○古屋(範)
委員 公明党は、二〇〇六年に、少子
社会トータルプランというものを発表いたしました。これは
子育てに関する政策の集大成というべきものでありまして、一年半かけまして、約百五十
ページにわたる政策をつくりました。
この中で、最終提言の手前で、二〇〇五年に中間取りまとめをして、緊急提言を発表いたしました。チャイルドファースト、
子供最優先の
社会をつくるという上で、
内閣府に特命担当
大臣を置くべきだということを主張いたしました。そして、
少子化担当の特命
大臣が設置をされました。
ですので、坂本
大臣、今その延長にいらっしゃるということなんですけれども、確かに
子育てに関する政策というものは多省庁にまたがっているという中で、
子育てに関する特命担当
大臣が必要だと我々も
考えておりました。ですので、坂本
大臣には、是非とも、
子育て支援、また、
少子化対策に関する
財源確保については、お力を発揮していただいて、しっかりと確保をしていただきたいと思っておりますので、よろしく
お願いを申し上げます。
最後に、
子供の権利を守るための基本法の制定についてお伺いをしてまいりたいと思っております。
子どもの権利条約は、一九八九年十一月二十日に国連で
子ども権利条約が採択をされまして、三十年以上が経過をしております。
児童の権利に関する条約、
子どもの権利条約は、
子供の基本的人権を国際的に保障するために定められた条約であります。十八歳未満の児童につきまして、
子供であっても権利を持つ主体と位置づけ、大人と同様、一人の人間として人権を認める、成長の過程で特別な保護や配慮が必要な
子供ならではの権利も定めております。十八歳未満を
子供と位置づけて、世界全ての
子供たちに自らが権利を持つ主体であることを約束したものです。前文、本文五十四条から成っておりまして、
子供の生存、発達、保護、参加という包括的な権利を実現する、確保するための必要な、具体的な
事項を規定しております。
二〇一九年現在、この
子どもの権利条約は、国連の加盟国数を上回る百九十六の国と
地域で締結をされておりまして、世界で最も広く受け入れられている人権条約であります。ただし、
子どもの権利条約を締結しただけでは
子供の権利は守られないということであります。
この
子どもの権利条約が採択されて以来、我が国において、五歳未満の
子供たちの死亡率は
低下して、強制労働が強いられる
子供というのは
減少したんですけれども、こうしたところから取り残されている
子供たちがいることを忘れてはならないというふうに
思います。条約を批准した各国政府は、条約の各条項が規定する
子供たちの権利を実現するために、当然、国内法の
整備など、具体的に進める必要があります。
公明党の
女性委員会では、この三月十六日に、末冨芳
日本大学の教授、あるいは、公益財団法人あすのば、
子供の貧困対策に取り組んでいる団体の小河代表
理事、また、甲斐田万智子国際
子どもの権利センター代表
理事から、
子供の権利保障のための原理原則を定める
子供基本法制定の必要について伺いました。
末冨教授たちは、児童虐待通報の急増が
指摘をされている、また、自死も多いという中で、いじめ等の問題に言及をされまして、
子供の生存、発達の権利などが守られている
状況とは言い難い、
子供の権利について、国の基本方針、理念、権利保障のための原理原則が定められる必要があるということを主張されました。
日本では一九九四年に
子どもの権利条約を批准をしております。このとき
日本政府は、現行法で
子供の権利は守られているとの立場を取って国内法の
整備は行わずに、現在も
子供の権利を総合的に保障する基本法というのはないんですね。二十五年以上が経過をして、児童虐待も増えています。いじめ、自死、不登校など、深刻さが増していると
思います。
子供にとっても生きづらさというものが高まっている、この中で、
子どもの権利条約が定めている
子供の生存、発達の権利、
子供の最善の利益、こうした
子供の意思の尊重などの権利が守られているとは言えないのではないかというふうに思っております。
日本では
子供に関わる個別法だけがあります。あらゆる面で
子供の権利を包括的に定めたいわゆる
子供の基本法のようなものがない。児童福祉法とか
子どもの貧困対策法はあるけれども、
子供の意思の尊重とか
子供の最善の利益の優先などを定めるのはあるんですけれども、
教育、司法分野においてこれは及ぶものではないんですね。
国連は基本法の制定を政府に繰り返し求めています。政府は、児童福祉法や児童虐待防止法など、既存の法律で対応しているのだという姿勢です。国際的に見ては、こうした
子供に関する法
整備が遅れているのではないかというふうに
思います。
この三月なんですけれども、東京都におきまして、議員提案の東京都こども基本条例が成立をいたしました。三月二十六日、
子供を
社会の一員、権利の主体とすることを明記した議員提案の東京都こども基本条例が成立しました。これは、公明党のまつば多美子都議
会議員を座長とする東京都こども条例検討プロジェクトチームというのを会派内に立ち上げて、識者と
意見交換をしながら一貫してリードしてきたものでございます。国連で採択をされた
子どもの権利条約に基づいて
子供の
意見が都の政策に適切に反映をされていく、
年齢や発達段階に応じて
社会参加ができるような
環境の
整備を定めたものでございます。
新型コロナウイルス感染症は大きな変化をもたらしました。とりわけ
子供への
影響というものは大変大きなものがあります。児童虐待、性虐待、性被害だけではなくて、不登校の
子供の学習機会の確保など、
教育格差、また親が外国人の
子供への差別防止など、
解決すべき問題はたくさんあるというふうに思っております。こうした
子供をめぐる問題を抜本的に
解決するため、養育、
教育、保健、医療、福祉など、
子供の権利施策を幅広く整合性を持って実施するために
子供基本法を制定すべきだというふうに私は
考えております。
今るる述べましたけれども、
大臣の御所見をお伺いしたいと
思います。