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国務大臣(茂木敏充君)
我が国としては、国際社会における普遍的な価値であります、
上田委員の方からも御
指摘のあった、自由、そして基本的人権の尊重、さらには法の
支配、これが国際社会全体、中国においても保障されることが重要であると考えておりまして、こうした
我が国の立場については、先週も日中の外相会談、王毅国務
委員とやらさせていただきましたが、直接王毅
委員の方にも明確に伝えたところであります。
国際社会から懸念の強まっております新疆ウイグル自治区に関しては、御
指摘のように重大な人権
侵害が行われていると、こういった様々な情報があるところでありまして、
我が国としても新疆ウイグル自治区の人権状況について深刻に懸念しております。この深刻に懸念は後でまた
説明しますので。
また、香港をめぐる情勢については、昨年の国家安全維持法制定以降の一連の動きに加えて、三月十一日、全人代で選挙制度の変更についての決定に関しても、
日本はその翌日にG7各国とともに外相声明、これを発出するなど、これまで国際社会をリードしつつ、共に強い懸念を表明してきたところであります。
こうした中で、今般、国際社会の強い懸念にもかかわらず、全人代常務
委員会において、香港における選挙制度に関する香港基本法の
規定と、これが変更されたことに重大な懸念を強めております。
日本がやっていることは、例えば昨年十月には、国連総会の第三
委員会において、
我が国は、香港、新疆ウイグルに関する共同ステートメントにアジアから唯一の参加国として参加をいたしまして、新疆の人権状況及び香港情勢に関する深刻な懸念、表明したところであります。また、今年に入っても、二月の二十三日に人権
委員会において、私から深刻な懸念を表明するとともに、中国に対して具体的な行動、強く求めたところであります。
例えば、ヨーロッパの国が発出する声明と近隣であるアジアというのは若干、それぞれ違いというのはあるわけでありますけれど、御案内のとおり、近隣、近隣国、さらにはアジアの中で全く何にも言っていない国、こういうのもあるわけでありますよ。そういった中にあって、
日本の対応については、私も各国の外相、カウンターパートと
意見交換しておりますけれど、高く評価されている、このことは間違いないことでありまして、引き続き国際社会と緊密に連携して中国側に強く働きかけていきたい。
日本としては、本当にお隣の国です。ある
意味、大切な国です。経済
関係もある。しかし、こういう基本的な価値の
部分については絶対譲らないと、こういう姿勢を恐らくこの周辺の国の中で最も強く表明している、このことについては高い評価がされていると考えております。