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2021-06-07 第204回国会 参議院 決算委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    令和三年六月七日(月曜日)    午後一時開会     ─────────────    委員異動  五月三十一日     辞任         補欠選任      有村 治子君     藤井 基之君      三浦 信祐君     平木 大作君  六月一日     辞任         補欠選任      徳茂 雅之君     自見はなこ君      下野 六太君     安江 伸夫君      松沢 成文君     柴田  巧君      吉良よし子君     武田 良介君  六月四日     辞任         補欠選任      大家 敏志君     本田 顕子君      酒井 庸行君     石田 昌宏君      小沼  巧君     水岡 俊一君      勝部 賢志君     福山 哲郎君      平木 大作君     高瀬 弘美君      安江 伸夫君     下野 六太君      芳賀 道也君     上田 清司君      武田 良介君     小池  晃君  六月七日     辞任         補欠選任      石田 昌宏君     清水 真人君      本田 顕子君     高橋はるみ君      福山 哲郎君     勝部 賢志君      水岡 俊一君     小沼  巧君      上田 清司君     芳賀 道也君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         野村 哲郎君     理 事                 古賀友一郎君                 舞立 昇治君                 牧野たかお君                 古賀 之士君                 里見 隆治君                 上田 清司君                 芳賀 道也君     委 員                 足立 敏之君                 赤池 誠章君                 石田 昌宏君                 今井絵理子君                 清水 真人君                 自見はなこ君                 高橋はるみ君                 滝沢  求君                 豊田 俊郎君                 西田 昌司君                 藤井 基之君                 本田 顕子君                 山田 俊男君                 小沼  巧君                 勝部 賢志君                 岸 真紀子君                 塩村あやか君                 福山 哲郎君                 水岡 俊一君                 吉田 忠智君                 伊藤 孝江君                 下野 六太君                 高瀬 弘美君                 柴田  巧君                 柳ヶ瀬裕文君                 岩渕  友君                 小池  晃君    国務大臣        内閣総理大臣   菅  義偉君        財務大臣        国務大臣        (内閣特命担        当大臣(金融)        )        麻生 太郎君        総務大臣     武田 良太君        法務大臣     上川 陽子君        外務大臣     茂木 敏充君        文部科学大臣        国務大臣     萩生田光一君        厚生労働大臣        国務大臣     田村 憲久君        農林水産大臣   野上浩太郎君        経済産業大臣        国務大臣        (内閣特命担        当大臣原子力        損害賠償廃炉        等支援機構))  梶山 弘志君        国土交通大臣        国務大臣     赤羽 一嘉君        環境大臣        国務大臣        (内閣特命担        当大臣原子力        防災))     小泉進次郎君        防衛大臣     岸  信夫君        国務大臣        (内閣官房長官) 加藤 勝信君        国務大臣        (復興大臣)   平沢 勝栄君        国務大臣        (国家公安委員        会委員長)        (内閣特命担        当大臣防災、        海洋政策))   小此木八郎君        国務大臣        (内閣特命担        当大臣沖縄及        び北方対策、規        制改革))    河野 太郎君        国務大臣        (内閣特命担        当大臣少子化        対策地方創生        ))       坂本 哲志君        国務大臣        (内閣特命担        当大臣経済財        政政策))    西村 康稔君        国務大臣        (内閣特命担        当大臣(マイナ        ンバー制度))  平井 卓也君        国務大臣        (内閣特命担        当大臣消費者        及び食品安全、        クールジャパン        戦略知的財産        戦略科学技術        政策宇宙政策        ))       井上 信治君        国務大臣        (内閣特命担        当大臣男女共        同参画))    丸川 珠代君    副大臣        財務大臣    中西 健治君         ─────        会計検査院長   森田 祐司君         ─────    政府特別補佐人        内閣法制局長官  近藤 正春君    事務局側        常任委員会専門        員        笹嶋  正君    政府参考人        内閣官房内閣審        議官       松本 裕之君        内閣官房内閣審        議官       小森 敏也君        内閣官房内閣審        議官       冨安泰一郎君        内閣官房内閣審        議官       十時 憲司君        内閣地方創生        推進室次長    長谷川周夫君        内閣府健康・医        療戦略推進事務        局次長      渡辺その子君        警察庁刑事局長  藤本 隆史君        総務省大臣官房        長        原  邦彰君        総務省行政管理        局長       横田 信孝君        総務省政策統括        官        吉開正治郎君        法務省刑事局長  川原 隆司君        出入国在留管理        庁次長      松本  裕君        外務省大臣官房        審議官      齊藤  純君        外務省アジア大        洋州局長     船越 健裕君        厚生労働省大臣        官房年金管理審        議官       日原 知己君        厚生労働省健康        局長       正林 督章君        農林水産省大臣        官房長      横山  紳君        農林水産省大臣        官房総括審議官  青山 豊久君        国土交通省総合        政策局長     石田  優君        国土交通省鉄道        局長       上原  淳君        防衛省整備計画        局長       土本 英樹君    説明員        会計検査院事務        総局第二局長   山口  亨君    参考人        日本年金機構理        事長       水島藤一郎君        独立行政法人地        域医療機能推進        機構理事長    尾身  茂君     ─────────────   本日の会議に付した案件理事補欠選任の件 ○令和年度一般会計歳入歳出決算令和年度  特別会計歳入歳出決算令和年度国税収納金  整理資金受払計算書令和年度政府関係機関  決算書(第二百三回国会内閣提出)(継続案件  ) ○令和年度国有財産増減及び現在額総計算書(  第二百三回国会内閣提出)(継続案件) ○令和年度国有財産無償貸付状況計算書(第  二百三回国会内閣提出)(継続案件) ○会計検査要請に関する件     ─────────────
  2. 野村哲郎

    委員長野村哲郎君) ただいまから決算委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  去る四日までに、三浦信祐君、有村治子さん、松沢成文君、徳茂雅之君、吉良よし子さん、小沼巧君、勝部賢志君、大家敏志君、芳賀道也君及び酒井庸行君が委員辞任され、その補欠として藤井基之君、柴田巧君、自見はなこさん、水岡俊一君、福山哲郎君、高瀬弘美さん、小池晃君、本田顕子さん、上田清司君及び石田昌宏君が選任されました。     ─────────────
  3. 野村哲郎

    委員長野村哲郎君) 理事補欠選任についてお諮りいたします。  委員異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 野村哲郎

    委員長野村哲郎君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事上田清司君を指名いたします。     ─────────────
  5. 野村哲郎

    委員長野村哲郎君) 令和年度決算外二件を議題とし、本日は締めくくり総括質疑を行います。  まず、決算委員長として総括的な質問内閣総理大臣にいたします。  新型コロナ感染源収束に向けて効果が期待されるワクチンについて、政府は七月末までに希望する全ての高齢者に二回の接種を終えられるよう取り組んでおられます。先月には、総理のリーダーシップによりまして、自衛隊が運営する大規模接種センターが東京、大阪の二か所に開設され、接種加速化が期待されています。  一方、今月二日に総務省厚生労働省の両省から公表された調査によれば、七月末までに高齢者向けワクチン接種を終了する見込みとした地方公共団体が九八%を超えたと聞いております。地方公共団体皆さん方創意工夫によりまして、大変このことにつきましては感謝申し上げたいと思います。ただ、この調査の結果は見込みであり、七月末までにこれらの地方公共団体高齢者向けワクチン接種を確実に終えるための支援が必要と考えます。  そこで、地方公共団体支援をどのように考えておられるのか、総理見解をお伺いいたします。  また、コロナウイルス変異株については従来株と比べて若年層重症化が高いとも言われておりますが、六十五歳未満に対するワクチン接種について、六月中に高齢者への接種見通しが付いた自治体から開始するとともに、職場大学での接種を進める方針が示されました。この方針を具体的に実現していくためのワクチンの準備や医療従事者確保見通しについて、総理に伺います。  さらに、ワクチン接種による倦怠感等の副反応も報告されています。基礎疾患を持つ方の中には副反応影響を危惧する方もおられると聞いています。このような方々を含めて、接種を希望されない方も一定割合いらっしゃると思いますが、ワクチン接種された方々接種していない方々が混在する状況での感染抑制対策は検討されているのでしょうか。政府対応状況について総理に伺います。  次に、我が国経済は、新型コロナウイルス感染拡大により、非常に厳しい状況が続いております。  令和三年五月の内閣府の国民経済計算、いわゆるGDP統計では、二〇二〇年度GDPは、実質成長率マイナス四・五%と二年連続のマイナス成長名目成長率マイナス四・〇%と八年ぶりマイナス成長と公表されました。  昨年以降、新型コロナウイルス感染症対策財政出動が避けられない状況にありますが、財政状況は厳しさを増しており、令和年度予算においては三次にわたる補正予算が編成され、一般会計の税収五十五・一兆円に対して、歳出は百七十五・七兆円に上がり、公債の発行額も百十二・六兆円となりました。  また、四月の経済財政諮問会議において示された見通しでは、令和年度においても、国と地方基礎財政収支、いわゆるプライマリーバランス赤字額が四十・一兆円と、GDP比七・二%になるとのことです。これは、平成三十年の骨太の方針で示された、令和年度GDP比一・五%にプライマリーバランス赤字幅を抑えるとした中間指標を大幅に超えるものであります。  また、財政需要については、コロナ対策だけではなく、来年令和四年には、いわゆる団塊の時代が七十五歳以上の後期高齢者になり始めることから、高齢化の進行に伴う社会保障の増加が懸念されるところです。  五月の経済財政諮問会議において菅総理は、財政健全化の旗を下ろさず、歳出改革努力を続けていくと述べられておられますが、ポストコロナにおける経済再生財政再建の道筋について、総理見解を伺います。  次に、我が国においては、少子高齢化人口減少等に伴い、農産物の国内消費が減少するなどの影響が出ております。さらに、農村地域においては、高齢化人口減少に伴い、営農環境保全が深刻な課題となっております。農林水産省は、農業者高齢化が進行していることを踏まえ、これまで、新規就農支援等担い手確保農地集約等に対する生産性向上に取り組んできました。  農村人口が減少する中、担い手への農地の集積、集約が進み、耕作する農業者数が減少するにつれ、これまで集落全体で取り組んできた用水路整備農業インフラ維持管理が困難となりつつあります。これらの作業については機械化が困難で、担い手だけの努力ではこのような営農環境保全が厳しくなっているのが現状で、サポート対策が必要となっております。  営農環境維持保全には、これらの活動に参加する人員の確保が重要であり、農業以外に生業を持つ方々、いわゆる半農半Xといった方々の参加を促進し、地域営農環境保全する観点から、日本型直接支払制度などの支援制度の拡充や、農村人口確保に向けた定年後のUターン就農に対する支援制度の創設など、政策を充実強化していく必要があると考えます。  今後の農村維持営農環境保全について、総理の認識をお伺いいたします。  また、近年、台風や大雨といった災害が頻発化、激甚化しており、農村においては、河川の氾濫や土砂崩れ等による集落の孤立、農地の崩壊や冠水といった被害が毎年のように発生いたしております。防災減災国土強靱化のための五か年加速化対策の策定などにより、防災における当面の財源は確保されていると認識しておりますが、農村における防災国土強靱化推進にどのように取り組まれるのか、総理にお伺いをいたします。
  6. 菅義偉

    内閣総理大臣菅義偉君) 野村委員長の御質問三点について、お答えをさせていただきます。  まず最初、ワクチンについてであります。  諸外国の状況を見ても、ワクチン感染症対策の切り札になるものであります。まずは七月末までに高齢者への接種を終えるべく、私自身が先頭に立って接種加速化推進しております。現在は、総接種回数が、毎日八十万回前後増えており、千七百万回を超えております。  その上で、今月中に、高齢者接種見通しが付いた自治体から、広く一般の方への接種開始をしていきます。このために、歯科医師救急救命士臨床検査技師方々接種できるようにしたり、接種費用上乗せ支援を行うなど、自治体状況を個別に丁寧にお聞きし、しっかりと対応しているところであります。  また、六月中旬以降、職場大学などで接種開始をすることとし、先般、経済団体のトップの方と直接お会いをし、協力を要請をいたしました。職域接種についてはモデルナ社ワクチンを使用する予定でありますが、九月末までに五千万回分を確保しており、しっかり現場に供給をしてまいります。また、自治体接種影響を与えないよう、接種に必要な医療従事者や会場を自ら確保できる企業や大学等において実施をすることにいたしております。  なお、今回のワクチンは、発症予防重症予防について高い効果を示しておりますが、感染防止効果を有するかについては現時点においては明らかでありません。当面、接種の有無にかかわらず、引き続き、マスク着用、手洗い、三密回避といった基本的な感染対策を行っていただくことが必要になると考えています。  一日でも早く希望する国民皆さん接種できるよう、政府を挙げて対応してまいります。  次に、経済についてお答えをいたします。  私の内閣では、経済あっての財政との考え方の下に、まずは新型コロナ対策全力を尽くし、成長志向型の経済政策を進め、デフレ脱却経済再生に取り組むことにいたしております。この中で、財政健全化の旗も下ろさず、プライマリーバランス黒字化債務残高GDPの縮減という目標に向け、歳出歳入両面改革を進めていくことにいたしております。  今後、まずは新型コロナの一日も早い収束に向け、感染対策ワクチン接種全力を挙げつつ、事業と雇用、暮らしを守るための支援策を着実に実施していきます。  その上で、ポストコロナ成長の原動力となるグリーン、デジタル、さらには地方所得向上少子化対策という大きな課題に取り組み、経済を新たな成長軌道に乗せるべく取り組んでまいります。  昨年末には、七十五歳以上の高齢者窓口負担見直し、薬価の毎年改定を決定をし、現役世代負担軽減を行いました。今後、更なる高齢化が進む中で、給付は高齢者中心負担現役中心といった構造を見直し、全ての世代が安心できる仕組みとなるよう社会保障改革にもしっかり取り組んでいきたいと思います。  次に、農村維持防災等についてであります。  私は、活力ある地方をつくるという一貫した姿勢で政策に取り組んできました。農業でしっかり所得を得られるようにして、若者が自らの将来を託せる職業として農業を選び、地方で豊かな生活を送ることができるようにしていきたいと思います。  四十年以上続いてきた米の減反の見直しや六十年ぶりとなる農協改革、行ってきました。やる気のある農家が農地を集積し、野菜など、より高収益な作物を自由に選び販売することで所得向上させる、農産品輸出拡大のために牛肉やイチゴなどの重点品目ごと国別目標額を定めて産地を支援をしていきます。  昨年、輸出額政権交代前から倍増し、今年に入っても対前年比三〇%の高い伸び率となっておりますが、こうした施策を進めることによって二〇三〇年五兆円の目標の達成を目指していきたいと思います。  その上で、農業生産の基盤である用水路などの維持管理については、その補修や保全地域ぐるみで行う共同活動をしっかり支援をしてまいります。  また、農村防災対策については、五か年加速対策に基づき、ダムの事前放流やため池の改修など、着実に推進をしてまいります。  以上であります。
  7. 野村哲郎

    委員長野村哲郎君) 以上で私の質疑を終わります。  質疑のある方は順次御発言をお願いいたします。
  8. 舞立昇治

    舞立昇治君 自由民主党の舞立昇治です。  まずは、本日、質問の機会を与えていただいた参議院自民党関口会長世耕幹事長を始め同僚の皆様、そして、日頃御支援いただいております地元鳥取県、島根県の皆様方に厚く感謝、お礼申し上げたいと思います。  また、本日は、決算委員会締めくくり総括質疑に当たり、総理始め全大臣にお越しいただきましたこと、厚くお礼申し上げます。締めくくりにふさわしいやり取りができるよう念じつつ、質問に入ります。  まず、総務省幹部職員利害関係者との不適切な会食等について、二つまとめて質問いたします。  本年二月に東北新社の社員との会食が報道で明らかになって以降、三月にはNTTグループとの会食が報じられるなど、総務省職員の不適切な会食問題が国民疑念を招く事態となっていました。この問題について武田大臣真相究明に徹底的に取り組むことを国会で約束され、先週の四日、総務省において、国家公務員倫理規程に違反する疑いがある会食調査の結果が公表されました。結果として、三十二名の職員による七十八件の会食について倫理法令違反が確認されたとのことです。総務省職員倫理法令に違反する会食を数多く行っていた事実が明らかになったことは、総務省、そして行政に対する国民からの信頼が大きく損なわれたと言わざるを得ず、誠に遺憾であり、猛省を求めます。  もう一点。東北新社との間の会食では、総務省情報通信行政がゆがめられたのではないかということが指摘されていました。東北新社については、今年三月に外資規制違反が明らかとなり、放送法上の認定が取り消されましたが、認定された平成二十九年当時に外資規制違反東北新社総務省に報告していたのではないか、会食によってそれが見過ごされたのではないかということが国会でも大きな問題となりました。  こうした疑念については情報通信行政検証委員会検証を行うこととされ、これも先週四日に報告書が取りまとめられました。報告書の中では、総務省担当課長外資規制違反を認識しながら東北新社認定を取り消さなかった可能性が高い、そうであれば行政がゆがめられたとの指摘を免れない、会食にかかわらず行政がゆがめられた可能性があり深刻に受け止めるべきといった厳しい指摘がなされています。総務省は、この報告書を重く受け止め、こうしたことが二度と起きないよう深く反省すべきと思います。  以上、会食調査結果と検証委員会報告書に対する受け止めとともに、今後、再発防止にどう取り組むのか、そして総務省信頼回復に向けた決意について、武田大臣からお願いいたします。
  9. 武田良太

    国務大臣武田良太君) この度の総務省幹部職員倫理法令違反に係る事案により行政に対する国民信頼を失う事態となっていることにつきまして、深くおわびを申し上げたいと存じます。  倫理規程違反疑いがある会食調査については、六月四日に結果を取りまとめ、三十二名の職員について延べ七十八件の会食倫理規程違反を確認し、減給、戒告等の処分を行ったところであります。私自身も、このような事態に至った責任を改めて痛感し、前回の自主返納に加え、新たに大臣給与三か月分を自主返納することとさせていただきました。  また、情報通信行政検証委員会にまとめていただいた報告書では、総務省外資規制への抵触を認識しながら東北新社認定を取り消さなかった可能性が高いこと、そうであるならば行政をゆがめたとの指摘を免れないとの厳しい指摘をいただいており、この点は重く受け止めなければならないと考えております。他方、報告書では、会食の場で外資規制違反やその対応について話題に上った事実は確認されないとしており、会食によって行政がゆがんだとはされていないところであります。  いずれにせよ、私としても報告書は重く受け止めており、担当課長らには、許認可の持つ重みを十分自覚して今後の業務に当たってもらうこと、許認可の経緯の記録が残っていないことは問題であり、文書管理の重要性を改めて認識することを指示したところであり、許認可の審査の在り方の改善や適正な文書管理に取り組んでまいりたいと考えております。  国民信頼回復に努めていくためにも、検証委員会には引き続き他の情報通信行政についても検証を行っていただき、総務省としても万全の協力を行ってまいりたいと考えております。
  10. 舞立昇治

    舞立昇治君 武田大臣、持ち前のリーダーシップで是非総務省を立て直していただきますよう、よろしくお願いいたします。  次に、新型コロナウイルス問題に移りますが、感染症との闘いが一年以上もの長い間続いています。医療関係者を始め多くの国民が疲弊し、従来の少子化人口減少問題等のリスクも一層深刻なものとなり、将来不安は高まるばかりです。現在、ワクチン接種の円滑な推進全力投球するなど、総理始め政府も精いっぱい努力いただいていることは百も承知ですが、対策の継続と強化に一層の御尽力をお願いいたします。  昨年夏の第二波の頃ですが、地元からは、コロナの病床を十分確保して病床の逼迫を防げば社会経済活動を止める必要はないのだから、なぜ国や東京などの大都市はもっとコロナ病床を増やさないんだとお叱りを多く受けました。この点、人口当たりの病床数では世界一と言われながら、医師や看護師はむしろ少ないこと、公立は少なく、民間病院の割合が約八割と圧倒的に多く、中でも小さな病院が多いこと、一般医療も止めずに対応したことなど様々な理由があるのは分かりますが、全国の病床数約百六十二万床、まあ結核や精神病床を除くと約百二十八万床ですが、これに対しコロナ対応病床は昨年五月で約一万八千床と、たったの一・四%、本年五月でも約三万四千床で二・七%にしか増えていない現状。イギリスでは二割、アメリカでは一四%確保したとも言われています。それからはやはり政治も行政も言い訳できませんし、自宅療養や宿泊療養で亡くなる人がいまだ発生するなど、本来救えるはずの命が救えないような事態はもう金輪際なくしてほしいと思います。  ついては、現在行っているコロナ対応病床の増加に向けた取組を伺うとともに、今後の備えとして、国産ワクチンや治療薬の開発、生産体制の強化を始め、有事の際の医療法や特措法、感染症法における国や県の医療提供体制確保に係る指揮命令系統の在り方、必要な病床と医師、看護師確保の在り方、またそれらを踏まえた医師の臨床研修、配置の在り方など、医療提供体制の更なる強化、見直しの検討や予算の充実が必要と考えますが、田村大臣からお願いします。
  11. 田村憲久

    国務大臣(田村憲久君) 様々欧米とは違っている現状があるのは確かであります。  感染者という意味からすると、最大感染者数、新規でありますけれども、日本も大変増えましたけれども、欧米から比べるとやはり比較では少ないと。当然、必要なベッド数は変わってくるということもあります。  それから、もちろん欧米等々は、御自宅で待機されて病状悪化された方々もおられると思います。日本も、増えてくると同じような状況になってくるということでありますので、しっかり病床は確保しなきゃなりませんが、一方で、病床を確保したからといってほっておきますとあっという間に感染者増えますので、どこかではやはり感染拡大を防ぐためのいろんな対応をしないことには、病床数というものは無尽蔵にはないということでございますので、そういうことも踏まえながらのいろんな対応、これが必要になってきたということだというふうに考えております。  ちなみに、この一月の感染拡大を我々経験いたしまして、三月には、四月、五月、五月までに病床数しっかりと最大規模、まあ私よく一例で、倍ぐらい、一月の倍ぐらいの病床と申し上げたんですが、それぐらいの確保をお願いいたしたいということを申し上げました。五月中ということで計画が今出てきておりますが、それまでの四月にも感染拡大があり得るかも分からないので緊急の対応もお願いしますと、こういうダブルトラックのお願いをいたしまして、それぞれ、大阪なんかはもっと感染のスピードが速かったものでありますから十分ではなかったわけでありますけれども、しかし一定の各自治体、御努力もいただいてきたところであります。  これをまた我々参考にさせていただきまして、今般法律改正をいたしました医療法、この中においてしっかりと、感染症拡大時、そのときの医療というものを、これは医療法の中のその医療計画の記載事項に盛り込まさせていただいて、これコロナだけじゃありません、いろんなことがこれから感染症で起こると思いますので、今回のことをいろいろと学びながら、感染症が急に拡大したときにもしっかり対応ができる体制を日頃から各地域でおつくりをいただく、こういうことを目指して今法改正をして準備を進めているところであります。
  12. 舞立昇治

    舞立昇治君 ありがとうございます。田村大臣、大変ですが、引き続きよろしくお願いいたします。  次に、昨年来、累次の補正予算等でコロナに苦しむ国民や企業に対して様々な支援策がなされ、失業率を低い水準に抑えていることなどは率直に評価したいと思いますが、本日は、事業者が今後も安心して経営に、そして前向きな投資に取り組めるよう総理に御検討いただきたい項目を質問します。  本年度に入ってから多く聞かれる声ですが、企業の資金繰り支援に関する問題です。コロナ対応として政策金融公庫等による実質無利子無担保のいわゆるゼロゼロ資金の融資は高く評価されていますが、二年目を迎え一層経営が厳しくなる中、申請期限は年末まで延長されたものの、経営者たちからは、今は何とか融資で食いつないでいるが、結局は全部無利子でもないし返さないといけないお金、この先返済していけるかとても不安、全部とは言わないけれどもある程度免除なり給付金なり追加支援が欲しいと助けを求める声です。  返済能力が十分にある企業は問題ないとしても、厳しい企業に対し、返済をただ猶予するだけなのか、あるいは会社が潰れて債務が焦げ付くまで返済を求め続けるのか。それとも、仏の対応で、住民税非課税世帯等の生活困窮者には緊急小口資金等の返済を免除したり追加で最大三十万円の給付をするのと同様に、一定の厳しい企業には債務の一部免除や新たな給付金の追加支給などの措置を講じるかどうかによって、今回のコロナ危機、有事への国の対応として評価は大きく分かれると思います。  今はまだ据置期間中で返済はもう少し先になりますが、少し先だからこそ、今から不安を取り除き反転攻勢に備えることが重要と考えます。ついては、今後ゼロゼロ融資の返済にどう対処していくのか、苦しい企業には何らかの救済措置を検討するなど、総理から前向きな答弁をお願いいたします。
  13. 菅義偉

    内閣総理大臣菅義偉君) 新型コロナにより影響を受けた事業者や個人の方々をしっかり支援をしていく、このことが重要だというふうに認識をしております。  こうした観点から、先般、日本公庫等による無利子無担保融資について、当面、年末まで延長することとしたところであり、事業者の資金繰り支援に万全を期していきます。また、官民の金融機関に対して既存の融資の条件変更、返済猶予などについて柔軟に対応するよう配慮を要請をし、さらに飲食、宿泊などの事業者について、傷んだ財務基盤を強化するために、政投銀などによる資本性のローンを使いやすいものにしております。  引き続き、事業者の声にも耳を傾けながら、事業と雇用、暮らしを支えていきたい、このように思います。
  14. 舞立昇治

    舞立昇治君 ちょっと前向きという感じというよりかは今の現状をお話しいただいたわけですが、今後、各、確かに地域によって違います。地方創生臨時交付金の大幅な増額で各県や市町村の対応に任せるとか、そういった柔軟な対応も含めて御検討願いますよう、よろしくお願いいたします。  次に、経済財政政策の基本認識に移ります。  さきの大戦後、奇跡と呼ばれる高度経済成長を果たした日本ですが、平成に入りバブル崩壊後は、御承知のとおり、先進国の中で唯一日本だけ長期間にわたりデフレの闇に落ち、日本だけ経済成長がはたと止まり、失われた二十年、そして三十年が過ぎようとしています。アベノミクスによりデフレではない状況までは改善しましたが、消費税の増税や抑制的な財政出動等でGDPも賃金も物価も思ったほど伸びず、デフレ脱却宣言ができないまま景気後退局面に入り、その先が今回のコロナです。  昨年度GDPは戦後最大のマイナス四・六%の下落となり、またデフレの闇に落ちるんじゃないかと強い危機感を覚えています。二〇二五年問題などを控え、残された時間も少ない中、いよいよ今後の対応いかんによって、失われた三十年がまた続くのか、あるいは他の先進国同様にインフレ基調でまた経済成長していける国になれるのか、歴史的分岐点だと思います。  そこで、まず、金融政策については、大胆な金融緩和に始まり、より効果的かつ持続的な形で継続していただいているので、デフレ政策として高く評価します。その上で心配なのが経済財政政策です。  まずは、基本に立ち戻る意味から、デフレがいかに経済財政にとって悪いものか、そして今、政府、日銀が目指す二%物価安定目標、つまり適切なインフレをなぜ実現する必要があるのかについて分かりやすく御説明いただくとともに、増税と減税、財政支出拡大と削減の選択肢について、インフレ時とデフレ時に政府が取るべき選択としてどの組合せが良いと考えているのか、西村大臣から答弁をお願いします。
  15. 西村康稔

    国務大臣(西村康稔君) お答え申し上げます。  まず、デフレとは、物価が継続的に下がり続けること、それに伴って資産価格も下がり続ける状態であります。そうなると、人々は更に下がると予測をして買い控えが起こる、そうするとまた下がるという、この悪循環に陥るわけであります。これを貨幣の側から見ると、少ない金額で同じものが買える、同じ資産が買えるということですから、貨幣の価値が上がっているわけであります。  したがって、家計でいえば、消費せずに貯蓄を増やす、その方が貨幣の価値がどんどん上がっていく。企業からすると、投資をせずに内部留保を増やしていく、こういうふうに働くものですから、なかなか投資も起こらないという悪循環になっていきます。特に、企業は売上げも下がっていくことが考えられますので、当然、人件費を下げようと、コストを下げる観点から人件費を下げようということで所得も伸びず、個人消費も伸びない、経済全体が縮小傾向になると、これがデフレの、いわゆるデフレスパイラルに陥ったときの大変悪い状態であります。  したがって、世界中のほとんどの主要国において二%前後のインフレ目標を実現をしようと、そういう政策運営を行っております。我が国におきましても、二〇一三年一月の、まさに政権交代して以降、政府日本銀行の共同声明においてこの物価安定目標の二%を掲げて、政府、日銀一体となってデフレ脱却、そして経済再生全力を挙げて取り組んできているところであります。  御指摘のように、金融政策に加えて、財政政策成長戦略が大事であります。一番目に、機動的な財政政策ということで、昨年の緊急事態宣言、意図的に経済を止めたためにGDPギャップが五十八兆円、一〇・五%となった、そういう状況も踏まえて、累計で事業規模二百九十三兆円の、GDP比で五〇%を超える、世界でも最大級の対策を講じてきているところであります。この結果、今も御指摘ありました、失業率は先進国で最低水準の二・八%でありますし、倒産件数も昨年は、二〇二〇年は過去三十年で最低、今年に入っても四月の倒産件数は過去五十年で最低の水準ということであります。  今は、まさに、財政支出をちゅうちょすることなく、厳しい状況に置かれている、影響を受けている皆様に対して重点的、効果的な支援策を講じるべきときということであります。御指摘ありましたように、まさに今の状況も踏まえつつ、四兆円の予備費もありますので、この活用も含めて機動的に必要な対策を講じていきたいと考えております。  同時に、一点だけ、御指摘のように、グリーン、デジタルといった今後の成長、新たな成長戦略も重要であります。まさに呼び水となる政府が支出を行って、これに民間の投資、イノベーション、創意工夫、こういったものを引き出すことが大事でありまして、また、そうしたことで経済全体の生産性を高めて賃金の継続的な上昇を促していくと、このことも非常に重要だというふうに考えております。そして、新たな商品開発促す中で消費も引き出していく、まさに民需主導の経済回復につなげてまいりたいと考えております。  いずれにしましても、決してデフレには戻さないという強い決意の下、日本銀行とも連携しながら、デフレ脱却、そして経済再生全力を挙げていきたいと考えております。
  16. 舞立昇治

    舞立昇治君 ありがとうございました。再度、経済再生なくして財政健全化なしという考えを堅持していただきたいと思います。  これまで、自民、公明、民主の三党合意による社会保障と税の一体改革など、やむを得なかった面もございますが、デフレなのにデフレを招く消費税の増税やマイナスシーリング等による歳出削減が経済再生と一体的に、いや、むしろ優先されてきたことがデフレ問題長期化の要因と思います。  実際、二十年前の平成十三年から歳出削減が続いた平成二十四年当初予算までの状況を見ると、当初対比では予算は約七・七兆増えていますけれども、主な要素は社会保障費を持つ厚労省で八・六兆、国債の償還費を持つ財務省で約五・六兆、これだけでもう約十四・二兆です。つまり、その他の省庁は軒並み削減され、実に約七兆円もの予算が減らされ、社会保障以外の歳出の対GDP比が先進国で最低水準まで落ち、なかなか削減の余地はもう余りないということは御承知のとおりです。  そうはいっても、国債残高も一千兆円を超えてGDPの倍になった中で、財政は危険水域とか不安をあおる声もございますが、ここは危機管理に強い財務省を評価したいと思います。  一千兆という負債だけ見ればすごい数字ですが、通常、財務状況は資産と負債両面で見るのが適当であり、財務省は現金化が難しいと言うでしょうけれども、令和年度の国の連結バランスシートでは、資産と負債の差額はマイナス約五百兆まで、GDPと同水準まで下がります。問題とされる国債の半分は日銀が保有しており、海外の保有割合は七%程度で、これを大幅に上回る外貨準備金がございますほか、海外が注視する国際収支、経常収支、金融収支とも約二十兆の黒字をしっかりと継続しております。至極健全です。また、個人の金融資産は国債残高を大幅に上回る約千八百兆円、自国通貨建ての円はドルと同様に信用があり、金融政策も適切でハイパーインフレになる気配すらない状況などからは、いまだ財政余力は残されており、財務省には是非、コロナやデフレで国が身をもって減税なり歳出拡大で赤字を増やして民間部門を支えないといけないときは、財政法四条の赤字国債発行禁止の原則は例外となり、むしろ赤字国債発行で危機を乗り越えるのが原則になることを御理解いただきたいと思います。  現在、国民の命を守る医療、命をつなぐ農林水産業、教育や科学技術、人材投資等の充実、国の平和と繁栄の基盤たる防衛力、海上保安体制、経済安全保障等の強化、東京一極集中是正や地方創生少子化や孤独、孤立、生活困窮者対策、中山間、過疎、離島地域、挙げれば、国土強靱化も含めて予算増が必要なものは切りがございません。このためには、国の予算全体の更なる底上げが必要不可欠です。  日本の場合、税の上げ下げや歳出増減の政策変更に時間が掛かるほか、予算年度主義で中長期の投資がしにくい硬直的な構造になっているため、是非総理にはこの構造、前例を打破していただきたいと。アメリカのバイデン政権と歩調を合わせて、当面、二%物価安定目標を達成するまでは、当初予算を最低でも一割程度増やして、デフレ脱却宣言と国民福祉と経済の底上げ、国力の強化に集中していただきたいと思いますが、総理から答弁をお願いいたします。
  17. 菅義偉

    内閣総理大臣菅義偉君) 私の内閣では、経済あっての財政という考え方の下に、まずは新型コロナ対策全力を尽くし、成長志向経済政策を進め、デフレ脱却経済の再生に取り組むことにいたしております。この中で、財政健全化の旗を下ろさず改革を進めていくことにしています。  このため、昨年度の第三次補正予算経済対策において、約四十兆円の財政支出により、新型コロナ対策に加え、グリーン、デジタルなどの今後の成長の原動力となる対策を盛り込み、今年度予算においても五兆円の新型コロナ予備費を盛り込んでおり、前例にとらわれずに思い切った予算措置を講じております。  今後も、まずは新型コロナの一日も早い収束に向けて感染対策ワクチン接種全力を挙げつつ、事業と雇用、暮らしを守るための支援策を着実に実施していきます。その上で、経済を新たな成長軌道に乗せるべく取り組んでいきたいと思います。
  18. 舞立昇治

    舞立昇治君 ありがとうございます。  是非、総理には、今、デフレからの脱却で経済を正常に戻すため、今はしっかりと歳出拡大で臨みますと、そして、インフレになって、インフレが過熱ぎみになれば、それこそ財務省が本領を発揮して、増税なり歳出削減で景気の熱を冷やしますと、しかし、冷やし過ぎると、冷やし過ぎそうになれば、またしっかりと歳出拡大、減税なりで対応します、その繰り返しで日本以外の先進国は戦後しっかりと経済成長、二〇〇〇年代に入ってからもやっておりますので、是非そのインフレ、デフレ政策の柔軟かつ適切な実行をよろしくお願いいたします。  そして、最後、今日二問、赤羽大臣に二問一括してお願いいたします。  今日は、昭和六十二年の国鉄民営化と平成十一年の鉄道事業法の改正による規制緩和に一石を投じたいと思います。  まず、国鉄民営化ですが、その頃は経済人口も右肩上がりで、物価もインフレ基調であり、正しい選択だったんだと思います。しかしながら、民営化から三十年以上過ぎた今、長年のデフレと人口減少に苦しむ地方では国の鉄道政策に対する不満と不安が相当たまっているのも事実です。  不満の項目は、昨年四月もこの委員会で取り上げましたが、新幹線の問題で、山陰や四国地方では五十年近くも後回しにされ、成長や競争の公平な基盤をいつまでたっても整備してもらえず、人、物、金の流出被害の影響は底知れず、コロナでJRが大幅に減収となる中、更に後回しにされるのではないかと強く懸念しています。  昨年はラグビー元高校ジャパンの赤羽大臣から激しいタックルをいただいたものの、安倍前総理の優しいカバーで何とか倒れずに済みましたが、赤羽大臣のリカバーが何とか欲しい今日この頃です。また、思いを形にがキーワードのふるさと納税を見事実現した菅総理には、是非山陰や四国地方の思いを早く形にしていただきたいと切に願います。  地球環境に優しい新幹線の整備総理肝煎りの二〇五〇年カーボンニュートラルにも資する話であり、ポストコロナで集中から分散へ、過密から過疎への発想の転換が求められる中、いま一度、人口や効率性最優先の考えや費用対効果、事業評価の在り方を見直すとともに、新幹線の全国ネットワークの早期構築に向け、JRへの国の関与の見直し地方への財政支援強化のほか、外国人観光客を含む新幹線の恩恵を受ける全ての利用客から乗車の際にほんの少し負担を求める仕組みの創設など、国鉄民営化やJRの同意等を要件とする着工五条件の再検証見直しが必要と考えますが、これがまず一点目でございます。  次に、平成十一年の鉄道事業法の改正による規制緩和で、鉄道事業者が届出だけで地方のローカル線を廃止できるようになった問題です。  現在、島根県には、松江市にある山陰本線の宍道駅から広島県庄原市にある芸備線の備後落合駅までの間を縦軸でつなぐ木次線がありますが、先週、観光客や地元住民に人気のトロッコ列車、奥出雲おろち号ですが、老朽化を理由に二〇二三年で運行を終了する旨の発表がなされ、地元は大変ショックを受けました。同時に、コロナで減収になったJR西は赤字路線の木次線をいずれ廃止しちゃうんじゃないかと不安を募らせています。島根選出の細田先生、竹下先生、青木一彦元国交副大臣三浦先生もみんな心配しています。  いまだ人口増が続く東京のような大都市では鉄道事業者の自由な参入や撤退は別に問題ないと思いますが、地方では、通勤や通学、通院の足の確保、観光振興など、その地域にとっては大変重要なものであり、単に赤字という理由では割り切れません。まして、ポストコロナは集中から分散ということで、まさにこの木次線沿線地帯のような自然豊かで食も豊富、地域住民のきずなや支え合いが残る、気付いたら玄関に野菜が置いてある、そのような温かい地域で安心して希望を持って暮らせるようにすることが、国土保全や東京一極集中の是正、地方創生等の面からも重要と思います。  ついては、民営化したJRが安易に地方の大事な路線を廃止しないよう、国の財政支援強化を始め、郵政やNTTにある一定の交付金制度を参考に、JRにもユニバーサルサービスの提供義務を課すことや、鉄道事業者が路線廃止する際に、国や地元自治体の関与を強くしたり、エリアによっては届出を許可制に変更するなど、鉄道事業法も令和の時代にふさわしいものに見直す必要があると考えますが、以上二点、赤羽大臣から地方の不満と不安に配慮した優しい答弁をお願いいたします。
  19. 赤羽一嘉

    国務大臣(赤羽一嘉君) 常に優しい答弁を心掛けているつもりでございますが。  国鉄改革自体は、委員指摘のとおり、鉄道輸送サービスの信頼性ですとか快適性を大いに改善されたというふうに私も評価をしておりますが、他方で、分割・民営化後もう既に三十四年を経て様々な課題に直面もしているというふうに承知をしております。  今国会でも国鉄長期債務等の処理法を改正していただきまして、JR二島貨物会社に対する相当踏み込んだ支援策、これはやはり路線は維持しなければいけないという思いと、まだまだ観光その他で大きく飛躍できる可能性があるというふうに確信しておりまして、相当踏み込んだ支援策も取らせていただいたところでございます。  新幹線は、近年、北陸新幹線の金沢開業ですとか九州の鹿児島ルートの開業で大変大きな成果を残しておりますので、各地方にとって地方創生を考える上で、この新幹線の鉄道ネットワークを何とかという強い強い声があるのは十分承知をしております。  他方、現在の整備新幹線は、全国新幹線鉄道整備法に基づきまして、昭和四十八年の整備計画で、北海道新幹線、東北新幹線、北陸新幹線、そして九州新幹線の鹿児島ルートと西九州ルートと、この五つの路線をまず優先して整備していこうという計画で進められております。現状、この五つの路線、まだ全て終わっているわけではないので、現在の最優先の課題としては、この整備計画路線を確実に整備にめどを立てるということが喫緊の課題というふうに承知をしておりますが。  他方で、コロナの影響で働き方が変わり、住まい方が変わり、都市から地方への人口の移動ですとか二拠点居住ですとか、そうした社会の変化が大きく動き始めておるというのも私は認識をしているところでございますし、他方で、今後、観光立国政策はしっかりと、これ地方創生に資すると思っていますので、進めていく中で、観光地へのアクセスとしての新幹線ネットワークの必要性も大きく変化をしていくということも十分予想されるわけでありますので、そうした意味で、今の整備新幹線計画とは別に、それが完了した、というか今からですね、その他の地域も御指摘のとおりどうしていくのか、様々な条件をどう見直すのか、推進はどうするべきかということはしっかりとこの国会で、四国新幹線についても何回も質問を受けておりますので、逃げずに腹を決めて議論をしたいと、検討したいと、こう考えております。それが一つです。  他方、やはり鉄道の必要なのは、やはり人口減少、過疎化が進むところで住民生活の足を守るというのは、これはもう大変大きな課題でございます。経済性が成り立たないからといってすぐ廃業できるわけじゃありませんし、他方で民間会社が担っている部分もありますので、これをどう調整していくのかというのは大変難しい問題でございます。  今、木次線につきましては、トロッコ列車が廃止、やめるということと廃線とは全く別というふうに承知をしておりますので、JR各社を始め、それ以外の交通事業者と、あと地域自治体ともしっかりと、過疎地域での交通事業の在り方については、これは、これもう本当に一番大事な問題だと思っておりますので、しっかりと国交省として全力で検討してまいりたいと思いますので、是非今後とも地元の声を伝えていただければというふうに思います。  以上です。
  20. 舞立昇治

    舞立昇治君 終わります。ありがとうございました。
  21. 野村哲郎

    委員長野村哲郎君) 関連質疑を許します。足立敏之君。
  22. 足立敏之

    ○足立敏之君 自由民主党の足立敏之です。  本日は、菅総理を始め、全閣僚御出席の下、質問の機会を与えていただきまして、野村委員長理事委員皆様、そして参議院自民党の幹部の皆様に感謝を申し上げたいと思います。  私は、これまで建設分野の代表としてインフラ整備防災、災害対策などに取り組んでまいりました。本日は、そうした経験を踏まえまして、コロナ禍の日本経済の再生に向けたインフラ投資の必要性をテーマに質問をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。  まずは、これまでに新型コロナウイルスによって亡くなられた皆様に謹んで哀悼の意を表しますとともに、感染された皆様の一日も早い回復をお祈り申し上げます。  また、医療分野を始め、国民の生活を支えるため様々な現場の最前線で新型コロナウイルスと闘っている全てのエッセンシャルワーカーの皆さん、さらにはオリンピック・パラリンピックの開催に向けて頑張っておられる全ての皆様に心から感謝を申し上げたいと思います。(資料提示)  五月の十八日、日本GDP内閣府により発表されました。二〇二〇年度の実質GDPは、新型コロナウイルス影響によりまして対前年度マイナス四・六%、先ほど舞立先生からも御指摘ございましたけれども、戦後最悪の下げ幅となっています。オイルショックやバブル崩壊、リーマン・ショックを上回る最大の下げ幅です。  その内訳を見ますと、資料一でございますけれども、民間の住宅投資がマイナス七・一%、民間企業の設備投資はマイナス六・九%と、民間投資の減少が顕著であります。一方、公共投資はプラス四・〇%の増となっておりまして、これは防災減災国土強靱化三か年緊急対策の最終年度であったことや、このところ毎年続いている災害復旧予算効果というふうに考えます。  いずれにしても、民間投資の減少を公共投資の増で補っている構図がこれから明らかです。このような状況を考えれば、日本経済を立て直すためには引き続き公共投資を拡充していくことが必要と考えますが、麻生財務大臣見解を伺います。
  23. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) この資料にも示されておりますとおりに、これはもうこのとおりの数字になっておるところで、これ非常に公共工事に要する部分が多い。加えて、民間の設備投資、加えまして、そうですね、民間の個人消費等々も非常に大きく落ち込んだというのがこういった数字の背景にあろうと思いますが。  令和年度の第三次の補正予算におきまして、いわゆる経済対策の一環として、今言われました防災減災国土強靱化のための五か年加速化計画というのをやらせていただいた最初の初年度分の公共事業関係費というのが約一兆六千五百億円というものを処置をさせていただきました。また、令和年度予算におきましても、必要なインフラ投資というのを、この計画に沿いましてインフラ投資重点化した上で、公共事業関係費につきましては安定的に確保して六兆六百九十五億円というものを処置をさせていただいておるんですが、ただ、この公共事業関係費、よく御存じのとおりですけれども、繰越額が年々増加をいたしております、年度末に、翌年に繰り越すという。  公需だけでなくて民需主導の経済成長に早く戻していかないと、これ公共事業だけ満杯みたいになっておりまして、三年前ですと一兆九千億ぐらいの繰越額が、今年は下手すると四兆、四兆五千億ぐらい、もうちょっと行くかもしれませんけど、そういった見込みになっておりますので、このポストコロナに向けまして、これデジタル化とかグリーン化とか今いろいろ実現を目指してやらせていただいておりますが、経済社会とか産業構造というものを見直して、いわゆる成長分野に民需主導、民需の投資というものが出てくるように喚起をするということをやっていかないと、この民需主導というものは、このコロナのおかげもかなりあるとは思いますけれども、いわゆる民需の設備投資が減っておりますので、いわゆる我々でいいます公共工事に頼らざるを得ないというところが非常に、私どもとして、非常にこの経済として、やっぱり消費と民需、いわゆる設備投資、この二つがいわゆるGDPの中に占めます大宗としては非常に大きなものを占めておりますので、この二つがマイナスというところが全体として経済を縮小させているという現状を考えますと、この部分の経済成長の実現というものに更に努力をしてまいりたいと考えております。
  24. 足立敏之

    ○足立敏之君 繰越しが増えているのは、補正予算が多いということと、もう一つ、国交省さんが政策的に平準化ということで仕事のしやすさみたいなものを追求していることがかなり影響していますので、その辺は是非御配慮いただければというふうに思います。  ところで、日本の公共投資でございますけれども、資料二の方に示しました。平成年度がピークで、そのときには補正予算と合わせて約十五兆円程度ありまして、その後削減が続き、平成二十一年度、麻生政権の際なんですけれども、おかげさまで頑張っていただきまして戻していただきました。しかし、その後、政権交代に伴いまして激減してしまいまして、平成二十四年度には当初予算四・六兆まで下がってしまっています。その後、自公政権に戻りまして、アベノミクスで六兆円規模まで回復し、さらには、平成三十年度からは防災減災国土強靱化の三か年緊急対策、災害復旧予算を除きまして大体七兆円規模まで回復をしてきています。しかし、この間の公共投資削減のダメージは非常に大きかったのではないかというふうに言わざるを得ません。  そのような観点から、本日は、日本のインフラの整備水準について是非皆様方に考えていただきたいということで、日本と韓国のインフラの比較をさせていただきたいと思います。  まず、日本の貿易の九九・六%を支えている港湾でございます。日本の港湾のコンテナ取扱量を見ますと、こちらにお示しをしましたけれども、一九八〇年代半ばには神戸港、横浜港が世界十位以内に入っていました。その後、アジア地域の急速な経済発展とともに、中国の上海港や深セン港、韓国の釜山港などが飛躍的に成長しまして、二〇一九年には、我が国最大の東京港でも三十四位、横浜港は六十一位、東京港と横浜港を合わせた京浜港としても二十位相当に低迷をしてしまっています。それに対しまして、釜山港は、一九八〇年代には十二位だったんですけれども、二〇一九年には六位に浮上しています。これは、大型化するコンテナ船に日本の岸壁が追従できていないことが原因の一つと考えられています。  大型のコンテナ船に対応できる水深十六メーター以上の岸壁なんですけれども、釜山港に二十六か所あるのに対して、京浜港では八か所しかありません。京浜港と釜山港のコンテナターミナルの規模は、こうやって示させていただきましたが、これは両方とも同じ縮尺ですが、その規模の違いは歴然としています。こうしたことが影響して日本の港湾の相対的な地位が下がっている、こういうふうに考えられます。  一方、人の出入りを支える空港について見てみたいと思います。世界各国の国際線の空港旅客のシェアをこちらに示しましたが、二〇〇七年頃を境に韓国が日本を上回るようになっています。これは仁川空港がアジアのハブとしての機能を高めてきた結果というふうに考えられます。  仁川空港と成田の大きさの比較をしたのが次の資料でございます。成田空港は滑走路二本で六千五百メーター、仁川空港が三本で一万一千五百メーターであります。  三月の予算委員会で麻生財務大臣の方から、成田は空港の整備が進んでいて、もうじき仁川空港に肩を並べることができるとお話ありました。確かに、二〇二八年度末には成田はB滑走路を千メーター延伸、そして三千五百メーターのC滑走路を新設するということになっていますが、いずれ、三本の滑走路で一万一千メーター、仁川空港の一万一千五百に肩を並べるところまで行きそうなんですけれども、実際は、仁川空港は二〇二四年までにもう一本、四千メーターの滑走路を増設する拡張工事を実施中であります。この三本並んでいる滑走路の一本左側になりますけれども、こちらに今整備中であります。さらに、二〇三〇年度までには五本目の滑走路も整備するという構想があるというふうにも聞きました。  赤羽国土交通大臣からは、空港の能力は滑走路の本数や延長だけではないんだと先日御指摘いただきましたが、でも、これはちょっと差が付き過ぎているんではないかというふうに思います。  さらに、高速道路についても、本来は片側二車線以上であるべきものですが、日本は、予算が厳しくなったときに、交通量の少ない段階で取りあえず対面交通としていわゆる暫定二車線で供用させる、そういう高速道路を増やしてきました。暫定二車線の区間は全体の約四割になっています。世界に目を移すと、日本のような対面交通の高速道路はほとんどありません。韓国も、二十年前には四割が対面交通だったと聞きますが、この二十年間に整備をしてそれを解消をしています。  こういうような状況を考えますと、日本が、日本のインフラが韓国に比べて大きく遅れてきたのは、次の資料に示しますけれども、日本と韓国のインフラ投資の違いにあるというふうに考えます。この図を見ていただければ歴然なんですけれども、日本はこの二十年間でインフラ投資を半減しているのに対しまして、韓国は二・七倍に増やしてきています。この違いが日本と韓国のインフラの整備水準の違いにつながってきているというふうに思います。  次に、資料をもう一つ見ていただきたいんですが、横軸が世界各国の二十年間の公共投資の伸び、そして縦軸がGDPの伸びなんですけれども、日本はこの二十年間公共投資を半減し、GDPも先進国の中で唯一伸ばしていない、そんなような状況であります。一方、公共投資を伸ばした国はGDPも大幅に伸ばして経済成長をしています。韓国がその典型だというふうに言えるかと思います。  日本経済で一流を目指すのであれば、インフラの整備水準も諸外国並みに引き上げていくことが必要だというふうに考えます。日本経済を立て直すためにも、しっかりインフラ整備を進めるべきと考えますが、赤羽大臣見解を伺います。
  25. 赤羽一嘉

    国務大臣(赤羽一嘉君) 韓国との比較の御質問がございました。  まず、国土の自然条件等も違いますので一概に比較することはなかなか難しい面もございますが、韓国が国家戦略として社会資本整備を進めてきたというのは事実でございまして、その結果として経済成長につながっているというのも厳然たる事実だと思います。  改めて申し上げるまでもなく、社会資本整備は、老朽化対策も含めて、一つには、生産性向上ですとか民間投資の促進といったストック効果から経済成長への貢献があるということ、またもう一つは、頻発、激甚化する自然災害から防災減災に資するという点で大変意味のあることだというふうに認識をしております。昨年末に、総事業費おおむね十五兆円のめどとする防災減災国土強靱化のための五か年加速化対策を閣議決定していただきましたので、国民皆様の命と暮らしを守るに資する中長期的な防災対策減災対策をしてまいりたいと、こう考えております。  さらに、本年五月二十八日に、令和七年までの第五次社会資本整備重点計画も閣議決定していただきました。この中で、先ほど麻生副総理からの御答弁にも少し重なりますが、インフラ分野のデジタル化ですとか脱炭素化など、ポストコロナの時代を見据えた社会資本整備をしっかりと戦略的、また重点的に推進してまいりたいと、こう考えております。
  26. 足立敏之

    ○足立敏之君 ありがとうございました。  しっかりと我が国成長戦略にこういうインフラを位置付けていただければ有り難いと思います。  ところで、アメリカではバイデン大統領が三月に、八か年二兆ドル、約二百二十兆円の経済対策を発表をいたしました。その後の報道によると、一・七兆ドル、約百八十兆円規模に縮小して調整を進めているというようなことなんですけれども、いずれにしても、かなり大規模な経済対策を実施し、インフラの再整備を行うことを表明されています。また、イギリスやオーストラリアなどの欧米諸国や中国、韓国などでもインフラ投資を進める動きが見られます。  アメリカを始め諸外国がこぞってインフラ投資を拡大する動きをしていることについて、麻生財務大臣見解を伺いたいと思います。
  27. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) おっしゃるとおり、バイデン政権になりまして、トランプ政権のときも結構大幅にインフラ投資、特にアメリカの場合は八〇年代に手抜いたツケが全部回ってきているかなという話をよくしておりましたんで、そのとおりの形になりましたのを一斉に今やっておられるんだと思っております。  そのほか、私どもいろいろ財源確保を今やろうとしているんで、公共投資をやる財源確保として、今回、国際課税等々にもアメリカが大幅に譲って、結果として、一昨日、ほぼG7で合意という、他国の関税自主権に手を突っ込むという話ですから、これなかなか難しい話だったんだと思いますけれども、八年掛かりでこれがどうやらその方向に出てきておりますけれども。  他国の話で一々コメントするわけにも、差し控えさせていただきますけれども、法人税とかそういったいろんな形でのものを、民間設備資金というものを、大幅にこれを入れられるように変えてみたり、いろんな形でやっておりますんで、民間の財源資金をいかに確保できるかというのは非常に大きな問題なんだと思いますが、私ども、今いろんな形でそういった方向を形成、形成しようって国土交通省ともやらせていただいておりますんで、そういったようなことを含めて、この設備投資というのの部分が公共工事に向かえるようにしてやるというのは、民間の会社にとっても少なくとも投資に見合うリターンが期待できればやれるという発想になり得ますので、そういったところも含めて考えていってしかるべきではないかと、いろんなことを考えねばいかぬとは思っております。
  28. 足立敏之

    ○足立敏之君 ありがとうございました。  ここまで、日本経済対策として、諸外国同様、インフラ投資に力を入れるべきだというふうに訴えてまいりました。  改めて申し上げますが、日本は自然災害に対して大変脆弱で、毎年歴史に残るような甚大な水害、土砂災害が発生しています。また、大規模地震も度々発生しています。しっかりと事前防災を進めるべきだというふうに考えます。  また、先ほど来お話をしたとおり、港湾、空港、高速道路などのインフラの整備水準も、韓国を始め諸外国と比較してとても貧弱な状態であります。改めて、日本のインフラを充実させていくためには、長期計画に基づいて計画的にしっかり投資を行っていく必要があるというふうに考えます。  なお、インフラ投資を円滑に進めるためには、それを担う建設産業の皆さんがより仕事をしやすい環境をしっかりつくり上げること、さらには、公共事業を進めている国土交通省など、これまで定員削減で体制の縮小を余儀なくされてきた、そういった様々なお役所、そういったところの組織、定員などの体制の強化が不可欠です。  日本経済の再生のため、引き続き公共投資を計画的に進めるとともに、その担い手である建設産業の振興、さらにそれを支える国交省等の体制の充実に向けまして菅総理のお考えをお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。
  29. 菅義偉

    内閣総理大臣菅義偉君) インフラ整備地域の生活や経済を支えるために大きな役割を果たしており、引き続き計画的に推進をしていきたいと思っています。  特に、近年の自然災害の激甚化に伴い、災害対応については重要な要素になっており、このため、各地で災害対応に当たるテックフォースを有する地方整備局へのニーズというのは非常に高まっております。地方整備局の定員を二年連続で大幅に増員をしており、引き続き必要な人員体制を充実させていきたいと思います。  また、現場を支える建設産業についても、週休二日実現に向けた無理のない工期設定など、人材確保のための環境というものをしっかり進めていきたいというふうに思います。
  30. 足立敏之

    ○足立敏之君 総理のお言葉を重く受け止めたいと思います。  ありがとうございました。
  31. 水岡俊一

    水岡俊一君 立憲民主・社民の水岡俊一でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。  参議院の意義を深めてきた当決算委員会質問の時間をいただきました。本当に貴重な時間だと自覚をしながら心して質疑を行いたいと、こういうふうに思っております。菅総理始め閣僚の皆さん方には、委員に対してはもとよりでありますけれども、今日はテレビ、ラジオを通して多くの国民皆さんが聞いておられますので、政府のお考えがきっちりと伝わるようにしっかりと答弁をしていただきたいと、このようにまずはお願いをしたいと思います。  さて、緊急事態宣言、一都一道二府六県、まん延防止に当たっては八県、合わせますと十八都道府県に緊急事態宣言等が出ているという状況、まさに日本全体が緊急事態だという現状にあるわけでありますけれども、その中にあってもオリンピック・パラリンピックを開催できると菅総理はお考えになっているんでしょうか、お聞きをしたいと思います。
  32. 菅義偉

    内閣総理大臣菅義偉君) 東京オリンピック・パラリンピック大会については様々な声があることは承知しており、そうした指摘をしっかり受け止めて取組を進めてまいりたいというふうに思っています。  まずは、緊急事態宣言を解除する、ここに全力を挙げたいと思います。また、選手や大会関係者の感染対策をしっかり講じ、世界から選手が安心して参加できるようにするとともに、国民の命と健康を守っていく、これが大会の前提と考えており、そうしたことが実現できるように対策を講じていきたいと思っています。  具体的な対策としては、来日する大会関係者の人数を絞り込み、選手や大会関係者にワクチン接種を行い、大会関係者の行動を管理して一般国民との接触を防止をする。既に国内でテスト大会も実施され、万全の感染防止に努めており、東京大会に向けてしっかり準備をしていきたい、このように思います。
  33. 水岡俊一

    水岡俊一君 オリンピック・パラリンピックが開催できるとすれば、それは日本の感染状況が随分と改善をされているという状況を想定しているということに感じますが、じゃ、例えば、具体的な数字がどの程度まで改善をしたらオリンピック・パラリンピックは安心、安全な大会になるのか、こういった観点で総理がお考えになっていることをお聞きしたいと思います。  例えば緊急事態宣言が全て解除されている、例えば全国の感染状況がステージ1以下である、あるいは一日の新規感染者が百人を下回る、そういう具体的な数字、目安を国民に対して示していただかないと、国民皆さん、なかなか共感できないんじゃないかなと私は思いますが、いかがですか。
  34. 丸川珠代

    国務大臣(丸川珠代君) 今取り組んでいる作業だけ説明をさせていただきますが、前々からシミュレーションをやらせていただくということで取り組んでまいりました。東京都とも連携いたしまして、まずもって、この人流が一体どのように感染状況影響を与えるのかということについて、しっかりと数字をもってお示しできるように今進めておるところでございます。
  35. 菅義偉

    内閣総理大臣菅義偉君) 今、丸川大臣の下で、そうした人流の調査等をしているということであります。  いずれにしろ、緊急事態宣言を解除できるように全力を挙げる、そのことがまずは最優先だというふうに認識をしています。
  36. 水岡俊一

    水岡俊一君 具体的な目安を教えていただきたいと、こういうふうにお願いをいたしました。お答えにならないとすれば、そういうものを持っていらっしゃらないのかと、こういうふうに考えざるを得ません。  私は、総理には選択肢として、開催をする、あるいは中止をする、あるいは延期をする、そういった三つの選択肢があると思いますが、総理はその三つの選択肢をお持ちなんでしょうか。
  37. 菅義偉

    内閣総理大臣菅義偉君) 私、先ほどもお答え申し上げましたけれども、選手や大会関係者の感染対策をしっかり講じて、世界から選手が安心して参加できるようにするとともに、国民の命と健康を守っていく、これが開催の前提と考えており、こうしたことが実現できるように対策を講じていきたいというふうに思います。
  38. 水岡俊一

    水岡俊一君 開催の前提ということでありますから、じゃ、その前提が崩れると開催できないということになりますよね。そういったときに、総理はやむなく中止をするという選択肢を取ることができるんでしょうか。
  39. 菅義偉

    内閣総理大臣菅義偉君) 私自身は主催者ではありません。これは、東京都、組織委員会、JOC、JPC、IOC、こうした中で最終決定がされると思いますけど、私自身我が国国民の安全、安心を守る、そうした使命が内閣総理大臣としてはあると、このように考えています。
  40. 水岡俊一

    水岡俊一君 総理がそういう使命をお感じになっていることはよく承知をしております。しかし、その使命を果たすためにオリンピックを中止するという選択肢をお持ちでないのかと私は聞いたわけであります。  IOC、国際オリンピック委員会のベテランの委員であるディック・パウンド氏が、先日こういう発言をされております。菅首相がオリンピック中止を求めても大会は開催される、つまり菅総理には中止をする権限がないんだというふうにおっしゃっているように私は感じたんですが、総理はどういうふうにお感じになったんですか。
  41. 菅義偉

    内閣総理大臣菅義偉君) 国民の命と健康を守るのは内閣総理大臣たる私の仕事である、このように申し上げています。
  42. 水岡俊一

    水岡俊一君 もう一度お聞きしましょう。IOCの委員が、菅総理がオリンピック中止を求めてもそんなことは聞き入れられないよと、こういうふうにおっしゃったというふうに聞いていますが、菅総理はどうお感じになっていますか。
  43. 菅義偉

    内閣総理大臣菅義偉君) 私自身は、先ほど来、繰り返しになりますけど、選手や大会関係者の感染対策をしっかり講じて、世界から選手が安心し参加できるようにするとともに、国民の命と健康を守っていく、これが開催の前提であるというふうに考えます。そうしたことが実現できるように対策を講じてまいりますけれども、こうしたことをIOCにもしっかり申し上げたい、こういうふうに思います。
  44. 水岡俊一

    水岡俊一君 残念ですね。お答えいただけない。つまり、総理は中止をするという宣言ができるわけではない、そういう権限をお持ちでないというふうに理解をせざるを得ないですね。  そうすると、東京オリンピック・パラリンピックの真の責任者は一体どなたなんでしょう、総理
  45. 丸川珠代

    国務大臣(丸川珠代君) 恐縮です。  最終判断は確かにIOC、IPC、また組織委員会、そして主催者たる東京都ということになるわけでございますが、もちろん水際の措置は我々国が責任を負っていると。つまり、国民の安全、安心を守るために水際でお入りいただけないという判断をするという責任が、もし何かあった場合には日本日本政府にあるということになります。  アクレディテーションの発行主はもちろんIOCと組織委員会ということになるわけですが、もちろんそれを発行するに当たっては、例えば、今私どもがどれだけの方がこのオリパラでお入りいただけるかということを協議しているように、きちんと協議をした上でどういう方にお入りいただけるか判断するわけでございますので、それは私どもが一緒になって五者で決めていくということになるわけでございます。
  46. 水岡俊一

    水岡俊一君 これまでから、いろんな災害においても、あるいは何かの大きなイベントで問題が起こったとしても、あるいは国の政治の中でどんなに無駄遣いが出ても、責任者がはっきりしていない、いつもうやむやになってしまう、そういうことが私はこの日本において数多く発生していることが今の時代を混迷に導いていると、こういうふうに私は思っています。  ですから、今回、オリンピック・パラリンピック、東京五輪の真の責任者はどなたであるのか、このことをはっきりしておかないと、国民皆さんは納得して、総理が言われる、開催できますと、開催しますということに同意できませんよ。総理、いかがですか。
  47. 菅義偉

    内閣総理大臣菅義偉君) 先ほど丸川大臣からその構成について答弁させていただきましたけれども、ただ、私自身は、日本国の内閣総理大臣として国民皆さんの命と健康を守る責任は私にあると、そして、私自身が世界から選手が安心して参加できるようにするとともに国民の命と健康を守っていく、これが開催の大前提であると考えておる、こうしたことを申し上げております。
  48. 水岡俊一

    水岡俊一君 先日、新聞を見ておりますと、投稿がございました、オリンピックに関わって。経済は取り戻せても、人命は取り戻せない、こういうふうに書いてありました。まさに私はそのとおりだと思います。  人命を落とすようなことにはならないというのが総理のお考えだと思いますが、今の状況の中で人命を失うようなことになる、医療が逼迫をしてオリンピックのためにベッドが空かない、そういった中で人命を救うことができない、そういうような事態に起こったときも、責任者が誰かということがはっきりしていないとどうにもならないじゃないですか。国家賠償も進まないじゃないですか。総理、どうですか。
  49. 菅義偉

    内閣総理大臣菅義偉君) 繰り返しになりますけれども、選手や大会関係者の感染対策をしっかり講じて、世界から選手が安心して参加できるようにするとともに国民の命と健康を守っていく、これが開催の前提となっております。こうした前提が実現をできるように対策を講じるのが私の責務だというふうに思います。
  50. 水岡俊一

    水岡俊一君 残念ですね。前提ばかりをおっしゃって、責任者は誰かが分からない。こういったことで進んでいくことに大変大きな危惧を感じます。  感染を防ぐということにおいては、総理、次のことをお伺いします。  オリンピック・パラリンピックの観戦、見る方ですね、学校連携観戦プログラムというのがあると聞きました。八十一万人の子供たちが既にその計画に組み込まれていて、オリンピックの会場に出かけていくということになっているようでありますが、総理、これは本当ですか。そして、子供たちの感染リスクを減らすというのが総理のお考えであったはずなのに、あえてオリンピックの会場に子供たちを導くんですか。いかがですか。
  51. 萩生田光一

    国務大臣萩生田光一君) 学校連携観戦プログラムのことだと思いますが、これは競技観戦を通じて次世代を担う子供たちに一生の財産として心に残るような機会を提供することとして、募集を組織委員会が行って、手挙げ方式で採択をされた方が八十万人いるということでございます。  ただ、現段階で、組織委員会が観客上限に係る検討ですとか観客の感染症対策に係る検討が行われている最中でありまして、この結果を踏まえて、やるやらないを含めて組織委員会として適切に判断されているものと認識しています。  文科省としては、組織委員会における検討結果を踏まえ、学校連携観戦を実施することとなった場合には、子供の安全を守ることを第一に、適切な感染症対策を十分講じることについて各学校設置者に通知するなど、感染症対策の徹底を図りたいと考えているところです。
  52. 水岡俊一

    水岡俊一君 これは総理お答えをいただきたいので質問いたしますが、昨年、安倍総理が全国一斉休校をお話しになりました。そのときの感染状況と今の感染状況、どうですか。そのときよりもはるかに改善しているんですか。違うでしょう。全く違うじゃないですか。  今、この感染状況の中で、オリンピック委員会が、どこどこが考えていらっしゃるけれども、それはそこの責任でやってもらうことであって政府は関与しない、子供たちも観戦に行くんだったら行ってもらっていい、そういう立場ですか、総理は。
  53. 菅義偉

    内閣総理大臣菅義偉君) 先ほど文科大臣が答えたことは、そういうことじゃないと思います。文部科学省で判断をする、そういう形になるというふうに思います。  そして、昨年と今の差でありますけれども、昨年はまさにこのコロナというのは未知の非常に怖いウイルスでありました。今回も、かなり内容が分かり始めてきていますけど、極めて怖いということについては私は変わりはないというふうに思っています。  ただ、いずれにしろ、そうしたものは十分政府としては考えて判断をする、このように思います。
  54. 水岡俊一

    水岡俊一君 総理、ちょっと私納得できないですね。  じゃ、昨年は未知のものでよく分からなかった、今は分かってきたから、怖さが分かったんじゃないですか。今、怖さが分かったんですよ。もう人事を尽くしてもどうしようもできない、そういったケースが出てきて、命を落とす方々が出てきているという現実じゃないですか。そういう中にあって、子供たちの観戦を進めていくという立場に菅政権はあるんですか。
  55. 菅義偉

    内閣総理大臣菅義偉君) 子供たちの安全、安心というのは、ここは当然最優先するというのは、責任ある政府の立場としては当然のことだというふうに思います。先ほどの文科大臣も、そういう観点から私は答弁していると思います。
  56. 丸川珠代

    国務大臣(丸川珠代君) この感染状況を踏まえて、六月に観客の上限規制について国の基準に基づいて判断をするということになっております。ですので、そのときに、学校連携の子供たちのことも含めて、文科省とよく相談をしながら、しっかり組織委員会とも連携をしてこの判断をしていくことになろうかと思います。
  57. 水岡俊一

    水岡俊一君 そういうお答えを聞くと、ますます疑念が湧いてきますね。  子供たちの七月、八月のそういった行事日程を立てるとしたら、今のような日程感で準備ができると思われますか。全く学校の子供たちのことが分かっていらっしゃらないんじゃないですか。もう結構です。  文科大臣にお伺いをしましょう。  文科大臣、先ほど総理は、文科省は省として観戦プログラムについて一定の責任を持たれるようなお答えをなさったと思いますが、大臣、それでよろしいですか。
  58. 萩生田光一

    国務大臣萩生田光一君) 日本国内でオリンピックが開催されることになって、普通の子供たち、チケットを買って現場に行きたいと思ってもなかなか行けない状況の中で、これコロナのことがなかったらすごくいい企画だったと思うんですね。  今先生御心配しているように、感染が広がっている中で子供たちが集団で国立競技場なり有明なり、そういう競技場まで本当にみんなで移動したりして大丈夫なのかということを心配されていると思います。これは、既にエントリーしてある学校の皆さんも考えていることであります。  したがって、学校の判断であらかじめやめるという学校も中には出てくるかもしれませんけれど、今はまず観客を入れる入れないを最終判断をしていますので、それが決まった段階で、例えば行き方も含めて、当初は電車で行くはずだったのを貸切りバスに変えるなどの、そういった、文科省と地方自治体と連携を取りながら、支援策を講じながら、もし可能ならこれは是非子供たちにも見せてあげたいという気持ちは私ございますので、そこは、御心配は十分私も理解しますので、冷静に適切に判断してまいりたいと思います。
  59. 水岡俊一

    水岡俊一君 文部科学大臣に更にお聞きをしたいと思います。  通告をしておりませんけれども、ここ数日、学校で集団接種をするというニュースが飛び込んでまいりました。これについて文科大臣はどのようにお考えになっているのかお聞きをしたいんですが、あくまでもこれは任意の接種ですよね。任意の接種を学校で集団的に接種を行うということについては、私は大きな危険が潜んでいるというふうに思います。  第一、その接種を容認する、接種をしますという意思表示を誰がどのようにして確認をするのか、そして、どの時間で、どういう場面で、どういう手だてでもってそれをやるのか、これを自治体任せでいいんでしょうか。  これまでの日本においては、予防接種において大変つらい歴史もございました。そういった中において、コロナの接種を進めるという、そういうニーズの中から、今、集団接種を安易に認めていいと大臣は思われますか、お聞きをします。
  60. 萩生田光一

    国務大臣萩生田光一君) 二月に衆議院でも答弁しているんですが、基本的に、小中学生、集団接種を前提に現段階でも私は考えておりません。  一方、五月三十一日付けで厚労省の方から、ファイザー社の製品に限っては十二歳以上接種が可能だということの知見が明らかになったので、これを接種対象としてよろしいという通知が出ております。  自治体によっては、それを受けて、直ちに十二歳までのお子さんについても接種をしたいという意向がある自治体があることは承知していますが、これ、十五歳以下につきましては保護者の合意が必要だということで、きちんとその接種の申請書に保護者が署名なり捺印なりをすることがシステム化されていると思いますので、まずはそれをきちんと守っていただくこと。  私としては、それ今六十五歳以上の方がやっとめどが付いて、そしてこれから、まあ言うならば縦のラインだけじゃなくて複線化をしていこうと、横のラインでも打って免疫率を高めていこうということを菅総理の下で我々は一生懸命やろうと思っています。  したがって、職域ですとかあるいは大学を会場にしたような新しい接種会場ができる中で、やっぱり優先は、六十五歳までが終わったとしたら、その次の年代の方たち、基礎疾患のある方たちを優先的にやるべきだと思います。  したがって、ある自治体が全て終わったから子供たちにも打つということになると、このファイザーの製品を先にその自治体が使うということになるので、これは私、トータルで考えたときにはやや順番が違うんじゃないかなと思っていますので、ここは、学校での接種の在り方については慌てずに、今しっかり文科省として専門家の皆さんとも今意見交換をさせていただいていますので、そういったことを改めて通知をしっかり出したいと思いますので、各自治体におかれましては、そう慌てずに対応していただきたいなと思っております。
  61. 水岡俊一

    水岡俊一君 子供たちの命を守りたいと、本当に、現場で子供たちに接している教職員は本当に切なる願いを持っております。それだけに慎重に対応していただきたいと、こういうふうに今思っているところであります。  これは西村大臣にお聞きをした方がいいですかね。  大学、専門学校、特別支援学校に対して八十万回分の抗原検査キットを配布をして検査を進めてきたと、そして、陽性者発見時にはPCR検査を行うんだ、こういうふうにお話をされています。今、職域での接種が今始まろうとしている、そして、高齢者接種が終われば若い方々接種も進めていくという、そういう方向性と、今この抗原検査のキットを配ってPCR検査を拡充をしていくというその方向性、これどういうふうに相まっているんでしょうか。
  62. 西村康稔

    国務大臣(西村康稔君) お答え申し上げます。  まず、抗原簡易キットですね、検査キット、これ非常に精度が上がってきておりまして、例えば喉に違和感があるなど、熱が、発熱などなくても、他の人に感染させるおそれのあるウイルス量がある人についてはPCR検査と同等に検知できるというふうになってきております。  そうした中で、今御指摘ありましたように、高齢者についてはワクチン接種をこれ自治体と連携してもう全力を挙げて進めている中で、いまだ新規陽性者の半数を占める二十代、三十代、若い方々、特に大学職場でのクラスターが目立ってきております。  そうした中で、短時間で、十五分とか三十分で判定できるこのキットを使って感染拡大も抑えていこうということであります。まさに、最大八十万回程度分の抗原キットを大学、専門学校、高校、特別支援学校などに配布をいたしまして、ちょっと具合の悪い人、軽症の人ですね、熱がなくとも、そういった方の、無症状で感染しているかもしれない人を検知して、そこで特定できればPCR検査を一斉に行っていくという形でクラスターの大規模化、医療の逼迫を抑えていく、感染者を抑えていくということで、まさに高齢者ワクチン接種と並行的にこれを進めていきたいというふうに考えているところであります。
  63. 水岡俊一

    水岡俊一君 並行的にということでございますけれども、それにしても八十万回って少な過ぎやしませんか。各県の状況を聞いてみますと、一つの県に先日三千五百セット来たと、三千五百セットでその県にいる大学生やら専門学校生やら、そういったことに対応するというのはやっぱり非現実的だと、こういうようなことが言われております。  次に、予備費の問題について質問したいと思います。  皆さんには資料一を御覧になっていただきたいと思います。パネルを今用意していただきました。(資料提示)  二〇〇八年度から予備費の推移を調べてみました。そうしますと、御覧になっていただけると思いますが、東日本大震災の前後には多少膨れ上がっておりますけれども、近年、通例三千五百億から五千億円程度が予備費として計上されております。ところが、皆さん御承知のとおり、昨年度は、その五千億が通例として二十四倍、十二兆円という前代未聞の巨額予備費となっていることがお分かりになっていただけると思います。  私は、この予備費が新型コロナ感染症対策費として使われるということについて全く異論を挟む、そういった立場ではありませんが、問題点を明らかにしておきたいと思うので、今回この点を質問に繰り入れました。  通年には信じられないような巨額の予備費を二〇年度は積まれました。本年度も五兆円を積んでいます。こういった流れ、総理にとっては、安倍政権からのこういった異常な予備費の流れについて問題意識をお持ちなんでしょうか。総理、いかがでしょう。
  64. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) コロナ予備費の、ついてのお話だと思いますけれども。  予備費につきましては、これはもう御存じのように、予見し難い予算の不足に充てるために国会の議決に基づいて設けるということができるものということになっておりますのは御存じのとおりです。コロナ予備費につきましても、その予算額について、これは国会で御決議をいただきますとともに、その使い方等々につきましても予算総則等によってあらかじめ国会の議決をいただいて、その範囲内で使用できるということになっております。  確かに、コロナの予備費は、これは、東日本大震災の復興予備費等の他の使途限定の予備費と比較しましてもこれは多額のものになっておりますことはもう間違いない事実です。新型コロナは、御存じのように、これ、いわゆる台風というか津波というか、ああいうものと違ってなかなか予見し難いものが随分ありましたので、一年たった今でもまだ、これは日本に限らず世界を含めまして、感染状況がいろいろ変化をしてきていると思っております。  したがいまして、感染の状況によってこれ予期しないということも十分いろいろな状況が起きるということで、予算の不足ということも当然生じ得ることから、これは臨機応変に、かつ時機を逸することなく対応するために予算の予備費というものが必要であると、まず基本的にそう考えております。  これまでも予算の再拡大とか支援の長期化、いろいろありましたけれども、まさに事態が変化しています中で時機を逸することなく対応する必要があるような場合は予備費での対応を行ってきたところでありまして、引き続き状況に応じて適切に対応していくということを考えております。
  65. 水岡俊一

    水岡俊一君 私たち政治家は、財政民主主義ということを肝に銘じておかなきゃいけないと常々思っております。つまり、税金はみんなのお金だから、みんなでその使い道は決めて、その使い道を決めたそれに従って使っていただく、これが財政民主主義と私は思ってまいりました。  しかし、今、麻生大臣からお話のあったとおり、予見し難いということを考えたときに予備費を積むということについては憲法も認めている。じゃ、その額、一定の額をどれぐらいと見るのかということで、長らく麻生財務大臣が経験をされた中でも三千五百億から五千億ぐらいが妥当であろうということは、国会の中で大方の同意を得る中で進んできたわけでございます。  しかし、コロナということの中において予見し難いこと、それはありますよ。それはないとは言わないけれども、ワクチンを買うお金、予見し難いですか。医療の状況を改善するための特別な予算を組んでいく、計画できるじゃないですか。そういったものを計画、予算案として、あるいは補正予算案として出さないで予備費でそれを執行していくということについては、これは憲法の財政民主主義を否定する、つまり憲法に反する行為ではないかと、こういうふうに私は思うんですが、こういったことについて菅総理はどういうふうにお考えですか。
  66. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) 財政に関するところだと思いますので、私の方から答弁をさせていただきますけど。  この緊急の必要が、何というの、緊急な対応が必要ということになりました場合に補正予算対応するか予備費で対応するかという話なんだと思いますが、あらかじめ基準のようなことを、それをどちらにするかというのを、あらかじめ基準のようなものを設けておくということはなかなか難しいと思っておりますので、具体的な状況に応じまして私どもとしてはその時々で判断すべきものだというように考えておりますので、私どもとしては今回は予備費で対応するというようにさせていただいたということであります。
  67. 水岡俊一

    水岡俊一君 昨年の十二兆円の使い道はもう明らかになっております。これを皆さんに御覧いただければ、いかにそれが緊急的だったかそうでなかったかということはお分かりになっていただけると思いますが、またそれはほかの委員会でじっくりとまた見ていただきたいと、こういうふうに思います。  いずれにしても、白紙委任ですよ。枠は国会で決めるというものの、与党が非常に大きな力を持っておられる中で、もう与党の言いなりじゃないですか。しかし、予算案を、補正予算案を提示をして国会審議を経る、それを国民皆さんにも聞いていただく、そういった中で妥当な使い道かどうかということを議論していくということが国会に課せられている使命だというふうに思います。それを抜いていく、白紙委任の額を巨額にしてしまう、これは国会軽視じゃないですか。国民をばかにしていますよ、これは。そういうことを私は総理に聞きたいと思っています。  次のグラフを見ていただきたいと思います。資料二を見てください。  これは、今年度予算案、通過をした予算案です。もう時間がありませんので簡単に申し上げます。赤枠でくくったところがございます。これが新型コロナ対策予備費として計上された五兆円です。五兆円ですよ。そして、そもそもその他のところに入っている予備費が五千億円ありますから五兆五千億円です。五兆五千億円は今年度会計の何%に当たるか計算をしますと、五・二%。これが大きいか少ないか、皆さん、どう思われます。  その隣の方を見ていただくと防衛費、防衛費はどうなっているか、五兆三千二百三十五億円、五・〇%、文教及び科学振興費、五兆三千九百六十九億円、五・一%。つまり、文教科学費よりも防衛費よりも多額の予備費を白紙委任という形で政府に自由に使わせるというこの予算、問題ないですか、総理。これは総理にお聞きしたい。
  68. 菅義偉

    内閣総理大臣菅義偉君) まず、コロナ予備費については、その金額や使途を新型コロナに関する緊急を要する経費とすることについて、ここは国会で議決をされております。その範囲内で、緊急事態宣言を踏まえた飲食店への協力金だとか、あるいはワクチン確保など、緊急に対する施策の実行のために活用してきております。  過去に経験のない感染症の影響が国全体に及ぶ中、緊急対応を必要とすることも十分考えられることから必要な予備費と考えており、状況に応じて適切に対応していきたいというふうに思います。
  69. 水岡俊一

    水岡俊一君 今年の五兆五千億円の中で既にワクチン代として五千億円の支出が決まりました。決まりましたというか、内閣から国会に対して説明がありました。しかし、それは委員会の場で、国民皆さんが知るところ、見えるところでの説明ではありません。予算委員会の理事懇談会の場です。マスコミにも閉じられている世界で説明をするという、そういう形でワクチン接種の五千億円を、ワクチン代の五千億円を支出をするという、おかしくありませんか。ワクチンの代金が要る、新たにワクチンを購入するということであれば、それは二月だって三月だってもう予見できていたはずです。それを予備費で使うという、そういった形をいつまで、いつまでやるんでしょう。もう来年度はやめますか、総理。どうでしょう。
  70. 菅義偉

    内閣総理大臣菅義偉君) それぞれの状況に応じて適切に対応していくと、このように考えます。
  71. 水岡俊一

    水岡俊一君 それぞれの状況に応じて、実際にどういう変化があるか、それに対応するため、そんなの予算全体ですよ。そんなの、予算全体の中でどう関わっていくかということを示すのが政府の責任じゃないですか。  一年の防衛費の予算、一年の文教科学振興費の予算を上回る額を国会にきちっと説明をしないで、議論を経ないで予算を執行していくということは大変危険なことじゃないですか。財政民主主義を否定することになりはしませんか。実際にこういったことを、日本のこの歴史を、中においても大変問題のある予算、予備費の問題だということを指摘をしておきたいというふうに思います。  時間がなくなりましたので、次の質問はまた機会を見付けてしてまいりたいと、こういうふうに今思っております。  次の福山委員質問を替わりたいと思います。どうぞよろしくお願いします。  ありがとうございました。
  72. 野村哲郎

    委員長野村哲郎君) 委員長からお願い申し上げます。  先ほど来、傍聴席、また委員席から不規則発言が出ておりますが、皆さん方、静かにお聞きいただきたいと思います。  関連質疑を許します。福山哲郎君。
  73. 福山哲郎

    福山哲郎君 立憲民主党の福山哲郎でございます。よろしくお願いします。  まずは、先日、台湾へのワクチンの提供を政府決めていただきました。私のところにも台湾から要請がありまして、政府に問合せ等しておりましたので、早急に、早々に決めていただいたことについて、まず感謝申し上げたいと思います。  東日本大震災のときに最も日本に本当に御支援をいただいた台湾にこういった形で返せたことは非常に良かったと思っておりますので、菅総理を始め政府皆さんに本当に敬意を表したいと思います。  まず、東京オリパラに、開催まで五十日切りました。総理、開催地の東京では、今六月ですが、今年、今日まで百五十八日間あったんですけど、一体何日間緊急事態宣言、まん延防止措置があったか、総理、御理解いただいていますか。別に正確な数字じゃなくて結構です。
  74. 菅義偉

    内閣総理大臣菅義偉君) 今年の一月からでありますから、かなりの部分がなっていたというふうに思っています。
  75. 福山哲郎

    福山哲郎君 百五十八日中百三十七日間が緊急事態宣言かまん延防止措置となっています。これは、総理が会見のたびに緊急事態宣言を解除したい、感染拡大を防止したいと、早くやりたいと言っていたこととは真逆の結果となっておりまして、非常に残念に思いますし、国民の我慢も、それから経済的な損失も多大になっているという認識の上で質問させていただきます。  復興五輪というオリンピックのスローガンもコロナに打ちかったあかしというスローガンも、全く国民の共鳴を得なくなりました。残念ながら、オリンピックは政権を維持し、選挙に臨む切り札のように言われていることに、私は極めて遺憾に思っています。  選手、関係者のことを考えると、私もできる限り開催したいと思います。しかし、何が何でも強行に開催すればいいというものではないと思います。コロナ禍の中で行われるオリパラは、失敗は許されません。人命が懸かっています。先ほど水岡委員も言われましたが、IOCの委員が緊急事態宣言の中でも絶対にできるとか総理が中止を求めても開催されるという発言は、主権国家として看過できないと私は考えます。  総理、先ほど発言されませんでしたが、総理我が国総理大臣です。こういった発言をIOCの委員にされることについて総理が何も言わないことは、逆に、東京で開くオリンピックの国民の思いが折れてしまいます。  総理、一言言っていただけませんか。それは違うと、主権国家の総理として私も判断の一員だと、そう言っていただけませんか。
  76. 菅義偉

    内閣総理大臣菅義偉君) 私、その後すぐに申し上げましたけれども、国民の命と健康を守るのは私の責任だと、守れなければやらないという、これは当然のことじゃないでしょうか。
  77. 福山哲郎

    福山哲郎君 大会が開催されれば海外から新たな変異株が持ち込まれる可能性もあります。人流も増加します。医療体制が逼迫する可能性もあります。更に感染者が増加すれば、医療体制が崩壊することも想定されます。政府が繰り返し述べている、総理が言っておられる安心、安全な大会を開催するためには、開催を可能とする医療体制、感染者の数、そういった指標や判断基準を示す必要があるんじゃないでしょうか、総理。みんなが納得するような判断基準を示していただかなきゃいけないんじゃないでしょうか。  解除を目的としているだけでは駄目です。さっきの丸川大臣の答弁も全く答弁になっていません。私は、今、必要じゃないかと言っているんです。だから、今答えをくれとは言いません。そういったものが必要じゃないかと申し上げているから、総理お答えください。
  78. 野村哲郎

    委員長野村哲郎君) 丸川国務大臣。(発言する者あり)まずは丸川大臣から。
  79. 丸川珠代

    国務大臣(丸川珠代君) 先ほど申し上げましたシミュレーションをまず見て、それが一体どのように日常の医療に負荷を掛けるのかということをしっかり見てまいりたいと思います。  いましばらく、この数字を詰めるというお時間を頂戴したいと存じます。
  80. 福山哲郎

    福山哲郎君 一体いつまでに出されて、誰がシミュレーションしているんですか。専門家がどの程度関わっているんですか。尾身会長は、この問題についてはまだ正式に依頼を受けていないとおっしゃっています。  丸川大臣、いつまでに誰がシミュレーションしているのか、お答えください。
  81. 丸川珠代

    国務大臣(丸川珠代君) 大会よりかなり前には出させていただきますが、相手もあることですので、今はっきりと期限を申し上げられる状況にはないんですが、東京都とも前提条件についてきちんと議論をしながら進めているところでございます。
  82. 福山哲郎

    福山哲郎君 いつかも分からない、誰がシミュレーションしているのかも分からないようなことを国会で答弁するのはやめていただきたい。  総理、どうですか。基準とか、今言われた感染者の数とか、そういう医療体制とか、そういったものの判断基準を示す必要が早急にあるんじゃないですか。総理お答えください。
  83. 菅義偉

    内閣総理大臣菅義偉君) 私、先ほどから申し上げていますとおり、選手や大会関係者の感染対策をしっかり講じて、世界から選手が安心して参加できるようにするとともに、国民の命と健康を守っていく、これが開催の前提条件であります。  こうしたことが実現できるように対策を講じてまいりますけれども、これが、前提が崩れればそうしたことは行わないということです。
  84. 福山哲郎

    福山哲郎君 前提が崩れるかどうかは何で判断するんですか、総理
  85. 菅義偉

    内閣総理大臣菅義偉君) 選手や大会関係者の感染対策をしっかり講じて、世界から選手が安心して参加できるようにするとともに、国民の命や健康を守っていく、これが大前提。そして、具体的な対策としては、来日する大会関係者のまず人数を絞り込んで、これ、当初の半分以下であります。選手や大会関係者にワクチン接種、ここは私自身が訪米したときにファイザーからこのオリンピック大会、パラリンピック大会への提供を受けましたので、そうした中で、IOCで手配をする中で約八割のワクチン接種を行っているということです。そして、大会関係者の行動を管理をして、一般国民との接触、ここは防止をします。入国する前に検査を二回、入国時にまた検査をし、さらに翌日からまた検査をする、徹底して検査をし、国民との接触を防止をする、そうした中で完全に接触を防止する、そういうことによって感染の危険性がないように、そこはしっかりと講じていきたいと思います。
  86. 福山哲郎

    福山哲郎君 全く答えていただけません。検査をすればオーケーなら、我々が去年あれだけ検査を拡大しろと言ったときに感染拡大、検査を拡大しなかったじゃないですか、PCR検査はやれ信頼度が低いとかなんとか言って。何でオリンピックだけは、毎日毎日検査がオリンピックの関係者だけはできるんですか。今、日本国民だって検査したい人たくさんいますよ。そういうことを言うから、このオリンピックに対して、心の中ではやってもしようがないかなと、選手のこと考えれば、池江選手のこととかを思えば、国民はそう思っているけど、そんな説明をするからこのオリンピックに対してみんなが信頼できなくなっているんじゃないでしょうか。  総理、もう一回聞きます。イエスかノーかで。  判断基準は作って示す必要があるんじゃないですか。これならやります、これならできないですと。だから、緊急事態宣言でもやるみたいな発言が出るんですよ。何かの基準示さないからそんな発言が出るんです。総理、判断基準、要るでしょう。お答えください。
  87. 野村哲郎

    委員長野村哲郎君) 丸川国務大臣。(発言する者あり)まずは担当大臣から。
  88. 丸川珠代

    国務大臣(丸川珠代君) まず、検査についてなんですが、昨年から今年にかけては、恐縮ですが、試薬と機器と、それから検査を途中行うプロセスについて、非常にプロセスが進化してきております。当初は人手で、マニュアルで検査をしなければならなかったんですが、今は全自動機器の導入もできるようになりまして、非常に検査が大量に、しかも正確に行えるようになってまいりました。こうした状況を踏まえて、検査を大量に導入していくということを、この水際措置の中で導入するということをしたもので、これは是非御理解をいただきたいと思います。  その上で、先ほども申し上げて恐縮なんですが……(発言する者あり)
  89. 野村哲郎

    委員長野村哲郎君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  90. 野村哲郎

    委員長野村哲郎君) 速記を起こしてください。  それでは、菅内閣総理大臣
  91. 菅義偉

    内閣総理大臣菅義偉君) さっきから私申し上げていますように、国民の命と健康を守ることが大前提になっていますから、そのことが私にとっては基準としたいと、これは当然のことだというふうに思います。  先ほど来申し上げていますように、世界から選手が安心して参加できるようにするとともに、国民の命と健康を守っていく、これが大会の前提と、そういうことを申し上げておりますので、国民の命と健康を守っていける、そのことが前提であります。
  92. 福山哲郎

    福山哲郎君 恐らく、この一月からもうずっと国民の命を守るために総理も厚労大臣もやってこられたと思いますよ。でも、残念ながら一万二千人以上の方が亡くなっているし、いまだに病院に入れない方もいるじゃないですか。これで国民の命と健康を守っていると言えるんですか。それがこのオリンピックのときに、どういう基準ならオリンピックはやれるのかやれないのかを示さないで、ただ単に強行的にやるやると言ったって、それは国民納得しないと私は思いますよ。  私は、尾身会長の分科会に、正式にこのオリンピックに対しての条件を、どうしたらいいのかを諮るべきだと思います。それは何でかというと、これまでの緊急事態宣言の例えば人流を抑えること、飲食店の問題、国民全部、あの分科会の提言も受けてやってきたわけです。  総理、尾身会長の分科会にオリンピック開催の条件についてお諮りしたらどうですか。
  93. 西村康稔

    国務大臣(西村康稔君) 分科会の話でありますので、まず私から答弁させていただきます。  分科会は、まずオリンピックの開催の可否などを審議する場所ではありません。そういう権限はありません。  他方、丸川大臣が答弁されていましたように、私どもと一緒になって、今このオリンピックを開催することによるリスクがどういうものがあるのか、人流がどう増えて、そのことによって重症者なりがどう増えていき医療をどう逼迫させていくのか、このことは当然ワクチン接種率なども見ながら見ていくことになります。これを今分析をしているところでありますので、この分析に当たっては、私も毎日のように尾身先生にも話を伺っておりますし、専門家の意見を聞きながら、最終的にシミュレーションを、しっかりと我々分析を行って、そして専門家の御意見も聞いて判断をしていきたいというふうに考えております。
  94. 福山哲郎

    福山哲郎君 さっき丸川大臣は、どこで分析をしているのか、シミュレーションしているのかも答えられなかったんですよ。いつ出すかも答えられなかったんですよ。本当にとんでもないと思いますね。  総理、どうですか。尾身会長にお諮りするべきじゃない。さっき権限がないって、権限を付与すればいいじゃないですか。総理が権限を付与すればいいじゃないですか。別にあれ、法律事項でできている分科会じゃないでしょう。総理が尾身会長にお願いしますと、何日までにやってくださいとおっしゃったらいいんじゃないですか、総理。どうですか。
  95. 菅義偉

    内閣総理大臣菅義偉君) いずれにせよ、今、西村大臣が答弁したような形の様々な角度から相談をしているということであります。
  96. 福山哲郎

    福山哲郎君 全く具体的じゃないですね。  総理、現在の緊急事態宣言、六月の二十日までです。解除されるおつもりがあるのかどうか、お答えください。
  97. 菅義偉

    内閣総理大臣菅義偉君) そうしたことについては、専門家の皆さんの御意見を伺う中で判断をしてまいります。
  98. 福山哲郎

    福山哲郎君 こういうダブルスタンダードを使われるから国民は信用できないんです。  尾身会長がオリンピック、オリパラについて発言をされたら、田村大臣は自主的な研究だと言った。失礼にも程がありますよ。これまで政権は、総理は、記者会見まで御一緒して、ずっと発表されていたんじゃないですか。  その専門家の意見を聞いてと総理は言い続けて、それに沿って国民は時短に協力をしたり、そのおかげで商売成り立たなくなったり格差が広がったり、厳しい生活している国民いっぱいいるんですよ。その専門家の意見を今度は自主的な研究と言い、オリンピックの可否についての基準をつくってもらったらどうだと言ったら明言せず、そして六月の二十日、解除されるおつもりかと言ったら専門家の意見だと。こんな御都合主義ないでしょう、総理
  99. 田村憲久

    国務大臣(田村憲久君) 私の発言でございましたので、申し上げなきゃなりません。  私も自ら戒めなきゃいけないなと思ったのは、全く私が言っていることと真逆の報道になっているということでございまして、ここにその日の記者会見あります。これ、フジテレビの記者さん、フジテレビは今言われたような報道されていません、私知る限りですけれども。こういうことなんです。  尾身会長は東京オリンピックの開催に当たり感染リスクや対策の在り方を示すと言っています、分科会とは別のところで表明されるようなお考えも示していますが、そのような形での意見も取り入れるお考えはあるのでしょうか、こういう質問なんです。つまり、尾身先生がふだんから有志等々でというようなことをおっしゃられているという、これ報道ありましたよね。そういうようなこともあるけども、それでも取り入れるのかと。  これに対して、私は一般論として申し上げています。専門家の方々はいろいろな方々がいろいろの分野におられるわけでありますので自主的にいろいろなことをおっしゃられるということはあると思います、そういう中において政府で参考にさせていただくものがあれば、それは政府の中でも取り入れさせていただくということは当然あると思いますけども、いずれにいたしましても、自主的な御研究の成果の発表ということだと思いますので、そのような形で受け止めさせていただくことになると思います。  これはまさに、そういうような研究だからと、私は、尾身先生は仮定の話ですから出されているわけじゃありません、だから私は、一般論として申し上げられたのをあのような報道になっていますので、私の不徳の致すところだなというふうに自らを戒めて、しっかりとまた記者会見で真意を説明したいというふうに思っております。
  100. 福山哲郎

    福山哲郎君 だから、分科会に諮問されたらどうですかと私は言ったんですよ。別のところの自主的なところで尾身先生が言われるよりかは、だから、ちゃんと分科会は経済のマネジメント、経済のことを考える人も入れたわけでしょう、わざわざ。だからこそ、そこに諮問したらどうですかと。そうしたら、自主的なものだといって切り捨てることなく、参考だといって切り捨てることなく、重く日本政府が受け止められることになるんじゃないですかと、だから、私はそう申し上げたんです。それに対して全く明言をいただけないと。  総理、もう一回聞きます。  専門家の方聞くのは分かるんです。しかし、ほとんど追認機関で、この間の延長のときだけ専門家が反乱したと報道にはありました。総理は、六月の二十日に、じゃ解除したいと思っておられるのか、状況によってはできないかもしれないけどその方向でやりたいと、その方向で頑張ってほしいと思っておられるのか、そこだけお答えください。
  101. 菅義偉

    内閣総理大臣菅義偉君) 当然、状況を見て判断、方向性を決めるというのは、ここは当然のことだと思います。今から決められるようなことじゃないというふうに思います。
  102. 福山哲郎

    福山哲郎君 総理、六月の十六日に会期末を迎えます。もうあと十日ありません。六月の二十日が解除かどうかの判断です。いつお決めになりますか。まさか国会閉じてからじゃないでしょうね。我々は、こういった解除か延長か、オリンピック一月前だからこそ、国会での政府に対するチェック機能を働かすべきだと思います。だから、我々は延長してくださいと言っているんです。  いつ、六月の二十日が解除か延長か、もう一回決めるときです。六月の十六日に国会が閉会します。総理、いつそれをお決めされるつもりですか。
  103. 西村康稔

    国務大臣(西村康稔君) まず、手続も含めて私の方からお答え申し上げますけれども。  当然、二十日の何日か前には判断をしなきゃいけないということであります。その際には、この対処方針分科会にお諮りをして、そこで専門家の御意見を聞いた上で政府として最終判断しますが、当然これ国会でお決めになることでありますけれども、衆参の議運で説明することになっておりますのでそうした手続を、それが何日になるかはまだ今の段階で分かりませんけれども、しっかりと国会には説明した上で政府として最終的に判断をしていきたいということであります。
  104. 福山哲郎

    福山哲郎君 それはもう分かっていますよ。二十日の前に決めなきゃいけないから、いつ決めるお気持ちなのかと聞いているんですよ。分かり切ったことばっかり出てきて発言して、時間を取らないでください。  総理、いつですか。国会閉会してから決められるんですか、閉会前ですか。我々は、だから延長してくれと申し上げています。
  105. 菅義偉

    内閣総理大臣菅義偉君) そこはまだ決めておりません。状況を見ながら、これ過去の例もそうですけれども、状況を見ながら判断します。
  106. 福山哲郎

    福山哲郎君 国会を延長してほしいのはそれだけじゃありません。感染の状況経済、そしてオリンピックの本当に開催かどうかも含めて、我々、やらなきゃいけないことたくさんあると思っているので会期の延長をお願いしていますし、経済が相当厳しくなっています。雇用調整助成金の延長を求めなければいけませんし、小口貸付けで、もう借金いっぱいして厳しい方々政府は三十万円という話が出ていますが、それでは全然足りません。そして、対象人数も二十万人では全然足りません。  そういったことの補正予算、我々はちゃんと持続化給付金をもう一回やるべきだというメニューをそろえていますけれども、補正予算をこの国会で組むべきだと思っておりますので、是非延長してそのことについて、総理、御検討いただけませんか。
  107. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) 補正予算のお話が出ていましたけれども、今この令和年度の三次の補正予算とかコロナの予備費で処置したものを含めまして、三年度への繰越額というのは、精査中ですけど、約、福山さん、三十兆円ぐらいあるんですよ、全部で、精査が終わっているわけじゃありませんけれども。したがって、これを着実に執行していくということになろうかと思います。  さらに、三年度の予備費というのが、約、今三兆九千八百八十億円、これは今の予備費ですよ、今の三年度の予備費がまだ残されておりますので、私どもとしては、新たな経済政策とか補正予算の編成を今検討しているわけではありませんけれども、今後ともこれらを活用して適切に対応してまいりたいと考えております。
  108. 福山哲郎

    福山哲郎君 いや、もう実は飲食店だけでは厳しいんです。(資料提示)その飲食店、もらっているところともらっていないところあります、協力金。いろんなところが、実は緊急事態宣言やまん防のところだけではありません。人の流れが止まっていますから本当に厳しい、ホテルも旅館も文化も。こういったことに対して補正予算を手当てをしないと、やっぱりそうやって自分の商売厳しいのにオリンピックという気分にはならないのではないかと思います。  実は、ちょっと今感染収まっていますが、一月ぐらい前の近畿地方の厳しい状況をちょっとお伝えします。  今からお伝えするのは、近畿地方でコロナの感染症の待機をしている、入院できない方々の訪問看護をされている藤田愛さんという方の手記です。ちょっと読むので聞いてください。  敗戦中の従軍看護師はこんな気持ちだったのだろうか、毎日ぼきぼき心が折れていく。一日回れても八人、重症者が増えてきたので一件ずつ訪問時間が長くなる。到着が夜の九時になった。家のドアを開けるときに心が定まる。できることをする。待たせてごめんね。次です。病院の廊下でもいいから入院させてほしいとお母さんに手を合わされても、私にはどうすることもできない。せき込んでいるので、窓全開で気が散りそうになると。ステロイド入りの点滴、焼け石に水でもないよりまし。来てくれただけでも命が見捨てられていないと信じて希望が持てます。こんなこと、誰が知っているのか、どう発信すればいいのか。大病院で陽性だ、検査して帰宅後、一週間。おいおい、これはこのままじゃ今夜死ぬかも。持病の薬が床に散乱している。飲めないよね、呼吸数五十四回じゃ。まだ三十代。できることをしっかりやっていこう。保健センターに、数値と判断を伝える。早急な入院治療が必要です、そうでなければ急死の可能性があります、どれだけ同じような報告を保健師は聞いたのだろう、悲鳴の向こうにまた悲鳴がある。訪問を終えての帰路、保健センターから電話が入った。十分後に救急搬送できることになりました。何々病院です。ああ、重度者治療の病院である。救えるかも。ああ、よかった、ありがとう。コロナの訪問は百件超えただろうか。入院調整中、この当時、その地域は千人待っていました。千分の一と思うと。急変を見付けても、かかりつけ医も入院もないなら、私のやっていることに意味があるのか。いや、あるからやっているのだと。この事態について全国民の理解が必要であると。私たちが生まれて、急病なら医師の診察、救急車が当たり前でしたねと。残念ながらその状況ではありません。  これが病床、医療逼迫の現状です。何人もの方が病院から、病院に行けなくて自宅で亡くなっています。自宅が野戦病院化しています。  警視庁、全国でコロナの陽性患者の検視の必要だった人の数は何人ですか。
  109. 藤本隆史

    政府参考人(藤本隆史君) お答え申し上げます。  令和二年一月から本年四月までの間に警察が取り扱った御遺体のうち、医師の判断により新型コロナウイルスに係るPCRの検査が実施され、感染が確認された方は四百三人と承知しております。
  110. 福山哲郎

    福山哲郎君 私は、国民皆保険で、これほど病床の数も多い日本でこういった事態が起こっていることに寒けを覚えます。その人たち一人一人に人生があります。感染者の数が何人とか病床率が何人という数字で表せない人生があります。このことに対してどれほどの危機感を持っていただいているんでしょうか。一生懸命やられているとは思います、政府も。しかし、余りにもその中で、このオリンピックをやるに際しても、国民に対する思いが伝わってこないのが残念に思います。  オリパラの事務局にお伺いします。  四月、五月の新規入国者の中でオリパラ関係者は何人ですか。
  111. 十時憲司

    政府参考人(十時憲司君) お答え申し上げます。  オリパラに関連して入国した選手等及び大会関係者数は、四月が九百九十一名、五月が千十二名となっております。
  112. 福山哲郎

    福山哲郎君 今、原則日本は入国拒否のはずなんですが、オリパラ関係者は仕方ないのでこれだけ入っています、千名、千名。僕は、正直しようがないと思います。しかしながら、普通、入国者は三日宿泊施設に待機の後、十四日間待機のはずです。今緩和をされている、特段の事情がある場合、緩和されている人がいますが、オリパラ入国者は何人と何人、四月、五月緩和されていますか。急いで答えてください。
  113. 十時憲司

    政府参考人(十時憲司君) お答え申し上げます。  待機緩和を行った人数は、四月が八百六十五名、五月は八百四十二名となっております。
  114. 福山哲郎

    福山哲郎君 もう質問すると時間がないので答えますね。  これ、特段の事情の場合、国交省二十四名、緩和しているのゼロ、十五名、緩和しているのゼロ、厚労省も七名のうち緩和ゼロ、厚労省、五月も二名で緩和ゼロ。オリパラ関係者だけ九百九十一人中八百六十五人緩和、五月、千十二人のうち八百四十二人緩和。この人たちは三日間の宿泊待機しないで外に活動で出てきます。実際に陽性だった人がもう既に三人います。  これ、関係者ですね。関係者と選手の割合どのぐらいですか。急いで答えてください。
  115. 十時憲司

    政府参考人(十時憲司君) お答え申し上げます。  関係者と選手の割合でございますか。  関係者は、国内からオリンピックで十九万人、パラリンピックで十……(発言する者あり)この中で。失礼しました。(発言する者あり)ちょっとすぐに数字が出てまいりません。申し訳ありません。
  116. 福山哲郎

    福山哲郎君 これ、実は数字出てきていないんですね。これ、ほとんど関係者なんです、選手も一部いるかもしれないけど。何で関係者を緩和しなきゃいけないんですか。オリンピック二か月、三か月前に。ほかは全部十四日間待機のはずなのに、何で関係者も含めてオリンピックだけこんなに緩和をするんですか。  それも、問題のインド株が発生している、日本政府が新たに規制を強くしたインド、マレーシア、そしてベトナム、イギリス、これ、全部これ国入っていますよ。一個一個でいったらすごい人数です。これ、逆に言うと、規制強化するといいながら大きな穴が空いているんじゃないですか、オリンピックだけ。こういう状況を放置しているから、そして何の基準かも分からないから、オリンピックをやるかやらないか、国民は頑張れと言えないんじゃないですか。強くこのことについての反省と、先ほど言われた感染防止や対策、基準を提示していただくように求めていきたいと思います。  時間がないので、どうしてもやらなきゃいけません。  総理、六月はプライド月間です。オリンピック、バッハ会長、オリンピックIOCがLGBTQに関する声明を出しました。連日、ニューヨーク・タイムズ、AP通信、ワシントン・ポスト、ニューズウイーク、英国新聞ガーディアン、フランス国営メディア大手が報じています。それは、日本の政治家がLGBTに関連して種の保存に背くといった差別発言をしたこと、トランスジェンダーのスポーツ参加について実態と懸け離れた問題発言をしたこと、挙げ句、LGBTの法案が日本国会で自民党が問題で頓挫しかけていること、差別発言をした政治家は同性愛嫌悪の金メダルだとも報じられています。  諸外国から、IOCから、日本のオリンピックがこのLGBTでどんなふうに思われているのか、どういう感覚でいるのか、私には全く分かりません。  総理、一言でお答えください。オリンピック・パラリンピック開催国の総理として、今のメディアの状況等を見て、性的指向及び性自認を理由とする差別は許されないものであるという認識を総理はお持ちかどうか、お答えください。
  117. 菅義偉

    内閣総理大臣菅義偉君) そこはあってはならないことであります。
  118. 福山哲郎

    福山哲郎君 あってはならないことだと総理は言われました。総理は言われた、差別は許されないものであると言われました。  この差別は許されないものであると明記した法案に、議連案に、自民党以外は全部賛成をしている議連案に自民党がまとまっていません。どうか総理、今日五時から役員会があるはずです。先週これで、ここの役員会で国会を法案に出さないということを決められたと聞いております。総理、自民党総裁として、このLGBTの議連案について、とにかく自民党をまとめて法案を提出しようと、議連案一緒にやれという指示を出していただけませんか。これは世界の、IOCや多様性を大切にする人たちやLGBT当事者が今この総理の答弁を注目をしています。  まだ国会は開いています。さっき申し上げたように、延長していただければ、この法律、オリンピックが開催される開催されないは別に、オリンピックの正式な開催日程より前に法案が成立します。どうか、多様性を象徴する東京のオリンピック、それでなくてもコロナでこれだけ人命の問題がある中で、特に森前会長の女性に対する蔑視発言もありました。このままオリンピックを開催、強行することになれば、人の命も、ジェンダーも、LGBTも、全く多様性を認めない日本のオリンピックになります。  どうか総理、このLGBT議連案、自民党に指示をして、何とか国会へ提出して成立させろと指示いただけませんか。
  119. 菅義偉

    内閣総理大臣菅義偉君) まず、御指摘の法案は議員立法であり、政府としてコメントは差し控えるべきだというふうに思います。ただ、いずれにしても、性的指向、性自認を理由とする不当な差別や偏見はあってはならないと考えます。  政府としては、多様性が尊重され、全ての人々がお互いの人権や尊厳を大切にし、生き生きとした人生を享受できる共生社会の実現にしっかり取り組んでいきたいというふうに思います。  自民党の総裁としてということでありますので、あえて申し上げれば、自民党は公約として、LGBTに関する広く正しい理解の増進を目的とした議員立法の速やかな制定を実現する、ここを掲げています。実現に向けて党内でしっかり議論を重ねていると承知しており、法案の対応そのものは党の執行部に一任しておりますが、国民皆さんとの約束を果たすように党でしっかり取り組んでいくというふうに、こういうふうに思います。
  120. 福山哲郎

    福山哲郎君 全くお答えいただけなかったのを極めて、極めて残念に思います。  オリンピックは、海外からだけで相当な数、十万人近くの方が来られます。日本のオリンピック関係者だけで三十万です。この人流が動きます。本当に先ほど言われたように、オリンピック関係者は元々の原則の十四日間の待機もなくほとんどが国内に入ってきます。これが六月。  六月はオリンピック関係者何人来るか分かりますか、事務方。これも分からないという状況です。  実は、何にも明確な答えがないまま、単にオリンピック、ただ単にオリンピックを強行するという話で前に進んでいます。このことが本当に先々の感染拡大にどうつながるのか。本当は、今日、オリンピックの最中に感染が選手間で出たらどうするのか、病院の逼迫状況はどうなるのか、もし東京で感染が拡大されて、選手が来たとき、選手もけがをしたときに、東京の医療の逼迫状況日本のコロナの陽性者と海外の陽性者がベッドが足りないような状況になったときに命の選択をするような状況に至るのか、それはどういった状態ならそうなるのか、そういったことを聞きたかったんですけど、そんな準備は今日の質疑では全く感じられませんでした。非常に残念に思います。  私は、今日、中止をしろとも延期をしろとも言っていません。だけど、政府の姿勢をちゃんと確認をしないと、このオリンピックやったら、日本の感染拡大が広がって逆効果だったと、逆に人の命が危なくなったという状況になることを私は非常に恐れています。国会を延長してこういった議論をちゃんとやっていただくことをお願いし、私の質問を終わります。  ありがとうございました。
  121. 高瀬弘美

    高瀬弘美君 公明党の高瀬弘美です。決算委員会での質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。  六月三日、吉川元農水大臣の収賄疑惑に関する報告が農水省から公表されました。また、六月四日には、総務省接待問題に関して、会食調査の結果を公表し、三十人を超える職員が追加で処分されることになりました。東北新社外資規制違反についての検証委員会の報告も同時に公表されました。いずれの調査結果も行政への信頼を揺るがす事態であり、重く受け止めるべきです。  いま一度、総理から各省庁に対して、規則を遵守すること、そして違反があった場合には厳しく対処することを徹底し、引き締めていただきたいが、いかがでしょうか。
  122. 菅義偉

    内閣総理大臣菅義偉君) 一連の事案については、行政に対する国民信頼を大きく損なう事態となり、政府として深く反省しなきゃならないと思っています。  そもそも国家公務員が国家公務員倫理法等にのっとって適正に業務を行っていくことは当然のことであり、私からも全閣僚に対し各省庁において倫理法などのルールの遵守を徹底するよう指示しています。  いずれにしろ、今後も倫理法の遵守を徹底し、このようなことが再び起こることのないように国民行政に対する信頼回復に努めていきたい、このように思います。
  123. 高瀬弘美

    高瀬弘美君 決算を重視する参議院としましては、この決算委員会を通じて国民皆様の大切な税金が正しく使われているか、各省庁に対する会計検査院報告を基に審議をしてまいりました。  会計検査院報告で是正改善を指摘された事務処理誤りによる過払い年金の返還請求に係る不適切事案につきましては、そもそもあってはならない年金の過払いが多数発生していたこと、また、年金事務所が返還請求を迅速に行わなかったことにより時効になってしまい、過払い金を回収できなかったことが遺憾であることを委員質疑の中で公明党が指摘をいたしました。  ほかにも、会計検査院の指摘として、雇用保険における終了後手当、これは、職業訓練終了後、一定の条件を満たす方のみに支給される手当ですが、この支給の要件が徹底されていなかったために、職業安定所によって支給割合にかなりのばらつきがあったという事案もあります。要件が厳格に適用されていれば数億から数十億の支給がされなかった可能性もあります。  どちらも、年金事務、雇用保険事務への信頼に関わることであり、大変遺憾であります。同様の事態が二度と起こらないように内閣として受け止めるべきと考えますが、総理に伺います。    〔委員長退席、理事古賀友一郎君着席〕
  124. 菅義偉

    内閣総理大臣菅義偉君) 年金や雇用保険の支払事務を正確に実施していくことは公平性の観点からも極めて重要であり、御指摘は重く受け止めたいと思います。  それぞれ御指摘をいただいた内容については、厚生労働省において既に改善処置、ここを実施しているところでありますが、このようなことが再び起こることのないよう、政府として適正な事務執行に努めていきたいと思います。
  125. 高瀬弘美

    高瀬弘美君 菅内閣はデジタル化を柱の一つに掲げていますが、デジタル化は業務効率化にも直結するものであります。  そうした中で、国が企業に対して行う統計調査がありますが、この統計調査の数と負担感が大きいということで、平成二十九年に総務省調査を行いましたところ、国の統計調査負担又はどちらかといえば負担と答えた企業は全体の八割を超え、特に調査事項の重複が多いと指摘がありました。また、国が直接行う統計調査ではありませんが、各省庁が委託した事業者が行う企業に対するアンケートなどもあります。企業の側にしてみますと、同じような調査が何度も国から送られてくる、しかも紙で提出するものもある、そのような事態でございます。業務上も非常に非効率が発生をしております。  国が行う各種調査は、行革担当大臣の下で省庁間の重複をなくし、できる限りデジタル化することによって企業の負担を最小限に減らすべきと考えますが、行革担当大臣、いかがでしょうか。
  126. 河野太郎

    国務大臣(河野太郎君) おっしゃるとおり、国が行っている業務に重複が多々見られるのは事実でございます。都道府県のような自治体からも、企業だけでなく自治体からも、同じ項目を別な調査で重複して調べさせているのは負担であるということで、調べましたら、それなりの数見付かっておりますので、今、全ての省庁において、全部ではないんですけれども、幾つかの局をピックアップして、重複しているのがないかどうか、調査をお願いをしているところでございます。そこで重複しているものがあればそれは統一をしなければいかぬ、これは自治体に対して、企業に対して同様だと思います。  また、現在郵送など紙でお願いしているものについては、なるべく早期にオンラインで提出ができるようにしていかなければならぬと思っておりますので、引き続きしっかりと負担の軽減、まあ統計は統計として大事なものではございますが、負担の軽減にしっかり取り組んでまいりたいと思っております。
  127. 高瀬弘美

    高瀬弘美君 ありがとうございます。  こうしたデータがデジタル化されますと、それはまた政策評価の際にも非常に使えるものになりますし、是非とも研究者の方、専門家の方に対しても、こうしたデータが国から見える形で、使えるものとして提供できるように取組を進めていただきたいと思います。  新型コロナウイルス感染症について伺います。  総理ワクチンこそ感染防止の切り札であると述べられ、ワクチン一日百万回接種に向けて進む中、国民皆様が知りたいのは今後の見通しであると思います。順調にいけば集団免疫がいつ頃獲得でき、いつ頃に経済活動が正常化し、収束に向かっていくのか。もちろん、未知の変異株可能性や様々な不確実性もありますけれども、緊急事態宣言下で国民皆様にも引き続き御協力をいただき、飲食を始めとする事業者の方々もぎりぎりのところで耐えていただいております。  ゴールの見えないマラソンを走り続けるのはつらいですが、ここを曲がればゴールが見えてくるとなれば、気持ちは全然違うと思います。国民皆様、耐え忍んでいる事業者の方々に対して明るい見通しをお示しいただけませんでしょうか。
  128. 菅義偉

    内閣総理大臣菅義偉君) ワクチンについては、集団免疫効果を有するかどうか、現時点にはこれは明らかになっておりません。おりませんが、発症予防重症化予防の効果が期待されており、まさに感染症対策の切り札である、このように認識をしています。  このため、まずは七月末までに高齢者への接種を終えるべく、接種加速化推進しています。その上で、今月中には、高齢者接種見通しが付いた自治体から広く一般の方に接種をスタートし、六月中旬以降、職場大学などでの接種開始することにしております。  ワクチン接種回数は日増しに増加しておりまして、現在では総接種回数が毎日八十万回前後増えており、一千七百万回を超えております。英国では、ワクチン接種が進むことで感染者数や死亡者数が激減している、こういうことは承知しております。  我が国においては、感染対策の徹底を図りつつ、更に接種加速化を進めることで、一日も早くこの感染を収束させ、国民皆さんに安心の日常を取り戻していただくことができるように、全力接種を励んでいきたいと思います。
  129. 高瀬弘美

    高瀬弘美君 ありがとうございます。  次に、ワクチンに関してお伺いをいたします。パネルを御覧ください。(資料提示)  これは、ワクチン接種に国、都道府県、市区町村がどう関わっているのかの流れをまとめたものになります。①の医療従事者接種は、都道府県からワクチンが割り振られ、行われております。現在、自治体で行われております②の高齢者接種、そして、これから接種となる③の基礎疾患を有する方及び介護施設など高齢者施設従事者の方、ここまでは国が示した優先接種となり、市区町村に届いたファイザー社のワクチンを中心に進んでおります。ここに加えて、接種を加速するために、自衛隊による大規模接種センターが東京、大阪に設置をされ、自治体からの接種券の届いた高齢者の方を対象に、この大規模接種センターにおいてはモデルナのワクチン接種が進んでおります。これから高齢者接種見通しが立ってくると、早い自治体では六月中旬から④の一般向け接種券の発送に向けて準備中であります。    〔理事古賀友一郎君退席、委員長着席〕  一般接種の中で各自治体が更に優先者を決めている場合があり、例えば福岡市においては保育、教育関係者等に優先接種を進めておりますが、ほかにも自治体によっては宿泊施設の従業員の方であったり、あるいはバスやタクシーなど公共交通機関の運転手など、エッセンシャルワーカーの方々に優先接種を行っている自治体もございます。ここは自治体の判断に今任されているところでございます。  こうして同時並行に様々な接種が進んでおりますが、まずは何よりも優先順位の高い高齢者基礎疾患を有する方が接種できるように、見通しをはっきりお示しいただきながら市区町村にワクチンを届けていただきたいと思います。厚労大臣、この点、お伺いいたします。
  130. 田村憲久

    国務大臣(田村憲久君) 七月末を念頭に、高齢者皆様方接種を二回していただきたいということで各自治体に今お願いをいたしておりまして、そういう体制を組んでいただきつつあります。  そういう中で、それが大体見通し、全てが終わるわけではなくて見通しが付けば、いよいよ基礎疾患一般方々、こういう方々接種を始めていただきたい、まあ接種券を送っていただいて対応いただきたいと、こういうことをお願いいたしているわけでありますが。  今言われた職域に関しましては、六月二十一日からでありますけれども、大学、企業等々でこのお願いを始めておるわけでありまして、そういう意味で、これは言われるとおりモデルナ社ワクチンでございますから、ファイザー社のワクチンには直接影響いたしません。  自治体は基本的にファイザー社のコールドチェーンの下で配送されているわけでございますので、ファイザー社は今一億九千四百万回契約を結ばさせていただいておりますので、順次これは河野大臣の下で、高齢者の分はもうめどが立っておりますし、その後も順次、今このワクチンの要望が地元から、地域から来まして、それで発送という形になりますけれども、そのような形で発送させていただいて、しっかりとワクチン接種を進めていくと。  言うなればダブルトラックで走りますから、そういう意味では、職域が進むということによって今度地域の方も混雑をせずに済むということになってまいりますので、しっかりと連携しながら努めてまいりたいというふうに思っております。
  131. 高瀬弘美

    高瀬弘美君 ありがとうございます。  その上で、今大臣の方からも言及がございましたけれども、市区町村の負担を減らすために、国としては今後企業による職域接種大学でのワクチン接種を進めてまいりますが、この職域でのワクチン接種大学での接種が始まった際に、同じ市内に高齢者がまだ打てずに待っているのに、ふと大学を見ると若い人たちが次々と接種しているというような事態が発生しないように、国としてこの職域接種及び大学接種において地域の優先接種方々を受け入れることができるように明確に示すべきだと考えますが、いかがでしょうか。
  132. 田村憲久

    国務大臣(田村憲久君) 基本的に、そうならないように、まず高齢者皆様方接種のめどというものが付いたことを前提に進めていただいておりますが、言われるとおり各職域で、ならば企業の職員大学の生徒の皆さん職員方々以外は打てないかというと、これは打てないことはございません。  ただ一方で、記録を残していただきませんと、後ほど接種券が届いていない方に接種券が来た場合に、その接種券をVRSにこれを入れなきゃいけないわけであります。ということになれば、記録をですね、そこまでしっかりと管理していただけるかどうか。なかなか、大学だとかというような範囲、まあ範囲といいますか単位ですと、なかなかそこまで地域住民の方々を把握いただいて管理いただく、場合によっては引っ越しされた方というのも出てまいりますから、そこまで管理していただくのは難しいかも分かりませんが、場合によっては、ちっちゃいエリアで企業が町ぐるみのお付き合いをしているような形ならば、企業の皆様方がしっかり住民の方々を理解いただいて対応するということは場合によっては可能なのかも分かりません。そのような状況でございます。
  133. 高瀬弘美

    高瀬弘美君 ありがとうございます。  いずれにしましても、大臣からもお話ございましたように、優先接種の方がきちっと優先的に接種を受けられる環境を整えていただきたいと思います。  次に、ワクチン休暇について伺います。  資料を御覧ください。これから現役世代へとワクチン接種が広がる中で、安心して接種できる環境整備としてのワクチン休暇がございます。普通の有休とは別にワクチン接種のために使える特別有給休暇を出す企業においては、平日でも接種がしやすくなっております。また、特別有給休暇ではなくとも、勤務時間に接種しても、その職場を抜けた時間を出勤扱いとする、こうした企業もありまして、国においても、人事院が国家公務員に対して、ワクチン接種や副反応職場を離れても出勤扱いとする措置を行うというふうに伺っております。  このワクチン休暇がありますと、万が一の副反応のときでも安心して休むことができるというメリットがあるため、例えば米国におきましてはバイデン大統領が、企業が従業員にワクチン接種のために特別有給休暇を取らせた場合には給与相当額を税額控除すると打ち出し、ワクチン休暇が広がっております。  日本においても、大企業の中には既にワクチン休暇を発表しているところがありますが、全国的にこのワクチン休暇を広げていくためには中小企業が導入しやすい環境をつくる必要があります。全国知事会の国に対する緊急提言の中にもワクチン休暇の導入支援というふうにございまして、中小企業を含めてワクチン休暇を広く導入するためには国の支援が必要不可欠と考えますが、総理の御所見を伺います。
  134. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) 御質問ですけれども、この国税当局の措置についてのお話なんだと思いますけれども、日本における国税当局の措置というのは、これはPCRの検査費用等で従業員が突然に支出したといったような業務のための費用というのを企業が実費を弁済という場合であれば所得税の課税の対象にならない、もうこれははっきり明確化されておりますのは御存じのとおりです。  また、ワクチンの休暇中の従業員の給与の支払ということになりますけれども、これは税務上の費用ということになりますので、この費用については企業において課税されることはありません。  また、政府として、中小企業の従業員の方を含めまして、希望するいわゆる皆さん方が安心して接種できるように、これは今、経済団体と意見交換等々を行っていると承知しておりますが、その中で税法上の対応の必要がとか要望とかいうのがあれば、これは関係省庁含めましてその目的とか必要性などについて検討していただく必要があるだろうと考えております。
  135. 高瀬弘美

    高瀬弘美君 ありがとうございます。  今週開催予定のG7について伺います。  六月二日に、日本政府とGaviの主催でCOVAXワクチンサミットが開催をされました。COVAXとは、コロナワクチンを共同購入し途上国などに分配する国際的な枠組みであり、このサミットにおいて、日本はこれまでの二億ドルの拠出に追加をして八億ドルの追加拠出を表明をいたしました。  昨年夏のCOVAXの立ち上げのとき、公明党は、感染症は自国だけの問題ではなく、ワクチンが供給されにくい途上国にも公平に分配されるべきとの考えから、政府に対して参加を要請し、日本が先進国の中で一番に拠出を表明した結果、各国が続き、COVAXが大きく動き出しました。そういう経緯がございます。  今回、COVAXに対して日本が更なる拠出とともにワクチンの現物供給も表明をした流れの中でG7サミットを迎えることになりますが、COVAXの流れをつくった日本として、G7各国に対してワクチンの現物供給を始め更なる貢献を促していくべきと考えますが、総理のお考えをお聞かせください。
  136. 菅義偉

    内閣総理大臣菅義偉君) 先日開催しましたワクチンサミットでは、共同議長としてワクチンへの公平なアクセスの実現に向け国際社会の団結を訴えた結果として、目標の八十三億ドルを大きく超える額を確保することができ、途上国三割分のワクチン確保という大きな目標を達成できたというふうに思っています。  我が国としても、八億ドルというかつてない規模の追加拠出を含む計十億ドルの貢献と、我が国で製造するワクチンの各国・地域への供給を進める考えを表明をいたしました。  今週の英国で開催されるG7サミットでは、新型コロナ対策も重要な議題の一つになります。そういう中で、ワクチンサミットで得られた成果をG7サミットにもつなげ、ワクチンへの公平なアクセスの確保に向けた国際的な取組、ここをしっかり牽引していきたい、こういうふうに思います。
  137. 高瀬弘美

    高瀬弘美君 ありがとうございます。よろしくお願い申し上げます。  続きまして、生理の貧困について伺います。  コロナ禍で、経済的な理由から生理用品を入手することが困難な状況にある生理の貧困が世界各国で社会問題となっております。三月四日の予算委員会で佐々木さやか議員が生理の貧困を取り上げ、国においても三月二十三日に地域女性活躍推進交付金の使途に生理用品の無料配布を加え、交付金を拡充することを決定いただき、すぐに予算措置に動いていただきました。ありがとうございました。  各自治体におきましても、我が党の地方議員の皆様も申入れ等を行い、例えば豊島区におきましては、災害備蓄品の生理用品を無料で配布をしましたところ、数日で配布が終了となりました。この豊島区の取組のポイントとしましては、無料配布の窓口にいらっしゃった方が口に出して生理用品を下さいと言う必要がなく、カードを提示するだけでこの生理用品がいただけるというところにもございました。  ほかの幾つかの自治体におきましても同様の取組が行われておりますが、生理用品が災害備蓄品であることからも分かるように、生理用品というのは必需品であり、その配布は一時的な提供ではなく日常的、普遍的サービスとしていく必要があります。  東京都におきましては、三月九日に都議会公明党が都知事に質問したことを踏まえ、九月、今年の九月から全ての都立学校において女性用トイレに生理用品を配備することが決定をいたしました。  生理の貧困の現状を踏まえ、児童生徒が安心して学校生活を過ごせるように同様の取組を全国の学校で展開すべきと考えますが、文部科学大臣の御所見を伺います。
  138. 萩生田光一

    国務大臣萩生田光一君) 先生、その前に、先ほどちょっと答弁の機会を逸しちゃったんですけれど、大学会場始まるんですけど、これは先生おっしゃるように六十五歳以上の人たちがめどが付くことが大前提なので、その人たちをさておいて大学が優先接種をするということは全く考えていません。  同時に、全国三百五十の大学から協力要請いただいたんですが、残念ながら全ての会場が直ちにスタートするわけじゃないんで、拠点校となったところは、なれなかった近隣の大学や短大の教授や学生さんたちも是非巻き込んでやってもらうということも考えておりまして、NHKなど割と正しい報道をしてくれているんですけど、ワイドショーなんかはざっくりやるもんですから、うちの大学はなぜやってくれないんだということの批判が随分上がっているんですけど、ちゃんとそういうことも丁寧に考えていますので、是非御理解をいただきたいなと思っています。  東京都の教育委員会が、本年九月から、全ての都立学校の女子トイレに生理用品を設置することで必要な児童生徒がいつでも生理用品を使えるよう取り組むこととしたことは承知をしております。学校において生理用品を無償配布するかどうかについては、それぞれの学校の設置者に御判断いただくものと考えますが、学校においては通常、保健室に生理用品を備え、児童生徒への貸出しなどを行っています。  文科省においては、貧困などの問題により生理用品が用意できない児童生徒に対しては、返却をむやみに求めないことはもちろん、背景にある問題についてスクールソーシャルワーカー等と連携して適切に支援するよう、これまでも各教育委員会等に対して示しております。  また、内閣府がNPO法人を活用して実施する様々な困難を抱える女性や子供を支援するための交付金事業を活用し、学校とNPO法人と連携の上、学校を生理用品の配布先とするなどの取組を推進しています。この事業について、文科省では本年四月に内閣府と連携しながら各教育委員会等に対して事務連絡を発出し、当該事務連絡において、NPO法人等が学校において生理用品を配布する際に、児童生徒が安心して入手できるよう設置場所の工夫の検討もお願いしているところです。  文科省としては、引き続き、生理用品等を自身で用意できない児童生徒に対し適切な支援が行われるよう、関係省庁と連携して取り組んでまいりたいと考えております。
  139. 高瀬弘美

    高瀬弘美君 大臣、ありがとうございます。  保健室での生理用品の貸出し等既に行われていることでございますが、ポイントとしては、口に出さなくともトイレにこれが配備されているというところでございます。東京都の取組はまさにそのようになっておりますので、こうした取組が全国で展開されるように引き続き後押しをお願いしたいと思います。  続きまして、性的マイノリティーの方々についてお伺いいたします。  SDGsの理念でもある誰一人取り残さない社会の実現のためには、生きづらさを抱えている方々の声に真摯に耳を傾け、その生きづらさを取り除く必要があります。公明党は、こうした観点から、性的少数者の方々の声に耳を傾け、党内には同性婚検討ワーキングチームも設置をし、私が事務局長を務めておりますけれども、国会においても議員立法であります性的少数者に対する理解増進法の成立に向けて尽力をしてまいりました。  地方においても、我が党の地方議員の皆様が同性パートナーシップ条例を推進し、パートナーシップ制度は全国で広がりを見せております。東京都議会におきましても、これまで都議会公明党はパートナーシップ条例について都知事に求めてまいりました。都知事も、六月二日に、公明党の質問に対して、導入に向けて検討すると前向きな御答弁をいただいているところでございます。  日本が主催国として多様性をうたうオリパラ、また大阪万博の開催に向けて進んでいく中で、理解増進法は残念ながら今日時点でも国会提出に至っておりませんが、政府として性的少数者の方々に関する理解を促進し、多様性を受け入れる環境をつくるという決意が変わらないことを明確に御答弁いただくとともに、今年の経済財政運営と改革の基本方針、いわゆる骨太の方針にも今申し上げた方針をしっかりと書き込むべきと考えますが、総理、いかがでしょうか。
  140. 菅義偉

    内閣総理大臣菅義偉君) 骨太方針については、現在まさに検討をしているところであります。具体的な内容が固まっているわけではありませんけれども、御指摘の性的指向、性自認に関する正しい理解を促進し、社会全体が多様性を受け入れる環境づくり、ここは大変重要であると考えています。  政府としては、今後とも、多様性が尊重され、全ての人々がお互いの人権や尊厳を大切にし、生き生きとした人生を享受できる共生社会の実現にしっかり取り組んでいきたいと思います。
  141. 高瀬弘美

    高瀬弘美君 今、当事者の皆様、大変不安に思われております。この法案がうまくいっていないという中で、政府としての方針がどのようになっていくのか、非常に不安に思われている中でございますので、是非総理の方でも当事者の方々の声を受け止めていただき、聞いていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  142. 菅義偉

    内閣総理大臣菅義偉君) 今お話あったことは受け止めさせていただきます。
  143. 高瀬弘美

    高瀬弘美君 よろしくお願いいたします。  コロナ禍で学生の就職に影響が出ております。航空業界は新卒採用が大幅減となり、旅行業界も新卒採用の見送りが決まるなど、希望していた業界の採用がそもそもなくなってしまった学生さんもいますし、オンラインでの説明会が続いている中で、面接で職場の雰囲気が分からないまま就職が決まってしまったために、実際に働いてみると思っていた職場と違ったというミスマッチも起こりやすくなっております。  学校を卒業した時点での景気状況がその後のキャリアや収入などにも負の影響が長く続くという研究もございまして、就職氷河期世代方々、今これは政府を挙げて雇用、正社員としての雇用のために取り組んでいるところでございますが、就職氷河期世代方々がまさにその象徴であると思います。  百年に一度の危機と言われるコロナ禍で就職した昨年、今年の就職状況については、第二の就職氷河期世代をつくらないために、正規雇用として定着するか注視をするとともに、既卒、新卒の区別なく正社員として採用してもらえるように働きかけをする必要がありますが、総理の御所見を伺います。
  144. 菅義偉

    内閣総理大臣菅義偉君) 航空業界、旅行業界など新型コロナ影響を特に受ける業界においては、新卒採用が厳しい状況にあると承知しており、本人の希望に沿った就職の実現に向け、きめ細かな支援を継続的に行っていく必要があると思っています。  政府としては、卒業後、これ三年以内の既卒者を新卒扱いとすることを経団連に、経済団体要請をし、新卒応援ハローワークにおいて、大学等と連携しつつ、新卒者、既卒者を対象に個別にきめ細かな就職支援を行うとともに、就職後における定着支援も行っているところです。  第二の就職氷河期世代をつくることにならないよう、今後ともこうした取組をしっかり行っていきます。
  145. 高瀬弘美

    高瀬弘美君 ありがとうございます。  今総理の方からも御答弁ございましたけれども、新卒の方々、どのようにこの後定着していくのかしっかり見る必要がございますし、同時並行として、ジョブ型の雇用ですとか、また中途採用を増やす等も経済界に働きかけをして、しっかり増やしていただく必要があると思います。  若い方々が正社員としてしっかりと働けるということが、少子化を止める意味でも、また日本経済をこれから成長させる意味でも大事なところだと思いますので、是非ともこの点は政府を挙げて取組を進めていただきたいと思います。  私の質問、これで終わらせていただきます。ありがとうございました。     ─────────────
  146. 野村哲郎

    委員長野村哲郎君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日、水岡俊一君、福山哲郎君、本田顕子さん、石田昌宏君が委員辞任され、その補欠として小沼巧君、勝部賢志君、高橋はるみさん及び清水真人君が選任されました。     ─────────────
  147. 柴田巧

    柴田巧君 日本維新の会の柴田巧です。  この委員会は、令和年度決算の締めくくり総括ということですので、まず決算に関連して一つお聞きをしたいと思います。(資料提示)  それは、この独立行政法人の繰越欠損金に関してであります。お手元に資料が、あるいはテレビを御覧の方はパネルが、見ていただければと思いますが、この会計検査院の検査によると、この独法三十法人四十三勘定の平成二十三事業年度末から令和元事業年度末までの繰越欠損金、まあ赤字と言っていいわけですが、この状況が、十一の法人で六千二百九十九億円に上るということが明らかになりました。  十一法人のうち、手元にありますように、総務省所管の情報通信研究機構など四つの法人では既に新規事業の実施を取りやめたり一部事業の廃止が見込まれたりして、千五百七十五億円、解消する見通しが立っていないということでございます。このままだと、国がこの四法人に出資している金額というのは千七百五十五億円ということになるんですが、その大半がこの欠損金の清算に充てられると、そして回収不能ということがあり得るということになっているわけであります。  独法の大半は国からの出資を受けて公的事業をやっているわけでありますけれども、利益を追求をしているわけではありませんが、赤字が出たらそのツケを国民負担に、政府出資金によって埋めるというのは余りにも安易過ぎると言わざるを得ないと思っています。  そこで、総理にお伺いをしますけれども、この四法人を所管する各省に対して、今回のこの会計検査院の結果を厳しく受け止めて徹底的な検証をするとともに、欠損金の清算が国民負担とならないように、極力、効率的な業務運営を行うように強くやっぱり求めるべきだと思います。  あわせて、この四法人あるいは十一法人のみならず、独法全体にわたってガバナンス等の問題はないか、この際一回点検をされた方がいいのではないかと思いますが、併せて総理の御見解をお聞きをします。
  148. 菅義偉

    内閣総理大臣菅義偉君) 独立行政法人は、公共性の高い事業を省庁から独立した法人に効果的、効率的に行わせるものであります。こうした趣旨に基づいて所管大臣が示した目標のものと業務運営が行われております。  今般の会計検査院からの繰越欠損金に係る指摘については重く受け止めております。所管大臣から、法人が説明責任を果たしているか、ガバナンス機能をしているか、不断の見直しを行っていく必要があると考えております。  各法人の状況については所管大臣から答弁をさせます。
  149. 柴田巧

    柴田巧君 いや、所管大臣、結構でございます。  いずれにしても、平成二十六年に安倍内閣の際に独法改革、独法通則法の改正などがありました。一定の独法改革が進んできたと思っていますが、毎年毎年会計検査院からはこの独法に関する、今回は今申し上げた繰越欠損金でありますが、例えば前の年だと余剰資金を必要以上に抱えているという指摘がなされて、それがもう何年も何年も指摘を受けているわけであって、この独法をめぐる資金の活用が十二分でなかったり、有効活用されていなかったり、あるいはずさんな経営が非常に目立つようになりましたので、先ほど申し上げましたように、一度やっぱりこれ総点検を是非やっていただきたいと思いますし、主務大臣におかれましてはしっかり繰越金、欠損繰越金が少なくなるように努力をしていただくことを改めて求めておきます。よろしくお願いします。  じゃ、続いてそのまま。
  150. 野村哲郎

    委員長野村哲郎君) 総務大臣の答弁、よろしいですか。
  151. 柴田巧

    柴田巧君 いや、総理に求めた答弁でした。結構でございます。  じゃ、次に、新型コロナ対策についてお聞きをしていきたいと思います。  私ども日本維新の会はどこの党よりも早く、この新型コロナに関しては去年の一月二十三日に対策本部を立ち上げました。そして、二月の三日に第一弾の提言を出して、これまで七回にわたって総理等にこの提言を出してまいりました。このうち、例えば入国制限の強化であったり、軽症者へのホテルの活用であったり、家賃支援給付金の創設であったり、医療機関への勧告権の創設などなどが実現をされてきたわけですが、先週の木曜日、六月の三日に第八弾を、総理に我が党からこの提言を改めて出したわけです。  本当は盛りだくさんなんですが、ちょっと時間の関係もあるので、大きな柱だけそこに記してございますが、これに基づいて総理の御見解をお聞きをしてまいりたいと思います。  一つは、先ほどもお話が出ていましたが、三十兆円規模の補正予算を速やかに編成すべきだというのが我々の一つの提言であります。今、三度目のこの緊急事態宣言が発令される中で、非常に国民の窮状は大変、先ほどもお話がありましたが、深刻なものになっております。  内閣府が今月二日に発表したいわゆる需給ギャップでいいますと、本年の一月―三月期はマイナス四・七%になったと推計を発表をしておりました。金額に換算すると二十六兆円程度の需要不足に相当するということになります。  令和二年の四―六が五十八兆程度の不足になっていて、まあちょっと戻ったんですが、またこうやって二十六兆程度の不足が生じているということですので、したがって、この需給ギャップ等マクロ経済の厳しい状況も踏まえ、政府支出でしっかりカバーをして、事業資金、生活資金、またこの地方財政を支えるべく、三十兆程度の令和年度の第一次補正を速やかにやっぱり編成するということが大事ではないかと思いますが、総理にお尋ねをいたします。
  152. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) 新型コロナに対しまして、例えば私どもとしては、令和年度の三次の補正、第三次補正予算を御記憶かと思いますが、この中でコロナ予備費で措置したものも含めまして、今年度、三年度に繰り越したいわゆる前年度予算額というのは、精査中ではありますけど、約三十兆円ぐらいが今年度に繰り越されているということがあります。三十兆であります。  したがいまして、これを着実に実行していくというのは今年度経済対策等々にこれは使えるというようなことになりますし、加えて、令和年度のコロナ予備費というのが五兆積ませていただきましたけど、今約一兆少々、残り約三兆九千八百八十億円ぐらいがあろうと存じますので、政府といたしましては、当然、新たな経済対策とか補正予算とかいうのの編成を今検討しているわけではありませんけれども、こういったものを活用させていただいて、まだ繰り越されて執行中ですから、そういったものを使わせていただいて適切に対応させていただければと考えております。
  153. 柴田巧

    柴田巧君 先ほども財務大臣はそうおっしゃって、お聞きをしておりましたが、これから接種が拡大をしていけば、まあほかの国もそうですが、経済は回復の基調に向かっていくものと期待をしたいと思っていますし、他の国が接種率が高まるとそういう傾向にあるのは事実で、逆に言うと日本はその分遅れているわけですが、ただ、これからがコロナの闘いの胸突き八丁に差しかかると思うんですね。  そういう意味では、今、前年度の分の話もありましたが、やっぱり新たに大きな補正を組むということがこの出口に向かって加速をさせるということになると思いますので、是非、政府におかれては、この大規模な補正が、このコロナの闘いに勝っていくためにも、出口に向かって加速するために必要だという認識を是非持っていただきたいということを改めて申し上げておきたいと思います。  それから、次に私どもが提案をさせていただいたのは、当分の間、消費税を五%に減税をするということです。このことについては、我々日本維新の会はずっとこのことを求めてまいったわけでありますが、今この足下の経済状況は大変厳しいものがございます。  総務省の労働力調査、これ四月のものによると、昨年のそれと比べると五十一万人も就業者は少なくなってきている。また、パートやアルバイトなどの非正規の雇用者は七十四万人減ったと言われております。また、内閣府の先月三十一日に発表した五月の消費者態度指数は二か月連続で悪化しているわけで、これだと負のスパイラルに入っていく可能性が否定できないということです。  御存じのとおり、イギリスを始めヨーロッパの国々などでは消費減税をこのコロナ禍でやはり行われている。あのドイツでさえ、財政規律を重んじるドイツでさえ、御存じのとおり、あちらでは付加価値税になりますが、減税をしているわけですね。今このコロナ禍で、今申し上げた国を含め、大体四十五の国々がこの付加価値税の、税率と対象はそれぞれ異なりますが、減税をしているわけで、そうやってでも経済を何とか回復させていこうという努力をしているわけであります。  我が党は、既にこの参議院に、消費税を二年間五%に減税する消費税減税プログラムの法案も参議院に提出をしていますが、コロナ禍が長期になることによって傷んでいる経済全体の再生を図るために、また、消費税の減税というのはこれは誰もが公平に効果を享受できると思いますが、当分の間、消費税を五%に減税すべきことをやっぱり考えるべきではないかと思いますが、総理にお伺いをしたいと思います。
  154. 菅義偉

    内閣総理大臣菅義偉君) 新型コロナの感染が長引く中で、一日も早く感染を収束させることが経済にとっても最大の対策と考えており、感染対策ワクチン接種全力で挙げて取り組んでおります。  その中で、新型コロナにより影響を受けた方をしっかり支援するために、事業や雇用、暮らしを守るための支援策を実施しています。事業者の資金繰りの支援、雇用調整助成金によって事業や雇用を確保し、緊急小口資金などにより手元資金が不足している方をしっかり支えております。  消費税については、社会保障のために必要な財源と考えております。消費税を一〇%に引き上げた際には、約二兆円の財源を使って幼児教育や大学の無償化を進め、子供や若者への投資を増やしております。  今後も、安心できる社会保障制度とするために、財源もしっかり確保していく必要があるというふうに考えています。
  155. 柴田巧

    柴田巧君 ずっと一貫してそういう答弁を総理はされておるのは残念なんですが、先ほども総理経済あっての財政だということもおっしゃっておられるわけで、また、先ほど申し上げたように、他国ではもう四十五の国々がそういうことを既にやっているわけで、私たちも、未来永劫に五%にしろとか、これをゼロにしろとかということまで言っているわけではありませんので、是非、この消費減税を経済対策の大きな柱として日本でも是非考えていただきたいことを申し上げておきたいと思います。  次に、ロックダウン法制の整備と特別の犠牲を強いる際の補償の制度化と書かせていただきましたが、今回のこのコロナ禍で我々が得た最大の教訓の一つは、法律であれ憲法であれ、緊急事態に係る規律をやっぱり平時からしっかり整備をしておかなければ、かえって国民の権利や自由への制限がなし崩し的に恒常化されるという事実ではないかと思っています。そういうことから、平時からやっぱり最悪の事態を想定をして、必要な民主的コントロールの下で内閣が平時モードと有事モードをギアチェンジできる複線的な統治システムを構築すべきだと我々は考えます。  これは我々の言葉では分厚い民主主義と表しているんですが、総理も、これまでも、緊急事態の際の特別措置を作らなければならないといったことなどにも言及は記者会見などではされているわけですが、現実はなかなか法律上のハードルがあって、外出自粛も要請にとどまるというところにとどまっているわけですけれども、やはり国においても、他の先進民主国でもやっているように、最悪の事態を想定して、国民の外出等を制限するロックダウン法制というのもやっぱり整備をする必要性が出てきているのではないか。  一方で、人流抑制等の目的で営業停止など特別の犠牲を強いる際の補償の在り方も速やかに併せて検討していくべきではないか。我々はずっと要請をするなら補償をということを申し上げてきたわけですが、このロックダウン法制などを考えていくとすると、こういった今申し上げたこともセットで併せて検討する、そういう段階に来ているのではないかと思いますが、総理の御見解をお聞きをします。
  156. 西村康稔

    国務大臣(西村康稔君) 特措法関連の話もありますので、私から答弁させていただきます。  二月の法改正で、事業者の皆さんに対しては要請を行って、なかなかそれに応えていただけないお店には更に命令、罰則という規定を設けさせていただきまして、その後、緊急事態宣言の下で、八時までの時短あるいは酒類の提供の停止、大型商業施設への休業要請ということで、国民皆様の御協力もいただいて、一定程度、これ人流が減り、感染も減少が見えてきているところであります。  その上で、御指摘の個人の外出、移動制限の強化についてでありますが、確かに我が国のような民主的な先進国の中で多くの国がこの外出移動制限に罰則を設けているところであります。我が国の憲法十二条においても、国民は自由及び権利の濫用をしてはならないのであって、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負うとされているわけでありまして、御指摘のような、今後、更に強い変異株あるいはまた新たな感染症、こういったことも見据えながら、国民皆さんの命を守るために必要となれば、感染症を抑え込むために、私権の制限、どのような制度があり得るのか、このことについては我々としても不断の検討は進めていきたいと考えております。  その上で、補償の話でありますが、海外の事例見ましても、全ての国で何か直接給付のような形を行っているわけではないようでありますが、いずれにしましても、そうした不断の検討の中で、諸外国の例も含めて様々な研究は進めていきたいというふうに考えております。
  157. 柴田巧

    柴田巧君 このロックダウン法制、私権をもし制限するならば、しっかりとしたやっぱりそういうセットで物事を考えていかなければ理解を得ることができないと思いますし、有効な対策を立てれないと思いますので、是非また検討をお願いをしたいと思います。  四番目、この通常国会の会期延長をやはりすべきだということを総理に先般提案をさせていただいたわけです。今お話をしてきましたように、この補正予算、あるいは消費税の減税であったり、それから今有事モードの法制であったり、いろんなこの支援策を議論する等々、国会はこの会期で閉じてしまうのはやっぱりいかがなものかと思います。また、この緊急事態宣言も続いていますし、先ほども触れましたように、このコロナの課題が山積をしてまだまだ出口が見えない中に閉じてしまうということは、やっぱり国民から見ても理解に苦しむのではないかと思います。  先ほどもお話ししましたように、これからがまさに正念場だと思います。しっかり先ほど申し上げてきたことなどなどを議論するために国会を延長するということをやっぱり考えるべきではないかと思いますが、総理、どうお思いでしょうか、お聞きをします。
  158. 菅義偉

    内閣総理大臣菅義偉君) まず、提出した法案を会期内に成立させていただくことが大前提であり、政府として法案成立に向けてしっかり取り組んでまいりたいというふうに思います。  その上で、委員御承知のとおり、本日は、私自身行政の長である内閣総理大臣の立場で出席をいたしております。国会の会期は両議院一致の議決で延長可能とされておりますので、国会でお決めいただくものであります。
  159. 柴田巧

    柴田巧君 国会でお決めしてくださいというお話でありますが、報道によれば、公明党の山口代表とも会期延長のことでお話をされたやにも聞きますし、最大与党の総裁でもあります。何よりも、国民のために働く内閣だとおっしゃるわけですから、国会国民のために働くためには、やっぱり先ほど申し上げたいろんな問題を片付くまではこれはやっぱり延長しておくというのが、ましてやこれから正念場になりますので、大事なことではないかということを強く申し上げておきたいと思います。  時間がだんだん少なくなってきましたのでちょっと急ぎながらあれしますが、一番最後、六番目の、国産ワクチンや治療薬の研究開発、生産体制の強化ということも提案をさせていただきました。残念ながら、この国産ワクチンの開発が周回遅れになってワクチン敗戦などとやゆされているのは残念なことでありまして、これはやっぱりパンデミックなどの非常事態を想定して平時からの対策が不足していたからにほかなりません。やはり、国内ワクチンが開発をされてそれを使用できれば安定供給の見通しはしっかり立ちますし、もしこの国独自の変異ウイルスが出現した場合でも即座に対応できると思います。さらには、新興国にも輸出できれば国際貢献も可能だと。  そんな中で、新たな国家戦略が、ワクチンのですね、できたのは結構なことだとは思いますが、世界トップレベルの研究開発の拠点の整備などなど盛り込まれましたが、これはしかし、同じような議論を実は繰り返してきているわけですね。平成十七年には今と大体同様の論点を盛り込んだワクチン産業ビジョンというのを作っていますし、また、新型インフルエンザが収まった後には、平成二十二年にはやはり同じようなものが、作って、作ったけれども生かされないまま今日に来ているということでありまして、やはりこのワクチンの開発、生産は、危機管理上、安全保障からも極めて重要なものだという、本腰を入れて、今度こそやっぱり実現を図っていくべきだと思います。そのためにも、この産学官の力を結集をして、スピード感を持って実現に取り組むべきと思いますが、総理のお考えをお聞きをします。
  160. 井上信治

    国務大臣(井上信治君) ワクチン開発・生産体制強化戦略、この戦略は、ワクチンを国内で開発、生産できる力を持つことは、国の、健康保持への寄与はもとより、外交や安全保障の観点からも極めて重要との認識の下、今回のパンデミックを契機に、政府が一体となって取り組む国家戦略として取りまとめられたものです。今回、要因分析も含めた集中的な議論を行い、オールジャパンの総力を挙げてこの困難に立ち向かうという政府の決意を示すことができました。しかし、大切なのはむしろこれからであり、直ちに実行に移していく必要があります。  健康・医療戦略担当大臣として、関係省庁と緊密に協力をしつつ、安全性にも十分配慮の上、より一層の緊張感とスピード感を持って国産ワクチンの実用化を目指した支援を着実に進めてまいります。
  161. 柴田巧

    柴田巧君 計画を作るのが大事なのではなくて、あるいは立派な作文を書くことが大事なのではなくて、やっぱりそれをスピーディーに実現をしていくと。してこなかったからこういう事態になっているわけですから、今回は掛け声だけで終わらないで、実のあるものに是非していただきたいと思います。是非このことを総理始め関係の皆さんにお願いをしていきたいと思います。  次に、台湾有事についていろいろお聞きをしたかったのですが、時間が迫ってきましたので、総理に二問お尋ねをしていきたいと思います。  三月の九日、今年の、アメリカのインド太平洋軍司令官、デービッドソン大将は、当時の、今後六年以内に中国が台湾に侵攻する可能性があると証言をしました。また、その後もアメリカ軍の関係者から同様の趣旨の発言が続いていますが、この台湾有事というのは非常に大きな関心事になってきています。中国の習主席も、台湾統一に向けて、二〇一九年の一月になりますが、武力行使は放棄しないと明言をしていますし、着々とその準備が進んでいるようなところも見受けられます。  この台湾有事は、決して我が国、他人事ではなくて、まさに日本有事になる問題であります。しかも、大変これは複雑なのは、歴史を振り返っても明らかなように、台湾有事は半島有事と連動する、昔の台湾有事が起きたときは朝鮮戦争が起きたということがありました。これはアメリカ軍の力を、監視を弱めるための策でもありました。またそういうこともあり得ると。  そして、今は、昔と違っているのは台湾は今半導体の世界有数の基地であると、生産拠点であると。また、もし中国に経済制裁を科すとなると大変、経済、世界経済、なかんずく日本経済は大変なことになるという、大変複合的な危機を招来するということになりますから、それに備えていくには今の本当に危機管理体制で十分なのかどうか、拡充する必要があるのではないか、総理の御見解をお聞きをします。
  162. 茂木敏充

    国務大臣(茂木敏充君) 台湾海峡の平和と安定、これは地域全体にとっても極めて重要でありまして、先日の日米首脳会談におきましても、そのこと確認をし、さらには当事者間によって問題を平和的に解決すると、こういう重要性、これも確認したところであります。  御指摘のようなサプライチェーンの問題も含めて、しっかりと地域の安全確保できるように万全を期していきたいと思っております。
  163. 柴田巧

    柴田巧君 じゃ、最後の質問になりますが、総理は今週末、サミットに行かれます。そこで、今外務大臣もおっしゃいましたが、今まで日米首脳会談でも明記されましたが、やはりサミットの場で台湾海峡の平和と安定の重要性はしっかりと主張されるべきだと思いますし、関係国のそうやって理解と協力を得ることが大事だと思いますが、初めて参加されるサミットの意気込みとともにお聞きをして、最後にしたいと思います。
  164. 菅義偉

    内閣総理大臣菅義偉君) 我が国として、従来から、台湾をめぐる問題が当事者間の直接の対話によって平和的に解決をされることを期待する、この方針は一貫をしております。  G7サミットで扱う議題については議長国である英国が調整中でありますが、我が国の一貫した立場を踏まえつつ、適切に対応していきたいと思います。
  165. 柴田巧

    柴田巧君 時間が来たので終わりますが、しっかりとサミットで主張していただきたいと思います。  終わります。
  166. 上田清司

    上田清司君 国民民主党・新緑風会、新緑風会の上田清司です。菅総理を始め、閣僚の皆様には毎日御苦労さまです。  今日は、個人情報の流出を中心にして議論を進めさせていただきたいと思っております。  総理、デジタル化を通じて行政の仕組みや、あるいは社会の仕組みを変えようというこの考え方、心意気は大変評価できる、このように私も思っております。同時に、デジタル化は大量に個人の情報などが流出するという側面も持っております。  最近の事例ですが、LINEの利用者八千六百万人分の個人情報が韓国のサーバーに無防備に格納され、中国企業から閲覧可能であったことが発見されました、発覚しました。政府機関でもLINEサービスの利用状況は七八・二%、うち機密性を要する情報が一九・九%あったことも分かりました。地方団体においても六四・八%の業務をLINEを使ってやっていると。うち住民情報に係るものが二二・五%あったと。もとより早急に政府においてガイドラインなどを作っていただき、これをブロックするような仕組みを考えていただいたこと、厚く御礼を申し上げます。  一方、また、婚活アプリ百七十万人分の個人情報が不正アクセスされ、流出するという事態も起こっております。あるいは、郵便局の五千七百の局で、投資信託、国債など金融商品を取引した顧客の情報を含む書類が紛失、少なくとも六万七千人分の記録が保管されていなかったという報道が出ています。今調査中だと聞いております。内閣官房の事例でも、富士通の情報共有ソフト、ProjectWEBが不正アクセスを受けて、内閣官房や国土交通省、外務省で個人情報が流出したというニュースも流れています。  総理、このように公的機関や、あるいはまた個人情報の保護が極めて脆弱ではないかと思われます。国民の個人情報保護は万全なのか、総理の認識と個人情報保護に対する総理の決意、これを伺いたいと思います。
  167. 菅義偉

    内閣総理大臣菅義偉君) 国や地方のデジタル改革を強力に進める中で、個人情報の保護は大変重要であるということを認識しています。  今国会において、個人情報保護委員会が、個人情報の取扱いについて権限を強化した上で、一元的に監視、監督することを内容とした法律改正が行われたところであります。こうした改正後の個人情報保護法の下に、公共機関における個人情報の適切な取扱い、ここはしっかり確保していきたい、このように思います。
  168. 上田清司

    上田清司君 よろしくお願いいたします。  そこで、私は改めて三年前に話題になりました、個人の年金情報が中国に五百一万件流出したのではないかという案件がこの国会でも大きく話題になりました。最終的には、あくまで氏名と振り仮名の二情報だけが中国の関連企業に委託されたんだというふうになったわけでありますが、私はこれについて疑いを持っておりますし、さきの予算委員会などでも長妻議員がこの問題を扱っております。(資料提示)  この流れについては資料の二に配付しておりますが、そもそもこの日本年金機構から五百一万件の個人情報を、ベリファイ方式という形で二人の作業員がパソコンとにらみ合いっこしながら、申告書、今こちらにパネルに大きく打っておりますが、お手元の資料にも出しております。資料の四と五です。年金受給者の扶養義務等の申告書です。これを打ち込んで、フォーマットに合わせて、二人の中身が一致すればオーケーで、一か所でも間違いがあれば自動的にストップが掛かって、やり直しをしてプログラムを作成するという大変厄介な仕事です。文字にして四億二千万文字あります。この文字を一社でやるという仕組みをつくりました。  実は、その前年度は二億一千万文字だったのが、二社でやらせたんですが、なぜかこのときは四億二千万という倍になっても一社の枠組みで入札を掛けて、当然、膨大な人数を用意しなくちゃいけません。実は八百人です。このベリファイ方式でやると、人数が。入力作業員が八百人です。これが準備できないので、みんな降りちゃった。SAY企画という企業だけが手を挙げたので、そこに落ちました。何やら偽計業務妨害罪の疑いがあるんじゃないかと思われるような仕組みです。  これで、改めてまた戻りますが、この申告書です。この申告書の年金好子、年金智史、年金花子、こういったところが実はよく読み取れなかったと、この会社は、ベリファイ方式で契約をしながら、契約違反をやって、人数が八百人集められなかったんです。十月から作業を始めたんですけれども、僅か三十八人。八百人です、大変な規模です。これ、全て秘密保持の契約書を一人一人結ぶんです。そうですよ、それぞれの個人の情報が全部この年金の記録に入っているわけですから、むやみやたら、あちこちにばらまかれても困りますから、一人一人秘密保持の契約書を結ぶんです。それが八百人必要なんです。それができないもので、自動読み取り機という、OCRという自動読み取り機でこれをさっと読む仕掛けに変えたと勝手に言っているわけです。この変えた結果、この年金好子や年金智史、年金花子、この名前がよく写らないので、この部分だけは中国に渡して、向こうで入力をしてもらったという話になったんです。  ところが、ずっと私、この議論をしていて、この年金好子とか年金花子というのは自筆で書いてあるもんだと思っていたんです。ところが、これ全部、日本年金機構から印刷されて送られているんです。書いてあるんです、ちゃんと。配付資料四の上の方の段の四行文字がありますが、二行目に、この内容は印刷されていますとちゃんと書いてあります。ちゃんと書いてあるんです。年金の手引書、この申告をする手引書にもちゃんと印刷されていますと書いてあるんです。だから、OCRを掛けると、これにOCRを掛けるとですね、一番大きな文字が年金好子、年金花子、年金智史なんです。  ここにおられる方は、年金をもらっているか、年金受給資格者ではあるけれども、所得があるので年金停止になっているので、こういうのが届いていません。だから気付かないんですけれども、普通の方にはこういうのが届いて、ちゃんと名前、氏名、振り仮名、その上で様々なことを書いて日本年金機構に送って、日本年金機構としては、ベリファイ方式できちっとフォーマットを作って、暗号化していく作業をするんです。それをしないで、このSAY企画というのは、なぜか知りませんが、新たなシステムをつくって、しゅうっとOCRを掛けると全部写し出すことができると。でも、氏名と振り仮名だけはよく見えなかったので、そこを送ると。ばかも休み休み言えと。この名前と振り仮名が一番でかいんです、この中で、見てお分かりのように。資料四、あるいはこの裏の資料五、見てください。この人の名前と振り仮名が一番大きいんです。これが読み取れなくて、そして、それよりも四分の一、二分の一の文字は読み取れたと、こういう話を一貫して国会で答弁していたんです。  水島理事長、なぜこの大きい文字が、印刷された大きい文字が読み取れずに、この小さい文字は読み取ったんだ。なぜだったんですか、お答えください。
  169. 水島藤一郎

    参考人水島藤一郎君) お答えをいたします。  その、そこに書いてございますお名前等に関しましては、前年お届けいただいたものについて私どもで印字をいたしております。それ、新たな扶養親族の方々については新たに書いていただく、あるいは間違っている場合には訂正していただくわけでございまして、そのような手続がそれで行われるということでございます。  それから、申し上げるまでもありませんが、振り仮名だと、氏名と振り仮名だけであったということはIBMの報告書でも明らかに報告がなされているところでございまして、私どもとしては氏名と仮名のみが中国に渡ったというふうに考えております。
  170. 上田清司

    上田清司君 もういいかげんに、ごめんなさいと言った方が早いですよ。  確かに、不十分なものが手書きであったりする。この五百一万件の中に一万九千九十八、〇・四%じゃないですか。それ以外は全部印刷されているじゃないですか。読み取れるじゃないですか。どうしてこういううそをいつまでもつくんですか。あなたがずっとうそをつくと、これは大臣も同じことを言わなくちゃいけないですから、大臣の職責も、どうかすると責任になってきますよ。  早く言ってください、うそだと、ごめんなさいと言ってください。
  171. 水島藤一郎

    参考人水島藤一郎君) 私どもで調査した結果を申し上げているわけでございまして、決してうそを申し上げているわけではございません。
  172. 上田清司

    上田清司君 読み取れたか読み取れなかったかを聞いているんですよ。読み取れなかったんですか。読み取れるじゃないですか。いいですか。参議院で事務所に貸与していただいているパソコンでも、これを読み取りましたよ。  私は一週間前に、一部上場企業でコンピューターソフトウエアの会社社長と技術畑の役員と会ってきました。具体的にヒアリングをさせていただきました、このことに関して。読み取れるんですよ。読み取れないというのは、何の理由で読み取れないのか。あなたたちも知っているし、年金局だって知っているでしょう、理事として行ったり来たりしているわけですから。どうしてこういううそをいつまでも言っているんですか。どうしたら読み取れないと言えるんですか。
  173. 水島藤一郎

    参考人水島藤一郎君) 私どもは、SAY企画が私どもに伝えると言ったことを確認をしたわけでございまして、私どもが読み取れないというふうに申し上げたわけではございません。
  174. 上田清司

    上田清司君 SAY企画が言ったことをそのままうのみにしただけですと。それじゃ困るでしょう。年金受給者、年金保険料を払っている国民等々の信頼を全部なくすじゃないですか。  田村大臣、また当時官房長官でありました加藤官房長官は厚労大臣もやっておられました。これが読み取れないということをSAY企画が言っていることを了としましたと言っているんです。それはいけません。そういうのをちゃんと調べるのが年金機構と、あるいは年金局の仕事です。  ちなみに、田村大臣、もう時間がありませんので申し上げますが、会計検査院が、SAY企画について契約をしたことをでたらめにやったという平成三十年十月二十二日発表の中身、御存じでしょうか。  この中身は、SAY企画と厚労省が受託業務をさせたんですけれども、実は一つに問題があった。仕事が終わっていないのに先にお金を払った。会計検査院が指摘した一項目。二項目め、このSAY企画は、二十五年、二十六年、二十七年、三年にわたって中国とベトナムに再委託をしていた。常習犯ですよ。  こういう人たちがいるのに、SAY企画がちゃんと見えなかったと言っているのをそのまま了としたというのが日本年金機構の考え方ですけど、これは了とするわけにいかないですよ、写るんですもん、きれいに。写らないわけがないんです。もうどこでも写りますよ、どんな、よっぽどぼろな機械じゃない限り。だけど、こっちが写らなくて、細かい字はよく写ったなんて、こんな話が通じるわけないじゃないですか。大臣、いかがですか。
  175. 田村憲久

    国務大臣(田村憲久君) 今お聞きになりたいのは、OCRでなぜ読み取れなかったかということですか。  私、そのときに現場にいたわけではないので、どういう理由だったのかというのは、これはSAY企画の話だったと思いますが、ただ一方で、IBMにこういう言うなればセキュリティーの問題があったときの依頼を元々しておられたので、年金機構が、IBMに入って調査をいただいた。ですから、IBMはそれ多分確認されているはずだと私は思うんですけれども、その上で第三者機関にそのIBMの報告を確認いただいて、問題ないということであったので、最終的には、今、水島理事長の話のように、問題がなかった、問題がなかったといいますか、漏れたのは氏名と振り仮名だけだったというふうになっているというふうに私は報告を受けております。
  176. 上田清司

    上田清司君 このIBMの報告です。お手元の資料に出しておりますが、表紙と、なぜか空欄にしている部分ですけれども、IBMの九ページに出ていたやつですけれども、わざわざ手書きと思わせるようなことを書いております。そして、QRコードとかそういうものはわざと消しています。そして、御丁寧にIBMももう逃げています、最後は。  結論を申し上げます。受託事業者側の、これはSAY企画のことです、受領ファイルについて、平成三十年二月二十六日に貴機構が、日本年金機構のことですが、独自に確認した結果、再委託先事業者、中国側ですね、の受領ファイルからには氏名と振り仮名しか含まれていなかったことが分かったと。要するに、機構が独自に確認した結果と、IBMは逃げているんですよ。自分たちはやっていない、機構がそう言っているということをちゃんと調査報告書に書いてあるんですよ。IBMは大連に行きました、中国の。全部ヒアリングと目視ばっかりです。サーバーを復元したりして、元に戻したりしていません。こういう実態です。  田村大臣、これは悪質ですよ。また、加藤官房長官、本当は写せるわけなのに写せなかったと言って全部送った。想像するに、五百一万件、このうち十万四千件入力ミス、そして入力放置ですよ。OCRを使ってやったら、そんな入力放置だとか入力ミスが十万四千件も出るわけないじゃないですか。五百一万件のうち十万四千件です。こんなにひどい入力の仕方はありません。これは大問題です。改めて調査を求めたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
  177. 野村哲郎

    委員長野村哲郎君) 時間が参っておりますので、簡潔にお願いいたします。
  178. 田村憲久

    国務大臣(田村憲久君) もうそのような報告を受けた上で、一応IBM等々が対応いただいた中において妥当であるということでございますので、年金機構の方でそのように御判断をされておられるというふうに思います。
  179. 上田清司

    上田清司君 終わります。ありがとうございました。     ─────────────
  180. 野村哲郎

    委員長野村哲郎君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日、上田清司君が委員辞任され、その補欠として芳賀道也君が選任されました。     ─────────────
  181. 野村哲郎

    委員長野村哲郎君) 理事補欠選任についてお諮りいたします。  委員異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  182. 野村哲郎

    委員長野村哲郎君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事芳賀道也君を指名します。     ─────────────
  183. 野村哲郎

    委員長野村哲郎君) 質疑を続けます。
  184. 小池晃

    小池晃君 日本共産党の小池晃です。  総理にお聞きをします。  新型コロナパンデミックの下で東京五輪を開催していいのだろうかという問題であります。  先ほど、国民の命と健康を守るのが開催の前提だと総理はおっしゃった。そして、私には国民の命を守る使命がある、命と健康を守れなければ五輪はやらないと明言されました。その基準はというふうに総理聞かれて、国民の命を守れるかどうかだと。これは同義反復ですから、基準になっていないと思うんですよ。国民の命守れなければできない、その基準は国民の命守れるかどうか、これでは説明になっていない。やっぱり国民が納得できる基準を、総理、示すべきではありませんか。(発言する者あり)
  185. 西村康稔

    国務大臣(西村康稔君) 委員長の御指名をいただきましたので……(発言する者あり)
  186. 野村哲郎

    委員長野村哲郎君) 総理はその後答えます。
  187. 西村康稔

    国務大臣(西村康稔君) まず、先ほども御説明申し上げたところですけれども、専門家の、尾身先生始め専門家の皆さんから様々リスクも言われておりますので、特に国内の人流がどういう影響を与えるのか、病床がどうなっていくのか、重症者の数がどうなるのか、他方でワクチン接種が進んでいくことのこのプラスの影響がどう出てくるのか、これを分析を進めているところであります。  それを踏まえて、国民皆様にしっかりとそうした姿をお示ししながら、医療が十分であること、感染を様々な対策によって抑えていくと、そういったことをお示しをしたいというふうに考えております。
  188. 小池晃

    小池晃君 ですから、いや、いいです、ですから、今言われたようなことを、感染拡大がどれだけ広がる危険があるのか、あるいは医療に対してどれだけ負荷を掛けるのか、そういうリスクをきちんと示す必要があると私は思うんですよ。  ちょっと、尾身分科会長、お聞きをしますけれども、やっぱりそのリスク評価というのは非常に大事だと思うんですね。リスク評価しないまま突き進んでいくというのは、これだけのやっぱり世界最大のスポーツイベントでそういったことをやらないで進んでいくというのは大変危険ではないかと思いますが、会長、いかがですか。
  189. 尾身茂

    参考人(尾身茂君) 私どもは、毎回申し上げておりますように、私どもの役割は、オリンピックの開催について決定したりする権限もないし、そういう立場でもないんですけど、我々、この感染症対策でずっと政府と一緒に提言をしてきた者としては、いわゆるこのオリンピックを開催することによってリスクがどういうものがあるのか、あるいは、リスクがあるんだったらそれをどういうように低減できるかというような選択肢も含めてやるということは、これは我々の責務だと思っております。
  190. 小池晃

    小池晃君 というふうにおっしゃっているわけですね。  総理ね、私はこのリスク評価、非常に大事だと思うんですよ。だって、安全、安心の大会なんだと幾ら言われても、国民はやっぱり、この大会の開催によってどれだけ感染が広がるんだろうか、あるいは医療にどれだけの負荷を掛けるんだろうかが分からなければ安心はできませんよね。だから、やっぱりリスク評価きちんとやる必要がある。ラウンドテーブルがある、あるいは調整会議があるとおっしゃるけれども、リスク評価を目的とした会議ではないわけですね。  総理ね、やっぱりこのリスク評価の問題について分科会に、尾身会長もああおっしゃっているわけですから、やっぱり私は、その意見にきちんと耳を傾ける、その上で判断していくということは、これは必須だと思いますが、総理、いかがですか。  総理、二回も、総理、二回、もう二回目なんだから、総理、答えてください。分科会に諮問してやっぱり意見を聞くべきかどうか、これは総理しか答えられない。総理が答えるべきだ。もういいです、大臣はいいです。総理、答えてください。総理、手挙げた。
  191. 菅義偉

    内閣総理大臣菅義偉君) 先ほども西村大臣から先ほどの質問についてお答えしましたけれども、尾身会長と西村大臣はこの問題について様々な連絡を取り合っている、そうしたことを申し上げているんじゃないでしょうか。  いずれにしろ、そうした中から総合的に対策を考えていく、そういう中で、私自身国民の命や健康を守る、そのことが大前提であるということを申し上げてきています。
  192. 小池晃

    小池晃君 何でそういう、個人的に意見の交換をする、そういうことじゃないでしょう、これは。国家的にはもう本当に大事な問題でしょう。だって、まん延防止措置を出す、緊急事態宣言を出す、いつでも分科会できちっと議論しているじゃない。分科会の意見を踏まえてとやっているじゃないですか。記者会見ではいつも尾身会長の横にいて、助け船を尾身会長に求めているじゃないですか。何でこういう大事な問題できちんと正式に分科会に諮問を求めなかったのか。  私は、今からでも遅くない、官房長官ね、後ろで首振っているけど、何で拒否するのか。これは、どう考えても分科会に正式に諮問すると政府にとって都合の悪い意見が出てくるからだというふうに見られても仕方がないですよ。そうでないというんだったら、きちっと分科会に諮問すべきじゃないですか。総理、答えてください。総理お答えください。何で分科会に諮問しないのか。
  193. 菅義偉

    内閣総理大臣菅義偉君) 分科会は西村大臣が担当していますから、連日そうしたことについて大臣とそこの分科会の会長の間で連携をしているということは事実じゃないでしょうか。
  194. 小池晃

    小池晃君 そんなこと聞いてないんですよ。  だって、これ、決断するのは総理でしょう。先ほどからおっしゃっているじゃないですか、私は主催者ではない、しかし、国民の命を守る使命があるとおっしゃったんです。総理大臣の使命として、最終的には総理が決断しなくちゃいけない。命と健康を守れなければ五輪はやらない、はっきりおっしゃった、さっき。その決断ができるのは総理しかいないんですよ。  だったらば、その総理が、西村大臣が担当だからとかいうんじゃなくて、自らきちんと分科会の意見を求める、それを何でやらないのか。それをやらないのは、都合の悪い意見を言われたら困るからだというふうにしか取れませんよ。きちんと、今からでも遅くない、分科会に対して意見を求めるべきだ。どうですか。  総理、答えてください。総理の決断で、さっき、だって、命を守るためには五輪はできないと、命守れなければできないとまでおっしゃったんだから、自分の答弁に責任を持ってくださいよ、総理。逃げないでください。総理、逃げないでください。総理、手挙げた。
  195. 菅義偉

    内閣総理大臣菅義偉君) 政府としては、分科会については、感染拡大、感染状況について対応をするところだというふうに思っています。  ですから、感染状況について、例えば緊急事態宣言をする場合とか、そうした分科会に諮って決めているということであります。
  196. 小池晃

    小池晃君 オリンピックは感染状況を踏まえて判断する最も大きなテーマじゃないですか。分科会は総合的かつ基本的な問題について調査審議するとなっているんだ。私は、結局、都合の悪い意見には耳を傾けようとしないと、政権に耳の痛いことは言われたくないというふうにしか思えません。  中身、具体的に聞いていきたいと思います。  命と健康を守れなければ五輪はやれないと総理はおっしゃった。しかし、田村大臣に聞きますが、新たな変異ウイルスに対する検査体制遅れていますね。N501Y変異株のPCR検査四割目指すといって、四割になったときにはもう完全に置き換わっていた。時既に遅しだった。今新たに広がる危険性があるデルタ株、これL452Rの変異株PCR検査、まだ試行的段階ですよね。全体の状況把握できませんよね。これ、アルファ株のときのように、四割把握できたときには全国に蔓延していたら意味がないんですよね。  大臣、いつまでにデルタ株のPCR検査をどれだけやるんですか。はっきり答えてください。
  197. 田村憲久

    国務大臣(田村憲久君) B・1・617系統でありますけど、今言われたデルタ株でありますけれども、これでありますが、言われるとおり非常に我々危惧いたしております。  今までも、国立感染研から民間の検査会社の方に検査の依頼をしてまいりました。そして、これは五月の二十八日よりですけれども、六月の四日、都道府県にスクリーニング検査の実施の依頼をいたしております。  元々、前回四〇%、これ検査やろうというので一応体制をつくってありますので、そういう意味では、いよいよこれからスタートしていきますから、四割の体制はありますので、そういう意味で、各自治体等の協力を得ながら四割を早急に目指していきたいというふうに思っております。
  198. 小池晃

    小池晃君 早急にって、いつまでですか。
  199. 田村憲久

    国務大臣(田村憲久君) 六月四日に御依頼をさせていただいておりますので、早急にということは早急でございます。  なお、前回はまず体制を、四割つくる体制に時間が掛かっておりますが、四割の体制は維持してありますので、N501Yの要するに試薬を、今度はL452Rですか、これに変えるという形でございますので、前回よりかは時間は掛からないというふうに思っております。
  200. 小池晃

    小池晃君 それは理解します。ただ、もう既に入国始まっているんですよ。早急に、こういう状態で外国から十万人新たに迎え入れる。私は大変危険だと思いますよ。  入管の統計と検疫での新型コロナ陽性者のグラフを重ねてみました。(資料提示)  これ、世界で感染が爆発した七月に陽性者が増えています。一旦ピークになります。その後、下がります。入国者数がその後、増えていきます。入国者数が増えていくと、またピークが出てくる。陽性者は増えています、昨年秋頃から。十二月にはアルファ株も入ってきているから、その影響もあるのかもしれない。その後、再び入国者が減る中で陽性者減りましたが、しかし、四月頃から、入国者それほど増えていないのに陽性者増えている。これはデルタ株の影響ももしかしたらあるのかもしれない。分かりません。  この今年二月から四月というのは、入国者、外国人ですよ、これ、一か月二万人以下なんです。それでも一定の数の感染者が入っているわけです。東京五輪では、選手、関係者、メディア、十万人近い外国人が入国する。今の五倍以上ですよ。しかも、入国後十四日間の待機措置も取り払われるわけです。デルタ株の感染力はこれまでの二倍以上だと言われています。五輪開催すれば、入国者は今の五倍以上になるんです。しかも、水際対策は緩和しているわけです。  総理、こういう状況を見ると、変異株によって感染が持ち込まれる危険が私はあると思いますが、いかがですか。総理、あるいは、じゃ厚労大臣
  201. 田村憲久

    国務大臣(田村憲久君) 五月三十一日時点で検疫で百九十二例が確認をされております。  御承知のとおり、入国の前にPCR検査等々をやり、国内に入ってからも検査をやります。オリンピックはオリンピックで、選手含め検査をやはり頻繁にやられるというふうにお聞きしておりますが、そこは我が省というよりかは委員会の方でいろいろと検討いただいているというふうに思います。  なので、そういう中においてしっかりと、もし感染者がいれば、確認した上で、その方々には療養いただくという形になろうと思います。
  202. 小池晃

    小池晃君 入国時にチェックをするというふうにおっしゃるんですけれども、日本の検疫でデルタ株が確認されてから七週間、調べてみると、検疫で検査された人のうち、インドとネパールから入国された方は六千二百人余りです。この方々ももう出国前にPCR検査を受けているはずなんです。受けているけれども、検疫で新型コロナ陽性が約二百三十人です。そのうちデルタ株が百八十人です。しかも、その後、自宅待機をしている間、外出自粛中に発症した例が各地で報告されている。これ、報道などをチェックしただけでも十件以上ありますよ。無症状の人なんかを含めればもっと多分入ってきているんだと思うんですよ。水際では明らかに、総理ね、水漏れが起きているんです。これが今の実態なんです。大変危険だと。  しかも、WHOによれば、デルタ株は今月一日の時点で世界六十二か国に広がっている。もうインド、ネパールだけの問題じゃないんです。世界中に広がりつつある。日本でも多分かなり広がっている可能性がある。  毎日検査するとおっしゃったけど、毎日検査するのは選手だけですよ。役員、メディア関係者の検査は、これは接触の度合いに応じてということで、場合によっては週一回なんですよ。しかも、十四日間の措置は解除されているわけですよ。緩んでいるわけです。  尾身会長は国会で、ジャーナリストやスポンサーの行動をプレーブックで書かれているように遵守してもらえるかどうかは、選手よりもより懸念があるというふうにおっしゃっている。私は同じ懸念を持ちます。そんな懸念はないと、大丈夫なんだと断言できますか。
  203. 菅義偉

    内閣総理大臣菅義偉君) 組織委員会からは、担当者をしっかり付けて、そしてホテルを専用のものにして、そこはしっかり対応するという報告を受けています。
  204. 小池晃

    小池晃君 ホテルを専用のものにする。ホテルにずっといるんですか。そうなっていないんですよ。みんな回るんです。  ちょっと、じゃ具体的に聞きます。いわゆるバブル方式で包み込むんだというふうにおっしゃるわけですが、東京五輪で来日をするIOC委員など、いわゆるオリンピックファミリー、その送迎のために二千七百台の車両を確保し、日本人の運転手を動員する計画があるんです。  これ、業界紙によれば、三月に東京ハイヤー・タクシー協会で行われた説明会で、五輪組織委員会の副会長が何が何でも開催するので協力を求めたと報道されています。IOCの理事らには、トヨタ自動車が提供するレクサス、アルファード、千三百台を使用する。全体で二千七百台。しんぶん赤旗日曜版が入手した内部資料によると、一チーム十五台から十六台の車両で運行して、勤務時間は二つ、午前七時から午後十時、それから午後十時から翌朝八時。国民には夜間の外出やめなさいと、八時になったら帰りなさいと、こういうふうにやっておきながら、オリンピックファミリーには夜中じゅう車を提供すると。  私は、なぜ二十四時間、ここは、じゃ答えてもらっていいけど、何で二十四時間走らせなきゃいけないんですか。
  205. 丸川珠代

    国務大臣(丸川珠代君) 恐縮です。  走らせる前提ではなくて、シフト組みがそうなっているということだと理解しますが、他方、大変恐縮なんですが、競技が十時までという、これもう海外との放送の関係で非常に遅くに終わる、また競技の内容によっては延長する可能性もあるということで、余裕を持ってそのようにしているということでございまして、運転手の皆様方、選手団はもちろん、選手団の送迎は毎日検査しますし、それ以外の皆様もきちんと、海外からおいでになる方のリスクに合わせて、検査の頻度、ワクチンなど、検討しておるところでございます。
  206. 小池晃

    小池晃君 いや、だから、夜十時までだったらそこまでやればいいじゃないですか。何で二十四時間体制で組むんですか。シフトの問題だと言うけれども、私は何でこんなことまでやるのか。  基本はやっぱりオリンピックファミリーですよ、これは、対象は。このトヨタ自動車のレクサス、アルファードなどを提供する対象はかなりそこの部分だと。国民には、夜出歩くな、家に帰れと言いながら、ここでも五輪は特別扱いなのかというふうに言いたくなるじゃないですか。  しかも、これ運転手の感染対策がなっていない。会話の制限、運転席と乗客席に間仕切りを付けるという程度なんです。ワクチン接種もPCR検査も計画示されていませんね。これで運転手の安全が守られるのか。運転手は公共交通機関を使って通勤するようにというふうにもされています。選手と大会関係者をバブルで包み込むと言うけれども、これ結局、バブルで遮断なんかされていないじゃないですか。これ、大変危険じゃないですか。
  207. 丸川珠代

    国務大臣(丸川珠代君) まさに、今どのぐらいの、外国からおいでになってくるお客様のシフトにどのぐらい入られる方かということ、あるいは、その時間等によって検査の頻度とそれからワクチン接種はきちんと検討しておるところでございます。
  208. 小池晃

    小池晃君 運転手のワクチン接種、いまだに計画示されていなくて、もう七月の十日から業務やろうと言っているのに、間に合わないじゃないですか。全く間に合わないじゃないですか。  これ、総理、こんなやり方で日本人運転手の安全守れますか。私は、オリンピック、国民の健康が前提だと言うけれども、これではオリンピックファミリーの健康、オリンピックファミリーの便利、そのためにやっているというふうにしか見えないですよ。こんなことでいいんですか。総理、答えてください、これ。総理、こういうやり方でいいと思いますか。
  209. 菅義偉

    内閣総理大臣菅義偉君) 外国の関係者について、これはファミリーかどうか知りませんけれども、徹底した対策を行うというふうに報告を受けています。  日本に入国する前に二回の検査、入国時検査、そして、日本に来てから三日間連続、毎日検査するという報告を受けています。そして、その後についてもしっかり検査をするという報告を受けています。
  210. 小池晃

    小池晃君 毎日検査は選手だけなんです。最初の三日間だけですよ、毎日検査するのは。最初の三日だけですよ。毎日やるのは選手だけなんですよ。  結局、オリンピックファミリーあるいは関係者は、あるいはメディア関係者は、これは週一回しか検査しないというケースが多いと思いますよ。実際、私聞いたらそう言っている。できるだけ接触しないようにみんなするんだと、そうすれば週一回でオーケーだというふうに言っている。  私は、バブルと言うけれども、こういう形で三十万人ぐらいの日本人がこのオリンピックの業務に関わるというわけですよ。結局、そういう人たち全く守るような仕組みが検討されていないじゃないかと。だって、ワクチンだって今からやると、検討すると言うんですよ。PCR検査だって今から検討すると言うんですよ。これ、バブルに大穴空いているじゃないですか。それこそバブルで泡と消えるじゃないですか。こういうことで国民の命が守れるんですかと私は言いたいと思うんです。  尾身会長にお聞きしたいんですけれども、私は変異株対策に非常に懸念を持っている、検査体制も含めて。それから、バブルで包み込むと言うけれども、結局やっぱり、特に大会関係者、メディア関係者などはなかなか行動が把握できないのではないか。それから、尾身会長がいろいろ言われている、やはり日本人の人の動き、いわゆる人流というか、それが大きくなるんじゃないか。  様々リスクが私はあるんじゃないかなと思うんですが、やっぱりこういうリスク、これやっぱりこのままにしておいたままでオリンピックを開催するということになると、国内に、あるいは世界に感染を広げてしまう危険性があるんではないかなというふうに思うんですが、尾身さん、尾身先生の御意見を聞かせてください。
  211. 尾身茂

    参考人(尾身茂君) 今こういう状況でオリンピックがあれば、今の状況よりも感染のリスクが高くなるのは、これはどう考えても普通考えられますよね。  したがって、オリンピックをやるという決断をしたのであれば、このリスクを、最大限にするということが求められると思います。それは、人流の話もあるし、バブルの話もあるし、それは、やるということであればリスクがあるので、それを最小、まあゼロにはできないでしょうけど、軽減するということの方策を全力を、組織委員会、政府、それから都道府県などが協力してやるということが求められるんじゃないかと私は思います。
  212. 小池晃

    小池晃君 私は、このままでは非常に大きなリスクがあるというふうに思います。オリンピックはやっぱり中止すべきだということを改めて言いたいと思います。  残る時間、先週G7の財務相会合がありました。法人税の減税競争を終わらせることで一致して、格差拡大是正すると、そういう方向が世界の流れになってきている。  ところが、この間、やはりコロナ対策で金融緩和やって、そして株価が上がって、富裕層の資産がどんどんどんどん増えているという実態があるわけですね。コロナバブルとも言われる。一方で、仕事を失う人、貧困層、大変深刻な事態になっているわけですね。  この深刻な格差の拡大、これ見ていただくと、もうこの間、去年の三月から今年の五月で富裕層が持っている資産は二倍になっているわけですよ。十二兆円から二十三兆円です。こういう事態になっている。  世界では格差の是正に向けて富裕層への増税が大きな流れになっています。アメリカは金融所得課税を二倍にする、イギリスも引き上げていく、ニュージーランド、スペイン、アルゼンチン、みんなそれ検討しているわけですね。  財務大臣、やっぱり日本も株の譲渡益、配当益、こういうときこそ金融課税、金融所得課税引き上げて格差の是正を図るべきではありませんか。
  213. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) 所得税、法人税等々いろいろありますけれども、時々の経済状況の変化に合わせて税金をいろいろ対応する、これは当然のことで、いろいろこれまでもやってきておりますのはもう何度も言う必要もないので、時間もなさそうなのであれですけどね。あなたが長くいいって、長くって意味ですか。ああ、短くするって、ああ、そういう意味。  御存じかと思いますけれども、我々……(発言する者あり)何か言った。我々、いろいろな話を聞かされておりますけれども、今までこういったことを、経済社会情勢の変化を踏まえつつ、いわゆる所得、資産等の所得配分というものの再機能、分配をどのように発揮させるかということはこれは考えないかぬところだと、私ども正直そう思っております。  これ、ただ、あなたの要請に応じて考えているわけではなくて、広く世間からいろいろ御意見も自民党もいただいておりますので、これやろうと昨年させていただいたんですが、残念ながらコロナでできなかったというのも、それも言わなくてもいいかと思いますが、昨年御答弁申し上げたとおりです。
  214. 小池晃

    小池晃君 格差是正のために富裕層、大企業にきちんと負担を求めて、消費税は五%に減税すると、そのことを強く求めて、質問を終わります。  ありがとうございました。
  215. 野村哲郎

    委員長野村哲郎君) 他に発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  216. 野村哲郎

    委員長野村哲郎君) 御異議ないと認めます。  速記を止めてください。    〔速記中止〕
  217. 野村哲郎

    委員長野村哲郎君) 速記を起こしてください。  これより討論に入ります。  各会派の討論に先立ち、この際、御報告いたします。  令和年度決算についての内閣に対する警告及び令和年度決算審査措置要求決議案については、理事会において協議の結果、お手元に配付の案文とすることに意見が一致しました。  それでは、警告の案文を朗読いたします。     内閣に対し、次のとおり警告する。     内閣は、適切な措置を講じ、その結果を本院に報告すべきである。  1 厚生労働省は、令和二年六月に新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA)を公開したが、アプリ改修時の動作テストが不十分で、同年九月末から一部利用者に対して接触通知を配信できていなかったことに気付かず、三年二月になって事態を公表したことは、遺憾である。    政府は、アプリの不具合が発生したのがまさに感染拡大の時であり、利用者等からの指摘があったにもかかわらず、長い間放置していたことを重く受け止め、発注者としてシステムの開発や運用保守を実施するに当たって必要となる責任を自覚した上で、再発防止を含めた体制整備に万全を期すとともに、COCOAに関する情報を適時適切に提供してアプリの利用及び感染時の登録を促進し、感染拡大防止に役立てるべきである。  2 内閣府の企業主導型保育事業により整備した二十五施設の病児保育室又は一時預かり室について、八施設で看護師等の確保ができないなどの理由により病児保育等を全く実施していなかったこと、三施設で病児保育等の実施を中止し再開する予定がないこと、また、補助事業者である公益財団法人児童育成協会が、助成申込書を審査する際に、実施体制等に係る計画の提出を求めず職員確保等に係る審査を行っていなかったこと、病児保育室等の整備後において、利用実態を把握し必要に応じて指導を行う仕組みを整備していなかったことは、遺憾である。    政府は、補助事業者を通じて事業者に制度を十分に周知するとともに、病児保育の実施体制に係る計画等を審査の際に提出させるなどの改善を図り、整備された病児保育室等については、政府自身もその利用実態を十分に把握し、適切な指導監査を行うべきである。  3 総務省の複数の幹部職員が、利害関係者との会食において、当該利害関係者から飲食費の負担や贈答品等を受けていたことなどが明らかとなり、国家公務員倫理規程違反として懲戒処分が行われるに至った。当該幹部職員のうち総務審議官は、総務省の内部調査において、事実と異なる説明を繰り返し、追加の懲戒処分が行われた。また、自己の飲食に要する費用の負担が一万円を超える会食の際には倫理規程上の届出を行う必要があるにもかかわらず、総務省の幹部職員はその認識が欠如していたことも内部調査で明らかになった。公務員倫理に反する行為により、情報通信行政がゆがめられたのではないかとの疑念国民に抱かせ、公務への信頼が損なわれたことは、遺憾である。    政府は、利害関係者との不適切な会食等の実態や情報通信行政への影響の有無を調査するとともに、可能な範囲で公表し、公務員倫理に関する意識啓発や監督体制の強化等の実効性ある再発防止策を講じるなど、公務に対する国民信頼回復に向けて徹底的に取り組むべきである。  4 株式会社東北新社は、平成二十九年一月に放送法に基づく基幹放送事業者の認定を受けたが、令和三年三月、同社は認定申請時及び認定時において同法が定めるいわゆる外資規制に違反していたことが明らかになり、同社から認定基幹放送事業者の地位を承継した株式会社東北新社メディアサービスの認定が取り消される事態となった。総務省による審査が不十分であったことにより、本来基幹放送事業者として認定すべきでない事業者を認定していたことは、遺憾である。    政府は、外資規制違反という重大な瑕疵を看過したことを重く受け止め、今般の事態に係る審査プロセスを徹底的に検証するとともに、可能な範囲で公表した上で、審査体制の強化を図るなど再発防止に万全を期すべきである。  5 国立大学法人佐賀大学平成二十四年度の運営費交付金を原資として措置した震災復興医療体制整備システムについて、佐賀大学及び九州地区の六国立大学法人の保有する医療データを佐賀大学で集積、分析し、災害時に効果的な薬剤配給等ができるよう支援を行うことなどを目的に運用することになっていたにもかかわらず、佐賀大学が参加大学と役割分担等について十分に合意形成を図らなかったなどのため、当該システムに医療データが取り込まれず、二十六年の納品以降全く利用されていなかったことは、遺憾である。    政府は、当該システムの活用状況について把握しておらず、システムの運用を佐賀大学が断念せざるを得なくなったことを重く受け止め、国立大学法人等が行う運営費交付金による新規事業について、予算の執行状況や事業の進捗状況を適時適切に確認し、必要に応じ指導するなど、再発防止に万全を期すべきである。  6 日本年金機構は、事務処理誤りによる過払い年金が発生した場合の返還請求に係る事務を行っているが、事務処理の遅延等により過払い年金の一部又は全部について五年間の消滅時効期間を経過して返還請求が行えなくなった事案が多数発生していたことは、遺憾である。    政府は、年金事務所等において返還請求に係る事務処理の遅延が生じていたにもかかわらず、機構の本部において進捗管理を十分に行っていなかった事態を重く受け止め、再発防止策を講じるとともに、事務処理誤りによる過払い年金の発生を予防するための取組を進めるよう指導監督を徹底すべきである。  7 東京電力ホールディングス株式会社(東京電力)柏崎刈羽原子力発電所において、IDカード不正使用や核物質防護設備の機能の一部喪失等の一連の不適切事案が発生し、テロ対策に重大な不備があるとして、原子力規制委員会から特定核燃料物質の移動を禁じる是正措置命令が下されたことは、遺憾である。    政府は、福島第一原子力発電所事故を引き起こした当事者である東京電力において、組織的な管理機能の低下や安全文化の劣化が問題となっていることを深刻に受け止め、東京電力が原子力規制委員会の検査に真摯に対応し、徹底的な根本原因の究明と管理機能の抜本的な対策を講じるよう厳しく指導すべきである。  8 環境省は、平成二十七年度から再エネ発電により水素を製造して燃料電池自動車等に供給する水素ステーション(地域再エネ水素ステーション)の導入事業を実施していたが、会計検査院が十九事業を検査したところ、十七事業において、再エネ発電電力量により、水素の製造に必要な電力量(必要電力量)の全量相当分が賄われていなかった事態のみならず、そもそも必要電力量を明確に把握できていない技術的な課題があることも明らかとなり、同事業を廃止する事態となったことは、遺憾である。    政府は、制度設計に当たって当然行うべき技術的検証を怠ったことにより、このような事態を生じさせたことを重く受け止め、今後同様の事態を繰り返すことのないよう、検証と公表を行い、新たな事業を実施する際には事前に技術的な実効性について確認することを徹底し、再発防止に万全を期すべきである。  以上であります。  議決案はお手元に配付のとおりでございます。  それでは、御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べください。
  218. 古賀之士

    古賀之士君 立憲民主・社民の古賀之士です。  私は、会派を代表し、令和年度決算及び令和年度国有財産増減及び現在額総計算書に反対、令和年度国有財産無償貸付状況計算書及び内閣に対する警告決議案に賛成、以上の立場から討論いたします。  会計検査院による令和年度決算報告の内容は誠にひどいものでした。例えば、地域再エネ水素ステーション導入事業はどうだったでしょうか。再エネ発電により水素を製造して燃料電池自動車に供給する事業において、十九の事業中十七の事業が必要電力量を満たしていなかったばかりか、信じ難いことに必要電力量そのものの把握すらできないというお粗末な実態があり、事業の廃止に至っています。  政府は、温室効果ガスの四六%削減という目標を掲げていますが、水素の利用はその大きな役割を担うはずです。しかし、実際の事業はずさんなまま進められていました。会計検査院の指摘は、単に一事業にとどまるものではなく、日本の将来を左右する政策が砂上の楼閣であることを指摘する重大なものです。  災害拠点病院の自家発電機が浸水によって機能しなくなっていた問題も見逃せません。  十年前の東日本大震災の際、浸水によって原子力発電所の非常用発電機が機能しなくなり、未曽有の大惨事につながったことは記憶に新しく、重い教訓があるにもかかわらず、災害時に命を救う役割がある拠点病院がこの教訓を学んでいなかったことについて、愕然とせざるを得ません。この問題も、我が国が抱える根本的な問題、課題として捉えていただかなくてはならないでしょう。  教訓が空洞化しつつある点では、震災復興医療体制整備システムが全く利用されていなかったことも大きな問題です。  九州地区の七つの国立大学が持つ医療データを佐賀大学に集積し、災害時に役立てるようするシステムが全く機能していなかったのです。本日の決算委員会には、野村委員長古賀友一郎理事大家委員、自見委員、吉田委員下野委員高瀬委員、そして私と、九州と関係の深い議員が何人も在籍しております。救えるべき命が救えなかったかもしれない事態が進行していたことに、九州出身議員として言葉を失うばかりです。  問題と深く関係する点では、就職氷河期世代向けの求人について、まさに当事者の一人である塩村委員から重大な指摘がありました。政策目的にそぐわない求人が横行していることについて、塩村委員は改善を行うよう強く要求しましたが、政府の答弁ははかばかしいものではありませんでした。本来なら社会の中核を担うべき世代が、自分ではどうしようもない事情により長年の生活苦にあえぎ、将来の不安に押し潰されている実態について、きめ細かな政策対応が必要ではないでしょうか。  近年の予算の大きな特徴は、予備費の使用が際限なく広がり続けているということです。  言うまでもなく、決算委員会は国の全ての支出について検討を行わなければなりません。その中でも、予備費は国会による事前の議決が十分に行われないことから、決算の持つ意義は極めて大きなものがあります。令和年度における巨額の予備費について今後十分に検討していかなければならないと、あらかじめ申し添えておきます。  以上、反対する理由について述べてまいりましたが、我々参議院の役割において決算を重視すべきというのは異論がないことと思います。ここにいる理事委員一同は、野村委員長の御指導の下、会計検査院や参議院調査室など関係各機関と連携しながら、国民が求める決算審議の在り方の充実について今後とも最善の努力を尽くすべきとの意見を改めて表明いたしまして、討論を終わります。
  219. 柴田巧

    柴田巧君 日本維新の会の柴田巧です。  私は、会派を代表して、ただいま議題となりました令和年度決算の是認に反対、令和年度国有財産増減及び現在額総計算書の是認に反対、令和年度国有財産無償貸付状況計算書の是認に反対、そして、内閣に対する警告決議には賛成の立場で討論いたします。  反対する第一の理由は、行政の無駄や不正が後を絶たないことです。  会計検査院の検査報告では、件数二百四十八件、金額にして二百九十七億円の国費の無駄遣いが指摘をされました。前年度の三百三十五件、一千二億円に比べると大幅に減っており、過去十年でも最少でありますが、これは、新型コロナウイルス感染症拡大によって会計検査院が各地に出向く実地検査を抑制したからにほかなりません。しかし、そのような中でも、過去何度も同じ指摘を受けながら、国費の不適切な支出が繰り返されている現状は改まっていません。  反対する第二の理由は、独立行政法人の繰越欠損金が回収不能のおそれがあることです。  独立行政法人三十法人四十三勘定の平成二十三年度から令和年度末までの繰越欠損金の状況会計検査院が検査したところ、このうち十一法人で赤字に当たる繰越欠損金計六千二百九十九億円に上ることが明らかになりました。十一法人のうち四法人では、既に新規事業の実施を取りやめたり、一部事業の廃止が見込まれたりしており、今後、国が出資をした計一千七百五十五億円の大半が欠損金の清算に充てられ、回収不能のおそれがあります。  独立行政法人の大半は、国からの出資を受け、公的事業を実施をしています。しかし、ずさんな運営が行われ、赤字が出たらそのツケを安易に国民負担に求めることはあってはなりません。繰越欠損金を抱える独法及び所管する各省は、今回の会計検査院の結果を重く受け止めて、徹底的な検証を行うとともに、効率的な業務運営に真剣に努めるべきです。  反対する第三の理由は、エネルギー使用合理化等事業者支援事業の不適切な実施です。  資源エネルギー庁は、エネルギー使用合理化に取り組む民間事業者に対し、その経費の一部を補助する事業を実施をしていますが、会計検査院が検査したところ、事業により達成した省エネルギー量の実績を正しく計算すると、交付申請した際の計画量を達成していない事態や、エネルギー管理支援サービス契約を締結をしてより効果的な省エネルギーの実現を目指すことを申請をしながら、これによる運用改善が全く行われていなかった事態などが明らかになりました。  政府においては、各交付先において計画していた省エネルギーの達成状況を改めて確認し、達成できていない場合には補助金返還を求めるとともに、エネルギー管理支援サービス契約に係る運用改善が確実に行われるよう、補助事業者に厳しく指導監督すべきです。  反対する第四の理由は、官民ファンドの投資実績が低調で、大きな累積損失が生じていることです。  民間が担い難いリスクマネーを供給し、民間投資を喚起することを目的とする官民ファンドは、令和年度末時点で十三あり、政府からの出資額だけでも一兆円を超えています。しかし、投資実績が低調で、幾つものファンドで多額の累積損失が出ています。  このうち、農水省が所管する農林漁業成長産業化支援機構は、赤字が続き、廃止が決まりました。この機構によれば、廃止の時期は令和年度末で、累積損失が百二十億円になる見通しとのこと。官民ファンドの原資は国民の公的財産であり、多額の損失が発生し、廃止が決まったことは極めて遺憾です。この機構を含め、令和年度末で官民ファンド全体で累積損失は四百九十六億円に膨れ上がっています。  官民ファンドの経営状況を一層厳しく監視するとともに、A―FIVE以外の赤字ファンドも、この機構以外の赤字ファンドも早期清算に向けた議論を開始するなど、明確な出口戦略を早急に示すべきです。  反対する第五の理由は、ODA事業において効果を十分発現していない事態が続いていることです。  外務省及び国際協力機構が実施するODAについて会計検査院が検査したところ、対パプアニューギニア無償資金協力で、学習環境改善等を目的とした校舎の建設に当たり、現地の大使館が工事への進捗状況を十分に確認しておらず、安全性等の問題で現地当局から建築停止命令等を受け、完成間近だった校舎が学校の敷地所有者に取り壊されていた事態が明らかになりました。  また、対ソロモン諸島無償資金協力においては、整備した防災連絡システム機材が取り外されたままとなっていたり、一部が所在不明となっていたりして、住民への緊急の災害関連情報の提供に支障が生じるおそれがある状況となっていた事態が判明しました。  実は、ODAが効果を十分発現していない事態は今回が初めてではなく、ここ数年同じような指摘会計検査院から受けています。  外務省と国際協力機構においては、これまで発生した事態の原因を検証し、これ以上同種のことを繰り返さないために、ODA事業に係る体制の強化や現地の大使館員等に対する研修を行うなど、ODA事業が効果を十分発現して相手国の発展、振興に真に資するよう、真剣に取り組むべきであります。  以上申し上げて、私の討論といたします。
  220. 芳賀道也

    芳賀道也君 私は、国民民主党・新緑風会を代表して、令和年度決算外二件の是認に反対、内閣に対する警告決議案及び措置要求決議案に賛成の立場から討論を行います。  決算案外二件に反対する理由は五つあります。  第一に、税金の私物化の場ともなった安倍前総理主催の桜を見る会に予算の三倍の五千五百十八万円も支出し、そして、参加者名簿が廃棄されたとして非公開であるということです。  昨年の決算委員会でも、桜を見る会の不適切な運営について措置要求決議がされ、安倍前総理は翌年以降の桜を見る会を中止にしました。  第二の反対理由は、効果のない消費税率引上げ対策です。  政府は、消費税率引上げに伴う対応として二兆二百八十億円を当初予算に計上。しかし、決算の消費税の差引き歳入額は、前年度の十七兆六千八百八億円から令和年度の十八兆三千五百二十六億円へと六千七百十八億円だけしか増えていません。二兆円を超える対策費を投じて六千七百億円余りの税収増なのですから、一体何のために消費税率引上げ対策だったのでしょうか。対策費をカットすれば消費税率引上げの必要すらなかったのです。  第三の理由は、イージス・アショアなどアメリカの有償軍事援助、FMSにより防衛関係費が際限なく拡大するおそれがあることです。  イージス・アショアのこの年度の債務負担額は千七百三十一億円、イージス・アショアの配備計画は余りにもずさんで、河野防衛大臣が配備中止を決定。昨年の決算委員会でも、イージス・アショアについて、「防衛省の経理」に関する決議がありました。  また、この年度にF35A戦闘機六機の新規契約がされて債務負担額が七百四十四億円に上るなど、FMSが前年から七〇%以上増えて七千十七億円になりました。昨年の決算委員会では、アメリカの有償軍事援助についても警告決議がありました。  反対する理由第四は、この決算が非常に楽観過ぎる経済成長のシナリオと問題のある統計データに基づいて編成されていることです。  同じ会派の大塚耕平議員も予算審議の際に指摘していましたが、当初予算案の前提は、GDPが名目で二・四%成長、実質で一・三%成長という余りにも楽観的な想定。実際には、内閣府の今年五月十八日発表によると、この年度成長率は名目で〇・三%、実質でマイナス〇・五%なのです。  そして、予算の前提になる各種データに統計不正の疑いがあります。政府統計に関して、その年の決算委員会でも会計検査院の検査要請を決議しています。  決算に反対する第五の理由は、同じ会派の伊藤孝恵議員から提案があったものなど、会計検査院の検査要請四項目が自民党の反対で削除されたことです。  例えば、四月の決算委員会で伊藤孝恵議員は、新型コロナ関係の各種アプリケーションの契約に複数の異常な経緯があると指摘し、会計検査院の検査の必要があると検査要請を提案。伊藤議員の指摘は的確で、それぞれ担当大臣は否定していません。しかし、自民党の強い反対により、会計検査院の検査要請項目から外されました。検査要請が五項目から僅か一項目へと大幅に減らされ、参議院の存在意義である決算重視の方針がないがしろにされたことは大変に残念です。  以上のように、第一に、税金の私物化の場となった桜を見る会に予算の三倍、五千五百十八万円も支出し、しかも参加者名簿が廃棄されたとして非公開であること、第二に、効果のない消費税率引上げ対策、第三に、イージス・アショアなどアメリカの有償軍事援助、FMSで防衛関係費が際限なく増えるおそれがあること、第四に、非常に楽観的過ぎる経済成長のシナリオと問題のある統計データに基づいて組まれた予算だったこと、そして第五に、国民民主党の伊藤孝恵議員などから提案があった的確な会計検査院の検査要請項目が自民党の拒否により項目から外され、参議院の存在意義である決算重視の原則が踏みにじられたこと、以上五つの理由で令和年度決算外二件に反対いたします。  以上で、国民民主党・新緑風会、芳賀道也の討論といたします。
  221. 岩渕友

    ○岩渕友君 私は、日本共産党を代表して、二〇一九年度決算、二〇一九年度国有財産増減及び現在額総計算書の是認に反対、二〇一九年度国有財産無償貸付状況計算書の是認に賛成、内閣に対する警告決議に賛成の立場から討論を行います。  二〇一九年度決算に反対する第一の理由は、消費税を一〇%へと増税し、国民に五・七兆円もの負担増を押し付けるとともに、生活扶助費の切下げや後期高齢者保険料軽減特例廃止等の社会保障関係費の削減など、更なる給付減と負担増をもたらしたものだからです。  他方、アベノミクスを推進するとして、大企業優遇税制を温存し、富裕層への優遇税制廃止を見送るなど、格差を拡大させてきました。経済政策の抜本的転換が必要であり、消費税の減税と富裕層、大企業への行き過ぎた優遇税制を改め、応分の負担を求めるべきです。  第二の理由は、安倍前政権の下で新防衛計画の大綱と中期防衛力整備計画を策定して、戦争する国づくりを進めたことです。  一九年度軍事費は五兆六千億円となり、五年連続で過去最高を更新しました。予算に計上されていたイージス・アショアが断念に追い込まれたことは、トランプ米前大統領言いなりで、米国製の高額兵器を爆買いすることの矛盾と危険をあらわにしました。補正予算で兵器等を前倒しで取得するための歳出化経費を常態化させ、一九年度補正後の後年度負担額は五兆六千億円を超えましたが、将来の財政を圧迫し、国民に必要な施策ができなくなる危険性が増大しており、反対です。  第三の理由は、三大都市圏環状道路、国際コンテナ戦略港湾などの新規大型開発事業を優先し、技術面、安全面、環境面で問題が指摘されている東京外郭環状道路とリニア中央新幹線の建設を推し進め、原発再稼働を強行し、核燃料サイクルを温存するものだからです。  東京電力福島第一原発事故から十年たった今も、数万人もの方々がふるさとに戻ることができないまま、事故も収束をしておりません。脱炭素というのであれば、原発ゼロを決断し、省エネ、再エネ中心のエネルギー政策への転換を行うべきです。  なお、二〇一九年度国有財産無償貸付は、公共の福祉に寄与するため、賛成とすることを述べて、討論といたします。
  222. 野村哲郎

    委員長野村哲郎君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  223. 野村哲郎

    委員長野村哲郎君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入ります。  まず、令和年度一般会計歳入歳出決算令和年度特別会計歳入歳出決算令和年度国税収納金整理資金受払計算書令和年度政府関係機関決算書の採決を行います。  第一に、本件決算は、これを是認することに賛成の方の起立をお願いいたします。    〔賛成者起立〕
  224. 野村哲郎

    委員長野村哲郎君) 多数と認めます。  第二に、内閣に対し、先刻朗読のとおり警告することに賛成の方の起立をお願いいたします。    〔賛成者起立〕
  225. 野村哲郎

    委員長野村哲郎君) 全会一致と認めます。よって、令和年度決算につきましては、多数をもってこれを是認することとし、内閣に対し、先刻朗読いたしましたとおり警告すべきものと議決いたしました。  次に、お手元に配付の令和年度決算審査措置要求決議案につきまして、本委員会の決議とすることに賛成の方の起立をお願いします。    〔賛成者起立〕
  226. 野村哲郎

    委員長野村哲郎君) 全会一致と認めます。よって、本決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  次に、令和年度国有財産増減及び現在額総計算書の採決を行います。  本件につきましては、これを是認することに賛成の方の起立をお願いします。    〔賛成者起立〕
  227. 野村哲郎

    委員長野村哲郎君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって是認すべきものと決定いたしました。  次に、令和年度国有財産無償貸付状況計算書の採決を行います。  本件につきましては、これを是認することに賛成の方の起立を願います。    〔賛成者起立〕
  228. 野村哲郎

    委員長野村哲郎君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって是認すべきものと決定いたしました。  なお、これらの案件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  229. 野村哲郎

    委員長野村哲郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  この際、令和年度決算についての内閣に対する警告及び令和年度決算審査措置要求決議について関係国務大臣から発言を求められておりますので、順次これを許します。麻生財務大臣
  230. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) ただいまの予備費の適切な使用についての措置要求決議につきましては、御趣旨を踏まえ、適切に対処いたします。
  231. 野村哲郎

  232. 武田良太

    国務大臣武田良太君) ただいまの地方公共団体の情報セキュリティ対策のための支援についての措置要求決議につきましては、御趣旨を踏まえ、適切に対処してまいります。  総務省幹部職員利害関係者との不適切な会食等について、放送法に基づく外資規制違反事案についての警告議決につきましては、御趣旨を踏まえ、適切に対処してまいります。
  233. 野村哲郎

    委員長野村哲郎君) 萩生田文部科学大臣
  234. 萩生田光一

    国務大臣萩生田光一君) ただいまの震災復興医療体制整備システムが全く利用されなかった事態についての警告決議及び特別支援教育における専門性の向上及び指導体制の充実についての措置要求決議につきましては、御趣旨を踏まえ、適切に対処してまいります。
  235. 野村哲郎

  236. 田村憲久

    国務大臣(田村憲久君) ただいまの災害拠点病院における自家発電機等の不十分な浸水対策について及び就職氷河期世代を対象とした限定求人の改善についての措置要求決議につきましては、御趣旨を踏まえ、適切に対処してまいります。  また、新型コロナウイルス接触確認アプリにおける不具合発生について及び事務処理誤りによる過払い年金の返還請求に係る不適切事案についての警告決議につきましては、御趣旨を踏まえ、今後とも一層努力してまいる所存であります。
  237. 野村哲郎

  238. 梶山弘志

    国務大臣(梶山弘志君) ただいまの東京電力ホールディングス株式会社柏崎刈羽原子力発電所における不適切事案についての警告決議、株式会社日本貿易保険における不適切事案について及びエネルギー使用合理化等事業者支援事業の不適切な実施についての措置要求決議につきましては、御趣旨を踏まえ、適切に対処してまいります。
  239. 野村哲郎

  240. 野上浩太郎

    国務大臣野上浩太郎君) ただいまの高収益作物次期作支援交付金の運用見直しをめぐる混乱についての措置要求決議につきましては、御趣旨を踏まえ、適切に対処してまいります。
  241. 野村哲郎

    委員長野村哲郎君) 小泉環境大臣
  242. 小泉進次郎

    国務大臣小泉進次郎君) ただいまの地域再エネ水素ステーション導入事業の不適切な実施についての警告決議につきましては、既に事業の廃止、技術的な検証等の措置を講じているところです。今後、新たな事業を実施する際には、御趣旨を踏まえ、適切に対処してまいります。
  243. 野村哲郎

    委員長野村哲郎君) 坂本内閣特命担大臣
  244. 坂本哲志

    国務大臣(坂本哲志君) ただいまの企業主導型保育事業における病児保育等の未実施等についての警告決議につきましては、御趣旨を踏まえ、適切に対処してまいります。
  245. 野村哲郎

    委員長野村哲郎君) 平井国務大臣
  246. 平井卓也

    国務大臣(平井卓也君) ただいまの新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA)における不具合発生についての警告決議につきましては、御趣旨を踏まえ、適切に対処してまいります。
  247. 野村哲郎

    委員長野村哲郎君) 丸川国務大臣
  248. 丸川珠代

    国務大臣(丸川珠代君) ただいまの地方公共団体の情報セキュリティ対策のための支援についての措置要求決議につきましては、御趣旨を踏まえ、総務省を始めとする関係省庁と連携しながら、適切に対処してまいります。
  249. 野村哲郎

    委員長野村哲郎君) 以上をもちまして関係国務大臣の発言は終了いたしました。     ─────────────
  250. 野村哲郎

    委員長野村哲郎君) 次に、会計検査要請に関する件についてお諮りします。  国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査のため、会計検査院に対し、お手元に配付のとおり、放射性物質汚染対処特措法三事業等の入札、落札、契約金額等の状況について会計検査を行い、その結果を本委員会に報告するよう議長を経由して要請いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  251. 野村哲郎

    委員長野村哲郎君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時四十五分散会