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2021-05-10 第204回国会 衆議院 予算委員会 第20号 公式Web版

  1. 会議録情報

    令和三年五月十日(月曜日)     午前八時五十八分開議  出席委員    委員長 金田 勝年君    理事 後藤 茂之君 理事 齋藤  健君    理事 橋本  岳君 理事 藤原  崇君    理事 細田 健一君 理事 山際大志郎君    理事 奥野総一郎君 理事 辻元 清美君    理事 浜地 雅一君       秋葉 賢也君    秋本 真利君       伊藤 達也君    石破  茂君       今村 雅弘君    岩屋  毅君       江藤  拓君    衛藤征士郎君       小倉 將信君    鬼木  誠君       神山 佐市君    城内  実君       佐々木 紀君    田中 和徳君       武部  新君    根本  匠君       野田  毅君    原田 義昭君       福田 達夫君    福山  守君       古屋 圭司君    村井 英樹君       盛山 正仁君    八木 哲也君       山本 幸三君    渡辺 博道君       今井 雅人君    枝野 幸男君       大西 健介君    逢坂 誠二君       岡田 克也君    岡本 充功君       川内 博史君    玄葉光一郎君       後藤 祐一君    本多 平直君       山井 和則君    吉川  元君       早稲田夕季君    太田 昌孝君       國重  徹君    濱村  進君       清水 忠史君    藤野 保史君       藤田 文武君    玉木雄一郎君       西岡 秀子君     …………………………………    内閣総理大臣       菅  義偉君    財務大臣         麻生 太郎君    総務大臣         武田 良太君    外務大臣         茂木 敏充君    文部科学大臣       萩生田光一君    厚生労働大臣       田村 憲久君    経済産業大臣       梶山 弘志君    国土交通大臣       赤羽 一嘉君    防衛大臣         岸  信夫君    国務大臣         河野 太郎君    国務大臣         坂本 哲志君    国務大臣         西村 康稔君    財務大臣        伊藤  渉君    政府参考人    (文部科学省初等中等教育局教育課程総括官)    串田 俊巳君    政府参考人    (厚生労働省大臣官房高齢障害者雇用開発審議官) 達谷窟庸野君    政府参考人    (厚生労働省医政局長)  迫井 正深君    政府参考人    (厚生労働省保険局長)  浜谷 浩樹君    政府参考人    (国土交通省道路局長)  吉岡 幹夫君    政府参考人    (防衛省大臣官房衛生監) 椎葉 茂樹君    予算委員会専門員     小池 章子君     ――――――――――――― 委員の異動 四月二十七日  辞任         補欠選任   菅原 一秀君     城内  実君 五月十日  辞任         補欠選任   石破  茂君     八木 哲也君   うえの賢一郎君    鬼木  誠君   河村 建夫君     武部  新君   北村 誠吾君     盛山 正仁君   山本 有二君     福山  守君   逢坂 誠二君     枝野 幸男君   岡本 充功君     早稲田夕季君   本多 平直君     山井 和則君   森山 浩行君     吉川  元君   太田 昌孝君     國重  徹君   宮本  徹君     清水 忠史君   西岡 秀子君     玉木雄一郎君 同日  辞任         補欠選任   鬼木  誠君     福田 達夫君   武部  新君     河村 建夫君   福山  守君     山本 有二君   盛山 正仁君     北村 誠吾君   八木 哲也君     石破  茂君   枝野 幸男君     逢坂 誠二君   山井 和則君     本多 平直君   吉川  元君     森山 浩行君   早稲田夕季君     岡本 充功君   國重  徹君     太田 昌孝君   清水 忠史君     宮本  徹君   玉木雄一郎君     西岡 秀子君 同日  辞任         補欠選任   福田 達夫君     うえの賢一郎君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  政府参考人出頭要求に関する件  予算実施状況に関する件(内外の諸課題)      ――――◇―――――
  2. 金田勝年

    金田委員長 これより会議を開きます。  予算実施状況に関する件について調査を進めます。  本日は、内外の諸課題についての集中審議を行います。  この際、お諮りいたします。  本件調査のため、本日、政府参考人として文部科学省初等中等教育局教育課程総括官串田俊巳君、厚生労働省大臣官房高齢障害者雇用開発審議官達谷窟庸野君、厚生労働省医政局長迫井正深君、厚生労働省保険局長浜谷浩樹君、国土交通省道路局長吉岡幹夫君、防衛省大臣官房衛生監椎葉茂樹君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 金田勝年

    金田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――
  4. 金田勝年

    金田委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。橋本岳君。
  5. 橋本岳

    橋本委員 皆さん、おはようございます。自由民主党・無所属の会の橋本岳であります。  今日は、三十四分いただきまして、この予算委員会集中審議質疑をさせていただきます。よろしくお願いをいたします。  早速質問に入ります。  先週の金曜日、五月七日に、政府新型コロナ対策本部にて、緊急事態宣言及び蔓延防止等重点措置対象地域追加、それから五月三十一日までの延長、こういうことになりました。一方で、宮城県は蔓延防止等重点措置対象から外れる、こういうこともあって、これは、感染拡大が、宮城県、あるいは山形県なんかもそうですが、抑えることができたのでそうなったというところもあるわけですが、一方、いろいろなところで広がっているという現状もございます。私の地元岡山県も、最大の新規感染者数を最近更新し続けている、そんな状況もありました。全国的にまだまだ新型コロナウイルス感染症蔓延が止まっていない、こうしたことであります。  そのためそうした決断になったということはやむを得ないことだと思っておりますけれども、やはり、そうやって五月の三十一日まで延長したということは、そこでしっかりと抑え切るということが、まず新規感染者数を減らしていくということが大事なんだろうと思っております。  改めて、五月七日の決定について、総理からその所感を伺いたいと思います。
  6. 菅義偉

    菅内閣総理大臣 まず、今回の緊急事態宣言というのは、特に多くの人出が予想されるゴールデンウィークという特別な時期において、短期集中的な対策として、感染源中心である飲食対策に加えて、人流を抑える、そうした対策を講じたものであります。  この結果として、対策を講じる前や、また前回の緊急事態宣言と比べて人出が少なくなっており、人流の減少という所期の目的というのは達成したというふうに思っています。  一方で、新規感染者数は、今委員からお話がありましたように、大都市を中心全国に広まって高い水準にあり、大阪や兵庫などでは病床逼迫も続いている状況にあります。また、感染力が強いと言われる変異株拡大を続けております。  こうした状況を踏まえて、今般、緊急事態宣言延長をして、飲食やお酒を伴う機会の感染リスクを減らすなど、通常の時期に合わせて、高い効果の見込まれる措置決定をする、そういうことにさせていただいたものであります。
  7. 橋本岳

    橋本委員 延長前の時期、ゴールデンウィークについて、人流を抑える効果はあった、ただ、しかしながら、変異株拡大、流入というか置き換えが進み、これは感染力が強いと言われていますから、それだけで感染拡大を下火にするというところまで残念ながらいかなかった地域が多かった、こういうことであります。  そういう意味で、やはり感染拡大力が、まあ第三波という言い方をしますけれども、それまでとやはり違っているということを、政府皆様にもしっかり認識はしていただいていると思いますし、私たち認識をした上で、国民皆様にしっかり協力お願いをしていくということが引き続き大事なことであるというふうに考えております。  今総理からも御答弁をいただきましたけれども、やはり、ここは総理を筆頭に、今日もそういう場なんですけれども、しっかりとそうしたことを国民皆様にお伝えをいただいて、やはり、いろいろな対策というのはあるんですが、何よりもきちんと新規感染者方々を減らしていく、それが、病床逼迫を抑え、様々な国民経済を守るということにもつながっていくわけでありますから、改めてそうしたことを徹底をしていただくこと。  また、その中で、これはもう以前にも質問申し上げましたので改めて繰り返しませんが、質問にはしませんが、いわゆる三密というものをきちんと回避をしていくということを日頃から心がけていただくこと、あるいはマスクの着用、それから手を洗っていく、手指衛生というものを、外出から帰ってきたときだとか、御飯を食べる前、後だとか、お手洗いの後とか、そうしたことに徹底をしていく、そうした基本的な感染対策をいま一度、改めて、どんなに感染力が強いウイルスであっても対策は同じでありますので、そのことをしっかり徹底していくということを、私たちも肝に銘じながら、また、政府皆様にもそうしたことを事あるごとにおっしゃっていただくということをお願いしたいと思っております。  さて、その中で、今、残念ながら、新規感染者が急に拡大をするという状況がありますと、これまで病床拡大というものに取り組んできていただいていますが、これは、指数関数的に感染拡大というのは増えていきますので、追いつかないという事態というのは起こって、実際にもう既に起こっております。幾つか私の知るところでも、もう病院に、岡山でもそういう声が聞かれ始めておりますけれども、まず保健所に電話がつながらないとか、あるいはその先の入院先がない、救急車を呼んでも行き先がない、そうしたお話も聞こえるようになっておりまして、自宅あるいはホテルでの療養という方が増えているという実態があります。  そうした中で、やはり武器というのは必要なわけでありまして、きちんといろいろな薬、せめて何かしらの薬が置いていけるということが大事であります。  その中で、これは既に確認はしておりますけれども、訪問看護師などが訪問している現場があって、そして、ドクターの方と電話などでの診察ができる、そういう場面であっては、自宅あるいはホテルであっても、ハイリスクの薬、すなわちステロイドみたいなものが処方できるということだと聞いておりますが、改めてそのことについて、これは政府参考人からで結構でありますが、確認させてください。
  8. 迫井正深

    迫井政府参考人 御答弁申し上げます。  電話診療につきまして、現在、新型コロナウイルス感染症への対応として、時限的、特例的に、初診も含め、電話、オンラインによる診療を認める措置を実施しているところでございます。  医療安全性等観点から、初診からの電話診療で、診療録等により患者基礎疾患情報が把握できない場合には、委員今言及されましたけれども、ステロイド等ハイリスク薬を処方することはできないこととしてはおりますけれども、訪問看護師を通じて医師が患者基礎疾患情報を得られるような場合につきましては、ステロイドを始め必要な医薬品の処方が可能でございまして、引き続き、患者医療従事者の両方の安心、安全を確保する観点から、必要な対応を行ってまいりたいと考えております。
  9. 橋本岳

    橋本委員 結論からすれば、さっき私が申し上げたように、看護師現場にいる、そして、電話診療等が行えるという環境であればできる。それはケース・バイ・ケース初診によってとか再診になる場合とかありますけれども。  今、政府として、制度たてつけとして、本来できないんですけれどもこういう場合にはできますという、そういう答弁にならざるを得ないんだとは思いますが、分かりにくいんですよね。やはり前に言われたことの方が人間は印象に残るので、何か難しい条件があるかもしれないからしないでおこうみたいな話になると、場合によっては、救えた命が救えなくなるということにもつながりかねません。  そのことにつきましては、分かりやすくというか、こういうふうなことだったらできるということをはっきりと、様々な形での通知をしていただくように、既に今答弁あったような通知というのは出ているんですが、ただ、現場には必ずしも浸透していないようなところもあると思いますので、改めてそのことを、いろいろな形でお示しをしていただくようにお願いをいたします。  さて、やはりその中で、ワクチンについての期待というのは大変大きいものであります。もちろん新規感染者数を抑える様々な基本的な努力というのは必要でありますが、当然ながら、中長期に、コロナ禍というものの中で、ゲームチェンジャーになり得るのはワクチンであろう、私もそのように考えております。  そうした中で、先日の五月七日の総理の会見では、総理のお口から、一日百万回の接種目標とするでありますとか、七月末を念頭に、希望する全ての高齢者の方に二回の接種を終わらせるよう自治体をしっかりサポートしていく、こうした御発言がありました。具体的に目標示しお話をいただけることは大変心強いことであります。  一方で、じゃ、それがちゃんと実現をする、接種をちゃんとしていただくということが当然ながら大事なことでありまして、その実現に向けて、今現在、いろいろなところの話を聞きますと、やはりまだ混乱をしているようなところもありますし、後ほどまた申しますけれども、自治体からはしっかり供給をされるのかというふうな声もあったりもいたします。是非しっかりと、お話しいただいたことをどのようにして実現をしていくのか、その方策についてお尋ねをしたいと思います。
  10. 河野太郎

    河野国務大臣 総理から、七月末までに、それぞれの自治体接種を完了するようにという御指示ございました。  自治体心配しているのは二つありまして、一つは、供給スケジュールが示されるかどうか。これは、既に、六月末までに、それぞれの自治体高齢者人口掛ける二のワクチンを二週間ごとにどれだけ供給するかというスケジュール自治体にお示しをいたしました。恐らく多くの自治体が、ゴールデンウィーク明けましたので、接種を本格化させると思います。  また、打ち手の数を増やしていくために、医療従事者に対して追加財政的支援ということも認めていただきました。また、コロナワクチン接種に関しては、看護師さんの派遣というのも特例で認めていただきましたのと同時に、潜在的な看護師さん、百三十万円の扶養から超えることを気にされている方が多かったものですから、そこは今回扶養から外れないということも周知させていただいたところでございます。  また、五月の後半に追加の新しいワクチンの承認が視野に入ってまいりましたので、そうしたワクチンを使いながら、大規模接種を国あるいは都道府県などで始めていきたいというふうに考えておりまして、東京大阪につきましては、自衛隊医官看護官協力を得て、五月の下旬からスタートさせてまいりたいと思います。  今後とも、自治体要望を聞きながら、的確に国として自治体のサポートをしてまいりたいと考えているところでございます。
  11. 橋本岳

    橋本委員 河野大臣から幾つかの具体的な取組をお示しをいただきました。特に、先ほどの百三十万円の壁みたいな話は、実は最近まで私も、これは大丈夫なのかという問合せがあったりいたしまして、既にそうなっているんですけれども、いま一層周知をしていただくことがやはり大事なのかなというふうにも感じたところであります。  また、自民党といたしましても、それぞれの議員が地元自治体と連携をしながら、七月末までの接種というものをしっかりサポートしていこう、こういうことになっておりますが、私も連休中に確認をしてみたところちょっと心配がありまして、既にお話しいただいているように、供給量についてはお示しをいただいているわけですが、本当に来るのということを、これまでどういうことがあったのか分かりませんが、心配向きがある、これはしっかりやっていただきたいと思うのと、大阪東京の大規模センターができる、そこに、自治体に来るものをそっちの方で使っちゃうんじゃないかという心配をしている向きがあったので、自治体で使う分を減らしてそっちの方にワクチンが行っちゃうんじゃないかというような心配がありました。  ちょっとその点について、もし補足をいただければ、河野大臣お願いします。
  12. 河野太郎

    河野国務大臣 今自衛隊お願いをしようとしております東京大阪の大規模接種会場、あるいは、愛知県、群馬県、埼玉県などが今大規模接種会場設置を進めていただいておりますけれども、これは、五月末に承認される新しいワクチンをそこは使っていただくということで今準備を進めているところでございます。  自治体にお約束をいたしました六月末までのファイザーのワクチンにつきましては、お示しをした二週間ごとスケジュールに沿って的確に流してまいりたいと思っておりますし、前倒しの御要望があれば、調整枠の範囲内ではありますけれども、積極的に対応してまいりたいというふうに思っておりますので、ワクチン供給については御心配は要らないというふうに思っております。
  13. 橋本岳

    橋本委員 ありがとうございます。  恐らく地元でも心強く聞いているのではないかと思いますけれども、やはり、自治体自治体で、予約を取ったり様々な手配をするということで、事前にしっかり示していただいたものが、ちゃんと来るということが来ないと現場で本当に混乱をするということになります。そうした点について御心配なくという言葉でありましたので、そのように準備を進めるということがこれからの課題ということになるのであろうと考えております。しっかりと進めていただきたいと思います。  その上で、防衛大臣お尋ねをしたいのですが、先ほどお話がありました、東京大阪で大規模接種センター準備をされているわけでありますけれども、この準備状況、やはり都心部がどうしても遅れてしまいがちになるので、そこを助ける大変重要な役割を担うと思っております。しっかりと御準備状況を今教えていただきたいと思います。
  14. 岸信夫

    岸国務大臣 今お尋ねの大規模接種センターでございますが、今般、総理からの御指示をいただきまして、副大臣を長といたします大規模接種対策本部防衛省内設置をいたしました。  これまで、東京都と大阪府の接種センター現地確認、それから三回の対策本部というものを開催をいたしまして、五月二十四日を目標に、東京都につきましては大手町の合同庁舎第三号館、それから大阪府については大阪府立国際会議場グランキューブ大阪にそれぞれ大規模接種センター設置をいたします。ここを三か月間運営することといたしました。  新型コロナウイルス感染症対策、これはまさに、国家の危機管理上、重大な課題であります。そういう意味で、防衛省自衛隊としては、国民の命を、平和な暮らしをしっかり守っていく、この観点から、引き続き、大規模接種センター設置、運営に向けて全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。
  15. 橋本岳

    橋本委員 ここへの期待というのは大変大きいんだろうと思います。  先ほど自治体からワクチン供給についての心配があったということを申しましたが、その点につきましては、先ほど河野大臣に大丈夫だ、こういうお答えをいただきました。  あわせて、接種の記録なども当然自治体とシェアをしていかないといけない、ダブってしまうようなことになってはいけませんから、ということになります。その点につきましても当然ながらしっかりと御対応いただいている、原則的には接種券を持ってきていただくという形になるというふうにも聞いています。ただし、忘れても大丈夫みたいな話も、現地状況としてそうした対応もされるんだということを、事務的には伺ってもおります。  そうした中で、混乱なく、それは、現地の打っていただく方々もそうですし、自治体との関係という意味でも、混乱がなく、スムーズに、そして大規模に、安全に接種がされるようなことがまず大事であると考えておりますので、そうした点につきましてもしっかりと御注意をいただきながらこの準備を進め、そして実現をしていただきたい、このように考えておりますので、よろしくお願いをいたします。  さて、そうした中で、経済雇用の問題ということも取り上げてまいりたいと思います。  コロナ禍がもう昨年来続いておりまして、そうした中で、経済全体がというわけでは必ずしもなかったりするんですが、やはり、業種あるいは地域によっては事業の継続がもう大変危ぶまれているような業種というのも存在をいたします。観光でありますだとか、あるいは運輸交通関係事業でありますとか、飲食なんかもそうであろうというふうに、もちろんほかにもまだまだあると思います。  そうした中で、雇用情勢そのものの数字を見てみますと、リーマン・ショック当時よりはまだ失業率などは低い水準、こういうふうになっているわけでありますけれども、そうしたものの下支えをしているのが雇用調整助成金であります。これはもう大変多くの企業方々が利用されておられて、助かっている、ありがたい、こういう言葉を聞くわけであります。  ただ、長期化をしますと、この雇用調整助成金というのは弊害も出てきます。それは、本来、経済が悪化をして、一時的な休業というものに対してその雇用の安定を図るというために雇用調整助成金はあるわけですが、これが長期化をしますと、仕事をしないでおられるところに給料の保障をしていくわけでありますが、その働く方、働く方なんですけれども休業をしているということがずっと長く続きながら、その状態が固定化をされていく。  特に今回、コロナ禍という中では、さっき申しましたように、厳しい業種があるけれども、一方で、人手が足りないような業種もあるということもまた事実でありまして、業種によってはむしろ人の手がもっと欲しい、足りない、猫の手もかりたい、こういうような業種もある中で、そこに人材供給がない、うまく流動化しない、こういうようなデメリットも、やはり長期化をすると、雇用調整助成金には出てくる。これは制度的には、もうそういう仕組みなので、あるんだろう、そういうふうなことも懸念をされるわけであります。  そこで、今、元の企業在籍をしたまま別の忙しい企業に出向してそこで仕事をしていただく、在籍型出向というものが注目をされておりますし、私も、そうしたものを推し進めていくことで、きちんと必要なところに人材供給をしながら、でも雇用は安定をさせているということが大事でありますので、この在籍型出向というのをこれからしっかりと進めていくことが、雇用経済の安定に大事なことであると考えております。  そうした中で、既に政府としても、昨年度の三次補正あるいは今年度の本予算でも、その在籍型出向対象とする助成制度産業雇用安定助成金といったものを準備をしていただいておりますし、また、マッチング体制の強化でありますとか、全国都道府県ごとにこれのための協議会設置をしていただく、先般、岡山でもしていただいたと伺っておりまして、木原補佐官にお出ましをいただいたと聞いておりますけれども、そうしたことを各地で取り組んでいただく、そうしたことを通じてこの在籍型出向というものを進めていこうとされていると伺っておりますが、その取組状況などにつきまして、是非、田村大臣から御披露をお願いをいたします。
  16. 田村憲久

    ○田村国務大臣 橋本委員おっしゃられますとおり、コロナ禍が長くなってまいりまして、もう一年を過ぎてまいりました。失業等々を何とか防いでいただくということで、企業にもお願いをさせていただきながら、雇用調整助成金、こういうもので、今まで失業率等々を一定程度、上がらないような対応をいただいてきているわけでありますが、言われるとおり、ずっと長くなってまいりますと、働いている方々のモチベーションという問題も出てまいります。  そのような意味で、在籍型出向、失業なき労働移動というような形の中で、政府といたしましても、これに強く取り組んでいかなきゃならぬということでございまして、今言われたとおり、このような対応の下で、令和二年度の第三次補正予算それから令和三年度予算で六百三十五億円計上をさせていただいております。  中には、今までもあります産業雇用安定センター、これのマッチング機能を更に強化をさせていただくでありますとか、それから、産業雇用安定助成金、五百八十億円計上させていただきながら、これは非常に使い勝手のいい内容にさせていただいております。例えば、給与でありますとか教育訓練経費、こういうものを十分の九補助をさせていただくということ、それから、送り出し、受入れ、それぞれ、人が、出す、来るということで、初めに初期経費がかかりますので、一人当たり十五万円の助成をさせていただく、こういうような形で対応させていただきながら、しっかりとこの在籍型出向というものを進めていこうと。  そして、今言われたとおり、在籍型出向等の支援協議会というものを四十七都道府県それぞれおつくりをいただいておるわけでありますけれども、こういう中において、例えば商工団体、それから連合等々、労働団体、労使共に入っていただき、そこにさらには、もちろん地方公共団体でありますとか、金融機関、関係省庁、こういうところが連携して、送り出し、受入れ、そういう企業の開拓でありますとか、それから、いい事例等々は横展開をしっかり進めていく。  このようなことを進めさせていただきながら、それぞれの地域でしっかりと根づいたというような、そういう対応をしていく必要がございますので、それぞれの自治体協力しながら、しっかりと、失業なき労働移動というような形の中で対応させていただきながら、働く方々のモチベーションもしっかりと保っていただくような、そのような対応をこれからも進めてまいりたいというふうに考えております。
  17. 橋本岳

    橋本委員 今お話をいただきましたような取組の中で、やはり、失業なき労働移動に取り組む、こういう言葉がありました。すごく大事なキーワードだと思っておりますし、これは産業界の方も、あるいは労働界の方々も、また、もちろん自治体始め関係方々も、しっかり今取り組まなければならないということで協力をしていただく、その体制として各地に協議会を設けていただいているということでありますから、大変いい取組でありますし、みんなでそれを促進していくのだということは大事であろうと思っております。  地域においてそうした取組があるということですけれども、当然ながら、これは政府全体としても、もちろん所管をするのは厚生労働省でしょうけれども、制度としての所管は厚生労働省でしょうが、やはりそれぞれの省庁が所管業種というのを持っておりますから、そうしたところにしっかりと、こうしたことに取り組んでいるということをPR、普及をさせていくでありますとか、あるいは好事例の横展開をしていくでありますとか、そうしたところで、やはり政府を挙げてのこうした取組というものが、やはり何よりも雇用を守るということは政治の責任でありますから、大事であろうと考えております。  そういう意味で、是非、総理からも、この在籍型出向というものを普及をさせていただく、そして雇用をしっかり守っていくんだということにつきまして、その御決意、意気込みをお伺いしたいと思います。
  18. 菅義偉

    菅内閣総理大臣 政権の最も大事なのは、やはり、雇用を確保して事業を継続させていく、極めて重要だというふうに思っています。国民の命と暮らしを守っていく、そこにつながるわけであります。  今議員から御指摘をいただきましたこの在籍型出向地域に浸透させるために、都道府県ごとに、労使団体や自治体関係者などで構成をされる協議会設置されており、その取組や御意見について、私自身も木原補佐官から報告を受けております。そして、全体として、こうした人材活用に対して皆さん極めて前向きであるというふうにも理解をします。  こうした御意見も踏まえる中で、在籍型出向がより進むような取組を実施するために、政府としてもしっかりと支援をしていきたい、このように思います。
  19. 橋本岳

    橋本委員 しっかり支援をしていきたいということでありました。雇用を守るという意味で大変大事なことであるというお話があったわけであります。  ただ、例えば雇調金などと違って、相手を見つけてそれでやっていく必要があるので、そのマッチングでありますとか、あるいは相手方の方、あるいは雇用を守りたい側の方、いずれにしても、周知啓発みたいなことをしていくということがやはりまだまだ必要なんだろうと思っておりますので、地域での取組と併せて、是非、政府全体での取組というものもお願いをしたいということでありますので、よろしくお願いをいたします。  さて、残り時間も大分限られてきましたので、少し違う話題に移りたいと思いますが、性的指向、性自認のテーマにつきまして、ここで取り上げたいと思います。  いわゆるLGBTの方々が、その当事者の方々が、例えばいじめでありますとか様々な差別でありますとか、そのほか、いろいろな悩み、困難を抱えながら生活をしておられるという現状と、生活だけではなくていろいろな場面で、教育だとか雇用だとか、そうした問題を抱えながら今おられるのだろうという事実は、私たちも重く受け止めなければならないと思っております。  そうしたことで、私は自民党内における性的指向・性自認に関する特命委員会という組織の事務局長などを務めておりますけれども、この問題に対して、現在、党内でも議員立法をしたいということで準備をしておりますし、既に立憲民主党さんなど野党の皆さんも法案を提出をしておられまして、内閣委員会にかかっているという状況だというふうに理解をしております。  これはオリパラというものも一つの契機になっておりまして、やはりそうした多様性をしっかり認めていくんだという中で、この問題につきましても日本政府としてしっかり姿勢を示していく、あるいは議員立法で国会としてもちゃんと取り組んで一定の結論を出して、更に先につなげていくということが大事であると考えております。  その法案が、それぞれの、私は目指すところは一緒だと思っておりまして、当事者の方々の困難あるいは差別、そうしたものをしっかりなくしていって、どなたも生きやすい社会というものを、暮らしやすい社会というのを目指していくんだという目的そのものは変わりはないと思っておりますが、あとは様々な考え方の違いがあるので、そこは協議をしていくということであります。  その前提といたしまして、一つ政府に見解をお尋ねをしたいと考えておりますが、日本国憲法第十四条というものがあります。「すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。」こうしたことが規定をされております。  この中で、性的指向あるいは性自認という言葉は入っていないわけで、言葉としては入っていませんが、ただ、「性別」という言葉は入っておりますので、性別というものの構成要素として、性自認でありますとか、性同一性という言い方もしますけれども、あるいは性的指向というものも含まれているというふうに、我々、自民党の特命委員会としては考えております。  したがって、どのような性的指向を持つ方であっても、どのような性自認を持つ方であっても、この憲法第十四条の法の下の平等、あるいは差別をされないという対象にあるのだ、含まれているのだというふうに考えております。  この点について、政府としての見解をお尋ねをいたします。
  20. 坂本哲志

    ○坂本国務大臣 一億総活躍担当大臣としてお答えを申し上げたいと思います。  委員御指摘のとおり、憲法第十四条の趣旨に照らしましても、性的指向、性自認を理由といたします不当な差別や偏見は決してあってはならないというふうに認識をしております。  政府といたしましては、このような認識の下、多様性が尊重され、そしてお互いの人権や尊厳を大切にし、生き生きとした人生を享受できる共生社会の実現に向けて、しっかりと取り組んでまいります。
  21. 橋本岳

    橋本委員 ありがとうございます。  不当な差別、偏見は許されないというお言葉がありました。大体、差別というのは、正当な差別というのはないのでありまして、差別、偏見は許されない。このことについては、性的指向、性自認の問題につきましても当然に当たるんだ、この前提を基に私たちとしてもしっかり協議をし、どのような案になるかはこれからですけれども、国会としての結論が出していけるように努力をしてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。  質問を終わります。
  22. 金田勝年

    金田委員長 これにて橋本君の質疑は終了いたしました。  次に、國重徹君。
  23. 國重徹

    國重委員 おはようございます。公明党の國重徹です。  コロナ対策の切り札、これは何といってもワクチンであります。ワクチンの幅広い接種が、国民の皆さんの命を守るとともに、最大の経済対策にもなります。  総理は、六十五歳以上の高齢者ワクチン接種について、七月末までに完了させると、一つの明確な目標を打ち出されました。これについても、いろいろな批判はあるかもしれませんけれども、私は、トップリーダーのこういった明確な打ち出しは極めて重要だと思っております。  まずは、総理、その達成に向けて、自治体ごとに様々な状況がありますので、それを見極めて国が全面的なバックアップをしていっていただきたい、そう思います。国民の皆さん、政府に対しても様々な不満を持っておられます。目に見える施策を次々と打っていくことが国民の皆さんの信頼回復にもつながります。  その上で、六十五歳以上の高齢者ワクチン接種が完了したとしても、まだ多くの方の接種が残っているわけであります。それも見据えて、迅速に接種できる体制を前倒し前倒しで整備していく必要があると考えます。  そうした中で、重要なポイントは大きく三点、まずワクチンの確保ができていること、そして接種を受けやすい環境が整備をされていること、さらに接種の担い手が確保されていること、大きくこの三つに分解されると思います。  このうち、ワクチンの確保については、九月末までに十六歳以上の対象人数分を確保できるめどが立ったということですので、あとは、引き続き、自治体に対してワクチン供給スケジュールを速やかに示して、準備ができる体制を整えていっていただきたいと思います。  他方で、接種を受けていただきやすい環境につきましては、今後、国が確保した大規模施設での接種も行われる予定になっております。ただ、六十五歳以上の高齢者以外の接種になりますと、年齢も若くなって、働いている人も多くなってまいります。そこで、例えば、職域なども含めて、より接種を受けていただきやすい環境をつくっていく必要があると考えます。河野大臣の見解をお伺いいたします。
  24. 河野太郎

    河野国務大臣 御指摘のとおり、現役世代になりますと、通勤通学されている方が非常に多くなります。居住地で打つだけではなく、通勤先などの職域での接種というのも当然に考えていかなければならないと思っております。今様々な検討をすると同時に、今後要請もしていかなければならないと思っております。確定次第、しっかりと広報できるように努めていきたいというふうに思っております。
  25. 國重徹

    國重委員 ワクチン接種はスピードが重要ですので、是非前倒しをして検討していっていただきたいと思います。  接種を受けていただきやすい、更なる環境の整備のためには、接種の担い手となる医療従事者の十分な確保も必須となります。現在進めている高齢者接種の進捗、そこで得られた経験なんかも踏まえまして、ワクチンを打つことができる医師や看護師等の更なる確保、また、医師や看護師、歯科医師以外にも接種の担い手を拡大していく、こういったことも検討していく必要があると考えます。さらに、例えば薬剤師の方に薬液の希釈とかシリンジの充填、こういったものをやっていただいて、本来接種の担い手である看護師や医師には接種に専念していただく、そういったやり方もあるかと思います。  今は平時ではなくて非常時であります。高齢者ワクチン接種後も見据えた迅速な接種体制の強化のために、前例にとらわれず、あらゆる手だてを講じていただきたいと思いますけれども、河野大臣の見解をお伺いいたします。
  26. 河野太郎

    河野国務大臣 現時点で、ワクチン接種に携わっていただいている医師、看護師、まだまだ、全体の中の割合でいうと、更に拡大する余地があると思っております。新たな財政的な措置もお決めいただきましたので、まず、医師、看護師について、しっかり御協力を呼びかけてまいりたいと思っております。  また、潜在的な看護師皆様につきましても、先ほど答弁しましたように、様々な特例措置を設けております。  また、委員御指摘いただきました薬剤師さんにつきましても、希釈、充填の準備を手伝っていただいている自治体が増えてきているようでございますので、医療従事者の皆さんのお力をおかりしながら、スピードアップに努めてまいりたいと思っております。
  27. 國重徹

    國重委員 総理が一日百万人の方にワクチン接種をするんだということを打ち出されているわけですから、本当に今の取組で十分なのかということはよくよく精緻に検討していただいて、従来の予防接種の枠組みにとらわれない柔軟な取組を是非、河野大臣の突破力で、よろしくお願いいたします。  次に、国産ワクチンの開発促進に関して、菅総理にお伺いいたします。  日本で特有の変異株ができた場合に、それに効くワクチンを海外メーカーが作ってくれるとは限りません。国産ワクチンの開発は、医療の安全保障の観点からも極めて重要であります。  我が党が、現在開発を進めている国内の製薬メーカー四社からヒアリングを行ったところ、どの社も、大規模な最終段階の治験、第三相治験について、各国でコロナの感染拡大ワクチン接種が進んでいる中で、その実施が極めて困難な状況にあるという窮状を訴えられました。  だったら、総理政府は第三相試験を強力に支援したらいいじゃないですか。どのメーカーも、どの国のメーカーも困っているわけですから、欧米の規制当局と話し合って、国がリーダーシップを取って新たな作成基準を作ったらいいんじゃないですか。それでも難しいんだったら、さらに、国内のあらゆる制度を使って、例えば条件付早期承認制度なんかをワクチンに活用する、こういったことはできないのか。  我が党が先月二十八日、ワクチンの開発を急ぐよう、総理に緊急提言の申入れをいたしましたけれども、改めて、総理、国内ワクチンの一日も早い供給実現、これを強く求めますが、総理の見解、御決意をお伺いいたします。
  28. 菅義偉

    菅内閣総理大臣 先ほど来お話ありますように、ワクチン感染対策の決め手だという意識であります。さらに、国内で開発、生産をし、速やかに接種できる体制を確立するというのは、危機管理上も極めて重要だというふうに認識しています。  このため、政府としては、ワクチンの大規模な臨床試験の実施費用の補助、ここは行ってきています。  また、治験において、発症予防効果を検証する、従来の方法に代わる新たな方法での治験の実施について、政府としては既に、国際的な規制当局の会合で我が国から提案をしているところであります。  危機管理上の対応として、安全性、有効性の確認を前提としながらも、より速やかに承認できるような承認制度の見直しを検討する必要があるというふうに考えています。御指摘の条件付早期承認制度の、ワクチンに転用することについて、国会の附帯決議の中で、特に慎重に検討するとされております。  こうした点も含めながら、感染が落ち着いた段階では、しっかりと検証した上で検討しなきゃならないというふうに思っていますけれども、現在においては、先ほど申し上げましたように、従来の方法に代わる新たな方法で、治験の実施について、国際規制当局の会合で日本からそこについては提案をしております。     〔委員長退席、山際委員長代理着席〕
  29. 國重徹

    國重委員 総理のリーダーシップで、国家戦略としての国産ワクチン供給の一日も早い実現、是非よろしくお願いします。  そして、今、新型コロナで大変な状況にある方たちがたくさんいらっしゃいます。私の身近でもお亡くなりになった方がいらっしゃいました。総理も真剣勝負で、今、陣頭指揮を執られていると思います。総理の真摯な思い、情熱が国民の心に響くように、是非次々とメッセージを出していただきたいと思います。  そして、ワクチンとともに重要なのが、医療提供体制の強化であります。  医療の提供能力が感染拡大に追いつかず、医療逼迫しております。特に危機的状況が続いているのが、私の地元である大阪府です。病床が満杯で、入院や転院ができないケースが続出をしております。コロナ以外の患者にもしわ寄せが行って、救える命が救えない、こういった極限的な状況にあります。広域支援でこの難局を乗り切るしかありません。  国は、大阪府の要請を受けて、人材派遣として、四月八日以降、重症患者対応できる看護師を五月六日時点で新たに百四十名以上派遣できるようにしました。病床確保については、都道府県と一体となった調整を行ったことで、四月八日以降、約九百床を新たに確保できる見通しとなっております。  ただ、それでも重症者ベッドは逼迫しているんですね。実際は重症者なんだけれども中等症扱いになっている患者の方もいらっしゃいます。そもそも、日本は世界一の病床大国です。人口千人当たりの病床数はOECD加盟国平均の約三倍であります。そして感染者数は欧米と比べて少ない。それなのに医療逼迫している原因、それは、医療機関の役割分担や連携がうまく進まないで適切に活用されてこなかったからであります。中等症、軽症の患者の受入れ体制が整っていない、そのことで、重症から中等症、軽症に移行した回復期の患者の方がそのまま重症者用のベッドにとどまっている、そういった事態も生じております。  そこで、田村厚労大臣、新型コロナ用の病床対応能力を拡大していくためにも、コロナから回復した後、引き続き入院が必要な患者を受け入れる後方支援医療機関の体制を一層強化していく、このことが必要と考えますが、田村大臣のお考えをお伺いいたします。
  30. 田村憲久

    ○田村国務大臣 大阪も、もう兵庫も今大変な状況でございます。  大阪は、コロナ重症センター、これは、今言われたとおり、広域的に人材等々の確保ということで、看護師、今大体百名強ですね、もう百四十名決定したので、百名強がもう動いていただく、こういう状況になりつつあると思いますが、そういう中で、重症センターも三十床は全て今動き出しております。  三月に、今委員おっしゃられたとおり、実はもう次に向かっての感染というものが我々も予測できるものでありますから、事務連絡を出させていただきまして、ここで、重症病床、それから中等症の病床、あとは療養施設、こういうものも含めてでありますが、あわせて後方支援、これは大変重要であると。役割分担をしっかりしていただかないと、日本の場合は、どちらかというと民間の医療機関、特に中小の医療機関が多いものでありますから、コロナの患者はなかなか感染管理上診れないけれども、コロナから回復された後まだ家に帰れないような、そのような患者方々を受け入れられる医療機関は、これはあるわけでございますので、そういうところに受け入れていただこうということでお願いをさせていただいております。  あわせて、やはりいろいろな形で対応いただかなきゃいけませんので、いろいろな加算も増やさなきゃいけないということでございまして、二類感染症の入院診療加算でありますとか、救急医療管理加算、こういうものを、二つ合わせると大体当初の六倍、七倍近くつけさせていただいて対応いただくということで今お願いいたしております。  いずれにいたしましても、数限られた病床等々をしっかり有効に活用いただかなきゃならぬわけでありまして、しっかりと我々の方も、各自治体協力しながら、コロナの病床を確保できるように努力してまいりたいというふうに考えております。     〔山際委員長代理退席、委員長着席〕
  31. 國重徹

    國重委員 救える命が救えない、こういったことのないように、是非これからも次々と重層的な取組をよろしくお願いいたします。  次に、西村大臣にお伺いいたします。  今般、四都府県に発令中の緊急事態宣言延長されることになりました。愛知、福岡の両県もその対象追加されました。  医療逼迫している、変異株が猛威を振るっている、その中でやむを得ない面があるとはいえ、生活、経済に大きな痛み、打撃が伴います。特に大型連休に期待していた飲食店、また大型商業施設、こういうところにとって、宣言によるダメージは非常に大きなものでした。休業要請に応じた大規模施設に対する協力金が当初二十万円とされたことに関して、こんな金額では支援にならない、政府現場の実態を分かっているのか、こういった声も私は多く聞きました。  厳しい経営環境の中で感染防止対策徹底してきて、クラスターも起きていないにもかかわらず、自らには何の落ち度もないにもかかわらず、休業要請等を受けることになった事業者の皆さん、そして、そこと直接間接に取引をされて影響を大きく受ける事業者の方々、こういった方々に納得のいく説明、また適切で十分な支援がなければ、これは幅広い御理解と御協力を得ていくことはできません。  その後、改善措置が講じられたことについては評価をいたします。その上で、大規模商業施設に限らず、現場の実情に応じた、よりきめ細やかな支援措置を講じていく必要があると考えます。西村大臣の御見解をお伺いいたします。
  32. 西村康稔

    ○西村国務大臣 お答え申し上げます。  今回の緊急事態宣言、そしてその延長によって、多くの国民皆様、また事業者の皆様に大変厳しい要請をさせていただいて、それに応じていただいていることを改めて感謝申し上げたいと思いますし、御指摘のように、しっかりと支援策を講じていかなきゃいけない、そのことを強く感じているところでございます。  飲食店の皆様方には、その影響度に応じて、日額最大二十万円までの支援。そして、御指摘のように、百貨店など大型商業施設も、面積単位で、千平米単位ごとで二十万円、また、テナントの皆さんにも百平米ごとに二万円の支援ということで、規模に応じた支援策としたところでございます。  影響を受ける取引事業者の皆さんにも、二か月分として、最大四十万円、個人の事業者二十万円。  また、イベントも様々、無観客、いわば延期、中止など、なっておりますので、最大二千五百万円の支援。  さらには、観光事業者も影響を受けておりますので、一千億円で様々な、過去支出をした感染防止策なども含めて支援をしていくこととしております。  さらに、幅広く影響を受ける事業者の皆さんには、雇用調整助成金、これはパート、アルバイトの方、シフト減も含めて、一日最大一万五千円を国が全額支援をするということとしております。  その上で、さらに、地方創生臨時交付金、これは地域の実情に応じて、三千億円を配分させていただきましたので、地域のそれぞれの影響を受けている事業者に、県の判断で上乗せの措置あるいはより広めの措置をやっていただくこととしております。  さらには、酒類の提供停止を要請をしておりますので、そうした酒類販売店に対しては、国の支援に加えて、上限額の上乗せとか要件の緩和など、こういった支援を国がしっかりと応援をすることとしております。  いずれにしましても、こうして二重三重に支援をしてきているところでありますが、御指摘のように、今回の影響をしっかりと注視しながら、必要な対策を、予備費四・五兆円もございますので、機動的に対応していきたいというふうに考えております。
  33. 國重徹

    國重委員 五兆円の予備費、それで足らなければ補正予算も組んで、しっかりとした支援、そして、それに加えて、例えば一時支援金についても、手続が煩雑だとか、条件が厳し過ぎる、こういった声もよく聞きます。そういった手続面も含めたきめ細やかな、現場の実情を踏まえた支援、是非よろしくお願いいたします。  時間の関係で、最後の質問にさせていただきます。  災害大国日本、コロナ禍であっても、災害対策は待ったなしであります。  私の地元大阪市此花区では、海抜ゼロメートル地域が多くあります。大きな地震が起きて津波が発生したときに、安全な場所にどう避難をするのか。とりわけ、津波から逃れるための高い建物が限られている地域では、これが大きな課題となっておりました。  そこで、地元の市会議員、区役所と連携をしまして、国交省とかけ合った結果、国道四十三号線の高架の歩道部分を一時避難場所として確保、活用できることになりました。これは大阪では前例のなかったことであります。  全国には、同じように、避難できる高い建物がなくて困っている地域もあるはずであります。そこで、此花区のような取組を是非全国に広げていっていただきたいと、昨年の予算委員会で赤羽国交大臣に御提案を申し上げました。赤羽大臣から、しっかり進めると力強い答弁をいただきましたけれども、その後どのように進んでいるのか、お伺いいたします。
  34. 金田勝年

    金田委員長 質問時間が来ておりますので、簡単に、一言でお答えください。
  35. 赤羽一嘉

    ○赤羽国務大臣 はい。  國重委員から、昨年一月の予算委員会の御質問に引き続きまして、国土交通省としても、大変重要な対策認識をいたしました。  全国、浸水想定の高さを超えた高速道路、直轄国道、約千八百キロメートルの区間を抽出いたしまして、関係する市町村から要請のあった全国約六百五十か所につきまして、防災・減災、国土強靱化五か年加速化対策を活用しまして、五年後の令和七年度以内に全ての区間、避難階段等の施設整備を完了するということを決めました。  防災、減災が主流となる社会を目指して、しっかりと頑張ってまいりたいと思います。
  36. 國重徹

    國重委員 以上で終わります。ありがとうございました。
  37. 金田勝年

    金田委員長 これにて國重君の質疑は終了いたしました。  次に、枝野幸男君。
  38. 枝野幸男

    枝野委員 残念ながら、緊急事態宣言は三度目、しかも、それもまたしても延長がされました。政府の後手後手、二転三転。先行きが見えないし、示されない。こうした状況が一年以上繰り返されていることを大変残念に思います。少なくない国民の皆さんがこうした状況にあきれ果て、また疲れ切っているという状況です。  二度目の緊急事態宣言解除の際、三月、私は総理に、この状況で解除すれば感染者が急増する可能性が高い、解除は時期尚早であり、反対せざるを得ないと申し上げました。  総理は、再び宣言に至らないよう全力を尽くすとおっしゃいましたが、残念ながら、一か月ほどで宣言を再び出すことになりました。  このことを我が党の山井議員が四月二十三日の厚生労働委員会で尋ねましたところ、大阪、兵庫の変異株というのは解除当時は出ていなかったと総理答弁されました。私は唖然としました。  三月の解除のときの議院運営委員会でも、私も総理変異株拡大について指摘をして、解除は時期尚早と申し上げました。大阪では三月十二日の時点までで計百三人が変異株感染していたことが確認されたと報道されています。  更に言うと、一月の二十六日の予算委員会、辻元筆頭理事変異株拡大に警鐘を鳴らしました。総理はそれに対して、「強い危機感を持っておりまして、」と答弁されています。この強い危機感とは何だったんでしょうか。言葉に中身が伴っていないと言わざるを得ません。強い危機感を持っていながら、三月の時点で大阪、兵庫の変異株についてスルーしたんですか。総理、いかがですか。
  39. 菅義偉

    菅内閣総理大臣 変異株に対しての対応というのは、まさに、マスク、手洗い、三密回避ということを徹底する、そうしたことであることは事実じゃないでしょうか。  そういう中で、私どもが、解除したことについて話がありましたけれども、解除の条件というのは、まさに、具体的な指標や専門家の意見を踏まえて、その時々の必要な対策対応について判断を行って解除いたしました。当時はステージ3をはるかに、ステージ3よりも下になっていたことも事実じゃないでしょうか。そうしたことを考える中で、専門家の意見も、また具体的な指標の中で解除をさせていただいています。
  40. 枝野幸男

    枝野委員 その解除の基準そのものを政府が作ったんですよ。  私、この国会の冒頭、一月二十日の代表質問でもう既に申し上げています。政府の言ってきている解除基準、つまり、ステージ3、新規感染者数五百人程度まで下がれば解除。感染がということに対してですね。これでは、この基準で解除したら、感染拡大に向かって、経済により深刻な打撃を与えかねないから見直すべきだと国会で私は総理に指摘をしています。  緩過ぎる基準を決めて、それを維持してきているのも政府自身ですから、その責任は政府にあります。基準に沿っているというのは何の言い訳にもなりません。  あわせて、専門家といつも繰り返されます。しかし、専門家の間にも様々な意見があります。誰の、どのような意見を採用するか自体が政治の責任です。  そもそもが、医学的な専門家の方がいらっしゃいます、また医学の様々な分野ごとに分かれていらっしゃいます。現場の臨床を知っていらっしゃる方もいらっしゃいます。経済分析の知見をお持ちの方もいらっしゃいます。でも、専門家はそれぞれの分野ごとの専門家です。  緊急事態宣言をどういう基準で出すのか、解除するのか。そうした基準を作っていく全体的な知見を持っている専門家というのは誰かいるんですか。残念ながら、いないんですよ。  専門家の科学的な知見に基づいて判断しなきゃいけない、それは前提ではありますけれども、そうした専門家の知見を踏まえて総合的に判断する責任は政治にある。それがこういう危機のときの総理大臣仕事じゃありませんか、総理
  41. 菅義偉

    菅内閣総理大臣 それは専門家の皆さんに失礼じゃないでしょうか。  政府で方針を決めるときには、分科会というものにかけます。そこに出席の専門家の先生方からの御理解をいただく中で、政府としては判断をいたします。最終判断の責任は全部私にありますけれども、ただ、途中経過については、少なくとも、客観的なそうした手続を取って行っていることは、是非御理解をいただきたいと思います。結果は私が責任を持ちます。
  42. 枝野幸男

    枝野委員 専門家に失礼なのは総理じゃないですか。  専門家はそれぞれの専門分野について科学的な知見をおっしゃっている、専門家の間でも意見が分かれている、これも客観的な事実ですよ。その中で総合的に判断できるのは政治しかないから、民主的なプロセスを踏んで、今、菅さん、あなたが総理大臣という全体の総合的な判断をするその立場に立っておられるんだと私は思います。  既に一万人以上の方が日本で亡くなられています。この亡くなられた方の累積のグラフを作ったんですが、九月十六日に菅内閣が発足をし、十二月以降、残念ながら急増をしています。この一万という数は、単なる数字ではありません。お一人お一人に人生があり、家族や友人との営みがありました。  九月以降、何があったか。GoToキャンペーンを強行し、早くやめろと我々が指摘をしてもやめませんでした。そして、遅過ぎた二度目の緊急事態宣言と早過ぎる解除。根拠なき楽観論に立って対応が遅れて、同じ失敗を繰り返してきたこと。  この中には、もちろん感染症ですから救えなかった命もあるかもしれないけれども、適切な対応をしていたら救えた命も少なからずあったと思います。  総理、このことについての反省はありますか。そして、なぜ総理は根拠なき楽観論に立てるのですか。私に対してじゃないです、国民の皆さんに向かって、特に大切な方を亡くされた方に向かって説明してください。
  43. 菅義偉

    菅内閣総理大臣 亡くなられた皆さんには、心からお見舞いを申し上げる次第でございます。  今パネルで示されています。例えば、緊急事態宣言においてピンポイントの対策、私ども、一月からしました。そのときは、一都三県の新規感染者数は、解除時には八割以上減少したということも事実です。そして、宣言が、早過ぎると言われますけれども、少なくとも宣言解除の目安、これは先ほど来話がありますけれども、政府の正式な分科会の中で決めさせていただいています。ステージ3を大きく下回り、客観的な数値に基づいて、専門家の意見を伺った上で解除をさせていただいています。  ただ、いずれにしろ、結果として多くの方がお亡くなりになったことに対しては、大変申し訳なく、そして心からお見舞いを申し上げます。  ただ、政府としては、そうした分科会という政府に対して最も影響力のある中で専門家の皆さんからの御意見をいただいた中で、私どもが判断をさせていただいています。
  44. 枝野幸男

    枝野委員 何でも専門家に責任を転嫁するのは本当におやめになった方がいいと思います。専門家の中でもいろいろな意見があるというのは何度も申し上げていますし、専門家の意見を聞いていない部分もたくさんあるじゃないですか。既に尾身先生は、ステージ2まで下げてからじゃないと駄目だと明言されていますよ。従うんですね。  今回の延長も、よく分かりません。  当初から、こんな短い期間で効果が見えるのかということは、私たちだけじゃなくて、一般の市民の間でもたくさん広がっていました。しかし、それでも、イベントを中止したり、大型商業施設は突然言われて、感染対策をしっかりやってきてクラスターが出ていなかったところも、みんな協力してくださいました。そして、多くの国民の皆さんも御協力いただきました。でも、やはり、この短い期間では案の定大きな効果は見られず、延長ということになりました。  ところが、一方で、急に、無理をして、突然やめてくださいと言われて、一番の書き入れどきに中止した大規模イベントやデパートなどへの規制は今回緩和をする。緩和だけでは甘いと思ったのか、知事に丸投げして、規制を続けてもいいですよとおっしゃる。ブレーキとアクセルを同時に踏んでいるんじゃないかと、困惑の声が聞こえます。どっちなんですか。  そもそも、この延長前の期間で人流が減ったというのは、総理、何度かもうおっしゃっています。人流が減った結果、感染拡大は抑制されたのですか。緩和できるほど大きな効果があったのですか。この国民の素朴な疑問にお答えください。
  45. 菅義偉

    菅内閣総理大臣 今回の緊急事態宣言というのは、従来の、飲食に的を絞っている、その宣言に加えること、また、ゴールデンウィークという短期間の中に集中して人流を止めるべきだ、そうした御意見が多い中で、そうしたことを参照する中で、政府としては、人流を止めることの緊急事態宣言というものを行いました。  人流については、その前の週、更に前回の緊急事態宣言と比較をすると、間違いなく減少したということは事実だというふうに思います。ただ、そういう中で感染状況というものが改善されていませんので、緊急事態宣言延長させていただいた、そういうことであります。
  46. 枝野幸男

    枝野委員 人流を減らしたというのは、全く効果じゃないんですよ。手段でしかないんですから。  人流を減らすことによってどれぐらい多くの人たちが迷惑しているのか、犠牲を払っているのか。人流を減らせば感染が抑制できる、そして緊急事態宣言は二週間余り、ああ、これで解除される段階まで効果が出るんだろうなと期待して、みんな我慢したんです。でも、人流は減ったけれども、多くの犠牲を払ったけれども、効果は出ていないじゃないですか。つまり、判断を間違えたんですよ。その間違えたということに対する謙虚な姿勢がないから何度も同じ失敗を繰り返しているんだと言わざるを得ません。  少し具体的なところを聞いていきましょう。  神戸市の高齢者施設でクラスターが発生し、二十五人が亡くなられた。その中で二十三人は、入院治療を受けずに施設内で亡くなりました。門真市の施設では、十三人が亡くなられ、うち八人が入院治療を受けることができずに施設内で亡くなられました。  こうした高齢者施設だけではありません。自宅で、ホテルで、重症に近い、重症と判断されて当然の状況なのに入院できずに亡くなられた方、たくさんの状況が、声が上がっています。  特に高齢者施設は、感染防止の徹底が困難な場所です。クラスター発生のリスクが高い場所です。定期的なPCR検査を一年前から私たちは提案してきました。ようやく最近になってそれを急ぐんだと言い出しましたが、結果的に間に合っていないというのがこの結果です。  総理、私にじゃないです、入院もできずに亡くなられた方々に対する言葉、無念の思いでそうした皆さんを送らざるを得なかった介護施設の皆さん、そうした皆さんに語りかけてください。
  47. 菅義偉

    菅内閣総理大臣 療養中にお亡くなりになられた方、また、自宅待機でお亡くなりになられた皆さんには、心から御冥福をお祈りを申し上げる次第でございます。
  48. 枝野幸男

    枝野委員 それだけですか。  いや、これは政治家でも、万能じゃありませんから、間違えるときはありますよ。でも、政治が例えば一年前からPCR検査を広範にやっていれば、医療体制を強化していれば亡くならなかった、いや、少なくとも、十分な治療を受けて、それでも助からなかった、残念だったねと、それでも納得できないかもしれませんけれども、全然状況は違ったんですよ。そうした皆さんに、それだけですか。甚だ残念です。  病床について伺います。  特に大阪はひどい状況です。二回目の緊急事態宣言のとき、大阪は府知事がいち早く解除を求めました。そうしたら、さっさと第四波です。そして医療崩壊です。病床が不足して自宅ホテルにおられる方がほとんどで、入院できている方は感染者の一割と言われています。重症病棟が足りないために、中症病棟で重症者の方が治療を受けている。手遅れになった方が相次いでいます。  私は、もっと驚いたのは、大阪府は、二回目の緊急事態宣言が解除された三月一日、それまでの重症病床の確保数が二百十五床だったのを三割減らして百五十床まで縮小するという通知を病院に出しているんですよ。三月一日ですよ。病床不足に輪をかけたんですよ。この早過ぎる解除を求めたこと、そして重症病床を減らすという通知を出したこと、明らかな大阪府の判断ミス、これに対して政府はどう認識しているんですか。これを知っていて止めなかったんですか。いかがですか。
  49. 田村憲久

    ○田村国務大臣 大阪は、非常にこの変異株状況の下で感染拡大が速かったということもあろうと思いますが、国も、三月十八日でありましたけれども、要するに全国緊急事態宣言の解除前であります、このときに、やはり、コロナというこういう疾病は非常に速い感染拡大、こういうことを年末年始に我々も経験しておりますので、病床をしっかりと残しておいていただきたい、つまり、今まで確保した病床をしっかりと残した上で、次に向かって、その後、また一週間後に、今度は五月に向かって、場合によっては四月も感染拡大する可能性があるのでダブルトラックで病床をしっかりと確保、整備をしていただきたい、これは地域医療機関とも話を進めていただいて、このような通知等々を数度出させていただいております。  大阪に関しては、一旦解除という形の中で病床を減らされたんだと思いますけれども、その後、感染拡大ということで、急速に病床等々を確保しながら、人材等々が非常に不足しているということでございますので、国も、看護師中心に、百名以上の看護師を今確保させていただいておるということであります。
  50. 枝野幸男

    枝野委員 病床、しかも重症病床を確保するというのは、もう田村大臣はよく御存じだと思いますけれども、政治が指示したら簡単にできる話じゃないわけですよね。人繰りも大変ですし、ほかの診療科に大きな影響を与えますし。  それを、朝令暮改そのものなんですよ、この大阪府は。一番悪いのは大阪府知事ですよ。だけれども、やはり、国として、こうしたことを自治体任せで後手に回って結局通知を出されたということじゃなくて、やはり先手先手でやっていかないと、国として責任を持てないし、こういう無責任な知事も残念ながらいるんですから、政府としてしっかりと対応してください。いかがですか。
  51. 田村憲久

    ○田村国務大臣 いずれにいたしましても、大阪だけではございませんので、感染拡大地域、ございます。こういうところの病床、重症者の病床も含めて、しっかりと国も、広域連携等々を含めて、確保、人材も含めて対応するように、これからも努力してまいりたいというふうに考えております。
  52. 枝野幸男

    枝野委員 少しマクロに見てみたいんですが、少なくとも、変異株が広がるまで、この変異株はまた状況が違うんじゃないかという指摘もありますが、明らかに欧米とアジア太平洋地域とでは感染の広がりに違いがありました。これがどういう原因によるのかというのは、今後、専門家の皆さんが多分分析をしていただけるんだと思いますが、ですから、比較は欧米としても余り意味がないんですよね、感染者の数、亡くなられた方の数。全体として欧米と比べて少ないけれども、でも、アジア太平洋地域の中でどうなっているのかというのが重要なんです。  このパネルが、アジア太平洋地域の先進国に絞った感染状況です。  日本は、人口当たりの亡くなられた方が八・二六人、人口当たりの感染者の数が四百八十五人、どちらも十万人当たりでありますが、中国、韓国、オーストラリア、ニュージーランド、台湾、圧倒的に、どちらも日本が倍なんですよね、二番目のところと比べても。  これは変異株では、アジアの方が感染の広がりが小さいのではないかという状況が変わっているんじゃないかという指摘もあります。アジアの中でこれだけ成績が悪い状況で、これでアジア太平洋地域でもヨーロッパ並みの、あるいはそれ以上の感染力があるということになったら、本当に今以上にとんでもないことになります。  このアジア太平洋地域における死者数や感染者数の比較について、総理、どう受け止められますか。総理総理です。受け止めですから、総理総理お答えください。
  53. 菅義偉

    菅内閣総理大臣 今パネルがあります。お尋ねのアジア太平洋諸国と比較すれば、今そこに載っているところにおいては、日本は感染者数や死者は多くなっている、このように承知しています。また一方で、インド、インドネシア、フィリピン、そうした人口比で比較すると、感染者数は、そうした国と比較をすると少なくなっているというふうに思っています。  いずれにしろ、感染者数や死者数の諸外国との比較を行うことに当たっては、人口密度だとか、あるいは高齢化率、あるいは社会経済環境、こうしたことが考える必要があるというふうに思っています。  そうしたことを考えたときに、日本から比較的近いと言われても、やはり、欧米、G7の国と比較するということなんだろうというふうに思います。  これらの国でいわゆるロックダウンという強力な措置が講じられてきていますけれども、日本の感染者数や死者数は非常にそうしたところと比較すると低く抑えられているということも事実だというふうに思います。  いずれにしろ、そうした国の体制とかいろいろな問題があると思いますけれども、ただ、事実関係として、日本でこれだけの多くの皆さんに死亡者を出していることについては大変申し訳ない、このように思います。
  54. 枝野幸男

    枝野委員 ちょっとまたびっくりしたんですけれども、あえて先進国と比較をすると申し上げました。世界の中のいろいろな状況で、医療や公衆衛生、残念ながらまだまだ大変厳しい状況の国、特にアジア太平洋地域、多いです。日本は幸いなことに、先輩たちが頑張っていただいたおかげで、医療や公衆衛生、世界の中では間違いなく先進国です。だからアジアの先進国と比べたら、そうしたらそうでない国を出してこられた。  そして、欧米と比較をするのが正しいんだとおっしゃるけれども、恐らくその地域にたくさん住んでおられる方の遺伝的な特徴というものが背景にあったと疑われますけれども、予想されますけれども、明らかにヨーロッパとアジアとでは感染の広がりが違うという状況の中で、アジア太平洋地域の先進国と比べてこれだけ悪い。そして、変異株はそうした特徴はないかもしれない。アジアでも従来のヨーロッパ並みに、あるいはそれ以上に感染力はあるかもしれないと疑われているんだから、これを謙虚に反省をした上で進んでいかなければ、私は、もっとひどいことになるというふうに思っています。  一月の二十日の代表質問以来、私はゼロコロナ戦略を提案しています。これはニュージーランドが一番のモデルですが、ニュージーランド、オーストラリア、先ほどの表でも圧倒的に感染者を少なく抑えています。あるいは、台湾も類似した考え方、コロナを徹底的に抑え込む、そのことによって早期に通常に近い社会経済活動を取り戻す、こういう戦略を取って、実際成功をしています。経済が順調に今申し上げたような国々では回復しています。  ニュージーランドは、実は、ワクチン接種率が日本に次いで低い水準です。ところが、マスクなしのイベントを再開して、何と五万人規模の大イベントが報道されています。国内での新規感染者は月に数例です。そして、その例が出ると、直ちに感染ルートを短時間で把握をして集中的な対策を取りますので、大規模で長期的な行動抑制なしでずっと何か月も続いている。だから、生活も経済活動も回復できる。こういう成功例があるんです。  先ほど欧米のことを、ヨーロッパのことを総理おっしゃいましたが、強いロックダウンをしたにもかかわらず欧米諸国、そして、日本はロックダウンをしなかったけれども感染を一度は下げることができた。でも、感染拡大の繰り返しに苦しんでいるのはなぜかといえば、こうしたニュージーランドやオーストラリア、台湾と違って、十分に感染者を減らさないうちに対応を緩めたから、そして、水際対策徹底していなかったからと言わざるを得ません。  幸い成功しているのは台湾、ニュージーランド、オーストラリア、オーストラリアは大陸だと御指摘いただいたんですが、陸の国境を持っていないという意味では、いわゆる島国だというふうに思います。日本も同様で、水際対策を取りやすいんです。  まず、水際対策徹底的に強化をする。その上で、徹底した検査と感染者の保護、隔離、特に、症状のない感染者の保護、隔離。そして、新しい感染者が出たときに、すぐに感染ルートを把握できる体制、これをつくることが大変重要なのに、日本は今できていない。今は、とにかく足下では感染者が多過ぎて、感染ルートを調べるどころじゃありません。保健所は、残念ながら多くのところで、濃厚接触者などの把握、そこの検査、とても対応できていないですよね、大都市部では。これではどうにもなりません。  まずは、徹底して今の緊急事態宣言などを使って感染者を抑えていく、その上で、そうした状況から更に減らしていけるような封じ込め、リバウンドの起こらないようなことをやっていかなければならない。これが我々の考え方です。  先の見通しの立たない感染拡大の繰り返しではなくて、ゼロコロナ戦略を取って、ゴールデンウィークにも多くの皆さんに我慢していただきました、去年に続けてです。昨年の秋以来、なぜかこの感染拡大は、年度替わりからゴールデンウィーク、夏休み、お盆休み、そして案の定、年末年始。次、またゴールデンウィークですかといったらそうなりました。この夏休みは去年とは違う夏休みにするためには、十分な補償がセットですけれども、今の緊急事態宣言をリバウンドのリスクが相当低くなるまで継続すべきだと考えます。  これは、七日の議院運営委員会で泉政調会長が提示しようとしたらなぜか理事会で止められたパネルを、今日、代わりに私が提示させていただきます。  これは、東京大学の経済学研究科の先生方がシミュレーションしていただいた、東京新規感染者を何人に減らした段階で解除する、そうするとリバウンドがいつ頃起きて、経済的な損失はどうなるか。  五百人まで下がったところで解除をすれば、五月に解除できるかもしれないけれども、七月に再発令になって、経済的な損失額は三・八兆円。七月まで我慢して百人を下回るところまでいけば、再発令にはいかないだろう、そうすれば経済的な損失は二・六兆円。  つまり、我慢をした方が経済的な損失は小さくて済むというのは、専門家はそれこそ明確なシミュレーションを出しているんです。一・二兆の差があります。一・二兆ぐらいぼんとここで、事実上でいいですから補償のためにきちっと出して、これぐらいまで下げるべきではないでしょうか。  私たちは、東京でいえば一日百人が最低線、できれば五十人以下、大阪では三十人、できれば十五人以下、こうすれば、保健所が新たな感染者に対して相当きちっとした周辺に対する感染ルートの把握、チェック、こうしたことができる、こうすれば、リバウンドではなくて、そこからゼロへとつなげていくことができると考えています。  こうした明確な目標を立てるべきじゃないですか。総理、いかがですか。総理でしょう、全体の目標ですから。総理総理
  55. 菅義偉

    菅内閣総理大臣 それぞれの試算についてコメントは差し控えたいと思います。  緊急事態宣言の解除については、基本的対処方針に示しています。緊急事態宣言のレベルであるステージ4を脱却してステージ3になることを目安として、一日も早く解除できるように対策徹底するというのが政府の役割だというふうに思っています。  私自身も、その数字を出した先生だと思います、その方とお会いをして、いろいろなお話も伺っております。  そうした中で、様々な事例ということも示させていただいて、そういう中で、最も効果があることを実現に移していきたい。そういうところで今取り組んでいるところです。
  56. 枝野幸男

    枝野委員 専門家の話は聞く、当然なんです。いろいろなこういった専門家の知見を前提にして科学的に判断しなきゃいけないんです。でも、その専門家の様々な意見をどう生かすのか、使うのかというのは政治の責任なんですよ、最初の話に戻りますが。  だから、そもそもその基準自体が間違っていると。そして、間違えたんですから、二回目の解除で、そして今に至っているんですから、その基準を含めて政治の責任で見直しましょうと私は今具体的な提案もしています。東京で百人以下、できれば五十人以下まで下げましょう、大阪で三十人以下、できれば十五人以下まで下げましょう。そこまでいけば、リバウンドなしに、じわじわとニュージーランドや台湾の状況に近づけていける。これが私たちが、野党ですから政府ほど専門家の直接的な御助言をいただけませんが、様々な専門家の御意見を伺った私の提案だということを申し上げておきたいと思います。  水際対策、何よりもこれが大前提です。  変異株、何か最近の感染拡大変異株のせいにしがちですけれども、そもそも、変異株が出てきた昨年の秋以降、我々は繰り返し、水際対策強化を言ってきました。いや、一年前のこの予算委員会から、ダイヤモンド・プリンセス号のときから、水際対策が甘い、もっと厳しくやろうよと我々は言ってきました。にもかかわらず、それをすり抜けて、今、国内で変異株がどんどん広がって、変異株に置き換わっているわけです。この変異株は、感染力も、あるいは亡くなられる方、重症化をするリスクも高いと言われています。更に新しいものが入ってくるかもしれません。  びっくりしたんですが、インドなどを変異株の流行地域に指定したのは先月の二十八日です。またしても遅きに失している。しかも、強化したといいますが、インドとネパールから入国する方に限って、宿泊施設での待機がそれまでの三日から六日に延びただけです。  変異株は既に各国に広がっています。もうこれから、先ほど言ったとおり、更に新しい変異、次々と起こっているわけですから、更に強いものがどこから出てくるか分かりません。日本の国内で起こることもあり得るわけです。でも、外で生じたものは止めることができるんですよ。  私は、全ての入国者について、十日間、宿泊施設でしっかり隔離する、そして、一日目と十日目と間と、三回PCR検査を行う、これぐらいの水際対策徹底しなきゃいけない。例外はつくっていいです。ニュージーランド、オーストラリア、台湾、ここからの入国者を除いて全ての国に対してこれぐらいのことをやらないと、どんどんどんどん海外から変異株が入ってきて、それが日本で広がって大変なことという、昨年の秋以来何度も繰り返していることをまたやらなきゃならないです。  総理、なぜ水際対策の抜本強化をやらないんですか。オリンピックのためですか。総理総理、基本的な認識です。具体的なことは聞いていません。認識です。
  57. 田村憲久

    ○田村国務大臣 基本的に、憲法の制約上、移動の自由があるということはもう御承知のとおりだというふうに思います。これは判例等々でも出ております。日本から海外に出られる方々も移動の自由はあるんです。そして、お帰りになられるということを前提に考えなきゃならないんです。  その上で、インド等に関しましては、これはまだ世界的に完璧なエビデンスはありませんが、しかし、今回こういう緊急事態宣言でありますので、幅広に、入国から六日間は、これはホテルの制約がございますので、六日間は、ホテルの量があるんです。このホテルを確保するのも、地域住民の方々の御理解をいただかないとなかなか変異株等々の確保というのができない中で、それで今増やしてきておりまして……(発言する者あり)
  58. 金田勝年

    金田委員長 静粛に聞いてください。
  59. 田村憲久

    ○田村国務大臣 これは入ってから六日間、ですから向こうと合わせると、三日間の以前の検査ですから、九日間ぐらいは対応しながら、その後、自宅に行かれた場合もしっかりGPSで対応しますが。  ただ一点だけ、いずれにいたしましても、これも、我が国は私権の制限に対しての法律がございません。先般、特措法も、措置入院に対して罰則等々を初めはお願いしましたが、これはそういうわけにいきませんでした、国会の方のいろいろな御判断の下で。同じように、ホテルにも強制的には入っていただけないんです。この方々は、基本的に今、皆さんが誓約書を書いていただいて、その上でホテルに入っていただく、若しくは御自宅にずっといていただくというような形でございまして、入管上、ホテルの場合は、検疫の対応で、ぎりぎり私権制限に近いというようなことをやっていただきながらホテルに入っていただいておりますが、少なくとも自宅では、これは全くもって御本人は制約上の中での対応しかできないという中で対応しておるということも御理解をいただきながら、我々もできる限り、言われるとおりでございますので、特にインド周辺から来られる方々に関しては、しっかりと、こういう方々の行動によって感染拡大しないよう、更なる今強化策を整備しておりますので、そのような形の中で対応してまいりたいというふうに思っております。
  60. 枝野幸男

    枝野委員 まず、日本人の方が帰国をする場合については若干あるかもしれませんが、それ以外の入国規制については、憲法なんか何も関係ないですよ。憲法は関係ない。  そして、ホテルなどを確保できないなら、確保できる数だけ入国させる、それ以上は入国させない。国民の命を守るためにはそういうことをやるべきじゃないですか。私たちはそれも計算しましたよ。大体一日千人、これが上限だろうと提案していますよ。一日千人だったらホテルを確保できるだろうと。そこで止めたらいいじゃないですか、外国から来る方は。何の私権の制限でもないですよ。国民の命の方が大事だということを私は申し上げているんです。  医療機関に重症病棟をやっていただくとか、それからコロナ患者を受け入れていただくとか、いろいろあります。時間がなくなってきたので細かいことは言いません。結局、前提となる環境整備をしなければ、やりたくたってできない。コロナ患者を受け入れたら、重症病床をつくったら、病院が赤字になってしまって倒産する。働いていただいて、重労働の医療従事者に給料を払えない。これでは、受けたくたって受けられないんですよね。  ところが、診療報酬の引上げはされました、あるいは緊急包括医療支援金などをやりましたが、使い勝手が悪くて、現場に届いていないのがたくさんあるし、これでは使い勝手が悪過ぎてできないという声がたくさんあって、だから、今も医療機関から悲鳴が上がっているじゃないですか。ましてや、医療従事者、重労働なのに給料は下がったという悲鳴が、これ以上は使命感だけではやっていられないという悲鳴がたくさん上がっています。  今みたいな細かい話はいいですから、総理、答えてください。医療を、病床を増やすためには、一つには、医療機関への包括的な支援。ちゃんと、減収分あるいはコストがかかる分、それを全部見ますといって包括払いする、こういう支援が不可欠、これなら安心してできます。そして、医療従事者追加協力金を払いましょうよ。それで、みんなもう限界を超えてやっていただいているんです。限界を超えて更にやっていただかないとできないんです。だから、何とか、俺たちができることは金しか出せないんです、直接医療はできないんです、僕たちには。せめて金だけ出しましょう。総理、いかがですか。
  61. 菅義偉

    菅内閣総理大臣 医療機関や医療従事者に対する支援については、これまで四・六兆円の予算を計上し、病床確保料による支援や一床当たり最大千九百五十万円の強力な支援を延長し、今年度も引き続きこれを実施しております。  また、四月には、医療従事者の確保を支援するために、昨年の末に倍増した、重症患者に対する看護師を重点医療機関へ派遣した場合の補助上限額を更に一・五倍に引き上げております。  診療報酬でも、新型コロナ患者診療について大幅な引上げや回復患者の転院支援を行っており、現在も引き続き措置をしております。  引き続き、こうした支援により、医療現場方々が財政面でちゅうちょすることがないようにしっかり対応していきたい。このコロナに対応する中で赤字になるようなことは絶対ないようにするのが政府の責任だと思っていますよ、私は明言をしています。
  62. 枝野幸男

    枝野委員 最後の部分を制度的にしっかりと担保して、安心していただくのが政治の責任なんです。赤字にならないようにしますといったって、その裏づけがなければ、医療機関の経営をされている方だって、みんな従業員を抱えている、医療従事者を抱えているんです。潰れたら地域医療が長期にわたってできなくなるんです。だから、その担保をちゃんと制度的に裏づけをするのが、それが政治の役割じゃないですか。  もう一点。既に一年以上、多くの事業者が売上げの大幅な減少に苦慮しています。休業や時短を要請されている分野に限りません。あるいは、その間接的な影響を受けている方だけじゃありません。文化芸術、イベント関連の事業、本当に成り立たない。本当にこうした例はもういろいろなところに存在して、例を挙げ切れません。対象を絞った協力金などでは、いろいろなところで事業継続が困難になってきます。協力金そのものだって微々たるものじゃないですか。事業が潰れることへの香典のつもりかという厳しい声まで出ているじゃないですか。  業種を問わず減収分の一部を補填する、この持続化給付金の考え方、これをもう一回やるしかありません。前回は、前年比で五割以上の売上げ減という厳し過ぎる基準でした。でも、もう一年続いているんですから、毎月二割減でも、一年続いていたらとんでもないことになっていますよ。  より条件を緩和して、幅広い皆さんに状況に応じた持続化給付金を我々は提案しています。総理、いかがですか。踏み切りませんか、総理
  63. 西村康稔

    ○西村国務大臣 お答え申し上げます。  もうよく御存じのことと思いますけれども、経産省中心に、支援金という形で、この二か月間で見れば最大四十万円の支援を行うこととしております。詳細、今経産省において詰めているところでございますし、それから、地方創生臨時交付金で三千億円既に配分をさせていただきました。これは昨年も、二十数県の県で、御指摘のように国の基準が五〇%減でありましたので、三〇%減であったり、あるいは対象範囲をまた別途特別に合算をしたり、様々な工夫が地域で行われております。  こうしたことと併せて、私どももしっかりと支援を行っていきたいと考えておりますが、いずれにしましても、緊急事態宣言は長引くことになっておりますし、経済状況、影響、こういったものをしっかりと見ながら、必要な対策、予備費の四・五兆円もありますので、機動的に講じていきたいというふうに考えております。
  64. 枝野幸男

    枝野委員 今のような、非常に、何というんでしょう、細切れで部分的なやり方とか、あるいは自治体に一種丸投げをしたやり方では、網羅的、包括的なものにならずに、網の目が大き過ぎていろいろなところが落ちているんですよ。文化芸術、イベント関係は、ほとんど金は行っていませんよ。もうこれじゃもたないと言っていますよ。  是非、基本的な考え方、もう長期化して、更に長期化せざるを得ない今状況なんですから、思い切って持続化給付金の緩和の上での再交付、私は強く求めたいと思います。  オリンピックとパラリンピックについてお尋ねをしたいと思います。  まず、残念なことに、開催の是非について、アスリートの方が矢面に立たされているみたいなことが、ごく一部だと思いますが、生じています。私は、アスリートの皆さん始めオリンピックに向けて努力をされてきた皆さんが、何とか開催したい、してほしいと思うしおっしゃるのは、僕は当然のことだというふうに思います。  いや、私だって、一観客として、私は前回の東京オリンピックの年の生まれです、生きているうちに日本でオリンピックを見れるんだと楽しみですよ。できるならやりたいと思います。アスリートを責めたり、あるいはアスリートを盾にしたりということは、どちらも許されないということをまず申し上げておきたいと思います。  どうするのかという判断の責任は、政府東京都、あるいは組織委員会にあるというのは当然のことであります。  ただ、ちょっと私びっくりしましたが、総理、先月二十三日の会見で、IOCは開催することを決定していますと繰り返し、開催はIOCが権限を持っていますと説明しました。  確かに、形式的な権限はIOCが持っているでしょう。それなら、国内のイベント、この間中止をしてきた国内のイベント、みんなそうですよ。高校野球は高野連が主催でしょう。プロスポーツだって、それぞれの団体があって、そこが主催でしょう。学生が楽しみにしている、私の学生時代だって、合唱コンクールはNHKの主催ですよ。中止するか実施するか、全部主催団体が判断して主催団体が決めているので、そうした意味では確かにIOCが判断をするんです。  だけれども、政府がどういう対応を取るかによって、結局、高野連だってNHKだって、様々なプロスポーツの、あるいはイベントの主催団体だって、やりたいけれども諦めたということを繰り返してきて、特に子供たちは、中学三年生、高校三年生、一生に一度の機会を逃してきているんです。  今、入国規制であるとか、国内でどういう行動の規制をかけるのか、これは我が国の国家主権そのものだと思います。IOCの判断とか意見に左右されることなく、命と暮らしを守るという観点から政府が独立して判断するものだと考えますが、よろしいですね、総理総理ですよ、国家主権の在り方ですから。
  65. 菅義偉

    菅内閣総理大臣 最終的に決定するのはどこですかと聞かれました。これは、オリンピック憲章でIOCということになっています。  ただ、東京大会でありますけれども、主催者は、IOC、IPC、そして東京都、それで組織委員会であり、政府としては、国民全体の安全、安心を守る立場から、水際対策中心として感染対策に万全を期すべく、主催者と連携をしていくのがこれは政府の立場だというふうに思います。  具体的には、今般、日本政府が、ファイザーのCEOとの中で、ファイザーから提供のあった、IOCを通じて各国選手へのワクチンの無償の提供、こうしたことを実現をいたしました。  また、これに加えて、選手や大会関係者と一般の国民が交わらないようにする、選手は毎日検査を行う、こうした厳格な感染対策を行うことといたしております。  こうしたことにより、国民の命と健康を守り、安全、安心な大会が実現できるように全力を尽くすことが私の責務であるというふうに思います。
  66. 枝野幸男

    枝野委員 聞かれたことにお答えください。  全力を尽くすのは当然だと思います。それは私も開催した方がいいと思います、できるならば。ただし、国民の命と暮らしを守るという観点から、国家主権を適正に発動した結果できなくなる、それもやむを得ない、そのことを含めてしっかりと判断していただかなきゃならない、そのことを聞いているんです。
  67. 菅義偉

    菅内閣総理大臣 今私が申し上げたとおりです。  主催者は、あくまでIOC、IPC、東京都、組織委員会でありますけれども、政府としては、国民の全体の安全、安心を守る立場から、水際対策中心として感染対策に万全を尽くす、そして、主催者と連携をして検討を進めていきたいというふうに思います。  そして、私、申し上げましたように、訪米した際に、ファイザーCEOから申出があって、各国選手団へのワクチンの無償の提供、こうしたものが実現をしております。  これに加えて、選手や大会関係者と一般の国民が交わらないようにする、選手は毎日のように厳格な感染対策を行うこととしています。  こうしたことにより、国民の命と健康を守り、安全、安心な大会が実現できるように全力を尽くすことが、これは私の責務だというふうに思っています。
  68. 枝野幸男

    枝野委員 繰り返しますが、私もオリンピックを見たいです。そして、アスリートの皆さんを始めとして、この間努力されてきたことを考えれば、奇跡的にここから感染が抑制できて、開催できることになることを期待しています。  しかし、開催のために感染対策が不十分になって、外国からやってくる方から感染が更に広がる、新たな変異株が日本に持ち込まれるとか、あるいは逆に、来日された皆さんの中にクラスターが発生するみたいなこと、こんなことが起きては許されませんし、また、感染拡大の影響で、廃業や倒産、失業が更に増える、その結果、自ら命を、自死される、こうしたことが出てくることは許されません。既に逼迫している医療、それに、ワクチン接種、国内の高齢者だって本当に七月末までに全部打ち終えるのかと疑問の声がたくさん上がっています。こうした国内の医療を犠牲にすることも許されないというふうに思います。  オリンピックとパラリンピックを合わせると、選手だけで一万五千人入国されると聞いています。そして、ワクチンの優先接種を受けるのは選手、コーチだけではありません。報道では、全体で、このオリンピック・パラリンピックで九万人、海外から来られる。つまり、無観客、海外からの観客を除いてですよ。大幅に抑制しても六万人、こういう報道がありますが、政府にも聞いてみましたが、組織委員会も含めて、入国者全体の規模、現在でも見通しを示していないんですよ。何人来るか分からない、答えてくれないという状況なんですよ。  本当にその全て、六万人なら六万人の方全てについて、本当に感染していない状況だということを確認して入国を認める、あるいは、こうした皆さんが感染をした、あるいは、こうした皆さんに対応するための医療で、逼迫をさせずに対応することができるのか。選手の皆さんは選手村などに囲い込むことは可能かもしれませんが、報道関係を含めて、本当にその行動を日本の国内の皆さんと接触なくできるのか。いや、そういったことができたとしても、ボランティアの皆さんを始めとして、たくさんの皆さんが会場周辺へ集まってくるわけですよね、無観客だとしても。本当にそれが感染を広げることにつながらないのか。間違っても、オリンピックのせいで感染が更に拡大したなんということがあっては許されないんじゃないですか。  結果として予定どおり開催できなくなれば、これは本当にアスリートの皆さんなどに申し訳ないことですよ。しかし、今の日本の感染状況と、ここから二、三か月、三、四か月に想定される、そこに必要とされる想定、その中で、国民の皆さん、来日される皆さんの命と健康を守る、国民の命、暮らしを守る、これとオリンピック・パラリンピックの開催を両立させることは不可能と言ってもいいんじゃないかと残念ながら言わざるを得ません。  もう残り期間を考えると判断の先送りはできないタイミングだと思います。どうしても強行するというのなら、せめて具体的に、じゃ、何人入国するんですか、その人たちにどういう水際対策徹底できるんですか、今みたいな緩いのじゃなくて。そして、そうした皆さん、国内でいろいろなところに出歩いたりしないように本当に抑制できるんですか、報道機関を含めて。こうしたことを具体的に示してくださいよ。ただ安全で安心のオリンピックのために徹底しますと。徹底しますということを繰り返して一年間今の日本の国内の感染状況なんですから、何の説得力もありません。  しっかりと、どうしてもやるというのだったら、せめて今ぐらいのことを示してください。いかがですか。
  69. 菅義偉

    菅内閣総理大臣 具体的な方法として、例えば、行動範囲を原則として宿泊施設及び競技会場などに限定をする、その上で、一般の日本人との接触を厳に回避するため、それぞれの場所での動線分離を徹底をさせる、移動方法を原則専用車両に限定するなどの厳格な行動管理を実施をし、さらに、ルールに違反した場合には大会参加資格を剥奪をする、こうした措置を講じていきたいというふうに思っています。入国する関係者というのは最小限に抑えていきます。
  70. 枝野幸男

    枝野委員 選手とコーチは、それは、何か今、優先のワクチン接種をするとおっしゃっている。でも、本当に、日本ですらワクチン接種国民への、いや、医療従事者や救急隊員すらまだ打ち切れていないんですよ。本当に、日本の国内でも、ワクチンはあっても打ち切れるのか。まして、世界中のなかなか医療体制とか公衆衛生状況のよくない国々、みんなワクチンを打って来るということが、ワクチンがあっても本当に可能なのかという問題がありますよ。  しかも、その資格剥奪とかそんなことは、選手、コーチに限ってはできるかもしれません。報道機関とか入れないでやるんですかね。報道機関は、日本の報道機関と違って忖度してくれませんからね。本当に大丈夫なんですかね。何人かというめども示さずに、安全です、安心です、大丈夫ですという、今までこの一年間、この感染対策について繰り返されてきたことをただおっしゃるだけだから、残念なことに多くの皆さんが、今世論調査すると、もう諦めざるを得ないんじゃないかな、これが多数になってしまっているんですよ。  やるというんだったら、せめて、こういう具体的なことをやるんだということをもっときちっと示していただかなければならない。それができないのならば、決断は早い方がいいということを申し上げておきたいというふうに思っています。  感染対策以外に一点だけ。ワクチンについては、この後、山井議員から聞いていただこうと思っています。  入管難民法を今日、追加で通告させていただきました。これは、前向きの部分もあるんですが、帰国困難な外国の方を強制的に帰国され得る、その条項が拡大をしている、それも、入管のかなり自由な裁量的な判断でできるのではないかということで、国際基準に反するとして、重大な問題だという指摘がなされています。  加えて、入管で収容中だったスリランカの方が亡くなられる、しかも、適切な治療もされずに放置をされた中で亡くなったという事案が指摘されています。入管における死亡事案というのは、実は十年に一遍ぐらい、いや、五年に一遍ぐらい出てきて、その都度、闇の中なんですよ。人権感覚に欠けたこうした事案、入管の事案は本当に繰り返されています。  私たちは、まずこの真相究明をしないと、入管にそんな強い権限を持たせたら危なくて仕方がない、とても認められないと言っているんですが、残念ながら、法務省から真相究明に向けた資料提供や調査などの報告はされていませんが、にもかかわらず、与党は先週、採決を強行しようとしました。  この死亡案件の真相究明とそれを踏まえた十分な審議が不可欠だと思いますが、総理、いかがですか。
  71. 菅義偉

    菅内閣総理大臣 まず、お亡くなりになられた方とその御家族に対し、お悔やみを申し上げます。  入管法改正については、現在、法務委員会において審議をいただいているところであり、審議の進め方については国会でお決めをいただきたいと思います。  いずれにしろ、御指摘の点も含めて、法務省において丁寧に対応に努めさせたい、こういうふうに思います。
  72. 枝野幸男

    枝野委員 国会の審議については国会でというのがいつもの答弁だから、それは、受け入れるわけじゃないけれども、分かりますが、法務省がきちんと真相究明に努力をしていないから、我々は、法務委員会の審議を進められないし、こんなものでは採決は応じられないと申し上げているんです。  これは何度も繰り返されているんです。刑務所よりも実は入管の方が入っている人たちの人権はひどい状況に置かれているともうずっと言われているんですよ。せめて、こうして不幸にも、日本に日本が好きで来ていただいた、そして、日本で日本人に英語を教えたい、たしかそういった目的で来ていただいた方がいろいろな事情の中で入国資格がなくなった、そうした方が大した治療も受けられずに亡くなったというのは、これは国際問題としても放置しては駄目ですよ。  その真相究明をちゃんとやるのは、国会の仕事でもありますが、まず法務省として、ちゃんと真相究明、その調査をして国会に報告しろと言っているんです。そこは政府の問題です。そうでしょう、総理
  73. 菅義偉

    菅内閣総理大臣 スリランカ人女性が死亡した事案については、現在、出入国管理庁において、仮放免をせずに収容を継続した判断の点を含めて、最終報告に向けて必要な調査検討を進めている、このように承知をしています。
  74. 枝野幸男

    枝野委員 今日は法務大臣まで呼ぶ時間がありませんでしたのでこれ以上は言いませんが、法務大臣に対して、厳しく、ちゃんとやれと国会で言われたと伝えていただきたいというふうに思います。  今我々が直面しているCOVID―19による危機は、第二次世界大戦、日中、日米戦争が終わってから七十五年余り、我が国が直面している危機としては、十年前の東日本大震災と東京電力福島第一原発事故、これと並ぶ戦後最大の危機だというふうに私は思います。危機が大きいほど、時のリーダーが問われます。リーダーが、つまり総理御自身が、この危機を乗り越えるんだというその先頭に立ち、自らの言葉でこの危機を乗り切るんだという強い意思を示していただく。そして、そのための道筋を示す。これが、私は、危機を乗り切るための前提条件だというふうに思います。  そうした総理の意思や言葉が、残念ながら伝わっていません。今日の質疑でも、総理じゃないと答えられませんでしょうと何度も繰り返しましたが、それでも関係閣僚が出てくるというケースも見られました。そして、答弁されても、正面から答えていただけず、いわゆる官僚答弁、それこそ各省大臣に答えていただければいいような答弁の繰り返しで、リーダーとしての意思と道筋を示していただくことはできなかった。大変残念に思っています。  これでは、医療従事者を始めとして、本当に限界を超えて頑張っていただいている、御苦労されている皆さん、そして多くの国民の皆さん、更に言えば各役所の皆さんだって、危機だからもっといろんなことをやらなきゃならない。でも、ほっておいたら、役所の縦割りでほかの役所の権限のところには手を出せないとか、いろんな状況の中で、でも自分の部局だけは頑張ってやりましょうということで、多くの役所の皆さん、頑張っていただいていると思うんですが、総理が強いリーダーシップと道筋を示すからこそ、平時とは違うという強いモチベーションで官僚の皆さんは動いていただけるんだと、僕は十年前の経験から強く思います。  総理に危機感が感じられない中では、例えば外出しないでくださいとか、いろんなことをお願いをしてお訴えをしても、国民の皆さんに総理の危機感が伝わらなければ、それに応じていただけないのは当たり前じゃないですか。総理がそうした危機感、そして覚悟、意思を示されなかったことを大変残念に思います。  私たちには十分な覚悟と準備ができています。私には経験と教訓があります。総理がその覚悟と気概をお示しになれないんだったら、潔く身を引かれるべきだということを申し上げて、同僚議員に時間を譲りたいと思います。  ありがとうございました。
  75. 金田勝年

    金田委員長 この際、山井和則君から関連質疑の申出があります。枝野君の持ち時間の範囲内でこれを許します。山井和則君。
  76. 山井和則

    山井委員 三十分、質問時間をいただきました。どうかよろしくお願いをいたします。  今回のコロナ、本当に多くの方がお亡くなりになられ、また感染で苦しまれております。かつ、同時に、コロナという病気だけではなく、そのことによって多くの国民、商店、中小企業方々が苦しんでおられます。それに対して菅総理の取組は、余りにも後手後手、行き当たりばったりではないか、そういう懸念を持たざるを得ません。  質問通告を今日しておりますが、全て菅総理に基本的なことしかお伺いをしませんので、菅総理、お答えをいただければと思います。  まず、今回、緊急事態宣言を解除できませんでしたが、私、この間ずっと思いますのは、菅総理の頭の中はオリンピックファーストで、結局、コロナ対策ワクチン接種、あるいは本当にこのコロナで苦しんでおられる事業者や国民対策が二の次になってしまっているのではないかなというふうに思えて仕方がないんです。  そういう中で、私も、観光、京都が地元でありますから、オリンピックを楽しみにしておりました。私の知り合いにもアスリートの方々がおられます。しかし、例えば私の知り合いの介護施設でも、クラスターが発生し、そのために、先頭に立ってクラスター対策に取り組まれた二十代の介護職員の方がコロナでお亡くなりになられました。小さなお子さんを残してお亡くなりになられました。同僚の方々からは、これは戦死だと言われております。また、私の大切な大切な方も感染され、集中治療室にコロナで入られたということもありました。  そういう中で、オリンピック優先と言っている場合じゃないんじゃないか。自分自身のみならず、国民の命、あるいは、先ほども言いましたように、コロナだけじゃなくて、多くのお店が潰れかかっている、多くの生活困窮者が残念ながら自ら命を絶つという事態にもなっているわけです。  そこで、菅総理にお伺いしたいと思います。  東京大学の専門家の先生の予測ですね、今後、七月、八月に向かって、再度リバウンドがあるかもしれない、感染拡大するかもしれないという一つの試算であります。  つまり、心配していますのは、オリンピック、それは安全、安心にできたらいいです。しかし、二兎を追う者一兎を得ずという言葉がありますが、本当に安全、安心なオリンピックというのができるのか。ここにありますように、もしかしたら、七月第一週に東京で千五百人を超える感染拡大があるかもしれない、あるいは八月第三週に千八百人を超える感染拡大があるかもしれない、こういう一つの試算もあるわけですね。  そこで、菅総理にお伺いしたいと思います。菅総理、オリンピックが開催される七月、八月、ステージ3の感染急増あるいはステージ4の感染爆発、そういう状況でもオリンピック・パラリンピックは開催されるんですか。
  77. 菅義偉

    菅内閣総理大臣 大変失礼だと思いますけれども。私は、オリンピックファーストでやってきたことはありません。国民の命と暮らしを守る、最優先に取り組んできています。そこは明言に言わせていただきます。  オリンピック・パラリンピックですけれども、まず現在の感染拡大を食い止めることが大事だと思います。東京大会について、IOCは開催を既に決定をし、各国にも確認をしております。開催に当たっては、選手や大会関係者の感染対策をしっかり講じて、安心の上、参加できるようにするとともに、国民の命と健康を守っていくのが責務だと思います。  今般、日本政府が調整をした結果、ファイザーからIOCを通じて各国選手へのワクチンの無償の提供が実現することになっています。これに加えて、選手や大会関係者と一般の国民が交わらないようにする、選手は毎日検査を行うなど、厳格な感染対策を検討して……(山井委員委員長質問に答えてもらってください」と呼ぶ)
  78. 金田勝年

    金田委員長 今答えると思います。
  79. 菅義偉

    菅内閣総理大臣 行っており、しっかり準備は進めていきたい、このように思います。
  80. 山井和則

    山井委員 菅総理、これは質問通告もしているんですよ、先週金曜日に。非常に基本的な質問です。感染急増のステージ3、感染爆発のステージ4、そのときにもオリンピックはやるんですか。お答えください。
  81. 菅義偉

    菅内閣総理大臣 今、私が申し上げましたように、まずは国民の命と健康を守っていくということが最優先で、そのために、感染拡大は食い止めるために全力を挙げていきたいというふうに思います。  東京大会においては、先ほど申し上げましたように、IOCが開催を既に決して各国にも確認しており、開催に当たっては、選手や大会関係者の感染対策をしっかり講じ、安心して参加できるようにするとともに、国民の命と健康を守っていく、これが開催に当たっての基本的な考え方です。(発言する者あり)
  82. 金田勝年

    金田委員長 静粛にしてください。
  83. 菅義偉

    菅内閣総理大臣 今申し上げたのが私の基本的な考え方です。(発言する者あり)
  84. 金田勝年

    金田委員長 じゃ、もう一度、山井和則君の質問が、これだけを答えてくれということを明確にしてください。
  85. 山井和則

    山井委員 感染爆発のステージ4、感染急増のステージ3でオリンピックは開催しますか。お答えください。
  86. 菅義偉

    菅内閣総理大臣 開催に当たっては、選手や大会関係者の感染対策をしっかり講じ、安心して参加できるようにするとともに、国民の命と健康を守っていく、これが開催に当たっての私の基本的な考え方であります。
  87. 山井和則

    山井委員 菅総理、これは国民の命が懸かっているんです。かつ、海外から来られるアスリートの方の命も懸かっているんです。これだけ聞いても答えないということは、全国医療従事者や介護従事者、コロナで苦しんでおられる方も見ておられますよ、感染爆発していても菅総理はオリンピックをされるというお気持ちなんですか。
  88. 菅義偉

    菅内閣総理大臣 そんなことは全く申し上げておりません。  開催に当たっては、よく聞いてください、選手や大会関係者の感染対策をしっかり講じ、安心して参加できるようにする、それと同時に国民の命と健康を守っていく、これが開催に当たっての私の基本的な考え方であります。
  89. 山井和則

    山井委員 今、菅総理感染爆発でもやるんですかと言ったら、そんなことは言っていませんということは、感染急増のステージ3とかステージ4の感染爆発ではオリンピックはやらないというふうに理解してよろしいですか。
  90. 菅義偉

    菅内閣総理大臣 私が今申し上げたとおりです。
  91. 山井和則

    山井委員 いや、その日本語、分からないんです。申し訳ない。分からないんです、その日本語の意味が。その答弁されていませんよ。  これは誰もが不安に思っているんです。日本中だけじゃなくて世界中が、一歩間違ってオリンピックでクラスターが発生したら大変だと、みんな心配に思っています。かつ、多くの人が、安全、安心だったらオリンピックをやった方がいいと思っている人も多いと思います。しかし、それができないかもしれないから、こういう議論は私もなかなかアスリートの方のことを考えるとやりたくないけれども、やはり私たち国民の命を守らないと駄目ですから。  今日の配付資料の中に、四ページ、毎日新聞の調査で、毎日新聞が全国四十七都道府県の知事さんに、東京オリンピック・パラリンピック、アンケートをされているんですね。その中で、質問一、配付資料四ページですね、「感染状況にかかわらず開催すべきだ」、つまり、今言ったような感染急増とか感染爆発であっても開催すべきだと答えた知事さん、菅総理、何人だと思われますか。
  92. 菅義偉

    菅内閣総理大臣 承知しておりません。
  93. 山井和則

    山井委員 ゼロです。四十七都道府県の知事さん、感染状況にかかわらず開催すべきなんて答えている人はゼロなんですよ。だから、感染爆発していたらオリンピックはやらない、できない、これはもう当たり前ですよねということなんですよ。  そうしたら、菅総理にお聞きします。感染状況にかかわらず、オリンピック・パラリンピックは開催すべきですか、いかがですか。
  94. 菅義偉

    菅内閣総理大臣 私、先ほど来申し上げておりますけれども、開催に当たっては、選手や大会関係者の感染対策をしっかり講じ、安心をして参加できるようにするとともに、国民の命と健康を守っていく、これが開催に当たっての私の基本的な考えであります。
  95. 山井和則

    山井委員 だからオリンピックファーストだと言われるんじゃないんですか。オリンピックありきだと言われるんじゃないんですか。  四十七都道府県の知事だけじゃなくて、日本国民の、世界の方々も多くが、オリンピックはやってほしいけれども、感染拡大、爆発していたら無理だよねというのが普通の考え方だと思いますよ。にもかかわらず、その一番の権限を持っておられる菅総理が、感染爆発していても、感染急増していても、オリンピックをやるかやらないか、やらないとも言わない。  私は、感染爆発しても、感染急増していてもオリンピックをやるというのは、それは危険だと思います。あり得ない。オリンピックというのは平和の祭典じゃないんですか。オリンピックでクラスターができたり、日本中で医療崩壊、今のように五十人、百人、一日で亡くなっているかもしれない中で、平和の祭典ができますか。  菅総理、ここは私は菅総理の基本姿勢をお聞きしたいんです。もちろん、オリンピック、人命、両方重要ですよ。でも、もしこれが対立することになったら、日本人の人命が失われているという状況において、オリンピックを菅総理は強行されるんですか、されないんですか。その基本認識ぐらいはお聞かせいただけませんか。
  96. 菅義偉

    菅内閣総理大臣 私、さっきから何回も申し上げています。(山井委員「言っていない、言っていない。何にも言っていない」と呼ぶ)開催に当たっては、よく聞いてください、選手や大会関係者の感染対策をしっかり講じ、安心して参加できるようにするとともに、国民の命と健康を守っていく、これが開催に当たっての基本的な考え方であります。
  97. 山井和則

    山井委員 意味が分かりません。全く意味が分かりません。  菅総理も、多くの専門家が、四月末に短期集中十七日間で緊急事態宣言をやるとき、多くの専門家は、これはこんな短期集中だったら無理だろうと思いました。でも、菅総理が最終的に決断してこのことになって、案の定、感染拡大しているじゃないか、全国に。申し訳ないけれども、菅総理の大丈夫だ、大丈夫だは全く信用できなくなってしまっているんです。  そうしたら、ほかの聞き方をしますが、菅総理、今後感染が、百歩譲ってですよ、世界に先駆けて日本がワクチンをたくさん接種しているというのであれば、まだ海外の人も日本の人も、ワクチンが進んだら行けるかもしれないなと思うでしょう。でも、残念ながら、先進国で最下位、べったこ、三%。クーデターが起こっているミャンマーと同じぐらいなんですよ、軍事政権のミャンマーと。この状態で本当にできるのか。  実際、残念ながら、海外でもこういう論調が出てきているんです。今日の配付資料五ページ。イギリスの新聞ガーディアン、この大会が本当に正当化できるかどうか自らに問いかけねばならないと、これは日本に対しての言葉です。オリンピックがパンデミック、感染拡大を更に悪化させるリスクが高いんじゃないかと。イギリスのガーディアン、有力紙です。さらに、下、アメリカのニューヨーク・タイムズ、最悪のタイミングであり、日本と世界にとって一大感染イベントになる可能性があると。こういうふうにみんなが心配しているんです。そんな中で、世論調査でも、当然、賛否両論あります、六割、七割の方が、延期とか中止、そういう声も出てきております。  菅総理、これは尾身会長もおっしゃっています、正式に、尾身会長やコロナ分科会で、オリンピック・パラリンピックはどうすればいいのかということを少なくとも議論し、検討をすべきじゃないでしょうか。いかがですか。
  98. 菅義偉

    菅内閣総理大臣 安全、安心な大会を実現するためには、新型コロナへの対応を始め、感染対策は極めて重要だと思っています。  昨年九月から、東京都、組織委員会と各省庁の調整会議を開催をしており……(山井委員委員長質問に答えていただけない」と呼ぶ)
  99. 金田勝年

    金田委員長 今答えています。
  100. 菅義偉

    菅内閣総理大臣 感染症の専門家二名、当初よりアドバイザーとして毎回出席をしていただいています。そして御意見を伺ってきています。  こうしたことを踏まえて、選手や大会関係者と一般の国民が交わらないようにする、選手は毎日検査を行う、こうした厳格な感染対策を検討しており、しっかり準備を進めていきたいというふうに思います。
  101. 山井和則

    山井委員 いやあ、国民の命、国民だけじゃないですよ、一歩間違うと世界にオリンピッククラスターで感染拡大のリスクを広げかねない、そういう世界が不安と期待を持っているオリンピックに対して、なぜ総理大臣は私の非常に簡単な質問にも答えないんですか。尾身会長やコロナ分科会でオリンピック・パラリンピックについて議論すべきじゃないですかと。尾身会長も議論すべき時期だとおっしゃっているんです。その質問にお答えください。(発言する者あり)
  102. 金田勝年

    金田委員長 静粛に。
  103. 菅義偉

    菅内閣総理大臣 尾身会長がどういう主張をおっしゃったか、私はよく分かりませんけれども、先ほど申し上げましたように、昨年の九月から既に東京都と組織委員会と各省庁の調整会議、これを行っており、その中に、感染症の専門家二名の方にアドバイザーとして毎回御参加をいただいて意見を伺っているということも是非御理解ください。
  104. 山井和則

    山井委員 昨日も専門家の方が、ステージ2だったらオリンピックはできるけれども、ステージ3、4では難しいということもおっしゃっておられます。  これは、菅総理、賛否両論は当然ありますけれども、落ち着いて、冷静に賛否両論を聞いて議論して、結論は出すべきだと思います。菅総理みたいに、ステージ3でも4でも、やめるかすら言わない、それでは人命軽視と言わざるを得ません。  さらに、私がオリンピックファーストだと言っているのは、結局、余りにも、先ほど枝野代表の話にありましたけれども、コロナで苦しんでいる事業者や生活困窮者への支援が遅過ぎる、なさ過ぎるんです。  今日の資料にもありますように、一人親家庭の方々調査では、このコロナによってお子さんの体重が一〇%減っているんですよ。おなかが減って、食べられないんですよ、コロナで、減収と、仕事がなくなって、子供たちが。四割の一人親家庭が、主食、お米が買えないんですよ。これは発展途上国じゃないですよ。今の日本の現状なんですよ。商店も中小企業も潰れかかっていますよ。生活困窮者の方々も苦しんでいる。  私たちは、提案ということで、予算の組替え動議も出しました。否決されました。それでもということで、三月一日に、一人当たり十万円、一家四人だったら四十万円ですからね、対象者約三千万人、三兆円の、住民税非課税の方やコロナで大幅減収の生活困窮の方、三千万人に三兆円の給付金の法案を提出しました。  さらに、先ほど枝野代表もおっしゃったように、二回目の持続化給付金、これも、五割減収要件だけじゃなくて、二割とか三割とか、場合によってはそういうところにも対象を広げて、七兆円の予算で四百万事業所ぐらいに給付をする。さらに規模に応じて加算もする。  こういう具体的な法案を、特に観光業も苦しんでいるから、観光業の方々への給付金なども含めて具体的な提案をして、自民党に、審議に応じてほしい、成立させてほしい、コロナ対策、与党も野党も関係ないから力を合わせてやりましょうと提案しているけれども、審議には応じてくれないし、政府が反対して、その間に、失業、倒産、自殺、廃業、どんどん増えているじゃないですか。  だから、私は言いたいんです。オリンピックファーストじゃなくて、国民の命と暮らしを守る、こういうふうに、失礼ながら、菅総理の優先順位をちょっと変えていただきたいんです。オリンピックありきじゃなくて、まずは医療従事者ワクチン接種、コロナで苦しむ方々の命を救う。そして、こういう給付金、法案を出しているから、自民党が審議に応じて賛成と言ったら、一週間後にでもこれは成立するんですよ、急げば。  菅総理、このような具体的な提案、オリンピックファーストじゃないとおっしゃるんだったら、早急に、自民党総裁という立場も含めて、やるとこの場で言っていただけませんか。
  105. 菅義偉

    菅内閣総理大臣 新型コロナにより影響を受けた事業者の皆さんや個人の方々をしっかり支援することは、ここは重要だと思っています。  このために、多くの事業者にとって重要な資金繰りの支援、雇用調整助成金による人件費の支援に加えて、緊急事態宣言などの影響により売上げが大幅に減少した事業者には支援金を支給をします。飲食店に加えて、大規模施設についても、事業規模に応じた協力金を支援を行います。  手元資金が不足している御家庭には、緊急小口資金などを最大二百万円まで用意し、住民税非課税の方には返済を免除するということにしております。さらに、先ほど来お話がありましたけれども、厳しい状況にある一人親世帯や所得が低い子育て世帯に対しては、子供一人当たり五万円を給付をさせていただくことにしております。  これらの支援により、雇用事業、暮らしをしっかり支えていきたいと思います。
  106. 山井和則

    山井委員 全く後手後手で、額も小さ過ぎるんです。  菅総理、商店街を歩いてください。地域を歩いてください。貧困家庭のお子さんの話を聞いてみてください。コロナという感染症じゃなくて、経済苦でもう生きていけない、そういうふうな方が今どんどんどんどん急増しているんです。  再度言います。  今の菅総理答弁は、もう何度も聞きました。私たち予算委員会でこういう議論を百回ぐらいやりました。毎回、やっています、やっていますで、でも、倒産は増えているじゃないですか。自殺者は十一年ぶりに二万人を超えて、小中高生の自殺も最多の四百九十九人。コロナの失業者十万人。コロナウイルス関連倒産千四百十三件。今回の緊急事態宣言で、全国にどんどんどんどん増えていっているんですよ。止めようじゃありませんか。総理がやると言ったら、この十兆円のお金を流せば、かなりの方の生活と命は救われるんです。  菅総理、これは与野党対立する話題じゃないんです。与党でも、この政策、賛成されている方は多いですよ。めちゃくちゃ多いです。このままいくと、本当に多くの会社、商店は潰れ、多くの方の暮らしが壊れ、残念ながら自ら命を絶つ方も増えかねません。是非とも、菅総理、やっていますじゃなくて、少しは前向き答弁をいただけませんか。
  107. 菅義偉

    菅内閣総理大臣 国民の命と暮らしを守る、雇用を確保し、そして事業を継続させる、これは政府としての基本的な考え方であります。そういう中で、先ほど申し上げましたような対応策を行わさせていただいています。  失業の方も確かに増えています。自殺される方も増えております。そういう中で、私どもは、失業率というのは、世界と比較をして一番低い水準にいるということも、これは事実じゃないでしょうか。二・六%です。  いずれにしろ、そうした中で、政府として、今回のコロナの中で、経済対策、さらに社会保障の制度、そういうことについてはできる限りのことはしていくべきだ、そういう思いの中で取り組んでおります。
  108. 山井和則

    山井委員 これだけ国民が苦しんでいるのに全く十分な対策をやらない、これは私、人災だと言わざるを得ません。私たち野党も協力しますから、そこは是非やっていただきたいと思います。  それで、麻生大臣にちょっと違う話題でお聞きしたいと思います。赤木ファイルのことです。  裁判で、この赤木ファイル、六月二十三日に開示されることになりました。森友学園の問題で二百か所以上の改ざんを迫られ、そして、赤木さんが自ら命を絶たれてしまいました。本当に残念無念、こんな悲しいことはありません。政治家あるいは上司の指示であったのか、そういうことで、一人のすばらしい優秀な公務員の方が命を絶たれた。  しかし、この経緯が書かれたと御遺族の奥様がおっしゃっていた赤木ファイル、ずっと捜索中、捜索中と言って、財務省は隠し続けたわけです。  麻生大臣、これは今回提出をするということですが、いつ麻生大臣はこのファイルがあることをお知りになりましたか。
  109. 麻生太郎

    ○麻生国務大臣 まず、質問予定は入っていませんね。これは質問予定に入っていませんね。最初にそれだけ伺っておきます。(山井委員「重要なことですから」と呼ぶ)いや、重要か重要じゃないかと聞いているんじゃない。出していますかと聞いているだけです。(山井委員「入っていません」と呼ぶ)出していませんね。はい。  突然の御質問ですけれども、私どもは、赤木ファイルという定義や意味するところ、よく分かりません。いわゆる赤木ファイルと……(発言する者あり)正式に決まっておりません。いわゆる赤木ファイルという言葉意味は伺っております。これとこれとこれと、全部足したこれが赤木ファイルであろうと言われるものがあるという存在は知っておりますが、赤木ファイルという定義をして、これからこれ、これが赤木ファイルですというものが存在しているということを知っているわけではありません。いわゆる赤木ファイルという言葉になっているということだけだということだけ説明をさせていただきます。  その上で、そういったようなものが、これと思われるものが赤木ファイルと言われるものであろうということを私どもが知ったのは、かなり前の方から、ちょっといつからだったか、記憶にありません。
  110. 山井和則

    山井委員 かなり前から知っていたというのはびっくりです。かなり前から知っていたら、それは国会にも提示し、何よりも御遺族の方が見せてほしいとおっしゃっているんですから。当然、御主人が亡くなられた経緯を知りたい、御遺族がおっしゃっていることですよ。それを、ない、ない、ない、捜索中と言って、かなり前から知っていたって、それはどういうことですか。  かなり前って、それは一年前ですか、二年前ですか。お答えください。
  111. 麻生太郎

    ○麻生国務大臣 私どもは、裁判所からこういった話を頂戴したのは三月の二十二日ということになっておりますので、証拠調べの必要性がないとは言えないという御意見を裁判所から頂戴いたしましたので、私どもといたしましては、五月の六日に国会に意見を提出させていただいたということで、三月二十二日が正確だと存じます。
  112. 山井和則

    山井委員 いやあ、これは国会でも何度も要求をさせてもらいましたし、何よりも御遺族の方が最初からおっしゃっていた。余りにも冷た過ぎる。  そしてまた、これの開示の日が六月二十三日ということで、国会は六月十六日に会期末を迎えます。国会が終わってから出す、これでは駄目です。まさか黒塗りだらけで出すなんてことはないでしょうね。正々堂々と、国会の会期中にこの国会に出すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
  113. 麻生太郎

    ○麻生国務大臣 御意見として拝聴させていただきますが、御指摘の文書につきましては、個人のプライバシーの保護の観点からマスキング処理の必要性がある一方、マスキング処理の範囲内についてはできる限り狭いものとする予定である旨記載した意見書を提出した、提出をしておりますということは事実でありますけれども、裁判所にですよ。いずれにしても、訴訟におきましては、裁判所の訴訟指揮に従いつつ、国として真摯に、丁寧に対応させていただきます。
  114. 山井和則

    山井委員 是非、この予算委員会に出していただきたいと思います。委員長お願いいたします。
  115. 金田勝年

    金田委員長 理事会で協議させていただきます。
  116. 山井和則

    山井委員 国会会期中に出していただきたいと思います。  最後、菅総理、またワクチンの話に戻りますが、ワクチン、菅総理は七月末に高齢者接種を終わらせると指示をされておりますけれども、私は、願望とかそういうのを聞きたいんじゃなくて、ファクト、事実を教えていただきたいんです。  これも質問通告しておりますが、現時点において、全国自治体の中で何自治体、何割の自治体が七月末までに高齢者接種が終わりそうだということを国に回答をしていますか。これは事実関係ですから、それをお答えください。  さらに、聞くところによりますと、小さな町や市は割と早いんですけれども、政令指定都市とか人口が多いところはなかなか七月末は難しいというところが多いんです。ついては、何割、何自治体ぐらいが七月末は可能だと答えていて、あと、その中での高齢者の人口ですね、可能だと答えている自治体高齢者の人口は全高齢者の人口の何割ぐらいですか。これは質問通告しておりますので、お答えください。
  117. 菅義偉

    菅内閣総理大臣 これまで、千七百を超える市町村のうち、約千の市町村において七月末までに高齢者に二回の接種を終えられる状況にあるということを報告を受けています。  また、七月末までに終了しない自治体の主な課題として、ワクチンの具体的な供給スケジュールだとか、医療従事者の方がなかなか確保することが難しい、そうした御意見が大きく分けて二点あったということで、それについても国として支援をさせていただく、そういうことを自治体の方に申し上げながら、七月末までに一つでも更に多くの自治体に終えていただくように、そこはしっかり取り組んでいきたい、こういうふうに思いますが、詳細については河野大臣から。
  118. 山井和則

    山井委員 いやいや、詳細じゃない。ちょっと答えていないので、後半の、質問通告を金曜日にしました。
  119. 金田勝年

    金田委員長 時間が参りましたので。
  120. 山井和則

    山井委員 今、質問したことに答えておられないのでね。
  121. 金田勝年

    金田委員長 簡単に、簡単に言ってください。
  122. 山井和則

    山井委員 高齢者人口当たり、その千の自治体というのは何割になりますか。これは通告していますので、総理、お答えください。通告しているわけですから、総理、お答えください。総理。通告しているわけですから。
  123. 金田勝年

    金田委員長 細部にわたるので、河野大臣
  124. 河野太郎

    河野国務大臣 細かい話ですから、担当から答えさせていただきます。  自治体の中には、一〇〇%接種を前提として計画を作っているところもございますし、インフルエンザワクチンなどの接種率を参考にして接種率を出そうとしているところもございます。これは自治体によって千差万別でございます。
  125. 金田勝年

    金田委員長 時間が参りましたので。
  126. 山井和則

    山井委員 高齢者の、ここは大事です、千七百人中千人といっても、人口の少ないところが多いんです。だから、質問通告していますので、答えてください、それは。
  127. 金田勝年

    金田委員長 いや、時間が参りましたから。
  128. 山井和則

    山井委員 高齢者人口では何割ですか、総理
  129. 金田勝年

    金田委員長 今の答えで十分じゃないですか。(発言する者あり)  じゃ、田村厚労大臣、時間ですから一言で。
  130. 田村憲久

    ○田村国務大臣 今、いろいろと自治体から報告を受けている最中でございます。まとまればまたお示しさせていただきたいというふうに思っております。
  131. 山井和則

    山井委員 これで終わりますが、千七百中千ということは、逆に、高齢者でいうと、半数以上の高齢者が七月末までに現時点では間に合わないんじゃないかというような、そういうふうな気もいたしますので、このことの資料を予算委員会に出してください。  ありがとうございました。
  132. 金田勝年

    金田委員長 これにて枝野君、山井君の質疑は終了いたしました。  次に、清水忠史君。
  133. 清水忠史

    清水委員 日本共産党の清水忠史でございます。  全国で新型コロナウイルス感染拡大の大波が押し寄せております。決して、さざ波と呼べるようなものではありません。  緊急事態宣言延長された地域では、医療提供体制が危機的な状況となっております。  最も深刻な大阪では、今月五日に重症病床率がついに一〇〇%を超えました。重症病床に転院できない重症患者があふれております。自宅ホテルで療養する人は一万六千人、全感染者のうち実に九割の方が入院できないという事態です。救急車を呼んでも、搬送先の病院が見つからない。救急車の中で四十七時間過ごされた方もおられます。ようやく救急車に乗って病院にたどり着いたときには既に亡くなっていた、こういう事例も起きています。三度目となる、四月二十五日、緊急事態宣言以降、コロナによる大阪府の死亡者数は、昨日まで、三百七十五名です。西淀病院の大島民旗副院長は、大阪のこの現状について、入院すべき患者を搬送できないような状況は既に医療崩壊だと新聞のインタビューに答えておられます。  大阪府の責任は極めて重大だと言わなければなりませんが、同時に、菅総理大臣自身にも責任が問われる問題だと思っています。総理は、前回の宣言解除の前の三月十八日に、感染拡大を二度と起こしてはならない、そのために、感染拡大を防ぐために五本の柱を着実に進めると述べました。そして、医療体制の強化を行い、病床医療スタッフの不足が起こらないよう準備を進めると国民に約束したのであります。ところが、大阪では既に医療崩壊の危機です。目の前の命を救えないという状況が生じているのは、これは菅内閣に責任があるのではありませんか。
  134. 金田勝年

    金田委員長 田村厚生労働大臣。(清水委員総理に聞いているんです。総理に聞いていますよ」と呼ぶ)  まず、担当大臣
  135. 田村憲久

    ○田村国務大臣 大阪、兵庫共に非常に厳しいんですけれども、状況から申し上げますと、一般医療等々、それから今言われた救急搬送、こういうものにも影響が出てきておる。更に申し上げれば、在宅で対応されておられる方々に関しても急変時になかなか対応ができないという現状がございます。そのような意味では、大変逼迫しておるのは事実でございまして、そのような状況というのは、一つは感染拡大のペースが非常に速かったということもありますが、それも含めまして我々として十分に支援をしていかなければならないというふうに考えております。  いずれにいたしましても、このような状況の下でありますけれども、それぞれの都道府県大阪、兵庫等々、府県と厚生労働省、国としっかりと連携しながら、一人でも多くの方々の命が救えるように我々としては努力をしてまいらなきゃいけないというふうに思っております。
  136. 清水忠史

    清水委員 努力するのは当然なんですよ。国民の命と健康を守るとおっしゃったのは総理自身なんですから、今のこの大阪や関西の現状を救えなかった責任は総理にあると言わなければなりません。総理自身の責任についてお答えください。
  137. 菅義偉

    菅内閣総理大臣 大阪においては、国民の命と健康を守るという観点から、特に政府としても主体的に関与しながら対策を講じています。私自身、大阪府の医療体制の状況については毎日細かく報告を受けています。そして、関係省庁に対して必要な指示も行っています。特に病床の確保が重要だと考えており、国と自治体とが一体となって病床確保を行うなどの必要な方策、大阪では四月以降約八百以上の病床追加、こうしたことを国として支援をさせていただいています。  ただ、そういう中で、まだ厳しい状況であるということについては大変申し訳なく思っています。
  138. 清水忠史

    清水委員 深刻な状況でいいますと、重症病床が既に満床になっているということなんですね。今月五日には一〇〇%を突破いたしました。大阪の重症者数は今月五日時点で四百四十六人おられまして、運用病床数が三百六十一床しかありませんでした。八十五人の方が重症病床で治療を受けられなかったわけです。  五月六日に大阪府の新型コロナウイルス対策本部会議に提出されたシミュレーションによりますと、五月下旬まで重症患者の増加が続く可能性があり、病床確保のための対策が必要だと予測されているわけです。しかし、大阪府の健康医療部長からは、現在の重症病床三百六十四床が限界ではないかという意見も出されているわけです。  総理、現状はこの重症病床の確保でいうと手詰まりなんです。政府対応するしかないというふうに思うんですが、重症病床を確保するために総理は具体的にどのような手だてを取っていただけますか。
  139. 菅義偉

    菅内閣総理大臣 先ほども申し上げましたように、こうした重症病床についても、国から個々の医療機関に働きかけをしています。大阪と連携をしながらやっています。  そういう中で進めていくと同時に、さらに、全国に、大学病院とかあるいは労災病院など、厚労省と所管の違う病院も数多くあります。そうしたことについても、私どもから協力するようにということで指令を出して、病床数を出してもらっています。  いずれにしろ、こうした機関に強く働きかけて、また、全国から医療従事者の応援派遣、これも実施をさせていただいています。  いずれにしろ、看護師不足、そうしたものも伺っておりますので、こうした病床の確保と併せて医療人材の確保、こうしたことに全力を尽くして支援をさせていただいております。
  140. 清水忠史

    清水委員 今現状、重症病床が足らないわけですよ。その原因はどこにあるかというと、医師、看護師、あるいは専門分野の医療従事者など、人材がないわけです。いわゆる大阪だけでは今、医療提供、医療体制を提供することができない、医療資源が枯渇している状況なんです。  ということは、やはり全国から医師、看護師大阪に思い切って派遣をする、あるいは、重症病床が不足しているというのであれば、広域搬送、近隣の府県などに重症病床が確保できているということを政府が把握して、そこをやはりしっかり調整していく、こういうことをしないと、重症病床に入れない人の命が救えないというふうに思うんです。  総理看護師だけでなく、医師、ドクターです、ドクターを大阪に派遣していただきたい。そして、広域搬送について、政府が積極的に主体的な役割を発揮して調整していただきたい。このことをお願いしたいと思うんですが、すぐやっていただけませんか。
  141. 田村憲久

    ○田村国務大臣 今、総理からお話ありましたが、看護師皆様方に関しては、これはもう百五十名近い皆様方、決定した上で、百十名でしょうか、もう随時大阪に入っていただきつつあります。  あわせて、医師なんですが、医師の場合は、なかなか難しいのは、まず、専門の医師ということが一つでありますけれども、やはり今それぞれ患者をお持ちの方々もおられます。そういう調整というものをしっかりしなきゃなりませんので、急に看護師皆様方のようにというわけにはいかないということは御理解ください。  それから、搬送でありますけれども、これも、近隣はなかなか、やはり感染拡大しておりますので、難しい。一部、滋賀というような話もありましたけれども、難しいということで、各都道府県で、話の中では、うちが受けるというのは内々にあるんですが、実際、厚生労働省が間に入りますと、搬送に非常に時間がかかるということで、重症の患者方々を搬送するのは難しい等々いろいろなことがございまして、なかなかこれもうまくマッチングができていないというのが現状でございます。  いずれにいたしましても、おっしゃられるとおり、ハイケアユニットというのが、実はこれ、ICUで対応いただいているんですが、これも、本来は全国的には重症者を診ていただいているんですが、ここに人工呼吸器等々対応しながら、医療人材をしっかり対応して、これからも重症者患者方々をしっかり診れるように、我々も大阪協力してまいりたいというふうに思っております。
  142. 清水忠史

    清水委員 できないという答弁じゃないですか。重症病床が不足しているんですよ。広域搬送難しい、調整ができない。医師については何人派遣したんですか、では。一人も派遣していないんじゃないですか。大阪から要請がありましたか、国に対して。  今大事なことは、重症病床を確保するために、必要な医師、看護師全国から派遣するということです。百人派遣していると言いましたけれども、菅総理東京オリンピック・パラリンピックのために五百人の看護師を確保することは可能だというふうにおっしゃったわけですから、その五百人、すぐに大阪に派遣してくださいよ。  それから、広域搬送についても、時間がかかると言いましたけれども、四十七時間も救急車で病院に搬送されない方がおられるんですから、他府県に重症病床が確保できていたら、そこに搬送するぐらい、国がしっかりやるべきではありませんか。  こういうときは、目の前の命を救うためには、やはり訪問診療して患者の命を守るという、奮闘されている方が大阪にはたくさんおられるんです。大阪には今重症患者が大勢おられるわけですから、近隣府県との調整でなかなか入れない、そういう人たちをやはり在宅で治療する、診療する、そういう医師が、それこそ修羅場のような形で頑張っておられるわけです。  東大阪生協病院の橘田亜由美院長から直接話を伺いました。  新型コロナに感染して、この病院の発熱外来を受診した六十代の男性は、肺炎症状が見られ、酸素吸入が必要な状況になられた。二日過ぎても入院が決まらない事態を察して電話をすると、家族の方から、夫は今朝意識を失って倒れた、保健所に相談しても入院できない、それまで診察も治療もできない、点滴もできないと言われたそうです。橘田院長はすぐ往診に駆けつけて、ステロイド剤の点滴と在宅酸素療法を開始し、幸いにもこの方は回復に向かわれたということなんです。  こうした現場の努力が患者の命を守っているわけですよね。実際の往診では、往診先のプライバシーがありますから、玄関先の人目につかない窮屈なところで防護服に着替えて、診察に使った医療器具やあるいは防護服を密閉運搬し、病院に戻った後は丁寧に消毒しなければならない。  この方は、院長おっしゃっていますけれども、コロナ患者を往診するのに一件当たり一時間はかかる、こういうふうにおっしゃっておられました。今の診療報酬では見合わない、点数を引き上げるか、別途、コロナ患者対応の加算をつけてもらいたいと述べておられました。  総理病床確保が、努力されているのは分かりますけれども、現実、足らないわけですよ、今。今、足らない下で、やはり、病院や開業医の往診は命をつなぐ手段として今欠かせないと思うんです。  ですから、政府は、コロナ患者に対する訪問診療の実態調査をすぐ行って、十分な支援を行っていただきたい。これは総理に答えていただきたい。訪問診療で頑張っている医師を激励していただきたいんです。お願いします、総理
  143. 菅義偉

    菅内閣総理大臣 私からも、診療訪問で大変な御労苦をかけております皆さんには心から感謝と御礼を申し上げたいと思います。  それで、診療報酬の件ですけれども、当然、そうしたことについては報いるべきだというふうに思います。  詳細については厚労大臣から答えさせます。
  144. 田村憲久

    ○田村国務大臣 おっしゃられるとおりでございまして、本来は、医療機関に行っていただくという状況なんですけれども、それがどうしてもかなわない場合ということで、往診に応じていただいております。大変な御苦労をおかけをしながら、医療機関の皆様方、お助けをいただいているというふうに思います。  今言われたとおり、在宅酸素療法も、コロナ患者も、在宅での酸素療法に対応するという形にしておりますし、あわせて、緊急包括支援交付金、これを診療報酬と合わせて出せるようになっておりますので、自治体でしっかりと対応いただければありがたいというふうに思っております。
  145. 清水忠史

    清水委員 神戸であるとかあるいは大阪高齢者施設、介護施設でクラスターが発生して、二つの施設だけで三十八人の入所者がコロナで亡くなるという、大変衝撃的な報道もなされております。両施設では、ほとんどの入所者の入院先が決まらないまま、施設内で亡くなられたということであります。  大阪府の介護保健施設協会の事務局長は、感染者を施設内にこれからも留め置くような状況が続けば更に亡くなる方は増えるだろう、こういうふうにおっしゃっておられるわけです。  ちなみに、感染リスクの高い、いわゆる介護従事者の方々はいまだにワクチン接種も済んでおりません。今こそ、必要な重症病床を確保する、医療提供体制を立て直すことが政府に求められていると思います。  どのようにして、総理、重症病床を本当に確保するのか、広域搬送をどうすればうまくいくのか、どうすれば全国から医師、看護師、専門性を持っている医療従事者大阪や関西など医療現場逼迫しているところに派遣することができるのか、私は、その答えは現場にあると思うんです。  総理ワクチン接種されていますから、是非、大阪や関西など、医療現場に行っていただいて、医療従事者方々、介護従事者の方々から直接、何が求められているのか、声を聞いていただけませんか。そこに、今、新型コロナウイルス感染対策をどう進めるかのヒントがあると思います。答えがあると思います。いかがでしょうか。
  146. 金田勝年

    金田委員長 質問時間が来ておりますけれども、簡単に、田村厚労大臣
  147. 田村憲久

    ○田村国務大臣 現場の話は、我々からもしっかりとお聞きをさせていただく。ですからこそ、先ほど、在宅での呼吸管理、酸素等々の管理等々も在宅医療の中で入れるというふうに、往診に入れるということでございます。しっかりと、我々、現場のお声はお聞かせをいただいて、十分に対応できるようにしてまいりたいというふうに思っております。(発言する者あり)
  148. 金田勝年

    金田委員長 静粛に。  一言、じゃ、総理大臣菅義偉君。よろしくお願いします。
  149. 菅義偉

    菅内閣総理大臣 現場の声というのは常に大事にしながら進めるのが政府の役割だと思います。  私は、大阪現場の責任者からも、電話で話をしながら、現状について指示をしております。
  150. 清水忠史

    清水委員 時間が来ましたので終わりますが、これだけでは救えないということを厳しく求めまして、質問を終わります。  ありがとうございました。
  151. 金田勝年

    金田委員長 これにて清水君の質疑は終了いたしました。  次に、藤田文武君。
  152. 藤田文武

    ○藤田委員 日本維新の会の藤田文武でございます。  今日は、コロナ対策の前に、冒頭、従軍慰安婦等の表現についてお聞きをしたいと思います。  ちょっとパネルを一枚出させていただきます。  先日、我が党の馬場伸幸幹事長が、政府に対して、文書質問の形で、「従軍慰安婦」等の表現に関する質問主意書、また、「強制連行」「強制労働」という表現に関する質問主意書を提出させていただきまして、そして、閣議決定していただいた答弁書によりますと、従軍慰安婦又はいわゆる従軍慰安婦ではなく、慰安婦という用語を用いるのが適切であり、これを用いている、また、従軍と慰安婦の用語を組み合わせて用いるということも誤解を与えるので適切でないというような答弁、それから、強制連行又は連行についても、徴用という言葉が適切である、又は強制労働というものについても、これは適切でないというような答弁書をいただきました。これは非常に菅政権の強い意思と、これは今回初めてのことですから、非常に評価したいなというふうに思うわけであります。  その上で、私、文科委員会ですから、後日、あさってですかね、文科委員会もありますので、詳しくは、今日は時間がありませんので、やりますが、この答弁書に基づく政府の見解に沿えば、今後の検定教科書について、この従軍慰安婦、強制連行、強制労働、又は従軍慰安婦じゃなくていわゆる従軍慰安婦、そして従軍と慰安婦を重ねて使うこと、これらのことについては適切ではない、だから今後使われることはないだろうというふうな見解として受け止めてもおかしくないと思いますが、これについての総理の御見解をお聞きしたいと思います。
  153. 菅義偉

    菅内閣総理大臣 教科書の検定基準については、閣議決定その他の方法により示された政府の統一的な見解が存在する場合は、それに基づいて記述されていること、これが基準の一つになっています。  したがって、御指摘の件についても、文部科学省が教科書検定において政府の統一的な見解を踏まえ適切に対応する、このように承知しています。
  154. 藤田文武

    ○藤田委員 ありがとうございます。  ということは、やはりこれは今後は使われないだろうということですね。  では、今既に使われている、又は検定が済んでいる、特に代表的なものでいうと、令和三年度から使用される山川出版社の「中学歴史 日本と世界」、これは久しぶりに、多分意図的に従軍慰安婦、強制連行という用語が記載、復活されたわけでありますけれども、この既に出てしまっている、検定が済んでいるものに対しての対応というのはどのようにされるべきか、これは御見解をお聞きしたいと思います。
  155. 萩生田光一

    ○萩生田国務大臣 教科書検定規則に基づき、従軍慰安婦や強制連行などの用語が記載された教科書を発行している教科書会社において、閣議決定された政府の統一的見解を踏まえてどのように検定済みの教科書の記述を訂正するのかを検討することになります。  そうした教科書会社の対応状況を踏まえた上で、文部科学省として、閣議決定その他の方法により示された政府の統一的な見解が存在する場合には、それらに基づいた記述がされることとの教科書検定基準に則した教科書記述となるように、適切に対応してまいりたいと思います。
  156. 藤田文武

    ○藤田委員 ありがとうございます。  今回のこの答弁書、また今日の御答弁には、非常に強い意思を感じました。私も、この二日後の文科委員会では、ちょっと詳しいことも含めて、今日は時間がありませんので、引き続きやらせていただきたいと思います。  続いて、コロナ対策についてお聞きしたいと思います。  先ほど来、大阪の話、非常に、私の知り合いも親御さんが病院になかなか入れないとかいうこともあります。一方で、事業者さん、非常に厳しい状況に立たされている。その中で、今日、枝野さんから、一番悪いのは吉村知事だというような、まるで大阪が勝手に独断でやっているかのような、そういうような御発言がありましたけれども、私が把握するところによると、吉村知事と、それぞれ、田村大臣や西村大臣、相当密に連絡していただいているし、実務者レベルでも相当な相談の上やってくださっている。そして、人材の確保についても、本当にいろいろな創意工夫をやっているというのが事実だと思います。  ただし、ここで私は、一つやはり考えなければいけないのは、自治体の知事の皆さん、実際に陣頭指揮を執られている中で、やはり武器が少な過ぎるというのがあると思います。特に、今回、緊急事態宣言発令が決まり、そして延長が決まり、営業の自粛をお願いせざるを得ないという中で、補償の問題ですね、補償や支援というもののパッケージが後づけ後づけで出てくる。これは、自治体は財源的制約がどうしてもあるものですから、勝手に無限の支援をやることはできません。ですから、国の支援のパッケージがあって初めていろいろなものが拡充できるというのがあるわけです。今回の非常に評判が悪い百貨店等の二十万円、これは面積応分になるわけでありますけれども、これも後づけですよね。これ、先に言っていればどれだけ前向き協力できたことか。  私は、こういう補償の在り方又は支援の在り方、公平公正な、何か不公平感がすごく蔓延する補償の在り方がずっと続いていること、これを、やはりこの一年あったんですから、つくり込んでこなかったということが非常に問題じゃないかと。  だから、やはり、後づけ上乗せで、世論がどんどんどんどん声が大きくなってきたらもう少し補償を出さないといけない、そういうようなやり方が、今後このまま、まだ戦いは続きますから、このままでいいのかということが、私、一番思うところでありますけれども、この件について、総理の御見解をお聞きしたいと思います。
  157. 西村康稔

    ○西村国務大臣 制度の運用の話でもありますので、私から答弁させていただきます。  制度につきましては、緊急事態宣言発出なり延長なり、その都度同時に発表させていただいております。ただ、御指摘のように、その後、様々な現場の声、あるいは国会での議論などを踏まえて、その運用を補強する場合、あるいは改善をしていく場合がございます。  御指摘のように、今回も百貨店の皆様には大変厳しい、休業要請ということで応じていただいております。現場の声なども踏まえて、面積単位ということにさせていただきました。  飲食店に対する協力金については、早い段階から御指摘をいただいておりましたので、これは、迅速に支給するという観点から、どうしても一律の方がやりやすいという自治体の声はあったんですけれども、そこは調整をし、相談をした上で、今の、影響を受けた規模別ということにさせていただいております。  それからもう一つ、イベントの関係で、二千五百万円までキャンセル料などを支援することにしておりますが、これも、非常に支払いが遅いということで、概算払いなど、迅速にやる仕組みを入れているところでございます。  いずれにしましても、現場の声もしっかり聞きながら、影響を受ける事業者の皆さんに、その影響度合いに応じた支援、引き続き不断の検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
  158. 藤田文武

    ○藤田委員 ありがとうございます。  ちょっと、四問目はもう時間がないのでまた後に譲りますが、今日、田村大臣から、私権の制限についてのお話がありました。今後、この変異株、今回の、今、感染拡大が仮に収まったとしても、インドの件もあります、そうしたときに、どこまで国民の皆さんに私権の制限又は我慢をお願いするかということについて、法的な裏づけがないというお話が今日ありました。  これは非常に大きな問題で、特に、私権の制限、その裏側にある補償、どのようにしていくかということ。それから、翻って、この有事に対応できる仕組みがこの日本にはなかったんだということがあらわになったわけです。これを本当に向き合ってやらなければいけないというふうに思いますので、是非議論を引き続きさせていただけたらと思います。  以上です。
  159. 金田勝年

    金田委員長 これにて藤田君の質疑は終了いたしました。  次に、玉木雄一郎君。
  160. 玉木雄一郎

    ○玉木委員 国民民主党代表の玉木雄一郎です。  パネルを見てください。大阪の例ですが、自宅療養者が増大しています。これを見ると、蔓延防止等重点措置は失敗したと言わざるを得ません。  まず、総理に伺います。  総理の今の認識は、少なくとも大阪、兵庫、医療崩壊が既に生じているという認識があるのかないのか、これをお聞かせください。そして、入院できずに自宅や施設で療養中に亡くなった人の数、菅政権が成立して以降のその数、前の安倍政権と比べて具体的にどういう数字を把握されているのか、お答えください。
  161. 田村憲久

    ○田村国務大臣 まず、医療の方は非常に逼迫している、正直申し上げて、病床の確保でありますとか、非常に厳しい状況でございますので、一般医療等々にも影響が出ている地域もあるということでございますから、非常に厳しい状況だというふうに我々認識いたしております。  その上で、在宅で亡くなられた方なんですが、恐縮なんですけれども、今つかんでいる数字、これは昨年の十二月一日から今年の一月二十五日、自宅療養中が二十七名、宿泊療養中が二例、確認されております。  あとは、HER―SYS等々でいろいろと確認する中での数字というものはあるわけでありますけれども、これが全てではないわけでありまして、といいますのは、例えば、自宅から病院に搬送されて、病院で亡くなられている方もおられると思います、悪化した後で、間に合わなくて。でありますから、そういう意味からいたしますと、ちょっと網羅的な把握ができておりません。今、現状なかなか厳しい都道府県に関して、そこまで詳しく報告をいただくというのが大変御負担になられるということでございますので、現状、今の状況を把握していないということで御理解いただければというふうに思います。
  162. 玉木雄一郎

    ○玉木委員 把握していなくて、医療崩壊が起きているかどうか、判断できないじゃないですか。最新のが一月二十五日。何か月たっているんですか。  改めて伺います。総理、現状は、医療崩壊が起きているんですか、起きていないんですか、お答えください。総理総理認識です。
  163. 金田勝年

    金田委員長 田村厚労大臣。その後、総理お願いします。
  164. 田村憲久

    ○田村国務大臣 医療崩壊という定義を国として定めているわけではありませんが、今申し上げたとおり、一般医療や救急搬送、こういうものに影響が出ている地域がございますので、非常に厳しい状況であるということは我々も重々認識いたしておりまして、新型コロナウイルス感染症対応するために、各都道府県協力をさせていただきながら、広域的な人材の派遣でありますとか、いろいろな対応をさせていただいているということであります。
  165. 菅義偉

    菅内閣総理大臣 田村大臣と同じようになるわけですけれども、医療崩壊については明確な定義があるとは承知しておりませんが、特に大阪、兵庫においては、医療提供体制が極めて厳しい状況が続いているというふうに認識をしています。そのために、国と自治体が今一緒になって、病床確保など必要な対策を連日講じているところであります。
  166. 玉木雄一郎

    ○玉木委員 医療崩壊の定義、簡単ですよ。医療を受けたくても、入院したくてもできなくて、失われる命があることが医療崩壊じゃないんですか。そこをまず把握もしていないと。もちろん現場に負担をかけちゃいけないということもあるのかもしれぬけれども、今現在起きていることの把握を正確にしないと、次の対策も、対応も出てこないじゃないですか。  総理、改めて私は、四月二十三日の緊急事態宣言を発出したときの総理の会見をもう一回読みました。そのときに、例えば、お医者さんにここへ行ってくださいと要請はできるけれども命令はできなくて、法律を変えなきゃいけない、落ち着いたらそういう緊急事態の際の特別措置というのをつくらなきゃいけないと。  今やりましょうよ、もし必要だったら。立法府を開いているんだから。何のために通常国会を開いているんですか。本当に必要だったら、国会も協力してやりますよ、我々も、野党もやりますから。そこがネックなんだったら、しましょうよ。広域の調整とか、あるいは診療所に、中等症しか受けられない病院にちゃんと受けてもらうとかいろいろなことを、今日も答弁がありましたけれども、現に人の命が失われているのであれば、やりましょうよ。  総理、どうですか。おっしゃった、法律がネックになるんだったら、法改正しましょう。どうですか、総理
  167. 菅義偉

    菅内閣総理大臣 私は、この問題が一段落したら、検証して、そうしたことは必要だというふうに思います。
  168. 玉木雄一郎

    ○玉木委員 去年も、一段落したら特措法を改正しようといって、特措法が遅れて、この通常国会冒頭にやったじゃないですか。同じことの繰り返し。必要だったら、今認識されているんだったら、法的な規制があるんだったら、やりましょうよ。協力します。是非考えてください。閣法で出してくれたら、ちゃんとやりましょう、それだったら。  もう一つ、今日もありましたけれども、十分な補償がないから医療機関も受入れが難しいとか、十分に赤字を出さないようにやると言いました。  お金の問題だったら、ちゃんとやったらいいじゃないですか。個人に対する支援、追加の現金給付十万円もやったらいいし、あるいは、我々が提案しているのは、固定費の九割まで見るような事業者の支援策も、もう地域も限定せず、業種も限定せずやったらいい。そして、医療機関に対しても、なおさらしっかりやったらいいんです。  補正予算を編成しませんか。緊急事態宣言を出した四月二十三日に、総理は明確に、短期集中で終わらせるから補正予算は考えておりませんと答弁がありました。事情が変わっていますよ。補正予算の編成も柔軟に検討すべきだと思いますが、いかがですか。
  169. 菅義偉

    菅内閣総理大臣 予備費もしっかり打っておりますので、緊急のものにはそれで対応できると思っています。
  170. 玉木雄一郎

    ○玉木委員 GDPギャップは多分三十兆以上になると思いますよ、西村さん。四十兆になるかもしれない。単に何かを埋めるんじゃなくて、中国が今年もう八%以上成長しますよ、アメリカももう急速に成長しています。海外との経済格差や国力の差もどんどんどんどんついているという緊張感が菅内閣にはないんですか。それも含めて、緊急経済対策を組むというマクロの視点がないんですよ。だから、私たちは、三十兆、少なくとも補正予算を組むべきだということを四月二十三日の時点で提案しているんです、総理。これは一回検討してください。  そして、オリンピックについて伺います。  いろいろなことが言われていますが、少なくとも外国のお客様は入ってこない。そうすると、まずその収益は吹っ飛ぶわけですね。余り議論されませんけれども、これは物すごい資金不足になるオリンピックになるんじゃないですか、無理してやると。  立候補ファイルの中には、一義的には組織委員会そして都がやる、でも、最終的な穴埋めは国がやるといって、最後、国民の税負担が生じる可能性だってあるんですから、この国会で、財政民主主義の観点からちゃんと説明してください、無観客の場合想定される資金不足について。あわせて、最終的には国民が、国が負担する可能性があることについて、答弁を求めます。
  171. 菅義偉

    菅内閣総理大臣 東京大会における観客数については、先日四月二十八日に、五者協議において、国内感染状況も踏まえ、スポーツイベント等による人数上限に準ずることを基本として六月に判断をする、このように合意しています。  東京大会の運営方針や収入と支出なども含め、大会運営の主体である組織委員会で、現在、様々な想定をしながら準備を進めているものと承知しています。  いずれにしても、観客については、今後の国内外感染状況も踏まえて、安全、安心な大会とすべく検討していきたい、このように思います。
  172. 玉木雄一郎

    ○玉木委員 まだそんな状況なんですか。  だって、海外のお客さんはもう入れないことが決まったじゃないですか。少なくともその分収入は減るし、また、バブルとかなんとかいって厳しい感染対策をするんだったら、その分の予算はかかりますよね。オリパラアプリの七十三億円だってかかるわけでしょう。それに加えて、何か似たようなやつをまた組織委員会でシステム発注して、人も雇おうとしているんですよ。知っていますか。今日、平井大臣はいないんですか。河野大臣も御存じですか、こういうの。  だから、ちゃんと収支のこともやらないと、もう何でもかんでもやればいいというものじゃないので、きちんとやはり検証すべき。十分な医療提供体制ができるのか、そして財源調達や資金不足の観点からもできるのか。少なくとも、IOCに我が国民の税負担や命を委ねるわけにはいきません、これは。  開催国契約の七十一条では、想定されなかったことがあったら、組織委員会から必要な変更についてはIOCに求めることができる規定があるんです、総理総理は組織委員会の顧問会議の議長ですよ。もし、我が国の公衆衛生、国民の命や健康、そして納税者負担に影響があるとしたら、それをきちんと組織委員会を通じてIOCに言うべきじゃないですか。最後に答弁を求めます。
  173. 菅義偉

    菅内閣総理大臣 組織委員会の議長としての立場として、必要なときは必要なことを言うのは当然だと思います。
  174. 金田勝年

    金田委員長 時間です。
  175. 玉木雄一郎

    ○玉木委員 命と生活を守ることを最優先にやっていただくことを求めて、質問を終わります。
  176. 金田勝年

    金田委員長 これにて玉木君の質疑は終了いたしました。  以上をもちまして本日の集中審議は終了いたしました。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時四分散会