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稲田委員 今お答えいただいたように、一般論ではありますけれども、二つの小法廷が前にした大法廷と違う判断をした。すなわち、前にした大法廷というのは、
夫婦別氏を認めていないことが合憲だという判決、それと違う判断をしたのか、違憲だというふうに判断をしたのか、それとも意見が分かれて大法廷に結論を求めるのか、それとも、その他大法廷で判断するのがふさわしいという判断になったのかということであります。
ということは、十五人の裁判官で構成される大法廷のうちの十人の裁判官が、この問題について、やはりもう一度憲法判断をした方がいい、若しくは違憲ではないのか、若しくは憲法判断について意見が分かれているということだというふうに思います。
平成二十七年の最高裁判決でも、五人の裁判官が違憲の見解を述べました。そのうちの三人は、たった三人の女性の最高裁判事全てが違憲の判断をしたわけです。そして、
立法府でも
議論をすべしというのが最高裁の見解であったわけです。
この
委員会でも、与野党とも
質疑の中でこの問題を取り上げております。しっかりと
議論すること、先ほど
大臣からもおっしゃっていただいたように、
法制審議会の答申はありますが、もう二十五年も前のことでありますので、現在の状況を踏まえてしっかりと検討いただきたいと思います。
次に、先月、注目すべき判決が札幌地裁で出ました。これは、同性婚が認められていない
民法と
戸籍法の
規定が憲法十三条、二十四条、十四条に違反するかが争われたものです。
私は、その判決の中で、注目すべき点が幾つかあると思うんです。
一つは、判決は、十三条、二十四条一項、二項には違反しないと。そして、二十四条一項の両性の合意というのは男女を前提としていたということを
指摘しております。それから、二番目に、性的指向の定義をしております。性的指向は自らの意思にかかわらず決定される
個人の性質であるとして、憲法十四条の人種、性別、門地と同じように、生まれながらの、変えることができない不可逆的なものだという立場を明らかにしております。さらには、同性婚を認めていないことが憲法違反ということではなくて、異性婚であれば認められる法的効果が何
一つとして同性パートナーに与えられていないことが憲法違反だとしたわけであります。
私は、この判決は非常に複雑な、しかし含蓄のある判決だと思います。つまり、性的指向は憲法十四条の問題であるとしながらも、同性婚を認めていないことそのものは憲法違反ではないと。つまり、現在の状況の中で
立法裁量違反となるのは何
一つ法的効果を認めていないことに限定をしております。
今、自民党では理解増進法を議員
立法として
提出しようと野党との協議にも入っておりますが、やはり平等な社会をつくっていく、また、多くの選択肢を与える社会をつくっていくためには何よりも理解を進めていくことが重要であって、理解が進んでいない
現状における
立法裁量の限界がどこなのかということをこの判決は示していると思います。
大臣にお
伺いいたしますが、現在、同性パートナーの在留特別
資格については、海外で同性婚をした二人の両国で同性婚が認められていれば配偶者の在留特別
資格が認められています。そうすると、外国人カップルなら認められる在留
資格が
日本人の外国配偶者には認められないことになり、これは不平等ではないのかという問題がございます。
日本人の外国人配偶者にも平等に在留
資格を認めるべきではないかという意見も多くございます。この点についての
大臣の見解をお
伺いいたします。