○奥野(総)
委員 私は、
立憲民主党・無所属及び共産党を代表し、ただいま議題となりました政府提案の
令和二年度第三次補正予算二案を撤回のうえ編成替えを求めるの動議に関して、その趣旨を御説明いたします。
まずは、編成替えを求める理由を申し述べます。
現在、変異株の流入など
感染の収束が見通せない中、持てる力の全力を
感染拡大防止と医療体制への支援、個人、事業者支援等に注ぐべきだと考えますが、第三次補正予算案は昨年十二月に編成されたものであり、そもそも現在の緊急事態宣言下における危機的な
国民生活や事業、医療体制が想定されていません。また、GoToトラベルやGoToイートなどの完全にタイミングを誤った予算が含まれており、現下の危機的な
状況において適した補正予算とは到底申せません。
さらに、政府案には、本来であれば本予算で審議されるべき予算が含まれております。直近の豪雪
対応を始め、災害復旧のための経費は必要ですが、災害復旧事業等を除く国土強靱化やカーボンニュートラルに向けた基金創設、大学ファンドなどは、緊要性を欠き、本予算で審議すべきものです。
今、
国民が求めている補正予算は、現下の深刻な
状況を克服するための
コロナ集中対策予算です。政府案において計上されている予算のうち急を要さない項目を撤回し、
感染拡大防止と医療体制への支援、個人、事業者支援等に万全の対策を講ずるため、補正予算案を組み替えることが必要不可欠であり、
立憲民主党・無所属及び共産党は本動議を提出いたします。
次に、編成替えの上、
コロナ集中対策予算としてまず講ずべき施策の概要を御説明いたします。
第一に、三兆円を投じ、
医療機関、医療従事者等への支援を行います。
感染拡大が深刻化する中、
国民の命と健康を守るために最優先すべきは日常診療や
地域医療を維持することですが、
医療機関の経営環境は
コロナ対応等により極めて悪化しています。このままでは、新型
コロナウイルスの
感染者を受け入れていない一般の病院でも資金不足やスタッフの退職といった事態に陥り、医療崩壊が更に進んでしまいます。そこで、新型
コロナウイルスの患者を受け入れている
医療機関はもちろんのこと、歯科を含む全ての
医療機関に対し、昨年からの減収分を補填いたします。
医療、介護、障害福祉、子ども・子育て支援施設の現場で働く方々は、日々、新型
コロナウイルスに
感染するリスクにさらされながら、多くの人々の生活を支え、命と健康を守るために努力されています。これらの方々に対して慰労金を給付します。
また、潜在看護師の復職を促すため、研修等の措置を講じます。
第二に、一兆五千億円を投じ、新型
コロナウイルスの更なる
感染拡大を防止するため、徹底した
感染防止対策を講じます。
無
症状感染者が
感染源となることを防ぐためにも、特に重症化リスクの高い場所で働く方々への
検査を
強化することが必要です。医療・介護・障害福祉・保育従事者、学校教職員などのエッセンシャルワーカーを始めとする希望する方々が定期
検査を公費で受けられるように措置します。
また、
検査を早く安く受けられる体制を整備します。
第三に、三兆四千億円を投じ、新型
コロナウイルスの影響によって生活が困窮している方々を支援するための措置を講じます。
生活福祉資金貸付制度を充実させます。手元資金にお困りの方々への緊急小口資金、総合支援資金について、特例措置の期限を六月まで延長します。
休職、離職等を余儀なくされ、収入が減少した方々に対し、求職活動の更なる長期化に備え、失業手当の支給割合の二〇%引上げや給付日数の九十日間延長を実現します。
中小企業新卒就業者等就業支援対策を講じ、内定取消しを防止します。
一人親世帯に加え、生活が困窮する低所得の子育て世帯に対して給付金を支給します。
大学生や専門学校生の授業料を半額免除するとともに、アルバイト収入が減額した学生への収入補助を行います。
第四に、七兆五千億円を投じ、事業と雇用を途切らせないよう、幅広い事業者に対する支援策を講じます。
営業の自粛を要請する以上、補償もセットで行うべきです。営業の停止や短縮に応じていただいた事業者に対して経済的支援を行います。
足下の
感染急
拡大や事態の長期化により、多くの事業者が困難に直面しており、倒産や廃業を食い止めることが必要です。既に給付を受けた事業者に対しても、持続化給付金を再度支給します。
雇用を守るために、雇用調整助成金の特例措置を六月まで延長します。
高収益作物次期作支援交付金の運用見直しによる不公平感を払拭するため、同一条件で申請した農業者に対して同様の支援措置を講じます。
第五に、二兆五千億円を投じ、地方自治体への支援を大幅に拡充します。
新型
コロナウイルス
感染症緊急包括支援交付金について、軽症者用医療施設や臨時医療施設の開設にも資するよう、政府案より更に一兆円増額します。
新型
コロナウイルス
感染症地方創生臨時交付金について、自治体が休業協力金などの給付等を独自で実施できるよう、政府案より更に一兆五千億円を増額します。
財源面では、まず、政府案では既定経費の減額として、
令和二年度新型
コロナウイルス
感染症対策予備費が一兆八千五百億円減額計上されていますが、現下の緊急的な
状況に鑑み、減額は行わないこととした上で、同予備費の残額五兆六千六百四十四億円のうち、一兆円を残した四兆六千六百四十四億円を充当し、優先的施策を速やかに執行します。
その上で、政府案において補正に含むべきではない予算を撤回します。
具体的には、カーボンニュートラルに向けた基金の創設、マイナンバーカードの普及促進、大学ファンド、GoToトラベル、GoToイート、災害復旧事業等を除く国土強靱化の推進、防衛装備品の支払い前倒しのための経費は、来年度予算での措置を検討することとし、計六兆九百十四億円を捻出します。
さらに、特例公債を八兆九千九百四十二億円追加します。
以上のとおり、
令和二年度三次補正予算を組み替えようというのが、
立憲民主党・無所属及び共産党の編成替えを求めるの動議の概要であります。
国民の命と暮らしを守る
コロナ集中予算とするため、与党など多くの
皆様にも本動議に賛成していただくことをお願いして、趣旨の説明といたします。
以上です。(拍手)