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2021-03-24 第204回国会 衆議院 内閣委員会総務委員会連合審査会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    令和三年三月二十四日(水曜日)     午前九時一分開議  出席委員   内閣委員会    委員長 木原 誠二君    理事 平  将明君 理事 冨岡  勉君    理事 中山 展宏君 理事 藤原  崇君    理事 松本 剛明君 理事 今井 雅人君    理事 後藤 祐一君 理事 濱村  進君       安藤  裕君    池田 佳隆君       小田原 潔君    岡下 昌平君       金子 俊平君    小寺 裕雄君       杉田 水脈君    津島  淳君       中曽根康隆君    永岡 桂子君       根本 幸典君    野中  厚君       本田 太郎君    牧島かれん君       松本 洋平君    宮澤 博行君       吉川  赳君    和田 義明君       阿部 知子君    大西 健介君       玄葉光一郎君    長尾 秀樹君       森田 俊和君    江田 康幸君       古屋 範子君    塩川 鉄也君       足立 康史君    岸本 周平君       高井 崇志君   総務委員会    委員長 石田 祝稔君    理事 橘 慶一郎君 理事 寺田  稔君    理事 冨樫 博之君 理事 松本 文明君    理事 務台 俊介君 理事 岡島 一正君    理事 岡本あき子君 理事 國重  徹君       安藤 高夫君    井林 辰憲君       小倉 將信君    金子万寿夫君       木村 弥生君    国光あやの君       高村 正大君    斎藤 洋明君       杉田 水脈君    鈴木 淳司君       田畑 裕明君    谷川 とむ君       古川  康君    穂坂  泰君       宮路 拓馬君    山口 俊一君       神谷  裕君    櫻井  周君       田嶋  要君    高木錬太郎君       松尾 明弘君    松田  功君       道下 大樹君    山花 郁夫君       本村 伸子君    足立 康史君       井上 一徳君     …………………………………    総務大臣         武田 良太君    国務大臣    (デジタル改革担当)    (マイナンバー制度担当) 平井 卓也君    内閣府副大臣       藤井比早之君    総務大臣        熊田 裕通君    内閣大臣政務官     岡下 昌平君    内閣大臣政務官     和田 義明君    内閣大臣政務官     吉川  赳君    総務大臣政務官      谷川 とむ君    総務大臣政務官      古川  康君    総務大臣政務官      宮路 拓馬君    防衛大臣政務官      大西 宏幸君    政府参考人    (内閣官房内閣審議官)  時澤  忠君    政府参考人    (内閣官房内閣審議官)  冨安泰一郎君    政府参考人    (内閣官房内閣審議官)  二宮 清治君    政府参考人    (内閣官房内閣審議官)  成田 達治君    政府参考人    (内閣官房内閣審議官)  山内 智生君    政府参考人    (個人情報保護委員会事務局長)          福浦 裕介君    政府参考人    (金融庁総合政策局参事官)            田原 泰雅君    政府参考人    (総務省大臣官房長)   原  邦彰君    政府参考人    (総務省大臣官房総括審議官)           前田 一浩君    政府参考人    (総務省大臣官房総括審議官)           吉田 博史君    政府参考人    (総務省大臣官房地域力創造審議官)        大村 慎一君    政府参考人    (総務省行政管理局長)  横田 信孝君    政府参考人    (総務省自治行政局長)  高原  剛君    政府参考人    (総務省総合通信基盤局長)            竹内 芳明君    政府参考人    (総務省サイバーセキュリティ統括官)       田原 康生君    政府参考人    (経済産業省大臣官房サイバーセキュリティ・情報化審議官)         江口 純一君    政府参考人    (防衛省大臣官房公文書監理官)          齋藤 雅一君    政府参考人    (防衛省人事教育局長)  川崎 方啓君    内閣委員会専門員     近藤 博人君    総務委員会専門員     阿部 哲也君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  デジタル社会形成基本法案内閣提出第二六号)  デジタル庁設置法案内閣提出第二七号)  デジタル社会形成を図るための関係法律整備に関する法律案内閣提出第二八号)  公的給付支給等の迅速かつ確実な実施のための預貯金口座登録等に関する法律案内閣提出第二九号)  預貯金者意思に基づく個人番号利用による預貯金口座管理等に関する法律案内閣提出第三〇号)      ――――◇―――――
  2. 木原誠二

    木原委員長 これより内閣委員会総務委員会連合審査会を開会いたします。  先例により、私が委員長の職務を行います。  内閣提出デジタル社会形成基本法案デジタル庁設置法案デジタル社会形成を図るための関係法律整備に関する法律案公的給付支給等の迅速かつ確実な実施のための預貯金口座登録等に関する法律案及び預貯金者意思に基づく個人番号利用による預貯金口座管理等に関する法律案の各案を一括して議題といたします。  各案の趣旨の説明につきましては、これを省略し、お手元配付資料をもって説明に代えさせていただきます。  これより質疑に入ります。  質疑の申出がありますので、順次これを許します。国光あやの君。
  3. 国光あやの

    国光委員 ありがとうございます。茨城六区選出の衆議院議員国光あやのでございます。  本日は、内閣委員会総務委員会連合審査会で貴重な質問の機会をいただきまして、改めて、御関係者先生方に心から御礼を申し上げます。  さて、本日は、デジタル社会利活用の光と、一方で、デジタルとそれからネットによる功罪の部分ネット上の誹謗中傷対策について、是非、両大臣にお伺いをさせていただきたいと思います。  まず、デジタル利用によっていかに光が差すかということを、非常に大きな期待を持って、平井大臣にお伺いさせていただきたいと思います。  昨年来のコロナで明らかになったこと、日本は非常にデジタル活用が遅れている。そのためにデジタル庁設置につながったと思いますけれども、私も身をもって実感をしておりますのが、コロナといえば医療現場、私自身も医療現場でずっと生きてきた人間の一人でございます、医療現場活用、昨年来、コロナ陽性者数ファクスベースでやり取りをされていたり、信じられないような昭和の時代のアナログが続いているわけでありますが、それだけではないんですね。平素からすさまじい、医療現場には無理、無駄、むらがございます。  例えば、例を二つお示しをしたいと思います。  一つは、コロナの以前から、電子カルテあるいは医療情報ネットワーク、これは全国で、恐らく各委員の御地元にも医師会や県や二次医療圏ごと医療情報連携ネットワーク電子カルテお話があると思います。何と、全国で今、二百のシステムが稼働しています。それに投じられた交付金の予算は五百億です。ただ、これは一昨年、会計検査院から指摘を受けました。五百億を使っている、二百システムができている、ちゃんと稼働しているのは、その中の半分以下です。  例えば、平井大臣の御地元のかがわ医療ネットワークがございます。香川県内医療機関が全部で三百入っておられますけれども、利用されているのは何と半分以下です。私の地元茨城では、余りにも利用が少ないので、何と今年の三月末をもってやめることになりました。恐らく、先生方地元にもそういう例がたくさんあるかと思います。やはりこれは、よく大臣がおっしゃる発注力、国、県そして市の医療現場へのデジタル利用発注力の少なさだと思います。  また、介護現場でも、レセプト請求、千七百の各市町村が保険者でありますので、それぞれレセプト請求を市にされます。市の様式は全部異なります。とある市はエクセルで提出しろ、別の市はワードで提出する、また、判こが要る要らない、それを繰り返してきたのがこの医療介護現場でありました。  是非、このデジタル庁設置を機に、私は、この余りにもアナログでガラパゴスな医療現場介護現場が少しでも進むことを強く期待をしておりますけれども、改めて、大臣意気込みについてお伺いをさせていただきたいと思います。
  4. 平井卓也

    平井国務大臣 委員のおっしゃるとおり、医療分野デジタル化というのは遅れたと思います。しかし一方で、国民期待は非常に大きいし、恐らく、デジタル化を進めていく上で、国民メリットを最大化すれば、相当多くの国民皆さんが喜んでいただけるのが医療分野だと思います。  一方で、今回のワクチン接種の問題もそうですけれども、自治体にそれぞれのやり方も任せていた、だからワクチンの台帳もそれぞれに任せていたというのが現状で、いわば、今回、河野大臣の下で開発しているワクチン接種システム、これは、国がクラウド環境を整えて、各自治体からデータを提供いただき、自治体がそのデータをちゃんと使えるようにしようということですが、こういうことで一種の標準化が進んでいくということで、これは後々一つの下敷きになるんだろうなというふうに思っています。  今、デジタル庁で取り組もうとしているのは、やはりステークホルダーを識別して関連づけていくためのID連携、そして医療データを円滑にやり取りするためのデータ標準化、そして、要するに、多様なステークホルダーが相互にやり取りすることができる基盤となる連携基盤とベースレジストリー、そういうものを一気に進めようというふうに思います。  先ほど先生から香川県の事例を出していただいたんですが、来月からK―MIX・R・BASICというものがスタートして、これは、レセプトデータをクレンジングしたものを格納しておいて、臨床の現場で医者と本人の同意によってその人の過去のレセプトデータが整理されたものが使える診療支援システムということで、今回のワクチン接種に既往症等々の問題や投薬履歴とかそういうものもあるので、薬剤師と医師本人がうまくそのレセプトデータ本人診療のために使うという試みがありますので、是非専門家先生に視察をしていただきたいなというふうに思います。  ですから、国民メリットが分かりやすいものから、優先順位をつけて一気に進めるタイミングだろうというふうに考えています。
  5. 国光あやの

    国光委員 ありがとうございます。是非優先順位をつけて、費用対効果が高い順からワイズスペンディングを、辣腕を平井大臣に振るっていただきたいと思います。香川事例も私も非常に期待を持って拝見をしております。  続きまして、そのデジタル、やはり国民皆さんにお願いするのであれば、ここ永田町霞が関からもしっかり進めなければならないと思います。まさに隗より始めるデジタルでございます。  ただ、足下の霞が関永田町、いかがでしょうか。委員先生方それぞれいろいろな思いがあられるのではないかと思いますが、一つ、私も地元でよく言われる点をお尋ねをしたいと思います。  例えば、経産省、国交省厚労省、各省庁オンライン会議をする、それをしたいと国が言っているわけですから、当然、自治体やそれから民間企業の方など、ではオンライン会議をしましょうとなります。ただ、昨年来始まったシステム、個別の名称を申し上げて恐縮ではありますけれども、スカイプフォービジネスは大体どの省庁でも使っておられますが、例えばその他の、一番ドミナント、よく使っておられるZoomであるとかあるいはV―CUBEであるとか、いろいろなシステム、各省庁で全然、何が使えるかが違います。  つまり、私の地元も、例えば、とある市が厚労省さんと経産省さんとウェブ会議をしたいと思いましたが、どちらかの省庁Zoomが使えませんでした。でも、市はZoomしか使えません。そういうときに、結局オンライン会議が成り立たないんですね。ではどうしたのというと、結局、個人の、その職員の方のスマートフォンで、独自でZoomにログインをして御覧になっているという状況、それが去年から続いていました。  やっと経産省さん、ごめんなさい、言ってしまいましたけれども、経産省さんもZoomが使えるようになったというふうに、それは朗報だというふうには思っておりますけれども、是非共通基盤を、国民にお願いする手前、しっかりつくっていただきたいと思いますけれども、御見解をお伺いさせていただきたいと思います。
  6. 成田達治

    成田政府参考人 お答え申し上げます。  御指摘ありましたオンライン会議システムでございますけれども、御指摘のとおり、各府省庁ごとにLANの環境が構築されていたということもあり、府省庁の間あるいは外部方々企業なり外部機関との間で円滑につながらないといったことが課題として存在しておりました。  これに対しまして、まず緊急措置といたしまして、民間方々が提供するオンライン会議システム、これのライセンスを内閣官房情報通信技術総合戦略室IT室ですね、こちらの方で一括して調達をいたしまして、各府省庁の希望に基づいて配付をいたしました。そうすることで全ての府省オンライン会議利用可能となっております。これは緊急措置でございます。  そうすることによって、国会質問への御対応もそうでございますし、外部機関との打合せなどの際に、各府省庁セキュリティーポリシーをきちんと踏まえた上でオンライン会議システム活用いただいているものと認識しております。  さらに、御指摘ありました基盤ですね、こちらにつきましても、今、IT室の方で、府省等ごとに構築されております政府ネットワーク環境、これの整理、再構築の取組を開始しております。これによりまして、統一的なセキュリティーを確保しながら、他府省あるいは国会議員先生方との関係、それから民間企業方々等も含め、オンライン会議等により組織を超えた形で円滑なコミュニケーションができるように、そういう形の取組を進めております。可能な限り早く実現してまいりたいと考えております。
  7. 国光あやの

    国光委員 ありがとうございます。  デジタル庁設置等々を機に、隗より始める霞が関オンライン会議利活用是非進めていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。  続きまして、デジタルネット社会の負の部分、その部分について、かねてから私のライフワークでもございましたネット上の誹謗中傷問題についてお伺いをさせていただきたいと思います。  今国会で、先日、二月二十六日に、プロバイダー責任制限法改正案が提出されました。このネット上の誹謗中傷、恐らく委員皆様方も、SNS利活用が進む中で、いろいろ実際に身をもって経験をされたようなことがおありの委員の方もいらっしゃるかと思います。また、傍聴されていらっしゃる国民皆様も同じくだと思います。  今日はお手元資料配付をしておりますけれども、利活用部分、裏面の下のページを御覧いただきますと、インターネット上のいわゆる誹謗中傷人権侵害、有害・違法情報、この十年間で約四倍も増えております。一番多いのはプライバシーの侵害が多いわけですが、その次に多いのが、名誉毀損や信用の失墜等々があるわけでございます。  昨年、コロナが始まって、そして、例えば医療者への誹謗中傷コロナを診ているんだったらそのお子さんには保育園を使わせたくないとか、あるいは事業者の方、コロナが実際に陽性者がお出になっていたりいなかったりにしても、本当に深刻な風評被害を受けられたりしたこともございます。また、昨年は、五月に、とある著名人の方がネット上の誹謗中傷で自死をされたということもございます。  そのような背景を踏まえて、昨年、平井大臣がちょうどデジタル社会推進特別委員会委員長をされていたときに、ネット上の誹謗中傷プロジェクトチーム自民党内でつくっていただきまして、私、事務局長を拝命させていただきました。私も、地元で、ネット上の誹謗中傷で自死をされた事件をお伺いしている立場の一人として、しっかり取り組んでいきたいというふうに常々思っております。  改めて、所管の大臣でおられます武田総務大臣にお伺いしたいと存じますけれども、このネット上の誹謗中傷、明らかに数が増しております。内容悪質性を増しております。もちろん、表現の自由を尊重することはとても大事です。ただ、一方で、恐らく今後も増えるであろうSNS誹謗中傷対策について、プロバイダー責任制限法改正やまたその他の取組を通して、どうやってこのネット上の誹謗中傷問題に、被害者泣き寝入りを阻止するために取り組んでいくのか、改めて意気込みをお伺いさせていただきたいと思います。
  8. 武田良太

    武田国務大臣 今委員指摘プロバイダー責任制限法改正案の検討に際しましては、自民党PTによる提言内容も踏まえさせていただいたところでありまして、PT事務局長を務められた国光委員の御尽力には心より御礼を申し上げたいと存じます。  この法案は、発信者情報開示請求に係る新たな裁判手続を創設することなどを内容としており、インターネット上の表現の自由を確保しつつ、誹謗中傷に苦しむ方々の迅速かつ円滑な救済が進むものと考えております。今国会における法案早期成立を図ってまいりたい、このように考えております。
  9. 国光あやの

    国光委員 ありがとうございます。  是非総務大臣リーダーシップの下、被害者救済が進むように、この法律が成立しましたら、今まで、発信者情報、書き込んだ方を特定をするときに二、三年かかっていた年月が二、三か月に短縮するというふうな効果期待されていると伺っております。是非大臣リーダーシップを改めて強く御期待申し上げたいと思います。  続きまして、その誹謗中傷問題で、やはり私も被害者の方と多くお話をする中で、本当に御不安に思っている点について、改めて政府にお伺いをさせていただきたいと思います。  法改正がある中でも、実際に今、SNS事業者、そして通信事業者プロバイダー事業者に関して、多くが海外事業者となっています。被害者方々が実際に直面する現場で、海外事業者、やられていらっしゃる事業者に、この内容は明らかに自分を過度に傷つけている、表現の自由ではなく、例えば死ねとか殺すぞ、消えろ、まあ、消えろも一度だったら余りアウトにはならない判決が出ていますけれども、複数回繰り返すとやはりそれは人権侵害に該当します、判決が出ています。削除してほしいと思うんです、被害者は。ただ、海外事業者にそのお話を、それを申し込んでもなかなか相手にしてもらえない。それを繰り返して結局泣き寝入りをしているということが、実際、ネット上の誹謗中傷問題の現実でありました。  この点について、プロバイダー責任制限法改正案では、海外事業者に対してはどのように法が適用されるのか。そもそも、海外事業者、中には日本で登記もされていないところもあるようにも伺っておりますが、その辺り状況是非伺いをさせていただきたいと思います。
  10. 竹内芳明

    竹内政府参考人 お答えいたします。  現行プロバイダー責任制限法におきましても、海外通信事業者に対して、発信情報開示を求める旨の訴え我が国裁判所において行うことが可能でございます。  具体的には、海外事業者が登記された日本法人を有さない場合であっても、日本国内に主たる営業所を有する場合や、日本国内営業所等がない場合であっても、その事業者我が国において取引を継続して行っている場合であって、訴えがその事業者日本における業務に関するものである場合には、我が国裁判管轄が及ぶものでございます。  このようにして、現行制度の下で行われた裁判所決定につきましては、多くの海外通信事業者がこれに従っているということと承知しております。  今国会に提出しております改正法におきましても、裁判管轄について同様の規定を置いておりますので、現行法と同様に、海外通信事業者裁判所決定に従うものと考えております。
  11. 国光あやの

    国光委員 ありがとうございます。  裁判所手続、つまりコートオーダーがあればそれはやはり従うのでしょうという御見解だと思いますが、まだそこに至らないまでに泣き寝入りをされていらっしゃる。実際、被害者の方で裁判手続に入る気力がある方というのは、やはり相当限られておられます。被害者の中には中高生もいらっしゃるわけです。是非、その辺りをきめ細かく配慮いただいて、今、御懸念の点が当たらないということを自信を持っておっしゃるのならば、分かりやすくそれを被害者の方に伝わるように御周知をいただきたいと心から思います。  最後に、明らかな誹謗中傷被害に該当する場合、すぐ削除してほしいことが一番の被害者の願いと申し上げました。ただ、実際に、どの範囲までが誹謗中傷に当たるのか、人権侵害に当たるのかの片りんは、非常に難しいです。ただ、やはり今まで判例が、もう百個近くの判例が出ておりますので、是非その積み重ねで、ここまではいわゆるセーフでここからはグレーでここからはアウトであるということを分かりやすく例示をしていただくことをもって、例えば裁判所対応、そして裁判に至る前のプロバイダーによる自主的な削除ポリシーに基づく削除も推進していただきたいと思います。  この点につきまして、実際に要件該当性、どこまでがセーフでどこからがアウトなんですかという要件該当性をどのようにしっかり実効性を持って取り組んでいかれるのか、御見解をお聞かせください。
  12. 竹内芳明

    竹内政府参考人 お答えいたします。  御指摘のとおり、裁判外での発信者情報開示が進むということは大変重要でございまして、このことによって、誹謗中傷の円滑な被害回復に寄与する、さらには抑止につながる大変重要な点だと考えております。  昨年、総務省で、九月に発表いたしました政策パッケージにおきましても、裁判外開示の促進、あるいは事業者による自主的な削除、こういったものも盛り込んでいるところでございます。  お尋ねのありました事業者による開示要件の判断、これを自主的に判断できるようにしていくために、プロバイダーに助言を行う民間相談機関の充実でございますとか、裁判手続における開示要件に該当すると判断された事例をガイドラインによって集積をしていく、こういった取組を重ねることによりまして、民間事業者による取組総務省としてしっかり支援していくこととしております。
  13. 国光あやの

    国光委員 ありがとうございました。是非裁判だけでなくて民間事業者取組実効性ある形で、被害者救済に、表現の自由に配慮する前提で取り組んでいただきたいと思います。  ありがとうございました。
  14. 木原誠二

    木原委員長 次に、足立康史君。
  15. 足立康史

    足立委員 日本維新の会の足立康史でございます。  LINEの問題を取り上げます。  今日、両大臣に伺う前に、金融庁にもお越しをいただいています。ちょっと、早速ですが、大丈夫でしょうか。  金融庁も、各省に続いてLINEに報告を求めたということで報じられています。対応されているその状況と、その理由を御紹介ください。
  16. 田原泰雅

    田原(泰)政府参考人 お答え申し上げます。  情報の適切な管理は、個人情報保護金融機関信頼確保の観点から極めて重要であるというふうに考えております。  親会社でありますLINE社における事案を踏まえまして、現在、金融庁の方から、金融子会社であるLINEペイ社などにつきましても、実態について適切に把握するために金融業務に関する情報管理状況について報告を求めさせていただいているところでございます。
  17. 足立康史

    足立委員 是非確認させていただきたいのは、昨日記者会見があって、私も、ちょっとこれは国民の関心が大きいので視聴しました。拝見しました。  私が受け止めたのは、来年の個人情報保護法の施行に先立って、まだ施行されていないんだけれども、業界のリーダーとしてロールモデルをつくる観点から、まだ施行されていないルールに早々に対応していく、そのリーダーとしての心構えが足りなかったみたいな趣旨と、それから、中国の国家情報法に対する国民の懸念に十分配慮した説明をしてこなかった、こういうことですが、今申し上げた二点については、私は、ほぼ全ての事業者が該当すると思うんですね。  LINEだけが問題である事項というのは何なんでしょうか、金融庁
  18. 田原泰雅

    田原(泰)政府参考人 先ほどお答えいたしましたとおり、親会社であるLINE社におけます事案を踏まえまして、子会社でありますLINEペイ社などについても、実態を適切に把握するために情報管理状況について報告を求めさせていただいているところでございますけれども、金融庁といたしましては、当然、各金融機関において適切な情報管理についての体制というものが確保されることが重要であるというふうに考えてございますので、今後適切に対処してまいりたいというふうに考えているところでございます。
  19. 足立康史

    足立委員 申し訳ないね。だから、金融庁はこういうルールをつくっていると、そういう金融子会社というか、LINEペイとかね。こういうルールをつくっている、LINE社はそのルールにここで違反しているおそれがあるようだから調査を開始した、これが普通の説明ですよね。いや、だから、どういうルールがあって、そのルールにどういう点で違反している可能性が出てきたんですか。
  20. 田原泰雅

    田原(泰)政府参考人 繰り返しになりますけれども、情報を適切に管理していただくということが非常に重要だということでございまして、LINE社からも御説明ありましたけれども、例えば、同意の取り方ですとか、あるいはデータ管理の仕方などについて懸念が生じているということでございますので、その実態についてまず教えていただきたいということで報告を求めているということでございます。
  21. 足立康史

    足立委員 だから、具体的にどういうルールがあって、それをどう侵害しているおそれ、懸念が発生しているんですか。ちょっと、ほんまに解説してほしいんですよ。
  22. 田原泰雅

    田原(泰)政府参考人 各金融業法などにおきましては、金融事業者に対して、利用者に関する情報の安全管理ですとか従業員や委託先の監督につきまして、情報の漏えい等の防止を図るための必要かつ適切な措置を講じるという義務が課されているところでございます。  こういった情報の適切な管理というものは、先ほど来申し上げておりますように、個人情報保護金融機関信頼確保の観点から極めて重要ということでございますので、その管理状況について、現在、報告をお願いしているということでございます。
  23. 足立康史

    足立委員 もうずっと同じ質問をここのところ総務委員会内閣委員会でやっているんですが、LINEは確かに心配している国民、多いですね。でも、ツイッターだって、インスタグラムだって、フェイスブックだって、みんな心配だと思うんですよ。  個人情報保護委員会、個人情報保護委員会は独立しているというか、あれですけれども、平井大臣あるいは武田大臣は、これはどう見られていますかね。要は、LINEが危ないのか、いや、LINEに注目が集まる中で、やはりもう一回、LINEだけじゃない、インスタグラムも同じだ、フェイスブックもツイッターもアマゾンも全部一緒だと。だって、中国に拠点を置いてはならないというルールは、日本政府はまだつくっていないですね。私はつくるべきだと思いますよ。私はつくるべきだと思うけれども、まだつくっていない中で、何でそこに線が引けるのかが分からないんですけれども、ちょっと御答弁いただけないですか。
  24. 平井卓也

    平井国務大臣 LINE社の場合は、先生がおっしゃったとおり、来年四月一日の施行の法律に合わせて、今回、自らそういう情報個人情報保護委員会に報告をして、昨日の記者会見等につながったということだと思います。  八千六百万人が使っているということで、国民の関心が高いのでこのようなことに今なっているんだと思うんですが、ほかのSNSも全く同様だと思います。ですから、我々がふだん使っている全てのものが本来は対象になるべきだ、そのように思います。
  25. 足立康史

    足立委員 総務大臣、今、日本社会は本件で大混乱をしています。別に、総務省総務省がと言うつもりはありませんが、総務省LINEの使用を停止した影響が大きいんですね。だから、全国自治体LINEの使用を停止する動きが広がっています。  ただ、今、平井大臣がおっしゃったように、LINEは八千六百万人が使っているということで盛り上がっていますが、ほかのサービス事業者についても全く同じ懸念がある。平井大臣はそうおっしゃいました。私もそう思います。少なくとも、日本政府はそこについて大丈夫だということを調べていません。  ちょっと、LINEだけを使用停止にしたのは拙速ではないかなとどうしても思うんですが、事務方でもいいですよ、事務方でもいいので、お願いします。
  26. 田原康生

    田原(康)政府参考人 お答え申し上げます。  今般、LINE株式会社についてこのような報道があり、また、その親会社から、システム運用や開発の一部が海外に拠点がある、サーバー、利用者の個人情報へのアクセスが海外から可能であった等の報告があったということを受け、このLINE社に対して、電気通信事業法に基づく報告の徴収を行っているというところでございます。  他社についてでございますけれども、現在、こういう事案があったので、LINE社に対してこのような、省内の利用状況及び報告を求めているところでございますけれども、御指摘のとおり、ほかのサービスについても大変重要かと思いますけれども、現時点で、省内での利用状況等について、個別具体的に確認ということはまだ行っていないという状況でございます。
  27. 足立康史

    足立委員 停止をしたらどこかで再開する、まあ再開しないかもしれませんが。緊急事態宣言と一緒ですよ。始めたら、どこかでやめないといけませんね。  LINEについて使用停止するという判断は、どこかで、もしですよ、懸念が払拭されたら再開したらいいと思うんですけれども、いや、私は別に、再開してほしいんじゃないんですよ。行政の公正性、透明性の観点から、民主主義の日本において、脊髄で、あるいは感覚で判断するのはやはりおかしいんじゃないかなと思うんですね。  だから、利用停止にしたのは、どうなったら、いや、なぜ利用停止にしたか分からないので、どうなったら再開するかも分からないんです。どうなったら再開するんですか。
  28. 田原康生

    田原(康)政府参考人 お答え申し上げます。  先ほども御答弁させていただきましたとおり、LINE社については、これまでの報告等において、データ管理の状態あるいはそれに対する利用者の皆さんへの周知ということが十分ではなかったという報告があり、私どもとしても、今、報告を求めている中で、それがどうなのかというのを具体的に確認させていただいているところでございます。  個別のサービスがいつ再開、どういうふうに再開するのかということでございますけれども、私どもの、現在確認されているのが、四つのサービスがございます。これらを、基本的には代替、ほかのいろいろな、メールですとかウェブでの周知ですとか、これで可能なものというのが多いので、それを再開するかというのは、また個別の要望にもよるものでございますけれども、その条件としては、今回のいろいろな懸念が払拭されるということで、データ管理等、その体制等、しっかりと報告徴収を行って事実確認した上で、適切に判断してまいりたいと思っております。
  29. 足立康史

    足立委員 自治体にしっかりとガイダンスした方がいいんじゃないですかね。過剰反応しても意味がない、LINEへの懸念はほかのあらゆるサービス、事業者に同じ懸念がある、だから全てに注意してくれと。LINEだけに過剰反応して、要は、今日、ニュースでも、若い方がLINEをやめてインスタグラムでメッセージ交換するようになっているというんだけれども、インスタグラムだって一緒でしょう。ねえ、平井大臣。うなずいていらっしゃいます。  ちょっと、自治体にちゃんとガイダンスしてあげてよ。
  30. 大村慎一

    ○大村政府参考人 お答えいたします。  地方公共団体に対しましては、今回の事案を受けて、まずは利用実態を把握するために、関係省庁と連携を図りながら、三月十八日付で、LINE利用に関する現状の確認を行った上で、今月二十六日までに報告をいただくように依頼をしたところでございます。  今後につきましては、まず、地方公共団体の利用実態を把握しながら、NISC等関係省庁とも連携しながら、適切に対応してまいりたいと考えております。
  31. 足立康史

    足立委員 つまり、停止は求めていないんですね。要するに、まだ調べている段階だと。それはLINEだけじゃないですね。LINEだけじゃない、調べている段階だ、LINEについて停止してほしいなんて一言も言っていないと。
  32. 大村慎一

    ○大村政府参考人 お答えいたします。  現時点で、総務省が地方公共団体に対して、LINE利用を中止をするということを求めている事実はございません。
  33. 足立康史

    足立委員 せっかくこれは合同審査会ですので、武田大臣、何か、今日の私の質疑について総括していただければなと。
  34. 武田良太

    武田国務大臣 やはりこれは安全保障に係る重要な事案だと私は思っております。やはり、こうした事案に対する対応のやり方というのはどうあるべきかも含めて、真剣に今から議論していかなくてはならないと考えております。
  35. 足立康史

    足立委員 ありがとうございます。  全く同感でありまして、この今回の事案をLINEの問題として矮小化したら、あの不動産鑑定の問題を森友学園の問題として矮小化したのと全く同じになりますよ。結局何も解決していない。何も解決していないんです。やはり的外れなんです、それは。LINEの問題じゃないんです。これは経済安全保障の問題であり、国家安全保障の問題なんです。  では、中国の国家情報法にどう対応するんだと。日本政府は、それははっきりしていません。もちろん、内調とか、内閣官房の国家安全保障局、先日も藤井審議官においでをいただいて答弁いただいたけれども、問題意識は政府の中にはあるんだけれども、国民に伝わっていないんです。制度化されていないんです。しっかりと両大臣を筆頭に御対応いただくようお願いして、質問を終わります。  ありがとうございます。
  36. 木原誠二

    木原委員長 この際、暫時休憩いたします。     午前九時三十七分休憩      ――――◇―――――     午前十時四十二分開議
  37. 石田祝稔

    ○石田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。本村伸子君。
  38. 本村伸子

    ○本村委員 日本共産党の本村伸子でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。  まず、マイナンバーカードについてお伺いをしたいというふうに思います。  マイナンバーカードの取得は、国民、住民の皆さんに義務づけられているものではありません。それにもかかわらず、カードを持っていない住民の方が、先日も塩川議員が指摘をされましたけれども、公的サービスが受けられない状態になってしまう懸念、ある自治体ではそういうことが行われようとしているということが指摘ありましたけれども、そうしたことや、あるいは不利益があってはならないというふうに考えております。  これから健康保険証とマイナンバーカードがセットになっていく、そして、運転免許証とマイナンバーカードの一体化については二〇二四年度末にということで進められているというふうに思います。マイナンバーカードの入札についても調べてまいりましたけれども、顔認証システムも導入されている状況でございます。  そういう中で、マイナンバーカードを持つことに御不安がある方、あるいは持ちたくないというふうに思っている方を含め、マイナンバーカードを持たずに生きる権利を是非今後も保障していただきたいというふうに思いますけれども、まず両大臣にお伺いしたいと思います。
  39. 平井卓也

    平井国務大臣 今回のデジタル改革関連法案が描く社会像は、デジタル活用によって国民の一人一人のニーズに合ったサービスを選ぶことができ、多様な幸せが実現できる社会であり、誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化を進めたいというふうに考えています。しかし、多様な幸せの実現ということですから、マイナンバーカードを始めデジタルを全く活用しない生活様式を否定しているものではありません。  ただ、私は思うんですけれども、自分の身分を明かす、アナログの世界でも身分証明書なんですよね、マイナンバーカードは。今までは、運転免許証のコピーとか、健康保険証の顔写真つきとか、パスポートとか、そんなものを使っていたんですけれども、私は、アナログの世界でも、ちゃんとした身分証明書があるというのは、安全、安心な社会をつくっていく上では必須ではないか。プラス、デジタルでも使えるということですから、多くの国民の理解は進み、持っていただけるのではないかと思っております。
  40. 武田良太

    武田国務大臣 マイナンバーカードは、対面でもオンラインでも確実な本人確認ができる、デジタル社会基盤となるものであり、令和四年度末にはほぼ全国民に行き渡ることを目指し、その普及を進めてまいっております。  公的サービスの利用に関し、マイナンバーカードの機能をどう利用するかについては、当該サービスの性質に応じて、所管する各府省や地方公共団体において判断されるべきものでありますが、政府としては、昨年十二月に閣議決定されたデジタル・ガバメント実行計画などに基づき、様々なカードの利活用シーンの拡大などを進めているところであります。  こうした取組を通じて、マイナンバーカードの利便性を高め、その普及促進を今後とも進めてまいりたいと考えております。
  41. 本村伸子

    ○本村委員 済みません、これからもマイナンバーカードを持たずに生きていけるということを保障していただきたいというふうに思いますけれども、先ほど平井大臣は、それは否定しない、持たないでも生きていけるんだということをおっしゃったと思うんですけれども……(武田国務大臣委員長」と呼ぶ)
  42. 石田祝稔

    ○石田委員長 ちょっと待ってください。  いいですか。
  43. 本村伸子

    ○本村委員 時間がないので、先に進めさせていただきたいというふうに思います。  先ほど平井大臣が、マイナンバーカードを持たずにいるということを否定するものではないんだということを御答弁いただいたということを確認をさせていただきたいと思います。  現行の行政機関個人情報保護法では、個人情報の匿名加工情報の提供が位置づけられてまいりました。  そこで、国などの行政機関で、匿名加工情報の提供をするためのファイル、個人情報ファイルというのは何件あるのか、そのうち提供実績、お示しをいただきたいと思います。
  44. 福浦裕介

    ○福浦政府参考人 お答え申し上げます。  行政機関個人情報保護法におきましては、行政機関が事業者からの提案を募集しまして、提案があった場合には、審査を行った上で、一定の個人情報ファイルを構成する保有個人情報につきまして、特定の個人を識別することができないように加工した行政機関非識別加工情報を作成し、提供する制度が設けられております。独立行政法人等につきましても、同様の制度がございます。  令和二年度の提案募集の対象となった個人情報ファイルにつきましては、行政機関につきまして三百六件、独立行政法人等につきましては千七百三十五件でございます。  また、当該制度によります提案募集は平成二十九年度から実施をされておりますが、これまでの実績としましては、独立行政法人住宅金融支援機構が提供を行った一件と承知いたしております。
  45. 本村伸子

    ○本村委員 どこの事業者に提供されておられますでしょうか。どこの事業者に提供したか、お示しをいただきたいと思います。
  46. 福浦裕介

    ○福浦政府参考人 これまでの実績としまして、今申し上げたとおり、独立行政法人住宅金融支援機構が提供を行った一件でございます。(本村委員「どこへ」と呼ぶ)ちょっと今確認……(本村委員「時間を止めていただきたいと思います」と呼ぶ)
  47. 石田祝稔

    ○石田委員長 では、ちょっと時間を止めてください。     〔速記中止〕
  48. 石田祝稔

    ○石田委員長 では、速記を起こしてください。  福浦君。
  49. 福浦裕介

    ○福浦政府参考人 申し訳ございません。  提供先でございますが、住信SBIネット銀行でございます。
  50. 本村伸子

    ○本村委員 住宅金融支援機構から提供をした情報は何人分でしょうか。  また、資料の一に、細かい資料だというふうに言われましたけれども、住宅金融支援機構の個人情報ファイルを掲載した資料を載せさせていただきました。二十種類の個人情報ファイルがありまして、その中に、本当に膨大な、数々の個人情報がこのファイルの中に載っているということを示しております。  この二十種類のファイルのどのファイルの中から出したのか、情報はどのようなものだったのか、利用目的は何か、具体的にお示しをいただきたいと思います。
  51. 福浦裕介

    ○福浦政府参考人 お答え申し上げます。  独立行政法人等非識別加工情報に含まれる本人の数でございますが、約百十八万人ということでございます。  また、非識別加工を行った個人情報ファイルの名称でございますけれども、個人融資マスターデータファイルでございます。  提供された非識別加工情報には、ID、住宅取得以外の借入残高、自己資金、融資申込金額、融資申込金額のうちボーナス返済分、融資種別、返済期間、職業、業種、就業時年齢、申込本人前年年収、収入合算者の前年年収、性別、申込時の年齢、家族構成、現住居形態、同居家族人数、現住所郵便番号、購入物件郵便番号、住宅床面積、土地取得費、建物購入価格、勤続年数が含まれてございます。  これらのデータにつきましては、特定の個人が識別できないように加工いたしているところでございます。  また、利用目的でございますけれども、幅広い客層に安価で優良な住宅ローンを提供するために、AI審査モデルの構築に活用したということでございます。
  52. 本村伸子

    ○本村委員 百十八万人分ということで、郵便番号もあるということで、かなり特定をされる可能性もあるというふうに思っております。  この匿名加工をした方は、どなたというか、どの機関でしょうか。
  53. 福浦裕介

    ○福浦政府参考人 お答え申し上げます。  独立行政法人住宅金融支援機構自身が非識別加工を行ったということでございます。
  54. 本村伸子

    ○本村委員 手数料などの規定がございますけれども、この匿名加工情報を依頼した者が機構に幾ら払ったのか、お示しをいただきたいと思います。
  55. 福浦裕介

    ○福浦政府参考人 手数料につきましては、契約当事者間の、特にその事業活動に関わるものでございまして、秘密事項ということの整理でございます。当委員会では承知をいたしておりません。
  56. 本村伸子

    ○本村委員 御本人の同意もなくそうやって勝手に情報を加工して使って、その対価として幾らもらったのかということはしっかりと明らかにするべきだと思いますけれども。
  57. 福浦裕介

    ○福浦政府参考人 繰り返しでございますけれども、費用につきましては、その事業活動に関わるものでございます。公表にはなじまないものと考えてございます。
  58. 本村伸子

    ○本村委員 是非明らかにしていただきたいというふうに思います。  このデジタル関連法案の中の個人情報保護法の改定案の中では、地方公共団体も匿名加工情報の提供の提案に応じなければならなくなるわけです。  少し確認をしたいんですけれども、ファイルには膨大な個人情報が入っておりますけれども、匿名加工をもし地方自治体が委託する場合は、ファイルの全部を出すのか、それとも分けて出すのか、お示しをいただきたいと思います、お分かりになれば。
  59. 冨安泰一郎

    ○冨安政府参考人 御答弁申し上げます。  ファイルを指定していただきまして、そのファイルで必要な部分につきまして、ですから、ファイル全体の場合もあるし、ファイルの部分の場合もあるかと存じます。
  60. 本村伸子

    ○本村委員 ファイル全体もあるということで、先ほども住宅金融支援機構のものを出させていただきましたけれども、委託をする場合、かなりの膨大な個人情報が委託先に行ってしまうということになってくるわけでございます。  以前、総務省は、地方公共団体の非識別加工情報の作成・提供に係る効率的な仕組みの在り方に関する検討会を行っておりました。その検討は中断をしたということですけれども、総務省は、今日の資料の一番最後のページを見ていただきますと、作成組織というものを検討しておりました。  例えば、A市がこの作成組織にデータを提供して、そして利活用事業者に渡すという仕組みなんですけれども、こういうものも検討していたんでしょうか。
  61. 大村慎一

    ○大村政府参考人 お答えいたします。  御質問いただいた地方公共団体の非識別加工情報の作成・提供に係る効率的な仕組みの在り方に関する検討会では、データ利活用する民間事業者が簡便に地方公共団体のデータにアクセスできる環境整備及びこれに伴う地方公共団体の負担軽減を図るため、地方公共団体とは別の組織である作成組織におきまして非識別加工情報の作成、提供等を行うことを前提として、作成組織における非識別加工情報の加工基準、安全確保措置等、利用料など事業採算性、こういった論点につきまして検討を行ったものでございます。
  62. 本村伸子

    ○本村委員 こういう組織、加工する組織も検討をして、これは検討を中断したわけですけれども、個々に委託をするのか、こういう組織に委託をするのか、どういうふうに考えているのかお示しをいただきたいのと、どんどんどんどんそういう委託先に個人情報がたまってしまうということになると思いますけれども、その危険性について、平井大臣、御答弁を。
  63. 冨安泰一郎

    ○冨安政府参考人 委託先に対するリスクについて御質問がございました。  この改正案におきましては、地方公共団体から匿名加工情報の取扱いの委託を受けた者に対し、地方公共団体と同等の管理義務等を課すことといたしております。  具体的には、匿名加工情報個人情報への復元を禁止するとともに、匿名加工情報から削除した情報や加工の方法に関する情報を、漏えい等が生じないように適正に管理する義務を課しております。また、受託業務に従事する者が、正当な理由がないのに個人の秘密に属する事項が記録されたファイルを外部に提供した場合には、二年以下の懲役又は百万円以下の罰金を科すことといたしております。  また、地方公共団体は、匿名加工情報の作成等を外部に委託する場合には、当然に、受託者を厳正に選定するとともに、受託者に厳正な監督を行うと想定しているところでございます。
  64. 本村伸子

    ○本村委員 委託先の企業にどんどんこうやって、かなり機微な個人情報も入っております、そういったものがどんどんたまっていくということになるんじゃないかというふうに思います。  以前、NHKが契約者の情報を委託法人に渡していた、そこのリスクがあるじゃないかということを私、指摘したわけですけれども、大丈夫ですというふうに言って、結局、その法人から詐欺グループに情報が渡って、そういうことに活用されていた、大丈夫だと言っていたのにそういうふうになったということが実際にございまして、私は大変な危機感を抱くわけでございます。  情報管理へのリスクも、地方公共団体にとって増えます。課題もかなり多いわけでございます。それなのに、この法律では、まずは都道府県と政令市、義務づけをしていく、市町村はその後からだという話ですけれども、義務づけはやめるべきだというふうに思いますけれども、平井大臣、お願いしたいと思います。
  65. 平井卓也

    平井国務大臣 データ活用することによる、要するにプラスメリットも非常にあるわけですね。それも国民に還元をされていくものの一つであるというふうに考えています。  地方公共団体の過重な負担とか、そういうものを委員は心配されているとも思うし、国民の心配みたいなものが問題意識にあるんだと思うんですが、まずは、匿名加工情報の作成とか提供が地方公共団体にとって過重な負担となるようなことのないように配慮したい、そして、匿名加工情報外部への提供が住民の信頼を損なうことのないように万全の措置を講じていきたい、こう考えております。
  66. 本村伸子

    ○本村委員 万全の措置と言うんですけれども、こうやって、以前は、作成組織をつくって、認定、監督ということが委託するところにもかかっているんですけれども、そういうふうになっているんでしょうか。
  67. 石田祝稔

    ○石田委員長 ちょっともう一度。
  68. 本村伸子

    ○本村委員 以前、A市から作成組織にデータを渡すということで、加工してもらうということで、そのときに国の認定ですとかそういう仕組みを考えていたわけですけれども、そういう仕組みになっているか。
  69. 冨安泰一郎

    ○冨安政府参考人 御答弁申し上げます。  現在の法律の仕組みでは、そういう認定の仕組みにはなっておりません。
  70. 本村伸子

    ○本村委員 委託をした先で本当に個人情報保護が図られるのかという大変不安があるわけでございます。そのことに対する手だてが不十分だということも含めて、義務づけはやめるべきだというふうに考えております。  地方公共団体というのは、相談であったり、あるいは施設の利用であったり、あるいは申請、届出、許認可、調査などによって様々な個人情報が集積をしているわけでございます。匿名加工をしたということではありますけれども、本人の同意を得ず、信頼を失う、リスクを高めるこういうやり方はやめるべきだ、本人の同意もなくこういう個人情報利活用するやり方はやめるべきだということを強調いたしまして、質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  71. 石田祝稔

    ○石田委員長 次に、濱村進君。
  72. 濱村進

    ○濱村委員 公明党の濱村進でございます。  まず、武田大臣にお伺いいたします。  ガバメントクラウド上で提供される標準化対象の十七の基幹業務、いわゆる標準準拠システムでございますけれども、三月十七日の内閣委員会におきましては、平井大臣から、基本的に、地方自治体が独自にやっているような政策に関して、それを制約するというようなことは全く考えていませんとの答弁がありました。  本日、武田大臣に確認したいことは、地方自治体がガバメントクラウドを使った標準準拠システムに機能追加する場合の費用負担についてでございます。  実は、これまでの総務省答弁ではちょっと判然としないなと思っておりまして、私の理解では、標準準拠システムへの移行の経費については国が全額負担する、令和二年度三次補正予算で大体一千五百九億円、これがガバメントクラウド移行の調査、準備、あるいは実際の移行経費、これはJ―LISに基金として国費十分の十で積算されている。このこと自体、私は適切だなと思っておりますし、自治体皆様は現実的に令和五年度から七年度の間に載せていくというような計画だと認識しております。この点はいいです。  その上で、何度もお伺いしているんですが、なかなか議論がかみ合ってこないなと思っているのが、標準準拠システムに搭載できないようなもの、所得基準が国と違ったり、給付額を上乗せして給付されていたりするような、地方自治体で独自施策をやっていらっしゃるところ、この点についての経費がなかなか明言がないということでございます。  平井大臣からの答弁などでもあったんですが、パラメーターの変更だったり、アドオン、API連携、これでどこまでやるんですかという議論はありますが、これは標準準拠システムをつくっていく中、準備、対応していく中で整理されていくことなので、現時点では分からないと思っています、どこまでが搭載されるか。これは考え方を今後整理をされていかれるべきだと思っています。  その上で申し上げたいことは、今でも自治体の独自施策をやってきていて、それが標準搭載されない場合、これは当然、国費で私は負担すべきだと思っています。これはシステム移行の範囲内の話だと思っているんです。その上で、将来的に地方自治体の判断で独自施策を実施するというような場合は、これは普通交付税の範囲内で、実施するかどうかの判断も含めて、自治体がちゃんと判断すればいいというふうに思っております。  こうした認識を私は持っておりますが、武田大臣伺いますが、ガバメントクラウドの利用後も地方自治体は独自施策を実施できると考えていいのかどうか伺います。
  73. 武田良太

    武田国務大臣 地方公共団体情報システム標準化に関する法律案では、まず、事務処理の内容が各地方自治体で共通し、統一的な基準に適合する情報システム利用することが住民の利便性向上や行政運営の効率化に寄与する事務を対象としております。それ以外の事務のための情報システムについて基準を定めるものではなく、地方自治体の創意工夫や地域の実情を踏まえた独自の取組は引き続き実施可能と考えております。  その上で、現在、各地方自治体情報システムに要する経費につきましては財政措置が講じられておりますが、今後も、御指摘の地方自治体の独自施策も含めた各種施策について、行政運営上支障が生じないよう、その実態も十分に踏まえながら、適切に財政措置を講じてまいりたいと考えております。
  74. 濱村進

    ○濱村委員 大臣から、適切に財政措置を講じてまいるということでございますので、地方自治体皆さんは、もちろん標準準拠システムを使っていただきたいということはございます。標準化できるところ、共通化で乗っかれるところは大いにある、このように考えておりますが、その上で、独自の施策というのはこれまでもやってこられたわけですから、そうしたものについては国の標準システムにも反映されるような取組もちゃんと考えていきなさいというのは、地方制度調査会でも答申の中で明記されていることでございますので、是非取組をお願いしたいと思っております。  若干、この辺り標準化に乗れ、乗れ、乗れみたいな話ばかりが先行しているように見えるんですけれども、使えるものは使って、地域の特色に合わせて、あるいは、地方議会で了解を得られた施策についてはちゃんと地方自治の本旨に基づいてしっかりやっていってくださいねということが本筋であるということであろうと思っておりますので、この点をようやく確認できたかなと私は思っております。ありがとうございました。  続いて、LINEの話、セキュリティーの話も含めて、ちょっとお伺いをしていきたいと思います。  まず、個人情報保護委員会に聞きますが、個人情報保護法に基づいて、LINE社に対して、昨日までに関連資料の提出を求めていたという認識を持っておりますが、個情委として検証した上で、必要であれば法的な措置を行うことを検討するということと聞いておりますが、内容伺います。
  75. 福浦裕介

    ○福浦政府参考人 今回のLINEの事案につきまして、個人情報保護法の観点から確認を行うべき観点は主に二点考えられるところでございます。  一点目は、外国の第三者への個人データの提供に当たって、本人の同意を取得するか、又は、日本事業者が講じることとされている措置に相当する体制を提供先が整備していることを確認することが求められているところでございますけれども、これが適正かどうか。  また、二点目でございますが、個人データの取扱いを別の事業者に委託又は再委託する場合には、委託元におきまして、当該委託先における個人データの安全管理について監督を行うことが求められておりますが、これが適正であったかどうか。  これらの点につきまして、事実に基づき調査を行うべく、社外秘の情報も含めまして必要十分な資料を確認するために、三月十九日に個人情報保護法に基づく報告徴収を行ったところでございます。  今後、事実に基づき検証を行う必要があるため、現時点では個人情報保護法の観点から適否を述べることはできませんが、LINEは官民幅広く公私にわたり利用されているため、関心や懸念の声も高まっておりまして、国民からの関心も高い事案であることを踏まえまして、引き続き迅速に対応してまいりたいと考えてございます。
  76. 濱村進

    ○濱村委員 では、個情委におかれましては、引き続き適切に行っていただきたいとお願い申し上げます。  続いて、総務省伺います。  電気通信事業法に基づいて報告を求める報告徴収という措置を行うということで認識しておりますが、その目的と、LINE社からの報告時期等、内容について伺います。
  77. 竹内芳明

    竹内政府参考人 お答えいたします。  電気通信役務の円滑な提供の確保及び電気通信役務の利用者の利益を確保する観点から、三月十九日、LINE株式会社に対しまして、今回事案の経緯及び詳細、個人情報及び通信の秘密の保護等に係る支障の発生の有無、そして、個人情報及び通信の秘密の保護等のために必要な体制の確保状況等について、電気通信事業法に基づく報告を求めたところでございます。  同社に対しましては四月十九日までに報告することを求めておりまして、総務省として、同社からの報告内容も踏まえまして、速やかに必要な対応を検討してまいりたいと考えております。
  78. 濱村進

    ○濱村委員 では、総務省も、四月十九日に提出期限を切っているので、この内容についてまた報告をいただきたいと思います。  続いて、金融庁伺います。  LINEペイについてでございますが、取引情報について、韓国にあるデータセンターに管理されていたということで認識しています。通信については暗号化されているんですけれども、決済情報について、データは暗号化されずにデータ保管されていると認識しています。LINEペイは資金決済法に基づく資金移動業者でございますので、データセンターが海外にあること自体は別に特段の制約は受けないんじゃないかなというふうに思っているんですが、ちょっと分からないので確認的に伺いますが、資金決済法上の制約は何かございますか。  もう一点、また、個人情報保護法上のデータの越境移転についてはどのように把握されているのか伺います。
  79. 田原泰雅

    田原(泰)政府参考人 お答え申し上げます。  お尋ねの、資金決済法上、データセンターが海外にあること自体ということでございますが、これ自体が禁止されているわけではございません。  一方、資金移動業者につきましては、利用者に関する情報の安全管理、従事する従業員あるいは委託先の監督について、情報の漏えい等の防止を図るために必要かつ適切な措置を講じる義務というものが課されているところでございます。  情報の適切な管理というのは、個人情報保護ですとか金融機関信頼確保の観点から極めて重要であるということでございますので、現在、金融庁からLINEペイ社等に対しまして、金融業務に関する情報管理状況について報告を求めているところでございます。  金融庁といたしましては、金融機関において適切な情報管理体制の確保が図られるよう、適切に対処してまいりたいというふうに考えてございます。
  80. 濱村進

    ○濱村委員 金融機関信頼確保のためにも非常に重要なことであると思いますので、今確認されているということでございますので、適切に行っていただきたいと思います。LINEはいろいろなサービスを提供されておられます。そういう中で、それぞれの府省庁是非とも御確認されたいというふうにお願いを申し上げます。  セキュリティーの観点で申し上げたいと思うんですが、内閣委員会でも再三やってまいりましたが、ISMAP、これは政府情報システムのためのセキュリティ評価制度でございますが、クラウドサービス事業者に対しては、サーバー設置場所は別に日本国内に限るわけじゃなくて、国外でも構いませんよという話なんですね。その上で、国以下のリージョン情報として公開している。三月十二日に公表されたクラウドサービスリストにおきましては、各社、それぞれリージョンを記載しているんです。  これによって見てみれば、例えば、グーグル・クラウド・プラットフォームであれば、アメリカのバージニア州とかジョージア州とか、台湾、オランダ、アイルランド、香港、ドイツ、大阪、東京、韓国、スイス、こうしたところも、いろいろなリージョンを選べるようになっているんです。  セールスフォースであれば、PaaSとしてのサービスでございますが、これはインフラストラクチャーとしてはAWSに依存しているので、AWSのリージョンで保管ということで、IPAからの資料を見る限りでは、アジアパシフィックということで東京と大阪があるということでございました。その上で、クラウドサービス派生データについては日本又は米国で保管と記載されています。  さらに、AWS、クラウドサービスリストに載っている企業として申し上げていますが、AWSは、アジアパシフィックとして東京と大阪がありますが、セールスフォースよりも詳しく、それは自社のサービスだから当然だと思いますけれども、クラウドサービス派生データについても含めてちゃんと記載されていて、エッジロケーションを使用してコンテンツのコピーをキャッシュしますというようなこと。これだけ言われてもよく分からないという人もたくさんいらっしゃると思いますが、私もその一人です。  あと、国内の事業者もいらっしゃいます。NTTデータ、富士通、NEC、KDDI。こうした国内企業さんにおいては、大体、国内にあるとか、東日本と西日本とか、神奈川リージョンと記載があります。  私、ここで一応これだけ何か詳しく言った理由は、理由がありまして、政府が求めるクラウドサービスの提供は、サーバー設置場所について、リージョンを国内に限定しているわけではないですよねということなんです。LINEの話をしている中で気になっているのが、データローカライゼーションに向かっていませんかということなんです。グローバルなビジネス環境の構築と逆行するんじゃないんですかということを申し上げたいと思っております。冷静にちゃんと議論するべきだと思っております。  そこでまた、NISCに伺いたいと思いますが、今回、LINE社は、正当な業務として、ちょっとごめんなさい、LINE社というのは外します。正当な業務として、中国の委託先、一〇〇%子会社でもいいでしょう、そういう委託先から日本国内のサーバーへアクセスして業務を行うことはセキュリティー上の問題はあるのかどうか、伺います。
  81. 山内智生

    ○山内政府参考人 お答え申し上げます。  ビジネスのグローバル化、サプライチェーンの国際化に伴いまして、委員指摘のように、中国、これだけではございません、海外拠点から日本の国内にサーバーアクセスして構築それから運用する、こういう必要性が増しているということは承知をしております。  一方、海外においては、インターネット環境日本の国内と異なる場合など様々な要因によって、国内と同等のセキュリティーが担保できないという可能性がございます。したがって、委託元が意図しないようなアクセスをされたり、情報の窃取をされるというリスクは否定できないというふうに考えております。また、業務委託先のセキュリティー対策が不十分だった場合には、結果として業務全体としてのセキュリティーの確保ができない、こういう可能性、こういうリスクもあるというふうに思っております。  したがいまして、海外拠点のシステムから日本の国内にサーバーのアクセスをして何らかの業務を行うというのであれば、その海外拠点と日本の国内のシステム構成などをちゃんと把握をして脆弱性対策を行うこと、それから、ネットワークの階層化による多層防御やあらゆる接続端末における防御をちゃんと行って当該システムの守るべき資産の把握をしていただく、アクセス管理も必要でございますし、アクセス記録もちゃんと残していただくということも重要かと思います。必要に応じて委託先のセキュリティーポリシーを把握をして、管理体制をちゃんと整備をしていただく、適切な保護対策を取っているということを確認をする。  先ほど委員指摘のとおり、私どもISMAPにおいては、データ海外にあるということ自体は、それは許容されるべきだというふうに思っております。ただ、しっかり管理をしていただくということが重要でございますし、その海外方々がどういうアクセス権限を持っているのか、要は、国内のデータを勝手に使えるといったようなことがあってはいけないというふうに認識をしておりますので、このような、しっかり対策と管理を進めるということが重要であるというふうに認識をしております。
  82. 濱村進

    ○濱村委員 勝手にアクセスするんじゃなくて、ちゃんと権限を与えて、アクセスコントロールして、該当するデータの参照、更新ができるというようなことができていれば別に構わないわけですよ。はっきり言えば、そうした中で、データアクセスできる人に怪しい人物が入っているということがあればなかなか防ぎようがない、だからちゃんとログを残すというようなことをやっていただかなきゃいけないということだと私は思います。  そもそも、個別の企業の話をいろいろ言う必要はないんですが、LINE社におきましては、過去においてはですよ、いろいろな、どこのSNSもそうなんですけれども、通信経路上の盗聴、ワイヤタップをされて、そうやってやっていれば、暗号化されていなかったのでセキュリティー上の問題はあったと言われておりますが、今はもう国民皆さんが知っているレターシーリングで暗号化されているわけですね。通信経路上のセキュリティーについては問題ありません。サーバー保管の生データについては暗号化するかどうかという話はありますが、これは負荷がかかって遅くなったりして、ユーザーエクスペリエンスに影響が出ます。これはトレードオフの関係ですということなんです。  最後に一点だけ伺いますが、あっ、時間がちょっとないので、終わります。  アメリカのNISTの基準を目指しますということをLINEさんはおっしゃっているんですが、LINEさんは今いろいろ対応されておられます。そもそも、中国でオフショア開発を行っている事業者さんはたくさんいます。海外でなかなか同等のセキュリティー確保ができないという問題はあるので、この辺りをどう考えるんですかと。日本政府は、中国の国家情報法に対しては明確に対処方針は提示していないんです。ここは提示すべきなんです。提示もないままに私企業に任せているということはこうした事案をまた誘発するよということなので、早急に取り組んでいただきたいと申し上げて、質問を終わります。  ありがとうございました。
  83. 石田祝稔

    ○石田委員長 次に、高井崇志君。
  84. 高井崇志

    ○高井委員 国民民主党・無所属クラブの高井でございます。  今日は、総務大臣がいらっしゃるので、まず、前回の内閣委員会でもお聞きしたんですけれども、総務省の接待疑惑の問題、これは実は、後から説明しますけれども、デジタル庁とも大きく関わると思っていまして、そういう観点から、ちょっと一問だけお聞きしたいと思っています。  私は、前回、内閣委員会でも申し上げたんですが、この問題の本質、本丸はドコモの完全子会社化にある、これほど大きな話はないと思っています。これは、私、郵政省出身で、郵政省に十三年いる間、まさにこのNTTの分離分割というのは、十五年かけて議論してきて、最初にドコモが分離し、その後NTT東西と長距離に分かれる、十五年、本当にNTTと郵政省がまさに闘ってきた歴史なんですね。それがたった二か月で子会社化が決まるなんということはあり得ないと思います。  報道もされていますけれども、NTTはもう二年前からこれを考えていたということで、恐らくその段階から様々な接触があったと思いますが、その際、私は、やはりこれは到底官僚が判断できるような話じゃないと。私も自分の経験で、当時NTT担当もしていました。NTTは、この間の集中審議で澤田社長は、上場企業だから答えられませんみたいな言い方をしていましたけれども、私はとんでもないと思います。NTTは、国が三三・九%、いまだに株を持っている、国が筆頭株主、大株主ですから、制度上は確かに許認可は要らないといっても、その了解を取らずにできるはずがないんですね。  実際に私の経験を言うと、二〇〇四年、私が総務省を辞める直前に、NTTドコモの社長が替わるときに、新聞ですっぱ抜かれたんですね、ある方が。その方が本命と言われていた方なんですけれども。ところが、当時、官邸が怒って、それが撤回になって差し替わっているんですね。やはりそのくらいの関係ですよ。ですから、そんな、上場企業民間企業だといって、ドコモを子会社化するなんということが政治の判断抜きで決まるはずがないということです。  ただ、私は、大臣はドコモの子会社は関係ないと思います。なぜなら、大臣が就任する前ですから、もうこの話は。だから、私は、大臣を責めるんじゃなくて、今調査をやっていますけれども、この調査というのは、必ず、政治家、政務三役経験者、総務大臣経験者、ここに、菅総理も総務大臣経験者ですから、やはり菅総理の意向が相当働いている、そこをきちんと調査せずに、総務省の役人だけをただ調査して、何かそれで処分しましたといって終わらせても、国民はそれで何かすかっとして喜ぶかもしれませんけれども、私は、役所の人は、総務省、あるいは旧郵政省だけじゃなくて、全省庁の役人がこれを見ていると思いますよ、こんな幕引きの仕方をしたら。  私は、総務大臣期待しているんです、いろいろNHK改革とか、携帯料金の値下げも。まだ若くして総務大臣もされて、この先のある方ですから、是非、これはやはり、官僚の皆さんも見ていますから、この調査を、官僚の、トカゲの尻尾切りのようなことに絶対終わらせてはいけない。政治家も含めて、しっかり調査をするということを大臣からお答えいただきたいと思います。
  85. 武田良太

    武田国務大臣 もう御承知のように、情報通信行政検証委員会が立ち上がりました。ここにおける具体的な検証内容というのは委員会の議論で御判断いただくことになろうかと思いますが、三月十七日に開催された第一回会合では、各種関係事項について聴取、説明があった後、今後の委員会における調査、検証の進め方について討議が行われ、それを踏まえて、吉野座長において、次回の開催までに準備等をすべき事項を整理することとなったと承知をいたしております。  具体的な検証内容、またヒアリング等について、何らかの委員会としての判断が行われたとは承知しておりませんけれども、いずれにせよ、総務省としては、委員会として検証やヒアリングを行うこととなったものについては、これを円滑に行うことができるよう万全の協力をしていく所存であります。  なお、会合後、座長からは、ブリーフィングにおいて記者からの質問に答えて、個人の意見と断られた上で、決裁プロセスの中で政務三役の決裁は入ってくることから、検証の対象には当然なってくるとの御発言があったものと承知をいたしております。
  86. 高井崇志

    ○高井委員 調査は確かに第三者委員会がやるんでしょうけれども、やはり最終的な処分を行うのは大臣ですし、あと、この調査委員会に対して我々の国会の意見も伝えると原官房長も何度も答弁していただいていますし、総務大臣がどう考えるかということも、この検証委員会の方もやはり気にするというか、聞く場面もあると思いますし、あと、今申し上げたようなドコモの完全子会社がどれだけ大きな話で、そしてそれが政治で決まるみたいな話までその検証委員会の方が御存じか分かりませんから、そういったことも含めて、やはり大臣がしっかりそこはチェックというかアドバイスをしていただいて、そして、最終的な処分は大臣ですから、何度も言いますけれども、くれぐれも官僚だけが処分されて終わるということは、これは本当にいいことにならないと思いますので、是非そこはお考えいただきたいと思います。  その上で、なぜこの問題を私がこの委員会で取り上げたかというと、デジタル庁とも関わってくると思っています。  というのは、今、既に総務省解体論みたいな、昔からあるんですけれども、通信・放送委員会、三条委員会をつくる。これは、実は、橋本行革のとき、私、大臣官房総務課で係長をやっていまして、省庁再編の担当だったんです。私の上司の中村伊知哉さんという、もう今は辞めてiU大学の学長をやっていますけれども、あの方が課長補佐で、まさにこの通信・放送委員会の議論もあったんです、通産省から規制と振興は分けるべきだみたいな。だけれども、それはもう時代遅れだと。確かに諸外国はそうだった、今もそうなんですけれども、でも、アメリカのFCCというのは、三条委員会とは違って様々な政策的なことをやっているんですね。  今、この時代にデジタルがこれだけ大きな比重を占める中、そしてGAFAあるいは中国のBATのようなところとやはり戦っていかなきゃいけないときに、規制委員会みたいな三条委員会をつくるでは話にならない。まさに、GAFAとかBATを規制をしようというような話があるわけで、そういったものはもう政策と一体ですから。  私は、もし総務省をどうしても分けなきゃいけないというのであれば、三条委員会にするんじゃなくて、デジタル庁に持っていくべきだと。私は前から、総務省三局を内閣官房に持っていって強力な権限を与えれば、それが一番いいと思っていましたけれども、そういう考えもありますけれども、その辺りを含めて、この総務省の将来、大臣の今のお考えをお聞かせください。
  87. 武田良太

    武田国務大臣 やはり、時代の動きに応じた省庁改革というのは、不断の改革意識というものが、全ての省庁に言えることだ、このようにまずは思っております。  デジタル庁は、昨年十二月に閣議決定した基本方針において、デジタル社会形成に関する司令塔として強力な総合調整機能を有する組織であると位置づけられ、重要な情報システム整備管理等を行うこととされております。  この基本方針に基づき、各府省が共通で利用する情報システム整備、運用、マイナンバー関連業務及び自治体システム標準化、共通化についての政府全体の方針の策定や推進などをデジタル庁が担うこととしており、総務省においても関連業務の移管を行うことといたしております。  今後とも、社会全体のデジタル変革の加速のため、デジタル庁の創設などの改革に全力で協力していくとともに、デジタル関係の政策全般について関係大臣と連携して推進をしてまいりたいと考えております。
  88. 高井崇志

    ○高井委員 関係大臣とも連携してということで、これは平井大臣にも、ちょっと通告していなくて恐縮なんですけれども、元々、事前通告するときに、これは答えるのは平井大臣じゃないかという議論もあったんですけれども、今日はあえて、総務大臣に来ていただいているのでお聞きしました。やはりデジタル庁をどうつくっていくかという意味で、私は、どれだけ人を集めるかというのは非常に重要で、その中で総務省三局を集める、強力に内閣官房で司令塔機能を発揮するために活用するというのは大いにありだと思うんですけれども、デジタル担当大臣としてはいかがですか。
  89. 平井卓也

    平井国務大臣 今、法案、審議していただいている内容、そして、いただいている、予定される予算等々で、このデジタル庁というのは、つくるときに本当に思ったんですけれども、小さく産んで、そして世の中の変化に応じて対応できるようにすべきだろうということで、ところが、今いろいろな方々が、あれもデジタル庁だ、これもデジタル庁だというふうに期待値ばかりどんどん上げられてしまいますと、最低限こなしていかなきゃいけないミッションというものも十分にできないというふうに心配をしています。ですから、地に足を着けた確実なスタートを切りたいというのが、今の私の気持ちでございます。  ただ、今回のコロナによって、これは百年に一回のパンデミックなので、世界中の方々が一気に、研究開発も含めて、このデジタル化というのは、スピードが恐らくこの一年で十年分ぐらいのことが起きているんだと思います。そういう事態に対応していくのはどういう組織がいいのかというようなことは、また政府として御検討もなさるんだろう、そのように思います。
  90. 高井崇志

    ○高井委員 現時点ではそういうお答えでしようがないと思いますけれども、でも、一方で、将来的にはという含みも聞かせていただきましたので、これは是非、私は、すぐに、この法案が通った後にも次のステップを考えていただきたいと思いますし、さっき言ったように、総務省の三局を通信・放送委員会みたいなものにして、何か権限をどんどん弱めていくみたいな、そんなことはもう本当に時代と逆行しますから、その際は、大臣デジタル担当大臣として、いや、そうじゃないんだ、むしろデジタル庁と一緒にやるんだぐらいのことを是非言っていただきたいということをお願いしておきます。  それでは、もう時間がなくなってきたので、最後の質問かもしれませんが、総務大臣、今日来ていただいているので、J―LISのことを。  これは前回、内閣委員会でも取り上げましたけれども、もうJ―LIS法一本の改正だけで十分、総務委員会で三時間ぐらいやってもいいような大きなテーマです。今回、国の権限が強まるということですけれども、それ自体、私は悪いことだとは思いませんけれども、ただ、それに乗じて、やはり総務省の天下り先になりはしないかということは非常に懸念されて、今でも現役で出向者が副理事長と理事に行っていますけれども、更にそこが肥大化して天下り先になるのでは、これは本末転倒だと思いますし、地方自治体現場の職員も、そういう不安の声も聞こえますので、是非大臣から、前回、役所から答弁いただいたんですけれども、大臣からも、そういうことはないんだということを明言していただきたいと思います。
  91. 武田良太

    武田国務大臣 今回の法改正によって、マイナンバーカードを発行する主体となるJ―LISについて、国の関与と責任を明確化する観点から、例えば、J―LISの理事長及び監事の任免については、国の認可を受けて代表者会議が行うこととなっております。  こうした役員人事も含めたJ―LISの運営については、国と地方公共団体が共同で管理する法人として、地方三団体の代表を構成員に含む代表者会議意思決定によるガバナンスの下で行われるものであり、地方の意向も踏まえ、J―LIS御自身で適切に判断されるもの、このように考えております。
  92. 高井崇志

    ○高井委員 これは役所に幾ら聞いてもなかなかはっきり答弁しませんから、是非大臣から、更に踏み込んでしっかりチェックしていただきたいと思います。  もう一問できそうなので、では平井大臣にお聞きしたいと思いますが、今回、デジタル監というのが設置されますけれども、これは今の政府CIOと一体何が違うのかということと、あとはどういう人物を、これは、役所に通告しても、いや、そんな、答えられませんと言うんですけれども、やはり大臣の中には、もう意中の人までいるかどうか分からないけれども、その名前は言えないけれども、何というか、イメージというか、こんな人というのはあると思うので、是非教えてください。
  93. 平井卓也

    平井国務大臣 まず、デジタル監に関して、どんな人がいいのかという話ですけれども、やはりテクノロジーに関して高い見識と感度を持っているということと、今回、役人のチームと民間のチームの合同チームでいろいろなプロジェクトを動かすというマネジメントは相当高い能力を求めることになると思います。そういう意味で、なかなか大変な役目で、そのことがこの国にとってもう絶対必要だというふうに、我々と同じ気持ちを持っていただく方が望ましいというふうに思っています。  政府CIOとデジタル監というのは、結構、今回、ちょっとやはり違う性質のものだろうというふうに思っていて、政府CIOは、総合調整を担う職ということで、自ら情報システムなんかは整備しないんですね。そのことは今までなかったです。アドバイザー的な立場だったんです。ところが、このデジタル監は、行政各部の施策の統一を図るための総合調整に加えて、マイナンバーや本人確認、データ関係の総合的、基本的な政策の企画立案、推進及び重要な情報システム整備管理等の固有の行政事務を行うデジタル庁において仕事をするということで、デジタル庁の各部局が行う事務全体の監督をするという立場は、これは政府では初めてのポジションということになると思います。
  94. 高井崇志

    ○高井委員 時間が来たから終わりますが、両大臣是非タッグをしっかり組んでいただいて、デジタル政策を強力に進めていただくことをお願いして、終わります。  ありがとうございました。     〔石田委員長退席、木原委員長着席〕
  95. 木原誠二

    木原委員長 次に、高木錬太郎君。
  96. 高木錬太郎

    ○高木(錬)委員 立憲民主党、高木錬太郎です。  まず最初に、武田大臣にお伺いいたします。  十一月十一日、JR東海名誉会長との会食の件です。  昨日の本会議武田大臣は、連絡には総務省は関与しておりませんと御答弁されました。ということは、公務ではない。会費も、費用も自己負担であるということも答弁されておりますので、これは公務ではないという認識でよろしいですか。
  97. 武田良太

    武田国務大臣 政務であると認識をいたしております。
  98. 高木錬太郎

    ○高木(錬)委員 会合には公用車で行かれましたか。
  99. 武田良太

    武田国務大臣 大臣の公用車につきましては、危機管理上の観点を踏まえ、適切に運用がなされていると承知をいたしております。
  100. 高木錬太郎

    ○高木(錬)委員 政務だとお答えになられました。その次の質問が、私は、公用車で行かれましたかと聞きました。もう一度御答弁をお願いします。
  101. 武田良太

    武田国務大臣 会合には公用車で行きましたけれども、危機管理上の観点を踏まえ、適切に運用がなされていると承知をいたしております。
  102. 高木錬太郎

    ○高木(錬)委員 後半の方は要らないんじゃないでしょうか。公用車で行かれましたかと聞かれて、行きましたという、最初の御答弁でいいんじゃないでしょうか。  それでは、続きまして、引き続き武田大臣にお伺いしますが、先ほど来話が出ていますLINE株式会社の関係者と会食をしたことは、大臣就任以降、ありますでしょうか。
  103. 武田良太

    武田国務大臣 個々個別の件に関しては、お答えを差し控えさせていただきたいと存じます。
  104. 高木錬太郎

    ○高木(錬)委員 あるかないかをお伺いしておりまして、明確にお答えいただきたい。この間ずっと、武田大臣は、そのような答弁をした後に、あるいは総務省の幹部官僚の方々もそうですけれども、そのような質問をされた後、週刊誌報道があって、答弁の撤回、修正を求められて、謝罪をする、処分をする、そのような話が続いております。  いま一度聞きます。LINE株式会社の関係者方々と、どなたかと会食をしたことはありますか。
  105. 武田良太

    武田国務大臣 先ほども答弁させていただきましたけれども、個々個別の件に関しては、お答えを差し控えさせていただきたいと存じます。
  106. 高木錬太郎

    ○高木(錬)委員 しかし、先日の総務委員会では、JR東海、葛西名誉会長との会食についてはかなり詳細に御答弁されています。そちらについてはきちんと説明され、あるかないか問われた別の件に関しては、個別の案件なので答えられないと。ダブルスタンダードじゃないでしょうか。副総理も苦言を呈しておりますよ。そういった答弁をそろそろやめていただきたいというふうに思います。  次に行きます。  同じくLINEの件につきまして、昨日、LINE株式会社が対策を公表されましたけれども、それを受けて、総務省としてどのように考えておられますか。
  107. 田原康生

    田原(康)政府参考人 お答えを申し上げます。  昨日、三月二十三日にLINE株式会社が記者会見を開きまして、今後の方針として、データの取扱いに関する体制の確保ですとか保護の強化等について発表されたということは承知しております。  総務省におきましては、先週、十九日になりますけれども、電気通信事業法の規定に基づきまして、個人情報及び通信の秘密の保護に係る支障の発生の有無を含む、事案の詳細について同社に報告を求めることとしたところでございます。  総務省といたしましては、個人情報保護委員会を始めとする関係省庁と連携いたしまして、引き続き事実関係をしっかりと把握して、適正な事業運営が行われているかを確認の上、必要な措置を講じてまいりたいと考えております。  以上でございます。
  108. 高木錬太郎

    ○高木(錬)委員 先ほどもありましたけれども、霞が関だけではなくて地方公共団体もLINEを使って様々の行政サービスを行っており、これは先日の総務委員会でもありましたけれども、総務省として一々、ああせいこうせいということを自治体に言うことはないということは答弁されておりますけれども、自治体の方も困っているわけでありまして、行政サービスを提供する自治体としても、一刻も早く再開をしなければいけないという思いもおありでしょう。大変難しい判断になっていると思います。  昨日の公表された内容で、特段、これまで総務省で考えていた対応を変更することはないという認識でよろしいでしょうか。いま一度お願いします。
  109. 田原康生

    田原(康)政府参考人 お答え申し上げます。  昨日、LINEの社長さんが記者会見を開いていろいろ御説明されたわけでございますけれども、私ども、その御説明した内容、会見は聞いておりますけれども、今後、その内容等を含めて、また、私どもも報告を求めているところでございますので、併せてその内容をしっかりと確認した上で、私どもとしても判断していきたいというふうに考えております。
  110. 高木錬太郎

    ○高木(錬)委員 できることならば、速やかに総務省としても考えを示していただきたいと思いますし、自治体皆さんがそれぞれ、災害もいつ起こるか分かりません、災害時に職員同士での情報交換ツールとしても使っているという話も聞いております。自治体皆さんが困らないように、総務省としても適切に対応していただければというふうに思います。  さて、次に、熊田副大臣にお伺いいたします。  熊田副大臣の元事務所スタッフの方による給付金詐取事件について、熊田副大臣からの御答弁をお願いします。
  111. 熊田裕通

    ○熊田副大臣 まず冒頭、詐欺容疑で逮捕されるような人物にボランティアをさせていたことを、改めて国民皆様におわびを申し上げたいと思います。  雇用関係のないボランティアとはいえ、事務所に出入りしている者が詐欺容疑で逮捕されたことは、厳粛に受け止めております。
  112. 高木錬太郎

    ○高木(錬)委員 三月十七日に、内閣委員会の答弁で平井大臣は、誤解があるということをちゃんと伝えられないのは、やはり政府に対する信頼がまだ足りないというふうに率直に思いますという御答弁をされています。  なぜ、政府に対する信頼がまだ足りないんでしょうか。平井大臣、お願いします。
  113. 平井卓也

    平井国務大臣 これは、委員会の質疑の中で、マイナンバーに対する、その長い歴史の中で、国民のいろいろな、国民総背番号制の時代から、グリーンカードから、そして、途中で政権交代を挟んでマイナンバーというものが出てきた、この過程の中で、誤解があったということはやはりあると思います。  ですから、あのとき申し上げたんですけれども、いろいろな意見とか心配とか、いろいろな解釈とかある中で、そういうものがやはり国民の中でいろいろ議論をされる中で、全員が全員すぐ納得せずとも物事は進んでいくんだろうと。  そして、デジタル化というのは、今後やはり重要なのは、デジタル化のプロセスの透明化だと私自身は思っているんです。ですから、なぜデジタル化が必要か、どういう社会を求めていくのかというようなことを、これから国民に対して全力で理解を求めていくことが大事だろうというふうに思います。  国民に対して説明責任を果たしていくことで国民からの信頼獲得につながるというふうに考えておりまして、今後とも、デジタル改革の方向性やマイナンバー制度などの関係制度内容も含めて、丁寧に国民説明してまいりたいと思っております。
  114. 高木錬太郎

    ○高木(錬)委員 マイナンバーカードの話を例に挙げて、その間のいろいろなやり取りの中で、なかなか国民皆さんに御理解いただけなかった経緯などをお話しになられましたけれども、それだけでしょうか。  そのほかにも、政府に対する信頼という意味では、随分前に遡ることはしませんけれども、公文書の改ざんであり、今年に入ってから幹部官僚の利害関係者からの接待などがあり、今、さらに文科省の報道も出てきております。また、大臣の話もあります。この国会での様々な答弁、それではおかしいんじゃないか、質問に答えていないんじゃないかという答弁もあって、そういったことの積み重ねもあって、なかなか政府に対する信頼が上がっていかないんじゃないかという声もありますが、平井大臣、その点についてはいかがですか。
  115. 平井卓也

    平井国務大臣 いろいろな声があるということで、それには真摯に耳を傾けていくべきだと思いますが、私の今の立場は、デジタル化のプロセスを透明にして、できるだけ多くの国民に理解をいただくということに全力を尽くしたいと思います。
  116. 高木錬太郎

    ○高木(錬)委員 それでは、私は今日、総務委員でございまして、国と地方との関係性について様々心配する声も私の耳に届いておりまして、一つ一つ確認していきたいところでありますけれども、このデジタル改革関連法案は地方公共団体にも多大な影響を及ぼす。標準化法もこれから総務委員会でかかるとも聞いておりますけれども、その審議のところでもやりますけれども、幾つか、これまでの内閣委員会での御答弁について確認していきたいというふうに思います。  一つは、三月十二日の後藤理事質問に対してでありますけれども、地方公共団体標準化法の話でありまして、標準化法第八条第二項の話です。  財政措置、財源措置はしますかという問いに対して、検討の余地はある、地方にもメリットがある云々かんぬんということで、ごにょごにょっとしておりましたけれども、改めて武田大臣に明言をいただきたいんですけれども、ここははっきり、地方も大変心配しているところでありますので、八条二項、改変、追加に関して国から財源措置を行うと。いかがでしょうか。
  117. 武田良太

    武田国務大臣 先ほども関連する御質問にお答えしたと私は思っているんですが、標準化法案においては、条例などに基づく地方公共団体の独自サービスについて、標準化対象事務と一体的に処理することが効率的であると認めるときは、互換性が確保される場合に限り、標準準拠システムの機能などに最小限度の改変や追加を行うことを可能といたしております。  このような場合に、標準準拠システムへの移行に伴い、独自サービスに関わるシステムに一定の影響を及ぼす可能性も考えられます。  令和二年度第三次補正予算においては、標準準拠システムへの移行に要する経費について、国費により支援することとしておりますけれども、その補助対象範囲などについては、独自サービスに関わるシステムへの影響など、システムの実態をよく伺いながら検討してまいりたいと考えております。
  118. 高木錬太郎

    ○高木(錬)委員 検討ですか。先ほどの御答弁と変わっていませんか。先ほどは、適切に財政措置をしてまいりますと。  検討ですか。もう一度お願いします。
  119. 武田良太

    武田国務大臣 さっきと丸々一緒の質問じゃないものだからだと思いますけれども、その実態というのをよく伺いながら検討してまいらなければ、実態を把握していなかったら何も進みませんよ。それぞれ実態が違うわけですから。御理解ください。
  120. 高木錬太郎

    ○高木(錬)委員 先ほどの答弁では、適切に財政措置をしてまいるとおっしゃったと思うんですが。
  121. 高原剛

    ○高原政府参考人 御答弁申し上げます。  先ほどの濱村先生への答弁につきましては、交付税の世界で、独自の取組が行われることについて、地方財政措置をしっかり講じていくという御答弁をさせていただきました。  今の御質問は、要は、標準システムへの移行に伴って独自のシステム部分も改変する可能性があるので、それは国費で対応すべきじゃないかという御質問だろうというふうに認識しておりますが、それは地方の実情を伺いながらしっかり検討していくという御趣旨だというふうに認識しております。
  122. 高木錬太郎

    ○高木(錬)委員 では、三月十二日金曜日、内閣委員会での、また後藤理事質問に対する御答弁の確認をさせていただきたいんですが、基本法二十九条、国及び地方公共団体の情報システムの共同化又は集約の推進についてです。  共同化又は集約は義務ですかとの問いに対して、平井大臣は、何度かやり取りの結果、義務とお答えになっておりますけれども、本当にそれでよろしいんでしょうか。
  123. 平井卓也

    平井国務大臣 このやり取りは、後藤先生とのやり取りの中で、分かりづらい点もあったかもしれないので、本当に、答弁させていただきましてありがとうございます。  まず、デジタル社会形成基本法第二十九条では、国及び地方公共団体における高度情報通信ネットワークの利用及び情報通信技術を用いた情報活用を積極的に推進するために必要な措置が講じられなければならないとしております。この代表的な施策として、国及び地方公共団体の情報システムの共同化又は集約の推進を規定しているものであります。  したがって、規定上、基本的な方針として、国及び地方公共団体に基本的な義務が課される対象は、情報システムの共同化又は集約の推進であって、情報システムの共同化又は集約そのものではないということです。  そして、情報システムの共同化又は集約の推進との規定は、推進が物事を推し進めることの意味であることから、情報システムの共同化又は集約を行うだけでなく、それに加えて、共同化又は集約に向けて検討を進めること等も含まれるというふうに考えています。  ということで、地方公共団体に対して具体的に情報システムの共同化又は集約を行うことを義務づけるには、今回の基本法の規定に加えて、個別の法制上の措置、作用法の規定が必要であると考えておりまして、それは別途審議されるものと思っております。
  124. 高木錬太郎

    ○高木(錬)委員 ありがとうございました。次に行きます。よく分かりました。(発言する者あり)済みません、戻ります。  推進と検討が義務という整理でよろしいですか。検討や推進をすれば、必ずしも、その結果、集約、共同化になっていなくてもよろしいということでよろしいですか。
  125. 平井卓也

    平井国務大臣 地方公共団体が情報システムの共同化又は集約の推進をしたが、結果的には共同化又は集約が実現できない場合も法律上は否定されるものではないんです。ただし、情報システムの共同化や集約を行わない理由に関する説明責任は、私は地方公共団体が負うものと考えていて、これは、是非、個別の法制上の措置が必要だと思いますので、御審議いただければと思います。
  126. 高木錬太郎

    ○高木(錬)委員 標準化法のところでまた武田大臣総務大臣と議論させていただきたいと思いますけれども、地方が大変心配しているところでもあります。  引き続き、地方との関係について質問していきたいと思いますけれども、平井大臣にお伺いいたします。  日本国憲法第九十二条、「地方自治の本旨に基いて、」とあります。この質疑の中でも出てきているキーワードでもあります地方自治の本旨の意味を平井大臣から御説明をいただきたい、御認識をいただきたいと思います。
  127. 平井卓也

    平井国務大臣 憲法第九十二条における地方自治の本旨とは、地方自治体が地方の行政を自主的に処理するという団体自治と、地方自治体の運営は住民の意思と責任に基づいて行うという住民自治とを意味するものと承知をしております。
  128. 高木錬太郎

    ○高木(錬)委員 次に、武田大臣伺います。  二〇〇〇年の地方分権一括法、これの意義について御説明ください。
  129. 武田良太

    武田国務大臣 地方分権一括法は、政治、経済、社会の広範な分野にわたって構造改革が求められる中、平成五年の衆議院、参議院における決議、平成七年の地方分権推進法の制定、平成十年の地方分権推進計画の策定という大きな流れを受けて、平成十一年に制定をされました。  同法は、国と地方公共団体との役割分担を明確にするとともに、機関委任事務の廃止や国の関与の在り方の見直しなどの抜本的な改革を行い、国と地方を対等、協力の関係に置くことを趣旨としたものであります。
  130. 高木錬太郎

    ○高木(錬)委員 次に、平井大臣伺います。  今御答弁にありましたとおり、上下主従の関係から対等、協力に改まったということでありますけれども、平井大臣も当然そういう認識でありますか。
  131. 平井卓也

    平井国務大臣 先ほど総務大臣からの答弁のとおり、平成十一年に制定された地方分権一活法は、機関委任事務制度の廃止や国の関与の在り方の見直し等によって国と地方を対等、協力の関係に置くということを趣旨としたものであるというふうに認識しております。
  132. 高木錬太郎

    ○高木(錬)委員 対等、協力の関係が決まり、それ以降約二十年間、それをベースに、様々、国と地方、関係性を維持してきたというふうに認識しておりますが、平井大臣、更にもう一点伺います。  我が国デジタル化について、敗戦とか敗北とか、あるいは周回遅れとかいう言葉も飛び交っておりますし、何とかそれを挽回しなければ、あるいは世界のデジタル先進国に追いつき追い越せ、大臣も、一番最後だからこそできることもあるなどという答弁もされております。  そういう状況だから、今答弁のあった団体自治や、国と地方は対等、協力の関係だ、地方自治、あるいは地方の自立、自主性、さらには、一千七百四十一ある個性、特性、多様性という観点よりも、ある意味、中央集権でスピード感を持ってどんどん進めていくんだという観点でこれからのデジタル社会あるいは今回の法案、進めていこうというお考えなのでしょうか。
  133. 平井卓也

    平井国務大臣 我が国デジタル化の遅れの挽回は必要ですが、デジタル化自体が手段であって目的ではないんですね。  デジタル改革関連法案は、デジタル活用により一人一人のニーズに合ったサービスを選ぶことを可能とすることで多様な幸せを実現するためのものです。  中央集権というようなお話がありましたけれども、デジタル社会は、社会経済活動が分散しても、地方においてもデジタルによる恩恵を受けられるといった成長が見込まれる社会であって、デジタル社会形成基本法案において、地域における魅力ある多様な就業機会の創出、個性豊かで活力に満ちた地域社会の実現、地域社会の持続可能性の確保等に資することについて規定しているなど、中央集権という考え方は全く取っておりません。  また、デジタル社会形成基本法においては、システムの共同化又は集約の推進等により行政運営の効率化が目指されてはいますけれども、効率化で業務の負担が軽くなった職員に、よりサポートを要する方々に対する一層きめ細やかな対応を担ってもらうなど、地域の実情に対するいわば対応力も増し、行政サービスの質の向上も図られると考えています。  このデジタル化というのは、まさに地方にとって大きな要するにチャンスがあるというふうに私は考えております。
  134. 高木錬太郎

    ○高木(錬)委員 デジタル社会形成基本法案第十五条、「国及び地方公共団体は、デジタル社会形成に関する施策が迅速かつ重点的に実施されるよう、相互に連携を図らなければならない。」と書かれていまして、これまでの平井大臣の御答弁の中でも、地方との関係で最も必要なのはコミュニケーションだ、対話を重ねていくんだと。先ほど来からの御答弁でもありましたとおり、地方の話も聞いていくし、決して中央集権ではない、そういう観点ではないという御答弁もありました。  そこで、これまでの御答弁の中で、国と地方の関係性について聞かれたときに必ず出てくるデジタル改革共創プラットフォーム、ここで対話を重ねているということも御答弁しておりますが、重ねて何度もこの共創プラットフォームの話が出てくるものですから、そこでお伺いしたいんですけれども、この改革共創プラットフォームはフェイスブックのクローズでやっているというふうに承知しておりますけれども、そこに参加している人数、例えば、国の省庁の職員の皆さん自治体の職員の皆さんのプラットフォームだという話でありますけれども、それぞれどれぐらいの人数の方々が参加して、それは、地方公共団体、どれぐらいの団体数の方々が参加されておって、どのような意見が交換されているんでしょうか。
  135. 時澤忠

    時澤政府参考人 お答えいたします。  デジタル改革共創プラットフォームは、現在、地方自治体システムなどにつきまして、現場業務や技術面から検討を実施してくださる全国自治体職員と省庁の職員が一緒に議論を行っている場でございます。  まず、昨年十二月に先行的にフェイスブックに暫定版を立ち上げております。現在、自治体省庁の職員合わせまして約千人が参加しております。  寄せられた意見、質問に対しまして、省庁側が迅速に回答を行っておりまして、これによって多くのやり取りが行われております。特に、内閣官房IT総合戦略室により意見募集を行いました地方におけるガバメントクラウドの活用につきましては百件以上、それから、新型コロナワクチンの接種確認のシステムでは二百件以上の質問、意見が寄せられているところでございます。  こうした意見、質問の中には、例えばガバメントクラウドに関しまして、様々な移行パターンの検証でありますとか、システムの可用性の確保でありますとか、システム間の連携でありますとか、ガバメントクラウドへの移行に当たって特に検討が必要な視点についての提案がありました。  また、新たに導入する新型コロナワクチンの接種確認のシステムに関しましては、自治体管理しています既存の健康管理システム活用したワクチンの接種者の登録も可能にすべきといいました、実際の現場に即した意見が多数寄せられております。  今月中に正式版を構築いたしまして、自治体デジタル化に関するテーマを更に活発に議論していく予定でございまして、国と地方の職員が対等な立場で共につくり上げながら、国と地方のデジタル化に取り組んでまいりたいと考えております。
  136. 高木錬太郎

    ○高木(錬)委員 国と地方でデジタル社会をつくっていくということでありますが、必ずしも、この共創プラットフォーム、今、御答弁でありましたとおり、国と地方の職員がそれぞれいろいろな意見交換をしてつくり上げていくということを全否定するつもりはありませんが、それをもってして地方との対話が担保されるということでもないかと思います。また標準化法の中で、国と地方の協議について様々質問させていただきたいと思いますが、時間が参りましたので、終わります。  ありがとうございました。
  137. 木原誠二

    木原委員長 次に、松尾明弘君。
  138. 松尾明弘

    ○松尾委員 立憲民主党の松尾明弘です。よろしくお願いします。  ちょっと一つ武田大臣にお伺いしたいことがあって、私、通告しなくて恐縮なんですけれども、先行する今の高木委員と、あと濱村委員質問の整合性というか、関連性をお伺いしたいんです。  地方自治体システム標準化法の八条二項の追加開発の部分の費用負担について、国が費用負担するかどうかについては出てこないと分からない、それがどういったものかどうかを出てこないと判断しようがないみたいな、出てきたものについて逐一判断するんだみたいな、そういった趣旨の答弁を今されたかなというふうに私把握したんですけれども……(武田国務大臣「独自のものに対して」と呼ぶ)独自のものについて。  ただ、逆に、地方自治体の立場からすると、こういったものであれば費用が負担してもらえる、こういったものであればしてもらえないということが分からないと、それも非常に大きな検討の要素になるんじゃないかと思うのですが、こういったものであれば負担、それはできないというような、そういう指針みたいなものは今時点であるのかないのか、ないのであれば、今後作る予定があるのか、その辺りを教えてもらえますか。
  139. 高原剛

    ○高原政府参考人 御答弁申し上げます。  現時点でまだ補助の指針等につきましては作成しておりませんが、先ほど大臣からも御答弁いただきましたが、その補助対象範囲などについて、独自サービスに係るシステムへの影響など、システムの実態を地方公共団体からよくお伺いしながら、しっかり検討してまいります。
  140. 松尾明弘

    ○松尾委員 ありがとうございます。  あっ、じゃ、大臣の方から。
  141. 武田良太

    武田国務大臣 今答弁があったように、それぞれいろんな事情もありますでしょうし、独自サービスに係るシステムへの影響など、システムの実態というものをよく伺いながら検討してまいりたいと考えています。
  142. 松尾明弘

    ○松尾委員 そうしたら、本来の質問に移りたいと思います。  平井大臣の方にお伺いしたいのですが、今回のこのデジタル改革関連法案の中で、様々な関連法が改定されることになります。私自身は、前回の質問でも話したとおり、日本デジタル社会というのはもっともっと進んでいってほしいというふうにもちろん思っておりますし、そのために、今回の法改正デジタル庁設置に当たって、強力に推進していってほしいというふうに思っている一人でもあります。  その一方で、大臣の耳にも当然届いていると思うのですが、このデジタル化の推進について不安を持っている人というのはやはり一定数、少なからずの人が思っていて、その中の多くの方は、やはり、個人情報保護個人情報管理というものに対して、大丈夫だろうかというような不安を持っているのではないかなというふうに思っております。  この個人情報保護について多くの方が不安を持っているということは、逆に言うと、それをきちんと一つ一つ払拭をしていく、取り除いていくということが、デジタル化の推進、デジタル社会をつくっていくためには非常に重要な要素であるというふうに考えております。  その上で、ちょっとお伺いしたいのですけれども、今回の個人情報保護法の改正に当たって、今だからこそ、このデジタル社会推進に合わせて個人情報保護法を変える今だからこそ、個人の自己情報コントロール権、自分の情報管理する権利、こういったものを法文上に明記していくべきではないかというふうに考えております。  この個人情報保護法の第一条の目的のところには、最後に、「個人情報の有用性に配慮しつつ、個人の権利利益を保護することを目的とする。」というふうに記載しておりますが、ここで保護されるべきとされている権利利益というものについては、具体的にどういったものが含まれるんですか。
  143. 木原誠二

    木原委員長 平井大臣、いかがですか。  個人情報保護委員会福浦事務局長。  それでは、内閣官房冨安内閣審議官。(発言する者あり)御静粛にお願いします。  どうぞ。
  144. 冨安泰一郎

    ○冨安政府参考人 個人の権利利益として含まれるものにつきましては、プライバシーですとか個人の名誉とか、そういったものが含まれると存じます。
  145. 松尾明弘

    ○松尾委員 そこで、今お話しされたプライバシーとか名誉権というものがある中に、それと同じく、自己情報コントロール権というものについては含まれているのでしょうか。
  146. 冨安泰一郎

    ○冨安政府参考人 自己情報コントロール権につきましては、その内容、範囲及び法的性格に関して様々な見解があり、明確な概念として確立していないと承知しております。
  147. 松尾明弘

    ○松尾委員 分かりました。  その前の答弁では、プライバシー権というものは含まれているというような答弁がされておりました。プライバシー権の概念というものも、これまで、時代の移り変わり、社会の移り変わりによって大きく変わってきているということは皆さん御承知のところだというふうに思っております。  そして、先ほども述べたとおり、これからデジタル社会というものを推進していく中においては、やはり個人情報保護というものはこれまで以上に非常に重要になってくるというふうに考えております。今回のデジタル社会形成基本法についても、個人情報保護というものはうたわれているところでもあります。  今回、この個人情報保護法によって、各地方公共団体の個人情報保護条例を一元化するということがされておりますが、それに伴っては、各地方の個人情報保護が後退するということがやはりあってはいけないというふうに思っております。  現在、日本各地で個人情報保護条例が制定されておりまして、その中には、やはり、目的、ここにおいて、自己情報をコントロールする、自分の情報管理するということを明記している、そういった条例も幾つか見受けられます。八幡市の個人情報保護条例であったりですとか国立市や草加市、福岡県の春日市、これらの個人情報保護条例については、個人の自己情報に関する権利、これが権利として明記がされているところです。  このように、地方公共団体において既に自己情報コントロール権が複数認められているという状況を踏まえると、やはり、今回一元化する個人情報保護法においても、自己情報をコントロールする権利ということは積極的に認めていくべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
  148. 冨安泰一郎

    ○冨安政府参考人 御答弁申し上げます。  先ほど申し上げましたとおり、自己情報コントロール権につきましては、明確な概念として確立していないことや、表現の自由等との調整原理も明らかでないことから、私どもとしては、明記することは適切でないと考えているところでございます。
  149. 松尾明弘

    ○松尾委員 自己情報コントロール権が概念として成熟をしていない、あと、裁判所でも明確な判断をしていないのではないかというような話もあります。  しかし、過去の裁判例においては、自己情報コントロール権について触れられているものというのは存在をしておりまして、大学における国家主席の講演に申し込んだ学生の学籍番号、氏名、情報、電話番号、これが警察に提供された事件において、判決書においては、プライバシー権に係る情報として法的保護の対象となるというふうに触れられているにとどまっているのですが、その調査官解説、実際に最高裁判所判決を書く人たちの解説によると、プライバシーの権利とは、私的領域への介入を拒絶し、自己に関する情報を自ら管理する権利というふうに書かれており、裁判所においても、やはり自己情報コントロール権は、最高裁判所においてもかなり認識はされているというふうに考えております。  そして、憲法の学説上も、自己情報コントロール権というものを法的権利として認める、憲法上認められる権利ではないかと考える考え方の方が通説であるというふうに考えております。  これらを踏まえると、自己情報コントロール権を法律上規定をしてはならない、積極的というか消極的というか、それをやってはならないんだという理由はないというふうに考えていますが、それはそのような理解でよろしいでしょうか。
  150. 冨安泰一郎

    ○冨安政府参考人 御答弁申し上げます。  先ほども申し上げましたが、政府としては、これを法律上に明記することは適切でないと考えているところでございます。  ただ、今、自己情報コントロール権というのは明記はしておりませんけれども、事業者や行政機関等が保有する個人情報の取扱いに対する本人の関与を重要な仕組みと位置づけ、本人による開示、訂正、利用停止請求等を可能とする規定は設けているところでございます。
  151. 松尾明弘

    ○松尾委員 今まさにおっしゃったとおりなんですよ。もう既に社会ではやはり認められていて、学説ではもう通説になっていて、概念としては成熟していないかもしれないですけれども、それを法文化して明らかにしていく、はっきりさせていくのがまさに立法府が行わなければいけないことであって、政治が行わなければいけないことではないでしょうか。  今回、デジタル化社会を目指していくに当たって、やはり紙で情報を取り扱っていたときに比べると、格段に情報の流通が増えていくことにもなりますし、データが単純に、紙の情報が何か持ち出されましたというだけではなくて、流出、漏えいの対応についても、何かデータでコピーをされてしまうとか、加工情報で持ち出されるとか、そういったことも当然想定され、転々流通することも容易になってきます。  現状は、これまで以上にやはり自己情報コントロール権というものを明らかにすることが必要であり、だからこそ、今おっしゃったとおり、この法律の中でも自己情報開示請求であったりとか訂正請求削除請求というものが認められているものです。  そう考えると、やはり、このデジタル社会をもっともっと推進をさせていくという観点からは、改めて自己情報コントロール権というものを正面から認める、立法によって解決していくということが必要だと考えますが、この点について大臣のお考えをお聞かせください。
  152. 平井卓也

    平井国務大臣 自己情報をコントロールするということは、デジタルじゃなくても、アナログの世界でも、国民のその欲求というのはあると思います。日本でいうところの例えば情報銀行であるとか、一時議論されましたパーソナルデータストアであるとか、データポータビリティーの話とか、これからやはりいろいろ、ビジネスモデルというか、社会のシステムも変わっていくというふうにも思いますし、自分自身が逆に自己情報をコントロールしなきゃいけないとなると、これはこれで大変負荷がかかるということもあると思うんです。  ですから、社会の進展の中で、まず今回は、本人による開示とか訂正とか利用停止の請求等を可能にする規定は設けておりますが、これは社会の状況の変化に応じて見直されていく可能性はある、そのように思います。
  153. 松尾明弘

    ○松尾委員 自分が管理をしなければいけないではなくて、管理をすることができるという権利規定ではあるので、そこで負荷がかかるからというのはちょっと違うんじゃないかなということも思いますし、今大臣がおっしゃったとおり、社会の状況によって、管理をする権利として認めるべきかどうかということは当然大きく変わってくると思いますので、今後とも不断の検討をお願いしたいというふうに思っております。  ちょっと話は変わりまして、同法、個人情報保護法の改正案の六十九条目的外利用、これについてちょっとお話伺います。  この同法六十九条の二項三号において、行政機関による利用目的以外の個人情報利用について、「法令の定める事務又は業務の遂行に必要な限度で提供に係る個人情報利用し、かつ、当該個人情報利用することについて相当の理由があるとき。」というふうに定められております。  しかし、行政機関が何らかの業務を遂行するのはもちろん当たり前のことで、業務の遂行に必要な限度で、そして相当な理由があるときという、こういう一般的な条項であると、目的外利用が事実上無限定になってしまうのではないかというようなおそれがあると考えております。  一定の限定が必要だと思っているのですが、この相当な理由の有無の判断というものは誰が行うんですか。
  154. 冨安泰一郎

    ○冨安政府参考人 御答弁申し上げます。  相当の理由の有無の判断は、第一義的には当該個人情報を保有する行政機関等となります。
  155. 松尾明弘

    ○松尾委員 となると、先ほど申し上げたとおり、事実上、業務に必要な範囲で相当な理由というものは結局無限定で、どういった内容であっても、自分がいいと思えばそれで出せるというすごく恣意的な運用がされるということが、そんなことは想定していませんよ、あり得ませんよというのが、公権力の無謬性からいくとそうなのでしょうけれども、誰かが何かを間違えるかもしれないということに関してきちんと手当てをしておく、それで個人情報保護に対する不安を取り除くというのが今やらなければいけないことなので、そこの部分については、きちんと、必要最小限であるとか、特に必要な限度であるとか、そのような、もう少し限定をしていくべきだというふうに考えていますが、いかがでしょうか。
  156. 冨安泰一郎

    ○冨安政府参考人 御答弁申し上げます。  改正案の六十九条第二項第二号及び第三号の相当の理由につきましてでございますけれども、個人の権利利益の保護の必要性と個人情報の有用性とを比較考量いたしまして、個人情報の有用性が上回ると考えられる場合に限り、個人情報の組織内での利用や他の行政機関等への提供を認めるものでございます。したがいまして、個人情報の無限定な目的外利用とか提供を認めるものではございません。  また、先ほど、相当理由の有無につきましては、第一義的には当該個人情報を保有する行政機関等が判断すると申し上げましたけれども、その相当の理由に基づき行われた個人情報の提供の具体的な事例は、毎年度行われる法の施行状況調査の一環として、個人情報保護委員会に報告することが求められております。その結果、行政機関等による判断が適正であったかどうかを、独立規制機関である個人情報保護委員会が事後的に判定することとなります。  したがいまして、行政機関等による恣意的な判断が許されることはないと考えているところでございます。
  157. 松尾明弘

    ○松尾委員 そのような事後的な評価、事後的な確認をしたとしても、一度流出してしまった、一度漏れてしまった情報というものは、もう取り戻すことはできないんですね。だからこそ、事前にきちんとチェックをして、間違いが起こらないような仕組みをきちんとつくるということが何よりも必要だということを指摘して、ちょっと次に進みたいと思います。  その次の質問で、いわゆる上乗せ条例、横出し条例の制定の範囲ということについてお伺いをしたいと思います。  今回の個人情報保護法によって、個人情報保護に関する制度というものが法律に原則として一元化されるというふうになっており、個人情報保護のために各地方公共団体が独自の条例を定めるということについてですけれども、同法の中には、条例によって定めるというような趣旨についての記載が二か所しかないんですね。  一つは、同法百八条において「条例で必要な規定を定めることを妨げるものではない。」という規定があり、もう一つは、百二十九条において「地方公共団体の機関は、条例で定めるところにより、」というような記載があります。  この二か所しかないのですが、一応確認なんですけれども、ここの百八条、百二十九条で触れられている、そこの場面でしか条例の制定ができないというような限定的な規定ではなくて、これは例示的な規定だという理解でよろしいでしょうか。
  158. 冨安泰一郎

    ○冨安政府参考人 御答弁申し上げます。  改正案におきまして、地方公共団体の独自の保護措置等として規定を置くことを想定されている事項につきましては、改正案の中で明文の規定を置いております。  具体的には、今議員おっしゃいました百八条あるいは百二十九条、それに加えまして、六十条五項で条例要配慮個人情報内容ですとか、七十五条第五項で個人情報取扱事務登録簿の作成、公表に係る事項、あるいは七十八条二項で本人開示請求における不開示情報の範囲、あるいは八十九条二項で本人開示請求における手数料という規定を置いております。
  159. 松尾明弘

    ○松尾委員 それらの規定に基づいて、個人情報保護に関連する条例を各地方自治体が制定したいということになった場合に、制定できる条例の範囲というものは、何か制限というものはあるんでしょうか。
  160. 冨安泰一郎

    ○冨安政府参考人 今回の法改正につきましては、個人情報保護全国的な最低水準を画するだけではなくて、保護利活用の適正なバランスを実現するための標準的なルールを定めるものでございます。  こうした法全体の趣旨に照らしまして、改正後の個人情報保護法においては、条例で独自の保護措置を設けることは、地方の特性に照らし、特に必要がある場合に認められるものと考えているところでございます。
  161. 松尾明弘

    ○松尾委員 個人情報保護に関しては、各地方で独自の条例を作りたい、この個人情報保護法以上、以上というのが正しいのかな、上乗せするようなものを作りたいというニーズが通常のほかの分野に比べて非常に強いんじゃないかというふうに私は思っています。それは、先ほど申し上げた、自己情報コントロール権について書いているような条例があるということも当然そうですし、元々の個人情報保護の沿革から考えても、まずは地方の方で条例が先行して、それから法律が追いついてきたというような経緯も考えると、大いに、各地方公共団体で、うちは独自のをやりたいんだということを言い出すことは想定されるというふうに考えています。  結果的に、この個人情報保護法が想定をしている、元々ニーズがあったから始めたと言われている二千個問題、各地方公共団体による個人情報保護条例の規定が異なることによってデータ活用ができないみたいなところに、支障が事実上出てくるということも私は容易に想定できるというふうに思っているんですけれども、そこの辺りはどのように今想定されているんですか。
  162. 平井卓也

    平井国務大臣 委員の問題意識は、横出し、上乗せができるのかという話と、法律と条例の関係、そして地方自治の本旨というようなことだと思うんですが、本件に関して、今回、我々は、法律を出す過程において、相当地方自治体との意見交換をやってきたというふうに聞いております。  今回のこの改正というのは、要するに、個人情報保護法、前改正、前々改正、ずっと流れがあって、附則に入って、そのために審議会を開いて、それで改正につながるということで、三年ぐらいでローリングしているんだと思います。  そういうことを考えると、今回のこの改正に関して、地方自治体に関しては十分御理解をいただける、また、いただくように努力をしてきた結果ではないか、そのように思っております。
  163. 松尾明弘

    ○松尾委員 事前にはやっているんだとは思うのですが、最近の話からしても、例えば、住基ネットを導入したときに、杉並区であったりとか横浜市であったりとか、大きな自治体であっても足並みがそろっていないというような実態もあったのも事実であって、今回大丈夫かなというのは私、本当に心配なのですが、そこはきちんと調整をされているということなので、それは承りまして、ちょっと先に進みたいと思います。  次に、個人情報保護委員会、これについてお伺いをしたいと思います。  今回、個人情報保護法が改正されることによって、個人情報保護委員会の所掌範囲というものが非常に広がるというふうに考えております。現在のものに比べて、各地方公共団体の個人情報の取扱いに対する管理、監査、これについても範囲となることによって、量的にも質的にも非常に負担が大きくなるというふうに考えているのですが、それに伴って、個人情報保護委員会の体制の強化というか拡充というものについてはどのように予定されているんでしょうか。
  164. 福浦裕介

    ○福浦政府参考人 お答え申し上げます。  一元化後におきまして、当委員会は、従来、民間事業者による個人情報の取扱いに関して有しておりました監督権限に加えまして、地方公共団体を含みます行政機関等の個人情報の取扱いに関する監視権限も有するということになります。  委員会におきましては、民間事業者への監督活動や、従来、マイナンバーの取扱いに関する地方公共団体への監視、監督活動において培ったノウハウ等も生かしながら、適切な監視、監督体制の構築、必要な体制強化に全力を挙げて取り組んでまいりたいと思います。
  165. 松尾明弘

    ○松尾委員 いや、体制強化するのは分かっているんですが、具体的にどのようにやるんですかという質問なんですが、もう一度お願いします。
  166. 福浦裕介

    ○福浦政府参考人 まず、今回、他省庁総務省から私どもの方に権限が移ってくる、その質と量、さらには地方公共団体への監視、監督の質と量、それらを両方、質、量共にどういうふうに具体化できるかということを早急に、夏頃までに詰めまして、令和四年度の機構に間に合うように今後検討を進めてまいりたいというふうに思います。
  167. 松尾明弘

    ○松尾委員 夏までにということなので、まとまったらまた教えてください。  そして、この個人情報保護委員会の機能なんですけれども、きちんと個人情報の取扱いについて監視、監督をする、この実効性というものを持っていかなければいけないというふうに思っております。  繰り返しになりますけれども、デジタル社会が進んでいって、紙で管理している時代ではないので、一旦システム的にデータが流出してしまうと、それがコピー、コピーでどんどんどんどん流通してしまうというリスクを考えると、やはり、事前にきちんと確認をしておく、きちんと管理がされていることを確認できるというような権能をきちんと個人情報保護委員会には持たせて調査をしなければいけないというふうに思っております。  質的にも、システム的な情報の漏えい、これがなされないようにするためには、地方公共団体のシステムがきちんとつくられているか、いわゆるバックドア的なものがないかというような話であったりとか、先ほど来触れられている今回のLINEの件のように、データの取扱い、これがどこで行われているのか、委託がされるのであれば適正にされているのかといったところまで確認をする。  何か起こった後に言われるだけであれば、やはりみんな緩んできますから、事前に調査をするという権限を持たせ、実効性を持たせる必要があると思うのですが、その辺りはどのように検討されているんでしょうか。
  168. 福浦裕介

    ○福浦政府参考人 お答え申し上げます。  議員御指摘のとおり、当委員会におきまして、高度専門的な知識、人材確保というのは課題だというふうに考えてございます。  具体的には、ITやサイバーセキュリティーの技術、さらにはそれに関係する法令等に精通し、更に知見を深めていく、そういう人材確保にも向けて努力してまいりたいと思っています。
  169. 松尾明弘

    ○松尾委員 是非確保してほしいのですが、デジタル庁でもそういった人材をたくさん確保するんですよね。それだけ人材が本当にいるんですかということで、今度、人材の育成どうするんですかという話になると思うのですが、それはちょっとまた、国を挙げて取り組んでいってほしいと思っております。  そして、またちょっと話が変わって、デジタル庁の役割についてお話伺いたいと思っています。  デジタル庁設置されて、この国のデジタル政策を推進するために強力なリーダーシップを発揮するというふうに私も理解をしております。今後、デジタル社会を推進していくに当たって、システムをつくっていきさえすればいいとか、何か統合すればいいとかいうだけではなくて、今何か新しいデジタル的な取組をしよう、先進的な取組をしようといったときに、既存の様々な規制、これによってブレーキがかけられるということも当然あり得るというふうに思っております。  私の地元の文京区には、自動運転のロボットの会社があるんですけれども、電動車椅子みたいなものがもう全自動で動くんですね。リモートで、遠隔で操作できて、高齢者の方、一人では出歩けないような人がそれに乗って買物に行けるとか病院に行けるとかというので、非常に役立っていると好評を得ている。各地方公共団体からも引き合いが多いというような、そういった会社もあるんですけれども、この会社の人に聞いても、やはり様々な規制、道路通行上の規制もそうですし、通信的な規制というものもあって、なかなか思うように進んでいかないというような声も聞いています。  そこで、ちょっとお伺いしたいのですけれども、これからデジタル社会を進めていく、特に民間が先進的なことをしようとすると、様々な規制が障害になるということもあるというふうに想定されているのですが、これらの規制緩和、デジタル的な分野における規制緩和について、デジタル庁というものはどのように関わっていくのでしょうか。
  170. 平井卓也

    平井国務大臣 デジタル化を進めるに当たって非常に重要なところは、まず、単純に今のやり方そのままでデジタル化しちゃ駄目だという、BPRをやれというのが一つと、先ほど先生が御指摘になったように、今までのルールで、そのままで、合わせてつくって本当にいいのかということだと思います。  実は、河野規制改革の担当大臣とは、2プラス1というのを定期的に開催しておりまして、私と河野大臣と各省の大臣と、そして三者でいろいろ議論をして、その成果として幾つかもう出てきたと思っています。  ですから、デジタル改革と規制改革というのはコインの裏表であるというケースも非常に多いので、先生の問題意識は全くそのとおりだと思っております。
  171. 松尾明弘

    ○松尾委員 ありがとうございます。  是非、特にデジタル分野においては、もう省庁間でたらい回しとかにならないように、できればデジタル庁で窓口を一本化して、ワンストップで対応していただければというふうに思っております。  もう時間も来ているようですが、デジタル社会を推進するためには、もう何度も言っていますが、その透明性、公正性とともに、やはり人々の不安を取り除いていく、個人情報がきちんと守られるということをきちんと示していくということが何よりも重要だというふうに思っています。  先ほど大臣もおっしゃっていましたけれども、デジタル化をすることそれ自体が目的ではなくて、公正でオープンな社会をつくっていく、そして利便性の高い社会をつくっていくということが目的であるはずですから、もっともっと、このデジタル改革関連法案、議論することがまだまだ残っているというふうに思っております。これからも本当に委員会で十分な議論を積み重ねることをお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございます。
  172. 木原誠二

    木原委員長 次に、阿部知子君。
  173. 阿部知子

    阿部委員 立憲民主党・無所属の会の阿部知子です。  私は、本日、実は、三月十七日の日にこの委員会で取り上げさせていただきました、海上幕僚監部の自衛官が女性自衛官二千七百人の個人情報を私的利用した個人情報保護法違反について質疑をいたしました。昨日になりまして、川崎局長が私の部屋に来られまして、この前の答弁は事実誤認があったとるる御説明がありましたので、再度、この問題を取り上げさせていただきます。  まずもって、同じ問題で二度も質問しなければならないということは、私にとって、他にたくさん質疑事項がある中で心外ではありますが、誤ったことが議事録に残るということも望みませんので、重ねて質疑をいたします。  三月十七日の質疑において、中山防衛副大臣が、この自衛官は、海上自衛隊補給本部に転出する際、平成三十年の三月、従来いた海上幕僚監部の同僚に頼んで、女性自衛官二千七百人の個人情報を転送してくれと。転送した方は何の情報か分からなかったということですが、それを利用して、平成三十年八月から、三人の女性に対して、その方の御家族とかお子さんの有無とかいろいろなことを働きかけたというのか何なのか、お話をされて、そこで、女性たちが、あなたも聞かれたの、私も聞かれたのとなって、三人になりましたので、これはやはり何かが起きたんだわねということで発覚した事案であります。  実は、当日、三月十七日、川崎局長は、こうした行為は、行政機関の個人情報保護法第五十五条違反であって、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金であるとおっしゃって、同時に、しかし、この方は、まだ警務隊等々の取調べの中で、それは外に漏らすわけにはいかないので、取りあえず自衛隊法での停職五日として、つい最近処分をされたと。事件が起きてから五年、盗み出してから五年後の処分でありました。  ところが、昨日、私にお話があった川崎局長からは、実は、この事案は既に、二〇一六年であって、発覚したのが三年後で、そのときはもう時効であったと。すなわち、警務隊は調査しておらないというお話でありまして、一体何だったんだと思います。  局長、もう一度正しく事案を御説明ください。
  174. 川崎方啓

    ○川崎政府参考人 お答えいたします。  今委員指摘ございましたとおり、先週の御質疑の際には、警務隊の事件捜査につきまして正確な事実確認が間に合っておらず、お答えを差し控えましたが、その後、事実確認をいたしましたので、正確なところを報告申し上げます。  まず、この事案は、行政機関の保有する個人情報保護に関する法律第五十五条に抵触をするものであります。この規定では、専らその職務の用以外の用に供する目的で個人の秘密に属する事項が記録された電磁的記録を収集したときは、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処するとされております。  一方で、刑事訴訟法第二百五十条第二項では、長期五年未満の懲役若しくは禁錮又は罰金に当たる罪については三年を経過すると時効が完成するというふうにされております。  この件につきましては、平成二十八年三月に、問題となっている二等海曹が女性自衛官に関する個人情報を自身の業務用パソコンに保存するという収集行為を行ったものでございまして、今委員からお話ございましたとおり、その後、三十一年四月に被害隊員たちが被害を訴えて発覚をした時点では、実は収集行為から既に三年が経過しておったわけでございます。  警務隊が捜査を進める中で、二等海曹が個人情報ファイルを収集した行為が二十八年三月であることを特定し、その他に収集に当たる行為がなかったため、本件は刑事事件として時効を迎えており、立件しないこととしたものでございます。
  175. 阿部知子

    阿部委員 これは本当にひどいと思うんですよね。情報を抜き出して三年発覚しなくて、そうしたら時効で、でも、この時効というのは極めて怪しいと思うんです。なぜならば、ここに、昨日川崎さんが持ってきていただいた報告をちょっと見させていただくと、三人の女性への働きかけは三十年八月、三十一年二月、三十一年三月となっておって、その抜き出したデータを使って、三十一年三月にも、不正に得た情報で働きかけを行っているんですね。何も、抜いたとき、三年前から、三年の時効がたっていて、その発覚が三年後だからといって、直前にこうした行為をしているわけです。  抜いて使ったんですよ、この人は。単に情報収集したんじゃなくて、それを目的外の使用に使ったわけですね。なぜここで、三年で時効なんでしょう。こんなことをしたら、情報を抜いてから、ああ、しっかり時効になったね、じゃ、そこから使おうかというのが全部オーケーになってしまいます。  私は、こんな変なこと、いかに何でも防衛省、これは誠意があるのかないのか、誠意があるから持ってきてくれたんだと思いますが、この説明には二度びっくりですね。  順次進めていきますが、そもそも、なぜ女性たちだけのファイルを作りましたか。これは平成二十七年で、個人情報ファイルが作られました、二千七百人の。元々身上書から抜いて作ったといいますが、特別にファイルを作るときには、その目的、そしてそのファイルの中に入る人の同意が要ると思いますが、今日は中山副大臣おられないので、政務官、お願いします。
  176. 大西宏幸

    大西大臣政務官 阿部委員にお答えをいたします。  防衛省においては、防衛省における女性職員活躍とワーク・ライフ・バランス推進のための取組計画に基づき、育児、介護等との両立支援や女性隊員の採用や登用拡大等の取組を推進しているところでございます。  女性隊員につきましては、結婚、出産、子供の進学といったライフイベントを踏まえて適切なキャリアパスを管理する必要があり、また、女性隊員が安心して仕事に取り組めるよう、家族支援策を含め女性隊員の活躍推進を図るため多角的な施策を検討するため、海上幕僚監部において必要な個人情報を取得していたところでございます。  この個人情報は、行政機関の保有する個人情報保護に基づく法律及び人事記録に関する訓令等に基づき職員本人の提出した身上記録等を基に取得したものでございます。  身上記録につきましては、標準化かつ明確化した記録に基づいて人事管理するためのものであることを示しており、女性自衛官活躍を図るため検討に使用することは、その範囲内であると考えております。  しかしながら、個人情報取扱いは厳格に行われる必要があることから、関係法令を踏まえ、取得に当たり利用目的をより具体的に示すことを含め、個人情報の適切な管理に、より一層取り組んでまいります。  以上でございます。
  177. 阿部知子

    阿部委員 皆さんのお手元の二枚目を開いてください。  今の政務官の御答弁は、元々身上書にあるデータである、そこから抜いたんだと。それでいいんだろうかということを私は問題にしているのです。  ここの個人情報の取扱いのルール、取得、保有、廃棄ですけれども、まず取得のところで利用目的を明示をしなければなりません。これは女性自衛官の活躍のためだというなら、そのことを明示して、当の情報の当事者の女性たちにも説明、同意が必要です。そうでなければ、男性たちだって家庭があります。特に海上自衛隊の皆さんは長く自分の家を離れて行きます。これは女性に限った問題ではない。なおかつ、もし女性を積極的に活用というのであれば、それはいいことですから、そういう目的に沿ったもので、情報をあなたたちだけ、二千七百人だけファイリングしますよと女性たちに言わなければならない。利用目的の明示と本人同意が私はここでもないがしろにされていると思います。  そして、それだけではありません。ある海上幕僚監部にそのファイルをつくった。ところが、これがまた別の共有ファイルの中に移されておりました。本来そうしたことがあってはならない。抜き出した情報はきちんと管理して、その管理の中で収めなければいけないものが他のファイルに行き、それだけではなくて、本来目的が済んだら廃棄しなければ、破棄しなければならない。これがなされていないから流出事件が起きたわけです。  政務官、このことについて、なぜきちんと廃棄されませんでしたか。そして、なぜ他の共有ファイルに入り込んでしまったのですか。これは当局としての責任ではないですか。管理責任ではないですか。どうですか。
  178. 大西宏幸

    大西大臣政務官 お答えをいたします。  今般の事案に関わる調査において、御指摘のファイルは少なくとも平成二十八年五月までは女性施策の検討に使用したことが確認されておりましたけれども、その後、令和元年五月下旬に実施した監査を受けて削除されたことが確認されています。  この間の経緯については事実確認が必要ですが、いずれにせよ、防衛省といたしましては、今般の事案も踏まえて、個人情報ファイルの適切な廃棄やアクセス制限の徹底など、個人情報の適切な管理に、より一層努めてまいります。  以上でございます。
  179. 阿部知子

    阿部委員 二十八年五月に廃棄すべきものが廃棄されたのは令和元年五月、三年もあるんですよね。おかしいじゃないですか。廃棄されないこと自身が違反なんですよ。  こうやって個人情報がいつまでも目的も明示されず、違うところに移されて、そしてそれが流出したんですね。もちろん、盗み出したというか、この自衛官は問題です。ただ、自衛隊自身の個人情報への認識の甘さ、そして管理の甘さ、そして、本当の意味できちんと誰が責任を取ったんですか、そのことに。この事案に誰が責任を取ったんですか。これは、廃棄をしていないということ自身も問題なんです。目的が終われば速やかに廃棄しなければならない。どうですか。
  180. 川崎方啓

    ○川崎政府参考人 今委員指摘ございましたとおり、情報管理が不徹底であったということにつきましては、私ども深く反省をしております。  直接このファイルの情報管理について責任を持っていた人間につきましては、例えばパスワードをかけていなかったとか、他の共有フォルダに流出する事態を防げなかったということについて既に懲戒処分を行っております。  他方、今委員から御指摘ありました廃棄が適切になされていなかったのではないかというところについては、私ども、まだ十分な事実関係を把握できていない部分がございますので、その事実確認をいたした上で適切に必要な措置を行いたいと考えております。
  181. 阿部知子

    阿部委員 本当に、いつの事案でしょうか。そんな悠長なことをして時効を待っていたんですか、申し訳ないけれども。私、本当にこの報告を聞いてびっくりしました、もう時効ですと。だって、それだけほっておけば時効になりますよ。時効になってから、いや、処分はしませんと言われたって困るんです。迅速に、それでなければ、個人情報を集めて管理すること自身が問題になるじゃないですか。そのことをこの委員会は審議しているんですよ。どうしてそんなに認識がずれているのか。もうこれは、本当に女性たちがどんな嫌な思いをしたか、何で自分の子供のことを知っているんだろう、何で親のことを知っているんだろうと。そういう女性が三人続いて、やっと発覚して、発覚したときには時効。  そして、何で外にパスワードとかが流通したか。その人は処分したけれども、廃棄していない実態は放置。だから、廃棄していないから流通するんじゃないですか。本当に私は信じられない。  そして、総務大臣、今日はせっかくお運びでしたから、こういう行政機関における個人情報保護の実態、問題について、総務省は行政報告、レビューをしておられます。私はそれを拝見いたしましたが、皆様のお手元の三ページ目、これは、お手元に示したのは、令和元年における行政機関等個人情報保護法の施行の状況について、これは総務省がなさっていますが、行政機関と独立行政法人等、いろいろな不正管理事案の件数、千二百件寄せられておりますが、下を見ていただきますと、関係者の処分のところで、刑事告発等々はゼロ件。  実は、この防衛省の事案は刑事告発であります。五十五条で一年以下の懲役か五十万円以下の罰金ということかと思いますが、これが、刑事事案でありながら、今のように時効を待てば、報告もしなくていいし、うやむやでいいし、葬り去られている。結局、こうやって行政監視をなさっていても、実はざるなのではないか、失礼な言い方ですが。  私が、この間、総務省に、一体何件、実際にこの十年間でいわゆる刑事事件として告発されたのはどのくらい、すなわち、個人情報保護違反で告発に値するものはどれくらいありましたかと言ったら、平成十八年度で五十三条違反で法務省案件で職員三人、平成二十一年、防衛省案件で五十四条違反で告発一件、十年で四件しかないんですね。でも、私、今の防衛省のああいう答弁を聞いていると、とてもこれは状況が信じられない、こんな少ない数ではないだろうと。  そうすると、どこに問題があって、報告もされず闇から闇になっているのか。これまでの総務省の行政レビュー、問題点はあったでしょうか。武田大臣にお願いしたい。
  182. 横田信孝

    ○横田政府参考人 失礼いたします。  まず、施行状況調査についてでございますので、私の方から御答弁させていただきます。  そもそも、行政機関の個人情報保護法上、個人情報の不適正管理事案に対しましては各省大臣が責任を持って対応を行うということになっております。御指摘の施行状況調査につきましては、各省がどのような対応を行ったのかということを事後的に総務省が取りまとめて把握し、また公表しているというものでございます。  この調査につきましては、年度単位で事後的に実施しているということでございますので、お尋ねの防衛省の事案につきましては、令和元年度の調査ということでございましたので、懲戒処分といったような形には記載されていないということでございました。  いずれにいたしましても、私どもは、こうやって、どういう形で運用されているかということを施行状況調査ということで報告をさせていただいておるところでございます。個別の案件につきましては、防衛省において職員への処分等や再発防止を適切に行っていただくということが行政機関の個人情報保護法の仕組みであるということで御説明させていただきます。
  183. 阿部知子

    阿部委員 ありがとうございます。でも、何もなっていないと思います。  これは、武田大臣、調査の開始は平成十八年なんですね、こういう調査を開始して。でも、さっき私が申しました、今、御答弁は、懲戒処分には載っていないと。そうなんですよ。もちろん懲戒処分にも載っていないし、大体、時効だと言って警務隊も調べないで何もしていないんだから、刑事罰にもなっていないで、抜けちゃっているんですよ。ざるなんですよ。この五年間、これは全然浮かんでこなかった。だから、レビューにも上がってこない。やはり、これでは本当に行政機関の個人情報保護は徹底しないと思いますが、大臣、いかがですか。
  184. 武田良太

    武田国務大臣 御指摘は正面から受け止めたいと思いますけれども、先ほどから答弁がありますように、今回のこの事案については、防衛省において職員への処分等や再発防止を適切に行っていただく必要があり、私としても、防衛省の取組というものを注視してまいりたいと考えております。
  185. 阿部知子

    阿部委員 残念ながら、防衛省は、もう時効だと言っているんですね、この事案、個人情報保護法上は。でも、本当に時効でしょうか。  盗み出して、女性に声をかけたのは三十一年三月なんですよね。声をかけた、このこと自体、個人情報保護法違反で取得した情報を使ったんですよ。そうすると、ここから起点、ここも起点なんですね。最終的に行為が行われた最後のところからいかないと、さっき言ったように、取ったところで三年たってそれを使えばいいなんてなったら、世の中じゅう、情報がだだ漏れになりますよ。どうですか、平井さん。
  186. 木原誠二

    木原委員長 事務方、法律案ですから、どなたか。  お答えになりますか。では、平井大臣でお願いします。平井大臣、どうぞ。(平井国務大臣「いやいや、この件に関してというのは僕が答えることではないので」と呼ぶ)
  187. 阿部知子

    阿部委員 じゃ、視点を変えますね。  今度、この総務省のレビューは個人情報保護委員会が行うことになるわけですよ。そうですね。そうして、じゃ、どんな体制でやれるのかということですが、私は、先ほどの委員の御質疑でも、個人情報保護委員会がたくさんの業務を請け負って、果たして、こうした実際に起きている違法事案がきちんとフォローできるんだろうかと心配をしております。  開けて四枚目、これは個人情報保護委員会の活動実績で、今までの、民間のものだけでも千六十六件、いろんな問題が上がってきている。先ほどの総務省ので昨年は千二百件。これはざるで、本当の、防衛省のは入っていない。本当に、氷山の一角どころか、これだけいろんな事案があることを、個人情報保護委員会が果たしてどんな陣容でやれるのかと大臣はお思いか。というのは、個人情報保護委員会の充実も含めて、大臣の肩にかかっているんですよ。  それから、もう一つありまして、私は、やはりこの事案、防衛省だけで時効だ時効だと言っているんだから、とんでもないですよ。こういうことは起こると思うんですよ、各省庁で。そうした場合、誰が調整するんですか。じゃ、個人情報保護委員会が行って、いや、これは時効ではありません、これは犯罪として報告が必要ですというふうにやるんでしょうか。この点についてお聞かせください。
  188. 平井卓也

    平井国務大臣 ですから、今回のは、法案改正と、そして人員の強化と、両方必要なんだろうと思います。  委員が問題意識を持たれておるとおり、行政機関個人情報保護法を所管する総務省が毎年度、各行政機関における法の施行状況を調査、公表している。調査事項の中には、当該年度に発生した個人情報の不適正管理事案や法違反で刑事告発に至ったものの件数も含まれている。  改正後も、個人情報保護委員会が同様の事項を調査、公表することは同じなんですが、加えて、改正後の個人情報保護法では、新たに、行政機関等に対する報告要求、実地調査、勧告等の権限を個人情報保護委員会に付与するとともに、行政機関等において個人情報の漏えい等が生じた場合の個人情報保護委員会に対する報告義務を創設することとしております。そのことによって、個人情報保護委員会の監督権限を強化することになります。  ですから、個人情報保護委員会がこのような権限を適切に行使して、行政機関における個人情報の適切な取扱いを確保していくことを期待したい、そのように思います。  今回、やはり、同時に体制というものも強化をしていくというのは、個人情報保護法で、先ほど事務局長が、機構・定員等のお話もありました。プロフェッショナルをやはり中に擁していこうということだと思います。  そういうことで、その体制と法律委員の御心配のこと等に対して対応していくもの、そのように思います。
  189. 阿部知子

    阿部委員 正直言って、とても信頼できない。なぜならば、さっきから何度も言いますが、三年たって時効だと言って、個人情報保護法のその違反をなきものにしているんですね。でも、全然時効じゃない。行為は、つい三十一年三月にも起こっているわけですから。そういう実態があるということを大臣にはよく認識していただいて、今後、私は、こういうことがあまたある中、個人情報保護委員会が本当に機能するんだろうかと大変懸念をいたしますので、強く申し添えておきます。  引き続いて、ワクチン接種システムについて幾つか、時間の限りで御質疑させていただきますが、このワクチン接種システム、いわゆるVRSを今回の予防接種において使用するのは、私は非常に、急ぐ余りに本当の有効性がないんじゃないかということで懸念をしております。  このワクチン接種記録システムというものは、今日皆様のお手元に示してございます資料の最終ページを見ていただきますと、ごめんなさい、最終から二枚目ですね。よく言われますのは、自治体を越えて転入した方とか、あるいは、全国的にデータが、接種件数が上がるためといいますが、自治体を越えて転入した方について、もしこの方が自分の接種券を持っておられない、なくしてしまった等々の場合にも役立ちますよというお話でしたが、実は、この方がなくしている場合、御本人に、あなたのいわゆるマイナンバーをこの確認のためのシステムに使っていいですか、どうですかという同意をその自治体で取らねばなりません。  それが一点問題なのと、それから、出された通達を読みますと、非常に問題が多くて、同意をその方がしなかった場合は、個別の事情に応じて丁寧に対応の上、必要に応じて新接種券を発行する。何か、同意が得られなかったら個別の事情に応じて丁寧に対応といいますが、これは、同意が得られなくても、当然、この方は予防接種を受ける権利はあるわけです。何か逆転して、調べて、あなた、接種ができますよみたいな対応は間違っています。  この目線がとても問題なんです。そういうふうにマイナンバーを使ってしまうと、信頼がなくなってしまうと思います。  これは、今日、担当副大臣に来ていただいていますから、この通達、直してくださいな。とんでもないですよ。いかがでしょう。
  190. 藤井比早之

    ○藤井副大臣 お答えいたします。  三月二十二日付の事務連絡、御指摘部分につきましては、そのような内容を意図するものではございませんでしたけれども、そのような誤解が生じるようであれば問題だというふうに考えております。  我々といたしましても、自治体皆さん国民皆さんが分かりやすいような形での正確かつ分かりやすい周知に努めてまいりたいと思っております。
  191. 阿部知子

    阿部委員 訂正していただけるということで。国民に不安を与えますので、とにかくマイナンバーは、そういうものではなくて、あなたの利便性だということのメッセージがないと意味がないです。  それから、もう一点。このシステムは、つくってまたすぐ本来的な情報ネットワークシステムにつくり変えていく、すなわち一回こっきりのシステムだと。そのために動員される自治体の職員の過重な負担というものを是非考えられるべき。  私は、システム化してもいいと思います。でも、もっと本格的にしないと、特に副反応の問題です。これが日本は、人種差もあるでしょう、でも、どこでもフォローされていません。そういうことも含めて、きちんとフォローされる体制をつくるべきと思いますが、もう一つ、副大臣、お願いします。
  192. 木原誠二

    木原委員長 時間が来ておりますので、簡潔にお願いいたします。
  193. 藤井比早之

    ○藤井副大臣 お答えいたします。  まずは、新型コロナウイルス、このワクチン接種につきましては、希望する皆さんに効率的かつ確実にワクチンをお届けすることが何よりも喫緊の課題だというふうに考えております。  現在の予防接種台帳におきましては、二、三か月、接種台帳に反映されるまでかかるということがありまして、今回、ワクチン接種記録システムを構築すべく取り組んでおるというところでございまして、まずはそれを進めていくということが大事でございますけれども、このシステムにつきましては、将来のシステム活用の在り方について今後検討してまいりたいと思います。
  194. 阿部知子

    阿部委員 繰り返しますが、一回こっきりのために与える負担が大き過ぎる、このことを指摘して、終わらせていただきます。
  195. 木原誠二

    木原委員長 以上で本連合審査会は終了いたしました。  これにて散会いたします。     午後一時十二分散会      ――――◇―――――   〔参照〕  デジタル社会形成基本法案  デジタル庁設置法案  デジタル社会形成を図るための関係法律整備に関する法律案  公的給付支給等の迅速かつ確実な実施のための預貯金口座登録等に関する法律案  預貯金者意思に基づく個人番号利用による預貯金口座管理等に関する法律案内閣委員会議録第七号に掲載