○寺田(学)
委員 立憲会派の寺田です。
質疑時間をいただきまして、ありがとうございます。三十分間の時間をいただいた中で、今日は性犯罪について
質問したいというふうに
思います。
大きく分けて
二つのことをお話しするんですが、唐突なんですけれども、私自身、秋田の横手というところで生まれまして、十八歳まで過ごしていました。浪人だったので東京に出ることになった三月のちょうど今頃ですけれども、東京に初めて独り暮らしで出る前の日に母親に呼ばれまして、夜中ですね、夜、まあ座りなさいと言われて、出ていく前に一言だけということを言われて、それは、これから独り暮らしをするけれども、レイプだけは絶対にするなといきなり言われたんです。私も、別にそういうそぶりがあったわけでも何でもなく、いやいや、本当に冗談みたいに言っちゃ駄目ですよ、それはびっくりはしたんですけれども、本当にそれは衝撃があったので、心にずっと刻んでいました。
今思うと、私も今七歳の息子がいますけれども、物心ついたらちゃんと言おうかなと思っています。やはり、そういうふうにしてちゃんと何か伝えていかないと、母親からそのときに言われたのは、何でそれをするなと言ったかというと、人間として最低の犯罪だ、それだけは絶対にするなと、ただそれだけでした。
そういう
意味を持って、今こういう仕事に就いて、
法務委員会になって性犯罪についてお話をするんですが、
大臣のいろいろなインタビューとかも拝見しました。
委員会が始まる前にワンツー議連の話もしましたけれども、ワンツー議連の、議連のそのワンツーの
意味も、初めて、恥ずかしながら知って、本当にすばらしいお
言葉だなと
思いましたし、当時、
大臣がインタビューの中で、自分事にちゃんとしなさい、そこからだと言われて、私も今回、これから紹介しますけれども、もちろん、その母の
言葉もありながら、本当にこの問題にちゃんと取り組まなきゃなと思ったのは、最近、本当に最近ですけれども、友人から
相談されたことです。
被害に遭った娘さんを持つ友人からの話でした。
ですので、
二つ、性犯罪が起きた場合の運用の在り方と、あと性犯罪の
刑法の在り方と
二つあって、最初は、その友人から
相談を受けたことも含めてですけれども、性犯罪が起きた場合の運用の現実ということを、ちょっと
大臣と、あと
政府参考人と話をしたいです。
今、DBSとか、幼い子供を性
被害から守ろうという話が出ていて、それは本当にどの党も含めて、遅い早いはあるけれども、関心を持って取り組んでいます。
ただ、それ自体は、結局のところ、性犯罪として
裁判で認められて、そういう前科がついた方をどういうふうに子供から離すかという話になるんですが、結局のところ、
裁判に行かない限り、その方がそういう行為を起こした事実はあったとしても、そのDBSだったりオフセットの仕組みの中には入ってこないと思うんです。だから、氷山の一角として出てきたものをどうやって適正に扱うかということとともに、その下にある、氷山の一角の下にある
部分をちゃんと表面に出さなきゃいけないというのが私の問題意識です。
今日、参考資料としてA4一枚、表裏でありました。警察の通達と、もう
一つは、ある弁護士事務所の、強制わいせつでも
刑事事件は軽くできる、弁護士が必要な理由、不起訴で前科を回避、不起訴率は八二%と様々なことをいろいろ書いています。
最後の方には、「強制わいせつ
事件の場合、
被害者と示談が成立すれば不起訴となる可能性が高まります。強制わいせつ
事件は
刑事罰として罰金刑がなく、有罪となれば懲役刑に服することになります。そのため、示談成立により不起訴を獲得することは、刑事弁護
活動の中では最も重要なことだといえます。」と。
ここは以前、レイプ犯も、いわば、それは示談にできるというような四こま漫画みたいなのを出して問題になって、自ら
削除されていたというような話を聞きました。
ただ、ここだけじゃなくて、こういうのはいっぱいあります。私は、示談そのものを否定するつもりはありませんが、まさしく示談自体が、
被害者の家族であったり
被害者そのものが、
本人が理解をした上で、納得した上で成立するのであれば私はふさわしい示談だと思うんですが、泣く泣くそこに導かれるようなことはあってはならないと
思いますし、先ほど申し上げたとおり、DBSだったりオフセットも含めて、ちゃんと表面化しない限りそれは実効的な機能をしないということなので、問題意識を持っています。
これからちょっと、私が
相談されたことを、友人の了解とともに、友人から是非とも
国会でもちゃんと議論してほしいと言われたので、ここでお話をします。
今日、いろいろな方がこの場にいますけれども、娘さんがいらっしゃる方は是非とも、自分がもしその立場だったらどう思うかということを是非一緒に考えてほしいんです。追及も何もしません。
ある方がお店で不審な行動を取っているので通報されて、携帯電話の中身を見たら児童ポルノの写真が山ほど出てきた、動画も含めて出てきたという
事案でした。
本人はその犯行を認めて、どの子供を撮ったかということを全部お伝えしたので、学校経由で私の友人の保護者に連絡が来ました。複数回、その仲がよかった友達のお父さんが
加害者でした。仲がよくて何度も泊まりに行っている間、九歳のときも十歳のときも、寝ている間に衣服を脱がされて写真を撮られ、その
被害者のプライベートゾーンも触られ、そしてまた、
加害者自身の性器を勃起させたものを触らせているような写真もあったということでした。
父親はもう正直その証拠を見ることができなくて母親に任せたという話でしたけれども、
本人自身は、何度も泊まりに行くことがあるように、全く気づいていなかった、ないだろうというふうに、親としても何度もそれは確認をしています。
犯行が起きた九歳、十歳から、もう今十一歳か十二歳ぐらいになっているという話でしたけれども、そういうことで警察から連絡が来まして、最初に言われたことは何かというと、娘さんに聴取をさせないんだったら
被害届は出せない、聴取なしで
被害届を出す方法があったら教えてほしいぐらいだといきなり言われたと。親にしてみると、本当に許せない犯行をされて、多分、相当な気持ちになっていると
思いますよ。しっかりとせめて裁きに遭ってほしいと
思いながら、その条件として、そういうことをされたことが分からない娘に対して聴取をすることが条件だといきなり言われたそうです。
もちろん、聴取の在り方は様々ありますので、事そのものを聞かずに何かしら間接的に聞くんだと
思いますが、私も七歳の子供がいますけれども、男の子ですけれども、恐らく、同じ年でもやはり女性、女の子の方が物すごく聡明だし、十歳、十一歳になれば、その家で寝ていたことがあるよね、夜起きたことあるとか様々なことを間接的に聞いても分かりますよ、何か私はされたんだと。そういうことを子供の、自分の愛すべき娘に傷をつけたくないので、事情聴取、
本人聴取はなしで、本来
被害届も出せますから、
被害届を出したいという話を言ったんですが、警察は最初にそういう形で、
本人の聴取がなければ
被害届なんて出せない、それが俺のやり方だと言ってきたそうです。
二回目のときに、私の方が弁護士をちゃんと紹介しまして、仲介というかアドバイスをしながらやったんですが、まず、二回目に行ったときに、娘が傷つくことが嫌なので
被害届は出しませんという調書を用意していたそうです。こんなものに判こは押せないと。弁護士さんから聞いたけれども、検事さんと事前協議はできるはずだということで事前協議を
お願いしたところ、そんなものあるかどうか分からないと言うので、弁護士さんと話をしてもらったところ、渋々その方はその事前の検事さんとの協議をすることになったと。そうしたら、後刻電話が来て、検事が
本人聴取をすると言っているので、やはり
本人聴取の方針は変わらないと言ってきたそうです。
是非、本当に皆さん、お子さんがいるのかどうかも含めてですけれども、もし本当に自分がその立場に立たされたら、自分の娘を傷つけたくないという
思いで示談に逃げることもできるでしょう。ただ、そのときに、本来裁かれる人間を裁かなかったという社会的なものと、娘に対する申し訳なさと、またその人が示談によって前科もつかず野に放たれて同じことをするんじゃないかと。小児性愛者の再犯率はもう言うまでもないと
思いますけれども、その社会的なざんげの気持ちを持つはずですよ。私は又聞きしただけでも本当に苦しいです。こんなことが現実に行われていますよ。
特殊な
ケースかと
思いきや、今日お見せした弁護士、
加害者側についた、この示談をかち取るという方向性、結構いろいろなところにありますよ。今回私が
相談を受けたところの相手の弁護士のホームページを見ましたけれども、同じようなことが書かれています。弁護士一般の
方々に聞けば分かりますけれども、大概、こういうところはよくあるものだと。
加害者弁護士がこういうようなことをやってくる。そしてまた、頼みの綱である警察が、いや、
本人の聴取をやらせてもらわないと
被害届なんて出せませんよと突き放してくる。そして、間接的とはいえ、検事も、恐らく、私も素人なのであれですけれども、いろいろな元検事の方にも様々聞きましたが、十三歳未満、性同意年齢より下です。ですので、起きていようが起きていまいが、
本人が同意しようが同意しまいが、強制わいせつなんです。有罪であることはほぼ確実であって、量刑としてどうなるかというところは
本人聴取によって左右されるところがあるんじゃないかというのが多くの
方々のお話でした。
ただ、その量刑の的確性とのてんびんにかけられているのは子供の心の傷ですよ。こういうことが今、現状にあるということを、私は自分事にして、今この場に立って
質問をしているんです。
まず、警察に聞きたいです。
今日お渡しした資料の裏側、もう一枚の方は、平成三十一年に
警察庁刑事局長からあまねく警察の
方々に、余りにも
被害届の不受理という件が目につくので、ちゃんとやれということを通達している紙です。
被害届の迅速、確実な受理、「記」の下ですね、「受理の原則」、「
被害の届出に対しては、
被害者・国民の立場に立って
対応し、その内容が明白な虚偽又は著しく合理性を欠くものである場合を除き、即時受理すること。」。
こういう方針を出しているにもかかわらず、今回私が
相談を受けた現場は、これが俺のやり方だと言うとおり、何度もやってきたそうですし、同じように、同一の
加害者から
被害に遭ったもう一人の親は、私に
相談するようなつてもなく、シングルマザーで一人で考えざるを得なかったという話でしたけれども、もう娘の傷があれなので
被害届は出しませんというものに一回判こを押したそうです。
実態はそうなんですよ。分かりますよ、様々、警察として何を考えているか、検事として的確な量刑を求めたいというのは分かりますけれども、その代償として親が迫られているものがこういうものであり、もしそれで
本人聴取を受けたときに気づいたときに、受けるのは子供なんですよ。わざわざ、この
司法制度の中で、子供に対して傷を負わせるようなことになっているんですよ。
警察にまず聞きますけれども、一般論になりますよ、この個々別に対して何か言うことはできないと
思いますが、こういう実態が起きていることが、私も実例として聞きましたし、こういう
加害者弁護をやっている
方々が高らかにうたっているように、恐らくそういうことがこのかいわいではあるんだと思うんです。警察として、まず、こういうような
事例が起きたことを踏まえて、一般論としてどう
思いますか。