○渡辺(周)
委員 といいますのは、中国による人権問題、例えば、チベットの問題、ウイグルの問題、モンゴルの問題、それから香港に対して、様々な力による同化政策が進められる、あるいは強制労働の問題。この中国による人権侵害ということが
国際社会の大きなテーマになり、G7の国の中で、いわゆる人権侵害を
理由にした経済
制裁法、マグニツキー法ですね、これを制定していないのは
日本だけなんです。ですから、当然、この人権問題の中で、中国による、新疆ウイグル、チベット、モンゴルの中国語教育、様々な問題が今世界的な課題になっています。
そこで、やはり忘れてはいけないのは、
北朝鮮による人権侵害、最大の人権侵害である、まさにこの
拉致問題であります。だからこそ、これを
日本側として提起をして、中国の様々な今非難を浴びているような非
人道的な行為に対して非難をすること、あるいは世界が取り組むということと併せて、同時に、やはり、
日本は人権の問題からして
拉致問題もそこに並列で出す、議題として取り上げるべきだというふうに思います。
なぜなら、そこには、イギリスもそうです、参加国のドイツもそうですけれども、
北朝鮮の平壌に大使館を置いています。今はコロナで一時閉鎖しているのかもしれませんが、この国々、二十四か国、平壌には在外公館、在平壌の大使館がある。そこに、
日本と大変友好的な
関係のある国もあるわけですよね。
アメリカなんかはその利益代表部としてスウェーデンに委託している
部分もあるわけなんですけれども。それだけに、やはり、
北朝鮮に対して国交があり影響を持つ国が、そこで中国の人権侵害問題と同じように
北朝鮮による人権侵害の問題を並列で共有をし、
認識をしてもらう、このことが、G7の中で
我が国が取り上げる意義だろうというふうに思っております。
それについて、今日いらっしゃる
方々、是非、英国に着いた
菅総理とそのスタッフには連絡していただいて、この問題は、人権の問題が出てきたときには
北朝鮮の問題を取り上げる、
拉致問題を取り上げる、是非そのことをお伝えをいただいて、何とか文言を入れた共同声明を発出していただきたいというふうに思います。
それでは、ちょっと
北朝鮮の
状況について伺いたいと思います。
先ほども触れられた
委員がいました、
北朝鮮の朝鮮労働党の規約に変化がある。これは、六月十日付の日経新聞の、
拉致特の
調査室からもらった資料の中にもありますけれども、
金正恩が、六月上旬、朝鮮労働党の規約の内容を、行ったことが明らかになった。これまで、先々代、金日成、そして先代の金正日のいわゆる社会主義理念や先軍政治、軍事優先という思想ですね、これを、政治思想を変えて、いわゆる父親の遺産というものを削除したというような見出しでございます。独自性を模索しているんじゃないかと。
背景には、やはり、経済
制裁による疲弊、経済疲弊と、それともう一つは、コロナが世界中に蔓延したことによって自ら鎖国をした、自主的に国の国境を閉じた、これによって物資の流入が非常に、闇の取引も含めて厳しくなった中で、非常に経済が疲弊している。もう既に、ウォッチャーの
方々が言うには、
北朝鮮の中で
金正恩の悪口を、今までだったら保衛部というところが飛んできて強制収容所に連れていかれるんですけれども、そうしたことが、あるいは中傷するようなビラがどこかの大学の構内に貼られていた、既にそういうことも散見されるようになってきたという実はウォッチャーの
情報もあるんです。つまり、それだけ
体制が揺らいできた。
やはり、貧困で、三代
体制を、もう三代目になるとカリスマ性もなくなってきて、しかも、そこで貧困が起きると、もうこの国で生きていく望みみたいなものがなくなって、やはり
体制不満につながる。それを恐れてか、
金正恩が、経済政策がうまくいっていなくて申し訳ないと言って涙を流したり、何か国民に宛てた手紙を書くシーンも出したりしながら、そういう意味では少し変化が表れているのかなというふうに思うんですが、その点について、
日本政府、報道されていますけれども、
北朝鮮の中に今少しそういう、あるいは
金正恩、変化があるのかどうかということは
認識していますでしょうか。いかがでしょうか。