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2021-04-15 第204回国会 参議院 外交防衛委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    令和三年四月十五日(木曜日)    午前十時一分開会     ─────────────    委員異動  三月三十一日     辞任         補欠選任      石垣のりこ君     福山 哲郎君  四月七日     辞任         補欠選任      北村 経夫君     衛藤 晟一君  四月八日     辞任         補欠選任      衛藤 晟一君     北村 経夫君  四月十四日     辞任         補欠選任      大塚 耕平君     上田 清司君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         長峯  誠君     理 事                 佐藤 正久君                 三宅 伸吾君                 小西 洋之君                 三浦 信祐君                 井上 哲士君     委 員                 宇都 隆史君                 北村 経夫君                 武見 敬三君                 中曽根弘文君                 中西  哲君                 松川 るい君                 山田  宏君                 白  眞勲君                 福山 哲郎君                 山口那津男君                 浅田  均君                 鈴木 宗男君                 上田 清司君                 伊波 洋一君    国務大臣        外務大臣     茂木 敏充君        防衛大臣     岸  信夫君    副大臣        内閣府副大臣   赤澤 亮正君    政府特別補佐人        内閣法制局長官  近藤 正春君    事務局側        常任委員会専門        員        神田  茂君    政府参考人        内閣官房内閣審        議官       中嶋浩一郎君        内閣官房内閣審        議官       松本 裕之君        内閣官房内閣審        議官       木村  聡君        外務省大臣官房        審議官      赤堀  毅君        外務省大臣官房        参事官      遠藤 和也君        外務省大臣官房        参事官      有馬  裕君        外務省国際協力        局長       植野 篤志君        外務省国際法局        長        岡野 正敬君        海上保安庁警備        救難部長     瀬口 良夫君        防衛省防衛政策        局長       岡  真臣君        防衛省整備計画        局長       土本 英樹君        防衛省人事教育        局長       川崎 方啓君        防衛省地方協力        局長       鈴木 敦夫君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○外交防衛等に関する調査  (米軍等部隊武器等防護に関する件)  (普天間飛行場代替施設に関する件)  (尖閣諸島をめぐる問題に関する件)  (人権外交に関する件)  (日・ミャンマー関係に関する件)  (沖縄における重要土地等調査に関する件) ○防衛省設置法等の一部を改正する法律案内閣  提出衆議院送付)     ─────────────
  2. 長峯誠

    委員長長峯誠君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日までに、石垣のりこ君及び大塚耕平君が委員辞任され、その補欠として福山哲郎君及び上田清司君が選任されました。     ─────────────
  3. 長峯誠

    委員長長峯誠君) この際、岸防衛大臣から発言を求められておりますので、これを許します。岸防衛大臣
  4. 岸信夫

    国務大臣岸信夫君) 今国会提出いたしました防衛省設置法等の一部を改正する法律案について申し上げます。  国会提出資料に含まれる参照条文において、本来、カナダ軍隊と記載すべき部分のうち、一か所を英国軍隊と記載する誤りがありました。原因については、資料作成手順の不徹底と作成資料確認不足によるものとの報告を受けております。  このような誤り法案の御審議をお願いする立場としてあってはならないことであり、誠に遺憾です。防衛省として、今後このような誤りを起こさないよう再発防止を徹底してまいります。     ─────────────
  5. 長峯誠

    委員長長峯誠君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  外交防衛等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官中嶋浩一郎君外十二名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 長峯誠

    委員長長峯誠君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  7. 長峯誠

    委員長長峯誠君) 外交防衛等に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  8. 小西洋之

    小西洋之君 立憲・社民の小西洋之でございます。  冒頭、今防衛大臣の方から陳謝をいただきました設置法について、参照条文について誤りがあったという点でございますが、私もかつて霞が関で働いていたんですが、読み合わせ等の作業、大変な作業でありますけれども、やはりそこをしっかりやっていただくということが我が国法治国家をしっかり守っていくということでございますので、理事会では再発防止策の紙も、政務官からの陳謝説明もございましたけれども大臣の御指導の下、しっかり再発防止を頑張っていただきたいというふうに思います。  では、質疑の方に移らせていただきます。  まず、法制局長官質問をさせていただきます。配付資料の一ページでございますけれども、昨年、令和二年の十二月一日の私のこの外交防衛委員会での質問質疑でございますが、令和二年十二月一日の私の、法解釈前提立法事実の確認というのは、法制局の仕事、所掌には含まれないという理解でよろしいですか、法制局は事実の確認はしない、あらゆる解釈法令根拠となる立法事実については一切確認はしない、関知はしないという理解でよろしいですかとの質問に対する内閣法制局長官の、「立法事実については、担当省が現実に起こっている事実を確認し、それを私どもに御説明いただくということで、私どもが直接立法事実を調べに行くということではなく、あくまでも担当省庁がこういう事実がありますということを前提法案説明されますので、それを私どもは完全に信用してやると。」との答弁の、内閣法制局設置法上の審査事務及び意見事務の職責を踏まえた趣旨について、内閣法制局答弁を求めます。
  9. 近藤正春

    政府特別補佐人近藤正春君) お答えいたします。  まず、一般論として、立法事実とは何か及びその意義についてお答えすると、立法事実とは、立法必要性根拠付ける社会的、経済的事実を言い、立法目的合理性及びそれに密接に関連する立法必要性を裏付けるものであります。  次に、内閣法制局設置法上の当局審査事務及び意見事務の在り方についてお答えしますと、審査事務については、当局内閣法制局設置法第三条第一号に規定されているとおり、「閣議に附される法律案政令案及び条約案審査し、これに意見を附し、及び所要の修正を加えて、内閣に上申すること。」を所掌事務としており、閣議に付される法律案等に関し、憲法との整合性、他の現行法制との関係立法内容法的妥当性等について、法律的、技術的にあらゆる角度から検討を行っております。  意見事務については、当局は同条第三号に規定されているとおり、「法律問題に関し内閣並びに内閣総理大臣及び各省大臣に対し意見を述べること。」を所掌事務としており、法令解釈に関し、疑義があるなどして内閣並びに内閣総理大臣及び各省大臣から法律問題に関し相談があった場合等に、法律的見地からの検討を加え、その結果に応じ必要な意見を述べているところであります。  最後に、御指摘の私の答弁中の「完全に信用してやる」との表現について、ただいま御説明した審査事務及び意見事務当局が行う上で、原省庁立法事実に関する説明当局がそのまま信用するという意味に誤解されるおそれがあるということであれば当局としても本意ではございませんので、当該答弁部分のうち、「完全に」については撤回させていただきます。
  10. 小西洋之

    小西洋之君 法制局長官から答弁いただきましたので、長官は退席をして結構でございます。
  11. 長峯誠

    委員長長峯誠君) 長官は退席して結構でございます。
  12. 小西洋之

    小西洋之君 今の長官答弁でございますが、「完全に信用してやる」という部分のその「完全に」ということを撤回されるということを明確におっしゃられました。内閣法制局がこれ立法事実に関する考え方、言わば大きな解釈でございますので、法解釈を撤回するというのは、私が確認した限り戦後の議会でも例がないような話だというふうに思うところでございますが。  ただ、先生方に御確認いただきたいのは、なお、長官答弁ですね、法案説明されますので、担当省庁が、それを私どもは信用してやると、「信用してやる」のところは残るわけでございます。ここはまあ見解の相違があったわけでございますけれども。  ただ、立法事実というのは、過去に立法事実を基に最高裁で違憲であると判示された法律もございます。薬事法違憲判決でございますが、判決によれば、立法事実というのは単なる観念上の想定では足りず、確実な根拠に基づく合理的な判断、これ規制立法ですけれども、そこまで求められるものでございます。  安保法制についてのこれは質疑だったんですが、国民の生死を預かる法律でございますので、当然この規制立法以上に私はきつい立法事実の審査というものが内閣法制局には求められているところでございます。なお、当時の質疑においてですが、この配付資料の一ページの会議録の終わりの方に委員長議事整理をしてくださっているくだり、またこれを受けての十二月三日にやはり同じような混乱があったんですが、当時、私は、会議録を是非読んでいただきたいと、内閣法制局長官があり得ないような答弁をなさっているので読んでいただきたいというようなことも申し上げていたわけでございますが。  法制局内閣法制局設置法の下に行政府の中の法の支配、また国会との関係で広く我が国のこの法の支配を守るために法制局設置法はあるわけでございますので、そうした任務は与野党を超えて守っていかなければいけない。先ほど法制局長官答弁につきましては、三宅理事の大変高い御見識の御指導をいただいたところでございますけれども、私も委員長の下のこの委員会委員の一人として、引き続き、そうした思いで頑張っていきたいというふうに思うところでございます。  では、次の質問の方に移らせていただきます。  防衛省政府参考人の方に質問させていただきます。  いわゆる武器等防護でございますけれども武器等防護がどういう場合にできるのかについて、自衛隊法法解釈を明らかにしたいというふうに思います。  質問ですが、武力紛争が発生している重要影響事態や、定義上ですね、武力紛争の発生が前提であるところの存立危機事態において、自衛隊他国軍部隊武器等防護を行うことは、自衛隊法九十五条の二において、法理として、法規範との関係法理として可能なのかどうかについて答弁をいただきたいと思います。  また、法理として許される場合にはどのような場合が可能な場合としてあり得ると考えているのかどうか。例えば、先般私が質疑をしたケースですけれども我が国領空において第三国爆撃に向かう他国軍爆撃機航空自衛隊戦闘機武器等防護するような場合は、こういう場合は、実は法理として排除されない場合の具体例として、可能性としてもあり得るのかどうかといったようなことについて答弁をお願いいたします。
  13. 岡真臣

    政府参考人岡真臣君) お答え申し上げます。  まず、自衛隊法第九十五条の二の米軍等武器等防護規定でございますけれども、これは条文上「現に戦闘行為が行われている現場で行われるものを除く。」と規定されておりまして、このような規定を置くことによりまして、本条による警護米軍等による武力行使一体化しないことを担保するとともに、本条による武器使用によって戦闘行為に対処することはないものとしているところでございます。  一般に、武力紛争が発生している場合、当該武力紛争に対処している米軍等部隊に対する侵害行為米国等に対する武力攻撃一環として行われるものと考えられ、本条による武器使用によって戦闘行為に対処することはできない以上、防衛大臣当該部隊武器等警護を行うという判断することはありません。  その上で、あくまで法解釈ということで申し上げれば、武力紛争が発生している場合においても、当該武力紛争と何ら関係のない主体、そういった主体によりまして武力攻撃に至らない侵害が行われる、それに対処するために自衛隊法第九十五条の二に基づいて当該武力紛争に対処している米軍等部隊警護するということは、先ほど申し上げましたように、あくまで法解釈の問題ではございますが、排除されていないというふうに考えております。  他方で、具体例ということについても御質問ございましたけれども、これは若干繰り返しになりますけれども武力紛争が発生している場合に、当該武力紛争に対処している米軍等部隊に対する侵害行為米国等に対する武力攻撃一環として行われるものと考えられ、本条による武器使用によって戦闘行為に対処することはできない以上、防衛大臣当該部隊武器等警護を行うという判断をすることはないということが大前提であると考えておりまして、それ以上何か具体例ということでお答えすることは困難であるというふうに考えております。
  14. 小西洋之

    小西洋之君 今の答弁なんですが、一番最後の、防衛大臣がこうした武力紛争が発生しているような場合においては武器等防護の命令をする、そういう判断をすることはないということですが、これについては安保国会でも、判断をすることはできません、対応できる事態ではございませんといったような答弁があるんですが、今の答弁で明らかなんですが、要するに、その判断することがないというのはあくまで政策論であって、法理としては判断をし、武器等防護も行うことができる、武器等防護も行うことができるということだというふうに思います。  ちょっと具体的な事例でも通告させていただいているんですが、我が国領空第三国に向かって爆撃のために飛んでいく例えば同盟国爆撃機があると。その爆撃行為というのは、広く我が国防衛にも資するという、この九十五条の二の要件にも合致をすると。そうした場合に、今おっしゃられたような、爆撃に向かう先の第三国武力とは違う何ら関係のない主体によって何らかの危害行為が行われるような場合には、可能性としては、法理としては、武器等防護自衛隊はその爆撃機に対してすることができると、そういうことでよろしいでしょうか。
  15. 岡真臣

    政府参考人岡真臣君) 先ほども申し上げましたけれども、あくまでも法解釈あるいは法理上の問題として申し上げますと、先ほどのようなことが考えられるのではないかと。そういう意味で、武力紛争が発生している場合においても、当該武力紛争と何ら関係のない主体による武力攻撃に至らない侵害に対処するために、自衛隊法第九十五条の二に基づき当該武力紛争に対処している米軍等部隊警護することが排除されていないというふうに考えられるというふうに申し上げたところでございますけれども、これは具体的な設例で申し上げると非常に複雑な問題でございまして、様々な前提についてどう考えるかといったところについて、なかなか難しい議論になりますが、いずれにいたしましても、従来から申し上げておりますのは、武力紛争が発生している場合というのは、米軍等部隊に対する侵害行為というのが米国等に対する武力攻撃一環として行われるということがかなりの可能性として考えられるということになろうと思っております。  そういたしますと、現在の九十五条の二の法律の作り方として、先ほど冒頭申し上げましたような、現に戦闘行為が行われている現場で行われるものを除くと規定することで武力行使一体化しない、また武器使用によって戦闘行為に対処することはないということにして、そういう立て付けにしている以上、そういう法律考え方にある以上、そういった武力行使一体化しないこと、自衛隊の行う武力、そうなっている以上は、そういう法律考え方に基づいてそういうことはしないという判断をするということで申し上げているところでございます。
  16. 小西洋之

    小西洋之君 通告に基づく具体例なんですけれども、例えば二〇一七年、一八年、現にあったことなんですけれどもアメリカ北朝鮮が軍事的に非常に緊迫をすると、で、グアムにあるアメリカ戦略爆撃機B1B、これは自らを守る兵装は持っていない裸の爆撃機ということなんですけれども、それが日本領空を通って北朝鮮に向かうと。  当時、韓国に向かう途中で日本自衛隊とも共同訓練を繰り広げたりもしているわけなんですけれども日本領空を飛んでいくB1Bを北朝鮮が撃墜するだけの北朝鮮のそういう軍事的な可能性があるかというと、多分、余りない。北朝鮮が何か戦闘機を飛ばしても、それは自衛隊や、もちろんアメリカや、あるいは日本個別的自衛権等を認識すれば対処するんでしょうから。  そうすると、北朝鮮からの武力攻撃という危害可能性はないと。ただ、何らかの危害がそのB1Bに対して起こり得るかもしれないとすると、自衛隊がそのB1Bに対して武器等防護を行う、アメリカ北朝鮮武力紛争が発生していてもですね。そういうことは可能性としてはある、少なくとも法理としては排除されていない、そういう理解でよろしいでしょうか。
  17. 岡真臣

    政府参考人岡真臣君) 先ほどもちょっと申し上げましたけれども、なかなか具体的事例について申し上げることは非常に難しいところがあるかなと思っております。例えば、委員指摘のありました北朝鮮軍事能力といったことについて余り予断を持って申し上げることは適切ではないというふうにも思っております。  そういうことで、先ほど申し上げました、若干繰り返しになりまして恐縮ですけれども法理として排除されない部分というのはあろうかとは思いますけれども、現在のその法律上の考え方として、この九十五条の二によります警護米軍等による武力行使一体化しないことを担保すると、そして自衛隊の行う武器使用によって戦闘行為に対処しないということにしている、そういった法律考え方に基づいて先ほど申し上げたような判断をすることになるということでございます。
  18. 小西洋之

    小西洋之君 ちょっと関連で、これ前回質問させていただいていることなんですが、そういう解釈を整理した上で質問するというふうに申し上げていたんですけれども、今言ったようなケースですね、武力紛争が発生していて、そこに武力行使に向かう戦略爆撃機日本航空自衛隊武器等防護をすると。すると、第三国から見れば日本はまさに敵国として思われるわけですね。さっきの言ったケースでいうと北朝鮮ですね。  そういう、北朝鮮アメリカは要は戦争しているわけですから、北朝鮮から敵国と思われるような武器等防護を行うということは、いかにその爆撃機爆撃行為我が国防衛に資するという要件にかなう状況であっても、日本北朝鮮から敵国視をされて、場合によっては武力攻撃を受ける可能性は、私は現に生じると思います。そういう武器等防護というのは、日本国民日本国家を危険にさらして、憲法九条にも違反するということにはなるんではないでしょうか。
  19. 岡真臣

    政府参考人岡真臣君) 九十五条の二については、その条文にあるとおりの趣旨で、米軍等武器等防護をするということでございまして、何といいますか、いずれにしても、我々としては、ちょっと先ほど来申し上げておりますけれども武力行使等一体化ということをしない、また自衛隊戦闘行為という形でその何らかの侵害に対して対処しないということを、いう法律考え方に基づいて判断をして、この九十五条の二を運用していくという考え方でございます。
  20. 小西洋之

    小西洋之君 伺った質問に答えていただけないというふうに思うんですが。  いずれにしても、今、武器等防護ですね、自衛隊法の九十五条の二においては、武力紛争が発生している局面、重要影響事態あるいは存立危機事態など例示をしましたけれども、そういう場合でも法理としては武器等防護はできるんだというのは、これ実は安保国会通じて初めての政府答弁でございます。  実は、資料の二ページなんですが、平成二十九年の五月の二十三日で、当時の防衛政策局長前田さんと、私、このことについて質問させていただいているんですね。実は、①、②というふうに番号を付けておりますけれども、私が行っている、この①からこの④までやっているんですが、全てこの武器等防護をですね、武力紛争が発生しているときは武器等防護をやるというような判断はしないという安保国会のときの防衛大臣答弁が、それは政策判断を述べているのか、あるいは、今明らかになったその法理ですね、法理論法解釈について述べているのかということを、そのことだけを私はひたすら聞いているんですね。で、なかなか前田さんが答えてくれないので、最後、どちらなのかもう明確に答えてくださいと言ったところ、前田さんが、「そのような判断をする場合には法律に反している判断になると、こういうことだと思います。」というふうに答弁されたので、私はてっきり、法解釈上、武力紛争が発生しているときは武器等防護はできないという政府解釈条文解釈なんだというふうに理解したんです。で、三年間ずっと、実は昨日までそう理解していました。  ところが、先ほど政府答弁にあったように、そういう解釈ではないと、武力紛争が発生しているときも武器等防護法解釈としてはできるということであったわけでございます。  これ、実は、先般のこの我が委員会質疑で、白先生が、予算委員会におけるその防衛大臣答弁と当日のこの外交防衛委員会答弁が違うんじゃないか、特に予算委員会答弁で。これ、私も実は同じことを行っているんですけど、丸をした部分ですね、私は、最後には明確に答弁していただきましたというふうに私言っているんです。で、その後、次の質問に移って、もう一度、当時の前田政府参考人さんに答弁をいただいているんですね。  すると、やはり防衛省としては、当然、私に誤解を与えているということを次の答弁のときに訂正をしてもらわないと、訂正というか、言ってもらわないといけないというふうに思うんですが、それを踏まえて、政府参考人、この当日のですね、平成二十九年五月二十三日の政府答弁趣旨について簡潔に、ちょっと肝のところだけを答弁ください。
  21. 岡真臣

    政府参考人岡真臣君) 御指摘平成二十九年五月二十三日の参議院外交防衛委員会におけるやり取りでございますが、まさに議事録委員から配付をいただいているとおりでございますけれども、我々も、改めてですね、質問を、御通告をいただいたことを受けて改めて議事録確認、精査をいたしました。  ここは、今も委員からもお話がございましたけれども武力紛争が発生している重要影響事態において、当該重要影響事態に対処する米軍等部隊警護することはないという答弁について、これが政策論として警護しないということであるのか、それとも法律警護できないということかという御質問であったというふうに理解をしております。その上で、当時の防衛政策局長から、数度のやり取り、まさにこの議事録にあるとおりでございますけれども、あった後、九十五条の二による米軍等部隊警護について、現に戦闘行為が行われている現場では、その適用の要件を欠くことから、警護を実施するという判断をすることは法律に反する旨を答弁をしているところでございます。  この論点につきましては、当委員会で、この国会におきましても、いろいろ御質問をいただいておりまして、なかなか難しい要素を含む論点だというふうに我々としても思っておりますけれども、当時、まさにこういう数往復、何度にもわたってやり取りが行われている中でこういった答弁が行われたというふうなものだというふうに考えております。  その上で、今委員から質問趣旨政府答弁の整合ということに関して御指摘がございましたが、私どもとしては、こういった御指摘を真摯に受け止めて、引き続き質問者の質問の意図にしっかり適切にお答えするよう努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
  22. 小西洋之

    小西洋之君 実は、私、これ、三年間ずっと誤解していたんです。武力紛争が発生しているときは武器等防護はできないという、そういう法規範であり、そういう政府解釈であるというふうにずっと私信じて、実はいろんなところにそういう御説明もしてきたんですが、それが違うということが明らかになったと。  実は、武力紛争が発生しているときでも武器等防護法解釈上はできるという政府解釈は、昨日、整理されたんですよね。昨日、防衛省内閣法制局や国家安保局との関係で初めて整理して、今日、先ほど答弁いただいたというふうに理解します。  すると、当時の前田政府参考人は、その答えを持ち合わせていないのであれば、だったらそういうふうにきちんと言うべきでありまして、防衛大臣質問させていただきますけれども、やっぱりこういう質疑答弁の在り方、あと、その場で訂正をしない、あるいは事後にも訂正をしない、あるいは、少なくともそういうことが起きているということを知らせないというのは、内閣法の条文配付させていただいておりますけれども、我々国会議員、これ野党議員含めですけれども、野党議員の国会質問は、憲法の定める国会による内閣の監督機能の表れであるという政府答弁もございます。  また、内閣法の第二条においては、内閣は全国民を代表する議員、私のような野党議員も含めですけれども、から成る国会に対して連帯して責任を負うというふうに言っておりますので、やはり質疑者の趣旨と違う、誤解を与えているような答弁をしてしまっているというふうに政府が認識するのであれば、直ちにその旨を訂正すべきであるし、あるいは報告すべきであるし、あるいは事後に、少なくとも、万やむを得ないときでも、事後に速やかにそうした訂正等々の対応をする法的責務が私はあると思うんですが、防衛大臣、政府を代表しての答弁をお願いいたします。
  23. 岸信夫

    国務大臣岸信夫君) 今の内閣法の、委員からの御指摘でございますけれども防衛省の所管外でございますので、法的責任の有無については、有権的な解釈を行うことは、その立場にございませんけれども、ただ、内閣の一員である防衛大臣として、行政権の行使に対する国会を始めとする民主的な統制の重要性は十分認識をしているところでございます。  その上で、防衛省として、国会質疑において、質疑者の質問趣旨政府答弁が整合すべきであるという委員の御指摘を真摯に受け止めて、私自身も国会での答弁に際して一層留意してまいりたいと考えております。
  24. 岡真臣

    政府参考人岡真臣君) 大変恐縮でございます。  一点だけちょっと細かい点を補足をさせていただきたいと思います。  前田、当時の防衛政策局長答弁でございますけれども、もう一回繰り返し読まさせていただきますが、「要件として、現に戦闘行為が行われる現場では適用の要件を欠くということになりますので、」というところがございまして、そこがですね、先ほど委員がお話になっておりましたように、御質問の点とずれてといいますか、問題意識が少しずれているところがあるということはあるんだろうとは思いますが、この答弁自体が何か間違ったことを言っておられるということではないんだろうというふうには、済みません、非常に補足的なことで大変恐縮でございますが。  それから、私が先ほど申し上げました法解釈の、その純粋に法解釈としてどうかというところ、答弁のラインそのものについては、委員から御指摘のありましたとおり、昨日、改めていろいろ関係省庁等も含めて調整をさせていただいておるところでございます。  ただ、考え方として、昨日初めてこういった考え方になったというわけでは必ずしもないところがございますので、ちょっと正確を期すために補足して申し上げさせていただきたいと思います。
  25. 小西洋之

    小西洋之君 時間なので一言だけ。  今おっしゃられた、現に戦闘行為が行われる現場でその要件を欠く云々というのは、法解釈であるか否かを答弁できない、あるいはしたくない、どっちかだったと思うんです。まあ、多分できなかったんでしょう、整理されていなかったんですから。なので、その場しのぎなんです、これ。いわゆるこれ、御飯論法ですよ。それを今、一々御説明をなさるというのは、ちょっともう終わりなんで、ちょっと、委員長、私、穏便に品格を持ってやろうと思ったんですが、防衛省の我々委員に対する、質問に対するその答弁姿勢について、考え方を整理して委員会提出を求めます。
  26. 長峯誠

    委員長長峯誠君) 後刻理事会にて協議いたします。
  27. 小西洋之

    小西洋之君 質疑を終わります。  ありがとうございました。
  28. 白眞勲

    ○白眞勲君 おはようございます。立憲民主党の白眞勲でございます。  今お配りした資料からスタートさせていただきたいと思うんですけど、前回の三月三十日の私の質疑に対して、私と防衛省との間でずっとやっていて、なかなか外交防衛委員の皆様には一体何のこっちゃみたいな感じになったので、ちょっと一回整理して、ここに議事録配付をさせていただいておりますが、要は、この資料の二ページ目、一月二十七日の参議院予算委員会部分の、ちょうど真ん中の部分なんですけれども、私はこう聞いているんですね。この辺野古の基地の陸幕とそれからアメリカ海兵隊との密約があったんではないかという報道に際しまして聞いたわけなんですけれども。  私は、この真ん中の部分です、計画図まで作成したかどうかと、当時の陸幕長に聞いたんですかということが一つのポイントになったわけで、それに対して大臣が、「共同使用についてそのきちっとした計画があったわけではございませんが、そういう形での、その図があったということはお話がありますけれども、」というふうに言っているわけでして、その私は内容から、その次ですね、「やっと認めていただきました。そういう計画図はあったということです。」というふうに、私は、何というのかな、質問の中でそう発言したわけなんですけれども。  それが、前回、三月三十日のこの当外交防衛委員会での質問に対する防衛大臣そして政府参考人の答えは、いや、この話というのは陸幕長から聞いた話ではなくて、要は報道があったということですという、私から言わせると非常に奇想天外な議論になっちゃったわけなんですね。  先ほど小西議員からもこの防衛省答弁に対する姿勢について問われましたけれども、これは非常にそのときもめたわけでして、結局理事会協議事項になった。なぜならば、本来でしたら、思いやり予算だったので、早めにこれ審議して採決しなくちゃいけないという思いもあったからそのときは止めないでそのままスルーしたわけなんですけれども、もう一回協議事項でということで、今日は理事会にその内容が出たということですので、ちょっと議事録に残すために、大変防衛大臣恐縮でございますが、まずこの部分読み上げていただきたいと思います。今日、理事会提出した資料について読み上げてもらいたいと思います。
  29. 岸信夫

    国務大臣岸信夫君) これ、全てということでよろしいですか。(発言する者あり)じゃ、一月二十五日の段から。  一月二十五日、二〇一五年に陸上自衛隊と米海兵隊が辺野古の米軍キャンプ・シュワブに陸自の水陸機動団を常駐させることで極秘に合意し、合意を受けて陸上自衛隊施設の計画図案等が作成されたとの報道がなされました。  在日米軍及び自衛隊による施設・区域の共同使用検討に当たっては、特定の地域を排除することなく、沖縄を含む日本全国の施設・区域について、幅広く、様々な可能性検討してきており、その際に様々な図面を用いることもありますが、日米間の具体的なやり取りや検討状況について、相手方との関係や情報保全などもあり、従来よりお答えを差し控えてきております。  また、共同使用は、日米双方の外務・防衛当局によって幅広い検討が行われた上で、日米合同委員会による合意がなされるものであり、共同使用検討に際して用いられる計画図なども含め、陸上自衛隊と米海兵隊が合意を行うような性質のものではなく、いずれにせよ、上記報道に係る、日米政府間で合意された図は存在しません。また、従来より、普天間飛行場代替施設における恒常的な共同使用は考えておらず、その考えにこれからも変更はありません。  なお、共同使用に関しては、防衛大臣の指揮監督の下、陸上幕僚監部を含む関係部局が省一体となって緊密な連携の下で検討を進めてきており、また今般の報道を受け、これまでの検討状況等についても、陸上幕僚長を含む関係部局から、改めて防衛大臣への報告が行われているところ、本件について、文民統制上、何ら問題はないものと考えています。  その上で、一月二十七日の参議院予算委員会における防衛大臣答弁趣旨は以下のとおりです。  キャンプ・シュワブへの陸上自衛隊の配備について、白委員が、報道によりますと、陸上自衛隊の使う施設の計画図まで作成したとなっていますけれど、と報道を引用する形で質問したことに端を発したやり取りの中で、そのような報道があることは承知しているとの趣旨で、「そういう形での、その図があったということはお話がありますけれども」と答弁したものです。  当該答弁については、このような趣旨で行ったものですが、報道があることは承知しているとは言わずに「その図があったということはお話がありますけれども」と答弁するとともに、それに対する白委員の「やっと認めていただきました。そういう計画図はあったということです。」等の御発言に対して、それに続く防衛省答弁において訂正等がなされず、結果的に白委員との間で認識のそごが生じ、さらには質疑後においても、防衛省として、速やかに補足の説明をすべく対応しなかったことにつき、おわびの上で、改めて答弁趣旨説明いたします。  防衛省としては、今後の質疑においては、質疑者の質問趣旨を踏まえた形で答弁を行うとともに、共同使用に係る事項につき、国会国民に対する説明責任を全うすべく、不断の努力を行ってまいります。
  30. 白眞勲

    ○白眞勲君 ありがとうございました。  やっぱりそごがあるんです、私の認識との。つまり、その図があったという話がありますというのは、私は幕僚長から聞いた話だと思ったら、あくまでも、理事会協議事項でもこういう、まあちょっと私には納得できない、報道があるんだということの内容だということだということでしたから、このやり取りが私には納得が到底いかないものであるということは申し上げたいと思うんですけれども。  そこで、ちょっとここでお聞きしたいんですけれども、何かちょっと疑問に思ったのは、このキャンプ・シュワブと普天間飛行場代替施設というのは、これは違うものなんでしょうか、同じものなんでしょうか。
  31. 岸信夫

    国務大臣岸信夫君) 日米両政府は、普天間飛行場の代替施設をキャンプ・シュワブ辺野古崎地区及びこれに隣接する水域に建設する方針をこれまで累次にわたって確認をしてきております。これらの区域はキャンプ・シュワブとして米側に提供されており、普天間飛行場の代替施設は水域を含むキャンプ・シュワブの中に建設されるものであります。  政府としては、普天間飛行場の代替施設における恒常的な共同使用は考えておりませんが、キャンプ・シュワブを含めて、個別具体的な検討状況については従来からお答えを差し控えさせていただいておるところでございます。  今御質問のキャンプ・シュワブと代替施設の関係という意味では、この区域については、キャンプ・シュワブとして米側に提供されているところの中から、普天間飛行場の代替施設は、水域と、水域を含むキャンプ・シュワブの中に建設をされているということであります。
  32. 白眞勲

    ○白眞勲君 つまり、もう一回確認しますけれども、私、この答弁があってから、もう何度も何度も質問しなくちゃいけないなと思って、本来でしたらたったったと行くところを少し地道に行きたいなと思っているんですけれども、もう一回確認しますと、要は、キャンプ・シュワブという基地の中に普天間飛行場代替施設は全部含まれるということでよろしゅうございますね。
  33. 岸信夫

    国務大臣岸信夫君) キャンプ・シュワブとして米側に提供されているところの普天間飛行場の代替施設は、水域を含むキャンプ・シュワブの中に、中に建設をされるということでございます。
  34. 白眞勲

    ○白眞勲君 そこで、本日お読みいただいた中で、文章としては丸の三つ目ですね、の最後に、読みますと、今も大臣が御発言いたしましたけれども、「従来より、普天間飛行場代替施設における恒常的な共同使用は考えておらず、その考えにこれからも変更はありません。」となっていますね。  これ、皆様のお手元の資料の二ページ目の一番最後、ちょうどこのかぎ括弧の、二ページ目、だから五十三ページの一番下のところですね、赤い線が引かれているその横に総理答弁があるんですけれども、ここにも、従来より、菅総理がですね、従来より代替施設における恒常的な共同使用というのは考えておりませんでした、そして、その考えにこれからも変わりはありませんと書いてあるんですけれども。  ここでちょっとお聞きしたいのは、恒常的というのは、自衛官が常駐したり司令部機能があるということを普通は解釈できると思うんですけれども、そういうことでよろしゅうございますか。
  35. 岸信夫

    国務大臣岸信夫君) 恒常的な共同使用についてですけれども、これは、在日米軍の施設・区域の一部の日本側による使用のうち、訓練等のための一時的な共同使用とは異なり、例えば自衛隊部隊が常駐するような恒常的な使用のことを指します。
  36. 白眞勲

    ○白眞勲君 つまり、司令部機能とか何かを置いたものが恒常的な共同使用、あっ、共同使用じゃない、恒常的という意味合いでよろしゅうございますね。
  37. 岸信夫

    国務大臣岸信夫君) 委員質問の司令部機能というものを持つかどうかというものは別にしまして、一時的な、訓練のための一時的な共同使用とは異なって、自衛隊部隊が常駐するような恒常的な使用ということを指すということです。
  38. 白眞勲

    ○白眞勲君 そうすると、逆に言えば、普天間飛行場代替施設で恒常的な共同使用でない使用というのは考えられるということですよね。
  39. 岸信夫

    国務大臣岸信夫君) 普天間飛行場の代替施設は、普天間飛行場の機能のうちオスプレイなどの運用機能を移すための施設であります。移設に係る経緯等を踏まえて、恒常的な共同使用を考えていない旨につき御答弁してきているものでございますが、これ以上、これ以外の具体的な検討状況については、相手方との関係もありまして、情報保全の問題もありますので、従来からお答えを差し控えさせていただいておるものでございます。
  40. 白眞勲

    ○白眞勲君 いや、私が聞いているのは、普天間飛行場代替施設に訓練のために使用をすることは今後あり得るということですかと聞いているんです。
  41. 岸信夫

    国務大臣岸信夫君) そういうことも含めて、従来よりお答えを差し控えさせていただいているところでございます。
  42. 白眞勲

    ○白眞勲君 恒常的な共同使用はしないと断言していて、そこは言っておいて、訓練については言えませんというのは、これはおかしいんじゃないんですか。どっちも言えないんだったら分かるんですね、どっちも言えないんだったら。だけど、それはおかしいじゃないですか。共同使用は、共同、訓練はするということでしょう。訓練はそこでするということですよね。どうなんですか。もう一回答えてください。
  43. 岸信夫

    国務大臣岸信夫君) 繰り返しになりますけれども、従来より、その相手方の関係で情報保全などの問題もあり、従来よりお答えを差し控えさせていただいているところでございますが、普天間飛行場の代替施設については、普天間飛行場の機能のうちオスプレイなどの運用機能を移すための施設でありまして、移設に係る様々な経緯等も踏まえて、この部分については恒常的な共同使用を考えていないという旨の答弁をさせていただいているものでございます。
  44. 白眞勲

    ○白眞勲君 もう一度お聞きします。  先ほどの御答弁にもありましたとおり、普天間飛行場代替施設は恒常的な、つまり、司令部などは置かないけれども、今後自衛隊が訓練のために使用することはあり得るかどうかということをお聞きしています。あり得るかどうか、イエスかノーかなんですよ。
  45. 岸信夫

    国務大臣岸信夫君) あり得るかどうかということにつきまして、従来よりお答えを差し控えさせていただいておるところでございます。
  46. 白眞勲

    ○白眞勲君 それはおかしいですよ。恒常的にはあり得ないということは言っておきながら、一時的な使用については相手国との関係があるから言えませんって、それは論理的に矛盾があるんじゃないんでしょうか。どうなんですか、この辺は。おかしいですよ、これは。だから、ちゃんと可能性としてあるかどうかを聞いているんです、私は。  アメリカ軍と最終的にどういう打合せをして、週何回やりますよとか、そういうことについてはそれは相手国との関係があるから言えません、それは分かります。しかし、今の話というのは、恒常的の裏返しで一時的な使用はあるということを意味しているんじゃないんでしょうか。どうなんですか。
  47. 岸信夫

    国務大臣岸信夫君) 私が申し上げておりますのは、先ほどから申し上げておりますのは、普天間の代替施設について、移設に係る経緯等も踏まえて、恒常的な共同使用を考えていないということを申し上げているわけでございます。  その以外につきましては御答弁を差し控えさせていただいておるところでございます。(発言する者あり)
  48. 長峯誠

    委員長長峯誠君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  49. 長峯誠

    委員長長峯誠君) 速記を起こしてください。
  50. 岸信夫

    国務大臣岸信夫君) これまで、まず防衛省として、一般的に共同使用については、それが一時的だろうが恒常的であるか、これ御答弁をしていないことであります。  一方で、普天間の代替施設につきましては、過去の経緯ということも踏まえて、我々として例外的に恒常的な訓練をしないということを申し上げたところでございます。恒常的な、ごめんなさい、恒常的な共同使用をしないということを申し上げたところであります。(発言する者あり)
  51. 長峯誠

    委員長長峯誠君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  52. 長峯誠

    委員長長峯誠君) じゃ、速記を起こしてください。
  53. 岸信夫

    国務大臣岸信夫君) ただいま申し上げましたけれども、移設に係る経緯等を踏まえて、恒常的な共同使用を考えていないということを申し上げたところでございますが、この経緯というものは、この普天間飛行場代替施設につきましては、沖縄の基地負担の軽減というものが目的としてあるわけでございます。その中で、確実な形でこの基地負担の軽減ということが進む中で恒常的な共同使用というものを、は行うことはないということを申し上げたところでございます。
  54. 白眞勲

    ○白眞勲君 さっぱりまた分からなくなっちゃったですね。これもちょっと理事会で協議していただきたいと思うんですけれども、そもそも、恒常的は、今まで、例外的に今回は恒常的にやりませんということは言いますけれども、じゃ、何で例外的に一時的ってことは言わないんですか。一時的も恒常的も、例外的にはこれちゃんと、キャンプ・シュワブ、ああ、ごめんなさい、普天間飛行場代替施設について、一時的も何で答えないんですか、それは。やるならやると言った方がいいですよ、それは。やる可能性があるのかどうかですよ。どうなんですか、その辺は。
  55. 岸信夫

    国務大臣岸信夫君) 一時的な共同使用ということをやるかやらないか等々について、従来よりこの件についてはお答えをしていないことでございますので、お答えを差し控えさせていただきたいと思います。
  56. 白眞勲

    ○白眞勲君 これ一回、何かまた協議事項になります。お願いいたしたいと思います。
  57. 長峯誠

    委員長長峯誠君) 後刻理事会にて協議いたします。
  58. 白眞勲

    ○白眞勲君 岸防衛大臣、三月三十日の外交防衛委員会で、三個目の水陸機動連隊を含めキャンプ・シュワブ、キャンプ・ハンセンへの水陸機動団の配備は考えておりませんとはっきりと言明されました。また、沖縄県内の陸自駐屯地に配備することも考えておりませんと。はっきり言うものだなと思ったんですね。部隊のこの配備についてもここまではっきりおっしゃるものなんだなと私はびっくりしたんですけれども。  そうすると、ほかの部隊のキャンプ・シュワブ、キャンプ・ハンセンについての配備は考えているんでしょうか。
  59. 岸信夫

    国務大臣岸信夫君) 当時の議論として、この水陸機動団の沖縄への配備はどうなんだということだったと思います。  この三個目の水陸機動団、機動連隊の配置先、新編時期等について、現在も検討中でございますけれども、いずれにいたしましても、同部隊を含めて、沖縄県内への水陸機動団の配備は考えておりません。
  60. 白眞勲

    ○白眞勲君 今ちょっと私聞き逃したんですけど、現在も検討中というのは何を検討されていたんですか。
  61. 岸信夫

    国務大臣岸信夫君) 三個目の水陸機動団の配置先、新編の時期ということでございます。
  62. 白眞勲

    ○白眞勲君 ほかの部隊のキャンプ・シュワブ、キャンプ・ハンセンについての配備は考えているんでしょうか。
  63. 岸信夫

    国務大臣岸信夫君) 今御質問の、ほかの部隊のキャンプ・シュワブ、キャンプ・ハンセンへの移駐という意味でございましょうか。  そういったことは具体的には今何もございません。
  64. 白眞勲

    ○白眞勲君 いや、何もございませんって、よく分からないんですけど。  配備を考えているかどうかを聞いているんです、私は。ちょっと、もう一度お聞きしたいと思います。
  65. 岸信夫

    国務大臣岸信夫君) 今の点でございますけれども、水陸機動団も含めて、ほかの部隊等の移設について何も計画されていることはございませんということでございます。
  66. 白眞勲

    ○白眞勲君 じゃ、何でこれだけは何ではっきり言っちゃったんですか、言明しちゃったんですか。だって、普通だったら、何も、部隊の配備について何も考えていませんと言うんだったら分かるんですけれども、何でこの水陸機動連隊については具体的に、これはもうやらないんだと、沖縄県にもう要らないんだと言った理由は何ですか。
  67. 岸信夫

    国務大臣岸信夫君) 新たな部隊の配備先に対しては、母体となる部隊の元々の所在地を十分に考慮することが必要と考えております。  水陸機動団の母体となっておりました西部方面普通科連隊が長崎県佐世保市の相浦駐屯地に所在していたことを踏まえ、相浦を中心に部隊を編成したところでございますが、また、水陸機動団が行うこととしている上陸作戦については、水陸両用車のAAV7による上陸、ボートによる隠密潜入、陸自オスプレイによる空中機動の三経路から行うことを想定しておるところでございますが、AAV7を運用する戦闘上陸大隊を長崎県崎辺分屯地及び大分県の玖珠駐屯地に配置していることや、陸自オスプレイの配備を佐賀空港にお願いしているということとの関係で、これらの部隊との緊密な連携を可能とし、AAV7などの訓練基地の十分確保する、訓練基盤を十分確保するという観点を考慮する必要があることからも、水陸機動団を沖縄県内に移駐するということは考えていないということでございます。
  68. 長峯誠

    委員長長峯誠君) 白眞勲君、おまとめください。
  69. 白眞勲

    ○白眞勲君 時間になりまして、実は今日十二ページぐらい自分は質問を予定していたんですけど、二ページ半しかできなかったので、また続きやりたいと思っています。  終わります。
  70. 浅田均

    ○浅田均君 日本維新の会、浅田均でございます。  昨今、中国海警局の船艇の動き、またそれに対応する我が方、海保等の動きが報道されております。  私は、尖閣はどう守るべきかという問題意識から、今日質問させていただきたいと思っております。  この中国海警船の動き、今申し上げましたように、これ一昨日の報道ですか、十三日未明から沖縄県の尖閣諸島の沖合で中国海警局の船二隻が日本の領海に侵入しています、船は日本の漁船に接近する動きを見せたということで、海上保安本部は巡視船で漁船の安全確保に当たり、直ちに領海から出るように警告を続けていますという報道であります。  まず、実際何が起きているかということを明確にしたいと思います。それで、この中国海警局の船艇、これはどのような船艇であるのか。海上保安庁のホームページ見ますと、海上保安庁の保有船、これ四百四十八隻を保有というふうになっておりましたけれども、ヘリコプター搭載大型巡視船PLHとか大型巡視船はPLとか、いろいろ分類されて書かれてあるわけでありますけれども、これに対応する中国海警局の船がどういう船艇、どのような船艇であるのか、日本の海上保安庁の保有船と比較して、数とか、特に装備、武器の保有の面等、特徴を教えていただきたいと思います。
  71. 瀬口良夫

    政府参考人(瀬口良夫君) お答えをします。  海上保安庁では、排水量千トン級以上の中国海警局に所属する船舶等は、令和二年十二月末時点において約百三十隻と認識しており、このうちの一部に砲のようなものを搭載した船舶を確認しております。  一方、海上保安庁は、令和二年度末時点において三百八十二隻の巡視船艇を保有しており、そのうち総トン数千トン型以上の大型巡視船は六十九隻であり、その全てに武器を搭載しております。また、平成二十八年十二月に関係閣僚会議において決定された海上保安体制強化に関する方針に基づき、更に大型巡視船七隻を建造中であります。
  72. 浅田均

    ○浅田均君 一部、中国海警局の船艇は軍艦並みの武器を備えているという報道もあるんですけれども、これは事実ではないということ、理解でいいですか。
  73. 瀬口良夫

    政府参考人(瀬口良夫君) 海上保安庁におきましては、砲のようなものを搭載した中国海警局に所属する船舶が尖閣諸島周辺海域に来航しているのを確認しておりますが、御指摘のような大型の武器確認してはおりません。
  74. 浅田均

    ○浅田均君 今ちょっと御発言がありましたけれども、そういう中国海警局の船艇が尖閣諸島周辺で一団となって交代制で周辺海域を航行していると言われております。  その事実認識についてお尋ねしたいのと、その目的について外務省、防衛省はどのように認識されているのか、お尋ねいたします。
  75. 遠藤和也

    政府参考人(遠藤和也君) お答え申し上げます。  中国海警船舶の動きの詳細についてお答えすることは差し控えさせていただきますが、ほぼ毎日、複数隻の海警船舶が我が国固有の領土である尖閣諸島周辺の接続水域を航行しており、その船舶は随時入れ替わっていると承知しております。また、尖閣諸島周辺におきまして、海警船舶は独自の主張をしながら領海侵入を繰り返してきております。  こうした我が国領海接続水域における海警船舶による活動について、中国側に厳重に抗議、申入れをしてきておるというところでございます。
  76. 岡真臣

    政府参考人岡真臣君) 防衛省ということもございましたので。  先ほどもう既に外務省からもお答えございましたが、まずその目的というところにつきましては、なかなかこの情報収集、分析に関わるところでもございますので控えさせていただきたいと思いますけれども先ほど外務省からも答弁ございましたとおり、中国海警局に所属する船舶によりまして、尖閣諸島周辺の接続水域内での航行、あるいは我が国領海内への侵入、日本漁船への接近しようとする動きなど、そういった活動が相次いでいるということは私どもとしても極めて深刻に考えておりまして、引き続き注視してまいりたいと考えているところでございます。
  77. 浅田均

    ○浅田均君 先ほど、外務省の御答弁の中に、独自の主張をしながらという御発言があったんですけれども、独自の主張というのはどういう内容でしょうか。
  78. 遠藤和也

    政府参考人(遠藤和也君) お答え申し上げます。  まさに尖閣諸島の領有権につきましては、我が国、歴史上も国際法上も我が国固有の領土であるというのは私ども明らかな立場ということでございますけれども、中国側が別途独自の主張をしておるという趣旨でございます。
  79. 浅田均

    ○浅田均君 いや、だから、その独自の主張というのはどういう主張ですかとお尋ねしているんです。
  80. 茂木敏充

    国務大臣(茂木敏充君) 今、遠藤参事官の方から申し上げた我が国の立場、そしてまた領有権の問題は存在しないと、こういう考え方とは違う主張ということです。
  81. 浅田均

    ○浅田均君 ありがとうございます。  それで、この中国海警局の船艇の動きに対して、冒頭申し上げましたけれども、報道では、個別に巡視船で漁船の安全確保を図り、直ちに領海から出るよう警告を続けていると報道では言われておりますけれども、個別にこういう反応をしているけれど、我が国はこういうその中国海警局の船艇の動きに対してどのような体制で対応しているのか、教えていただけませんか。
  82. 瀬口良夫

    政府参考人(瀬口良夫君) 尖閣諸島周辺海域におきましては、ほぼ毎日、中国海警局に所属する船舶が確認されております。海上保安庁においては、常に相手隻数より多い巡視船を配備するなど、十分な体制を確保し、領海警備に万全を期しております。  海上保安庁といたしましては、引き続き、我が国の領土、領海を断固として守り抜くという方針の下、関係機関と緊密に連携し、冷静に、かつ毅然として対応を続けてまいります。
  83. 浅田均

    ○浅田均君 その保安庁の毅然とした態度は尊敬するに値すると思うんですけれども、保安庁には警職法七条に対応する権限しか与えられていないわけですね。だから、余り期待し過ぎるのもちょっと申し訳ないという思いがあるのと、保安庁だけに任せておかないで、どうして、自衛隊がなぜ出ていかないのか、あるいは出ていけないのかということについてお尋ねしたいんですけれども、そこ行く前に、国連海洋法条約と無害通航権ということについて御説明をいただきたいと思います。
  84. 岡野正敬

    政府参考人(岡野正敬君) 国連海洋法条約上、全ての国の船舶は、国連海洋法条約に従うことを条件として、領海において無害通航を有するとされております。そこには無害と通航という言葉がございますけれども、通航については、継続的かつ迅速に行わなければならないものとされております。通航については、沿岸国の平和、秩序又は安全を害しない限り無害とされると、このように規定されております。
  85. 浅田均

    ○浅田均君 ありがとうございます。  それでは、今、国連海洋法条約と無害通航権について詳しく御説明いただきましたけれども、我が方の領海に他国の公船、公の船が入り、無害通航と認められないときに沿岸国ができることは何か、教えていただけませんか。
  86. 岡野正敬

    政府参考人(岡野正敬君) 国連海洋法条約第二十五条一項という規定がございます。沿岸国は、無害でない通航を防止するため、自国の領海内において必要な措置をとることができる、このように規定されております。この規定は、外国の公船等にも当てはまるものでございます。  沿岸国が無害通航には当たらない航行を行っている公船等に対してこの国連海洋法条約二十五条一項に基づく必要な措置をとる場合は、そのような措置は、公船が有する免除を侵害しない範囲で行わなければならず、当該行為による侵害行為との比例性が確保されたものでなければならない、このようにされているところであります。
  87. 浅田均

    ○浅田均君 今の御答弁から判断しますと、公船、外国の公船は治外法権的なものを持っておるけれども、治外法権的なものを持っておるけれども、それにもかかわらず、我が方として何らかの対応ができるという理解でいいですか。
  88. 岡野正敬

    政府参考人(岡野正敬君) 委員指摘の点については、海洋法条約では治外法権というような概念は使っておりません。免除というだけでございますが、その関連で申し上げますと、おっしゃるとおり、無害でない通航を防止するために必要な措置、これを公船に対してとることができるということでございます。
  89. 浅田均

    ○浅田均君 ありがとうございます。大分頭の中が整理できてきました。  それで、今の御答弁いただいたやり取りですね、私の質問と御答弁いただいた中身を受けて質問させていただきたいんですが、報道によりますと、政府は、海警局の船艇が武器使用すれば、海保も警察官職務執行法に基づき武器使用できると解釈するというふうな報道がされております。つまり、外国公船が尖閣諸島への上陸を強行したら、これを凶悪犯罪と認定して、武器使用により相手の抵抗を抑える危害射撃が可能になる場合があると説明したと報道されておりますが、これは事実でしょうか。
  90. 瀬口良夫

    政府参考人(瀬口良夫君) お答えをします。  一般論として申し上げれば、武器使用を含む外国公船、失礼しました、外国政府船舶への対応につきましては、個別具体のケースに即して総合的に判断すべきであり、一概にお示しすることは困難でございます。  ただし、国際法上許容される範囲内において海上保安庁法第二十条第一項で準用する警察官職務執行法第七条の要件に該当する場合には、警察比例の原則に基づき武器使用することは排除されないと認識しております。
  91. 浅田均

    ○浅田均君 今のところはちょっと問題になると思われるところでありまして、外国公船や軍艦というか、軍艦と言うともっとはっきりすると思いますけど、外国公船への危害射撃というのはこれ戦闘行為意味するんではないでしょうか。私、間違っていますか。
  92. 瀬口良夫

    政府参考人(瀬口良夫君) お答えをします。  具体的なケースにつきましては、我が方の手のうちを明らかにするおそれがありますことから、お答えを差し控えさせていただきます。
  93. 岡野正敬

    政府参考人(岡野正敬君) 国際法上の観点から申し上げますと、あくまでもそれは我が国の領海内での法執行という形で位置付けられるものであります。
  94. 浅田均

    ○浅田均君 法執行といいますと、ちょっとそうかなという気がするんですけれども、これ、中国というのは、尖閣というのは自分のところの領土やと主張しているわけですよね。その尖閣を奪取、取り返すためにいろんなことをやってくると、それが何か法執行活動で対応できるような内容なのだろうかという思いがするんです。  海警船の船艇から中国の乗組員が尖閣に上陸したような場合は、これは明らかに主権侵害であるというふうに茂木大臣も衆議院の委員会答弁されていますよね。だから、その主権侵害に当たるような行為に対して法執行活動で対応ができるのかという疑問を、素直な疑問を持つんですけれども、この点、いかがでしょうか。
  95. 岡野正敬

    政府参考人(岡野正敬君) 先ほども申しましたように、外国船舶が日本の領海内で国際法違反を行っている状況においては、国際法上の要件ございますけれども、それを満たす形で排除するということは国際法上認められていることであります。他方、相手国が日本側の行為をどうやって解釈するかというのは、それは彼らが独自の主張に基づいて様々な解釈を取ることは排除されないということであります。  ここで問題、大事なことは、日本が国際法に基づいて行動しているかどうかということでございますけれども日本は国際法上認められた形での法執行活動を行う、あくまでもそれが基点、原点でございますので、それに基づいた行動は国際法上問題はないということでございます。
  96. 浅田均

    ○浅田均君 いっとき武装漁民とかいう話がありましたけれども、例えば丸腰の人が尖閣に何らかの形で上陸してしまったと、これは我が方の国内法で対応するんですか。
  97. 岡野正敬

    政府参考人(岡野正敬君) 国内法の実施の観点については、国内それぞれの法律の所管の官庁から御説明すべきものであると思いますけれども日本の国内に違法な形で、つまり日本の許可を得ない形で外国の方がいる、外国人がいる、それに対してそれを排除するために適切な措置をとること、これはあくまでも適切な法執行でございますので、国際法上認められているものであります。
  98. 浅田均

    ○浅田均君 国際法で判断する対象と国内法で判断する対象のその境目がよく分からないというのと、例えば、私の友人は、また先日、アメリカに向けてヨットで単独で太平洋横断するんやということで出港しましたけれども、これは正式な手続をして、またアメリカ行って九月頃帰ってくるとか言うてますけれども、そういう全然手続なしに勝手に上陸してしまったと、これ、それなら国内法でどういう、何というのかな、罪に、刑法の対象になるんでしょうか。
  99. 岡野正敬

    政府参考人(岡野正敬君) 恐らく出入国管理法に基づいた判断がなされることになるかと思います。  先ほど申しましたように、日本の国内における、日本法律において不法に入国した外国人に対してどういうふうに対応するかということは、その法律において判断し、それを適用する、それは国際法上全く問題ないことでございます。
  100. 浅田均

    ○浅田均君 何もないところだったらそれでいいと思うんですけれども、この尖閣というのは、中国は自分のところの領土だというような主張をしていると。そういうところに対して上陸するというのは、向こうにとったら取り返すというような意味なんでしょうけれども、そういうことをやったときに、だから、何もないところだったら今おっしゃったような御答弁でいいと思うんですけれども、向こうが、そういうことを言っているところに、取り返しに来たと。だから、それが何か日本の刑法で対応できるような事態なのだろうかというと私はそうではないと思うんですけれども、この点はいかがでしょうか。
  101. 茂木敏充

    国務大臣(茂木敏充君) 先ほど来の浅田委員の御議論聞いていますと、公船等によります侵害行為とそれから個々の人の不法入国と、この両方の問題あるんですけれど、それに対してそれぞれどう対処するかという形でありまして、人のそういった侵害行為というか不法な入国については出入国管理法等々で適用すると。一方、公船等の侵害行為については比例性を確保した上で措置をとり得るということであります。  ただ、この比例性というのはなかなか難しくて、昔の単純な状況であったら、例えばハムラビ法典、これ目には目を、歯には歯をというんですけれど、何か、目をやったら目をやっていいとか歯をやったら歯をやっていいではなくて、目をやったのに目以上のことはやってはいけないと、こういう比例性なんですよ、基本的には。ところが、何というか、現代においてはその侵略行為というものがどういう行為かというのは、そんなシンプルな、一対一の人間の取っ組み合いとは違いますので、それぞれの事案に応じて、こちらが比例性があるとした対処方法を取るということになってまいります。
  102. 浅田均

    ○浅田均君 何か何千年前のハムラビ法典まで出てきましたけど。  何というかな、政府がそういう行為に対して危害射撃をできるというふうな発言、それも可能であるというような解釈を、理解をされているということが、逆に我が方に悪いその影響を及ぼすんではないかというようなことを私は心配しているんです。  だから、いや、例えば、我が方のその領海であっても無害通航でないことをやっているから危害射撃が可能であるというようなロジックが正しいとするならば、まあ竹島の近くに我が方の船が行ったときに向こうがやっぱり危害射撃をしてくると、そういうことを許容してしまう結果にはならないかということを危惧しているんです。いかがですか。
  103. 岡野正敬

    政府参考人(岡野正敬君) 尖閣は日本の固有の領土であり、日本が有効に支配しているところでございます。その周辺の海域で法執行として必要な措置をとる、その中で、場合によっては武器使用するということは国際法上認められているものでございます。  竹島も日本の固有の領土でございます。そこで外国の軍隊なり機関が法執行すること自身、我々にとっては受け入れられない、つまり国際法上根拠のない行動であるということでございます。  日本の尖閣周辺における行動が竹島における外国の機関における行動の正当性を与えるものではないと、そこは明確に切り離して議論すべきものだと考えます。
  104. 浅田均

    ○浅田均君 ありがとうございます。  そうしたら、私の心配は心配には及ばないということですよね、今の。  で、またこの別の報道ですけれど、昨年五月には中国海警局の船艇二隻が日本漁船を追尾、接近、海上保安庁の船が間に入って事なきを得るという事態も発生した。中国側は、日本漁船が中国の領海内で違法な操業をしたため海域から出るよう求めたと述べており、尖閣周辺海域には中国の主権が及んでいると、こういうところでも主張をするに至っているんですけれども、こういう状況に関して、先ほどもちょっと聞かせていただきましたけれども、外務省はどういう御認識でしょうか。
  105. 遠藤和也

    政府参考人(遠藤和也君) お答え申し上げます。  繰り返しになりますけれども、尖閣諸島は歴史的にも国際法上も疑いのない我が国固有の領土でございます。現に我が国はこれを有効に支配しているというところでございます。  御指摘のように、中国海警局に所属する船舶が尖閣諸島周辺の我が国領海に侵入いたしまして日本漁船に接近する動きを見せた場合には、海上保安庁巡視船が領海からの退去要求を繰り返し実施するとともに、日本漁船の保護の観点から漁船の周囲に巡視船を配備して漁船の安全を確保してきておるというところでございます。  こうした対応によって、領海の警備及び我が国漁船の安全の確保にまさに万全を図っておるというところでございます。
  106. 浅田均

    ○浅田均君 もう時間が来てしまいまして、今日のメーンテーマは、海上保安庁法の二十五条を削除することによりどういう不都合が生じるのか法制局長官にお伺いするのがメーンやったんですけど、済みません、時間になってしまいましたので、予告編だけで、また次回質問させていただきますので、よろしくお願いいたします。  終わります。
  107. 上田清司

    上田清司君 国民民主党・新緑風会、新緑風会の上田清司でございます。  まずは、茂木外務大臣、また岸防衛大臣日本人の未来、そして日本国家の存立並びに独立自尊のために日夜御尽力いただいていることに、心から感謝と敬意を申し上げます。  さて、早速ですが、香港返還時の約束がほごにされて、中国政府の物理的強制を伴う形で香港の非民主化が進んでおります。また、ウイグルにおいては、ジェノサイドと言われるように、ウイグル人に対する抹殺、強制収容などが行われている証拠や証人が続出しているところでございます。  日本憲法前文の、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会で、名誉ある地位を占めたいと、日本国民の総意という形で前文に高らかにうたい上げております。まさに日本は、民主主義、基本的人権、あるいは国際協調、別の言葉で言えば平和の希求ということかもしれませんが、いずれにしても大変立派な価値を持っているわけでありますから、この立派な価値をしっかり世界にアピールしなければいけない、あるいは個々の国家に対しても時と場合によっては強くアピールする必要があると私は考えている者の一人でありますが、日本政府の中国の非人道的な行為に対するコメントが極めて小さいコメントではないかというふうに私は理解をしております。  懸念という言葉ではないかというふうに思っていたら、深刻が付いていますなんという、大したことないなと私は思っておりますが、まさに、何らかの形でしっかりとしたコメントを日本政府として発するべきではないかということをまず茂木外務大臣にお伺いしたいと思います。
  108. 茂木敏充

    国務大臣(茂木敏充君) 我が国としては、国際社会における普遍的な価値であります、上田委員の方からも御指摘のあった、自由、そして基本的人権の尊重、さらには法の支配、これが国際社会全体、中国においても保障されることが重要であると考えておりまして、こうした我が国の立場については、先週も日中の外相会談、王毅国務委員とやらさせていただきましたが、直接王毅委員の方にも明確に伝えたところであります。  国際社会から懸念の強まっております新疆ウイグル自治区に関しては、御指摘のように重大な人権侵害が行われていると、こういった様々な情報があるところでありまして、我が国としても新疆ウイグル自治区の人権状況について深刻に懸念しております。この深刻に懸念は後でまた説明しますので。  また、香港をめぐる情勢については、昨年の国家安全維持法制定以降の一連の動きに加えて、三月十一日、全人代で選挙制度の変更についての決定に関しても、日本はその翌日にG7各国とともに外相声明、これを発出するなど、これまで国際社会をリードしつつ、共に強い懸念を表明してきたところであります。  こうした中で、今般、国際社会の強い懸念にもかかわらず、全人代常務委員会において、香港における選挙制度に関する香港基本法の規定と、これが変更されたことに重大な懸念を強めております。  日本がやっていることは、例えば昨年十月には、国連総会の第三委員会において、我が国は、香港、新疆ウイグルに関する共同ステートメントにアジアから唯一の参加国として参加をいたしまして、新疆の人権状況及び香港情勢に関する深刻な懸念、表明したところであります。また、今年に入っても、二月の二十三日に人権委員会において、私から深刻な懸念を表明するとともに、中国に対して具体的な行動、強く求めたところであります。  例えば、ヨーロッパの国が発出する声明と近隣であるアジアというのは若干、それぞれ違いというのはあるわけでありますけれど、御案内のとおり、近隣、近隣国、さらにはアジアの中で全く何にも言っていない国、こういうのもあるわけでありますよ。そういった中にあって、日本の対応については、私も各国の外相、カウンターパートと意見交換しておりますけれど、高く評価されている、このことは間違いないことでありまして、引き続き国際社会と緊密に連携して中国側に強く働きかけていきたい。  日本としては、本当にお隣の国です。ある意味、大切な国です。経済関係もある。しかし、こういう基本的な価値の部分については絶対譲らないと、こういう姿勢を恐らくこの周辺の国の中で最も強く表明している、このことについては高い評価がされていると考えております。
  109. 上田清司

    上田清司君 一定の理解はいたします。  ただ、最近、日本は、日本よりまだ悪い国と比較するのが得意で、より高いレベルで対応しているところと比較するのが不得意になってきていまして、そういう傾向が常にある、コメントとして、政府首脳の。私は、やっぱり深刻な懸念、それは韓国と比べればとか、あるいはラオス、カンボジアと比べればとか、そういう世界かもしれませんが、日本はもっともっと強く人権侵害だというようなことを具体的な言葉で発した方がいいということを申し上げたいと思います。  外務大臣として、中国との緊密な連携も時としてやっていかなきゃならない、こうした立場もあるかと思いますが、まさに、お互いに言葉を発する以上は、中国は全く遠慮しませんから、日本に対して。日本が遠慮することはないと私は申し上げたいと思っております。  それでは、次に移らせていただきます。  日米2プラス2でも、台湾環境、あっ、台湾海峡の平和と安定の重要性が強調されたところでございます。軍事アナリストやアメリカの軍関係者の声の中には、五、六年以内に台湾有事の可能性が高いのではないかというようなことが言われております。事実、中国海軍空母遼寧、ミサイル駆逐艦などが六隻の海上訓練を台湾海峡で行っておりますし、空軍戦闘機、対潜哨戒機Y8など十隻の台湾南西部でのまさに防空識別圏侵入に見られるように、中国の台湾に対する言わば軍事的圧力というものがとみに高まっているところでございます。  そこで、私は、想定には控えさせていただきますなんという言葉は外交防衛では良くないと思っています。まさに、外交防衛というのは予防ですから、常に、想定されるシナリオについてどうしていくかという、具体的な国の名前や具体的な日にちを言う必要はありませんが、常にこういう事態になったらこうするという、そういうものが一番大事だと思っている者の一人でありますので、もし台湾への武力攻撃が仮にあった場合、二〇一五年九月に制定されました平和安全法制に盛り込んだ存立危機事態への対処として、武力行使を場合によってはアメリカ側の方から日本側に要求される可能性というものも否定できないと私は理解しております。  当然、米軍基地が沖縄にあり、あるいはその他の日本の中にあるわけでありますから、一たび米中衝突、あるいはそういう事態になったときには、そうしたことの可能性についてもシナリオとして考えなければならないと思っておりますので、こうしたアメリカ側からまさに平和安全法体系に盛り込んだ存立危機事態への対処としての武力行使、こうしたことを求められるようなことについて防衛省として何らの形で考えておられるのかどうか、まずこれを確認させてください。
  110. 岸信夫

    国務大臣岸信夫君) 今委員から御紹介がございましたその中国海軍の最近の活動について、台湾周辺の海空域において軍事活動を大変活発化をしておるところです。  例えば、台湾当局の発表では、二〇二〇年九月以降で中国軍機による台湾周辺の空域への侵入というものは増加していて、四月十二日には、昨年九月の公表開始以降で過去最多となります二十五機の中国軍機が台湾の南西海域、空域に侵入したと承知をしておるところでございます。様々な識者から、例えば米軍のデービッドソン・インド太平洋軍司令官の発言もございましたけれども、様々な分析がなされているところでございます。  そうしたもの一つ一つにコメントはいたしませんけれども、その上で、中国がこの軍事力を大変強化を急速に進めている、この中で中台の軍事バランスというものは大きく全体として中国側に有利な方向に変化をしているというような、そういう状況です。そして、その差というものは年々拡大をしている、こういう状況だというふうに思っています。我々としても、引き続きこういった関連の動向については注視をしてまいりたいというふうに思っております。  その上において、その台湾の有事等々の対応でございますが、まさにこれ具体的な場合になってきますので、それぞれについてお答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。
  111. 上田清司

    上田清司君 個々の事例について回答をする必要はないと思っておりますが、高いレベルで様々なシナリオを検討されているニュアンスは受け止めましたので、それを了としたいと思っております。  一方で、やはり日本の役割は、台湾有事へのシナリオを回避するためにどういうふうなことが日本として可能なのか、この点が一点。  時間がありませんので、もう一点併せて伺いたいと思います。  尖閣は中国の領土という認識は元々なかったわけですが、台湾が尖閣の領土だということを言い始めたもので、台湾は中国の一部だと、尖閣が台湾の一部なら当然中国の一部は、ああ、失礼しました、尖閣は中国の一部だという論理の展開にもなってあるわけです。常に、日米安全保障条約の五条の適用範囲だということで日本の施政権を認めるというふうなアナウンスが常にアメリカ側から出されていますが、施政権というのは現に行政を行っている、まあ要するに実効支配しているということでありまして、北方四島と同じ意味合いでありまして、日本の領土だけどロシアが施政権を今行使していると。  したがって、本来ならば、日米関係の下では、尖閣は日本の領土であるということを明確に言わせる仕組みあるいはそうした段取りが必要だと思っておりますので、まず台湾有事を回避する日本としてのシナリオ、これについて岸防衛大臣、そしてまた茂木外務大臣にもお願いをしたいと思います。そして、領土と言わせる仕組みづくり、これについては茂木外務大臣からお願いいたします。
  112. 岸信夫

    国務大臣岸信夫君) 台湾をめぐります情勢の安定というものは、南西地域を含む我が国の安全保障にとってはもとより、国際社会の安定にとっても重要であります。  先般の日米2プラス2及び日米の防衛相会談においても、この台湾海峡の平和と安定の重要性を確認してきておるところでございます。また、我が国として、台湾をめぐる問題については、基本的には当事者間の直接の対話によって平和的に解決されることを期待するというのが我が国の立場であるわけでございますけれども先ほどの2プラス2、防衛大臣会合においても確認をしてきているとおり、この台湾の海峡の平和と安定の重要性ということを踏まえて、しっかり動向を注視してまいりたいというふうに考えております。  尖閣については、先ほどからも答弁がありましたけれども、そもそも尖閣においては領有権の、めぐる問題というものは存在をしていない、我が国固有の領土である、こういう立場でございます。  その中で、米国とは、日米安保の下で、米国の日米安保五条のコミットメント、尖閣諸島にも適用されるということのコミットメントを確認しておるところでございますが、米国は日本の立場というものを十分に理解をし、そして尖閣諸島をめぐる情勢についても我が国の側に立って緊密に連携をしていく、こういう立場でございます。  防衛省自衛隊としては、この尖閣をめぐる、尖閣諸島をめぐる情勢について、引き続き、米国と緊密に連携を取って、冷静かつ毅然と対応してまいりたいと考えております。
  113. 茂木敏充

    国務大臣(茂木敏充君) 台湾をめぐる問題について重要なことは、日米の認識が一致していると、こういうことなんだと思います。これが重要なメッセージにもなると考えておりまして、先日の2プラス2におきましても日米で台湾海峡の平和と安定の重要性について一致をしたと、そのことを明確に国際的に発信したと、このことは大きいと思っております。  尖閣と北方領土と、これは同列には語れない問題であるというのは委員もよく御案内のとおりだと思っております。有効に支配できているかできていないかと、こういう問題あるわけでありますけど、いずれにしても、尖閣については、岸大臣の方から答弁ありましたように、第五条の適用を始め米国のコミットメントというのは明確であると、このように考えております。  その上で、日本を取り巻きます安全保障環境厳しさを増す中で、日米でどういう役割を担っていくか、そういった中で同盟の抑止力、対処力を高めていくということについては、米国との間で緊密に協議、また連携をしていきたいと思っております。
  114. 上田清司

    上田清司君 終わります。ありがとうございました。
  115. 井上哲士

    ○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。  ミャンマー情勢が悪化の一途をたどっております。市民の犠牲者は七百人を超えました。先日は軍事法廷で十九人の市民に死刑判決が下されております。国軍の報道官は、木が成長するためには雑草を取り除かなければならないと正当化して、機関銃や自動小銃を使えば数時間で五百人を殺せると述べて、国軍側が対応を自重しているかのように述べました。これから一層エスカレートするおそれがあります。  そういう中で、政府の一層明確な対応が求められていると思います。政府は、二月一日以降、新規のODAは行わないなど対応を取りながら、事態の鎮静化や民主的体制の回復へどのような対応が効果的か検討していきたいと繰り返し答弁をしてまいりました。しかし、ここまで深刻化して、国軍がそれを正当化し、更に強めようとしているというときに、国軍の利益になるようなことは一切行わないと、ミャンマーの市民の立場に立つということをより明確に明らかにする必要があるときだと思うんです。  まず、防衛省にお聞きしますけれども、ミャンマー国軍との協力、交流について、この間の能力構築支援の人数、予算など実績及び現在の実施状況をお答えください。
  116. 岡真臣

    政府参考人岡真臣君) ミャンマーに対しますいわゆる能力構築支援事業でございますけれども平成二十六年度から、潜水医学、航空気象、人道支援・災害救援、国際航空法及び日本語教育環境整備の各事業を実施しているところでございます。  こうした事業を実施するため、日本からミャンマーへ派遣した人数でございますけれども、延べ九十二名、ミャンマーからの招聘者数は延べ五十名でございます。また、予算でございますが、平成二十六年度以降のミャンマー向けの能力構築支援事業の予算額は全体で約二・一億円となっているところでございます。  現在の状況でございますけれども、現在は、新型コロナウイルス感染症の影響もございまして、能力構築支援事業としては日本語教育環境整備支援のみ実施しているところでございます。
  117. 井上哲士

    ○井上哲士君 ミャンマー国軍からの留学生も受入れしていると思いますけれども、その人数や予算など、これまでの実績及び現在の在籍状況はいかがでしょうか。
  118. 川崎方啓

    政府参考人(川崎方啓君) お答えいたします。  防衛省自衛隊におきましては、自衛隊法第百条の二に規定する教育訓練の受託という枠組みの下で、ミャンマー政府からの依頼を受けて、二〇一五年以降、防衛大学校などにおいてこれまでに延べ二十六名の留学生を受け入れております。現在は防衛大学校に六名が在学中でございます。  また、ミャンマーを含む開発途上国からの留学生に対しまして、教育履修期間中に必要となる学習・生活費用の不足を補うための給付金を支給しておりますが、このうちミャンマーからの留学生を対象とした給付金に係る予算額は、平成二十七年度以降で合計約五千八百万円でございます。
  119. 井上哲士

    ○井上哲士君 先日の決算委員会でも岸大臣から答弁ありましたけれども、今ありましたように、この能力構築支援についてはコロナの影響で日本語教育の環境整備支援のみだとした上で、今後の防衛協力・交流については、今後の事態を、更なる推移を注意して、検討したいという答弁でありました。  しかし、もう検討の段階ではないんじゃないかと私は思うんですね。国軍がこの弾圧、殺害を合理化をしております。そして、更に拡大の姿勢も示している。先日、バゴーで八十人以上が殺害をされましたけれども、重火器も使用されたと言われております。住民の声として、まるでジェノサイドだと、こういうことも報道されました。  およそもう協力、交流の対象ではないと思うんですね。もはや検討の段階ではなくて、明確に中止をするという決断をすべきだと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
  120. 岸信夫

    国務大臣岸信夫君) ミャンマーの情勢です。  国際社会の度重なる呼びかけにもかかわらず、ミャンマー国軍、警察の市民に対する実力行使が続いております。多数の死傷者が発生している状況を強く非難をいたします。  その上で申し上げますと、防衛省自衛隊によるミャンマーに対する能力構築支援につきましては、現在、日本語教育環境整備支援のみを実施をしておりますが、これはミャンマー国軍の能力を向上させるための支援ではなくて、教育機関等との中長期的な人的関係の構築、民主主義下における軍の在り方を示す効果、ミャンマー国軍とのチャンネルの維持といった観点から継続をしているものであります。  防衛省自衛隊におけます留学生の受入れについても、発展途上国からの留学生に対しまして、民主主義国家である日本における厳格なシビリアンコントロールの下で運用される実力組織の在り方を示す、隊員と留学生との人的関係を構築し、我が国と派遣国との相互理解、信頼関係を増進する等の意義があることから、今後も継続をしていく考えであります。  以上です。
  121. 井上哲士

    ○井上哲士君 今、最後、信頼関係を増強していくと言われましたけど、そういう対象ではもう今ないということだと思うんですよ。  月曜日の衆議院の決算行政監視委員会で、菅総理は、今ミャンマー軍が世界からどう見られているのか日本として真っ正面からミャンマー軍に説明をして、即時やめるように強く言う国として日本が役割を果たすと言われました。これまで協力をしてきた日本がそれも中止をするという姿勢を示して、強く言ってこそ私は効果あると思うんですね。  もう二月一日から相当たって、繰り返しますけれども、一層の激化されようとしているときにそういう姿勢を日本が明確に示すということが必要だと思いますけれども大臣、いかがでしょうか。
  122. 岸信夫

    国務大臣岸信夫君) 先ほども申しましたけれども、現在のミャンマー国軍、警察の行動につきましては強く非難をしているところでございます。  三月二十八日に、我が国は、米国を含む十二か国の参謀長の連名によって、ミャンマー国軍に対して共同声明が発出をされたところでございます。本声明は、関係国の防衛当局が結束して、ミャンマー国軍及び関連する治安機関による民間人に対する軍事力の行使を非難するとともに、ミャンマー国軍に対して暴力の停止を求めるということでございます。  我が国の立場として、このミャンマー国軍の行動に対してはしっかり非難をするということでございます。
  123. 井上哲士

    ○井上哲士君 ですから、一方で非難をしながら一方で協力、交流を続けていくというのでは、本当にその非難の声が伝わらないんじゃないかと。民主的体制が再建されたら、必要とあらばまたやったらいいんであって、今やっぱりその立場を明確にすることが必要だということを強く申し上げたいと思います。  一方で、経済支援の問題ですが、日本の対ミャンマーODAについて、先日の質疑では、二月一日以降は新規のODA案件はないという答弁でありました。  現在継続中のODA案件について、その数と総額はどうなっているでしょうか。
  124. 植野篤志

    政府参考人(植野篤志君) お答え申し上げます。  ミャンマーにおいて既に交換公文を締結し、実施中の案件は、円借款が三十四件、七千三百九十六億円、無償資金協力が二十六件、五百八十五億円でございます。また、二十二件の技術協力プロジェクトを実施中でございます。
  125. 井上哲士

    ○井上哲士君 ですから、新規案件はありませんが、相当額の継続中があるわけですね。  三月三十一日の加藤官房長官の会見では、実施中の案件についても、目的、内容、性質、現地情勢などを総合的に勘案し、具体的な対応を考えると述べられました。実施中のものも停止も検討というふうに報じられたわけですね。総合的に勘案して具体的な対応を考えると言いますが、どういう立場で検討し対応するかが問われていると思います。  ミャンマー軍は、国家予算とともに、自らが所有、経営する企業のビジネスを資金としております。ミャンマー・エコノミクス・ホールディング・リミテッド、MEHLと、ミャンマー経済公社、MECの二つで、両社は傘下に宝石業や銀行、通信、運輸など幅広い分野で計百以上の子会社を有して収益を上げていると言われております。この二つとその関連企業が日本のODAにも参加をして利益を上げているわけですね。  私は、今後の具体的な対応を考えるというのであれば、日本の公的資金によって国軍が利益を得るということを断つという立場で継続中のODAに対応することが必要だと考えますけれども大臣の認識、いかがでしょうか。
  126. 茂木敏充

    国務大臣(茂木敏充君) まず、明確にしたいと思いますのは、ミャンマーにおけるクーデターを日本として正当化することはありません。  その上で、日本のこれまでの経済協力、これはミャンマーの国民の生活向上や経済発展に貢献して、また人道的なニーズにも対応することを目的に実施をしておりまして、そもそもミャンマー国軍の利益を目的として実施しているものではありませんし、この方針に変更はありません。また、人道上の支援につきましては、各国も継続の意向だと考えております。  その上で、対ミャンマー経済協力の今後の対応については、ミャンマーにおける事態の鎮静化であったり、民主的な体制の早期回復に向けてどのような対応が効果的か、総合的に検討していきたいと思っております。  日本のODAもありますけれど、例えばティラワの特区であったりとかダウェーの特区、あれだけ広い地域でありまして、これ、経済支援でできる話じゃないんですね。民間の企業が相当出ていかないと、国家プロジェクト、これが成り立たなくなってくると。こういったことも含めて、今の事態のままだったらばそういうお金は企業は出ませんよと。こういったことも含めて、事態鎮静化に向けて、また民主的な体制の回復に向けて働きかけをする、説得をする、これが日本にとって重要な役割だと、このように考えております。
  127. 井上哲士

    ○井上哲士君 民間企業の問題は後でお聞きしますけれども、国軍が利益を得ることが目的ではないと、こうおっしゃいました。それはそうだと思いますし、これはNLDの政権のときに契約されたものなわけですね。  一方で、しかし、現実には、こういう軍が所有、経営する企業があって、一年間に上げる利益の合計がミャンマーの年間国防費の約二千五百億円を上回るというふうに言われております。株主には国防省のほか国軍の上級将校らがおって、莫大な配当金を得ていると、こういう事態があるわけですね。  ですから、結果として流れてきたし、今後、こういう事態の下で日本のやはり公的資金の在り方の問題が問われるわけですけれども、これが流れていくこと、そういうことの認識はお持ちじゃないんでしょうか。
  128. 植野篤志

    政府参考人(植野篤志君) 先ほど大臣からもありましたとおり、日本のODAの目的自体はあくまでも、現地の人々の生活向上、それから人道上のニーズ、それからミャンマーの経済発展ということでありまして、私どものODAの資金が国軍に流れるということを想定したものではないということは改めて申し上げたいと思います。
  129. 井上哲士

    ○井上哲士君 先日もお聞きしましたけれども日本の対ミャンマー経済支援の基本方針は、民主化に向けて改革勢力を後押しするために支援するとなっているんです。その事態が全く変わっているものとして今お聞きしているんですね。  例えばバゴー橋の建設事業ですけれども日本の二つの企業が建設を共同、JVが建設受注しておりますけれども、ここにMECの子会社が橋梁用の鉄骨の製造を行っていて、約三分の二を提供する、その結果、MECが莫大な利益を上げることになっているというふうに現地でも指摘をされております。  決算委員会でのJICAの北岡理事長の答弁では、バゴー橋については、プロジェクトを開始するときに、こういう会社しかなかったのでここと契約して仕事を進めているが、二月一日以前の明らかに支払義務があるものは支払うが、それ以外は何も決めていないという答弁をされました。  二月一日以前のものであっても、支払の凍結であるとか、国軍の企業を通さないやり方であるとか、結果として国軍に資金が流れないようにすると、そういうことをする必要があると思いますけれども、いかがでしょうか。
  130. 茂木敏充

    国務大臣(茂木敏充君) まず、こういったプロジェクトを組成をしましたときに、クーデターが起こるということを前提にして行っているとは思っておりません。そして、我が国として、ミャンマーとそれから主契約者、これの契約については確認をしておりますけれど、基本的には、ODAの事業等々、その下でどういうふうにやるのが一番効率的で工事がうまくいくか等々を含めて、下請等々の契約については基本的には主契約者、この裁量の中で行われると、このように考えております。  そこの中で、クーデター発生を受けた今後の今御指摘の対応につきましては主契約者におきまして検討中であると、こういう報告を受けておりまして、政府、JICAとして適切な形で処理されるように相談に応じていきたいと思っております。
  131. 井上哲士

    ○井上哲士君 検討中であり、政府として相談に応じていきたいということでありました。  結果として、日本の税金が今虐殺を続けている国軍の利益になるようなことが絶対にないように対応していただきたいと強く申し上げて、質問を終わります。
  132. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 ハイサイ、沖縄の風の伊波洋一です。  本日は、重要土地等調査法案について伺います。  この法案は、防衛関係施設等や国境離島等の機能を阻害する土地等利用を防止する目的で、重要施設の周辺一キロの範囲や国境離島等を注視区域に、さらに、特に重要な区域を特別注視区域に指定して、土地の所有者や賃借人の住所、住民の氏名、住所、国籍等を調査するとともに、特別注視区域の所有権移転等については一定の個人情報の事前届出を義務付けるものです。  在日米軍施設・区域の七割が集中する沖縄県、また自衛隊の南西シフトによって自衛隊ミサイル基地が住民の反対を押し切って建設されてきた南西諸島の市町村に対しては、この法案はとりわけ大きな影響を与えるものです。  沖縄県は、第二次世界大戦で我が国唯一の地上戦が展開されることとなり、四人に一人の県民が犠牲になりました。特に沖縄戦当時、県民は、友軍とされた日本軍兵士によって、歴史や文化、特に言語が異なることからスパイ容疑を掛けられ、拷問や虐殺されるというような痛ましい事例も多く報告されています。  また、米軍は、民間人の強制抑留や土地の強制接収を禁じたハーグ陸戦条約に違反して、住民を収容所に隔離する間に私有地の強制接収を行い、かつて集落だった土地に基地を建設していきました。このような集落の中心部が米軍基地に奪われたために住民が米軍基地に隣接して居住せざるを得なかったというのが沖縄の米軍基地、嘉手納や普天間飛行場の歴史です。  米国や諸外国では広い原野に基地が建設され、その後に、隊員やその家族を相手にする不動産業や小売・飲食業など、基地の周辺での経済活動を活発化し、人口の増大や市街地が生ずることがあります。これをエンクローチメントと呼んでいますが、沖縄ではこれと全く異なり、元々住民の集落だった土地を米軍基地が占拠しているというのが戦後の沖縄の歴史的事実であり、今日、戦後七十五年を経てもそれが続いているということを指摘します。  こういった歴史について防衛大臣は御存じでしょうか。
  133. 岸信夫

    国務大臣岸信夫君) 沖縄県では、大戦末期に県民を巻き込んだ凄惨な地上戦が行われ、軍民合わせて二十万人もの尊い命が失われました。我々としては、沖縄の人々の筆舌に尽くし難い困難と癒えることのない悲しみ、これらを胸に刻みながら、戦争の惨禍を二度と繰り返してはならないと考えております。  また、沖縄における米軍施設・区域の形成過程においては、例えば、普天間飛行場の場所には戦前、役場や国民学校、郵便局、病院などが所在し、街道が通るとともに集落が点在し田畑が広がっていたとされており、戦時中の昭和二十年四月、米軍が上陸した後、土地を接収して普天間飛行場が形成されたものと、このように承知をしているところでございます。  戦後七十年以上たった今もなお大きな基地負担を負っていただいております。この現状は到底是認できるものではございません。防衛省として、今後とも一つ一つ着実に結果を出すことによって、沖縄の基地負担軽減に全力で尽くしてまいりたいと思います。
  134. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 内閣大臣はいかがですか。
  135. 赤澤亮正

    ○副大臣赤澤亮正君) 今の防衛大臣の御答弁と全く思いを同じくしておりますが、沖縄では太平洋戦争末期に県民を巻き込んだ凄惨な地上戦が行われ、大変多くの尊い生命、先ほど委員からもお話ありましたが、県民の約四人に一人に当たる約九万四千人の一般住民の生命が失われたものと承知をしております。政府の一員として、沖縄の人々の筆舌に尽くし難い困難と癒えることのない悲しみを忘れることなく、このような惨禍を二度と繰り返してはならないというふうに考えてございます。  また、沖縄における米軍施設・区域の形成過程の詳細については、これも防衛大臣の御答弁のとおりでございますが、様々な施設があった土地が戦時中に接収され普天間飛行場が形成されたほか、国土面積の〇・六%の県土に在日米軍専用施設・区域の約七割が集中しているものと承知をしてございます。
  136. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 身内が沖縄戦で亡くなった方、日本軍によるスパイ容疑で殺された方も県内には数多くいらっしゃいます。また、自分や先祖伝来の土地を米軍基地に収奪された方もいらっしゃいます。沖縄県民は、元々暮らしていた土地を米軍に奪われて、米軍基地の近くでの暮らしを余儀なくされてきました。その周辺住民に対して内閣総理大臣調査権限を与えるのがこの法案です。調査や収集した情報についての詳細は法案からは明らかではなく、あたかも全員にスパイ容疑を掛けているようなものです。沖縄戦や米軍基地の歴史的な事実を御存じなのであれば、およそこの土地法案のような、ウチナーンチュ、沖縄県民の最もデリケートな感情を逆なでするような制度は提案されなかったのではないかと思います。  このような歴史的な事実について、法案検討段階で思いが至らなかったのでしょうか。
  137. 木村聡

    政府参考人(木村聡君) 法案の制定段階についてでございますけれども我が国防衛施設等の周辺でございますとか、あるいは国境離島におきます実態不透明な土地の買収、これが続いておる中で、これまで、例えばでございますけれども、北海道の千歳基地に近接いたします地域でありますとか、あるいは長崎県の対馬市の海上自衛隊の隣接地を外国資本が取得した事例ということがございます。  こうした事例が生じます中で、多くの地方公共団体の方から国に対しまして、安全保障の観点から、外国資本等によります土地売買に関する法整備を求める意見書が提出されているところでございます。例えばでございますけれども令和二年の八月に提出されました北海道東北地域知事会の提言等では、住民の安全、安心な暮らしを確保するために、国は安全保障の視点で重要な国土区域を定め、安全保障上重要な施設周辺など、土地取得、利用の規制に関する関係法令の整備を行うことについて御提言を頂戴しているところでございます。
  138. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 今回の法案防衛施設を主に考えられて作られているようですが、今の答弁の中では、外国人の土地取引、これに対する関心から実はスタートしているということがあります。それで、実際、今の提案された法律について、立法事実があるか。個人に対する人権侵害と公共の利益の程度、立法した場合の行政コスト、既存の法制度で対処できないかなど、大きな問題、幾つもあります。  内閣府に伺いますが、これまで地方自治体からこの法案のような趣旨法律を制定してほしいという意見が上がっていますか。
  139. 木村聡

    政府参考人(木村聡君) 重ねての答弁になって恐縮でございますけれども、北海道東北地方知事会の提言等では、住民の安全、安心な暮らしを確保いたしますために、国は安全保障の視点で重要な国土区域を定め、安全保障上重要な施設周辺など、土地取得、利用の規制に関する関係法令の整備を行うという御提言を頂戴しているところでございます。  それ以外にも、全国各地の自治体の方から、地方自治法第九十九条の規定に基づきます同趣旨意見書を頂戴しているところでございます。  以上でございます。
  140. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 二〇〇〇年代以降、中国などを中心とするアジア新興国の富裕層や法人が、国内において買手の付かない森林や農地、リゾートなどに投資をしています。そういう事例が度々雑誌に取り上げられるようになりました。森林には水源の機能があり、農地には、食料安全保障の観点からも問題にされてきました。ただ、今回、北海道千歳市の森林買収の事案は、投資目的で買い取られた森林から三キロ離れた場所に空港があるという話です。空港は後付けにすぎません。長崎県対馬市の事例も、韓国の方が観光開発目的でホテルを購入したという事例で、今回の法律で何らの効果を及ぼすことができるものではありません。  この法案は、周辺から重要施設に向けてなされる何らかの機能を阻害する土地等の利用行為を防止することを目的としていますが、この機能阻害行為の類型としてはどのような行為を想定していますか。
  141. 木村聡

    政府参考人(木村聡君) 機能阻害行為につきましては、安全保障をめぐる内外情勢や施設の特性などに応じまして様々な態様が想定されるところでございます。  全ての類型を網羅的にお示しすることは困難でございますけれども、例えば重要施設の通信能力に支障を来す電波妨害でございますとか、あるいは領海基線の根拠となります低潮線に影響を及ぼすおそれがあるその近傍の土地の形質変更等が該当しているものと考えているところでございます。
  142. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 二〇一三年以降、防衛省は、自衛隊や米軍の防衛施設に隣接する土地の調査を行ってきましたが、これまでの調査の結果、全体で何筆のうち外国人の所有する不動産は何筆ありましたか。また、外国人の不動産利用によって何らかの機能阻害がありましたか。
  143. 土本英樹

    政府参考人(土本英樹君) お答え申し上げます。  防衛省は、平成二十五年十二月に策定されました国家安全保障戦略によりまして、防衛施設に隣接する土地所有の状況につきまして計画的に把握するための調査を行っております。  本調査は、防衛施設に隣接する土地につきまして、法務局において公図を確認の上、土地登記簿謄本等の交付を受け、登記名義人の氏名、住所等を確認するなどの手法で行っておりまして、約六百五十の自衛隊施設及び米軍施設につきまして平成二十九年度までに一巡目の調査を終え、防衛施設周辺の継続的な状況把握の観点から引き続き調査を行い、令和二年度までに二巡目の調査を終えたところでございます。これまでの調査の結果、委員指摘の観点でございますが、約六万筆のうち、住所が外国に所在し、氏名から外国人と類推される方の土地が七筆確認されております。  なお、これまで防衛施設周辺における土地の所有等により自衛隊や米軍の運用等に具体的に支障が生じるような事態確認されておりません。
  144. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 このように、防衛省はもう既にやっているんですね。それで、隣接する六万筆のうち僅か七しかないと。さらに、今回、一キロとなると、これが更に五倍ぐらい行きますか、三十万筆ぐらいを調べる話になります。そういったことをやる本当に理由があるのかということを私は大変危惧、疑問に思っております。  先ほど内閣府が話している機能阻害行為類型について、ほかにも過去の事件、実例はあったんでしょうか。
  145. 木村聡

    政府参考人(木村聡君) お答え申し上げます。  これまで防衛関係施設等の重要施設に対しまして、その周辺の土地等を利用する形で施設の機能を阻害する、阻害した行為が行われたという実例につきましては、内閣官房としては把握しておらないところでございます。  その一方で、我が国の安全保障をめぐる内外情勢は近年厳しさを増しておりますので、安全保障上のリスクが現実となってからでは取り返しが付かない事態になるおそれがあると、このようにも考えているところでございます。  以上でございます。
  146. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 防衛施設というのは、そもそも守られている、あるいはまた自衛隊員がいるんですね。仮に盗聴や電波妨害があっても、防衛省の所管する施設がそんなに攻撃に脆弱だとは思いません。  防衛省として、防衛省の所管する自衛隊駐屯地や米軍基地はこんな盗聴や電波妨害に弱いんでしょうか。
  147. 土本英樹

    政府参考人(土本英樹君) 先ほど答弁申し上げましたように、我々の実施しております隣接地調査は、対象が防衛施設の隣接地に限られる等とか、いろいろな形での、ある意味一定の制約がある中でやらさせていただいているところでございます。  それで、今般提出いたしましたこの法案につきましては、施設周辺の対象範囲の拡大とか調査手法の充実、あと、利用規制に係る措置の新設といった重要な内容が含まれておりまして、本法案につきましては、防衛施設の機能発揮を万全にするという観点から大きな意義があるものでございます。  なお、委員指摘のいろいろ防衛施設の警備等の点につきましては、運用上の観点でございますので答弁を差し控えさせていただきたいところでございます。
  148. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 この間、基地周辺住民が米軍の軍用機の超低空飛行訓練の様子や、あるいは夜間飛行訓練、夜間砲撃訓練の中止を求めても、日本政府、防衛省から何ら有効な再発防止策が講じられていません。  こうしたことから、これまで全国で住民、市民団体が基地や部隊の監視活動を取り組んでいます。このような監視活動や活動に取り組む住民、市民団体の集会所や事務所などは機能を阻害する土地の利用に当たるのでしょうか。
  149. 木村聡

    政府参考人(木村聡君) お答え申し上げます。  どのような行為が重要施設の機能を阻害する土地等の利用に該当するかということにつきましては、当該行為の態様でありますとか、あるいは土地等の利用実態、機能阻害の程度等に基づき個別具体的に判断されるべき事柄であると考えてございます。行為の具体的な状況や態様が明らかにならなければ、重要施設の機能を阻害する土地等の利用に該当するか否かを評価することができませんので、御指摘のございました監視等の行為の機能阻害行為の該否につきましては、一概にお答えすることが困難でございます。  その前提で、一般論として申し上げれば、例えば対象区域内にございます土地等におきまして、単に外部から防衛関係施設を見ている場合、あるいは平穏に集会等を行っている場合など、施設機能を阻害する明らかなおそれがない態様で行われているものにつきましては、重要施設の機能を阻害する土地等の利用として勧告、命令の対象にはならないと考えているところでございます。  以上でございます。
  150. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 質疑は続けていきますけれども、そもそも土地取引から始まったものがなぜ防衛問題にひも付けられるようになったのか。理由は、世界貿易機関のサービス貿易に関する一般協定、GATSへの批准、加盟の際に、我が国は、外国人による土地の取得及び利用を制限する権利を留保しなかったために、現実には外国人の土地取引を制限できません。そこで、この様々な意見書が安全保障との関係でひも付けられて今日に至っています。  立法事実はないということをやはりしっかり踏まえた上で、その対象は何を目的としているかということ、そのことを見ながら議論していきたいと、このように思っております。
  151. 長峯誠

    委員長長峯誠君) 本日の調査はこの程度にとどめます。  茂木外務大臣赤澤内閣府副大臣及び政府参考人は御退席いただいて結構でございます。     ─────────────
  152. 長峯誠

    委員長長峯誠君) 防衛省設置法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  政府から趣旨説明を聴取します。岸防衛大臣
  153. 岸信夫

    国務大臣岸信夫君) ただいま議題となりました防衛省設置法等の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明いたします。  自衛隊の任務の円滑な遂行を図るため、自衛官定数の変更及び日本国の自衛隊とインド軍隊との間における物品又は役務の相互の提供に関する日本国政府とインド共和国政府との間の協定に係る物品又は役務の提供に関する規定の整備等の措置を講ずる必要があります。  以上が、この法律案の提案理由であります。  次に、この法律案の内容について、その概要を御説明いたします。  まず、防衛省設置法の一部改正について御説明いたします。  これは、宇宙・サイバー領域における優位性の獲得に必要な部隊の新編や拡充を始めとする防衛省自衛隊の体制の整備のため、陸海空の共同の部隊に所属する自衛官の定数を百三十四人増加し、統合幕僚監部に所属する自衛官の定数を三人増加し、情報本部に所属する自衛官の定数を四人増加し、内部部局に所属する自衛官の定数を一人増加する一方、陸上自衛隊の自衛官の定数を百五人、海上自衛隊の自衛官の定数を二十二人、航空自衛隊の自衛官の定数を十五人各々削減するものであります。なお、自衛官の定数の総計二十四万七千百五十四人に変更はありません。  次に、自衛隊法の一部改正について御説明いたします。  これは、インドとの物品役務相互提供協定に係る物品又は役務の提供に関する規定の整備を行うものであります。  最後に、国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律の一部改正について御説明いたします。  これは、大規模な災害に対処する外国軍隊に対する物品又は役務の提供の対象として、インドの軍隊を追加することに伴う規定の整備を行うものであります。  以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要でございます。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
  154. 長峯誠

    委員長長峯誠君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時十九分散会