○中島克仁君
立憲民主党の中島克仁です。
ただいま
議題となりました、
政府提出、全
世代対応型の
社会保障制度を構築するための
健康保険法等の一部を
改正する
法律案及び
立憲民主党提出、
高齢者の
医療の
確保に関する
法律の一部を
改正する
法律案について、会派を代表して質問をいたします。(
拍手)
まず冒頭、先ほど、とかしき
厚生労働委員長が、フェースガードで
登壇し、発言をされました。
感染拡大が現実的なものとなり、
国民の
皆様に感染
対策の徹底を求める中、誤ったメッセージになりかねません。極めて不謹慎、甚だ遺憾であり、強く抗議を申し上げることを述べさせていただいた上で、質問に入ります。
新型コロナウイルス感染再拡大の懸念が日に日に高まっております。昨日は、全国の感染者が一月三十日以来三千人を超え、大阪では一日の感染確認が過去最高の八百人を超えたことを受けて、
医療非常事態宣言が発出されました。
まず、大阪の感染、現状について、
菅総理にお尋ねいたします。
緊急事態宣言の解除時期は適切であったと考えているのか。一方で、その後の蔓延
防止等重点
措置の適用は遅過ぎたのではないですか。変異株の脅威を鑑みれば、緊急事態宣言も検討するべきだと考えますが、
総理の答弁を求めます。
東京におきましても、昨日、五百五十五人の感染が確認され、蔓延
防止等重点
措置の適用について国に要請する考えが示されました。早急に東京にも蔓延
防止等重点
措置を適用するべきだと考えますが、
総理の答弁を求めます。
菅総理は、五日の参議院決算
委員会で、
新型コロナウイルスの感染
状況について、第四波といった全国的な拡大のうねりにはなっていないと発言をされましたが、先週の金曜日、分科会の尾身会長は、私との
質疑で、いわゆる第四波という言い方は、それで全然間違いないとの認識を示されました。
確認ですが、今日の時点でも
総理は
新型コロナウイルス第四波の
状況ではないと考えておられるのか、お尋ねをいたします。
昨年末、GoToトラベルをやめず、
対策が後手後手になった経緯、認識の乏しさ、危機感の欠如が、
新型コロナウイルス第三波を招き、
医療逼迫を招いたことをお忘れでしょうか。第四波の現状は、昨年同様、
政府の後手後手の
対応、不作為の連続により引き起こされたことは明白です。
総理は現在の
状況の
責任をどのように取られるおつもりなのか、
総理の答弁を求めます。
真っ先に必要なことは、
総理自らの言葉で、正確な現状認識、強い危機感を示し、先手先手で第四波
対策を具体的に
国民に示すべきだと考えますが、
総理の
見解を求めます。
菅総理が新型コロナ
対策の切り札とし、また、
国民からも期待が高まっているワクチン接種について、希望する方が
安心、安全、円滑に接種できる
体制をつくることを求めている立場から、お尋ねをいたします。
政府は、二月から
医療従事者への接種を、四月から
高齢者への接種を開始し、その後、基礎疾患のある人などに順次拡大する
方針で臨んできました。しかし、
医療従事者の優先接種が終わらないまま、四月十二日から
高齢者三千六百万人の接種が始まろうとしており、当初のスケジュールからすると、遅れていると言わざるを得ません。
ワクチンを打ち終わっていない
医療従事者が
高齢者のワクチンを打ち始めるケースも出てきますし、
高齢者の接種を行う
医師自身が、いつ接種されるか分からない
状況です。コロナ病棟で働く
医療従事者からは、接種を後回しにされる不安も募っています。
一方、例えば、四月五日に八王子市が先着順で接種予約を受け付け、開始から僅か一時間半で枠が埋まってしまうなど、混乱が生じています。河野担当大臣は、コンサートのチケットを予約するのと違って売り切れることはない、確実に接種できるので焦らないでいただきたいと言いますが、供給が少ないまま四月からの
高齢者接種を急ごうとしたのは、ひとえに
高齢者の接種を四月中にスタートすると宣言した
菅総理のメンツを保つための既成事実づくりではないですか。接種券が送られてきたのに、いつ接種できるのか見通せない
高齢者にもっと丁寧に
対応すべきではないか、
総理にお伺いいたします。
河野担当大臣は、
医療従事者四百八十万人分を五月前半までに、
高齢者約三千六百万人分を六月末までに
確保できると発表しています。しかし、これはファイザー社との約束であって、EUの承認次第に左右されることは変わりありません。しかも、
政府は配送量の
確保までで、いつ接種できるかどうかは自治体任せとなっています。
実際、地方三団体は、五日、
市町村へのワクチン配送時期と個数について明確に示してほしいと注文をつけています。国から自治体へ伝えられる供給スケジュールが曖昧では、準備もままなりません。
ファイザー社のワクチンは現在どれくらい
確保されていて、現段階でどのくらいは必ず来るのか、進捗がどうなっているのか。自分はいつ接種できるのかという
国民の疑問に答えられるよう、今後のワクチン接種スケジュールの全体像を明確に示していただきたい。
総理にお伺いいたします。
東京オリンピック・パラリンピックの開催に必要な
医療スタッフについて、
政府は、一人五日間
程度の勤務をお願いすることを前提に、一万人
程度の方に依頼をしてスタッフ
確保を図っているとしております。さらに、解散・総選挙となれば、接種会場や自治体の人手など、ワクチン接種への
影響が想定をされます。
何よりも、変異株の急速な拡大と相まって、感染が爆発的に広がっていけば、ワクチン接種以前に、目の前の患者を救うために集中することになります。このような不測の事態へはどのように
対応するつもりなのか、
総理に伺います。
感染
対策の両輪は、ワクチンと治療薬、治療
方針の確立です。
我が国が
医療先進国として培ってきた経験医学を、新型コロナ治療
方針の確立に向け、最大限発揮する局面だと私は考えます。その象徴が、私の母校である山梨県立韮崎高校の大先輩である大村智博士が開発に深く関与し、四十年間、毎年約三億人もの命に寄り添ってきた抗寄生虫薬イベルメクチンです。メイド・イン・ジャパンのイベルメクチンは、現在、
医師主導治験中ですが、海外から有効性の
報告が多数示されている上、安全性は確立をされています。
総理は、二月十七日の衆議院予算
委員会での私との
質疑で、イベルメクチンについて、
我が国にとって極めて重要な薬で、最大限努力、
支援していくと答弁をされました。最大限の努力、
支援を、具体的にどこに、どのように指示を出されたのかお尋ねするとともに、
新型コロナウイルス感染症の局面を大きく打開するための治療法の確立の重要性について、
総理の
見解をお尋ねいたします。
総理との
質疑の後、
厚生労働委員会において、度々治療薬、治療
方針の確立の
支援について求めておりますが、最大限
支援の姿勢が全く見えません。
総理の指示が厚生
労働省、AMEDに届いているのか、甚だ疑問です。
総理の求心力、指導力にも関わることでありますので、いま一度、行
政府の長として、
新型コロナウイルス感染症の治療薬開発、確立に最大限の努力をせよと明確に指示を出していただけないでしょうか。
総理に伺います。
今年一月のいわゆる第三波においては、
新型コロナウイルスと確認された三万人以上の方が自宅療養となり、中には、四十度の発熱、強い喉の痛み、せき込みに脅かされ、そのような
状況にもかかわらず、
医師に診察どころか相談さえできない、薬も出されていない、
経過中にお亡くなりになる方も多数おられ、信じられない
状況に私は愕然といたしました。
二度とこのような事態を招かないために、標準治療の確立を急がなければなりません。尾身会長も、先週の私との
質疑で、有事の際のプロトコールを作る必要があると認められ、すぐにやるべきだと強い口調で発言をされました。
総理の指示により、直ちに有事、緊急時における薬事承認の
制度づくりを行うべきだと考えますが、
総理の
見解をお尋ねいたします。
新型コロナウイルス感染症の蔓延、長期化により、
我が国の
医療体制の
課題が浮き彫りとなりました。その中でも、平時でも問題となり、このコロナにより更に浮き彫りとなった
課題が、プライマリーケア機能を持つかかりつけ医の不在です。
かかりつけ医が
制度化されていれば、
新型コロナウイルス感染
状況において、相談から検査、加療へと適切につなげられたはずです。ワクチン接種も、かかりつけ医の下で的確なリスクコミュニケーションが図られれば、接種を希望する方が
安心、安全に、また円滑に接種が進められていくはずです。
かかりつけ医の機能、役割を明確に定義し、さらに、かかりつけ医を
制度化する
日本版家庭医
制度創設が、コロナ
対応においても、また
少子高齢化、
人生百年時代を迎えた
我が国の
医療体制の再構築のためにも不可欠だと考えますが、
総理の
見解を求めます。
総理は、グリーン、デジタル、ヒューマンと三つのニューディールを掲げておられますが、大事なものが抜け落ちています。有事の際の薬事承認
制度創設、
日本版家庭医
制度創設などを含む
医療制度、
医療体制改革、メディカルニューディールこそ、今、最も重要であり、求められることと考えますが、
総理の
見解を求めます。
政府提出法案について質問いたします。
政府は、本
法案によって、
単身世帯の場合で
年収二百万円以上の
後期高齢者の
医療費窓口負担を現在の一割から二割へ引き上げるとのことです。
窓口で
医療費を実際に支払う当事者からすれば、大変な自己
負担増となります。
後期高齢者の皆さんは、複数の
病気をお持ちであるなど、現状においても多大な
医療費を支払っている方が多くいらっしゃいます。これに加えて、更に
窓口負担を引き上げるということになれば、
コロナ禍において既に顕著な
受診控えに拍車をかけ、症状の
重症化をもたらす可能性もあります。
少なくともこの
コロナ禍においては、これ以上の
受診抑制を引き起こすような政策を実施するべきではないと考えますが、
総理の
見解を伺います。
今回の法
改正では、
窓口負担増加に対して
一定のラインにキャップをかける
配慮措置を講じ、
医療費窓口負担引上げに伴う急激な
負担増加を抑制するとされています。しかし、
配慮措置を加味したとしても、外来
費用負担の追加額は最大で年三万六千円に上ります。また、入院
費用には
配慮措置はありません。
このような
配慮措置では、そもそも
後期高齢者の急激な
負担増加を抑制するというには不十分ではないかと考えますが、
総理の
見解を伺います。
団塊の
世代が
後期高齢者になり、
医療費全体が膨らんでいくにつれて、
後期高齢者支援金を
負担する
現役世代の
負担は今後ますます厳しくなっていくことが危惧されます。
後期高齢者医療制度について、抜本的な
改革が求められていることは明らかであります。
立憲民主党提出の議員立法では、どのように
現役世代の
負担を
軽減しようとしているのか、議員立法
提出者に伺います。
我々は、
医療保険制度の
持続可能性を
強化し、
現役世代の
負担を
軽減するためには、
公費負担の
拡充とともに、
後期高齢者の
保険料の
賦課限度額の引上げが必要と考えます。
医療サービスの利用を抑制する可能性のある
窓口負担の引上げではなく、
保険料の
賦課限度額の引上げによる
応能負担の
強化によって、
制度の
持続可能性を担保するとともに、
現役世代の
負担を
軽減するべきです。
政府として、現在の
後期高齢者の
保険料の
賦課限度額についてどのように認識をしているのか、
総理の
見解を伺います。
政府は、今般の
窓口負担の引上げによる
給付費減一千八百八十億円のうち、約半分の九百億円は
一定の
受診控えが起こるという、いわゆる長瀬効果として試算しているとのことです。しかし、この
受診控えが症状の重篤化につながるものなのか、単に
医療サービス利用の適正化に資するものなのかについては、調査分析が行われておりません。
医療費の自己
負担増をお願いするということであれば、それ以前に、少なくともこれらについて正確に調査分析し、その結果を公表するべきではありませんか。
総理の
見解を伺います。
新型コロナウイルス変異株による第四波は、これまでの延長戦での
対策では感染制御は困難であり、まして、これまでの
対策を正当化するような姿勢では、
状況は更に悪化いたします。
国民の命は
菅総理の判断に委ねられております。
総理御自身が、正確な現状認識の下、覚悟を持って取り組む姿こそが、
国民の希望につながります。
国民の命を守るため、全てやる、
総理御自身の覚悟の姿勢が確かなものなのか、
新型コロナウイルス感染収束に向けて、改めて
総理の覚悟をお尋ねし、私の質問を終わります。(
拍手)
〔
内閣総理大臣菅義偉君
登壇〕