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西田昌司君 まあ大体こういう答弁から始まってくるんですよね。幾ら使ったかというのが問題じゃないんですね。成果がどうだったかという話なんですよ。
元々、
日本は、この
コロナショックが始まる前からいわゆる
消費税を値上げしましたね。この八%から一〇%、私は与党ではありますが、絶対上げるべきではないとずっと言ってきたわけですね。それは景気が必ず落ち込むと。実際落ち込んで、その後
コロナショックですよ。ですから、元々
アメリカとか
中国とかとは
スタート点が違う。であるにもかかわらず、やっているという
認識なんですが、やって元の
経済のところに戻ってきているかというと、そこまではまだ行っていないんですから、ちょっとそれは
認識を改めていただかなければならないということをまず指摘しておきます。
それで、何でいつもこういう話になるかというと、結局、
国債残高を増やしていくと、
インフレ、それもかなりの
ハイパーな
インフレになるんではないかという、そういう思い込みが
日本全国、特に
財務省から流された
情報で踊らされているわけなんですね。
そこで、今日はちょっとそのことを
説明したいんですが、資料をお配りしておりますが、まず一番見てください。
一番は、戦後の
供給不足と
インフレとの
関係についてという題が付いていますが、要するに、この
インフレになったというのは、下の
グラフのこの
棒グラフですね、これが、こういうふうに非常に
昭和二十一年から後、急激にこの
棒グラフが大きくなっていますね。つまり、
物価が物すごく値上がりしたということなんですね。そして、そのときの問題は、水産とか鉱工業とか農業とかいうのがありますけれども、これは
生産指数なんですよ。
生産指数が、実はこの
昭和二十年のときにがくっと落ちていますよね、この
折れ線グラフが。
つまり、これ何を
意味しているかというと、要するに、
供給量が極端に落ちて、そのために
物価が上がった、要するに
物不足が起きて
物価が上がったということをはっきり分かっているわけですね。そして、そのようなことを
財務省自身も、また
政府自身も認めてきているんですよ。
例えば、この一番のところの緑の四角の一番下のところ、これは経企庁が出した戦後の
経済史なんですけれども、
終戦直後のような敗戦に基づく
過小生産の時期においては、新しい通貨の増発なくしても、要するに
国債発行がたくさんなくてもですね、
生産の減退に基づく
物価の高騰、それに伴う
インフレの
発生があり得ると、こういうことを示しているわけですね。まさにこれが現実だったんではないかということです。
それから、もう一枚めくっていただくと、
昭和二十二年から四十年の
国債発行とありますが、この前の
財金委員会でも申し上げましたけれども、いわゆる
財政法が二十二年から、成立しましたから、
赤字国債は出せないことになっているんですね。出せないんだけれども、ここにありますように、ずっと、
赤字国債とは言っていなかったけれども、それぞれ法律に基づいて
国債発行しているんです。その総額は幾らかというと、ここの右側の
グラフ、図二十九ですけれども、六百八十三億円と、このいわゆる
赤字国債初めて出したのが二千億円、合わせて二千九百二十七億円というのを出しているわけですね。つまり、慢性的に実は
日本は
赤字国債を出して実はいたんだということです。
そして、もう一枚めくっていただきます。もう一枚めくっていただきますと、戦前からの
債務残高対
GDPの
推移ということですけれども、これ
財務省でいただいたんですが、要はこの
赤字の線と
赤字の
グラフというのが
国債残高と
GDP比率で、要するに
終戦直前に二〇〇%、左側のところの数字見ていただくと二〇〇%超えていますね。つまり、今の
日本と同じような
状況の
国債残高をあの当時も出していたんです。
そのことによって、じゃ、
インフレになったのかというと、一番最初の
グラフで見せましたように、
国債残高とは
関係なしに、
生産、要するに
供給の方が少なくなってしまったために
インフレになったというのが
歴史の事実としてあるんですよ。ということは、ここの
国債残高を、対
GDP比率とか、それが何倍以内とか、そうなったからどうだとかいう話は考える必要が実はないんじゃないのかということですよ。
それと、もう一枚めくっていただきます。これが
国債発行残高と
民間借入金の
推移という
グラフですけれども、これは何を表しているかというと、要するに、太い線がありますね。太い線がこの二〇〇一年辺りから急激に伸びていっています。この太い線というのが
国債発行残高なんですよ。そして、細い方の線が
民間部門の
金融機関からの
借入金の
残高なんです。
これ、どういうことかというと、一九七〇年代以降、
国債残高はだんだんだんだん徐々に増えてきたんですけれども、どこで増え出したのかというと、この二〇〇〇年行く手前ですね、一九九七年、九年、この辺りから急激に増えていますね、
国債残高。これ何かというと、逆に
民間の
借入金残高はずっとこれ伸びていたんですね。ところが、この一九九三年辺りをピークに一挙に下がっています。これ何かというと、いわゆる
バブル崩壊なんですよ。
バブル崩壊によって、
借入金はみんな、しなくなった。それどころか、
不良債権処理だということで一気に
借入金の回収に
銀行は掛かったわけですよ。その結果、
残高が一挙に減る。この
残高が一挙に減ることによって、市中に回っている
お金の量が足りませんから、足らない分を
国債残高がどんどん増えてきて補ってきたわけですよ。
要するに、
国債残高だけを見ていても全く
意味がなくて、
経済全体を見ると、
民間経済が要するに
バブル以降
借入金をしなくなった。そして、しなくなった後、ずっと今度横ばいですよね、
民間の
借入金は。要するに、
民間が
投資をしない分、結局
政府の方がこの
お金を
赤字国債で出していかなきゃならないと、こういうことが今この四つの
グラフで読み取れるわけなんですね。
こういうことを考えると、要するに
財政再建ということだけを考えていれば、要するに
国債残高をいかにして減らすということを考えては
経済の
再生にならないわけで、要は、
経済再生させるためには、
民間が
お金を使ってくれる、若しくは
借入れをして出して、
投資をしてくれる、そういう
方向に行かなきゃならないと思うんですが、
麻生大臣、いかがですか。