○安達澄君 無所属の安達澄です。本日もどうぞよろしくお願いいたします。
今回の
法案審議での
質問なんですけれども、かつて
民間で仕事をしていた私が率直に感じる疑問とか、あとやっぱり、普通はこうでしょうと思うことにポイントを絞って、シンプルにストレートにお聞きしたいと思います。
問題意識は、その数字に根拠があるのかということと、仮説と検証がちゃんと繰り返されているのか、PDCAをちゃんと回しているのかということであります。私がよくサラリーマン時代に上司からこっぴどく言われていたことでもあります。昨日の本
会議でも、ここにいらっしゃる多くの議員の方々がエビデンス、検証について御
指摘をされていました。
まず、先週、五月二十日の
経済産業委員会での
梶山大臣の
答弁について一点お聞きします。
森本議員とのやり取りの中でおっしゃった二〇三〇年の二酸化炭素
排出量の削減、これが一三年度比で四六%という数字についてであります。おぼろげながら四六という数字がと言ってしまった小泉
環境大臣に対して、
梶山大臣は、総理の気持ちだけで言ったものではありませんというふうに先日の
委員会では
答弁されました。つまり、根拠があるということだと思います。
日本が排出する二酸化炭素の量は年間約十一億トンあります。部門別で見ると、最も多く排出しているのが製造業などの
産業界、これで約三五%、そして運輸部門ですね、車で一九%、家庭部門は一四%となっていますけれども、最も多く排出しているその
産業界の中でも一番二酸化炭素を出しているのが、業界が鉄鋼業界ということになります。今の
技術ではやっぱり安価で大量に品質のいい鉄を造ろうとするとどうしても石炭を使う必要があって、これはもう
世界各国どこも同じなんですけれども、その結果、二酸化炭素を大量に排出してしまいます。
日本が排出する二酸化炭素の一四%を占めるわけですけれども、先ほど一四%と申した家庭部門と同じ量です。つまり、
日本中の家庭がエアコンなどで使用している全ての電気を通して排出される二酸化炭素の量と同じなわけですけれども、たった一つの業界で一四%を出しています。
その鉄鋼業界なんですけれども、二〇一三年度に対する三〇年度のCO2削減
計画は、現時点で公表されているもので、
最大手の
日本製鉄が三〇%減、そして二番手のJFEが二〇%以上削減というふうになっています。
日本製鉄の橋本社長は、今月行われた記者会見の中で、我々はこれから
技術開発をしていく、四六%減にしますと無責任に言えないというふうに述べています。
政府が掲げる四六%という数字は評価できる数字ではありますけれども、元々の
計画が二六%だったことを
考えると、相当にチャレンジングな数字だと思います。新聞報道などによると、経産省は三九%とか四〇%が限界だと何か訴えていたようなんですけれども、一気に四六%まで
菅総理は引き上げました。
そこで、
梶山大臣にお聞きします。
一気に最後引き上げられた四六%削減という数字の中で、一四%という
日本で最も多くの二酸化炭素を排出する鉄鋼業の数値について、どのような
設定、前提になっているのか。業界リーダーが無責任には四六%とは言えないという真っ当な意見を表明している一方で、先方とかとちゃんとすり合わせができた上での四六%なのか、教えてください。