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2021-04-19 第204回国会 参議院 行政監視委員会 第2号
公式Web版
会議録情報
0
令和
三年四月十九日(月曜日) 午後一時
開会
─────────────
委員
の
異動
四月八日
辞任
補欠選任
本田
顕子
君
堀井
巌君
宮沢
由佳
君
斎藤
嘉隆
君
高橋
光男
君
三浦
信祐
君
柳ヶ瀬裕文
君
音喜多
駿君 四月十二日
辞任
補欠選任
三浦
信祐
君
平木
大作
君 四月十三日
辞任
補欠選任
平木
大作
君
三浦
信祐
君
伊藤
孝恵
君
芳賀
道也
君 四月十六日
辞任
補欠選任
そのだ
修光
君
宮崎
雅夫
君
芳賀
道也
君
田村
まみ
君 ─────────────
出席者
は左のとおり。
委員長
野田
国義
君 理 事 石井 正弘君 中西 祐介君 川田 龍平君 西田 実仁君 梅村 聡君
吉良よし子
君 委 員 有村 治子君 石田 昌宏君 猪口 邦子君
高橋はるみ
君 柘植 芳文君 堂故 茂君
徳茂
雅之君 羽生田 俊君 藤末 健三君
堀井
巌君 松下 新平君
宮崎
雅夫
君
吉川ゆうみ
君
石垣のりこ
君 小沢
雅仁
君
斎藤
嘉隆
君 森屋 隆君 竹内 真二君 新妻
秀規
君
三浦
信祐
君 矢倉 克夫君
音喜多
駿君
清水
貴之君 上田 清司君
田村
まみ
君 伊波 洋一君 浜田 聡君
事務局側
常任委員会専門
員
清水
賢君
参考人
東京大学大学院
法学政治学研究
科教授
同
大学法学部教
授 同
大学公共政策
大学院教授
金井
利之
君
日本大学危機管
理学部准教授
鈴木
秀洋
君
行政経営コンサ
ルタント
田渕
雪子
君 ───────────── 本日の
会議
に付した案件 ○
行政監視
、
行政評価
及び
行政
に対する
苦情
に関 する
調査
(国と
地方
の
行政
の
役割分担
に関する件) ─────────────
野田国義
1
○
委員長
(
野田国義
君) それでは、ただいまから
行政監視委員会
を
開会
をいたします。
委員
の
異動
について御
報告
いたします。 去る十六日までに、
高橋光男
君、
柳ヶ瀬裕文
君、
本田顕子
さん、
宮沢由佳
さん、
伊藤孝恵
さん及びそのだ
修光
君が
委員
を
辞任
され、その
補欠
として
音喜多駿
君、
堀井巌
君、
斎藤嘉隆
君、
三浦信祐
君、
田村まみ
さん及び
宮崎雅夫
君が
選任
をされました。 ─────────────
野田国義
2
○
委員長
(
野田国義
君)
行政監視
、
行政評価
及び
行政
に対する
苦情
に関する
調査
のうち、国と
地方
の
行政
の
役割分担
に関する件を議題といたします。 本日は、本件について、三名の
参考人
から御
意見
を伺います。 御出席いただいております
参考人
は、
東京大学大学院法学政治学研究科教授
・同
大学法学部教授
・同
大学公共政策大学院教授金井利之
君、
日本大学危機管理学部准教授鈴木秀洋
君及び
行政経営コンサルタント田渕雪子
さんでございます。 この際、
参考人
の
皆様
に
一言
御挨拶申し上げます。 本日は、御多忙の中、御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
皆様
から
忌憚
のない御
意見
を賜りまして、今後の
調査
の
参考
にしたいと存じますので、何とぞよろしくお願いいたします。 次に、議事の進め方について申し上げます。 まず、
金井参考人
、
鈴木参考人
、
田渕参考人
の順にお一人十分以内で御
意見
をお述べいただき、その後、
委員
の質疑にお答えいただきますように存じます。 また、御
発言
の際は、挙手をしていただき、その都度、
委員長
の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。 なお、御
発言
は着席のままで結構でございますので、よろしくお願いいたします。 それでは、まず
金井参考人
からお願いいたします。
金井参考人
。
金井利之
3
○
参考人
(
金井利之
君) ただいま御紹介いただきました
東京大学
の
金井
でございます。 今、
大学
では
オンライン授業
が一般化しておりまして、先週、一年数か月ぶりに対面でゼミを開催したのですが、昨今の
状況
を見ますと、どうもまた
オンライン
の方に戻らざるを得ないような
状況
にあるということでございます。 そのような中、私のように
余りエッセンシャルワーカー
と思えない人間が本当にここに来ていいのだろうかというのが、まさに国と
自治体
の
役割分担
の典型的なものの
一つ
かなと思いながら、しかし、
国会
の方で呼ばれたということで、今日は久々に外出する
機会
を与えていただいたかなというふうに思います。 それでは、国と
自治体
の
役割分担
ということで、思うところを
お話
しさせていただければと思います。
一言
申しますと、私は国と
地方
という言い方は基本的にしないということにしておりまして、これはいろいろと
意味
を込めるところがあろうかと思いますが、
地方
というのはどうしても
中央
に対する概念ということで、
住民
から出発する場合にはやはり
自治体
と呼ぶのが筋ではないかというふうに、私
自身
はそういう
用語法
を使っているということでございまして、国と
自治体
の
役割分担
ということで
お話
をさせていただければと思います。 お配りした
資料
に沿って簡単に
お話
しできればと思いますが、まず、今日の国と
自治体
の
関係
を振り返りますと、二〇〇〇年の
分権改革
をどのように捉えるのかということがあろうかと思います。二〇〇〇年、
平成
十二年のいわゆる第一次
分権改革
というのは、
分権型社会
を目指し、そのベースキャンプとして、あくまで
中間地点
であるというふうに言われたわけであります。したがって、二〇〇一年以降も
分権改革
の継続というのは
国政
にとっても大きな
課題
であったのではないかなというふうに思いますし、例えば、
小泉政権
においてもそのような取組がなされましたし、第一次
安倍政権
においても
地方分権改革推進法
というようなものが制定されまして進められていたということがあろうと思います。 その後の第二次
安倍政権
の下においても
有識者会議
というふうな形で公式には進められているというところがあろうかと思いますが、現実にはその流れというのはだんだん弱くなっているというふうに思わざるを得ません。残念ながら、
自治体
の
立場
からいうと、
分権
の名称を掲げるにせよ掲げないにせよ、どうも二十
世紀
後半と同じような形に後退しつつあるのではないかという
危惧
を持たざるを得ません。 その表れとしては、例えば
自治体
間で
成功物語
、
失敗物語
というのが流布されて、いろいろ条件が厳しい様々な中で
自治体
は苦労しているわけでありますが、それについて、あるところはうまくいった、あるところは失敗したというような、非常に、まあ何といいますか、第三者的な
評価
というのが横行しているのではないかなというふうに思いまして、失敗しているところに対しては、成功しているところがあるんだからもっと頑張れと、君たちの努力が足りないからだというような、やや
地域
で活動している人々や
自治体
の神経を折れさせるような言説が流れたりします。 あるいは、
自治体
間でのゼロ
サム競争
ということで、まち・ひと・し
ごと創生
でいえば、
移住者
を増やすという話にいつの間にか話が変わってしまいまして、
日本
全体の人口が減る中でお互いに取り合うというような形になってしまいましたし、
ふるさと納税
に関しても、ほかの
自治体
の税収を自分のところに持ってくると。
地方財政
というふうにあえて言いますけれども、この
自治体
の総計からいうと、むしろ全体を減らすようなことになってしまうと。
他方
で、国に対する陳情や
支援
の
競争
というのは二十
世紀
後半と同じように進んでいます。 一方で、
国策
に対しては、その強力な
推進
に
自治体
は協力させられているというところがありまして、
資料
には書いてありませんが、
平成
の大
合併
というのは
国策合併
として進められたと。その後、
集中改革プラン
というような形で
歳出削減
に協力しましたし、その前提としては、二〇〇四年
地財ショック
と言われるような
交付税
の大幅な
削減
というものがありますし、今度は、
他方
で
国土強靱化
が進むと、その
方向
に協力するというような形になっております。 以上のような
分権改革
で目指したものがなかなか実現しないというのはかなり構造的な要因がありまして、それは
内閣強化
との
関係
であります。
橋本内閣
でつくられました
行政改革会議
は、
諸井地方分権推進委員会委員長
を一
委員
とするような形で、言わば
分権改革
が
行政改革
に上書きされていくということで、結果的には二〇〇一年の
内閣強化
としての
中央省庁等改革
というものになりました。 実際には、二〇〇〇年頃は、このように
権力集中
、
内閣強化
の
ベクトル
と、
分権改革
や
規制緩和
、あるいは
日本銀行
の
独立性
の拡大というような
権力分立
に目指す
ベクトル
とがせめぎ合っていたわけでありますが、その後の実態を見ますと、
官邸主導
や
政治主導
あるいは一
強体制
と言われるような形で
内閣
や
官邸
が強くなっているということがありました。 結果的には、私の目から見るとやや過剰な
権力集中
が起きたのではないかと思いますし、
自治体
も言わば
内閣
の集権の下に置かれるようになってまいりました。その象徴的なものが、
内閣
府に置かれている
重要政策会議
の中に
国家戦略特区諮問会議
というのが置かれています。これは、要するに、
内閣
の言わば
政策
を掲げるもので、
戦略会議
という、
諮問会議
ですね、置かれて、
自治体
はそこに陳情しなければならないというような構造になってしまっています。 本来、三に移りますが、
両方
の
ベクトル
というのは両立を目指していた。
行政改革会議
の
報告
では、
内閣機能
を強化すればするほどそれをチェックしなければならないという、そういう
必要性
が述べられていたわけでありまして、
内閣
が各省に強いリーダーシップを取れば取るほど、
国会
や
裁判所
、あるいは
自治体
、市場、学術・
専門
、あるいは
情報
、NPO・市民、実務などの
対抗関係
とのバランスが本来求められていた。言わば、この二〇〇〇年頃の
二つ
の
ベクトル
というのは、一方で
内閣
を強化しつつ、
他方
でそれを牽制する力も強化しなければならないというような動きだったと思うんですけれども、結果的には
二つ
の
ベクトル
は言わばゼロ
サム関係
になってしまった。
内閣
が強くなると、ほかの
自治体
、その他の
機関
は弱くなっていくというような
関係
に残念ながらなってしまったわけであります。
アメリカ
の場合でいえば、強い
大統領
がいるのに対して、言わば強い議会、強い
裁判所
、そして強い
連邦準備理事会
というような様々な
チェック機関
が相互に牽制する。それが決して
大統領
を弱めているわけではないので、全体としての
アメリカ
の力を高めているわけですが、
日本
の場合には残念ながらそこはゼロ
サム
になってしまったということがあろうかと思います。 その
意味
で、今後の目指すべき
方向性
ということなんですけれども、実際、
国政
が強くなってゼロ
サム
的に
自治体
が弱くなるというような
状況
がありますと、その段階では言わば従属的な状態になりますが、一方で、一時的に
国政
が弱まりますと、
自治体
は言わばたがが外れたように放縦を起こしてしまうと。恐らく、
新型コロナ対策
というのはまさにその典型的な症状が現れているのではないかというふうに思いまして、一時的に
国政
が
方針
を強く打ち出せなくなりますと、言わばミニ
官邸
化した
自治体
がいろいろな放縦的な
政策
を繰り広げるということで、結果的には本来目指していた強い
内閣
と強い
自治体
というのが
両方
とも実現しないまま来てしまっているという、こういう強い
危惧
を抱かざるを得ません。 本来は、強い
国政
に対しては、
自治
が極めて強く、しっかりと
住民
の声を聞いて言うべきことを言いますし、あるいは、一時的に
国政
が弱体化しているときにこそ、まさにボトムアップに国をあるいは
国政
を
支援
や補佐、補完するというような
方向
が求められている。言わば、この
自治体
の強さというものが
国政
との
関係
でポジティブ
サム
、
両者
が高め合っていく道に行くべきだったにもかかわらず、残念ながら二〇〇〇年以降は
両者
は言わばゼロ
サム
的になってしまって、今日の閉塞を招いているのではないかなというふうに思う次第であります。 いささか、やや、
忌憚
のないというふうな
お話
をいただきましたので言わせていただきましたけれども、このようなことを考えているということで、冒頭の
発言
にさせていただければと思います。 どうも御清聴ありがとうございました。
野田国義
4
○
委員長
(
野田国義
君) ありがとうございました。 次に、
鈴木参考人
からお願いいたします。
鈴木参考人
。
鈴木秀洋
5
○
参考人
(
鈴木秀洋
君)
皆さん
、こんにちは。
日本大学
、
鈴木秀洋
です。 本日は、貴重な
機会
をいただき、ありがとうございます。
資料
に基づいて御説明させていただきます。 まず、
レジュメ
一枚目を御覧ください。第一、本日の私、
参考人意見
としての
立ち位置
についてです。
一つ目
、中点がありますが、
基礎自治体
の
立場
からというふうにあります。私
自身
は、東京二十三区の文京区の文書、
法務担当
が
出発点
です。しばらく二十三区全体の訴訟、
法律相談専門部
、
法務部
にも籍を移していたときがありますので、一部
広域自治体的視点
も含みますが、基本的には
基礎自治体
の
立場
から見てきた
景色
が土台となります。
二つ目
が、
行政組織
の
現場
、
マネジメント
の
立場
からとあります。
自治体
の
職員
としての
相談担当
や
管理職
としての
マネジメント
、
庁内調整
を行ってきた
立場
からの
景色
です。
三つ目
になります。現在の
行政法
、
地方自治法
の
研究者
、
法学者
としての
立場
からの
発言
となります。
四つ目
、最後になりますが、括弧内に
子供
、
福祉
、
保健
、
災害等
を記述しておりますが、私の職歴と
関係
した
分野
が現在の
研究分野
となっております。
厚労省
、
内閣
府、
文科省科研
の
関係
で全国の
自治体調査
を
研究
で訪れ、また
電話
、
メール等
を通じて
行政担当者
と
意見
を交わす中での
研究
の成果の一部を本日
お話
しさせていただければというふうに思います。
レジュメ
の第二、
市区町村
、
都道府県
の
現場
の
具体例
からの
分析
、六点でございます。
一つ目
の
指摘
としまして、
緊急事態宣言等
による
影響
、
関係機関
の
閉鎖等
により起きたことになります。
一言
でまとめると、命に関わるような
危険情報
のキャッチができなくなった、
潜在化
、重
篤化
と言えます。 次のページ、二枚目、おめくりください。
児童福祉行政
に関わる
関係図
という形で載せさせていただいております。十分御案内かと思いますので、簡単に説明だけさせていただきます。
児童虐待等
が起きたとき、この図の一番下、
オレンジ色
になってございますが、
都道府県
の仕事という枠の中にありますが、
児童相談所
が注目されます。なぜ一時
保護
をされなかったのか、警察との連携は不十分ではなかったのかと、そういった点がフォーカスされます。 しかし、この図を見ていただければお分かりのように、実は
市区町村
の関与する
部分
というのは大きく、一番上の水色、紫の
部分
になりますが、
子育て世代包括支援センター
、いわゆる
母子保健部門
になりますが、この関わりが重要になります。さらに、緑色、真ん中の
部分
になりますが、
市区町村子ども家庭総合支援拠点
、これは
市区町村
の
部署
になりますが、
平成
二十八年、
児童福祉法等改正
で新設されました。この点が、右側のさらに紫の
サークル
、
ネットワーク図
がございますが、要
保護児童対策地域協議会
、
皆さん
よくお聞きになっていると思いますが、この要対協と言われる
地域
の様々な
ネットワーク資源
、これを活用して、
在宅支援
、それのソーシャルワークを担う
司令塔
になっていくんだと、それで、その
司令塔
が
子供
の命を守るという形の
制度設計
になっております。この活用すべき
地域
の
関係機関
が、
学校等
の一斉
休業
又は
緊急事態宣言等
によって閉じてしまったということになります。 これによりどのような
影響
が出たのかという
分析
でございます。
レジュメ
の二ページ目の(1)、図の下の
部分
を御覧ください。
一言
で言うと、
児童虐待相談対応件数
の
増加
の鈍化と言えます。
データ
という形で細かくそこに載せておりますが、
厚労省
の
データ
だと
令和
二年一月から八月の調べとありますが、簡単に説明させていただきますと、前年比二一%増という
年間比較
がございますが、明らかに
緊急事態宣言
後の
相談対応件数
、ここを見てみますと激減しております。例えば、四月八%増、五月二%減、六月一〇%増、七月六%減、八月二%減と、
関係機関
が閉じたことによる
影響
が大きいということが分かるかと思います。 こうした
状況下
で、
レジュメ
ですと(2)になりますが、国の
対応方針
の発出がされます。
子供
の
安全確認
を行おうという国の姿勢、これは非常に有効だというふうに考えます。 ただ、マイナスの
部分
もあったのではないかというところで
指摘
をさせていただきます。国は
財政補助
もしております。ただ、
自治体現場
としましては、追加的な財政的かつ
人的支援措置
が十分でなければ、この
安全確認
を徹底してやるというのは
現存勢力
の中で非常に困難だという声が上がっています。次の
課題例
にも挙げておりますが、
報告
を求めているところで形式的な
安全確認
になりがちになります。何かというと、
安全確認
というと、単に生きているかどうかというところの
確認
だけではなくて、
子供たち
の心の安全、安心、そのようなものもどうだったのかというところの
確認
が必要になってきます。 ただ、具体的には、実際じゃどうやって
安全確認
をするかということになりますと、
教員
が
保護者
に
電話
を掛けたりして、お子さん大丈夫ですか、いますかというような形で終わらせないと、常にいるわけではないので、時間の
調整
とかもございますので、それをずっと繰り返していくというのはなかなか困難なことでありますので、
保護者
に
確認
をして、じゃ、いるんなら大丈夫ねというような形の、形式の
安全確認
が実際は行われていたという例が私の
調査
の中では分かっております。 こうした中で、私
自身
、
年度
末から
年度
当初、五十七
自治体程度
、聞き取り
調査
というのも行っております。
レジュメ
二ページ、一番下の三行になりますが、上述に関連する主な五
課題
の抽出ということで
五つ
ほど挙げさせていただいております。
一つ目
になりますが、
保育所
、幼稚園、
小中学校等
の
子供
に関わる
機関
の
休所
、休校の
課題
、
学校等
の一斉
休業等
。
レジュメ
をおめくりください。三ページになります。
課題例
、その間の
子供
と家族のストレスの増大、
二つ目
として
教員側
の
教育計画
、手法、
授業
をどうしたらいいか、給食はどうしたら、イベントは、又は
日常学校生活
の
注意事項
はという形での変更の模索、
三つ目
として
休業明け
の
子供たち
の様子の異変の
報告
、このようなものも挙がっています。
休業明け
でぼうっとしていたりとか、ずっと
注意事項
ばかりを聞いて、なかなか不安定になったというような声も上がっています。 イ、
保育
園で事実上
自粛
の働きかけの項目です。これは
課題例
というところにございますが、
地域
による
受入れ判断基準
の相違とあります。これはどういうことかといいますと、
エッセンシャル業務
に限って預かるというような
基準
を設定する
自治体
とそうではない
自治体
、又は
自粛期間
もまちまちということになります。こういう設定は、働く親からしては非常に困ったというような声が上げられていました。もう少し統一的な
基準
や事前の
協議
でなされないかという声が多数上げられたところでございます。 次に、イ、
保健師等
による
自宅訪問
、
乳幼児全戸訪問事業
の
中止
です。この
事業
というのは、こんにちは
赤ちゃん訪問
という形で広く聞かれているものだと思います。そこにも書かせていただきましたが、
乳児家庭
の
孤立化
を防ぐ重要な
事業
です。これについて、
通知
、省略しますが、ここに載せさせていただいた
通知
ではどのようなことが書いてあるかというと、
中止
をしなさいという形では国は
通知
は出していないですね。注意しながら行うようにとあるんですが、実際は
相当数
の
自治体
が
中止
をしております。 また、
三つ目
のウ、要
保護児童対策地域協議会
、先ほどの図の
サークル
のところ、これも
開催延期
というのがされました。国の
通知
は、またここについても要対協を中心に
安全確認
を行うことを求めています。しかし、
延期中止
を求めて直接いるわけではないんですが、
中止
になっていると。これについて、
米印
で書いてありますが、
両方
とも国の
方針
が明確でなく、連日のさらに
テレビ報道
、新聞、
自粛
、
自粛
というような
報道
が
担当者
に与えた
影響
というのは大きいという
調査分析
をしております。
四つ目
のエ、四番目、
保育所
、
介護施設等
の
職員保護
の問題と
住民サービス
との相克です。
感染対策
が十分でない中で、
身体接触
が不可避の
職務
について
優先的感染対策
が行われていなかった。初期のところは、そうですね、マスクが十分ではないとか
感染
のアルコールがないと、そのような
状況
の中で、そこで対応していた
職員
からすると、不十分な中での
保育
、
介護職員
の離職が増という形は各
職場
から
ヒアリング
で聞いたところです。
五つ目
、オ、
職員
の、
自宅リモートワーク
による
職員
の
登庁制限
による
職務遂行
の
停滞
と、特に外部の
関係機関
、
部署
があるところは
影響
が受けております。今後は、受けないような
リモート職場
、環境の
整備
というのが必要なんでしょうが、
課題
に挙げさせていただいたように、
児童相談所側
としては問題ないですよと
ヒアリング
結果があるんですが、
市区町村側
から聞いてみると、
児童相談所
の
ローテーション勤務
によって一時
保護
の求めの
停滞
があったというような
報告
もあるところです。 続いて、
二つ目
の
指摘
です。
特別定額給付金支給事務
、今現在ですとワクチンの
接種事務
も同じことが当てはまると考えます、それが起きたこと。
一言
で言うと、緊急、膨大な
業務量
の
増加
と他
業務
の
実質サービス
の低下になります。
課題例
に挙げましたが、通常の
サービス提供
をしながら新しい
担当組織
、
職場
を設けなければならない、これは大変な
業務量
の負担になります。迅速な
①人
、
②金
、
③物
、場所の調達、
④情報発信
、
⑤法整備
の必要、このようなものというのが、かなりの
経費
、労力と
経費
が必要になってくると。 簡単に、
市区町村
に
補助
がなされるので、できるであろうというところについては、
給付
が遅いと
自治体
を糾弾するようなコメント、又は
順位付け
をしてホームページにアップするというようなこともありました。これは、
住民視点
からはそのとおりなのかもしれませんが、責任を
市区町村
のみに押し付けている国、
都道府県
の態度に非常に怒りを覚えるというのが、私が
調査
した百の
市区町村担当者
に聞いて一〇〇%同じ
意見
です。こうした上での事務負担の押し付けと言えるような事務執行のさせ方、非常に問題だというふうに考えております。
レジュメ
四ページお開きください。 三点目の
指摘
、
感染対策
で出された、時間が、済みません、申し訳ない。ごめんなさい、時間がなくなって。
三つ目
の
指摘
、
感染対策
で出される国や
都道府県
の
方針
や
通知
確認
の困難さというところで、この点については、二
方向
から来る、国からも来ますよ、
都道府県
からも来ますよということで、
住民
発信を行うのは相当の労力、それを整理して国の
報告
と
都道府県
の
報告
の
両者
を併せて考えていくというのが非常に労力を得るところだというところになります。
課題
のところになりますが、
都道府県
はもう少しバックアップの役割を果たすべきではないかというふうに書かせていただいています。子ども家庭総合
支援
拠点の例というのもありますが、県としてのバックアップ例がいい
自治体
というので挙げさせていただいております。そのほか、
課題
の、
方針
変更、新しい発出がなされると、やる気もあり意欲もある先行
自治体
というのを阻害する場合があります。先行の優遇措置、インセンティブ措置というのができないかというところの提言をさせていただいております。 (2)国の
方針
決定と
通知
文、これについてはちょっと厳しい言い方で
レジュメ
に書いてありますが、抽象度、変更がした、重ねた
部分
の難解さ、事務の膨大さというところがございます。その次のところにありますが、(3)
通知
を出しっ放しにしない
通知
の詳細フォローと効果測定の促進を望むというふうに書かせていただいています。 四点目の
指摘
になります。各省庁が示すデザインというのが総合
行政
を担う
市区町村
にゆがみを生じさせていることがあるというところで、この
指摘
にとどめさせていただきます。 次の
レジュメ
のところでございますが、コロナの中での災害対応ということで、五ページのところに飛ばさせていただきます。 コロナの中での災害対応というところですと、避難所の不足というのもございます。現在、
市区町村
としては増やす努力はしておりますが、限界があります。私が問題提起させていただくのは、一点、そこに書いてありますが、(2)のところですね、避難行動の段階では指針が示されています。避難所に行った後については、要配慮者の連動、避難所の
制度設計
、
福祉
避難所をどうするかというところがあります。ここが
二つ
分かれていて、
自治体
のところですと、避難をさせるところは防災セクション、避難した後については
福祉
セクションという形のところでの対応になっています。このところが
現場
でのずれを生じさせています。
福祉
避難所についてのところになりますが、主に今まで
福祉
避難所が機能した例は、私の
調査
の限りではございません。どういったところかというと、一般の避難所での申出をしてスクリーニングを掛けて移送をしてと、そこが全てボトルネックにつながってくるというところがあります。この点、大きいのは、ガイドライン、国の指針が変わらないとその点についての対応が難しいと、
自治体
の声がございます。 六番目は省略させていただきます。 最後、時間の
関係
で、六ページのところを見ていただいて、じゃ、どういう形の視点が必要なのか、簡単に項目だけ説明させていただきます。
住民視点
の徹底というところ、二番目、
住民
に一番近い最前線の
市区町村
に権限、財源をというところになっています。ただ、私
自身
、
自治
法の
研究者
、
行政法
の
研究者
ですが、何でもかんでも常に
自治体
が権限を持てばいいということではなく、やっぱりその点についての
調整
は必要だというふうに考えております。 七ページ目、
レジュメ
、国と
都道府県
の役割の再構成、これが必要だというふうに考えております。 七ページ四番目、今必要な
市区町村
の役割、努力ということで、
市区町村側
にも当然、BCPの策定又はパラダイムシフトによる
住民サービス
の向上、このようなものが必要だと思います。
野田国義
6
○
委員長
(
野田国義
君) 時間も超過しておりますので、おまとめいただきますようよろしくお願いします。
鈴木秀洋
7
○
参考人
(
鈴木秀洋
君) 失礼いたしました。 じゃ、最後のところで終わりにさせていただきます。 大きな理念の共有というところの国、
都道府県
、
市区町村
の
役割分担
と連携を再構成していくことで
住民
、国民の権利利益の向上に直結するというふうに考えております。 時間配分を誤りまして申し訳ございません。以上で
報告
を終わらせていただきます。
野田国義
8
○
委員長
(
野田国義
君) どうもありがとうございました。 次に、
田渕参考人
からお願いいたします。
田渕参考人
。
田渕雪子
9
○
参考人
(
田渕
雪子
君) 本日は、こうした
発言
の場をいただき、ありがとうございます。
行政経営コンサ
ルタント
田渕
でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 最初に
お話
いただいたときに、
オンライン
ですかというふうにお尋ねしたんですけれども、対面でということで、久しぶりに地下鉄に乗って永田町まで参りました。 私、
自治体
の
皆さん
と
行政評価
システムをずっと一緒につくってまいりました。現在も国や
地方
自治体
の外部
評価
委員
として
行政
の
評価
に関わらせていただいております。また、総務省の
政策
評価
審議会の
委員
として国の
政策
評価
の
制度設計
にも関与させていただいているところです。 私からは、国と
地方
自治体
の役割について、
評価
の観点から所見を述べさせていただきます。
資料
の最初にお示ししている問題意識については、後ほどコメントさせていただきます。 まず、国と
地方
自治体
における
評価
の動向を簡単に御説明させていただきます。 国では、二〇〇二年、
平成
十四年ですね、に
行政
機関
が行う
政策
の
評価
に関する法律が施行されて、この法律に基づいて
評価
が実施されているところです。その後、約二十年が経過した昨
年度
ですね、
政策
審議会において、今後の
行政
の
評価
の向かうべき
方向
について審議がなされ、提言が取りまとめられたところです。その中の提言では、
行政
のあるべき姿として、役に立つ
評価
、しなやかな
評価
、納得できる
評価
が挙げられています。詳細については最後にあります
資料
を御覧ください。 次に、
地方
自治体
の動向です。
地方
自治体
では、国に先駆けて一九九〇年代後半から
行政評価
の動きが始まっております。私が
自治体
の
皆様
と
行政評価
システムをつくり始めたのもこの頃でございます。その後の十年で下の図のとおり大きく前進しております。この間、
平成
の大
合併
もありました。
自治体
数、多分十年で全体で四割ぐらい減っているかと思います。ここ十年の動きは比較的穏やかで、それぞれの
自治体
で
状況
に応じて
行政評価
の仕組みを改善しているということで、
評価
が定着してきたというふうには認識しております。 国の関与は要請レベルで、
地方
自治体
が
評価
の
必要性
を認識して自主的に取り組んだということ、これがここまで取組が定着した要因だろうというふうに思います。また、
地方
自治体
の
行政評価
は、国と
地方
自治体
の
役割分担
が機能した事例ではないかとも思っております。国の関与というのは要請レベルであったということも大きいかというふうに思います。
資料
三ページです。ここでは、国と
地方
の
行政
の
役割分担
について、
評価
の観点から所見を述べさせていただきます。 今、国民、
住民
にとって何が、どういう
役割分担
が最適かを基本のスタンスとして、国民、
住民
にとっての最適を考える上でのポイントとして三点挙げております。国民、
住民
の
立場
に立つ、全体最適、○○ありきからの脱却です。
役割分担
の考え方として、シェアード・アウトカムをお示ししております。これは、達成すべきアウトカムを実現するための役割を分担すると、そういった考え方で、役割を分担するだけではなくて、連携して対応するということ、その上で取組を共有するということがポイントになります。 具体的に少し
お話
をしたいと思います。全体最適ということなんですが、例えば災害対策の
役割分担
を見たときに、被災された方々にとっての最適を被災された方々の
立場
に立って考える、みんなでどう
支援
していけばいいかを考えるということで、もうみんなでというのが全体最適。
部分
最適になっていないかということは、官だけの
役割分担
になっていないかということです。みんなでというのは、民と官一緒になってということになりますので、全体で最適に役割を分担するというのが全体最適ということで、民と官のうちの官は
行政
、で、
行政
の中だけで役割を分担するのを
部分
最適として整理をさせていただいているところです。 ○○ありきからの脱却は、例えば
自治
会ありき。事務
事業
評価
の中では、ほとんどの
自治体
で
自治
会加入率を指標として設定していると思います。事務
事業
評価
で
評価
する際に、加入率を上げる、そのためにはどうすればいいか、そこを考えるのではなくて、ほかに目的を達成する手段はないか、そうした観点で考えてみるということです。この
事業
の目的は
自治
会への加入率を上げることではないので、目的が達成されるのであればほかの方法でもよいのではということです。それが○○ありきからの脱却ということで、役割は既に決まっている役割だけではなくて、常に時代に応じて変化していくことが必要なのではないかということです。
評価
でいえば、
政策
レベルの
評価
が全体最適に当たって、
部分
最適には事務
事業
評価
であったり
業務
分析
などに当たるかと思います。 最後に、国、
地方
自治体
における
情報
の在り方について三点挙げさせていただいております。 一点目が、正確、公平、適時適切、そうした
情報
の提供となっているかということ。公平というのは、
情報
格差がないということであります。 二点目、税金が効果・効率的に使われたか、税金の使途とその効果について説明責任が果たせているかということです。
行政評価
の
評価
結果は、その説明責任を果たすための材料であるということです。ということで、
行政
の
評価
の確実な実施が必要というところです。 三点目、国民、
住民
にとって有効な行動変容をもたらす判断材料となっているかということで、コロナ禍でいえば、ワクチン接種の判断ですね、ステイホーム、
自粛
の判断、あるいは災害時であれば、避難をしようかどうしようか、その時期の判断といった形になります。 こうした
情報
提供は、国、
地方
自治体
の重要な役割だと、そうした認識の下に
課題
として挙げさせていただきました。また、これら三点、特に一点目なんですけれども、様々な
自治体
の方々あるいは東
日本
大震災で被災された方々、そうした方々と
お話
をさせていただいている中で、問題意識として持っておりましたので、今回
課題
として挙げさせていただきました。 その内容については、御質問いただいた中でお答えをさせていただければというふうに思います。 私からは以上です。ありがとうございました。
野田国義
10
○
委員長
(
野田国義
君) ありがとうございました。 以上で
参考人
の御
意見
の陳述は終わりました。 これより
参考人
に対する質疑を行います。 なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。 質疑のある方は順次御
発言
願います。
高橋はるみ
11
○
高橋はるみ
君 自由民主党の
高橋はるみ
でございます。質問の
機会
いただき、ありがとうございます。
参考人
の三先生におかれましては、大変貴重な御
意見
いただきまして、ありがとうございました。 最初に立たれました
金井参考人
、
地方
という言葉は使わないと、
中央
に対する概念だという
お話
ございました。私
自身
も、過去、これまで国の
行政
機関
に勤め、その後広域
自治体
に移った経験も有している
立場
からしますと、この
金井参考人
のお言葉というのは大変共感を持ったところであります。 今日のプレゼンテーションも大変興味深かったわけでありますが、事前に事務局が用意をしてくれました
金井
先生の御本も、
部分
部分
でありますが拝見をいたしました。「
地方
創生の正体」という、そういう本の一部叙述にこういう
指摘
がございました。町づくりに成功したと言われる
自治体
についての
指摘
でございます。もちろん、自分で考えたアイデアを自ら実行に移したからといって一〇〇%成功するわけではない、しかし成功しているところはまず間違いなく自分のアイデアでやっている。私
自身
、そのとおりだと、自分
自身
の反省も含めて思ったところであります。 しかしながら、
自治体
は余りお金がない、これは
皆さん
方御承知のとおりでありまして、その
意味
で、国の
事業
メニューどおりにはやらないんでありますが、国の助成措置というのは最大限に有効活用しなければならない、そんなことを振り返っていたところであります。 私、
自治体
におりましたときに国の助成措置
資料
一覧というのをよく作りました。ニーズオリエンテッドな
資料
であります。すなわち、国の
政策
体系がこうなっているという
資料
ではなく、
地方
として、
自治体
としてこんな
事業
をやりたいと思ったときに使える国の助成措置ってどんなものがあるのか、そういう視点でまとめる
資料
というのを常にリバイスを繰り返しておりまして、活用しながら自分
自身
の
地域
づくり、町づくりというものに取り組んでいたということを振り返っているところであります。 お二人目に御説明を、陳述をされました
鈴木参考人
は、あくまで基礎的
自治体
の
立場
から、まさに
現場
の視点で様々
お話
をいただきましたこと、大変興味深く思ったところであります。 窓口
業務
の改革であるとか、
子供
を守るためにいかに医療
機関
と連携をした、こういった
資料
も拝見をさせていたところでありまして、今日の御
意見
の中でも、コロナ禍を通じての様々な
現場
感覚としての御
意見
、これも大変興味深かったなと、このように思う次第であります。 そして、三人目は
田渕参考人
であります。民間のコンサルタントのお
立場
から
行政評価
の歩みを記述をされ、これも大変興味深く拝見をいたしました。
行政
経営の視点というものが二〇〇〇年代以降特に重要になってきたと。
地方
自身
が自ら
地域
づくりを考える、戦略重視というような視点かなと私
自身
考えるところでありまして、このことは冒頭に御
発言
のございました
金井
先生の視点、すなわち
地域
づくりは
地域
自身
が考えて成功させるものという、こういった見方と相通ずるものがあるのかなと、そんなふうに思った次第でございます。 さて、いろいろと先生方それぞれの御主張に対する私の思いを今
お話
をさせていただいたところでありますが、以下、幾つか質問をさせていただきます。 私は、先ほど申しました国そして広域
自治体
を経験をした
立場
でございますが、
金井
先生の
お話
の中では、
地域
というか、
自治体
といっても広域
自治体
と
基礎自治体
というふうに分かれるわけでありますが、ここを含めて、国、広域
自治体
、
基礎自治体
、三者の
関係
性についての基本的なお考えをお伺いできればと思います。 また、同じように、
鈴木参考人
におかれては、
基礎自治体
のお
立場
を叙述されたところでありまして、同じように国、広域
自治体
、
基礎自治体
の
関係
性について、先ほど若干時間がなくて省略された
部分
の思いも含めて、両
参考人
に今の点について御説明をいただければと思います。
金井利之
12
○
参考人
(
金井利之
君) 御質問ありがとうございます。
高橋
先生はたしか北海道知事をやられていたので、
自治体
と呼ぶことに共感をいただき、誠に有り難いなというふうに思っております。 それで、しかし、アイデアは
自治体
にあるとしてもお金がない中で、国のメニューを
自治体
の目から見てニーズオリエンテッドに見詰めていって、それによって国の優先順位に従わないで
自治体
の方から取捨選択をしていくというのは非常に優れた試みだろうと思っています。 ただ、本来はそれを全て一般財源で、建前論になりますけれども、一般財源でそれが与えられていれば、本来そのようなメニューを作るまでもなく、北海道なら北海道として決断ができるわけでありまして、やはり国の、御質問にありました国と広域と基礎の
関係
は何かといえば、やはり国は財源措置を一般的に行うという、条件
整備
というのが最大の責任であるというふうに思っております。 ただ、
自治体
の方は、そこで、しかし、自分のところだけたくさん欲しいとなると、どうしても
補助
金をつくってきてうちのところだけ欲しいというような、言わばちょっと近視眼的な
競争
関係
になりやすいということなんですが、それは結果的には
自治体
相互の首を絞めるということになりますので、国と
地方
の
協議
の場のようなところで一般的な財源を措置していくということに努めていくというのが重要ではないかなというふうに思っております。 それは国の役割ということになりますが、広域と基礎の
関係
は、これは恐らくパートナーシップでありまして、実際に
現場
をそれぞれに持っておりますから、それぞれで
事業
を行っていくと。その中で、北海道であれば北海道と市町村の協力とあるいは連携というのを行っていくという、言わば
事業
を一般財源の下で持ち寄って、まあ民間等も含めてということになりますが、行っていくという
意味
では、基礎と広域は対等な
関係
に置かれるべきであろうというふうに思っております。 一般財源を措置するというのが国の役割という場合には、なかなか、国
会議
員の仕事は一体何なんだというふうな非常に難しい問題があろうかと思うんですけど、まさに地元のニーズに応えるというために
補助
金をつくるということにならないようにするという、言わば自己抑制をするのは国の政治家たる者の役割ではないかな。 これは大変難しいことでありまして、できれば地元のためにいいプログラムを作って、こういういいメニューがある、そうすればあなたの
地域
は助かるんだというふうに言いたいという気持ちは分かるんですけれども、しかし、それは結果的には
自治体
間のゼロ
サム競争
を招くということで、それは国全体のためにならない、言わば
田渕
先生がおっしゃっていた全体最適にならないということで、自制をするというのが国の非常に大きな責任と。まあ権力を振るうのも仕事なんですけど、権力を振るわないということがいかに難しいのかということが国には求められているのかなというふうに思っております。
野田国義
13
○
委員長
(
野田国義
君) どうもありがとうございました。
鈴木秀洋
14
○
参考人
(
鈴木秀洋
君) 私の
レジュメ
のところの最後、添付図を、幾つか図を付けさせていただきました。ここ、何が話したかったのかというところが今の先生のところの回答にもなります。 九ページのところになりますが、九ページの一番最初の図は、先ほど、虐待の
関係
の
ネットワーク図
というのがあります。また、その下、
子育て世代包括支援センター
の全国展開図、母子
保健
から見た場合の
ネットワーク図
、また、十ページのところを見ますと、また
地域
共生社会という形の
ネットワーク図
、引きこもりの場合、高齢者の虐待のネットワークというような形で、国の中から様々な提示があります。 当然、その中の良いものを選択をして、
自治体
が自分の町づくり、
基礎自治体
が選択をすればいいということになるのかと思いますが、それぞれ国が、今だとこれが好事例です、いいですよという形で示していって誘導していくという形になると、一番、
基礎自治体
のところになりますと、その中でどれかの
事業
に手を挙げると、もうほかの
事業
のところでは必ずしも好事例のネットワークがつくれていないというふうなことになってきたりするわけなんですね。なので、国の役割とした場合に、いろんな
ネットワーク図
を出しているけど、それがどのような形の
調整
があるのかというのは国の方である程度提示するという役割は必要なんではないのかなというふうに私は思っています。
都道府県
の役割というのは、当然広域というところと、自分の
地域
の中でのバックアップ、
市区町村
のバックアップというのはすごく重要になります。ただ、だから、そこの段階で現時点では結構トンネルの
自治体
があると、国が示したものをトンネルをして、厳しい言い方ですが
市区町村
に提示だけをしていると。やはり翻訳機能というか、国の提示したものが自分の
地域
の
市区町村
に至った場合にはどういう形で凸凹を
調整
するのか、そこを
調整
する役割、で、個別のバックアップをするというのが
都道府県
に求められているというふうに思っております。
市区町村
は、まさに自分のところで力を発揮するという
意味
でいえば、自分が
住民
へのインターフェース、一番知っているわけですから、それを
都道府県
、国に対して提示をしていく、こんなアイデアがあったらいいな、こういう
補助
をしてほしい、
事業
展開は必要なんだということを示していくというような
役割分担
のある程度の改善というか改革が必要だというふうに考えております。 以上になります。
高橋はるみ
15
○
高橋はるみ
君 ありがとうございます。もう時間なくなりましたので、もう
一つ
だけ。
金井
先生の
お話
にもございましたとおり、今の流れは国から広域
自治体
へ、そして広域
自治体
から
基礎自治体
へと権限移譲そして財源の保障、義務付け、枠付けの見直しをできる限り行っていくべきと。これはまだまだ不十分で、更に進める必要はあると思っているんでありますが、ただ一方で、今回、我々全国民、世界が直面しているコロナ禍、こういったことへの対応など、全国的な危機対応を早急に進めていかなければならない局面における国と
地方
の
役割分担
の在り方というのは、こういった中で国の役割がより重要になってくるのではないかという議論をされる方々もおられるように思うわけであります。 時間もないんで、こうした議論についてどうお考えかについて、三
参考人
それぞれのお
立場
で
お話
をいただければと思います。
野田国義
16
○
委員長
(
野田国義
君) 時間もないようでございますが、
一言
ずつよろしくお願いいたします。
金井利之
17
○
参考人
(
金井利之
君) 今回のCOVID―19対応では、国の
方針
非常に大事だと思うんですけれども、やはり結局国がいろいろ指示を出しても、それが様々な雨あられとなって
自治体
の方に行きますと、結果的には何をどう言われているのかよく分からないという事態になって
現場
が混乱しているということがありまして、国はまさにお金を措置するというのが基本的な仕事でありまして、それ以外については基本的には
自治体
が行うと。あとは
情報
分析
を行う、もちろん水際対策を行うというのが国の最大の役割ということになります。 それからもう
一つ
、非常に重要なことは、特に初期の段階で、公表をめぐって
自治体
がかなり過剰にあおられて個人
情報
を相当大幅に出したということがありました。実は、これは厚生労働省は余りそういう
方針
を出していなかったんですけれども、
自治体
の方がむしろ過剰に行って、結果的には後に知事会なんかも反省しまして人権を守るということにかじを切っていくわけですけれども、やはり初期の段階ではややパニック的な、個人
情報
を言わば何といいますか、
感染
防止という大義名分の下でやや過剰に、出てきたものについてはもうちょっと国は大局的にそういう公表について抑えていくような役割はあったのでは、人権保障というのは国の非常に大きな役割だったのではないかなとは思っております。
鈴木秀洋
18
○
参考人
(
鈴木秀洋
君) 緊急、広域のコロナの今の
状況
ですと、やはりどこでも命を同じようにひとしく守るというのが当然必要ですので、そのような場合においては、私が
研究
している虐待、DV、災害弱者、そのようなものもそうなんですが、やっぱり国の役割は大きいというふうに考えております。 国が積極的に介入をしていくという形で、全国どこでも同じく命を守るというような形のシステムが必要だというふうに考えております。
野田国義
19
○
委員長
(
野田国義
君) ありがとうございました。
田渕雪子
20
○
参考人
(
田渕
雪子
君) 今、命を守る対応は必要ということで、そこの
部分
に関しては国というものがしっかり対応していただきたいというふうに思います。 反面、
自治体
の方の役割というものは、それぞれ
地域
によって変わってきているというふうに、変わっていると思うんです、全国一律ではないので。ですので、独自性が発揮できる、
自治体
の独自性が発揮できる仕組みというものが必要なのではないかというふうに思います。 以上です。
野田国義
21
○
委員長
(
野田国義
君) どうもありがとうございました。 それでは、時間が参りましたので、よろしくお願いいたします。
川田龍平
22
○川田龍平君 ありがとうございます。立憲民主党の川田龍平です。会派を代表して質問させていただきます。 まず、
金井
先生に、このいただいた
資料
の「レイワ時代の
地方
自治
のミライ」という、大変面白いというか、非常に興味深い言葉がいっぱい並んでいるんですが、この中で、やはり今この国の
自治
というものがかなり
官邸主導
の下にそんたくまで
自治体
が競ってしていると。本当に、この
自治
自体がもう本当に今、様々な国のそんたくによって、国へのそんたくによって成り立ってきてしまっているということについて、沖縄もそうですし、
国土強靱化
の公共
事業
、規制改革の
方向
、民間
事業
者に供与する、原子力発電所の再稼働、建設、五輪、万博、カジノの誘致に奔走、基地新設に賛成するとか、本当に私もこのとおりだなと思っておるんですが、特に私からは、民間委託の問題について、PFIのことですね。 今、
日本
は、本当に歴史的に二周遅れというか、ほかの国ではもうPFIをやめている。例えば、イギリスなどでも、二十年たって、実際そのPFIやってみたら、総合的に、ずっと年月を経てみたら結果としてPFIの方がお金が掛かっていたとか、そういうことでもって、ほかの国ではもはややめているものを、
日本
はまた改めてPFIですとかPPPとかを進めようとしていることについて、
金井参考人
から何か御
意見
ありますでしょうか。
金井利之
23
○
参考人
(
金井利之
君) 一般的に、PFIにせよそれから民間委託にせよ、がいいか悪いかというのは一般的には言えませんで、具体的なスキームでどういうふうに行われるのかと適切なものを探っていくということが大事だと思うんですけれども。 この国の場合は、PFIを導入しないといけないというような話になったときに、それに従って結果的に無理にスキームを使ってしまうということが多々問題を引き起こしているということだと思いますので、一概に見直すべきだという話にはならないんですが、よく考えないで、あるいはよく考えないだけじゃなくて特に先進事例として紹介されるということで、まあちょっと言葉は悪いですけれども、ちょっと舞い上がってしまって早めにやることが格好いいことなんだみたいな、改革と称して行うというときにしばしば危険が伴うというのが一点目と。 もう
一つ
は、乗り遅れたところで、周りがやっているのにというところで乗り遅れたというようなことで言われて、また焦ってやるところに問題が生じるということでありまして、水道等今後非常に重大な問題が出てくると思いますので、そこはやっぱり慎重に
自治体
はちゃんと判断していかないといけない。 国はそれについて冷静な
情報
を提供することが求められているんですが、どうしても国には特定の
政策
方向
が出ちゃいますと、そっちの
方向
で誘導してしまうということなので、国は是非中立的、多元的な
専門
的な知見を提供するということに努めていただければなと思っています。
川田龍平
24
○川田龍平君
金井参考人
にもう
一つ
。 デジタルですとかAIですとか、今本当にそこの流行に乗るまいと、あっ、乗らなければいけないということですね。特に、教育におけるICTもそうですし、本当にもう全て国の
方向
に、
自治体
も右に倣えで今全部進められていっているんですけれども、本当に今のこのデジタル化ですとかビッグ
データ
の利用ですとか、その中で個人
情報
が流出していくことですとか、そういったことについてはいかがお考えでしょうか。
金井利之
25
○
参考人
(
金井利之
君) デジタル化についても、これは
行政
が判断するしないにかかわらず、恐らく世の中の技術に順応していくというのが、公務員制度で情勢適応の原則というのがありますが、恐らくデジタルについても情勢適応していくということが必要でありまして、例えば今の御時世で携帯
電話
を使わないとか電子メールを使わないというのはやっぱりあり得ないので、そういう
意味
でのデジタル化というのは必然的に進んでいく。 ただし、何かそれが打ち出の小づちのように何かすばらしいものを見出すということはまずありませんし、それ以上に、個人
データ
の活用が何か大きな経済的なプラスになるという方に傾いて
政策
が進んでしまいますと、やや危険性を伴うということでありまして、元々、個人
情報
保護
というのは
自治体
が先導してきて多様な多元的な仕組みをつくってきたのですが、どうしてもそれが民間
事業
者等の一元的なといいますか、統一的な観点を求めるということがやや前面に出過ぎていて、今までの様々、多様な、多様性というのは非常にリスクヘッジにつながるわけでありまして、一元的に
情報
保護
のシステムがなっていくということは大変リスクに弱い仕組みになるということを
危惧
しておりまして、
分権
というのはまさにそのリスクに多様に耐え得るということなので、やや、デジタル化は時代の趨勢だと思いますので、いまだに電子メールを使わないでいきましょうなんということはあり得ないと思いますが、それによって何か打ち出の小づちのようになると思ってはいけませんし、大きなリスクを持ちますので、一元化する、標準化するというのはややリスクに、危ないというふうに思っております。
川田龍平
26
○川田龍平君
鈴木参考人
にお聞きします。
資料
の六ページ目にあります二の、一番
住民
に近い最前線の
市区町村
に権限、財源をということで、特に私も、この命の問題、命に関わる問題についてはしっかり国が積極的に介入する必要があるということで書いてありますが、私もそのことに同意なんですが、是非ここについて詳しく教えていただけますでしょうか。
鈴木秀洋
27
○
参考人
(
鈴木秀洋
君)
レジュメ
のところで書かせていただいた
部分
になります。基本的に、人、金、物・場所、
情報
、
制度設計
、ハンドリングをというふうに書かせていただきました。 財源だけ
補助
金で、
自治体
にお金だけ出しているというような場合があります、権限がなくて。その場合だと、やっぱり
自治体
としては、そこでの
制度設計
というのは非常に難しくなります。また、権限だけあってお金がない、その場合も当然
制度設計
がうまくいかないというふうになります。 お金と人とということになりますが、あえて五点ここで書かせていただいています。人の問題、お金の問題、又は今回、物とか場所、例えばコロナとか
給付
金を配るとかワクチンだといった場合に、じゃ、その場所も確保しなきゃいけない、そういう問題もあるわけですね。あとは、じゃ、その場合に、人による
行政
ではありませんので、
制度設計
をしてちゃんと要綱を立てて統一的に人が代わってもできるような
制度設計
をしていくというのが必要になってくる。だから、ここをセットで、常に
自治体
が
行政
をやっていくという中ではこれはセットで考えられなきゃいけないというふうに考えております。 ただ、そこについて、命というところを
一つ
のキーワードにさせていただきましたが、緊急で全体でどこでも守らなきゃいけないという場合は、
自治体
か国かというところではなくて、当然、根拠としては憲法十三条、個々人の権利を守るために三権分立制度があり、
地方
自治
制度があるというところから考えていった場合に、今はどちらかというと、いや、
地方
分権
だから義務付けはできなくて技術的助言だよねというようなことが、緩やかになってしまったりとかいうことがあるんですね。なんですが、技術的助言で、じゃ、丸投げしていいのかというと、そういうことでもないわけであって、私がこう提言させていただいているのは、技術的助言の中でもグラデーションを付けて、いや、技術的助言とはいってもこの点はもう守っていただくとか、この点はバックアップしますよ、先ほどの一から五のうちここまでやりますから、この誘導に乗ってやってほしいというようなところの
制度設計
についてのきめ細かな国の関わりというのが必要なんではないのかというふうに考えております。 以上になります。
川田龍平
28
○川田龍平君 それでは、
田渕参考人
にお伺いします。
資料
の二ページ目の、特にこの
地方
自治体
での
行政評価
の動きということで、特に一九九〇年代後半からその後の十年で大きく前進したということで、本当にこの十年の動きは穏やかになってしまっているということなんですが、国でも、特に
行政評価
、それから特に今は参議院でも、この
行政監視委員会
を積極的に使っていくというか、特に
行政監視
機能の強化ということを参議院でも今言われているんですが、なかなか、かつての
行政監視委員会
が活動していた頃に比べるとなかなか開かれていなかったという
状況
の中で、本当に
地方
自治体
の動きと似ているところがあるのかなと思うんですが、是非、この
行政評価
の仕組み、今後の改善点、それから
評価
の考え方、先ほども説明いただきましたが、この
行政
の
評価
と、それから議会の
評価
と、そういったものがどのようにかみ合っていくのがよいと考えられるかを教えていただければと思います。
田渕雪子
29
○
参考人
(
田渕
雪子
君) ありがとうございます。 私、鍵は
住民
だと思っております。
住民
の
皆さん
の力というのは
行政
を動かすというふうに思います。 この二〇〇〇年から二〇一〇年の間、動いたと、とても大きな動きだったというのは、
住民
の
皆さん
も、実は元気といいますか、一緒に取り組まれていた、多かったということで、そういった
意味
でいきますと、やはりこの二〇一〇年から二〇年の間、震災の
影響
もあるのかなというふうには若干思うんですけれども、そういった
意味
でいくと、
住民
の
皆さん
もちょっと元気がなくなっているのかなというふうには感じるところであります。 議会に関しても、議会との
関係
に関しても、二〇〇〇年から二〇一〇年の間は、議員さんから結構、
お話
とか聞かせてくださいとか、一緒にどういう形があるか検討したいというような
お話
もあったんですけれども、最近はちょっとおとなしいというか静かといいますか、そういう傾向もちょっとあるのかなというふうに思います。 やはり、
住民
の
皆さん
が強く意識をしてもらえるとやっぱり動きますので、そこをどう
住民
の
皆さん
が意識を高めてくださるかというところだろうと思うんですが、
一つ
私はポイントとしては、本来選挙というのは
行政評価
の結果を活用して投票に行くと。そうじゃないと、投票というのを、行動の判断材料がないんですね、有権者の
皆さん
には。ですので、そこの
部分
をもう少し
住民
の
皆さん
に御理解いただいて、あの人が好きだとか、政党で選ぶとかなんとかというのではなくて、特に首長さん、ローカルマニフェストに対してなんですけれども、特に首長さんに関しては、そうした形でしっかり、何というんですかね、
住民
の
皆さん
がチェックをして、それで投票すると、そういう意識を
住民
の
皆さん
に持っていただくということが、改善というか大きく動かす
一つ
の力になるのかなというふうに思っております。 以上です。
川田龍平
30
○川田龍平君
鈴木参考人
に、是非、ちょっと最後の方、大分時間を飛ばして説明されたので、そこの説明足りないなと思っているところがありましたら、是非御説明いただければと思います。
鈴木秀洋
31
○
参考人
(
鈴木秀洋
君) ありがとうございます。 申し訳ございません、飛ばさせていただいたところの
関係
ですと、
レジュメ
、
皆さん
に配付させていただいた七ページから八ページのところ、
地方
と国の
関係
というところがありますが、
市区町村側
から見ていくと、どのようなところとの、連携先とか協働とか
役割分担
というところで出てくるポイントがありますので、仕事をしている中で四つ挙げさせていただきました。 国、
都道府県
、
市区町村
の
役割分担
と協働。
二つ目
としては、
市区町村
の組織の中で、当然、
福祉
部局、教育部局、
保健
部局などの
役割分担
とかが問題になってきます。三番目として、
市区町村
と民間との
役割分担
、ここもどこまで委ねられるのかというところで民間との協働になります。四点目、余り議論がされないところですが、
市区町村側
としては、安全、安心な町をつくっていくよ、犯罪者被害とか暴力団対策をしていく中では、災害もそうなんですが、警察とか消防との
役割分担
、自衛隊も出てきますが、どこの
部分
は自分たちがやるんだけど、この
部分
は委ねるんだよと、そういうところも考えてきているという
部分
があります。 なので、このようなところで、ただ、そこに書いてあるんですが、
苦情
は全て
自治体
に来るというか、
市区町村
何やっているんだというのが来ますので、ここのところを整理して考えていくということが必要かなというふうに考えております。 以上になります。ありがとうございます。
川田龍平
32
○川田龍平君
行政監視委員会
でもホームページに
苦情
窓口というのをつくって、今大変たくさんの
苦情
が寄せられているということですが、本当に先ほども
住民
参加によってやっぱり
行政評価
というのが盛んに、活発になったという話は大変ためになりました。 今の警察の話も、スコットランドが今、警察が暴力の原因を取り除くということで、かなり今犯罪が減ったという話なども聞いておりますので、是非、警察とそういった協働の形というのが、本当に暴力、原因となっているものが何かということを警察と
市区町村
がやることによって減らしているということも読ませていただきました。是非そういったことをしっかりやっていければなと思いました。 ありがとうございました。
新妻秀規
33
○新妻
秀規
君 公明党の新妻
秀規
です。質疑の
機会
をありがとうございます。
田渕
先生にまずお伺いをしたいんですけれども、まさに今、川田先生が御質問されたところでありますが、この
行政評価
が活発化するために
住民
の参加が鍵なんだという
お話
伺いました。 一方で、まさに今あったとおりなんですけれども、緩やかになってきてしまっているという中で、現在この
行政評価
が活発に行われているような好事例はどういうところに、注目されている例があれば教えていただきたいと思います。また、その中で
住民
参加をどのように促しているか、これについても例があれば是非とも御教示いただきたいと思います。
田渕雪子
34
○
参考人
(
田渕
雪子
君) ありがとうございます。 最近でいいますと、時代に合わせて改善をして、うまく改善しているというのは、例えば三重県とかですね、非常に、何というんですか、フレキシブルな形で、
状況
に応じた形で対応がなされているかなというふうに思います。三重県、元々、北川知事のときから事務
事業
評価
で先駆者であったわけです。それからも
評価
システムとしては非常にしっかりとした形で対応されているというふうに思います。 あとは、今、
行政評価
のその実施の方法というのが、いろいろな形ではあるんですけれども、結構同じような形というものが多くて、新しく何かドラスチックに変わるとかというものが余り、どうでしょうというようなところでも実はあります。 あとは、そうですね、国の手法でいえばEBPMですとかそういったものを取り入れようという
自治体
というものもありますし、そうした形でいきますと、総務省の
行政評価
局の方のホームページの方にも
情報
提供されているかと思いますけれども、この近郊ですと葉山ですとかあと前橋とかもEBPMやっていますし、そういった形で、それぞれやり方はありますけれども、そのときはやっぱり
住民
と一緒にやっているというところもありますので、
行政評価
、いろんな形があって、EBPMがもういいか悪いかというのもありますけれども、それぞれ
自治体
に合った形というものがやっぱり必要だろうと思うんですね。 その中で、
皆さん
が、
自治体
の中で自分たちの
課題
を解決できれば
行政評価
じゃなくてもよくて、何でもいいんですけれども、ですので、
自治体
の
皆さん
がそれぞれの中で、何ですか、活動を活発化できるような
情報
提供というのは、国としては実施していくということが必要かなというふうに思います。国の役割ってそこだけかなというふうに逆に思っています。余り言わないで、
自治体
がこういうのを欲しい、こういうのはないかと思ったものが提供されるというのが私はベストかなというふうに思っています。 今問題なのは、町村ですね、
基礎自治体
の、町村の小さい
自治体
の
皆さん
が、やはり手がないですとかそういったことで、やりたくてもできないというところも実はありまして、ベストプラクティスもそうなんですけど、そういったところへの対応というのも、そこは国が、例えば、あと、あれですね、人も足りないのもあるんですけどやり方が分からないとかいうのもありますので、例えばe―ラーニングのような仕組みを作って、全国の方々が基礎的な研修をそこでできるようなものというものは有効かなというふうに思います。 そうしますと、例えば学生さんですとかそういった方も、
自治体
、
行政
に
関係
なくそうした方もe―ラーニング使えますし、
住民
の
皆さん
はもちろんです。そういうのを使って、先ほど申し上げた投票のときに判断する材料、力を付けていただくといいのかなというふうには思っているところです。
新妻秀規
35
○新妻
秀規
君 ありがとうございます。 続きまして、
鈴木
先生にお伺いをしたいと思います。
レジュメ
の四ページ目に、四角の三番のところで、
感染対策
等で出される国や
都道府県
の
方針
や
通知
確認
の困難さというふうにあります。 これ、私も、このコロナになってもうじゃんじゃんじゃんじゃん国から
通知
が行く、それについては我々もレクチャーを受けるものですから、膨大な量が、これは当然
現場
パンクするわということは私もよく分かります。 その上で、こういう緊急時の
通知
の在り方というのはいかにあるべきなのか、
鈴木
先生の御所見をお伺いをしたいと思います。
鈴木秀洋
36
○
参考人
(
鈴木秀洋
君)
自治体
の
現場
、私
自身
も法務能力、自分は
法務担当
もやっていまして、かなり読み解く力というのは自信がある方なんですが、それでも
現場
にいても結構かなり困難なことというのは今までもありました。誤解を生じるとか、あとは今のだけ見ればいい話ではないので、当然過去から遡っていってどう変わってきたかというところも押さえなきゃいけないということがあります。 あと、元の法律とガイドラインとか運用で変わった
部分
がどこなのか、非常に困難なんですね。そこは
自治体
の
現場
の
職員
が間違った説明をしたりすると、いや、何やっているんだとかいうことがよく言われるんですが、そこのバックアップをするというのはすごく重要なことであって、僕は
市区町村
の中でもバックアップしなきゃいけない、ロジスティックスという言葉を使っているんですが、当然法務セクションとか管理部門がちゃんとそれをチェックして話すというのも当然、教えるという、
現場
の
職員
で共有するというのも重要ですし、国からしたら、新聞の見出しのようにここを見たらすぐ分かるんだよとかというようなことの端的な、全部詳細を読まないと分からないという形じゃなく、ある程度の要約をして、ここが分かればというところと、新旧対照表とかもあるんですが、あれを簡易にしたようなものとかが当然必要であって、やっぱり毎日毎日
現場
に出ているわけですので、私たちというか
現場
の
職員
は。だとすると、変わったものについて迅速にすぐここの
部分
を変えたらいいんだよとか、説明はこう変えたらいいとかという説明の仕方についてのアドバイスとかが分かるようなものというのを送る、付けていただくということはこれ必要なんではないのかなというふうに思っております。
新妻秀規
37
○新妻
秀規
君 私、注目しているのが、最近、動画による説明というのも省庁によっては採用しているんですけれども、それについてはどういう御所見でしょうか。
鈴木秀洋
38
○
参考人
(
鈴木秀洋
君) 非常に有効だと思います。
一つ
のやり方ではないので、紙というのもそうですし、動画というのもそうですし、イラストなんかも有効な場合があります。 やっぱり、
住民
からしたらいろんな
住民
の方がいますので、どの選択、選択肢を多様に持っていて、この方には動画で説明をするとか、この方ではイラストだとか、この方は文章だという、幾つかあることでより
住民
に沿った説明ができるというふうに考えていますので、非常に有効な提案かなというふうに思っております。 ありがとうございます。
新妻秀規
39
○新妻
秀規
君 もう一問、
鈴木
先生に。 前回のこの
行政監視委員会
にて、国からこの
補助
金とひも付いた計画の在り方についての質疑がありました。 計画を作っていいよという規定のものは非常に多いんですけれども、やはりそれを作らないと
補助
金がもらえないという中で、実質的に
自治体
はそれの策定に動くということで、これが非常に今多くの事務量につながってしまっているんじゃないかという問題提起でした。 この点について、やっぱりスクラップ・ビルドのような観点も必要なんじゃないかなと私
自身
も思うんですけれども、それについて
鈴木
先生は実務携わってきた中での御所見をお伺いをしたいと思います。
鈴木秀洋
40
○
参考人
(
鈴木秀洋
君) 今御
指摘
いただいた点、私も
現場
で同じ感覚を持っていました。
自治体
でやる気があれば、当然
補助
金を取っていくわけですね。なんですけれども、先ほどちょっと話をさせていただきましたが、いろんなスキームがある。それは、いろんなスキームがあるのはすごくいいことなんですけど、
一つ
のスキームに合わせるとやっぱりほかのスキームと合わなくなるとかということがよくありますので、その点は非常に難しい。 後からまた別の、今回もちょっと話ししたんですが、虐待でいえば、子育て世帯包括
支援
センターという
保健
部門のネットワークをつくりましょう、その次の年になってきたりすると、拠点をつくりましょうとかというようなこと、かぶさってくるんで、そうすると、最初につくったところが次のときにどうなるかとかというところも非常に困難になってくるので、そこについてのアドバイスとか、最初につくったものと後から提示するものがやっぱり組み合わせられるとか、重なり合うとか、これで合致しているんだとかというところは、何かしら国が提示してあげるところは必要なのかな。また、提示してあげるという言い方は悪いんで、
市区町村側
からも質問をして、このスキームでやりたいんだと、これは合致して、その
部分
について、
補助
金はもらえるだろうというか、の交渉ができるような、一括して説明してゼロか一〇〇パーかという話じゃなくて、
調整
をしながらも
補助
金をもらえるというような仕組みが必要ではないかなというように思います。
新妻秀規
41
○新妻
秀規
君 ありがとうございます。
金井
先生にお伺いをしたいと思います。 まず、各論なんですけれども、先生の
レジュメ
の一のところの、しかしの後の二行下ですか、
自治体
間のゼロ
サム競争
についてです。 確かに、私
自身
も、例えば子育て
政策
を充実させることによって若い夫妻を呼び込むとか、そういう
移住者
の取り合いとか、
ふるさと納税
での税収の取り合い、これについても様々な懸念があるということで私
自身
も伺ってきたところであります。あと、国に対し陳情合戦というのもそうでしょうし、でも、こういうことに対して、じゃ、国というのはどういうふうにしてこの
自治体
間の健全な
役割分担
とか健全な
競争
を促していったらいいのかという、その改善策というところについて、先生の御所見をお伺いをしたいと思います。
金井利之
42
○
参考人
(
金井利之
君) ありがとうございます。 例えば、子育て
支援
の
競争
が若いファミリー世代を奪い合うという形になるという場合は、これはゼロ
サム競争
として良くないということなんですが、ただ一方で、
日本
の場合には子育て
支援
が非常に遅れていたということがあって、全体を底上げする
方向
に作用するような
競争
は、結果的には
両方
上げていきますと子育て世代を呼び込む力はなくなるんですけれども、全体としてプラスになるという場合には国はそれを進めていくと。要するに、その
競争
がどのようになっているのかということを判断するというのは非常に重要な役割で、民間企業との対比でいえば、健全な
競争
がプラスの
方向
に作用しているのか、それともマイナスの
方向
に作用しているのかという大局的な判断は非常に重要だというふうに思っています。
移住者
競争
は、それによって何か人口を増すということ自体に価値があるという
方向
に行ってしまいますと、これはマイナスの
方向
に作用すると。もちろん、魅力ある
地域
をつくるというような、全ての
地域
にプラスになるということになっているのかどうなのかというのは非常に大きな問題だろうと思います。
ふるさと納税
も同じことでありまして、相互に魅力的な施策を行うというような
方向
に作用しているのか。実態としては、大都市の富裕層がネットショッピングで二千円でおいしい、言わばネットショッピングの代わりになっているのかという判断が一番重要で、理念としては全体を底上げするという理念だったと思うんですが、現実には二千円で買えるネットショッピング化しているということは、地場産業にとってはマイナス。 言わば、あれは大都市部の税金によって地場産業に
補助
金を出しているというのが実態なので、これは
日本
の
地域
経済にとってもマイナスであるということで、それはどういうふうに国として大局判断を持てるかどうかということで、
ふるさと納税
は得する人はたくさんいるので、得する人の喜ぶのは間違いないんですけど、それでは公共的
政策
というのは駄目でありまして、喜ぶ人がいるということではなくて、全体のためにプラスになっているのかどうかというのを大局的に判断して、良い
競争
になっているのか、それともお互いに食い合うような
競争
になってしまったのかという判断をしていくということが非常に重要ではないかなと思っております。
新妻秀規
43
○新妻
秀規
君 ということは、やはり大局観を持って判断をするということ、あとは、そういう
競争
の結果、ここのところまでは国でやった方がいいよねというふうであれば、ナショナルミニマムのような、国によっての
政策
の底上げということが必要ということでしょうか。
金井利之
44
○
参考人
(
金井利之
君) もちろん、子育て
支援
なんかは本来もうちょっと国レベルですね、しっかりやるべきというところは多分ある、多々あるのではないかなと思いますが、そのプロセスとして
競争
によって底上げ図っていくというのはあろうかと思いますけれども、そこで一定の、何といいますか、水準感といいますか、値頃感が出てきたら国の制度にしていくというのも
一つ
の
方針
だとは思いますけれども。 ただ一方で、
地域
によって、実情によってかなり違いますので、かなりのカスタマイズを認めていくということも必要になろうと思いますので、やっぱり最終的には一般財源を保障していくということに戻らざるを得ないんじゃないかなとは思っています。
新妻秀規
45
○新妻
秀規
君
金井
先生に、済みません、総論でお聞きしたいんですけれども、四番のところで、この集権
自治
と
分権
自治
のところで、この
国政
と
自治
の
関係
で、ポジティブ
サム
であるべき、強い
国政
、強い
自治
というふうにおっしゃっているわけなんですけれども、どうすればこういう健全な牽制
関係
を構築できるのか、どうしたら強い
自治体
を構築できるのか。もし海外の好事例とかもあれば、それも併せて先生の御所見をお伺いをしたいと思います。
金井利之
46
○
参考人
(
金井利之
君) やはり、
自治体
を強くしていくのは、
住民
の監視とかマスコミの監視というのはやっぱり非常に大きな力になると。そこが弱いと、どうしても無関心になってしまうと。 これはなかなか制度でつくれるものでもありませんので、あるいは国の政治家が頑張ってできるものではないので、なかなか歯がゆいところはあると思うんですけれども、様々な問題が起きたときに
住民
がきちんとできるか、それとも人気取りの投票になってしまうのかということが、今非常に、全世界的にはポピュリストというのが非常に懸念されているということがありますので、そういう
意味
では、最終的にはやっぱり
住民
に頼っていくというしかないので、これは本当になかなか一朝一夕には直らないということがあります。 そのために議会というものがもっと、
自治体
議会ですね、強化されていかなければならないというのもあるんです。これまた、なかなか
住民
が関心を持たないとなり手不足になって、議会自体も非常に今弱体化しているとは思うんですけれども、
自治体
の場合にはやっぱり首長が非常に強いので、首長をしっかりチェックできるような議会で、それをサポートしていくような
住民
やマスコミでなければならないというふうに思っています。
新妻秀規
47
○新妻
秀規
君 ありがとうございました。終わります。
音喜多駿
48
○
音喜多駿
君
日本
維新の会の
音喜多駿
と申します。 今日は、
参考人
の先生方、御足労いただきまして、誠にありがとうございます。 また、冒頭、複数の
参考人
の先生から、今日が
オンライン
開催でなくてびっくりしたと、久しぶりに外に出たというお言葉がありました。これ、我々、大変重く受け止めなければいけないと思っております。 我々、我が党もずっと
オンライン
化ということは提言してきましたが、全くこの一年間、実行されないという
状況
でありますから、こうしたものは是非
国会
全体で考えていかなければいけないということを、冒頭、決意として申し上げたいと思います。 さて、私は
金井参考人
に、先生にまずお伺いしたいんですが、私、東京都選出でございまして、東京都議
会議
員やっておりましたので、いろいろ予習させていただきまして、
金井
先生が言っている都区制度について少しお伺いしたいと、せっかくの
機会
なので思います。
金井
先生、論文「都区制度改革」の中で、この都区制度というのは、旧東京市が旧東京府をのみ込んだものであり、都は特別市としての性格を有していたというふうに論じておられます。そのため、当初は、各特別区が市町村のようになることは東京都が市の
立場
を失うことであるから歓迎されることではないとされてきましたが、その後の改革によって、市町村としての特別区を強化する
方向
に進んでいると、このように論じておられます。 また、
金井
先生は、「東京都性論―あるいは人間不在の都政」、この中で、都区制度が必要とされる理由としては、通常の市町村税制を適用すると膨大な財政余剰が発生する都心区の財政力を
調整
する必要があるということを挙げておられます。 こうした中、特別区
協議
会が編集した「特別区が歩んだ
自治
のみちのり」においては、これら二点を踏まえた上で、
金井
先生は、特別区は戦前以来ずっと引き継いだものである、だけど理由のないものでもありますと。たまたま都心区三区から膨大な税収があるのにすぎないから、それを全国に差し出せというのが私の持論と、それがなくなれば実は都区制度も必要はなくなると、こうした旨の御
発言
をされております。 そこで、改めてこれらの
発言
の趣旨についてお伺いできればと思います。お願いいたします。
金井利之
49
○
参考人
(
金井利之
君) ありがとうございます。私の拙いものを読んでいただきまして、誠にありがとうございます。 まさに
音喜多
先生が要約された内容ということになるんですけれども、特別区といいますか、要は現在の制度に基づきますと、固定資産税などは市町村税ということになりますが、それをそのまま適用しますと、明らかに都心三区ないし四区で膨大な税収が発生してしまうということで、これはどう考えても制度的にもたないということで、実際上、都区制度といいますか、特別区、都区財調制度を通じて、そのお金が都に回り、いわゆる多摩に回り、島嶼部に回りというような、まあ非常に分かりにくい仕組みになっていると。 にもかかわらず、さらに、東京はお金が余ってしまっているので、いわゆる偏在是正措置というのを国がとったということでありまして、私は、余計なことになりますが、東京都税制
調査
会で常に偏在是正を賛成だと言っているので、いつも知事や執行部から怒られているんですけれども、やはり現状の国民的な全体最適を考えれば、一般制度を超過するようなものについては、本来ならば拠出金という制度で
交付税
が適用できれば本当は一番いいんですけれども、なかなか都心区が一旦来たものを差し出すというのは非常に難しいということなんですが。 非常に端的に申しますと、通常の市町村制度、
都道府県
制度の下に置くべきであり、かつその財源は全国民的な財源であって、別に千代田区の区長や役人が頑張ったから千代田区の経済が栄えているわけでは全然ないのであって、それは潔く差し出すというのが国民的に必要なことであるというのが私の趣旨でありまして、ただ、今の
発言
を都税調その他東京都の場でやると大変聞く耳をいつも持っていただけないので、東京都選出の先生がどう判断されるのかでなかなか難しい問題だと思いますが、私の真意はそこにあります。
音喜多駿
50
○
音喜多駿
君 ありがとうございます。 私もまさに東京都議
会議
員として同じような
課題
意識を掲げておりまして、今の制度というのは抜本的な見直しが必要であろうなというふうに感じております。 一方で、
金井
先生は、昨年の都政新報において、特別区側から
自治
権の拡充に向けての動きをつくることが大事であるというふうに述べられております。すると、今の制度、財源とかはもうちょっと見直した方がいいというお考えと、ただ一方で、
自治
権は拡充すべきというところが一種相反するようなところもあるんじゃないかなと思うんですが、この点についてはいかがお考えでしょうか。
金井利之
51
○
参考人
(
金井利之
君) ありがとうございます。 財源については、私もう再三申します一般財源論でありまして、全ての
住民
がひとしく、やっぱりケーパビリティーといいますか、財源を持つべきであると、そのお金を使っていろいろ知恵を持っていくべきであると、その場合には東京都からの
補助
金に頼らないでできるようにしていくというのが大事だと。そこで、各区が、あるいは市町村もそうですけれども、もっと自主的に判断できるということが非常に大事なんですね。 ただ、現状では、その東京二十三区の厚い
支援
というのは、ほかの
地域
の市町村から見ますと、財源が多いからできるんでしょうと、知恵があるからできるんじゃないでしょうというふうに思われていることが実態としてかなり多いと。これは多分否定できないということでありまして、そこはやっぱりイコールフッティングといいますか、同じ財源の下で市町村はきっちり戦ってもらいたいなというふうに思っています。
音喜多駿
52
○
音喜多駿
君 ありがとうございます。 まさに、区とあるいは東京都内の市の格差があるということもありますし、更に突っ込んで言えば、やっぱり二十三区の中にも格差があるわけですね。 私、北区の選出で都
会議
員をやっていたんですが、全然港区とか千代田区とは財政
状況
は異なると。まさに人口規模やあらゆるものが異なり過ぎるので、この特別区の制度を改善するには、この二十三区というのはそもそももうこの区割りから含めて見直さなきゃいけないんじゃないかというような
意見
もありまして、私もそう思うんですが、やっぱり六万人の千代田区から九十二万人の世田谷区までが同じ都で運営しているというのはちょっとおかしいんじゃないかと。 例えばですけど、一区五十万人から六十万人ぐらいの区に再編する、あるいはそのときは市部までひっくるめてしまうと、そういったような提案も一部にはあるわけでございますけれども、
金井
先生からこの二十三区制度、あるいは東京都の市町村、
市区町村
まで含めた
基礎自治体
というのはどうすべきか、どうするのが望ましいと思われているか、御
意見
があれば伺いたいんですが、いかがでしょうか。
金井利之
53
○
参考人
(
金井利之
君) ありがとうございます。 私は、
市区町村
といいますか、基礎的
自治体
の人口規模に差異があるというのはむしろ当然であって、余り区域再編というのを考えてはいないということになります。むしろ、非常に平均的でいえば一人当たりの一般財源が格差があるということの方が問題であって、そこを
調整
するのはまさに国や広域団体の仕事だろうというふうに思っております。 区域については、ボトムアップといいますか、
地域
の
住民
の方が、こういう区域よりはくっつけた方がいいとか、あるいは分割した方がいいというのであれば、それは個々のニーズに従って線引きしていくというのはあると思うんですが、やはり
国策
ないし都の
方針
としてこういう区割りはあるというふうに、何か機械的に人口を当てはめていくというのは余り合理的とは思えなくて、やはり、かなり沿革とかですね、そういうものが非常に重要になってくると思っています。
音喜多駿
54
○
音喜多駿
君 ありがとうございます。 今年は都議
会議
員の選挙もある年ですので、こうした東京都の
自治体
がどうあるべきかというのは非常に重要だと思いますので、今の御
意見
参考
に我々もしっかりと
研究
重ねていきたいと思います。 重ねて
金井
先生にお伺いしたいんですが、やっぱり
中央
集権がいびつに進んでいく中で、権限移譲、財源移譲等々していくべきだと我々としても考えているんですけれども、そうした中で、やはりこの広域
行政
というのに行き詰まりを、広域
行政
が行き詰まりを見せているんじゃないかなという問題意識がありまして、やはり明治時代に四十七
都道府県
という制度がつくられて、しかし、馬と徒歩で歩いていた時代につくられたこの四十七
都道府県
というのは物理的にも狭過ぎるんじゃないかと。 そして、今回コロナで、大阪では病床が逼迫しているけどちょっと隣に行けばまだ空いていると。
日本
全部で見ても、カリフォルニア州よりちっちゃいのにその融通もできないのかみたいな問題点も
指摘
されているところで、こうした
地方
の
自治体
への
役割分担
で権限を移譲していく際に、広域
自治体
というのはもう少し見直さなければいけないんじゃないかということを感じているところあるんですが、その点、
金井
先生の御所見あればお願いいたします。
金井利之
55
○
参考人
(
金井利之
君) これも
市区町村
の見直しと一緒でありまして、現在でも自主的な
都道府県
合併
というのは
地方自治法
の改正によって可能になっておりますので、それはボトムアップで必要だと思えば提案されていくということになろうと思うんですが。 現状では、じゃ、どういうふうな線引きがいいのかと考えていきますと、余り、結局、合理的な線引きができないので、取りあえず今ある線の中で相互に
調整
しながらやっていくということが大事でありまして、例えば大阪の病床が厳しくなっているというようなときには、これはまた大阪というエリアにあるからこそそこが厳しいということが表面化できるわけですが、これがぼやっと広い区域になってしまいますと、実は大阪の区域で逼迫をしているのに、関西という大きな数字で見ると何となく足りているというような間違った
情報
を与えることもありますので、線引きがある程度小さくあるというのもそれなりに、個々のエリアで問題が発生しているということを浮き彫りにするという
意味
では非常に重要な
意味
を持っているということですね。 ただ一方で、そこが、阪神間往来はやめましょうとか、余りちょっと現実的でない話になっていくと、その線が悪い
方向
に作用していくということがあろうと思いますので、線が良い
方向
に作用するように配慮していくというのは国の仕事だと思いますが、一方で、
自治体
のボトムアップにどういうふうな区域割りが必要なのかというふうに考えていきますと、それはそれで提案はあってしかるべきだと思いますが、ただ、現実には、やはり現在の四十七
都道府県
がそれなりに安定して、かつ
一つ
の重要な指標になっているということがあります。 ただ、首都圏で東京だけが
感染
抑えられるということは絶対あり得ないわけで、それは当然、まあいわゆるしみ出しといいますけど、一都三県辺りは密接に関連しているというのはこれはもう当然なわけですけれども、それを
一つ
のエリアにしてしまいますと、また小さなエリアでどこが本当に逼迫しているのか見えにくくなっていくということもありますので、それは相互に連携していくことが大事ですし、それから、一都三県でいえば、相互の知事がそれぞれに牽制を図る、お互いにチェックをするということが非常に重要なことでありまして、あれが、一人の知事が巨大に一都三県を握っていますと、そこが一方的な
方向
を出したときに本当に大丈夫なのかと。やっぱり、知事さんたちが相互にお互いの
発言
、あるいはお互いの中身が本当に正しいのかというチェック・アンド・バランスするというのは非常に今回役に立っているんじゃないかなというふうに思っています。
音喜多駿
56
○
音喜多駿
君 ありがとうございます。 じゃ、
金井
先生には最後に、私たち
日本
維新の会という政党ですので、大阪都構想について
金井
先生が何度かコメントされているのもよく見てきたんですが、今、こうした大阪都構想は残念な結果となりまして、今、広域一元化条例ということで今制定して、この広域
自治体
と政令市の問題を少しでも解消しようという動きがしているわけなんですけれども、これについて
金井
先生から御所見があれば、
一言
お願いいたします。
金井利之
57
○
参考人
(
金井利之
君) 大阪都構想の良いところは、基礎的
自治体
により小さなレベルで
住民
自治
をつくれるということだったんですけど、なかなか広域一元化条例だけではその肝のところが実現できないというのは大変残念なことでありまして、いかに域内
分権
といいますか、小さなレベルで判断できるのかということが大事でありまして、まあ大阪は結構大きいんですよね、やっぱり小さなレベルでの判断というのは同時に必要なので、そこの政治的意思決定が今ないというのは大変残念なところだったなというふうには思っております。 ただ一方で、もう
一つ
、
住民
投票の結果は、やや一部の議論で、脱法的に条例で、事実上都構想を否定されたにもかかわらず、大阪市が事務返上をしちゃってという批判もありまして、若干そこら辺は民意を重視する観点から言うと、仮に一元化が必要だとしても、本当に民意はそうだったのかというのは若干疑問があるのではないかなというふうには思っています。
音喜多駿
58
○
音喜多駿
君 ありがとうございます。 厳しいコメントもありましたが、しっかり受け止めて前に進んでまいりたいと思っております。 では最後に、最後になってしまうかもしれないんですが、
鈴木
先生にお伺いいたします。
レジュメ
七枚目の方で、国の役割、努力のアのところで、後法は前法を破るということの原則を具体的に分かりやすく提示してほしいということを書いてあります。これ、確かに、
自治体
によってこういう問題があるということをよく仄聞するんですが、この何か
具体例
とか、その解決策に向けて何か御提言があれば、
一つ
お示しいただきたいんですが、いかがでしょうか。
鈴木秀洋
59
○
参考人
(
鈴木秀洋
君) ここで書かせていただいたんですが、法律であれば、当然新しい法律ができれば前の
部分
が変わっていく、矛盾しているところはというのがあるんですが、
通知
文とかが送られてきていると、どこがどうなのかと、先ほどの話と重なりますが、分からない
部分
というのがすごくあるんですね。ずっと追っかけていくというのがすごく大変で、私
自身
、
国会
でも議論になりましたが、改め文とかというのを実際
現場
で作っていて、法改正のをやっていくと、どこかの改正のところが変わっていたりおかしかったりすると、その後もまたみんなずれていってしまうとかというのも経験したりしてきました。 ここで
お話
をさせていただいているのは、やはり国側で法律を作ったときに、又は
通知
とかガイドラインを出していくときに、前のところとここのところが変わっているんだよ、前の
部分
のここはもう効力がないから見なくていいというような形のがちゃんと示せれば省力化、
自治体
側からしたらここだけ見ればいいんだな、新しい
通知
を見たらここだけ見ればいいんだということが分かれば、直ちにそれをもって実務の運用というのができます。そうではないと、一
部分
だけ出されて、またどこまで追っかければいいのかというのは非常にすごい労力があります。 ということなので、ここで書かせていただいたのはそういう形で、
通知
を出すとき、
都道府県
が
市区町村
に出すときも同じなんですけれども、ここだけ見ればいいですというようなところを提示していただくというのが事務の効率になりますし、結局的には
住民
の
福祉
の向上につながるというふうに考えております。
音喜多駿
60
○
音喜多駿
君 ちょうど時間が参りました。
田渕
先生にちょっとお伺いできず申し訳ございませんが、貴重な
お話
ありがとうございました。 終わります。
上田清司
61
○上田清司君 国民民主党・新緑風会という共同会派で、新緑風会の上田清司でございます。 今日は、三人の
参考人
、先生方には、大変貴重な
意見
ありがとうございました。まず御礼を申し上げます。 まず、率直に申し上げまして、私も衆議院を十年と一か月、その後、埼玉県知事を十六年させていただきました。その経験の中で、一般的に言えば、
分権
、権限、財源をどんどん下にというか、より小さな単位に下ろしていく、このことが正しいという認識に立っていることが多いわけですが、例えばごみ処理だとか、あるいは火葬場であるとか、あるいはまた霊園であるとか、総論では賛成なんですが、自分のところだけは困るという、こういう話がよくあって、広域でごみ処理場を造るときに、その場所を決めるときに破綻して、結果的にはまた再構成し直すとか、こういったことが時々起きたりしております。 そんなときに、ああ、私にまた任せてくれればなと。私は別に五万人、十万人が反対しようと気にならないと、もっと大きな単位の選挙をやっているので、そこで全部反対になっても構わないと、全体の中での支持を得られるというふうに思ったりするんですが、これ十万とか五万という単位の中の首長さんの判断で、半分以上の方々から署名なんかをいただくと、とてもじゃないけどやっていけないという形で頓挫するという、理解はできるけれども自分では進められないということでよく駄目になってしまう例なんかがありますので。 こういうのは逆に、逆移譲なんというのが制度的に可能にするようなことができないのかなというようなことをよく考えたりしておりまして、そうした問題提起をしていたところですが、そんなこと言ったって、そういうことは
地方
自治
に逆行するというような論点の方から割と否定的に捉えられて、私
自身
は否定されるというような感じが多かったんですが、思い切って、とても斬新な考え方などが
金井
先生の方から出ておりましたので、この
機会
にちょっとお聞きしておこうと思ってお尋ねしたところでございますが、三先生方にこの点について御感想をいただければと思っております。
金井利之
62
○
参考人
(
金井利之
君) 移譲、今の御
指摘
の点は非常に重大な、
自治体
を悩ませている非常に大きな問題でありますよね。 実際、産業廃棄物処分に関しては、
都道府県
が許可権を持っておりますので、広域化されているわけですね。一方で、広域化されていると産廃処分場が紛争なく決定できるのかというと、やはり問題は消えないということがありまして、広域
自治体
が、あるいは国でもいいんですけれども、決定権を持っているということと、やはり
現場
の、それは市町村の場合もありますし、地区の場合もありますけれども、その了解を得なくていいのかというのは、やっぱり問題は消えないと。やっぱり制度を変えるだけでは問題の本質は消えないのでありまして、簡単に言えば、特定の非常に狭いところに負担を押し付けるけれども、ほかの人が得になるという、この永遠の、政治の
課題
ってある
意味
そうだと思うんですね、永遠の
課題
について、言わば負担をしている人の気持ちを最も受け止められる意思決定であるのかどうなのかと。その全体最適はもちろん大事なので、みんなが反対して造れなかったら困るでしょうというのは誠にそのとおりなんですけれども。 一方で、じゃ、多数決で、広域なりあるいは国が権限を持てば、地元市町村が反対しても造っていいのかということになると、やっぱりそこの苦しみといいますか、苦渋を為政者が負うということがやはり一番重要でありまして、その
意味
で、私は市町村がやっぱり苦渋の
立場
に立つということがまさに政治の、あるいは
政策
決定の本質だろうと思っていまして、それは
都道府県
が、産廃にせよ、ほかのものでも、ゴルフ場とか、いろいろ許可権、公有水面埋立てとかもみんなそうですけれども、仮に
都道府県
に持ったとしても、やはり同じ問題はありまして、やっぱり多くの人にプラスになるけれども別の人に負担が行きやすい。 まさに
政策
というのはそういうものが多いわけですね。そこの苦しみを為政者は制度的にちゃんと引き受けられるという仕組みが非常に重要だと思っておりますので、一概に
都道府県
でその
地域
が一般廃棄物処分場造るのに苦労しているから、俺たちだったら代わりにやってあげられるよというのは、誠に補完性の原理としては正しいとは思うんですが、一方でその苦しみはやっぱり消えないということで、それを受け止められる市町村があるということは非常に僕は重要なことだと思っております。
鈴木秀洋
63
○
参考人
(
鈴木秀洋
君) 二点ほど。 今のに
関係
してですと、最近、別の事例でも、例えば
児童相談所
なり造るとか、児童養護施設造るという場合も同じようなことって出てきていると思うんですね。 それに対して、やはり
行政
のトップとして憲法をちゃんと守っていく尊重擁護義務があるよというところでのトップとしてのメッセージとして、何か差別的な問題とかそういうものがあれば、ちゃんとそれはいけませんよと、私たちはそれにこういう姿勢ですよというのはちゃんと示すというのは
一つ
必要なことだと思います。 もう一点が、私の
専門
の法律の
行政法
の
立場
からすれば、
行政法
又は
行政
手続法、
行政
手続条例、
両方
の面からしたら、やはり反対
意見
でも、
意見
公募手続というのがありますので、その趣旨と同じような手続過程での処理の仕方というのが必要なのかなというふうに思います。
意見
を出していただいて、それに対して
行政
側として考えているものをちゃんと提示する、それを、だから、公開の場でちゃんと手続過程を見せていくと。それは、だから、
住民
がそれに対してちゃんとそれが見えて、世論というか
住民
の
意見
というのは形成されていきますので、その手続過程をちゃんと見せていくということがすごく重要なことなのかなというふうに考えております。 以上になります。
田渕雪子
64
○
参考人
(
田渕
雪子
君) ありがとうございます。 私も、やはり
住民
の
皆さん
にしっかり説明ができているかという、やり取りがしっかりできていた上での対応であれば、それはある程度の、何ですかね、先に進むということになろうかと思います。 今
お話
あったように、公開の場でしっかり議論する、そこが一番重要なのではないかと。これまで、やはりごみ処理とか、そういったときに、説明会は開かれるんだけれども、ただただこういうのになりましたみたいな形で説明だけがあって、そこに
住民
の人たちがしっかり
意見
を言える場がなかったということ、そこがやはり一番ポイントなのかなというふうに思います。ですので、そうした、コンセンサスを得るといいますか、そうした取組ということがこういった観点では非常に重要だろうというふうに思います。 以上です。
上田清司
65
○上田清司君 ありがとうございます。 まさに、権限があっても、当該
地域
の
住民
が納得しなければ基本的には難しい話だということであります。仮に真っ当にやっていても、中学生の校庭で
子供
同士の声がうるさいという投書が来たり、幼稚園の音がうるさいとか、そういうのがメールで飛んでくるとか、そういうのがありますので、常に説得をしなければならないわけでありまして、そういう点からすれば、文字どおり、そうした権限とかの問題で片が付かない、相当な説得能力というのが
行政
に今問われている時代だというふうに思っております。いわゆる権威とか正当性というのが非常に薄くなっている時代でありますので、単純に権限があるからということだけではなかなか済まない
課題
が多くなってきているというふうに思っております。 そこで、
一つ
また問題提起というよりはサジェスチョンをいただきたいところですが、こういう事例もまたございます。 例えば、今一番
課題
になっております、どちらかといえば大きな問題の
一つ
として、産業
政策
、これはどちらかというとなかなか
都道府県
では少しパワーが足りなくて、国がもっともっと強く出すべきとは思っておりますが、その中でもやっぱり四十七
都道府県
がそれぞれ努力をして、産業
政策
で
日本
の産業力をアップしていかなくちゃいけない。 このそれぞれの
都道府県
の中に、例えば経済産業省が言わばそのリーダーシップを取るべく、各
地域
に経産局というのがあります。俗に言う
地方
支分局であります。全国知事会なんかでは、この
地方
支分局を廃止してそれぞれの権限を
都道府県
にという論点を提起しているところですが、しかし、現実にはそうなっておりませんので、このいわゆる広域
行政
の要になっております
地方
支分局、この存在、経産局を事例にさせていただきたいと思います。 産業
政策
で、少なくとも十六年の経験の中で、この関東支分局の経産局から、具体的にこういう
方向
で国はやっているので、それぞれの補完
関係
の中で一緒に進めていこうじゃないかという話というのは、余り正直のところないんですね。いろいろ説明はいただくんですが、共同歩調を取って、じゃ、ここまでできましたね、次はこの段階に行きましょうとかというのはなくて、その時々の政府の
方針
を私たちに
報告
される、説明されるというところで終わって、その次がないという
状況
であります。 したがって、国の産業
政策
が
地方
に十分浸透しないということになっておりますので、こうした支分局の在り方が国の
地方
機関
としてどのような
意味
を持つのかということに関して知事会などもそれを問題にしているところですけれども、こうした問題について、まさに国と
地方
との
関係
の中で大きな論点の
一つ
でありますので、先生方に若干のコメントをいただければと思っております。
金井利之
66
○
参考人
(
金井利之
君) ありがとうございます。
地方
支分部局でも、税務とかそれぞれに
分野
が違うので一概に難しいと思うんですが、これは私の率直な
意見
なので余り一般的な
意見
にはならないと思いますが、やはり現在の
日本
は、
平成
バブル崩壊以来、やっぱり産業
政策
がうまい手がなくてずっと悩んでいるというのが実態だろうと思うんですね。いろいろ経済成長戦略とか経済再生が必要だということは分かるし、国もあるいは経産省も
政策
は打ち出さなきゃならないんですが、残念ながらなかなか決め手がないと。 したがって、経産局もいい打つ手がないので、説明しても
都道府県
側にいいアイデアがないので、こんなことをやっていますと言わざるを得ないので、余り役に立っているのかどうなのかというお気持ちに
都道府県
側からいうとなるのではないかなというふうに思います。 ただ一方で、同じように、じゃ、
都道府県
が産業
政策
でこれが決め手になってばっちり我が県の経済が再生するというようなすばらしい
政策
が思い付けばもちろんやってしまえばいいんですけど、なかなかそれ、現在、国も
都道府県
も含めて、経済
政策
といいますか、産業
政策
自体がやっぱり手詰まりで、決め手がなくて、それで結局、経済はずっとGDP五百兆円レベルで止まって、中国にはずっと引き離されている実態になっているのはしようがないと、しようがないといいますか、結果的にはいいアイデアがないということなので、これはしようがないといいますか、経産省があったから、経産省が役に立たないからというわけでもなくて、経産省本体にそもそもアイデアもないし、じゃ、
都道府県
に任せてくれたら突然経済が再生するのかと言われたら、別に
都道府県
にもそんなアイデアがないので、これは本当に現在みんなが悩んでいることだろうと思います。
野田国義
67
○
委員長
(
野田国義
君) 時間も来たようでございますけれども、
鈴木参考人
、
田渕参考人
、何かございますか。
鈴木秀洋
68
○
参考人
(
鈴木秀洋
君) じゃ、
一言
。 私、この点につきましては、やはりどうあるかと、
必要性
があるという見解とやっぱりないという見解で、僕も全国見ている中では
両方
やっぱり聞いているので、邪魔だというところとやっぱり助かって、助けてもらっているというような
意見
を
両方
聞いておりまして、やっぱり現状の中だと
協議
しつつ、結局、
住民
が利益を得るためにどうしたらいいかといったら、やっぱりそこが
両方
協議
して進めるしかないと思っていますので、そうやって進めていくしかないのかなというふうに思っております。 以上です。
田渕雪子
69
○
参考人
(
田渕
雪子
君) 簡単に。 まず、この設置の意義ですね、今も必要なのかどうか、そこから考え直す必要があるのではないかと思っています。これ、ありきになっているわけで、そうじゃなくて、ここはなくてもできるのかもしれない、そこの議論がやはり必要だろうというふうに思います。 以上です。
上田清司
70
○上田清司君 ありがとうございました。
野田国義
71
○
委員長
(
野田国義
君) ありがとうございます。
吉良よし子
72
○
吉良よし子
君
日本
共産党の
吉良よし子
です。 三人の
参考人
の
皆様
、今日は本当にありがとうございます。早速質問に移りたいと思います。 今、参議院では、デジタル庁関連の法案が審議されております。この法案を見ますと、個人
情報
の
保護
に関して、国の
行政
機関
、独立
行政法
人、民間
事業
者それぞれに定められている法律を一本化するとともに、
地方
公共団体の個人
情報
保護
条例も国の
基準
に合わせるよう求める中身になっているわけです。 本来、
地方
自治体
の条例というものは、それぞれ歴史的な
住民
の運動の中で制定されてきたものだと承知しております。国より厳しいものもあれば、独自なものが中身のものもあるということですけれども、先ほど、冒頭、
金井参考人
からは、過剰な
権力集中
体制の下、
内閣
の
政策
に
自治体
が従属してしまうということの問題なども語られたと思うんですけれども、こうして国が法律によって各
地方
自治体
の独自性のある条例を認めないというようにまとめていってしまうということは、
地方
自治
の観点からおかしいのではないかと考えますが、三人の
参考人
それぞれの御
意見
を伺えたらと思います。
金井利之
73
○
参考人
(
金井利之
君) ありがとうございます。 私は、既に最初に述べておりますけれども、個人
情報
保護
のいわゆる二千個問題と言われて、一元的な仕組みの方がスムーズであるという声にやや傾き過ぎた議論になってしまったのではないかなというふうに大変
危惧
をしています。これは、全ての領域において、全ての
自治体
で施策が異なっているが、みんな困るんだと言われたら、全て、二千個あってはいけないと言われてしまえば全部国で統一するしかないというロジックでありまして、これは必ずしも個人
情報
についても適切とは思えないというふうに思っております。 ただ一方で、
自治体
によってはその個人
情報
についての定義が古い、つまり最新のEUその他の知見に基づいていないとか、あるいは今日のデジタル経済の状態にうまく対応しないというのも事実なので、そこのアップデートができていないという
意味
でいえば、最低限のラインをそろえると、個人
情報
保護
という観点については最低限のラインを
整備
するというのは必要だと思うんですが、上乗せについては、上乗せ規制といいますか、
保護
の上乗せですね、については認めていくということが本来のあるべき姿で、元々公害防止条例はそういうふうに運用されてきたのでありまして、そういう形で多様性を認めていかないと非常に脆弱な仕組みに、かえって弱体なものになってしまう。
アメリカ
などは、極めて多元的な、会社法でさえ州で異なるという国で、活力を持っているわけでありまして、千七百個問題で何か嘆きをしているというのは、むしろ産業界の、まあ言わば本来の技術力がないことを何か
自治体
のせいにしているのではないかということで、私はむしろ産業、
情報
産業の方にもうちょっとちゃんと奮起をしていただきたいなというふうに思っています。
鈴木秀洋
74
○
参考人
(
鈴木秀洋
君)
地方
が先行して後から国という例だと、
情報
公開条例と
情報
公開法の
関係
もあります。 その
関係
ですと、先行していて、知る権利ですかね、を明記していたところがあって、その後、国の審議で知る権利は入れないと、で、国民主権ですよというような話になったときに、それに合わせて、国の形と合わせていって変えていったというようなことの経緯というのもあったりします。 私も基本的には
地方
自治
の学者として、それぞれが作った条例が優先されるべき話であって、そこを尊重して、後からの場合にはそこを尊重した形での法律が制定されるべきだというふうに考えております。 ただ、一点、私のまた虐待云々の話の中では、要
保護児童対策地域協議会
、要対協の中での
情報
の取扱いとかといった場合に、
自治体
によってばらばらで、
情報
が取れるところと取れないものがある、個人
情報
だからというようなところのかなりの壁があるところで、実際、ネットワークで共有されないというのもあったりします。 その辺の整理も必要なのかなと思いますので、この
情報
、個人
情報
の扱いについては一概に一刀両断で、一概に駄目とまでは言い切れず、私
自身
も悩んでいる問題というふうになっております。 以上になります。
田渕雪子
75
○
参考人
(
田渕
雪子
君) 個人
情報
なんですけれども、デジタルとの関連でいいますと、恐らく国民の
皆さん
はここがクリアされなければデジタル化というそのスピードも止まってしまうぐらいな大きなポイントだろうと思います。 ですので、やはり国民の
皆様
にとってどういう形で議論がなされるのがいいのか、そういったスタンスでやはり議論は進めていく必要があるというふうに思います。 以上です。
吉良よし子
76
○
吉良よし子
君 ありがとうございます。
地方
が先行しているような条例もあるわけだし、まあ一元的というか、最低ラインはそろえるべきだけれども、多様性を認めることも大事という御
意見
、大変
参考
になりました。 あわせて、同じような観点になるんですけれども、このデジタル関連法案では、先ほどの
参考人
からも触れていただきましたけれども、
地方
自治体
の税、社会保障、就学に係る
地方
自治体
の
情報
システムもデジタル庁が策定するシステムに統一して管理するということが求められているわけで、一方で、
地方
自治体
は、その国保料や国保税若しくは
子供
の医療費の負担軽減とか独自の
保育
料の算定
基準
など、それぞれ
地方
自治体
の
地域
事情、
住民
の要望を反映した、独自に国の
基準
に上乗せしたり横出ししたりするようなシステムというのを既に持っているわけで、そこにこの国のシステム統一ということを持ってくると、そうした
地方
自治体
が国の
基準
に上乗せしたり横出ししたりした独自の取組を続けて行うには、新たな費用負担が生じてしまってそれができなくなる、
地方
自治体
が独自に取り組むことを阻害することになってしまうのではないかという懸念も持つわけですけど、その点についても御
意見
あれば、是非三人それぞれ御
意見
、聞かせていただければと思います。
金井利之
77
○
参考人
(
金井利之
君) ありがとうございます。 この
情報
システムについては、その
政策
的な中身とそれからその
政策
を実現するためのシステムというものがうまく切り分けられれば望ましいということで、J―LISといいますか、全体として標準的な仕様ができて、しかし、
政策
的な様々な判断が盛り込めるというような、カスタマイズができるような仕組みになればいいと思うんですが、そこら辺がどうなるのかと。しばしば、システムが組まれてしまいますと、そのシステムのせいで動かないという、実は法律より厳しい規制になるということが、よく電子的な手続をやっておられるとよく分かると思うんですけど、進まなくなってしまうということで、かなりこれは法律以上に厳しい規制になる可能性があるということで、そこは非常に
政策
判断とそのシステムの基盤の問題を切り離せるかどうかというのが一点目のポイントだと思います。 それから二点目は、システムが標準化されて
一つ
になってしまったときに、そこが非常に、下手なシステムをつくったらどうなるのかという、これはリスク分散の問題がありまして、その
一つ
のところが、標準が、それが間違っていると、全体として非常に困った事態になるというような、リスク分散を
情報
の方でどういうふうに入れていくのかというのがありまして、いろんなシステムを導入した、鳴り物入りでやったはいいけれども、システム障害が起きるというようなことになると銀行も大変困ったりしていることがありますが、まあそういうことで、そのリスクの分散の話とそれから
政策
的なカスタマイズができるのかということが問題になると思います。 そういう
意味
では、J―LISといいますか、そこで
自治体
ないし
地方
六団体の声をどれだけ反映できるのかということが多分焦点になってくるということになりますので、総務省や
自治体
の声が聞こえなくなるようなシステムだと困るので、そこら辺はしっかり
自治体
の声を反映できるような仕組みにしていかないとならないんではないかなと思っています。
鈴木秀洋
78
○
参考人
(
鈴木秀洋
君) 私も
レジュメ
でも書かせていただいているんですが、前半の
部分
はまさにそのとおりというか、最初に
自治体
が努力をして様々な
整備
をしたものについて、後から国が、いや、違うものを出してということで、そのシステムが使えないものになってしまうということであれば、
自治体
が、特に一番
現場
で
住民
の顔を見て率先的にやってきたところがこれからは二の足を踏むというか、やっぱり待っていましょうと、コロナも今そういう
状況
が出ている、現実出ている問題としてあります。 なんですけれども、そこについてということで、後から、ここでも提案させていただいているんですが、後から、じゃ、国が新しいものを常に出せないかというと、全体的な観点から出せる
部分
というのは、出さなきゃいけない
部分
というのも当然あると思います。そのときに、先行した
自治体
に対しての投下資本というかがちゃんと回収できるようなものだったりとか、そこに対する
補助
、最初にアイデアをやってシステムをつくったんであれば、その
部分
を後からなしにするんであれば、その投下資本の
部分
は補填をしますよというような
制度設計
というのが必要になるのかなというふうに思っております。 以上になります。
田渕雪子
79
○
参考人
(
田渕
雪子
君) 簡単に。 ポイントとしては、連携という形ですね、連携というものができていないのではないかというふうに思います。それぞれがそれぞれでそれぞれのやりたいことをやっているというような、そんな感じが一国民として見るとあるんですけれども、しっかりそこを連携して、まず、全体最適という言い方がいいか分からないんですけれども、連携した上で、それでその後でどういうやり方で実施していくのがいいのかと、その議論が必要なのではないかというふうに思います。 以上です。
吉良よし子
80
○
吉良よし子
君 ありがとうございます。 法律以上に厳しい規制になり得るという御
発言
は大変衝撃的に受け止めたんですけれども、大変そういう
意味
では、システム統一するという
意味
では相当な知恵が必要になってくる問題だし、簡単ではないということが分かりました。ありがとうございます。 それでは、先ほどの冒頭の
お話
の中でも、
緊急事態宣言
、コロナ禍での対応、
自治体
の役割についてもるる
お話
があったかと思うわけです。この
感染
症対策を最前線で担っているのは、例えば
保健
所があると思うんですけれども、ここが深刻な疲弊状態に陥っているわけです。全国の
保健
所の
皆さん
、不眠不休の大奮闘されているわけで、朝から夕刻までPCR検査の相談、入院などのあっせん、検体の搬送などに忙殺されて、夕刻から深夜にかけては
感染
者の追跡
調査
、サーベイランスなどを行っていると伺っております。 そんな中、
電話
がつながらないとか、PCR検査が受けられないというようなパンク状態にも陥っているわけで、どうしてこんなことになったのかということを遡って見ていると、一九九〇年代の
地域
保健
法による
業務
効率化を推し進める動きだとか、二〇〇〇年代の
地方
分権改革
、冒頭
お話
ありましたけれども、による国の責任後退の下で、全国の
保健
所の数が九〇年の八百五十か所から二〇一九年には四百七十二か所へと激減したことがあるのではないかと。私、東京選出ですけれども、東京の場合、七十一か所から三十一か所と。特に、多摩
地域
の
保健
所が減らされて、
地域
格差も深刻化していると認識をしているわけですけれども。 先ほどPFIやPPPの
お話
もありましたけど、こうしたとりわけ
保健
所など公衆衛生の
分野
では、やっぱり国と
地方
自治体
それぞれがちゃんと役割を果たせるようにすべきですし、そのためには、こうした
分野
において、とりわけ効率化一辺倒で、特に国が
地域
、
地方
自治体
に押し付けるというようなやり方というのは駄目なんじゃないかなと私思うんですけれども、その点について、三人の
参考人
の
皆さん
の御
意見
、伺わせていただければと思います。
金井利之
81
○
参考人
(
金井利之
君)
保健
所は、数は減らされてはいるんですけれども、それなりに人員はある程度は維持されていたというのがあるんですけれども、ただ、
保健
所のシステムが、昔は実質的には
都道府県
の
機関
ではありましたが、運営費交付金がありまして、事実上、厚生省の出先的な側面があったというのは事実だと思います。 ただ、それが国のままであったら行革の対象にならなかったのかというと恐らくそうではなくて、
自治体
が担っても、やはり公衆衛生はもう過去の、伝染病というのは過去のものなんだというふうに国も
自治体
も含めて思っていたんではないかということで、そこは事前の備えが結果的に見れば弱かったのかもしれないし、逆に言えば、
アメリカ
やヨーロッパのような
感染
拡大に比べればやはり
日本
は抑えられていたので、あれがもし
アメリカ
やブラジルのレベルだったら
保健
所はどうなっていたのかと考えるだけで、もっと大変なのかもしれませんが。 その
意味
では、この程度の
保健
所の仕組みが結局のところぎりぎりだったのかもしれないので、そこはやはり事前の備えとして、しかも急にニーズが、
鈴木
先生の御
指摘
もありましたが、急にニーズが高まる
分野
というのは非常に難しくて、今度は
保健
所を拡充しますと、
感染
症が爆発しないと今度は暇じゃないかと言われて、これまた行革の対象になるということで、この問題は非常に、リスク分散というのは非常に難しいので、日常的な冗長性といいますか、一見遊んでいるように見えるというものをどれだけ備えられるのかというのはこれまた政治判断で、ただ、
都道府県
としてもそれは行革の対象になりやすいし、これは仮に国の出先
機関
だとしても、もう公衆衛生の時代は終わったと、これからは成人病と高齢者問題だというふうになってしまえばそっちの方にシフトするということにならざるを得ないので、これは我々全体が備えはどうだったのかというのを落ち着いた後で考えなきゃならないとは思います。 ただ、今足りないとか言っても、足りないのは事実というのは、それは備えていなかったのは我々の責任だということですね。あとは、もうひたすら
現場
に頑張ってもらうしかないということだと思います。
野田国義
82
○
委員長
(
野田国義
君) 時間がちょっと来ておりますので、短めに。
鈴木参考人
、お願いします。
鈴木秀洋
83
○
参考人
(
鈴木秀洋
君) はい。
保健
所、東京二十三区だと、
保健
所を実際持っているので、そこのところで回しているというところがあります。実際、
都道府県
と
市区町村
、
保健
所の役割というのをどこが持つのか。ずっと従来も議論ありますが、もう一度議論する必要があるのかなというふうに思っております。 もう一点ですが、やはり現在だと、僕のまた
専門
分野
の児童虐待とかでもちゃんと
保健
師が必要だということになっていますので、これからの見通しとしては、やはり
感染対策
だけではなくて、母子
保健
、様々な
部分
で
保健
師が必要という
部分
がありますので、これからの中では質を高めるという話と数を増やすということは必要なんではないのかなというふうには思っております。 以上です。
野田国義
84
○
委員長
(
野田国義
君)
田渕参考人
、短めにお願いします。
田渕雪子
85
○
参考人
(
田渕
雪子
君) はい。 まず、あれですね、
保健
所の役割というのをもう一度しっかり見直すことが必要なのではないかというふうに思います。 以上です。
吉良よし子
86
○
吉良よし子
君 ありがとうございます。
野田国義
87
○
委員長
(
野田国義
君) どうもありがとうございます。
伊波洋一
88
○伊波洋一君 会派、沖縄の風の伊波洋一です。 本日は、御三名の
参考人
の先ほどの陳述、大変興味深いものがあったと思います。もうちょっと、二十分ぐらいあればよかったかなと思いながら聞きました。 まず、それぞれの
参考人
に、順に
レジュメ
に沿って聞きたいと思います。
金井参考人
の、二〇〇〇年改革で
分権型社会
というような
指摘
をしており、目指すという話があったということを知っておりますが。ちょっと私、その前年、一九九九年に全国
都道府県
議長会が主催をしたヨーロッパの議会視察というのがございまして、行ったことがあるんですけど、驚いたんですが、当時、ヨーロッパでは、ここでいう市長とかというものをつくり出していくという言いぶりがありまして、当時は民主主義というのは議会のことだと、ヨーロッパではですね。なので、市長は形はあるけれども実権は何もないわけですよ。代わりばんこに政党でやっている。 そういう中で、あと
一つ
、
分権
というときに、それぞれ
業務
ごとに、もう国、州、あるいは
地方
自治体
、市町村で分けられていると。例えば、ギリシャなどでEUの、当時もうEU始まっていますから、EUの
補助
金を得てアテネが地下鉄を造ろうとしている。ところが、文化財は州の権限だと。あるいは、いろいろ違いがあるわけですね、そこで言う、私たちが考える
分権
というのと、
アメリカ
やヨーロッパで考えている
分権
というのは随分違いがある。
日本
は全部金太郎あめみたいに、国がやっていることも県がやっていることも市町村がやっていることもみんな一緒で、国がほぼ決めていると言って過言ではないと思うんですが。
金井
先生にお伺いしたいんですが、
分権型社会
とここで言うときに、
日本
で言う
分権型社会
というのはどういうイメージだったのか。
金井利之
89
○
参考人
(
金井利之
君) ありがとうございます。 これは、対等、協力という言い方が当時の二〇〇〇年改革の
一つ
のモデルであったわけでありまして、やはり国と
都道府県
と市町村は協力するという
関係
にあるという
意味
でいえば、仕事が分かれてしまうということには恐らくならないと。国が何も関わらないという領域は多分あり得ないけれども、国が一方的に決めるというのはあり得ないということで、
両者
の合意形成をしていくということが恐らく
日本
という
分権型社会
だったんではないかというふうに思っていますし、これはある程度の
分野
では実際行われているわけですね。 国が一方的に決めるということはできない領域も結構ある。しかし、国が一方的に決めて押し付けてしまう領域もあって、そこは私が言う
意味
でいえば集権的な実態が現れているという場面だと思いますけれども、全ての領域がそうではありませんので、国と市町村と
都道府県
が無
関係
になるという
意味
ではなくて、お互いの
立場
が同じ
立場
に、要するに合意をできるということですね、
両者
の意思の合致が必要であると。そのためには密接な
協議
をしていくということが本来の
分権型社会
だというふうに考えております。
伊波洋一
90
○伊波洋一君 我が国の場合は、割とある
意味
で単一的な規範で全ての
自治体
やあるいは県などが動いていると思うんですけれども、でも、主には国が決めているという。 それで、二、三、四の
レジュメ
の方なんですけれども、
内閣強化
と
自治体
、あるいはその
ベクトル
の相殺とか、あるいは集権
自治
、
分権
自治
という、
レジュメ
に関して少しお伺いをするんですが、実際、
内閣
官房が二〇〇〇年以前は二百名以下ぐらいの人数しかないけど、今や千二百名、三百名になっちゃっていますね。それで、要するに、規制改革
会議
などのワーキングチームがいっぱいありまして、そこの方で決めたことが各省庁の法律より優先するんですよ、実際
現場
へ行きますと。そういう中で、いわゆるヨーロッパ型
分権
といいますか、そういうものともうかなり随分離れてしまっている
日本
、つまり、
内閣
官房で決めていることが全てであるという、そういう感じになってしまうと、何か先が見えない
日本
になってしまっているような感じするんですが、そこら辺のことについては
金井参考人
はどのようにお考えですか。
金井利之
91
○
参考人
(
金井利之
君) まず、
内閣機能
強化というのは、各省に対して
内閣
ないし
内閣
府や
内閣
官房がグリップを利かせていくという発想だったんですね。それが、伊波先生がおっしゃるように、
内閣
が、あるいは
内閣
官房が決めたものは
自治体
を従わせるという話になってしまったのは過剰であって、それは、仮に
内閣
官房が弱くても各省が強くて、各省の法律が
自治体
をコントロールしてしまうというのはやはり集権的であって、それはよくない。 つまり、各省縦割りの集権もよくないけれども、
内閣
官房や
官邸主導
の集権でも
自治体
にとってはどっちも困るわけでありまして、その
意味
では、現状は、国の中での権力配分が変わったということが結果的には
自治体
に対する
分権改革
を目指したということをも押し流してしまう面は多々あるというところが、二〇〇〇年以降のやや
分権型社会
に向かい切れなかったということだろうというふうに思っています。 おっしゃるとおり、各省の法律をひっくり返しちゃうくらい規制改革
会議
とか
官邸主導
が強いというのは、それはあるんですが、それはある
意味
で、じゃ、それがなかったら、各省の規制はやっぱり
自治体
に及ぶんであれば、やはり
自治体
からいえばコントロールが強いということでありまして、そこは問題だというふうに思います。
伊波洋一
92
○伊波洋一君 ありがとうございました。また時間があればもう少し聞きたいんですけれども。 次、
鈴木参考人
にお伺いします。
鈴木参考人
は、
自治体
の経験もあるということで、見ていますと、何か
保育
士の免許も持っているといった話なんですけど。 今、
自治体
、私まあ市長もしておりましたので、しばらく離れているんですけど、時々、役所へ行きますと中が混んでいるんですよ。つまり、仕事が混んでいるんですね、相当。いわゆる、まあコロナもそうですけれども、いろんなものが、国で決めたものがたくさんあるんですよね。そうすると、それをこなすのに、
自治体
の中の
業務
というのはどんどん膨れ上がってしまっている。だけど、人は増やすなという。そこで今、非正規
職員
が多くなっている。いろんな、こんな
状況
なんですね。つまり、先ほどコロナの問題で、本当に条文の変更にしても、読んでいても分からないような改正をしていてその説明書もないという話、
お話
ししていました。 今の実態について、何か本当に、何か国がどんどん決めていくんだけど、確かに緊急事態だから。でも、本当に効率的ではないと、整理もされていないと。国は決めるけど、再点検とかフィードバックはほとんどしないですよね、あとはもう県に任せる、市町村に任せると。 今の
状況
をどう思いますか。
鈴木秀洋
93
○
参考人
(
鈴木秀洋
君)
自治体
の
現場
にいたり
調査
をしたりという中での声というのを聞いた中になりますけれども、やはりやる気がある
自治体
からすると、もっとやっぱり権限をよこしてほしいと。だから、そうしたらもう自分たちで対策ができるということを言いますし、やっぱりその辺が人的にも弱い小さな
自治体
であれば、いや、その点はやっぱり国とかが広域でちゃんと助けてくれなきゃいけないと、やっぱり様々な声が出ています。 私
自身
は、自分の
現場
で
住民
のためにやっていくという、公務を費やしていくというのが自分の生きがいでもありましたし、国が逆に何も決めてくれるなと、自分たちが全部自分たちで決めて
住民
自治
ができていくんだというふうに思っていましたが、今は
研究者
として全国回っていく中でいうと、やっぱり規模ごとだったりとか様々な需要とか体制がありますので、一律にやっぱり決めていくことは難しいのかなと。 今のやっぱりコロナに
関係
してですが、法律体系からすると、
基礎自治体
ができるような権限というのはほとんどないんですね。なので、国だったり
都道府県
がという形になってしまっている。その中でいうと、かなり裁量がない中でコロナに向き合わなきゃいけないというところなので、もう少し
基礎自治体
がやるべきことというのが考えられるものであれば、やっぱりちゃんと法律で
市区町村
というところを入れて、この
部分
については
市区町村
が担ってもらいますよと。先ほど話しましたが、法律の権限の問題だったり、財源の問題だったり、人の手当てだったりということがしっかりすれば、それは
市区町村
でできることというのはもう広がっていくと思います。 今は、事務とかが広がってお金の問題を
補助
しますよというだけなので、非常にその
意味
では
現場
の疲弊感、負担感というのが広がっているというふうに認識しております。
伊波洋一
94
○伊波洋一君 ありがとうございます。また時間があればお伺いします。
田渕参考人
にお伺いします。 企業目線もきっとお持ちでいろいろ見ていらっしゃると思うんですが、
行政
をですね。何々ありきからの脱却というこの言いぶりなんですが、今の
日本
は国ありきなんですよね、はっきり言えばですね。で、国が全てという、国がまずスタートで、最後まで細かいことまで国が決めている。 それは、まあもちろん
国会
の議論、それもいろいろありますから、それに応ずるための、まあちょっと小手先的なものも含めての。ただ、それは余りにも、
状況
が変わればどんどん変わらざるを得ないと。そういうものに後追い的に県や市町村が翻弄されていくということになるんですね。 やっぱり、一定の距離のスタンスを持つ、時間的スタンスも持つということも前提で最適化、まあいわゆる長生き、長もちする決定といいますか、本来の実情に即して対応できる対応というものが求められていると思うんですが、国と
地方
の
行政
の
役割分担
の中で、そういう辺りで感じられていることはありませんか。
田渕雪子
95
○
参考人
(
田渕
雪子
君) 私は、余りそこは感じてはいないというのが実感です。国が全てというようなところは感じていないところなんですね。 実際、中に入っていろいろやられると、そういう縛りというのがかなりきつくあるのかもしれないんですけれども、民間といいますか、そうではないところから見ると、ある程度は機能はしているのではないかというふうな実感は持っております。 ですので、もし国が全てでという問題意識という場合には、もう少しその辺のところを分かりやすく国民の方に提示していただいて、そうしないと議論にならないと思うんです。ですので、まずそうした動きからやっていただくと、本当に国が全てという
状況
であるのであれば、それをどう変えていくかという動きにつながるのではないかというふうに思います。 以上です。
伊波洋一
96
○伊波洋一君
鈴木参考人
に、今度は返ってお伺いします。 今の私の言う、国が全てという言いぶりをなかなか受け止めては、先ほど
田渕参考人
には、いただけません。 国が全てというのはちょっと感じませんか、そこら辺の言いぶり。つまり、実際、
自治体
が全く独自で何かをしたいというときに、助ける手段がほとんどないという、つまり、活用できる
補助
金もないし、それを支える仕組みもないしというような事態というのがいっぱいあるように思うんですが、いかがでしょうか。
鈴木秀洋
97
○
参考人
(
鈴木秀洋
君) 私が先ほど話しさせていただいたのは、新型コロナの
関係
で、例えば
感染
症法だったり新型インフルエンザ特措法というのを見ていった場合に、
市区町村
がやれる範囲、権限の範囲はほとんどないですねということを話させていただいたわけで、ただ、
自治体
の
現場
にいて、そこだけの法律で動いているわけではないので、様々な法律に基づいて
行政
というのはやっていますので、使える法律は様々ありますし、その中でコロナ対策とかをやっていくというのはできるというふうに考えていますので、その
意味
では私も国が全部決めてという形では思っていないというふうになります。使えるものはいっぱいあるなと、努力できるものはあるなというふうに考えております。
伊波洋一
98
○伊波洋一君 沖縄の話に戻りますと、沖縄というのは二〇一二年の新しい振興計画から一括交付金制度というのを取り入れました。およそ二千億円のお金を国一括からもらって、県が市町村に配分をしながら一応
事業
を行う。要するに、
事業
のメニューが決まっているわけじゃないんですね。その上で、ただ、今、
内閣
、国が認めていく仕組みはまたあるんですけれども、いずれにせよ、それぞれの
地域
の
自治体
、実情に合わせて自分たちで考えますという、そういう制度なんですね。 そこで、
金井参考人
にお伺いしますけれども、いわゆる国と
地方
との
関係
で、
地方
自治体
との
関係
で、この
自治体
との
関係
で、どういう
関係
がよろしい、つまり財源の渡し方ですよね、はっきり言えば。どういう
方向
がいいと思いますか。
金井利之
99
○
参考人
(
金井利之
君) 財源の措置、条件
整備
については、一般財源といいますか、
地方
交付税
で措置していくというのが大原則であるということで、どうしても
補助
金のメニューに頼りますと、取り合いになるということと、それから国が目指す
方向
に従った
補助
だけは出るということになって、やはり本来は一般財源主義であると。 その場合に、じゃ、四十七
都道府県
とか千七百の市町村で適切なニーズ配分ですね、人口一人当たりに単純に割れないので、そこが常にもめてはいるんですけれども、それは
補助
金にしたってもめているわけであって、それを取り合いの
競争
にしているというよりは、本来、国と
地方
の
協議
の場のようなところで一般財源として組み立てていくと。 逆に言えば、沖縄であれば、沖縄の特例措置というのはないというふうなことも覚悟した上で、一般財源に立って適正に配分するということを決めていくことが大事だと。ただ、その場合にも、一%の沖縄の声が、ほかの九九%が意地悪をするということがあってはいけないので、そのニーズというのは常に全員にとって合意ができるようなもので配分していくというのが
地方
交付税
の本来の在り方だと思っていますし、そこに戻るべきであるというふうに思っています。
野田国義
100
○
委員長
(
野田国義
君) 時間でございますので、おまとめください。
伊波洋一
101
○伊波洋一君 もう時間来ましたので終わりますが、
地方
交付税
がどんどん減らされているという実態の中で、やはり
地方
の主体を確立するためには、今
お話
があったように、
地方
交付税
を適正化すると、これがやっぱり求められているんだろうと思います。 ありがとうございます。
浜田聡
102
○浜田聡君 浜田聡です。所属政党はNHK党で、参議院の所属会派はみんなの党です。最後の質問、よろしくお願いいたします。
参考人
の先生方には、
皆様
大変お忙しい中お越しくださいまして、本当にありがとうございます。せっかくの
機会
ですので、私の方からは三人の先生方一人一人に質問させていただこうと思います。 まず、
金井参考人
にお聞きしたいと思います。
中央
省庁を単位とした利益共同体、特に官報複合体についての御見解をお聞きしたいと思うんですね。 先生が書かれた著書「
行政
学講義」を拝読させていただきました。この中で省庁共同体という言葉が出てきまして、大変興味深く思います。私なりに恐縮ながら紹介させていただきますと、これは政と官が
中央
省庁を単位として
関係
業界と利益共同体を形成するというものでございます。政官業、ここでは政は政治家で、官は
行政
で、業は各種団体の間に密接なネットワークが形成されて、政官業の鉄の三角形と呼ばれているものがあります。 実際の
政策
過程ですと、この三つに加えて更に三つ加わる。
報道
言論界、あと学者、
専門
家などの学界、あと
自治体
などの
関係
者、
地方
界も加わって、政官業に加えて報学地も合わせた政官業報学地の六角形が形成されていて、この六角形が省庁共同体と命名されているということなんですね。その中で、更に踏み込んであったのが、マスコミと省庁がいわゆる記者クラブによって日常的に密接な
関係
構築して、官報複合体と呼ばれるものがあるということだったんですね。 私は、やっぱりこの記者クラブによる官報複合体を問題視しております。マスコミの本来の役割としての重要なものとしてやっぱり
行政監視
というのがあるんですが、このように官報複合体となって、官と報がつながって、国民の利益を考えずにそれぞれ官と報のお互いの利益のみ追求するような行動をし出すと問題だと思うんですけれども、先生の官報複合体に関する是非など、御見解お聞かせいただければと思います。
金井利之
103
○
参考人
(
金井利之
君) 私の拙い本を読んでいただき、ありがとうございます。 官報複合体というのは私の言葉ではなくて、ほかの方からいただいた言葉ではあると思うんですけれども、マスコミないし
報道
というのはその六つのアクターのうちの
一つ
であって、業界を更に監視する役割も持っていると。 政治を監視し
行政
を監視し、そして各企業や業界もチェックしなければならないという言わば第四の権力と言われているわけですけれども、そういう
意味
で非常に重要な役割を持っているのですが、同時に、マスコミ自体も
一つ
の業界であって、言わば中立的公器としての
報道
の側面と、所詮企業としての自らの利益を追求していくというその二面性をどうしても持っているというところが、その
報道
ないしテレビ局とか新聞社とかいろいろありますけれども、そういうところの更に非常に難しいところでありまして、実際、問題はその各業界、様々な産業
分野
と同じように、やっぱり経営体として成り立たなきゃいけないので、しかも許認可を受けたりするということがあります。 まあ、ここから先はむしろ私が述べなくても
皆さん
御存じだと思いますが、様々な、
報道
界と
行政
、政治との
関係
というのは非常に難しい問題が含まれていると思いまして、そこはやっぱり政治家の自制というのは非常に今求められているというところだろうとは思っています。 ただ一方で、マスコミが政治に対して勝手な批判をして非常に腹が立つということもあろうかと思います。間違っている
報道
をする場合には当然正していかなければならないということもあろうと思いますけれども、そこら辺の、その社会の公器としての六番目の、六つの役割とともに、同時に企業体でもあるというところも非常に問題点というのを持っている。 じゃ、一方で、企業体でないNHKは大丈夫なのかというと、これはまた別の問題ですね。非常に難しい問題を抱えておりまして、経営体でなかったら、今度は一方で政治との
関係
というのは非常に難しい問題なので、この領域は、やっぱり
内閣
主導を構築する中でマスコミの
独立性
とチェックというものがどれだけ役に立つか。しかも、ネットの拡大の中で旧来型のメディアはだんだん
影響
力を落としているわけでありまして、その中でネットでトレンドになっているのを後追いするような
報道
機関
では非常に困るんですけれども、そこら辺の在り方というのは非常に重要なんですね。ただ、政治や
行政
の方から働きかけるというのは、また非常に難しいという領域だと思います。
浜田聡
104
○浜田聡君 ありがとうございます。 私
自身
は、やっぱり記者クラブについては、もう極端ですけど廃止すべきだとも思っているぐらいなんですけれども、まあいろんな御
意見
あると思いますので、
金井参考人
の御
意見
、
参考
にさせていただきたいと思います。 次に、
鈴木参考人
にお聞きしたいと思います。 ここでは、いわゆる社会的弱者の方々を緊急時、具体的には災害時に備えてどうすべきかということについてお聞きしたいと思います。 先生最初の説明にもあったんですけど、要配慮者の方のための
福祉
避難所の設置ですね、
レジュメ
にもあったんですけど、ここにおいて、先生の説明によると、大いに問題があるとのことだと承知しております。 ここにおける問題をどのように解決していくべきかについて御
意見
をお聞きしたいと思います。最初の説明のときに時間の都合上ではしょった
部分
ももしかしたらあったかもしれないですので、その点も併せて御説明いただければと思います。
鈴木秀洋
105
○
参考人
(
鈴木秀洋
君) 災害対応に関してですが、
レジュメ
だと五ページのところに書かせていただきました。 現在ですと、法律、政令は当然あるわけですけど、その中にも
福祉
避難所と明記されているわけではない形になっています。いわゆる
福祉
避難所というものに対してどのような法
制度設計
をするのか。今までの震災を含めて、ガイドラインというのはもう定まっていると。この定まっているガイドラインを見ますと、どうなっているかというと、五ページの五のイのところに、二次避難所的に扱いますよと、二次避難所ですよという取扱いをして、①、②、③というふうにあるんですが、一般避難所にまず行ってそこで申出をすると、二番目としては、そこの中で
福祉
、
保健
師のスクリーニングを掛けていく、三番目に移送を掛けていくというような形の
制度設計
になっているんですね。 ここについて、ただ、十分議論がされていない。なぜかというと、そこのところの、それぞれがボトルネックになってしまって
福祉
避難所が機能をしていないということは現実に起きているからです。
福祉
避難所を知らなければ避難所に行っても申出ができないということになりますし、二番目のところでいうと、
保健
師とかも避難所に行けないということになればスクリーニングを掛けられないということになります。移送といっても、原則は本人ないし親族が連れていくというようなことになっているわけですね。 だとすると、一般避難所に行って、それから
福祉
避難所に、例えば台風です、豪雨ですとかといったときに、そこで移動できるのかというと、ほとんどできない。そのときに、トラック協会とかいろんなところと協定を結んでいますよといっても、じゃ、実際そこに動くのかといった場合、動かないわけなんですよね。だから、これは厳しい言い方をすれば、ここ、形はつくられているけどそのとおり動きませんねというのが現実としてずっと重なっていると。 だとしたら、やらなきゃいけないのは何かというと、
自治体現場
でそれに気付いて改善しているところは幾つかあるんですけど、基本的にはこのガイドラインが変わらなければ、いや、そのとおりにやっていますよということが繰り返されていますので、私としては、このガイドライン、二次避難所ではなくて最初から
福祉
、配慮が必要な方たちが行けるような避難所を
制度設計
をしていくということが必要なんではないのかという御提案をさせていただいております。 以上になります。
浜田聡
106
○浜田聡君 ありがとうございます。
日本
は災害大国でございますので、災害が起こったときに多くの人がどこに避難すべきかということについては非常に重要だと思います。 最近ですと、いわゆる体育館などの避難所に加えて、ホテルとか旅館などを避難所として使うという
政策
が実施されたりしております。コロナ禍でもありますので、
感染対策
も考えれば合理的かなと思います。 ただ、このホテルとか旅館の避難所なんですけれど、これ健常者から見た視点だと思うので、先ほど言われました
福祉
避難所については、社会的弱者の方がしっかりと避難できるようにするのはもう政治の役割だと思いますので、先生からいただいたもの、
指摘
いただいた問題点はしっかりとかみしめていきたいと思います。 ありがとうございました。 最後に、
田渕参考人
にお聞きしたいと思います。 先生には、
政策
評価
の対象についてお聞きしたいと思うんですね。ここではその中で、規制を新設あるいは改廃する際の事前
評価
について、どれが対象になっているのかについてお聞きしたいと思います。
行政
機関
が行う
政策
の
評価
に関する法律施行令の第三条というのがあるんですけれど、それを見ますと、事前
評価
の対象となる規制というのが法律と政令に限定していると承知しているんですね。つまり、省令とか告示あるいは議員立法というのはこの規制の対象外となっておりまして、ただ、規制を細目決定する際には、こういう省令とか告示というのが非常に重要になってくるんではないかと思います。 そういうことで、私としては、規制新設、改廃する際の事前
評価
についてはこのような省令とか告示も加えていくべきではないかなと思うんですけれど、その辺りに関して先生の御見解いただければと思います。
田渕雪子
107
○
参考人
(
田渕
雪子
君) おっしゃるとおりの点、御
指摘
ごもっともというふうに私は思っております。ただ、それをどこまで深く見ていくかというところだろうというふうに思うんですね。 非常に、規制に関するその事前
評価
に関しても、
評価
をしようとすると、非常に、何ですかね、多岐にわたった視点が必要になってくるわけで、そうしたときに、その同じやり方をするのではなくて、規制、法律、法律と制令に関しては今のやり方で、省令とか、もう少しレベルが下がったものに関してはまた違うやり方というものがあろうかと思いますので、そうした観点で、その設置されている法律、対象がどういう形なものなのかというものを整理した上でやはり実施の方法は検討していくべきものだろうというふうに思います。 ただ、そういった視点というのはやはり必要だろうというふうには思います。 以上です。
浜田聡
108
○浜田聡君 ありがとうございます。今後の
参考
にしていきたいと思います。 もう
一つ
田渕参考人
にお聞きしたいんですが、
行政評価
、
政策
評価
を行うための
専門
人材について、国内における現状についてお聞きしたいと思います。
行政評価
、
政策
評価
をしっかりして、それを国民にしっかりと提示して、選挙のときなどのように判断材料としていくことは極めて重要ではないかなと思います。そういうことを、
行政評価
、
政策
評価
をしっかり行う人材の、そういうことをしっかり行える
専門
の人材が必要だと思うんですけれど、それを代表する一人が
田渕参考人
だと思います。 そこでお聞きしたいのが、国内でそういう
評価
を行える
専門
人材というのは十分いるのかどうか、あるいは今後育てていくべきではないかということに関して、御見解をお聞きできればと思います。
田渕雪子
109
○
参考人
(
田渕
雪子
君) ありがとうございます。
専門
人材、
政策
評価
なんですけれども、一九九〇年代の後半から動き始めたという話をさせていただきました。もうそのときには全く
政策
評価
というものがなかったので、人材も何もないんですね。私も一九九〇年代後半、
専門
家ではなかったわけで、民間で
研究
をしていたというところですので、その中で、
地方
自治体
の
皆さん
と一緒に議論しながら積み上げてきたものが今の私になっているんですね。 ですので、
専門
人材に関しては元々あったわけではなくて、あと、
大学
で教えるに当たっても、
政策
評価
論という形で講義の枠というのはあるんですけれども、
専門
学的な、何とか学ではなくて、論なんですね、
政策
評価
に関しては。ですので、論なので、それぞれの
専門
といいますか
政策
評価
を実施されている方々は、それぞれの思いの中で論じているわけです。 ですので、
専門
人材に関して今後どう育てていくかといったところに関しては、私は、育てなければいけないものではなくて、やっていくうちに育っていくものだろうというふうに思います。その方が画一的な形にならなくていいのではないかというふうに私としては思っています。私、たたき上げですので、
専門
人材として育てられた者ではないという中で、
皆さん
民間の力ある方々が多いので、そうした中でその
行政
の方たちと問題意識を共有しながら一緒にやっていくうちに、
専門
人材ちゃんと多分育っていくというふうには私は思っています。 以上です。
浜田聡
110
○浜田聡君 ありがとうございます。 私も、やっぱり
政策
行うに当たって、いろんな
評価
あると思うんですけど、やっぱり重要なのは定量
評価
だと思うんですね。私
自身
はそういうことがもっとそういうのが主流になっていくといいなと思っております。今後の活動に生かしていきたいと思います。 三人の先生方、ありがとうございました。私の質問、終わります。
野田国義
111
○
委員長
(
野田国義
君) 以上をもちまして
参考人
に対する質疑は終了いたしました。
参考人
の
皆様
方に
一言
御礼申し上げます。
参考人
の
皆様
には、長時間にわたり貴重な御
意見
を述べていただきまして、誠にありがとうございました。
委員
会を代表いたしまして厚く御礼申し上げます。(拍手) 本日の
調査
はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後三時四十分散会