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2021-06-01 第204回国会 参議院 経済産業委員会 第7号
公式Web版
会議録情報
0
令和三年六月一日(火曜日) 午前十時開会 ─────────────
委員
の
異動
五月二十八日
辞任
補欠選任
高橋はるみ
君
島村
大君
五月三十一日
辞任
補欠選任
青木
一彦
君
高橋
克法
君
島村
大君
高橋はるみ
君 ─────────────
出席者
は左のとおり。
委員長
有田
芳生
君 理 事 青山
繁晴
君 加田 裕之君 宮本 周司君 礒崎 哲史君 岩渕 友君 委 員 阿達 雅志君 江島 潔君 佐藤 啓君
高橋
克法
君
高橋はるみ
君 松村
祥史
君 宮沢 由佳君 森本 真治君 里見 隆治君 高瀬 弘美君 新妻
秀規
君 石井 章君 浜野
喜史
君 ながえ孝子君 安達 澄君
事務局側
常任委員会専門
員 山口 秀樹君
参考人
日本商工会議所
中小企業経営専
門委員会共同委
員長
川口商工会議所
会頭
伊藤
光男
君
株式会社野村総
合研究所エグゼ
クティブ・エコ
ノミスト
木内
登英
君
学習院大学経済
学部教授
滝澤
美帆
君 ───────────── 本日の
会議
に付した案件 ○
産業競争力強化法等
の一部を改正する等の
法律
案(
内閣提出
、
衆議院送付
) ─────────────
有田芳生
1
○
委員長
(
有田芳生
君) ただいまから
経済産業委員会
を開会いたします。
委員
の
異動
について御報告いたします。 昨日、
青木一彦
さんが
委員
を
辞任
され、その
補欠
として
高橋克法
さんが選任されました。 ─────────────
有田芳生
2
○
委員長
(
有田芳生
君)
産業競争力強化法等
の一部を改正する等の
法律案
を議題といたします。 本日は、
本案
の
審査
のため、三名の
参考人
から御
意見
を伺います。 御出席いただいております
参考人
は、
日本商工会議所中小企業経営専門委員会共同委員長
・
川口商工会議所会頭伊藤光男
さん、
株式会社野村総合研究所エグゼクティブ・エコノミスト木内登英
さん及び
学習院大学経済学部教授滝澤美帆
さんでございます。 この際、
参考人
の
皆様
に一言御挨拶を申し上げます。 本日は、御多忙のところ御出席いただき、誠にありがとうございます。
皆様
から忌憚のない御
意見
を賜りまして、今後の
審査
の
参考
にいたしたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。 次に、議事の進め方について申し上げます。 まず、
伊藤参考人
、
木内参考人
、
滝澤参考人
の順にお一人十五分以内で御
意見
をお述べいただき、その後、
委員
の質疑にお答えいただきたいと存じます。 また、御
発言
の際は、挙手をしていただき、その都度、
委員長
の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。 なお、御
発言
は着席のままで結構でございます。 それでは、まず
伊藤参考人
からお願いいたします。
伊藤参考人
。
伊藤光男
3
○
参考人
(
伊藤光男
君)
日本商工会議所
の
中小企業経営専門委員会共同委員長
で
川口商工会議所会頭
の
伊藤
でございます。どうぞよろしくお願いします。
埼玉
県
川口
市で
従業員
九十名の
鋳鉄製品
を作る
伊藤鉄工株式会社
を
経営
しております。本日は、このような貴重な
機会
を賜りまして、御礼を申し上げる次第でございます。 最初に、
商工会議所
の概要について申し上げます。
商工会議所
は、今から百四十三年前の一八七八年に
渋沢栄一翁
が
東京商法会議所
を設立したのを皮切りに、現在では
全国
に五百十五か所設立されております。
会員
は、
商店街
のお店から
上場企業
まで、
規模
や
業種
を問わず、
地域
内の
事業者
を包括した
公的性格
を持つ
地域総合経済団体
です。
地域
に密着した
民間組織
でありながら、国や県など
行政
が進める
施策
を代行する
役割
を担っており、
全国
百二十二万の総
会員
を擁しております。 私が所属する
川口商工会議所
は、
埼玉
県
川口
市にございます。
江戸時代
から鋳物や植木などの
産業
が盛んで、その後、
住宅都市化
が進み、本当に住みやすい
街ランキング
で二年連続一位を受賞した、
人口
六十万の
中核都市
です。
川口商工会議所
には約八千の
会員
がおりまして、全
会員
に今回の
コロナ
で
緊急調査
あるいは電話による聞き取りを実施し、
現状把握
と
支援
に努めております。こうした対話を通じて、各
給付金
や
補助金
など
支援策
の案内、
利用促進
を図っているところです。 また、
コロナ禍
の
影響
で
売上げ
が五割以上減った
事業者
が
業種
を問わず半数以上あり、直近三月末の
調査
でも
商業
、
建設業
は依然厳しく、
製造業
では仕入価格の
上昇
を危惧するなど、
先行き
を不安視する
事業所
が多数でございます。このほか、
資金繰り
や商談、
販路拡大施策
などの要望を受けております。 こうした
ニーズ
に応えるため、
川口商工会議所
では、
コロナ対策
のガイドブックをこれまで四回
発行
し
各種施策
を紹介するとともに、
個別相談窓口
を設置して、
事業所
に寄り添った
支援
を続けてまいります。 私が社長を務めている
伊藤鉄工
は、
経営理念
に、徳をもって業を成し、信をもって営むを掲げ、
日本
での
物づくり
にこだわりを持って、
鋳鉄
を主材料に
自家製品
の
製造
、
販売
を行っております。
弊社
の
経営課題
は大きく
三つ
ございます。
一つ目
は、
市場規模
が全盛期の六割の大きさへと縮小していく中、いかに
経営
していくかです。
弊社
では、一、新
市場
に向けた
商品開発
、二、現
市場
の新
商品開発
、三、現
商品
の
販売地域
の
拡大
を行い、何とか二五%程度の
売上げ減
でとどまっております。
市場縮小
への
対応
として
MアンドA
などの
企業再編
も視野に入れておりますが、
中小企業
にとってはハードルが高いと感じております。
二つ目
は、老朽化した
設備
の
更新
に伴う
資金調達
です。今年八月の
更新
に向けまして、現在、
政府系金融機関
に
相談
をしております。
三つ目
は、
デジタル化
に伴う人材、
資金不足
です。
設備投資
を含め
生産性向上
には必要不可欠なことではありますが、すぐには解決できない
課題
です。 現場の
中小企業
からお願いしたいのは、
ものづくり補助金
や
IT補助金
の増額、
グリーン対応補助金
の
新設
など、
各種補助金
の拡充、
新設
です。特に
弊社
では、キューポラから
電気炉
への変更など、脱
炭素効果
の高い
設備
への
転換補助金
の
新設
を希望しております。 なお、
弊社
の紹介など、お
手元
の
参考資料
に詳しく記載しておりますので、後ほど御覧いただければ幸いでございます。 次に、現下の
中小企業
の業況について申し上げます。
新型コロナウイルス
の完全な収束が見通せない中、
地域経済社会
の基盤として
雇用
のみならず
コミュニティー
を支える
中小企業
・
小規模事業者
は、昨年来、未
曽有
の
影響
を受け続けており、極めて厳しい
経営環境
に置かれています。
コロナ禍
の
影響
が長期化し、
緊急事態宣言等
が更に延長される中、度重なる営業時間の短縮や
休業要請
を受けている
飲食店
、
大型商業施設
などとその
取引先
、さらに
国民
の
消費
や外出、
移動意欲
の減退などの
影響
を受ける観光、
サービス業
などにおいて
業績回復
が見込めず、
疲弊感
が増しており、
先行き
不透明な
状況
が続いております。
中小企業
の
経営者
の心が折れずに
事業継続
に希望を持つことができるよう、切り札として期待される
ワクチン接種
の
加速化
や
医療体制
の早急な
充実化
を含め、
感染症対策
と
経済活動
の両立により一層取り組んでいただくことが急務です。何よりの
経済対策
は
ワクチン接種
だと思います。加えて、
中小企業
の
事業
と
雇用
の
継続
を支えるため、自治体の
協力金
や
支援金
、
資金繰り支援等
による
事業継続支援
が何より不可欠です。 こうした
観点
から、
最低賃金
につきましては、昨年度と同様に
現行水準
を維持すべきと考えます。また、
企業自身
も、
コロナ禍
からの再起に向け、
外部環境
の
変化
や新しい
消費者ニーズ
に
対応
するため、
ビジネスモデル
の
転換
や
生産性向上
に積極果敢に挑戦していかなければなりません。さらに、
アフターコロナ
に向けた我が国の
競争力強化
を見据え、
カーボンニュートラル
や、さらに加速する
デジタル革命
、
海外
への
ビジネス展開
に
中小企業
が
対応
できるよう、後押ししていただくことも極めて重要です。 続いて、
中小企業政策
に関する
基本的考え方
を申し上げます。
中小企業
の
実態
はまさに多種多様です。きらり光る
技術
や
製品
を持ち、
サプライチェーン
の中で重要な
役割
を担ったり、
グローバル
展開していたりする大きめの
中小企業
もあれば、逆に、
外部環境
の
変化
に小回りを利かせ機敏に
対応
するため、あえて
規模
的な
成長
を追求せず、
事業
の持続的な
成長
を図りながら、身の丈に合った
経営
を選択している
中小企業
も多くいます。
中小企業
庁は、先般、こうした多種多様な
中小企業
を、
持続的成長
を志向し
地方創生
を支える
地域コミュニティー
型と
地域資源
型、そして、
中堅企業
に
成長
し
海外
での
競争
を目指す
サプライチェーン
型と
グローバル
型の計四つの
類型
に整理し、それぞれの
役割
や機能に応じた
成長
や
支援
の
方向性
を示したところです。
民間調査
によると、
中小製造業
では
サプライチェーン
型と
グローバル
型を目指す
企業
が合わせて約半数ありますが、
中小
非
製造業
では
地域コミュニティー
型を目指す
企業
が半数強あり、
小規模事業者
に至っては
地域コミュニティー
型と
地域資源
型を目指す
企業
が大多数の八五%を占めております。 また、
業種
によっても
生産性
の
傾向
は異なっています。
製造業
や
情報通信業
では
従業員規模
が大きいほど
労働生産性
が高くなりますが、
小売業
や
飲食
・
サービス業
では
従業員規模
が大きくなってもそれほど
生産性
は変わらない
傾向
にあります。
中小企業政策
においては、こうした多種多様な
中小企業
の
実態
を十分踏まえた上で、各
施策
のバランスを取りながら、
地域経済
と
雇用
の担い手である
中小企業
の
持続的発展
と足腰の
強化
に向けて、力強く後押しいただくことを期待します。 次に、今回の
法律案
について
意見
を申し上げます。 まず、
産業競争力強化法関係
についてです。
グリーン社会
への
転換
や
デジタル化
への
対応
について、今般、
認定企業
への
税制措置
や
金融支援
が盛り込まれたことは
時宜
を得たものと考えます。
中小企業
にとって使いやすい
制度
となるよう期待するとともに、今後、
中小企業向け
の
予算措置
を充実いただければ幸いです。 次に、
事業
再
構築
についてです。
コロナ禍
において、
経営改革
に取り組む
企業向け繰越欠損金
の
控除上限
を引き上げる
特例
や
金融支援
もまさに
時宜
を得ているものと考えます。
事業再生
の
円滑化
について、
事業再生ADR等
の
私的整理手続
から
法的整理手続
への移行の
円滑化
は、今後、
コロナ禍
の
影響
を受けた
企業
における
私的整理
の
増加
が想定され、本
措置
が盛り込まれたことを評価いたします。 なお、
法律事項
ではありませんが、
中小企業
の
事業再生
の
円滑化
に向けて、
中小企業
の
実態
を踏まえた
私的整理ガイドライン
の
早期策定
や、
債務整理
時に
経営者
が
個人破産
に陥らないようにするための
経営者保証ガイドライン
の
廃業特則
が必要と考えます。 続いて、
中小企業等経営強化法関係
についてです。 新たな
支援対象類型
の創設により、
中小企業
から
中堅企業
への
成長途上
にある
企業群
を新たに
支援対象
に加えることは、
企業規模拡大
を志向する
中小企業
にとって心強い
制度
だと思います。また、
中小企業経営資源集約化
、いわゆる
MアンドA
の
税制
や、
中小企業
とともに連携して
事業継続力強化
に取り組む
中堅企業向け金融支援
なども
時宜
を得たものと考えます。 最後に、
下請中小企業振興法関係
についてです。
下請取引
の
適正化
に向け、今般の
法改正
とともに、執行の
強化
を期待しています。 なお、
法律事項
ではございませんが、
取引適正化
に向けた
取組
を
個社ごと
に自ら宣言する
パートナーシップ構築宣言
について、
弊社
も昨年七月にいち早く宣言いたしました。現在、約千百五十社が宣言しておりますが、
政府
が掲げた今年度中の二千社の
目標
に向けて、官民挙げて周知や働きかけを実施する必要があると思います。 例えば、先ほど言及した
繰越欠損金
の
控除上限
の
特例
を利用する
企業
は、
コロナ禍
の
影響
で赤字に陥った厳しい
経営状況
にありながら、
事業
再
構築
に挑み、黒字
転換
して
成長
することを
目標
にしています。是非、こうした
企業
が
特例
を利用する際に、
パートナーシップ構築宣言
の公表を推奨して、
グリーン化
への
取組
や
デジタル化
への
対応
を応援していただきたいと存じます。 結びに、
全国
五百十五の
商工会議所
では、
経営支援力
を更に向上させつつ、
行政
、議会やほかの
支援機関
との連携を
強化
し、
中小企業
・
小規模事業者
の
活力強化
と
地域経済
の
活性化
に尽力してまいる所存でございます。引き続きの御
支援
をお願い申し上げます。 私からの
発言
は以上です。ありがとうございました。
有田芳生
4
○
委員長
(
有田芳生
君) ありがとうございました。 次に、
木内参考人
にお願いいたします。
木内参考人
。
木内登英
5
○
参考人
(
木内登英
君) よろしくお願いします。
野村総合研究所エグゼクティブ・エコノミスト
の
木内
です。どうぞよろしくお願いいたします。 本日は、このような貴重な
機会
をいただきまして、どうもありがとうございます。 私は、エコ
ノミスト
という肩書を持っていまして、長い間、
経済見通し
を作るようなそういう仕事、あるいは
金融市場
の予測、そして
日本銀行
に五年間勤務しましたときには主に
金融政策
を見ていたということで、どちらかというと
マクロ経済
と
金融
が
専門
でありまして、本
法案
に関連します
分野
に特に
専門性
があるわけではないですけれども、お役に立つかどうか分かりませんが、精いっぱいよろしくお願いいたします。 さて、
本案
については、
正直お話
をいただくまではそんな詳しくは承知していなかったんですけど、改めて確認させていただきますと、
時宜
を得た非常に良い内容なのではないかなというふうに思っております。
コロナ禍
という比較的短期の
課題
への
対応
と、
ポストコロナ
の
成長
、
日本経済
の
再生
という、少し中長期の
課題
を、一体的な
対応
をして
課題
を解決しようという
発想自体
は非常に共感できる
部分
がございます。 私も、こういった
観点
から、
コロナ
を、
コロナ
という
逆風
を
逆手
に取ってむしろ
日本経済
強くしていこうと、できるんじゃないかということを昨年辺り言ったこともありました。 例えば、
デジタル化
、
法案
にも関係しますが、
デジタル化
、特に
デジタル通貨
などは
経済
の
効率化
に貢献するんではないかなと思っています。 それから、
政府
が長年取り組んでこられた
東京
一極集中
の
是正
と。これも
コロナ
をきっかけに動き出したという面がありまして、これも
日本経済
全体からすると
生産性
を高める
効果
があるというふうに思っています。 それから、
サービス業
あるいは
中小企業
の
構造改革
と。これも
コロナ
による打撃を受けている
業種
でありますけれども、むしろそれを
逆手
に取って
構造改革
を進めていくことで
日本経済
全体の
生産性
を高める、
人々
の暮らしを良くするということに貢献していくというふうに思っています。 この
三つ
には含まれておりませんが、本
法案
でも非常に深く関わっております
カーボンニュートラル
の実現とそれを
支援
していく
施策
というのは非常に重要だというふうに思っています。
地球温暖化対策
は、もはや選択するものではなくて、当然やらなきゃならないという
課題
だというふうに思います。それは
日本
だけじゃなくて、世界の
人々
が将来にわたって安全に
生活
をしていく、
自然災害
ですとか
生態系
の
変化
などで我々の、
国民
の
生活
が脅かされることがないように将来にわたって
地球
への負荷を和らげていくという
観点
から非常に重要だと思っていますし、それに取り組むことは将来の
世代
にツケを回さないという
観点
から重要な
現代世代
の、我々の
世代
にとって重要な責任であるというふうに思っています。 ただ、二〇五〇年
カーボンニュートラル
、あるいは二〇三〇年度
CO2排出量
四六%
削減
という
目標
は非常に意欲的であって、簡単に
達成
できないということも確かであります。例えば、
再生可能エネルギー
の
利用拡大
のため、しかも
コスト
を下げる形で
利用拡大
を進めていくためには、今ある
技術
、
イノベーション
じゃないものが出てこないと、もしかしたら五〇年
カーボンニュートラル
の
達成
は難しいかもしれないと。そういう意味でいいますと、
本案
に含まれていますように、関連する
投資
を
支援
するということは重要だと思いますし、さらに、水素、アンモニアの
発電
ですとか
CO2
の
回収処理技術
など、まだ今の時点で分からない
技術
をいかに引き出していく、そういう
支援
をするかという、少し
ミクロ
になりますけども、そういう
政策
も
目標達成
のためには非常に重要なのかなというふうに思っております。 そして、
企業
の
対応
はかなり、
カーボンニュートラル
、
地球温暖化対策
については非常に前向きになってきております。これは株主からの
要請
、圧力もあるということでありますが、
政府
の掲げる
目標
以上に前倒しで
カーボンニュートラル
の
達成
を目指すという
企業
が非常に多く出てきております。
企業
が積極化してきているというのは非常によろしいわけですけども、一方でやっぱり
国民
の
理解
も高めると、これも必要ではないかなというふうに思います。
カーボンニュートラル
の
達成
のためには、
電化
を推進することと
再生可能エネルギー
での
発電
を
拡大
する、この
二つ
が重要だということであります。 ただ、
再生可能エネルギー
は、いろんな
理由
から
日本
での
再生可能エネルギー
での
発電
は
コスト
が高くなっております。こういう中で
電化
を進める、そして
再生可能エネルギー
での
発電
の比率を高めていくということになりますと、少なくとも近い将来はかなり
コスト負担
が高まる、
コスト増
になっていくと。それは、固定価格買取り
制度
の下では
国民
の
負担
になっていくということですので、やはり
国民
の
理解
も必要だと。また、
環境
ですとか景観の
観点
から、太陽光、
風力発電
、
地熱発電
には住民の厳しい目もあるというのが現実だということを考えますと、やはり
国民
の
理解
を高めるというのもこれから非常に重要になっていくというふうに思いますし、それについての
政府
の
取組
にも期待したいというふうに思っています。
温暖化対策
は一時的なブームで終わっては決していけないものでありまして、次の
世代
の
活動
にいかに引き継いでいくかと、これも重要な点かなと、非常に長いプロジェクトになるわけですので、この点も非常に重要だと。そうした
観点
からしますと、先般、
改正地球温暖化対策推進法
で二〇五〇年の
カーボンニュートラル
が明示されたということは非常に評価できることではないかなと思っております。 さて、お
手元
の
資料
に少し沿って残りの時間で
お話
をさせていただきたいと思います。 一ページ目を御覧いただきたいと思いますが、
日本経済
が直面する最大の問題は、
生産性上昇率
が低下する、
潜在成長率
が低下を続けていると、この点にあるのではないかなと思っています。これは
推計方法
いろいろありますが、ここの
グラフ
にありますのは
日本銀行
の推計している
潜在成長率
とその内訳になっております。
潜在成長率
が低いと、例えば
企業
の
先行き
の
成長期待
が下がるわけですので、
設備投資
も抑えてしまう、
雇用
も抑えてしまう、
賃金
も抑えてしまうと、結果的に物価も上がらないという
状況
につながってくると。そして、
生産性
、
労働生産性上昇率
が高まらないとなりますと、我々の
先行き
の
生活
が余り明るい
展望
は持てないと。我々の何か物を買うときの
購買力
、
実質所得
、
実質賃金
で決まると。
実質賃金
の
上昇率
は分配に
変化
がなければ
労働生産性上昇率
で決まるということですので、この
労働生産性上昇率
が、高めていくというのが一番重要な
課題
なのではないかなというふうに思っています。
生産性
を高めるというと、
市場主義
、
市場至上主義
とか批判を浴びることもあるんですけど、そうではなくて、全ての人が
先行き
明るい
展望
、将来に明るい
展望
を持つためにはやっぱり
生産性
を高める必要があるというふうに思っています。 こちらの
グラフ
で御覧いただきますと、
潜在成長率
が下がっている大きな
理由
は、実は
人口減少
ではなくて、この赤い
部分
、TFPと書かれていますが、全
要素生産性
、つまり
イノベーション
とか
労働者
の質などによる
生産性上昇分
が近年かなり下がってきているということがあります。もちろんこれ、
計算
上は
残差
で出てきますので、誤差もあるので、すごく強い答えは、結論は得られないんですけれども、恐らくそういうことは起こっているんだろうというふうに思います。ですから、そこを高めるというのが非常に重要になっていくというふうに思っています。 ちなみに、
金融政策
ではこの
生産性上昇率
を高めることはできませんし、財政でも、一時的な
需要増加
ですと一時的な
効果
に終わってしまう、あるいは、将来、
先行き
の
需要
を前借りするというような
効果
にもなってしまいますので、そういう
政策
ではなかなか
生産性上昇率
を高めることができないということでありまして、もう少し
構造改革
あるいは
ミクロ
の
政策
が重要と、この点が本
法案
が深く関わっている
部分
ではないかなというふうに思っています。 二ページ目を御覧いただきたいと思います。 先ほども少し申しましたが、
コロナ
を奇貨として
生産性
を高めるというのが非常に重要で、
三つ
掲げております。つまり、
コロナ
という
逆風
を生かして、
逆手
に取って、むしろ将来の
成長
につなげていくと、
生産性
の
上昇
、あるいは
潜在成長率
の
上昇
につなげていくという
発想
が重要だと。
デジタル化
はこれは既に
政府
が取り組んでいることでありますが、中でも、やや私の
専門分野
に入っていくんですが、
キャッシュレス化
とか、あるいは
信用力
が高い中
銀デジタル通貨
の
発行
などを通じて
キャッシュレス化
を前に進めていくというのも
一つ
重要な
生産性向上策
になっていくのかなと思います。 三ページ目に
海外
の研究結果を載せておりますが、現金を廃止して全て
キャッシュレス化
を進めていくということになりますと、GDPの一・二%ぐらいの
コスト削減
になってくるという
計算
もあります。もちろん、
現状
ですと、
キャッシュレス化
を進めることによって
感染リスク
を下げるというような
効果
ももしかしたらあるかもしれないというふうに思っています。
デジタル通貨
というのは重要かなと思っていますが、ただ、多くの人がまだまだ利用していないというのが
日本
の
現状
でありまして、その
一つ
の
理由
が、
信用力
の低さであったり、
ITリテラシー
の低さだったり、そういうところだと思います、があると思いますので、
中央銀行
が
発行
することによって
信用
を高めると、あるいは、多くの人が取り残されないように、使うように
支援
すると。これはなかなか
民間
の
ビジネス
としては難しいので、その
観点
から、中
銀デジタル通貨
の
発行
は検討すべきだというふうに思っています。 五ページ目を御覧いただきたいと思います。
二つ目
が、
東京
からの
一極集中
の
是正
ということでありまして、昨年の春以降、
東京
からの
人口流出
が進んできていると。ただ、非常に強い、太い
持続性
のあるトレンドかどうか分かりませんので、まだまだ
支援
が必要じゃないかなと。 例えば省庁の
地方移転
などは、それに伴って
企業
が移転する、人が移転するということにもつながってきます。あるいは、ネットワークを各省庁間でつないでいくということになれば、物理的に近くにいる必要もありませんので、地方への省庁移転が促され、大
企業
もあるいは学校もそれに従っていくという形になるのではないかなと期待しています。 六ページ目になりますが、
人口
が余り
集中
すると
生産性
が落ちてくるというような研究があります。OECDで見ますと
人口
七百万人がその分岐点とされていまして、
東京
はもう既に
人口
はその倍になってきているということからすると、あるときまでは
人口
が
集中
することによって
生産性
を高め、
実質賃金
が上がるということで、
東京
が
日本
をリードする、
日本経済
リードするという局面はあったと思いますが、
現状
は、むしろその時期は越えて、右側の
グラフ
になりますが、むしろ
生産性
は頭打ちになってきているということだと思いますので、地方にまだ眠っているいろんな生産資源、人的資源も含めてですが、活用していくというのは、
日本経済
の
活性化
にとって非常に重要だと思います。 そして、最後になりますが、七ページ目になります、
サービス業
・
中小企業
の
生産性
、まあこれはお二方の
参考人
、お二方が御
専門
ということなので多くは申し上げませんけど、一点だけ、少しだけ申し上げたいと思います。 この
サービス業
、あるいは
サービス業
は
中小企業
の割合が高いということなので
サービス業
・
中小企業
と申し上げますが、これは
コロナ
で一番打撃を受けている
業種
ということなんですが、この一番打撃を受けている
業種
は、国際比較で見ても非常に
生産性
が低い
業種
だというふうにされてまいりました。ですので、ここのカテゴリーの
企業
の
構造改革
といいますか、
生産性
を高めることによって、
日本経済
全体の
生産性
を高めて、
人々
の
生活
の見通しを明るくするというのは重要かなと思います。 こちらの
グラフ
にありますのは、アメリカと比較した場合の各
業種
の
日本
の
生産性上昇率
ということで、非常に低いわけでありますが、例えば卸、小売、
飲食
、宿泊でいいますと、アメリカとの差は非常に大きいんですが、四分の一を埋めるだけで
日本
全体の
生産性
は八・三%も上がると。まあこれは単純
計算
でありますので、単に人を減らして失業者を増やせばいいということではもちろんなくて、新たに生まれる
需要
に対して人も迅速に動いていって高い
生産性
を維持するというようなことが重要でありますが、単純
計算
からいっても、この
生産性
の低い
分野
の
生産性
を上げることで
日本経済
の
生産性
全体を高める近道になっていくのではないかなと思っています。 八ページ目になりますが、
最低賃金
の引上げについては、私はちょっと慎重に考えた方がいいんじゃないかなというふうに思っていまして、やはり
雇用
への悪
影響
とかも考えられるところであります。 あるいは、
最低賃金
を引き上げて
中小企業
を淘汰していくような議論もありますけれども、それは非常に乱暴な議論だと思います。低い
賃金
で成り立っている
業種
の中にも我々の
生活
に欠かせない
ビジネス
も多いということですので、ここについては慎重に考えるべきであって、むしろ
生産性
が高まることによって自然に
賃金
が上がってくる、それに応じて
最低賃金
も適切な水準まで上げてくるという流れが非常に重要だと思っています。 最後の九ページ目になりますが、
中小企業
が退出というか廃業していく場合には、
生産性
が低いからというふうに考えられがち、
生産性上昇率
が低いからと考えられがちなんですけれども、実は、退出していく
中小企業
の
生産性上昇率
は残された
企業
よりも高いという研究結果があります。つまり、それが退出することによって
中小企業
全体の
生産性上昇率
が下がってしまうというマイナスで出てくるということがあります。 これは仮説ではありますけれども、やはり優良な
中小企業
であっても、後継者不足などによって廃業を余儀なくされているというケースが多いと。ということは、
中小企業
の
生産性向上
の
一つ
の策としては、優良
企業
がそういった後継者不足などの問題によって廃業を強いられるということがないようにしていくということも非常に重要で、本
法案
にも含まれておりますが、
MアンドA
によって、
MアンドA
をサポートすることによって
経営
資源を集約化していって、
生産性
、
競争
力を高めていくというのも非常に重要だなと思っています。 あるいは、
民間
の
取組
としては、地方銀行などもこのマッチングを非常に積極的に
ビジネス
の中に取り組んでおります。現在、地方の銀行も広域連携によっていろんな情報を交換する、共有するということが増えてきておりますが、まだまだ十分ではないということですので、
日本
全体で情報を共有することによって適切な
MアンドA
あるいは
事業
承継が進むということもこの
生産性向上
には非常にプラスだというふうに思っています。この
観点
からも、本
法案
の考え方あるいは
施策
には非常に重要な点が含まれているのではないかなと思っています。 以上になります。
有田芳生
6
○
委員長
(
有田芳生
君) ありがとうございました。 次に、
滝澤参考人
にお願いいたします。
滝澤参考人
。
滝澤美帆
7
○
参考人
(
滝澤
美帆
君) 学習院大学の
滝澤
美帆
と申します。本日は、このような
機会
をいただきまして、どうもありがとうございます。 私の
専門
、
マクロ経済
学でして、主に
生産性
に関する研究を行っておりますため、本日は、
産業競争力強化法等
の一部を改正する等の
法律案
に関しまして、主に
生産性
の
観点
から
意見
を述べさせていただければと思います。 お配りいただきましたレジュメの一ページ目の1)、
日本
の
生産性
という箇所を御覧ください。
産業
競争
力とはという定義を確認したんですけれども、
産業
活動
において、高い
生産性
及び十分な
需要
を確保することにより、高い収益性を実現する能力というふうに定義をされています。そのため、
生産性
の改善というのがこの
産業
競争
力を向上させるための主たる方策と考えることができると思いますが、御承知のとおり、
日本
の
生産性
は低迷しております。
生産性
、非常にシンプルな指標でして、インプットとアウトプットの比率というふうに計測されますけれども、何をインプットと取るのか、何をアウトプットと取るのかで幾つか種類がございます。最もよく用いられますのが、付加価値を労働投入量で割った
労働生産性
というものです。 一国全体の付加価値の総和であるGDPを
人口
で割った
国民
一人当たりGDP、こちらも
労働生産性
の指標の
一つ
ですけれども、こちらにありますように、
日本
生産性
本部が公表している
労働生産性
の国際比較二〇二〇によりますと、
日本
の
国民
一人当たりGDPはG7の中で最下位が続いています。さらに、就業者一人当たりで計測すると韓国にも抜かれている状態です。 お配りしたレジュメの一ページ目の下の
部分
の図ですけれども、こちらは
産業
別の
労働生産性
水準をアメリカと比較した結果をお示ししております。こちらを見ますと、ほとんどの
産業
でアメリカの
労働生産性
水準を下回っていること、
製造業
の水準はアメリカの七割程度、
サービス業
についてはアメリカの五割にも満たないといった結果がデータにより示されております。一国全体のデータを見るだけでは分からないことが、このような
産業
別のデータを見ることで分かってまいります。特に
サービス業
、この図では青で示していただいていますけれども、この青い
部分
、
サービス業
といっても水準はそれぞれであるということも分かります。 ここまでの話をまとめますと、
産業
競争
力を向上させるには
生産性
を向上させる必要がありますが、近年
生産性
が低迷していること、特に、先ほど
木内参考人
も御指摘でしたけれども、
サービス業
においてはアメリカと比較するとその差が大きいということが分かります。 しかしながら、
サービス業
の
生産性
を国際比較するときは、サービスの質を調整できていないのではないかと、
日本
の
サービス業
の提供するサービスに関する質というのは非常に高くて、人をたくさん使ってきめ細やかなサービスを提供することで、結局は分母の労働投入量をたくさん投入しますので、計測上
労働生産性
が下がっているだけで比較するに値するのかといったような議論もございますけれども、ただ、サービスの質だけでは埋めることができない歴然たる差が存在しているということも分析を進める中で分かってまいりました。 つまり、この結果というのは、
生産性
を向上させる余地が
日本
においてはまだ十分にあると言い換えることができると思います。 続きまして、一ページおめくりいただきまして、二ページ目です。2)、
日本
における
ビジネス
ダイナミズム指標という箇所を御覧いただければと思います。 近年、欧米諸国は、
日本
よりは
状況
は良いとはいえ、
成長
は鈍化していると言われています。こうした先進国における低
成長
、いわゆる長期停滞と
ビジネス
ダイナミズムの関係に注目が集まっています。 簡単に申し上げますと、過去数十年のトレンドとして、
市場
の
集中
度、マークアップ、利益率、労働分配率、新規参入率、退出率、そういったものがどうなっているのかを分析するのが
ビジネス
ダイナミズムに関する研究です。 ニューヨーク大学のトマス・フィリポン教授は、
市場
集中
度の
上昇
、つまりは、これは
市場
での
企業
間
競争
、
企業
間における
競争
度合いの低下を意味しますけれども、これに加えて、平均的な利益率の
上昇
など複数の
ビジネス
ダイナミズム指標を確認しながら、アメリカ
経済
における停滞の主因が一部の大
企業
のシェア
拡大
が過度に進んだことにあるといった指摘をされています。 重要な事実として、こうしたアメリカにおける
ビジネス
ダイナミズムの停滞の主因として指摘されております
市場
競争
度の低下というのは、
日本
においては基本的には観察されていないということです。 二ページ目には
市場
集中
度の指標でありますハーフィンダール指数をお示ししております。完全に
市場
が独占状態であるとこの指数一〇〇〇〇になりますけれども、値が大きいほど
市場
が
集中
している、つまり
競争
が低下しているといったように解釈できる指標です。この
日本
のハーフィンダール指数はこの十年で低下しています。つまり、アメリカの結果と異なり、
競争
度合いが高まっているということです。 これに関しましては更に分析を現在進めているところではございますけれども、
日本
では、
産業
の
集中
度と
生産性
の伸び率の間に正の関係が認められています。この結果につきましては、メカニズムをこれから解明する必要があるものの、私どもといたしましては、良い
集中
の余地が多く残されている、
日本
企業
には残されている可能性を示唆するものではないかと考えています。 先ほど申し上げましたフィリポン教授の研究においても、例えばウォルマートの例を基に、
集中
度の
上昇
が
生産性
の改善につながったという事例が示されています。しかしながら、一方で、アメリカにおいては行き過ぎた
集中
が
イノベーション
と
成長
を阻害しているというのが彼の主張です。 ですから、このように、
日本
は
競争
度合いが上がりながらも
経済
が低迷しているという一方で、アメリカは
市場
が
集中
していることで
経済
が低迷しているという結果が示されているので、
日本
とアメリカの
状況
の違いというのを
理解
した上で
産業
競争
力の
強化
に向けたあるべき
政策
の検討を進めることが重要と思われます。 そうしましたら、次のページ、三ページ目を最後に御覧ください。
産業競争力強化法等
の一部を改正する等の
法律案
に関連しまして、その他幾つか私の研究とも関連するポイントを述べさせていただきます。 まず、一、
グリーン社会
への
転換
、二、
デジタル化
への
対応
ですが、御承知のとおり、
日本
は
設備投資
、長らく停滞しております。これにつきましては、
金融
緩和
政策
を長く続けてきた
日本
で資本蓄積を刺激する更なる緩和余地が乏しいとか、大
企業
が貯蓄の使途として生産の
海外
移転などが進んだと、そういったような要因が指摘されていますが、なぜ
投資
が増えないのかと、そういう因果関係については今後詳細な分析が望まれている
分野
です。 ただ、
投資
を促進して資本ストックの蓄積を進めることで
経済
の供給力が高まることが期待されますので、
設備投資
促進
税制
、DX
投資
促進
税制
、
金融支援
などによって
設備投資
が促進されることが必要であろうと思います。しかしながら、前提として、こうした
税制
ですとか
金融支援
策の
効果
を正しく評価した上で
政策
立案に活用するという姿勢が同時に求められるものとも思われます。 また、
設備投資
によって新しい
技術
が体化された資本を効率的に使用する必要があります。
設備
の年齢をビンテージという言葉で申しますが、
日本
はこのビンテージが
上昇
しているというデータがございます。つまり、平均的には古い
設備
で財やサービスの供給が行われているということです。新しい
技術
を体化した
設備
を用いることで効率的に財やサービスをつくることができます。特に
中小企業
では資本装備率の低さがかねてより指摘されておりますので、
設備
を増強することで
労働生産性
を上げる余地は十分にあると考えています。 また、
設備
だけでなくて新しい
技術
を使いこなすことができるように、人への
投資
、人的資本の蓄積も同時に重要になってくると思われます。 次に、三、新たな日常に向けた
事業
再
構築
についてです。
日本
は、これまでも、必ずしもアメリカなどと比べて新規参入率等が高かったわけではないのですが、かつては高い
経済
成長
率を実現してきました。その
成長
の要因の
一つ
が既存
企業
の
製品
開発力であったと言われています。既存の
企業
が
製品
転換
を行ったり、生産する
製品
を新たに加えたりする
活動
が
成長
の源泉であったとも言われています。例えば、フィルムメーカーだった
企業
がデジタルカメラを
製造
するようになり、化粧品まで作るようになったりと、そういった具合です。こうした
機会
が数多くもたらされるような
事業
再
構築
の
支援
が期待されます。 そして、最後に四番目ですけれども、
中小企業
の足腰
強化
についてです。 こちらは言わずもがなですが、先ほど
伊藤参考人
の御
発言
の中にもありましたが、
中小企業
といっても様々で、それぞれのタイプに適した
支援
が必要となります。
中小企業
支援策
は数多くございますけれども、
政策
的な資源、非常に限られている中で、
支援
の際にはまず
事業
の計画がしっかり立てられているかなど、適切なスクリーニングが重要と考えられます。 そして、
コロナ禍
においてエビデンスに基づかない
政策
立案がいかに世論に受け入れられないかを見ても明らかですけれども、こうした
支援
を行うだけでなくて、
支援
の後にはデータを用いた適正な
効果
分析を行って、それに基づく
政策
立案を行うという一連のサイクルの確立が重要と思われます。 私からは以上です。御清聴ありがとうございました。
有田芳生
8
○
委員長
(
有田芳生
君) ありがとうございました。 以上で
参考人
の御
意見
の陳述は終わりました。 これより
参考人
に対する質疑を行います。 なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。 質疑のある方は順次御
発言
願います。
加田裕之
9
○加田裕之君 自由民主党、加田裕之でございます。 本日は、
産業
競争力強化
法改正
案につきまして、三名の
参考人
の先生方から
お話
をお伺いすることができました。本当にお忙しいところ、貴重な御
意見
賜りましてありがとうございます。 そして、共通しているのは、やはり三名の先生方の、今回のこの改正というものは時機を得ているということ、そしてまた、それをしっかりと
課題
解決するには、
コロナ禍
であります今、短期的な
対応
というものもそうですし、長年やはり
日本
が抱えておりました
課題
というものをこの時機にしっかりと克服しなければいけないということであります。 それぞれの
参考人
にお伺いしたいと思うんですが、まず
伊藤参考人
にお伺いしたいと思います。 まさに「キューポラのある街」、
川口
ということで、吉永小百合さんのあの映画が封切られたときは、オリンピックが始まる二年前のまさに高度
経済
成長
の時代でした。そしてまた、
伊藤参考人
が入社された昭和五十年というのは、まだその雰囲気を残しながらですが、オイルショックを経験した中での、また会社の在り方が問われた時期でありました。 実際、インタビュー記事をちょっと読ませていただいたんですけれども、三代目の社長ということであるんですけれども、実際、科学と実践というのを両輪の輪でやらなければいけないという考えで、そして、大学院の方では、金属だけではなく機械工学全般に学ばれ、堤信久先生の下ではVプロセスの研究もされていたということであります。 実際、私は、その
物づくり
とか、まさに鋳造の業界の方におかれましても、職人の技というもの、たくみの技というものも大変大切であると思いますが、入社された辺りから作業を自動化するという、ある意味
経営
革新といいますか、
経営
の改善というものに取り組まれてきたと。 なかなか、その中で、私、ちょっとお伺いしたかったのが、現場の三現主義ですね、現場があって現物があって、そして現実を捉えることが
物づくり
にとって大切であるという言葉でありました。
一つ
一つ
の物事、事象というものが、できるもの、できないものというものもあると思うんですが、やはりこれからの時代、今回のこの
法律
改正におきましても、
商工会議所
の在り方もそうですし、会社
一つ
一つ
の在り方も求められると思いますので、その辺のところにおきまして、
参考人
が考えるこれからの
中小企業
の
支援策
の在り方、今回の
法律
を通しましての
コロナ
後の
ポストコロナ
を見据えた上での
中小企業
の在り方というものについてお伺いしたいと思います。
伊藤光男
10
○
参考人
(
伊藤光男
君) 私も話しましたように、
中小企業
って様々で、それぞれ
類型
に分けましたけれども、
類型
によって
施策
が違うんですね。例えば、私のところみたいに成熟している
産業
にいるところは、先ほど
設備投資
の話もありましたけれども、なかなか
設備投資
できないんです。あれ、基本的に
設備投資
をやって量が増えれば、習熟曲線じゃないですけど、生産高が倍になれば二割
コスト
下がるんですね、ということで、二割
生産性
上がるわけです。だけど、成熟した
市場
においてはなかなかそういうようにならないということです。 それで、
中小企業
の伸びていく
産業
に行っているところの
施策
と、それから、成熟しているところと違うと思うんですね。成熟しているところでは
ものづくり補助金
みたいに
設備投資
の新規にするというのが必要だと思います。我々の鋳造の方で見ますと、
日本
の
生産性
、現場、
海外
の現場行っても低いと思えないんですよ。ただ、ただ中国は圧倒的に新しい機械ですよ。
日本
は本当に古い機械を使っているというのが現実ですね。 ですから、やっぱりその辺を変えていくというのが
一つ
重要かなというふうに思いますし、あともう
一つ
は、やはり大手と一緒にやっているところというのは
海外
展開でかなり伸びているところがあります。それから、新しい
産業
、やっぱりそちらの
支援
をしていただいて、そこに
中小企業
が入っていけるような、我々が一緒に参画できるような
政策
があれば、
政策
というかそういうふうになれば全体として良くなると思うんですけれども。
加田裕之
11
○加田裕之君 ありがとうございました。 続きまして、
木内参考人
にお伺いしたいと思います。
マクロ経済
、
金融
のプロとしまして御説明いただきました。 ちょうど昨年の十二月の方におきましては、ちょうど時事解説の方で、二〇二一年は攻めの
経済
政策
への
転換
に期待ということで、まさに今回の
法案
のような形での
消費
者行動変容が
産業
構造を変えるということを題材にいたしまして、これからの行動変容というものが
産業
構造
転換
を促す原動力となるということを言われておりました。実際問題、これを奇貨といたしまして、
コロナ
ウイルス問題を
逆手
に取ってより潜在力を高めることに成功した
経済
というものを
日本
は目指すべきであるということを言われておりました。 その中で、やはり私も地方議会を経験しておりましたので、先ほどの
参考人
の
お話
の中におきましては、
東京
一極集中
の
是正
、今、
東京
は転出超過という形では来ていると思うんですが、私はこれ、
コロナ
がある程度収まりつつなりますとリバウンドを起こしてしまうんではないかという危機があります。 それとあと、実際問題、平成の大合併とかいろいろ行われた中で、いろいろ県庁所在地とか合併をした町においても、ミニ
東京
みたいな役所のあるところ、市役所のあるところ、県庁所在地、そういうところにまさにミニ
東京
化し、そこに
一極集中
していくおそれがあるんではないかと。それをしっかり防ぐためにはどのような、今回の
法案
を通して、恐らく答えは
一つ
ではないと思うんですが、様々な形でこの
法案
を通しまして、どのような形の方策を取っていけばいいのか、
木内参考人
にお伺いしたいと思います。
木内登英
12
○
参考人
(
木内登英
君) 今の御質問とちょっとその前の段階でおっしゃられていた行動変容の
お話
をちょっとだけさせていただきますと、恐らく
コロナ
問題が収束しても個人の行動は元には戻らないということであります。つまり、対人型サービスへの支出は
コロナ
ショック前よりも下がるんだと思いますね。その分ほかのところに
消費
を回すということで、こういった
消費
の行動変容がいわゆる
産業
構造の
変化
をもたらすと。どれだけスピーディーにこの
産業
構造の
変化
に
企業
あるいは
労働者
の移動が追い付くかと、これが
コロナ
ショック以降の回復のペースを決めていくということで、
日本
はそういう
企業
とか
労働者
のモビリティーは概して低いので、残念ながらほかの国よりも
コロナ
ショック後の改善ペースは緩やかになりがちだと、なってしまう可能性があると思います。ですので、
政策
的にはそうじゃないふうに持っていくということが重要です。
現状
ですと、まだ打撃を受けた
企業
を助けるという
政策
が重要な局面ではあるんですけれども、収束後には、
競争
力を失った
企業
がほかの業態に
転換
していく、これを
支援
する
政策
、あるいは働く人がほかの業態に転職していくというのを
支援
する職業訓練であったり、この
法案
にも関係あるかもしれませんが、リカレント教育なども重要になっていくということで、どこかの時点で
政策
の軸というか重点を非常にダイナミックに
変化
していくことが必要だというふうに思っています。その
一つ
の、何ですかね、要素として、
東京
一極集中
の
是正
というのもあるだろうと。 リバウンドが起こるんじゃないかというのは、これはどこの地方自治体の方もそういう懸念を持っていらっしゃいますですね。つまり、
東京
近辺、例えば千葉とか神奈川とか
埼玉
辺りでは、確かに人が移動するという動きが出てきますし、あと
企業
が移動、移転というのも出てきているということですけれども、
コロナ
問題が一巡したら流れも止まってしまうんじゃないかということを皆さん警戒していると。 それは、もしかしたらそのとおりかなと。喉元過ぎればみたいになってしまっては困るので、やっぱり
一つ
の
政策
としては、私はやっぱり省庁の
地方移転
を進めるというのが
一つ
かなというふうに思っています。流れを逆転させないためには省庁が移っていくと。それに伴って、
企業
移転だけではなくて重要な部門を地方に移転していって、地方で優れた人材を新たに採用していくということも重要だと思います。 そして、
東京
に
人口
が流入しているかなりの
部分
は、地方から若い女性が
東京
に来て、そこで学校に行き、そのまま
東京
で就職して家庭を持つという流れになっていますので、やはり学生にとって非常に魅力のある学校あるいはキャンパスが地方にあるというのが重要だというふうに思っています。 そういう点からすると、まず
政府
が省庁の
地方移転
などでリードする形で、さらに
企業
、大学を引っ張っていって魅力のある地方にしていくということが
東京
一極集中
の
是正
にとって重要であり、それは
日本経済
全体からすると、今使われていない埋もれたいろんな生産資源、地方に埋もれている生産資源を活用するという点で重要だということだと思います。ですから、自然体だけでこの流れが定着するか分からないので、やはり
政策
的に強くサポートすることが重要かなというふうに思っています。
有田芳生
13
○
委員長
(
有田芳生
君) 加田さん、時間が参りましたので質疑をおまとめください。
加田裕之
14
○加田裕之君 はい。 済みません、本来でしたら
滝澤参考人
に、ちょうど東洋大学の
経済
学部教授
時代に日米独英仏五か国との比較、
コロナ
の前とそして今回の
コロナ
の後ということでお伺いしたかったんですが、また別の
機会
のときに是非よろしくお願いします。 以上で終わります。
宮沢由佳
15
○宮沢由佳君 立憲民主・社民の宮沢由佳と申します。
参考人
の
皆様
には、本当にお忙しい中、とても丁寧な内容で教えていただきまして、本当に本日はありがとうございます。 では、早速質問に入らせていただきます。
伊藤参考人
に伺いたいと思います。 たくさん
資料
を用意していただいてありがとうございました。とても勉強になりました。この中で四ページにもわたって
パートナーシップ構築宣言
のことに触れられていて、ここの感想も細かく、
中小企業
の声ということで御説明いただいているんですけれども、これはかなり
効果
があるということで載せていただけているのかとは思うんですけれども、もう少しその
効果
の詳細、できれば
中小企業
の声、そしてもしかして
課題
があるとすれば
課題
も教えていただきたいと思います。お願いいたします。
伊藤光男
16
○
参考人
(
伊藤光男
君) パートナーシップ宣言の背景にあるのは、世耕プランというか
中小企業
の適正な取引というのが、取引慣行というのがやっぱり重要だと思うんです。そういう意味で、大手の方々にもそういうのに入っていただくということが重要だと思いますし、現実にそういう取引慣行ができるようになるように官民挙げてやっていかなくちゃいけないというように思っています。そういう意味で、そのパートナーシップ宣言を使ってというか利用してというか、それでお互いのことを
理解
して適正な取引に持っていくと、こういうことができればということで思っています。 難しい点は、やっぱりそうはいってもなかなか、商売ですから、現実的にその価格改定や何か難しい。特に、ティア1や何かはいいんですけれども、ティア2、ティア3という
状況
になると、なかなかそれが機能してこない
部分
があるんで、ですから、やはり
一つ
には、その大本のメーカーさんや何かが、そうなるように、やはりある程度の
行政
指導的なものも必要かもしれません。
宮沢由佳
17
○宮沢由佳君 ありがとうございました。 それでは次に、
木内参考人
に伺いたいと思います。 今、加田
委員
からも質問がありましたけれども、私もこの
東京
の過度な
人口
集中
が
経済
効率の低下につながっている可能性というところ、大変驚いたんですけれども、OECDによれば
人口
七百万人が分岐点ということなんですけれども、この中身をもう少し詳しく知りたいなと。 実際に、私、山梨県の人間なんですけれども、山梨県から
東京
を見ると、大変
人口
も多くて、もうまさにまだまだ盛り上がって、まだまだ
経済
が上がっていくのかというように思ってはいたんですけれども、この
経済
効率の低下ということ、もう少し教えていただければと思います。
木内登英
18
○
参考人
(
木内登英
君) 詳細については実はよく分からないところがありますが、一般的に考えられているのは、やはり
生活
環境
がまず悪化してしまうと、例えば交通渋滞であったり、通勤のときの満員電車であったり、そして例えば託児所などが不足すると。その結果として、恐らく
東京
ではほかの
地域
よりもずっと出生率が低くて、いわゆる
日本
の出生率低下を
東京
がリードしてしまっているという面があると。さらに、
生活
環境
の悪さが、いわゆるモラールの低下というんですかね、勤労意欲の低下につながっていくと、可能性としてはこういうところが考えられます。 六ページ目の右側のように、データはちょっと限られますけれども、
東京
都の
生産性
はほかの
地域
の
生産性
よりは高いんですけれども、
生産性
の
上昇率
はかなり鈍化してきていまして、今や
日本
の
生産性上昇率
の足を引っ張っているというのが
東京
だということだと思います。 そこからしますと、もう繰り返しになりますけれども、例えばリモートなどでいろんな
ビジネス
がつながる時代になれば、
企業
同士が近くにいていろいろ情報をすり合わせる必要もないですし、
企業
が霞が関の近くにいて省庁との調整をする必要も必ずしもなくなってくるということですので、やっぱり
デジタル化
、リモート化というのが
一つ
後押しする形で、距離的に近くにいると非常に
生活
環境
とか悪くなりますので、分散することによって、恐らく働き手のモラールも高まって、それもやはり
生産性
上昇
につながっていくんじゃないかなというふうに思っています。
宮沢由佳
19
○宮沢由佳君 ありがとうございます。 もう
一つ
、その七百万人が分岐点ということについても、もし、知っている範囲で教えていただけますでしょうか。
木内登英
20
○
参考人
(
木内登英
君) 私が分析したわけではないので、OECDが世界の大都市の分析を進めた結果、七百万というのが
一つ
のめどになっていって、そこまではつまりある程度
集中
した方が生産効率が高まって
実質賃金
が高まると、でも、あるところまで行くと弊害が出てしまうと。この数値からすると、
東京
は既にその二倍まで
人口
が
集中
していますので、恐らくいろんな弊害が既に起こっているのだろうなというふうに思っています。
宮沢由佳
21
○宮沢由佳君 ありがとうございました。 私たちの、見た目だけではなくて、見えないところでいろんな弊害があるということで、大変勉強になりました。ありがとうございました。 それでは、
滝澤参考人
、ありがとうございます。女性の
参考人
がいるということで大変うれしく思っております。 まず伺いたいのは、こうした
税制
や
金融支援
策の
効果
を正しく評価した上で
政策
立案を活用するという姿勢が求められているということで、まさにそのとおりだなということを感じておりますけれども、ここのところをもう少し教えていただけますでしょうか。
滝澤美帆
22
○
参考人
(
滝澤
美帆
君) 御質問いただきましてありがとうございます。 まさに、今御指摘いただきましたエビデンスベースドのポリシーメーキングというのが非常に重要であると。そこは、アカデミック、我々研究者の知見を存分に生かしていただいて、それが果たして
政策
の
効果
なのか、自然体に、
政策
を行わなくても
企業
等が
成長
したかどうか、そういう因果関係の分析をしていくことで、さらに今後どういうふうに
政策
を行っていけばいいのかということが分かりますので、それを繰り返し、先ほども申し上げましたが、していくということが重要だと思います。 そのときに、様々
経済
学の、統計学といいますか、手法が開発されていますので、それを利用していただくということが重要だと思いますし、既に
中小企業
庁等でも
ものづくり補助金
に関してそうした科学的な手法を使って
効果
があったというようなことを実証されているというふうに思いますので、今後もそうした分析がどんどん進められることを期待しております。
宮沢由佳
23
○宮沢由佳君 ありがとうございます。 それでは、もう一点質問させていただきたいんですけれども、
中小企業
の足腰
強化
についてなんですけれども、四つの
類型
の中で
地域資源
型それから
地域コミュニティー
型について、ここのところを私も大変興味を持っているところなので、ここの足腰
強化
についてもう少し詳しく教えていただければと思います。
滝澤美帆
24
○
参考人
(
滝澤
美帆
君) 今御指摘いただきました
地域資源
型、
地域コミュニティー
型というのは、
地域経済
を支える非常に重要なパートを占める
中小企業
かと思います。この資源型と
コミュニティー
型でまたサポートの仕方が変わってくると思います。
コミュニティー
型、非常にイメージとしては小さい
企業
、
中小企業
をイメージしておりますけれども、そうしたところであっても、例えば
商店街
のようなイメージで、お隣さん、お隣のお隣さんと一緒に何か、例えば材料等を共同で調達するですとか、できる限り
効率化
を進めていくことで
生産性
を上げる余地というのがまだあると思いますし、そうした知識というのをアドバイスするということが
政策
的に重要かなと思っています。
地域資源
型、こちらはもう少し
地域
のインフラを活用するというようなイメージだと思いますけれども、こちらも、先ほど私が申し上げたことと重複いたしますが、やはり資本
設備
ですね、そちらをどんどん新しいものに替えていくということが必要で、そこに資金制約がもしあるような
状況
であれば、そこの最初の段階は
政府
が
支援
していくということが重要かなというふうに思います。 以上です。
宮沢由佳
25
○宮沢由佳君 以上で終わります。ありがとうございました。
里見隆治
26
○里見隆治君 公明党の里見隆治でございます。 三人の
参考人
の先生方、本日は貴重な御
意見
等を賜りまして、ありがとうございます。 それでは、早速、まず
伊藤参考人
にお伺いをしたいと思います。 私、地元愛知県岡崎市でございまして、今日、
参考資料
にも岡崎市のオカビズと言われる地元のサポートサービス御紹介いただいておりまして、やはり私、先ほど、
コロナ禍
での様々な
政府
からの
支援策
、そして
ものづくり補助金
、
IT補助金
の
お話
もありましたが、大事なのは、こうした
経済
的、財政的
支援
、これはもちろん現金等の給付ということは大事ですけれども、先般の
政府
との質疑でもあったんですが、こうした
給付金
をもらうための計画の策定、あるいは
事業
転換
等の
経営
支援
、
相談
、こうしたそのプロセスそのものが大変重要であるという
政府
からの答弁もありまして、全くそのとおりだなと。 その
支援
をするまさにリソース、これは
地域
にあっては
商工会議所
の
皆様
方だというふうに思っております。そうした意味で、この単なる現金給付以外のソフトな面での
支援策
の重要性、また、なかなかこの
日本
社会全体として、これは
商工会議所
さんのみならず様々な中間的な団体というのが
会員
数が減ったり、これは
人口減少
等にもよるんだと思いますけれども、今までのこの
人口減少
、それに伴う
会員
数の減少ということに対して、こうしたソフトの
相談
あるいは
経営
支援
という
観点
からむしろ
皆様
方の
役割
というのは非常に重要になってきていると。また、これを見直されて、これはもしかして
会員
増にもつながっていくんじゃないかと、そうしたことも考えられます。 そうした意味での
商工会議所
の
皆様
の
地域
におけるそうした意義、そして今後
皆様
がどういう
役割
を果たしていかれるか、その点をもう
一つ
深掘りして教えていただければと思います。
伊藤光男
27
○
参考人
(
伊藤光男
君) まさに今
コロナ
の中で、ある意味ではいろんな
支援
の窓口になったり、アドバイスをしたり、あるいは実際に書き物をしたりするということを
会議
所が手伝っていることによって、
会員
が非常に減らないというか維持しているというか、少し増えてきている
状況
があります。ですから、こういう
支援
にはそういうのが必要だというように、何ですか、
補助金
にしろ何にしろ、やっぱりバックアップの
支援
がないと駄目だと思います。 それで、うちでも、もの補助と省エネといただいたんですけれども、省エネは全く難しいですよね、ドキュメント書くのが。あれ普通できないと思いますよ、
中小企業
で。ですから、やはりそういう場合には、簡単にしていただくのは
一つ
重要ですけれども、もう
一つ
は、やはり
会議
所が手伝うということも非常に重要じゃないかというように思っています。
里見隆治
28
○里見隆治君 ありがとうございます。 また、先ほどの
意見
陳述の中で、
産業
競争力強化
法に関する御説明の中では、更なる
中小企業
支援
向けの
予算措置
等をお願いするということでありましたけれども、現在も様々な財政
支援
、また
税制
、
金融
面の
支援策
、メニュー的にはそろっていると思いますけれども、さらに何が足りないのか、どこを手当てするべきなのか、加えて教えていただければと思います。
伊藤光男
29
○
参考人
(
伊藤光男
君) 私どもでやっぱり考えているのは、二〇三〇年のカーボンの話ですよね。そうすると、私のところはキューポラというのでコークス燃やして鉄を溶かしていますけれども、これは
電気炉
にしないと駄目だろうということで、もう今から計画をしています。 それから、そういうエネルギー多
消費
型の例えば鍛造ですとか金型プレスですとか、そういうところもかなりエネルギー使うわけですね。それで、それが全部電気でやっているかというと必ずしもそうじゃないんで、それを全部電気にしていくということになると思います。そうすると、その
企業
その
企業
によって違いますけれども、かなり
中小企業
にとってはその
設備投資
というのが、それはお金を生む
投資
じゃないですからね、大変になると思うので、だからその辺は是非国として考慮していただくというのは重要かなというように思います。
里見隆治
30
○里見隆治君 貴重な御
意見
ありがとうございました。また、今後の予算等にもしっかり反映させていただきたいと思います。ありがとうございます。 続きまして、
木内参考人
にお伺いをしたいと思います。 今日御説明いただいた中で、それぞれ論点、興味深く拝見、拝聴しましたけれども、その中で、
資料
でいただいている三ページ目の、現金廃止がGDPを一・二%押し上げるという、具体的な数値をもってお示しをいただいておりまして、これ、マクロ的にはそうだと思うんですけれども、一昨年十月の
消費
税率引上げ、八%から一〇%に引き上げた際に、様々なクレジットカードの導入等、
政府
としても
支援策
を講じ、ポイント還元等による対策もやったわけですが、なかなか
ミクロ
で見ますと、各
企業
さん、これに乗っていただける方もいらっしゃいますが、やはり手数料等の関係、あるいは今までの商慣行等の
影響
があってか、なかなかこれに乗っていただけないという
企業
の皆さんも、特に商店等いらしたかと思います。 これをマクロ的にこれが
効果
があるんだということがあれば、もうこれ
政策
的にきちんと
ミクロ
に落とし込んでいくという
政策
が求められるかと思いますけれども、こうしたボトルネックをどのように除去、除いていくべきか、
木内参考人
のお知恵をいただければと思います。
木内登英
31
○
参考人
(
木内登英
君)
キャッシュレス化
自体は、やはり
効率化
、
経済
の
効率化
を助けると思いますし、いわゆる身近なお金の支払というところでデジタルを使うことによってデジタルの社会全体になじんでいく、そういう入口、ゲートウエーになっていくんじゃないかなというふうに思っています。 それを後押しする要因として、
一つ
は
コロナ
というものがあります。つまり、衛生面から現金、紙幣を使うことに対する抵抗が出てきて、身近で見ても、例えばコンビニとかでも自分で精算するというのが非常に増えてきています。 それに対して障害となっているのが、
一つ
はおっしゃられた手数料というものがありますね。スマートフォン決済の場合は個人に対してはほぼ無料で提供されているのが
現状
だと思いますが、店については加盟店の手数料が掛かって、これクレジットカードも同様であります。さらに、店側の問題としては、それが入金されるまでに半月に一回とか一か月に一回とかで、資金の流動性の問題が出てくると。こういうことを解決していくことが
キャッシュレス化
を進めることにとって重要だと。 ただ、これについては既に
制度
は変わる方向にありまして、いわゆるスマートフォンの決済業者が直接全銀システムという銀行間の決済システムを使うことができるようになっていく、しかも、その全銀システムの銀行間の手数料が今年の十月から半減するということになります。ですから、そうすると、その安くなった分、店側の加盟手数料を下げることができると。そうすると、もっとスマホ決済を使えるような店が増えていくと利用者側も非常に便利になっていくということなので、十分かどうかは分かりませんけれども、
キャッシュレス化
を前進させるような
環境
としては、この
コロナ
という
逆風
を利用するということと、実際に銀行の決済
ビジネス
にスマートフォン業者などが入って、より安く決済ができるような
環境
に今なろうとしていますので、そこに、済みません、もう一点ですが、さらに、スマートフォン決済が広がらない
一つ
の
理由
としては、ITのリテラシーの問題とか、あるいは
信用力
、システム障害に対する不安とかがありますので、それについては、
中央銀行
が
デジタル通貨
を出して、
デジタル通貨
というのはほぼスマートフォン決済になると思いますけれども、それも
キャッシュレス化
を後押しし、
経済
の効率を高め、
経済
の
生産性
を高めるための
一つ
の案ではないかなというふうに思っています。
里見隆治
32
○里見隆治君 ありがとうございます。
滝澤参考人
にもと思ったんですが、済みません、ちょっと時間の関係で、また別途の
機会
と思っております。 どうもありがとうございました。
石井章
33
○石井章君
日本
維新の会、石井章です。 今日は
参考人
の皆さん、忙しい中、ありがとうございます。 まず、
伊藤参考人
にお伺いいたします。 今回の改正案で、下請
中小企業
振興法の改正が盛り込まれておりますけれども、
下請取引
の
適正化
という
観点
で、今回の改正
法案
やこれまで近年政権が取り組んでこられた
部分
でどの点が評価ができるのか、他方、どういった点がまだ足りないと率直にお考えになっているのか、まず一点、お伺いします。 それで、特に
中小企業
には大切な、特に今回の
コロナ禍
の中で、前安倍政権の昨年の年度当初のときに、
中小企業向け
の実質無利子無担保融資を行ってまいりました。非常に中身が整っておりまして、
中小企業
でも申込みしやすい、あるいは貸す方も貸しやすかったということだったんですが、今年の三月で一旦切ってしまいまして、私は、予算
委員
会や今年の
経済産業委員会
において、もうとにかく質疑の場で再三にわたって
経済
産業
大臣にもう一度復活すべきだということで話したところ、梶山大臣の英断によりまして、
中小企業
庁及び財務省の方から、五月二十五日付けでもう一度復活すると、しかも十二月末までやると、
民間
企業
のいわゆるセーフティーネット四号、五号を利活用した融資を復活、ということは、
政府
系に関しては来年の三月までやると思いますので、そういった点について、
政府
への
施策
の要望も踏まえて、もし御
意見
いただければと思います。
伊藤光男
34
○
参考人
(
伊藤光男
君) まず、
下請取引
の関係ですけれども、まず
一つ
、例えば現金化につきましては、もう大手の自動車会社はほとんどティア1には現金で払うようになっています。ですから、それが
一つ
。 それから、いろんな人に、鋳造業とか聞きますと、大手のところで一応話には乗ってくれると、値上げや何かのですね。例えば、エネルギーとか原材料に関しては話には乗ってくれると、必ずしもそれが全部通るわけじゃないですけど。それから、型取引に関しては、その型の保管料はなかなかくれないけれども、金型、木型を引き揚げてくれると、要らないものを選別してくれる。それによって借りていた倉庫が借りなくて済むようになるということで、かなり下請法の関係に関しては
効果
が出つつあるというように思います。ですから、更に一層、
中小企業
庁さん始め、そちらから特に大手のところに働きかけていただければというように思います。 それで、これは言っていいかどうか分からないですけど、自動車関係は早かったんですけど、電気関係は遅いというんですよね。その
業種
によってもやっぱり違うみたいです。 それから、無利子無担保の融資に関しましては、これは一過性ということで出したと思うんですよね、一過性の、もう緊急事態で。ところが、これだけ
コロナ
が長引くというように思っていなかったということで、これをまたやっていただくというのは非常に重要だと思います。というのは、これから返済が始まりますから、非常に大変、
中小企業
はですね。 それで、これ、
川口
の
金融
の関係に聞いたんですけれども、都市銀行とか大手の銀行は貸しましたよという話だけなんですけど、
信用
金庫とかそちらの方の話は、もう貸してすぐにリスケジュールの話が出ているのもあると言うんですね。 ですから、やはり、ちょっとこれだけ
コロナ
が長引いていますので、やはり貸していただくのも
一つ
重要ですけれども、やっぱりリスケジュールに応じていただけるような、まあ多分かなり今応じていただいていると思うんですけれども、それをやっていただくことが、その本当に
中小
で、例えば食堂とか、お金に困っているところは必要だというように思います。
石井章
35
○石井章君 ありがとうございます。 続きまして、
木内参考人
にお伺いいたします。
木内参考人
は、自分のコラムの中で、業態
転換
、
MアンドA
、ITなどを通じ、個々の
企業
の
生産性向上
が、それが向上であるというふうにコラムでお書きになっておりますけれども、今回の改正
法案
には、近年の
中小企業
の
政策
、これらの
三つ
の柱という
観点
から見た場合にどのような
部分
が評価できるか、またこの
部分
は
政策
的に不十分だという点がありましたら、率直な御
意見
をお伺いいたします。
木内登英
36
○
参考人
(
木内登英
君)
政策
としては、今はやっぱり
コロナ
で被害を受けている
企業
を助けるというセーフティーネットの
政策
が非常に重要だと思っています。ただ、
コロナ
が収束した後には、恐らく、
消費
者がもう一回、例えば
サービス業
の場合は、
消費
者がもう一度
企業
を選ぶという、そういうのが始まるんだと思いますね。今だと、魅力のあるレストランにもみんな行けないということですが、感染が収束してくると選択が始まるということですね。これはやはり、それに応じて
企業
側も
対応
しなくちゃいけませんので、
競争
力を失ったと考える
企業
は業態
転換
をしていくというのがやはり必要になっていくと。ですから、レストランも、例えばテークアウト中心の
ビジネス
にしていくと。 それを後押しするのが重要だということで、本
法案
にもありますけれども、例えば、
MアンドA
を通じた
経営
資源の集約であったり、業態
転換
であったりということは非常に重要な
政策
になっていくというふうに思っています。ですので、本
法案
に関連するところでいうと、やはり
MアンドA
を
支援
するという、
税制
面から
支援
するというところが非常に重要になっていくのかなというふうに思っています。 ただ、これは、もう少し
コロナ
問題がある意味収束してからそういう
政策
が重要なので、
現状
は先ほどのその無利子融資なども含めて、まだやっぱり
企業
を一生懸命支えなくちゃいけないと。つまり、この
企業
が
コロナ
後も
日本経済
を引っ張っていくような重要な
競争
力のあるいい
企業
かどうかというのは
コロナ
が収束してみないと分からないということなので、そうなった時点で、やっぱり、
企業
の業態
転換
とか人の移動を教育、職業訓練などで促していく
政策
がやはり重要だというふうに思っています。
石井章
37
○石井章君
滝澤参考人
に一点だけお伺いします。 梶山
経済
産業
大臣は、マークアップ率のことでいろいろ発信しています。
滝澤参考人
は、先ほど、良い
集中
でもってそれらを可能性を示唆するというようなことでありますけれども、
日本
はG7の中で最も低いということでありますが、何か
滝澤参考人
が指摘する良い
集中
を促すための具体的な
政策
イメージがあればお願いいたします。
滝澤美帆
38
○
参考人
(
滝澤
美帆
君) ありがとうございます。 最初の段階で私も良い
集中
が大事だということを申し上げたんですけれども、それとセットで、仮にその
集中
によって職が失われるようなことがあった場合、そこをまずケアすると、そこのケアをまずしてから良い
集中
が起こるというようなことが重要だということを改めて申し上げたいと思います。 そうした上で、恐らく
集中
のために重要になってくるのは規制等の問題があるかと思います。
産業
によってそれぞれ何が規制になっているのかと十分検討する必要があるかと思うんですけれども、それをもし
事業者
の方々にアンケート等を取って、それが規制、
競争
度を、
産業
の
集中
を阻害するようなものになっているんだとしたら、それを除いていくということが重要だと思います。
石井章
39
○石井章君 ありがとうございました。終わりにします。
浜野喜史
40
○浜野
喜史
君
国民
民主党の浜野
喜史
でございます。
参考人
の
皆様
方、本日は誠にありがとうございます。 まず、
滝澤参考人
にお伺いしたいと思います。私の基礎的な
理解
が足りてないがゆえの質問になるかも分かりませんけれども、率直に御見解をお伺いできればと思います。
労働生産性
の向上ということについて、
政策
の
目標
とすべきなのかどうかということについての私の疑問でございます。
労働生産性
は結果であって、
目標
とすべきなのは付加価値の向上ということ、この一点を据えて
政策
を議論していくということが私は適切なんではないかなというふうに思うんですけれども、御見解をお伺いしたいと思います。
滝澤美帆
41
○
参考人
(
滝澤
美帆
君) 御質問ありがとうございます。 まずは付加価値の向上が重要だというふうに私自身思いますけれども、
生産性
を考えるときにインプットとアウトプットというようなことを申し上げました。そのときに、インプットが
日本
は足りないですね、人も減ってきて、労働時間も少なくなってきていますから。そうしますと、限られた資源でどれだけ付加価値を生み出せるかという、そういった
観点
が重要だということを申し上げております。 以上です。
浜野喜史
42
○浜野
喜史
君 ありがとうございました。
滝澤参考人
にもう一点お伺いしたいと思うんですけれども、今年の四月二十八日の日経新聞において
滝澤参考人
は論説をお出しになっておられました。その中で、労働
市場
の流動化が重要ということを指摘されておられます。それがどのような内容をイメージされておられるのか。 その上で、一方で、今日も御説明ありましたように、人的資本の蓄積が重要だということも指摘されておられるわけです。労働
市場
の流動化とこの人的資本の蓄積というのはそれぞれ逆行するといいますか、いうものになりかねないんではないかなというふうに思うんですけれども、見解をお伺いいたしたいと思います。
滝澤美帆
43
○
参考人
(
滝澤
美帆
君) 御指摘ありがとうございます。 労働
市場
の流動化のイメージなんですけれども、現行、
日本
は非常に失業率が他国と比べると低い水準に抑えられております。その中で、有効求人倍率というのを見てみますと一を超えていて、マッチングというんですか、求職と求人がうまくマッチングできていないという
状況
があります。特に、いろんな
産業
で数字を見てみますと、非常に有効求人倍率高いところ、低いところというのがあります。そこのマッチングをよりうまくしてやるというのが私の労働
市場
の流動化のイメージです。 二点目、人的資源の蓄積とこの流動化というのが相反しないかと。まさに御指摘の点そうだと思うんですけれども、人的資本を蓄積していくことで先ほどおっしゃったような付加価値の増大というのが
達成
されますから、流動化されつつも、
人々
が個人で人的資本を蓄積できるようにサポートしていく、個人レベルで
支援
していく、その中で適材適所で
企業
間、労働が移動できる、そういったことが重要になってくると思います。 以上です。
浜野喜史
44
○浜野
喜史
君 ありがとうございました。 次に、
木内参考人
にお伺いしたいと思います。
政府
は、
デジタル化
とそれから
グリーン化
ということを
成長
分野
と位置付けて、
成長
を何とかつくり出していきたいと、こういう考え方に立っております。私もこの
デジタル化
と
グリーン化
を是非
成長
に結び付けられるようにできればいいなという立場でありますけれども、ただ一方で、
デジタル化
というのはプロセスの
効率化
ということであって、必ずしも付加価値を増やすというものでもない、むしろGDPを減らす方向に働く可能性すらあると、こういう指摘もあります。 加えて、
グリーン化
につきましても、サービスを提供する、また
製造
するプロセスは
グリーン化
されるわけですけれども、生み出される
製品
に
変化
が必ずしもあるわけじゃない、付加価値の向上を必ず生み出すといったようなものではないというふうに思うんですね。そういう
状況
をどのように受け止めておられるのか。 その上で、
グリーン化
、
デジタル化
を
成長
に結び付けていくためにどのような方策が必要というふうにお考えか、
木内参考人
の御見解をお伺いしたいと思います。
木内登英
45
○
参考人
(
木内登英
君)
デジタル化
と
グリーン化
というのは、
二つ
の
目標
として掲げてはおりますが、やや性格が違うという点はそのとおりじゃないかなというふうに思っています。
デジタル化
については、やっぱり
効率化
、
生産性
の向上に資するものだということだと思っていますが、単純に人に置き換えられていくということでいいますと、その分失業者が生まれて、社会構成上はむしろ悪くなってしまうということがあり得るというふうに思います。 ただ、実際は、
効率化
によってそこで働く人の
実質賃金
が上がるということ自体が新たな
需要
を生みますので、その新たな
需要
がまた
産業
構造の
変化
を生み出していくわけですので、それに対して柔軟に
企業
、
労働者
が
対応
していくということになれば、それが付加価値をやっぱり生むという、そういうことにつながっていきますので、決してGDPを下げるということではなくて、GDPあるいは
潜在成長率
を高める
一つ
のきっかけにはなるんではないかなと思っています。 一方、
グリーン化
については、果たして
成長
率を高めるのかどうかについては、今の時点でいうと正直言って分からないということだと思います。これは、
企業
にとってやはり
コスト
、
負担
の
部分
があるわけです。ただ、それとは別に、やっぱり
地球
全体の
観点
からすると、もうやらないという選択肢はないということなので、できるだけ
経済
にプラスになるようにしていくと。 そのときに、一般的によく言われているのは、新たな
CO2
削減
のための
投資
、あるいは新たな
技術
を生み出すための
投資
自体が、
投資
自体はもちろん
需要
を生み出しますので、それが追加的な付加価値を生むと。 更に言いますと、恐らく
日本
が目指すのは、
地球温暖化対策
は世界全体で行われますので、先端
技術
を
日本
が握っていればそういった
設備
を
海外
に売ることができるということで、自分の国で
地球温暖化対策
を進めるだけではなくて、新しい
技術
、
設備
を
海外
に輸出することによって付加価値を増やしていく、そういうような
取組
が重要になってくるのではないかなと思います。
浜野喜史
46
○浜野
喜史
君 ありがとうございました。 最後に、
伊藤参考人
にお伺いいたします。
中小企業政策
をめぐりましては様々な説が交錯しているということも言えようかと思います。
一つ
には、
中小企業
部門の
成長
力を高めるために重要な視点は
企業
の新陳代謝であって、一律の保護ではなく、
事業者
の
状況
や判断に応じて廃業や開業を促す
支援
も有望であるという説もあります。一方で、
中小企業
は年十万社の
規模
で廃業しており、既に新陳代謝は行われているといったような見方もございます。 それぞれ見方が分かれるところなんですけれども、
伊藤参考人
は実情をどのように捉えておられるのか、御見解をお伺いしたいと思います。
伊藤光男
47
○
参考人
(
伊藤光男
君) 新陳代謝というもの、
中小企業
を一くくりにできるという話ではないと思うんですよね。 例えば、
地域
型のそういうお店とかであれば、
人口
が減ればやはり減らざるを得ない
部分
があると思いますし、例えば
製造
系でいいますと、
現状
では例えば建設機械だとか農業機械とか、そちらの方が非常に増えているわけですね、輸出型ですけれども。ですから、そういうところの
企業
というのは、人も増えているし
売上げ
も増えていると、だから、ちょっと一概には言えないんですけれども。 ただ、
川口
の
現状
でいいますと、例えば、
川口
の銀座
商店街
というのがあるんですが、そこの七〇%ぐらいはテナントになっていますね。ですから、元々の商売やめて大家さんになっていると、だから、
企業
としては存続しているというような
状況
は確かにあります。ですから、マーケットとか、
人口
が一番ですけれども、やっぱりマーケットが変わればそういう新陳代謝というのは当然起きてくるわけで、というように思いますけれども。
浜野喜史
48
○浜野
喜史
君 ありがとうございました。終わります。
岩渕友
49
○岩渕友君
日本
共産党の岩渕友です。 本日は、
参考人
の
皆様
、本当にありがとうございました。 まず初めに、
伊藤参考人
、
木内参考人
、
滝澤参考人
にそれぞれ
三つ
の点についてお伺いをしたいと思います。 本
法案
で、先ほど来話題になっている
中小企業
の足腰の
強化
が掲げられていて、
コロナ禍
を奇貨とした
産業
の新陳代謝が掲げられていますけれども、
事業
再
構築
を通じてリストラであるとか
中小企業
の淘汰や整理が進むんじゃないのかといった懸念の声もありますよね。
日本
の
中小企業
の実質
労働生産性
が世界でもトップクラスだということで、社会
経済
的存在意義というのが非常に大きいものがあると思います。
中小企業政策
審議会
制度
設計のワーキンググループの中でも、
中小製造業
の実質
労働生産性
の伸びは年率三から五%を記録していて大
企業
の伸びと遜色ない水準だと、こういうふうにもなっています。なんですけれども、二〇二〇年度版の
中小企業
白書を見ますと、
中小企業
の
生産性向上
を妨げているのは、大
企業
に比べて価格転嫁力が弱くて利益を確保することができないことに原因があるんだというふうにしています。 これ、価格転嫁力がないのはどうしてなのか、その原因をどういうふうにお考えになるか。構造的な問題があるのではないかというふうに思うんですけれども、考えをお聞かせいただきたいというのが
一つ
。 そして、
生産性
を上げるということであれば、
中小企業
、立場が弱いので、価格転嫁できるように大
企業
であるとか親
企業
への規制を
強化
するべきだと思うんですけれども、どのようにお考えかというのが
二つ
。 そして、
三つ目
なんですけれども、
中小
・
小規模事業者
は、非常に厳しい
地域
を支えたり業界を支えたりしていて、もうかるかどうかということではなくて、やっぱり必要とされている、非常に重要な
役割
を果たしています。冒頭、
伊藤参考人
もちょっと触れられていたんですけれども、小さくてもきらりと光る
技術
で
海外
でも認められるような
中小企業
もありますし、小
規模
だからこそ多様な
ニーズ
であるとか
需要
の
変化
に
対応
することで社会に貢献をしている
事業者
も多くいます。
中小企業
の
生産性
が低いのは
規模
が小さいことに原因があるんだと、
規模
拡大
が見込めない小
規模
企業
は退出するべきだと、こういった
意見
もあるんですけれども、
規模
の
拡大
だけを求めるということでその重要な
役割
や
技術
を持っている
中小企業
がなくなるようなことがあれば、それは
日本経済
にとっても大きなマイナスになるんだというふうに思うんですね。この点で
参考人
がどうお考えになるかという、この三点についてそれぞれお聞かせください。
有田芳生
50
○
委員長
(
有田芳生
君) では、まず
伊藤参考人
。
伊藤光男
51
○
参考人
(
伊藤光男
君) まず、
中小企業
の伸びで、価格転嫁の話ですけれども。 私は、
サービス業
はちょっと違うかもしれませんけれども、
製造業
において
生産性
が低いのは、本当にそうなのかなと思うんですよ。やはり価格が安いんじゃないかということで考えています。そういうことで、今回、適正な取引ですか、それはやっぱり重要なことだと思います。ですから、もちろんその親会社の国際
競争
力というのもあるわけで、じゃ、無尽蔵に高くていいというわけではないですけれども、やはりその辺が重要だと思います。 それで、その三番目とも関係してくるんですけれども、
規模
の関係ですけど、例えば鋳造業でいうと、ドイツと
日本
は大体生産量一緒なんですよ。でも、ドイツは、ドイツの鋳造会社というのは
日本
の半分。だから、
規模
が倍ということですよね。
規模
がある程度大きいと何でいいかというと、価格交渉力が出るわけです。というのは、その親会社に対してのその下請さんのシェアが大きければ、やっぱり話合いになるわけですよ。でも、シェアがちっちゃければ、別にやめられたって構わないよというと、価格交渉力ない。ですから、やはりある程度の
規模
というのも必要かもしれない。でも、それは、じゃ、そうじゃないところをやめさせるんじゃなくて、やっぱり
MアンドA
だとかそういうので統合する、そのマーケットによってはそういうことも必要だというように思います。 それで、適正取引でその
売上げ
を上げるというのは非常に重要だと思うんですけれども、ただ、それは役所が指導するのはいいですけど、
法律
でつくったりとか、これは自由
競争
ですから、やはりそこまで規制を
強化
するというのはちょっと自由主義の
経済
の基本にそぐわないというように私は思っていますけれども。
有田芳生
52
○
委員長
(
有田芳生
君) 次に、
木内参考人
。
木内登英
53
○
参考人
(
木内登英
君) 新陳代謝自体は健全な
経済活動
の結果として常に起こり得るということだと思いますけれども、
政策
的にそれを強く推し進めるのはやっぱり慎重に考えなくちゃいけない点もあると思います。 最初にも申し上げたんですけれども、例えばこういう
意見
もあるわけですね、
最低賃金
を引き上げることによって低い
賃金
でしか成り立っていない
企業
は退出を促すと。ただ、これはやっぱり非常に危険な考え方で、それぞれ
業種
によって
生産性
も違いますし、仕事のタイプも違うわけでありますので、一律に
賃金
の水準で
企業
の生死を決めていく、
政策
的に決めていくというのは、これは非常にリスクのあることなのかなと。むしろ、これも最後に申し上げた点なんですけれども、プレゼンテーションの中で申し上げた点なんですけれども、退出する
企業
の
生産性上昇率
は残された
中小企業
の
生産性上昇率
よりも高いという結果が出ていますので、優良な
競争
力を持つ
企業
が倒産に追い込まれる、廃業に追い込まれる、これを防ぐというのが非常に重要な
生産性向上策
になっていくということだと思います。それについては、例えば後継者不足だったりということであれば、それを後押しするような
政策
の助けは必要なのかなと思っています。 価格
競争
力については、価格
競争
力を助けるというよりは、価格支配力を助けるというよりは、
競争
力を高める、
生産性
を向上させること自体が価格支配力を高めていくということですので、そちらの方を後押しするというのが重要だと思います。
規模
については、これは
業種
、
企業
によって多分違うと思います。
規模
を大きくすることによって
競争
力、
生産性
を高めることもできるし、
規模
が大きくなることによってむしろ失われてしまう特性もあるということですから、
業種
、
企業
によって
状況
は異なるということだと思いますが、ただ、
規模
が大きくなることを妨げるような
税制
になっているんであれば、そこはやっぱり再考の余地はあるんじゃないかなというふうに思います。 以上です。
滝澤美帆
54
○
参考人
(
滝澤
美帆
君) 私から申し上げることで
一つ
重要なキーワードがあるとすると、差別化だと思います。 基本的に差別化できているような財であれば、ある程度バーゲニングパワーは持てると思いますので、ユニークな財、差別化された財というのを生産する努力というのが必要です。ただ、ここで、長い取引慣行の中でそうした価格を抑えられているといったような
状況
があるのだとすると、そこは変えていく必要があると思います。経路依存性があってその取引慣行が変えられていないというのであれば、今、先ほど来話に出ていますけれども、
パートナーシップ構築宣言
等で変えていく必要があろうというふうに思います。 二点目、大
企業
の規制を
強化
すべきかという件に関しましては、私は反対です。なぜなら、そうした規制を
強化
することで大
企業
は更に
海外
に進出する可能性もあります。世界で見て生産拠点をどこに配置すればいいかということを、最適化考えるはずですので、
日本
の中でそうした規制を
強化
することというのは、優良
企業
は
海外
に出てしまう。その結果、更に大
企業
からのスピルオーバーが起きないといったような悪循環に陥りますので、規制を
強化
するよりは
サプライチェーン
全体で、大
企業
、
中小企業
、協力するという体制が必要だと思います。 三点目、
規模
が大きくなればいいかということ、私、そうは思いません。やはり差別化できている財であれば
需要
が付くと思いますので、必ずしも
規模
を大きくする必要はなくて、そうした差別化された財で、国内だけではなくて
海外
からの
需要
も呼び込む、
中小企業
であってもそうしたポテンシャルはあるというふうに考えております。 以上です。
岩渕友
55
○岩渕友君 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
ながえ孝子
56
○ながえ孝子君 碧水会のながえ孝子と申します。 今日は、三人の
参考人
の
皆様
、とても示唆に富んだ
お話
をいただきまして、どうもありがとうございました。 そうしましたら、まず、
木内参考人
にお伺いをいたします。 中で、優秀な
中小企業
の廃業を防ぐことだというような
お話
がありまして、私もこの
事業
承継をサポートする
経営者
を、新陳代謝をいかに支えていくかということがすごく一方大事じゃないかなと思っていたので、すごく
理解
を深めることができました。ありがとうございます。 それで、その中で、いかにうまくマッチングをやるかということで、地方銀行、
地域
の
金融
機関のマッチング力に期待するという
お話
もありました。このマッチング力だけじゃなくて、
中小企業
にとってはやっぱり
地域
の
金融
機関といい関係をつくるということは物すごく、資金力がそもそも弱いところがありますので、大事なことだと思います。なんですけれども、なかなかこれがうまくいかないといいましょうか、何か
木内参考人
の方からいい例ですとかお考えがありましたらお聞かせください。
木内登英
57
○
参考人
(
木内登英
君) ちょっと御
参考
になる話ができるかどうか分かりませんけれども、私も地方銀行と関わりを持つ中でやっぱり感じていますのは、地方銀行は非常に多くの情報を持っているということなんですが、その情報が必ずしも生かされていないというふうにも感じています。 従来、例えば地方銀行が持っている情報、
取引先
等の情報というのは、
取引先
の
信用
リスクを測るために使われているというような情報なんですが、恐らくそれだけじゃなくて、新しい
ビジネス
を提案することだったり、この
事業
承継のような形でマッチングをすることだったりと、もっと非常に付加価値を生むような使い方ができるのではないかなというふうに感じております。それをすることによってもちろん
経済
の
活性化
にもなりますし、地方銀行の収益を高めることにもなっていくと。
事業
承継でいいますと、マッチング、つまり情報を持っている銀行同士がつながると。同じ例えば県の中でマッチングというのはできるわけですが、ただ、遠くにいる
企業
がこの
企業
を買いたいとか、この
企業
の
経営者
として名のりを上げるというケースもあるわけです。ただ、地方銀行は基本的にはやっぱり地方の情報しか持っていませんので、そういう意味では、広域に連携していくというのがお互いが持っている情報の価値を高めて、その
地域
だけじゃなくて
日本経済
全体の
成長
に貢献するのではないかなと。 残念ながら、地方銀行というのは、やっぱりその
地域
の、何ですかね、城主みたいなところなので、なかなかうまく連携ができない。最近は広域の連携ができてきたとはいえ、まだまだそんな広くないわけでありますので、そうだとしますと、例えば
金融
庁あるいは
政府
が広域に連携して情報の交換ができるように仕組みをしていくということが起これば、その情報が非常に大きな価値を生んでいくと、そういうような
施策
も重要なのかなというふうに思っております。
ながえ孝子
58
○ながえ孝子君 ありがとうございます。 では、続いて
伊藤参考人
にお伺いしたいのですが、やっぱり
中小企業
にとってその
地域
の
金融
機関とのいい関係を
構築
する重要性ありますのと、それから、マッチングの話もございましたように、現場の感覚でその
構築
のためにこういう後押しが必要だとか、何かお考えがありましたら教えてください。
伊藤光男
59
○
参考人
(
伊藤光男
君) マッチングというか、いろいろ今、
金融
機関でも地方のマッチング
ビジネス
というのはやっているんですけれども、必ずしもうまくいっていないんじゃないかというように思います。 それで、ちょっと
MアンドA
というか、そちらの話でいきますと、
中小企業
同士がくっつくというのは非常に難しいと思うんですね。
一つ
は、その借入れ、借金の問題があったりですね。ですから、買う方が全部それを引き受けなくちゃいけないというのはちょっと現実的じゃないのかなというように思いますし。どうですかね、例えば同業での連携等々もあるんですけれども、その辺もやはり、そちらのお金というか、資金の関係とか、そちらがやっぱり結構効いてきて難しいのかなという気がしますね。
事業
承継であれですけれども、難しいのは、サラリーマンの人がその会社をやってくれって社長に言われても、家族が反対するわけですよ。その家屋敷を抵当に入れて、そんなリスクを負うんですかと、そういう話がありますので、ですから、その辺のところをきちっと整理していかないと、今そういうような方向になっていますけれども、整理するような、いかないと、なかなか難しいと思いますね。 ちょっと答えになっているかどうか分かりませんが。
ながえ孝子
60
○ながえ孝子君 重ねてなんですけれども、そのマッチング
支援
だけじゃなくて、
金融
機関というのはいかに資金力を支えてくれるかというところで、かつてに比べると
地域
の
金融
機関も、この
地域
で生き残りを考えていかないといけない時代になったので、
中小企業
といかにウイン・ウインの関係をつくるかというところに視点は向いているようには思うんですけれども、その点で何か希望されることといいましょうか、ありますか。
伊藤光男
61
○
参考人
(
伊藤光男
君)
一つ
、私、いいことをやっているなというのは、ある都市銀行、地方銀行なんですけど、副業、今、大手の会社の方の副業の話やっていますね、その方と我々
中小
とマッチングさせているんですよ。 すると、例えば
デジタル化
に関しても、圧倒的に
中小企業
はそれを導入するときの人材と使いこなす人材がいないわけですよ。ですから、そういう人材をそういうマッチングさせていくようなことがもっと進めば、
中小
といえども
デジタル化
が今までよりできやすくなるというふうに思います。そういうマッチングや何かはこれから非常に有益じゃないかと思いますけれども。
ながえ孝子
62
○ながえ孝子君 どうもありがとうございます。 それでは、
滝澤参考人
にお伺いしたいのですが、
お話
の中で
事業
再
構築
、新たな日常に向けた
事業
再
構築
の中でも、これまで既存
企業
が自分のところの
製品
開発力を
成長
の源泉にという
お話
がありまして、そうなんだと、いきなり新しい突拍子もないことって人間考え付かないですけど、持っている力を少し大きくしていくということはすごく大事かなと思いました。 そういう点で、それを促すような再
構築
支援
が期待されているという御指摘だったんですけど、具体的にはどういったことが考えられますか。
滝澤美帆
63
○
参考人
(
滝澤
美帆
君) ありがとうございます。 まさに、おっしゃられたように、新しいプロセスで生産をするとか新しい財を生産するようになる、あるいは既存の財にまた新しい財が加わって更に付加価値が向上できるというプロセスが期待されていると思うんですけれども、そのときに、先ほども申し上げましたが、もちろんアイデア、
人々
のアイデアも大事なんですけれども、新しい機械を使ってということでまた何かが生み出される可能性もありますので、
設備投資
というのが重要になってくると思います。 それから、先ほど来申し上げていますが、人への
投資
というのがバブル期と比べるとかなり激しく減っています。
企業
が教育訓練
投資
に支出する金額もかなり減っていて、無形の人材資産、人的資産というのがかなり減っておりますので、そこを
企業
もサポートしていくということと、先ほども申し上げましたが、個人レベルで教育訓練を受けられるような
機会
というのを今後も伸ばしていくことというのが重要だと思います。 以上です。
ながえ孝子
64
○ながえ孝子君 ありがとうございます。 もう
一つ
教えていただきたいんですが、私はこれは
競争
力をアップさせると信じているんですけど、女性の
企業
の中での管理職ですよね、みんな増やしていきたい、いこうという掛け声は大きくなっているんですけれども、なかなか増えてまいりません。そういったところで、
滝澤参考人
の何かお考えとかアドバイスありましたら教えてください。
滝澤美帆
65
○
参考人
(
滝澤
美帆
君) ありがとうございます。 先ほど価格転嫁力のところでも申し上げたんですけれども、経路に依存して何か物事が進んでいくということがあると思います。ですから、意思決定のプロセスも、それまでと全く同じものだと
変化
がなかなか起こりにくいというのがあります。 女性の管理職に関しても、このままですと、自然体ですとなかなか増えないという
状況
があると思いますので、何か外的なショックを加えることでそれがまた経路を変えるというものがあると思いますので、私自身何か数値
目標
を持つということに対して強いアレルギーは全くなくて、この
機会
に何か数値
目標
を持って
達成
できるようにというふうにしていくことが重要だと思います。
有田芳生
66
○
委員長
(
有田芳生
君) ながえさん、おまとめください。
ながえ孝子
67
○ながえ孝子君 はい。 いろいろいい
お話
をありがとうございました。終わります。
安達澄
68
○安達澄君 無所属の安達澄と申します。 今日は貴重な
お話
をどうもありがとうございました。大変勉強になりました。
滝澤
さん、
伊藤
さん、
木内
さんの順番でお聞きしたいと思います。 まず、
滝澤
さんにお聞きします。 先ほどの話の中で、EBPMの話が出ました。エビデンスに基づいた
政策
立案と、私もそれはもう非常に重要だと思うんですけれども、
経済
産業
省も昨年度数千万円の予算を付けて、まさに今いろいろ
調査
研究して、まだ緒に就いたばかりなんですけれども、そういったものをベースにして
政策
立案という時代になってきています。 先ほどの話で思ったんですけど、確かに大学にはそういういろんな研究があったりデータがあったりという、現時点ではそういう省庁とかとの連携をしてそういうEBPMを行っているということはないんでしょうか。
滝澤美帆
69
○
参考人
(
滝澤
美帆
君) ありがとうございます。 私の
理解
では、なかなか協力ができていないというのが
現状
だと思います。 個人レベルで、例えば私のような者が科学研究費
補助金
をいただいて、科研費をいただいて、それを通じて
政府
が持っているデータを申請して個人レベルで研究をして、それをどこかで公表するということですので、御指摘のとおり、私どもの知見を何かに生かせるようなメカニズムといいますか、そういうものを今後確立していくとよいのかなというふうに思います。
安達澄
70
○安達澄君 ありがとうございます。 それに加えて、重ねてですけれども、例えば
海外
とかはその辺ってどうなんでしょうか、そういう
政策
を行うときにアカデミックとのそういう連携とかですね。
滝澤美帆
71
○
参考人
(
滝澤
美帆
君) ありがとうございます。 特に、聞いた話によりますと、例えばイギリス等では、統計部門に非常に人が十分、
日本
と比べるとたくさん人がいて、そこには例えば統計学を勉強した方々等が張り付いていて、データ、
政府
のデータを活用して迅速に、今回の
コロナ
のときにもですね、こうした方がいいんだ、ああした方がいいんだというようなことをアドバイスできる機関があると、そういう人材が十分、
日本
と比べると十分いるという話は伺ったことがあります。
安達澄
72
○安達澄君 ありがとうございました。 じゃ、次に
伊藤
さんにお聞きします。
伊藤
さんからいただいた
資料
の中で、
川口
市の
経済
動向という欄に、今回の
コロナ
の
対応
でいろんな努力をされたという中で、いろんな
支援金
、
補助金
、
支援策
を行われていろいろアンケートも取られて、その中でこういった回答があると。各種
支援策
の情報過多による認知度低下が浮き彫りになったというふうにコメントがあるんですけど、非常にもう分かる話でもあるんですが、これちょっと具体的にどういうことなのかを教えていただければと思います。
伊藤光男
73
○
参考人
(
伊藤光男
君) 国、県の
支援策
があるほかに、
川口
市の場合には
川口
市独自の
支援策
があって、ですからその辺が、いろいろな情報があるんで、必ずしもその受け手が整理できていないというか、その辺でそういうことになっているというように思っています。
安達澄
74
○安達澄君 国も一生懸命、県も一生懸命、市も一生懸命やろうとすると、やっぱりどうしてもそういうことが起こると思うんですが、確かに受け手側からすると、もう何がどうなのか違いも分からない、重複もあったりというのもあると思います。 じゃ、国、県、市はどうしていけばいいと思われますか。どうすることが助かりますか。
伊藤光男
75
○
参考人
(
伊藤光男
君) ただ、一方で、電話で、八千社全部電話したんですけれども、
支援策
知らない人も結構いるんですよ、一方で。ですから、
会議
所の
役割
というのは、ある意味両方の方にワンストップステーション的に、
会議
所に
相談
すれば整理して教えてもらえるとか、そういうことができれば整理できると思います。 いろんな国、県、市でそういう
支援
がいただけるというのは有り難いことだと思うんです、基本的には。ですから、それをどこかで整理する、交通整理というか、それは
会議
所でやるのが
一つ
の役目かなと。
安達澄
76
○安達澄君 分かりました。ありがとうございます。 じゃ、最後、
木内
さんにお聞きいたします。
経済
予測等が御
専門
ということで、ちょっと率直にお伺いしますけど、
木内
さんは、例えば五年前、十年前、今のこの
日本
がこういった
状況
であるというふうに予測をされていたのか。それは、予測どおりであれば、じゃ、逆にちょっと五年後、十年後を教えていただきたいんですけど、もし外れていたとするならば、何が想定外だったというふうに
木内
さんは思われるか、御自身の予測と今
実態
について、その差について教えていただければと思います。
木内登英
77
○
参考人
(
木内登英
君) 五年前、十年前に中期的な予測をしていたわけでは実はないんですけれども、振り返ってみると、やっぱり思ったよりも例えば
成長
率のトレンド、例えば
潜在成長率
などはやっぱり低いというのが過去の見通しと比べた場合の
現状
ではないかなというふうに思っています。 途中でも、先ほども
お話
しさせていただいたんですが、
人口減少
だからというのは、それは必ずしも成り立たないんだと思うんですね。実際に
潜在成長率
が落ちている大きな背景として、全
要素生産性
の寄与度が落ちているということがあるわけですね。じゃ、それは例えば
日本
の
労働者
の質がすごく落ちてきているのかと。教育が時代に追い付いていないと、これはもしかしたら少しあるかもしれません。ですので、リカレント教育だったり職業訓練とかはやっぱり重要だというふうに思います。あと、
企業
の
イノベーション
が落ちているのかということですけれども、ほかの国と比べると、特に
技術
を生み出す力が急激にやはりこの五年、十年落ちてきているようには見えないと。 そう考えると、何がやはり
潜在成長率
、
生産性上昇率
が落ちてきている背景かと考えますと、やっぱり
成長期待
ということじゃないかなというふうに思うんですね。その
成長期待
の中には、もしかしたら
人口
は減少するから国内
市場
は余り有望ではないということで、
投資
をするのであれば、あるいは人にお金を
投資
するのであれば
海外
だという
傾向
が特に
製造業
、
グローバル
企業
の間では強まったということですので、それを逆転させるような
成長期待
を国内で生むというのがやっぱり重要なのかなというふうに思っています。私、
日本銀行
にいたときにはインフレ期待を高める
政策
というのはよろしくないという主張をしていたんですが、
成長期待
を高める
政策
はやっぱりこれはいいんじゃないかなというふうに思っています。 その点でいいますと、実は昨年、一昨年前まで期待していたのはインバウンドということなんですね。
潜在成長率
はもちろん
経済
の供給側で決まるものではあるんですけれども、強い
需要
が一時的じゃなくて
継続
的に進むという期待が本当にしみ込めば、
企業
は
更新
投資
を超えてもっと
投資
をすると。
投資
をすることによって、今そこで生まれている新しい
イノベーション
が生産
活動
に入ってきますので、
生産性上昇率
も高まるということです。ですので、
成長期待
を高めるということ自体が、結局は
潜在成長率
、
生産性上昇率
を高め、
人々
の
実質所得
を高めていくということだと思います。 残念ながら一旦頓挫してしまいましたけれども、インバウンド
需要
というのはやっぱり
一つ
重要だと思いますし、もう
一つ
でいうと、やっぱり出生率を高めると。それは二十年後には労働供給の
増加
につながっていくんだと。それが非常に信頼性の高い形でそういうメッセージが出れば、
企業
というのは前倒しで
投資
をしたり
雇用
を増やしたりしますので、実際に出生率が高まって労働供給が増えるまでに二十年掛かるかもしれませんけれども、その前の段階で
企業
は期待が高まることによって
投資
を前倒しすると、それ自体が前倒しで
潜在成長率
を高めることになるということで、
成長期待
をいかに高めていくかというのが一番重要ではないかなというふうに思っています。
安達澄
78
○安達澄君 ありがとうございました。以上で終わります。
有田芳生
79
○
委員長
(
有田芳生
君) 以上をもちまして
参考人
に対する質疑は終了いたしました。
参考人
の
皆様
に一言御礼を申し上げます。 本日は、長時間にわたり御出席を賜り、貴重な御
意見
をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。
委員
会を代表して厚く御礼を申し上げます。(拍手) 本日はこれにて散会いたします。 午後零時五分散会