○
野田(佳)
委員 経緯の御説明はそのとおりだと思うんです。
私の意見としては、顧問
会議の議長であり最高顧問であるから、まさに大所高所でメッセージをもっと早く森
会長に出されるということもあってしかるべきではなかったのかという趣旨でお尋ねしたんですね。
今、とても大事な時期だと思うんです。オリンピック、本当に開催できるのかどうか。
コロナの
感染状況を踏まえての、いよいよ最終判断が近づいているんだろうと思います。
私は、オリンピックをずっと見たかったんですよ。あの一九六四年の
東京オリンピック、私は小学校一年生でした。
総理は中学ぐらいでしょうか。あのときに、私は本当に多様性というのを学んだ気持ちがしました。アベベを通じてエチオピアを知り、ヘーシンクを通じてオランダという国を知り、チャスラフスカを通じてチェコという国を知り、様々な肌の色の人がいる、民族がいるんだなと本当に学びました。それを生涯で二度も自国開催できるなんということは幸せなことだと思いました。
また、去年の暮れの、あの阿部対丸山の柔道の二十四時間の、二十四分の激闘を見て、二十四時間は無理ですよね、二十四分間のあの激しい戦いを見て、苦労して日本代表になった人はライバルの分も背負って活躍してほしい、それも
是非見たいと思っていました。
だけれども、そういう単純な気持ちだけではなくて、森、元、元じゃない、まだ
会長なんですよね、森
会長は「いだてん」を見ていなかったのかなと思ったんですよ。「麒麟がくる」は評判がよかったけれども、その前の「いだてん」、視聴率は物すごい低かったですけれども、私はすばらしい大河ドラマだったと思っているのは、日本の女子スポーツの黎明期が描かれていて、女の人は素足で走っちゃいけないとか、女の人はスポーツ、体育なんかやるもんじゃないという時代から始まって、人見絹枝さんが日本で初めて、たった一人、女子選手でアムステルダムに行って、それから、前畑さんが金メダルを取り、東洋の魔女が大活躍する、そういうのをずっと描かれていました、その歴史が。
そして、今度の
東京の大会は女性の参加者が約半分。男女平等という意味においては到達点に達しつつあるときでしたから、そのことが分かっていない、本当に残念な発言だと思います。
この残念な発言の、さっき申し上げたとおり、今はもう危機管理の問題になっていると思いますので、私は、これからも、まだどういう曲折をたどるか分かりませんが、やはり顧問
会議の議長として、きちっと大所高所に、適時適切なアドバイスはすべきだということは申し上げておきたいと思います。これも同僚議員が午後から様々な観点から質問すると思いますので、よろしく
お願い申し上げたいと思います。
危機管理だけで大半の時間を使ってしまっていますが、本当は、宰相としての財政論と外交論、ここまで持っていきたいんですよね。ちょっと、少しテンポを上げていきたいというふうに思います。
次、財政の御認識をお尋ねしたいと思います。
パネルを用意してまいりました。
総理のところにはお手元に資料が配られているかというふうに思います。
まず、この図ですが、これはもう政治家の
皆さんも御覧になったことがいっぱいあるかと思いますけれども、この折れ線グラフの赤、これは、国の一般会計の歳出、
社会保障や防衛や教育や、様々な政策経費がありますけれども、歳出の推移をたどっています。青い折れ線グラフは歳入の方、税収の方ですね。消費税、所得税、法人税、様々な税金がありますが、税収、どれだけ国に入ってくるか、その推移をたどっているのがこの青い線です。そして、この隙間の分、歳出に比べて税収が足りない分は国債発行せざるを得ない、その分をこの棒線グラフ、国債発行額を描いているという図です。これは
総理もよく御存じだと思いますけれども。
御注目いただきたいのが、一番日本の財政
状況がよかったというのは、平成二年、一九九〇年です。一九九〇年が一番財政均衡に近づいてきたというときですね。このとき、歳出七十兆円、歳入約六十兆円です。十年ずつたどっていきますと、平成十二年、二〇〇〇年が、これは歳出約八十兆になるんですね。そして、平成二十二年が、これが九十兆になるんですね。歳出は、平成二年から平成二十二年まで、二十年間で七十、八十、九十と右肩上がり。歳入の方は、六十兆だったものが、十年後には五十兆に、そして平成二十二年には四十兆と、六十、五十、四十と右肩下がり。これはワニの口とよく言われますね。ワニの口のように、歳出と税収の差が広がってきた。
その後、ちょうど今言った平成二十二年の頃に、私が
総理を務めた頃です、
社会保障と税の一体改革があり、その後、消費税も二回上がり、この下の方の青線グラフの方は少し上がってきますね。そして、この
令和二年、一般会計の当初の予算では税収六十三兆を見込んでいました。六十、五十、四十と下がってきたのが、六十まで盛り返してきたんですね。だけれども、残念ながら、
コロナ禍によって、三回にわたって補正予算を組まざるを得ない。これは、財政出動はやむを得ないと思います、やむを得ない。
それは、
医療機関や
医療従事者を
支援しなければいけない、持続化給付金が必要だ、十万円の給付が必要だ、家賃の
支援も必要だ、いろいろなことが大事です。
皆さんが
生活に困窮しないように、事業を継続できるように、大盤振る舞いと言われても、将来の世代に申し訳ないと言って借金してでもやっていかなきゃいけない
対策はいっぱいあります。
その結果が、この
令和二年の赤線の跳ね上がり方、百七十五・七兆ですね。そして、税収は五十五兆へと下がりましたから青線は下がってきた。だから、ワニの口が開くというよりも、今の
状況、直近の
状況は、ワニの下顎がちょっと外れかかった、そして上顎は、これは何と言ったらいいんでしょうね、めくれ上がったというような
状況ですね。へし曲がったというか、という
状況。
だから、
コロナ禍で、
コロナの
感染状況を踏まえて、今緊急
事態です、宣言をして、多くの
皆さんに自粛していただいたり御
協力をいただいているけれども、併せて、財政出動は、これはやむを得ないんだけれども、財政も私は緊急
事態であるということは強く認識した上で、そのことは
国民の
皆様に御説明をすることも必要ではないかと思いますが、
総理の御認識をお伺いしたいと思います。