○寺田静君 ありがとうございます。
私もその一発肥料という言葉を聞いて、なるほど、一回まけば徐々に流れていく、プラスチックに覆われているので徐々に流れていくということで、何度も何度もまく必要がないということで、農家さんも腰が痛くないし助かるんだという話を聞かせていただきました。
私、ここで、マルチの話はちょっとおいておいて、この一次マイクロプラスチックのところに絞ってお話をさせていただきたいんですけれども、EUでは既に
規制が、EUの中では既に
規制が始まっているところもあって、オランダやフランス、デンマーク、アイルランド、イタリア、スウェーデンというところでも、化粧品などに含まれているこのマイクロプラスチックの販売を禁止、マイクロプラスチックを含む化粧品の販売、化粧品等の販売を禁止しているということで、また、EU全体でも既に欧州化学物質庁というところで二〇一九年一月から
検討が始まっているということでした。EU自体としても
規制を
検討されているということで、私は、日本でも
検討の必要があるんじゃないかなというふうに思っているんです。
というのも、日本周辺の
海域に浮遊するマイクロプラスチックの量というのは、これは九州大学の
調査ですけれども、世界平均の二十七倍で、日本はマイクロプラスチックのホットスポットになっているということでした。
また、先日、日曜日の共同通信さんの記事でしたけれども、イギリスの大学の
調査では、人間が一年間に魚介類を食べてそこから摂取をするマイクロプラスチックというのは、年間最大で五万個だそうです。そして、魚介類を多く摂取する日本人については最大十三万個、世界平均の二・四倍だということでした。東京湾の
カタクチイワシなどからも一匹当たり二・三個のマイクロプラスチックが見付かっているということでした。
私は、このマイクロプラスチックの
調査の手法にまだまだ
検討の余地があるとか、人体に有害があるという科学的
知見が確立していないとか、
規制の必要はないんでしょうかということを
事前にお伺いしたときには、まだ人体に有害だという科学的な
知見が確立していませんということを言われました。
ただ、これを待っていては私はちょっと遅いんじゃないかなというふうに思うんです。
調査の手法が確立をして、また人体に有害だということが分かって、
規制をするというときにはもうですね。今、例え話ですけれども、妊婦はヒジキを余りいっぱい食べちゃいけないと。昔はヒジキを食べた方がいいと、鉄分がいっぱい含まれているからということでしたけれども、最近はヒ素が含まれているということが分かって、せいぜいで小鉢に一杯程度にしなさいとかということが言われています。
また、マグロも妊婦さんは余り食べてはいけませんと、なぜなら水銀が蓄積されているからですということを言われていますけれども、私は、だんだんこれ、もう既に人体に有害だということが分かりましたというところから
規制を始めたとしても、じゃ、妊婦さんは週に百グラムぐらいしか魚を食べちゃいけませんみたいなことになるんじゃないかなということをすごく心配をしています。
というのも、「NHKスペシャル」の二〇三〇年未来への分岐点、プラスチック汚染の脅威という番組の中で、スイスの国立
研究所の実験の結果が報じられておりました。それは、ある場所にナノプラスチック、マイクロプラスチックより更に小さい五十ナノ、ナノプラスチックというもの、マイクロプラスチックより更に小さいものですね、それが人体のとある場所に蓄積する
可能性があるということが伝えられていました。その場所というのは胎盤なんです。
大臣、奥様の出産が去年ということで御記憶に新しいかもしれませんが、胎盤というのは子宮の上にあって、胎盤は赤ちゃんにエネルギー、栄養分とか酸素を
供給する場所になるんですね。胎盤にこのプラスチックが蓄積をされるということが実際に起きると、赤ちゃんに栄養が届きにくくなるリスクがあるんじゃないかということをこのスイスの
研究者の方は
指摘をされていました。
私は、これ、すごく重い
知見ではないかなというふうに思うんです。確かに、先ほど御紹介させていただいた民間の会社の方にお伺いをしましても、確かに人体に有害だという科学的な
知見はまだ確立していないと。そして、このプラスチックの
調査を行う手法もまだちょっと発展途上であるということはあるんだと
思います。ただ、既にやっぱり得られている
知見、懸念というものもあるわけで、私はこのことは重く見てもいいんじゃないかなというふうに思うんです。
大臣の御所見をお伺いしたいと
思います。