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2021-05-20 第204回国会 参議院 環境委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    令和三年五月二十日(木曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員異動  五月十九日     辞任         補欠選任      柘植 芳文君     関口 昌一君  五月二十日     辞任         補欠選任      石井 準一君     滝波 宏文君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         長浜 博行君     理 事                 滝沢  求君                 三木  亨君                 徳永 エリ君                 片山 大介君     委 員                 石井 準一君                 猪口 邦子君                 尾辻 秀久君                 関口 昌一君                 滝波 宏文君                 松山 政司君                 芝  博一君                 鉢呂 吉雄君                 竹谷とし子君                 宮崎  勝君                 柳田  稔君                 山下 芳生君                 寺田  静君                 橋本 聖子君                 平山佐知子君    国務大臣        環境大臣     小泉進次郎君    副大臣        環境大臣    笹川 博義君    大臣政務官        環境大臣政務官  宮崎  勝君    事務局側        常任委員会専門        員        星   明君    政府参考人        外務省大臣官房        審議官      池松 英浩君        外務省大臣官房        審議官      赤松 秀一君        農林水産省大臣        官房審議官    道野 英司君        経済産業省大臣        官房審議官    後藤 雄三君        資源エネルギー        庁電力ガス事        業部長      松山 泰浩君        環境省大臣官房        長        正田  寛君        環境省大臣官房        環境保健部長   田原 克志君        環境省地球環境        局長       小野  洋君        環境省水・大気        環境局長     山本 昌宏君        環境省環境再生        ・資源循環局長  森山 誠二君        環境省環境再生        ・資源循環局次        長        松澤  裕君        環境省総合環境        政策統括官    和田 篤也君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○地球温暖化対策推進に関する法律の一部を改  正する法律案内閣提出衆議院送付)     ─────────────
  2. 長浜博行

    委員長長浜博行君) ただいまから環境委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日までに、柘植芳文君が委員辞任され、その補欠として関口昌一君が選任されました。     ─────────────
  3. 長浜博行

    委員長長浜博行君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  地球温暖化対策推進に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、環境省地球環境局長小野洋君外十一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 長浜博行

    委員長長浜博行君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 長浜博行

    委員長長浜博行君) 地球温暖化対策推進に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 滝沢求

    滝沢求君 自由民主党の滝沢求でございます。  質疑に入る前に、小泉大臣、急な入院から公務復帰、おめでとうございます。本日からいよいよ国会審議、これから復帰に当たり、この国会審議に向けて大臣から一言、お気持ちあればお伝えいただければと思いますが。
  7. 小泉進次郎

    国務大臣小泉進次郎君) 御発言の機会をいただきましてありがとうございます。  まず、委員長、そして理事皆様、また委員皆様におかれましては、先週月曜日に虫垂炎による緊急手術になりまして、急遽、先週の環境委員会を含めて、質疑の取りやめなど多大なる御迷惑をお掛けしたこと、誠に申し訳ありませんでした。そしてまた、術後の回復途上ということもありますので、この委員会復帰に当たっても、また運営に当たっても多大な御配慮を賜っていること、本当に皆さんの御配慮、ありがとうございます。まだまだこの国会質疑もありますし、残されている法案もあります。全力で真摯に質疑に臨んでまいりたいと思いますので、どうか今後ともよろしくお願いします。  ありがとうございました。
  8. 滝沢求

    滝沢求君 ありがとうございます。引き続きよろしくお願いをいたします。  それでは、質疑に入ります。  我々は今、気候危機とも言える状況に直面しております。地球温暖化も相まって、世界各地異常気象による被害がもたらされています。我が国においても、記録的な台風や豪雨による深刻な被害、また猛暑や熱中症による健康被害も見られております。こうした中で、昨年十一月には、衆参両院で党派を超えて、気候非常事態宣言決議を採択したところでございます。また、菅内閣においては、グリーン社会実現、その中でも気候変動問題は最も重要な施策の一つと承知しております。  昨年秋の菅総理による二〇五〇年カーボンニュートラル宣言以降、その実現に向け様々な施策が取り組まれてきているところでございます。国際的にも、先月十六日の日米首脳会談では、日米首脳間で発表する初めての気候変動に関する協力枠組みとして日米気候パートナーシップが立ち上げられたほか、二十二日の米国主催気候サミットでは野心的な二〇三〇年目標を打ち出すなど、気候変動をめぐる国際社会議論をリードしていくため、次々に重要な取組が進められていると承知しております。  気候危機世界共通認識となり、国際社会気候変動問題をめぐる議論加速される中、今後、本年十一月のCOP26に向けて、G7、G20などの一連の重要な国際会議において日本が力強いリーダーシップを発揮していくことを私は期待しているのであります。このように国内外において気候変動をめぐる動き加速する中、今国会地球温暖化対策推進法改正案議論されることは非常に意義深いものと捉えております。  そこで、改めて、本法案意義や狙いについて伺いたいと思います。
  9. 笹川博義

    ○副大臣笹川博義君) お答えをさせていただきたいと思います。  まず、今、日本を取り巻く国内外の情勢につきましては、滝沢委員の方から御指摘があったとおりというふうに思っております。特に、菅総理の二〇五〇年のカーボンニュートラル宣言、同時にまた、アメリカにおいては、バイデン政権の誕生とともに、パリ協定復帰含めて日米での気候パートナーシップという様々な国際環境の変化もあったわけでありますので、そういった中において、本法案は、改めて地域企業の脱炭素化取組や投資を促進をしようという、いわゆる日本における地球温暖化対策を更に加速をさせようという形の中での提案でございまして、改めて地域における円滑な合意形成を図りつつ、地域に貢献する再エネ導入等も含めて、地域における脱炭素化動き、これも加速をさせていこうと、この積み重ねによって全体的な脱炭素化動きも大きなものにしていく。  さらにはまた、企業温室効果ガス排出量の算定・報告公表制度について、電子システムによる報告を原則化し、開示請求の手続なしで公表される仕組みとすることで、デジタル化オープンデータ化推進し、企業の脱炭素経営取組が評価をされる、そういった環境整備も進めてまいりたいと。このことによって、二〇三〇年の四六%の削減や二〇五〇年のカーボンニュートラル実現に向けて、資する法案という意味では意義が深いというふうに考えております。
  10. 滝沢求

    滝沢求君 ありがとうございます。  今回のこの法案では、基本理念を新設して、その条文の先頭国民を位置付けております。まさに前例のない基本理念だと思うんですね。それで、国民理解協力なくしてカーボンニュートラル実現なしという考えから私はこれを先頭に位置付けていると、そう捉えておりますけれども、この基本理念について伺いたいと思います。
  11. 笹川博義

    ○副大臣笹川博義君) 今委員からの御指摘のとおりでありまして、大臣も常々、国民理解協力なくしてカーボンニュートラルはなしということで発信をしております。  本法案基本理念規定において、国と先頭規定することが通例であるところを、今委員の御指摘のとおり、国民という形の中で先頭規定をさせていただきました。特に、二〇五〇年のカーボンニュートラルを達成するためには、国民一人一人の理解と、そして生活様式の変換、転換が大事でありまして、そのことによってカーボンニュートラルの達成に向けて大きく前進することができると思いますし、同時にまた、環境省としても、ライフスタイルの関係の深い住宅、それから移動手段の脱炭素化に様々な取組を進めているところでございます。特に住宅、これの省エネ、そして再エネ活用移動手段、これについては、自動車も含めての電動化、このことが肝要かというふうに思っております。  今後とも、一人一人ができる取組を分かりやすく発信をしていく、このことによってなお一層理解を、国民の一人一人の理解を深めていくことというふうに思っておりますので、そのことに向けて環境省として全力で取り組んでまいりたいと思っております。
  12. 滝沢求

    滝沢求君 まさにそのとおりなんですね。やはりこれは、国民理解協力なくして実現できないわけですから、しっかりと着実に進めていただきたいと思います。  次に参ります。  二〇五〇年カーボンニュートラル実現に向けては、地域における脱炭素化取組促進することが重要でございます。こうした中で、二〇五〇年二酸化炭素排出実質ゼロを宣言する自治体、いわゆるゼロカーボンシティ自治体が急増しており、現在までに、自治体数でいうと三百八十超、人口規模でいうと一億一千万人超の規模にまで拡大しております。  こうした自治体取組を着実に進めていくためには、二〇五〇年に向けた取組計画的実施と定期的な進捗状況の確認が重要でございます。本法案では、都道府県、政令市、中核市の地方公共団体実行計画において再エネ利用促進を始めとする施策実施目標設定を義務付けるとともに、中核市未満市町村に対しても、同様に施策実施目標実行計画に位置付けることを努力義務としております。  この目標設定に当たっては、二〇五〇年カーボンニュートラルに加えて、先日菅総理が表明した二〇三〇年の目標も見据えつつ、各自治体に意欲的に取り組んでもらうことが重要であると考えております。  そこで、都道府県市町村実行計画による意欲的な目標設定をどのように促していくのか、伺います。
  13. 宮崎勝

    大臣政務官宮崎勝君) お答えいたします。  脱炭素社会実現のためには、地域における再エネの最大限の導入に取り組むことが重要でございます。本改正案では、都道府県市町村地球温暖化対策計画に即して再エネ利用促進等目標設定した上で地域の脱炭素化促進に取り組むよう措置しているところでございます。  今後、環境省といたしましては、都道府県市町村目標設定に資するよう自治体ごとの再エネポテンシャル情報を提供するとともに、目標設定の具体的な方法について、今後策定するガイドラインにおいて丁寧に示していきたいと考えております。また、各自治体取組状況を見える化するため、各自治体目標設定状況等情報提供していくことも検討してまいりたいと思います。  こうした取組を通じまして、自治体による地域の再エネポテンシャルを生かした意欲的な目標設定を促してまいりたいと考えております。
  14. 滝沢求

    滝沢求君 ありがとうございます。  続いて伺います。地域の脱炭素化を進めるためには脱炭素電源である再エネ活用が必要不可欠であり、地域の豊富な再エネポテンシャルを最大限活用していくことが重要でございます。一方で、地域においては、景観悪化土砂災害等地域トラブルを契機として、再エネ導入、設備の導入を条例で宣言する自治体も急増していると承知しております。こうした中、地域における合意形成を図りつつ、地域に共生する再エネ事業促進することで、再エネに対する社会受容性を高めていくことが重要だと私は考えております。  今回の法案では、地域に貢献する再エネ事業である地域炭素化促進事業促進する計画認定制度が盛り込まれているものと承知しておりますが、昨今の再エネ地域共生課題に対し、この制度は具体的にどのような意義効果があるのでしょうか、伺います。
  15. 小野洋

    政府参考人小野洋君) お答え申し上げます。  今回の改正法案でございますけれども、先ほど委員が御指摘されたとおり、再エネをめぐる地域トラブルが見られていると、こういう現状を踏まえまして、地方公共団体地域の円滑な合意形成を図りつつ地域に貢献する再エネ促進する仕組みということで、地域炭素化促進事業に関する計画認定制度を盛り込んでいるところでございます。  具体的には、市町村実行計画におきまして、地域関係者の意見を聞きつつ、促進区域事業に求める環境配慮、あるいは地域貢献を定めることによりまして、地域の再エネ資源利用方針について円滑な合意形成を図ることが可能となるというふうに考えております。その上で、市町村実行計画に適合した事業を認定し、関係法令ワンストップサービス等特例措置を講じることによりまして、地域に貢献する再エネ事業促進する効果があるというふうに考えてございます。  こうした仕組み活用によりまして、地域の再エネポテンシャルを最大限活用し、地域主導での脱炭素化加速してまいりたいと考えてございます。
  16. 滝沢求

    滝沢求君 ありがとうございます。  次の質問は、小泉大臣にお伺いしたいと思います。  本法案における実行計画の再エネ導入目標地域炭素化促進事業計画認定制度を着実に進めていくことが地域炭素化促進する上で重要だと考えております。  一方で、地方自治体、特に人口規模の小さい自治体においては、例えば地球温暖化対策の専門的な部署が設けられていないところもあるなど、いわゆる体制面、そして技術の面、そして財政面のリソースが必ずしも十分でないと私は承知しております。このため、本制度活用を一層促していくためには、国として、地域の脱炭素化を担う人材育成など、地方自治体に対する支援を実施していくことが私は必要不可欠だと考えております。  小泉大臣は、脱炭素先行地域をモデルケースとして、次々とほかの地域に広がっていくことをイメージして脱炭素ドミノと表現していると私は承知しております。  そこで伺いますが、環境省として、どのように地方自治体に寄り添って、いわゆる伴走しながら脱炭素化に向けた支援策を行っていくのか、小泉大臣の所見を伺います。
  17. 長浜博行

    委員長長浜博行君) 小泉大臣に申し上げますが、理事会着席答弁を確認しておりますので、御遠慮なく。
  18. 小泉進次郎

    国務大臣小泉進次郎君) ありがとうございます。着席して答弁させていただきます。  今、滝沢先生からドミノという表現ありましたが、決してこれは自治体を国が押し倒すと、そういったことではなく、共に伴走して、自治体人材課題、そしてまた、情報課題予算的な課題、こういったところにしっかりと国も連携して取り進んでいきたいと、そういうふうに考えております。  まさに地域主役でありますから、温対法に基づく協議会の場の活用、そしてまた、地域皆さん主役となって進めていくために必要な予算の面では、脱炭素を進めるためのゼロカーボンシティエネ強化支援パッケージも、我々として約四百億円予算に組んであります。こういったことを是非自治体皆さんで、これはパッケージですから、様々なメニューで活用できますので、御活用いただきたいというふうに思います。  また、地域炭素ロードマップ策定を、今最終的な取りまとめに向けて進めています。こういった中で更なる支援策も構築していきたいと考えておりますので、是非自治体皆さんにおかれましては、共に、全国的に次々と広がっていく脱炭素先行地域をつくり上げていく、その思い一緒になって共有できればと思っています。
  19. 滝沢求

    滝沢求君 大臣答弁ありがとうございます。  今のドミノの話、本当にそのとおりだと思います。いわゆる国が押し倒すようなことではなくて、まさに伴走していくと、そして、主役地方自治体だと思うんです。ですから、その自治体の声がしっかり反映されるような作成、計画作っていかなければ私はならないと考えております。  もちろん、同じテーブルに、協議会に、地方自治体関係者も入るわけですよね。それであれば、やはりこの地方自治体の方々がよく地域の実情を分かっているわけですから、それをしっかりと伺って、何が課題があるのか、しっかりと捉えて計画性を、着実につくり上げていくことが必要だと私は考えております。  それで、今回、先ほど大臣からも答弁がありました、令和二年の三次補正、そしてまた令和三年の予算と、合わせて計四百億計上しているわけでありますので、盛り込んでいるわけでありますから、この今話しした地方自治体計画、それから合意形成を進めるに当たって、さらにはこの人材育成、これは非常に必要だと思います。先ほど私お話ししたとおり、小さい、規模が小さい自治体では本当に、体制面はもちろんですけど、財政もそうです、そして技術面も、そういう形がないものですから、しっかりとそれを、さっき大臣答弁で話したように、伴走する形でお支えしながら、主役地方自治体なんだということをしっかりと受け止めていただきたいと思います。よろしくお願いをいたします。  それでは、続きまして、中小企業の脱炭素経営普及について伺いたいと思います。  二〇五〇年カーボンニュートラル実現するためには、大企業のみならず、中小企業取組もこれまた必要でございます。サプライチェーンの全体での排出削減が求められている中、サプライヤーとなる地域中小企業が、再エネ再生可能エネルギー利用削減目標設定など、脱炭素経営を要請される例も見られております。このため、地域中小企業にとっても、脱炭素化競争力になりつつあると私は受け止めております。  こうした認識の下、そこで伺いますが、地域中小企業競争力を高めるためにも、脱炭素経営重要性について普及啓発取組支援が私は重要と考えますが、見解を伺います。
  20. 笹川博義

    ○副大臣笹川博義君) 今委員から御指摘があったとおりでありまして、世界的に展開をしている国際的な企業においても、サプライチェーンから、やはり脱炭素化一緒に歩まない企業についてはそのチェーンから外すというような動きがあることは我々も承知をしていますし、その動きを今後とも注視をしなければならないというふうに考えておりますし、同時にまた、日本経済地域経済を支えているのは中小企業皆様方でありますので、その中小企業皆様方の御理解と御協力なくしては、先ほどの国民とお話ありましたけど、同じくやっぱりカーボンニュートラルを達成することはなかなか厳しいというふうに思いますので、そういった意味では、環境省としては、今まで日本経団連との連携協議というものは歴史がありますが、今回、日本商工会議所との政策懇談会も含めての協議も始めたところでもありますので、そういった意味では、やはり中小企業皆さん方にどうしてもやっぱり理解ということが大事でありますので、そういった意味において、今回、環境省として、中小企業排出削減計画策定支援、脱炭素経営手法等をまとめた中小企業向けガイドブックの提供などの取組も進めさせていただいております。特に、本法案において、地域地球温暖化防止活動推進センター事務として、事業者向け普及啓発広報活動を明記し、地域における企業への支援体制を拡充する措置を盛り込んでおります。  引き続いて、中小企業を含む企業の脱炭素化取組を後押しし、脱炭素経営が評価される環境整備に取り組んでまいりたいというふうに思っていますし、同時にまた、中小企業皆さん方競争力、これを維持することが、基本的にはやはり環境とそれから成長という車の両輪を達成することにもつながるというふうに考えております。
  21. 滝沢求

    滝沢求君 副大臣、ありがとうございます、答弁。特に、先ほど副大臣から話ありましたとおり、本当に我々のこの地域経済を支えているのは中小企業でございますので、このサプライチェーンから排除されないようにしっかりと支援していただきたいと。  そして、先ほどの答弁の中でありましたけど、今回、中小企業向けガイドブックを提供すると。そして、何より商工会議所との連携を深めていくと、取組も進めるという話でございます。非常にそれは必要なことだと思いますし、商工会議所地域に根付いていますので、しっかりとそういう形で進めていただきたいと思います。  そしてまた、さっきのお話の中で出ていましたが、地域地球温暖化防止活動推進センター事務として、普及啓発広報活動も行うということでございます。しっかりと評価される環境整備に取り組んでいただきたいと思います。  続きまして伺います。二〇五〇年カーボンニュートラル実現に向けては、地域企業などあらゆる主体の脱炭素化取組加速させていく必要があります。そのため、本法案においても、基本理念を設立した上で、二〇五〇年まで、脱炭素社会実現法律に位置付けることとしているものと承知しております。  こうした認識の下、あらゆる主体の中でも政府が率先して地球温暖化対策に取り組んでいくこともこれまた重要だと考えております。環境省でも再エネ電力調達取組を進めていると伺っておりますし、政府実行計画に基づき、政府事務事業における排出削減策も進めているところと私も承知しております。  今回菅総理が表明した二〇三〇年目標や二〇五〇年カーボンニュートラル宣言を踏まえ、政府取組強化をどのように進めていくのか、伺います。
  22. 笹川博義

    ○副大臣笹川博義君) やはり、先ほど来委員の方から御指摘ありました、国民皆様、それから中小企業皆様、やはりそれぞれの国民そして中小企業皆様から見て、政府は何をしているんだというような思いはあろうかというふうに思います。その中で、やはり政府が率先して先頭に立って取り組む姿勢を見せていくことが私は大事なことであるというふうに思っております。  そういった意味では、現行の政府実行計画においても、LEDの導入電動車調達推進、自らの事務事業における排出削減に率先して取り組んでいることも、またこれも事実でございます。特に環境省では、再エネ主力電源化に向けて、自らの施設で使用する電力に再エネ由来電力を積極的に調達、そしてまた、こういった取組を他の省庁にも促しているところでもございます。今般、地球温暖化対策計画見直しと併せて、この政府実行計画見直しも行ってまいりたいというふうに思っております。  二〇三〇年、二〇五〇年目標も踏まえつつ、政府排出削減対策強化をなお一層進めてまいりたいというふうに思っております。
  23. 滝沢求

    滝沢求君 ありがとうございます。  答弁にもございましたが、本当に国民はやっぱり政府取組もしっかりと注視していますから、先ほど質問にも出ましたけれども、ありましたが、基本理念にしっかりと国民先頭に位置付けて、国民協力なくして実現はできないわけですから、しっかりと取組を進めていただきたいと思います。  それでは、続きまして伺います。地域と再生する、再生導入を進めて、あっ、失礼しました、地域と共生する再エネ導入を進めていくことは、二〇五〇年までのカーボンニュートラルに向けた再エネの大量導入のためには必要不可欠でございます。地域に貢献する再エネ事業促進する計画認定制度活用をいかに促していくのかが重要でございます。こうした観点から、本制度は、認定事業に対するインセンティブとして、事業関係する行政手続の一本化、いわゆるワンストップ化の特例が措置されているところでございます。  そこで伺いますが、具体的に認定事業に対するワンストップ化の特例が事業者にとってどのようなインセンティブとなるのか、伺います。
  24. 小野洋

    政府参考人小野洋君) お答え申し上げます。  委員から御質問ございましたワンストップ化の特例でございますけれども、市町村が認定いたしました地域炭素化促進事業につきまして、温泉法、森林法、あるいは農地法、自然公園法といった関係法令の許認可等の窓口を市町村に一本化いたしまして、事業者の行政手続を効率化することによって再エネ事業の実施を迅速化するというものでございます。  具体的には、このワンストップ化によりまして、事業者が作成する資料が一本で済むということで資料作成事務の負担が軽減されます。また、事業計画の提出や調整先が市町村に一元化されるということで、様々な多くの関係機関との調整を行わなければいけないという従来に比べますと、その調整事務の負担が軽減すると。  さらに、市町村協議会を設置した場合には、その協議会関係許可権者等に入っていただきまして事前調整をすることによって、実際のその手続における事務処理期間が短縮されるといった効率化、迅速化の効果があるものと考えております。
  25. 滝沢求

    滝沢求君 ありがとうございます。  是非とも迅速化、効率化にしっかりと取り組んでいただきたいと思います。よろしくお願いします。  以上で質疑を終わります。
  26. 芝博一

    ○芝博一君 立憲民主党の芝博一でございます。  まず、私からも、小泉大臣がさきに盲腸という大手術を乗り越えて無事に帰還されましたことを、心からお喜び申し上げたいと思います。  今日は久しぶりの委員会での質疑でございますから、せっかくの機会をいただきまして、私は、常日頃、大臣になるまでも、これまでの議員としても、大変その言動で注目を集めていた小泉進次郎さんに、政治家としての小泉進次郎さん、若しくは国会議員としての小泉進次郎さんへのその政治姿勢の質問を前半でさせていただきたい、こう思っておりますし、後半は温対法についての改正案についての質問をさせていただきたいと思いますので、できる限り大臣の方で御答弁をよろしくお願いを申し上げます。  大臣は、環境大臣に就任するまで、若しくは国会議員になってそのほとんどの中で、二〇一一年に発生をいたしました東北大震災、東日本の大震災、この地域の訪問を大変多く重ねられてきました。そのことについては大変敬意を表するわけでありますけれども、政治家小泉進次郎さんとしては、どんな思いを持って、また目的を持ってこの被災地の訪問を続けられてきたのか、さらには、大変多く回数を重ねられたと聞いておりますけれども、その回数等々について、分かる範囲の中で総論的にまずはお教えください。
  27. 小泉進次郎

    国務大臣小泉進次郎君) 今お尋ねいただきました福島に対する思いというのは、私は当時野党でしたから、しかも一回生議員でした。そのときに原発事故、東日本大震災が起こり、いても立ってもいられないと、そういった思いが率直にありました。ただ、野党の中で、なかなか政策の実現に、与党ほどその実現力はやはりなかなか発揮できない環境の中で、それでも何ができるかといったときに、とにかく現場に何度も伺って、その声をいかに少しでも政策に反映できるかということを考えたことが現場訪問を重ねるということにつながりました。  私の中で回数は数えてはおりませんが、環境大臣になってからという、限っての回数を事務方に調べさせたところ、今まで十回、そしてオンラインでは七回と、そういったことになっております。  コロナの中でなければより多く伺うこともできたと思いますが、その環境の中でもしっかりと、福島の長い復興に対して、立場を問わず、これからもしっかりと自分の中で取り組んでいきたいと思っております。
  28. 芝博一

    ○芝博一君 被災地を訪ね、まさに復興の思い、そして被災地の皆さんに寄り添う、その思いが強かったから被災地に本当に足しげく足を運ばれたんだろうと、こう思っています。そのことについては私も同じ議員としてまさに敬服をする、こんな思いでございますけれども。  そんな地域へ行って、地域皆さんと接して多くの声を聞かれたんだろうと、こう思っています。それは多岐にわたるんでしょう。被災地の、被災されたすぐ直近と、また中間地点、また昨今では多くの課題の変遷はあろうと思いますけれども、被災者の声にまさしく寄り添ってきた大臣と、こう思っておりますが、その被災地の声に、大きく挙げるとすればどんな声があったんでしょうか、お聞かせください。
  29. 小泉進次郎

    国務大臣小泉進次郎君) 東日本大震災に関わる中で感じていることは、時間の経過とともに被災者の方の思いも変化をする、これを感じています。  そういった中で、その変化に伴ってしっかりと政治が一つ一つの政策を、福島の皆さん、東北の皆さんが復興に共に共感できる形で進めていくことの難しさも含めて、これからもとにかく課題解決をしていく。十年が節目というよりも、十年が新たなスタートだと、そういった思いで、信頼の回復を政策の実現とともに進めていくことが重要だと、そういうふうに感じております。
  30. 芝博一

    ○芝博一君 その思い、気持ちの総論は分かりました。  度々私どもは、マスコミ等を通じて大臣が被災地を訪ねる姿も見ました。被災地の皆さんの声に耳を傾けている姿も度々拝見をしました。時によって声は変わると思うんですけれども、昨今では、被災地を訪問して多くの皆さん方から聞かれる声、主に具体的にどんな声があったか。風評被害の問題か、生活困窮の問題か、放射能の心配か、いろんなことがあると思うんですけれども、思うことの重要点の部分の中で御披露いただけませんか。
  31. 小泉進次郎

    国務大臣小泉進次郎君) コロナ禍でなかなか一般の方々と膝を突き合わせての議論というのが難しい中でいえば、やはり福島の内堀知事含め、大熊町の吉田町長、そして双葉町の伊澤町長などとは度々議論を重ねています。その中でも、内堀知事が、この復興に向けては信頼とそして苦渋の思いがあったということ、このことを忘れないでもらいたいというふうに言われたことは今でも私の中で重く残っております。  そして、昨今の課題でいえば処理水の課題がありますが、これについても私は、復興の最前線の現場に立っている大熊町、双葉町両町の町長が、この課題を先送りすることは復興の足かせになると。その最前線の現場の方が思っている声が余り大きく報じられない中で、私は、よって立つべきところは最前線で立っている方の思い、その思いをしっかり大切にしながらも、現場の漁業の方々は反対の声を上げているわけですから、これからもその信頼を勝ち得ながら、皆さんとともに、長い時期が掛かりますが、最後まで私は復興に尽力をしたいと考えております。
  32. 芝博一

    ○芝博一君 復興に尽力するのは、小泉大臣のみならず、これは当然ながら国会の務めとして政治家の務めだろうと、こう思っています。共に寄り添っていきたいと思っておりますが。  今大臣の方からいろんな形でお話をいただきましたけれども、例えば地域の知事の声であったり住民の声を聞いて、まあ今でなくても、過去でも結構ですけれども、政治家小泉進次郎さんとして、また国会議員として、その声を例えば提言として、政策として、これまで長い時間があったわけでありますけれども、実現したこと等々がありましたら御披瀝ください。
  33. 小泉進次郎

    国務大臣小泉進次郎君) 一つは、ふたば未来学園の創設だと思います。  私が復興政務官のときに、あの当時、双葉郡に中高一貫校をつくろうと、そういう話が持ち上がりました。その構想の段階から意見を申し上げ、最終的に無事に開校にこぎ着け、そして今では、中学校一年生から高校三年生まで無事に六学年みんな集まって、学校が始まることができました。  そういうふたば未来学園の創設に関わった思いというのは、教育というのは一過性の支援では駄目で、生徒たちの卒業までだけではなく、その後の一生に関わる大事な分野であります。そういった教育の分野における福島の復興を私は自分のライフワークとしても捉えて、一過性ではない、そういった思いを私の中で表した、そんな思いです。  それに加えて、一点だけ、大臣としては、言わせていただければ、福島県と環境省で、環境省としては単独の都道府県と協定を結ぶのは初めてであります。その環境省と福島県の協定を結び、その中で、復興施策、そしてまた今後の未来の町づくりについて新たな協定を立ち上げ、そして、大きな課題でもある三十年の中間貯蔵の除去土壌などの県外への最終処分場への移設、この約束を必ず果たすんだという思いで、新たに理解醸成活動をこの週末に東京から皮切りに始めますが、こういったことは新たな政策実現だと御理解いただければ幸いです。
  34. 芝博一

    ○芝博一君 福島の復興、これは一概には、いろんな分野があろうと、こう思っておりますけれども、よく言われることについては、基本的には、福島の復興は福島原発の収束、処理の部分をなくしてあり得ないと、こういうことも言われている中であります。  そんな中で、先日もこの委員会議論がありましたけれども、政府は、これまでの地元の住民への約束といいましょうか、言っていたことをたがえて、福島の第一原発の敷地内にたまっている汚染された処理水、これはALPSでろ過をしたものでありますけれども、汚染水であります、これを海洋放出する方針を決定をいたしました。だから、担当は違う、環境省ではありませんけれども、地元では、私の聞くところでは、この処理水、どういうふうに処理をするんだろうということは大変大きな問題となっていたこと、関心を持ったことも事実であります。  この処理水に関する問題、方向性について、地域を訪ね、また行政のトップ等とも会談をして、その声は大臣のところにはどんなふうに聞こえてきたのか、教えてください。
  35. 小泉進次郎

    国務大臣小泉進次郎君) これも一つの声ではないと思います。  ただ、漁業関係者皆さんの反対の思いは変わらないという漁連の岸会長の声、そして福島県漁連の野崎会長の声、そういった声に我々は正面からしっかりと向き合って、今後も、方法を決定したからこれであとは流すんだというのではなくて、ここからしっかりと信頼を積み重ねていくスタートだという姿勢で臨んでいかなければならないと肝に銘じています。  一方で、先ほども申し上げたとおり、このタンクのある大熊町町長、そしてまた、隣の双葉町の町長、両者におかれましては、やはりこの問題は先送りできないという、その最前線の現場としての声も発信をされていることも事実です。私は、そういった声にもしっかりと、多くの方に御理解をいただきながら、共に復興に向けて課題をクリアしていきたいと考えております。
  36. 芝博一

    ○芝博一君 確かに先送りできない問題ではありますけれども、十分な地域のコンセンサス、理解を得た上で今回の方針が決定されたものでないと私は思っています。  当然ながら、これから努力をすると、こういうことでありますけれども、反対をしているのは何も漁業の関係者だけではありません。さきに全国紙とまた地元の放送局等々が県民を対象にこの海洋放出についてアンケート調査をいたしました。実に八七%の人が海洋放出で風評被害が出ると心配をしています。  そんな声を大臣はつぶさに私は聞いてきたんだろうと、こう思っておりますけれども、ある意味では、ここの部分について、今後、さきの質問でも大臣は、いやいや、政府の一員としてしっかりと丁寧に地元にも説明もしていく、そしてこのことについてはIAEAにも報告もしていると、まるで政府の方針を改めて容認するというような、是認するというような発言があったと私は記憶にあるんですけれども、そこの部分の考えには、大臣の考えは変わりはありませんか。
  37. 小泉進次郎

    国務大臣小泉進次郎君) まず、私は政府の一員でありますから、政府の方針について、その方向に進めるというのは、私の立場としては当然のことだと思います。  ただ一方で、この風評についての懸念というのは、復興に携わる中でも本当に血のにじむような努力を多くの方々がされてきました。全くほかの県ではやらない米の全袋検査もそうでした。そして、一つ一つのスーパーとか様々な売場を、知事を含め行政関係者、漁業関係者、そして農業関係者含め、本当にみんなが、少しでも買っていただきたい、福島のものだから買わない、食べない、飲まない、これを少しでもなくしていきたいという思いが、ずっと復興庁もアンケート取っていますが、福島のものだから買わない、食べない、飲まないという方が減ってきたと、そこに表れたと思います。  ただ、この処理水のことで、福島だけがトリチウムを流すんだという誤った認識が広がることがないように私はしっかりと発信もしていきたいし、最近、この関係でメディアなどでも、あたかもほかの方法なども考慮せずに海洋放出を決めたと言わんばかりの全く間違った認識に基づく発信をされているような方もテレビの中でもいます。  そういったことに対しては、全く誤りであって、それこそ風評を拡大をさせていると、そういったことを言わざるを得ないようなことに対しては全力で立ち向かっていかなければならないと思います。
  38. 芝博一

    ○芝博一君 小泉さん、今、福島原発の影響で、この日本で、特に東北を中心とした被災地域から取れる農産物等々が、また水産物等々が多くの国で輸入制限が掛かっていることは御存じだと、こう思っています。  その規模や内容等々について、概略について、大臣の知っている限りのことについてお教えください。
  39. 小泉進次郎

    国務大臣小泉進次郎君) 今、私の手元に細かな数字、何か国かとかはありませんが、いまだにこのアジアの中でも様々な国々で、福島のみならず、日本の食品に対する規制が残っている部分もあります。残念ながら、アメリカもそうであります。  そういった中で、福島に対して科学的ではない根拠に基づいて不当な規制がされているような現状を一日も早く解除させていきたい、この思いで、環境省としても政府の一員として全力を尽くしてまいります。
  40. 芝博一

    ○芝博一君 残念ながら現在でも、アメリカは今言われたように、アメリカまた東南アジア等々を踏まえて多くの国で、被災地を中心として多くの農産物や水産物が輸入制限、すなわち受入れを拒否している、若しくは輸入ができても、してもらっても検査証明書を添付しろと、こういう大変厳しい状況にあることも事実であります。  そんな中で、今でもそんな状況の中で政府がこの汚染水を改めて海洋放出する、二年をめどと、こういうようなことを言われておりますけれども、そうなったときに、今海外での部分で、いろんな国でいろんな声があることも事実だろうと思います。  この海外での日本の農産物、特にまた水産物を含めて風評被害的なもの、この輸入制限的なものがもっと広がると大臣はお考えですか。どうお考えでしょうか。
  41. 小泉進次郎

    国務大臣小泉進次郎君) 今、国内外から、この処理水の海洋放出についての反対や懸念など、そういった声があることは承知をしております。  そういったことに対してしっかりと環境省としてはモニタリングを体制を強化して、そのモニタリングを分析機関ごとの比較もやって、そして、IAEAにも入ってもらってそのデータを国内外に公表して、風評被害が最小限に収まるようにしていきたいと思います。全力を尽くします。
  42. 芝博一

    ○芝博一君 今、環境省という形で発言もありましたけれども、管轄的な部分に行くと、海外の部分には、農水省であったり外務省であったり経産省であったりするんだろうと思いますけれども。  このIAEA、今回の海洋放出について発言が続いています。例えば、IAEAのグロッシー事務局長は、原発の処理水の海洋放出の処分について、モニタリング、すなわち監視など、IAEAで常時監視を、関与を続けていきたい、そして、そうすることが世界へ向けての安全、安心への発信にもなると、こういうことも言われています。  こういう中で、私は、IAEA、日本国内のみの検査とかチェックだけならず、若しくは、この海洋放出を担当するのは東電であります。残念ながら東電は、ここ最近、いやいや、もうずっと前から含めて、以前から含めて原発への管理の問題、原子力委員会等々から多くの問題を指摘されていることも事実であります。  大変信頼を損ねている中で、このIAEAの常時監視体制、これを自ら発言されていることについて、私は是非とも受け入れるべきだと考えていますけれども、これは省庁関係なく、小泉さんとしてどうお考えでしょうか。
  43. 小泉進次郎

    国務大臣小泉進次郎君) IAEAが四月の二日に公表した、これ、去年の四月の二日に公表したALPS小委員会報告書に関するレビュー報告書の中で、ALPS処理水の海洋放出について、日本及び世界の稼働中の原発や核燃料サイクル施設で日常的に実施をされているため技術的に実行可能であり、時間軸の目標を達成できると評価をしていると承知しています。  そして、今、芝先生から御紹介があったグロッシー事務局長は、日本が選択した方法は技術的に実現可能であり、また国際慣行にも沿っている、管理された海洋放出は世界の原発の運用国で日常的に行われているものであると、厳格な安全環境基準に則して定常的に管理されているものであると、そういうビデオメッセージを述べられたと承知をしています。  今後、この処理水の処分に当たっては、我々のモニタリング、そしてIAEAの協力を得て、東電の最近のことで、東電のモニタリングでは信頼がないのではないかというのが芝先生が言いたいことだと思いますが、まさにその分析機関を一つの機関の分析にとどめずに、東電、そして規制庁、IAEA、その他分析機関がそれぞれ分析したことを相互比較をしていって、より客観性の高い、透明性の高い形で国内外にデータをお示しして信頼を勝ち得ていきたいと考えております。
  44. 芝博一

    ○芝博一君 政治家としての小泉さんの意欲は分かりました。  このIAEAの常時監視を受けるかどうかというのは、これは担当するのは経産省でしょうか、外務省でしょうか、そこになるんだろうと、こう思っていますが、経産省から、この風評被害、汚染水の海洋放出に対する風評被害を是非とも関与していただいて、IAEAに関与していただいて、世界の中での風評被害を抑えるように協力もしてほしいという依頼も出ているわけであります。  経産省、そこの経緯について説明をいただけますか。梶山大臣が先日、IAEAに対して、風評被害を抑えるためには是非ともIAEAの協力お願いしたいと、こういう発言をされておりますけれども、それは事実ですか。  ちょっと止めてください。
  45. 長浜博行

    委員長長浜博行君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  46. 長浜博行

    委員長長浜博行君) 速記を起こしてください。
  47. 池松英浩

    政府参考人池松英浩君) お答え申し上げます。  経産省の方で主としてやっているので、ちょっと答えられる範囲でお答えさせていただきたいと思います。もちろん、経産省と協力してやっております。  委員指摘のように、IAEAとの協力は非常に重要だと思っておりまして、ですからこそ、梶山経産大臣も非常にタイミングを得た形でグロッシー事務局長、IAEAの事務局長と会談をして、協力をしていくということで合意をしております。その合意に基づいて、しっかりIAEAと協力して、この海洋放出の客観性、科学的根拠に基づいてしっかり行っていきたいと、担保していきたいと考えております。
  48. 芝博一

    ○芝博一君 もう是非そんな方向で進んでいただきたいと、こう思います。  それで、この海洋放出について、大変総理も、そして経産大臣も気にしているといいましょうか、問題意識を持っています。そこまで大きな風評被害が想定される中でありますけれども、政治家の小泉さんとして、被災地を訪ねる小泉さんとして、今後、さらにこの風評被害はどんな形で現れてくると想定されて、考えておみえでしょうか。
  49. 小泉進次郎

    国務大臣小泉進次郎君) 今までの原発事故以降の風評被害を考えれば、福島のものだから食べたくないとか飲みたくないとか買わないとか、そういった方が出てきかねないと、それが懸念です。しかし、そういったことが科学的に客観的に、そのデータなども明らかにすることによって、そんなことはないと。そして、福島だけがトリチウムを流している、全くそんなことありません。全国の原発、世界中の原発、流しています。  そういったことも含めて、しっかりと正しい理解をしていただくためにでき得ること全てやるという気持ちで全力で取り組んで頑張ってきて、ようやく本格操業だと、そういうふうに思っている漁業者の皆さんや、全袋検査をしていたときからようやく全袋検査をしなくて済んだ農家の皆さん、この皆さんが再びくじかれるようなことがないように、私としても、政府の一員として全力を尽くします。
  50. 芝博一

    ○芝博一君 気持ちはよく分かりました。  しかし、経産大臣は、この風評被害に対する賠償チームを立ち上げるとまで言っている大きな問題であります。今、小泉さんも触れられましたように、残念ながら、試験的な操業が続いていた水産業ですら、地元ではまだ数十%、二〇%に達していない、漁獲量には達していないんです。  そんな状況の中で、今後また海洋放出が始まる、こういうことになってくると、本当に風評被害の拡大が懸念されるわけでありますけれども、この風評被害の対象であったり範囲であったり、そしてその風評被害の算定方法をどうするのか、ここの部分は大変気になるところであります。  どういう形が一番ベターだと小泉さんは考えられますか。
  51. 小泉進次郎

    国務大臣小泉進次郎君) まず、政府の基本方針においては、最大限の対策を講じてもなお海洋放出に伴って発生する風評被害の賠償について、画一的に賠償期間や地域、業種を限定することなく、被害の実態に見合った必要十分な賠償を迅速かつ適切に実施する、そして、損害に関する立証の負担を被害者に一方的に寄せることなく、被災者に寄り添って迅速に対応するといった観点から、東京電力を指導していくこととされています。  この基本方針に沿ってしっかり取り組んでいくことが重要であると認識しています。
  52. 芝博一

    ○芝博一君 是非、地域被害者の皆さん方に寄り添ってというその思いをしっかりと今後とも小泉さんとしても、担当中は、担当所管庁は経産省、現場を担当するのは東電になるんだろうと、こう思っておりますけれども、しっかりと助言なりアドバイスなり、また声を上げていただきたいと思っております。  次に、これは環境省の所管の部分でありますけれども、放射能に汚染された土壌汚染、除染対策についてお伺いをしたいと思います。  早いもので、もう十年がたつわけでありますけれども、概略的に、東北で放射能汚染をされたという土壌、現在まで、大きく概略で結構なんですけれども、その進捗状況と今後の見通し、大臣認識をお教えください。
  53. 小泉進次郎

    国務大臣小泉進次郎君) 二〇一七年度末までに、帰還困難区域を除く地域の面的除染は完了しています。現在、帰還困難区域のうち、特定復興再生拠点の除染、解体を進めています。特定復興再生拠点の除染については、昨年の十二月末時点で、対象面積約二千百ヘクタールのうち、約七割に当たる約一千五百ヘクタールについて完了しました。  これからのことでありますが、二〇二二年春から二〇二三年春の避難指示解除に向けて着実に事業を進めていくつもりです。
  54. 芝博一

    ○芝博一君 これからも続くわけであります。これ、是非とも地域皆さん方思いに寄せて、少しでも早く前向きに取り組んでいただきたい、こう思っております。  ところで、具体的な数字で聞きたいと思うんですけれども、この東北の除染工事、ここ直近二、三年で結構ですけれども、工事の発注状況はどうなっているんでしょうか。この状況について、例えば件数で結構です、また、その発注した、工事の発注した総額でも結構です、あわせて、それらの発注した部分の落札率について、総論でお答えください。環境省
  55. 森山誠二

    政府参考人(森山誠二君) お答え申し上げます。  現在、環境省では、特定復興再生拠点区域におきまして事業を行っており、二〇一七年度から今年四月末時点で二十三件の除染、解体工事を発注しているところでございます。これらの工事の当初契約額は合計で約千四百五十億円、平均落札率は約九六%になっているところでございます。
  56. 芝博一

    ○芝博一君 今説明された小泉大臣の除染の状況、そして、これらの工事状況が、概略を説明いただきました。  この中で、私は以前から気になっているんですけれども、除染に対する入札の落札率が非常に高い、こう思っているんです。参考に、この除染工事以外の環境省のその他の入札の直近の入札価格の平均は幾らになっていますか、環境省
  57. 正田寛

    政府参考人(正田寛君) お答え申し上げます。  委員指摘ございました除染工事を除く環境省発注工事でございます。この落札率について申し上げますと、集計されてございますのが直近三年間、これは平成二十九年度から令和元年度でございます。この落札率の平均をお答え申し上げますと、九一・五%となっておるところでございます。
  58. 芝博一

    ○芝博一君 大臣、今聞いていただきましたように、環境省全体の平均の落札率は九一%だと。対して、二十三件の除染、これまで、これは平成二十九年からですが、九六%。異常だと思いませんか、この落札率の部分について。大臣の感想なり、その要因が何かあれば御説明ください。
  59. 小泉進次郎

    国務大臣小泉進次郎君) 除染はやはり特殊な面もあるなというふうには思っています。一つが、線量の高いところで安全性を確保しながら長時間の作業を行うこと、そして二つ目が、数千人の作業員を集めなければならず、加えて、被災地内で宿舎そして通勤手段の確保が必要であること、そして三つ目が、被災家屋の個々の状況に応じた手作業の作業であって、労務管理に多数の監督員を確保する必要があること、こういった特殊性があるので、必ずしも応札者の数が多くないことが、結果として今のような状況になっていると。  ただ、先生御指摘のとおり、効率的な予算執行の観点からは、より多くの会社が入札に参加することで競争性を高めて、結果として落札率を低下させていく方がいいと、そういったことは当然のことだと思います。環境省としては、しっかりと透明性と競争性を確保しながら適切な予算執行に努めてまいりたいと思います。
  60. 芝博一

    ○芝博一君 もちろんのことであります。  ところが、大臣、ここ最近の部分では、やっと九六%まで下がったんです。その前に、平成の二十九年時点、この時点で環境省にお聞きをした部分では、その平成二十九年は六十六件の工事で何と入札率は九八・六%、そのほとんどが一者の応札、入札参加。こんな状況が、この委員会指摘もさせていただいて、今御報告いただいたように九六%まで下がったことも事実です。  その背景には、今大臣が言われたように、入札参加の要件を緩和したり、一者応札じゃなしに多くの企業に参加をしてもらうというような努力はあったと、こう思うんですけれども、その根底にあるのは、基本的に、この除染工事の当初から、除染は初めてだから大手のゼネコンに依頼をして、テストケース、モデルケースとしてやってもらおう、それがそのまま今に続いて、ずっとゼネコンがJVを組むなりしてこの除染工事を独占しているのが現実なんです。そして、その入札についてもいまだに一者の入札が多々ある、これも現実なんです。だから、いろいろなところからその状況指摘をされている。  大臣環境省の入札監視委員会報告は読まれましたでしょうか。
  61. 小泉進次郎

    国務大臣小泉進次郎君) この入札監視委員会の御指摘、これを踏まえているからこそ、入札参加要件の緩和、そして分割発注といった改善策を講じてきたところであります。
  62. 芝博一

    ○芝博一君 してきたところでありますけれども、具体的には年一回しか開かれていないこの入札の監視委員会なんですよ。私、余り役割を果たしているとは思えません。なぜなら、年一回開催されて、その案件、審議されるのは一回につき三件から四件、それも環境省全体の事業の中からピックアップ、抽出をして、たまたまこれまで、ここ最近では平成二十六年とそれから二十七年に除染の工事の審議をしてもらっただけ。こういう状況の中にあって、大変ベールに包まれているというようなことも事実だと、こう思っています。  もっと私は踏み込んで、それこそ、小泉大臣だからこそ、地域に寄り添う思いを持って、この除染工事、一般的に言われているのはですよ、正しいかどうかは別として、各省庁でも、また地方の自治体でも、入札を掛ければ、よっぽどの事情がない限り、平均の入札率は九一か二というのがよく言われる数字なんですよ。そこの部分はもっと前面に出て取り組んでもらう、しっかりと現場を、福島の復興再生事務所等を含めて、大臣がしっかりと指導するという気概を持ってもらっていますでしょうか。
  63. 小泉進次郎

    国務大臣小泉進次郎君) まず、この除染は前例なき事業であります。そして、環境省としても、当時、まさに民主党政権のときでありましたけれども、環境省自身にとっても前例のない取組でありました。  こういった課題の中で、今、二〇二一年になって、約事故から十年たって、この除染の事業の執行という面においては非常に順調にやってこれたと思っています。  一方で、芝先生が御指摘のところは、その事業の進捗というよりも、予算の効率的な執行の面、この点についての課題を御指摘されていると思います。これについて、国民皆さんの負担によって復興賄われていますから、こういったことの効率的な執行についてできることは今後も不断の見直しをしていく、それは当然のことだと考えております。
  64. 芝博一

    ○芝博一君 私は除染の執行について言っていません。まさに大臣が言われるように、この予算の執行状況について、是非とも大臣もしっかりと現場に目を向けて取り組んでいただきたい、それも一つの被災地に寄り添う思いなんだろうと思いますから、よろしくお願いをしたいと思います。  それでは、温対法の改正案について質問をさせていただきます。  今、滝沢委員からも、るる、地方の、地域の、市町村への配慮、心配をする声が多々出てまいりました。そんな中で、私は、この温対法を進めるに当たって、やっぱり主役は地方なんだろう、地域なんだろうと、こう思っています。  今、環境省に全国の市長会や全国の町村会からの連名で意見書が出ていると思うんですけれども、大臣は読まれましたでしょうか。
  65. 小泉進次郎

    国務大臣小泉進次郎君) 日頃から自治体皆さんとはコミュニケーションを取っておりますので、特に自治体側から課題が上がっているところは、特に小規模自治体における人的な課題予算面の課題、そういったところについてしっかり配慮して脱炭素取組を進めてもらいたいという声が多くあると。そこに手当てをすることが大事だと思っています。
  66. 芝博一

    ○芝博一君 それは総論で、中身はそうなんですよ。言われることはみんな一緒。だけど、お手元にありますけれども、小さなところではなしに、全国の市長会、また全国の町村会からも、こういう点についてしっかりと予算支援をしてほしい、人的支援をしてほしいという要望が来ている。  是非、今の口調だと読んでいないようでありますけれども、差し上げますから読んでいってください。今後、各市町村からの声、聞いていますよ、読みましたよ、しっかり対応しますよと言うためにも、中身は、大体言うことは、皆さん要望すること一緒なんですけれども、読んでいるか読んでいないかというのはあなたの熱意の問題だと思いますから、是非、全国の声を上げて意見書上がってきているわけでありますから読んでいただきたいと、こう思います。  そんな中で、お尋ねをしていきますけれども、地方公共団体実行計画、すなわち区域の施策編の策定についての見込み。これは、現在、区域の施策編の策定ができているのは全国で二五%というデータもあります。また、違うところで某新聞社が実施したアンケートでは、ゼロカーボンシティを目指している市町村ですら、再エネ目標設定しているのが三〇%、さらには、検討したことがない市町村は実に四七%にも上がっているんです。こういう状況の中で、今回、区域の施策編の策定が進むと、どのぐらい進むと大臣は見込んでおみえでしょうか。
  67. 小泉進次郎

    国務大臣小泉進次郎君) どれぐらいかという数字の感覚というよりも、一つ一つの自治体の実効性ある計画作りを後押しをする、そこが大事だなと思っていますので、環境省としても、予算、そして様々な助言、こういったことを含めてしっかりと後押しをしてまいりたいと思います。
  68. 芝博一

    ○芝博一君 後押しは当然でありますけれども、やっぱりこの区域の施策編の策定、これが進まないと実行できませんから、是非ともそこのところは環境省としても絶大なる支援お願いしたいと、こう思っています。  ところで、地域合意プロセスが大変大事であります。このことも言われております。固定価格の買取り制度の中で立地地域への配慮が足りなかった。それはなぜかというと、地域活性化や地産地消への期待がしぼんで、地域外の事業者が中心になって開発を進めトラブルの原因になっているから、市町村は一方冷め切っている。こんな声もある中であります。  そんな中で、地域合意プロセスを進めるためには、地方公共団体実行計画協議会を設置しなければならない、こんなことがあるわけでありますけれども、現在、この地方公共団体実行計画協議会、全国でどのぐらい設置されているんでしょう。
  69. 小野洋

    政府参考人小野洋君) お答えいたします。  地方公共団体実行計画策定協議会の設置数でございますが、二〇一三年十月時点でございますが、例えば、都道府県では三八%、政令市では六五%、中核市では四三%、合計で三八%でございます。
  70. 芝博一

    ○芝博一君 まだまだ進んでいないのが現状であります。  ところで、お聞きしますけれども、この協議会、設置されていない場合には必ず協議会を設置しなければならないのか。いやいや、はたまた、今までの地方においては既に環境審議会等々が設置されているところあります。それに置き換えることも可能なのか。そこ、大臣、どうお考えでしょう。
  71. 小野洋

    政府参考人小野洋君) 法律上、今の改正法の法律上でございますけれども、これは必ず設置ということではございませんで、先生ございました環境審議会でございますとか、その他の手法でも構わないということでございます。
  72. 芝博一

    ○芝博一君 協議会のみならず審議会等々でもいいという解釈でいいんですね。そのように受取をさせていただきました。  ところで、この計画の中では促進区域設定がございます。この中で多々起こってくることは、住民を始めとした関係者合意形成の下に、この促進区域は是非とも適切な立地の下で選定されることが重要であると、こう言われています。そのためには、環境保全の観点からも踏まえて、地域の自然環境に詳しい専門家が参加して検討を行う体制を整えるべきと考えているわけでありますけれども、環境省はそのことを今後発表されるであろうガイドライン等々に盛り込んでいただけると考えてよろしいんでしょうか。
  73. 小泉進次郎

    国務大臣小泉進次郎君) まず、この促進区域設定に当たっては、地域合意を促すということが非常に大事なことでありますから、このガイドラインの整備などを行う中で、円滑に促進区域設定に向けた支援につながる形でやっていきたいと。そして、様々、環境省のアセスメントのデータベースによる情報提供とか自治体によるゾーニングの支援などによって、今までも自治体による風力発電などの合意形成に係る支援を行ってきたところでもあります。様々、今までの蓄積、実例、こういったものを反映をして進めていければと考えています。
  74. 芝博一

    ○芝博一君 そういう思いの中で進めていただけると、こう思いますが、進めていただきたいと思いますが。  まず、その協議会促進区域を決める協議会、この中には地域の住民等々の構成要員が明記をされています。この中に、土地所有者や関係する例えば地元の代表、こういう方たちがどこまで参加ができるのか。また、それを私は、地元の代表者若しくは土地所有者等々、でき得れば隣接地の所有者等々も踏まえて、法律上、ガイドラインに明記をしてほしいと、こう思っているんですが、小泉大臣はどの程度までお考えでしょう。
  75. 小泉進次郎

    国務大臣小泉進次郎君) この促進区域そして協議会は再エネがしっかりと促進されるようにするためのものですから、その参加をしていただく方々についても促進につながるような構成で考えていただくように、これも自治体の判断ですけれども、我々として必要な助言があれば、その構成についても環境省としては適切な助言を行っていくということであります。
  76. 芝博一

    ○芝博一君 その促進区域設定でありますけれども、今、全国でいろんな部分の、太陽光パネルであったり風力パネルのいろいろな部分でのトラブルが発生をしております。問題が発生をしている。  その中は何かというと、事業者と行政の部分の間の部分で話をしたんでしょうけれども、地域の住民というと、基本的に、必然的に自治会長が入ってくるんですよ、自治会長。土地の所有者や土地の周りの住民や隣接地の所有者は入ってこない。そこはなぜかというと、計画を後から聞かされた、若しくは工事が始まってから住民との、また地権者とのトラブルになっている。  だから、私は、ここで必ず地域住民という中にどういう人を入れるべきか、私は、土地の所有者、隣接所有者、そういう人たち入れてほしいと、こう思うわけでありますけれども、そういうことをしっかりと環境省から市町村に伝達をする、若しくはガイドラインに明記する考えは、大臣、ありませんか。
  77. 小泉進次郎

    国務大臣小泉進次郎君) 今までなぜ自治体にとって再エネ規制のような条例ができてしまったかというと、先生が御指摘のような、結果、進めるときに合意形成がうまくいかずに後でトラブルになるようなケースが散見されるので、今、百以上の自治体で条例ができてしまったと。  今回はそれを変えていくための法案ですから、まさに、その構成上どのような方々が入っていることで合意形成が促され、地域に歓迎される再エネの案件がしっかりと進んでいくのかが大事ですから、そういった観点から適切な助言なども我々は自治体にしていきたいと思います。  その運用とかガイドラインとかでどこまで明記すべきかというのは、自治体の裁量もありますから、できる限り自治体の柔軟な運用ができることも大事だなと思いつつ、先生の御意見は御意見として、大切なことでもありますから、我々としては、助言なども含めて対応していければと思います。
  78. 芝博一

    ○芝博一君 とにかく自治体は、むしろその判断ができなくてこういうトラブルに至っているから、是非とも強いガイドラインの策定なり指導なりをお願いしたいと、こう思います。  時間が来ています。一点だけ、大事なことであります。  今回の地域炭素促進事業の部分を含めていった中で、事業を受けた業者が進行していく中で、例えば事業が途中で中止したり撤退したり、若しくは事業認定を取り消された場合、ここのところはまるっきり読み取れません。そういうときには、後に残るのは、中止であったり撤退なり取消しがあったときには、再エネ施設の継続をする者がいなくなれば原状回復はどの自治体がするのか、ここの部分の明示と、環境省はどういうふうに考えているのか、そこのところを、大臣、最後にお聞かせください。
  79. 小泉進次郎

    国務大臣小泉進次郎君) 再エネ事業者が破産などにより事業撤退した場合における施設撤去などの事後処理については、一義的には再エネ事業者自身の責任で対応すべきことであります。これは、この法案に基づく認定事業か否かにかかわらず、各種事業に共通することであると認識しています。  他方、自治体にとっては、本法案に基づく地域炭素化促進事業として認定した事業が撤退した場合、設備の撤去などが適切にされずに地域環境に悪影響を及ぼすリスクや、自治体が掲げた再エネ目標の達成が困難になるといったリスクが考えられます。  こうしたリスクを回避するために、本法案においては、事業者に対して、認定申請時に事業の実施に必要な資金の額、そしてその調達方法の提出を求めることで、市町村が認定時に事業が適切に実現できるかを確認できるようにします。そして、市町村は、認定事業者に対して事業の的確な実施に必要な指導及び助言を行うこととしています。さらに、事業計画には、事業終了後の設備の撤去、そして原状回復に関する事項も記載をするよう、ガイドラインなどを通じて求めていくことにしています。  こういった仕組みを通じて、地域と共生する、歓迎される再エネ普及をしていくように取り組んでいきたいと考えております。
  80. 芝博一

    ○芝博一君 終わります。
  81. 竹谷とし子

    竹谷とし子君 公明党の竹谷とし子でございます。  本法案におきまして、都道府県及び市町村は、地球温暖化計画に即して、温室効果ガスの排出量の削減のための措置に関する計画策定するものとされております。地球温暖化対策推進に関する制度検討会が出した今後の制度的対応の方向性についての文書の中で、地方公共団体が域内の排出量をより精緻に推計できるようにすべきであるとされているところでございます。  地方公共団体の排出量の測定は誰がどのように行うことを想定しているのでしょうか。
  82. 和田篤也

    政府参考人(和田篤也君) お答え申し上げます。  地球温暖化対策推進法現行第二十一条に基づきまして、都道府県及び市町村は、国の地球温暖化対策計画に即して、地方公共団体実行計画策定、実行することとされているところでございます。また、現行の同条第十項、御審議いただいております法案では、同条第十五項になりますけれども、この規定に基づきまして、都道府県及び市町村には、毎年一回、温室効果ガスの総排出量を含む施策の実施状況などの公表が求められているところでございます。  実行計画策定を行った自治体が、計画の内容に関連する温室効果ガスの排出状況について把握、公表するということになっております。なお、温室効果ガスの算定方法につきましては、環境省として、所要のマニュアルにおいてお示ししているところでございます。
  83. 竹谷とし子

    竹谷とし子君 自治体の脱炭素取組促進するために、その状況について定量的に見える化するということは有効であると思います。しかしながら、排出量の測定をする作業は相当の負荷が掛かるものと思っております。地方公共団体が取り組んできた独自の排出量把握というものも自治体によってはあると思います。また一方、環境省が提供している排出量カルテ、これも有効な手段となっていく可能性があるのではないかと思っております。  今後、地方公共団体の意見も踏まえて実効性のあるものとなるよう取り組んでいただきたいと思います。
  84. 和田篤也

    政府参考人(和田篤也君) お答え申し上げます。  地方自治体地域の脱炭素化を進めるに当たりまして、排出量の把握を含めて実行計画推進することは大変重要というふうに考えてございます。  御指摘ございましたこれまでのユニークな独自の取組ということで、長野県や横浜市におきまして、条例に基づきまして、電力供給事業者に対して電力供給に伴う二酸化炭素の排出状況に関する情報の提供を求める取組というものが動いていると承知しているところでございます。一方で、小規模自治体におきましては、温室効果ガスの排出状況を把握するといったことがなかなか難しいといった課題点も想定しているところです。  このような背景を踏まえまして、いわゆる御指摘ありました自治体への負荷といった観点も踏まえまして、環境省におきましては、都道府県エネルギー消費統計ということや、温室効果ガス排出量算定・報告公表制度に基づきます特定事業所の排出状況などを自治体ごとに整理した自治体排出量カルテを各自治体に御提供しているところでございまして、今後、地域の脱炭素化に向けた具体的な計画策定に取り組む自治体などの御意見を伺いながら、記載事項の更なる充実等に努めてまいりたいと考えてございます。
  85. 竹谷とし子

    竹谷とし子君 この法案におきましては、地方の取組が大変重要なものとなっております。当然、再エネ導入ということが最初に掲げられておりますけれども、そのほかにも取り組むべきことが様々あると思っております。  その中で、住民が我が事として脱炭素に取り組む、そうした取組の一つとして、廃棄物、特に身近な食品ロスの削減というのは有効であると考えております。自治体における脱炭素の一環として、地域における食品ロス削減取組、これを促して、その結果の公表について検討していっていただきたいと思います。
  86. 松澤裕

    政府参考人(松澤裕君) お答えいたします。  食品ロスの削減は、食品の生産、加工、流通に使われる資源とエネルギーの無駄をなくす意味で、脱炭素社会への移行にとって重要でございます。環境省としましても、地域の食品ロス削減取組効果の公表、見える化が進むように取り組んでまいります。  具体的には、環境省では、地域における食品ロスの削減取組支援することを目的に、地方公共団体などによる食品ロス・食品リサイクル推進モデル事業というのを実施しておりますけれども、今年度からは、この取組の成果について環境省のホームページなどで公表してまいります。  このモデル事業の実施や削減効果などの評価方法の横展開を図って、引き続き地域における食品ロス削減対策推進に努めてまいります。
  87. 竹谷とし子

    竹谷とし子君 事業者の取組、排出量の公表等について伺いたいと思います。  脱炭素に取り組む企業が評価される方向性、この傾向が高まっていると思います。消費者が、脱炭素に取り組む企業の製品やサービスを選んでそれを購入するという方向になってきていると思います。一方で、脱炭素に取り組まない企業が取引先やまた消費者、投資家から排除されていく可能性、また批判をされていく、そうしたことも今後考えられると思います。  そうした観点から、温室効果ガス排出量の算定・報告公表制度、これ大変重要な、信頼できる公共のデータであるというふうに、価値あるものであると思っておりますが、これについて、任意報告というものも今後大変重要なものになると思っております。事業者の脱炭素取組促進できるように、報告の充実を、本法案が成立後、またよく検討していっていただきたいというふうに思います。いかがでしょうか。
  88. 小野洋

    政府参考人小野洋君) お答えいたします。  委員からの御指摘ございました算定・報告公表制度でございますけれども、今回の改正法案におきましても、電子化を図って迅速化するということでございますが、全ての対象事業者に温室効果ガス排出量の算定、報告を義務付けるというものでございますけれども、これ、委員からもまさに御指摘ございましたけれども、排出量の増減に関する情報など、任意で、排出量そのものに加えて併せて報告することができるという仕組みになってございます。  その任意での報告という部分につきまして、委員からも御指摘ございました。これを踏まえまして、この改正法が成立した暁には、中小企業も含めた事業者の意見もよくお聞きした上で、各事業者の排出削減取組の内容など、任意報告の充実も含めた制度の在り方、運用の在り方について検討を深めていきたいと考えております。  また、報告された情報を分かりやすく公表するというところも非常に重要かと思っております。このための電子システムの構築、あるいはそのフォーマットの見やすさなどについてもしっかりと検討して取り組んでまいりたいと思います。
  89. 竹谷とし子

    竹谷とし子君 また、今回の法律改正におきまして、これまで抑制と言っていた言葉を排出削減、排出抑制から排出削減という言葉に変わるわけでございますけれども、これに合わせて、排出抑制等指針も排出削減等指針に変わるわけでございます。今後、排出削減等指針の中に、先ほどは地方自治体の食品ロスの削減ということを申し上げましたが、食品事業者の取組も重要でございますので、食品事業者の指針として、食品ロス削減取組を行うように明記をしていただきたいと思います。  食品ロス削減推進法、環境委員会の先生方の御協力もいただきながら令和元年成立をさせていただきましたが、少しずつ進んできておりますが、まだまだ事業者の中には売れ残りを廃棄するのが当たり前という状況は散見されております。そうした声が寄せられております。  需要予測の精度を高める、そして、できるだけちょうどよく作ったり仕入れたりするという取組、また、売り切るために期限が近いものは値引きやポイントを付ける、また、フードシェアリングサービスを利用して消費者に情報を届けていく、さらにはフードバンクや子供食堂等に寄附をしていく。できる取組というのはまだまだあるわけでございますけれども、その取組企業が行って決して損をするというものではありません。しかし、まだやっていないというのは、トップがきちんとそうした意思決定をしていないということが背景にあるというふうにも声が寄せられております。  トップの決断を促していくためには、やはり制度にそうしたものが義務に近い形に、できれば義務として位置付けられているということはトップの意思決定を促すのに有効でございますし、そうしたことが、取組が公表されるということも非常に影響を与えるものでございます。農水省と連携をしてしっかり取り組んでいただきたいし、実効性ある、効果に結び付く指針というものを期待しております。よろしくお願いいたします。
  90. 小野洋

    政府参考人小野洋君) お答え申し上げます。  委員から御指摘ございましたけれども、現在の法律で排出抑制等指針となっておりますのは、この法改正の中では排出削減等指針というふうに改定することを御提案しております。さらに、その二〇五〇年のカーボンニュートラル実現基本理念として位置付けるということも踏まえまして、この排出削減等指針の必要な見直しを行っていきたいと考えております。  その見直しにおきましては、この指針の中に、日常生活における排出削減のために事業者が講ずべき措置に関する事項というのがございまして、この中で、脱炭素型のライフスタイルへと転換が図られるように製品、サービスを提供するといったことなど、必要な事項を盛り込んでいきたいと考えております。  温暖化対策におきましては食品ロス対策というのは非常に重要だと考えておりますので、この必要な事項の盛り込み検討の中で、御指摘いただきました食品ロス対策に関する事項についても盛り込むべく検討をしてまいります。
  91. 竹谷とし子

    竹谷とし子君 ありがとうございます。是非よろしくお願いいたします。  続きまして、温室効果ガスの排出の量の削減並びに吸収作用の保全及び強化に関しまして質問をさせていただきます。この質問に関しては三つ伺う予定でございましたけれども、一つ飛ばさせていただきまして、二点伺いたいと思います。  五月、先日ですね、参考人質疑がこの温対法の審議のためにこの委員会で行われました。そこに参考人の方が三人お越しいただいて、本当に充実した質疑をさせていただくことができたと感じております。  その中で、水谷参考人から、剪定枝や食品廃棄物などを利用して炭化炉で炭にする、そして固定化した炭素を貯留するという方法が提案をされたところでございます。これ非常に、破壊的なイノベーションというわけではなくて、今既にある技術でできることであるということで、今回の法案地方自治体が取り組んでいくということが非常に重要視をされているわけでありますけれども、このことは非常に、これが有効であるならば、地方自治体が取り組むべきこととして意義があるというふうに思いました。  この脱炭素化を進める上で、炭化炉で炭にして炭素を固定する、炭素の収支がマイナスになるという、そういう考え方だと思うんですけれども、この方法について有効と考えるか、環境省のお考えを伺いたいと思います。
  92. 小野洋

    政府参考人小野洋君) 委員から御指摘ございました剪定枝等を炭にして炭素を固定、貯留するということでございますが、これは大気中の二酸化炭素を吸収した植物を炭にして固定するということで、脱炭素化推進の手段として一定の効果があるというふうには考えております。  現にIPCCが策定いたしました温室効果ガスの排出・吸収量に係る方法論におきましても、農地等に係るこういった炭、バイオ炭というふうに呼んでおりますけれども、バイオ炭による炭素貯留効果の標準的な算定方法というのが既に示されておりまして、我が国におきましても、この方法論を参考に、農地におけるバイオ炭施用の効果を吸収量としてインベントリーに既に計上し、国際的に報告をいたしております。  他方で、このバイオ炭による炭素貯留効果でございますが、これを用いる土地の種類とかあるいは炭にする木の種類によって、炭素がその土にどのぐらい残るかという残存率が異なってくるということが言われておりまして、現在、そのガイドラインで、IPCCのガイドラインで既に標準的な方法が示された農地等以外でやろうという場合におきましては、そういった科学的な根拠が求められると思います。そのために、更にその調査研究を進めていく必要があるという、こういった施用拡大に当たっての課題もございます。こうした課題を踏まえて、関係省庁と連携して取り組んでまいりたいと考えております。
  93. 竹谷とし子

    竹谷とし子君 是非、調査等の検討を、林野庁、農水省とも関係してくる分野だと思いますけれども、進めていただきたいというふうに思いますし、今分かっていることということについても周知を、情報提供をしていただきたいというふうに思います。  この質疑をするに当たりまして、環境省の資源循環の御担当とお話しさせていただきました。剪定枝や食品廃棄物、この処理、処分方法につきまして幾つか方法があると。燃焼して処理をするとか、また燃焼して発電もする、あるいは今回教えていただいたような炭化炉で炭にする、また埋立て、さらにはメタン発酵や堆肥化などもあるということでございます。その中でどれがCO2排出が少ないのでしょうかということを環境省さんに伺いましたところ、前提条件の設定によって変化する場合があるので順番付けをするのは困難ということでございました。  今局長から御答弁がありましたように、これから科学的な根拠提示のための調査も必要なのだとは思いますけれども、地球温暖化対策の一環として、この廃棄物資源循環分野におけるカーボンニュートラルというものも非常に重要な分野でございますし、特に地域に密着した取組でもあると思いますので、この資源循環分野、特にこの炭にするということについて是非検討していっていただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。
  94. 松澤裕

    政府参考人(松澤裕君) 先生御指摘の六つの方法、それぞれCO2排出削減効果というのは、エネルギー収支がどうなっているかとか、それからそれぞれのプロセスが具体的にどういう方法で運転されるか、こういったことにいろいろ左右されますので、それぞれケース・バイ・ケースで評価していく必要があると思います。  こうした評価方法をしっかりできるように私ども調査検討を進めてまいりたいと思いますし、また、特に御指摘のありました剪定枝などの炭化技術、こういうものについて、資源循環分野におけますカーボンニュートラルに資する技術の一つだというふうに考えておりますので、これについても調査検討をしっかりしていきたいと思います。
  95. 竹谷とし子

    竹谷とし子君 少し早いですけれども、終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  96. 長浜博行

    委員長長浜博行君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。    午前十一時四十四分休憩      ─────・─────    午後一時開会
  97. 長浜博行

    委員長長浜博行君) ただいまから環境委員会を再開いたします。  委員異動について御報告いたします。  本日、石井準一君が委員辞任され、その補欠として滝波宏文君が選任されました。     ─────────────
  98. 長浜博行

    委員長長浜博行君) 休憩前に引き続き、地球温暖化対策推進に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  99. 片山大介

    ○片山大介君 日本維新の会の片山大介です。  大臣、退院おめでとうございます。是非体に留意されていただきたいと思います。質問はしっかりやっていきたいと思います。  まず、温対法の前に、私、先月の気候変動サミット前に発表された新しい二〇三〇年度の温暖化ガスの削減目標、一三年度比四六%減についてお伺いしたいと思います。  これ、まさに政治決断だったなとは思うんですけれども、ただ、いまだにその根拠が明らかになっていないというのはあるんですよね。それで、大臣は、四六%だけじゃなくて五〇%の高みを目指してともおっしゃって、根拠についてはおぼろげながら見えてきたというような発言もされましたけれども、やっぱり、この数値によって国民お願いをする、それから、事業者にとってはコスト負担も掛かってくるという話なんですから、これはやっぱりその根拠をきちんと説明すべきだと思うんですが、まずそれをお願いします。
  100. 小泉進次郎

    国務大臣小泉進次郎君) このコストについては、もちろん、今やっています温対計画、そしてエネルギー基本計画、また長期戦略、この見直しの中でもしっかりと議論を進めていかなければいけないし、国民皆さんにも説明をしなければいけませんが、何よりも、この気候変動に伴う産業構造を急速に変えようというこの世界の動きの中で、いかに高い目標を掲げてその方向に産業構造を変えていくことができなければ、そのときに国民日本の経済全体が負うべきコストの方が計り知れないと、その前提の認識が私にはあります。  ですので、今回、積み上げだけにとどまらない、政治的にも国際性を持って、しっかりと日本が世界の中で気候変動対策をリーダーシップを持って発揮していけるそのぎりぎりの数字、これがどこなのかというやり取りを梶山大臣とそして官房長官と何度も何度も積み重ね、そして非常に高い目標ではありますが、ここまでだったら何とか手が届くような、そういったところが見えてきたと、総理の言葉を借りれば、視野に入ったという表現をされていますが、まさにそういったものが四六%、そういったことです。
  101. 片山大介

    ○片山大介君 その考え方とかというのは分かるんですけど、やっぱりその具体的な根拠というか、四五じゃなくて四六とか、何かそこら辺が分からないんですよね。これ、どうしても国際社会のそういう兆候というんでしょうか、圧力というんでしょうか、そういうのもあってなんだとは思うんですけれども、是非、これからそれを具体的にきちんと説明をしながら、やっぱりこれが何より大切だと思いますので、それをやっていただきたいと思います。  それで、じゃ、温対法の改正案について行きたいですけれども、今回の柱というのは主に三つあります。そのうちの、私、今日は二つ言いたいなと思っているんですが、まずは基本理念の追加ですよね。  それで、その基本理念の中に二〇五〇年度までの脱炭素社会実現規定したと。だけれども、これ本会議でも私質問したんですが、この脱炭素社会実現、二〇五〇年までの、これは法目的とも国の責務ともなっていないというんですね。大臣は、本会議答弁で、これ規定全体に及ぶというふうにはおっしゃっているんですが、だとしたら、法目的として、国の責務としてやっぱりきちんと書くべきだったと思いますが、そこら辺をどういうふうにお考えなのか、教えていただけますか。
  102. 小泉進次郎

    国務大臣小泉進次郎君) まず、この気候変動枠組条約、この条約の目的も、目的が二〇五〇年カーボンニュートラルというのではなくて、目的は大気の安定なんですよね。そして、日本の温対法も、目的はこの気候変動枠組条約と同じ大気の安定なんです。なので、今回、二〇五〇年カーボンニュートラルを理念の中に、温対法の中に位置付けるということは、この世界全体の条約の目的というものは大気の安定であるということと温対法の目的は、そこは合っています。  さらに、じゃ、二〇五〇年カーボンニュートラルという、今までだったらこの年限を入れるということは余りなかったものに、どうやってこの法律に、総理の二〇五〇年カーボンニュートラルを宣言に終わらせない、法的根拠を持って位置付けるかということを中でも議論をし、これは理念の中に位置付けるべきではないかと、そういった議論を踏まえてこういう形になっているということがありますので、そこを御理解いただければと思います。
  103. 片山大介

    ○片山大介君 そこは理解しています。だから、あとはこれを見て、やっぱり責務のところに書いていないんですよね。だから、やっぱりそれだったらこれを書いてくれた方がよかったんじゃないかというのはあります。  あともう一つ、これ滝沢委員も言われたんですが、国民先頭に位置付けていますよね。それで、国や地方公共団体等の密接な連携の下と言っている。だけど、じゃ、その国や地方公共団体対策国民が参画できる規定というのはやっぱりないんですよね。やっぱりここも分かりづらい。ここら辺についてはどう考えているのか。それで、参画、どう国民に何を参画してもらおうというふうに考えているのか、教えてもらえますか。
  104. 小泉進次郎

    国務大臣小泉進次郎君) 温対法は、責務規定の中で国民に対して、日常生活に関し温室効果ガスの排出削減等のための措置を講ずるよう努めることなどを求めています。  じゃ、具体的にどういったことができるかというのは、環境省施策を様々講じていますが、住宅関係のリフォームなどを通じる脱炭素化、断熱化、こういったこともありますし、移動についても今補助金を倍増している。EV、FCV、こういったものに対する補助金、これも活用いただきたいと思いますし、もちろん、省エネについても日々の中でできることは多くあります。  さらに、国民皆さんにとって身近な自治体、この自治体との連携も非常に重要ですから、我々としては、そういった自治体との連携も通じながら、国民皆さんとともにカーボンニュートラルに向けた歩みを進めていきたいと考えております。  責務規定については冒頭述べたとおりです。
  105. 片山大介

    ○片山大介君 私が思うには、その先頭に位置付けるんだったら、やっぱりこれ、議論先頭に位置付けた方がいいと思うんです。やっぱりこの温暖化対策議論で、国民が開かれた場というか、国民に問うべき場ってやっぱりないですよね。やっぱり国民に、今回再エネであれば再エネについて、じゃ、どれくらいの数値がいいのかとか、そういうのを問うべきだと思うんですよ。先頭に位置付けるというんだったら、やっぱりそういうことなんじゃないかと思うんですが、そこら辺はどのようにお考えでしょうか。
  106. 小泉進次郎

    国務大臣小泉進次郎君) 片山先生が言うとおり、国民皆さんとの対話を通じた政策の立案というのは非常に大事だと思っているので、度々若者の皆さんとの意見交換会や様々な関係者とも回を重ねています。そういったことを通じて、結果として四六%、五〇の高みを目指すというところも、やはり私の中では、これは今いろいろ賛否はありますけれども、次世代のことを考えたら、いかに高い目標の中で世の中の経済社会の構造を再設計をしていくかというところに踏み込まなければ、将来の世代が負の影響が大きくなるなと。  これは、やはり対話を通じて、これは全体の中では、日本の中では少数派に位置付けられるような若者世代のボリュームかもしれませんが、私としては特に重要視しなければいけない声だなと、間違いなく国民の声がそういったところに結び付いていると私としては思っています。
  107. 片山大介

    ○片山大介君 大臣は、若い人の声を聞きたいというお考えをお持ちなのは私も聞いております。であれば、やっぱりこの温暖化の対策議論、これはやっぱり若い人たちにとっても大切な問題なので、是非これ議論をする機会を持って、そしてその議論を生かしながら政策を進めていく、これがその基本理念なんだと思います、私なりに解釈すると。是非これやっていただきたいというふうに思います。  それで、じゃ、二つ目の柱の方に行きますと、ここで今回二つ目の柱というか、これが最大の柱なんですけれども、地域再生可能エネルギー活用して脱炭素化促進させようという、この制度を創設するという。それで、具体的には、先ほどから出ている地方公共団体実行計画のうちの区域施策編、これを策定をして、そしてさらに促進区域、ゾーニングですよね、ゾーニングをしてもらおうと、こういう制度なんですね。ただ、もうこの区域施策編、これ結局は努力義務にとどまるということなんですよね。だから、義務化はしていないんですよね。  じゃ、現状はどれくらい策定しているのかというと、さっき芝委員が言われたように、市町村単位だと二五%なんですね、策定率って。では、これが努力義務のままでどこまで上がるのかということなんですが、ゼロカーボンシティが今三百六十を超えて、人口規模は一万人、いや一億人を超えているんだけれども、策定率はこのように低い。  そういうことは、ではどういうことかといえば、そのゼロカーボンシティの宣言が再エネ取組に結び付いていないということでイコールなんだと思うんですけれども、ここをどのように分析しているのか。そして、この部分を踏まえた上でやらないと、努力義務のままだとなかなか策定率は上がらないんじゃないかというふうに思いますけど、どのようにお考えでしょうか。
  108. 和田篤也

    政府参考人(和田篤也君) お答え申し上げます。  先生御指摘のように、まさに政令市、中核市、施行時特例市を除いた場合で、市町村における実行計画、区域施策編の策定率は、先ほどもございましたように、もう実質四分の一というところにとどまっているという状況でございます。  環境省の調査によりますと、まず、この原因は一体どういうことなのかということで、調査の内容から出てきた理由としましては、計画策定するための人員そのものが不足しているといった観点、それから、さらには、専門的知識も、ある意味都道府県などと、県そのものと比べるとエキスパティーズが少ないといった観点、それから予算のアマウント、量の不足などが挙げられるところでございます。  二〇五〇年カーボンニュートラルに向けて全ての市町村の役割が重要であることには変わりがございませんで、本法案におきましては、政令市など以外の自治体に対しましても、区域施策編の策定に新たな努力義務ということで課したところですが、先ほど申し上げましたように、様々な課題も併存してあるものですから、環境省としては、平成二年度の三次補正、それから令和三年度予算の中で、ゼロカーボンシティエネ強化支援パッケージということも通じまして、自治体実行計画策定を後押し、これを後押しすることによりまして策定率を上げていくという取組を進めてまいりたいと考えております。
  109. 片山大介

    ○片山大介君 今言われたそのマンパワーって、やっぱりそうなんですよね。  それで、これ結構その策定計画作るに当たっては、協議会をつくる、まあこれ義務化じゃないですけど、つくってもいいということになっていますけど、だから、この、私、協議会もできるのかなと。それで、環境省の調査だと、人口一万人未満の市町村のおよそ一九%、だから二割ですよね、二割で地球温暖化対策を担当する部局がないというんですね。こうした中で、この協議会は義務化もされない、それで、だけど策定努力義務となると、これ本当にできるのかどうか。  だから、おととい参考人質疑があったんですが、そこでの専門家の一人は、まずは原則やっぱり義務化にした方がいいんじゃないかと、その方がやはり自治体のもうモチベーションも上がるし、やっていくんじゃないかという話があって、できないところは例外にしていくという、そちらの方にした方がいいんじゃないかという話もあったんですけど、そこら辺、どのようにお考えですか。
  110. 小泉進次郎

    国務大臣小泉進次郎君) アプローチの今のは違いだと思うんですけど、考えていることは同じだと思うんですよね。  先生のお考えは、原則義務にしてできる限り数を多くしていきたい、で、できないところは例外でしようがない、それが先生のお考えだと思いますが、こちらとしては、今、マンパワー、そして情報不足、また予算不足、こういった中でなかなか小規模自治体が対応できない中で、その自治体が抱えている計画作りは、我々の環境省関連の計画だけではなくて、全省庁の様々な施策計画を作るというのが自治体ってありますよね。そこを考えると、いかに実効性高く、より一つの自治体、一つでも多くの自治体にこのような取組を前向きに取り組んでいただけるかを考えたときに、アプローチとしては努力義務の形で、できる限り、パッケージ予算も組んでいますから、そういったことを活用していただく中で、言わば北風と太陽と言ったらあれですけれども、そういうアプローチで、我々としては前向きに伴走しながら後押しをしていきたいと。目指すところは同じだと思います。
  111. 和田篤也

    政府参考人(和田篤也君) 申し訳ございません。先ほど支援パッケージの件、平成二年度と申し上げましたが、令和二年度の誤りでございました。おわびして訂正いたします。申し訳ありません。
  112. 片山大介

    ○片山大介君 それで、その支援も、もう一つ専門家が言っていたのが、やっぱりインセンティブが必要ではないかという、これ支援パッケージとかというんではなくて、やることによるインセンティブを感じさせるような制度導入していくべき。これは確かに一つあるなというふうに思うんですけど、例えばそれは、森林環境譲与税の一部を、何というのか、交付するみたいな、何か分からない、まあいろんなやり方があると思うし、簡単ではないかもしれないですけど、何かそういうインセンティブを考えた方がいいという意見も出ていますけど、僕はそれはそうだなというふうに思うんですが、そこら辺どうでしょうかね。
  113. 小泉進次郎

    国務大臣小泉進次郎君) 私もそこは同感であります。  やはり、計画を作る作業も自治体は労力掛かりますから、それが結果として何がいいことがあるのかと、そういったところが十分伝わらなければ積極的な計画策定にはつながらないだろうと思いますので、今、国・地方脱炭素実現会議の中でも最終的な取りまとめを進めていますが、何らかこういった策定が進むこと、再エネ導入が進むこと、これを牽引するような、インセンティブのような支援ができないものか、我々としても今考えているところでもあります。
  114. 片山大介

    ○片山大介君 そこはあれですよね、この制度が、今回改正案が成立して、今後の宿題というか課題になると思うので、それはやっていただきたいなというふうに思います。  それで、あと、促進区域設定、この適切な設定というんでしょうかね、やっぱりこれもちょっと聞きたい、やっぱり気になるところはあって。この適切な設定に当たっては都道府県が基準を作ることができる、できるというか都道府県が基準を作るのかな。ただ、これも任意だと言われているんですね。環境省は、省令でゾーニングに関する配慮基準を定めるので大丈夫だと言っているけれども、これって何かナショナルミニマム的なものだというんですよね。それで、現場の人たちの話を聞くと、結構ゾーニングが難しい、ゾーニングの線引きが難しいところも多いとかという話はよく聞くんですよね。  そうすると、やっぱり本来は不可とすべきようなところを促進区域設定したりする場合も出てくるんじゃないかと思うんですが、そこら辺どのように考えているのか。あと、省令もどういう省令なのかちょっと見えていないんで、これ、開発すべきではない区域、アボイドマップみたいな形のようなものにするのかどうか、これも併せてお伺いしたいんですが。
  115. 小泉進次郎

    国務大臣小泉進次郎君) 結論から申し上げれば、御指摘のような環境配慮のない促進区域設定にならないように、この法案では、省令によって全国一律の環境配慮の考え方を示すことに加えまして、地域ごとに協議会での議論、そして住民などからの意見聴取を組み合わせて促進区域設定をすると、こういう制度案になっています。
  116. 片山大介

    ○片山大介君 そうすると、あれですかね、何か開発すべきでない区域を示すような、そういうアボイドマップ的なものにはならないという感じなんですかね。
  117. 小泉進次郎

    国務大臣小泉進次郎君) そうですね、今までも議論の中で、例えば、再エネ促進区域ではなくて、自然保護区域というか、こういったネガティブゾーニング的なものがないのかというお話はありましたが、今回この温対法の改正は、再エネ促進をする、ここに強く思いを持っている法案でもあります。  ですので、本来であれば、地域皆さん合意がなかなか得られないような案件が出ないようにするための促進区域でありますので、この促進区域が適切に地域皆さん合意形成が促されるような形に我々としては運用をしっかりと図っていくこと、このことによって、結果、避けるべきところがちゃんと避けられて、案件がしっかりと増えていって再エネ導入が進むというような経路を歩んでいくことを想定をしています。
  118. 片山大介

    ○片山大介君 だけど、実際には、やっぱりさっきのマンパワーの問題もあって、現場はいろいろと混乱するというか迷うケースもあるので、そこは環境省がきちんと指導するというか、支援するというか、これをやらなきゃいけない、やっていただきたいと思いますし、あと、実際にそのゾーニングに至るまでどれくらいの期間が掛かるのかなというのがちょっと気になっていて、実際に今各地でその開発が計画されているところ、結構多いですよね。そうした場合、その計画を進めようとしている事業者はどうしたらいいのか、その場合の取扱いをどうしたらいいのか、これも分からないんですが。  だから、どれくらいのスパンが掛かって、その間はその開発計画をしている事業者ってどうすればいいのか、ここら辺は何かお答えできますか。
  119. 小野洋

    政府参考人小野洋君) お答えいたします。  促進区域設定の期間は、これは市町村によって異なってくると思いますので一律には言えませんけれども、少なくとも法律が成立いたしましたら、施行を待つことなく市町村に対する支援を早速始めて、できるだけ早く、施行後早く促進区域設定されるようにしていきたいと思います。また、事業者に対しても、施行を待つことなくこの促進区域事業をやった方がより円滑にいきますよということをしっかり周知、自治体とともに周知をして、この促進区域事業が行われるように誘導してまいりたいと考えております。
  120. 片山大介

    ○片山大介君 もう残りは後に、また次回にしますけれども、現場はいろいろ、大変なケースいろいろ出てくると思いますので、是非しっかり支援をしていただきたいと思います。  終わります。
  121. 柳田稔

    ○柳田稔君 御苦労さまです。退院おめでとうございます。  本法案についての質疑に入りますけれども、先ほど来からの質問を聞いておりまして、今回の法案というのは基本理念が示されているものだと。その理念に基づいて今後いろんな施策が検討されておりますし、しますというふうに理解をしているんですけれども、よろしいでしょうか。
  122. 小泉進次郎

    国務大臣小泉進次郎君) 理念はもちろんそのとおりでありますが、理念に加えて、新たに再エネ促進区域、そしてさらに企業の算定・報告公表制度デジタル化、オープン化、こういった制度の改革、これも入れてあります。
  123. 柳田稔

    ○柳田稔君 突然四六%削減という目標が総理の口から出ましたけれども、この積算根拠というのはどういうふうに考えればよろしいでしょうか。
  124. 小泉進次郎

    国務大臣小泉進次郎君) これは、今までの経産省、環境省含め関係省庁との精力的な積み上げの努力、それに加えて、国際性を持って気候変動対策をG7の一角としても日本の責任として打ち出していって、国際的に機運が高まるようにしていかなければいけないという責任も含め、やはり積み上げだけでこの数字を出すべきものではないという考えが元々一貫して言ってまいりました。  そういった中で、非常に高い目標ではありますが、積み上げの努力の中でぎりぎりのところどこまで行けるだろうかという非常に精力的な調整の中で視野に入ってきたのが四六%。まさに今、その四六%の裏付けとなるべく、温対計画エネルギー基本計画、長期戦略の見直し、作業を進めていますので、そういった中でもしっかり御説明をさせていただくべきことかと考えております。
  125. 柳田稔

    ○柳田稔君 積み上げてきた削減というのは、実際幾つだったんですか。
  126. 小泉進次郎

    国務大臣小泉進次郎君) 詳細は、現時点で見直しの作業もやっているところですから控えますが、積み上げの中でもやはり高い目線を持った中での積み上げ作業をやってきて、その中で積み上げられたものと、ただ、二〇五〇年カーボンニュートラルとの整合ある二〇三〇年目標にしなければいけないと、この整合性という問題、これを考えたときに、どこまでだったら高い整合性のあるものを打ち出すことができ、かつそれが結果として官民の最大の努力を引き上げることができるのかという中で四六%というものが視野に入ったわけであります。
  127. 柳田稔

    ○柳田稔君 いろんな産業界の人と話をして、また環境省とも話をして、ある程度積み上げてきたものがありましたよね。で、それじゃ足りない、もっと高みを目指さないと国際的にやっていけないと、これは産業界も分かっているんですよ。ただ、今後どれぐらいやらないといけないかなというのも、私も知りたいので、だから、従来はどれぐらいの削減だったんだろうかと。どれぐらいでいいんですよ、幾らと言わなくても、どれぐらいなんだと。しかし、今回、それを上回って四六というわけですから、どれぐらいの違いがあるのかなという理解をさせてもらいたいと思って質問しています。
  128. 小泉進次郎

    国務大臣小泉進次郎君) 分かりやすい、従来は二六%だったわけです、そもそもが。しかし、それはカーボンニュートラルの宣言の前のもので、今、実績として二〇一三年からどういう経路を歩んでいるかといえば、二〇一三年比二六%ではなく、それ以上の削減努力が今までのところできているわけですね。そういったことも踏まえて考えたときに、そういったことや二〇五〇カーボンニュートラルとの整合的なパスを歩まなければいけないという中で、何度も何度も調整を繰り返した中で積み上げて高めてきたものに加えて、やはり高い野心のものを出すべきだと。  そして、産業界の皆さんが、まさに今、自動車業界を含めて、再エネじゃなければビジネスが成り立たないという、そして、鉄鋼業界も含めて、今後、水素還元製鉄の話があったときには、水素だって最終的にはベースとして再エネ由来の水素じゃなかったら勝負ができない世界になるわけですよね。だとしたら、この高い目標が結果として日本の中での再エネ導入を引き上げていくような、そういった役割を果たすこともできるというふうに前向きに捉えていますので、産業界の皆様に対してもそういう御理解をしていただいて、共に歩んでいけるようにしっかりとコミュニケーションを今後も取らせていただきたいと考えております。
  129. 柳田稔

    ○柳田稔君 積み上げてきたものが二六%削減、今回は四六%ですよね、削減と。すごいなと、できるのかなというのが実は率直な感想なんですよ。  この四六%削減、あと十年先ですよね。十年先ですよね、目標は。この四六%削減ということはどれぐらいの思いでやるんだろうかなというのをちょっと聞きたいんですけれども。十年掛けて何が何でも四六%達成するんだと、できればそれ以上を目指すんだという気持ちなのか、一生懸命頑張ってもらうと、政府も頑張ると、四六%に向けて頑張るけど、そういう考えなのか、どちらなんでしょうか。それとも、ほかにも何かあるんでしょうか。
  130. 小泉進次郎

    国務大臣小泉進次郎君) まず、二六%について申し上げれば、これは二〇五〇年カーボンニュートラルの宣言の前の積み上げた当時の目標なわけですから、単純にその二六と四六で単純比較できるものではないということは申し添えておきます。  それに加えて、今の先生のお尋ねであれば、どのような思いで四六を見ているのかと。これはもちろん、達成するという強い意思を持ってやらなければパリ協定自体が瓦解しますから。そういった中で、G7の各国を見てみてください。もう日本以上の高い数値を持ってやる国もあれば、また日本と同等ぐらい、そういった国もある中で、やはりこの目標の数値の裏側にあるのは、カーボンニュートラル型の経済社会に世界はもう完全に移行に進めていく歯車が回ったわけですよね。この裏側の産業覇権をどの国が握るのか、ここについて考えたときに、やはりいかに早くその技術、市場を握れるか、この観点の中で大競争が始まったという捉え方で官民合わせて懸命の努力をして、その数値の達成だけではなくて、この裏側には、国民の雇用と、そして将来にわたって持続可能な繁栄が遂げられるかどうかという産業構造をつくっていくということがあるということをしっかりと伝えていきたいと思います。
  131. 柳田稔

    ○柳田稔君 何としても成し遂げるんだと、その気持ちは理解してもよろしいんですよね。  大臣がおっしゃるとおり、産業構造が本当に変わるだろうと私は思っています。過去でいうと石炭から石油で、石炭作っている地域は大変でしたもんね。もっと言うと繊維、その前でいうと繊維ですかね。これも大変な産業構造の変革でしたよね。それ以上のものが今回は起きるという実は気はしています。思っています。  つい先日、アメリカの大企業のアップルが方針示しましたよね。局長、ちょっと説明してください。
  132. 小野洋

    政府参考人小野洋君) お答えいたします。  そのアップルでございますけれども、自らも二〇一八年にRE一〇〇、つまり再エネ一〇〇%を達成するということをしておりますけれども、さらに、そのサプライヤーへの要請といたしまして、全てのサプライヤーに二〇三〇年までに再エネ一〇〇%にすることを要請するというようなことでございます。  日本企業もそのサプライヤーの一つに入っておりますけれども、例えばイビデン社や太陽インキ製造社などが参加しているというふうに聞いておりますけれども、アップル向けの製品の生産拠点において太陽光発電設備の導入等を行っているというように承知しております。
  133. 柳田稔

    ○柳田稔君 という大企業が更にどんどん増えてくるのかなと、まあ、具体的に私は知りませんけど。  大臣、そのように感じられます、世界の中で。
  134. 小泉進次郎

    国務大臣小泉進次郎君) 間違いないと思います。言わば再エネ経済圏ができると。再エネじゃなかったら土俵に立てない、こういうのが生まれつつありますね。そういった認識を持っているからこそ、少しでも再エネが入るような環境や政策をつくっていかなければいけないと、そう感じています。
  135. 柳田稔

    ○柳田稔君 先日、自動車メーカーと、まあ地元と言えばよく分かると思うんですが、自動車メーカーも幾つかありますけど、日本国内で車を造っている台数、これ一番多いのはトヨタさんなんだそうです。その次がマツダさんなんですって。えっ、日産、ホンダはどうしているのと聞いたら、ほぼもう海外ですと言うわけですよ。  ヨーロッパに輸出しているんですけれども、ヨーロッパどんなですかと聞いたら、いや、実は、おたくの会社の電力は石炭中心でしょうと言われるんですって。鉄板はと聞いたら、聞かれるんですってよ。えっ、それ、ほとんど二酸化炭素排出じゃないですかと言われるんだそうです。  これからいろんなことが交渉になるんでしょうけれども、相当厳しいですとおっしゃるんですよ。だから、例えばその会社が一つで、自分の会社が一生懸命脱二酸化炭素でやっても、いろんなそれ、製品ができるまでのいろんな要素ですよね、電力にしろ鋳物にしろいろいろ作る、そこが大変な二酸化炭素を出しているということになると、今後ペナルティーを受けるのか、増税されるのか、本当に心配していますと言うわけですよ。  だから、大臣がおっしゃるとおり、その辺は私も実感しているんです、ああ、そうなるんだろうなと。もしそうなったらば、日本国内で車造れなくなるなと。せめて造れたとしても、日本国内向けしか造れないのかなと。輸出ができなくなったら日本の自動車産業どうなるだろうと。自動車にまつわる雇用といったら五百五十万とよく言われますから、その人たちの雇用はどうなるんだろうと。  そう思うと、繊維とか石炭とか、あの比じゃないなというのはよく分かっています。だから、先ほど聞いたのは、何としてもやる気があるのかと。そういう産業界の面から見ていくと、やらざるを得ないなというのが実は実感なんです。本当にやらないといけないと。日本人の雇用を守るために、産業を守るためにもやらないといけない。  じゃ、どうするんだということなんですよね。それが分からない。いろいろとこれから考えていかれると思うんですが、本当に難しいと思いますよ、私。言葉で言うと易しいですけど、行うことは本当に難しいんじゃないか、できるのかなと。でも、やらないといけない。  で、思うんですけれども、いろいろと二酸化炭素の排出量を見ると、エネルギー転換部門を始め、産業とか運輸とか家庭、業務とか、部門いろいろありますよね。それぞれ二酸化炭素の排出量は聞いております。各この部門ごとの四六%にするための削減目標というのはあるんですか。
  136. 小野洋

    政府参考人小野洋君) 四六%にするための、どの部門でどのぐらい削減すべきかというような話につきましては、現在、中央環境審議会と産業構造審議会の合同会議において議論を行っているところでございまして、総理からもその検討を加速するようにという指示を受けております。施策の具体化に向けて検討を加速してまいりたいと思っております。
  137. 柳田稔

    ○柳田稔君 大体がこれからということですね。基本理念は考えたけど、示したけど、具体策はこれからということになるんだろうなと、そんな感じがいたしています。  各分野ですかね、いろんな産業、頑張ってやってもらわないといけませんよね、これから削減に向けて。いろいろ見渡したときに、ここは難しいなと実感するところがあるわけですよ。ここは少しは進めるかなとか思うんですけれども、多分いろんな分野について千差万別あるんだろうと思うんです、進め方において。私のいました鉄鋼会社がその筆頭、難しい筆頭になるかもしれませんけれども。水素でという言葉は聞くんですが、聞きますと、そう簡単じゃないよというのが返事なんですね。そういったところ、どうするのかなと。  基本的な考えでもいいんですが、イメージでもいいんですけど、こういった高炉、難しいところについてどのようなイメージを持って進めるつもりですか。
  138. 小野洋

    政府参考人小野洋君) お答えいたします。  鉄鋼業関連のCO2排出量でございますけれども、我が国全体の温室効果ガス排出量の約一割ということで、大変大きな割合を占めております。中期、二〇三〇年、さらにはその先のカーボンニュートラルということでいいますと、この実現というのは、全ての分野で簡単なところというのはなくて、全て困難であるということでございますけれども、多量のCO2を排出する産業の多くにおいては高温の熱量が必要でございまして、エネルギー源となっている化石燃料をCO2フリー電力等に置き換えるというのは非常に困難であろうと思います。例えば、高炉を抱える鉄鋼業もそのような状況、典型的なそういった業種の一つであると考えております。  鉄鋼業界につきましては、高炉からの排出削減に向けて革新的な技術開発を進めるということをもう既に取り組んでおられるということで、昨年十月のカーボンニュートラル宣言を受けまして、本年の二月になりますが、日本鉄鋼連盟が、我が国の二〇五〇年カーボンニュートラルに関する日本鉄鋼業の基本方針を打ち出されております。ゼロカーボンスチールの実現に向けてもう既に動き出されているというふうに認識しております。  今後、鉄鋼業を含めた全体として、その中期、長期の目標実現できるようにしっかりと検討していきたいと考えております。
  139. 柳田稔

    ○柳田稔君 やらないといけないんですよね。これ、自動車にも使われているんですよ、実は、鉄板は。白物家電にも使われているんですよ。日本の製造物の多くに鉄板が使われていますので、もし輸出するとなったら責められる材料なんですよね。とすると、企業は、外、海外に行くしかなくなっちゃう、世界に物を売るためには、工場を進出するしかなくなっちゃうんじゃないですか。そうすると、また国内の雇用が心配だなとくるわけですよ、私は。そういう意味でも、やらなきゃならないんだけど難しい。  今、鉄鋼連盟さんの話は聞きましたけど、政府としてどうてこ入れするのかなと。イメージでいいんですよ、まだ決まっていないんだったら決まっていないでいいんだけど、本当に助けてくれないと日本の産業は変わってしまう、大臣が言ったように産業構造が大変革してしまうと。いい方向に行けばいいけど、悪い方向に行ったときは本当に悲惨だなと。もう時間がなくなりますので。  気になるのは、日本は真面目な国ですよ。でも、海外見ましたときに、今回の二酸化炭素の温暖化を利用してもうけてやろうと、言葉は、失礼しました、自国の産業をどうにかしようという国もあるわけですよね。そういう競争の中で、本当に厳しい時代なので、前向きなんですが難しいなと、どうしたものかなと。時間がもうないのでまた次回やりますけれども、そういうのが今の思いです。  終わります。
  140. 山下芳生

    ○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。  小泉大臣と論戦できることを楽しみにしておりましたので、御出席いただけてよかったと思っております。  地球温暖化対策気候変動気候危機に対応する上で何が必要かと。省エネ、再エネ、この飛躍的な普及とともに、温室効果ガスを削減する、排出抑制する、とりわけ先進国の中では石炭火力発電所を二〇三〇年までに全廃するということが不可欠な課題となるというのが国際社会の一致した認識となっております。一昨日の当委員会の参考人質疑の中でも、三人の参考人の先生全員が直接あるいは間接的にそのことに言及されました。  ところが、日本政府は、石炭火力を期限を切って廃止するという決断をしておりません。それどころか、いまだに石炭火力発電所の新増設が続いております。それを許している背景の一つに石炭火力発電所の新増設に対する環境影響評価、アセスの在り方があるということを、私はこの間この委員会で、神戸製鋼の石炭火力発電の新設に対するアセスの実態を踏まえて告発してまいりました。その中で、環境大臣意見の作成過程で経産省から事業者サイドに立った横やりが入り、事業者が納得する範囲での意見に削除、修正されているということが明らかになったと思います。  今日はその続きをやりたいと思うんですが、神戸製鋼の石炭火力発電所の新設に当たって、温室効果ガスの排出、CO2の排出についてどのようなやり取りが行われているのかを見たいと思います。  資料一枚目を御覧いただければ、これはアセス配慮書での、環境大臣意見を作成するために、環境省が経産省を通じて発電事業者である神戸製鋼に対して質問し、回答を得た記録文書であります。ですから、質問しているのは環境省、回答しているのは神戸製鋼ということになります。  まず、神戸製鋼は、温室効果ガスについて重大な環境影響を及ぼすことはないと回答しております。それに対して環境省は、二次質問で、年間数百万トンにも及ぶ膨大な量の二酸化炭素を排出し、地球温暖化対策に逆行する環境負荷の大きい事業計画しているにもかかわらず、重大な環境影響を及ぼすことはないと言い切る事業者の回答からは、環境影響評価を通じて事業の実施による環境への影響をできる限り回避、低減し、環境の保全に配慮しようという姿勢はみじんも感じられないと厳しく質問し、改めて意見を伺いたいと、こう述べております。これは当然の意見だと思います。  それに対し、次のページですけれども、神戸製鋼の二次回答は、赤でアンダーライン引いていますけれども、本事業で発電した電力は関西電力株式会社殿に全量卸供給する予定です、CO2排出係数の調整は、当社は関西電力株式会社殿に委ねることとしておりますと、こうあるんですね。ですから、神鋼は発電所造るけれども、温室効果ガスの排出についてはもう関電に委ねますというふうになっていると。そういうことでいいのかなと思うんですが、次の資料二を御覧になっていただきたいんです。  これは環境大臣意見の作成過程における環境省と経産省のやり取りの記録文書であります。環境省は当初、この赤い箱の中に書いてありますが、当該二酸化炭素排出量の増加分に見合う削減方策を関西電力において確実に実施しているか継続的に確認することということを求めております。これは、神鋼が二酸化炭素排出に責任を負わずに関電に丸投げするんだったら、じゃ、関電がちゃんと減らしているかを神鋼は継続的に確認しなさいよという、これも極めて真っ当な立場だと思いますが、これに対し、経産省一次意見、法的根拠がない、本アセスの対象ではない事業者の取組に対してまで本アセスの場で追求することは適切ではなく、やりたい放題が過ぎるという、すごい言いようでこれに反発をしております。  これに対し、環境省一次意見、事業者である神戸製鋼に対し、CO2対策は関電だからあずかり知らないというのではなく、地球温暖化につながるCO2を排出する発電事業を行う者として、関電が行うCO2削減方策の確認するよう求めるのは一定の合理性はあるというふうに、こう述べている。ここは私は拍手を送りたくなるやり取りだなと思いました。  その後のやり取りでも環境省は頑張るんですけれども、最後は、次のページの一番文書の最後ですけれども、貴見を踏まえ、経済産業省の意見を踏まえ修正案を提示しますということで、先ほど述べていたところはばっさり削除されちゃったということなんです。  まず、環境省に伺いますが、何で頑張り切れなかったんですか。
  141. 和田篤也

    政府参考人(和田篤也君) お答え申し上げます。  まさにここの先生お示しいただきました資料の両省でのやり取りの関係では、もちろん重要な一点目として事実関係の確認というのと、それから、さらにはこのフォローアップというキーワードの関係で申し上げますと、環境影響評価法そのものの限界点というところはぎりぎりまで探りましたが、法制度の限界点ということで、ただし、やっていただくべき対策、打つべき対策については、しっかりと環境省としては、当然のことながら、環境大臣として述べたというところでございます。  その関係で、最終的には、じゃ、その関西電力に売電する、いわゆる卸売する部分とかというのはもう関係ないのかと、こういうことなんですけれども、そうではなくて、いわゆる個別の電力会社ではなくて、日本全体として石炭火力によるCO2の削減というのはかくあるべしというところを環境省と経産省の間で、先生御配付いただきました資料三の方のところにもございましたけれども、環境大臣と経産大臣との合意公表というのがございまして、この中で、個別のことにではなくて、日本全体として石炭火力かくあるべしというところについて経済産業省としっかり議論を交わすことのきっかけにもなったこの個別事業ということでございますので、引き続き、不適切なやり取りだったということにはならないようにしっかり事務方で対応もしてまいりたいと思います。
  142. 山下芳生

    ○山下芳生君 私、不適切なやり取りと言っていません。頑張っていると言っているんですよ、環境省。  それで、今ちょっと二月合意のことが先取りして言われましたけど、まだこの段階では二月合意は至っていないんですよね、局長級取りまとめという段階だった。  経産省に伺いますけど、私、このやり取りとこの結論を見てひどいなと思ったんですよ。それは、石炭火力の新設をするのに、発電事業者である神鋼は、売電するということでCO2排出に責任を持たないということになると。では、関電、売電先の関電が神鋼が増やしたCO2に見合う排出削減を行っているのか継続的に確認するのかといえば、確認しないと。こうなりますと、二重の目隠しになっちゃっているなと、新しい神鋼が造る石炭火力発電所に関するCO2排出については。  そこで経産省に聞きますけれども、まず一問目は、神鋼の石炭火力が排出するCO2が売電先の関電が責任を持つと、つまり、神鋼は稼働させるけれどもCO2排出については責任持たない、こんなことが許されるのはなぜなのか、なぜそんなことが可能になる、これは法的根拠ありますか。
  143. 後藤雄三

    政府参考人(後藤雄三君) お答えいたします。  これは、電力業界全体で二酸化炭素の排出係数を削減することを目指していくということになっておりますが、その中で、関電の、本件については関電の入札に応札しておりまして、この入札につきましては、資源エネルギー庁の方で出したガイドラインみたいなものがございまして、それでもって二つの方策を取れることになっております。  一つは、この応札者である自分自身で排出係数を一定量にしてから売るというやり方と、そこのところは契約の中でやって、関電の方で、全体でトータルで対策を打つというやり方がございまして、今回のこの神戸製鋼の件につきましては後者の関西電力の方でやるという、これ、まさに入札のところにそういう二つのやり方が選択肢としてあるということで、事業者が選んだものでございます。
  144. 山下芳生

    ○山下芳生君 分かりました。新たに発電事業者となる、まあ入札する神戸製鋼の逃げ道をちゃんと用意してあるという御説明だったと思いますが。  そうすると、だったら、単に逃げるんじゃなくて、売電先の削減の努力をちゃんと発電事業者として確認しなさいよということに対して、経産省は、この環境省とのやり取りの中で、神鋼と関電が同じグループならまだしも、別企業なんだから、神鋼が関電のCO2排出抑制の状況を継続的に確認するのはおかしいと、難しいと言っているんですよね。  そこで聞きますけれども、では、関西電力個社のCO2排出削減については、どのような方法でこれを確認することになるんですか。
  145. 松山泰浩

    政府参考人松山泰浩君) お答え申し上げます。  電気事業分野における温暖化対策について申し上げますと、今ここで出ております個別の発電所についての新設、その際の発電効率、CO2排出という問題と、マクロで、結局二酸化炭素がどれぐらい出るかということが重要でございますので、両方の、ミクロとマクロのアプローチが必要かと思ってございます。  重要なことは、全体として温暖化対策がどうなされるかでございますので、発電事業者に対するアプローチと同時に小売事業者に対するアプローチと、それぞれの手法を組み合わせながら対応していくことが重要かと思ってございます。  今お尋ねの部分は、関西電力という、これを買った上でどう売るかという小売事業者に対する対応なんでございますけれども、これについて申し上げますと、高度化法、エネルギー需給高度化法という法律に基づきまして、販売電力量に占める非化石電源の割合を四四%以上とすることを求めておりまして、より適切な電源選択を促すことで、エネルギーミックスと整合的な、また二酸化炭素の排出量について適切な量になるような形にしているところでございます。  あわせて、二〇一五年七月には、電力業界としまして電気事業における低炭素実行計画というものを策定いたしておりまして、販売電力一キロワットアワー当たりの二酸化炭素排出量を〇・三七キログラムCO2とする目標を自主的に設定し、これが確実に担保できるように、確実に実施できるように取り組んでいるところでございます。
  146. 山下芳生

    ○山下芳生君 この電力事業者の自主的枠組みということの説明だったと思うんですね、それを担保する高度化法などの説明だったと思うんですけど、何回聞いても、これ本当に担保されているのか、なかなか分からないんですよ。  要するに、神鋼はもう責任持たずに関電に委ねていると。じゃ、関電がどうやって責任持つのかというと、電力事業者全体で、先ほどの数字にありました、〇・三七という数字を二〇三〇年までに、排出係数、そこを下げていくように努力するということであって、それだけなんですよね。関西電力がどのぐらい頑張るか、つまり、神戸製鋼が排出を増やした分を関電がどのように削減するのかということが見えないんですよね、これが見えない。要するに、目隠しと私が言ったのはそういうことなんですよ。結果としてそうなっていく、二〇三〇年までにという非常にアバウトな枠組みでいくことになっているんですが。  そこで、それを示したのがその資料の三と、その後、四なんですけどね、そういうことなんですけど、なかなかこれ分かりにくい。  それで、さらに、ちょっとこの神鋼のアセスがそのことにも触れているので、資料六枚目なんですけれども、資料六、ああ、ごめんなさい、資料の五ですね、資料の五に、今言われたことについて書かれてあるんです。  環境省の、最初、資料五の上の方の箱の中は環境省の意見です。真ん中辺りの一番後ろ、今後、電力供給先の小売事業者が参加する枠組みが構築されず、この枠組みというのは、先ほど言われた電力業界全体で排出を抑えるような、〇・三七の係数に向かっていきましょうと。しかし、この環境省が言っているのは、この枠組みが構築されず、かつ枠組みが構築されるまでの間の環境保全措置が満たされない場合は、本発電所の設置を認めることはできない。これ真っ当な、私は、環境省、またこれ拍手したくなりました。そうですよね、枠組みをつくるという合意はできたけど、枠組みはまだできていない段階ですから。できるまでは、ちゃんと確認できないうちは認めるわけにはいきませんよと、至極真っ当な私は環境省の立場だと思います。  それに対し、経済産業省三次意見、自主的枠組み構築については、個別事業者に対してではなく、電力業界全体に対して促していくことを御理解いただきたい。要するに、電力業界全体でやるんだよね、そう簡単ではないですよと、そんなせかさんといてくださいと言ったかどうかは分かりませんけれども、それに近いようなことを言っているんですね。結局、こういうやり取りの中で、環境省も結局は、今ここに、箱の中に書いたやつは削除して、局長級取りまとめを踏まえた取組を運転開始時までに講ずるということにトーンダウンしちゃうわけですよね。  この枠組みがどういうふうにつくられたかというのは、もう御存じのとおり、東日本大震災で原発が全部止まるというようなそういう環境が突然現れた中で、石炭火力に頼らざるを得ない面もありましたから、そういう中でできた枠組みだというのはもちろん理解しています。しかし、もう十年です。しかもこれから、五〇年カーボンニュートラル、三〇年四六%削減といったときに、この枠組みでずっと本当にCO2排出を抑制できるのかということがもう今本当に問われているのではないかなというふうに、この枠組みのやり取りを見ていますと思わざるを得ないわけであります。  それで、もうずっと飛ばしまして、結局枠組みが、そういう枠組みの中で、よく小泉大臣は、このアセスとともに、年一回のレビューで石炭火力については止める、抑えるということを言っておられるんですが、資料七、ちょっと飛ばしますけど、これはその環境省の年一回のレビューの案なんですけれども、このレビューに対しても、実は経産省から削除要求がいろいろ出ているんです。これ、赤で、二枚目、三枚目以降付けておきましたけど。  だから、結局経産省は、CO2排出抑制について、非常に事業者の立場に立ってレビューにまで口を挟みつつある。ただ、これは、私、結果も見ましたけど、結構はね返して、削除させずに頑張っているんですけど、まあそういうやり取りなんですよ。  結論的に申しますと、実はこの神鋼の石炭火力の増設については、住民の皆さんが、このアセスはやっぱり余りにも経産省が横やり入れ過ぎているから、このアセスについて確定通知取消しをしなさいという行政訴訟を行ったんですね。一番最後の資料八枚目に、その大阪地裁の判決文を最後の三枚目ぐらいから載せておりますけれども、この判決の中には、一番最後のページに、環境大臣と経産大臣の二月合意というのが最後に、もうこの判決の頃にはできてくるんですけれども、さっき言われた電力業界全体でやろうという自主的枠組みですけど、この合意というのは二月合意のことです。一番最後のページ、真ん中辺りですね。  合意の枠組みに関し、幾つかの懸念や課題があると。電力業界の自主的枠組みについて会員が相互に競争関係にある中、各社に取組を促していくという履行担保の実効性の観点で様々な課題があると言わざるを得ない。これは非常に真っ当な私は観点だと思います。  取消しは認められなかったんですけど、この指摘は非常に大事で、要するに、電力事業者全体でCO2排出抑制していくというけれども、お互い競争しているんだからなかなか難しいんじゃないのという御指摘であります。しかも、この難しいというのは二〇三〇年目標二六%削減目標の時代ですから、それは難しいんじゃないかと。  大臣に最後伺いますけど、この二月合意の枠組みは、もう今やこの電力事業者の自主的枠組みに委ねるようなやり方は、四六%二〇三〇年削減しようという中で、この枠組みにとらわれていたのでは、石炭火力をその目標にふさわしく抑えていくことはできないんじゃないかと、新しい枠組みの構築が要るんじゃないかと思いますが、小泉大臣、いかがでしょうか。
  147. 小泉進次郎

    国務大臣小泉進次郎君) まず、この二月合意、そして電力レビュー、これを踏まえた取組強化の流れは今後とも引き続き維持していきたいと考えています。さらに、新たな二〇三〇年度目標を踏まえまして、電力レビューだけにとどまらない、あらゆる分野の一層の取組について引き続き議論していきたいと思います。  電力分野、お話がありましたが、電力業界も脱炭素化が求められている環境は、今まで以上により対策が求められている環境になりました。そういった中で、経産省という業の所管をしている省庁に対して、我々気候変動対策を全体として取りまとめる立場から、必要な主張はこれからもしっかりと言っていきますし、大臣として、環境省の職員には、決してそこのところを、自分たちの思い環境省の職員としての思いを全うして、矜持を持って対応するよう、しっかりと務めるようにと改めて申し上げておきます。
  148. 山下芳生

    ○山下芳生君 もう時間参りましたけど、世界は二〇三〇年石炭火力ゼロですから、これから造ろうというアセスの在り方を、私、こんな議論していていいのかなとやりながら思っているんですけれども。やっぱり今までのその枠の中にとらわれることなく、やっぱりこれ政治決断ですよ、石炭火力を全廃するということなしに四六%の目標達成できないということを多くの参考人の方もおっしゃっていました。そこの政治決断が問われるということを申し上げて、終わります。
  149. 寺田静

    ○寺田静君 寺田と申します。本日はよろしくお願いいたします。  まずは冒頭、大臣、この度のこと、大変お見舞いを申し上げます。そして、今日この場に来て、大臣の体調、やっぱり声に力がないというか、体調のことをおもんぱからずに、温対法は大事な法案だから質疑質疑ということばかり考えていたことを反省をいたしました。  と申しますのも、私も去年、実は、以前の質疑でもちょっとだけ申し上げましたけれども、去年の夏にちょっと体調を壊しまして、五日間入院をしたことがあるんです。何の前触れもなく突然おなかが痛くなって、その日の夜にはもうこのまま入院してくださいというようなことを言われて、私は手術をせずに絶食と安静で退院をできたんですけれども、じゃ、その退院後数日後にスーツを着て一日椅子に座っていることができたかというと、やっぱりちょっと厳しかっただろうなと。そして、まして数日後にこのような国会答弁という、歴史的にずっと残るようなものの答弁をするということをするということの緊張感を考えると、やっぱり私、今日質疑はやめるべきじゃなかったかなと思ったりして、いたく反省をしているところです。  ですので、今日はなるべく参考人の方にお伺いするようにしながら、また、おとといの参考人質疑もありましたので、その中のお話も御紹介をしたりしながら質疑を進めていきたいなというふうに思っております。  また、これもつい先日のことだったんですけれども、うちの子供の友達の保護者、ママが亡くなったんですね、がんで。二人の双子ちゃんを残して旅立つということはどんなに無念だっただろうということもあって、大臣も一人のお子さんのパパですので、どうか御自身の体調を最優先に考えていただきたいということを冒頭お願いをさせていただきたいと思います。  子供のことですのでついでに申し上げますと、一年半くらい前に、子供がまだ幼稚園の頃のことでしたけれども、ママ、ママと、今日、クラスの誰々がお弁当にコオロギ持ってきたんだよと言われて、えっ、コオロギとびっくりしたんですけれども、コオロギがお弁当箱に入っていたわけじゃなくて、後でそのママに確認をしたところによると、コオロギの粉を使った代替食ですね、昆虫食のコオロギのお煎餅をおやつに入れたということでした。ああ、そういうものもあるんだなというふうに思ったところ、いや、今は無印でも買えるよと言われて驚きましたけれども、やっと私も先日一つ手に入れてみたところです。  何でコオロギなのかというと、もう環境委員皆さんは御存じだと思いますけれども、もう肉、特に豚とか牛は環境負荷が高いから良くないんだと。じゃ、魚はどうかというと、先日の参考人質疑でも話がありましたけれども、もう海水温が一度上昇していて、藻場もなくなって、アワビも減っている、スルメイカも日本海側で九五%減っているということも教えていただきました。この先一体何を食べて生きていけばいいのかなと、自分たちはもしかしたら逃げ切れても、私たちの子供は、じゃ、何を食べて生きていくことができるんだろうということを思うと、本当に暗い気持ちになりました。  参考人の皆さん、お三方とも、今回の温対法のことをすごく歓迎されていらっしゃいました。ただ、私なりに、この先日の参考人の皆さんからいただいたメッセージ、大きく二つありまして、一つ目は、原発を使い続けるという選択肢は、与党推薦の参考人の方も含めて三人ともあり得ないんだと、全員がノーと言われていたことが大変印象に残っております。  与党推薦の水谷参考人ですけれども、このようにおっしゃっていました。原子力がもたらす放射性廃棄物、原則的には十万年管理しなきゃいけないんだと、十万年というと、この日本列島に何人の日本人がいたか誰か知っていますか、一人もいなかったんだと、その時間、逆に十万年先まで誰が責任を持ってやれるんですか、次世代どころじゃないというふうにおっしゃっていました。  また、WWFの小西参考人は、再エネがこれだけ安くなってこれだけ可能性がもう世界中であるんだから、もう原発に経済的優位性はないんだというふうにおっしゃっていました。そして、気候変動対策のためにも、これほどリスクがある、また核廃棄物の問題も解決されていないエネルギー源を今後も継続するという合理的な妥当性はないというふうにもおっしゃっていました。  また、小島参考人からは、再エネとの関係でいえば、今、原子力発電に備えるために電線の一定量がそこで確保されてしまっていると、そこで再エネが接続できないとか、そういう逆転した状況があるんだと。そしてまた、再エネと原子力発電というのはすごく相性が良くなくて、原子力というのはすごく変動性が、調整が難しいから、再エネの変動に応ずることができないと、そういう点でも親和性が非常に低いということをおっしゃっていました。  私は、これがすごく大きなことではなかったかなというふうに思っております。再エネをやっぱり普及させていくには、そもそもその電源構成から考える必要があるんだということも改めて教えていただいたというふうに思っております。  ここで、まず、改めてですけれども確認をしておきたいんですけれども、環境省さんとして、温暖化を食い止めるために再エネ普及というのは不可欠だと考えられているのか、教えていただきたいと思います。
  150. 小野洋

    政府参考人小野洋君) お答え申し上げます。  二〇五〇年までのカーボンニュートラル、それからそれに向けた二〇三〇年度四六%削減目標実現に向けては、環境省として、再エネ導入拡大は不可欠であると考えております。  このため、今回、今現在御審議いただいておりますように、地域における再エネポテンシャルの最大限の活用を図るために、今回の法案におきまして、新たに再エネ促進区域を創設し、地域における合意形成を図りつつ、地域に貢献する再エネ促進する仕組みというのを環境省として構築を進めようということで御提案を申し上げております。  今後、二〇三〇年、さらに二〇五〇年目標実現に向けた再エネの大量導入に向けましては、環境省といたしましても、この法案活用して、例えば屋根置き型の太陽光発電を始めとしたエネルギーの地産地消でございますとか、国や自治体における率先導入、それから最終処分場跡地やため池など、様々な言わば遊休のスペースを利用した再エネ活用ということについて全力で取り組んでまいりたいと考えております。
  151. 寺田静

    ○寺田静君 ありがとうございます。  今、地元の理解を求めながらというお話がありましたけれども、再エネを抑制、制限するような条例が増えているということを大臣も午前中の質疑でもおっしゃっていましたけれども、今事前に教えていただいたところによりますと、環境省として数字は持っていないものの、地方自治研究機構というところの調べによれば、今年四月一日時点で百四十九自治体に及んでいるということでした。私の地元の秋田もそうなんですけれども、やはり地域住民とその事業者の間でいろんないさかいが起きているということがあります。  本当にこれをどうやって解決をしていけばいいのかなということを様々な方にお話を伺う中で、ドイツにはこういうものがありますというのを教えていただきました。ドイツですけれども、以前から環境団体などが求めていた裁判外の紛争解決手続、ADRですね、それを行う機関が二〇一六年に設立をされているということでした。これは、環境省、そのドイツの環境省が財団を経由して資金を提供していて、中立性と独立性を重視している組織だということで、予算は三億円、スタッフは二十三名、そして情報部門、相談部門、対話部門の三つの部門からできているということでした。  この情報部門というところでは、適切な情報を集めて提供して紛争を予防するということ。また、相談部門では、既存の紛争の対応と将来の紛争の予防のための和解の仲介を行うということで、またその仲介者を登録をしてその意見調整や、またその仲介者の育成支援も行っているということでした。また、三つ目の対話部門では、州や連邦レベルの制度的な対応が必要な場合に対話の場を設けることと、また対話をどう計画して運営するかということ、またそれが建設的なものになるようにということも担われているということでした。  このような組織がやはり私は日本にも必要ではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
  152. 小野洋

    政府参考人小野洋君) お答えいたします。  委員がまさに御指摘されましたように、再エネ事業による地域トラブルが生じて、やはりその地域との共生とか合意形成というのが非常に大きな課題になっているというふうに認識しておりまして、そういった背景もあり、百四十九条例、その地方自治研究機構の調査で百四十九の再エネ設備の導入を制限するような条例が制定されているというふうに承知しております。  このため、我々今御提案している温対法の改正では、地域の多様な関係者の参画を得て地域合意促進する仕組みというのを提案しているところでございまして、これによってこういった地域トラブルが発生しないように、未然防止を進めていきたいと考えております。  なお、委員が御指摘ございましたドイツの事例でございますけれども、我々も少し情報をしっかりと収集をして、どのような仕組みなのか、あるいはここから得られる教訓を何らか活用できないかということについては勉強してまいりたいと考えております。
  153. 寺田静

    ○寺田静君 ありがとうございます。  参考人の方にも、このドイツの機関の名称が自然保護とエネルギー変換の専門センターという名前なんだそうですけれども、こういうものを日本でもどうなんでしょうという話を参考人の方にもお伺いをしたんですけれども、参考人の方がおっしゃるには、もうドイツというものはなかなか一緒に考えられないところもあるということも教えていただきました。すごく厳格な自然保護法というのがドイツにはあって、バイエルン州という一つの州だけで、自然保護に従事している職員の方が五百人いると、これは環境庁時代の職員の全体の数に相当するんではないかというようなことも教えていただきました。その中で、州の中で何か開発が起きようとすると、その自然保護の担当の職員の方たちがもうそこに行って全部チェックをしていって、ミティゲーションというプロセスの中で、例えば風力なんかでも、コウモリが飛ぶような地域ですらもう絶対に建てないということをするということで環境破壊が防がれているということで、地方自治体の中にも安心感が育っているというようなお話も聞かせていただきました。  私はやっぱり、そういうものがあるドイツですらそういう組織をつくってきちんと仲介をしていかなければ解決が図れないんだということは、私は、裏返せば、やっぱり日本には必ずこういう規模の機関が必要なんではないかなということを改めて思ったところです。  それで、ただ、この三億円という予算、例えば日本環境省から割けるのかというと難しいところもあるとは思うんですけれども、その中で、私が参考人の方から受け取ったメッセージの二つ目というのは、やはり温暖化を止めるのならば、エネルギーの政策を含めて政府全体で総合的に考えていく必要があるというところじゃなかったかなというふうに感じております。  WWFからいらした参考人の方がおっしゃっていたのは、温対法は結局はやっぱり環境省の足下でできることを書いてある法律であって、ただ、日本のCO2排出の九割はやはりエネルギー由来であると。ここのところをやっぱり解決をしなきゃいけないんじゃないかと私も思うんです。ドイツやイギリスではエネルギー部門が環境変動対策のところに統合していると、そうではないと、なかなか実効的な対策ができないということでした。  気候変動担当といえば、小泉大臣が拝命をされていることだと思います。自らがやっぱりエネルギー政策を担当していないということの限界を感じられないのかということと、私自身は、もう経産省からエネルギー部門を引っぺがして環境省一緒にして、新しい役所をつくるのか、環境省の中に入れるのか分かりませんけれども、私はそういうやり方をしなければなかなか難しいんじゃないかなということを思っておりますけれども、ここは大臣にお伺いできればと思います。
  154. 小泉進次郎

    国務大臣小泉進次郎君) まず冒頭に、大変温かいお言葉をいただきまして、しみ入るような気持ちで聞かせていただきました。ありがとうございます。ただ、復帰した以上は公務に全力を尽くすのは当然のことでありますので、是非そこは御遠慮なく、質疑に臨みますので、聞いていただければと思います。  今の質問に対しても、これは、各国の気候変動担当大臣環境大臣とみんな話が合うのは、エネルギー政策を所管をしていない限界とその中の様々なジレンマ、これがあることは、結構コミュニティーの中では、その中でいかに自国の政策を引き上げていくかというところは容易なことではないよなという話はよくします。  ただ、二〇五〇年カーボンニュートラルと二〇三〇年四六%、そして五〇の高み、これを総理が決断をしてくださったということは、もはや環境省、経産省という枠を超えて、政府として向かっていく先を示したことなので、再エネを進めるにしても、再エネを最大限導入できなければこの国としての目的は達成できない環境になったので、もうその組織の枠組みどうこうという以上に、みんなで前向いて課題を一つ一つクリアをしていく、そういった新たな段階に入ったというふうに捉えています。  ですので、今日は再エネの部分の問題意識が非常に強いと思いますが、再エネ導入するに阻んでいるようなものは全て一掃していく。その下に、環境省、経産省、そしてほかの省庁も含めてですね、先ほど局長が言った遊休のスペースをいかに使っていくかを考えれば、農水省や林野庁や国交省やほかの省庁も非常に関わりますので、政府全体として向かっていく体制、意識、そういったものがようやくできたと私は捉えています。
  155. 寺田静

    ○寺田静君 ありがとうございます。是非指揮を大臣に執っていただきたいというふうに思っております。  四六%という数字が発表されましたけれども、この四六%という数字で二〇五〇年のその一・五度以下の目標というのは達成できるというふうに環境省さんも捉えられていますでしょうか。
  156. 小野洋

    政府参考人小野洋君) お答えいたします。  まず、一・五度の目標でございますけれども、これは世界全体ということでございますので、一日本だけでなくて、世界全体が取り組まなければいけないということでございます。  その上で、IPCCによりますと、地球温暖化を一・五度に抑える排出経路については、二〇五〇年前後にこのCO2排出量、正味排出量がゼロに達するような排出経路がそれに相当するというようなことでございますので、世界全体で、しかもその四六%削減という今回の目標については、日本で見ると、その二〇五〇年カーボンニュートラルと整合しているという関係でございます。このため、世界全体で取り組まなければいけませんけれども、日本としては、その二〇五〇年カーボンニュートラルという、世界の目標と整合的かつ野心的な目標であるというふうに考えてございます。  特に、その二〇三〇年までの今後十年間の間に地に足の付いた取組をどれだけやるかというのは、これは非常に重要不可欠であるというふうに考えてございまして、先ほど来出ております再生可能エネルギーの最大限の導入、あるいは地域の脱炭素化などについて早急に施策を具体化し、取り組んでまいりたいと考えております。
  157. 寺田静

    ○寺田静君 ありがとうございます。  日本のこれまでの目標の立て方は積み上げ方式だったと思うんですね。今回、それに初めて積み上げの上に野心という数字が乗って、ただ、本来でいけば、一・五度目標の達成のためにはこれだけの数字が必要だという計算上の数字が出て、それを達成するために何をしたらいいかというのを逆算していかなければいけないんじゃないかということを私自身は強く思っております。  先日来、ゼロカーボンシティのことを大臣何度もおっしゃっておりますけれども、その二〇五〇ゼロに向けた計画、再エネ導入計画を立てている自治体というのはあるんでしょうか。
  158. 和田篤也

    政府参考人(和田篤也君) お答え申し上げます。  具体的な詳細な総数は完全には把握できておりませんけれども、先生御指摘のいわゆるゼロカーボンシティの関連で、二〇五〇年排出量実質ゼロ、それから、さらには再エネ目標なども加えましてですけれども、先進的な例がございまして、一つは長野県でございまして、長野県ゼロカーボン戦略というようなフレームワークで計画に位置付けていること、もう一つは郡山市がございまして、温室効果ガスの排出量の関連で二〇五〇年ゼロを目指すことを、郡山市気候変動対策総合戦略というようなことで取り組んでいるところもございます。  いずれにいたしましても、環境省では、このような先進的な取組が進むように、環境省としてもしっかりサポートしなくてはいけないかなと思っております。
  159. 寺田静

    ○寺田静君 ありがとうございます。  時間が来たので終わりたいと思いますけれども、そのために自治体を最大限に支援をしていただきたいというふうに思っております。  ありがとうございました。
  160. 平山佐知子

    平山佐知子君 無所属の平山佐知子です。  まずは大臣、退院おめでとうございます。まだまだ万全ではない状況で、本当にお疲れさまでございます。最後の質問者ですので、どうぞよろしくお願いいたします。  今回の法律案、これまでも大臣よくおっしゃるように、今日も議論の中に出てきましたけれども、地域でいかに実効性を持って取組が進められるのか、そして個人に対しても、国民一人一人ができるだけ今すぐの行動変容をお願いしながら前に進めることができるのか、これが鍵だと思います。  先ほど来からもありますように、今回の法律案は条文の先頭国民というのが位置付けられています。ただ一方で、なぜ国民に対してそれをやらなければいけないのかとか、先ほど片山委員の話の中にもありましたけれども、抽象的ではなくて、やはり具体的にしっかりと示していかなければ、なかなか付いていけないという方も中にはやはりどうしても出てきてしまう。  まだまだ、この地球温暖化防止のために行動を取っていくということが、例えば意識高い系の方々がやることでしょうとか、毎日の生活に必死なのに、やはりお金を掛けてまで、いろんな便利な社会を捨ててまでそれに取り組むのをなかなかためらうよという方も実際いらっしゃるというのが今の状況だと思います。  先日の参考人質疑の中でも私も御意見申し上げましたけれども、ただ一方で、今を生きる私たちは、これまでエネルギーなど地球の資源をどんどん使って、恩恵を受けて便利な世の中を堪能してきたわけですね。ですが、未来を生きる人たちにそれがしわ寄せになってしまっては、やはりこれはいけないことであり、私たちには大きな責任があると思っています。  そこで、改めて伺わせていただきたいんですが、この法律案基本理念に明記されているカーボンニュートラル実現ですとか、国民理解協力重要性に関する大臣の決意などについて、また、今回の法律案に向けて、以前からも伺っていますけれども、発信方法を含めてまた新たに何か考えていることがあれば教えていただきたいと思います。
  161. 小泉進次郎

    国務大臣小泉進次郎君) 発信は非常に大事だと考えつつも、大臣就任以来すごく悩んでいたのは、欧米では気候変動対策強化することが生活の質を上げることだという理解が過半数なのに、日本では真逆な答えが出るという、これをどうクリアをしていけばいいのかというのを一番悩んでいました。ですので、どう発信するかを考えるよりも、とにかく政策を強化しようというふうに、私は最初、頭切り替えたんですね。その方が、もう状況を変えていくしかないと、気候変動対策は待ったなしですから。  その結果が、総理が、二〇五〇年カーボンニュートラルと、今のような高い目標の現状になり、そしてさらに、この段階になって考えていることは、多くの国民皆様にとって、身近な場所や存在が当たり前のように脱炭素取組をやっている環境をつくることが大事じゃないかと思っています。  最近、無印良品やっている良品計画さんとも意見交換をしました。全て飲物はペットボトルやめると、自社のコストが上がってもアルミ缶に切り替えるという意欲的な決断をされてやられています。そして、新宿御苑に入っているスターバックスも、今後店舗を全て再エネに切り替えていくということを決断されました。セブンイレブンにとっても、循環型の社会をつくっていく主体として様々な取組を進められると聞いています。自動車業界にしても、ホンダがもうEVとFCVだけ、ガソリン車はやめるという、そういう決断をされました。  このように、多くの国民皆さんにとって誰もが知っている企業やまた場が、気付かぬうちに当たり前に電力は再エネになっていたり、気付かないうちに使い捨てのプラスチックはもうなくなっていくような環境を、多くの企業や民間の皆さんとも連携しながらとにかく現実を変えると、そういったところが注力しなければいけないなと思ってやっていることであります。  ただ、もちろん、発信の在り方を環境省としてどうすべきかというのは、引き続き、何が一番効果的な発信なのか、多くの方が共感してもらえるようなメッセージになるのか、これは試行錯誤しながらしっかりと伝えていきたいと思います。
  162. 平山佐知子

    平山佐知子君 もう本当に、身近なところから多くの方が関わって変えていくというのは本当に私も大事だなと思っていますし、やはりこの一人一人が理解をしながら行動変容をしていくことの大切さということを改めて感じるところでありますが。  そこで、一つ提案といいますか意見なんですけれども、そのために、改めて、炭素の足跡であるカーボンフットプリント、これに注目するのはどうかなと考えています。商品の一生に排出される二酸化炭素を計算して数値を表示していく考えであるこのカーボンフットプリントですが、これがまさに自分の行動を見直すきっかけになるんじゃないかなと思っています。  カーボンフットプリントを考えたときに、輸送などに伴うこの排出量も含まれてくるので、例えば輸入物より地元のものを優先して買おうという選択につながるかもしれませんし、そうなれば、地産地消が促されまして地域の活性化にもつながっていくと。さらには、自分でやはりしっかりと納得した上で行動を取ることになりますので、意味を持って行動を変えることができますし、需要側の行動変容になれば、それは企業の脱炭素経営を更に促進することにもつながっていくんじゃないかなと考えています。  ただ、いろいろ調べてみたんですが、環境省では二〇〇九年にカーボンフットプリントの在り方をまとめてはいるものの、まだまだ実際、国民に浸透しているかといえばそうではないのかなと思っています。  本法律案では、地域地球温暖化防止活動推進センター事務として、事業者向けの啓発、広報活動が追加されています。地域企業に対してもカーボンフットプリントの取組を周知していき、更にもう一度、国民に対しても分かりやすく広げていければいいのではないかと考えているんですが、この意見に対してどういうお考えなのか、聞かせていただきたいと思います。
  163. 小泉進次郎

    国務大臣小泉進次郎君) カーボンフットプリントは、私も一つの、排出量の情報が見えるという意味では有効な一つの手段だと思っています。  そのようなことの考えで、例えばウイスキーのブランドで有名なジョニー・ウォーカー、ジョニー・ウォーカーは、既にカーボンフットプリントで排出量情報を出しています。残念ながら、日本のウイスキーメーカーは出していないそうでありますけれども。スニーカーのブランドのオールバーズというところも、商品、スニーカーに、このスニーカーはどれぐらいのカーボンフットプリントですというのも出しています。私もそれ持っていますけど。  ただ、日本の中では、残念ながら、カーボンフットプリント認定を取得している製品が百十二しかないということが今の現状だそうで、ただ、環境省、ファッション業界とも今タスクフォースを組んでやっているんですが、このカーボンフットプリントに限らず、製品がどこから原料が調達をされてどのように消費者に届くのか、このトレーサビリティーをいかに見える化をしていくかというところに非常に思いを持っています。  ですので、この見える化のツールとしては、カーボンフットプリントも含めてどのようなものが一番いいのか、これ環境省としても、国・地方脱炭素実現会議の中で見える化ということに取り組むことは今やっていますので、その中でより多くの方に取り組んでいただけるようなことも併せて検討を深めていきたいと思っています。
  164. 平山佐知子

    平山佐知子君 ありがとうございます。  検討をお願いしたいと思いますが、周知と併せて、これ一人一人が自分事としてこのカーボンフットプリントを経験してみる、体験してみるということも大事なのかなと思っておりまして、例えば、ドイツ連邦環境庁などが公開しているウエブサイトでは、温室効果ガスの排出量が計算できるようになっていまして、ドイツでは気軽に個人がカーボンフットプリントに取り組む環境があると伺いました。  一方、日本ではどうかというと、なかなか、先ほど来からもあるように、国民一人一人が自分のカーボンフットプリントを計算する又は考えるなどという話はなかなか聞こえてこないんですね。例えば、一人当たりの暮らしから一年に排出される二酸化炭素の量がどれくらいなのかということが一人一人計算して分かれば、二〇五〇年温室効果ガス排出量を実質ゼロにするには、逆算をして、どうすればいいのか、どれぐらい減らしていけばいいのか、より具体的に見えて分かりやすいのではないかなと思っています。  例えば、このカーボンフットプリントの計算を学校の授業ですとかイベントなどで積極的に取り組んでいければ、楽しみながら自分の生活を振り返りつつ、行動を変えていくきっかけにもなっていいんではないかなと思っているんですが、この点についてはいかがでしょうか。
  165. 小泉進次郎

    国務大臣小泉進次郎君) 今、環境省では、カーボンフットプリントの計算ツールなどの提供は行っていないそうではありますが、そのほかにも、例えば省エネの製品を買い換えるときに、今あなたが使っている製品はこれぐらいの排出です、しかし、あなたが買おうとしている商品はこれぐらいですという形で比較ができる「しんきゅうさん」というツールを環境省は持っているんですね。是非お使いいただきたいとも思いますし、あとは、御自分の御自宅がどれぐらいのCO2の排出量か、光熱費か、それが分かるツール、これ、うちエコ診断ウエブサービスというんですけど、これは最短五分ぐらいでその診断ができるということで、こういったことも学校などで活用いただけるのかなとも思います。  また、今、学校で地球環境問題を指導する際の留意点などについて、全国の教育委員会などに対して通知をする準備を文科省と今連携して進めているところでもあります。やはり、先ほど、寺田先生のコオロギの話じゃないですけど、今、学校でSDGsを習っているという小学校なども多く出てきていますので、家に帰って、子供が家族の皆さんとともに、そういった学校で学んだことを持ち帰って、共に家庭の話題になる、そういったこともすごく大事ですので、今後もこの学校現場との連携環境省としても更に深めていきたいと考えております。
  166. 平山佐知子

    平山佐知子君 ありがとうございます。  学校の教育は本当に私も大事だと思っていますので、様々な形、あらゆる形で取り入れていければいいかなと思っていますし、今教えていただいた「しんきゅうさん」とかうちエコ診断、私もしっかりとやって、また発信も含めてやっていきたいなと思っています。ありがとうございます。  次は、温暖化と私たちの健康について伺ってまいります。  地球温暖化によって、私たちの健康にも深刻な影響が出ています。直接的な影響としてすぐに思い浮かぶのが夏の暑さによる熱中症です。去年の夏もそうでしたし、今もだんだん暑くなってきて、マスクもしていると苦しい、息苦しくなってきたり、スポーツ時、それから子供たちのマスク着用についても様々な議論があります。  さらに、今年三月に策定されました熱中症対策行動計画では、重点対象分野の一つに新型コロナウイルス感染症対策熱中症対策の両立、これが挙げられています。これを踏まえた事業令和三年度予算に計上されていますが、先月二十八日から全国で運用が開始されています熱中症警戒アラート、これにも、例えばマスクの着用ですとかコロナ対策との両立の観点も組み込んでいったらどうかなと考えたんですが、これについての見解を伺います。
  167. 田原克志

    政府参考人(田原克志君) お答えいたします。  今御指摘のとおり、今年の三月に策定をいたしました熱中症対策行動計画におきましては、新型コロナウイルス感染症対策熱中症対策の両立を重点対象分野の一つとして掲げております。  熱中症警戒アラートは、熱中症の危険性が極めて高くなると予測される日に発表するものでございまして、アラートが発表された日は、ふだん以上に熱中症の予防行動を取っていただくことを啓発しているところでございます。この予防行動の一つといたしまして、新型コロナウイルス感染症対策との両立という観点から、屋外で人と二メートル以上の十分な距離が確保できる場合は熱中症防止のためマスクを外すということ、それから、エアコンの使用中も小まめに換気をすることなど、こういったことの周知に努めまして、その普及啓発を更に進めてまいりたいと考えております。
  168. 平山佐知子

    平山佐知子君 やはり、抽象的にマスクのことを聞いても、具体的じゃないと分からないという方も中にはいらっしゃると思いますので、しっかりとまた引き続きお願いをしたいなと思います。  いまだ新型コロナの感染拡大が続いている現状がありますけれども、これまでも人類は、次々と新たな感染症が現れて、それに対して闘ってきた歴史がありますし、こうした感染症を引き起こすウイルスや細菌の出現を全てなくすということはやはり難しいことなんだと思います。ただ、その中でも感染症の発生リスクを少しでも下げるにはどうしたらいいのかということを考えますと、一見感染症とは関係ないように見えますが、この地球温暖化防止の取組が大事であると。  例えば、二〇一四年の夏には、都内の公園を中心に、一例の輸入症例から全国にデング熱が拡大をしました。デング熱は人から人へは感染はしませんが、感染者の血をヒトスジシマカ、蚊が吸って、そのウイルスの媒介蚊が感染蚊となって、さらに第三者を刺したときに感染を拡大させていくというものですけれども、そのウイルスの媒介蚊が温暖化によって分布を拡大させているという現状があると聞いています。さらに、地域適応コンソーシアム事業によりますと、デング熱などを媒介するヒトスジシマカ成虫の生息期間が長期化するという予測も示されています。  今後、海外からの輸入症例数の推移ですとか媒介蚊の分布、また気温変化を考えた患者数の予測などの研究が必要ではないかと考えますが、それに対しての見解をお願いいたします。
  169. 小野洋

    政府参考人小野洋君) お答えいたします。  気候変動と感染症との関係について更に研究が必要という御指摘については、もうそのとおりかと考えております。  気候変動適応法に基づきまして、環境大臣気候変動影響の総合的な評価について報告書を作るということになっておりますが、最も直近のものですと、昨年十二月に報告書を公表しております。この報告書におきましては、これはもう先ほど委員が御指摘されたとおりでございますけれども、ヒトスジシマカの活動期間の長期化や生息域の拡大の可能性、これは将来の気候変動の影響としてといったことが明記されております。  ただ、実効的な対策を講じるためにはより多くの知見が必要であるというのはもうそのとおりでございまして、今後とも、厚生労働省などと連携いたしまして、気候変動の感染症への影響に関する科学的知見の更なる把握に努めてまいりたいと思います。
  170. 平山佐知子

    平山佐知子君 私たちの健康という、命ということを考えても、温暖化の防止、これは喫緊の課題だということが改めて分かります。  ただ一方で、今後、温室効果ガスの排出削減に努めたとしても、やはりその効果が現れるのには時間が掛かるということで、それを考えますと、温暖化の緩和策と同時に、温暖化の影響を軽減するための対策が重要になってくると思います。  そうした中で、例えばふだんの生活で、ちょっとした買物の際には自動車ではなくて例えば自転車に変えてみると、そうすれば、二酸化炭素を減らすこと、緩和策と同時に健康増進、適応策にもなるんだということなどを具体的に国民に伝えていくことも大事だと思っています。こうした脱炭素に向けた取組は、私たちの健康や命を守るとともに、エネルギー、資源効率の改善、それから物質的な消費に依存しないライフスタイルへの転換など、質の高い暮らしにつながるんだということなど、こうしたことを社会全体で理解して追求していくことが大事ではないかと考えています。  環境省としての考え、大臣に教えていただきたいと思います。
  171. 小泉進次郎

    国務大臣小泉進次郎君) やはり国民生活の身近なところから地球規模の大きな課題を考えていただく、そういったきっかけとしても、今同時で審議が始まっているプラスチック新法も含めて、私は非常に重要だと思っています。  その中でも、環境省として、さっき発信の在り方というのもありましたが、我々だけでは不十分な届き切らないそういったところに対して、アンバサダーの方々にも御協力をいただきながら、一緒になってそれぞれ様々な分野に対して届けていくということが大事だなと思っています。  環境省としては、例えばごみの収集員をやられていてお笑い芸人もやられているマシンガンズの滝沢さんにもアンバサダーになっていただいていますけど、それもやはり、ごみ問題というのは無関係な人は誰もいません。そういった中で、毎日出るごみの中から気候変動の問題につながることを気付くきっかけを少しでも与えていきたい。そういったことも含め、政策そして発信共に両輪を回していきたいと思います。
  172. 平山佐知子

    平山佐知子君 ありがとうございます。終わります。
  173. 長浜博行

    委員長長浜博行君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後二時四十一分散会