運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

2021-06-03 第204回国会 参議院 外交防衛委員会 第16号 公式Web版

  1. 会議録情報

    令和三年六月三日(木曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員異動  六月一日     辞任         補欠選任      高橋 光男君     山口那津男君  六月二日     辞任         補欠選任      中西 祐介君     宮島 喜文君      福山 哲郎君     宮口 治子君      山口那津男君     下野 六太君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         長峯  誠君     理 事                 佐藤 正久君                 三宅 伸吾君                 小西 洋之君                 三浦 信祐君                 井上 哲士君     委 員                 宇都 隆史君                 北村 経夫君                 中曽根弘文君                 中西  哲君                 松川 るい君                 宮島 喜文君                 山田  宏君                 羽田 次郎君                 白  眞勲君                 宮口 治子君                 下野 六太君                 浅田  均君                 鈴木 宗男君                 大塚 耕平君                 伊波 洋一君    国務大臣        外務大臣     茂木 敏充君        防衛大臣     岸  信夫君    大臣政務官        厚生労働大臣政        務官       こやり隆史君    事務局側        常任委員会専門        員        神田  茂君    政府参考人        内閣官房内閣審        議官       中嶋浩一郎君        内閣官房内閣審        議官       三貝  哲君        内閣官房内閣審        議官       木村  聡君        警察庁長官官房        サイバーセキュ        リティ・情報化        審議官      河原 淳平君        総務省国際戦略        局次長      渡辺  健君        総務省総合通信        基盤局電気通信        事業部長     今川 拓郎君        外務省大臣官房        地球規模課題審        議官       小野 啓一君        外務省大臣官房        審議官      赤堀  毅君        外務省大臣官房        審議官      岡田 恵子君        外務省大臣官房        参事官      石月 英雄君        外務省大臣官房        参事官      御巫 智洋君        外務省総合外交        政策局軍縮不拡        散・科学部長   本清 耕造君        外務省北米局長  市川 恵一君        外務省経済局長  四方 敬之君        財務省理財局次        長        井口 裕之君        文化庁審議官   榎本  剛君        厚生労働省大臣        官房危機管理・        医務技術総括審        議官       佐原 康之君        厚生労働省大臣        官房審議官    大坪 寛子君        厚生労働省大臣        官房審議官    岩井 勝弘君        水産庁資源管理        部審議官     高瀬美和子君        資源エネルギー        庁電力ガス事        業部長      松山 泰浩君        防衛省大臣官房        長        芹澤  清君        防衛省大臣官房        政策立案総括審        議官       川嶋 貴樹君        防衛省大臣官房        衛生監      椎葉 茂樹君        防衛省防衛政策        局長       岡  真臣君        防衛省整備計画        局長       土本 英樹君        防衛省人事教育        局長       川崎 方啓君        防衛省地方協力        局長       鈴木 敦夫君        防衛省統合幕僚        監部総括官    加野 幸司君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○外交防衛等に関する調査  (集団的自衛権憲法との関係に関する件)  (新型コロナウイルスワクチン接種に関する  件)  (サイバー攻撃に関する件)  (防衛関係施設周辺土地等利用状況に関す  る件)  (旧陸軍被服支廠保存に関する件)  (米国防衛戦略に関する件) ○原子力の平和的利用における協力のための日本  国政府とグレート・ブリテン及び北部アイルラ  ンド連合王国政府との間の協定を改正する議定  書の締結について承認を求めるの件(内閣提出  、衆議院送付) ○大西洋のまぐろ類保存のための国際条約を改  正する議定書締結について承認を求めるの件  (内閣提出衆議院送付) ○国際航路標識機関条約締結について承認を求  めるの件(内閣提出衆議院送付)     ─────────────
  2. 長峯誠

    委員長長峯誠君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日までに、高橋光男君、福山哲郎君及び中西祐介君が委員辞任され、その補欠として下野六太君、宮口治子君及び宮島喜文君が選任されました。     ─────────────
  3. 長峯誠

    委員長長峯誠君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  外交防衛等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官中嶋浩一郎君外十九名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 長峯誠

    委員長長峯誠君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 長峯誠

    委員長長峯誠君) 外交防衛等に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 小西洋之

    小西洋之君 立憲民主社民小西でございます。  本日の一般質疑の開催に当たり、三宅筆頭の御尽力、また、政府取組に敬意を表させていただきたいと思います。  では、まず集団的自衛権行使について、前回の続きからさせていただきます。  一ページの資料でございますが、前回茂木大臣ですね、私の質問に対して、線を引っ張っている部分ですけれども、答弁をいただきました。昭和四十七年政府見解作成要求がなされたときの吉國内閣法制局長官答弁でございます。二つ目の括弧ですね。侵略現実に起こった場合に、これは平和的手段では防げない、その場合に生命、自由及び幸福追求に対する国民権利根底から覆されるおそれがある、その場合に、自衛のために必要な措置をとることを憲法が禁じているものではないという部分でございます。これはまさに、先生方も御承知のとおり、七・一閣議決定に明記され、その後に存立危機事態条項にそのまま明記された、政府が言うところの集団的自衛権を許容している九条解釈の基本的な論理なるものの箇所でございます。  しかし、この部分なんですが、実際のこの会議録を御覧いただきたいんですが、二ページを御覧いただけますでしょうか。二ページがその昭和四十七年九月十四日の吉國長官答弁でございます。先ほど私が読み上げた、茂木大臣答弁いただいたところですが、灰色でくくっております。侵略現実に起こった場合に、点々々、生命、自由及び幸福追求に対する国民権利根底から覆される、点々々ですが、この答弁ですね、全体を御覧いただいたらすぐ分かるんですが、簡単に言うと、もう個別的自衛権、九条では個別的自衛権しかできませんと。その後に太い文字で、集団的自衛権という言葉を用いるまでもなくと言っておりますけれども、日本とは別なほかの国が侵略をされている、そこに外国武力攻撃が発生している局面では、まだ日本自衛措置をとる段階ではないと、日本侵略をされて、つまり日本に対する外国武力攻撃が発生して、そこで初めて、そこで初めて自衛措置が発動するのだと言っておりまして、戦後、議会が始まって以降変わらない九条解釈基本論理を述べているわけでございます。  この灰色のところに来る前にも、今申し上げたことと同じことが繰り返されております。外国による日本に対する侵略ですね、外国日本に対する侵略を防ぐ、その外国侵略が防げないことがあるかもしれないというふうに言っているわけでございます。  なので、実は、安倍政権がやったことは、九条において、九条においては、日本に対する外国武力攻撃が発生したときしか自衛権行使は許されない、すなわち限定された個別的自衛権しか許されないゆえに、その論理的な当然の帰結として集団的自衛権は一切できない、限定的なるものを含めて絶対に一切できないと言っているその論理箇所、そこの中核の文言を使って、この外国武力攻撃という言葉をですね、誰に対するということが書いていないということで、曲解して集団的自衛権を許容する論理を捏造しているわけでございます。  なお、この吉國長官答弁にある、生命、自由及び幸福追求、これ憲法十三条の言葉ですが、憲法十三条のこの生命などが根底から覆されるという言い回しをしている会議録はこれが戦後初めてでございます。これ、会議録検索をすれば、どなたでも一瞬で確認いただけますけれども。つまり、吉國長官はこの言葉の生みの親なんですね。生命、自由及び幸福追求権利根底から覆されるというフレーズ、言葉の生みの親の吉國長官は、まさに集団的自衛権を全否定する、絶対に全て違憲だという論理のためにこの言葉を使っているわけでございます。  念のため確認いただきますと、次の三ページから四ページ、この四ページ御覧いただけますか。今の九月十四日の吉國長官のこの答弁が、この昭和四十七年政府見解の、この太い線を引いた部分ですね、に書き込まれていると。  私もかつて霞が関で働いていたのでよく分かるんです。この三ページで、早坂さんという課長クラスの方がこれを起草しているんですが、部下の方は、上司の長官国会で述べた言葉一言一句そのまま用いて政府見解文書を作るんですね。なので、生命、自由及び幸福追求権利根底から覆されるという言葉吉國長官が使ったので、早坂さんはこれを起草して、角田第一部長真田次長吉國長官、皆さんが決裁をされて、で、最後五ページ、この文字の固まりが七・一閣議決定に記載されていると。なので、前回申し上げましたように、近代立憲史上にも例のない不正行為法解釈ですらない、九条には何も作用していないと、四十七年見解の中の言葉を曲解して論理を捏造した。  そのことが六ページに、この四十七年見解を決裁した当時の角田第一部長、後に法制局長官になり最高裁判事も務めた方ですけれども、御自身が、これ四十七年見解作った人です、東京新聞などで取材を受けているんですけれども、集団的自衛権のことなんか全く考えてもいなかったということを言っており、安保国会では、濱田邦夫最高裁判事が、違憲である、法匪というあしき例である、とても法律専門家検証に堪えられない、裁判所に行って通るかというとそれは通らない、読みたい人がそう読んでいるだけだと。宮崎礼壹元法制局長官も、黒を白と言いくるめる類いであるというふうに言っているわけでございます。  なので、茂木大臣茂木大臣はもう永田町で最高知性政治家の方だと私は思っているんですが、もうまさに歴史の検証に堪えられるわけがない暴挙をやってしまっているわけなんです。なので、そのことを是非御認識いただいて、大臣外交の力で、今までも取り組んでいただいていると思いますけれども、一層外交の力で武力紛争を阻止して、国民と国益を守り抜く、そうしたリーダーシップをお願いしたいと思います。  それで、岸大臣にお尋ねさせていただきたいんですけれども、よろしいですか、大臣立憲主義という言葉がありますけれども、大臣がお考えになるこの立憲主義というのはどういうことかというのをちょっとお話しいただいた上で、立憲主義に基づいて日本国憲法は成り立っているんですが、立憲主義に基づく日本国憲法人権保障、それは自衛官にも及ぶのかどうか、そのことについて大臣見解をお願いいたします。
  7. 岸信夫

    国務大臣岸信夫君) 立憲主義、我が国は日本国憲法がございますけれども、日本国憲法に基づいて物事が行われております。そのことをもって、憲法に全て基づくという意味だと解釈をしております。
  8. 小西洋之

    小西洋之君 立憲主義というのは、憲法によって国家権力を制限して国民権利や自由を守るというのが立憲主義なんですが、日本国憲法九条は集団的自衛権武力というものを内閣国会に禁止しているわけです。そのことによって何人も殺されてはならないということを言っているわけでございますので、これ発動したら自衛官は命の危険に直面する、もうこれは戦死しますから。それはもう以前、臨時国会で昨年答弁をいただきましたので、大臣、かわいい大切な自衛官たちをこういう武力で犠牲にならないように、ただ、日米同盟をしっかり維持していくことは我々も一致しておりますので、そうした責任をかみしめていただきたいと思います。  これで終わってしまいましたので、また後で続きします。  ありがとうございました。
  9. 羽田次郎

    羽田次郎君 立憲民主社民羽田次郎です。  本日は初質問の機会をいただきまして、長峯委員長始め、理事委員各位、皆様に感謝申し上げます。ありがとうございます。不手際等あると思いますが、どうか初めての質問ということで御容赦いただき、しばらくお耳をお貸しいただければと思います。  まず、茂木大臣、昨夜のCOVAXワクチンサミット、大変遅い時間までお疲れさまでした。本来であれば、こうした米国のハリス副大統領やビル・ゲイツ氏が出席されるような国際会議日本にお客様をお招きし開催されるべきですが、いまだに感染拡大が収束していない世界状況考えれば致し方ないことと思います。ただ、その状況下東京オリンピック・パラリンピックはあくまでも開催されるということに疑問を抱かざるを得ません。  昨日も国内で百十三人、一昨日の数字ですが、世界では八千六百七十六人の死者が新型コロナウイルス感染症により落命しております。そのお一人お一人が私の兄のような無念思いのまま命を落とし、それぞれの御遺族が私と同じようにやり場のない悲しみに暮れているのだと思います。兄の場合、十二月二十七日に急逝し、年をまたいで一月五日まで新型コロナ感染症専門の霊安室に隔離され、五日にだびに付された際も、斎場には誰も近寄ることすらできないまま、遺骨となって帰宅しました。本人の無念もさることながら、遺族には受け入れられないほどの喪失感が残ります。  これ以上同じような思いを抱く人を増やしたくない、そのためにも国が一体となって抜本的な対策に取り組まねばなりません。そして、ボトムビリオンと呼ばれる世界最貧層の十億人を始めとする困り切っている人々にも、具体的な救いの手を差し伸べる努力日本は担わなければならないと私は考えております。その意味でも、六月一日に政府閣議決定したワクチン開発生産体制強化戦略が実際に取り組まれれば国民の健康と安心につながりますし、外交上においても安全保障上においても重要なことだと高く評価しております。  ただ、昨年三月二十五日にはG7外相会合治療薬ワクチン開発における官民取組強化国際協力について話し合われており、翌二十六日、当委員会においても、こちらにいらっしゃる白眞勲先生質問に対して、官民連携、多国間での共同開発連携について茂木大臣が確認されております。その日から一昨日の閣議決定まで一年以上も費やしてしまったのは他国に比べると時間が掛かり過ぎではないかとの思いが残りますが、国産ワクチン開発生産体制強化取組を進めていただくのが肝要ですので、そこを私は問いただすつもりはございません。  さて、ここからが質問です。  一昨日閣議決定したワクチン開発生産体制強化戦略において外務省はどのような役割を担っておられるのか、具体的なお話をお聞かせください。お願いします。
  10. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) まず、羽田次郎先生のお兄様、羽田雄一郎先生、この国会でも御一緒させていただき、様々な議論をさせていただきました。政党は違っておりましたが、本当に様々な政策について熱心に取り組み、また多くの方から慕われると。改めて、お亡くなりになったことに対して心から哀悼の誠をささげたい、そのように考えているところであります。  ワクチン国内での生産外交をやっている立場としても、是非私も早く進めたいと思っております。  昨日のワクチンサミット、夜の八時から十時半近くぐらいまで掛かりまして、COVAXとして、途上国向け、大体途上国の人口の三〇%をカバーする、十八億回分を確保するための資金八十三億ドル、これが、四月の準備会合時点では十七億ドルの資金ギャップがあった、だんだん埋まってきまして、おかげさまで昨日のワクチンサミットにおきまして多くの国から拠出と、こういう表明がありまして、今年の目標としていた八十三億ドルを大きく上回ることができたわけでありますが、このワクチンについては、生産をする、このことも重要でありますが、COVAXのような形でそのワクチン調達して、途上国を始めとする多くのワクチンを欲しがっている方々、求めている方々分配をする。さらには、各国分配した後も、昨日も豊田通商の方にも会議に参加をしていただきましたが、最終的に国に届いてから接種現場まで届けると。そうなりますと、保冷設備であったりとか冷凍用の、冷凍用のというか冷蔵の車、こういったものも必要でありまして、ラストワンマイル、こういった支援をしていくと、こういったことも重要になってまいりまして、今後、日本としても生産部分でも協力をしていきたいと思っておりますが、このCOVAX始めとするワクチン世界的な調達分配、さらには各国での実際の接種に向けた運搬等々でも日本の担っている役割、極めて大きいと思いますし、また、それに対する期待も大きいと考えております。  今後、国内ワクチン生産していく、こういうことになりますと、様々な形で既に先行している国々との間の知見であったりとか情報の共有ということも必要になってまいります。また、例えば、ファイザーがビオンテックと連携をすると、こういったように、国際的な連携、こういったものも出てまいるわけでありまして、そういった点においても、外務省として、また政府としてしっかりした役割果たしていきたいと思いますし、さらには、緊急使用等々の問題につきましては、厚労省等とも連携して、WHO、こういった機関にも様々な形で情報提供しながら連携していくと、こういった取組が必要になってくると、こんなふうに考えております。
  11. 羽田次郎

    羽田次郎君 大臣に御質問する通告をしていなかったのに、お答えをいただいたことに感謝申し上げます。そして、兄に対する御弔意、そして御厚情に改めて感謝申し上げます。ありがとうございました。  ただいま、昨夜のCOVAXサミットについて大変詳しくお話をいただきまして、ありがとうございます。昨夜のサミットでは、合計十億ドルの資金拠出に加えて三千万回分のワクチン現物提供の方針を表明されたということ、これは本当に国際的にも高く評価されると私も思っております。  ただ、使途が未定のワクチンはまだ報道によると九千万回分ぐらいは残っているということなので、もう少し現物提供を増やしてもよかったのではないかという思いが私には残ります。ただ、今後とも是非茂木大臣主導の下、国際貢献努力をお願いできればと思います。  次に、国産ワクチン開発状況について教えていただければと思います。よろしくお願いします。
  12. 大坪寛子

    政府参考人大坪寛子君) お答え申し上げます。  国内でのワクチン開発状況でございますが、ただいまメッセンジャーRNAワクチン、またDNAワクチン、組換えたんぱく、不活化ワクチン、この四種類のタイプのワクチンが人での臨床試験に入っている段階でございます。  国産ワクチンにつきましては、厚生労働省といたしましても、これまで研究開発生産体制整備への補助、また企業の治験の実施、費用の補助などを行っておりまして、一日も早く国産でのワクチン開発が実現化いたしますように努力してまいりたいと考えております。
  13. 羽田次郎

    羽田次郎君 お答えありがとうございました。  それでは次に、現在の大規模接種センターでのオペレーションについて今どのような状況になっているか、教えていただければと思います。
  14. 椎葉茂樹

    政府参考人椎葉茂樹君) お答えさせていただきます。  五月二十四日から、自衛隊が運営する大規模接種センターにおきましてワクチン接種を開始したところでございます。昨日までに、東京規模接種センターにおきましては約七万三千五百人、大阪大規模接種センターにおきましては約三万八千五百人に対しましてワクチン接種を実施しております。また、先月三十一日から、東京規模接種センターにおきましては接種能力の最大となる一万回の接種体制を、大阪におきましては同じく五千回の接種体制を確立しているところでございます。これまで特に大きなトラブルは発生しておらず、両センターとも円滑に運営しております。  今後三か月の間、東西の自衛隊規模接種センターにおきましては、現場ワクチン接種業務に当たる自衛官民間看護師契約役務職員一体となって、引き続き、安全かつ効率的に一人でも多くの方にワクチン接種できるよう全力で取り組んでまいります。  以上でございます。
  15. 羽田次郎

    羽田次郎君 ありがとうございます。  やはり大規模接種センターでのオペレーションは統制が取れていて手際も良い印象ですし、さすが自衛隊は違うという印象を受けております。  アメリカ政府では、昨年五月に、先ほどお話ししたG7外相会合の僅か二か月後ですが、国防総省が保健福祉省民間と組んで、オペレーション・ワープ・スピードという取組を始めました。ワクチン開発早期承認調達、供給、接種まで、ワープスピードという名のとおり、大変なスピード感ワクチン接種まで進んでおります。  米国のケースのように、防衛省厚生労働省などが中心となり、省庁横断国内外での感染症対策に取り組むような計画があるか、若しくはどういうお考えか、済みません、もし、防衛大臣一言考えを、あればと思うんですが、いかがでしょう。(発言する者あり)じゃ、まず、お願いします。
  16. 佐原康之

    政府参考人佐原康之君) お答えいたします。  新型コロナウイルス感染症対策におきましては、総理を本部長としまして全閣僚をメンバーとする対策本部を設け、政府一丸となって国民の命と健康を守るための対応に当たっております。コロナ対策の全体の取りまとめは内閣官房でありますけれども、厚労省としては、医療を始めとする感染症対策を所管し、それを主導していく立場にあると考えております。  御指摘の厚労省防衛省連携につきましては、多方面で緊密に連携してきたところであります。これまで、例えば、ダイヤモンド・プリンセス号における対応の中で自衛隊にクルーズ船内における医療支援や生活支援、また下船者に対する輸送支援を担っていただいたこと、また、沖縄や北海道など感染急拡大地域におけます自衛隊医療支援チームの災害派遣、また、今御質問ありました今般のワクチン大規模接種会場に対する協力などがあります。  こうした今般の新型コロナにおける対応を十分に検証した上で、今後、新たな感染症が発生した場合に備えた対応もしっかりと検討してまいりたいと考えております。
  17. 岸信夫

    国務大臣岸信夫君) 大規模接種センターの運営につきましては先ほど答弁したとおりでございますが、全体として大きなトラブルもなく、円滑に運営しているところでございます。  今後、一人でも多くの、まずは高齢者の方に一日でも早くワクチン接種していただけるように全力で運営に当たってまいりたいと、こういうふうに思いますけれども、この大規模接種センターにおいては、自衛隊員、一方で民間の看護師の方、またサポーターの方、連携を取りながらやっております。この連携というものもまさに不可欠なものであると、こういうふうに考えております。  また、大規模接種センターの運営に当たって、どうすればスムーズに運営できるか、こうした知見をしっかり蓄積をしているところでございますけれども、こうした知見については、国内外通じてしっかり必要な方に伝えてまいれればというふうに思っております。
  18. 羽田次郎

    羽田次郎君 時間となりましたので、これで終わりにします。  ありがとうございました。
  19. 浅田均

    ○浅田均君 日本維新の会、浅田均でございます。  国際航路標識機関条約については、これ二ラウンドということになっているんですけれど、今質問させていただいて、御答弁の用意は大丈夫でしょうか。  そうしたら、本来ならば第二ラウンドでやるべきところではございますが、国際航路標識機関条約について質問させていただきます。  国際機関を設立して、航路標識の改善及び調和等を通じて船舶の安全かつ能率的な移動等のための国際協力をより一層強化することが目的とされておりますが、これまで非営利団体として活動していた国際航路標識協会、IALAを国際機関に移行する理由は何でしょうか。
  20. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 委員御指摘のように、国際航路標準協会、IALAでありますが、これは、安全かつ効率的な船舶の移動を目的とした航路標識の改善及び継続的な調和のために、一九五七年に設立されて以来、非営利団体として航路標識の国際標準化等の役割を担ってきたわけでありますが、この協会に参加している国の数、圧倒的に増えてきておりまして、現在で八十二まで増加をしております。また、グローバル化であったりとかデジタル化の進展ということで、デジタル情報によります航路標識の設置に関する基準の作成等も必要になってきまして、国際船舶交通における新たな航路標識の国際標準化と、こういったことも今後進めていかなければならないわけであります。  そういったときに、非営利団体という位置付けでありますと、どうしても、勧告を出すにしても、その勧告は、各国政府が同意すると、こういう性格ではなくて、あくまで参加者である各国の航路標識当局がそれぞれの判断で決めていくと、結果的にはそういうことになっていくわけでありますが、このIALAが国際機関としての地位を得ることによりまして、その勧告というものは国際機関の作成した国際基準として重みを増すと、信用を高めることになるわけであります。これによりまして、勧告等の実効性が一層高まるとともに、多くの国において広く採用されることが期待をされまして、IALAが航路標識分野の権威ある国際機関として海事分野のルールメーキングに主体的に関与する、こういったことが可能になってくると考えております。
  21. 浅田均

    ○浅田均君 ありがとうございます。  それで、今まで政府機関ではなかった、非営利団体として活動しておったということで、企業会員とかも参加しているんですね。例えば、OECDなんかだとJICAとか日銀とか、どちらかというと政府機関に近いところが参加している、そういう国際機関はあるんですけれども、こういう企業会員が入っている国際機関というのは僕は余り知らないんで、このIALAに参加していた、これまで参加していた企業会員は移行後はどういう位置付けになるんでしょうか。
  22. 小野啓一

    政府参考人(小野啓一君) お答えさせていただきます。  これまで、IALAにおきまして、民間企業は工業会員として航路標識の国際標準化等の活動において重要な役割を果たしてまいりました。日本からは民間企業八社が工業会員として参加しております。これらの民間企業は、国際機関への移行後は賛助加盟員として国際航路標識機関の活動に参加することができるようになります。具体的な活動内容は、この機関が発足後に策定をする一般規則等において定められる予定でございます。  日本の企業が持つ先進的な技術の国際標準化等を推進することは海事分野における日本企業の競争力の強化に資するものであり、我が国としては、日本から参加する企業が国際機関への移行後もこれまでのIALAの活動と同等の活動が可能となるよう議論に参加してまいりたいと考えております。
  23. 浅田均

    ○浅田均君 確認ですが、今まで入っていた会員が希望すればそのまま残れるという理解でいいんですか。
  24. 小野啓一

    政府参考人(小野啓一君) 正式には機関が発足した後に一定の手続を踏む必要がございますが、基本的にはそのようになると考えております。
  25. 浅田均

    ○浅田均君 いいですね、これ。民間から金が出るしね。これからこういう国際機関考えていったらいいと思うんですけど。  茂木大臣、通告していないんですけど、それで、またパリなんですね、これ。パリにはOECDがあって、それからユネスコがあって、フランス語圏を束ねるような機構もあって、とにかく国際都市というか、呼ばれるに足るそういう国際機関がいっぱいあると。  僕たちも国際機関日本への誘致というのをずっと主張し続けているんですけれども、なかなかこれ実現しない。こういうやり方、パリってやっぱり、ずっこいんですけど、うまいなと思うんですけれども、こういう手法を講じて日本にもっと国際機関を誘致するという、そういう戦略はお持ちでしょうか。
  26. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 確かに、国際機関を見てみますと、御指摘のように、パリ、さらにはブラッセル、そしてジュネーブと、こういったところに多くの国際機関の本部が置かれていると、これは事実であると思っております。  これ、恐らく、こういった現在のというか、近代以降の国際秩序をつくる上において、当時、フランスであったりとかドイツ、若しくはフランスとドイツ両方の間では嫌なんでそれがスイスに来たりとかベルギーに来たり、こういったことでヨーロッパの主要都市にこういった国際機関の本部等々が立地するということは多かったと思います。特にパリの場合は、ヨーロッパの中でも交通の便ということでいいますと、一番いいといいますか、道路が結局はパリにつながっているんですよね。だから、今まで、何というか、飛行機が飛んでいない時代といいますとやっぱりパリが一番集まりやすかった、ヨーロッパの中で、こういう要素もあったんだと思います。  ただ、これはこれまでの話であって、今後、国際機関考えたときに、アジア太平洋、インド太平洋等々の役割というのも様々なもので高まっていくわけでありまして、日本としても、強みを持っている分野ということで国際機関の本部を日本に置き、そして人材も日本に集まり、日本発の国際的な、発信の発ですね、日本発の様々なルールができていくと、こういったことは必要だと思っておりまして、昨日もワクチンサミット参加をしてといいますか、私が司会をしながら進めたんですが、感じたことは、やっぱりこのワクチン調達分配という分野でああいうサミットを開くことによって、これまでもそうでしたけれど、日本はやっぱり中心になって動いているんだなと、こういう印象を多くの国から、三十か国から発言がありましたけれど、してもらったんではないかなと、そんなふうに考えておりまして、全部の分野を日本が取るということではありませんが、ターゲットを決めて、今後のルールメーキング上必要な機関等々の誘致を進めるということは重要だと思っております。  もちろん、東京だけではなくて、大阪等々も含めて主要なところでそういったものを設置できればと思っております。
  27. 浅田均

    ○浅田均君 よろしくお願いいたします。期待しております。  それでは、サイバー防衛について質問させていただきます。  前回、サイバー及び宇宙を含む全ての領域を横断する防衛協力の深化とは具体的にどういうことを指すのかと防衛大臣にお尋ねしましたところ、各種協議の場において情報共有や意見交換及び演習などを通じて米国との領域横断的な協力を深めていくという、日米同盟の抑止力、対処力の強化に努めていくという御答弁をいただいております。  その御答弁をベースに、今回はサイバーを中心に質問させていただきたいんですが、まず、G7コミュニケ五十三番のところに既存の国際法をサイバースペースに適用できるか研究するとありますけれども、これはどういう事態を想定されているのか、また、ここで言う既存の国際法というのはどういう条約とか国際取決めを想定されているのか、お尋ねいたします。
  28. 赤堀毅

    政府参考人(赤堀毅君) お答えいたします。  G7外務・開発大臣のコミュニケにおきまして、既存の国際法がサイバー空間にどのように適用されるかについての共通の理解を促進するため協力するとのG7のコミットメントが確認されました。  これは、二〇〇四年以降開催されている国連での関連会合において確認されてきております国連憲章全体を含む既存の国際法がサイバー空間に適用されるとの認識を踏まえたものでございます。  既存の国際法の内容について申し上げれば、国連での関連会合の場では、サイバー空間においても、主権平等、紛争の平和的解決、武力行使の禁止を含む国連憲章の諸原則及びその他の国際法の諸原則に対する国家のコミットメントが特に重要であることが全ての国連加盟国により確認されてきております。  また、日本政府としては、国家責任、自衛権、国際人道法も含め、既存の国際法がサイバー空間に適用されるとの立場でございます。  日本政府としましては、様々な悪意あるサイバー活動、攻撃が増加している事態を踏まえ、既存の国際法に依拠しつつ、その違法性を評価するという国家実行が積み重ねられていくことが重要であると考えております。サイバー空間における法の支配が一層推進されるよう、国連やG7の場を含め、同盟国、同志国とも連携して積極的に取り組んでまいります。
  29. 浅田均

    ○浅田均君 第一ラウンド最後の質問です。  今、定義なしにサイバー空間というお言葉を何回か使われたんですけど、サイバー空間、サイバースペースというものの定義を教えてください。
  30. 赤堀毅

    政府参考人(赤堀毅君) お答えいたします。  サイバースペースの定義につきましては、国際的に広く合意された概念があるとは言い難い状況ではございますけれども、例えば二〇一五年に策定された日本政府のサイバーセキュリティ戦略においては、サイバー空間について、無数のコンピューター、センサー、駆動装置が情報通信技術によりネットワーク化されることで創出されるものとされていると承知しております。
  31. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 現世に対して来世とか、天界、魔界とか、そういう概念もあるわけでありますけれど、サイバー空間というと、リアルな空間に対してバーチャルな空間という、こういう印象もあるかもしれませんけれど、政策とか制度、こういったものをつくっていく上で重要なのは、サイバー空間、完全にバーチャルなものではなくて、例えばコンピューターの機器であったりとかシステム、さらには人々の参加によって構成される空間であると、こういう考え方が重要なんだと思います。
  32. 浅田均

    ○浅田均君 ありがとうございます。  続きは第二ラウンドでやらせていただきます。
  33. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 国民民主党・新緑風会の大塚耕平です。  サイバーについては前回も私もちょっと聞かせていただいたんですが、タリンに調べに行ったことあるんですけど、タリン・マニュアルに何か定義してあったような気もしますので、また一回私も見てみますけれども、本当にこれ、これまでの法制の枠組みでは考えられないいろんな事象がありますので、浅田委員からいい問題提起があったと思いますので、私も調べてみたいと思います。  今日は、あしたから重要土地等調査法案が予定であれば本会議質疑にかかりますので、私も本会議が立てば質問に立たせていただきますので、ちょっとそのことについて質問をさせていただきたいと思います。  まず、この法案を出すに当たって、これまでにどういう調査を行ってきて、その結果として、現時点でこの法案が想定している対象事案がどのぐらいありそうかということを、現時点で答えられる範囲でお答えください。
  34. 木村聡

    政府参考人(木村聡君) お答え申し上げます。  政府といたしまして、これまで重要施設の周辺でありますとかあるいは国境離島等を対象といたしまして、重要施設等の機能を阻害するような土地等の利用の状況に関する包括的な調査は行っていないところでございます。  一方、これまでに防衛省内閣府の海洋事務局が、防衛施設の隣接地でありますとか、あるいは国境離島の領海基線の近傍の土地について所有状況調査を行っておりました。そのように承知をしているところでございます。  ただし、それらの調査は不動産登記簿等の一般に入手可能な資料による確認にとどまってございまして、実態上の所有者と登記記録上の所有者の不一致でありますとか、あるいは不動産登記簿の地目以上の利用実態までは把握できないなどの課題があったものと伺っているところでございます。  次に、本法案に基づく調査等の対象件数の想定についてお尋ねがございましたので、お答え申し上げます。  本法案の対象となります具体的な区域の指定につきましては、法施行後に、個々の重要施設の周辺でありますとか離島ごとに、法律の要件でありますとかあるいは基本方針の内容に照らして評価をさせていただきまして、土地等利用状況審議会の意見を伺った上で、法案の第三条に規定してございます必要最小限の原則を踏まえて、指定の要否あるいはその範囲等について個別に判断をさせていただくということにしてございます。このため、現時点におきまして対象となります土地等の規模感についてお答えすることは困難であるということで御理解を賜りたいと存じます。  以上でございます。
  35. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 それでは、今度は防衛省にお伺いしますが、防衛省あるいは自衛隊関係施設、それから米軍関係施設ですね、これが全国で何か所あって、この法案が想定している周辺一キロという基準があるわけですので、それら、それらというのは防衛省自衛隊関係施設、米軍関係施設で、全国にそれぞれが何か所あって、うち周辺一キロに人家がない施設はどのくらいかというのを分かる範囲でお答えください。
  36. 川嶋貴樹

    政府参考人(川嶋貴樹君) お答え申し上げます。  防衛省自衛隊関係施設の総数は、宿舎施設を除きまして約千三百ございます。なお、このほかに公務員住宅であります宿舎施設がございまして、これを入れると約二千四百ということになります。一般的に、自衛隊の施設の総数はと問われた場合には、宿舎を除きまして約千三百とお答えするのが一般的でございます。  また、一キロメートル以内に人家がない自衛隊施設の数について御質問がありました。防衛省といたしまして網羅的に掌握しておりませんけれども、例えば海上自衛隊硫黄島航空基地の周辺におきましては、硫黄島に基地関係者を除きまして居住者がいないということでございますので、施設周辺一キロメートル以内に人家がない自衛隊施設に該当するものと思われます。  なお、防衛省が平成二十五年以来実施してまいりました隣接地調査におきましては、対象が防衛施設の隣接地に限られるとともに、調査の手法も基本的に現地調査利用状況調査は行っていないと、また、不動産登記簿等で調べるわけですが、これらは一般の方でも入手可能な資料のみによりまして登記名義人の氏名及び住所等を確認しているところでございます。  したがいまして、施設周辺の人家の有無について網羅的な調査は実施しておらず、防衛省として把握してはおりません。
  37. 鈴木敦夫

    政府参考人鈴木敦夫君) 米軍関係施設の方でございますけれども、現在、在日米軍に提供している専用施設・区域の数は全国で七十七ございます。  その上で、御指摘でございますけれども、ただいま、自衛隊関係の隣接地調査と同様に、こちらにつきましても、この在日米軍施設・区域の周辺一キロメートル以内におけるその人家の有無ということについては把握していないというところでございます。
  38. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 まず、御答弁いただいたお二人にお願いしておきますが、やっぱりこういう法案が出て、これ仮に可決されれば、今のような数字はこれ把握していただかないと困るわけなので、答弁していただけるように今後御対応いただきたいと思います。  私は愛知県ですから、陸自の第一〇師団、時々私もお邪魔しますけれども、もう住宅地と塀一枚で境がありまして、展示訓練なんかやるときは、その塀の向こう側のアパートの人が展示訓練の演習をそこから見物ができるという状態でありまして、ちょっと我が国のこの防衛施設の配置状況とか環境というのは他国ではなかなか想像し難いような状況になっていますので、こういう法案を出す以上はやはり事前に、今質問させていただいたようなことについては本当は数字がそろっていた方がいいだろうなというふうに思います。  いずれにしても、もう質問の時間がありませんので、午後も続けて、午後というか、この後も続けて質問をさせていただきますので、取りあえずここまでにさせていただきます。  終わります。
  39. 井上哲士

    ○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。  昨年四月に質問した広島の被爆建物、旧陸軍被服支廠保存について質問いたします。  この建物は、被爆直後に臨時救護所になって、たくさんの被爆者をみとりました。全長四百メートルもある最大の被爆建物であります。広島県が四棟のうち三棟を保有をしているわけですが、一棟のみ保存して二棟を解体するという方針を出しまして、これに県民からも、そしてこの国会の与野党からも全棟保存するべきだという声が上がりました。県は、先日、この三棟全てを耐震化をして全棟保存の利活用を検討するということに踏み出しました。大変私も喜んでおりますけれども、これに応えて、是非国としても踏み込んだ対応をしてほしいと思うんですね。  まず、文化庁にお聞きしますが、広島県は、この建物が被爆建物としての価値とともに国指定の重要文化財級の価値があるという有識者の意見を踏まえて、国からの支援を受けるためにも、重要文化財の指定に向けた調査を実施することについて文化庁に説明して了解を得たと説明をしております。  この建物の建築史的な価値や歴史的意義について文化庁としてどういう認識をされているのか、それから、これまで県にどのような助言をして、今後広島県がどう取り組むのか、お答えください。
  40. 榎本剛

    政府参考人(榎本剛君) 旧広島陸軍被服支廠の建物は、記録によれば大正二年の建築であり、現存最古級のコンクリート造りの建物として一定の建築史的な価値があると考えられます。また、爆風により鉄の扉がねじ曲がるなど被爆の実相を伝えるとともに、原爆により被爆した際に被災者の救済拠点となった施設でもあり、これらを踏まえた歴史的な意義もあるのではないかと考えられます。  また、これまで文化庁は、広島県から被服支廠の文化財としての保存方法や安全対策について相談を承っており、専門的な助言や現地保存協力を行ってまいりました。今後は、広島県は被服支廠の重要文化財指定を目指して調査を行う予定と伺っております。文化庁としては、保存、活用についてどのような議論になるのか、全体を見守りながら、必要に応じて専門的な助言を行ってまいりたいと考えております。
  41. 井上哲士

    ○井上哲士君 是非、積極的な助言、支援をお願いしたいと思うんですが、残っている四棟のうち、一棟は財務省の所有です。広島県から全棟保存の利活用の検討に当たって財務省にはどういう連絡があったのか、そして、当然、財務省所有の一棟も保存、利活用をすることになると思いますが、耐震強度等の調査など保存にどう取り組んでいくのか、財務省、いかがでしょうか。
  42. 井口裕之

    政府参考人(井口裕之君) お答えいたします。  今御質問ございました旧広島陸軍被服支廠につきましては、今ありましたように、今後県において重要文化財の指定に向けた調査とともに利活用の検討を行うものと承知しております。  こうした中、広島県からは、国、県、広島市で構成しております旧陸軍被服支廠保存・継承にかかる研究会、この場におきまして四棟全体での保存、利活用の検討を行っていきたい旨の意見が示されたところでございます。  国所有の一棟の保存、利活用の取扱いにつきましても、この研究会での議論等を踏まえまして、また、県と同様に、建物の現状を把握しつつ、関係省庁とも連絡を取りながら対応してまいりたいと考えております。
  43. 井上哲士

    ○井上哲士君 是非前向きな対応をしていただきたいんですが、唯一の被爆国政府としてこの全棟保存に取り組むことは国際的責務だと昨年私質問いたしました。茂木外務大臣からは、この被服支廠が世代や国境を超えて被爆の実相を伝えていける建物の一つと述べて、広島県が残したいということであれば、国としてもできることはすべきだという前向きな答弁がございました。  広島県の新たな意向を踏まえて、国として、被爆国の責務を果たすために全棟保存にできることはやると、改めて所見をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  44. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 歴史をおろそかにする文明は滅びると、私はそのように思っております。  広島県の意向も踏まえて、国としてできる限りのことをすべきだと、そのように考えております。
  45. 井上哲士

    ○井上哲士君 本当にできる限りのことをやっていただいて、本当に、県民世論と国会の与野党の要望の中でこういう動きになったわけでありますから、改めて強く求めたいと思います。被爆の実相を残して世界に伝えるという責務が被爆国日本にあるわけでありますから、強く求めておきます。  最後、ミャンマー問題についてお聞きします。  先日、超党派のミャンマーの民主化を支援する議員連盟として、民主派が設立したミャンマー国民統一政府とのオンライン会議を実施をいたしました。国民統一政府からは、デュワラシラー副大統領やマーンウィンカインタン首相が参加をされました。  共同声明も確認をして、国軍の暴力の即時停止や拘束されている民主体制幹部らの解放、民主体制の復帰や国軍を利する日本の経済援助の中止などを求めたわけでありますが、その中で、一点だけお聞きしておきたいんですが、会議の中で出されたのが、クーデターによって多くの人々、特に少数民族が周辺国も含めて避難をしていて、緊急の支援が必要だという要望です。  OCHAによりますと十二万人の避難民があるということでありますが、先日、政府は四百万ドルの緊急無償協力実施することも決めておりますけど、さらに周辺部など支援が必要だと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
  46. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 先日、WFPを通じましてヤンゴン地区の貧困層を対象に四百万ドルの食糧支援実施を決定いたしましたのは、二月のあのクーデター後、ミャンマーにおける食糧事情の悪化、これが進む中で、とりわけヤンゴンの貧困層に対する支援、人口も多いわけでありまして、人道上のニーズ及び緊急性が高いとのWFP側の要請を踏まえたものであります。  もちろん、ミャンマーにおける食糧事情の悪化、これはヤンゴンに限った話でありませんで、それ以外の地域においても現地事情と人道上の必要性、緊急性を踏まえてどのような支援ができるか、実際に物を持っていったりとか、国際機関とも連携をしながら、現地のニーズにできるだけきめ細かに応えていきたいと思っております。
  47. 井上哲士

    ○井上哲士君 国民統一政府は五月三十一日に声明を出しておりまして、紛争や貧困で元々脆弱だった住民の状況が暴力の激化で更に悪化しているということで、水、食料、避難所、医療、新型コロナ対策などの援助を緊急に必要としているとこの緊急声明で訴えております。是非こういう訴えに応えて、日本としての人道支援を強化していただきたいと。  以上で終わります。
  48. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 ハイサイ、沖縄の風の伊波洋一です。  昨日午後十一時頃、沖縄県うるま市の津堅島の民家近くの農地に普天間基地所属の米軍ヘリの不時着事故が起きました。今朝通告をしたわけでございますが、状況を説明してください。
  49. 岸信夫

    国務大臣岸信夫君) 本件につきましては、昨日二十三時頃、米海兵隊普天間飛行場所属の米軍ヘリコプターUH1の一機が、飛行中に警告ランプが点灯したため、沖縄県うるま市津堅島の畑に着陸したものであります。現在詳細を確認中ですが、人的被害の情報はないものと承知をしております。  こうした事案の発生につきましては、地域の皆様に不安を与えるものでありまして、防衛省としては、米側に対し、徹底的な整備、点検の実施及び安全管理の徹底等について申し入れたところであります。また、関係自治体、沖縄県うるま市及び宜野湾市にも速やかに情報提供を行っています。  防衛省としては、米軍の運用に関して、安全の確保が大前提と考えております。引き続き、米軍に対し、安全確保に万全を期すように厳に求めてまいります。
  50. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 米軍は、うるま市や漁民及び住民の反対の中、この津堅島の周辺海域でパラシュート降下訓練を今年だけでもう過去最高ペースの七回実施しています。そのような中の今回の不時着事故です。  ほかにも幾つもありますけれども、岸防衛大臣、二度と不時着事故が起きないよう強く申し入れるべきと思います。いかがでしょうか。
  51. 岸信夫

    国務大臣岸信夫君) 防衛省として、米軍の運用に際しまして安全の確保が大前提ということを踏まえまして、引き続き、米軍に対しまして、安全確保をしっかり万全を期すように厳に申入れをしてまいりたいと思います。
  52. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 やはり、事故があったときに直ちに申し入れていく、そしてそのことをしっかりまた住民にも理解を求める、伝えていくということが大事だと思いますので、よろしくお願いいたします。  今日は、米軍空軍の機敏な戦力展開構想、アジャイル・コンバット・エンプロイメントという、ACE構想について伺います。と申しますのも、我が国の在日米軍基地、とりわけ空軍基地でもいろいろなことが起きております。そのことをやはり知ることが大変大事だと思います。  米空軍ACE構想について、防衛省はどのようなものと認識していますか。
  53. 岡真臣

    政府参考人(岡真臣君) お答え申し上げます。  米空軍は、厳しい戦闘環境の下におきまして迅速に戦闘機等を運用するための取組を進めております。ただいま御質問のございましたアジャイル・コンバット・エンプロイメントという構想、これは米空軍が検討している作戦コンセプトの一つであるというふうに承知をいたしております。  このコンセプトにつきましては、迅速な戦闘力の展開を目指すものであり、基地運用機能、これを設置し維持を行う能力を持った航空要員から成る小規模のチームによって、部隊が厳しい環境へ展開することを可能にするということを考えた、そういう構想であるというふうに承知をいたしております。
  54. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 私も沖縄に住んでおりますので、嘉手納基地などの場合は、滑走路損壊訓練とか、いわゆる嘉手納基地が攻撃されたものをいかに修復するかとかという訓練は日常的に行われています。それから、部隊の避難の話も当然あるわけであります。  米空軍の従来の航空派遣部隊の概念は、大規模な空軍基地に集中的な軍事力を前方展開するというものでした。しかし、これまで本委員会でも論じたように、米軍戦略における有事想定では、中国による攻撃の第一段階で、大規模集中した旧来の空軍基地は深刻な被害を受けることが予想されています。  そのため、二〇一七年以降提唱されているACEでは、中国の先制攻撃の兆候を察知した場合、着のみ着のまま逃げるのではなくて、在日米軍基地、在日の米軍基地にある最新戦闘機や補給、整備などの支援ユニットがセットになった小規模の部隊編成で第一列島線から撤退し、中国のミサイルの射程など脅威圏外のより遠い地域、十から十五か所の島々の未整備な急展開基地に分散避難することが予定されています。戦闘の第二段階で、避難先の第二列島線上の島々を拠点として再武装と燃料補給等を行い、反撃に備える、というのがシナリオです。  米国防総省高官は、ディフェンス・ニュースなどにおいて、戦力を分散配備することで、中国がどこを優先して攻撃すべきか判断することを困難にすることが狙いだと説明しています。  二〇二〇年四月以降、米空軍B52、B1B、B2Aなどの戦略爆撃機をグアムから撤収しました。米軍は二〇〇四年以降、グアムに戦略爆撃機を常駐させていましたが、グアムは中国のミサイルの射程圏内にあり、有事の際は標的になると、脆弱性が指摘されました。  防衛省はこのようなことを政府として認識していますか。ACE構想とはどのような関係でしょうか。
  55. 岡真臣

    政府参考人(岡真臣君) お答え申し上げます。  ただいま米軍の、米空軍の戦略爆撃機の運用に関する御質問でございますけれども、その背景にございますのは、二〇一八年一月に発表されたアメリカの国家防衛戦略でございます。この中で、戦略的には予見可能であるが、運用上は予見不可能であるということが非常に重要であるという考え方が出されております。まさに大国間の戦略的な競争にいかに戦っていくかという中で、まさに戦略的には予見可能であるが、運用上は予見不可能ということの必要性を訴えております。  その手法の一つとして、これは米軍の考え方でございますけれども、ダイナミック・フォース・エンプロイメント、動的な戦力運用というような形で直訳すればなろうかと思いますが、そういった考えを導入する考えを表明しております。  この考え方の下で、戦略爆撃機の運用について、これは御指摘のアジャイル・コンバット・エンプロイメントの関係というのは、これは一概に申し上げるのは困難かと思っておりますけれども、グアムへ継続的に展開をするという体制ではなくて、アメリカの本土を恒常的な拠点としつつも、必要に応じて幅広い範囲の米国外の拠点から、より一層の運用上の抗堪性を確保した上でインド太平洋地域に前方展開する、そういうアプローチに変更になったものというふうに承知をいたしております。
  56. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 日本政府として、今、ただいまのACE構想に対応した在日米空軍の訓練を把握していますか。
  57. 鈴木敦夫

    政府参考人鈴木敦夫君) 在日米軍は、これまで幾つかの訓練につきまして、御指摘のACE訓練である旨明らかにしているというふうに承知してございます。  一例として申し上げれば、米側は、昨年二月十三日の横田飛行場における訓練、昨年二月二十一日の普天間飛行場における訓練、本年五月三日の嘉手納飛行場における訓練につきまして、ACE訓練として航空機への燃料補給等に係る訓練を行った旨公表していると、このように承知してございます。
  58. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 今報告ありましたように、今、在日米軍大きく変わろうとしているんですね。そういう意味で、是非、今日後半の質疑でもまたしますけれども、そのことを踏まえた上で我が国の安全保障体制考えていかなきゃいけないだろうということを指摘して、終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  59. 長峯誠

    委員長長峯誠君) 本日の調査はこの程度にとどめます。     ─────────────
  60. 長峯誠

    委員長長峯誠君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  原子力の平和的利用における協力のための日本政府とグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国政府との間の協定を改正する議定書締結について承認を求めるの件外二件の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官三貝哲君外二十二名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  61. 長峯誠

    委員長長峯誠君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  62. 長峯誠

    委員長長峯誠君) 原子力の平和的利用における協力のための日本政府とグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国政府との間の協定を改正する議定書締結について承認を求めるの件、大西洋のまぐろ類保存のための国際条約を改正する議定書締結について承認を求めるの件及び国際航路標識機関条約締結について承認を求めるの件、以上三件を一括して議題といたします。  三件の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  63. 小西洋之

    小西洋之君 立憲民主社民小西でございます。  まず、日英原子力協定から伺わさせていただきます。  これまで、イギリスにおける民生用原子力施設の保障措置の実施はユートラムが実施していたわけでございますけれども、EUの脱退後はイギリスの原子力規制室が行うというふうに承知しております。  この保障措置の担保というのは極めて重要だと考えますけれども、今後イギリスはどのような実施体制を講じるというふうに先方から確認しているのか、政府参考人答弁をお願いします。
  64. 本清耕造

    政府参考人(本清耕造君) お答え申し上げます。  英国で新たに整備された国内法に基づく英国原子力規制機関による保障措置につきましては、英国からは、ユーラトムによる保障措置と効果及び適用範囲において同等のものとなる旨の説明を受けているところでございます。
  65. 小西洋之

    小西洋之君 しっかり確認をお願いいたします。  では、次、国際航路標識機関条約について質問をさせていただきます。  これは、機関の方に格上げを、IALA、協会からするわけなんですが、二〇一〇年にフランスが提唱してから約十年を経過しているところでございます。今般、この条約に至るまで、反対した国もあったといいますが、どのような議論がなされたのか、政府参考人からお願いします。
  66. 小野啓一

    政府参考人(小野啓一君) お答えいたします。  二〇一〇年にフランスが国際航路標識協会、IALAの国際機関化を提案した後に進められた条約交渉におきましては、国際機関化の必要性、準加盟国及び賛助加盟員の位置付け、機関の諸組織の任務の整理、分担金の定め方、公用言語、こういった点について争点として議論をされたと承知しております。
  67. 小西洋之

    小西洋之君 他の議案の質問は同僚議員に委ねまして、内閣官房の重要土地等調査法案について質問をさせていただきます。  先日の質疑で、防衛大臣より、電波妨害、電波妨害が機能阻害行為として具体的に考えられるというふうに答弁されたわけでございますけれども、周囲一キロの全不動産の所有者利用状況をこの電波妨害を防ぐために調査することがなぜ必要不可欠であり、かつ手段として合理性があるのか、すなわち立法事実そのものですけれども、それについて防衛省の説明をお願いします。
  68. 川嶋貴樹

    政府参考人(川嶋貴樹君) お答え申し上げます。  先般の答弁につきましては、本法案におきます機能阻害につきまして、安全保障をめぐる内外情勢や施設の特性等に応じて様々な態様が想定されるため、一概にお示しすることは困難ではあるものの、想定される例として挙げさせていただいたものでございます。  防衛省といたしましては、一般論として、防衛施設周辺におきます土地の所有及び利用の状況によっては自衛隊施設や米軍施設の円滑な運用等に支障が生じ得るものと考えておりまして、そのような観点からも、一たび土地を取得され、拠点化された場合、継続的かつ長期的な機能阻害行為を実施される可能性があることから、重要施設周辺土地等の利用規制を行うこととしている本法案は適切なものであると考えてございます。
  69. 小西洋之

    小西洋之君 いや、前回、電波妨害が機能阻害行為として想定したと大臣答弁しているじゃないですか。具体的な立法事実もないのに国民に罰則を科すような規制立法なんか憲法上できるわけないじゃないですか。答えてください、ちゃんと通告しているんですから。  その電波妨害を防ぐのになぜ一キロ四方の全不動産を調査することが必要で、必要不可欠で、かつ手段として合理的なのか、それを説明してください。
  70. 川嶋貴樹

    政府参考人(川嶋貴樹君) 防衛省のレーダーなり通信なりに電波妨害、通信妨害を掛けられるということが施設機能の阻害として想定されるということでありましたものですから、大臣の方から御説明をさせていただいたものでございます。
  71. 小西洋之

    小西洋之君 じゃ、二つ目の問いですけれども、じゃ、一キロ以上の外から電波妨害というのは可能なんですか。
  72. 川嶋貴樹

    政府参考人(川嶋貴樹君) 電波妨害として可能かと言われれば、それは、その電波妨害のいわゆる出力によりますものですから、一概に中、外と断定することはできないのでありますけれども、一般的には、電波妨害のエネルギーというのは距離の自乗に比例して減衰する、あるいは距離の自乗に反比例すると一般的には言われておりますので、同じ出力の機材をもって電波妨害を掛けるということでありますれば、より近い方がより強力な電波妨害を掛けられると考えてございます。
  73. 小西洋之

    小西洋之君 だから一キロに意味はないわけじゃないですか。  じゃ、その一キロの四方の全不動産を調査するのではなくて、電波妨害をしっかり防衛省自衛隊が私、パトロールすれば、今もやっているはずなんですけれども、その電波パトロールなどでは対処できないその理由を答弁してください。
  74. 川嶋貴樹

    政府参考人(川嶋貴樹君) 一般に、電波パトロールと今先生おっしゃいましたけれども、電波パトロールというのは、電波を主管しております総務省といいますか、主管省庁がその権限に基づきまして違法な電波、あるいは混信源となっている電波の源等を追求する行為であると承知しておりまして、防衛省自身にそのような主務官庁としての権限というものはございません。
  75. 小西洋之

    小西洋之君 主務官庁のとき私も総務省にいましたから。  じゃ、総務省として、いわゆる電波パトロール的なその行為、電波の妨害行為を探知するのは、そういう取組はやっていないということですか。
  76. 川嶋貴樹

    政府参考人(川嶋貴樹君) 失礼いたしました。  防衛省として、電波妨害があった場合における、どのような対処をしているのかということについては、これは態様に係ることでございますので御答弁を差し控えさせていただきたいのですが、他方で、一例といたしましては、電波妨害を掛けられたときに、緊急避難的に周波数を変えるというような対応をすることがあろうかと存じます。
  77. 小西洋之

    小西洋之君 私、この法案の問題は、これも再三申し上げているんですが、自衛隊国民との間の関係を変えてしまうと思うんですね。  防衛省に聞きますが、この法律で、法案で想定しているような、自衛隊が市民の各家まで行って、その現地調査、どういう生活をしているか、現況調査、所有者は誰か、そんなことを組織的に自衛隊が任務として業務としてこれまでやってきたことはありますか。
  78. 川嶋貴樹

    政府参考人(川嶋貴樹君) 本法案に基づきますと、現地、様々の調査というのが予定されておるわけですが、そのうち現地・現況調査につきましては、本件を主管する内閣官房、法案ができた後には内閣府になるんですが、内閣府に地方の出先がないということで、その重要施設を保有する官庁、その地方支分部局に助力の依頼があることがあると、恐らくあるんであろうと考えてございます。
  79. 小西洋之

    小西洋之君 全然答えていない。  ほかに、この法律でやられるような、自衛隊が各家々に行って現地・現況調査、どんな生活しているか、そんなことを自衛隊が任務でこれまで一度でもやったことがありますかと聞いているんです、組織的な任務として。
  80. 川嶋貴樹

    政府参考人(川嶋貴樹君) そういうことはやっていないものと考えてございます。
  81. 小西洋之

    小西洋之君 いや、本当に、自衛隊国民関係を根本から変えてしまう、そういうすさまじい、恐ろしい法案だというふうに考えるところでございます。  じゃ、もう一度、川嶋さんに聞きますけど、いいですか、防衛省。  防衛省は、これ罰則が付くような調査あるいは土地の取引の規制立法なんですが、この法律がなければ基地阻害行為を排除できない、その必要不可欠性ですね。かつ、それをするために一キロ四方の全不動産を自衛隊も参加して政府調査して、網羅的に、それで土地の規制を掛けると、そういう手段が合理的である、そういう立法事実ですね、それをやらなければ自衛隊の施設が守れない。我々立憲民主党も自衛隊の施設を危害行為から守るのは絶対必要だと思っていますよ。ただ、そのためにこんなやり方をすることが本当に必要なのか、かつ、何よりも合理性があるのか。そして、市民のプライバシーですとか、先ほども申し上げている自衛隊の信頼とか、ほかに守らなきゃいけない大事なもの、これは憲法価値も含まれますよ。そういうものの関係で合理性があるのか、そうしたことを聞いているんですが、どういう立法事実でこれが必要だというふうに考えているんですか。  よく、防衛省一貫して、これは意義がありますと言っているんですけど、意義があるなんというのは規制立法で立法事実にはならないんですよ。これは最高裁の判決で確立していますけど、風が吹けばおけ屋がもうかるみたいな、そんな話は駄目で、具体的な根拠がちゃんと必要なんですよ。  どういう立法事実で防衛省としてこういう調査が必要だというふうに考えているんでしょうか。
  82. 川嶋貴樹

    政府参考人(川嶋貴樹君) 先生御承知のとおり、私どもは平成二十五年以来、隣接地調査というのをやってまいりました。この隣接地調査におきましては、一つは隣接地に限られているということもございますし、また、土地の登記簿あるいは商業登記簿といった誰でもアクセスできる資料のみによって調査をしてございます。現地調査あるいは利用状況調査には踏み込んでございません。したがいまして、所得状況調査としてはともかくとして、利用状況も含めてトータルな調査としては非常に不十分なものであったんだろうというふうに考えてございます。  他方で、本法案は様々な権限を持って調査を行うことができるというふうな、もちろんそれは一元的に内閣府の方でおやりになるんですけれども、そういう点で防衛省としては高く期待をしているというところでございます。
  83. 小西洋之

    小西洋之君 じゃ、その今おっしゃった六百五十の、自衛隊や米軍関係施設の六百五十のその隣接地調査で、現況調査によって、現地調査によって阻害行為が疑われるような事案ってあったんですか。なかったというふうに答弁されていますけど、あったんですか。
  84. 川嶋貴樹

    政府参考人(川嶋貴樹君) 先生おっしゃいますとおり、平成二十五年以来、六百五十の施設につきましていわゆる隣接地調査をやってまいりました。おおむね六万筆、八万人の所有者でございます。このうち、住所それから名前から想定して外国人の方が七筆所有されておられるという事実はつかんでございますが、これらのその防衛省が調べたところから防衛省に害があったかというような確認はできてございません。
  85. 小西洋之

    小西洋之君 だから、その立法事実はないわけです。もちろん、今ですね、そういう阻害行為の兆候がなくても将来あり得るというんだったら、それは備えは必要ですよ。ただ、その備えにこんな一キロ四方の全不動産を調べてデータベース化するようなことが必要かということです。  防衛省、通告してますが、問いの五番ですけれども、注視区域で四百数十か所、特別注視区域で百数十か所が想定され得るというふうにしていますけれども、そうすると、この両区域内で調査の対象となる不動産は何件になりますか、防衛省
  86. 川嶋貴樹

    政府参考人(川嶋貴樹君) 先生御指摘のとおり、四百数十か所及び百十か所についてお話をしてございますけれども、個別具体的な区域指定につきましては、法律成立後に土地等利用状況審議会の審議を踏まえて決定されるものでありまして、現段階においては対象区域は決まっていないと。また、対象区域は単に防衛施設を中心に一キロの円を描いてそれで終わりというものではなくて、もっと具体的に地域を決定されるものと承知しておりますので、それが決まっていない以上、なかなかお答えすることは難しいということでございます。
  87. 小西洋之

    小西洋之君 私の地元の千葉ですと、基地、駐屯地、もう本当、市街地の中にたくさんありますから、もう恐らくオールジャパンだったら何十万規模、何百万ですか、なると思うんですが。  よろしいです、防衛省、じゃ、伺いますが、その各市民の家の自宅等の不動産の調査、現況調査なんですが、これ自衛隊の部隊が行うんですか。誰が行うんですか、自衛隊の、答えてください。
  88. 川嶋貴樹

    政府参考人(川嶋貴樹君) この法案が成立いたしまして、それでその調査が行われると、現地・現況調査が行われると、それを一元的に所掌しておられるのが内閣官房改め内閣府ということになるんですが、そこから依頼があるということは十分想定されておりまして、その場合におきましては、防衛省から防衛省の地方支分部局である地方防衛局というものがございまして、そこが中心になるんであろうと考えておりますけれども、まだその御依頼を受けて立つ体制について最終的に決定をしているというものではございません。
  89. 小西洋之

    小西洋之君 じゃ、基地、駐屯地にいる自衛隊の部隊、いわゆる現場自衛官は行うことはないということでよろしいですか。今の答弁は、地方防衛局のいわゆる背広組がやるということですか。はっきり答えてください。
  90. 川嶋貴樹

    政府参考人(川嶋貴樹君) 繰り返しになりますが、依頼があった場合には、防衛省の地方支分部局でございます地方防衛局が中心になろうと考えておりますが、まだ受けて立つ、御依頼を受けて立つ防衛省の体制というものが決まっているというわけではございません。
  91. 小西洋之

    小西洋之君 じゃ、部隊に所属する現場自衛官調査要員として排除されてないかどうかだけを明確に答えてください。排除されているんですか。
  92. 川嶋貴樹

    政府参考人(川嶋貴樹君) 繰り返しになって恐縮でございますけれども、現在、現段階におきましては、その内閣官房改め内閣府からの依頼をどういう体制で防衛省として承るかということについて決定しているわけではございません。
  93. 小西洋之

    小西洋之君 そんなのめちゃくちゃじゃないですか、そんなもの。どういう体制で何調査、何をどういう体制で調査するか、国会に出す前にちゃんと政府内で確認、協議もできてないものを、そんなものを国会審議求めること自体がおかしいじゃないですか。  不動産登記簿なんかを見ただけで、そこの所有者が誰であるのか、どういう人なのか、かつそこでどういう利用状況があるのか、そんなこと分かるわけないわけですよ。行くしかないんですよ。行くのを自衛隊がやるんであれば、これは自衛隊国民の間の関係を変えてしまうとんでもない法案だと思いますので、廃案を求めたいと思います。  終わります。
  94. 白眞勲

    ○白眞勲君 立憲・社民の白眞勲でございます。  大西洋まぐろ類保存条約改正議定書についてまずお伺いします。  今回の大西洋の地域漁業管理機関には台湾の参加規定が新設されておりますけれども、これ、ちょっとお聞きしたいんで、インド洋はどういう状況になっているんでしょうかね。インド洋まぐろ類委員会、IOTCへの台湾の参加を可能とするための議論が二〇〇六年から行われているとは承知しているんですけど、その後、状況についてお話しいただきたいと思います。
  95. 四方敬之

    政府参考人(四方敬之君) お答え申し上げます。  現状、インド洋まぐろ類委員会、IOTCと申しますけれども、の設置に関する協定においては、大西洋まぐろ類保存国際委員会、今回のICCATのような漁業主体に関する規定は設けられておりませんで、台湾はオブザーバーとして委員会への参加が認められているのみでございます。資源管理に関する意思決定にこのIOTCにおいては参加できておりません。他方で、御指摘のとおり、IOTCについても台湾の参加の必要性が指摘されておりまして、協定の締約国の間で台湾のIOTCへの実効的な形での参加の在り方について議論が行われているところでございます。  我が国といたしましても、協定区域における資源管理を促進する観点から、台湾がIOTCに参加することが望ましいと考えておりまして、台湾が実効的な形でIOTCに参加できるよう、引き続き働きかけを行ってまいりたいと考えております。
  96. 白眞勲

    ○白眞勲君 是非働きかけ強めていただきたいと思います。これは二〇〇六年からだと思っていますので、そうすると、十五年たってもまだこの結論が出ていないということですので、是非お願いしたいなと思います。  茂木大臣にちょっとお聞きします。  今朝のニュースで、総理がオンラインで開かれたワクチンサミット、先ほども同僚の羽田次郎先生からもこれに関して、詳細な説明が今大臣からありましたけれども、途上国に新たに八億ドルの資金拠出したとのこと。これは、私も予算委員会において、東日本大震災においては多くの国が日本に支援の手を差し伸べてくれたことの感謝の意味を込めて、できる限りのお手伝いをするべきだと申し上げましたので、これは素直に私は評価したいと思っております。  そこで、お聞きしますけれども、台湾への供給も茂木大臣は検討していきたいとの報道がありましたけれども、その検討状況についてお話しいただきたいと思います。
  97. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 我が国としては、それから今国際社会全体でもそうだと思いますが、新型コロナの収束のためにはあらゆる国・地域において安全で効果的なワクチンへの公平なアクセスが確保されることが重要であります。世界中の全ての人々が安全にならなければ誰一人安全ではない、ノー・ワン・イズ・セーフ・アンティル・エブリワン・イズ・セーフ、これが一つのキーワードになっていると、こんなふうに考えております。  昨日、日本がGaviと共催しましたCOVAXワクチンサミットでは、菅総理出席をしまして、私が司会進行を行ったわけでありますが、菅総理から新型コロナとの闘いにおける国際社会の更なる連帯とコミットメントを呼びかけまして、日本としても、COVAX、これまで二億ドル拠出をしてきておりますが、新たに八億ドル拠出をする、こういう予定である、このことを表明いたしました。  昨日のワクチンサミットの結果として、対象となる途上国の人口の三〇%分、十八億回分、これを供給するのに必要な資金というのが、今年で八十三億ドルだったと。これが四月の中旬の時点では十七億ドル資金ギャップがあって、埋まってきたんですけれども、おかげさまで昨日のワクチンサミットにおきまして目標の八十三億ドルを大きく超える額を確保できたわけであります。  こういった資金協力と併せて現物供与、実際にワクチンを現物で供給していく、このことも同時に進めていく必要があると、こういったことでも共通認識ができ上がっているのではないかなと考えておりまして、総理も、昨日、我が国としても、環境が整えばしかるべき時期に日本国内で製造するワクチンを三千万回分をめどとして、COVAXファシリティー等を通じて各国・地域に供給していく考えも示したところであります。  COVAXファシリティー等といいますのは、場合によっては二国間での、二国間とか地域の間での供与というのもあり得ると考えておりまして、台湾、十年前の東日本大震災の際も台湾の方々がいち早く義援金を送ってくれたと。こういう、困ったときにはお互いに助け合う、こういったことは必要だと思っております。  今後、国内接種対象者の数量を上回る分のワクチンを現在不足している国や地域に供給する方策、これについて各方面と調整を進めているところであります。
  98. 白眞勲

    ○白眞勲君 この件につきましては、台湾に供与というかな、ワクチンをお渡しすることについて中国が反発しているとの報道もあるんですけれども、中国に対しては、日本政府は去年、邦人救出のために武漢に送った飛行機にありったけの救援物資を送ったり、そのほかにも、過去に中国が、例えば地震が起きた際にも血液透析の器材や浄水器、医薬品、テントなども送っているわけでして、今大臣もおっしゃったように、これはお互いさま、人道上のことであって、もちろん、お隣の国が困っているときには当然、助け合うのは当たり前だと私思っております。もちろん、全く政治とは無関係などということは私も申し上げるつもりはありませんけれども、しっかりと早く協力していくことが必要であるというふうに思っているんですけれども。  ちなみに、これ、台湾には、今調整中ということですけど、何か報道では六月中という話もあるんですが、大体いつ頃を目途に大体やっていきたいというふうに茂木大臣としては考えていらっしゃるんでしょうか。
  99. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 恐らく、台湾国内におきましては、七月以降は国内での生産体制というの、またかなり整ってくると考えておりまして、当面の緊急のニーズというのが台湾にあると、このような認識でおります。
  100. 白眞勲

    ○白眞勲君 そうすると、大体、具体的には六月中にはやっていきたいということでございますか。
  101. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 今申し上げたことを念頭に調整を進めております。
  102. 白眞勲

    ○白眞勲君 次に、戦没者の遺骨の件についてお聞きしたいと思います。  まず、沖縄の辺野古の埋立てに沖縄本島南部地域の土砂を使う件についてお聞きいたしますけれども、この地域は沖縄戦でも最大の激戦地であったわけで、もちろん日本人の御遺骨も依然として今収集されているわけですが、アメリカ兵の御遺骨もあるのではないかと言われています。  そこで、外務省にお聞きしますけれども、実際に沖縄本土の戦いでいまだに行方の分からないアメリカ兵がどれぐらいいらっしゃるのか、また、そのうち南部地域にあるのではと言われているアメリカ兵の御遺骨はどれぐらいあるのか、御答弁願いたいと思います。
  103. 市川恵一

    政府参考人(市川恵一君) お答え申し上げます。  米陸軍戦史センターが編さんいたしました資料によりますと、沖縄戦における米軍の死者及び行方不明者は一万二千五百二十人だと承知しております。  今委員がもう一つ御質問されました南部地区に限定した米軍の死者及び行方不明者でございますが、これにつきましては残念ながら承知しておりません。
  104. 白眞勲

    ○白眞勲君 これ実際、遺骨の収集の過程で、アメリカの兵隊さん、大分日本の兵隊さんとは骨格が違うということですから、そういう遺骨がやっぱり分かるみたいですね、もちろん大きな場合ですけれども。その場合、どういうことになっているんでしょう、アメリカ側には連絡することになっているんでしょうか。
  105. 岩井勝弘

    政府参考人(岩井勝弘君) お答え申し上げます。  政府は、さきの大戦における我が国の戦没者の遺骨収集事業を実施しておりますが、その過程で二柱の米軍人の御遺骨を収容しており、これらの御遺骨については米国側に情報を提供しております。具体的には、平成二十六年に沖縄県浦添市において米国通貨とともに二柱の御遺骨が発見され、沖縄県が収容し、鑑定機関の鑑定により米国人である可能性が高いとの結果が示されたことから、平成二十八年に米国側に連絡し、同年に米国側にお渡ししております。
  106. 白眞勲

    ○白眞勲君 これ防衛大臣にお聞きしますけれど、今の話を聞きますと、沖縄県南部地域にも相当な御遺骨がある可能性があるということは私は否定できないと思うんですけれども。  もう一回ちょっと、もう一回外務省に聞きますけど、それ、じゃ、今の御遺骨の中に、南部地域にもあるということは否定できないということは御答弁願えますか、どうですか。
  107. 市川恵一

    政府参考人(市川恵一君) あくまで、確たることは申し上げられませんが、沖縄戦のことを踏まえればその可能性というのは否定はできないとは思います。
  108. 白眞勲

    ○白眞勲君 ということなんですね、岸防衛大臣。  そうすると、この沖縄南部地域の遺骨の入った土砂の埋立てに、これアメリカの、まあもちろん日本の兵隊さんの御遺骨も入っているんですけれども、アメリカ兵の御遺骨もある可能性があるということを踏まえて、どのように今御所見、お考えでしょうか、お聞かせください。
  109. 岸信夫

    国務大臣岸信夫君) 沖縄県では太平洋戦争末期において県民を巻き込んだ凄惨な地上戦が行われました。日米合わせて二十万人もの命が、尊い命が失われました。特に本島南部一帯では多くの方々が犠牲になったものと認識をしていまして、その中にも米軍の方もいらっしゃるということであります、可能性としてですね。  我々として、その沖縄の人々の筆舌に尽くし難い困難と癒えることのない深い悲しみ、これらを胸に刻みながら、戦争の惨禍を二度と繰り返してはならない、このように考えておるところでございます。  南部の土砂の調達につきましては、変更承認後の埋立てに使用する土砂の調達先は工事の実施段階で決まるものでございますので、南部地域から調達するかも含めて、現地点では決まっているものではございません。
  110. 白眞勲

    ○白眞勲君 やっぱり、日本人の御遺骨のみならず、アメリカの兵隊さんの御遺骨も、今日はっきりと可能性としては否定できないということが分かったわけなんですね。  そういう中で、私聞きたいのは、南部地域の遺骨の入った土砂の埋立てについては、これアメリカ側には連絡しているんでしょうか。防衛大臣お答えください。
  111. 土本英樹

    政府参考人(土本英樹君) まず、今委員の方から御質問ございましたアメリカ側への連絡しているのかという観点でございますが、先ほど大臣から御答弁申し上げましたように、土砂の調達先は工事の実施段階で決まるものでございまして、県内、県外のどちらから調達するかも含めて現時点では確定しておらず、米側との間で具体的に議論を行っているものではないというところでございます。
  112. 白眞勲

    ○白眞勲君 だけど、その可能性としては否定できないのであるならば、これはアメリカ側にもある程度やっぱり連絡する必要性があるんじゃないでしょうか。防衛大臣、どうでしょうか、お答えください。防衛大臣お答えいただきたいと思います。
  113. 岸信夫

    国務大臣岸信夫君) 先ほども申しましたけれども、その土砂の調達先については現時点では何も確定しているものではございません。  普天間飛行場代替施設建設事業の実施に関する状況については、適時適切に米側とやり取りを行ってきております。引き続き必要な連携を進めてまいりたいと考えます。
  114. 白眞勲

    ○白眞勲君 いや、お答えになっていません。  必要な連携は当然取っているわけなんですよね。だから、やっぱりそういった面で、アメリカの兵隊さんの御遺骨もあるような土砂をやっぱり、まあ可能性としてです、これもね、そういう書類が出ているわけですから、そういう報告書がね、報告書というか、そういう予定もあるわけですから、決まっていないんだけれども。だけれども、それについてはしっかりとやはりアメリカ側とも連携をしていくということでよろしゅうございますね。
  115. 岸信夫

    国務大臣岸信夫君) 普天間飛行場の進展に応じて米側とは適切な情報交換を行ってまいります。
  116. 白眞勲

    ○白眞勲君 あわせて、これも私も気になっているのは、この前テレビ見ていたら、船ね、船、沈んでいる船のテレビなんですよ、きれいな魚がいっぱいいるよというテレビなんですけれども、特に、沈められた船は魚礁に、魚礁というのかな、魚礁になっていて、非常にダイバーのダイビングスポットというんでしょうか、なっているということで、それはそれでそうなんでしょうけれども、やはり戦争中に相当な数の沈没した船があって、そこにやっぱり、中にはくず鉄として引き揚げて商売している人もいるというふうにも聞いているんですけれども。  これ、副大臣にお聞きしますけど、もちろん沈んでいる船自体に、これ特に戦争中に沈んだ船、あっ、副大臣じゃない、政務官です、失礼しました、に御遺骨がある場合、海自体が安眠の場所としてそのままにしているというのは何度も答弁されているんですが、やはりこれ引き揚げられるところ、あるいはダイバーがやっぱり見れるところについては積極的に遺骨の収集をしてDNA鑑定をすべきであると私は思っているんですけれども、政務官としての、厚労省としてどういう考え方をお持ちなのか、お聞かせください。
  117. こやり隆史

    大臣政務官(こやり隆史君) 委員御指摘の沈没艦船の御遺骨に対しましては、委員も今言及されましたけれども、海が安眠の場所であるといった考え方があったり、技術面、安全面で制約があるところでございますが、御指摘の御遺骨の尊厳が損なわれているような場合があると、そうした場合には、技術面、安全面の検討を行った上で遺骨収集を実施してきたところでございます。  加えまして、最近、観光ダイビングのスポットの増加であるとか、あるいはテクニカルダイバーによる海中での業務の広がり、こうしたことも踏まえまして、厚労省といたしましては、昨年八月に今後の取組についての基本的な考え方を取りまとめたところでございます。在外公館の協力も得ながら、御遺骨を目にする可能性のある事業者等との連携も進めながら積極的に情報収集を行っているところでございます。  一柱でも多く収容して、DNA鑑定により御遺骨を御遺族に早期にお返しできるように引き続き取り組んでまいりたいというふうに考えております。
  118. 白眞勲

    ○白眞勲君 非常に前向きな御答弁、ありがとうございます。積極的な情報収集ではなくて、積極的にどんどん行動をしてもらいたいというふうに思っております。  自衛隊が運営する大規模接種について防衛省にお聞きします。  今回の予約システムについて一つお聞きしたいのが、システムの発注が幾らで、いつ契約したのか、あっ、幾らで契約して、さらにこれ契約の内容というのはどうなっているのか、お知らせください。
  119. 椎葉茂樹

    政府参考人椎葉茂樹君) お答えさせていただきます。  今回の契約はいずれも随意契約で、概算契約となっております。  具体的には、まず、東京規模接種センターの委託契約でございますが、契約業者は株式会社日本旅行でございます。契約金額は税込みで約十九億五千万円でございます。契約日は令和三年四月三十日でございます。  次に、大阪大規模接種センターの委託契約でございます。契約業者は東武トップツアーズ株式会社でございます。契約金額は税込みで約六億七千万円でございます。契約日は令和三年五月六日でございます。  以上でございます。
  120. 白眞勲

    ○白眞勲君 そのうち、内訳の中に予約システムは幾らですか。
  121. 椎葉茂樹

    政府参考人椎葉茂樹君) 済みません。大阪接種センターの金額でございますけれども、金額、契約金額が間違っておりました。約九億七千万円でございます。  それから、予約システムでございますけれども、東京規模接種センターに関する清掃、会計、設備、警備、予約システムなどを一括して日本旅行と十九億五千万円で契約しているところでございます。この予約システムでございますが、日本旅行は下請企業に本システムの構築等につきまして再委託をしておりますが、日本旅行と下請企業との契約額につきましては、企業の経営に関わることでございますので、お答えする立場にないところでございます。
  122. 白眞勲

    ○白眞勲君 いや、これおかしいですね。この十九億五千万円の中の予約システムが幾らかって、これは内訳を出して幾らでしょう、普通は。それを何かまるで今の話ですと丼みたいな話になっているんじゃないですか。  もう一回お答えください。どうなっているんですか、これ。
  123. 椎葉茂樹

    政府参考人椎葉茂樹君) 先ほど申しましたように、下請企業にこのシステムの構築について再委託をしているところでございますけれども、この日本旅行と下請企業との間の契約額につきましては、企業の営業に関わることでございますので、お答えする立場にないというところでございます。
  124. 白眞勲

    ○白眞勲君 これ、委員長、これ内訳ちゃんと出させるように、ちょっと委員会で御協議願いたいと思います。
  125. 長峯誠

    委員長長峯誠君) 後刻理事会にて協議いたします。
  126. 白眞勲

    ○白眞勲君 これ、どこの名目から、防衛省の予算から出したんですか、捻出したんですか。
  127. 椎葉茂樹

    政府参考人椎葉茂樹君) 予算科目でございますけれども、現時点締結済みの主な契約について申し上げますと、東京センター及び大阪センターでの接種に係る委託業務及び看護師の派遣につきましては医療費、大阪センターの会場の借り上げに要する経費等につきましては庁費から措置しているところでございます。
  128. 白眞勲

    ○白眞勲君 その医療費は元々幾らなんですか。
  129. 椎葉茂樹

    政府参考人椎葉茂樹君) 元々の防衛省の……(発言する者あり)
  130. 長峯誠

    委員長長峯誠君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  131. 長峯誠

    委員長長峯誠君) 速記を起こしてください。
  132. 芹澤清

    政府参考人(芹澤清君) 自衛隊の病院に係る医療費百五十七億円でございます。また、防衛省全体の庁費八十四億円というところから、これは当面の既定経費であるところから出しているところでございます。
  133. 白眞勲

    ○白眞勲君 百五十七億円のうちの三十七億円が今回びゃっと出ちゃったわけですよね。元々これ想定していない金額が、これだけの金額が出ているって、これどういうことなんですかということなんです、私が聞きたいのは。どうなっているんですか、これ。
  134. 長峯誠

    委員長長峯誠君) 時間が参っておりますので、簡潔に御答弁お願いします。
  135. 芹澤清

    政府参考人(芹澤清君) 今回の大規模接種センターにつきましては、自衛隊病院が果たすべき本来の任務の一つとして運営するということとしております。  こうした考え方の下で、この活動に係る財源措置につきましては、まずは本年度予算の自衛隊病院の運営等に係る既定経費の中から対応するということにしておりまして、その上で、事業の進捗を見つつ必要経費を精査するとともに、予算の執行状況を見ながら自衛隊の通常活動に支障が生じないように今後財政当局との調整を含めて適切に対応していく考えでございます。
  136. 白眞勲

    ○白眞勲君 もう時間だからやめますけど、この前予算委員会で予備費の支出について財務省に聞きましたけれども、この件について聞いたら、いや、それは防衛省でやっていることです、防衛省の名目ですからと、何かけんもほろろでしたよ。ということを最後に申し上げて、今日は質問を終わります。  ありがとうございました。
  137. 浅田均

    ○浅田均君 先ほどに引き続きまして、サイバー攻撃について質問していきたいと思います。  通告しております七番の方から始めさせていただきたいと思います。  先日、五月三十一日の決算委員会ですね、決算委員会の中で、JAXA等に対するサイバー攻撃が取り上げられております。このJAXA等に対するサイバー攻撃に対しまして、警察庁の答弁は、実行したのはティックと呼ばれるサイバー攻撃集団で、ティックの背景組織として山東省青島市を拠点とする中国人民解放軍第六一四一九部隊が関与している可能性が高いというふうな答弁がありました。  このサイバー攻撃日本のレンタルサーバーから行われております。日本のレンタルサーバーから行われたということで、ログが残りますので、そのIPアドレスというかを分析されて、遡って、ここが、ここから攻撃しているというのを突き止められたんだと思うんですけれども。  仮に、これ、日本のレンタルサーバーでなしに外国のサーバーから攻撃された、これは物理的に可能です、どのサーバーであれ侵入して管理者権限というのをそこに取ってしまえば、これは日本のレンタルサーバーに代わって外国のサーバーから同じようなことは可能になるわけですけれども、仮に外国のサーバーから攻撃されているということが分かった場合、これはどこが対応するんでしょうか。
  138. 河原淳平

    政府参考人(河原淳平君) お答えいたします。  警察におきましては、サイバー攻撃を認知した場合、事件捜査はもとより、民間事業者等との連携外国治安情報機関との連携等を通じまして、各事件の背後にある国家的背景も含めてサイバー攻撃の実態解明を行っているところでございます。    〔委員長退席、理事三宅伸吾君着席〕  このことは、今回の事案のような、国内のサーバーを経由して攻撃が行われる態様か否かには関わりはございません。仮に海外のサーバーから攻撃が行われた場合でありましても、被害事業者等に対して速やかにマルウエアの感染可能性や有効な対応策について個別に情報提供を実施するなど被害拡大防止の措置を講じた上、外国治安情報機関等と緊密に連携し、厳正な取締り及び実態解明を行うところでございます。
  139. 浅田均

    ○浅田均君 ありがとうございます。  今の御答弁ですと、警察が主体になって対応すると、それで海外からの攻撃であった場合はそういうところと情報交換して、警察を通して捜査を海外に展開するという理解だと思います。  それで、次に、これダークウエブというのは、僕、前も質問したことあるんですけれども、Tor、オニオンルーターというのがあるんですね。これ普通の、皆さんインターネットを利用されるときはエッジとかクロームとかそれからサファリとか、ブラウザーを使っておられると思うんですけれども、普通のブラウザーでは見えないサイトを見るブラウザーがあります。これ、ジ・オニオン・ルーター、Torというブラウザーで、これ、皆さんどなたでもインターネット経由でダウンロードして、そのブラウザーを使ってインターネット接続を試みることは可能です。お時間のある方は是非やっていただきたいと思うんですが、ただ、このTCP/IPというその信号を匿名化するシステムですので、物すごく時間が掛かるというのは確かです。    〔理事三宅伸吾君退席、委員長着席〕  で、こういうダークウエブというのが利用されている。そこで普通にはできない違法取引、武器とか偽造パスポートとか、あるいは偽札とか、そういうウエブ取引が行われているんですが、私も、これもうかなり前なんですけれど、自分の友人でコンピューターサイエンス、情報工学を教えている友人から教えてもらって、こういうサイトがあると。それを見ると、びっくりするような、国内対立しているある国があって内戦が起きていると、その反乱軍なり政府軍なりがこういう武器を調達したいというようなのがどかっと載っているわけですね、幾らでこういう武器を売ってください。こんなの本当にいいんやろうかというのが実在するというのを私、自分自身で確認しております。そういう様々な違法取引が行われている。  反面、これ抑圧から逃れた亡命者集団がそういう連絡を取るために使っているという部分もあるので、一概にこういうのはなくせと言うこともできないとは思うんですけれども、そういう違法な取引が行われているこういうサイトに関して、取締りのため何か国家間で取決めがあるんでしょうか。
  140. 河原淳平

    政府参考人(河原淳平君) お答えいたします。  委員御指摘のとおり、ダークウエブにつきましては、その秘匿性の高さから様々な違法取引等が行われているものと承知しております。  警察におきましては、ダークウエブに関する取締りを含めまして、国境を越えてサイバー犯罪等に係る捜査を行う場合には、サイバー犯罪に関する条約や米国等との間で締結している刑事共助条約、ICPO、国際刑事警察機構等の国際捜査共助の枠組みを活用してこれに対処しているところでございます。
  141. 浅田均

    ○浅田均君 これ本当に仕組みがうまくできていて、皆さん、スマートフォン使われる場合、皆さん方のスマートフォンのSIMというのがユニークなんですね、世界で一つしかない。だから、どこから発信しているというのが分かる。そこへ何か問合せをしたら返ってくるような仕組みになっているわけですね。それで、経由して、経由して、経由して、そこにまたそのヘッダー、ヘッダー、ヘッダーが付いて、向こうがそれを皮むいていくみたいな形になるんで、これTorって、オニオンルーター、タマネギルーターという名前が付いているらしいんですが、こういうサイトがある。  ダークウエブという、先ほどの大臣の御答弁ですと、これこそバーチャル空間というかな、というところが広がっているわけであります。こういうところを通じて、武器の売買とか何かだとまだそんなに、重要度からすると物すごく国家に対して極めて深刻な影響を及ぼすというところまでは行かないと思うんですけれども、そういうダークウエブを通じて、これ後でまた話ししますけれども、例えばLAWSとくっつくというようなことで、どこからこういう攻撃がされているのか分からないような攻撃が可能になっているというのが今の現状だと思うんです。  私が次お尋ねしたいのは、サイバー攻撃に対する抑止力ということを考えているんですが、いずれにしても、対処力、抑止力を向上します、させますという御答弁、両大臣から何回もあったんですけれども、こういうマルウエアが開発されています、危ないですよ、サイバー空間上のどこにこういうハッカー集団がいますよ、想定し、おりますよ、そういうことに関して情報交換することは可能であって、それでその対処力というのは確かに高まると思うんです。しかし、このサイバー空間、あるいはサイバー攻撃に対する抑止力というものがそもそも存在するのか、どういうふうにお考えでしょうか。
  142. 岸信夫

    国務大臣岸信夫君) 平成三十年七月に閣議決定をされましたサイバーセキュリティ戦略においては、サイバー攻撃から我が国の安全保障上の利益を守るために高めることが重要な力の一つとして、サイバー攻撃を抑止する力、すなわち抑止力が挙げられていると承知をしております。  その上で、防衛省としては、自らのネットワークを防御する能力、攻撃者を特定し責任を負わせるためにサイバー攻撃を検知、調査、分析する能力、また有事における相手方によるサイバー空間の利用を妨げる能力、そして日米同盟の抑止力、こうしたものを高めているところでございます。  例えば、自らのネットワークを防護するための能力を高めることで、攻撃者が攻撃を行ったとしても結局は防護されてしまうと認識し、攻撃が抑止され得るということです。あるいは、サイバー攻撃を検知し攻撃者の特定等を行う能力を高めることで、攻撃者が自らによる攻撃であると暴露されることを恐れ、攻撃が抑止され得る。あるいは、有事における相手方によるサイバー空間の利用を妨げる能力を高めることで、武力行使の三要件を満たす場合には、我が国がこの能力を含め、我が国防衛のために万全の措置をとること、とり得ると認識することで攻撃が抑止され得る。そういったことのほか、サイバー攻撃のみであっても、日米安保条約第五条という武力攻撃に当たり得て、攻撃者が日米共同で対処すると認識することで攻撃が抑止される、され得るということも考えております。  このように、サイバー空間においても抑止力は存在するものと考えております。
  143. 浅田均

    ○浅田均君 それ、今の防衛大臣の御答弁ですけれど、そういうものをもって抑止力と果たして言えるのかと私は甚だ疑問に思っております。これもあくまで盾と矛の関係で、こういう盾ができましたよと、どんな矛も通しませんと言うたら、どんな矛でも通す盾って、どんな矛も防げる盾ですというのは必ず出てくるんですね。だから、抑止力になると考えていますというふうに言明されますと、その抑止力を突破することがその人たちの目的になって、そういう集団が存在するということをお忘れなく、そういうサイバー攻撃の準備を怠りなくしていただきたいと思います。  それで、僕もLAWSについて質問をしようかなと思ったんですけど、これは先回、三浦委員が割と丁寧にしていただきまして、その前に大塚委員が取り上げられました。  先回からインターネットの草創期のことをお話しさせていただいていますけれども、そもそもそのコンピューターとコンピューターをどうつなぐか、つながれたコンピューターを束ねるサーバー、そのサーバー同士をどうつなぐかというところでISOのOSIとかいうお話させていただきましたけれども、アメリカのDARPAというところでも同じようなことが研究されて、それが今のTCP/IP、インターネットをつなぐ仕組みに発展して、それを我々が今使っているということなんです。  だから、そのサイバー攻撃、たしかさっき大臣がおっしゃったように、仮想空間、バーチャルと言われるところとリアルと言われるところの組合せだと思うんですけれども、実際、そのサイバー空間、サイバースペースを攻撃しようとする場合にいろんな形が考えられて、信号を変えるとか、あるいは物理的にケーブルを切ってしまうとかケーブルを流れる信号を盗聴するとか、いろんなことが考えられます。さっきのティックスですか、の例でいいますと、あれは、どこかのサーバーの中に入り込んで、管理者権限というのを奪うだけであれだけのことができるわけですね。  だから、サイバー攻撃といってもいろんな形態が考えられると思いますので、この間、三浦委員の方からもお話ありましたけれども、六月二十八日からCCWの専門家会合、GGEというのが開催されるということなので、LAWSのことがメーンになりますけれども、このサイバーのこともしっかりと議論していただきたいと思います。  サイバー攻撃は、これ人が起源になっていますけれども、人にAIが取って代わるということは容易に想像できます。取って代わる、取って代わられるというのが一番恐ろしいと思います。  で、AIというのは、これ、自己増殖が可能です。今のウイルスみたいですね。博覧強記の茂木大臣は「鬼滅の刃」というのを読まれたやと思いますけれども、鬼舞辻無惨という鬼が、血を与えるだけで鬼がわあっとできるわけですね。同じように、自己増殖していくAIというものを考えて、人間が起源なんですけれども、AIが独自に判断してしまう世界ができてしまって、それにLAWSがくっついたときに、どういう怖い、恐ろしい世界が展開されるかというところまで踏まえて議論して、ルール作りに是非取り組んでいただきたいと思っております。  もう時間が余りありませんので。  それで、原始的なところ、ケーブルですね、ケーブルというのが世界中でインターネットの世界を実現するためにつながれています。稼働ケーブルは世界で四百本と言われています。総延長が地球三十周分。  この海底ケーブル、日本だと茨城県とかどこか、何か所かを通して海底に入ると。この海底ケーブルの敷設というのは、NECとそれからアメリカのサブコム、それからフランスのアルカテル・サブマリン・ネットワーク、ここで世界の九割ぐらいをやっているということでありますが、ここに中国のファーウェイの関連会社が参入しようとしている。  これまで日米仏で市場の九割を占めてきた海底ケーブルでありますが、ここにも中国が入り込もうとしております。この中国の進出に対してどのような対応を考えておられるんでしょうか。
  144. 渡辺健

    政府参考人(渡辺健君) 海底ケーブルは国際的なデータ流通等を担う重要な通信インフラとなっておりまして、委員御指摘のとおり、我が国企業が一定の国際シェアを獲得している重要な産業であり、またその安全性、信頼性の確保は重要な課題と認識しております。  そのため、総務省といたしましても、国際的に、そのセキュリティーの確保も念頭に、所管いたします官民ファンドによる出資なども通じて、安全で信頼できる我が国企業による海底ケーブル事業の国際展開を支援いたしますとともに、通信の安全性、信頼性確保に関する関係各国との情報交換、意見交換を実施しているところでございます。また、そうした認識から、例えばチリ政府主導の南米とアジア、オセアニアを結ぶ海底ケーブルの実現に向けて、協力なども行ってきているところでございます。  こうした取組を通じまして、安全で信頼できる海底ケーブルシステムの実現に努めてまいりたいと考えております。
  145. 浅田均

    ○浅田均君 時間が来ましたので終わりますけれども、海底ケーブルだけでなしに、増幅器とか分岐器とか、いろんな機器が埋められていますので、そういうところで、方向を変えようと思ったらすぐ簡単にできる話ですし、情報を盗もうと思うと非常に簡単な話なので、こういうところに力を入れていただくようお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
  146. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 国民民主党・新緑風会の大塚耕平です。  隣に座っているからというわけじゃないんですが、浅田委員と大分問題意識が共有されておりまして、前回、ちょっと最初、少ししゃべらせてもらいますけれども、防衛大臣サイバー攻撃の前方防衛の話、お伺いしました、アメリカの。さっきタリンのお話をしましたが、サイバー攻撃世界的にかなり深刻に受け止められたのは、今から十年ぐらい前に、ロシアがエストニアにサイバー攻撃を仕掛けて、したがって、そのサイバー攻撃に対する言わば防衛ガイドラインを作るということで首都のタリンに集まって作られたのがタリン・マニュアル。で、私もタリンに行ってびっくりしましたけど、EUのサイバー防衛研究所のすぐ百メートルぐらい横のブロックにでっかい中国大使館ができていまして、そういうところにそういう施設があること自体も驚いたんですけれども、隣国中国とも友好関係を構築していくというのが大事なことではありますが、しかし、昨今の状況考えると、そこは現実的にいろんなものを考えながら対応しなければならない、そういう局面だと私も思っています。  今、浅田さんがおっしゃったように、例えば日本サイバー攻撃安全保障に関して、それはいわゆるハードなミリタリーのことだけじゃなくて、ネットワークも含めて、これが緩いと、日本のインフラの中に攻撃拠点をつくられると、アメリカのサイバー防衛戦略からいうと、アメリカの前方防衛の方針に従って、アメリカは日本のインフラも破壊しなくてはならないという彼らは義務を負っているわけですね。だから、日本の中がきちっとセキュリティーが確保されていて、日本の中にそんな攻撃拠点をつくられるようなことのないようなレベルの安全保障体制を確立しなくてはならないということで、実は前回、私もお伺いしました。  今、LAWSの話が出たんですが、今、AIですね、AIと通信と測位衛星と、これに車がくっつくと自動運転車ですよ。AIと通信と測位衛星に武器がくっつくとLAWSなんですよ。おまけに、AIと通信と測位衛星と車の筐体そのものが太陽光を吸収する素材で造られ始めると、永遠に動き続ける自動運転電気自動車ができるわけですね。それと同じ理屈で、筐体そのものがソーラーパネルのような武器がこれにくっつくと、永久に動き続けるLAWSができるわけです。  だから、電気自動車でも、その産業競争的な意味で後塵を拝してはいけないとかという、もうそういうレベルではなくて、かなり深刻な段階まで来ているということがるる議論されていると思いますので、是非前方防衛についても更に深く防衛省内で議論をしていただきたいと思います。  あわせて、今日はさっきの続きでお伺いしますけれども、この重要土地等調査法案、大事な法案だと思っていますけれども、先ほどは、防衛省自衛隊の関連施設の周辺一キロの状況については必ずしも把握していないと、こういう話でございました。  例えば、市ケ谷の防衛省の薬王寺側の出口に建っているあの高層マンション、あそこ、住人に私の知り合いも何人かいるんですけれども、どういう方々がお住まいかということは、それは防衛省としてはかなり関心を持っているという理解でいいですか。
  147. 川嶋貴樹

    政府参考人(川嶋貴樹君) 先ほどの前半部分とちょっとダブりますけれども、防衛省が実施しております隣接地調査について申し上げますと、対象が防衛施設の隣接地に限られると、そういう制約がございます。また、調査の手法も、現地調査あるいは利用状況調査は行っていないと。あくまでも、不動産登記簿等、誰でも見られるもののみによりまして調査をしているというような制約がございます。  そういった制約の中で、平成二十五年以来、隣接地調査を実施してきておりますんですが、今申し上げた観点から、建物の所有状況についてはある程度分かっておりますけれども、建物の居住者に関する情報につきましては掌握できておりません。
  148. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 先ほど申し上げた愛知県の第一〇師団の場合でいうと、塀の向こう側に集合住宅があって展示訓練を見学していただけるというのはそれはそれでいいんですけれども、つまり、もう基地の中そのままのぞけるわけですよね。防衛省の横のあの高層マンションも、どういう住人の方がおられるかというのはやっぱりこれはなかなか悩ましい問題だと思います。  別に防衛省の施設だけじゃなくて、我が国はちょっともう本当にゆでガエル状態から目覚めないといけないと思いますが、首相官邸の向こうのあの高層オフィスビルも、山王パークタワーとか、そもそもああいう位置関係にああいうものを造るということ自体についてもう少し感性を高めていかないといけないと私は思います。  ちなみに、高層マンションというのは、一九八七年ですか、建築基準法が改正されて容積率が六〇〇%になって、廊下と階段がカウントされないということになってぼんぼん建ち始めて、今もその薬王寺側の高層マンションも含めていっぱい建っていますけれども。  中低層マンションでも今いろんな問題が起きているのは御承知のとおりですけど、なかなか建て替えができないんですよ。中低層マンションは、一九八〇年基準の分譲マンションで百四万棟あるんですけど、これ住民の八〇%が合意しないと建て替えられないので、まだ三百棟ぐらいしか建て替えられていないんですね、百万棟のうちのね。  高層マンション、やがてやってきますが、高層マンションは中低層マンションよりもっと厄介で、更に容積率を高くして戸数を増やして、既存の住民にはメリットを与えながら建て替えるということがもうできませんから、あれ以上、多分、容積率緩和は。もう既に湾岸地域で始まっていますけれども、手放したいというんだけれども、なかなか、今ちょっと値崩れしているマンションもあったりして通常の相手では買ってくれないとなると、そこにお金を持っている外国人は買いに来るわけですよ。一棟丸ごとという話もあるし、高層マンションの、タワマンの自治会を中国語でやってくれという要求ももう出ているらしいです。  そうすると、例えば、防衛省の真横の高層マンションが五十年後に他国が丸々持っているという状態というのはやっぱり極めて健全ではないと思いますので、相当いろんなことを考えてこれから運営をしなくてはならないということを問題意識としてお伝えをしたいと思います。  だからこそ、この法案出すに当たって、やっぱり十分な事前情報を持っていてこそ説得力もあるわけですので、その辺はしっかり、もしあしたから審議が始まったら御答弁をいただきたいと思います。  以上、問題意識をるる申し上げた上で防衛大臣にお伺いしますけれども、この法案、仮に成立した場合に、法施行後の運用に防衛省としてどのように関与、協力しているのか、まだ審議に入っていませんのであくまで仮定の話ですが、現時点でのお考えをお伺いしたいと思います。
  149. 岸信夫

    国務大臣岸信夫君) 防衛省としては、本法案は我が国の防衛上の基盤である防衛関係施設の機能発揮を万全にするという観点からも意義あるものだと、こう考えております。  その上で、本法案に基づく措置に関しては、防衛省は、例えば防衛関係施設に係る区域指定に当たっては、法案に基づいて防衛省に協議がなされるものと、そして、土地等利用状況審議会の意見を伺った上で指定することになるものと承知をしております。内閣府と連携をしながら適切に対応していく考えでございます。  また、本法案に基づく現地・現況調査につきましては、必要に応じて重要施設等の所管省庁及びその地方支分部局が協力することも想定をされておりますが、具体的な協力の在り方については内閣官房において現在検討中と承知をしております。今後、必要に応じて協力していく考えでございます。  いずれにいたしましても、防衛省としては、内閣官房内閣府と連携をしながら、適切に対応してまいりたいと考えます。
  150. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 私自身はもちろん文科系で素人ですけれども、たまたま日銀にいたときにシステム部門で仕事をさせられたことがあって、同僚、部下は全部理系の中で仕事をして、いろいろ教えてもらいました。もちろん暗号化のことも分からないなりに関わらざるを得なかったんですけれども。  この重要土地等調査法案に関わる事項や、冒頭申し上げましたサイバー攻撃やLAWSに関する事項等を、もう本当に想像を絶する勢いで変化していますので、是非的確な対応をしていただきたいということを改めて申し上げて、質問を終わります。
  151. 井上哲士

    ○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。  まず、日英原子力協定に関連してお聞きします。  安倍前政権は、インフラシステム輸出戦略で、福島原発事故前に三千億円だった原発の海外受注を二〇二〇年に二兆円にするとして、財界、関連企業を伴ってトップセールスを進めました。しかし、英国では日立が計画撤退、トルコでは三菱重工が断念、ベトナムでは三菱重工と東電が撤退、米国では東芝子会社が撤退、アラブ首長国連邦で韓国勢に敗退、そしてインドではロシア国営企業が受注と。唯一残るのがポーランドの高温ガス炉でありますが、研究段階なんですね。  その結果、原子力分野の海外受注額の最新実績、二〇一八年はゼロになっておりますが、経産省、お聞きしますけれども、全く戦略どおりに進んでいないその理由はどういうことでしょうか。
  152. 松山泰浩

    政府参考人(松山泰浩君) お答え申し上げます。  今委員御指摘ございました二〇二〇年の原発の海外受注額二兆円という数字、こちらは二〇一三年に策定いたしましたインフラシステム輸出戦略といたしまして、将来の市場動向等を踏まえて、二〇二〇年単年で約三十兆円のインフラシステム輸出受注を成果目標として設定したものでございまして、そのうち原子力分野については約二兆円程度と推計したものでございます。  これまで官民一体となりまして原子力分野の輸出に取り組んできたわけでございますけれども、何分これは受注、取引が成立するかどうかということでございます。競争相手との競合条件、この条件がどうなっていくか、またその上で輸出先の相手国の中の状況というのがございます。輸出先の政府によるエネルギー政策が安定的にサポートされたものとなり続けていけるかどうか、また先方政府のファイナンス支援等の資金調達環境が整うかどうか、様々な要因が絡むところでございます。  今、例示いただきました中でも、例えばイギリスのホライズン原発ですとかベトナムのニントゥアン原発等々、かなり交渉、調整というのは進んでいたわけでございますが、様々な、金融環境若しくは相手国政府の中における政策の方針といったことがございまして、現状においては受注額についてはこの受注が得られていないという状況に至っていると認識してございます。
  153. 井上哲士

    ○井上哲士君 いろいろ言われましたけど、そういうことを含めて本来戦略を作っているはずなんですね。  安全面でも経済面でも問われていると思うんですよ。経団連の会長でもあった日立の中西会長が、この英国への原発輸出プロジェクトからの撤退の際の会見で、経済的な見通しが厳しくなったと述べました。福島第一原発事故を受けて原発の安全対策強化で費用が高騰したというのが一つの要因でありますが、リトアニアではこれ国民投票で計画が否決です。ベトナムでも安全への懸念と財政難から政府計画を断念したと。さらに、国際的に再生可能エネルギーのコストも大きく下がっているということもあるわけですね。  原発が安全面でも経済面でも成り立たなくなっていると、こういうことではないんでしょうか。
  154. 松山泰浩

    政府参考人(松山泰浩君) お答え申し上げます。  原子力事業というものは、初期の段階で、建設を始めて非常に大きな巨額の投資を必要とするものでございます。その上で、長期間にわたりまして電気を安定的に供給していくと、非常に長い運転期間を通じまして収入を得て経済性を高めていくと、こういう性格を持った事業でございます。もちろん、様々な安全面に対する対策の重要性等々がありまして、状況は変化しているところではございます。個別の事業性についてお答えすることは難しいわけでございますが、事業がどう進んでいくかということについては個別に判断されていくことだと思います。  なお、ほかの電源との比較ということについて申し上げますと、政府といたしましても、二〇一五年に、当時のエネルギー基本計画の策定に合わせた形で電源別の発電コストの試算を行ってございます。その中では、原子力の発電コストというものはキロワットアワー当たり十・一円以上という結果を得ているわけでございますけれども、その際には、この試算の中におきまして、様々な関連追加費用ということも併せ追加試算してございます。例えば福島事故の関連費用、追加安全対策費用、さらには核燃料サイクル費用、それぞれのものが増加した場合の感度分析というのを行っているわけでございますが、この試算の中では、全て反映した場合に当たってもキロワットアワー当たり〇・八から一円程度の上昇というふうに試算しているところでございます。  いずれにしましても、現在、エネルギー基本計画の改めての検討をしているところでございますけれども、近年の様々な状況の変化を踏まえた試算、検討というのを進めていきたいと考えてございます。
  155. 井上哲士

    ○井上哲士君 当時の政府の試算も、四十年間の安定稼働を前提にしているなど、現実と乖離しているという批判が行われました。  世界の再生可能エネルギーによる発電量と発電量シェアは増え続けて、ついに二〇一九年は原発を上回ったんですね。これ発表した国際チームは、原発の発電コストは高く、世界のエネルギー市場で競争力を完全に失っていると、こういう指摘をいたしました。そういう中で原発輸出を経済成長の柱に据えたこと自身、私は破綻しているんじゃないかと思うんです。  そういう中でのこの協定でありますが、対象に原子力関連技術が新たに盛り込まれました。協定に署名する八日前に第九回日英原子力年次対話がありますが、その中で小型モジュール炉や高温ガス炉の共同研究開発についても議論をされております。  外務大臣は衆議院で、特定のプロジェクトを想定したものではない、この議定書はという答弁をされておりますが、こうした小型モジュール炉、高温ガス炉の共同開発、これがこの協定に基づく協力から排除をされていないということはよろしいですか。
  156. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) この改正議定書、これは、英国がユーラトム脱退ということで、これを受けて英国において適用される保障措置が変更されること等を踏まえまして、日英両国間におけます原子力の平和利用を確保するための適切な法的枠組み引き続き確保すると、これを目的に作成されたものでありまして、衆議院でも答弁させていただいたように、特定のプロジェクトを想定して作成されたものではありませんし、また、特定のプロジェクトの受注を約束したりその実施を義務付けたりするものではありません。  また、御指摘のありました第九回の日英原子力年次対話と、ここでは原子力政策、廃炉、環境回復、原子力研究開発等に関する意見交換行われたわけでありますが、個別のプロジェクトについては両国企業の活動を通じて具体化していくと、このように考えております。
  157. 井上哲士

    ○井上哲士君 排除されるとは言われませんでした。  これ、議定書の署名直後に発表された二〇五〇カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略、ここには、小型モジュール炉の分野でアメリカ、イギリス、カナダとの海外プロジェクトに参加する日本企業を積極的に支援するということも書かれているわけですね。  大臣は、さらに、衆議院での答弁で、福島第一事故に関する経験と教訓を世界と共有することによって世界の原子力安全の向上に貢献していくことは我が国の責務だと述べられました。しかし、今見ますと、この間の東電の柏崎刈羽原発のテロ対策装置が長期間にわたって故障したことが発覚をして、原発を運転する資格自体が問われて運転停止命令も受けたんですね。そして、福島第一の廃炉作業も大幅に遅れて、いまだにデブリの固さも成分も、どこにどれだけあるかも分かっていないという状況があります。  国内の責任もまともに果たしていない下で、日本世界への責任ということが言えるんだろうかと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
  158. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 柏崎刈羽原発の事案であったり、また東電福島第一原発の廃炉作業の状況については、所管省庁、ちょうど私が経産大臣時代の秘書官、松山秘書官が今部長をやっておりますので、そちらにお聞きいただければと、こんなふうに思いますが。  我が国としては、東電の福島第一原発の廃炉作業、これは、これまでにない様々な困難を伴う作業でありますし、様々な技術の開発、こういったものも必要になってまいります。これに全力で取り組み、その上で得られる経験であったりとか知見、技術、こういったものを世界と共有して、原子力の安全の向上に今後とも貢献していきたいと考えております。
  159. 井上哲士

    ○井上哲士君 やはり日本国内の事態を見れば、そんな世界に対する責務だと言うような資格はないんじゃないかと思います。  マグロの議定書についてもお聞きいたしますが、大西洋では、クロマグロについて、二〇〇〇年代にICCATが総漁獲可能量の設定など様々取り組んだ結果、近年資源量の回復見られますが、メバチマグロの悪化が問題になっております。メバチマグロについて、日本の漁獲枠、TACとどう変化をしていくのか。それから、FAD操業が原因だと指摘をされておりますけれども、どのような規制が行われて、そして今後、更に強化について日本としてはどういう提案をしていくのか。いかがでしょうか。
  160. 高瀬美和子

    政府参考人高瀬美和子君) お答え申し上げます。  大西洋のメバチにつきましては、二〇〇五年に九万トンの漁獲可能量、TACが導入されておりまして、その後資源の悪化を受けまして、二〇一〇年には八万五千トン、二〇一六年には六万五千トン、二〇二〇年には六万二千五百トンと削減をされております。その中で、日本の漁獲枠につきましては、二〇〇五年に二万七千トン、それから二〇一六年に一万七千六百九十六トン、二〇二〇年には一万三千九百八十トンに削減をされております。  我が国は、メバチの資源を維持、回復すべく、ICCATにおきまして、小型魚を多く漁獲することが懸念をされております巻き網の操業規制の強化を主張をしてきておりまして、この結果、集魚装置、これFADsというふうに呼んでおります、FADsを用いた操業につきまして、FADsの設置個数の制限、それからFADsを使用した操業の禁止期間を設定するなどの措置が導入をされております。  我が国としましては、巻き網について更なる規制の強化が必要と考えており、集魚装置の年間使用回数の上限設定などを検討しているところでありまして、より効果的な保存管理措置の導入を働きかけてまいりたいと考えております。
  161. 井上哲士

    ○井上哲士君 ありがとうございました。  今回の予防的措置のとられた経緯とか意義とかも外務省にお聞きしようと思ったんですが、時間になりましたので、これで終わります。  ありがとうございました。
  162. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 ハイサイ、沖縄の風の伊波洋一です。  議題の条約三件については、まず、福島第一原発事故を経験し、いまだ解決し得ていない日本政府が原発輸出、原発を推進することは許されないと思います。日英原子力協定案は反対です。原発に頼らない再エネ中心のエネルギー政策を求めます。他の二条約は異議ありません。  先ほどに続き、米空軍のACE構想について伺います。  先ほど国内における訓練等の話がありましたが、二〇一九年四月、グアムのアンダーセン空軍基地から戦闘機や輸送機がミクロネシア各地へ展開する分散演習が実施されています。八月には、ACE構想に基づき、アラスカでのレッドフラッグ演習が取り組まれています。このように、今日大きく変わろうとしているわけです。  お手元の資料にもありますけれども、防衛研究所の東アジア戦略概観二〇二〇でもACEが紹介されていますが、この中で、米空軍が同盟、パートナー諸国に対し、ACEに関する意見交換や説明会の場を設けるなど、有志国との連携にも着手していることが書かれています。  日本政府に対して米空軍からはどのような説明がなされていますか。また、この間の自衛隊連携対応はどのようなものでしょうか。
  163. 岡真臣

    政府参考人(岡真臣君) お答え申し上げます。  日米の防衛当局間におきましては、平素から様々なレベルで安全保障環境に関する認識、あるいは安全保障政策、あるいは防衛構想といったことにつきまして認識のすり合わせを行ってきておるところでございまして、委員から御質問のありました米空軍の構想につきましても様々な機会に米側から説明を受けているところでございます。  その上で、自衛隊と米軍の具体的な連携につきましては、個々の状況に応じて決定されるものでありますため一概にお答えすることは困難ではありますけれども、防衛省としては、こうしたACEといったような構想も踏まえつつ、自衛隊と米軍の連携を深めて日米同盟の抑止力、対処力を高めていく考えでございます。
  164. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 特に米空軍の分散化では、有事の緊急展開に備えて、平時から、沖縄の負担軽減を名目にした、航空自衛隊の築城、新田原、鹿屋飛行場などを使用する米空軍機の訓練や航空自衛隊との共同訓練、民間空港を含むその他の飛行場の緊急着陸名目の利用、調査などが計画的に進められています。こうしたACE構想も、現在全国各地で頻発し、住民生活を脅かしている米軍機の超低空飛行訓練の原因の一つとも考えられます。  去る五月三十一日、読売新聞電子版で、小笠原に空自警戒隊を配備するという計画が報道されました。防衛省は、太平洋の小笠原諸島周辺空域から領空侵犯を監視するため、移動式レーダーを備えた航空自衛隊の移動警戒隊を同諸島に展開する方針を固めた、と書かれています。どのような計画でしょうか。
  165. 土本英樹

    政府参考人(土本英樹君) お答え申し上げます。  今中期防におきましては、移動式警戒管制レーダー等を運用するための基盤を太平洋側の島嶼部へ整備すること等によりまして、隙のない情報収集・警戒監視態勢を保持することといたしております。  これを踏まえまして、太平洋側の島嶼部におきましてレーダー等展開基盤の整備について検討を行っているところでございますが、現時点では、委員御指摘の報道にあるような整備先につきまして、何ら決定していないという状況でございます。
  166. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 報道では、空自幹部が、有事の際に空母艦載機から首都圏を守るために、小笠原周辺空域での早期捕捉する体制の構築が急務だ、とコメントしています。しかし、有事に小笠原周辺数百キロで中国の空母や艦載機が活動しているとすれば、既に周辺海空域で米軍と自衛隊が優勢を失い、中国の優勢が確立しているわけです。そんな状態で首都を守るというのがいかに現実味のない想像か、少し考えれば分かる話です。南西諸島や日本の西半分が焼け野原になってもまだ本土決戦を夢想しているのでしょうか。さすがにそうではないだろうと思います。  小笠原に空自警戒隊を配備するという計画も、ACE構想に沿って第二列島線に空軍が展開する拠点を整備するよう米軍に求められているのではありませんか。
  167. 土本英樹

    政府参考人(土本英樹君) お答え申し上げます。  先ほど御答弁申し上げましたとおり、今回の移動式警戒管制レーダー等を運用するための基盤を太平洋側の島嶼部に対して整備することなどによりまして、隙のない情報収集・警戒監視態勢を保持するというのがこれの目的でございますが、したがいまして、委員御指摘のように米側に何か求められているという事実はなく、御指摘の構想とも関係がないということでございます。
  168. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 米国では、軍事戦略として、第一列島線上に分散し、残存性の高い地対艦・地対空ミサイル部隊などの同盟国部隊、まあ自衛隊などですね、と一部米軍によるインサイド部隊と、第一列島線と第二列島線の間に分散、展開する空母機動展開部隊を含む米海空軍主体のアウトサイド部隊により、中国軍を第一列島線内に封じ込め、西太平洋地域における米国の覇権維持を目的とする海洋圧力戦略がもう二〇一九年に打ち出されています。  他の戦略同様に、インサイド部隊は、第一段階における中国軍のミサイル攻撃に残存した上で、中国軍による台湾占領などの既成事実化を防ぎ、航空・海上優勢を確保することが求められます。その後、長射程攻撃能力を備えたアウトサイド部隊が、柔軟で機敏な支援をインサイド部隊に提供するとされています。  米海兵隊の遠征前方基地作戦、EABOでは、在日海兵隊は、インサイド部隊として小規模な部隊編成で海軍特殊作戦機などでHIMARSなどの移動式ミサイルを島々に持ち込んで、ゲリラ的に動き回っては射撃と転進を繰り返すことを想定しています。既に何度ももう訓練はされております。  一方、米空軍ACEは、紛争の第一段階における在日米軍基地などで、第一列島線から小規模なまとまったユニットで第二列島線の島々まで分散して撤退し、その後、第二列島線の拠点からゲリラ的に反撃することを想定しています。  現在、菅政権が強行しようとしている重要土地調査法案は、台湾有事に在日米軍や自衛隊が軍事的に介入することを想定して、在日米軍基地の自衛隊や基地、あるいは国境離島や港湾、民間空港などを、EABOやACEなどの米軍作戦に利用させるために、機能阻害行為の防止を名目に、日本が戦争に踏み込んで戦場とされることに反対する国民を取り締まるのが目的ではないでしょうか。  あわせて、有人国境離島、これがやはり大変重要視されています。沖縄の有人国境離島は五十島ありますが、全国のおよそ百四十八島の三分の一です。これが規制対象に入って、さらにEABOで利用できる、活用できると、こういう構図になっているわけですね。  先日、新たに就任した米インド太平洋軍のアキリーノ司令官が来日し、総理、外務大臣防衛大臣、統合幕僚長と会談しました。その際も、台湾情勢や米軍再編が話題になっています。  今年二月四日には、米オースティン国防長官は、国防省は、米軍の配備、資源、戦略、任務に関する世界的な戦力態勢の見直しを実施すると発表しました。この戦力態勢の見直しでは、米国日本が地域の安全保障のために果たす役割と任務を決定するための全体的な枠組みが示されると予想されています。約十五人の文官と軍人による特別チームが、この中国に焦点を当てた体制の検討を実施し、二〇二一年夏までに国防長官にその結果を提出する予定であると言われます。  同盟国としての日本政府から、台湾有事で日本が戦場になるような戦力態勢の見直しは絶対許容できないという意見を出すことがやはり非常に重要だと思います。台湾有事で南西諸島の島々を含め日本を戦場にしないためには、日中間も含めた外交取組、やはりこれが大変重要であり、また必要です。今の尖閣の状況を放置してはいけないと思いますし、そういう意味で、今回の様々な戦略の変更、これが日本列島や南西諸島を戦場として想定して作り直されているということをやはり重く受け止めるべきです。これは、防衛の方に、軍事力の方だけに重心を置くんじゃなくて、外交の方でその打開を図らなければいけないと、このように思っています。  外務大臣の御所見を伺います。
  169. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 米国は、御指摘のグローバル・ポスチャー・レビューについて、同盟国、そしてパートナー国とも協議すると、この旨明確に表明しておりまして、今年三月に実施をされました日米の外務そして防衛大臣会合、私と岸大臣出席いたしましたが、ブリンケン国務長官、オースティン国防長官との2プラス2においても日米間で緊密に連携していくということを確認をいたしております。  現在、米国政府において更なる検討が行われているところでありまして、引き続き、外交安全保障両面において日米で緊密に連携していきたいと思っております。
  170. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 日本立場は、やはり正式にこういう委員会で問えば、しっかりと戦争ではないという立場、中国も友好国、大事な国である、そういう立場ちゃんと答えております。しかし、実態は、準備はその逆の方向で進んでいると、このように私は思います。アメリカもそれをやっております。誰がこのボタンを押せる立場なのかということが一番重要なんですね。私たちの国が主権を持って、自分たちの国はこの道を行くということをやはり日頃から外交でやっていかないといけない、このように思います。そのことが私は十分ではないのではないか。  沖縄は、さきの大戦で全部が戦場になりました。今回準備されている取組でも、全部の島々がその該当になるということを前提につくられております。この重要土地調査規制法案もですね。  そういう意味では、今私たちはここをしっかりと見なきゃいけないし、まさに中国との間の外交を通した互いの友好の再開というものを実現していただくことを要望して、終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  171. 長峯誠

    委員長長峯誠君) 他に御発言もないようですから、三件に対する質疑は終局したものと認めます。  防衛大臣及び政府参考人は御退席いただいて結構でございます。  これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  172. 井上哲士

    ○井上哲士君 私は、日本共産党を代表して、日英原子力協定改正議定書に反対の立場から討論を行います。  本改正議定書は、英国のEU及び欧州原子力共同体脱退に伴い、これまで日英間で実施されてきた原子力の平和利用のための法的枠組みを引き続き確保するための措置にとどまらない重大な問題があります。  本改正議定書によって現行協定に新たに追加される技術とは、資材、核物質又は設備の開発生産又は使用のために必要とされる特定の情報であり、この特定の情報には、技術援助としての指導、技能の養成、訓練、実用的な知識の提供及び諮問サービスが含まれています。技術が協定の対象になることで、日英相互の原子力関連技術の輸出入が一層進められることになります。  政府は、二〇五〇年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略の原子力産業として、小型モジュール炉や高温ガス炉の推進を温暖化対策として打ち出しています。  これは、米国や英国、カナダ等の海外で既に進んでいる次世代革新炉の開発日本の原子力関連企業が参画することへの政府の支援策であり、グリーン成長の名の下に原発を最大限活用するものです。  第九回日英原子力対話では、小型モジュール炉や高温ガス炉などの共同研究開発が議題となっており、今回新たに追加される技術は、こうした日英が共同で次世代革新炉の開発研究を進めるための根拠となり得るものであります。安全面でも経済面でも破綻をした原発輸出を進めることは到底認められません。  以上を述べ、反対討論とします。
  173. 長峯誠

    委員長長峯誠君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  まず、原子力の平和的利用における協力のための日本政府とグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国政府との間の協定を改正する議定書締結について承認を求めるの件の採決を行います。  本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  174. 長峯誠

    委員長長峯誠君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。  次に、大西洋のまぐろ類保存のための国際条約を改正する議定書締結について承認を求めるの件の採決を行います。  本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  175. 長峯誠

    委員長長峯誠君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。  次に、国際航路標識機関条約締結について承認を求めるの件の採決を行います。  本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  176. 長峯誠

    委員長長峯誠君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。  なお、三件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  177. 長峯誠

    委員長長峯誠君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時三十八分散会