○山下芳生君 この
電力事業者の自主的枠組みということの説明だったと思うんですね、それを担保する高度化法などの説明だったと思うんですけど、何回聞いても、これ本当に担保されているのか、なかなか分からないんですよ。
要するに、神鋼はもう責任持たずに関電に委ねていると。じゃ、関電がどうやって責任持つのかというと、
電力事業者全体で、先ほどの数字にありました、〇・三七という数字を二〇三〇年までに、排出係数、そこを下げていくように努力するということであって、それだけなんですよね。関西
電力がどのぐらい頑張るか、つまり、神戸製鋼が排出を増やした分を関電がどのように
削減するのかということが見えないんですよね、これが見えない。要するに、目隠しと私が言ったのはそういうことなんですよ。結果としてそうなっていく、二〇三〇年までにという非常にアバウトな枠組みでいくことになっているんですが。
そこで、それを示したのがその資料の三と、その後、四なんですけどね、そういうことなんですけど、なかなかこれ分かりにくい。
それで、さらに、ちょっとこの神鋼のアセスがそのことにも触れているので、資料六枚目なんですけれども、資料六、ああ、ごめんなさい、資料の五ですね、資料の五に、今言われたことについて書かれてあるんです。
環境省の、最初、資料五の上の方の箱の中は
環境省の意見です。真ん中辺りの一番後ろ、今後、
電力供給先の小売
事業者が参加する枠組みが構築されず、この枠組みというのは、先ほど言われた
電力業界全体で排出を抑えるような、〇・三七の係数に向かっていきましょうと。しかし、この
環境省が言っているのは、この枠組みが構築されず、かつ枠組みが構築されるまでの間の
環境保全
措置が満たされない場合は、本発電所の設置を認めることはできない。これ真っ当な、私は、
環境省、またこれ拍手したくなりました。そうですよね、枠組みをつくるという
合意はできたけど、枠組みはまだできていない段階ですから。できるまでは、ちゃんと確認できないうちは認めるわけにはいきませんよと、至極真っ当な私は
環境省の立場だと
思います。
それに対し、経済産業省三次意見、自主的枠組み構築については、個別
事業者に対してではなく、
電力業界全体に対して促していくことを御
理解いただきたい。要するに、
電力業界全体でやるんだよね、そう簡単ではないですよと、そんなせかさんといてくださいと言ったかどうかは分かりませんけれども、それに近いようなことを言っているんですね。結局、こういうやり取りの中で、
環境省も結局は、今ここに、箱の中に書いたやつは削除して、
局長級取りまとめを踏まえた
取組を運転開始時までに講ずるということにトーンダウンしちゃうわけですよね。
この枠組みがどういうふうにつくられたかというのは、もう御存じのとおり、東
日本大震災で原発が全部止まるというようなそういう
環境が突然現れた中で、石炭火力に頼らざるを得ない面もありましたから、そういう中でできた枠組みだというのはもちろん
理解しています。しかし、もう十年です。しかもこれから、五〇年
カーボンニュートラル、三〇年四六%
削減といったときに、この枠組みでずっと本当にCO2排出を抑制できるのかということがもう今本当に問われているのではないかなというふうに、この枠組みのやり取りを見ていますと思わざるを得ないわけであります。
それで、もうずっと飛ばしまして、結局枠組みが、そういう枠組みの中で、よく
小泉大臣は、このアセスとともに、年一回のレビューで石炭火力については止める、抑えるということを言っておられるんですが、資料七、ちょっと飛ばしますけど、これはその
環境省の年一回のレビューの案なんですけれども、このレビューに対しても、実は経産省から削除要求がいろいろ出ているんです。これ、赤で、二枚目、三枚目以降付けておきましたけど。
だから、結局経産省は、CO2排出抑制について、非常に
事業者の立場に立ってレビューにまで口を挟みつつある。ただ、これは、私、結果も見ましたけど、結構はね返して、削除させずに頑張っているんですけど、まあそういうやり取りなんですよ。
結論的に申しますと、実はこの神鋼の石炭火力の増設については、住民の
皆さんが、このアセスはやっぱり余りにも経産省が横やり入れ過ぎているから、このアセスについて確定通知取消しをしなさいという行政訴訟を行ったんですね。一番最後の資料八枚目に、その大阪地裁の判決文を最後の三枚目ぐらいから載せておりますけれども、この判決の中には、一番最後のページに、
環境大臣と経産
大臣の二月
合意というのが最後に、もうこの判決の頃にはできてくるんですけれども、さっき言われた
電力業界全体でやろうという自主的枠組みですけど、この
合意というのは二月
合意のことです。一番最後のページ、真ん中辺りですね。
合意の枠組みに関し、幾つかの懸念や
課題があると。
電力業界の自主的枠組みについて会員が相互に競争
関係にある中、各社に
取組を促していくという履行担保の実効性の観点で様々な
課題があると言わざるを得ない。これは非常に真っ当な私は観点だと
思います。
取消しは認められなかったんですけど、この
指摘は非常に大事で、要するに、
電力事業者全体でCO2排出抑制していくというけれども、お互い競争しているんだからなかなか難しいんじゃないのという御
指摘であります。しかも、この難しいというのは二〇三〇年
目標二六%
削減目標の時代ですから、それは難しいんじゃないかと。
大臣に最後伺いますけど、この二月
合意の枠組みは、もう今やこの
電力事業者の自主的枠組みに委ねるようなやり方は、四六%二〇三〇年
削減しようという中で、この枠組みにとらわれていたのでは、石炭火力をその
目標にふさわしく抑えていくことはできないんじゃないかと、新しい枠組みの構築が要るんじゃないかと
思いますが、
小泉大臣、いかがでしょうか。