○
西田昌司君 今述べられたようなことなんですがね。私は、先ほどからこの
放射線の
健康被害について
国連科学委員会のこの百
ミリシーベルトという数字を挙げていますけれども、もう片っ方、二十
ミリシーベルト、いや、もっと、そもそも
放射線量は少なければ少ないほどいいんだという、そういうことを言われる学者も中にはいることも事実です。しかし、もう片っ方の事実として、今まで、少なくとも
福島の例でいっても、この十
年間、そういう
放射線由来の病気された、なられた方というのは
報告は聞いていませんし、これからも増えないだろうというこの
国連科学委員会からの
報告もあるわけなんですね。
じゃ、はっきり言いまして、そういうことですから、もうお帰りになったら私いいと思うんですよ、本当は。ところが、この話を
政府側に言うと、いや、それはそうだけれども、やっぱり日本の中では、まだいわゆる閾値があるという
見解もあれば閾値なしでどんどん少ない方がいいとかいうのがあるというので、要するにそこでこの帰るという選択ができないというんですね。
しかし、これはまさに政治の
責任でして、政治の
責任でして、要するに科学的
見解がどうなこうなというよりも、要するに気持ちの面なんですね。安心感、安全より安心がなかなか皆さんに納得していただけないと。被曝された
地域に行って現場に行くと、おまえたちどうしてくれるんだと、ふるさとや家族返してくれみたいな話になっちゃうわけですよ。それは、当然そういう気持ちになるのも分かりますよ、実際そういう被害を受けておられるわけですからね。しかし、もう片っ方で冷静に見ると、
健康被害というのはその兆候すら出ていないわけですよね。
じゃ、安心をどうするのかというと、私は、今の仕組みでは、まあ帰ってこれないのは
事故を起こした東電の
責任ですから、東電側に賠償してもらっているわけですね。その賠償をもらうと、それはそれで、まあお金は幾ばくかもらえるか知りません。しかし、一番はふるさとに戻りたいわけですよ、本当はね。ふるさとに戻って何が困るかというと、いや、もし病気になったらどうするのかというようなことを考えるわけですね。でも、今言ったように、
国連科学委員会が示しているデータは、そういうことはないと言っている。でも、それを納得したい。
じゃ、どうしたらいいのかというと、私は、原爆とは次元の違う話ですし、そもそも制度論としては違うことになるんですけれども、原爆の場合はもうどうしようもない、その原爆被害者に対して国家としてそういう援助をしていくということを決められて、そして、その結果、被爆者健康手帳を交付された方々は安心して医療を受けられるし、それ以外の方との差というのは明確にないと。まあ資料がないんですからないということだと思うんですけれどもね、なんですよ。
じゃ、この
福島の件についても、原爆とは次元が違うんだけれども、要するに、この方々を安心して暮らしていただけるためには、その被爆者手帳じゃないですけれども、原爆の、
福島事故のそのときに居住していたという証明を基に、その方々については健康の医療費は全部持ちましょうと。それは別に国が持たなくてもいいですよ、東電が持ったらいいんですよ。それは、
事故を起こしたのは東電ですからね、東電側にそれをさせると。そのことによって東電も、いわゆる帰れないことの賠償よりも、健康に対する
責任をそこで負わすという方がお互い納得して戻れるじゃないですか。
そういうことを私は考えるべきだと思うんですが、その辺、これは復興庁の予算になってくるのかな、どういうふうに考えられますか。