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2021-02-25 第204回国会 衆議院 予算委員会第五分科会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    分科会令和三年二月二十二日(月曜日)委員会において、設置することに決した。 二月二十五日  本分科員委員長指名で、次のとおり選任された。       後藤 茂之君    菅原 一秀君       橋本  岳君    渡辺 博道君       岡本 充功君    太田 昌孝君 二月二十五日  橋本岳君が委員長指名で、主査に選任された。 令和三年二月二十五日(木曜日)     午後一時開議  出席分科員    主査 橋本  岳君       木村 次郎君    後藤 茂之君       菅原 一秀君    渡辺 博道君       岡本 充功君    西村智奈美君       堀越 啓仁君    稲津  久君       太田 昌孝君    佐藤 英道君    兼務 石川 香織君 兼務 吉田 統彦君    兼務 田村 貴昭君     …………………………………    厚生労働大臣       田村 憲久君    内閣府副大臣       藤井比早之君    厚生労働大臣      山本 博司君    政府参考人    (内閣官房内閣審議官)  内山 博之君    政府参考人    (内閣子ども子育て本部審議官)        藤原 朋子君    政府参考人    (外務省大臣官房審議官) 岡田 恵子君    政府参考人    (厚生労働省大臣官房危機管理医務技術総括審議官)            佐原 康之君    政府参考人    (厚生労働省大臣官房生活衛生食品安全審議官)  浅沼 一成君    政府参考人    (厚生労働省医政局長)  迫井 正深君    政府参考人    (厚生労働省健康局長)  正林 督章君    政府参考人    (厚生労働省医薬生活衛生局長)         鎌田 光明君    政府参考人    (厚生労働省労働基準局長)            吉永 和生君    政府参考人    (厚生労働省雇用環境均等局長)         坂口  卓君    政府参考人    (厚生労働省子ども家庭局長)           渡辺由美子君    政府参考人    (厚生労働省社会援護局障害保健福祉部長)    赤澤 公省君    政府参考人    (厚生労働省老健局長)  土生 栄二君    政府参考人    (厚生労働省保険局長)  浜谷 浩樹君    政府参考人    (厚生労働省人材開発統括官)           小林 洋司君    政府参考人    (厚生労働省政策統括官) 鈴木英二郎君    厚生労働委員会専門員   吉川美由紀君    予算委員会専門員     小池 章子君     ――――――――――――― 分科員の異動 二月二十五日  辞任         補欠選任   渡辺 博道君     木村 次郎君   岡本 充功君     西村智奈美君   太田 昌孝君     岡本 三成君 同日  辞任         補欠選任   木村 次郎君     渡辺 博道君   西村智奈美君     堀越 啓仁君   岡本 三成君     稲津  久君 同日  辞任         補欠選任   堀越 啓仁君     岡本 充功君   稲津  久君     佐藤 英道君 同日  辞任         補欠選任   佐藤 英道君     太田 昌孝君 同日  第一分科員吉田統彦君、第二分科員石川香織君及び第四分科員田村貴昭君が本分科兼務となった。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  令和三年度一般会計予算  令和三年度特別会計予算  令和三年度政府関係機関予算  (厚生労働省所管)      ――――◇―――――
  2. 橋本岳

    橋本主査 これより予算委員会第五分科会を開会いたします。  私が本分科会主査を務めることになりました。よろしくお願いいたします。  本分科会は、厚生労働省所管について審査を行うことになっております。  令和三年度一般会計予算令和三年度特別会計予算及び令和三年度政府関係機関予算厚生労働省所管について、政府から説明を聴取いたします。田村厚生労働大臣
  3. 田村憲久

    田村国務大臣 令和三年度厚生労働省関係予算案概要について説明いたします。  厚生労働省所管一般会計予算案については、昨年度より〇・五%増の三十三兆一千三百八十億円となっており、また、厚生労働省所管特別会計予算案については、労働保険特別会計年金特別会計及び東日本大震災復興特別会計にそれぞれ所要額を計上いたしております。  以下、令和三年度予算案重点事項について説明いたします。  本予算案では、新型コロナウイルス感染症から国民の命、生活を守り、新たな日常を支える社会保障構築していくため、令和二年度の第三次補正予算と合わせて切れ目なく対応することとしております。  第一に、ウィズコロナ時代対応した保健医療介護構築について、感染防止に配慮した医療福祉サービス提供体制確保検査体制充実感染拡大防止に向けた研究開発推進します。あわせて、地域包括ケアシステム構築を進めるため、地域医療構想医師偏在対策医療従事者の働き方改革の一体的な推進介護受皿整備介護人材確保等に取り組むとともに、健康寿命の延伸に向けた予防健康づくり、新たな日常にも対応したデータヘルス改革を実施します。また、がん対策、全ゲノム解析等推進するほか、医療国際展開国際保健への貢献、医薬品、食品等安全確保、水道の基盤強化等に取り組みます。  第二に、雇用就業機会確保について、雇用維持失業予防、再就職等に向けた支援のため、雇用調整助成金在籍型出向活用による雇用維持、業種、地域、職種を越えた再就職等促進新規学卒者等医療介護福祉保育等分野への就職支援に取り組みます。あわせて、多様な人材の活躍を促進するため、就職氷河期世代に対して、お一人お一人に寄り添って就業社会参加に向けた支援を行うほか、高齢者、女性、障害者外国人等就業支援に取り組みます。また、誰もが働きやすい職場づくりのため、テレワークの導入、定着促進など、柔軟な働き方がしやすい環境整備に取り組むほか、働き方改革生産性向上に取り組む中小企業小規模事業者への支援を強化するなどにより、最低賃金賃金の引上げ、同一労働同一賃金実現等推進します。  第三に、新たな日常の下での生活支援について、子供を産み育てやすい環境づくりを進めるため、新子育て安心プランに基づく保育受皿整備等の総合的な子育て支援児童虐待防止対策社会的養育の迅速かつ強力な推進、不妊症、不育症に対する総合的支援推進等に取り組みます。また、地域共生社会実現に向けて、属性を問わない相談支援を中核とする重層的支援体制整備生活困窮者自立支援、引きこもり支援強化等推進するとともに、障害児障害者支援自殺総合対策、持続可能で安心できる年金制度運営等に取り組みます。  なお、委員皆様のお手元に資料が配付されていますが、一般会計予算案主要経費別内訳及び特別会計予算案歳入歳出予定額については、お許しを得て、説明を省略させていただきます。  新型コロナウイルス対策は取り組むべき最優先の課題であり、国民の命と健康を守り抜くため、必要な社会保障サービスを強化するよう万全を期すとともに、我が国の経済社会の発展に寄与すべく、厚生労働行政推進に一層努力してまいりますので、皆様の一層の御理解と御協力をお願いいたします。  以上でございます。
  4. 橋本岳

    橋本主査 この際、お諮りいたします。  厚生労働省所管予算主要経費別概要につきましては、その説明を省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 橋本岳

    橋本主査 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――     〔一般会計予算案主要経費別内訳及び特別会計予算案歳入歳出予定額本号末尾に掲載〕     ―――――――――――――
  6. 橋本岳

    橋本主査 以上をもちまして説明は終わりました。     ―――――――――――――
  7. 橋本岳

    橋本主査 この際、分科員各位に申し上げます。  質疑時間はこれを厳守され、議事の進行に御協力を賜りますようお願い申し上げます。  なお、政府当局に申し上げます。  質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。  これより質疑に入ります。  質疑の申出がありますので、順次これを許します。木村次郎君。
  8. 木村次郎

    木村(次)分科員 自由民主党、青森県の木村次郎であります。  今日このように質問機会を賜りましたことを感謝を申し上げます。また、田村大臣始め皆様方、どうぞよろしくお願いいたします。  早速質問に入らせていただきます。  まず、就職内定状況についてお伺いしたいと思います。  今般のコロナ禍、こういったことを背景に、新卒者、すなわち高校あるいは四大まで、この方々就職内定状況は大変厳しいものがあるのではないかというふうに認識をいたしております。  直近の大学等卒業予定者就職内定状況調査、これに対する現状認識、そしてまた、これを踏まえた国としての対応についてお伺いいたします。
  9. 小林洋司

    小林政府参考人 お答えいたします。  今年度の大学卒業予定者の十二月一日現在の内定率でございますが、八二・二%ということで、前年同期比で四・九ポイント低下をしております。新型コロナウイルス感染症影響などにより、大変厳しい状況にあるというふうに認識をしております。  また、今年度の高等学校卒業予定者の十一月末現在の内定率でございますが、八〇・四%でございます。こちらの方は、就職希望者数減少したということもございまして、前年同期比では微増という形になっておりますけれども内定者自体減少しておりますので、動向を注視しておるところでございます。  こうした厳しい状況を踏まえまして、新卒応援ハローワークと、それから大学キャリアセンター、あるいは高校進路担当教員等との連携を強化すること、また、専門就職支援ナビゲーターによるきめ細かな就職支援就職面接会等の積極的な開催等を行うこと、若者雇用促進法に基づく指針を踏まえ、三年以内既卒者新卒扱い周知徹底を図ることなどの取組を進めているところでございまして、年度末最後まで全力で取り組んでまいりたいというふうに思います。
  10. 木村次郎

    木村(次)分科員 ありがとうございます。  今いただいたお話の中で、高卒者微増という状況、その背景には、やはり企業の採用が厳しい、狭められている中で厳しい、そういう中で、一旦ここは焦らず進学、大学に行こうやという層もそれなりに潜在的にはあるというふうに拝察いたしております。今後ともしっかりこうした部分を注視、分析していく必要もあるんじゃないかなというふうに思いますので、その点を是非よろしくお願いしたいと思います。  次に、大学等卒業予定者就職内定状況調査、この調査そのものについてお伺いしたいと思います。  先日、新聞の記事にもありましたのですが、この調査の捉え方、定義といいますか、割り算といいますか、ここの部分実態と必ずしも合致していないのではないかというような御指摘、私もそれに対してなるほどなというふうにも若干思ったところでございます。  この辺について相当の乖離があるんじゃないかというふうに思うんですけれども、これに対しての見解をお伺いしたいと思います。  ちょっと済みません、ちょっと参考までに、記事ですね、これを参照させてもらいますけれども、これは厚労省文科省共同でやっているということでございますけれども調査対象となるのが六十校前後ということで、全大学は七百幾らある中で、その一割にも満たないという、まず母数としてですね。その中で、例えば、大学であれば国公立大学が二十校ちょっとぐらいというふうに大体なっている。そうすると、四割ということですね。  何かと内訳を見ると、私学の方が、若干、就職、なかなか厳しい面もあるんじゃないかと私は推察しておるんです。そういったことを鑑みましても、必ずしも、全体の大学に占める国公立が二割程度という中で、その辺もどうなのかなということ。  また、この記事の中では、分母の中で就職希望者ということにしていますけれども、これがやはり、先ほど申し上げた高卒者の話とちょっとダブる部分があるんですが、就職を諦めて、取り下げて、実際は本人と連絡が取れなかったりとか、それでまた、そこが母数に必ずしも反映されていない、そういった部分があろうかと思います。  また、一方で、文科省が正式に学校基本調査というのを全学校対象にしてやっているので、きっちりとした実数値として表れるということでございます。その辺のところも踏まえて、お伺いしたいと思います。
  11. 小林洋司

    小林政府参考人 今、最後に御指摘ございました学校基本調査でございますが、これは文部科学省の方が、毎年五月一日に、全ての学校に対して全ての卒業者卒業後の進路状況というのを悉皆調査しておるものでございます。分母卒業者全員ということになりますので、学校も全てですし、それから、それによって出てくる就職者数就職率というのが低く出る形になるということであります。  先ほど数字を申し上げましたのは、厚生労働省文科省共同でやっております就職内定状況調査でございます。これは分母が、御指摘ございましたように、就職希望者ということであります。この調査目的は、就職内定状況進捗というのを効率的かつ迅速に把握して、適時適切に対応できるようにしようという趣旨でやっておるものでございます。  御指摘いただいたように、一部の大学等を取り出すという形にしておりますけれども、これは設置者、あるいは規模、バランスといったものを考えた上で抽出し、なおかつ、調査対象は基本的に同一のものをずっと使っておるということにしております。  したがいまして、悉皆でない分迅速な把握ができるということと、それから、調査対象を固定した上で二か月ごとに見ておりますので、その進捗度合いというのを迅速に把握できるメリットがあるというふうに思っています。  例えば、今回、コロナで、短大、専修学校で実習が遅れて内定が遅れたというような状況、あるいは、特定の業界影響を受けて内定が遅れているという状況が迅速に把握できましたので、それは直ちに労働局学校等に指示を行うことにつながっておるということがあります。  そういった調査目的、特性があるわけでございますけれども、いずれにしても、御指摘のように、実態をきちんと把握して適切な対応をしていくということが一番肝要でございますので、こういった調査に加えて関係者の聞き取り等も加えて、的確な対応をしてまいりたいというふうに思います。
  12. 木村次郎

    木村(次)分科員 ありがとうございます。  この調査、そういう迅速性や、あるいは、刻み刻みで小刻みに出すということでのリアルタイム性、そういう優位性というのは確かにあると思います。  また一方で、そういう乖離というのはどうしても見方によってはあるのかなというふうに思います。いずれにしても、データ統計というのはやはり継続性が大事なので、簡単に定義を変えるとか、それはそれでなかなか難しいと思います。いろいろ、よりよい国民の皆さんに対しての示し方として、中長期的な課題として研究していただくのもよろしいのかなというふうに思っております。  いずれにしても、それこそ、いわゆる第二の氷河期世代をつくらないという思いの下に、是非、田村大臣始め、また厚労省皆様方文科省連携して、引き続き取組を強化していただきますようお願いしたいと思います。  次に、人口動態統計についてという視点でお伺いしたいと思います。  まず、出生数婚姻数ということで、これもなかなか、背景には、コロナとかそういった要素もここ一年以内はあるかと思います。二〇二〇年の速報値に対しての見解、また、それに対しての国の取組についてでございます。  速報値によりますと、出生数は、前年比二・九%マイナスの八十七万二千六百八十三人と、過去最少となっております。また、婚姻数につきましては、同じく一二・七%減の五十三万七千五百八十三組ということで、減少率自体で見ますと、何と七十年ぶりの大きさということになっているようでございます。  先ほど申し上げたとおり、コロナ禍背景に、結婚あるいは結婚披露宴というものを控えた婚約したカップルが相当数いるというふうにも拝察いたします。そういうことで、出生数というのは、この二〇二一年は更に加速して減少するというような懸念もされます。  この二〇二〇年の速報値に対する見解、また、それを踏まえた国の取組についてお伺いいたします。
  13. 鈴木英二郎

    鈴木政府参考人 委員指摘のように、今月の二十二日でございますが、公表いたしました人口動態統計速報によりますと、令和二年一年間の出生数が対前年比で二・九%の減少で、これはここ数年と同様の減少傾向がございました。また、この一年間、婚姻数とか離婚数も対前年比で減少しておりますけれども、特に婚姻数は、その前年がいわゆる令和婚というのがあったこともありまして、その反動もございまして、一二・七%という大きな減少になっておりまして、これは委員指摘のように昭和二十五年に一五・一%の減少を見て以来の大幅な減少率となってございます。  それで、この令和二年でございますけれども、確かに新型コロナウイルス感染症影響がございまして、例年と比べて、いろいろな数値傾向が変化してきてございます。したがいまして、短期的それから中長期的に見ましても、本年一月以降の数値も注視しまして政策立案等をしていかなきゃいけないと考えてございます。  当面、厚生労働省といたしましては、少子化社会対策大綱に基づきまして、不妊治療への支援でございますとか、保育受皿整備、男性の育児休業取得促進など、総合的な少子化対策推進していきますほか、新型コロナウイルス感染症によりまして強い不安を抱えておられる妊産婦の方々に対しまして、退院後に保健師による訪問などによりまして寄り添ったケアを行うといった総合的な支援を実施してございます。  今後とも、妊娠、出産、子育ての不安の解消などにしっかり取り組みまして、子供安心して産み育てることができる環境確保を図っていきたいと考えてございます。
  14. 木村次郎

    木村(次)分科員 ありがとうございます。  次に、結婚子育て、そういった少子化対策に向けた取組についてでございます。  出会いの機会が、とりわけこのコロナ禍、難しくなっている、少なくなっていることも背景として想定されます。こうした結婚子育て少子化に向けた取組についてお伺いいたします。
  15. 藤原朋子

    藤原政府参考人 お答え申し上げます。  ただいま人口動態統計の昨年の出生数婚姻件数について御説明いただきましたけれども、私どもといたしましても、この出生数婚姻件数減少状況につきまして、内閣府としても、新型コロナウイルス感染症流行が人々の結婚妊娠に少なからず影響を及ぼしている可能性があるものと受け止めており、今後の推移を危機感を持って注目していく必要があると考えております。  特に、私ども内閣府では、自治体が行っております結婚支援事業ですとか、子育てに温かい社会機運醸成といった取組支援しているところでございますが、新型コロナウイルス感染症流行はこうした取組支援現場にも大きな影響を及ぼしているというふうに承知をしております。  このため、令和三年度、内閣府の地域少子化対策重点推進交付金による取組といたしまして、結婚に伴う新生活引っ越し費用など、スタートアップに要する支援を行う結婚生活支援事業、これは年齢要件ですとか収入要件もございますけれども、この要件を緩和いたしまして充実を図るということ、また、結婚支援事業の広域的な取組を重点的に支援をする、こういったことをしっかり取り組んでいきたいというふうに考えております。  また、オンラインを活用した結婚相談子育て相談など、コロナ禍における取組についても支援を進めてまいります。  引き続き、少子化社会対策大綱に基づきまして、厚生労働省ともしっかり連携を図りながら、安心して結婚子育てができる環境整備が進むように努めてまいります。
  16. 木村次郎

    木村(次)分科員 ありがとうございます。  様々な支援メニュー、かなりの部分市町村とか基礎自治体が中心に取り組んでいってもらえるメニューかと思います。私も、地元の首長さんたちに積極的な活用を促してまいりたいと思います。  そうしたことによって、例えば披露宴なんかでも、ブライダル産業界も大変な打撃を受けております。私の地元なんかでは、そういう宴会場、あるいは、写真屋さんとか着物レンタル業者あるいはコンパニオン関係業者がいろいろな連携をして、もっと披露宴を増やしていこう、そんな取組を自助的に自主的にやろうとしています。結果として、そうした危機も行く行くは和らいで、また、それなりに恩恵も行き渡っていくことも期待したいと思います。  最後の大きな質問として、新型コロナウイルスに入らせていただきます。  ワクチン接種、いよいよ始まったわけでございます。今、現場市町村とか都道府県、様々な医療機関連携しながら準備されているものと思います。  このワクチン、副反応者が出た場合の対応についてでございます。  初動的な対応というのも、国の方針の下に、各自治体が鋭意準備を進めているものと思います。ただ、重篤な副反応が出た場合、例えば、これに対応できる、対応すべき指定病院的なものをあらかじめ決めて設けておくとかそういったことによって、医療機関安心につなげていくという視点も大事ではないかというふうに考えますが、いかがでしょうか。
  17. 正林督章

    ○正林政府参考人 お答えします。  新型コロナワクチン接種後の副反応を疑う症状について、被接種者受診を希望する際には、まず身近な医療機関受診し、受診した医療機関は、専門的な対応が必要であると判断された場合に、専門的な医療機関を紹介する、そんな仕組みを考えております。  このため、都道府県に対して、必要に応じて専門的な医療機関に円滑に受診できる体制確保するため、様々な症状に対して総合的な対応ができる医療機関協力依頼を行っていただくよう、自治体向け説明会等を通じてお願いしたところであります。  また、専門的な医療機関の数については、地域の実情に応じて確保していただきたいと思っていますが、受診を希望される方が通院できる範囲内に最低一か所は設置されることが望ましい旨を自治体等にお示ししております。  引き続き、国民皆様安心してワクチン接種を受けることができる体制構築に努めてまいりたいと考えております。
  18. 木村次郎

    木村(次)分科員 ありがとうございます。  地元のそういう医療機関とかからも、例えばそういった意見も出ておりました。いずれにしても、現場の方でスムーズに円滑に執り行われるということを切に願いたいと思います。  次に、コロナ禍、後々落ち着いた場合に、いろいろな今回の取組を検証するということも必要かと思います。そういった視点に立って、質問に移らせていただきます。  まず、医療用マスクガウンについてでございます。  特にガウンとかは、事前にちょっとお伺いして、厚労省と経産省さんが連携して、国内の縫製工場とかへ、商社とかを経由するパターンもあろうと思いますが、アパレル業界は大変そういったところは打撃を受けて、縫製工場も大変な打撃を受けております。そういったところに国産品マスクを発注する、そういった仕組みもこれまで構築していただいたということを聞かされており、また、地元縫製工場、結構津軽地方もあって、技術も大変高いものがございます。大変感謝されております。  そういったこともありまして、このマスクガウン、必要な量の確保に向けたこれまでの取組と今後の見通しについてお伺いいたします。
  19. 迫井正深

    迫井政府参考人 御答弁申し上げます。  マスクガウンなどの個人防護具につきましては、医療現場での需給の逼迫した状況に鑑みまして、これまで、国内企業への増産要請でございますとか補助金による増産支援といった国内生産体制の強化を行うとともに、国が直接調達をいたしまして必要な医療機関に無償で配付を行ってまいりました。  これまでの調達によりまして現時点で必要な確保ができているものと承知をいたしておりますけれども、今後も、国として継続的に備蓄を確保していく観点から、感染状況医療現場の需給状況等を踏まえまして、必要に応じまして適宜調達を行ってまいりたいと考えております。
  20. 木村次郎

    木村(次)分科員 ありがとうございます。  今回のコロナ、ある意味災害と同じ部分があると思います。いろいろな食料とかを各自治体でふだんから備蓄、ストックしておるわけでございます。そういったことを踏まえますと、またいつこういう感染症と同じものが再来するとも限らず、そういう意味においては、本当に必要な十分な量というものを全国満遍なく確保していくということもあろうかと思います。状況を見据えつつだとは思いますが、そういったところを踏まえながら、可能な限り、また増産とかも前向きに御検討いただければと思います。  次に、アビガンについてでございます。  この感染の初期の治療薬として、当初、このアビガンが大変期待されたわけでございます。安倍前総理も、ある程度早めにできるんだ、そんな答弁をされているのも私も記憶しておるわけでございますが、その後、余り俎上に上がっていない、一般の国民の考え方は、そんな感じも見受けております。  これは、地元の医師の先生方からの意見もあるんですが、早期に治療するほど治療効果が大きく、耐性もないということが特徴で、現場のお医者さんたちからは、外来で抗ウイルス薬のアビガン投与を早く可能にしてほしいというような、結構そういった望む声も聞かされておりました。  このアビガンに関わるこれまでの経緯と今後の見通しについて、大臣にお伺いいたします。
  21. 田村憲久

    田村国務大臣 委員おっしゃられますとおり、アビガン、これは富山化学が開発した薬でありますが、元々はインフルエンザ等々の薬ということであったわけでありますけれども、今般、新型コロナウイルスということで、観察研究でたくさん使われております。  これも倫理委員会等々をつくるところも簡素化をいたしまして、例えば、国立国際医療研究センター等々へデータをお渡しをいただいて、そこで、中央で審査をしっかりやっていただくような、そういう形で、中で倫理委員会をつくらなくても対応できるような、そういうような簡素化もしておるわけでありまして、多くの医療機関でお使いいただいているんですが、御承知のとおり、一方で、催奇形性という子供に奇形の毒性があります、そういうおそれがあります。肝機能障害というような副作用もあるということでありまして、そういう意味で、やはり有効性と安全性、しっかりと確認した上で審査をしてきたわけでありますが、十二月二十一日、医薬食品衛生審議会の下で今までのデータ等々いろいろと検討したんですが、有効性というものに関して確認ができなかったということでございます。  ただ、一方で、まだ臨床試験、実施をまだ引き続きやっていただいております。そういうようなデータ等々で再度、今継続審議になっておりますので、改めてデータがそろい次第審査をさせていただいて、有効性、安全性を確認させていただいた上で判断をしてまいりたいというふうに思っております。  引き続きということでございますので、御理解をいただければありがたいというふうに思います。
  22. 木村次郎

    木村(次)分科員 ありがとうございます。  いずれにしても、一定の、段々の過程を踏む必要があろうと思います。慎重を期しつつも、治験が、エビデンスが得られたならば広く行き渡るということもこれまた願いたいというふうに思っております。  最後質問でございます。ちょっと極端な話になるかも分かりません。  このウイルス、例えばそういったウイルスを使ったテロが発生した場合だとか、あるいは日本人にとって真に高病原性の新興ウイルスが国内に入り込んだ場合といったことを想定した場合、単にこれまでの、現行の私権を制限する特措法、こういったことの改正等々では、今の体制ではなかなか迅速性とかそういった部分でも対応できないのではないかな、そういった懸念もあろうかと思います。  中長期的な検討課題ということになろうかと思いますが、ある意味、ひょっとしたら、例えば自衛隊、大変ノウハウもそれなりにあると思います。例えばそういったことの連携、そういったことも生かしながら、アメリカのCDC、いわゆる疾病予防管理センター、こうしたものに準じる、相当する感染症対策の専門組織、そういったものが長い目で見ればあってしかるべきだなというふうにも感じますが、この辺の必要性と今後の考え方等について大臣見解をお伺いいたしたいと思います。
  23. 田村憲久

    田村国務大臣 これは昨年も、自民党のコロナ本部の方からも御提言をいただいております。  平素より、やはり世界中の感染症、こういうものをしっかりとモニタリングしていかなきゃならぬというふうに思います。今も、毒性の強い鳥インフルエンザが人にうつっているという事例はある。これはヒト・ヒト感染というのが継続的に起こっていませんので、そういう意味では一時的という話なんだと思いますが、そういうものがいつヒト・ヒト感染になるか分からないわけでありますので、ただ単にアジアのみならず、アフリカも含めて、世界中の感染症状況というものをしっかりと情報収集して、そして、リスクであるとかいろいろなものを分析しながら、国内の体制、入ってきた場合にどう水際で止めていくのか、また入った場合にどのような体制を取っていくのか、こういうこともしっかりと日頃より検討していく、そういう組織が必要であるのではないか、こういうことも提言の中にいただいておるわけであります。  国立感染症研究所、それから先ほど申し上げました国立国際医療研究センター、こういうところが中心になって連携しながら、例えば臨床のデータでありますとか検体、こういうものを情報共有をして、臨床的にもまた疫学的にもいろいろな形で分析をしながら、例えば治療薬の開発、ワクチンの開発、それから全体の医療体制整備、こういうもの等々に関していろいろな提言をいただく、こういうような機能として役割を発揮をいただくという意味では連携を今進めておりまして、感染研の方も今、三百六十一名の増員要求を行っておりまして、定員は令和三年度で七百十六名となる予定でございまして、しっかりと体制を強化しながら、国民皆様方安心いただけるような体制を早急に整えてまいりたいというふうに考えております。
  24. 木村次郎

    木村(次)分科員 ありがとうございました。  時間になりましたので、終わります。
  25. 橋本岳

    橋本主査 これにて木村次郎君の質疑は終了いたしました。  次に、稲津久君。
  26. 稲津久

    稲津分科員 公明党の稲津久でございます。  通告に従いまして、順次質問をさせていただきたいと思います。  まず、いよいよワクチン医療従事者に対しての先行接種が始まりました、十七日からだったと思いますけれども。私の地元の北海道岩見沢市も、北海道中央労災病院で、十九日、先週金曜日ですかね、接種が始まりまして、私は、先般、病院長の大塚先生に、実際、接種を行ってどうだったのかということで、少しお話を伺いに参りました。  非常にスムーズに接種ができたということでございましたけれども、ただ、やはり効率的に、三密を避けて、実際に今度は一般接種が始まったときに、ここの病院でも接種を行うというふうにお話しされていましたので、そうした心配、あるいはまた行政との連携、それから、実際にワクチンがどういう流れで確保できるのか、こんなことも懸念をされていました。  心配事はいっぱいあると思うんですけれども、いずれにしても、担当大臣ではございませんけれども、厚労大臣含めて、厚生労働省を挙げて、全面的なバックアップを心からお願い申し上げる次第でございます。  今日は何点か、先ほどの御質問と重複する点もあろうかと思いますけれども、そこは確認の意味も含めて御容赦いただきたいと思います。  まず、新型コロナ感染症に対する治療薬についてお伺いしますが、その前に、改めて、新型コロナの感染で亡くなられた方々に心から哀悼の意を表させていただきますとともに、現在治療を受けておられる方々にお見舞いを申し上げます。そして、昼夜を分かたず、身を削るような思いで治療に当たっておられる医療従事者方々に対して、また、関係者皆様にも敬意と感謝を申し上げる次第でございます。  昨年九月まで私は、今日委員長席にお座りの橋本主査とともに厚生労働大臣として、新型コロナウイルス感染症対応に当たってまいりました。そのときからも様々な議論を経て今日に至るわけなんですけれども、何といっても、コロナの蔓延防止は、やはりワクチンと治療薬だというふうに思っております。  そのワクチンが、先ほど申し上げましたように、いよいよ接種が始まったということ。今度は治療薬ですね。治療薬についてはどうか。  これも、我が党公明党がいち早くいろいろと活用を提案し、昨年の五月に特例承認されましたレムデシビル、これについて、今月、対象者が重症者から肺炎全般に拡大されているというふうに伺っています。治療薬は今どうなっているのか。先ほども質問がありましたけれども政府の現在の取組状況について、これをまず厚生労働大臣にお伺いします。
  27. 田村憲久

    田村国務大臣 AMED、日本医療研究開発機構等々でしっかりと支援をしながら、いろんな候補の医薬品等々、今、研究を進めていただいております。  今言われたとおり、レムデシビルはこれも特例承認をしたわけでありまして、レムデシビルでありますとか、それからデキサメタゾン、こういうようなものは、今、その治療の手引みたいな中で、今言われたような、使い方、どういうときに使うべきかというようなことを書きながら、治療の標準化というもの、これにも資しているわけであります。  アビガンは、先ほど申し上げましたけれども、言うなれば、今までの既存薬を使うという意味では、レムデシビルやデキサメタゾンと同じなわけでありますけれども、今まだ継続審査をしている最中でありますが、そのほかに、例えば抗体医薬、血漿分画製剤なんかもその中の一つに入ってくるんだと思いますが、抗体から作る薬、さらには、もう本当に全く新しい候補物質、言うなれば、コロナに効く、そういう候補物質を一から探して研究をやっておられる、そういう製薬メーカーもあるわけであります。  いずれにいたしましても、今、急速に様々な研究、治験の中において対応いただいているわけであります。我々も、有効性、安全性、しっかりと確認しながら、本当に有効なものがあるならば、これは承認をしてまいりたいというふうに考えております。
  28. 稲津久

    稲津分科員 レムデシビルについては、これは公明党が従前から推進をしてまいりました。私も、昨年の五月の特例承認のときに、厚生労働大臣の立場で何度も国会の場で説明をさせていただきまして、是非ともレムデシビルについては有効に活用いただきたいと思います。  その上で、今大臣からも御答弁の中で触れていただきましたけれども、具体的にどういう治療薬が開発をされているのかということ、治験の最終段階でございます第三相試験まで来ている薬剤、今お話のあったアビガンもそうですし、あとアクテムラとか、ケブザラとか、オルミエントですか、それから、企業治験実施中のサルグラモスチム、そして、今大臣からお話のあった、これは国際共同医師主導治験の血漿の分画製剤、またフサンなども、これは特別臨床試験中ということで、いろいろありますけれども、観察研究でも、アビガン、オルベスコ、フオイパン、こういう薬剤も使用されています。  その中で、アビガンについて、私の方からも質問させていただきたいと思いますが、大変注目を浴びてまいりました。ただ、いまだに承認に至っていない、どうしてなんだろう。これは、先ほどの御答弁の中で私なりに理解していますけれども、しかし、例えば、結局、薬事申請に至るまでに随分時間がかかってしまった。それは、コロナのいわゆる感染者が減ってきたということもあったんですけれども、しかし、その後、最終的にこれは薬事申請を出されたんですけれども、あれから半年以上たっています。どうしてなのかな、素朴な疑問ですね。  先ほどの御答弁では、今、薬事承認に向けての実際の調査というか、進めているんだということなんですけれども、いずれにしても、やはり、このアビガンについて、国民皆様に、本当によく、分かりやすく説明をしていただかなければ、なかなか理解は進まないんだろうと思います。  この点について、これは政府参考人の方で結構ですので、御答弁いただければと思います。
  29. 鎌田光明

    ○鎌田政府参考人 御指摘のアビガンでございますが、申請が時間がかかったのではないかということでございますけれども、簡単に申し上げますと、治験を開始したのが三月三十一日でございまして、そして、それから、患者さんが少ないとなかなか治験の組入れが進まないということで、治験の組入れが終わったのが八月でございまして、申請が十月でございました。  それから我々の方で審査をいたしまして、やはり、アビガンの特性からしまして、軽症ですとか、データがございまして、我々の方で審査をした結果、先ほど大臣が申し上げましたとおり、十二月二十一日に審議会の方で審査をいたしまして、現在のデータでは有効性を明確に判断することは困難であったということで、継続審議ということにさせていただきました。  したがいまして、大臣から申し上げましたように、今、海外で審査、治験が行われていますので、試験が行われていますので、それを踏まえて、また我々はデータを見たいと。  今先生から御指摘の、アビガンの特性という意味においては、ちょっと申し上げましたが、やはり、軽症ですとかそういったことをターゲットとしますと、なかなか治験に際しての設計ですとかが難しかったのではなかったのかとは考えられますが、そこを今、企業の方で考えているというところだと思います。  他方、大臣が申し上げましたけれども、観察研究という形で、お医者様が患者さんの状態あるいは薬の特性を踏まえまして使っているというところでございますので、その辺も含めまして丁寧に御説明してまいりたいと考えております。
  30. 稲津久

    稲津分科員 感染症の戦い、多様な、多種の治療の選択肢がやはり必要だと思うんですよ。まさに治療薬は、そういう意味で、今、レムデシビル、デキサメタゾン、ヘパリン、この三つだけなんですよ。確かに、レムデシビルは重症化した方から今度は中等症の方まで対応で、しかし、ここはやはり、先ほど私が申し上げたような薬剤が早く、まず薬事申請を出していただきたいですし、そうしたことを促していくのも役割かなと思うんです。  余りアビガンに偏って、こだわってきたのではないかなという批判的なそういう意見もある中で、私は、このことは私が言っているんじゃないんですね、もう御存じのとおり、政府の基本的対処方針の中の改訂版にも、例えば、レムデシビルやデキサメタゾン、供給の確保を図る、有効な治療薬の開発を加速する、他の治療で使用されている薬剤のうち、効果が期待されるものについて、検証するための臨床研究、治験を速やかに実施する、予備費も活用し、医療提供体制の更なる強化に向けて対策に万全を期す。これは、政府の方針、厚生労働省としてのまさに一丁目一番地の取組ですよ。ですから、ここのところは是非総力を挙げて対応いただきたいということを、多くの国民の皆さんが強く望んでいることですので、関係者の御期待にお応えしていただきたいと思います。  次の質問に移ります。  これも先ほど答弁いただきましたので、確認の意味ですので、簡潔にお答えいただければ結構だと思うんですけれども、昨年の衆議院の予算委員会で、日本版のCDC、設置すべきだ、実は私も答弁していました。それで、ちょうど今、橋本主査が、あのとき、二月でしたね、ダイヤモンド・プリンセス号のクルーズ船の対応を、対策本部長で現地に行かれて、大変でしたね。よくぞ、本当に御無事で、そして立派なお仕事をされて帰ってきたと思って、いまだに敬意を表させていただきたいと思いますが。  そのときに、日本版CDC、必要じゃないか、こういう質問をされて、私は何と答えたのかと調べてみましたら、そのときの答弁、CDC、米国の厚生省疾病管理予防センターの設置について、まずは、この度設置した専門会議による適切な対応策を進める、それから、世界保健機関、WHOや関係国と、感染状況を提供し、情報交換を進めている、こういうふうに答弁して、これで一旦終わっているんですね。  そのとき私はいい答弁をしたかなというふうに想像していましたけれども、そうじゃない、やはり。あれからもう一年たってきている中で、様々なエビデンスも見えてきた。何よりも、専門会議の方が、重ねてのいろんな会議を経て、そうした知見も集めてきたわけでございまして、今、この時点で、やはり、私は、専門家の方々の意見を聞きながら、いよいよ日本版のCDCを設置する、そうした構想を立てるべきだ、こう思うわけなんです。  これも政府参考人に御答弁いただきたいと思います。
  31. 正林督章

    ○正林政府参考人 お答えします。  安全保障上の脅威として、平時より感染症危機管理体制構築していくことは大変重要であります。  新型コロナウイルス感染症対応も含め、感染症危機管理体制の強化を図るためには、国立感染症研究所と国立国際医療研究センターが連携を更に深めていくとともに、同研究所の体制強化を図る必要があると考えています。  厚生労働省としては、この両機関が有するそれぞれの専門性を踏まえて、患者の臨床情報や検体などを国立感染症研究所と国立国際医療研究センター等にて収集、解析し、その検体やデータを治療法やワクチン等を開発する研究機関に提供する体制を整えるための事業を進めているところであります。  また、危機管理体制の更なる強化も必要と考えられ、国立感染症研究所の体制については、その定員を令和三年度において三百六十一名の増員要求を行っており、定員は七百十六名となる予定であります。  引き続き、両機関が互いの専門性を生かしながら各分野で連携の発展、強化を図り、感染症危機管理体制の強化に努めてまいりたいと考えております。
  32. 稲津久

    稲津分科員 まあ、そういう答弁になると思うんです。  問題は、今御答弁のとおり、そういったことを踏まえて、CDCの設置に向けて多方面からの検討を要していきたいとか、そういう答弁になるのかなと思っていましたけれども、それはともかくとして、なぜそういうことを言っているかというと、もうここにいる方は御存じのとおり、あのSARS、MERSのときに、水際対策で何とか日本は食い止めることができた。本当は、あのときにもっと感染症に対する疾病対策というのは本格的にやらなければいけなかったかもしれない。  今回、この未曽有の世界的危機状況新型コロナウイルスとの戦いが始まっている。私は、こういう人類的な、そうした危機状況を踏まえた上であれば、そうした日本版CDCなるものの考え方をそろそろ整理していく必要があるんじゃないだろうかなと。今日はこの程度で終わらせていただきたいと思います。  それで、次に、少し質問を変えまして、今度は男性の育児参加促進についてお伺いしたいと思いますけれども、私の子供が生まれた頃は、男性は仕事、女性は家事、それから、男は外で働くんだから家事をするのは恥ずかしい、こんな風潮があったと思います。  しかし、時代は変わり、女性も働くようになり、育児も家事も夫婦で分担してやるようになってきた。今では、休日、公園などで子供と遊んでいる若いお父さん、そういうのが非常に見えてきた。イクメンという言葉もできてきて、定着しましたね。子育てに積極的に関わっている男性はむしろ格好いい、こういう風潮、喜ばしいと私は思っています。  ただ、その一方で、企業における男性の育児休業取得率、伸びていませんね。男性は育児にもっと関わりたいと思っている、特に若い方々。だけれども実態として育児休業は取っていない。どこに問題があるのか、国としてやるべきことは何なのか、この点についてお伺いさせていただきます。
  33. 坂口卓

    ○坂口政府参考人 お答え申し上げます。  今議員の方から御指摘ございましたとおり、男性の育児休業の取得率でございますが、現状では七・四八%ということで、やはりまだ低調ということでございます。  お尋ねございました、男性の育児休業の取得率が低い原因としましては、職場が育児休業を取りづらい雰囲気があることや業務の都合により取れないことなどが挙げられておりまして、そういったことが要因であると考えております。  私どもとしましては、そういった要因の除去、改善ということにしっかり取り組んでまいりたいと考えております。
  34. 稲津久

    稲津分科員 ありがとうございます。是非ともよろしくお願いをさせていただきます。  制度的な対応と併せて重要な対応、これは今、坂口局長に少し触れていただきましたけれども、職場の雰囲気づくり、非常にこれは大事なことだと思っていまして、実際、男性労働者に育児を目的とした休暇、休業を利用しなかった理由を聞いたところ、職場が育児休業制度を取得しづらい雰囲気だったから、こういう回答が多いという状況でございます。  私も、厚生労働大臣のときにイクボスという言葉を知りまして、イクボスというのは、育児や介護、ワーク・ライフ・バランス、こうしたことに非常に理解のある職場の上司ということで、厚生労働省では、部下がいる上司の方に、イクボスであるということ、イクボスとなることを宣言するという取組推進しておりまして、私もイクボス宣言をいたしまして、議員会館の事務所の中に、壁にその宣言書を貼っております。  お一人お一人がイクボスになろう、そう思うことで、どうなんでしょうか、温かい社会地域づくりが、あるいは会社そのものも、そういう行動で世の中が変わっていくんじゃないだろうかな。  厚生労働大臣、いかがでしょうか。御答弁いただきたいと思います。
  35. 田村憲久

    田村国務大臣 以前、超党派、今もあるんですかね、イクメン議員連盟というのがありまして、私も共同代表をさせていただいておりました。  当時は、イクメンという形で、男性がちゃんと育児をやる、当たり前の世の中にしていかなきゃいけないとなった話だったんですが、どうも、本人だけが思っていても、会社でそういう雰囲気がつくられないと、なかなかいろんな柔軟な働き方ができない、育児のために。  それで、イクボスというような形で、上司が理解があれば、というよりかは、上司がしっかりと育児休暇を取れよというようなことを言ってくれれば御本人も取りやすいというところがありますので、そういう意味では、今、イクボスというものを広く世の中に御理解をいただこうということをしておるわけでありますが、私も十一月に、厚生労働省を預かっておりますので、イクボス宣言をいたしました。  そういう意味で、厚生労働省も、育児のためのいろんな柔軟な働き方ができるような、そういう環境を今、更に進めてまいりたいと思っております。  イクメンプロジェクトの中で、イクボスの表彰、これもやっておりまして、こういう好事例を更に世の中にしっかりと広げさせていただく中において、育児休暇が取りやすい、育児休業が取りやすい、そんな環境をつくってまいりたいと思いますが、環境整備という意味では、それを企業に義務化する、そういう改正案を今国会に提出をさせていただく予定としております。  こういう法整備も進めながら、しっかりと世の中で、育児のために、今は女性も男性もありませんから、もう一緒になって育児また家事等々、それに参画できるような、そんな環境をこれからも推し進めてまいりたいというふうに考えております。
  36. 稲津久

    稲津分科員 ありがとうございました。  大臣もイクボス宣言されたということで、今日お並びの皆さんも是非イクボス宣言をなされて、もうされているかもしれませんけれども厚生労働省から他省庁に、そういったものを是非伝播していただきたい、このように思います。  残りの時間で、今度は、がん検診について、これは山本副大臣にお伺いをさせていただきたいと思います。  新型コロナウイルスの感染拡大で、がん検診を受診する人が減っているんじゃないかということ。二〇二〇年度の受診率は一九年度の七割ぐらいにとどまっているんじゃないか、そういう見方もあるというふうにお聞きしております。  がんは、やはり何といっても早期発見で生存率が高まるということ。医療関係者は、今の緊急事態宣言の中で受診控えが更に進んで、がんの検診の受診率が減ることによって重症化することを非常にやはり懸念をしている、そうした声が大きいです。  こうしたことを踏まえて、まず、今、このコロナ禍におけるがんの検診の受診率、どのようになっているのか、お答えいただきたいと思います。
  37. 山本博司

    ○山本副大臣 ありがとうございます。  委員指摘のとおり、がん検診は定期的に受診いただくことが大変重要でございまして、自治体に対しても、地域における新型コロナウイルス感染の状況等を踏まえまして、感染拡大防止の徹底の上、実施いただくこと、さらには、がん検診が延期となった場合でも、なるべく早期に受診機会を設けることを依頼しているところでございます。  今年度の受診状況でございますけれども自治体で実施しております集団で行うがん検診の受診数を日本対がん協会が調査した結果では、一回目の緊急事態宣言中の昨年五月におきましては、集団検診自体を延期するようお願いしたところもございますので、前年同月比で約八%余りという、大幅に減少しておりましたけれども、その後、回復傾向にございまして、例えば二〇二〇年七月には、前年同月比六一・八%と回復にある、こういう状況でございます。  より詳細な、がん検診全体の状況につきましては、研究班におきまして把握、分析等を行っておりますので、引き続き適切な実態把握に努めてまいりたいと思います。
  38. 稲津久

    稲津分科員 ありがとうございました。  もう御存じのとおり、日本人の死因のトップはがんで、年間約三十八万人が亡くなっている、そういう発表もありますけれども、先日、我が党の方に対して、東京大学医学部附属病院の中川准教授が、がん検診は不要不急じゃないんだ、それから、受診率低下に大変な危機感を寄せている、こういう意見を寄せていただきまして、その中で先生がお話しされているのは、やはり、早期がんで症状が出ることはほぼない、一つのがん細胞が検診で発見できる一センチ大になるまでに大体十年から三十年かかっている。ところが、この一センチのがんが、病巣が一センチから今度は二センチになるのにたった二年程度しかかからない。そこで、やはり、多くの人の体の中で実際にがんが進行するというのは、今申し上げたように、一、二年で急激にがんが成長している、そして、これがいわゆる後に重症化していく。だから、そういう意味でも、がんの早期発見、がん検診は重要なんだ、そういう話でございますけれども。  民間団体の中では、このコロナ禍にあって、がん検診に対して、呼びかけですとか、それから啓発なんかもやっているところが結構ありまして、私は、所管する厚生労働省として、もうその取組をされているかもしれませんけれども、更にそこを一層強化していくべきじゃないか、そのように考えておりますが、副大臣、どうでしょうか。
  39. 山本博司

    ○山本副大臣 今、委員の御指摘は大変大事だと思っておる次第でございます。  厚労省としても、がん検診を含めた各種検診等の必要性や重要性を考慮しますと、適切な感染防止策を講じた上で、安心して検診を受けられる環境をつくることで多くの方に受診をしていただけるようにすることは大変重要である、こう考えておる次第でございます。  そのためにも、自治体等に対しまして、地域における感染状況を踏まえつつ、適切な感染防止策を講ずることによりまして、新型コロナウイルス感染症が存在する中での適切な検診体制確保、これをお願いをしている状況でございます。  また、政府広報におきましても、がん検診を呼びかけるCMを作成して放映するとともに、その動画やリーフレット、これをホームページに掲載をして周知啓発を行っているところでございます。  さらに、令和二年度から開始しました予防健康づくりにおけるエビデンスを創出するための実証事業におきまして、新型コロナ感染症が存在する中でのがん検診受診率向上のための資料、これを作成し、それらを活用したがん検診の受診率向上策について検討、評価しているところでございますので、引き続き、地方公共団体、さらには検診の団体等とも連携しながら、積極的な情報発信、広報活動に取り組んでまいります。
  40. 稲津久

    稲津分科員 是非よろしくお願いをさせていただきたいと思います。  ちょっと余談の話ですけれども、今月、私は亡くなった父の年を一歳超えました。父親は六十二で大腸がんで亡くなったんです。手術は成功したんですが、予後が余りよくなかった。それで、今でも覚えていますけれども、手術が終わった後に、そのがんの部位を担当医が見せてくれました。早期で見つかってよかったですねと言われましたけれども、結構大きながんが幾つもありました。  あれからもう三十数年たって、医療はもうどんどんどんどん日進月歩で進んでいます。もし、三十年前に今と同じようながん検診の体制医療体制があったならばどうだったのかなと、ちょっと悔やむ思いもするんですけれども、やはり何といっても、がんは、繰り返しですけれども、早期発見が何よりも大事ということでございますので、是非、厚生労働省の重点政策として更にまた進めていただきたいと思います。  最後質問になりますが、新型コロナウイルスに感染をされた方々に対する偏見、差別、これは実態をしっかり把握すべきじゃないか、それから相談体制もつくっていくべきじゃないか。そのために、NPO法人との関係の連携強化とか、あるいはSNSを発信させるとか、こうした取組についてどのようにお考えなのか。この質問最後にさせていただいて、終わりたいと思います。
  41. 正林督章

    ○正林政府参考人 お答えします。  差別や中傷は絶対許されるべきものではなく、これらを防止するためには、国民一人一人に感染症の知識や予防策を正しく理解していただくことが重要と考えています。このため、厚生労働省や国立感染症研究所では、国民皆様に正確な情報を周知するため、新型コロナウイルスに関する基本情報や感染予防策など必要な情報について、ホームページなどを通じて周知しているところであります。  感染症法においては、過去にいわれのない差別や偏見が存在した事実を踏まえ、基本理念、国、地方公共団体や国民の責務として感染症の患者等の人権の尊重を規定しており、また、先般成立した特措法、感染症法の一部改正では、特措法において、新型コロナウイルス感染症について患者とその家族、医療従事者などの人権が尊重され、不当に差別されることがないようにと、国と地方公共団体が啓発活動などを行うことが規定されたところであります。こうした規定をしっかりと受け止め、引き続き患者等の人権に配慮した適切な対応に努めてまいりたいと考えております。  特に、医療従事者に対する差別が大きな問題となりましたので、厚生労働省として、医療従事者、感染者等に対する差別、偏見をなくすため、「#広がれありがとうの輪」プロジェクト、こんなものを立ち上げて、ポスターであるとか様々な広報媒体、特にSNSですね、委員指摘の。そういったものを活用し、今、総視聴数が八千七百万に達したというふうに報告を受けております。こうした活動を通じて、差別、偏見の解消に引き続き努めてまいりたいと考えております。
  42. 稲津久

    稲津分科員 終わります。
  43. 橋本岳

    橋本主査 これにて稲津久君の質疑は終了いたしました。  次に、西村智奈美君。
  44. 西村智奈美

    ○西村(智)分科員 立憲民主党の西村智奈美です。よろしくお願いいたします。  先日、予算委員会でもワクチン接種体制のことについて質問させていただきました。そもそもが、自治体への情報提供が遅い。それは、ここに来てみると、私ども、契約内容は公表はされておりませんので承知はできていないんですけれども、契約の内容、それから生産体制、供給体制、いろいろな問題が絡んできて、非常に供給そのものが少し不安定になっているのかなという思いもいたしております。  他方で、やはり、国内での接種体制については、これはもう紛れもなく政府内できちんと責任を持って整えていかなければいけないというふうに思いまして、重ねてなんですけれども自治体の方には早急に確実な情報を提供していただきたい、このことを強く要望いたします。  職場での接種も、これはやれればいいことだというふうにも思いますけれども、後になって出てくるんですよね。それも、自民党のPTなどから何かそういう提案があったというので、報道ベースで自治体の方が知ることが多いので、そこのところは、やはり情報の発信のきちんとした一元化、これが必要だ。そうでないと、とんでもない自治体が大混乱になってしまって、ただでさえ、体制をどうやって取るのか、人手の確保も含めて大変な中で、これ以上混乱が大きくならないように、是非、田村大臣のハンドリングをお願いしたいと願っているものでございます。  それで、質問に入りますが、先日報道で、ファイザーとビオンテックが新たな保存に関するデータを公表したという報道がございました。二月十九日に、一般的な医療用冷凍庫、マイナス二十五度からマイナス十五度だそうですけれども、ここで二週間の保存が可能だというデータが得られたというふうに発表しているようです。  これは、FDA、アメリカのFDAですから食品医薬品機構かな、アドミニストレーションですよね、そこに提出して承認を得ることにしているということですけれども、これは事実だということでしょうか。
  45. 田村憲久

    田村国務大臣 まず、冒頭、本当に、各自治体には情報が確かに正確に全てが伝わっているわけではなくて、それは、本当に申し訳ないことなんですけれどもワクチンが世界的に供給不足、これは日本だけではありません、ヨーロッパでも契約どおり届かないということで、EUの方で承認を取れなければ海外に輸出できないというようなことまで起こっておるわけでありまして、河野大臣の下で、そういう中でもしっかりとこれを確保すべく今努力をさせていただいておるということでありまして、昨日、河野大臣の方から、これからの供給がどういうふうになるかというような話が、記者会見があったようでありますけれども、しっかりと各自治体の方にはお伝えをさせていただきたいというふうに思います。  その上で、今のお話でありますけれども、確かに、ファイザーの今までの保管体制というもの、マイナス六十度からマイナス九十度ぐらいで保管をいただきたいという話であったわけでありますが、一時的にそれを保管するのであるならば、言われるとおり、マイナス十五度からマイナス二十五度、高い保管温度、マイナスですから高くはないんですけれども、それで一定程度、二週間という話、これが確認できたということで、FDAの方にそのデータを出されて、これに対して添付文書の改定を申請している、要請しているということであります。  ちなみに、他国の規制当局にも順次このような形で申請が来るということでございますので、日本におきましても、やってまいりましたら、しっかりとそれを確認をさせていただいた上で、十分に確認できれば、それはまた各自治体の方にしっかりと御連絡をさせていただきたいというふうに思っております。
  46. 西村智奈美

    ○西村(智)分科員 次の質問にもお答えいただいて。  確認ができれば、自治体の方にも周知をする、手引も改めるということでよろしいですか。確認です。
  47. 田村憲久

    田村国務大臣 まず、添付文書の改定をしなければなりませんので、それをした上で、基本的には手引という話になるんだと思いますけれども、各自治体にしっかりと、こういうような一時的な保管の仕方があるという形でお伝えをさせていただきたいというふうに思っております。
  48. 西村智奈美

    ○西村(智)分科員 自治体への説明も、現場でオンラインなんかでやるいわゆる説明会での説明、それ用の資料もたくさん出ています。それと、いわゆる手引、縦型の手引が二種類あって、手引も改定するということでよろしいんでしょうか。
  49. 田村憲久

    田村国務大臣 これは保管をする非常に重要な部分でございますので、そういう意味では、手引の方も改定をさせていただきたいというふうに考えております。
  50. 西村智奈美

    ○西村(智)分科員 確認させていただきました。  それで、ちょっとこれは前回できなかったことでもあるんですけれども、今現在の手引に、冷凍ワクチンを解凍された状態で冷蔵して移送することができるというふうにもなっていて、いわゆる二度から八度というやつですけれども、その二度から八度の移送が可能だということで、手引にも今現在そういうふうに書かれているんですね。  この二度から八度の解凍された状態での移送が大丈夫だということは、これはデータが得られていることなのでしょうか。
  51. 田村憲久

    田村国務大臣 一応、これは、薬事審査の上、ファイザーが公表いただいているということでございますので、確認をした上でということであります。
  52. 西村智奈美

    ○西村(智)分科員 では、そこはもう一回確認ですけれども、二度から八度で移送して何時間以内でというのがたしかあったと思うんですけれども、その状態であれば、ファイザーの方から、データ上は効能的にも問題がないということで確認が取れているということの理解でよろしいでしょうか。もう一回確認させてください。
  53. 田村憲久

    田村国務大臣 薬事審査の上でありますので、その上で、ファイザーが公表いただいておりますので、確認が取れているということであります。
  54. 西村智奈美

    ○西村(智)分科員 ありがとうございます。  それともう一点。この前予算委員会でお伺いした点の、例の一月十三日付のQアンドAで、練馬方式が出る前、ある町が、うちはとにかく小さいので、複数の医療機関に分けていいですかという質問に対して、アンサーが、小分けはできるということは想定しているけれども、せいぜいで三か所というふうに書いてあったかどうか、ともかく、数十か所への移送はできませんというふうに書いてあった件についてです。  その後、二月十七日に自治体説明会が行われたというふうに思いますけれども、この点について、これは正直申し上げて大きな方針変更、内容変更でありますので、その点を率直に自治体説明をした上で、おわびの一言があって当然だったというふうに思うんですけれども、おわびはちゃんとしていただけましたでしょうか。
  55. 田村憲久

    田村国務大臣 おわびは、私、予算委員会でもテレビでも、しょっちゅうこれに関しては、いろいろなことが変わりますので、大変御迷惑をおかけしているということは自治体皆様方にさせていただいておりますが、要は、こっちの都合で変えたというよりかは、自治体の方からいろいろな要望が来ます。要望が来た上で、本来は、ファイザーがそういうようなことはやめてくれという話だったんですね。  それを、こういう要望が来ているから、ファイザーに何とかできませんかといろいろ話をする中で、じゃ、こういうやり方ならできますよねというような、ファイザーの方が、何といいますか、それでも大丈夫だ、有効性は大丈夫だというような、そういうファイザーの方の意見をいただく中において、じゃ、そういうふうに分けていきましょうというふうにしておりますので、ある意味、自治体の御要望をいただいて改善をさせていただいている。  もちろん、別に、小分けを絶対してくださいと、それで数十の医療機関に各自治体は配ってくださいと言っているわけではなくて、自治体それぞれが、こういうような形で接種体制を組んだ方がよりやりやすいというようなお声をいただく中で、バリエーションが今増えてきておるということであります。  ただ、言われるとおり、それによって、うちもこれをやらなきゃいけないのというふうに思われると、これは御迷惑をおかけしますので、あれはそういうことじゃないということは、これからも徹底をしてお伝えをしてまいりたいというふうに思っております。
  56. 西村智奈美

    ○西村(智)分科員 ちょっと今の答弁は私は不満なんですけれども。  つまり、やはり自治体の方は、初めての、短期になるのか長期になるのか分かりませんけれども、それこそ、集団接種がなくなって、日本で数十年ぶりに行われる集団的な接種ですよね。しかも、扱いの非常に難しいワクチンでやらなければいけないという中で、それこそ担当者の皆さんは今までやったことのないことをやっているわけです。  それについて情報はといえば、やはり政府の方から出てくるのを待って、それを基に体制を組んでいくしかない。組んでいくしかない中で、出てきた情報がいともあっさり変わってしまって、やはりそれについて何か一言ぐらいないと、一体私らは何を信じてやっていけばいいんだと。本当に、普通に真面目に仕事をしている自治体の人たちは、何と言ったらいいのかな、すごくやはり政府に対して物を言いたいと思いますよ。  私も、直接、間接、いろいろな声を聞いています。早く確実な情報を出してくれという話が一番多いんですけれども、やはり、政府から出てくる情報がすごくすぐ変わる、しかも政府内でどうも意見が統一されていない、これがやはり多いんですよ。私は直接、間接聞いておりますので、大臣はそういう声を聞いていないんだとすると、ちょっと何か現場の声が本当に分かっているのかなというふうに思いますけれども。  なので、そこのところはよくよく分かっていただいた上でないと、情報発信ってやはりすごく難しいと思うんですよね。なので、今の答弁はちょっと不満ですけれども、その都度、是非ここは、変わったら変わった、それははっきり言う。今まではこうだったけれどもということも併せて説明をしていただいた上で情報提供をする。やはりそれをやっていただかないと、体制を組む自治体の方は、納得感という意味でもやはりちょっとうまくないというふうに思いますので、そこは是非注意していただきたいと思います。  それで、先に進みます。  それで、今度は別の保存方法が出てきたんですよね、別の移送方法が。冷凍庫を用いてマイナス六十度からマイナス十度で移送する、そして、二度から八度で保管して、五日以内で接種完了するということができるようになったそうなんです。もう一つ、マイナス九十度からマイナス六十度で移送してワクチンの有効期限まで保管可能だということになった。この二つの方法が新たにつけ加わったんですけれども、まず、一つ目の方法について伺います。  マイナス六十度からマイナス十度で移送して、二度から八度で保管して、五日以内で接種完了するということ。これは、私、厚労省の担当者から説明を聞いたときには、ファイザーとの交渉の結果できるようになったというふうに話を聞きました。これは、ファイザーとして、ワクチンの効能に変化なしというふうに、データ等々、エビデンスが存在する移送方法なんでしょうか。
  57. 田村憲久

    田村国務大臣 詳しくはちょっと局長の方からお聞きいただきたいんですけれども、私がお聞きしているのは、今言われたマイナス六十度からマイナス十度での移送をした後、二度から八度で管理し、五日以内で接種完了という取扱い、これが可能であるということをファイザー社に確認を取った上で周知をしたものであるというふうに確認いたしております。
  58. 西村智奈美

    ○西村(智)分科員 そうすると、前の二つの方法とはちょっと違うんですよね。  冒頭私が質問した、医療用冷凍庫で二週間保存可能、これについてはファイザー社はデータを取って今FDAに申請中だと。それから、二度から八度については、これは薬事承認するときにもう既にそういうことで確認は取っていると。  この二つについてはちゃんとデータがあるというふうに私は受け止めたんですけれども、マイナス六十度からマイナス十度で移送して、二度から八度で保管して、五日以内で接種完了というのは、これはファイザーとしてはデータは持っていないということですか。
  59. 田村憲久

    田村国務大臣 今の二度から八度で移送する場合と異なりまして、ファイザー社において公表されているものではないんですが、同社から差し支えない旨の回答を得ているという意味からすると、エビデンスとなるデータ厚生労働省に提出されているかどうかは企業秘密であり、これは非公表ということとなっております。
  60. 西村智奈美

    ○西村(智)分科員 いや、ちょっと何かびっくりです。その点、公表できないんですか。だって、今、私が質問した一番目と二番目、マイナス二十五度からマイナス十五度についてはデータで今審査中、二度から八度はちゃんとデータがありますというふうにお答えいただいたのに、なぜこのマイナス六十度からマイナス十度でということについてはデータがないのにオーケーと言っているのか。ちょっとここは、どうなんですかね、データがないものをこうやって推奨するということになると、これは私はやはりちょっと問題だというふうに思いますよ。  もう一つ。もう一つの方法があるんですね、マイナス九十度からマイナス六十度で移送し、ワクチンの有効期限まで保管可能ということになったということなんですけれども、これについても、厚労省の担当者の説明によると、ファイザーとの交渉でかち取ったというふうに説明をいただいたんです。これについても同様ですか、データはありませんか。
  61. 田村憲久

    田村国務大臣 これに関しては、これは今月の十七日に自治体説明会でお示しをしたものでありますけれども、マイナス七十五度程度で管理すれば、ワクチンの有効期間は、製造から六か月保管可能であることについて、これは、ファイザー社から提出されたデータに基づきPMDAで確認をしたものであります。
  62. 西村智奈美

    ○西村(智)分科員 マイナス七十五度前後ですよね。マイナス六十度というのがマイナス七十五度前後ということに当てはまるのかどうか、私はちょっとこの辺の世界のことが分かりませんが。だけれども、交渉でかち取ってきたことだからというので、自治体にそういうやり方もありますよというふうに説明をする、つまり、ワクチンの効能について変化がないということをデータとして持ち合わせていないものを推奨するというのは、私はちょっとやはりやり過ぎじゃないかと思います。  それで、この件について手引を改める予定がありますか。(田村国務大臣「どっちの」と呼ぶ)どっちも。これらの点について。  これは説明資料なんですけれども、今までは、つまり二度から八度だけだったんですね。そこのところに、マイナス六十度からマイナス十度というのと、マイナス九十度からマイナス六十度というのがつけ加わったんですけれども、この二つの移送方法について、こういったことができますよということを手引に書き加える予定はありますか。
  63. 田村憲久

    田村国務大臣 今、二つの形態を委員おっしゃられた。両方ともということですよね。両方とも手引を早急に改定する予定であります。
  64. 西村智奈美

    ○西村(智)分科員 そうですか。  昨日の夜、私は、手引に記載しておりません。ああ、今は記載していないけれども今後改定する、こういう意味でよろしいですか。なるほどですね。  でも、大臣、私が言いたいことを分かっていただけたでしょうかね。つまり、上の方法についてはファイザーがデータを持っている、データはあるということで、一応そういう動きになった。だけれども、この二つについては交渉でかち取っただけで、データはないんですよ。これをやはり推奨するというのは、私はちょっとどんなものかというふうに思います。エビデンスですよね、大事なのは。やはり、こういうやり方だと、何でもかんでもということにまたなっていきかねないので、ちょっとここは慎重に考えていただきたいというふうに思います。よく省内で確認してください。お願いいたします。  先に進みます。  この手引のバージョンがだんだんだんだん日を追うごとに新しくなってきているんですけれども、最新のものでいうと二・〇版、ここのところで、私も目を皿のようにして見ましたら、冷凍ワクチンを解凍した状態での移送のところに、「小分けしたワクチンの移送を運送業者に委託することは差し支えない。」と書いてあるんですね、運送業者に。まあ、そういうことなんだろうなと思います。例えば、先行しているカナダなんかでも、トレーニングをちゃんと受けた、それ専門でやっている業者さんには委託していいですよというような、契約していいですよというようなことにはなっているので。  ただ、ここの書きぶりが非常に気になりました。「市町村、基本型接種施設、連携接種施設又はサテライト型接種施設の責任において、小分けしたワクチンの移送を運送業者に委託することは差し支えない。」と書いてあるんですよ。自治体等の責任において委託してもいいですよと。  差し支えないという表現もどうかなと思うんですけれども、手引の中をよく見てみたら、二十六か所、こうしても差し支えないですよという表現がありました。それもさすがにちょっと多過ぎるなと思ったんだけれども、ここのところ、市町村、基本的接種型施設、ぶらぶらぶら等の責任において、つまり、厚労省の責任じゃなくて、政府の責任じゃなくて、実際に体制をしくあなた方の責任で差し支えないですよというふうに書いてあるんですよ。これはちょっとどういう意味ですか。
  65. 田村憲久

    田村国務大臣 それぞれの機関のディープフリーザーまでは、これはファイザーが責任を持って輸送会社等々と契約を結んでいただきながらも対応いただく。ここまではファイザーの責任で品質管理を行っていただくわけであります。  そこから、今度、小分けして送る場合は、厚生労働省の責任と言えたらいいんでしょうけれども、実際に輸送するのは自治体であり、若しくは接種医療機関になるので、そこを全部厚生労働省がチェックすることはできないわけであります。  ただ、基準として、輸送時間でありますとか、保冷用のバッグ、こういうものは国の方から配らせていただく等々で、基準は設けておるわけでありますが、全てにそこから厚生労働省の職員がついてチェックしながらというわけにいかないものでありますから、そういうような書き方をさせていただいておるということでありまして、あくまでも、基準はお示しをさせていただいて、どんな配送の仕方をしてもいいというわけじゃなくて、こういうことをやってくださいという中において、最終的に接種会場若しくは医療機関等々までこれを輸送していただく、そういう意味合いでございます。
  66. 西村智奈美

    ○西村(智)分科員 これは、私、斜めからちょっと見過ぎかもしれないですけれども、かなり何か責任を逃れようとしているように見えます。見えますので、こういったこともよくよく検討していただきたい。省内で確認してください。  そして、最近になって、また河野大臣がいろいろとあちこちで発言をしておられるようです。二十三日に、地方三団体とのオンライン会議で、高齢者への接種は四月以降になる、段階的に進めていく、人口が少ない自治体などでは高齢者以外も含めて一括して接種を開始することも検討してほしいと。  まあ、ちょっと言うのが遅いかなという感じなんですけれども。それは、離島でやはりできないですよ、医療従事者だけとか高齢者だけとか。  ということも検討してほしいという考えを示したとの報道があったんですけれども、こういう説明内容は、今、現時点で厚労省が例えば自治体への説明会ですとか手引等で説明している内容、方針と一致しているんでしょうか。
  67. 田村憲久

    田村国務大臣 二十三日に河野大臣が全国知事会でお話をされた内容だと思いますが、四月からというのは、以前から厚生労働省高齢者に関しては申し上げておりました。  それから、離島に関しては、実は知事会とは、河野さんが言う前に、私、知事会とこの議論はさせていただいております。  やはり、離島だけじゃないんですけれども、どう考えても、高齢者のためだけに少ない数を持っていって、次はまたというような形では、とてもじゃないですけれどもその自治体の負担ということがございますので、こういうものに関しては、元から厚労省地域の実情に応じてというようなことを申し上げておりましたので、その中の一環である。  今回、離島だけではなくて、人口の少ないそういうような自治体も含めて、もちろんワクチンにある程度の余裕がなければこれはできないことになりますけれども、十分に打てるだけの余裕があればそういうような対応をしていただいてもいいということで河野大臣の方からおっしゃっていただいたということでありまして、元々、我々もそういうことを全国知事会の方には申し上げてきたことでございますので、そこはそごがないというふうに御理解いただければありがたいと思います。
  68. 西村智奈美

    ○西村(智)分科員 是非、引き続きそごがないようにお願いしたいと思います。  それで、この関連でもう一点あるんですけれども、済みません、ちょっとこれは通告していないんですが、河野大臣は、同じ二十三日に日テレの番組に出られて、こういうふうに言っておられるんです。  最初は人口割で、どうも入ってくるワクチンがそんなに十分じゃないということで、最初は人口割で配って、その後は接種のスピードに合わせて出したいというふうに言っておられるようなんですけれども、これも厚労大臣としては共有している方針ということでよろしいんでしょうか。
  69. 田村憲久

    田村国務大臣 普通に考えたら、そういうことになるんだろうな。つまり、どういうことかというと、ワクチンがまだ打てずに余っているところにワクチン供給をしても、それは滞るだけでございますので、スピードを見て、V―SYSというシステム等々がございますので、V―SYSで、大体ワクチンをどれぐらい打ったか、その地域がというのは分かりますので、そういうものを見ながらという話になるんだろうな。  これは細かく詳細を全てつくっているわけではありませんけれども、全体を動かしていく中では、そういうようなオペレーションは当然想定できるというふうに思っております。
  70. 西村智奈美

    ○西村(智)分科員 それで、ではV―SYSの話なんですけれども、今、先行接種が行われていて、何か所の実施箇所で何人と更新されていますよね。あれ、V―SYSがちゃんと動いているんだなと私も思ったんですけれども。それで、V―SYSを通じて、自治体ごとの接種件数、これの把握というのはできるんですか。また、もしそれができるとして、それを厚労大臣としては公表するという考えはあるんですか。  つまり、河野大臣接種のスピードに合わせて出したいということは、接種が進んでいるところにどんどんワクチンを入れていきましょうかということですよね、そうじゃないんですかね。だとすると、V―SYSで自治体ごとに把握ができる、そして、例えば自治体ごとに今日何件ですよという、そういう数字については公表するという考えは大臣はお持ちですか。
  71. 田村憲久

    田村国務大臣 公表するかどうかというのは、ちょっとまだ、我々、検討している最中だと思いますが、元々、V―SYSの中で、これは一番は供給をするための仕組みでありますけれども、供給するためには、どれぐらい使用したかということが分からないと、供給したけれども実はそこで滞っていたというのでは困りますので、そういう意味では、自治体ごとにそういうものをちゃんと把握をしながら供給体制の中において対応していこうということでございますので、我々としては、それを把握をさせていただく中において、しっかりと必要なところにワクチンが行くようにというような認識であります。
  72. 西村智奈美

    ○西村(智)分科員 それで、今日は、内閣府、担当の副大臣にお越しいただいているんですけれども、V―SYSともう一つ新しいシステムをつくっているということで、今この検討状況がどうなっているかということと、それから、さっきV―SYSに関してやった質問です。自治体ごとの接種状況、これを把握することは新しいシステムでは多分できるんですよね。それはそうですよね、データを上げてもらってやるわけだから。それを、例えば、河野大臣とかが公表しましょうと。だって、大臣接種のスピードに合わせて出していきたいというふうにおっしゃっているわけですよ。自治体ごとにこうだから、ここにこれだけ供給しますということを、大臣はというか内閣府として公表する考えはお持ちなんですか。  厚労大臣は、さっき、公表するかどうかというのはまた別というようなお話で答弁されていたんですけれども、私も、自治体ごとの接種状況というのは、公表するということについては慎重に考えた方がいいと思うんですよ。定額給付金のときなんかも、うちの自治体は早い、こっちの自治体は遅い、それだけですごい大問題になりました。政治状況にも関係してきます。これはすごい問題になってくる。だから、公表することについては是非慎重に考えていただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
  73. 藤井比早之

    ○藤井副大臣 新システムにつきまして御質問いただきましたけれども、この新システムというのは、個人単位の接種状況等を自治体において逐次把握するワクチン接種記録システムという形で構築に取り組んでおるところでございます。  このシステムはクラウドを活用するため、災害に強いほか、引っ越して二回目の接種を別の自治体で受けられる方や接種券を紛失された方などの利便性が向上するとともに、自治体における住民の問合せ対応が迅速、効率化されるということが期待されると考えております。  このシステムは、現場において追加の作業負担ができるだけ発生しないよう、引き続き自治体等と意見交換を行いながら、高齢者等へのワクチン接種開始に間に合わせることを目指して、早急に検討を進めてまいりたいと思っています。  そこでの話なんですが、このシステムにつきましては、国としては、市区町村の管理する個人情報を基に作成された接種状況に関する統計データ活用することも想定しておりまして、自治体ごとの接種実績についても把握可能とすることを想定しております。  このシステムにより把握される情報の公開の在り方につきましては、国民皆様に情報公開をするという重要性を勘案しながらも、自治体の意見を聞きながら検討してまいりたいと思っております。
  74. 西村智奈美

    ○西村(智)分科員 是非、慎重にお願いしたいと思います。  また後で質問させていただきます。終わります。
  75. 橋本岳

    橋本主査 これにて西村智奈美君の質疑は終了いたしました。  次に、石川香織君。
  76. 石川香織

    石川(香)分科員 石川香織です。どうぞよろしくお願いいたします。  田村大臣厚労省の皆さん、本当に大変な中、毎日御苦労さまです。  先ほどの御質問などでも、ワクチンが世界的に足りない中で対応されているということは重々承知の上なんですけれども、やはり、医療現場自治体介護、福祉の現場で働く皆さんからの御意見や要望もいただいておりますので、それを踏まえて御質問させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。  まず、ワクチン接種について御質問をさせていただきたいと思います。  昨年から医療現場は非常に厳しい状況が続いているわけですけれども医療の切迫、医療の崩壊を未然に防ぐというためにも、ワクチンのニュースは非常に医療現場からも期待を寄せられていると思います。  ただ、この間、病院の経営状況は非常に厳しいということで、私も度々、地元の病院で働く皆さんや医師会の皆さんと意見交換をさせていただいているんですけれども、職員の方がおっしゃっていた、病院は内部留保ができない仕組みである、なので、コロナ対応で患者が激減してしまっても持ちこたえるような体力をそもそも持ち得ていないという話をされておりました。本当にそのとおりだと思います。  病院の経営が非常に厳しいということもあると思うんですけれども、既にコロナ患者を受け入れた病院などを始め、国からの支援メニューというのは出していただいておりますが、今回のワクチン接種では、ワクチン接種一件につき税別で二千七十円という金額が定められております。現場の皆さんは、もちろんこの金額が高いとか安いとかそういうことではなくて、医者として、医療従事者としての使命というお話はされますけれども、ただ一方で、病院の経営を主として見ると、どうしても採算が合わないんじゃないかという意見もいただいておりまして、非常に頭を悩ませておられるということでありました。  限界を既に超えている医療従事者方々を支えるためにも、まずはこの病院の経営に直接支援できるような更なる仕組みというものが必要だと思いますけれども、まず初めに、この点についてお伺いをさせていただきたいと思います。
  77. 正林督章

    ○正林政府参考人 お答えします。  ワクチン接種の費用については、そのために通常の医療機関で基本的に必要となる費用を御指摘接種一回当たり二千七十円の負担金として措置するとともに、市町村が設ける会場での接種など、通常の予防接種での対応を超える経費については補助金において措置することにより、地域の実情を反映して、合理的に必要と考えられる費用については国が全額負担することとしております。  この点については、先日、各自治体に対して、自治体におけるワクチン接種に対する補助金について、その上限額をほぼ倍増する旨をお示しするとともに、医師などの接種に従事する者の交通費や、医療機関との協働によりきめ細かい接種体制構築するために必要な経費についても対象とする旨を明確化したところであります。  各自治体において万全の体制確保できるよう、引き続き全力で支援してまいりたいと考えております。
  78. 石川香織

    石川(香)分科員 ありがとうございます。  誰も経験したことがない状況の中で、今度はワクチンというミッションが課せられているということで、本当に大変なことだと思うんですが、私の選挙区の幾つかの市町村ワクチン担当の職員の皆さんにもお話を伺ったんですが、やはり、どこの市町村も、ワクチンの供給のスケジュールのめどが立っていないということが一番大変であるという話は共通をしておりました。  そういったことは既にいろいろなところで御指摘があることはお耳にされていると思いますが、既に準備段階の時点で職員の負担は非常に多くなっているということで、その支援の必要性ということについてもお伺いをしたいと思います。  私の選挙区のある町でのケースでありますけれども、その町は町立病院が一つ、診療所が三つありますけれども、主にかかりつけ医による個別接種をして、保健管理センターで集団接種を行う予定だと。クリニックは平日が営業日ですので、個別接種は平日に主に接種するという形になって、土曜日は集団接種会場になるということで対応したいということでありました。  心配事としては、お医者さんの確保ということでありました。小さな自治体では、お医者さん、看護師さんというのは十分な数がいませんので、まずこの点が心配ですが、ほかの自治体も手いっぱいということで、ほかの町村に応援を頼むこともできないということで、自前で何とかしなければいけないなという話をされていました。  私は北海道ですが、非常に雪深い場所ですので、家族などが車で送り迎えしてくれる人はいいんですけれども、自力で出かけるのが難しい人に対しては、タクシー券の配付ですとか、送迎バスなども用意してもらうということも仕組みとして考えているということでありました。  こういう地域的な事情をクリアできるようにそれぞれ工夫をしながら準備を進めているということですが、今回のワクチン接種の時期が三月、四月と非常に転入転出が多い時期ということで、窓口も非常に混雑する時期だということで、こういうことも含めますと、今の準備段階での負担、それから今後予想される負担なども鑑みて、やはり、自治体職員に対する経費の支援という方向性も必要ではないかという御意見をいただいておりますが、この点についてお伺いをさせてください。
  79. 正林督章

    ○正林政府参考人 先ほども御答弁申し上げましたが、合理的に必要と考えられるワクチン接種の費用については国が全額負担することにしております。  その際、御指摘自治体職員の経費については、接種開始時期から接種終了時期までの間における接種事務に従事する人員の超過勤務手当について、ワクチン接種に対する補助金の対象としております。  また、医師の確保についても、これも何回か国会で答弁されていますが、総理御自身が日本医師会長に対して御協力を要請し、医師会長も積極的にきちんと協力する、そういう御回答もいただいております。  いろいろな場面で、医療関係者確保に向けて、特に自治体確保しやすいように、厚生労働省としてもいろいろ働きかけは更にしていきたいと考えております。
  80. 石川香織

    石川(香)分科員 御丁寧な答弁、ありがとうございます。  自治体職員や病院に向けた支援というお話を今していただきました。具体的にどういった段取りでやっていくかということなんですけれども、当然、自治体職員向けのより充実したQアンドAというのも必要でありますが、具体的にどこまで決まっているかというところはちょっと分からないですが、自治体の方から聞かれている点がありますので、お伺いをします。  例えば、接種後のガイドラインも必要だと思うんですが、ワクチン接種をして副反応で熱が出てしまったときの診療代はどうするのか、また、仕事を休まなくてはいけなかった場合、休暇の扱いはどうなるのか、例えば特別休暇などになるのかなどの疑問が噴出をしていますけれども、この点について何か決まっていることがあれば教えていただきたいと思います。
  81. 正林督章

    ○正林政府参考人 副反応が起きたときは、通常は医療機関受診されると思いますので、最初は普通は医療保険が適用されるかと思います。いよいよ本当に重度で、障害が残ったりとか様々な健康被害が起きた場合は、予防接種法に基づいて健康被害救済を出していただいて、救済の仕組みが元々予防接種法に規定されていますので、それでカバーすることは可能かと思います。  それから、会社を休んだりという点ですけれども、まず、何よりも安心してとにかく接種を受けていただくことが重要で、まず、ワクチン接種の意義について、科学的知見に基づいた正確で分かりやすい情報発信はしっかりやっていこうと考えています。その上で、副反応によって会社を欠席する場合の休暇等の扱いについて、例えば諸外国において企業が従業員に対してワクチン接種促進する取組ども行われているというふうに伺っております。  今後、接種を進めていくに際し、国民皆様が円滑に接種していただける環境整備する観点からどのような対応ができるか検討してまいりたいと考えております。
  82. 石川香織

    石川(香)分科員 様々なケースがあると思います。今まさに議論いただいていること、たくさんあると思うんですが、先ほどの西村委員の中にもありましたけれども自治体職員の負担軽減というのは非常に大事な点だと思いますので、是非、今も頑張っていただいているんですが、更にこの対応をしっかり、速やかな対応をできるということを、改めてお願いを申し上げたいと思います。  次の質問ですけれども大臣にお伺いをしたいと思います。  今後、医療従事者接種が終われば高齢者施設従事者のワクチン接種となるわけなんですけれども、その優先接種の中から訪問介護が除外をされています。  理由としては、施設ではクラスター発生のおそれがあるということと、一方で、訪問介護は職員が感染した場合ほかの職員に変更ができるということも挙げられているそうなんですけれども、このような認識であれば、訪問介護の現状を知らな過ぎるのではないかということをちょっと御指摘させていただきたいと思います。  訪問介護で働く方々介護職のうち四分の一を占めると言われているそうなんですが、ヘルパーさんは、これまでも利用者が感染後、自宅療養中であっても介護を継続されてこられました。お話を伺いましたヘルパーさんは、自分が感染するおそれというよりも、自分が無症状で利用者にうつさないだろうかという思いを持って、本当に感染予防対策というのを一生懸命されて仕事をしてこられたということでした。  ただ、やはり、去年から、感染の心配などから事業所が閉められたり、辞めたりする人というのも非常に多くなっておりまして、一つの事業所の負担が大きくなっているということがあります。  北海道では、道内の施設でクラスターが発生すると、ヘルパーさんにちょっと助けに行ってくれという応援要請もあって、そういうことも、ただでさえ人が足りない中、必死にやってきたんですけれども、同じ介護の仕事なのに在宅か施設かでどう違うのか、ここでワクチン優先順位の線引きがされてしまうというのはどうしても納得いただけないというお話を現場の方からいただいております。  大臣にお伺いしますが、訪問介護は一人の利用者に対して一人のヘルパーさんで対応するということで一日に何軒か回るような形になると思いますが、ヘルパーの一人の方が仮に感染をしてしまうと、その人が担当していた利用者さんは誰が行くのかというぐらい人が足りないということと、リスクもかなりあるのではないかということで、このままの状況が続けば、いずれ訪問介護は機能しなくなってしまって、地域が崩壊してしまうんじゃないかとまで心配をされておりました。  是非、この訪問介護従業者という人たちをワクチン接種の優先の中に入れるように検討していただけないかということについて、お伺いしたいと思います。
  83. 田村憲久

    田村国務大臣 御承知のとおり、まずは医療関係者、そして高齢者、基礎疾患を持っている方々と同時に、介護施設で働いておられる方々という話になってくるわけでありますが、なかなか、すごく、このワクチンの効果というのがまだはっきりと分かっていない。  というのは、人にうつす能力というのを完全になくしているのかどうか、そもそも感染防御の能力があるのかどうか、これも分からないわけでありまして、発症予防はどうやら確認できているということでありますから、もしかしたらワクチンを打っても症状が出ないままうつしちゃう可能性もあるのかも分かりません。そこのところはまだ分からないということで、我々も頭を悩ませながら優先順位をつけました。  そういう意味では、例えば、介護施設の場合は、クラスターになってもその中で頑張っていただかなきゃならない。もちろん、クラスターになれば感染防護服を着けていくわけですね。だけれども、そういう方々は、クラスターですから、いろいろなところにその施設の中におられますから、自分がやはり感染する確率が非常に高くなっちゃうわけです。一方で介護施設の場合は、一人の方が感染していますから、その一人のところに防護服を着ていってということでありますので、そういう意味からすると、施設よりかは在宅に行かれている方の方が感染する確率というのは低くなるのではないかということもあるんですが。  一方で、言われるとおり、いろいろな在宅介護方々のお話をお聞きしますと、そもそも要介護者の方々が感染したら行かなくなっちゃっているというんですよ、要はうつるのが怖くて。事業所の方も、ケアマネジャーと話をして、ちょっともう訪問介護をするのはやめた方がいいんじゃないのというような話で、もちろん、行く人も怖いから行けないというのもあると思います。となると、サービス利用者の方々をどうするんだという問題が一方で出てくるわけであります。でありますから、これは非常に悩ましいところであります。  どうすべきか、ちょっと我々、今、頭を悩ませておるような状況でございますが、取りあえず、今のところはまだ、先ほど来申し上げておりますとおり、施設従事者の方々が優先順位ということで、訪問介護方々に関しては、そこに、順位の中には入れていないということ、これは実態として今そういう状況である、我々も非常に頭を悩ませているというところであるというふうに御理解いただければありがたいというふうに思います。
  84. 石川香織

    石川(香)分科員 非常に悩まれている様子は伝わってきました。  今後、審議会の検討次第では、まだ変更の余地もゼロではないとは思うんですが、今言っていただいたような説明のほかに、同じ介護職の中でもワクチン接種で優先かどうかということが、ある意味、差別みたいなのを生まないかと。介護職を目指す若い人が訪問介護というのはちょっと避けるようにならないかとか、そういうことまで心配されているというのが現場の方の声なんですよね。同じ介護職で分断を生むといいますか溝を深めるみたいなことになってはならないということで、そういったことも心配をされているということです。  毎日毎日状況は変わると思いますので、ワクチンの供給のスケジュールなども含めて、今後その検討の余地に入れていただきたいということを重ねて申し上げさせていただきたいと思います。ありがとうございます。  次の質問に参ります。  昨年から、私の選挙区内の介護福祉施設それから障害福祉施設などに、コロナで困っていることはありませんかということで、アンケートをお送りして意見を聞いてまいりました。ちょっと一部持ってきたんですけれども、非常に想像以上に返信をいただいていまして、やはり本当にいろいろ困っていることがたくさんあったんだなということを実感しているんですが、ちょっとこの後は、その御意見の中から紹介して質問をさせていただきたいと思うんです。  まず、一番多く書かれておりましたのは、やはり介護職、非常にやりがいを持って仕事をされている方が多いんですが、今回、令和三年度の介護報酬、プラス改定にはなったものの、処遇改善もなされているといっても、現状はなかなか現場に行き届いていないという御意見が非常に多く寄せられているのが印象的でありました。  介護職員というのを定着させるためにも、まずここの問題、全体的な底上げというのが一番大事ではないかということを感じるんですけれども、この点についてお伺いをします。
  85. 土生栄二

    ○土生政府参考人 御説明させていただきます。  御指摘ありました令和三年度介護報酬改定でございますけれども、昨年末の大臣折衝によりまして、介護職員の人材確保、処遇改善にも配慮しつつ、物価動向による物件費への影響など介護事業者の経営をめぐる状況等を踏まえ、前回を上回る〇・七〇%とされたところでございます。これによりまして、介護職員の確保、定着にもつながるものと考えております。  また、処遇改善につきましては、これまで累次の改善を行ってきておりますけれども令和元年十月からは、満年度で公費一千億円を投じまして、経験、技能のある職員に重点化を図りつつ、更なる処遇改善を実施しているところでございます。  令和三年度の介護報酬改定におきましても、この処遇改善につきまして、介護職員間の配分ルールを柔軟化いたしまして、一層取得を促進してまいりたいと考えております。  また、あわせまして、個別の事業所でいろいろとお悩みがあると聞いておりますので、取得支援をよりきめ細やかに進めていく観点から、未取得の事業者に対しまして、賃金体系の整備、あるいは届出手続等に係る個別の支援を強化するということを来年度の予算案に盛り込んでいるところでございます。  引き続き、長く働き続けられる環境整備を進めまして、介護が必要な方に必要なサービスを提供できるよう支援してまいりたいと考えております。
  86. 石川香織

    石川(香)分科員 ありがとうございます。  続いて、障害の現場からの御意見なんですが、ある医療ケアが必要とされる方が利用する通所の事業所からなんですけれども医療ケアが必要な方たちは、体調が安定をせずに予定どおりに通所することができず、欠席することが多々あります、もちろん、欠席時対応加算というものがあり、上限は定められているものの請求が可能になっておりますが、今の水準では非常に厳しいです、欠席時の更なる加算を検討していただけないでしょうかといった御意見が来ていますけれども、こういった御意見についてはいかがでしょうか。
  87. 赤澤公省

    赤澤政府参考人 お答えいたします。  障害福祉サービス事業者の安定的な運営を図ることは、障害のある方が安心して地域生活を送るために大変重要なことだと思っております。  御指摘いただきました欠席時対応加算でございますが、通所サービスの利用者が急病等により利用を中止した際に、利用者の状況を確認するための連絡調整それから相談援助を行う対応を評価するというものでございます。  この欠席時対応加算の引上げにつきましては、欠席した利用者の方にとって通常どおりサービスを受けていないにもかかわらず費用負担が増加し得るということになりますので、よく実態を把握する必要があるということ、それから、障害福祉サービス事業者の安定的な運営への配慮といたしまして、利用者への支援に十分配慮した上で、一定程度定員を超えた利用者の受入れも可能な取扱いとなっていることも踏まえまして、慎重に検討する必要があるものと考えております。  いずれにいたしましても、今後とも障害のある方が安心して障害福祉サービスを利用できるよう、事業者の経営状況も踏まえながら、障害福祉サービスの充実に努めてまいりたいと思っております。
  88. 石川香織

    石川(香)分科員 この欠席者の対応というのは、比較的利用者が多い事業所は、欠席した人に対して、ほかの人に利用を呼びかけるとか、そういったことで工夫するということをしている事業所もあるそうですので、確かにおっしゃっていることはよく分かります。  ただ、小さな事業所ではなかなかそれも難しいという現状もあると思います。加えて、利用者の負担などの兼ね合いというのもあるかと思いますが、いずれにしても、やはり厳しい状況の中で運営をされているという大前提がある。ここをまず改善していく努力が必要だということは申し上げておきたいんですが、同じように送迎加算についてもお伺いをしたいと思います。  ある通所サービス事業所では、利用者の自宅に迎えに出発をしてから、雪などの影響で、昨日、今日も北海道は非常に雪が、大荒れなんですけれども、やむなく引き返すということも間々あります。ただ、そういった場合は事業所の持ち出しになってしまう、当然加算にならないということで、地域の事情を配慮する必要があるのではないかという意見をいただいていますが、いかがでしょうか。
  89. 赤澤公省

    赤澤政府参考人 お答え申し上げます。  御指摘いただきました送迎加算でございますが、利用者にサービスを提供していない場合は算定できないというふうな取扱いに基本的になっております。  しかしながら、これまでも、地方自治体等の御意向を踏まえながら、大雪を含む災害時、それから新型コロナウイルス感染症への対応におきまして、通所サービス事業所がやむを得ず居宅等においてできる限りの支援を実施した場合には、サービスを提供しているものとして報酬の算定を可能とする取扱いをしております。  個別のケースについて具体的に申し上げることは難しい状況ですが、今後とも、地方自治体や関係団体の意見も踏まえながら、必要に応じて適切に対応してまいりたいと思っております。
  90. 石川香織

    石川(香)分科員 迎えに行って利用者を事業所に運ぶことができないとサービスが行えているということにならないので、算定するのが困難ということなんだと思うんですが、これは雪が降る地域に住む者の実感としてお話しさせていただきたいんですが、やはり雪道とか凍っている道を車で安全に目的地まで運転するというのは、非常に神経を使う、大変な作業であります。まず、利用者を事業所に連れていき、終わったら自宅に送り届けるという大切な役目をこなさなければ、そもそもサービスを受けることができないんですよね。  こういったことの配慮は、離島などでも特別地域加算というものがありますけれども、これを通所でも是非配慮をしていただきたいということを要望として申し上げておきたいと思います。  もちろん、雪だけではなくて豪雨とかいろいろなことがあるわけなんですけれども、どこまでやむを得ない事情に配慮するのか、こういったことも今後議論が必要ではないかと思います。  次なんですが、就労支援事業所からもたくさんお話を聞いてまいりましたけれどもコロナ影響を非常に大きく受けております。生産活動がどういった内容かということでも、このコロナ影響の受け方が違ってきています。  例えば、ごみ袋を作っている作業所はコロナ前と特に変化はないということでしたけれども、ホテルからクリーニングを請け負っていたりとか清掃を請け負っているところはやはり厳しいということ、受注自体が大幅に減ってしまっていると。カフェなどもお客さんが全然来なくなってしまった。木のおもちゃなどを作っているところは、やはりバザーとか地域の祭りもありませんので、売る機会がなくなってしまったということでありました。  ちょっと問題を一つ飛ばさせていただきまして、大臣にお伺いしたいんですが、就労のB型については一般事業所で雇用されるのが困難な方が対象ということになっていますが、ある作業所の代表の方のメッセージなんですが、年々障害の重い方や対応に工夫が必要な方が増えており、支援員の手厚い支援が必要となっている、一方では工賃向上を目指しなさいという国の方針もあり、平均工賃に応じた基本報酬が設定をされていた、賃金向上は支援員、利用者共通の思いではありますけれども、やはり、手厚い支援を必要とする利用者の支援と工賃向上の両立というのは難しいものがあるのではないかと。障害が多様化していく中で工賃を向上させなさいということについては両立が難しいのではないかという御意見をいただいておりますが、このことについて、大臣、お願いいたします。
  91. 田村憲久

    田村国務大臣 委員も御承知のとおり、やはり工賃を何とか引き上げなきゃならないということで、これは平成三十年度の改定におきまして、平均工賃月額、これで基礎報酬を算定できるようにという形に変えました。  ただ一方で、利用者の方々も様々ですし、就労を支援する形態もいろいろな形になってきております。そういう意味で、言われるとおり、十分に工賃を確保できないけれどもB型の方で頑張っておられる方々もおられるわけで、そういう意味では、就労でありますとか、それからまた、活動に参加しているというような、生産活動自体に、そういうようなこと自体を評価するというような、そういう報酬を令和三年報酬改定において、これは一律に評価する報酬体系というものを新たにつくりましたので、今まさに言われているような問題に対してしっかり対応をさせていただきたい。  だから、どちらも選べるようになっておりますので、その中で各事業所で対応いただければありがたいなというふうに思っております。
  92. 石川香織

    石川(香)分科員 今、御説明いただいたとおり、選べるような形になっているということなんですが、工賃支給額の評価というのも選択肢の一つにあるとして、成果主義の導入じゃないかという声、それから工賃に貢献できない人は来なくていいということになっちゃうんじゃないかという声もいただいていますので、そういう声を少しでも聞いていただいて、今回こういう形にしていただいたんですけれども、引き続き、障害も多様化していて、支援員の方の負担も多くなっているということも是非念頭に置いて、今後も対応していただければと思います。  ちょっと時間がなくなってきましたので、次も大臣にお伺いをしたいと思います。  昨年なんですけれども障害者の方が入居する事業所で、廊下に貼り出されていた職員のシフト表ですね、これを携帯で写真を撮ったりして保存をして、若い女性が夜勤で一人でいるところを見計らって、夜長時間にわたって、わいせつな内容の電話をしてきたという事案が起きました。  昨年末この相談を受けたんですけれども、なぜこういうことになったかというと、この勤務表を廊下、人の見えるところに貼ってくださいねという厚労省の省令があったんですが、これを悪用したということでした。  この内容について読みますと、ちょっとはしょりますけれども事業所の見やすい場所に運営規程の概要、従業者の勤務の体制などを掲示しなければならないということで、これは果たしてどこまで出さなきゃいけないのかということを一月に厚労省に問い合わせましたところ、必ずしも名前まで出さなくていいという御回答をいただきまして、それは国も北海道も一致をしているという回答をいただきました。  それはよかったなと思ったんですが、またそれとは別に、三年度の改正の中で、パブコメなども経て、審議会でこのことについて触れられておりまして、貼り出すのではなくて、書面とかを備え付けてもらえれば、それを掲示としてみなすと。かつ、それをいつでも関係者に自由に閲覧できるようにしてくださいねということに変わっていました。  これは、職員の安全を守るという観点で変わったのかなと思いましたら、そうではなくて、紙を貼り出すとかいうことの見直しとしてこういうふうに変えると。改正の理由としては、利用者の利便性向上や介護サービスの業務負担の軽減の観点からということで書いてありまして、紙などで掲示することを見直そうということが目的で変わったと。  結果的には大分緩和されたのかもしれませんけれども、それで次の改定というのは三年後になってしまいますけれども、私は、まず職員の安全を守る、それからプライバシーを守るということがやはり今後も反映させられていくべきなのではないかなと、昨年の事案を受けて思いました。  これはあくまで審議会の話ですので、三年後どうなるかということは分からないんですけれども、やはり介護現場は女性が非常に多いところですので、いつでも誰でも、関係者に限りますけれども、いつでも閲覧できるというのはちょっと不安じゃないかという懸念は今でも現場の方も持っておられるんですけれども。  いずれにしても、取りあえずは掲示はしなくていいということにはなりましたが、こういうことについても、実際に監査をするのは自治体などですので、ちょっと周知がまだまだなのではないかという思いもありまして、改めて周知も含めてしっかり確認をさせていただきたいということで、大臣最後に御答弁いただきたいと思います。
  93. 田村憲久

    田村国務大臣 本来は、どういうような勤務形態になっていて、管理者はどうなのかだとか働く形態はどうなのかということを掲示をいただくことで、個人的な名前とかを掲載しなければならないというものではなかったわけでありますけれども、それぞれの事業所の運用の仕方でそういうことが起こってしまったのかなと思います。  今、書面で備えればいいというふうにも新たにするわけでありますが、いずれにいたしましても、ホームページ等々ではお知らせさせていただいておりますけれども、各担当課長会議でありますとかそういうところを利用して、更にしっかりと、それぞれ個人のプライバシーもありますし、そういうようなトラブルが生まれているということ、これは介護従事者の方々にとってみれば非常につらい思いをされることでありますので、これからも徹底をしてまいりたいというふうに考えております。
  94. 石川香織

    石川(香)分科員 是非よろしくお願いします。  ありがとうございました。質問を終わります。
  95. 橋本岳

    橋本主査 これにて石川香織君の質疑は終了いたしました。  次に、田村貴昭君。
  96. 田村貴昭

    田村(貴)分科員 日本共産党の田村貴昭です。  最初に、コロナ病床の確保に係る問題について大臣質問します。  新型コロナの感染拡大で医療が逼迫し、医療体制の崩壊の危機に迫られてまいりました。感染者の命を救い、そして健康を取り戻すために、コロナ対応の病床確保が何よりも大事であります。  そこで、協力医療機関におけるコロナ患者の受入れについて伺います。  準備病床と即応病床のそれぞれの段階において、病床確保料はどうなっていくんでしょうか。     〔主査退席、菅原主査代理着席〕
  97. 正林督章

    ○正林政府参考人 お答えします。  協力医療機関新型コロナウイルス感染症疑い患者受入れのため専用の個室病床を設定する医療機関のことですが、そこに指定された医療機関において、次のフェーズへの移行に向けて、都道府県の要請により、準備病床から即応病床への転換を始めた場合、及び即応病床になった場合の空床確保のための費用が補助の対象となっております。  協力医療機関における病床確保料の補助基準額は、ICU、HCU、療養病床を除き、一床当たり一日五万二千円となっております。
  98. 田村貴昭

    田村(貴)分科員 五万二千円というところまで答弁してもらったんですけれども、準備病床と即応病床は、即応病床になってから発生するという考え方でよろしいんですね。
  99. 正林督章

    ○正林政府参考人 繰り返しですけれども、準備病床から即応病床へ転換を始めた場合と、それから即応病床になった場合と……(田村(貴)分科員「転換は」と呼ぶ)はい。
  100. 田村貴昭

    田村(貴)分科員 はい、了解です。  それで、国が定めたこの方針と、基準額と違う現実が起こっています。  例えば、私、福岡県なんですけれども、福岡県のある医療機関の場合を紹介したいと思います。  この医療機関の病棟において、コロナの陽性者、疑いのある人の受入れを行ってまいりました。昨年十月に協力医療機関として三床が指定されました。それに伴って、稼働できない休床は十一床となりました。フェーズが上がってから、福岡県からの要請で更にコロナ対応の病床を増やしました。即応対応の病床が六床、これに伴う休床病床が九つ、合わせて休床は二十床になりました。  病院にとってみたら大変な苦労があったと思います。一般患者のためのベッドを休床にして、それは経営にもストレートに響いてまいります。  大臣、資料もお配りしているんですけれども厚労省の資料です。新型コロナに係る病床確保料の補助上限額であります。  この医療機関が、協力病院の病床確保料五万二千円で福岡県に申請したところ、先ほど答弁があった協力病院五万二千円、真ん中のところです、これで申請したところ、何と県からは四万一千円だと言われたんですね、上の方にある四万一千円。この四万一千円というのは、一般の医療機関の基準なんです。  この四万一千円は、一番最初の一次補正に出されて示されたものであります。この補助額ではやっていけない、普通の病院の病棟においてコロナの患者さんを受け入れたらこの額では足りないという声があちこちから上がって、それで、政府の方も、二次補正、そして予備費の対応で額を引き上げてきたという経緯があります。  大臣、聞いてほしいんですけれども、ベッドが足りない、そして、コロナ専用病床を確保してほしい、即応病床にしてほしいという行政からの要請に応えて医療機関は頑張っているんです。医療機関は頑張っているんだけれども都道府県において別の考え方とか基準があったら、相応の病床確保料が払われないということになっちゃうわけですね。医療機関協力は、もうベッドが足りない、逼迫しているといったときに、手が挙げられない、挙げづらくなってしまうんじゃないかと思います。  国が示した基準で、五万二千円の病床確保料、休床確保料は支給されて当然だと思いますけれども、いかがでしょうか。
  101. 田村憲久

    田村国務大臣 委員からちょっと話をお聞きしていて、ちょっと頭の整理をさせていただきたいんですが、まず、元々協力医療機関であったということであって、疑いのある方々を受け入れていたと。そこにコロナ病床を追加して用意をした。そこに、要するにコロナの患者が入ってくるわけでありますが、そこの病床確保料が四万一千円、つまり、協力医療機関のその他病床よりも低い金額になったという理解でよろしいのでしょうか。  にわかにちょっと私も、どういう状況なのかというのを確認しなきゃ分からないんですが、それは福岡県の事例ですね、福岡県ともしっかりと話をさせていただきたいと思います。  私の頭の整理だと、少なくとも疑いではなくてコロナ患者を受け入れるベッドであるわけなので、それは普通でいけば協力医療機関の金額の対応ではないのかなという気はしますが、ちょっと私も今ここでにわかに確定的なことは申し上げられないので、福岡県がどういう状況なのか、話をしっかり聞いた上で、制度にのっとった対応というものを、もしその福岡県の対応が間違っているのであれば、それはお願いしていきたいというふうに思います。
  102. 田村貴昭

    田村(貴)分科員 もう大臣から回答をいただきました。  コロナ対応の病床確保というのは、まさにこのコロナの戦いの中での生命線と言われるものですよね。そこで、確保と休床に伴う支援補助に都道府県によって差があっては、これはならないというふうに思います。  そして、支援制度に医療現場が、この病院、医療機関を含めて当惑しているんですね。私もにわかに信じ難い話だと思ったんですね。だけれども、もう額面的に四万一千円と言われているわけです。それで、五万二千円で請求している。  私自身は、病棟でコロナの陽性患者さんを受け入れて頑張っているんだったら、重点医療機関に相当だなというふうには思っているんだけれども、病院の方は協力医療機関として五万二千円請求したいというけれども違うという話になっているので、そごを来しているということであります。  この混乱と間違いを是正していただくために、大臣、どうか担当に指示を出していただきたいというふうに思います。いかがですか。一言でお願いします。
  103. 田村憲久

    田村国務大臣 私の認識が間違っているといけないので、しっかりと担当の方から、今いただいた現実というもの、福岡県と話をさせていただきたいというふうに思います。
  104. 田村貴昭

    田村(貴)分科員 昨年の九月十五日に、厚生労働省の事務連絡、「新型コロナウイルス感染症重点医療機関及び新型コロナウイルス感染症疑い患者受入協力医療機関について」という事務連絡がありました。  この中の別紙一に、新型コロナウイルス感染症重点医療機関についてという規定がございます。都道府県から常時指定する医療機関ないし感染の流行状況に応じて柔軟に指定、解除を受ける医療機関というふうに書かれています。  そこで、重点医療機関のことについて伺いたいんですけれども、重点医療機関の指定において、専用病床数は何床以上とかいう基準はあるんでしょうか。
  105. 正林督章

    ○正林政府参考人 重点医療機関の指定に当たっては、病棟単位で新型コロナウイルス感染症患者用の病床確保を行っていることを要件としており、当該要件について国として専用病床を何床以上確保しなければならないといった基準は定めてはおりません。
  106. 田村貴昭

    田村(貴)分科員 この問いは、この間の総務委員会で我が党の本村伸子議員も厚労副大臣質問したところでありますけれども、専用病床を確保しゾーニング等を行うことで既存の一病棟を二病棟に分けて対応することも可能とするなど柔軟な運用を可能としていますと、副大臣、こう答えられたんですけれども、これは間違いありませんか。
  107. 正林督章

    ○正林政府参考人 協力医療機関については、コロナ病床と一般病床の適切なゾーニングによって病棟単位で新型コロナウイルス感染症患者用の病床を確保するとともに、その他施設要件を満たしている場合には重点医療機関として都道府県が指定することができます。
  108. 田村貴昭

    田村(貴)分科員 こういう柔軟な対応も重点医療機関として認められるということであります。  しかし、また大臣、福岡県の話なんですけれども、重点医療機関は十床以上という独自の基準を設けているわけです。それゆえに、重点医療機関として相応のコロナ患者さんの受入れを果たしている病院が重点医療機関とならないという現実があります。  別の医療機関の例を御紹介したいんですけれども、この病院には三十床の病棟があってコロナ対応をしてきている協力病院であります。福岡県は、協力病院は三床までと言っているんですよね。必然的に、残り二十七床が休床病床となってまいります。休床病床となりますと言ったら、県の方から、それは多いからというふうに言われたんですね。それはもう仕方がない話なんですね、病棟でコロナの専用病床としてやったら、もうあとは一般病床と一緒にできない。工夫できる病院はあるかも分からないけれども、ここはできないとなったら、それはやはり空床病床として認めるべきだという問題も起きているわけであります。  私は、都道府県によって独自の考え方とか独自の基準があってしまったら、これは本当に医療が崩壊寸前というときに、頑張って受け入れるぞという病院がやはり手が挙がらなくなってしまうという現実にあります。  現に、福岡県なんですけれども、二月の十日ぐらいの段階で、病床確保目標数は七百六十なんです、七百六十なんだけれども、七百三十二。達成できていないんですよ。達成できていないじゃないかとずっと言い続けて、病院の方は受け入れて頑張りますと言っているんだけれども、独自の考え方で十床とか三床とかがあって、こういうことになっている。  こうしたことも含めて、是非連絡協議をさせていただいて、病院側が、厚労省の示した補助上限額、病床確保料、空床確保料、これが得られるようにしていただきたいというふうに思います。  医療機関にとってみたら、一つの病棟をコロナ対応に充てて、クラスター防止のために休床病床を余儀なくされているということですから、病院経営を維持するためにもしかるべき補償があって当然だと思います。こういう方向で是非厚労省は臨んでいただきたい。大臣にも担当部局への指示をお願いしたいと思います。  次に、建設アスベストの被害補償について質問をします。  アスベストを吸い込んで健康被害を起こした元建設作業者と遺族らが国と建材メーカーに対して損害賠償を求めた訴訟がたくさんありました。今も係属しております。最高裁の決定が相次いで今出されています。  昨年十二月十四日には東京第一陣訴訟、今年一月二十八日には京都第一陣訴訟、共に最高裁は国の上告を退ける決定をいたしました。アスベスト被害について、規制権限を行使してこなかった国に責任がある、この判決が確定したわけであります。弁護団の小野寺利孝団長は、今回の最高裁決定は、全ての訴訟における国の責任を確定させる意義を持つ、このように述べておられます。  そこで、田村厚生大臣にお伺いします。  大臣は、判決確定後に会見で謝罪されました。そして、首都圏アスベスト訴訟の原告団、弁護団と面談されました。原告団長の宮島和男さん、お会いになったと思いますけれども、実に九十一歳であります。お会いになっていかがだったでしょうか。  ここに至るまでは本当に長い道のりでありました。全国各地で裁判を闘っている原告は千百五十六人、うち死亡者が九百三十二名、救済されないままに七割がお亡くなりになっている。長期にわたり、つらい体を押して、自分の死と向き合って闘うことを余儀なくされた原告、被害者の方々に、大臣政府を代表して言葉をかけていただきたいと思います。いかがでしょうか。
  109. 田村憲久

    田村国務大臣 国に責任があるという判決が確定をされた方々、本当に、原告また被害者の方々には心から国を代表しておわびを申し上げます。  大変な、いろいろな御苦労を抱えながら、裁判、それにずっと対応してこられたわけでありまして、本当に苦しみいかばかりであっただろうというふうに思います。  私も、与党でもそういう議員のチームがございまして、その議員団の先生方といろいろな今対応をさせていただいているわけでありまして、本当に御迷惑をおかけした皆様方が納得いただけるような、そういう対応というものをしっかりと検討させていただきたいというふうに思っております。  いずれにいたしましても、改めて、大変な御迷惑をおかけした皆様方には心からのおわびを申し上げます。
  110. 田村貴昭

    田村(貴)分科員 大臣、東京第一陣訴訟の原告弁護団とお会いになりました。京都も出ているんですよね。大臣、大変コロナ対応でもお忙しいと思いますけれども、京都第一陣原告の方とは面談されないんでしょうか。  やはり、司直の決定が出ました。そして、国の責任が断罪されました。国の責任を認めて、そして、被害者、原告に対してここでもやはり政府を代表して謝罪しなければいけないと思いますが、対応についてお聞かせください。
  111. 菅原一秀

    菅原主査代理 先に吉永局長、お願いします。
  112. 吉永和生

    ○吉永政府参考人 お答え申し上げます。  今ほど大臣から答弁させていただきましたとおり、十二月二十三日に、大臣と東京一陣の原告団の方々とお会いいただきまして、おわびの言葉を交わしていただいたという状況でございます。この考え方は他の訴訟についても同様のものというふうに考えているところでございます。  京都第一陣訴訟につきましても、一月二十八日に国の責任が認められた際に、直後の記者会見におきまして、大臣から、国に責任があると認められたことにつきまして重く受け止めており、原告の方々に対して責任を感じ深くおわびを申し上げますとのおわびの気持ちの御発言をいただいているところでございます。  先ほど、また大臣の答弁にもございましたとおり、現在、与党におきまして建設アスベスト対策プロジェクトチームを立ち上げていただいたところでございます。(田村(貴)分科員「そこは聞いていません」と呼ぶ)はい。  与党としての様々な検討を進めていただく中で……(田村(貴)分科員「そこは聞いていませんって。京都はどうしますかと聞いているんです。もういいです」と呼ぶ)検討状況を踏まえながら、しかるべきタイミングで直接お話しするような状況も含めまして、どういった対応が可能か検討してまいりたいというふうに考えてございます。
  113. 田村憲久

    田村国務大臣 今、話がありましたけれども、与党のチームがございます、プロジェクトチームが。そのチームの皆様方もいろいろと話をしていただいておるわけでありまして、しかるべきタイミングを見てお会いをさせていただきたいというふうに思っております。
  114. 田村貴昭

    田村(貴)分科員 裁判はまだいっぱいあるわけですよね。それを全部続けていくんですか。そのたびに同じような判決が出て、同じような対応をせざるを得ないんですよ。この流れはもう確定していますからね。  お尋ねしたいんですけれども、国は、地裁、高裁、最高裁で十六件連続で敗訴しています。今後の判決、決定もこの流れにあります。首都圏アスベスト訴訟団、原告団は、係争中の訴訟も含めて早期に全国統一の和解を行うべきだと主張しています。被害者が存命のうちに解決を図る、こういう決断をすべきではないかと思いますが、全国統一の和解を行うことについての提案はどう受け止めておられますか。
  115. 吉永和生

    ○吉永政府参考人 委員指摘のとおり、原告の方々には重い症状の方や御高齢の方も多数いらっしゃいますし、先ほど委員から御指摘ございましたように、既に亡くなられた方も多数いらっしゃるという状況でございます。  こうした状況の中で、厚生労働省といたしましても早期の解決が重要であるというふうに考えているところでございます。  現在、なお判断の異なる高裁判決が最高裁に係属しているというような状況もございまして、最高裁の判断も踏まえる必要がある部分もございますけれども、繰り返しになりますけれども、与党の中で建設アスベスト対策プロジェクトチームが発足していただいているところでございまして、その中で、厚生労働省を始め関係省庁と、あと原告の方々との協議なども考えられるところでございまして、こうした中で解決に向けた検討が進む予定ではないかというふうに考えているところでございます。  そういう状況を踏まえまして、早期解決に向けて厚生労働省としても努力してまいりたいと考えてございます。
  116. 田村貴昭

    田村(貴)分科員 早期の解決が重要だとおっしゃるのであれば、これはやはり和解ですよね。原告にこれ以上の苦渋の日々を押しつけていいんですか。七割がお亡くなりになっておられるんですよ。もうこれ以上原告に裁判という過酷な負担を強いることは許されないのではないでしょうか。  大臣、政治判断が求められていますけれども、どうですか。
  117. 田村憲久

    田村国務大臣 先ほど来話が出ております。私も、与党のPTのチームの皆様方といろいろと御議論をさせていただいております。  そこでいろいろな話を原告団の方々ともいただいているわけでありますが、早期和解とともに、基金を創設するべきであるというような、そういう御意見もあるというふうにお聞きをいたしております。  これからも、与党PTの皆様方としっかりと話合いをさせていただきながら、原告団の皆様方のお気持ちに何とか寄り添えるように頑張ってまいりたいというふうに思います。
  118. 田村貴昭

    田村(貴)分科員 大臣の方から基金のお話がありました。  それでは、未提訴の方々、裁判を闘うことができない、そのほかたくさんおられる被害者の救済対策について質問したいと思います。  田村大臣は、会見で、適切に対応してまいりたいというふうにおっしゃいました。この適切に対応というのは、勝訴原告に対する対応だけなのか、それとも、勝訴原告の被害者だけではなくて、アスベストで被害を受けられたあまねく全ての被害者に対して政府として今から対策、補償を行っていくということなのか、このことについてお尋ねしたいというふうに思います。  基本的な姿勢がもし示されればというふうに思っているんですけれども、石綿による労災が認定された方だけでも毎年千人ですよね。そして、亡くなられた方が一万四千四百人と言われています。病気になっても救済されない埋もれた被害者がたくさんおられます。訴訟を起こさなければ救済されないとなれば、余りにも不合理であります。  被害を受けた方をきちんと救済していく、そのために新たな救済制度をつくる、こういうことを是非、与党PTの中というふうにも言われましたけれども、新たな協議の場をつくって、被害者救済の在り方を検討して進めていただきたい、急いで進めていただきたいと思いますけれども、救済の方法、対策についての基本的な考え方をお聞かせいただけないでしょうか。
  119. 吉永和生

    ○吉永政府参考人 早期の解決に向けて努力していきたいというのが基本的な考え方でございます。その上で、未提訴の方も含めた形でどういう救済スキームがあるのかという議論になろうかと思います。  先ほども指摘ございましたけれども、被害者、原告団の皆様方は、基金の制度によりまして救済の制度をつくってほしいという御要望をいただいていることは十分承知してございます。こうした御要望も与党のPTの中で受け止めて議論を進めていただけるのではないかというふうに思ってございますけれども、そうした中でどういう形のフレームができるのかということにつきまして、厚生労働省といたしましても最大限に努力してまいりたいと考えてございます。
  120. 田村貴昭

    田村(貴)分科員 新たな救済制度に当たって、建設アスベスト訴訟全国連絡会は、建設工事従事者に対する石綿被害補償基金制度の提案を行っています。大臣も要望を受けているというふうに思いますけれども、基金というのは、今後裁判に頼らない解決、救済を図るために私は非常に有効な施策になるというふうに思いますけれども大臣、今の考えはいかがですか。
  121. 田村憲久

    田村国務大臣 様々な今裁判があるわけでありますが、いずれにいたしましても、先ほど来、与党PTの皆様方が、大変な御苦労をいただきながら、今我々厚生労働省ともいろいろな議論をしていただいております。もちろん、もう既に判決が確定したそういう原告の方々もおられます。それ以外のところの方々もおられます。その様々な御議論といいますか御意見をいろいろと今受けていただきながら、与党PTの皆様方が汗をかいていただいているわけでありまして、厚生労働省も、真摯にお話合いをさせていただく中において、どのような形であれば皆様方に御理解をいただけるのか、そういう中において、一つ、基金というものが御要望の中で上がってきておるということは承知をいたしておりますので、これからもしっかりとお話合いをさせていただきたいというふうに思っております。
  122. 田村貴昭

    田村(貴)分科員 余り悠長なことを言っている時間はないと思うんですよね。もう司直の判決が確定しました。そして、最高裁の決定でありますから、これに基づくならば、統一的な和解、そして、原告団、被害者の方が、基金制度を設けてくれ、そうしたら解決できるじゃないかと言っているんですから、是非この要望を受け止めて、一日も早く実現していただきたいというふうに思います。  メーカーの責任についても一言触れたいと思いますけれども、東京一陣訴訟判決は、メーカー責任について一審、二審共に認めませんでした。しかし、一審原告側の上告受理申立てが受理されたことから、高裁判決が見直される可能性があります。ちょうど今日ですね、今日、建材メーカーについての弁論が行われているというふうに伺っています。  メーカー側は、いつ、どこの製品をどれだけ使ったか立証できないとして抵抗してきたんですけれども、上告してきたんですけれども、京都一陣の決定では退けられました。メーカーの責任、損害賠償責務、決して不問にはできないというふうに考えていますけれども政府としては、メーカーの責任についてどうされていきますか。     〔菅原主査代理退席、主査着席〕
  123. 吉永和生

    ○吉永政府参考人 建材メーカーの責任につきましては、これまで最高裁の決定により確定した高裁判決につきましても判断が分かれているという状況にあるというふうに考えているところでございます。  こうした状況を踏まえまして、委員指摘のとおり、過去の高裁判決が見直される状況もあるというような状況の中で、今後、与党の建材アスベスト対策プロジェクトチームにおきまして、まずは、国の賠償責任に関する救済の在り方について検討が進められるのではないかというふうに考えてございますけれども、こういった議論についても進めていただけるものというふうに考えているところでございます。  こうした状況を踏まえながら、私どもとしても、この与党PTにつきましては、関係省庁も参加するというフレームワークで行われておりますけれども、関係省庁も出席する中で進められているところではございますけれども、そういう中で、厚生労働省としてもできる限りのことは進めてまいりたいというふうに考えてございます。
  124. 田村貴昭

    田村(貴)分科員 厚生労働省の管轄外という話もありましたけれども、これはやはり政府として責任が問われているわけであります。  大臣、一言。メーカーの責任は不問にはできませんよね。いかがですか。
  125. 田村憲久

    田村国務大臣 今も話がありましたけれども、建材メーカーの責任についても、これは関係省庁、ここが出席する中で、メーカーからのヒアリング、こういうことが行われるものと承知をいたしております。その中でいろいろな御議論があると思いますので、注視してまいりたいというふうに考えております。
  126. 田村貴昭

    田村(貴)分科員 メーカー、建材メーカー側に責任があるとされたのは、これまでもう九回であります。石綿建材の流通量の大小はあったとしても、メーカーに責任はあるとされているわけでありますから、何も手を触れないということでは済まされないということを申し上げておきたいと思います。  アスベストの被害者の救済は、規制を怠った国と、危険を知りながら石綿建材を造り続けてきた企業の責任であります。そして、被害者救済は、立法府である国会の問題、党派を超えて取り組むべき問題であります。  最後に、屋外作業者についても、私、一言述べておきたいと思います。  今回の最高裁決定では、屋外作業者に対しては上告棄却の決定はされずに、弁論がこれから行われるというふうに伺っています。建築現場における石綿粉じんの暴露の危険性は、屋外だからといって本質的に異なるものではありません。救済制度をつくる上では、屋内、屋外を問わず、全ての被害者が救われるべきであるというふうに考えます。この辺も考慮に入れていただいて対策に当たっていただきたいと思います。  今後、新たな石綿による被害者を生まないためにも、政府は、全ての被害者に謝罪を行い、早期の全国統一の和解を進める、そして、全ての被害者を救済する制度を一日も早く創設するために、政府が先頭に立つことを求めます。  時間が来たようですので、以上、要望申し上げて、質問を終わります。
  127. 橋本岳

    橋本主査 これにて田村貴昭君の質疑は終了いたしました。  次に、堀越啓仁君
  128. 堀越啓仁

    堀越分科員 立憲民主党の堀越啓仁でございます。  本日は、質問機会をいただきましてありがとうございます。  厚生労働省におかれましては、COVID―19への対応で本当に大変な状況にあるというふうに思っておりますが、どうかここで踏ん張っていただいて、私も作業療法士として十二年間リハビリテーションの現場医療介護、障害福祉の分野で関わらせていただいておりました。その現場感覚を持って皆さんとともに取り組んでまいりたいというふうに思っておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。  COVID―19のことに関して言えば、私が今一番厚生労働省管轄で気になっているのは、やはり、地域介護になくてはならない訪問介護の在り方であります。  昨年の九月の段階で有効求人倍率は十五・四七倍と、介護の分野において比較するだけでも約四倍というふうになっておりまして、私も地域介護に当たっておられる方々からお話を聞きますけれども、風評被害は本当に今でもまだあります。  一番最初にクラスターが発生した施設などでは、今はもう実名で公表というのはされていないわけですが、しかし、新聞に報道で上がってきたり、感染が高齢者施設で上がりましたということが出てくると、もう一度その過去のニュースが出てきて、おまえのところなんじゃないかということで問合せがあったりとか、本当に今も、現状、続いているという状況がこれはありますので、この風評被害も払拭するために、是非厚生労働省も先陣を切って取り組んでいただきたいというふうに思っております。  そんな中で、利用者、在宅で生活されておられる、訪問介護を利用されておられる利用者の方が仮に感染をしたとしても介護を止めるわけにはいかないということで、厚生労働省の方からも通知が出され、そして継続的に訪問介護として介入をしてほしいということも通知を出しておられるというふうに思いますが、やはり、ワクチンに関しましても、優先接種対象にデイサービスであるとか訪問介護のスタッフの方々は、これはなっていないというところに関して言えば、訪問介護方々から相当強い不安の声が上がっています。  ワクチン接種されるようになるまでにはやはりまだまだ時間がかかるんだろうというふうに思っておりますが、不安は当然強いわけですよね。そして、サービスの性質上、個々のうちにそれぞれ足を向けて、行かなければいけないという性質上から、感染症防護の対策も非常に講じづらいというところもあります。  そういったところでいうと、介護事業の皆さんは、あるアンケートによりますと、約八〇%ほどがワクチンを積極的に接種したいということのアンケート結果もありますように、やはり不安が強いわけですね。  これに代わるものとして、やはり、我が党の中島克仁議員が予算委員会でも質疑に上げましたが、元々あるイベルメクチン、この薬を、適用拡大に向けて、是非、厚生労働省の方、最速で取り組んでいただけるよう、まずは私の方からもお願いをしたいと思います。  それは、ひいては地域介護を支えることにも私はつながるんだろうというふうに思っておりますので、お願いをさせていただいた上で質問に入らせていただきたいと思います。  先ほどもお話しさせていただきましたけれども、私、作業療法士として十二年間現場で働いておりました。近年、我が国は高齢化、当然急速に進んでおりまして、障害者についてもこれは同様にそういった状況があるわけですが、加えて、医療技術が進歩することによって、従来の医療では助からなかった命が救われるようになってきている。  それがあることによって新たな事象というのが生まれているわけですが、近年増えてきている医療ケア児、その対応をどういうふうにしていくかということについても今回いろいろ議論が起こっているというふうに承知をしているわけですが、やはり、重い障害を持とうが高齢になろうがその地域で当たり前のように生活安心していくことができる、そうした地域社会をつくっていく、これはもう絶対大事なことだというふうに思います。  こうした中で、今回報酬改定が行われるわけですが、障害福祉サービス等ですね、障害者の重度化あるいは高齢化を踏まえた地域移行、地域生活支援充実など、障害児者のニーズへのきめ細やかな対応が大きな柱となっていると承知しています。  今回の改定で重度障害者への支援を評価するための改定がされているようですけれども、特に強度行動障害については、各地域支援が大きく不足している状況で、グループホームなど受入先が見つからないなど、そういう声が多々上がっていますし、緊急時の短期入所、こういったものもまだまだ受皿が足りていないということだと思います。  そこで今回、この改定に当たって、重い障害のある方が住み慣れた地域安心して暮らしを送るに当たってどのようなことが可能になるのか。今後の支援の方向性や支援の具体的イメージについて厚生労働省見解を伺いたい。  そして、放課後等デイサービスの在り方が今回の報酬改定によって大きく変わろうとしているというふうに承知をしています。  これは、評価されるべき、評価できるという点と、ちょっと大丈夫かなという点があるわけですが、放課後等デイサービスが今後どのような方向に向かっていくのか、全体像と方向性が見えないと私は感じているところもありますし、実際事業をされておられる方々からも同等に声が上がっております。この点についての、どのような方向性に向かっていくのかということについて、厚生省の見解をお聞かせいただきたいと思います。
  129. 赤澤公省

    赤澤政府参考人 まず、今度の令和三年度の報酬改定の方向性ということでございますが、御指摘いただきましたように、障害者の重度化、高齢化に伴う対応というのを行わせていただいたところでございます。医療ケア児について報酬を、新たに基本報酬として評価したり、それから強度行動障害者の方に強い受入れを促進するような対応、そのようなことをやらせていただいて、障害児者の方々地域において生活ができるような、そういう報酬体系にさせていただきたいというふうに思っているところでございます。  それで、御指摘いただきました放課後デイサービスについてでございますが、放課後デイサービスは、障害のある障害児の発達支援を担う重要なサービスだと考えております。それで、今後もその役割を果たしていく必要があると思っているんですけれども、例えば昨年、特別支援学校等が一斉臨時休業した際に、障害のある児童は、保護者が仕事を休めない場合に自宅等で独りで過ごすことが困難なケースを想定しまして、緊急的な対応として、都道府県等を通じて、事業者に対し、開所時間について可能な限り長時間とすることなど、障害児の居場所としての役割、そういうものも担うことをお願いしたという経緯もございます。  今の放課後デイサービスの現状でございますが、そういう実態関係者からも、実態として保護者の就労に伴う預かりの機能も同時に果たしているんではないかという御指摘もいただいておりますので、放課後デイサービスの療育としての果たすべき役割と居場所としての役割、その二つの果たすべき役割を検討することが必要だというふうに私ども考えております。  そういう状況の中で、御指摘もいただいているように、今後、放課後デイサービスの在り方については私どもとしてもしっかり検討してまいりたいと考えております。
  130. 堀越啓仁

    堀越分科員 ありがとうございます。  これはこの後の質問にも関連してくるというところなんですけれども、その在り方ですよね。本当に、新たな感染症に対して就労の支援という、一時預かりとはまたこれは別の仕組みですけれども、放課後等デイサービスにそれらが求められている。  あくまでも、これは放課後等デイというのは療育、子供の児童発達の支援であり続けていただきたいということはお願いを申し上げておいて、そして、そうした機能の部分については、やはり明確に位置づけが必要なんではないかというふうに思いますので、これからその辺りを議論されるということでしたから、是非、現場の声も聞きながら、現場でこれまで長くやっておられる方々がその思いを、どんな思いを持ってこれまで事業に当たってきたのかということも踏まえた上で、しっかりとその制度的な位置づけというのをしていただきたいなというふうに思っています。  今回のこの改定で、基本報酬は、前回、平成三十年度段階においては、区分一と区分二に分けて、そしてさらに、これとは別に、重症心身障害児を受け入れる場合の基準を設定したということで、今回、この区分一と区分二を分けるのをなくして一つにすると。  確かに、指標該当になるお子さんが五〇%以下の事業所、特に区分二に該当した事業所ですけれども、五〇%以上に満たない限りは、例えば四九%であれば、これは満たないわけですから、大変な状況もあったのだと思います。そういった点においては、個別に算定ができる仕組みというのは一定評価できるというところがあるとは思いますが、やはり全体的に見ると、かなり経営的にも厳しい状況に追いやられてしまうところはあるというふうに、私も声を聞いておりますし、実際私も現場方々とお話をしていく中で、そういったところはあるだろうなというふうに危惧しているところであります。  特に、障害福祉関連サービスの中で、収支差率を見て、一〇%強と高いと言われているわけですが、この報酬改定によってダメージを受ける事業があるというふうに認識しているわけですけれども、この改定によって、いわゆる収支差率が、適正化がどれぐらい見込まれるのか、どれぐらいの予算規模であるのかということをお答えいただきたいのと、加えて、放デイ、確かにたくさん増えているんですね。質的にこれは本当に児童発達に資するのかというところが疑わしいものも確かにあるのは承知しています。しかし、その一方で、質的な担保に今回の改定が資するのかどうかという点と、あと、今後、質的にはどうやって保っていったらいいのかということについてのお考えがあれば、伺わせていただきたいと思います。
  131. 赤澤公省

    赤澤政府参考人 お答え申し上げます。  まず、今後の収支差率の見込みということでございますが、今後の個々の事業所で、従業者の雇用形態、それから賃金水準の動向、それから新設した各種加算の算定の動向等によるところが大きゅうございますので、お示しすることは困難でございますが、報酬改定の影響につきましては、まず、私ども、今後ともよく検証してまいりたいと考えているところでございます。  御指摘でありました放課後デイサービスでございますが、障害福祉サービス全体の平均収支差率がプラス五・〇%であったのに対して、放課後等デイサービスは平均でプラス一〇・七%、それから、御指摘いただきました区分一の事業所であれば、更に、一四・四%と、大幅に上回る水準でございました。そういう中で、限られた財源の中で効果的なサービス提供を促進する観点から、一定の適正化を図ったということで御理解いただきたいと思います。  一方、手厚い支援が必要な子供さんへの支援につきましては、例えば、専門職による支援を評価する加算をつくったり、ケアニーズの高い障害児や虐待のリスクのある障害児を受け入れて支援したときの加算を創設したり、家族支援充実を図るための加算を創設したりということで、手厚い支援が必要な子供さんを積極的に受け入れた事業所について相当程度報酬が確保される、そういう報酬体系にさせていただいていると思っているところでございます。  いわゆる報酬の質の関係で申し上げますと、御指摘いただいたように、やはり大変重要なサービスでございますので、放課後デイサービスの支援の質を担保するのは非常に重要だと考えております。具体的な指定基準の内容を補足しましたガイドラインというのを私ども作っておりまして、そのガイドラインで、サービス提供に当たっての基本的姿勢や基本活動、それから必要な組織の運営管理等をお示ししております。  それから、指定基準の方におきましても、ガイドラインに沿った評価項目によって、自己評価、それから保護者の方による評価を実施していただいて運営の改善を図ること、それから、評価結果及び改善の内容の年一回以上の公表を行っていただくといったようなこともお願いしている、そういうことをしていただくことにしております。  今回の報酬改定でも、支援の質を向上する観点から、従来認めてきました障害福祉サービス経験者という方を経過措置を設けた上で廃止して、保育士又は児童指導員の配置を求めることとしている。そういう取組もして、放課後デイサービスの質の確保に向けて取り組んでおりますので、引き続き、その質の確保を図れるよう努力してまいりたいと思っております。
  132. 堀越啓仁

    堀越分科員 私もいろいろな事業所さんから話を聞きましたけれども、やはり小さい規模での事業所さんでも年収が約二百万円ぐらい減収になるんじゃないかとか、三百万円減収になるんじゃないかとか、そう言われています。  確かに、質的な担保のために専門支援加算はあるというふうにつくられたんだと思うんですが、多くの現場で理学療法士、作業療法士、言語聴覚士を、それ以外でももちろん心理にスキルを持っている方というところも入っていますが、これを新規で雇わなければいけないというのは結構事業所にとってはハードルが高いんですよね。なので、基本的には、加算がやはり取れないというところも相当私はあるんじゃないかというふうに思っています。  特に、この専門支援加算というのが入ってきて、実際、作業療法士、理学療法士を雇いますといったら、その加算分が全額そっちに行くわけじゃないですから、当然、報酬だって、ほかの分野と比較して、働こうとする側はコミットしますよね。当然、常任換算ですから、これはパートで二人を雇うとかという、見つかればいいですけれども、これは現場は相当きついと思います、私は。  なので、多分、普通の事業所の体系からすると、今まで元々長く働いておられた、これは、児童発達から、児発から放デイ、長く利用されるお子さん方もいらっしゃいます。そこで質的に何が評価されるのかというと、その現場に長く勤めて子供の経過を長く見ている方、この方がいるかいないかということが、私は、資質的にも確実に高いと評価できると思うんです。  そう考えると、児発の部分については、保育士さん、そこが入っているわけですよね、算定要件の中に。これを、児発は入っているのに放デイは入っていない、それは確かに、就学児と未就学児で、これはたてつけが違うから保育士は、就学児の方なんだ、だから児発の方ではという理屈は分かるんですけれども現場感覚的に質を保つということを考えれば、やはり長く見ている人たちがそこで算定の要件として認められるというふうにした方が私はいいんじゃないかなというふうに思います。  なので、そこを、今もう制度的にここから大きく変えるというのは非常に難しいんだと思いますが、先ほどお話がありましたように、現場での影響調査しながら検討いただくということでございましたので、是非、今も、現状、聞かれていると思いますが、更に現場からの声を聞いていただきたいというふうに思っています。どうか、ここの部分に関しては、本当によろしくお願いいたします。  そして、放課後等デイサービスの位置づけの見直し、これは一番最初の質問にもちょっとかぶってくるんですが、新型コロナに関わる学校休業では、放課後等デイが保護者の就労を支援するサービスとして位置づけられてきた。  放デイと全く法律のたてつけは違いますが、障害者総合支援法に基づいて地域生活支援事業として行われている日中一時支援事業というのがありますが、やはり、これは、日中に介護できる人が自宅にいない障害児を受け入れるサービスで、市町村が、介護する家族の負担軽減を目的とする事業であるわけですけれども、一方で、放課後等デイサービスは、個別の支援計画に基づいて自立支援とそして日常生活充実のために活動を行うという事業でありますので、これはもう全く専門性が違うということだというふうに思います。そして、経験が何よりも求められる部分だというふうに思います。  今回、新型コロナに対する対応では、放課後等デイについて、就労を含む保護者支援としての役割が認められたものと理解していますが、この辺の役割分担などについて整理するべきではないかと私は思うんですが、再度の質問になるかもしれませんが、明確にお答えいただければと思います。
  133. 赤澤公省

    赤澤政府参考人 お答え申し上げます。  御指摘いただきましたように、放課後デイサービスは療育を担う重要なサービスということでございますが、新型コロナウイルス感染症流行する中で、居場所としての役割というのも私どもお願いしたというのも事実でございます。実態といたしましても、療育としての場と居場所としての場があるというのも事実ではないかな、という形で運用されているのも事実じゃないかなと思っております。  さらに、御指摘いただきましたように、日中一時支援との関係とか、他の障害福祉サービス、在宅の障害福祉サービスとの関係、この関係をどう考えるのかということについては、実は障害者の関係団体の皆様方からも御指摘いただいております。  ここの部分は、やはり私どもとしても、議員からも御指摘いただきましたように、実態をきちっと把握して、その上でどういうサービスを展開することが必要かということについて検討していかないといけないと思っておりますので、そちらの方は私どももしっかり検討を進めていきたいと思っております。
  134. 堀越啓仁

    堀越分科員 是非この辺はお願いいたします。  放デイ、いろいろなニーズがあるということは私も承知をしておりますし、いろいろな多面的な機能を有しているということもあると思います。これを更に現場といろいろ意見交換していただきながら、そのサービス自体が何を目的とするのか、サービス自体が何を目指すのかということをやはり具体的に示していかない限り、やはり官民共に連携をして子供たちのことを支えていくんだということにつながらないというふうに思っています。やはり何が主語なのかということ、何が主語なのか、これはあくまでも子供たちであり続けていただかなければ困りますし、そのために、事業所の声をしっかり聞いていただきたいということをお願いをさせていただきたいと思います。  私も、今回の改定については、永田町子ども未来会議のメンバーでもあります。医療ケア児の、動ける医療ケア児のことについて評価基準等々が変わったり、手厚くなったりという部分については評価できるところはたくさんあります。是非そういった現場の声に即した制度設計をこれからもお願いをして、次の質問に移らせていただきます。  ちょっとがらっと内容が変わるんですが、私のライフワークとして取り組んでいる動物福祉、アニマルウェルフェアのことについてであります。  前回、厚生労働省所管の食鳥処理場について、所属委員会質疑などで二つの課題を私は取り上げさせていただきました。  一つは、食鳥処理場の夜間放置の問題ですね。採卵鶏、いわゆる鶏の卵を産んで、その卵を産み終えた、あるいは卵を産む個数が減ってきている鶏に対して、それを食鳥処理場に回していくわけですが、その際に、バタリーケージよりも更に狭いケージの中にぎゅうぎゅうに、本当にもう身動きも取れないようなケージの中に押し込められて食鳥処理場で処理を待つ時間が、短い場合で十数時間、長い場合ですと三日間ぐらい、そのまま放置されている。これは夏場であっても冬場であっても当然あります。  卵は産まないわけではありませんので、卵が上から降ってきて夏場なんかではウジが湧くというような状況の中で、四十八時間、水も与えられず、飢えに耐えながら最期を待っているという状況を何とかしてほしいということでお訴えさせていただきましたらば、農林水産省の方から三回、「食鳥処理場への鶏の計画的な出荷について」という通知を出していただきました。厚生省は、一度、調査を行ってくれております。このことについては本当に感謝申し上げたいと思います。  しかしながら、現場では余り状況は変わっておりません。このことについて、抜き打ちでも調査を二〇一八年に厚生省がしていただきました。その後、現在どうなっているのかということと、あとは、再度抜き打ち調査を行って、できれば実態を把握して改善策を出していただきたいと考えております。このことについてお考えを伺わせていただきたい。  もう一点の課題は、指摘させていただいたのは、食鳥処理場での鶏の処理の方法です。  いわゆる、生きたままぶら下げられて、シャックルというベルトコンベヤー式のもので運ばれていって、そしてネックカットをするわけですが、動いてしまうわけですから、当然、生きたままですから、そうすると、頸動脈をうまく切れずに、放血不良という形でそのまま次の湯漬けという処理に回っていくわけですが、当然、皮膚が赤くなってしまって出荷できないということで、これは食ロスになるんですね。この羽数が、大体五十万羽、年間五十万羽いるという状況。  この放血不良に対して、これは食ロスの観点からもそうですし、人道的にももちろんそうですし、動物福祉的にももちろんそうですが、様々な対策を厚生労働省としても、これは所管になりますので、取り組んでいただきたいという思いでおります。この点について、具体的な対策、何かあればお聞かせいただきたいと思います。
  135. 浅沼一成

    ○浅沼政府参考人 お答えいたします。  食鳥処理場において、鶏の屠殺前の長時間滞留、いわゆる屠殺待ちにつきましては、平成三十年三月に都道府県等に対しまして、「食鳥処理場への鶏の計画的な出荷について」を通知し、鶏の排せつ物が鶏を著しく汚染させるなどの保管時の問題が確認された場合には、食鳥処理業者に対しまして、養鶏業者との計画出荷に係る調整状況を確認するなど、周知を行っております。  その後、御指摘ございました、平成三十年八月に食鳥処理場における鶏の保管状況に関する調査を実施いたしました結果、一日以上滞留、屠殺待ちをしていたケースは約一四%、そのうち、卵や排せつ物により汚染されていた割合は六〇%であったことから、平成三十一年三月に都道府県等に対しまして再度周知を行ったところでございます。  また、屠殺時の放血不良になった鶏でございますが、食鳥の事業の規制及び食鳥検査に関する法律に基づきまして、食用不適として廃棄することとされております。  厚生労働省といたしましては、議員御指摘の点も含めまして、引き続き、これらの問題に対しまして食品衛生の観点から対応をしてまいりたいと考えているところでございます。
  136. 堀越啓仁

    堀越分科員 ありがとうございます。  三十一年三月にもう一度出していただいたということで、ありがとうございます。これは、引き続き是非取り組んでいただきたいと思います。  放血不良というのは、やはり、言い方を換えれば、ネックカットに失敗して、そのまま、生きたままゆでられるという工程になります。動物福祉的には、これはあってはならないということだと思いますし、そもそも、先ほどおっしゃっていただいたように、食品としての適切性があるかどうかということで判断するのであれば、それはやはり、食品としては適さないという形になりますが、食品として適さない形になる前に何とかするということについても、本質的に解決策を見出していただきたいというふうに思っております。  その解決策として私が提案をさせていただきたいのは、もう諸外国でも導入が進んでいるガススタンニングという方法です。これは、いわゆる、今、生きたままつり下げられてネックカットに向かうという状況ですけれども、これを事前にスタンニング、気絶をさせるというものでありまして、オランダではほぼ全ての肉用の鶏がこのガススタンニングの処理をされています。そして、イギリスでは、二〇一三年度段階で七一%の家禽が対象になっている。EUでは二〇%の肉用の鶏、七%の採卵鶏がガススタンニングに切り替わっている。  これはまだまだ、もちろんEUでも少ないというふうに思いますが、日本は、当然ですけれども、更に少ない。欧州ですとか北米企業の三百九十六社以上がこのガススタンニングなどへ切替えを二〇二六年までに行うと宣言をしている。そういう方向に進んでいるという状況ですね。  日本の食鳥処理場ではこのスタンニングすらしていない状態で、先ほどからお話しさせていただいているような状況が起こっている。これは、やはり、アニマルウェルフェア的には、もう五十年ぐらい諸外国と比較すると後退しているような、そういう状況が私はあるんだろうというふうに思っています。  アニマルウェルフェアというと、環境省がやはり所管になり、厚生労働省所管じゃないというふうに言われるかもしれませんが、でも、この食鳥処理場に関しては、確実にアニマルウェルフェア、厚生省がこの管轄になるわけですから、是非連携をしていただきたいというふうに思っております。  このガススタンニング、何がいいかというと、動物にとって苦痛を与えないということだけではなくて、そこで働いておられる方々の労務負担の軽減にもつながる、精神的負担の軽減にもつながる。当然、気絶をされているわけですから、気絶した状態でつるすということになれば、これはもちろん精神的ストレスを確実に減らすことができるということもまず一点。  それから、実は、肉の質も向上するということも言われているんですね。なので、そういったところの観点からも非常に有用なんじゃないか。  それからさらに、先ほどもお話しさせていただいたように、ネックカットに失敗して放血不良になって、食品のいわゆる適切性ということから除外されてしまう、食品として流通できないというような、そういう状況を今現状の形はつくっているのに対して、五十万羽それがロスを生むわけですよね。これを確実に減らすことができるということであるというふうに感じられています。  そこで伺いたいんですが、生きた動物を扱うという点においては、食鳥処理場もアニマルウェルフェア、これを取り入れていくべきだというふうに思っております。田村大臣、どうかその点についてお考えを伺わせていただければと思います。よろしくお願いします。
  137. 田村憲久

    田村国務大臣 食鳥処理場の鶏の屠殺でありますけれども、これは、食品衛生法上は方法が決まっているわけでありません。そういう意味では、ガススタンニングですか、この方法も含めて、十分に放血できていればいいわけであります。  アニマルウェルフェアという観点からすれば、これは言われるとおり動物愛護法ですから環境省という形でありますけれども厚生労働省も、いかに環境省とタイアップできるかということはいろいろと検討していきたいというふうに思います。  今、ちょっと調べてみますと、平成三十年八月時点でガススタンニング法を採用している食鳥処理場、一施設存在ということを確認をしたとのことであります。  これは、ガス室を設けるでありますとか、それから屠殺のライン変更であるので、ちょっと経費がかかるという問題もあるようでありますけれども、いずれにいたしましても、例えば環境省に、アニマルウェルフェアの観点からの取組、これを聴取したりでありますとか、食品衛生の向上、先ほど委員おっしゃられましたけれども、そういう部分でどれほどこれが意味があるのか、こういうことも含めてしっかりと検討してまいりたいというふうに考えております。
  138. 堀越啓仁

    堀越分科員 ありがとうございます。  この食鳥処理場の在り方については、食鳥処理場そのものに余りにコストを課すのは、これもやはり酷な話ではあります。消費者とそして行政がそれを支えていくという仕組みが必要だというふうに思います。大臣、どうかよろしくお願いいたします。  質問を終わります。ありがとうございました。
  139. 橋本岳

    橋本主査 これにて堀越啓仁君質疑は終了いたしました。  次に、吉田統彦君
  140. 吉田統彦

    吉田(統)分科員 立憲民主党の吉田統彦でございます。  早速質問に入らせていただきます。  まず冒頭は、厚生労働省のV―SYSの民間連携についてお聞きします。  現在、医療従事者向けの先行接種が開始されています。以前から私が申し上げているとおり、予防接種の大きなポイントは、その物流と保存、そして接種仕組みづくりだと考えます。インフルエンザワクチンでは、地域によって、やはり受けられる場所と受けられない場所の差が生じています。大臣はお詳しいですね。問題となっておりますね。  今回、マイナス六十度以下でなくてもよいという報道もありますが、やはり、流通が非常に困難なワクチンである以上、円滑に接種を進めるためのシステムづくりが非常に重要であります。しかし、自治体の職員やシステムの開発をしているITベンダーから、やはり不安の声が相当上がっています。それは、まず、説明会について、自治体職員のみが参加できて、自治体連携しているITベンダーが参加できないということで困っているというお話も聞きます。  そこで、これらのITベンダーについても、自治体が要請すれば参加を認めるべきではありませんか。これが一問目です。  また、システムを開発するITベンダーは三月上旬に納品をしなければならないと聞いておりますが、コロナワクチンナビのリンク先のURLがいまだに来ていない、大変困っているという話もお伺いします。開発に関わっているITベンダーにいつ頃までに伝達する見込みですか。  以上二点、厚生労働省にお伺いします。簡潔な答弁をお願いいたします。
  141. 正林督章

    ○正林政府参考人 お答えします。  V―SYSの自治体向け説明会は全市町村の担当者に御視聴いただいており、自治体以外の方が視聴することは、説明会に用いるオンラインシステムの通信負荷等に影響があり得るため、お控えいただいております。  一方、説明会に用いる資料については、厚生労働省ホームページに掲載されるため、適宜ITベンダーと御共有いただくことで連携をしていただきたいと考えております。  また、コロナワクチンナビのトップページのURLについては、既に自治体向けリーフレット等においてお示しをしています。一方、コロナワクチンナビ用の各市町村別のURLについては、三月中旬以降の稼働に合わせて順次作成していくため、確定し次第、早急に自治体に情報提供をしていきたいと考えております。
  142. 吉田統彦

    吉田(統)分科員 ありがとうございます。  ただ、やはり直接問い合わせたいこともITベンダーはきっとあると思うんですよね、説明会。資料だけ共有しても限界がありますので、是非ちょっとそこは、こういう意見があるということを厚生労働省はしっかりと受けていただいて、何らかの仕組みの中でもっとより深い共有をしておいた方がいいと思いますよ。後でベンダーとの情報共有が何か問題があったら、困るのは国民ですから。  そして、やはり情報の伝達。URLに関しても、目途、いつまでということに関しては、後ろをデッドラインを切ってあげてお伝えしてあげないと、できるだけ早くというのは、それはみんな思っていることですよね。厚生労働省も当然思ってしかるべきことであって、また私はどこかの質問で聞きますので、しっかり後ろの日程を切ってやってあげてください。お願いです。  じゃ、次の質問に行きます。  今日は、田村大臣コロナ対策でお忙しい中を来ていただいたので、本当に実りある質問にしたいと思います。よろしくお願いします。  じゃ、ゲノム医療についてお聞きしていきます。  現在、超党派の議員連盟で、仮称、良質かつ適切なゲノム医療国民安心して受けられるようにするための施策の総合的な推進に関する法律案というものの制定に向けて検討を進めております。ゲノム医療については、今回、議員立法として検討を進めているんですが、今、もう世界一周、二周の周回遅れと日本はなっている状況で、我が国は本当に大きく遅れを取ってしまっています。  そこで提案ですが、我が国の今後のゲノム医療の提供及び研究開発推進して世界と伍していくためには、国策として、せっかくすばらしい大臣がいらっしゃいますから、内閣提出法案として審議を進めるべきだと思いますが、大臣、いかがですか。
  143. 田村憲久

    田村国務大臣 ゲノム医療は大変重要な分野であって、がんゲノムは、今、全ゲノ等々含めていろんな議論をやって、実際問題、先行解析等々を進めているわけでありますけれども医療提供体制では、それこそ、がんゲノム医療中核拠点病院、これがもう十二か所ですかね、あと、拠点病院が三十三か所、連携病院が百六十一か所、同時に実行計画等々を策定するなど、進めております。  一方で、やはり、ゲノムですから遺伝子自体の問題があるので、いろんな意味で差別等々が生まれてはいけないということで、そういう問題点も一方であるということがあると思います。匿名性の問題、いろんな問題があると思います。  そこで、議員連盟でいろんな御議論をいただいて、法案大綱まで今進めてきていただいておるというふうにお聞きをいたしております。我々、厚生労働省としては、議員連盟の皆様方としっかりとタッグを組んで協力をさせていただきたいというふうに思っております。
  144. 吉田統彦

    吉田(統)分科員 すばらしい御答弁、ありがとうございます。  本当にそうなんですよね。差別とか、いろいろそういうものがあるので、なかなか、内閣提出という部分だと、難しい部分、相当厳しい厳格な法案作りになるということで、ちょっと二の足を踏まれる部分があるのかなと思います。  じゃ、もうちょっと今日はかなり細かいことも聞いていきます。  先ほど申し上げたとおり、我が国のゲノム医療の現状は、もう二周、三周の周回遅れになっています。これは残念ですが、しかし、まだ絶望的というには早いと私は考えています。  かつて、そして今も、世界の大半のゲノム医療というのは、ある特定の遺伝子の生理活性を止めること、つまり、余分なファンクションを削っていくこと、機能したら病原性を持ってしまう部分を削っていくことに主眼が置かれています。その中で、大臣、二〇一〇年にZFN、TALEN、CRISPR―Cas9、これはノーベル賞候補とも言われましたね、こういった手法を中心としたゲノム編集と呼ばれる高効率に遺伝子を改変する技術が登場したわけです。これは、従来の遺伝子工学、遺伝子治療と比較して適用範囲が広いものですから、大きく大きく変わってしまったわけであります。  つまり、ゲノム医療の要というのはゲノム編集に移っていく可能性が高いわけですね。つまり、遺伝子の機能や生理活性を足すことによって病気を発生させないようにすることも可能になりつつある。つまり、かなり大きなパラダイムシフトですね。  しかし、これらはまだ世界でも試行錯誤の状況なんです。ですから、現時点で周回遅れでも、挽回のチャンスが十分にあるということなんです。  再生医療、iPS細胞の山中教授の研究は、大変すばらしい日本の誇りです、世界に誇るべき研究です。しかし、その応用は幅広く成功しています、幅広くiPSも成功していますが、治療という分野だと、残念ながら、再生医療、iPSは必ずしも全てがうまくいっているという現状ではないと思います。  今こそ、やはり幅広く医療分野における世界最高水準のゲノム医療実現するとともに、世界をリードする革新的なゲノム医療を開発して、その恩恵、恵沢を広く国民が享受できるようにすることが重要と考えますが、そのためには何が必要と大臣はお考えになりますか。
  145. 田村憲久

    田村国務大臣 私もその分野は専門でもないので、本当を言うと、事務方にお聞きいただいた方がいいんだというふうに思いますけれども。  正直言って、ゲノム医療は、国民の一般から見ると、自分の体質、疾病、いろんな特性、こういうもの、遺伝子を介してある程度そういうものを織り込んだ治療というものができるのではないかという漠然とした期待は持っているんですが、それ自身、実際、では今日本がどこまで進んでいるのかというと、例えば、がんでいうと、まだパネル検査というところであるわけでございまして、今あるいろんな抗がん剤等々、何を使ったらいいかみたいな話の中で、そういう利用をされてきているわけであります。  一方で、コンソーシアム運営会議、こういうものを開催して、医療提供体制や革新的な診断方法や治療方法、こういうものの議論を進めているということでありますが、いずれにいたしましても、今やっているのは、先行解析も含めて、がんと、あと難病ぐらいであります。  もちろん、いろいろな意味で、福島であるとかいろいろなところでデータは取っておるわけでありますけれども、そういう意味では、これから、がんのみならず他の分野でも、いろいろな役に立つというか、そういうゲノム等々を使った遺伝子の治療みたいなものが出てくるということが非常に重要であって、まだ我が国はがんというところにとどまっているというのが、多分、今日、主査もそこは同じような問題意識を持っておられるんだと思いますけれども、そこを飛躍する意味で、今、ゲノム解析、全ゲノを進めていこうということで、我々も予算の獲得に日々一生懸命頑張っておるような次第であります。
  146. 吉田統彦

    吉田(統)分科員 大臣のお答えとしては、それですばらしいと思います。がんと何回か繰り返し言っていただきました。後でちょっと目のこと、田村大臣がすごく積極的に、眼科医療の守り神のような形に田村大臣がなられていますので、ちょっとそこも後で伺わせていただきます。十分お答えいただいています。ありがとうございます。  専門的なことは、大臣、是非やはり耳にはしっかりと事務方から入れていただいて、やはり統率する指揮官がしっかりとした理解があることが最も重要ですので、是非そこはまたおいおいしっかりとレクを受けていただければと思います。  そこで、先ほどの続きになって、少し大臣も言及されましたが、ゲノム医療というのは、つまり、先ほど申し上げたゲノム編集によって、今後、遺伝子の機能を足していく、足りないところを足していく、補っていくということが一つの主流になっていく可能性があります。  しかし、実際、大臣御存じのとおり、二〇一五年に前述のCRISPR―Cas9を使った世界初のヒト受精卵の遺伝子操作が中国で行われたこと、かなりこれは国際的な波紋になりましたですね。こういった技術が実用化すると、やはり人の尊厳という問題が重要になります。つまり、現場の研究者としては、安全性、生命倫理の適切な配慮が当然必要になります。しかし、現状ではそのような基準、つまりガイドラインがなく、研究者の皆さんも大変困っているわけです。  そこで、政府としては、こういったゲノム医療の提供及び研究開発において、その各段階において生命倫理への適切な配慮がなされるようにするとともに、安全な医療応用を実現するためには、やはり立法による基準の策定が本来一定程度必要ですし、せめてガイドラインを早急に整備することが世界初の革新的なゲノム編集遺伝子治療の実現に重要だと思うんですが、もし大臣がちょっとあれだとしたら事務方でも結構ですが、大臣、お願いできますか。
  147. 田村憲久

    田村国務大臣 詳しくは事務方からお聞きいただければありがたいと思いますが、確かに、ゲノム編集といいますと、人間としての尊厳といいますか、そういうものそのものに関わってくるわけでありますから、そこは非常に慎重なところが必要だというふうに思います。  そういう意味では、臨床研究法でありますとか、また、例の再生医療等法、法律ですね、あれはちょうど私が前の大臣のときに作った法律でありますけれども、あのときに、やはり第三者の倫理審査委員会のようなところでしっかりと議論をしなきゃいけないというふうになっておりますが、一方で、多分委員おっしゃられるのは、ウイルス等を直接体内に投与するタイプ、こういうものの遺伝子治療というものが出てきておるということで、これに関してはまだ余り整備がされていないということでありますので、これは法整備も含めて検討していかなきゃならぬというふうに思っております。
  148. 吉田統彦

    吉田(統)分科員 じゃ、ちょっと役所の方からお願いしたいんですが、さっき私が述べたCRISPR―Cas9というのは、まさにその中でも特に最新の技術の一つなんですが、どうですか、私の今の問いに関して役所の方から御答弁いただけるようであれば、しっかりと御答弁をお願いしたいんですが。
  149. 佐原康之

    ○佐原政府参考人 お答えいたします。  遺伝子治療の実施に当たりましては、生命倫理、安全性に配慮することが御指摘のように非常に重要なことであると考えております。  遺伝子治療の研究を行う場合には、臨床研究法あるいは再生医療等安全性確保法に基づきまして、研究の実施前には、安全性やその倫理性の妥当性について、第三者による審査が事前に行われる仕組みというふうになっております。  また、御指摘のウイルス等を直接体内に投与するタイプの遺伝子治療につきましても、診療として行われる場合も含めて、法的な枠組みの必要性を御指摘いただいておりまして、法の見直し作業を今検討しているところでございます。
  150. 吉田統彦

    吉田(統)分科員 しっかりと早くやっていかないと、本当に立法や省のガイドラインが世界的に遅れたものになっちゃうので、頑張っていただきたいとエールを送らせていただきます。頑張ってください。  大臣、ちょっと約束というか、危惧していることがあるので、そこは大臣にしっかりとした御答弁をいただけると思いますけれども、今後ゲノムを臨床応用していくときには、遺伝子診断システムは一つの肝ですね。公平で一番優れたシステムを導入することが重要であるのは当然であります。  しかし、ちょっと私が翻って、自民党が政権に戻られてから、一種の利権的なものが、安倍前総理のお友達等が優遇されて行政のゆがみが出たんじゃないかという懸念をやはり国民にも持たれている。森友学園、加計学園、GoToトラベルの事務請負、そして、私も指摘しましたが、アンジェス社のワクチンも同様の疑惑が持たれている中で、我が国の医療の将来を決する重要な問題であるこの遺伝子診断システムにおいてこんなことが絶対あっちゃいけないわけであります。  それは、現在の損失だけじゃなくて将来にわたって重要な影響を受けますので、ある特定の企業の社外取締役や顧問などを務める方が、自分の利益を受けた企業が採用されるような利益相反関係にあるような事態があるのではないかということを、ちょっと学会の中でも疑問を呈されている部分がありまして、そういったことが決してない、利益相反関係になるような採用がないということを大臣にお約束をいただきたいんです。
  151. 田村憲久

    田村国務大臣 ちょっと、言われているものが、うちの所管の話なのか、そうじゃないのか……(吉田(統)分科員「所管です、所管です」と呼ぶ)所管ですか。(吉田(統)分科員「所管だと思います。遺伝子システムのだってあれですよ」と呼ぶ)
  152. 橋本岳

    橋本主査 済みません、指名して発言してください。
  153. 田村憲久

    田村国務大臣 ああ、そうですか。厚生科学研究においては、厚生科学研究における利益相反の管理に関する指針というのがございますので、それにのっとってしっかりやってまいりたいと思います。  ちょっと、どなたの何をおっしゃっておられて、どの組織のことをおっしゃっておられるのか分からないものですから、お答えしようがないんですが、一般的にはそういうことになっております。
  154. 吉田統彦

    吉田(統)分科員 一般論としてお答えいただければ大丈夫です。そういうことが決してあってはなりませんので。  これはちゃんと役所にも細かく私はレクを昨日してありますので、今のちょっと大臣のリアクションだと、ちゃんとレクが伝わっていないように。あれだけ細かく一字一句伝えてあるのに、こんなことじゃ困りますよ。それだったら、前もってちゃんと私の方に言ってもらわないと困るわけですから、大臣だって今きょとんとしていましたから、これじゃいい議論はできませんから。  一般論としてそういうことがないように、大臣、くれぐれもお願いします。  それでは、もうちょっと先に進んでいきます。  ゲノム医療を受ける、また、その研究開発協力して、試料、塩基配列情報ですね、ジェネティックなものを提供するときに、適切な相談支援を保証されることが大事ですよね。提供する側です。しかし、現場の研究者などに聞くと、旧帝国大学レベルの附属病院でも、遺伝子カウンセラーというのは全診療科を通じても三、四人程度と。全員遺伝子カウンセリングする余裕なんか、全然人的にも予算的にも足りないわけですね。そういった人材育成も遅れているんじゃないかなと危惧をしております。  人的にも資金的にも全く足りていないこういった現状を受け止めていただいて、この遺伝子カウンセラーの不足というのは患者さんの不利益をもたらす可能性があるので、このような遺伝子カウンセラーの人材育成、そして資金について今後どのように対応するのか、お答えいただければと思います。
  155. 田村憲久

    田村国務大臣 がん分野においてでありますけれども、ゲノム医療に従事されている方々に関して、そういう研修というものの制度、これを実施しております。また、遺伝子パネル検査後に二次的所見を認めた、何かほかのことが分かったような場合に関して、対象とした遺伝カウンセリングを提供するために、平成三十年度よりですけれども、がんゲノム医療中核拠点病院等に対して、遺伝カウンセリング、これの技術を有する者を配置していかなきゃならないというふうにいたしております。  いずれにいたしましても、今、がんゲノム医療コーディネーター研修修了者自体でありますが、令和二年十二月時点で九百七十人おられるということでありまして、委員が言われたように大変重要なことだと思っておりますので、これらもしっかりと、このような研修等々含めて、人材の養成を進めてまいりたいというふうに考えています。
  156. 吉田統彦

    吉田(統)分科員 今、大臣、数字を御自身でおっしゃって、足りないと思われますよね。多分大臣はよくお分かりなので。ちょっとこれは充実させた方がいいと思います。これは提言ですけれども、今のうちから急に増やすわけにもいかないですから、大臣、早めから手を打たれた方がいいという提言であります。  では、次に、大臣の一番お詳しい目ですね、眼科のことを聞いていきます。  加齢黄斑変性に対するiPS治療、これは多額の研究費が、大臣、入っていますね。私も当初は大きな成果を得られるんじゃないかと思って期待していたんですが、何年たっても芳しい結果をお聞きすることはありません。  二〇一八年六月の厚生労働委員会で私はこの進捗状況質問して、情報公開がほとんどなされない点を指摘いたしました。当時、大沼大臣政務官が、ホームページであったり、いろいろな論文、雑誌等で発表はされておりますが、実際に国民に直接的に訴えるという意味では、まだまだ広報という意味では不十分であるというふうに私どもも考えておりますので、また、どういった広報の在り方がふさわしいかも考えてまいりたいというふうに思いますと答弁されたんですけれども、もうそこから二年半余りたっているんですが、相変わらず情報公開は不十分で、結果がうまくいっているという話も聞かないんですね。このままでは、単に莫大な予算を浪費しているように見えてしまいます。  厚生労働省としては、研究の進捗をきちんとフィードバックしてほしいと考えます。文科省はなかなか、ちょっとこれはフラッグシップの研究なので腰が重いようですので、厚生労働省としてしっかりやっていただきたいんですが、どうですか、大臣
  157. 田村憲久

    田村国務大臣 そのときの答弁を、ちょっと私、どうだったのかよく見ていないんですけれども、加齢黄斑変性に対しては、言われるとおり、AMEDを通じた財政支援の下で、神戸アイセンター病院で高橋政代氏が中心に実施をされている、これは有名な話でありますけれども、本人のiPS又は他人のiPS、こういうものの細胞を用いた二種類の研究が実施をされているということで、安全性に関しては確認されているというふうに承知いたしております。  論文等々が発表されているのと、あとAMED主催のシンポジウム、こういうところでしっかりと発表されているというふうに聞いているんですけれども、再生医療全般については、平成三十一年度より研究の概要等について情報公開を義務づけておりまして、加齢黄斑変性の臨床研究についても厚生労働省整備したデータベースで公開をしております。  なお、これまでの研究成果を踏まえ、加齢黄斑変性を含むより多くの疾病を対象に、有効性検証を目的とした研究、これを開始する予定であるというふうに承知しておりますので、引き続き政府としてもAMEDを通じて支援していくということになっております。
  158. 吉田統彦

    吉田(統)分科員 大臣がおっしゃったように、ちょっとほかにも広げた方がいいと思います。これは単体でうまくいっていないですよね。  じゃ、ちょっと次は役所の方に聞きますね。  この研究は、いわば文科省も含めてフラッグシップの研究です。医者としても、私も研究者ですから応援したい気持ちはあるんですが、政治家としては、現状、ちょっと応援できないと思います。研究費を必要としている研究はあまた無数にあります。可能であれば、やはり他の再生医療や前述した遺伝子治療、あるいは他の萌芽的な研究にお金を、予算を回していくべきだと思います。  論文のことを大臣はおっしゃいましたけれども、論文ですね、ジャーナル・オブ・クリニカル・メディスンですね、これ。二〇二〇年七月十三日、HLA マッチド アロジェネイック iPS セル ディライブド RPE トランスプランテーション フォー マキュラー ディジェネレーションという論文です。ジャーナル・オブ・クリニカル・メディスンは年によってインパクトファクターは結構変わる雑誌なんですけれども、三点から七点ぐらい。一流誌ですけれども、セル、サイエンス、ネイチャーみたいな超一流誌ではありません。近年、プレスリリースも目立ったものがないんですね。  これだけやはり研究費を助成したのであれば、やはりネイチャーメディスンぐらいにはしっかりと載せていくような成果を上げないといけないと思いますが、厳しくその辺、叱咤、激励、指導をしていただきたいんですが、厚生労働省、どうですか。
  159. 迫井正深

    迫井政府参考人 御答弁申し上げます。  議員御指摘のとおり、様々なモダリティーでありますとか技術について幅広く当然検討し、必要なものを推進していくという姿勢が重要だろうと私どもももちろん認識をいたしております。  その上ででございますけれども、再生医療及び遺伝子治療の研究支援につきましては、健康・医療戦略に基づきまして各省庁が連携をして、日本医療研究開発機構、AMEDでありますけれども、を通じて研究事業として行っている。これは、議員、多分御承知のことだろうと思います。  令和二年度から……(吉田(統)分科員「じゃなくて、僕の聞いた質問に答えてください。指導してほしいということを言っている。するのかしないのか、このままでいいと思っているのかということを聞きたい」と呼ぶ)在り方についても含めてということだろうと思います。  御指摘のとおり、様々な研究プロジェクト、これは何もiPSに限ったことでは当然ございませんので、iPSとか幹細胞遺伝子を含めた研究を幅広く支援を行うという視点でもって考えていかなければいけないと考えておりまして、この点については、引き続き、多様なシーズがあることを十分配慮しまして、再生それから細胞医療、遺伝子治療の実用化に向けて、研究開発状況を把握をしながら、適切な予算配分に努めてまいりたいと考えております。
  160. 吉田統彦

    吉田(統)分科員 適切な予算配分を考えてください。本当にそこなんですね。しっかりと、いろいろな研究がありますから、大臣がリーダーシップを取っていただきたい。  では、大臣にまた聞いていきます。  網膜色素変性という病気、これは、現時点で有効な治療法がなく、失明に至る目の悪性疾患ともいうべきものですが、一種の症候群のようで、原因遺伝子は様々あります。しかし、現在、この網膜色素変性は、遺伝子検査が保険収載されていないため、遺伝子治療に至る道を阻害しています。  網膜色素変性は遺伝子が影響していることはもう分かっていて、現時点で人類において可能な遺伝子治療によって、寛解、進行を遅らせる、ないしは現時点で治療困難なのかということも分かるんですね。そうすると、遺伝子治療が出てくると治療法が変わってくるので、遺伝子検査は必須であります。  病因遺伝子も無数にあるものですから、元の原因遺伝子ですね。日本人でも、三十以上の遺伝子の全エクソンを次世代シーケンサーで調べて、やっと遺伝子診断率が三〇%ぐらい。つまり、手間がかかるんです、大臣。業者が受けてくれるかという問題があるわけですね。  今、その技術に応じた点数をこの網膜色素変性症の遺伝子検査としてつけなければいけません。しかし、現時点では、遺伝子検査のマックス、遺伝子検査は様々ありますね、三千八百から八千でしたっけ。マックスが八千点なんですね。よって、この遺伝子検査を網膜色素変性に関しては受けてくれる企業がなかなかない状況です。  そもそも遺伝子検査は本来必須であるのに、診断基準のガイドラインの中に遺伝子検査が必須とされていないため、それによって保険収載されていないということもあるんだとは思います。  少し前だったら、これでまあしようがないだろうという話になるんですが、時代が変わって治る可能性がある状況になってきていますので、大臣、ガイドラインもやはり手直しすべきですし、遺伝子検査の保険収載をすべきだと思いますけれども大臣、どうですか。
  161. 田村憲久

    田村国務大臣 今の話ですけれども、これは体外診断用医薬品の話ですか。(吉田(統)分科員「いえいえ、違います」と呼ぶ)じゃなくて、遺伝子検査全体の話。(吉田(統)分科員「遺伝子検査全般です。それは後でもう一問、次の問いでお伺いしますので」と呼ぶ)ラクスターナの話でもない。(吉田(統)分科員「それも後です」と呼ぶ)  申し訳ないですけれども、私のところに答弁書が来ていないので、ちょっと申し訳ありません。
  162. 浜谷浩樹

    ○浜谷政府参考人 網膜色素変性症の遺伝子検査の取扱いということでよろしいでしょうか。(吉田(統)分科員「保険収載すべきだということが一つの趣旨です」と呼ぶ)  保険収載につきましては、体外診断用医薬品として保険収載する方法と、自家調整検査法……(吉田(統)分科員「じゃ、いいです。分かりました。一旦ちょっと整理しますので」と呼ぶ)
  163. 吉田統彦

    吉田(統)分科員 要は、端的に保険収載を今のるるの理由ですべきなんじゃないかということを言っているだけなんです。それは次の問いと混ざっちゃっているから、丁寧にやっても、しようがなくなっちゃった。  次に行きますよ。  重症網膜色素変性に対する遺伝子治療のためには、さっき言ったように遺伝子型が分からないと駄目なんですね。やはりガイドラインに遺伝子検査を明記して、遺伝子検査を保険収載する必要があります。そう言っておきますので、しっかりやってください。  さらに、その上で、FDAで承認された重症型の網膜色素変性に対する遺伝子治療薬、ラクスターナの日本の承認がされていないということですね。これは、ほっておくとこのまま失明しちゃうわけですけれども、この遺伝子治療薬を使うとある程度進行が抑えられる画期的なものです。  感覚器の目の失明というのは、大臣はお詳しいんですけれども社会的失明というのは本当に多くのものに影響を与えます。仕事ができなくなりますよね。納税できなくなります。そして、逆に福祉を受ける側に回ってしまう。非常に重要なことなんです。  そういった中で、日本は非常に遅れているんですが、ここで、次の問い、さっき御準備されたものなんですが、こういった問題点を克服するためには、臨床試験として有効性が示されたとしても、さっきおっしゃった保険収載されたIVDで適用判定しないと治療適応の判定とならない点というのも大きいと思います。これは遺伝子治療全般において申し上げるんですが。  すなわち、現在、保険収載されたIVDがないということであると、治療薬の保険収載がずっと先になっちゃうわけですよ。分かりますよね。つまり、二段階で遅れるわけです。  これを防ぐためには、IVDとして承認されたものでなくても、LDTの遺伝子検査の判定をもって治療適応の判定とするべきと考えますが、いかがですかという問いは多分お答えができると思います。これは大事な問題なので、お答えくださいね。
  164. 浜谷浩樹

    ○浜谷政府参考人 済みません、失礼しました。  御指摘の網膜色素変性症の遺伝子検査における自家調整検査法、LDTの取扱いにつきましては、現在、治療薬についても開発中とお聞きしておりますけれども、そういった開発状況等を踏まえながら、治療薬が必要な患者に適切に提供されるように、当該検査の臨床上の有用性、それから質の確保の方法も含めて、中医協でしっかり検討してまいりたいと考えております。
  165. 吉田統彦

    吉田(統)分科員 ちょっとピント外れなんです。分かっていらっしゃるんでしょうけれども、私の質問は。  要は、大臣は実は分かっていらっしゃいます、さっきうなずいて聞いてくださっていますから。もう一回言いますけれども、これは大臣にお伺いしますけれども、だから、IVDで適用判定しないと治療適応の判定とならないと、二段階、律速段階が出ちゃうわけですよ。  だから、そうじゃなくて、LDT、自家調整試薬ですかね、日本語に訳すと。大臣はお分かりになると思いますが、ラボとかアカデミアとかで作ったオリジナルのそういったものも、一定程度のルールをつくって、それで遺伝子検査の判定をして治療適応の判定とするということを認めないと、二重三重に今の日本のシステムだと今後遅れていきますよということなんです。  これは非常に大きなポイントになります。日本の基本的な科学分野が、特に医療に関してやはり遅れていく要因の一つがこういう点なんです、大臣。なので、ここをやはり規制改革、規制緩和ということになりますよね、こういった部分に関しては。しかし、こういったところをブレークスルーしないと、問題意識を持っていただかないと、世界からどんどんどんどん遅れていきます。ただでさえ遅れるのに、二段階遅れるわけですから。  大臣、ちょっとここを問題意識を持って、こういった部分の規制改革、せっかくすばらしい大臣を持っていらっしゃるときにやってもらわないと、大臣も替わっていくわけですから、しっかりと大臣、いい答えを、日本の今、研究者がみんな見ていますよ、大臣。是非いいお答えを下さい、最後に。
  166. 田村憲久

    田村国務大臣 十分理解しているかどうかよく分からないんですが、多分、IVDは、実際問題、先ほど言われたように、それ自体余り利益が出ないというか、要はそこに商機がないのでそういうものがないという中で、じゃ、どうするんだというときに、言われたとおり、LDTを認めるべきではないかという話なんだろうと思います。  それはおっしゃられるとおりなので、先ほど言ったのは、中医協で認められればみたいな話をしておりましたけれども、実際問題、研究が滞ってまいるとこれは問題がありますし、治療が滞るともっと問題が出てまいりますので、そういうことも含めてちょっと検討させていただきます。
  167. 吉田統彦

    吉田(統)分科員 もう終わります、まとめます、時間なので。  大臣、役所に聞くと、これは大臣、慎重にやった方がいいと言うに決まっていますから、世界のもうちょっと広くウイングを大臣には見ていただいて、役所のアドバイスはもらっても結構ですけれども、その場面を大臣の力で突破していただきたいと最後にお願い申し上げて、質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  168. 橋本岳

    橋本主査 これにて吉田統彦君質疑は終了いたしました。  次に、佐藤英道君。
  169. 佐藤英道

    佐藤(英)分科員 公明党の佐藤英道です。  田村大臣、連日、大変に御苦労さまでございます。  今日は、新型コロナウイルスワクチン接種をテーマに質問をさせていただきたいと思います。  コロナ収束の切り札となるワクチン接種が、先週二月の十七日、医療従事者から始まりました。希望する全ての人を対象とする大事業でありますが、必ず成功させなければならないと思います。  医療従事者に対する接種は国や都道府県が取り組み、その他の人への接種は市区町村が実施主体となります。自治体によって人口規模や財政力などが異なるため、準備の進め方なども様々であります。  このため、私自身、地元北海道の札幌市や旭川、函館市、七飯町、石狩市、北広島市、江別市の首長さんなどからワクチンの円滑接種に向けての課題や要望についてお話を伺ってまいりました。  今日は、その中から特に重要と思われるものについて何点かお伺いさせていただきます。  初めに、ワクチン接種について、一般的な相談は市町村、効果の持続や副反応など専門的な相談は都道府県対応するとされております。  この都道府県対応する専門的な相談体制について、医療機関からの相談や重大な副反応の発生時にも対応できるよう、二十四時間体制を求める意見もございました。  国として、これら相談体制の在り方について、御見解を伺います。
  170. 正林督章

    ○正林政府参考人 お答えします。  新型コロナワクチンに関する相談体制について、都道府県においては、接種後の副反応など医学的知見が必要となる専門的な相談に対応いただくべく、三月半ばを目途にコールセンターを開設できるよう準備を進めていただくこととしております。  本コールセンターについては国として一律に二十四時間対応を求めるものではありませんが、各都道府県に対しては、別途、様々な症状に総合的な対応ができる専門的な医療機関確保いただくようお願いしているところであります。  こうしたことを含め、各都道府県整備する医療提供体制の中で、接種後に副反応が生じた方が緊急時でも必要な相談や医療が受けられる体制確保していただきたいと考えております。
  171. 佐藤英道

    佐藤(英)分科員 接種後十五分、三十分待機されますけれども、やはり初めてのことでありますので、夜夜中、大変に不安に思って、どこに相談したらいいかというような事態も考えられますので、是非御検討をいただければと思います。  次に、ワクチンによる健康被害が出た場合の対応について、実施主体の市町村は様々な不安を抱えて準備に当たっているという実態があります。国や都道府県によるバックアップをお願いしたいという声も上がっておりますが、原則は、予防接種法に基づき、市町村市町村としての役割を果たしていただくというのが厚生労働省の考えだと承知しておりますが、改めて御見解を伺います。
  172. 正林督章

    ○正林政府参考人 お答えします。  新型コロナワクチン接種により健康被害が生じた場合には、接種に係る過失の有無にかかわらず、改正後の予防接種法に基づく健康被害救済制度の対象となります。  通常の予防接種においても、申請の受付や給付に関する事務は市町村に行っていただいているところでありますが、新型コロナワクチン接種においても、改正後の予防接種法に基づいて同様に実施することとしており、さらに、接種に要する費用については、厚生労働大臣都道府県知事を通じて市町村長に指示をして行うことから、国が全額費用負担するものであり、市町村の事務の実施が円滑になるよう、丁寧な情報提供をすることなどによって自治体支援に努めてまいりたいと考えております。
  173. 佐藤英道

    佐藤(英)分科員 また、国民に対し、お一人お一人がリスクとベネフィットについて冷静な判断をするのに必要な情報提供を更に広く丁寧に時間をかけて進めていただきたいと思います。  また、ワクチン接種を材料にした新手の詐欺も現れてきております。正確な事実を伝えていく必要性も高まっています。  政府には、テレビやインターネットの広告や、LINE、ツイッター、フェイスブックといったSNSなど、国民に身近なコンテンツを活用し、より積極的な情報提供に努めていただきたい。  見解を伺います。
  174. 内山博之

    ○内山政府参考人 お答え申し上げます。  委員指摘のとおり、新型コロナウイルスワクチンについては、副反応や効果を含め、科学的見地に基づいた正確な情報を国民皆様に対して丁寧に伝えることが重要と考えております。  こうした観点から、国民向けの情報発信を強化するため、首相官邸ホームページに特設ホームページを開設いたしました。また、首相官邸ツイッターに専用アカウントを開設し、ワクチンに関する最新の情報やワクチン詐欺への注意喚起等を提供しているところでございます。  これに加え、テレビCM等についても現在検討を行っているところでございまして、今後も様々な媒体を通じた情報提供により、国民皆様に正確な情報を早くお届けできるよう取り組んでまいりたいと考えております。
  175. 佐藤英道

    佐藤(英)分科員 是非、鋭意、臨機応変に、スピーディーに対応をお願いしたいと思います。  次に、ワクチン接種を円滑に進めるに当たって、最も困難が予想される一つが離島であります。北海道におきましても、利尻島や礼文島、また天売島、焼尻島、奥尻島などがありますが、島ごとに人口も違う上、医療へのアクセスはもちろん、島への移動自体に気象条件が限定される場合もあり、相当丁寧な準備を行わなければ混乱は免れないと思われます。  我が党からも、二月の十三日、菅総理にお渡しした、円滑な接種体制の確立に向けての政策提案にも、離島への対応をしっかりとお願いしておりますが、特に、必要に応じて自衛隊の医療チームを派遣するなど、特段の配慮をいただくようお願いしたいと思っております。  離島での接種事業についての大臣の御見解を伺います。
  176. 田村憲久

    田村国務大臣 ワクチン接種、それぞれの自治体にそれぞれの事情があられると思います。特に、言われたような離島を抱える地域は、これは本当に大変な状況の中でワクチン接種対応をいただかなきゃいけないということでありまして、御党からそういう提言書をいただいたということで、我々も参考にさせていただきたいというふうに思いますが。  今やはり五百人未満の高齢者のところに関して、離島で、これは離島だけじゃなくて、町村なんかでもちっちゃいところはそういう対象になるんですが、そういうところに関して、優先順位だといって何時間もかけて持っていって、他の方々は打たないという話になると、ちょっとこれまた、全体のオペレーションとしても非効率になるということもございます。  ワクチンが十分に高齢者以外の部分も供給ができるということが前提になりますけれども、そういう離島に関しましては、高齢者以外の方々にもしっかりワクチンが打てるような、そういうオペレーションもそれぞれの自治体で御判断をいただきたいというふうに思いますし、そもそもワクチンを小分けして運ぶ場合、三時間ぐらいという目安はありますが、これも離島は無理な話でございますので、それ以上時間がかかってもいいというような形で対応を考えていただく。様々な問題があると思います。  いずれにいたしましても、地域の実情に応じて、費用もかかる話でございますので、先般補助金を倍額にしましたが、それもまた一つの目安でございますから、本当に必要なもの、合理的に必要なものに関してはしっかりと国の負担で対応させていただくということでございます。  各自治体で、また離島自体が一つの自治体というところもあろうというふうに思いますけれども、様々な検討をしていただきながら、しっかりと住民の方々ワクチン接種いただきますように、御協力をお願いいたしたいというふうに考えております。
  177. 佐藤英道

    佐藤(英)分科員 ありがとうございます。力強いお言葉であると思います。  ただ、離島で感染症が勃発すると、医療体制も逼迫するような状況になり、非常にやはり大変なことになりますので、本当に大変な地域についてきめ細かな対応をよろしくお願いしたいと思います。  次に、V―SYSについて伺います。  V―SYSは、医療機関自治体医療品、医薬品卸業者の間でのワクチンの流通を円滑に行うシステムであります。一部で指摘されているのは、医療機関と市区町村がワクチン接種データをそれぞれ手作業で入力する必要があり、小さな医療機関においてもこの作業を確実にやっていただかないと、後で接種証明が必要となったときに記録不明のケースが出てくるのではないかとの懸念が寄せられています。この作業についてどのように徹底していかれるのか、伺います。  あわせて、接種するワクチンにもバーコードがついているのであれば、これも読み込んでデータに反映されるようにすれば、更に入力が簡略化されるという意見もいただいておりますが、事実関係も含めて、御見解をいただきたいと思います。
  178. 正林督章

    ○正林政府参考人 お答えします。  円滑なワクチン流通を実現するために、厚生労働省としては、ワクチンの配分量等の情報を共有できるシステム、御指摘のV―SYSを構築することとしており、二月十五日に本格稼働を開始したところであります。  V―SYSの構築に当たっては、医療機関が入力する項目を接種順位別の接種者数のみとするなど、できるだけ医療機関の負担にならないように配慮をしております。また、入力が困難などのやむを得ない場合には、市町村が代行入力することも可能としているところであります。  厚生労働省においてこれらの事項を丁寧に説明することを通じて、接種実績が滞らないように取り組んでまいりたいと考えております。  バーコードに関しては、内閣官房が所管しております。
  179. 内山博之

    ○内山政府参考人 御答弁申し上げます。  内閣官房で今検討させていただいております、マイナンバーを活用して、自治体において逐次把握するワクチン接種記録システムでございますけれども、このシステムにつきましては、現場での実務を十分に踏まえて検討する必要があると考えてございまして、接種現場での入力をバーコードやOCRの十八桁の数字の読み取りで可能とするよう、現場で追加の作業負担ができるだけ発生しないように、早急に検討を進めているところでございます。
  180. 佐藤英道

    佐藤(英)分科員 V―SYSについては、各自治体が非常に不安も抱いているのも事実でありますので、是非、現場の混乱がないように進めていっていただきたいと思います。  次に、今回のワクチン接種事業では、職場での接種や異なる市町村での接種を行う場面が想定されますが、これに対応するために、新しいワクチン接種記録システムを内閣官房が中心になって検討を進めていると承知しています。二つのシステムを自治体が戸惑いなく利用していけるよう、万全の準備をお願いしたいと思います。  特に、市町村ごとに違う予防接種台帳のデータシステムが存在しており、御説明では、CSVでのデータのエクスポート、インポートで対応できると聞いておりますが、間違いなく対応できるかを全ての自治体で確認する必要があると思います。しっかりと準備を進めていただきたいと思いますが、見解を伺います。
  181. 内山博之

    ○内山政府参考人 御答弁申し上げます。  個人単位の接種状況等を、マイナンバーを活用して、自治体において逐次把握するワクチン接種記録システムの構築に取り組んでいるところでございますけれども、御指摘のとおり、このシステムのデータベースに登録する接種券番号、マイナンバー等をCSVファイルとしてアップロードする際に、自治体側の接種台帳システム等の更改を要する自治体が一定数あることは承知してございます。  具体的なシステム上の制約がどの程度存在するかどうか、全市町村対象として調査を行っており、個々の自治体やシステムベンダーと調整をしながら、できる限り自治体の負担にならない形でのデータ入力ができるよう、早急に検討してまいりたいと考えております。
  182. 佐藤英道

    佐藤(英)分科員 よろしくお願いします。  次に、新型コロナウイルス感染拡大防止のために、人の移動を控えていただく取組を進めておりますが、その影響を受けて、多くの事業者が大変に困難な状況に陥っています。  特に、観光業界への影響は甚大です。私の地元北海道では、昨年一月二十三日の中国の武漢封鎖以来、九割減や十割減という状況にもなりました。  私も昨年の一月末から、道内各地の温泉観光地などの観光協会や、旅館、ホテル、お土産屋さん、バス、タクシーなど、広く観光関連の事業者の方々に直接お話を伺ってまいりました。GoToキャンペーンなどでも何とか六割ほど需要が回復しましたが、秋ごろから感染が拡大し、徐々に苦しくなり、キャンペーンが中断され、緊急事態宣言に至って、再び壊滅的な打撃を受けております。  人の移動制限による影響を受けた事業者への新たな一時支援金が、中堅・中小法人に六十万円、個人事業主に三十万円給付されますが、全く足りないという窮状です。  我が党では、今回のワクチン接種で必要となる人手について、そうした方々の雇用の場を創出するよう、うまく活用していくべきであると訴えてまいりました。  例えば、観光需要の激減で仕事がなくなった事業者が保有するバスなどを、接種後の健康観察場所として接種会場に配置して利用することができれば、観光事業者なども、社員も仕事が生まれるわけであります。  また、外国人旅行者の急増に伴って創設された通訳案内士という仕事がありますが、やはり昨年来、全く仕事がありません。この通訳案内士には、医療用語などの研修を事前に実施し、ワクチン接種会場で日本語の通じない外国人の方々との意思疎通を図る、通訳案内士を介して行うなども可能ではないかと考えます。  こうしたワクチン接種と仕事、雇用の創出について、個別の検討状況取組状況について伺います。
  183. 田村憲久

    田村国務大臣 ワクチン接種というのは一大プロジェクトでございまして、そういう意味もあって、菅内閣で担当の河野大臣を任命をいただいたわけであります。そういう意味では、多分、いまだかつて我が国でやったことのないような大々的な接種体制を組んでいかなきゃならない。当然、市町村接種主体でありますので、そういう意味では、市町村の業務が、平常の業務とは比べ物にならないような仕事が出てくるわけであります。  そこで、実は、雇用という面から見ると、雇用・訓練パッケージというのを、今般このコロナの中で厚生労働省はつくらせていただきました。その中で、接種体制のための言うなれば雇用、それからあと水際対策、さらには地方創生臨時交付金、これでそういう雇用の創出事業ができますので、こういうもので十万人ぐらいの雇用、もちろん一時的な雇用ではあるんですけれども、そういうものをつくれないかということで打ち出させていただいておりまして、その意味では、いろいろなものはあるんですけれども、その中で、ワクチン接種という意味で、今委員が御提案されたいろいろな雇用の創出方法はあると思います。  まさに、それぞれの得意分野を生かしていただきながら対応いただくということが重要であります。それぞれの地域で是非ともいろいろな御工夫をいただいて雇用をお守りをいただければ我々もありがたいと思いますし、我々もそのためにいろいろなお手伝いができればというふうに思っております。
  184. 佐藤英道

    佐藤(英)分科員 ありがとうございます。  是非とも、市町村また都道府県の様々な取組について、是非、後押しをお願いしたいと思います。  次に、新型コロナ感染症は、蔓延する国を残せば、ウイルスの新たな変異の種を残すことになり、結果としてワクチン接種が無効化されかねず、世界的な取組を無に帰すおそれもあることから、ワクチン接種は世界が一体的に協力して取り組む必要があると思います。  アメリカのバイデン大統領は、十九日に開かれたG7で、COVAXファシリティーに四十億ドル、日本円で四千二百億円を拠出すると表明しました。心から歓迎したいと思います。  一方で、先週来、日本へのワクチンの到着が遅れることが明らかになってきました。これによって日本での接種スケジュールが後ろ倒しになっていく公算が高まっているわけでありますが、国によって接種の進展には差が生じていますが、比較的ワクチン確保がうまくいっている先進国の一角を占めている日本ですら供給が遅れるわけですから、途上国においても大きく遅れることが懸念されます。  我が国への供給の迅速化と併せて、途上国への早期供給が実現されるよう、国際社会に対し、日本からもしっかりと声を上げていく必要があると考えます。御見解を伺います。
  185. 岡田恵子

    ○岡田政府参考人 お答え申し上げます。  新型コロナ感染症の収束のためには、国内のみならず、世界全体で安全で有効なワクチンなどへの公平なアクセスが確保されることが必要でございまして、我が国はそのための国際的枠組みを支援してきております。特に、COVAXファシリティーにつきましては、開発途上国向け支援としまして二億ドルの拠出を表明するなど、世界全体におきます公平なワクチン供給に貢献しております。  今後とも、ワクチンの途上国への早期供給が実現されるよう努めてまいります。
  186. 佐藤英道

    佐藤(英)分科員 是非お願いをしたいと思います。  次に、SDGsは誰も置き去りにしないということをうたっておりますが、医療や健康の分野こそ、誰も置き去りにしてはならない、最も格差の少ない分野であらねばならないと考えます。  一人一人の人権、それも基礎的な人権である生存や健康に生きる権利は、社会的弱者にまで平等に担保されるべきものと考えます。また、感染症においては、それがひいては全体のレジリエンスの強化につながるからであるというのは、先ほどまでの質問にも述べさせていただいたとおりであります。  さて、日本国内には、二〇二〇年三月現在で二万二千人以上の不法残留者がおります。これを不法在留にまで広げれば、当然、もっとおります。取り締まって在留資格のない外国人の違法状態を放置しないということは、当然大事なことであります。が、こうした不法在留と言われる人たちの中にも、既に日本に生活の基盤を持ち、よき隣人として日本の社会の構成員として活躍している方々も大勢いるというのも事実であります。また、中には、自分の意思とは関係なく、生まれたときから不法在留の状態で、さらに、無国籍となっている人たちもおります。これらの方々にも新型コロナワクチン接種する機会が必要ではないかと考えます。  今後、更に毒性の強いウイルスなどによるパンデミックが起きないとは限らないことを考えれば、この不法在留者と感染症のコントロール、特にワクチン接種については、人権や人道の観点と感染症対策の観点という両面から整理をしておく必要があると考えます。  以前は外国人登録制度がありましたので、市町村の判断で居住実態が確認できれば予防接種等が受けられることになっておりましたが、現在はどうなっているのか。また、どう考えていくべきなのか、御見解を伺いたいと思います。
  187. 正林督章

    ○正林政府参考人 お答えします。  非正規滞在者の取扱いについては、現在、関係省庁と調整中でありますが、仮放免や出国命令手続の中で、地域に居住している者については、自治体に申請することで接種可能とすることを検討しております。  また、可能な限り多くの方に接種をいただく観点から、御指摘の、特段手続を行っていない非正規滞在者、いわゆる不法滞在者については、まずは出頭等の手続を踏んでいただき、仮放免等の段階に入ったときに接種対象となる形を想定しております。
  188. 佐藤英道

    佐藤(英)分科員 是非ともきめ細かな対応をよろしくお願いしたいと思います。  最後でありますけれども、公明党は党内に新型コロナウイルスワクチン接種対策本部を設けまして、関係省庁との意見交換などを行い、各都道府県本部にも対策本部を設置し、自治体との連携に努めているところであります。引き続き、国と地方のネットワークを生かし、行政の取組を後押ししていく決意を申し上げまして、私からの質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  189. 橋本岳

    橋本主査 これにて佐藤英道君の質疑は終了いたしました。  次回は、明二十六日金曜日午前九時より本分科会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時二分散会