○伊波洋一君 配付
資料の五番、五枚目に製糖工場分布図がございます。赤いのが含蜜糖で青いのが分蜜糖ですけれども、分蜜糖は伊是名しか更新がされていなくて、含蜜糖はほとんど更新されているということでございます。
しかし、一日当たりのサトウキビ原料処理能力でいえば、分蜜糖工場が合計九千六百トン、含蜜糖工場が七百十トンで、分蜜糖工場が全体の九三%を占めています。ですから、ほとんどのサトウキビの処理ができる能力を有しています。分蜜糖工場が施設の老朽化や過大な設備更新費用の負担で立ち行かなくなれば、サトウキビ農業だけではなくて離島の暮らしそのものが崩壊してしまいます。
沖縄本島にある、うるま市のゆがふ製糖も、日処理二千百トンですけれども、老朽化が進み、今年二月に建て替えのための用地を
沖縄県から分譲を受けることを内定したと報じられております。また、現在、分蜜糖である石垣市の石垣製糖では新工場への建て替え時期を迎えていますが、新工場建設
事業費は約二百億円以上と見込まれています。
分蜜糖工場に対する農水省の産地パワーアップ
事業は、国が十分の六補助し、残りの十分の四を
事業主体や市町村、県が負担する仕組みになっており、パワーアップ
事業では県も市も
事業者も財政負担が多く、活用できないと結論しています。
一方、含蜜糖工場の建屋や建屋内の施設の
整備については、一括交付金制度を活用して、国、
内閣府が十分の八、
沖縄県が十分の一を組み合わせて、
整備の十分の九を市町村に支援する仕組みになっています。その結果として、先ほどの
答弁のように、含蜜糖工場は更新、
整備されています。
石垣市からは、県内含蜜糖工場の建て替えと同様のスキームによる高率補助のメニューの導入や、
沖縄振興特別措置法に基づく新規
事業の創設など、次期
振興計画での新たな補助
事業の創出を求める
要望が出されています。
サトウキビ農家にとっては、生産するサトウキビが分蜜糖になって農水省の所管になるか、あるいは含蜜糖になって
内閣府の所管になるか、霞が関の問題であって、サトウキビ農家には関係ありません。文字どおり、当事者置き去りの不合理な縦割り行政の弊害だと言わざるを得ません。
サトウキビは
沖縄農業の基幹作物として位置付けられ、特に離島農業の中心作物です。製糖産業と一体となって
沖縄県の離島経済を支える作物であります。農家生産支援については糖価調整法により行われていますが、農家生産の九割以上を受け入れて粗糖生産をする分蜜糖工場の建て替えには全国共通の農水省の産地生産基盤パワー
事業を利用するしかないというのでは、離島経済を支える基幹産業の分蜜糖生産は
沖縄振興特別措置が届いておらず、今のままでは離島経済が破綻し、離島の暮らしが立ち行かなくなることは明らかです。先ほど
答弁ありましたように、復帰前の建物が現存しているわけですね。そういう意味では、復帰措置がほとんど行われていないということです。
そこで、
質問しますが、石垣島に限らず、うるま市のゆがふ製糖や宮古製糖、
沖縄製糖など、県内九か所の分蜜糖工場全てに関わる問題です。
是非、分蜜糖工場の建て替えについて、
沖縄振興の視点で含蜜糖工場と同様な支援を御
検討いただきたいと
思いますが、いかがでしょうか。