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政府参考人(新
原浩朗君) まず、このバブル
経済崩壊後の過剰設備、過剰債務を背景にして、
委員御
指摘のとおりで、その解消を図ることを目的として、当時選択と集中と言っていたわけでございますが、中核的事業の選択と集中を促す事業再編
支援を盛り込んだ産活法を一九九九年に制定をいたしました。これが第一段階の目的でございます。
それから第二段階、これは二〇一三年でございますが、デフレマインドを一掃する大胆な金融
政策という第一の矢、それから、湿った
経済を発火させるための機動的な財政
政策という第二の矢に加えて、
民間投資を喚起するための成長戦略として、先ほど言及されました
日本再興戦略を第三の矢として策定をいたしました。これ、ウエートを置いたのは
規制改革などを強力に進めることで、それが目的でございまして、このために二〇一三年に
産業競争力強化法を制定したわけでありますが、その中でもグレーゾーン解消制度なんかを創設をいたしました。
それから、第三段階が二〇一八年でございまして、第四次
産業革命の急激な進展に
対応するために、
政府として、三年間の
生産性革命集中
投資期間というのを設定をいたしました。これは、
生産性向上特措法を制定して、いわゆる、当時コネクテッドインダストリーズというふうに言っていたものでございますが、その形成を打ち出しまして、同時に、リスクマネーの供給ということが非常に重要だということで、
産業競争力強化法改正しまして、
産業革新
投資機構、JICというのを設置して、イノベーションを
促進する、リスクマネーの供給を拡大するといった措置を講じてきたところでございます。
これを
一つ一つちょっと区切ってあれするのは難しいんですけれども、うまくいったところ、そうでないところ、ちょっと全体として申し上げますと、この三本の、三つの中の
法律だけをちょっと切り取って効果を
お答えするのは難しいわけでありますが、まず実質GDP、当時
議論があった実質GDPでいいますと、九九年度の四百七十三・三兆円だったものが、この三つの経過を経て、二〇一九年度には、一応ここは過去最大となったわけでもございますが、五百五十一・五兆円というのを達成しております。これは無論のことながら、
コロナ禍の前までの成長でございます。それから、
日本企業の業績でございますが、
企業全体の経常利益、これは一九九九年度の二十六・九兆円から二〇一九年度に七十一・四兆円まで、
設備投資が一九九九年度の三十五・八兆円から二〇一九年度には四十三・二兆円まで拡大をいたしております。そして、労働市場について申し上げますと、二〇一二年から
コロナ禍前の二〇一九年にかけて、就業者は四百四十四万人拡大をいたしました。これ、女性や高齢者を含めて、労働参加率が四九・二から五三・二%に上昇したことが大きいと考えられます。それから、総額、働く方の報酬総額も、これに伴って二十一兆円雇用者報酬も増加をいたしました。
ただ、
審議でも
議論になっているように、一人頭の実質賃金、これは微増でございまして、それから労働分配率は必ずしも改善していないというところがございます。この辺のところは、今日も
需要の話がありましたけれども、ここの辺りをきちっとやっていかないと次の成長につなげるような
需要の拡大というのは難しいのかなというふうに思っております。
その中で、今般の
法改正については
グリーン、
デジタルといった両
分野を成長
分野として
支援をするということで、これ、
日本だけではなくて
世界的な大
変革が起きているわけでございますので、官民総力戦ということになろうかと思います。
支援分野はこの二
分野に重点を置いて措置を講じていくと、総動員をしていきたいというふうに考えておるところでございます。