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河村委員 宇宙資源の探査及び
開発に関する
事業活動の
促進に関する
法律案の起草案につきまして、提案者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。
月面での持続的な活動を目指すアルテミス計画が本格化するなど、人類の活動領域が月面、火星、深宇宙へと広がりつつある中で、今後、
宇宙資源の探査、
開発という新しい宇宙活動が活発化していくことが予想されます。既にアメリカなど一部の国では、このような活動に関する法整備が進んでいるとともに、国連宇宙空間平和利用
委員会においても国際的なルールづくりに向けた
議論も進められているところであります。
また、国内においても、このような宇宙活動に取り組む
民間事業者も徐々に増えてきており、その
事業活動を適切な監督の下に後押しすることは、自立した宇宙利用大国を目指す我が国が早急に取り組むべき
課題であると考えております。
本案は、そのような状況を踏まえ、宇宙基本法の基本理念にのっとり、
宇宙資源の探査及び
開発に関し必要な事項を定めることにより、宇宙の
開発及び利用に関する諸条約の的確かつ円滑な実施を図りつつ、
民間事業者による
宇宙資源の探査及び
開発に関する
事業活動を
促進することを目的とするもので、その主な内容は次のとおりであります。
第一に、
内閣総理
大臣は、事業者が
宇宙資源の探査及び
開発を利用の目的として人工衛星の管理を行うための宇宙活動法の許可を
申請する場合、その
申請書に、宇宙活動法に定める記載事項のほか、
事業活動の目的、期間、場所等を定めた
事業活動計画の記載を求めることとし、その内容が、宇宙基本法の基本理念に則し、宇宙の
開発及び利用に関する諸条約の実施に支障を及ぼすおそれがないこと等の基準に適合すると認めるときでなければ、当該許可をしてはならないこととしております。
第二に、
宇宙資源の探査及び
開発に関する
事業活動を国際的協調の下で
促進するとともに、紛争の防止に資するため、
内閣総理
大臣は、
宇宙資源の探査及び
開発の許可等をしたときは、事業者の営業の秘密等に配慮しつつ、
事業活動計画の内容等をインターネットの利用等の適切な方法により、遅滞なく公表するものとしております。
第三に、
宇宙資源の探査及び
開発の許可等に係る
事業活動計画に従って採掘等をした
宇宙資源については、当該採掘等をした者が所有の意思をもって占有することにより、その所有権を取得することとしております。
第四に、この
法律の施行に当たっては、国際約束の誠実な履行を妨げないよう留意しなければならないこと、及びこの
法律の規定が他国の利益を不当に害するものではないことを明記しております。また、国は、国際的に整合の取れた
宇宙資源の探査及び
開発に係る
制度の構築に努めるとともに、国際的な連携の
確保のために必要な施策を講ずるものとしております。
第五に、この
法律は、原則として、公布の日から起算して六月を経過した日から施行することとしております。
なお、
政府に対し、この
法律の施行状況、科学技術の進展状況、国際的な
制度構築の取組状況等を勘案して、法
制度の在り方について抜本的な見直しを含めた検討等を行うことを求める検討条項を設けております。
以上が、本起草案の提案の趣旨であります。
何とぞ速やかに御賛同くださいますよう
お願い申し上げます。
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宇宙資源の探査及び
開発に関する
事業活動の
促進に関する
法律案
〔本号末尾に掲載〕
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