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有村治子君 自由民主党の
有村治子です。多くの皆様の御理解と御協力をいただいて、今日、この発言の機会をいただいていることに謹んで感謝を申し上げます。
慰安婦問題は、この三十年間、日韓
関係を揺るがす最大懸案の一つであり続けてきました。何が事実であったのかなかったのか、ただひたすら真実と公正性を探求したい、この思いで今日は質問に立たせていただきます。
慰安婦に対するおわびと反省を表明した河野談話が発出されてから二十八年がたちました。政府が明言されているとおり、河野談話を作成した頃と現在とでは、歴史の真実をめぐってとても大きな環境変化があります。
暴力の限りを尽くして何百人の慰安婦狩りをしたと訴え続けた
吉田清治氏が完全な作り話の詐欺師であったことが判明し、これを長年積極的に担いできた朝日新聞が関連記事の数々を取り消し、謝罪をしました。
政治的決着として、軍による何らかの強制性を認めることを日韓両国であらかじめ合意し、韓国の依頼に基づいて宮澤
内閣では河野談話を出し、その内容も韓国政府と詳細なすり合わせを重ねたことが平成二十六年の河野談話検証過程で明らかになりました。韓国からの反論にひるまず、この検証を完遂された当時の
安倍内閣、菅
官房長官の御判断は、まさに歴史の評価に堪え得る政治判断でありました。
一方、韓国において元慰安婦を支援してきたと言われる正義記憶連帯の尹美香前代表は、元慰安婦がアジア
女性基金の償い金を受けて和解することを邪魔したり、実態は慰安婦支援というより慰安婦を食い物にして自らの私腹を肥やすような言動を重ねてきたことが、昨年、元慰安婦から暴露されました。韓国の
国会議員となった現在も、業務上横領罪、詐欺罪、業務上背任罪、寄附金
管理法違反など八つの容疑により、現在、在宅起訴されています。
また、この正義連が舌鋒鋭く喧伝してきた旧日本軍による強制連行についても、事実としては、強制連行を示す証拠が日本からも、また韓国からも現在に至るまで一点たりとも出てきていないことが政府
答弁で明らかになっています。
このような史実が次々に明らかになり、河野談話を取り巻く環境は劇的な変化を遂げています。しかし、国際世論において、日本は歴史を修正し、
女性の人権を軽視しているといういわれなきレッテルを貼られ、国際世論戦で我が国が孤立するという事態を避けねばならない日本政府としては、河野談話を全体として継承するという
苦渋の選択をし、そのスタンスを国際社会に伝えてきました。菅
内閣においても談話を継承されるというのであれば、その意図をしっかりと整理し、日本の尊厳と信用に懸けて我が国の立ち位置を的確に
発信することこそ、今を生きる私たちの責任ではないでしょうか。
日本政府は歴史の真実に対して忠実であってほしい、また、偽りの
情報によって日本が不当におとしめられている国際世論については毅然と向き合い、真実を粘り強く訴えてほしいという
国民世論の存在を、私自身、身にしみて感じております。
そこで、
官房長官にお伺いします。
河野談話を継承することによって、
国民を代表する日本政府は一体何におわびと反省の気持ちを表明しているのか、また、何に対して事実に反すると毅然と反論しておられるのか、それぞれ明確にお答えください。