○中川
委員 引き続きの問題については、次の谷田川議員の方から更に
質問をさせていただくことになるというふうに思います。
それで、
コロナをきっかけに、文部科学省の従来からの重要な課題の幾つかが一歩前進をした、踏み出すことができたということであるかと思います。三十五人学級、これも私
たちの政権の時代から、何とか進めていきたいということで努力をしてきた課題でありました。それから、一人一台タブレットでの教育のICT化、また、
科学技術投資への基金、十兆円構想というような形で大きく踏み出してきたということ、これは、
大臣の並々ならぬ努力と、それから文科省職員のいわゆる時宜に適した予算の出し方といいますか、そんなものが重なって、まず、これが実現ができたということ、これは私は心から敬意を表したいというふうに思います。
一方で、また、それぞれ一挙に実現をしてきたということでありますので、具体的な制度設計だとか運用基準だとか、様々課題がそのままになっている。その中で、これが現場へ向いて一挙に押し寄せてきた、そういう
状況にあるんだというふうに思うんですね。それで、現場の不安あるいは混乱というのが今方々で出てきている
状況があるということ、これについて文科省の体制をしっかりつくっていかなければならないんだというふうに思います。
その中で、
一つ、ICTの利用に関して、現場の声を受け止めた私の問題意識の中で
質問をしていきたいというふうに思っています。
結論から言えば、基本になるのは私は電子教科書の在り方だというふうに思うんです。
電子教科書の定義、あるいは無償化をどこまで適用していくのかということ、あるいは検定基準の見直し、これを先にやって、それから現場でいろんなモデル事業を入れて、その実証の中で具体的なものを組み立てていくということがないと、この基本がないままに何か実証的にやっていきなさいよという
状況が今続いているわけですけれども、それがあるということが現場の混乱につながっているんだというふうに感じておりまして、そこのところ、しっかりと方向づけをする必要があるんだというふうに思うんです。
この問題意識を持って
質問をしていきたいというふうに思うんですが。
まず
一つは、電子教科書は無償化の対象になるのか、紙と電子教科書の整理、無償化について、いつどのような形で整理をしていくのかということですね、これが
一つ。
それから、
二つ目は、電子教科書に附帯する機能ですね。
例えば、英語教科書などでいけば、単語の辞書機能をくっつけていくということであるとか、あるいは、音声を出していくことによって、ネイティブの発音の中で本が理解ができていくような
状況をつくるとか、あるいは、教科書の内容をテーマにした音声の中で、会話ドリルのような形で、そのまま効果を持っていける、こういう機能をどこまで教科書そのものに付随をさせていこうとしているのか。あるいは、どこまでが外部化して、アプリとして取り込んで、取り込むということは当然そこは有料化になるわけですけれども、そういうものを取り込んで、外部化という、それぞれの課題というのをつくっていくのか。この線引きによって、教科書の体質というか中身が変わってくるということがあるんですね。
もう
一つ言えば、教科書検定という立場から、これをどう整理していくのか。
こういう課題に対して、先にここをやっておかないと、教科書の開発をしていく、あるいは現場でそれを使っていくということについて、最終的にはどうなるんだろうと迷いながら、どこまでやったらいいんだろうということをそれこそ迷いながら今開発をしていかなければならない、こういう
状況が続いているんです。ここについてどのように整理をしていくかということ。
それから、同時に、教科書の中に入るものというのは教科書としての無償化の対象となっていくわけですけれども、外部から導入されるアプリなどと区別をされるときに、そのコストというのをどのように整理をしていくかということ、ここも開発主体、出版社やその事業体については大きな課題になってくるんだろうというふうに思うんです。
そこのところを今どのように整理をして、そして政策としてこれからつくり出していこうとしているか、改めて答えていただきたいと思います。