
。
参考人(逸見真君)(逸見真)
4
○
参考人
(
逸見真
君)
東京海洋大学
の
逸見
と申します。 本日は、このようなお席にお招きいただきまして、ありがとうございました。感謝申し上げます。 私は、
外航船員
の経験及び
商船系
の
教育機関
で教鞭を執っております
関係
上、主として
外航海運
の
船員
の
現状
あるいはその養成の話が
中心
になりますこと、御
理解
をいただければと存じます。また、私の発表、
発言
は、必ずしも現在の
勤務先
、
関係
する
検討会
、
審議会
ほかの解釈や見解とは一致しませんこと、あらかじめ御了解をいただければ幸いです。 お
手元
にお配りしております
レジュメ
、これに沿ってお話をさせていただきたいと思います。 初めに、
商船
の
船員
とその
現状
ですが、
海運業界
は、
我が国
の
港湾
と
外国
、あるいは
外国港湾
間の
海上輸送
を担う
外航海運
と、国内各港間の
輸送
に従事する内
航海運
に分けることができます。 お
手元
の
資料
にもありますとおり、
海運
に従事する
商船
の
船員
は、
職員
と
部員
の
二つ
の職域に分かれております。
職員
は、
船長
、
機関長
、
航海士
、
機関士
という
海技士
という
国家資格
を持ち、船舶の
運航
に責任を有するスペシャリストです。
船長
は
航海士
から、
機関長
は
機関士
から、
海上勤務
の履歴と
上級資格
の
取得
によりプロモートします。
海技士資格
、例えば一級
海技士
の
取得
は
船長
、
機関長
となる要件となりますが、
船長
、
機関長
が実際の職務を執るには、
雇用先
の
海運会社
より
実務能力
や
勤務態度
に一定の
評価
を得て辞令を受ける必要がございます。 一方の
部員
に
海技士
の
資格
はありません。
職員
の
指揮管理
の下でハンズとして船の
運航
を支えております。
練習船
や旅客船を除き、
我が国
の
外航海運
では
日本
人の
部員
の供給はありません。採用は
職員
のみです。
国際社会
での
船員
の雇用は一般に
海上勤務
のみとする期間雇用ですが、
我が国
の
海運会社
が採用する
船員
は、陸上
産業
と同様、終身雇用が原則です。
我が国
の輸出入を担う
日本
商船
隊については、二〇一九年の数値によれば、隻数で二千四百十一隻、そのうち
日本
船舶は二百七十三隻であり、ほかはパナマなどの
外国
船舶となります。当然ながら、現在の
日本
人
船員
の規模でこれだけの
商船
を扱うのは難しく、そのほとんどは
外国
人
船員
による
運航
となります。
日本
人
船員
が配乗される船舶でも、例えば
職員
のみ、あるいは
船長
、
機関長
のみが
日本
人
船員
であり、残りは
外国
人
船員
との混乗となります。内航
商船
は乗組員の全員が
日本
人です。二〇一九年の外航
商船
の
船員
数は二千百七十四名、内
航海運
は二万八千四百三十五名となっております。
外航船員
は、一九七四年の五万六千八百三十三名より下降を続け、二〇一八年に二千九十三名という最低を記録をしております。
日本
人
船員
の長期的な減少は、オイルショック、円高不況という
社会
環境
の中での度重なるリストラもさることながら、
日本
人の
部員
がほぼ完全に
外国
人に置き換わったこととなります。内
航海運
も同様に一九七四年の七万一千二百六十九名より下降し、二〇一三年に二万六千八百五十四名と底を打った後、漸増して現在の数値になっております。 私の勤務する
東京海洋大学
の学生の就職先である外航大手の
海運会社
による
船員
の採用は、例年、一社当たり二十名を超える
程度
、中堅企業に至っては五名前後です。これに海技
教育
機構の採用等を加えて私なりに試算をしてみますと、年間約百名弱採用し、在籍年数四十年と換算して四千名、離職率を一五%と考えると三千四百名、ざっとこんな感じになります。
国土
交通省による
日本
船舶及び
船員
の確保に関する基本方針の変更についてにある二〇一八年からの十年間で
外航船員
を一・五倍の三千四百七十二名にする目標はほぼ達成可能ではないかと思われますが、
海運会社
ではなお不足の状態と言われております。逆に表現すれば、現在の採用
状況
が変化なく続く限り、この数字をもって
外航船員
数の頭打ちになるかもしれません。 続きまして、業務に求められる知識、スキルの多様性というお話になります。
船員
の職場は船の上と恐らく誰もが持つ認識は、事
我が国
の
外航船員
に限っていえば誤りとなります。勤続四十年のうち、個人差はあれ、
海上勤務
は十年前後というのが主要な
海運会社
での
船員
のワークスタイルとなっております。
船員
が陸上で働くという違和感も相まって、現在は
船員
を海の技術者とみなして海技者という呼称も一般化しております。
船員
の陸での活用は、余剰人員を陸の職域に求めた結果ではありません。経営のための
資源
である船を維持する必要もさることながら、船舶一辺倒に終始する
船員
の消極的な活用は、彼らが熟練を極めても結局は
視野
の狭いスペシャリストとしてしまいます。こうした
環境
からの脱皮、言わば海陸にまたがるジョブローテーションの
実践
には、海上経験や海技知識を基礎に持つ
船員
を様々な職種に転用したいといった
海運
界に共通する認識と期待とがあります。 陸での
船員
の職務といえば、船体、
機関
の保守
管理
、航海や停泊中の安全
管理
、荷役指導、条約や関連法規の遵守、
船員
の採用と
育成
、配乗
管理
や福利厚生という船舶
管理
業務のほか、
海上輸送
に関する技術開発、コンテナなどの専用船ターミナル、バース
管理
、荷役の監督業務等、船の仕事の延長線上にある仕事が挙げられます。しかし、現在の
船員
の仕事はこれだけではありません。定期・不定期船営業、
海運
市況に準じた船舶の建造、調達、売船、新規事業の
調査
や企画のほか、船舶の自動
運航
、AIの利用等の
研究
開発、
船員
業務とは直接のリンクのない総務、経理、果ては系列会社、社外団体への出向から海外勤務にまで及んでおります。現在の
日本
人
船員
は、数ではなく質、それも船舶の
運航
という技術的な職域から出て、およそ
海運
業全般に多角的に求められていると言えることができると思います。 陸での業務には、船上では得られない知識やスキルを学ぶ必要が出てまいります。船舶
管理
業であれば、船の安全
運航
、
船員
の
資格
や労務
管理
、
社会
保障、
海洋
環境
の保護に関する国際条約の
理解
のほか、必要に応じ、船の寄港国の国内法や
港湾
規則の
調査
が必要となってまいります。営業であれば国際海上物品運送法、運送・用船契約書の内容、企画であれば船舶金融、資金調達のためのファイナンス、経理であれば税務に関する知識等の業務知識を含む
海運
慣行、法令や規則に関する附帯知識です。 こうした陸上での経験は、海上職に復帰した際に大きく寄与します。不定期船の
船長
は、船主はもとより荷主、用船者の意向に留意して船を
運航
しなければならず、用船や運送契約に関する知識と内容の
理解
があってこそ、彼らとの意思疎通が可能となるわけです。
日本
人
船員
に求められる職域の多様性は、専ら海上で船舶の
運航
に従事する期間雇用の
外国
人
船員
とは大きく相違していると表現できるかと思います。 続きまして、
船員
不足の問題とその影響ですが、このような
船員
を取り巻く
環境
は、
海運会社
に恒常的な
船員
不足を招いております。
外航船員
は一般に五十五歳を境に役職定年を迎えて子会社へ天下ったり、
船長
であれば水先人に転じたりしてきましたが、
海運会社
は正規の六十歳定年ぎりぎりまで雇用するようになっています。 中でも
機関士
の不足、採用難が
海運会社
のいずれにおいても深刻な問題となっています。
機関士
は
航海士
よりも技術的な度合いの高い職域であり、陸では船舶
管理
の中核を成すのとともに、
海運
、船舶における新たな技術開発を主導する枢要な存在です。採用難の理由として、
航海士
と比べてソースとなる養成課程及び定員が少ないこと、求人が陸上の各種製造業、メーカーと競合し、転職も盛んなこと、船舶
運航
では
船長
、
航海士
に劣位するというイメージが払拭できないことなどが挙げられます。 また、従来、
船員
の再雇用により維持されてきた職域に変革が求められているようにもなっております。その
一つ
が水先人です。水先行為には、船舶の
運航
についての相当の知識、十分な経験、ふさわしい技量を有する者が従事すべきとされ、
我が国
では外航船舶の
船長
を一定期間務めた者が担う制度として維持されてきました。しかしながら、
外航船員
を母体とした水先制度の維持は徐々に難しくなり、新たなソースを取り入れた制度の変革が求められます。 そして、二〇〇七年、従来の水先人を一級から三級にまで等級分けした水先制度が導入されました。一級は三千総トン以上の船舶に沿海以遠の海域での二年以上の
船長
履歴、二級で一等
航海士
以上を二年間、三級では職位を問わず千総トン以上の船舶に一年以上、すなわち、
商船系
教育機関
の新卒でも水先人となれる制度でございます。制度上、海技
資格
も全ての等級に三級
海技士
(航海)で就業できます。 続いて、出自の多様性ですが、
資料
にありますとおり、
船員
になる課程は、
商船系
の国立、私立大学、高等専門
学校
、海上技術
学校
等、
水産
系も含めて複数あります。これらの課程において、学生は、勉学による知識と技能、船舶実習による乗船履歴により特定の
海技士資格
を
取得
して、
海運会社
に採用されます。加えて、最近は、大手の
海運会社
において、一般の大学卒、大学院卒が海上
職員
として採用されています。彼らの専攻は、
工学
、
理学
といった理系から、
経済
経営、法学、人文、語学等の文系まで、境なく選抜されています。この課程は、
商船系
の
教育機関
に続く三級
海技士資格
の新たな
取得
コースとして、新三級制度とも呼ばれております。採用後に乗船履歴を付け、海技大
学校
における座学を経て海技
資格
を取る、自社養成による
船員
です。生き残りを懸け、多様な
能力
、知識を身に付けた
人材
を求める企業行動の表れとも言われております。
資料
にもあります女子
船員
について、
商船系
の
教育機関
で初めて女子学生を受け入れたのが旧東京
商船
大学です。一九八〇年、その第一期生が入学した後、旧神戸
商船
大学が続き、現在では
商船系
の
教育機関
の全てが男女共学となっております。既に一般
社会
でも女性の就労を促す法制度が整えられているこの時代、女性
船員
は堂々と
日本
人
船員
の一翼を担っていると思いきや、いまだ数えるほどにしかすぎないのが現実です。 船の
運航
における合理化、ハイテク化の目覚ましい進歩とは裏腹に、
海運会社
はいまだに女性
船員
の雇用に積極的であるとは言えません。その主たる要因は、結婚や出産など、人生の転機を契機とした、
船員
としての
育成
半ばでの退職を企業が危惧する点にあります。女性を主体とする特定の業種を除けば男性偏重、よって女性の就活に強いられる高いハードルは
我が国
の企業一般に見られるようですが、
外航海運
には更に業界特有の問題が附帯します。海賊等の出没海域へ向かう船舶への女性
船員
の配乗は制限せざるを得ないなどが挙げられます。 男女平等は形式的平等であってはならず、妊娠、出産、子育てと女性の本質的な
役割
に対する制約の軽減を考える
社会
的、身体的な思いやりを含めた実質的な平等が目指されなくてはなりません。いまだ男性
中心
にあると言える
海運会社
は、その意識を変革し、女性
船員
採用、就労のための積極的な
取組
を講じなければなりませんが、この点は
海運会社
も意識して、結婚や出産時に陸上勤務へ配置換えするなど、女性
船員
の労働
環境
は大きく改善されつつあると言えます。 女性
船員
の離職率は男性
船員
よりも高い現実があります。海上にせよ陸上にせよ、男性優位の現実に直面する失望感や、女性としての限界を感じ、結婚、子育てを機に退職してしまうケースが見られます。
最後
に、
船員
たるにふさわしい
人材
の獲得と
育成
ですが、
船員
の採用を増やすためには、間口を広げる手法、確かに一定の効果が見込まれると思われます。現在、
国土
交通省が検討している一般大卒の
船員
志望者を集めて一年余りで養成する課程の検討もその
一つ
となるでしょう。 私は、自身の経験より、
海洋
大学を含めた
船員
の養成
機関
に求められることとして、第一に、
能力
、意欲に富み、伸び代のある学生をより多く受け入れること、第二に、学生の抱く
船員
への志を高めるよう努めることを挙げたいと思います。 第一の点は、就職実績とともに、
船員
という職業に対して持つ
社会
一般の
理解
やコンセンサスが重要であり、養成
機関
の努力には限界がありますが、第二の点については、
教育
者の
取組
と努力が効果を生むと考えております。 私の教えている
東京海洋大学
海洋
工学
部海事
システム
工学
科の前身は、東京
商船
大学
商船
学部航海学科です。約四十年近く前、
商船
大学時代の私の在学時と同様、学生の多くは、船、海、
航海士
、
船長
に憧れ、夢をかなえようと入学し、在学中に様々な経験を積みます。学内での講義や実習、海技
教育
機構の
練習船
実習と、
教員
、先輩からの指導を受ける中、残念ながら、船、
船員
に魅力を失い、陸の企業へと方向転換する者もおりますが、なお定員の七割
程度
はモチベーションを保ちつつ、
海運
企業への就活に挑戦します。その実績は、例年、外航大手、中堅会社へ就職する者が学科定員約六十名の四分の一ほど、海技
教育
機構、
調査
船等のほかの一部内航就職者も合わせて、
船員
としての職を得るのはよくて半数前後です。国を挙げての
船員
の確保、
育成
を建前として企業により多くの採用を求めるのは簡単ですが、採用にかなう
人材
を送り出せない大学側にも問題があるのも事実かと思います。 学生の採用の
お願い
で
海運会社
を回ると、いろいろな
意見
、要望を受けます。若い
船員
によくある問題として、スマホやゲーム依存が強く、その分、対人的なコミュニケーション
能力
に欠ける、すなわち団体生活が苦手、裕福な時代に育ったゆえに打たれ弱く、仕事に対する責任感に疎い、結果として早期の離職がなくならないなどと指摘されています。中には、
最初
に乗った船で嫌になり辞める者もあるということ。入社して間もないうちの離職は、企業にとっても本人にとっても不幸以外の何物でもありません。まさに、
資料
にある
船員
養成の改革に関する
検討会
とりまとめに指摘されている新人
船員
の
現状
そのものです。 学生らには、学業以外に、クラブ
活動
に励み、アルバイト、ボランティアと様々な経験を積み自らを鍛えるように勧め、また講義では、機会があるごとに
船員
実務や
海運
についての情報を伝えて啓蒙しておりますが、あわせて、若い
船員
が指摘を受けている問題も隠さず教え、どうしてもスマホやゲーム依存と決別できない者、
船員
を仕事にするについて不安が払拭できない者は
船員
になるべきではないと諭すようにもしております。辞めるおそれのある者を十名採用してもらうよりも、辞めずに
船員
として自律できる学生を一人出す方が、
海運会社
にとってはもちろん、大学にとってもよほど良いかしれないと、はっきり伝えております。ただ、生身の
人間
を扱う
教育
にマニュアルはなく、
船員
にふさわしい確固たる
人材
の
育成
に試行錯誤は付き物であることも、私自身十分に自覚はしております。
最後
に、私は自身の経験から、
船員
は、ほかの職業同様、つらいことも少なくありませんが、総じてやりがいがある、一生を託すにふさわしい、誇りを持てる職業であることを学生に伝えておりますことお伝えいたし、この発表を終わらさせていただきたいと思います。 御清聴ありがとうございました。
会長(鶴保庸介君)(鶴保庸介)
5
○
会長
(
鶴保庸介
君) ありがとうございました。 以上で
参考人
の御
意見
の陳述は終わらせていただきます。 これより
参考人
に対する
質疑
を行いたいと思います。 本日の
質疑
はあらかじめ
質疑
者を定めずに行いたいと思います。 まず、大会派順に各会派一名ずつ指名し、その後は、各会派にかかわらず御
発言
いただけるよう整理してまいりたいと思います。 なお、
質疑
及び答弁は着席のままで結構でございます。 また、
質疑
者には、その都度答弁者を明示していただくとともに、できるだけ多くの委員が
発言
の機会を得られますように、答弁を含めた時間が一人十分となるように御
協力
を
お願い
いたします。
質疑
のある方は順次御
発言
願います。 中西祐介君。
中西祐介君(中西祐介)
6
○中西祐介君 自民党の中西祐介です。 今日は、両先生、
海洋教育
ということと、そして
船員
の
人材育成
ということで大変貴重なお話を伺いました。誠にありがとうございました。 順次主要なテーマから伺っていきたいというふうに思っておりますが、まず、
逸見
先生、
逸見参考人
に伺いたいと思います。
船員
の減少の主要因と現場からの解決策ということでありますが、先生から御
紹介
あったとおり、この外航船ですね、
日本
人の
船員
の方々、少し調べてみましたら、一九七四年頃には五万七千人ぐらいおられたのが、直近では二千数百人にとどまると。特に、私、非常に危機感を持ちますのは、内訳が、七割五分の方々がフィリピンからいらっしゃって、ほかの二割がアジアの方々、
日本
人は二%にとどまっている現実があります。 また、内航船に目を移したところ、高齢化率が非常に高いということで、約半数が五十歳を超えている
現状
があります。ですから、こうした後継者不足というのも大きなテーマなんだろうというふうに思います。 さらに、この船舶業界を支える造船業の方々でありますが、長崎とか今治、因島にもありますけれども、ぎょう鉄という船を造るための鉄を曲げる技術ですが、そうした高度な技術伝承の
必要性
というものを考えたときに、非常にこの業界の
課題
の裾野の深さを感じるところがあります。 そんな中で、
逸見参考人
におかれては、
外国
人材
の活用、その国籍を超えた融和というものの
取組
もなさっておられますし、女性活躍についても言及があったとおりであります。 実は私、私事でありますが、父親が
外国
航路の
船員
だったことがあります。ながえ先生おられますが、弓削
商船
高専出身で、私も島に住んで、一番印象深いのが、湾岸戦争、九一年の湾岸戦争のときにタンカーに指名をされて、
日本
からペルシャ湾を越えてクウェートまで油を取りに行って帰ってきた。その船が出港する前に、当時、私、小
学校
の五年生、六年生ぐらいだったものですが、母親と弟と面会に行って、そして父親を送り出して港に帰ってくるときに、母親が涙を流して、もう、しくしくと泣いている姿が子供心ながら非常に印象深かったわけなんですが。 やはり船乗りの方々、外航船、内航船問わずですけど、非常に過酷な労働現場、勤務現場があるなと思います。
一つ
は、長期間、外航船ですと十か月船に乗って二か月休みとか、あるいは、閉鎖された空間ですから、二十人、寄せ集められた方々で勤務をしなきゃいけない。危険も当然伴います。それから、職務の
重要性
、
日本
の国の総輸出入量の九九・六%がこれ船舶を通じてですから、こうしたことを考えると、やはりこの
船員
そして船会社の裾野を支える
人材
が極めて重要なんだろうと。 こうしたこの労働
環境
の大変さと引換えに、やはり
船員
の方々の厚生福利の充実とかあるいは仕事のやりがいということをしっかり正面から捉えないと、根本的な裾野の解決に、私、至らないんじゃないかなと。場合によったら、大陸のある国がフィリピンに圧力を掛けて、
日本
に
船員
を出さないとフィリピンにもし働きかけた場合、
日本
の
運航
が止まってしまうわけですね。 ですから、安全保障上のことも考えて、場合によったら、半公務員という言い方がいいかどうか分かりませんが、国がバックアップをしながら確保に努めなきゃいけない局面も出てくるんじゃないかと思いますが、まず
最初
に、
船員
の減少の主要因と現場からの解決策について簡潔に伺いたいと思います。
参考人(逸見真君)(逸見真)
7
○
参考人
(
逸見真
君) 御質問ありがとうございます。 先ほど、暫時減少しているというお話をさせていただきました。今ちょうど底を打ったということで、この数字はこれから大きく下がることはないように感じます。要するに、高年齢の
船員
が大分退職してしまったということもあります。そして、新しい
船員
が毎年毎年入ってくるという前提からしますと、そんなに数としては、急に増えることはありませんが、減ることはないだろうという感じがいたします。 かつての五万何千人という規模まで、じゃ、戻るかといったら、多分これはないでしょうということになると思います。実際の
日本
の
海運
、先ほどの二千四百十一隻というお話させていただきましたが、ほとんどが
外国
人
船員
で動いているという現実があります。むしろ、それは
日本
だけではなくて、欧米を含めました先進国は皆同じような
海運
環境
にあるということが指摘できるかと思います。
外国
人、フィリピンそれからインドですね、現在は東欧の
船員
さんたちが
外国
人のメーンのところに来ておりますけれども、
日本
の
海運会社
も、かつてはフィリピン一辺倒ということもありましたけれども、現在は、インド、今お話しした東欧とかいろいろな国の国籍の
船員
を乗せるということにして、ある
意味
リスクをそこら辺でヘッジしているということがあるかと思います。 それから、
教育
に関しましては、
日本
の大手の会社はフィリピンに大学をつくりまして、そこで現地
教育
をして、自分たちのフリート又は系列会社のフリートに乗せるということもやっております。
日本
人
船員
だけで固めるということではなくて、要するに
外国
人と一緒に船を動かすという前提で今の
海運会社
は船を動かしている、経営をしているということが言えるかと思います。 やりがいとか、今お話しいただきました、大変重要なことです。
外国
人
船員
、簡単に言ってしまいますと、彼らは食べるための糧を欲しい、まあこんなことを言っては失礼な言い方なんですが、途上国の
船員
さんは、なかなか貧しい生活をして祖国から出てきている
船員
さんが多くて、まず第一に考えることは、稼いで家族を養いたいということかと思います。もちろん
日本
の
船員
もそうではありますが、ただ、
日本
の場合には、もう成熟した
社会
ということもありますので、ただ単に稼ぐということではなくて、自分の人生をいかにやっぱり充実したものにしていくか、
船員
という仕事を通してそういうふうなことを達成したい、そういうふうなところに重きが置いてくるかと思います。ですから、そういう前提として、船会社はもちろんですけれども、国もそういうふうな形で施策を考えていく必要があるのではないかなというふうに思います。 一方で、先生がおっしゃいましたように、このいわゆる乗船ですね、今は八か月、四か月、八か月乗船して四か月下船するというのが一般的なんですが、中にはもう六か月乗船で三か月休みという、ある
意味
、乗船期間をできるだけ短くするというふうな
考え方
も出てきています。そうすると、昔、一昔前、我々の時代と違って、今の
船員
さんたちは、乗船
環境
も少し変わってきているなということが言えると思うんですが、ただ、
資料
にもありますとおり、離家庭性、要するに、家庭を離れて仕事をしなければいけないとか、家族から長期間離れて仕事をしなければいけないというのは、十か月が六か月になっても変わらないわけですから、そこら辺のところをやっぱりいかに本人たちが自覚しなければいけないかということですね。特に若い
船員
はそこら辺をしっかり自覚して自分のキャリアを積んでいってもらわなければいけないということも
一つ
言えるかと思います。そういうことも含めまして、私も先ほどちょっとお話をさせていただいたんですが、
外国
に行く
商船
の
船員
としての自覚をそこら辺で教えていっているということになります。 それから、今先生がおっしゃいましたとおり、お父様が湾岸戦争のとき、特に戦地に行かれて非常に御苦労されていたというお話もお聞きしました。要するに、安全保障ということもこの
外航船員
の
世界
には必ず絡んでくるんですね。今ちょっと
台湾
のお話が出ていますが、
日本
とヨーロッパ、中東、ここを結ぶ航路はこの
台湾
のすぐそばを通っております。もしも万が一のことがあった場合に必ず影響を受けるんですね。 ただ、じゃ、そこで、ああ、もう有事が起きたから行くのやめようとか、そういうことには話は絶対にならない。そういうときに、危ないところに行けということは言えないです、もう今この時代、人権とかいろんな話がありますから。ただ、そこを何とかケアして、要するに、
海上輸送
を途絶えさせないためにどうしたらいいかということは、国もそうですし、
教育機関
もそうですし、
海運会社
もそうですし、みんなで検討しなければいけないと、そういうことが私はひしひしと必要ではないかと思っている次第です。 以上です。
中西祐介君(中西祐介)
8
○中西祐介君 ありがとうございました。 残り時間少ないものですから、コメントだけ
お願い
したいと思うんですけど、
船員
の
教育
システム
の
課題
についてもこれから考えなきゃいけないなというふうに思っております。 特に、二月の十六日に、私、地元、手前みそなんですが、尾道海技大学の徳島阿南校を開講しまして、民間の船会社、内航船の方々がしっかりバックアップをしながら、新しい
船員
を、六級海技免状取らそうということの
取組
を始めました。特に、裾野を広げるためには、地元の企業の連携とか、あるいは、この
水産
高校というのが今なくなっていますけれども、そうした技術高校をどのようにつくるかとか、
教育
環境
でいうと
練習船
がもう老朽化をしてどうしようもないということもあります。 就職の問題も含めて、やはりこの
教育
システム
の在り方を考えなきゃいけないと思っておりますので、
調査会
長に
お願い
を申し上げたいと思いますが、例えば高専とか海技大学の
関係
者の方々とか、今日、先生、大学御出身でありますので、それ以外の
関係
者の方々のヒアリングの機会をまた
お願い
を申し上げて、私の
質疑
といたします。 ありがとうございました。
会長(鶴保庸介君)(鶴保庸介)
9
○
会長
(
鶴保庸介
君) 御苦労さまでした。 ただいま提案のことは、また理事会で協議をさせていただきたいと思います。 それでは、次の御質問に移りたいと思いますが。
田島麻衣子
君。
田島麻衣子君(田島麻衣子)
10
○
田島麻衣子
君 ありがとうございます。 立憲民主・社民の
田島麻衣子
です。 今日は、お二人の
先生方
、
海洋
に関わる
教育
、それから
人材育成
の点からお話しいただきまして、本当にどうもありがとうございます。大変勉強になりました。 まず、
茅根参考人
に伺いたいと思います。
小中学生
を対象とする
全国
の
海洋リテラシー
が必ずしもすばらしいという数ではなくて、知識や
理解
に非常に限定があるということを伺ったんですが、私も子供いまして、どういうふうに、じゃ、海のことを教えていくべきなのかなと思いながら講義聞いておりました。 どうしてここまで、
海洋
とは切って切り離せない
日本
なのに
教育
がここまで進んでこなかったのか、その理由というのはどこら辺にあるのか。例えば、先生が少ないから教えることができる先生が少ないですとか、あと国の
理解
がなかったからとか、いろいろ考えられると思うんですが、
参考人
はどのようにこの国の
海洋教育
が進んでこなかった原因があるとお考えになっているでしょうか。
参考人(茅根創君)(茅根創)
11
○
参考人
(
茅根創
君) まずは、やはり
指導要領
にきちんと載っていないから。
学校
の
先生方
は
指導要領
に従って教えていますので、それに載っていないと教えないということになってしまう。ですから、
指導要領
にとにかく載せる。 今載っているのは
領土
、
領海
ということですと、じゃ、
領土
、
領海
を教えましょうということで、その知識は非常に増えましたけれども、それ以外の親しむ、海と親しむような
教育
というのが十分
全国
で行われていないように思います。
田島麻衣子君(田島麻衣子)
12
○
田島麻衣子
君 ありがとうございます。 この
参考
資料
をいろいろ見ていますと、いろんな国の
海洋教育
のことが書かれていまして、例えばシンガポールはやっぱりデジタル先進国だなと思ったんですが、ネットやITツールを生かして
海洋
を学んでいくという機会も
学校
が提供しているというふうに書かれていましたけど、
日本
はそうした、これからタブレットを配っていって
子供たち
がオンライン上の
資源
を活用する機会も増えていくと思いますが、こうした機器を利用した
海洋教育
、
学校
で行っていく可能性、どのようにお考えになるか、お考えをお聞かせいただけたらと思います。
参考人(茅根創君)(茅根創)
13
○
参考人
(
茅根創
君) ありがとうございます。 実際我々も、昨年
コロナ
で体験学習が難しくなったことを踏まえまして、VR等を利用したオンライン学習で
海洋
を教えるというような
取組
を進めております。映像やVRですね。ただ、私個人の
意見
としては、やはり
海洋教育
というのは体験、実際に海に行って足をぬらして体験しなければいけないかなと思っていますので、あくまでオンライン学習全体としての普及の中で
海洋教育
にも取り入れていくけれども、原点はやはり海ではないかというふうに思っています。 ICTについては、GIGAスクール構想で予算が付きましたので、今後可能性がより広がっていくというふうに思っています。
田島麻衣子君(田島麻衣子)
14
○
田島麻衣子
君 ありがとうございます。 私も自分が学んできたこと振り返ってみると、覚えていることって、手を使って触れたりとか楽しかったりとかしたことというのはやっぱり覚えているので、本当に先生おっしゃるとおりだなと今すごく思いました。ありがとうございます。 次に、
逸見参考人
に伺いたいと思います。 私はこの仕事する前は人道
支援
やっていまして、しかも食料
支援
だったので船には非常にお世話になっていて、食料というのは船で随分運んでいたんです。特に自然災害が起こって地震がわっと勃発した場合とかというのは、買ってある食料を船に載せて運んだりとか七十二時間以内に届けるということをやっていたので、私自身は乗っていなかったですけれども、
外国
商船
が物すごく身近な存在にあったなと思いながらお話を聞いていました。 私が
参考人
にお聞きしたいのは女子
船員
のことについてなんですけれども、これ、数見ていると二・六%なんですよね、全体の、
資料
を拝見しましたが。やっぱり少ないなと思って。そこには理由というのはしっかり書かれていたので、確かにそうだろうなと思って見ていたんですが。 先生は
学校
の
教授
されていらっしゃるので、今、大学、
海洋
大学のようなところに入ってくる女子学生の
皆さん
というのは、一体何を考えて、どんな夢を持って、何に悩んでいるのかということを、ちょっとその実情、女子学生の実情について先生に伺いたいなと思っております。
参考人(逸見真君)(逸見真)
15
○
参考人
(
逸見真
君) 御質問ありがとうございます。 おっしゃるとおり、女子
船員
は、この数字でいうと二・六%という信じられないような数字なんですね。少ないから、少ないといったら大体一〇%、三〇%ぐらいだというのに、その一桁だという現実があるんですが、先ほどお話ししましたように、
海運会社
がなかなか採用しないということも
一つ
なんですけれども、もう
一つ
は、採用のソースもやっぱり少ないということになります。 私が勤務している
東京海洋大学
の海事
システム
工学
科、大体定員約六十名なんですが、毎年入ってくる女子学生の比率は、大体十名前後、ということは二割ぐらいなんですね。それで、入ってくる学生のほとんどが入学時は
船員
志望です。これは男性と全く変わりません。要するに、
海洋
大学に入れば
船員
になれる、外航の
商船
に乗れるというようなイメージがやっぱり非常に強くて入ってくるんですね。 ただ、三年ないし四年在学していくうちに従って、なれない、先輩たちがなれていないという現実をやっぱり直視せざるを得ないということと、それから、私もちょっとシビアな話も時々しなければいけないということでするものですから、そういうところでちょっと気持ちが萎えてしまうというふうな現象がやっぱりどうしても起きてきてしまうんですね。 女子学生には、そういう
環境
にはあるんだけれども後進の道をつくるのは君たちがいかに頑張れるかだよという話を常にしておりまして、彼女たちに発奮してもらうように、機会を与えるし、そういうふうな精神論も私自身話しているんですが、例えば今の四年生、やっぱり女子学生十名前後おるんですけれども、ちょうど今就活をしておりまして、外航大手の三社ありますが、採用されたのは一名だけです。逆に、受けたのが三名ばかりいるんですけれども、二人は駄目。逆に、そのほかの女子学生は受けない。もう初めから陸上に方向転換しちゃっているということですね。 女性については、私も船会社回るたびにいろんな話をさせていただいて、とにかく一名でも二名でも、優秀な学生いますから採用してくださいという話は常にしております。実際に女性は、男性に比べると、平均して、頑張りますし、優秀な
人間
多いです。意欲とか
能力
、才能に関しては全く男性には引けを取らないということですね。そうすると、採用していただいても全く遜色がないということは私自身も自信持って言えます。ただ、今のような現実があるというのが実際のところです。これは女性の、今の学生のせいでは全くありません。私のような
教育
者がもっと力を入れて頑張らなければいけないということで、私自身にも責任があるんですね、大学にも責任もあるかもしれません。それは
海運会社
だけじゃありません。 ですから、そういうところをどういうふうにして見ていくかということで、もうこれもやっぱり試行錯誤なんですけれども、とにかくここら辺のところを毎年二名でも三名でもやっぱり積み重ねて増やしていくということが必要かと思います。大手の
海運会社
、実際に女性の
船長
さんがもう事例出ておりますので、道はできているんですね。後は数の問題だと思います。 以上です。
田島麻衣子君(田島麻衣子)
16
○
田島麻衣子
君 ありがとうございます。 先生の熱意や、本当にもう、応援したいんだという気持ちが本当に感じ取れて、私自身はすごくうれしいですけれども、何かこう話を聞いていて、女性医師も、昔は結婚、出産で辞めちゃうから外科医にはなれなかったりとか病院が採らなかったりするということがありましたが、今はもう三割を超えてきているんですね。なので、この女子
船員
の方も、希望する方であればその道が開くようなことを、国もしっかりその方策というのを考えていく必要があるんだろうなと今お話を聞いていて思いました。 以上です。ありがとうございます、どうも。
会長(鶴保庸介君)(鶴保庸介)
17
○
会長
(
鶴保庸介
君) 御苦労さまでした。 それでは、引き続き
質疑
を続けます。 里見隆治君。
里見隆治君(里見隆治)
18
○里見隆治君 公明党の里見隆治でございます。
茅根
先生、また
逸見
先生、今日は貴重な御講演をいただきまして、ありがとうございました。 私、党の中で離島対策本部というのがありまして、各島の首長さん、また、
活動
されている方と懇談をさせていただく機会がございます。 先日、広島県の大崎上島の町長さんからお話を伺いましたところ、瀬戸内ですのでそんなに遠くない海ということで、内地というか、本土の
皆さん
と交流をして、いい
教育
機会としてこの海の
環境
を利用した
教育
交流というのを行っているという話を伺いました。場所によっては、何というんでしょう、新たな海の
学校
といいますか、島留学というような形で、
教育
の場としてもその
環境
が非常に役立っているということであります。 その上で、まず
茅根
先生にお伺いをしたいと思いますけれども、こうした体験型の学習、そして海を体感していくという中で、ちょっとこう、何というんですかね、座学の単なる学習だけではなくて、若干期間を設けて、単に修学旅行とかそういう観光的なものではなくて、こういう体験的なものとして海というものが非常に活用できるんじゃないかという
意味
、先ほどの先生のお話からもそうした御示唆いただいたというふうに受け止めております。 そうした中で、先生の様々な御経験の中で、地方でのこうした
教育
交流の
取組
がその地方でもその
地域
の活性化に役立っていると、また、
子供たち
にも海への関心を高めているという、非常に相互の効果というものをもたらしているというような具体例がありましたら
幾つ
か御
紹介
をいただいて、そうした効果、価値についてお話をいただければと思います。よろしく
お願い
します。
参考人(茅根創君)(茅根創)
19
○
参考人
(
茅根創
君) ありがとうございます。 まさに、沖縄で、沖縄本島とそれから離島の間で交流をやっております。これは、通常の民泊でなくて、実際に二、三泊なんですけれども、
事前
にかなりお互いのことを勉強し合った上で本島の子供を離島に送る。 沖縄ですので島じゃないかと思うんですけれども、那覇の
子供たち
はもう東京と同じ、ゲームばっかりやって、そういう子供が離島に行って、数名しかいないような
学校
で民泊をする。それによって、非常に那覇の、本島の
子供たち
も大きく
考え方
が変わっていく。さらに、離島の
子供たち
も、その那覇の
子供たち
が来ることによって、離島のいろんな
文化
や美しい自然を
紹介
することによって大きな自信が付くというようなことを聞いています。
是非
、それ聞いて、本土と沖縄の離島の間でそういった交流をしたいなと思っています。 実際、修学旅行でも離島に民泊したりするんですけれども、非常にお仕着せになってしまっていて、美ら海水族館を見て、ひめゆりを見て、
最後
に一泊だけ民泊しておしまいというような、そういう表面上なものになっているようなので、もっと本質的に、離島で、離島経験をするような、そういうことができるような交流を
海洋教育
の中で
是非
やっていきたいと思っております。 ありがとうございます。
里見隆治君(里見隆治)
20
○里見隆治君 ありがとうございます。 本当に、この単なる海ということではなくて、
環境教育
という
意味
でも、ちょうど先日、
世界
自然遺産として奄美、沖縄北部も登録をされるという動きが出てまいりました。小笠原も含めて、この海を含めた
日本
の
世界
自然遺産に登録されるようなすばらしい
環境
というのを、本当に
子供たち
の小さい世代から触れさせてあげたいなと、そのように感じております。どうもありがとうございました。 続いて、
逸見
先生にお伺いをしたいと思います。 私、先生はどちらかというと今
外航海運
のお話をいただきましたけれども、先般、国内
海運
の
関係
者とお話をしておりましたところ、ちょっと外航とまた内航ではやや条件は違うかもしれませんけれども、本質的なところで同じ
部分
があろうと思います。やはり、長時間労働であり、家から離れる、御家族から離れる期間が長いと。大変厳しい就労
環境
であるという中で、特に内航、あるいは漁船
関係
ですと非常に高齢化また後継者不足が顕著であるという中で、やはり今、そうでなくても他
産業
も含めて働き方改革、労働
環境
の改善というふうに言われる中で、まさにこの
海運業界
もそれを急速に進めなければ人手の確保というのがままならないのではないかという御
意見
いただいております。 先生の、女性の海員への道をどう開いていくかというこの文も拝見いたしました。まさに、一般論でいっても、女性に優しい職場というのは男性にも当然優しい職場であり、
人材
を確保できる職場であります。そうした
意味
合いで、まさに先生のおっしゃった
最後
の、辞めずに
船員
として自律できる学生を一人出す方が、辞めるおそれのある者を十名採用してもらうよりもいいかもしれないというお話でしたけれども、先生の誇りからすればそういう立派な
人材
を送りたいということもよく
理解
できますけれども、なかなか今、そういう、それに足る若い方がどれだけいるのかというと、やはり
社会
人になってからも引き続き
教育
をし、また鍛えていくということも含めて
社会
に輩出しなければならない。そういう
意味
では、若干いろんな条件がまだ整っていなくても、そういった方を採用し、また働き方改革で少しずつ慣れさせていく、習得させていくと、そういう職場づくりも大事だと思います。 そういった観点での大きな
意味
での働き方改革について、
逸見
先生の御所見を伺えればと思います。
参考人(逸見真君)(逸見真)
21
○
参考人
(
逸見真
君) 御質問ありがとうございます。 今先生おっしゃったこと、まさに本当にこのとおりでして、少子化で採用のソースがどんどん縮んでいっているというのが、これからも縮んでいくんですけれども、そうすると、昔に比べると、マスの数が減ってその中から選ばなくちゃいけないというジレンマに陥ってしまいますし、それから、成熟した
社会
ですから、なかなか根性ある
人間
がという話もあるのかもしれません。 ただ、先生おっしゃいましたように、例えば高等
商船
にしても大学にしても、そこで完璧に仕上げて
社会
に送り出すということは実際は難しいんですね。そうすると、企業に就職して、そこで頑張って成長してもらうということはやっぱり大前提かと思います。特に
船員
のようなもう現場でやっぱり仕事を身に付ける職業では、それは間違いないんですね。 そうすると、じゃ、労働がきつい、で、働き方改革というお話になりますけれども、単純にお話しして、内航と外航を比べますと、内航の方が厳しいです。これは間違いないですね。一番厳しいのは荷役をしているとき、要するに港内で仕事をしているときですね。これがやっぱり
船員
が一番忙しいときと言っていいのかもしれません。航海中は、当直で、交代交代で当直できますから、当直を外れているときは休むことができるんですね。しかも、外航の場合には、航海時間が長いですので、逆に言うと休める時間がある。だけど、内航の場合には、要するに短い距離の間で走らなくちゃいけないので、極端な話、午前中入港、出港、午後入港、出港ということがあるのかもしれません。今の船はもう最低限の人数で走っていますから、余裕は全くありません。入出港のときには全員スタンバイになります。これが続きますと、このいわゆる労働時間はどんどん積算されていってしまうという現実があるんですね。船の
運航
上やむを得ないといえばやむを得ないということになります。 ただ、やはり休暇の問題とか、少しでも人数を増やすとか、あと荷役の効率を上げる、自動化を上げる、いろんな、短期間にはできないでしょうけれども、時間を掛けて、要するに、時間を節約する、節減する、働き方改革が実現できる
環境
に直していくということは、私は非常に必要かと思います。先生おっしゃいましたように、女性に優しい業界は男性にも優しい、まさにそのとおりでして、ここのところは、男性、女性は全く差別なくこういうふうなところを
推進
していかなければいけないということは、私自身考えております。 それから、女性につきましては、もっと少ない人数でもっと小さい船でということで、より
環境
は厳しいと思います。こういうところも含めまして、要するに、外航だから、内航だから、漁船だからという区別はしないで、
船員
という一くくりで全体を満たすと、そういうふうな
考え方
、やり方が必要ではないかと思っております。 以上です。
里見隆治君(里見隆治)
22
○里見隆治君 ありがとうございます。 その
船員
の方からお話があったのが、やはり我々、なかなか身近には感じないけれども、海がすぐ近くにあるわけではないのですぐには気付かないけれども、我々の周りのガス、電気、そして食べ物の多くが海外から来ている、それは船で運ばれているんだと。我々は、
教育
ということも含めてですけれども、そうしたことをよく感じながら生活する、その中で、海員の
皆様
への感謝、またその
産業
への敬意というものも払われ、
我が国
社会
としてそれを支えることにつながるんじゃないかと、我々もしっかりお支えをしていきたいと、そのように考えました。 また、今日は貴重な機会をいただきまして、本当にありがとうございました。以上で終わります。
会長(鶴保庸介君)(鶴保庸介)
23
○
会長
(
鶴保庸介
君) 御苦労さまでした。
柳ヶ瀬裕文
君。
柳ヶ瀬裕文君(柳ヶ瀬裕文)
24
○
柳ヶ瀬裕文
君
日本
維新の会の
柳ヶ瀬裕文
でございます。 済みません、途中、ちょっとほかの委員会がございまして中座をしておりましたので、もし質問がかぶったらごめんなさいということで御容赦いただければというふうに思います。 まず、
茅根参考人
にお伺いしたいというふうに思いますけれども、
海洋教育
についてです。 百聞は一見にしかずということで、やっぱり海にしっかりと触れるという機会が重要だというふうに思っています。私も、私が、じゃ、海について何を学んだのかなということを思い起こしてみたときに、余り学んでいないなと思いました。それと同時に、私、中学、高校が旧海軍の
学校
だったものですから、遠泳をやらされまして相当な距離を泳いだということで、そのときのことはよく覚えています。ただ、学んだことは根性とか、そういったものは学んだのかなというふうに思うんですけど、余り
環境
ということについては触れてこなかったなというふうには思います。 今、若い世代の
皆さん
ほど海に親しみを感じていらっしゃらないということで、
日本財団
さんが行った
調査
でも出ているようでありまして、小
学校
六年間で一度も海に行ったことのない割合が十代だと約一〇%ということで、六年間で十人に一人は行ったことがないということのようなんですけれども、まず、ちょっとベーシックな基本認識として、この海離れはなぜ起こっているのかという点についてお聞かせいただければと思います。
参考人(茅根創君)(茅根創)
25
○
参考人
(
茅根創
君)
最初
に、根性だけだったということですけれども、それは非常に大事だと思います、海を通じて生き抜く力を学ぶというのは。体験して、危険な目に遭って。ただ、逆に、今安全を重視して海に連れていかなくなってしまっているんですよね。連れていっても、何かこう囲った中で遊ばせたり、あれは、一人死んでしまうともうおしまいだという事情はあるにしても、その海の危険を通じて生き抜く力を学ぶような、そういう機会を設けたいと思います。 さらに、そういう安全重視の中で海に行かなくなっているというのは、やはり海に行くアクセスがどんどん減っていっているからだと思いますので、
教育
に適当な施設等を使って海の体験ができるような、そういう海の場をつくっていかないといけないなというふうに考えています。
柳ヶ瀬裕文君(柳ヶ瀬裕文)
26
○
柳ヶ瀬裕文
君 ありがとうございます。 リスクがあるということも
学校
現場なかなか恐れていて、そういった体験的な学習はできづらい
環境
にあるといったことはあるのかなというふうに、これは非常にもったいないことだというふうには思います。 それともう一点、これ
海洋教育
というくくりの問題なんですけれども、これ大きく言えば
環境教育
の中の
一つ
ということも言えるのかなというふうに思うんですけれども、これ、ちょっと済みません、大変僣越な話で申し訳ないんですが、
海洋教育
というくくりでこの
教育
を進めていくということと、
環境教育
というくくり方で進めていくということの、それぞれのメリット、デメリットというか、違いというか、そういった何がしかの御見解があればお聞かせいただければと思うんですが、いかがでしょうか。
参考人(茅根創君)(茅根創)
27
○
参考人
(
茅根創
君) もちろん、先ほどの
三つ
の柱、
生命
、
環境
、安全の柱を立てましたけれども、
環境
は非常に重要な
海洋教育
の
一つ
の柱ではあります。 ただ、一方で、
環境教育
にはない
生命
の問題、
水産
の問題ですとか
文化
の問題、それから安全の問題ですね、シーレーン、防災・減災、そういった、まあ防災・減災は
環境
にも関わってくるかもしれませんけれども、そういった点で、重なる
部分
はあるけれども、
環境教育
の中に含められるものではないというふうに私たちは思っております。
柳ヶ瀬裕文君(柳ヶ瀬裕文)
28
○
柳ヶ瀬裕文
君 ありがとうございます。 今、
教育
現場では、多分学ばなければいけないことがたくさん次から次へと出ていて、ITもそうですし、新たなテクノロジーもそうですし、多様性といったこともある中で、どういった切り口で学んでいけばいいのかということはよく検討する必要があるなというふうに考えているところであります。 続いて、
逸見参考人
にお伺いしたいんですけれども、
船員
の
皆さん
の事情がよく分かりました。大変興味深く聞かせていただきました。 まず質問をしたいんですけれども、これ、
我が国
が独自にこの
船員
を
育成
する意義といいますか、これ
船員
不足であるということは存知しているわけですけれども、
我が国
独自の
育成
をしていくことの意義について、まずお聞かせいただければと思います。
参考人(逸見真君)(逸見真)
29
○
参考人
(
逸見真
君) 御質問ありがとうございます。
船員
を
日本
が
育成
する、
日本
人
船員
に限って言いますと、船を
運航
するという前提だけからしますと、強い意義はないです。これは、一〇〇%
外国
人に置き換えてしまっても、
日本
に行き来する船が動けば、もうそれで終わりな話なんですね。実際、欧米はもうそれに近い状態になっています。自分の自国
船員
というのは、逆に言うと非常に少ない。むしろ、先進国、欧米の中では、
日本
が一番自国
船員
を重宝して使っているんじゃないかなと思われるような感がございます。 ただ、先ほどお話ししましたように、
日本
の船会社は、
日本
人
船員
は、
船員
としてのみ使うということよりも、陸で使うということを主眼に置いております。要するに、海上経験というのは、陸で仕事をする上での基礎になるという
考え方
ですね。これは大手、中堅船会社、全てそうです。ですから、
船員
を採用するときに学生に会社説明をするんですけど、そのときに必ずこの話はしています。ずっと船には乗れないよ、一定の期間船に乗ってもらって、スキルを身に付けてもらって、陸で働いてくれと話をするんですね。これは大学でも同じです。そういうふうに話をしております。 ただ、中にはもうずっと船に乗るという話もあるんですけれども、ずっと船に乗るということは、またそれだけ非常に大きなストレスになるんですね、
人間
にとって。
一つ
は、離家庭性という話もあります。若い頃は船にずっと乗り続けたいという気持ちはあるんですが、結婚をしました、子供が生まれましたという話になってくると、やはり海からはどうしてもという話になってくるんですね。それがもう私も含めて、船会社にいる
人間
は全部そうなんです。ただ、やっぱり海が好き、船が好きという基本は変わりませんから、そこら辺のバランスを会社がどう考えるか、業界がどう考えるかということだと思います。 それから、あともう
一つ
、よく言われるんですが、安全保障の話です。要するに、
外国
人だけの船は、もし
日本
が有事になった場合に乗ってきてくれない、乗ってくれないだろうという認識ですね。これは非常に古い、ちょっと古いというか、長いことずっと言われている理論ということになります。 それから、海事クラスターという話があって、要するに、
日本
が海事
産業
でこれからある
程度
世界
の中でちょっとやっていこうという
考え方
をしますと、船に乗っているという技術、知識、これがやっぱり重要になってくるということで、やっぱり船乗り必要だという話がここで出ております。 それから、今の
日本
の
海運会社
、先ほどの話に戻りますけれども、大手、中堅を含めて、
日本
人がやっぱり
日本
の会社をしているという基本原則からしますと、
日本
人
船員
は必要だという
考え方
があるということです。 総じて言いますと、
日本
人
船員
はやはり必要であって、
外国
人
船員
と完全に置き換えるということはできないというのが今の
海運会社
の、業界の
考え方
だと私は認識をしております。 以上です。
柳ヶ瀬裕文君(柳ヶ瀬裕文)
30
○
柳ヶ瀬裕文
君 非常に御丁寧にありがとうございました。よく分かりました。 そして、もう一点、今、IT化ということの流れの中で自動
運航
、自動運転といったことも考えられるというふうに思うんですけれども、これが、
現状
はよく
御存じ
だと思われますので、
現状
どこまでこれが可能で、今後どこまでそれが進んでいって置き換わっていくというようなことになるのだろうかということに対しての御見解をいただければというふうに思います。
参考人(逸見真君)(逸見真)
31
○
参考人
(
逸見真
君) 御質問ありがとうございます。 今おっしゃっております自動運転、これは車の
世界
ではもう実現寸前まで行っているようですが、船の
世界
でも
研究
ちょうど今盛んなところです。船に関する
工学
関係
は、全部この自動運転に関する
研究
が進んでおります。 実際問題として、遠隔操船、要するに、船の中で
運航
するんじゃなくて、陸から、
運航
して、沖の船を制御するという実験も進んでおりまして、これは実際実現しつつあります。ですから、いずれは省力化、人数を減らすとか、それからある一定の区間だけ無人で走るとか、そういうふうな時代がいつかは来るということになると思います。 ただ、
外航海運
について言いますと、これは相当先じゃないかなということになります。なぜかといいますと、まずは、
日本
の近海だけじゃなくて、
世界
各地に行かなくちゃいけない。その間にはもう物騒なところも結構あるんですね。そういうところを無人で走らせることができるかどうかということ。それから、サイバー攻撃ですね。無人で走っている船をサイバー攻撃されたらどうするのとか、そういうことを考えますと、ここら辺のところは解決が全然なっていない。 それから、実務的に言いますと、船の
運航
にはメンテナンスというのが非常に重要なんですね。これは
部員
を
中心
としてやっているんですけれども、これ誰がやるのという話です。AIができるのという話もそこにあります。それから、もう長い間培ってきた
海運
慣行ってあるんですね。これがAIで置き換えれるのというところで、これも全く解決策が立っていない。ということからしますと、外航はなかなか難しいという判断を私自身はしております。 内航について言いますと、ここはちょっと話が違ってきて、要するに、
日本
近海で
日本
人しか今乗っていないです、カボタージュということでですね。しかも
日本
の船社、船はほとんど
日本
製。そうすると、ある
意味
、AIによる、AIとかこの自動化という話は、外航の船よりは入っていきやすい可能性はあるかと思います。ただ、それがどこまでなっていくかというのは、ちょっと済みません、私、ここでは余りはっきり申し上げられないんですが、私の
考え方
としてはそのぐらいかと思います。 以上です。
柳ヶ瀬裕文君(柳ヶ瀬裕文)
32
○
柳ヶ瀬裕文
君 ありがとうございました。終わります。
会長(鶴保庸介君)(鶴保庸介)
33
○
会長
(
鶴保庸介
君) 御苦労さまでした。 それでは、引き続きまして、上田清司君。
上田清司君(上田清司)
34
○上田清司君 国民民主党・新緑風会の上田清司です。海のない埼玉県選出でございます。
茅根
先生と
逸見
先生には、ありがとうございました。
茅根
先生に四点お伺いしたいと思います。 埼玉県、人口五番目でありますが、回転ずしが多いこともあって、マグロの消費量が
日本
一でございまして、大変お世話になっているところです。全く
関係
なく、頭を少し柔らかくするために申し上げました。 二〇二五年までの全ての市町村での
海洋教育
の
実践
について、これ、どのような形で二五年までに仕組みとしてなっているのか、その内容について御教示を簡単にしていただければ有り難いと思います。 二番目に、
海洋リテラシー
の
調査
の結果、非常に重要なことが三割
程度
の
理解
だと。この原因については
学習指導要領
の
記述
の問題もあるという御指摘をいただいたところですが、この二番目の、この三割の
理解
に関しては、例えば副読本を各教室に置くとか、そういったところで少しカバーができないかというようなアイデアをさせていただきたいところですが、この点に関してどう思われるか。 それから、この
学習指導要領等
の
記述
についても、当然、
関係
者といろいろな協議をなさっておられると思います。あるいは、なさっておられるところの接点を持っておられると思いますが、例えば文科省の
関係
者が鈍過ぎるとか、率直な感想を述べていただければ、このメンバーの中に非常に立派な方々がおられますので、何らかの形で進展する可能性が高いというふうに思っております。 四番目に、
海洋教育
という中での命のマトリックス、あるいは生活、生存の基盤というような大きな話ですので、多分これは中学生レベルなのかなと私は
理解
するところですが、こうした大きな話を
社会
見学的なもので、何らかの形で
プログラム
の中に、今
学校教育
の中に入っているのか入っていないのか、これについてお伺いをしたいというふうに思います。入っていないとすれば、どんな形で入れていけば非常に
海洋教育
がしっかりとしたものになっていくか、御教示をいただければと思っております。 以上四点でございます。
参考人(茅根創君)(茅根創)
35
○
参考人
(
茅根創
君)
最初
の二〇二五年までにということですが、まだ実際の構築までは至っていないというふうに思っています。このままであと五年後にプラットフォームができるかということは、私、まだ危惧しております。省庁を横断したようなプラットフォームをつくる必要があるというふうに思っていますが、まだ具体的な施策にはなっておりません。そのために我々努力をしているわけですが、我々でできることは限りが非常にあります。 それから、
リテラシー
について、三割ということで、副読本も非常に重要ですけれども、実際に竹富町でも、それから与論島でも最近副読本作りましたし、只見町でも作っていますので、そういった副読本は非常に重要だと思いますけれども、やはり
指導要領
の中に入っていないと
先生方
教えられないというようなことがあるのかなというふうに思います。 文科省の方ですけれども、我々も文科省の方に、例えば、
センター
としてではないんですけれども、
海洋
学会として初等中等局長のところに
海洋教育
の充実をというふうに訴えましたところ、局長が、非常に、ありがとうございます、ただ、海もやれと言えば山もやれと言われますからねというふうに言われたことがありました。 そういう
意味
で、今非常に、前の委員もおっしゃられていましたように、多くの
教育
が立ち上がっていますので、その中で
海洋教育
がいかに重要か。
皆さん
、英語
教育
重要、IT
教育
重要というのはすぐうなずいてくれるんですけれども、じゃ、
海洋教育
大事かと一般の人に聞いた場合に、まだそこまで至っていないというような
現状
かと思います。ですから、中教審ももちろんそうですし、文科省もそうですし、それから一般の方々が海が大事だと思ってくれること、それから政治家の方が大事だと思って文科省を押してくださることが非常に重要かなというふうに思っています。 それから、
最後
の命のマトリックス、
社会
見学ですけれども、これもやはり生物、生き物が、
理科
の中に
海洋
生物というのが一言も入っていないということで、我々が教えている
学校
では命のマトリックス、海の
生命
について教えるカリキュラムを作っていますけれども、これを
全国
で教えられるような
状況
にはなっていない。これもやはり
学習指導要領
の中に、
理科
の中に入れていっていただくことだというふうに思っています。
センター
としては、各地区ごとにこれから副読本を作っていきたいというふうに思っています。 ありがとうございました。
上田清司君(上田清司)
36
○上田清司君 ありがとうございます。結構です。
会長(鶴保庸介君)(鶴保庸介)
37
○
会長
(
鶴保庸介
君) 御苦労さまでした。 それでは、
伊藤
岳君。
伊藤岳君(伊藤岳)
38
○
伊藤
岳君
日本
共産党の
伊藤
岳です。
参考人
のお二人の方、今日は貴重なお話ありがとうございました。 先ほどお父様が船乗りというお話がありましたが、私もひいおじいちゃんが
外国
を行き来する
商船
の
船長
をやっていた、会ったことないですが、そういう
意味
で興味を持って話を聞かせていただきました。 まず、
逸見参考人
に伺います。 いただいた
資料
によれば、現在、文科省所管の
商船系
大学が二校、高等専門
学校
が五校あり、国交省所管では、海上技術
学校
が四校、海上技術短大が三校、海技大
学校
が一校あるということです。 今後、女性も含めて
船員
育成
を考えたときに、
参考人
も言われましたが、養成
機関
の努力だけでは限界があるということはよく分かりましたけれども、
学校教育
施設の数としてこれで十分なのかどうかということ。また、ほかの
学校教育
施設と違って、船などの設備費用ですとか技術者ですとか維持運営費が相当掛かると思います。国からの財政
支援
など、何か国への要望などあればお聞かせいただきたいと思います。
参考人(逸見真君)(逸見真)
39
○
参考人
(
逸見真
君) 御質問ありがとうございます。
商船
教育機関
につきましては、おっしゃるとおり、
資料
にもございますこちらの方で、ある
意味
フル生産みたいな形で今ずっと
教育
させていただいているんですけれども、
海洋
大学について、先ほどお話ししましたとおり、定員全員が
海運
界、
船員
に進むとは限らないということですね。必ずそこでは就活というフィルターが掛かるということです。特に外航の
海運会社
は、インターナショナルな
部分
がありますからそれなりのレベルの高い
人材
が欲しいということはありますので、こういうふうにして、定員全員が就活はなかなか難しいという
現状
にあるということになるかと思います。 ほかのちょっと
商船
教育機関
については私は余り詳細は分からないんですけれども、海技
教育
機構の海上技術
学校
、海上技術短期大
学校
、海技大
学校
、こちらの方はほぼ就職は、一〇〇%まで行かないのかもしれませんけれども、そういう
状況
かなと思います。 内
航海運
、それから外航も含めまして、
日本
人
船員
の
現状
からしますと、ある
意味
ソースは足りないというふうに言っていいのかと思います。ですから、これに定員を増やすとか、新しい養成
機関
をつくる、課程をつくるということは、これは前向きに考えていただいても全く問題ないと思うんですが、単純に、養成
機関
を増やしました、じゃ、採用してくれますかといったら、必ずしもそうではないということもありますし、養成
機関
をやはり増やしますと、教える
人間
をまた確保しなければいけないという問題があります。教える
人間
は、大学であれば、教養
教育
等々がありますので、普通の大学と同じような先生の採用ということでいいかと思いますが、海技
教育
機構の
学校
の場合には、ある
意味
実務を知った先生の方がよりいい学生の
教育
には寄与するのではないかなというふうにちょっと私考えております。 私もちょっと海技
教育
機構の海技大
学校
に過去五年ぐらい勤務したことがありますので、そういう経験からお話をさせていただいているということです。 設備に関しましては、これは、例えば
海洋
大学にいたしましては、ほかの大学と同じように毎年国の交付金が減らされている
状況
でして、なかなかやっぱりやりくりが非常に難しい
状況
だということで、これはうちの大学だけじゃなくて、ほかの国公立大、国立大学はみんな同じかと思うんですけれども、そういうふうな中で、大学の方も何とかそういうふうな予算を獲得しようということで頑張っているようなところかと思います。 今年、うちの大学、
海洋
大学の
練習船
の汐路丸というものがあるんですが、今年ちょうど就航するんですけれども、三十年ぶりの就航ということで、今ちょうど走っている船が、ある
意味
、ちゃんと走れるんですけれども、ちょっとくたくたな
状況
で、逆に言うと、ここまで待ってようやく造っていただいたという感じかもしれません。 それから、海技
教育
機構には、六隻の
練習船
、二隻の帆船と四隻の汽船があります。リプレースもされておりますけれども、ほかの養成
機関
の
練習船
も含めますと、
資料
にもありますとおり、もう船齢も大分たっておりまして、リプレースが必要だということもあります。 国はなかなか予算の面で苦しいということも分かるんですけれども、海技
人材
を少しでも多く増やしたい、養成したいということにはこういうふうなツールは絶対必要になりますから、
是非
是非
この点は
先生方
の方でまた声を上げていただいて、予算を回していただくような形にしていただければいいと思います。 以上です。
伊藤岳君(伊藤岳)
40
○
伊藤
岳君 御
意見
ありがとうございます。
茅根参考人
に伺います。
海洋基本法
には、
学校教育
と水族館や博物館などの
社会教育施設
との有機的な連携を促進するというふうに書かれております。そこで、
海洋教育
の
実践
という点で小中
学校
の
学校教育
との連携の期待は小さくないと思うんですが、そこで、小中
学校
の
教員
自身が
海洋教育
を学べるように
支援
するですとか、今は小中の
教員
も週二十時間以上の時間外労働が恒常化しているとか、労働条件の改善も必要かと思ったりするんですが、いずれにしても、その豊かな
教育
、
海洋教育
の
実践
と
学校教育
との連携という点で日頃先生がお感じになっていることや期待や要望などがあれば伺いたいと思うんですが。
参考人(茅根創君)(茅根創)
41
○
参考人
(
茅根創
君) 実際、現在、現場の
先生方
非常に忙しい、新たにこれをやってくださいというような
状況
ではないというのはよく現場に行ってみて分かりました。 その中で、我々、
教員
の
先生方
の
海洋教育
に対する資質を高めるために
教員
研修も行いましたし、それ以上に、おっしゃられたように、
社会教育施設
との連携も必要だというふうに思います。先ほど来、安全の問題も出てきますけれども、
教員
の、
学校
の
先生方
に全てそれを押し付けるのではなくて、海のプロの人たちに安全について、あるいは
水族館等
との連携で
社会教育
と連携していくことが必要だというふうに考えております。
伊藤岳君(伊藤岳)
42
○
伊藤
岳君 ありがとうございました。終わります。
会長(鶴保庸介君)(鶴保庸介)
43
○
会長
(
鶴保庸介
君) 御苦労さまです。 それでは、
高良
鉄美
君、
お願い
をいたします。
高良鉄美君(高良鉄美)
44
○
高良
鉄美
君 沖縄の風の
高良
鉄美
でございます。 今日は
参考人
の方々、ありがとうございます。 これから
幾つ
かちょっと私、質問させていただきますけれども、沖縄の風ですので、沖縄から私は選出されておりますが、沖縄の中にも海がない市町村が一個だけありまして、そこは昔、
中国
との冊封のときに、沖縄の島は大きいんだぞと言うために、ここで、真ん中に置いて、海が見えないからと、そういうことをやったらしいんですけれども。 今日、実は海の関連で非常に、まず
茅根
先生にお伺いしたいんですけれども、
教育
の中で、海に関わるということで非常に多分野にまたがって、文系も理系もやっていくということで、非常に私、感銘を受けたんですけれども、その中には
文化
とか宗教とか
地理
、そういったのがありますけれども、沖縄の場合にも旧暦の行事がたくさんありまして、これ実はかなり海あるいは月の満ち、海の満ち潮ですね、干満と
関係
があって、そういったことも
教育
の中で生かしていくと。 十一の分野を先生挙げられていましたけれども、
資料
の中で、かなり広い範囲で
教育
をされていくというときに、何ですかね、受けている方々の反応というんですかね、そこで非常に何か心に残ったもの、ことというのがありますでしょうか。
参考人(茅根創君)(茅根創)
45
○
参考人
(
茅根創
君) 沖縄の
教育
には私も大分関わっておるんですけれども、竹富町の
教育
推進
の基本方針、あるいはその副読本でも伝統
文化
は
一つ
大きな柱になっております。
高良
先生おっしゃられたように、浜下りですとかハーリーとかニライカナイとか、それは
海洋教育
の中に全て入っていて、その中で非常に
子供たち
がもう自分たちの伝統
文化
に誇りを持って、
海洋
サミットというのをやるんですけれども、古見小、西表島の古見小の
子供たち
は三線を持ってきて演奏をして、みんなほかの
子供たち
が非常に羨ましがっていました。 そういう
意味
で、伝統
文化
、海の伝統
文化
、特に沖縄はそうなんですけれども、というのは
海洋教育
の非常に重要な柱だというふうに思っています。 ありがとうございます。
高良鉄美君(高良鉄美)
46
○
高良
鉄美
君 ありがとうございました。 また、先生の
資料
の中に、
尖閣
列島の存在、
位置
が分からないという方が三割いたということですけれども、これテレビの影響もあるのかなと思うんですが、天気予報を見たら、沖縄がどうも
日本
海の辺りに出てきたり、あるいは高知県の沖の方に沖縄が出てきたりするものですから、あれを見ると
外国
から来た方は、沖縄どこにあるのと言ったら、どうもやはり島根県の沖の辺りを指す人が多いらしいんですけれども、そういうので言うと、
尖閣
列島のことを余り
地域
として知らない
子供たち
というのは多いのかなと思ったりしています。 ただ、私の方は、先ほど先生、委員の方々も、おじいさんがとかお父さんがとかありましたが、私の父は五回
尖閣
列島に
調査
で行きまして、上陸もしていて、五〇年代からですね、一九〇〇、そのときに、やっぱり
尖閣
列島というものが鳥の島ということでアホウドリの
調査
に行って、それから、ただ、あそこは旧古賀村といって古賀さんの関連があってかつおぶし工場があったところなんですが、やはり
尖閣
列島の問題を考えるときに、今、
茅根
先生の中にあった十一の分野は半分ぐらい平和というのにすごく関わりを持っていると私感じたんですけれども、そして、
領海
とか排他的
経済
水域に余りこだわらないで、むしろ
日本
の方としては自由な方が得になるんじゃないかと。元々、
EEZ
も、二百海里というのはアメリカがつくって、
日本
の漁船を制限するためにつくった二百海里ということですけれども、先生の方から言うと、この平和
教育
みたいなのも
海洋教育
の中に入っていくのかなというふうに思うんですけど、いかがでしょうか。
参考人(茅根創君)(茅根創)
47
○
参考人
(
茅根創
君) ありがとうございます。 まさにそのとおりでして、
尖閣
知らないということを訴えて、
尖閣
ちゃんと教えなさいということになったわけですが、逆に、この
日本
の、ここは俺のものだという、そういう
教育
になってしまったということを非常に後悔しています。
最後
の
ページ
にありますように、俺のものだといっても、
太平洋
から見たらこれだけなんですよね。もっと
海洋
を
公共財
として扱う、俺のもの、俺のものとみんな言い出したら、もし島の人たちがこれ俺のものだと言い出したら、もう
日本
は西
太平洋
に全く入っていけなくなるわけですから。 そういう
意味
で、
公共財
としての海という、そういう視点を入れていく。それが当然平和にもつながっていくのかなというふうに、安全、平和にもつながっていくのかなというふうに思っております。 ありがとうございます。
高良鉄美君(高良鉄美)
48
○
高良
鉄美
君
逸見参考人
にお伺いしたいんですけれども、
逸見参考人
と名刺を交換したときに、Captと、キャプテンですかね、そして実際そういう御経験もおありで、それから現在は教鞭を執っておられるということでしたけれども、実際に外航でいろいろ責任者として、キャプテンとしてされた中で、非常に大きな経験というんですかね、困難というんですか、そういった経験があれば少しお話をしていただいて、その経験と現在の
教育
との
関係
みたいなものを少しお話しいただけたらと思うんですけれども。
参考人(逸見真君)(逸見真)
49
○
参考人
(
逸見真
君) 御質問ありがとうございます。 私自身は、幸か不幸か、大きな事故とか大きな嵐に遭ったという経験はないんですね。 逆にこれ、ちょっと不思議な話で申し訳ないんですけれども、例えば
台風
に当たる、よく、人は、乗るたびに当たるという、そういうジンクスもあったり、それとか、あと、あの人が乗ると必ず船故障するとか、そんな話がまことしやかに
海運
界では話されることがあるんですが、ただ、これにつきましては、いろいろ考えてみれば当たり前というか、要するに、
日本
近海を夏場航海する船に常に乗り続ける
人間
は
台風
に当たる確率非常に高いわけですね。それから、やっぱり古い船に乗る
船員
さんはどうしても故障がちな船に当たっちゃうということもありますから、要するに、人に付くんじゃなくて、たまたまその人が乗った船とかその人が乗った時期、
環境
、そういうふうなものである
意味
整理できるんじゃないかなというふうに考えます。 突き詰めて言いますと、運がいい、運が悪いという話になるんですけれども、確かに、百人、二百人、いろいろいる中で、この人はちょっと運が悪いかなという話はまれに感じることはありますが、そんなことを考えていたら
船員
という仕事には就けないわけですから、そこら辺のところは余り私は信じておりません。 私自身の話といたしましては、サードオフィサー、三等
航海士
のときにマラッカ海峡でぶつかる寸前まで行ったことはあります。ペルシャ湾からVLCC、満船のタンカーで、原油を満載したタンカーで走ってきて、ちょうど私、
船長
と一緒に夜八時頃ワッチ立ったんですけれども、ちょうど右に曲がるところのポジションだったんですね。私、右から船来ないと言って、
船長
がそのまま右にかじ切ったんですけど、切ったらすぐ真後ろにコンテナ船がいたんですね、真っすぐ走ってくるんです。それでちょっとびっくりしまして、レーダー見たら映っていなかったんですけど、ちょうど、細かい話で申し訳ないんですが、煙突があって、その煙突の陰になってコンテナ船が映らなかったんですね。曲げ出して、その陰が取れた瞬間に映ったんですね。びっくりして、船来ますと言って、
船長
もすぐかじ戻してやったんですけど、もう二十メーターも足入った満船の三十万トンというVLCC、巨大タンカーは、もうかじをちょっと切っただけではもう全然動かないんですね。それで、わあ、このまま行ったらもう横腹激突されて、もうマラッカ海峡油まみれで、私はもう一生
日本
に帰れないなという感じもあったんですけれども、運よく、コンテナの方が足が速いですからね、二十ノット以上出ますので、本船というか、私の乗っていた船のへさきをかっとかわしてくれて、逃げてくれて、助かったという思い出が。 時々夢にも見ますけど、そんなようなお話でよろしいでしょうか。ありがとうございます。
高良鉄美君(高良鉄美)
50
○
高良
鉄美
君 ありがとうございます。 両
参考人
の方々、
教育
の面で大変だと思いますけれども、これからも連携して頑張っていっていただけたらと思います。今日は本当にありがとうございました。
会長(鶴保庸介君)(鶴保庸介)
51
○
会長
(
鶴保庸介
君) 御苦労さまでした。 一巡目最終になります。 ながえ孝子君。
ながえ孝子君(ながえ孝子)
52
○ながえ孝子君 碧水会という会派におりますながえ孝子と申します。 今日は、
参考人
の方々、とても考えさせられる話をいただきまして、どうもありがとうございました。 まず、
茅根参考人
にお伺いしたいんですが、私も
最初
、小
学校
、中
学校
での
海洋教育
と聞きましたときに、それは
社会科
なの
理科
なのと思ったんですが、両方必要ですし、例えば食育という分野も必要にもなってくるでしょうし、やっぱりおっしゃったように、偏らない総合的な
海洋教育
というものを
学習指導要領
の中に
位置付け
ていくということが重要だなということをしっかり今日は分かりました。ありがとうございます。 それを教師がどう担っていくのかというのをお聞きしたかったんですけど、先ほどのお話の中で、それはチームをつくるんだなということがよく分かりました。ただ、チームをつくっていくというのは、その
地域
ごとにチームの特色ですとか、そういったものが何か変化も必要になってくるのかなと思うんです。そういうコーディネートはどこが担うイメージなのかをちょっと教えていただけませんか。
参考人(茅根創君)(茅根創)
53
○
参考人
(
茅根創
君) 現在は、我々がそれを担って、ハブとして
活動
しております。おっしゃるとおり、本当に、三陸は三陸、沖縄は沖縄、それから大牟田は大牟田、それぞれの
地域
の特色のある
教育
をやっていますけれども、そのお互いの情報交換をする場がないんですね。それを我々の
センター
でつくって、先生同士でベストプラクティスを学び合って、その中から一般化できるものを拾い上げてカリキュラムを作っていこうというようなことを今進めているところです。 ありがとうございました。
ながえ孝子君(ながえ孝子)
54
○ながえ孝子君 続けて、現在、
学習指導要領
の中へ出てくるのが偏っていて、どうしても
領土
、
領海
のこととか安全保障の問題といいましょうか、どっちかというと
社会科
に属するんですかね、それが多くて、
社会科
と
理科
の分断というのを
茅根参考人
もおっしゃいました。 この問題解決するのは、
理科
の分野からのアピールが少ないということなんですか。どうなんでしょう。
参考人(茅根創君)(茅根創)
55
○
参考人
(
茅根創
君)
海洋
生物の人たちも一生懸命教えたいということを言っているんですけれども、なかなか。やはり
領土
、
領海
が先に突出してしまったのかなと思います。
社会
と
理科
の分断で特に問題だなと思うのは、例えば黒潮というのは
社会
で先に学ぶんですね。じゃ、その黒潮がどんなふうにできるのかという
理科
はその後にならないと勉強できない。そうすると、
社会
の
地理
の黒潮というのは暗記物になってしまうわけです。そういう点で、有機的に、
社会
、
理科
あるいは総合、美術等を総合的に学年も縦断するような方向でカリキュラムを作っていくことが必要だと思います。
理科
は
理科
だけ、
社会
は
社会
だけでなくて。そのための努力を我々も続けているところです。
ながえ孝子君(ながえ孝子)
56
○ながえ孝子君 よく分かりました。さっき
茅根参考人
おっしゃった生きる力を
子供たち
にいかに付けさせるかという観点から、中身からやっぱりそのカリキュラムの順序も考えないといけないんだなということがよく分かりました。ありがとうございます。 それでは、
逸見参考人
にお伺いしたいんですが、女性
船員
の確保の難しさというのが改めてよく分かりました。 今、
逸見参考人
の大学で女子学生の割合が六十人中の十人ということでしたが、この数は増えてはきているんですか。
参考人(逸見真君)(逸見真)
57
○
参考人
(
逸見真
君) 私ちょうど在学中に女性の入学が始まりまして、当時は、一期上から始まったんですけれども、三人、私の代が三人ですね。その当時はそんな感じでした。それから徐々に増えまして、大体、今の数、十人前後ですね。割合として定員の二割ぐらいですか。これは大体コンスタントに来ています。別に大学で操作しているわけでは全くなくて、入学試験で入れたらたまたま毎年大体こんな感じになるなという感じですね。
ながえ孝子君(ながえ孝子)
58
○ながえ孝子君 ありがとうございます。 一般の企業ですと、今、女性の
管理
職を生み出そうというテーマに取り組んでいるところが多いんですけど、そのときに、よくロールモデルの存在の
重要性
というのが言われます。一歩先行く女性の先輩がどういうふうに問題解決に当たっているとか、ああいうふうになりたいとか、これが男性に比べると女性は少ないので、A先輩にもB先輩にもなれないと思った私は諦めるしかないみたいなところが、男性だとA、B、C、D、Eまでいるとかということで。これが女性
船員
の場合は、先輩が、まだまだ今増やさないといけないというところなどで、少ないから難しさというのはよく分かります。
逸見参考人
も
資料
の中でおっしゃっていたんですけれども、やっぱり労働市場で女性というのは保護され法律で守られている
部分
があるだけに、守らなければいけないんですけれども、それだけに、使用者側から見ると割高な
人材
と見られると、この問題は本当に大きいと思います。
逸見参考人
も就職のサポートに当たるたびにこの壁にはぶつかってこられたと思うんですよね。この問題について何かお感じになることとか、こうやる、これがあればなというようなことがもしあれば教えていただけませんか。
参考人(逸見真君)(逸見真)
59
○
参考人
(
逸見真
君) ありがとうございます。 本当におっしゃるとおりで、ロールモデルということからしますと、もう船会社の今勤務している女性
船員
というのは本当に少なくて、ロールモデルになれるような
人材
も少ないというのが現実かと思います。 ただ、
レジュメ
にも書いたんですけれども、船会社も採用したからにはしっかり育てたいという意識は非常にやっぱりあるわけですね。結婚したとき、それから子供が生まれたときは、男性でしたら、要するにお父さんでしたらもうそのまま船に乗ってもらう、だけど、お母さんでしたらすぐ陸上勤務に転勤させるとか、それから要するに長期休暇与えるとか、子育て
支援
をするとか、そういう形で男性と女性はやっぱり扱いを全然違うようにしているんですね。ですから、その分、女性
船員
の要するにケアというのはそれなりにしっかりやり始めているというのが私の
考え方
です。 ただ、その数を増やすということになりますと、そこら辺のところが最終的にネックになるんですが、先ほどお話ししましたように、うちの大学も含めてと言った方がいいのかもしれませんが、要するにソースがどうしても縮んでしまっているというのもあります。むしろ、少ないんだけれども、私がここで頑張ってロールモデルになってやろうみたいな意欲は彼女たちはあるんですね。ただ、あるんだけれども、どうしても採用がなかなか難しいということになってくるということもあるかもしれません。 それからあとは、おっしゃったとおり、女性は男性に比べて割高だという話になるんですけど、これはもうある
意味
しようがないんですね。そこで差別化は絶対できないということで、これは私、大学の授業でも学生たちにはしっかり話をしているんですね。彼らに話を聞きます。例えば、男子学生なんかに女性と一緒に船に乗るのどうと言ったら、はっきり嫌だと言う学生もいるんですね。なぜかといったら、面倒くさいとかそういうことを言う。そこら辺のところが学生の頃からそういう意識があるということは私もはっきりびっくりしておりまして、そこら辺のところはしっかり話をして、もう
社会
がそういう
社会
じゃないよという話を彼らにして、要するに、船会社入って例えば女性の
船長
の下で頑張れるかどうか、逆に女性の
航海士
をしっかり面倒見れる
船長
になれるかどうかというところを、要するに学生の頃からしっかりモチベーションをつくってもらいたいなという感じがあります。 結果論からすると、今の
現状
をどういうふうに打開するかという話で、先ほどもちょっと申し上げた、繰り返しになりますけれども、これは我々
教育
者もしっかり努力をしなければいけませんし、
海運業界
もそのところはしっかり覚悟していただきたい。それから、女子学生にも、負けないで頑張ってくれという話になりますので、それをいかに、やっぱり言葉だけじゃなくて、精神的なものとかいろんなところで彼女たちをいかにケアしていくかというのが我々大学も含めた
教育
者のやっぱり役目じゃないかなとは自覚しております。 以上です。
ながえ孝子君(ながえ孝子)
60
○ながえ孝子君 ありがとうございます。 やっぱり大学
教育
の前のもう高校、中学、小
学校教育
であったり、その前の家庭
教育
であったり、それをつくる国中の空気感づくりとか、そういったところからやっぱりこの問題というのは大事なんだなということ、分かりました。 どうもありがとうございました。 以上です。
会長(鶴保庸介君)(鶴保庸介)
61
○
会長
(
鶴保庸介
君) 御苦労さまでございました。 以上で各会派の一巡目の
質疑
は終了いたしました。 他に
質疑
のある方は
挙手
を願います。 川田龍平君。
川田龍平君(川田龍平)
62
○川田龍平君 立憲民主党の川田龍平です。 今日は、お二人の
参考人
の方、ありがとうございました。 まず、
茅根参考人
に
お願い
します。 私、先日、本会議でも、「
日本
再生のための「プランB」」という本を書いた兪炳匡
教授
の、医療
経済
学の先生なんですが、その先生が提唱している北東アジア
経済
共同体というものを非常にこれから重要ではないかということでおっしゃられていて、その中に、
台湾
とそれから
韓国
、周辺の二か国が非常に
文化
的にも価値観を共有できる国ではないかということで、特に基本的人権ですとか民主主義とか、そういったことで共有できるところの国との
文化
的な交流を深めることが重要ではないかということなんですが、ちょうどその
海洋教育
においてこの二か国が、
台湾
も
韓国
も例として先生が挙げられているんですが、その国との国際交流としてのこの
海洋教育
における
取組
というのはこれまであったのでしょうか。
参考人(茅根創君)(茅根創)
63
○
参考人
(
茅根創
君) 実は我々もこれをまとめてみて、もっと
世界
中で
海洋教育
をやられていると思ったところが、
台湾
、
韓国
が国を挙げてやっているということでびっくりしたということで、これから
是非
、
台湾
、
韓国
と連絡、コミュニケーションして、共同で進めていきたいと思っております。現在は
調査
をしたところでございます。
川田龍平君(川田龍平)
64
○川田龍平君 私も
是非
、この海を共有財産として、公共の財産として、
是非
価値観を一にしていくということはすごく大事なことだと思っておりますので、対立ばかりではなくて、やっぱりそうした共有というところで、
公共財
として考えられるような価値観を
是非
育んでいただきたいなと思っております。 それでは、
逸見参考人
に質問したいと思います。 私も、本当に私事ですが、非常に周辺に
船員
、
船員
といっても、
海運
に携わる人がいたりですとか、それから、大学の大先輩も実は
海洋
大学に入ったんだけれども、
東京海洋大学
へ入ったけれども、視力の問題で
船員
としての夢を諦めざるを得なくて、そして東京
経済
大学という、
東京海洋大学
から東京
経済
大学という、うちの大学の先輩なんですけれども、移ったという方もいて、そういった話も聞いていたり、それから友達のお父さんで
船員
、船乗りだったりですとか、私も、
ドイツ
に留学したときもライン川で船を見ているのがすごく楽しくてずっと見ていたりとか、船をすごく、憧れでもあるんですが、本当にずっと、インターネットでも船舶マップというのがライブでありますよね、AISライブ船舶マップというのを見ていると、どこの船がどこにいるかというのが全部見えて、とても楽しいと思ってずっと見ていたりするんですけれども。 そういった船乗りをやっぱり
是非
増やしていくことというのはとても重要だと思っているんですが、海外の例で、女性の
船員
というのは海外ではどのようにパーセンテージとしてはいらっしゃるんでしょうか。
参考人(逸見真君)(逸見真)
65
○
参考人
(
逸見真
君) 済みません、そういう
資料
がなくて、私も過去探してみたんですけれども、私自身、済みません、確認をしていないので申し訳ないのですが、そういう具体的なお話はちょっとできないという前提なんですけれども、例えば旧ソ連ですね、今のロシアかと思います、旧ソ連、それから共産圏は昔から女性
船員
は多かったという話は聞いています。もう私、これ在学中から言っていまして、当時からもう、陸の多分
産業
でもそうなんでしょうけれども、共産圏の男女平等というんでしょうか、そういう観点から女性の
船員
は多かったという話は聞いております。 それからあと、欧米ではもうむしろ珍しいという言葉自体が使えないというか、数としてはやはり男性の方が間違いなく多いと思います。船乗り
社会
というのは男性
社会
というのは、これは
日本
だけじゃなくて、
世界
各国のことに言えると思うんですけれども、ただ、それでも
外国
の船舶が女性の
船員
が多いということは言えるのではないかと思います。 私も過去船に乗っていた経験からしますと、航海中、それから
外国
の港に泊まっているときに、船が無線電話というので意思疎通をするんですね。そのときに女性がよく話すんですね。女性の
船員
さん、まあ話すといって、多分
職員
、
航海士
か
機関士
かなと思うんですけれども、女性の声は結構頻繁に聞いていました。当時、私が勤務していた会社は女性の採用はゼロです。当時は、もうほかの船会社全部見ても女性は多分ゼロだったと思うんですけれども、そういうときに、
外国
では、無線電話を使って意思疎通をする女性の
船員
が
外国
人にはいたということですね。 そういうふうなところからしますと、それなりの数はいるし、今現在もそういうふうな
状況
じゃないかと思います。 以上です。
川田龍平君(川田龍平)
66
○川田龍平君 海外のそういった
社会
的な男女の格差のないところに、やっぱり
是非
、女性の
船員
などがもっと活躍の場を求めていくこともあるのかなと思いながら、本当に
日本
社会
におけるやっぱり男女の、そういった
社会
的な男女の平等がない中で、やっぱり今置かれている
状況
から増えないのかなというところも感じております。 次の質問は、今度、小樽の海上技術
学校
というところで、短期大学が、短大化というのが今方向性として、国の
政策
としても打ち出してきているということなんですが、この短期大学についてはそういった
船員
を増やすという
意味
では重要なのかなと思うんですが、いかがお考えでしょうか。
参考人(逸見真君)(逸見真)
67
○
参考人
(
逸見真
君) 御質問ありがとうございます。 海技
教育
機構の内部の問題で、ちょっと私、詳細は分かりかねるんですけれども、要するに、海上技術
学校
を海上技術短期大
学校
に格上げするということかと思います。私自身は、格上げすることによってソースが
一つ
ステップアップするということで、私はこれは歓迎していいのかと思います。 それから、要するに
海運
界のニーズというところもありますので、そのニーズを受けての海上技術
学校
の短大化というふうに
理解
をしておりますので、こちらについては私は歓迎したいと思っております。 以上です。
川田龍平君(川田龍平)
68
○川田龍平君 今、先ほど徳島の民間養成
機関
の話もありましたけれども、内航
船員
全体の新規採用のうちの民間の
船員
養成
機関
出身者の割合が増えているということで、全体の約一割を占めるようになって、
船員
とは無縁だった人も、今後、その大学出た人じゃない人もそういった
資格
を取れると、
資格
というか
船員
になれるという方向があるということなんですが、それについてはいかがお考えですか。
参考人(逸見真君)(逸見真)
69
○
参考人
(
逸見真
君) それについても、私は全く異論ございません。 六級という話がさっき出ておりましたし、この
資料
の中にもございます。要するに、内航の場合には、小さい船を本当に少ない人数で走っているということなんですね。そうすると、例えば外航の場合には、
航海士
が三人おりますので、三人で要するに四時間当直を繰り返していけばいいということなんですね。そうすると、
船長
はフリーになって、いざというときに出てくるということになるんですけれども、例えば内航の船で
航海士
が二人、場合によっては
船長
と
航海士
一人ずつとかそういう船になってくると、当直が組めないということになります。で、
船長
自身も当直入るということですね。もう人数の
関係
上からやむを得ないんですけれども、やはりそれが、先ほどお話しされていました働き方改革にも影響しますし、
船員
の労働時間の長期化にも影響するということなんですね。 そうすると、いろんなソースを採りたいということで、少なくとも当直をするにはそれなりの
資格
が必要だという話になってきて、元々、
部員
さんであって
資格
を持っていない人にある
意味
資格
を貸与するということで六級という
システム
ができたということを私は聞いておりますけれども、そういうふうにして、要するに、やはりインセンティブを与えるというのは非常に重要かと思います。 民間の施設を出られた
船員
さん、内航の方がメーンかと思うんですけれども、そういうことも非常に重要かと思いますし、それから、
資料
にもありますとおり、海上技術
学校
、海上技術短期大
学校
には、一般大学を出て
船員
を目指す人が新たに入り直すというパターンも、数は少ないけどあるんですね。それから、同じく
資料
にありますけれども、大手の船会社、大手の
海運会社
は、一般大卒又は院卒から船舶
職員
を採用しているということを、もうかれこれ二〇〇八年以降ですから十年以上続けているということで、それなりの数になっているということです。 要するに、
商船
教育機関
、
海洋
大学、神戸大学、それから五高専、海技
教育
機構の
学校
以外のところのソースから
人材
を獲得しようとする動きは、これはもう
海運
界全体に影響しつつあるということかと思います。 ただ、自前で
船員
を採用して
教育
するというのはお金が掛かるわけですね。
商船
教育機関
のいいところは、要するに、三級
海技士
等々、要するに海技免状を取るまでは全部
学校
で面倒を見てくれる。その
人間
を採用するということですから、そのメリットが一般大卒から採る、一般大卒、院卒から採るソースにはない。逆に言うと、大手の
海運会社
が採用した後に会社で
教育
、あるいは海技
教育
機構の海技大
学校
に行ってそこで
教育
して、
練習船
とそれから自分の自社船に乗せて履歴を付けて、そこで三級
海技士
を取らせるということで、少なくとも二年近く
商船系
の学生を採用するよりは時間が掛かってしまうということがあるんです。ただ、それでもソースとしては欲しいんですね、大手の
海運会社
は。中堅の会社もそういうふうな気持ちはあるんでしょうけれども、ただ、予算の
関係
上でなかなか難しいということを私は聞いております。 要するにソースですね、これが増えることは非常にいいことだと思いますし、ある
意味
、
教育課程
の中でいい
人材
を育てる、競争するということも、長い目で見ると、
海運
界とかそれから
日本
全体にとってはいいことじゃないかと私自身は思っております。 以上です。
川田龍平君(川田龍平)
70
○川田龍平君 帆船
教育
のことについても聞きたかったんですが、ちょっと時間、いいですか。 帆船
教育
というのは歴史的に行われているということで、
日本
の航海技術の中でも、帆船技術を学ぶことというのはすごく意義のあることだとして続けられてきているんですが、それの再開についてのことはどうお考えでしょうか。
参考人(逸見真君)(逸見真)
71
○
参考人
(
逸見真
君) ありがとうございます。 帆船
教育
は、これ、
先生方
御存じ
のように、今まで何回も、やる意義あるのかという話をずっとされてきたと思うんですけれども、私も、
商船
大学卒業しまして半年間、帆船、今富山にあります海王丸というので実習いたしました。当時の思い出は、つらくてもう二度と乗りたくないという気持ちがあるんですけれども、ただ、分からないところで自分のやっぱり成長に少し寄与しているのかなということはちょっと思うことがあるんですね。 要するに、雲をつかむような話で申し訳ないんですけど、帆船
教育
やって何が得られたのといっても、具体的に、チームワークかなとか、荒天時の帆を張るあれかな、帆柱に登ることかなというぐらいしかないんですけれども、ただ、ある
意味
ああいうふうな自然
環境
の中で船を動かして、しかも、ある
意味
危険な作業をしなければいけないというところで、一枚、二枚むけたかなというのがあるんですね。 そういう気持ちがあるんだったら、やっぱり詳しい具体的な効果というのは言えないんですけれども、やはりあの
教育
は残すべきだし、やってほしいし、むしろ成熟した今の
社会
で、先ほどお話ししたように、打たれ弱い
人間
があそこで少しでも大人になってくれればいいなって気持ちが私自身もありますので、できれば今後も継続してやってほしいし、再開は大いに大歓迎だという気持ちでおります。 以上です。
川田龍平君(川田龍平)
72
○川田龍平君 ありがとうございました。 私も、客船に乗ってやっぱりすごく、体験することがやっぱりすごく重要だなと、海とか船に対してですね、やっぱり本当にそういった体験を
是非
若い人たちにしてほしいなという思いで私も質問させていただきました。ありがとうございました。
会長(鶴保庸介君)(鶴保庸介)
73
○
会長
(
鶴保庸介
君) 御苦労さまでした。 他に御
発言
はございませんか。──他に御
発言
もなければ、
参考人
に対する
質疑
はこの
程度
とさせていただきます。 この際、
参考人
の
皆様
に一言御礼を申し上げたいと思います。
皆様
には、長時間にわたり貴重な御
意見
を賜りまして、誠にありがとうございました。特に指名のところで大変失礼だったと思いますが、お許しをいただきたいと思います。議事録に残さなきゃなりませんのでね。済みません。
調査会
を代表いたしまして厚く御礼を申し上げたいと思います。これからもいろんな
意味
でまた御指導賜りますよう、よろしく
お願い
を申し上げ、御挨拶に代えたいと思います。ありがとうございました。(拍手) 本日はこれにて散会いたします。 午後四時七分散会