○吉田(統)
委員 立憲民主党の吉田統彦でございます。どうぞよろしくお願いいたします、
大臣。
この法案は、もうかなり
質疑が進んできておりますが、個人
情報保護に関する問題、また、地方では画一的な
デジタル統合を進めることによる弊害など、克服すべき
課題、問題が多い、そういったことが明らかになっています。
ただ一方、我が国の
デジタル環境は他国に比べれば大きく遅れているということは、政府、
民間共通の
認識であると感じます。
そこで、今回、
デジタル関連の法案を、
大臣、出されたわけだと思いますが、この法案が示された中で、
デジタル業界や若年層からは失望の声も実は結構聞こえてきます。私は、若い世代に合った
デジタル化政策、そういった
意味でも、建設的、ポジティブな
政策議論をさせていただきたいと思います。
まず冒頭申し上げますが、国内の月間
利用者が八千六百万人に上る無料
通信アプリを運営するLINEが、
利用者間でメッセージをやり取りするサービス、トークに投稿された全ての画像、動画を韓国内のサーバーに保管していた、そして、
利用者の氏名、アドレス、個人
情報が業務委託先の中国
企業から閲覧できる
状態であったことが報道でありました。
LINE社の個人
情報に関する指針ではこういった
状況が
利用者に十分に説明されておらず、同社側の対応に不備があった可能性があるとして、国の個人
情報保護
委員会に
報告したということですが、
大臣、
デジタル法の審議中にこういったことが明らかになったことは極めて遺憾であります。
デジタル化において個人
情報の保護は一丁目一番地であり、これを確保されていない、そういった
状況では、
デジタル法の審議そのものが
意味がないものになってしまいます。
政府におかれましては、個人
情報保護
委員会、LINE社とも協力して原因究明を一刻も早く進めるとともに、個人
情報が確実に保護される
状況を確保して、このようなことが二度と起こらないようにお願いを冒頭させていただきたいと思います。
では、
質問に入ります。
まず、
大臣、世の中には、個人の信念の下で
デジタル化を拒んでいる人がいるんです。例えば、
デジタル化がかなり進んでいるように見えるアメリカでも、アナログの暮らしを続けている人がかなりいます。
アメリカでは、百ドル札は偽札の可能性もあるものですから、支払いをすると嫌がられます。
松本先生なんかも国際経験が豊富なので御存じだと思うんですけれども、嫌がられるんですよ、百ドルを出すと。私がいたジョンズ・ホプキンス大学の附属病院でも、駐車場には五十ドル以上お断りと実は書いてあるんです。
そもそも現金を持ち運ぶことがアメリカではリスクですので、家賃なんかは、
大臣、いまだにチェック、小切手で払っている人がいっぱいいますよ。というか、それがスタンダードです。また、年配の方が日用品とか食料品を買う際に、その代金を毎回チェックで支払っていることをよく見受けます。また、宗教的な理由で、プリミティブ、原始的な生活をされている方もたくさん実は米国にもいらっしゃいます。
そういった中で、つまり、アメリカは
デジタル大国のように見えるんですけれども、こういったアナログな暮らしが十分可能だという
意味なんです。
我が国でも、給与の振り込みを拒否して現金で給付を受けたり、公共料金を銀行や郵便局、コンビニで毎月払う人
たちもいらっしゃいます。今回、法案で
デジタル化を進めるといっても、こういった生活
様式を容易に変えられるとは思わないわけであります。
そこで、このような自己の信念の下で従前の生活
様式を守り、
デジタルを
利用しない生活を続けたい方に対して、生活上のデメリットがない
システムというのが果たしてつくることができるのかということであります。様々な制度、手続が
利用できることは当然としても、
デジタルを用いないことが理由で取り残されたり不利益を被ることがないように配慮する必要があると考えます。
大臣、例えば、最近では、御高齢の方が家庭用の電子機器について問合せをしようと思っても、コールセンターの番号を書いていないことが結構あります。ホームページ上のチャットやSNSなどへ誘導されて、その使い方がよく分からないということをよく聞きます。電話番号は、最近、本当に書いていないことが多いですよね。
そういった方が取り残されることがない
デジタル化として、具体的にどのような配慮をしていくべきなのか、
大臣にお聞きしたいんですが、具体的に施策を例示して御答弁いただきたいと思います。