○
竹谷とし子君 次に、
大臣に伺いたいと
思います。
今、御答弁にありましたように、
日本を含む
世界各国でカーボンプライシングが導入をされているわけですけれども、
炭素税の場合、その得られた財源の使途は様々であるということでございます。
私自身も、以前、化石燃料の利用をカーボンプライシング、
炭素税で減らしたという成果を上げたスウェーデンの施策を視察に行ってまいりました。スウェーデンでは、この税の使い道について、
炭素税の税率引上げ時だと
思いますが、低所得者層の所得税率の引下げということに活用されるなど、市民に還元をされている形であるということでございました。また、スイスでも、
先ほど大臣から答弁ありましたように、基礎医療保険の負担の低減にも活用しているというような場合もあります。
一方で、
日本においては、温対税の使途については、主に
企業に対する助成ですとか、あるいは再エネ、省エネ等の新しい機器や建物を購入したり、そういったことに対する補助等で使われているわけですが、やはりある程度お金がある人でなければその恩恵にあずかれない状況にあるかなというふうに思っております。
大臣は、
所信の中で、
国民の
理解や
協力なくしてカーボンニュートラルの実現なしということをお
考えとして示されました。私もそのとおりであると
思います。排出権取引にせよ税にせよ、カーボンプライシング、これを導入する場合、価格に転嫁をされて、最終的には消費者、すなわち
国民が負担をするということになります。
炭素税の形で財源が得られる場合、私はその使い道について、ほかの国にもありますように、消費者がより実感できる形、市民に還元される形というものを
日本でも検討していただきたいと
思います。それが消費者の
理解や
協力を得ることにつながっていくと
考えております。
例えば、
企業を財政的に支援をする、それによって新しい技術を
開発していくということに使う場合であっても、
政府が直接
企業にお金を出すということではなく、消費者が脱
炭素に取り組む
企業の商品やサービスを購入する、そのインセンティブを付与するような仕組みをつくる、購入や消費を通じて脱
炭素に取り組む
企業にお金が回っていくという資金の流れを仕組み化することを検討していただきたいと
思います。
企業に
政府が直接お金を出すということですと、
企業は
政府を向いてしまうんですね。そうではなくて、市場を向く、消費者を向く、そのことによって本当に必要なものというのを
企業が
考えていく、そういうふうに変えていかなければならないというふうに
思います。
また、市民の
参加型の脱
炭素というものを推進していただきたいと
思います。例えばエアコンの設定温度を変更したりとかエコドライブを実践をするなど、身近なことからできる市民の
環境配慮行動、これを評価をして、例えばポイントなどの価値を還元をするという方法も検討いただきたいと
思います。ICTやIoT、AIの発展やデジタル機器の普及によって、以前はできなかったそうした消費者
参加型の新しい手法というのはこれから可能になっていくと
思います。
今後、カーボンプライシングを検討するに当たって、
国民の
理解そして
協力を得るために、市民
参加型となるように、
是非、
小泉大臣に
方向性をリードしていただきたいと
思います。
大臣、いかがでしょうか。