○伊波洋一君 配付資料にあります、
戦略構想の系譜という資料置いていますけれども、二〇一〇年に発表された米シンクタンク、
戦略予算評価センター、CSBAのエアシーバトル構想に対し、二〇一二年に
米国防大学のハメスがオフショアコントロール
戦略を提起し、両者で論争が繰り広げられました。その後、二〇一九年にCSBAから海洋圧力
戦略、海洋プレッシャー
戦略が提起され、現在の
米国インド太平洋軍の
戦略、おおむねこの海洋圧力
戦略に基づいています。
これらの
戦略では、
中国の台湾侵攻の第一
段階では、米軍は
日本、南西諸島、台湾、フィリピンなどの第一列島線から、小笠原、グアム、サイパン、パプアニューギニアなどの第二列島線などに撤退し、
中国のミサイルの射程圏内にある
自衛隊など第一列島線の
同盟国部隊は
中国からのミサイル
攻撃にひたすら耐えることが求められています。戦闘の第二
段階で、徐々に米軍は第二列島線から反撃していくというシナリオは、全てに共通したものになっています。
二〇一二年、当時の米海軍大学のトシ・ヨシハラは、これらの
戦略を解説するものとして「アメリカ流非対称
戦争」を公表しました。ヨシハラは、
中国海軍は、台湾の脆弱な東海岸に
脅威を与え、かつ戦域に集中するという米軍に対処するためには、琉球諸島間の狭隘な海域を通り抜けざるを得ない、琉球諸島海域を適切にカバーするよう誘導弾
部隊を配備することにより、東シナ海の多くの部分を
中国水上艦艇にとって行動不能海域にすることができるとし、発射し回避する、機動可能な発射装置は分散配備と夜間移動あるいは隠蔽により敵の
攻撃を回避できると。トンネル、
強化掩体ごう、偽装弾薬集積所、おとりの配置等により、誘導弾
部隊を識別、目標指示、破壊しようとする人民解放軍の
能力を減殺することが可能であると書いています。
また、前トランプ政権のピーター・ナバロは、二〇一五年に著書「米中もし戦わば」で、
日本列島全体に軍事標的を多数配置し、琉球諸島の南西諸島にまで軍を分散して配置することができれば、
中国にとってターゲットを絞り込むことが非常に困難になると
指摘しています。
米軍
戦略は、台湾を武力で奪取する
中国の意図をくじくために、
自衛隊が南西諸島にミサイル
部隊を配備し、南西諸島を戦場にして
自衛隊が
中国のミサイル
攻撃を引き受けることを求めているのです。
引き続き、次の
委員会でも話しますけれども、私たちが今尖閣の議論をしているときに、
米国はもっと幅広い意味で
日本列島を含めたその
戦略を議論しているということを是非
考えていただくようお願いして、今日の
質疑を終わりたいと思います。
ありがとうございました。