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2021-05-27 第204回国会 衆議院 総務委員会 第18号 公式Web版

  1. 会議録情報

    令和三年五月二十七日(木曜日)     午前九時八分開議  出席委員    委員長 石田 祝稔君    理事 橘 慶一郎君 理事 寺田  稔君    理事 冨樫 博之君 理事 松本 文明君    理事 務台 俊介君 理事 岡島 一正君    理事 岡本あき子君 理事 國重  徹君       安藤 高夫君    井林 辰憲君       石田 真敏君    小倉 將信君       小田原 潔君    金子万寿夫君       川崎 二郎君    木村 弥生君       高村 正大君    佐藤 明男君       斎藤 洋明君    杉田 水脈君       鈴木 淳司君    谷川 とむ君       深澤 陽一君    古川  康君       穂坂  泰君    宮路 拓馬君       山口 俊一君    奥野総一郎君       神谷  裕君    川内 博史君       櫻井  周君    高木錬太郎君       松尾 明弘君    松田  功君       道下 大樹君    山崎  誠君       山花 郁夫君    桝屋 敬悟君       本村 伸子君    足立 康史君       井上 一徳君     …………………………………    総務大臣         武田 良太君    総務大臣        新谷 正義君    総務大臣政務官      谷川 とむ君    総務大臣政務官      古川  康君    総務大臣政務官      宮路 拓馬君    会計検査院事務総局第五局長            原田 祐平君    政府参考人    (内閣大臣官房審議官) 難波 健太君    政府参考人    (公正取引委員会事務総局官房総括審議官)     杉山 幸成君    政府参考人    (個人情報保護委員会事務局次長)         三原 祥二君    政府参考人    (総務省大臣官房長)   原  邦彰君    政府参考人    (総務省自治行政局長)  高原  剛君    政府参考人    (総務省情報流通行政局長)            吉田 博史君    政府参考人    (総務省総合通信基盤局長)            竹内 芳明君    政府参考人    (文化庁審議官)     出倉 功一君    政府参考人    (厚生労働省大臣官房生活衛生食品安審議官)  浅沼 一成君    政府参考人    (厚生労働省大臣官房審議官)           志村 幸久君    参考人    (日本放送協会経営委員会委員長)         森下 俊三君    参考人    (日本放送協会監査委員会委員)          高橋 正美君    参考人    (日本放送協会会長)   前田 晃伸君    参考人    (日本放送協会会長)  正籬  聡君    参考人    (日本放送協会専務理事) 松坂 千尋君    参考人    (日本放送協会理事)   松崎 和義君    参考人    (日本放送協会理事)   林  理恵君    参考人    (日本放送協会理事)   伊藤  浩君    総務委員会専門員     阿部 哲也君     ――――――――――――― 委員の異動 五月二十七日  辞任         補欠選任   石田 真敏君     深澤 陽一君   田嶋  要君     川内 博史君 同日  辞任         補欠選任   深澤 陽一君     石田 真敏君   川内 博史君     山崎  誠君 同日  辞任         補欠選任   山崎  誠君     田嶋  要君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  会計検査院当局者出頭要求に関する件  政府参考人出頭要求に関する件  参考人出頭要求に関する件  日本放送協会平成二十八年度財産目録貸借対照表損益計算書資本等変動計算書及びキャッシュフロー計算書  日本放送協会平成二十九年度財産目録貸借対照表損益計算書資本等変動計算書及びキャッシュフロー計算書      ――――◇―――――
  2. 石田祝稔

    石田委員長 これより会議を開きます。  日本放送協会平成二十八年度財産目録貸借対照表損益計算書資本等変動計算書及びキャッシュフロー計算書日本放送協会平成二十九年度財産目録貸借対照表損益計算書資本等変動計算書及びキャッシュフロー計算書の両件を議題とし、審査に入ります。  この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  両件審査のため、本日、参考人として日本放送協会出席を求め、意見を聴取することとし、その人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 石田祝稔

    石田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  引き続き、お諮りいたします。  両件審査のため、本日、政府参考人として内閣大臣官房審議官難波健太君、公正取引委員会事務総局官房総括審議官杉山幸成君、個人情報保護委員会事務局次長三原祥二君、総務省大臣官房長原邦彰君、自治行政局長高原剛君、情報流通行政局長吉田博史君、総合通信基盤局長竹内芳明君、文化庁審議官出倉功一君、厚生労働省大臣官房生活衛生食品安全審議官浅沼一成君及び厚生労働省大臣官房審議官志村幸久君の出席を求め、説明を聴取し、また、会計検査院事務総局第五局長原田祐平君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 石田祝稔

    石田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――
  5. 石田祝稔

  6. 武田良太

    武田国務大臣 日本放送協会平成二十八年度及び平成二十九年度財務諸表等について、その内容概要を御説明申し上げます。  本資料は、放送法第七十四条第三項の規定により、会計検査院検査を経まして国会に提出するものであります。  まず、平成二十八年度貸借対照表一般勘定については、平成二十九年三月三十一日現在、資産合計は一兆九百十五億円、負債合計は三千六百八十億円、純資産合計は七千二百三十五億円となっております。  損益計算書一般勘定については、経常事業収入は七千十九億円、経常事業支出は六千八百八十五億円となっており、経常事業収支差金は百三十三億円となっております。  次に、平成二十九年度貸借対照表一般勘定については、平成三十年三月三十一日現在、資産合計は一兆一千四百三十七億円、負債合計は三千九百七十二億円、純資産合計は七千四百六十五億円となっております。  損益計算書一般勘定については、経常事業収入は七千百五十六億円、経常事業支出は七千七十三億円となっており、経常事業収支差金は八十三億円となっております。  何とぞ慎重御審議のほどお願いいたします。
  7. 石田祝稔

    石田委員長 次に、補足説明を聴取いたします。日本放送協会会長前田晃伸君。
  8. 前田晃伸

    前田参考人 ただいま議題となっております日本放送協会平成二十八年度及び平成二十九年度財務諸表等概要につきまして御説明を申し上げます。  初めに、平成二十八年度につきまして御説明申し上げます。  貸借対照表におけます一般勘定当年度末の資産総額は一兆九百十五億円、一方、これに対する負債総額は三千六百八十億円、また、純資産総額は七千二百三十五億円でございます。  続きまして、損益計算書におけます一般勘定経常事業収入は七千十九億円、経常事業支出は六千八百八十五億円でございます。以上の結果、経常事業収支差金は百三十三億円となり、これに経常事業外収支及び特別収支を加え又は差し引いた当期事業収支差金は二百八十億円となっております。  このうち、建設積立金繰入額は八十億円でありまして、事業収支剰余金は二百億円でございます。  なお、この事業収支剰余金は、翌年度以降の財政安定のための財源に充てるものでございます。  引き続きまして、平成二十九年度につきまして御説明申し上げます。  貸借対照表におけます一般勘定当年度末の資産総額は一兆一千四百三十七億円、一方、これに対する負債総額は三千九百七十二億円、また、純資産総額は七千四百六十五億円でございます。  続きまして、損益計算書におけます一般勘定経常事業収入は七千百五十六億円、経常事業支出は七千七十三億円でございまして、以上の結果、経常事業収支差金は八十三億円のプラスとなり、これに経常事業外収支及び特別収支を加え又は差し引いた当期事業収支差金は二百二十九億円となっております。  なお、当期事業収支差金につきましては、全額、事業収支剰余金として、翌年度以降の財政安定のための財源に充てるものでございます。  以上につきまして、平成二十八年度及び平成二十九年度財務諸表とも、監査委員会意見書では、会計監査人監査意見は相当と認めるとされており、また、会計監査人意見書では、財務諸表は、放送法放送法施行規則及び我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、全ての重要な点において適正に表示しているものと認められるとされております。  これをもちまして概要説明を終わらせていただきますが、今後の協会運営に当たりましては、公共放送の原点を堅持し、事実に基づく公平公正で正確、迅速な放送をお届けしてまいります。また、事業計画一つ一つの施策を着実に実行し、公共メディアとして視聴者の皆様の期待に応えてまいる所存でございます。  何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。
  9. 石田祝稔

    石田委員長 次に、会計検査院当局から検査結果について説明を求めます。会計検査院事務総局第五局長原田祐平君。
  10. 原田祐平

    原田会計検査院当局者 日本放送協会平成二十八年度及び二十九年度決算につきまして検査いたしました結果を御説明いたします。  協会平成二十八年度、二十九年度財産目録貸借対照表損益計算書資本等変動計算書及びキャッシュフロー計算書並びにこれらに関する説明書等は、二十八年度につきましては二十九年七月十二日、二十九年度につきましては三十年七月十日にそれぞれ内閣から送付を受け、その検査を行って、それぞれ二十九年十一月八日、三十年十一月九日に内閣に回付いたしました。  協会の二十八年度決算につきましては、二十八年五月二十三日に、参議院から、国会法第百五条の規定に基づき、協会における関連団体との取引状況関連団体剰余金及び協会に対する配当状況並びに関連団体の不適正経理再発防止に向けた指導監督状況について会計検査を行い、その結果を報告することを求める要請があり、二十九年三月二十九日にこれに関する報告書参議院に提出し、その概要検査報告に掲記いたしました。  その概要を御説明いたします。  検査しましたところ、業務委託額妥当性を検証する実績原価調査の結果が業務委託費積算等の見直しに結びついていなかったり、子会社による明確な投資計画が示されないまま特例配当要請を行わない判断が行われていたり、関連団体における不適正経理再発防止に向けた協会取組にもかかわらず不適正経理が依然として生じていたりなどしていました。  検査の結果を踏まえました本院の所見といたしましては、協会において、実績原価確認の結果を適切に反映し、業務委託額削減等に努めること、適切な特例配当要請を行うことを検討し、子会社利益剰余金額を適切な規模とするための指導監督を適切に実施していくこと、経理適正化策について関連団体事業全般を対象として関連団体に対する指導監督を更に徹底していくことなどに留意して、関連団体事業運営に対する指導監督を適切に実施する必要があると考えております。  本院としては、協会における関連団体事業運営に対する指導監督が適切に行われているかについて、今後も引き続き検査していくこととしております。  また、二十九年度決算につきまして検査いたしました結果、検査報告に掲記いたしましたものは、本院の指摘に基づき当局において改善処置を講じた事項一件であります。  これは、衛星契約への契約種別変更の勧奨を目的とする郵便物の郵送に当たり、郵便料金割引制度の活用について検討が十分でなかったことなどのため郵便料金の節減が図られていなかった事態が見受けられました。これについて指摘したところ、協会において、より割引率の高い広告郵便物割引制度の適用を適切に受けるよう周知するなどの処置を講じたものであります。  以上をもって概要説明を終わります。
  11. 石田祝稔

    石田委員長 以上で説明は終わりました。     ―――――――――――――
  12. 石田祝稔

    石田委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申出がありますので、順次これを許します。務台俊介君。
  13. 務台俊介

    務台委員 自由民主党・無所属の会の務台俊介です。  今日は、質問の機会を与えていただきまして、ありがとうございます。  平成二十八年度以降の四年間の決算を拝見して、その時々のNHK取組数字に如実に表れていると感じます。今回の決算は、前田会長の前の籾井会長上田会長時代運営の結果ではございますが、4K、8Kの準備、そしてその本格放送の開始、受信料徴収の努力、これが数字にしっかりと表れていると感じております。  そこで伺いたいんですが、籾井会長時代上田会長時代経営特徴、そしてそれを受け継いだ前田会長の下でのNHK経営特徴、これをまず伺いたいと思います。
  14. 前田晃伸

    前田参考人 お答え申し上げます。  籾井会長時代は、国際放送強化を掲げ、外国人向けテレビ国際放送を刷新し、海外での視聴可能世帯を拡大したほか、スーパーハイビジョン試験放送を開始した時期と承知しております。また、上田会長時代は、放送通信融合時代にふさわしい公共メディアへの進化を最大の経営課題に掲げ、テレビ放送のほか、インターネット常時同時配信の実現に尽力したほか、地域放送充実も図ったと承知しております。  ただ、それまでの間に、NHK受信料右肩上がりに増えてきたこともございまして、構造的な問題を解決することに関しては、課題が先送りされてきたと私は認識しております。  このために、私は、今年度から、中期経営計画に、業務受信料ガバナンスのいわゆる三位一体改革を総仕上げする年とし、また、今直ちに取り組まなければならないことを全て盛り込んだ形で、NHKを本気で変える改革に取り組んでおります。  これからの時代対応した新しいNHKらしさを追求し、スリムで強靱なNHKへと生まれ変わるために、番組ジャンル別管理関連団体改革営業抜本的改革人事制度抜本的改革などあらゆる改革に取り組み、NHKが、信頼される情報社会的基盤として社会に貢献し続ける組織にしていきたいと思います。
  15. 務台俊介

    務台委員 ありがとうございます。  NHK影響力というのは本当に大きいと思います。我が国近代文化相当部分は、ある意味NHKが形成してきたと言っても過言ではないと思います。我が国標準語、これも、NHK放送で使われた言葉がデファクトスタンダードになったと承知しています。  私自身を振り返ってみても、子供の頃からNHK番組とともに育ってきたと思っております。幼少期は、「おかあさんといっしょ」、「ブーフーウー」、これを見て育ちました。子供の頃は、「ラジオ体操」、「ひょっこりひょうたん島」、中学生、高校生の頃は、朝の連続テレビ小説、大河ドラマ、社会人になっては、NHKニュース各種ドキュメンタリーニュース解説、そして「大地の子」などのテレビドラマ。今から思うと、こうしたNHK番組コンテンツによって私自身の考え方も相当形成されてきた、このように感じています。  最近では、特に地球温暖化への問題意識、これはNHK特集番組に負うところが大きい、そんなふうにも思っておりますので、その意味では感謝申し上げたいと思います。  それだけに、NHKがどのような課題をどのように報道するか、これは国民意識形成の上で非常に重要だと思います。そして、コロナ禍でもまさにその報道姿勢が問われていると感じております。  日本コロナ対応が諸外国に比べてよいパフォーマンスなのか、あるいは失敗しているのか、NHK報道の仕方は死活的に重要でございます。悲観的に報道するのか、楽観的なのか、あるいは、個々の事象を全体像から取り上げるのか、それだけに特化して取り上げるのか、そういう姿勢の差が大きな結果の差になるというふうに思います。  残念ながら、どちらかというと悲観的な取り上げ方というのが若干目立つのではないか、その結果、日本人が余りにも後ろ向きで自虐的になる、そんな嫌いもあるように感じております。  お手元に資料を示させていただいておりますが、ブルームバーグが行っていますCOVIDレジリエンス耐性ランキングという資料がございます。この四月の時点で、日本は世界七位という高評価です。上位にはニュージーランドや台湾が位置しておりますが、人口規模が大きい国の中では日本は最もパフォーマンスがよくて安全な国だ、そういう指標でございます。  確かに、ワクチン接種のもたつき、これが非常に目立っておりますが、感染者数死者数とも他の大国に比べ桁違いに少ないパフォーマンス、これは厳然たる事実だと思います。  問題は、こうした事実が、NHKを始めとして、マスコミで報道されないということでございます。日々の悲観的なニュースを見ていると、我が国コロナ対応に失敗した情けない国、そのような自意識にとらわれて、そして、そのニュースを見る外国人も、日本は本当にひどい状態になっているんだと誤解することにもなりかねません。  影響力のあるNHKという組織会長として、こうした報道在り方、これをどのようにお考えでしょうか。
  16. 前田晃伸

    前田参考人 お答え申し上げます。  新型コロナウイルス報道に当たりましては、命と暮らしを守る報道の使命を果たすために、事実やデータに基づく情報発信を、テレビインターネットラジオ、それぞれの特性を生かしながら、全国放送地域放送、共に強化をいたしております。  国内外の状況を様々な角度から報道し、例えば、日本と欧米、アジア各国との感染者数死者数などの違いも度々お伝えしております。また、ワクチン接種状況医療現場取組飲食店などの営業規制水際対策などの違いにつきましても、取材に基づく客観的な事実を放送インターネットで随時伝えております。  こうしたニュースのほかに、「NHKスペシャル」などの番組では、医療や介護、教育などの現場で奮闘する人々の姿や、課題解決への糸口を紹介いたしております。  また、政府取組国会での議論も迅速に伝えるために、緊急事態宣言決定の際には、総理大臣記者会見国会議院運営委員会などを生放送でお伝えしております。  委員の御指摘もしっかりと踏まえながら、引き続き、視聴者一人一人に真に役立つ情報発信に向けて全力で取り組んでまいりたいと思います。
  17. 務台俊介

    務台委員 個々番組がどうこうということは申し上げるつもりはございません。NHKは、オピニオンリーダーであることを自己認識され、国民を過度に悲観主義に導かずに、希望を与える報道、これを引き続き期待したいと思います。  ところで、NHK番組の中身が日本の国以外でも意図的、恣意的な使われ方をすることがございます。  過日、杉田水脈委員が、軍艦島が舞台の、昭和三十年に放送された「緑なき島」の映像に関して質問をしておられました。一部の映像が別の炭鉱で撮影されたものだと元島民が抗議している問題でございまして、その抗議の原因は、韓国メディアなどにより、朝鮮人戦時労働者が非人道的な扱いを受けていた根拠として引用されていることによります。元島民は、軍艦島の誤ったイメージが解消されることを求めております。これも、NHK影響力のあるメディアであるからこその結果でございます。  であればこそ、NHKは、その事実関係を検証し、その上で、韓国側にその取扱いを改めるようにあらゆる手段を使って行動すべきと考えますが、杉田委員が過日質問をした以降のNHK対応を伺いたいと思います。
  18. 前田晃伸

    前田参考人 お答え申し上げます。  「緑なき島」は、今から六十六年前、昭和三十年に放送されましたNHK短編映画でございます。当時の長崎県の端島で生き生きと暮らす人々様子を取り上げ、高層の鉄筋コンクリート住宅様子や炭坑での作業子供たち学校生活娯楽施設で楽しむ様子などをまとめた風土記的な内容となっております。歴史問題等を取り上げた番組ではございません。  元島民方々からの御指摘を踏まえ、NHKとしては、取材、制作に関わった関係者への聞き取りや、保管をしております炭鉱映像精査など、できる限りの確認作業を行ってきたところでございます。  その結果、別の炭鉱で撮影された映像が使用された事実は確認されておりませんで、「緑なき島」は、当時の取材に基づき制作されたものと考えられるという報告を受けております。  これまでの確認作業NHK関係者や保管している映像などが中心でございましたが、六十六年前に制作された番組であることから、最近制作された番組に比べると、確認作業には制約が多数ございました。更に確認作業を深めるために、外部有識者意見を伺うことを含め、自らの責任で調査を進める上で、具体的に何ができるか検討するように指示をいたしました。その際、十分に元島民方々に向き合うようにも指示をいたしております。  また、風土記的な番組の趣旨とは関係なく、「緑なき島」の映像の一部が韓国施設で展示されていることは承知いたしております。これについて韓国法制度に詳しい外部専門家確認したところ、「緑なき島」の映像は、韓国法律上では著作権保護期間が二〇〇五年に満了しており、NHK著作権が主張できない可能性が高いということでございました。  こうした状況の中で、NHKとしてどのような対応ができるか、引き続き検討するように指示をいたしました。
  19. 務台俊介

    務台委員 著作権保護期間が経過しているという初めての御答弁をいただきました。法律上はそうかもしれませんが、取り上げられ方が、違法でなくても、妥当かどうか、適正かどうかという観点で引き続き関係方面と調整を行っていただきたい、そのように思います。  NHKに対しては、総務大臣意見の中で、国際放送充実等による海外情報発信強化指摘されておりますが、この「緑なき島」の事例のように、その内容が国際的にマイナスの情報発信として使われてしまっている例があります。NHKは、国内放送コンテンツ精査、そしてその海外での使われ方にも注意を払ってほしいと要請したい。そして、総務大臣にも、そういう意見是非大臣意見にも酌み入れていってほしい、そのように要請したいと思います。  ところで、「緑なき島」に関しては、十七日の参議院決算委員会前田会長が、外部有識者の御意見を伺うことも含めて検討したいと答弁したと伺っております。これまで外部調査に慎重であった対応を転換されたこと、これは、元島民の気持ちに寄り添う形で一種のガバナンスが働いたものと受け止めておりますが、前田会長の目から見て、歴代NHK会長組織統括在り方と比較し、自らのガバナンスの違いはどこにあるのか、具体的な事例に即して伺いたいと思います。
  20. 前田晃伸

    前田参考人 お答え申し上げます。  歴代会長ガバナンス在り方を十分に承知しておりませんので、ちょっと申し訳ないんですが、比較をするのは大変難しいことでございます。  放送法規定にございますとおり、NHKは、会長業務を総理するいわゆる独任制の機関のたてつけになっておりまして、会長である私が業務執行の責任者として責任を、責務を負っているものと理解しております。  物理的な制約もございまして、全てに直接関与することは難しいことがございますが、私は、放送を始めとしたNHKの様々な業務に関して、極力、自らの目で確かめて、改善の必要があれば指示することに努めております。  一例を申し上げますと、今年度の予算策定に当たりましては、昨年、私は自ら査定を全て実施いたしました。それから、局内で稟議制度を設けておりますけれども、会長稟議の決裁金額、従来は十億円以上という、決裁権限で決めておりましたが、十億円という高い金額にしますとほとんどの案件が抵触しない、これはほとんど機能していないので、私は五億円に下げました。個別にこれで正しいかというのをチェックする、そういう形で、受信料を使って業務をやっているわけでございますので、無駄のないような運営に努めてまいりたいと思います。
  21. 務台俊介

    務台委員 NHKは、各地に放送局、支局を擁しております。ローカル放送にも力を入れており、質の高いものも目にしております。決算に対する総務大臣意見の中で、地方からの情報発信、地方創生への貢献の観点から、機能の地方分散について、早急に一定の結論を得ることが求められている、これは、同じ内容がこの数年書かれ続けております。  NHKの活動における地方の放送局の活動の位置づけを含め、機能の分散について具体的にどのような検討が行われてきたのか、伺いたいと思います。
  22. 石田祝稔

    石田委員長 時間が来ておりますので、簡潔に御答弁願います。
  23. 前田晃伸

    前田参考人 お答え申し上げます。  NHKは、いかなる災害時でも放送・サービスをお届けする重要な役割を負っております。このため、首都直下地震等で東京の放送センターが機能停止した場合でも放送が継続できるように、大阪拠点放送局を代替とする機能強化を進めており、昨年、理事の一人に大阪局長を兼務させ、体制の整備を更に進めるとともに、日頃からの放送枠も拡大をいたしました。  また、地方分散の観点から、視聴者からの意見、要望の窓口機能を一部札幌拠点放送局に移すほか、渋谷の放送センター建て替えに伴い、埼玉県川口市に建設するスタジオや、地方放送局を活用することにしております。  NHKにとりまして、地域からの情報発信は重要な役割でございます。全国の都道府県に放送局を置いてネットワークを形成していることはNHKの強みであり、地域放送局の取材、制作拠点としての機能をしっかりと維持し、地域のニーズに応えてまいりたいと思います。  また、地域に根差し、地域を支える人材の強化が重要でございまして、各地域で採用する職員、地域職員数をこれからは増やす方針でございます。  以上でございます。
  24. 務台俊介

    務台委員 以上で終わります。ありがとうございました。
  25. 石田祝稔

    石田委員長 次に、國重徹君。
  26. 國重徹

    國重委員 おはようございます。公明党の國重徹でございます。  質疑時間が限られておりますので、まずは前田会長に何点かお伺いしたいと思います。  私、会長には細かいことを聞くつもりはありませんので、会長の感じていることを率直に、また国民に分かりやすく、そして、済みません、マイクを通してなかなか聞きにくい場合もありますので、できるだけ大きな声で言っていただければありがたいと思います。  前田会長は、昨年の一月二十五日にNHK外部の民間出身者としてNHK会長に就任をされました。これまでとは全く違う世界に入られて、会長就任前と会長就任以降とで、NHKに対する認識で異なる点もあったかと思います。どのような点で大きく違ったのか、まずはこの点についてお伺いしたいと思います。
  27. 前田晃伸

    前田参考人 お答え申し上げます。  昨年一月に会長に就任して一年四か月がたちますが、就任前にNHKに対して少し変だなと感じたことは、就任した後もそれほど大きく変わっておりません。外部から来ました私から見ますと、NHKという組織は金属疲労を起こしている部分が多々あると思います。NHKはこれまで、受信料右肩上がりに増えてきたことによりまして、様々な構造的な問題を先送りしてきた面がございます。NHKは肥大化しているという指摘も、ある意味では私はそのとおりだと思います。  このため、私は、中期経営計画の策定に当たり、業務受信料ガバナンスのいわゆる三位一体の改革の総仕上げとして、今直ちに取り組まなければいけないことを全て盛り込み、徹底した改革に取り組むところでございます。  今変えなければNHKの未来はないと私は思います。改革が後戻りすることがないよう、本気で変える気持ちで改革をしてまいりたいと思います。
  28. 國重徹

    國重委員 会長就任前と就任後とではさほど認識に大きな違いはなかったけれども、金属疲労を起こしているというようなことを感じていたものを、実際に会長に就任した後もまた、まざまざと感じているというようなお言葉だったかと思います。  前田会長が昨年一月に会長に就任した直後に新型コロナが発生をしまして、想定外の大変なことも多々あったかと思います。会長に就任をして約一年四か月、会長職は一期三年でありますので、もうすぐ折り返し地点を迎えることになります。  NHKには様々な課題があると思いますけれども、この一年四か月の間で前田会長自身NHKの最大の課題と感じていることは何なのか、これについてお伺いをいたします。
  29. 前田晃伸

    前田参考人 お答え申し上げます。  先ほども御説明したとおり、NHKという組織は金属疲労を起こしている部分が多々ありますが、何が一番最大の課題かということにつきましては、課題が多過ぎまして、いわば複雑骨折を起こしていると言った方がいいと思います。これは一個ではございません。そのためには、抜本的にいろいろなことをやらなければならないと思っております。  昨年から既に始めております番組ジャンル別管理関連団体改革、それから、営業改革人事制度改革人事制度は特に一度も抜本的に改革したことがなくて、時代に合わなくなっております。この改革を全てやらないと、新しくスリムで強靱なNHKへと変われませんので、全力で改革をしてまいります。
  30. 國重徹

    國重委員 ありがとうございました。  最大の課題ということでお伺いしましたけれども、いろいろあり過ぎるということで、複雑骨折しているような状況だというようなお話をいただきました。  これまでのお話の中でも、こういったことを踏まえての取組を若干お話しをいただきましたけれども、そのような複雑骨折をしているこの今の状況を踏まえて、こういった抜本的な課題がある、これについて、前田会長会長に就任して以降、どのように取り組んできたのか、また、今まだ改革の途上でありますけれども、それに対する手応えをどのように感じているのか、また、これまで一年四か月取り組んできて、自身が取り組んできたことの反省点もあれば、それも踏まえてお伺いしたいと思います。
  31. 前田晃伸

    前田参考人 お答え申し上げます。  任期一年目の昨年は、中期経営計画の取りまとめを行い、新しいNHKらしさを追求し、スリムで強靱なNHKへ生まれ変わるという改革の方向性を示しました。また、大阪のBCP強化や、地域情報発信強化番組ジャンル別管理の導入、地域放送局長の局内公募の実施など、多岐にわたる改革にスピーディーに着手し、実行に移すことができたと思っております。  任期二年目の今年は、改革実行の年と位置づけております。NHKならではの多様で質の高い放送・サービスを今後も持続可能な形で提供し続ける業務体制を構築するために、しっかりと結果を出す一年にしたいと考えております。  また、これまでNHKがやったことのない大きな改革に取り組んでおりますので、職員も戸惑うことがあると思います。一連の改革は、NHKの将来のために、この時期絶対に必要なものだと私は確信いたしております。経営計画に盛り込んだ内容や施策を着実に実行してまいりたい。  また、職員に対しては、私は、いろいろな機会を通じて直接コミュニケーションを取る形で、特に人事制度改革等は、慎重に、かつ丁寧にやってまいりたいと思います。
  32. 國重徹

    國重委員 ありがとうございます。  様々、多岐にわたる改革を進めてこられたということでしたけれども、現に、本当に様々なことに着手されていると思います。  その上で、先ほど、質問の最後にあったんですけれども、もし、こういう改革を進めていて、会長として、こういう点は少し自身として反省する点があったなということがあれば是非お伺いしたい。なければ結構ですので。
  33. 前田晃伸

    前田参考人 お答え申し上げます。  私は私なりのやり方でやっているものですから、ついてこれない職員の方もたくさんいると思います、役員を含めてですけれども。そこは、私は、誠心誠意、本当にNHKをよくするにはどうしたらいいのかという原点に返って説得してまいりたいと思っております。
  34. 國重徹

    國重委員 率直な見解を述べていただきまして、ありがとうございました。  放送通信の融合が進む中で、公共放送公共メディアの果たすべき役割は何なのか、この役割を果たすために必要な業務は何なのか、それを踏まえた受信料在り方、これはどうなのか、極めて重要な時期に前田会長会長に就任されたと思います。  会長は会見の中で、先ほどおっしゃったように、任期二年目となる今年は改革実行の年と位置づけていると。NHKを本気で変える、スピード感を持って進める、一つ一つ着実に実行して、しっかりと成果を出していきたいとおっしゃっておられます。是非、その信念のとおりに、しっかりと改革を前に進めていっていただきたいと思います。  次に、地域放送に関してお伺いいたします。  放送法八十一条には、日本放送協会は、「全国向けの放送番組のほか、地方向けの放送番組を有するようにすること。」と定められております。さらに、NHK放送に関する規範を示した日本放送協会国内番組基準では、「地域の多様性を尊重し、地域文化の創造に役立つ放送を行う。」と定められております。このように、地域のニーズに応じた地域放送充実を図ることによって地域の活性化に貢献することも、NHKが担うべき重要な役割であります。  一方で、受信料の価値を最大化するために、NHKは今、スリム化に向けた改革、シンプル化、集約化、クラウド化に取り組まれているところであります。このスリム化を進めることと地域のニーズに応じた地域放送充実をどのように両立させていくのか、お伺いいたします。
  35. 伊藤浩

    ○伊藤参考人 お答え申し上げます。  人口減少などによりまして、今、地域におきましては様々な課題が顕在化している状況にございます。そういうときであればこそ、全国津々浦々にネットワークを持ちますNHK、その果たすべき役割はますます大きくなっているというふうに認識しております。  全国の放送局におきましては、それぞれの地域をしっかりと取材し、地域に伝えるだけではなく、その情報を全国、さらには海外にまで届けていく責務というのがあるというふうに考えているところでございます。  その地域放送局でございますが、現在、委員指摘のような形で、例えば、総務、経理、そうした機能につきましては、様々なシステムも導入いたしまして、管理間接部門の集約等々を進めて、スリム化を行っていくことを考えております。  一方で、その効率化したパワーの一部を取材、制作部門にシフトをいたしまして、そちらの部門は強化するという形で地域での取材体制を充実させていく、そして情報発信力を強めていくというふうな形での大きなパワーシフトを進めていきたいというふうに考えているところでございます。  また、地域情報の全国発信強化という観点に立ちますと、去年の秋から、総合テレビの午前十時台と午後一時台、ここに地域放送局で制作、放送した番組を全国に放送するというふうな時間も設けておりまして、地域の情報を幅広く広げていくことによって地域の活性化に貢献をしたいというような取組も進めているところでございます。  この地域のニーズというものに対して、合理的なコスト、NHK全体としてはしっかりとスリムで強靱な体制に持っていきたいと思っておりますので、その合理的なコストでしっかりと応えられるように、引き続き努力をしていきたいというふうに思っているところでございます。
  36. 國重徹

    國重委員 是非よろしくお願いいたします。  時間の関係で最後の質問にさせていただきたいと思います。  働き方改革に関してお伺いいたします。  平成二十八年度、二十九年度NHK業務報告書に付する総務大臣意見におきまして、平成二十五年に首都圏放送センターの記者が過労で亡くなられたことを重く受け止め、二度と働き過ぎによって貴い命が失われることのないよう、徹底した取組が強く求められると指摘をされております。  ここで述べられた痛ましい過労死を踏まえ、NHKでは、健康を最優先にした働き方改革を進めるべく、二〇一七年十二月に働き方改革宣言を打ち出されております。前田会長の就任会見におかれましても、放送・サービスの充実に当たっても、引き続き働き方改革にしっかりと取り組みますと述べられております。  その上で、このコロナ禍の中、実際にリモートワーク、在宅勤務等の新たな働き方が進んでおります。もっとも、こういったリモートワーク等については、時間管理などを適正に行わないと、番組制作等の業務の性質から、仕事の際限がなくて、実質的な超過勤務になるおそれも高いものと思われます。この点についてどのように対応されているのか、お伺いいたします。
  37. 林理恵

    ○林参考人 お答えいたします。  御指摘のとおり、コロナ禍において、リモートワークなどの新しい働き方を進めるに当たりましては、時間管理を適正に行うことが重要だと認識しております。そのため、在宅勤務のときには、時間外勤務に上限を設けるとともに、上司に対して事前と事後に報告を行うことを義務づけております。顔が見えない中でも、上司とのコミュニケーションを大切にして、長時間の勤務にならないよう、適切なマネジメントを促しているところでございます。  一方で、リモートワークそのものは必ずしも在宅勤務での活用だけにとどまりませんで、対面での取材やスタジオ出演という従来の枠組みにとらわれない新しい取材方法や演出を支えるツールともなっております。  もとより、働く人の健康を最優先に考えていくということは、これからも変わるものではございません。その上で、多様で効率的な働き方を推進して、職員一人一人の能力を最大限発揮することで、視聴者の皆様にお届けする放送・サービスを充実向上させていきたいと考えております。
  38. 國重徹

    國重委員 是非よろしくお願いします。  以上で終わります。ありがとうございました。
  39. 石田祝稔

    石田委員長 次に、奥野総一郎君。
  40. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 奥野総一郎でございます。  NHK決算なんですが、最初にちょっと、東北新社の特別調査委員会の報告書というのが公表されましたので、それについて、大臣、官房長に伺いたいんですけれども。  従来、私も予算委員会でずっとやっていて、官房長にも御足労いただいて、真相究明ということで資料を出していただいたんですね。最後に、一応、東北新社関係の会食ということで公表したものが出てきまして、三十九件、新聞報道によれば三十九件ということになっています。今回、東北新社から新たに会食が出てきて、全部で五十四件という数字が出ているんですが、なぜこういう食い違いが起きたのか。  要は、今、調査をやっているのは知っていますが、少なくとも、あのとき東北新社が問題になっていたわけですから、東北新社関係についてはしっかり調べがついているというふうに私は思っていたんですよ。だから、どういう調査をしたのか、なぜ食い違いができたのか、改めて伺いたいと思います。
  41. 原邦彰

    ○原政府参考人 お答えいたします。  先日、東北新社の特別調査委員会から調査報告が公表されまして、今御指摘がありました五十四件の会食が報告されております。  一方、総務省の方で公表しました二月二十四日の報告書、それで、その時点で確認できた東北新社関係者の会食、延べ三十九件ということでありましたが、件数にすると三十三件、延べじゃなくて、ということでございました。それから、当時、総務省の調査ではございませんでしたが、山田前広報官から国会に一件、会食の御報告がございました。したがいまして、それも含めますと、三十四件が国会報告されたという件数でございます。  今回、五十四件ということで、御報告したもの以外に二十件あるわけでありますが、今御指摘のあった件については、当時、私ども、東北新社の方に、総務省との会食を全て出してくださいというお願いをしておりました。その中で、今申し上げた新たに出てきた二十件は東北新社からの御報告がなかったということでございます。  以上でございます。
  42. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 いや、東北新社はそうなのかもしれないんですが、それ以前にやはり、皆さん、面談をして話を聞いていたというふうに予算委員会の場でもたしか伺っていますよね。そのときに全然これは把握できなかったんですか。どういう調査をしたんですかね。
  43. 原邦彰

    ○原政府参考人 お答え申し上げます。  私どもは、東北新社からも全て出してくださいとお願いしました。それから、職員側の方にも、東北新社から出てきた職員について、それ以外にはないのかということもお答えした。その中では、先ほどあった二十件については申告がなかったことでございますが、現在、これまでも繰り返し述べておりますが、総務省、倫理法令疑いのある事案についての調査について、情報通信担当部署の本省課長級相当職以上百四十四名を対象にして、倫理法令違反の会食に限定せず、全ての事業者との会食について調査を行っております。東北新社の会食についても調査を行っております。  かなりの数の申告がございますが、第三者のチェックを受けながら、今回、東北新社からの報告に出ていることも含めまして調査をして、大臣からも御答弁申し上げておりますが、国会会期中、できるだけ早くというように、第三者の方にも協力をいただきながら現在進めている、こういう状況でございます。
  44. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 大臣が申し上げているということで、国会会期中と言っていますが、これはいつなんですかね。審議の場はあるんですか。例えば、最終日に出されても、そのまま解散・総選挙になって、うやむやになってしまうかもしれませんよね。だから、やはり審議できるように、できれば五月中とか、岡島筆頭はどこかに行っていますが……(発言する者あり)いますね。集中審議を求めていただこうと思っていますから、審議できるようにするためには、やはり早めに出していただきたいと思います。  それから、面談をしても出てこないというのは、やはり大臣の威令、威光が省内に届いていないんじゃないですか。どうですか、大臣
  45. 武田良太

    武田国務大臣 徹底的に調査するように私は指示を出しておりますけれども、やはりこれは、過去を遡ること、過去に関することであって、それぞれの記憶、記録等にいろんな、相互のそごが生じている場合もありまして、なかなかこの調査というものも難しい部分もあると思っております。  いずれにせよ、調査に対しては真摯に対応しておる、このように思っております。
  46. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 では、いつお出しいただけるのか。せめて五月中とか六月上旬とか。審議できるんですか。
  47. 武田良太

    武田国務大臣 かねてから申し上げておりますように、第三者のこの調査委員会も含めて、調査委員会にその日程については任せております。私の方からは、できるだけ早くお願いしたいと常に申し上げております。
  48. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 そのできるだけ早くというのがいつかというぐらいは言えるでしょう。例えば五月末、何月何日に持ってこいというのは、それは向こうの都合があるかもしれないけれども、五月中とか六月上旬とか、少なくとも総務委員会でできるようなタイミングで出せとか、どういう指示を具体的にされていますか。
  49. 武田良太

    武田国務大臣 国会というのは会期があるわけですから、一日でも早く出していただきたいとお願いしています。
  50. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 では、お約束いただきたいんですが、審議できるタイミングで出していただけるということでよろしいですよね。
  51. 武田良太

    武田国務大臣 その在り方、期間についても、時期についてもその委員会に委ねているわけでありまして、私からは、一日でも早く、国会会期中に出していただきたいとお願いしているところであります。
  52. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 でも、それは大臣としてはすごい無責任じゃないですか。人任せにしていて、できなかったら済みませんで、それは済みますかね。解散・総選挙をやったらあっという間に飛んじゃいますよ、こんな話は。それを狙っているんじゃないですか、後からもう一回聞きますけれども。  そう言われないためにも、それで、今回、恥ずかしいじゃないですか。大臣肝煎りで、予算委員会であれだけ、行政にゆがみがないと言い切って、調査をしていますと言って、出して、そこに漏れが更にありましたと。これは、しかも東北新社の話ですよ。  この期間というのは、調べたんですけれども、二〇一八年九月以前のものがほとんどなんですよ、漏れているのは。二〇一八年九月以前というのは何があったかというと、二〇一七年九月からいわゆる東経百十度CSの申請、これは東北新社のスロットの削減の問題とか、彼らにとっては死活問題の話があって、二〇一八年五月にこの認定が行われているわけですよね、この期間。それから、例の外資規制違反が、後からもう一回聞きますが、二〇一七年八月でしょう。それから、二〇一七年一月にはBS4Kの左旋の認定も行われている。  この時期は、まさに東北新社にとって社の命運を左右するような認定とか免許とか、そういうことをやっていた時期なんですよ。そこのものがすぽっと抜けているというのはどういうことなのかというんですよ。  これは、期限を切っているんですか、面談のときに。二〇一八年九月以前は言わなくていいよと言って、期限を切って面談しているんですか。どういう聞き方しているんですか、そもそも。
  53. 原邦彰

    ○原政府参考人 お答えいたします。  私どもの調査では、期限は切っておりません。
  54. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 いや、だから、大臣、これは大臣の責任じゃないですか。不信任が否決されたからスーパー大臣かもしれませんけれども、でも、政治的な責任はありますよね、これ。大臣が命令をして、やりました、いや、漏れていました。しかも、一番大切な時期、事の本質を一番明らかにしなきゃならない時期ですよね、この外資規制違反のところもそうなんですけれども。いいんですか、大臣大臣の名誉にかけて、これを国会で明らかにすべきじゃないですか。  もう一回聞きますが、この委員会で審議できるタイミングで、要するに、会期末一週間、二週間を残した段階で答えを出すと約束していただけませんか、大臣
  55. 武田良太

    武田国務大臣 行政がゆがめられたのではないかという検証については、当初、我々は総務省で徹底した調査を行う方針でありましたけれども、国会の御指摘に基づいて、総務省があえて入らず、第三者機関に委ねさせていただきました。  我々総務省が影響力をその委員会に持てば公平公正さを失うという御指摘に基づいて、我々はその進め方、在り方、時期についても委員会に委ねるということを条件でその委員会に委ねたわけでありまして、我々としては、一日でも早く、国会会期中に提出していただきたい、示していただきたいとお願いしておるところであります。
  56. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 今ちょっと気がついたんですけれども、二つの話を混同していて、職員へのヒアリング、接待について全部聞き取りを、悉皆で聞き取りをするという話は、第三者委員会は関係ない話ですよね。これは大臣の責任ですぐにできる話を、私はまずそれを聞いているんですが、それを今、意図的にかどうか、行政の調査の話、ゆがめられたかどうかの調査の話と一緒にしているわけですが、順序からすると、まずヒアリングが全部終わって、それから行政がゆがめられたかどうかという話だと思うんですが。  まず、今おっしゃっているのは、行政がゆがめられた話についてはできるだけ早く、国会審議に間に合うように出したいと言っているわけですよね。いいですよね。そこは約束いただけますよね。  その前段として、じゃ、こういうのも含めた悉皆調査というのは一体いつ上がってくるんですか。
  57. 原邦彰

    ○原政府参考人 お答えいたします。  検証委員会は、大臣が御答弁したとおりでありまして、まさに第三者を中心に委員会を運営しております。  それから、調査についても、これも国会で大変いろいろ御指摘いただきましたので、弁護士の方、検事の経験のある方も含めて、ヒアリングも全部その方に出ていただいて、どういう調査をやります、今こんなことになっていますと、常に第三者の御指導をいただきながらやっております。  したがって、もちろん調査そのものは総務省でございますが、常にある意味第三者中心に調査が行われるということでございますので、先ほど大臣からも御答弁ありました、この倫理調査についても、国会会期中にできるだけ早くということで御協力いただけないかということで進めている、こういう状況でございます。
  58. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 その御協力いただけないかというのは誰に向かって言っているんですか。職員の皆さんですか。それとも、弁護士の方だって、だって、雇っているんでしょう、雇用しているわけでしょう。それなら、いつまでにと言えるじゃないですか。足りなかったら、人数を増やしてでもやるべきじゃないんですか。しかも、これは恥ずかしくありませんか。出してきたのに、更に向こうから出されちゃったんです。総務省は恥をかかされたんですよ、これ。こんなことを許していいんですか。
  59. 原邦彰

    ○原政府参考人 お答えいたします。  協力をお願いしているのは弁護士の方でございます。それで、もちろん、弁護士の方、一人ではなくて複数にお願いしておりまして、ただ、そうはいっても、弁護士の方も、それぞれ、専業にこの調査を行っているわけじゃありませんので、仕事の合間、スケジュールを縫いながらやっていただいております。  そうした中で、最大限、大臣の御指示も伝えて、国会会期内、できるだけ早くということで今進めているということでございます。
  60. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 本業の方が大事だからこっちは後でいいよ、こうおっしゃっているんですか。これは大事な話ですよ。僕らは国政調査権に基づいてこうやって聞いているわけだから。皆さんそうやって調査しているわけですよね。だから、ちゃんと最優先でやってくれと言うべきじゃないんですか。少なくとも、例えば五月中、審議できるように、間に合わないんだったら中間報告でもいいじゃないですか。出せばいいんですよ。  とにかく一番我々が疑念を持つのは、会期末ぎりぎりに出して、審議はできませんといって、そのままうやむやにしようとなさっているんじゃないか、そこが一番懸念しているところなんですよ。それを払拭していただくようなお答えを、弁護士が忙しいからできませんというのは、何かちょっと、勘違い、ふざけていませんか、この答え方は。
  61. 原邦彰

    ○原政府参考人 お答えいたします。  常に第三者のチェックということでそういうふうに申し上げたわけで、別に、こちらの調査より本業が優先とか、そういうつもりで御答弁申し上げてはございません。  いずれにしても、今日、こういう強い御指摘もいただいたことも含めて持ち帰って、国会会期内、できるだけ早くということで、しっかり取り組んでまいりたいと存じます。
  62. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 ほかの質問もあるのであれですけれども、約束してくださいよ、必ずこれを審議していただくということを。岡島筆頭も与党筆頭も、とにかく、これは一度集中的にやって、けじめをつけましょうよ。これは、つけないと、ずるずるずるずるいきますから。総務省の人事もあるわけでしょう。きちんとけじめをつけるのが私は大臣の仕事だと思いますよ。大臣、どうですか。
  63. 武田良太

    武田国務大臣 先ほどから御答弁申し上げますとおり、一日でも早くこれを出していただくようにお願いしております。
  64. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 それで、この見た中で、名前が出てきていない、まあこれは名前が伏せてあるんですが、見ていくと分かるんですけれども、私が数えた限り、総務省の調査で公表されていないので一番多く新たに分かったのが、井幡当時の衛星・地上放送課長が六回ここに出てきているんですね。六回漏れているんですよ。その次は官房審議官の方なんですけれどもね。  この井幡さんというのは、御承知のように、外資規制問題のキーパーソンと言われています。  これによれば、八月十五日付の社内資料では、BS4Kの認定を東北新社の一〇〇%子会社へ承継することについて、要するにこれは、東北新社メディアサービスを設立して、そこに承継させることで違法性を払拭するということなんですが、承継することについて、情流局総務課長に、これは鈴木電波部長ですね、確認済みであり、今後は情流局総務課長及び井幡衛星・地上放送課長との間で進めることも確認済みであるということが記載されている、こう言っています。  それから、八月十八日に井幡課長との打合せがどうもあったような書き方になっていて、4Kの承継を速やかにやってほしいと言われたというふうに書かれています。  今日、井幡さんを呼んでいますが、一番これは、野球のチケットの話もあるのでお呼びしていますが、これは来ていただけていないんでしょうか。理由は。
  65. 石田祝稔

    石田委員長 では、ちょっと委員長からお答えします。  理事会の協議の結果、今日はお呼びしない、そういうことになりました。
  66. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 まあ課長級だからということかもしれませんが、ここでこうやってやっても調査中としか答えが返ってこないので、やはり、弁明があるんだったら御本人から聞くのが一番早いと思ってお呼びしたんですけれども。  次回の審議に向けて取扱いを御協議いただきたいと思います。
  67. 石田祝稔

    石田委員長 これは理事会で協議をいたしております。
  68. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 それから、集中審議を求めておきたいと思います。この問題について、行政がゆがめられたか否か、それから倫理規程の問題等についての総務委員会での集中審議をここで求めておきたいと思います。
  69. 石田祝稔

    石田委員長 理事会で協議いたします。
  70. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 それを受けて、この中で、結論として、東北新社は、少なくとも、八月九日三上メール送信時までに、木田前執行役員において、情流局総務課長に対して、外資規制への抵触の可能性について何らかの報告を行ったこと、これは例の記憶にございませんと言っている部分ですけれども、行いましたと。それから、八月十八日に、木田前執行役及び三上前取締役において、S4氏、井幡課長に対して、外資規制への抵触を前提とした承継について何らかの報告、相談を行ったと認定することが合理的であるといって、事実関係をこれは認めているんですよね。  その上で、井幡課長への報告、相談時においては、BSザ・シネマ4Kの認定についても速やかに承継してほしいと連絡を受けたというふうに書いています。  これは、当初の予定だと、東北新社自体が、持ち株会社的に認定の子会社をぶら下げるようなスキームを考えていたんだけれども、この問題が発覚して、要するに、東北新社自体が外資規制に違反しているということに気がついたので、子会社をつくって、そこに東北新社が持っていたザ・シネマの認定を承継させよう、こういうスキームに変えたということなんですよね。それについて、これを見る限り、総務省の示唆があったとも取れるんですよ。取れるんです。  これは、事実関係は。もう一度。
  71. 原邦彰

    ○原政府参考人 今御指摘いただいた事案、東北新社の報告に書いておりますので承知しております。それも含めまして、今、第三者の検証委員会の方で、東北新社側のこの報告書ももちろん読み込んでおられますし、それから、総務省側のいろんな書類、それからヒアリング等々、今いろいろ精査をして、これは本当に精力的に今やっていただいております。国会会期中、できるだけ早くという大臣の思いもお伝えしておりまして、現在、その点についてもしっかりと今精査をして、御報告いただけるように検証していただいている、こういう状況でございます。
  72. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 さらに、井幡課長は、これを見ると、八月二十八日に会食をしているということになっていまして、そこの部分についても、報告書では、当該会食において、認定の承継に関する話題が一切なかったとは考え難いとまで言っているわけですよ。  さらに、三上前取締役は、九月二十七日、これは実は上司の官房審議官との会食の日でもあるんですが、木田前執行役員に対して、S4氏、井幡課長に謝意を伝える機会を相談するメールを送信している。ここも事実認定があって、何の謝意なんでしょうかと。これは、承継が正式に認定されるのが十月の十四日、まさにこの申請の途中かな、手続の最中にこういうことを言っているわけですよ。さらに、東京ドームのチケットを渡したとまで書かれているわけですよね。  これは、この流れで見ていくと、承継について、総務省側が指示をしたのか、あるいは相談を受けて認めたのかということがあって、それを円滑に手続を進めたと。八月の十六日に今のスキームが決まって、僅か二か月で承継が決まっているわけですから、そこを円滑にやった、あるいはアイデアを出したということに対してお礼をしたいんだと言っているふうにも取れますし、更に言えば、邪推をすればですけれども、チケットもお礼の一環として渡しているんじゃないかというふうにも取れるわけですよね。そうした場合は、倫理規程違反どころか、行政がゆがんでいる、贈収賄だって可能性はあるわけですよ。これはひどい話なんですよね。  だから来ていただこうと思ったんですが、ここにおいでにならないということで、省として、これはどう対応されるんですかね。世の中的に見て、こういう疑念を招くわけですから、きちんと説明を果たしていただいて、できるだけ早く説明を果たしていただいて、もし東北新社が虚偽を言っているんだったら、これは抗議しなきゃいけない話じゃないですか。  先ほど、東北新社が言ってこなかったから自分たちは分からなかったんだと言っていますが、そういう問題ではなくて、総務省の中の自浄作用の問題でありますし、もしおかしなことを向こうが言っているんだったら、きちんと反論しなきゃいけないし、もし事実だとすれば、自浄作用としてきちんと対処しなきゃいけない、それもできるだけ速やかに。もう随分たっていますよね。この世界、予算委員会が終わると大体延び延びになる傾向があって、もはや五月末ということなんですよ。  だから、是非この国会中にきちんと真相を明らかにしていただきたいと思いますが、大臣、もう一回聞きますけれども、行政がゆがんでいるって、すごい疑わしくありませんか。この話を聞いてどう思われますか。事実だとすれば、行政がゆがんでいるというようなこともにおわせているわけですよ、これは。こんなことを言われていて、総務大臣としてきちんと反論しなきゃいけないと思いませんか。だからこそ、ちゃんとオープンにしてやっていくべきだということなんですが、いかがですか。
  73. 武田良太

    武田国務大臣 事実関係が明らかになっていない点についてのコメントは差し控えさせていただきたいと思います。
  74. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 じゃ、もう一回聞きますが、行政がゆがめられていないと断言、予算委員会のときもやっていましたけれども、断言できますよね。
  75. 武田良太

    武田国務大臣 過去において、国会答弁、何度もしましたけれども、その時点その時点の調査に基づいて私はコメントをしてまいりました。  今、最終的な調査結果というのが出ていない段階で、明確なるコメントは差し控えさせていただきたいと思います。
  76. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 いや、だから、これだけ時間がたっているにもかかわらず、次から次と相手方から新しい事実を出されて、自分たちで把握できていないということも、大臣として私は問題があると思うし、分からないから行政にゆがみがないと断言できないんだったら、徹底的に調査すべきじゃありませんか。今、だって、自信を持って言えないからそう言っているわけでしょう。  それで、三つの調査があります。一つは、さっき言った会食の関係を悉皆で調べるという調査、それから、行政がゆがんでいるかどうかの調査、それからもう一つ、忘れかけているんですが、外資規制について、外資の持ち株比率がどのぐらいかというのを、たしか連休明けまでに、連休明けだったかな、全放送局から聴取しているはずなんですよ。  そのときに、いつ出すんですかと聞いたら、いや、これはまとめるのが大変だから出せませんという話だったんですが、もうまとまっているんですかね。もう一か月ぐらいたっていますよね。
  77. 吉田博史

    吉田政府参考人 お答えいたします。  外資規制に関する遵守状況調査につきましては、全基幹放送事業者あるいは認定放送持ち株会社、合計五百八十社から調査を行いまして、四月三十日に締切りを行っております。  この五百八十社につきまして、回答内容を現在入念に精査しているところでありまして、正確に、かつ、こちらもできる限り速やかに結果を取りまとめたいと思っております。
  78. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 度重ねて言いますが、では、これをきちんと出していただいて、その三つに基づいて集中審議をやらせていただきたいと思います。重ねて求めておきます。  大臣も、答弁、ある意味うまいんですけれども、決して答えないんだけれども、そこは尊敬しますが……(発言する者あり)いやいや、ここまで頑張るのは、ちょっと並大抵の心臓ではできませんから。尊敬というのは取り消しますけれども、是非、約束を国民にしていただきたい。真相を俺が明らかにするんだと言ってください。
  79. 武田良太

    武田国務大臣 徹底的に調査をさせていただきたいと思います。
  80. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 私はこれは非常に不満で、やはり総務省自らが襟を正してやっていかないと、後から後から相手に指摘されていくようじゃ、決して信頼回復できないと思います。そこを申し上げて、NHKの方に移っていきますが、NHKさん、決算なんですが、人事の話ですね。  板野専務理事の五期目選任の話ですが、週刊現代ですかね、これは事前にお渡ししているのかな、その中で、こういう記述があります。前田会長としては、NHKに対する菅総理の影響力をそぎたい、それで、菅総理側近の杉田和博官房副長官と親しい板野氏を退任させ、ある方を新任理事とする案を経営委員会に提出した、ところが、これが経営委員会から差し戻されるということが起きたと書いてあるんですが、これは事実でしょうか。
  81. 前田晃伸

    前田参考人 お答え申し上げます。  そのような事実はございません。
  82. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 今年は人事が遅れた、経営委員会、一回遅れたような話もあったんですが、これは、四月二十日の経営委員会で、議事録だけ見ると、会長から話があって一発で決まっているように見えるんですが、事前には一切話はなかったんですか。というのは、議事録が全然整備されていなくて、そもそもNHKの議事録というのは全部書くことになっていませんから、議論が行われたかどうかも分からないんですが、これ以前には一切人事の話はしていないということでいいんですね。
  83. 森下俊三

    ○森下参考人 お答えいたします。  週刊誌報道一つ一つにコメントすることは控えさせていただきますが、経営委員会から突き返したという事実は全くございません。  それから、議事録は四月六日も二十日もきちんと書いてありまして、四月二十日の日に初めて議題として提案されました。これについては議事録はきちんと書いてありますので、それを御覧になっていただければ結構だと思います。
  84. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 要は、議題としてきちんと提案されたのもそうなんですが、じゃ、議題としてきちんと提案されていない、多分のみの会とかですね、そういったものについて事前に一切話がなかった、あるいは森下経営委員長として事前に一切知らなかったということでよろしいんですか。
  85. 森下俊三

    ○森下参考人 そういうことは一切ございません。
  86. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 ございませんと言いますけれども、のみの会とかあるから、分からないんですよ。  僕は思うんだけれども、政権の圧力とよく言われるんですけれども、きちんとはね返すためにはガラス張りの議事録をやるのがいいと思うんですよ。そうすれば国民も納得するし、受信料をみんな払っているわけですよ。受信料をいただいているNHKが、意思決定事項が極めて不透明、これから言いますけれども。これじゃもたないですよ。今だって信用できないわけですよ。  森下会長は、菅総理とは面識はあられるんですよね、大分前から。
  87. 森下俊三

    ○森下参考人 お答えいたします。  のみの会の件につきましても、基本的には議事録に書いてございますので、先ほど、のみの会のことは分からないとおっしゃいましたが、議事録を見ていただければどういう議題があったかというのは全て分かると思いますので、その点、御理解いただきたいというふうに思います。  菅総理については、別に私は親しいという立場ではございません。(奥野(総)委員「面識はありますか、面識があるかないか」と呼ぶ)
  88. 石田祝稔

    石田委員長 奥野君、指名されてから質問してください。
  89. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 いや、親しいかどうかはともかく、面識はありますか。菅総理とはいつ頃から面識ありますか。
  90. 森下俊三

    ○森下参考人 お答えいたします。  私が関経連の副会長のときに御挨拶したことはございます。そういった意味では面識はあります。
  91. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 のみの会の話も、そうおっしゃるけれども、のみの会は基本的に、跡づけで議事録も残さないし、この前まで、そういう会があることすら分からなかったんじゃないですか。この前、議事録が漏れ出たから、しようがなくそういう会があると認めたわけでしょう。  そもそも、のみの会の存在自体が僕は間違っていると思っていて、経営委員会である以上、非公開のものなんかあっちゃいけないんですよ。全部議事録に残して、明らかにしていく。不都合なところは黒塗りで出せばいいんじゃないですか。今どきNHKの議事録ほど開示が遅れているものは、中央省庁だってもうちょっとちゃんとしていますよ。
  92. 森下俊三

    ○森下参考人 お答えいたします。  のみの会についても、全て議題等、議事録は出ておりますので、議事録以外のものがあるということはないということで、よく見ていただければいいと思います。
  93. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 受信料のときなんかに、よく集中討議と出てくるんですよ。何の集中討議かも分からないし、何について集中しているのかも分からないし、そういうのがいっぱいあるんですよね。経営委員長の責任で透明化を進めると約束していただけませんか。関経連の会長までやられた方が、今どきそんな、昭和じゃないんだから。しかも、NHKですよ。私企業ならまだ分かる。だけれども、受信料をいただいているNHKの意思決定が見えないというのはあり得ないんですよ。
  94. 森下俊三

    ○森下参考人 お答えいたします。  集中討議と申しますのは、これまでもお答えいたしておりますが、いろいろ中期経営計画等で検討する際に、各項目、テーマごとに詳細な説明を受けた上で、経営委員が理解を深めるために情報共有や課題を整理する、そういう勉強会みたいなものでございます。  ただし、そこで意思決定する、決めるべきことは、その集中討議をベースにして委員会で審議して、それはきちんと議事録に載っております。ですから、のみの会であろうが全体会議であろうが全て議事録には書いてございます。そういった意味で透明性を確保しているつもりでございます。
  95. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 もう時間がないんだけれども、集中討議というのは、ただ一行、集中討議と書いてあるだけであって、どういう過程で、皆さんが何を考えているか、さっぱり分からないんですよ。そんないいかげんな議事録はないんですよね。  ちょっと時間もあれなんですけれども、それで、会長にも伺いたいんですが、会長は、五十代幹部を八名も子会社に出向させたということで、若返りを図っておられますが、なぜ板野さんを、一回外れて、あれは籾井さんのときに一回外れたんですよね、また戻して、異例の四期目ということなんですが、余人をもって代え難いということなんですかね。年齢も高いですよね、副会長よりたしか高いし。そこまで重宝して置いておきたいという理由は何なんでしょうか。
  96. 前田晃伸

    前田参考人 お答え申し上げます。  板野専務につきましては、昨年から、一連の改革の中心的な役割を果たしてもらいました。まだ改革の途中でございますので、仕上げの段階まで働いてもらう必要があると考え、もう一期お願いすることにしました。  役員の年齢構成で申し上げますと、私が七十六歳でございまして、御指摘のように、副会長以下、ほぼ六十前後でございます。その真ん中、今回、二名の専務が退任しまして全くいなくなりまして、しょっている役割と、また、彼の場合は、子会社に行ってまた戻ったり、いろいろなところをキャリアパスしていますので、全体を改革する中で彼の役割は十分果たしていただけると思いまして、私は再任をお願いしました。
  97. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 板野さんといえば、例の、私もこのとき、決算にひっかけて言えば籾井時代に、最初、籾井さんが専務理事に昇格させて、放送局長をやっていたんですね。そのときにいろいろなことを言っているわけですよ。NHK職員といえどもサラリーマン、忖度をするんだ、そういうことを言っているんですね。忖度をNHKの職員もやるというようなことを放送局長の身でおっしゃったりしていますし、国谷キャスターを外したのは板野さんだというふうにも言われていますよね。  割と政権寄りと見られている人、こういう人を置いておくというのは、私はNHKにとってプラスにならないんじゃないかというふうに思いますし、森下会長も、週刊誌の記事とおっしゃいますが、火のないところに煙は立たずでして、官邸は森下経営委員長を介して板野再任の根回しを進めていたと見られるということなんですね。先ほど、菅総理とは面識があるとおっしゃっていましたから、そういうことも言われるわけですよ。  なぜ言われるかというと、選任の経緯が不透明、議事録にもちゃんと残っていない。残していると言うけれども、何も書いていませんからね。  森下経営委員長、こういうことは全く事実無根だ、自分は一切そういうことはしていないと。これは後からまた出てくるかもしれませんよ。前も出てきましたからね、のみの会とか。  議事録が残っていたら、後から出てきたら責任問題になりますが、もしそういうのが出てきたら経営委員長辞任すると約束ください。
  98. 森下俊三

    ○森下参考人 お答えいたします。  週刊誌の報道について一つ一つコメントするのは控えますが、先ほどお話ししましたように、事前に経営委員会でそれを拒否したという事実だとか、それから、そこに書かれている件というのは、全くございません。  元々、人事については経営委員会は関与いたしませんので、会長から出されました人事案に対して、それを議決するということでございますので、全くこの記事は事実とは違うと思います。  以上です。
  99. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 ですから、全く聞いていない、のみの会も含めて全くそういう事実はない、事前に人事も聞いていないし、自分がそれに否定的な意見を言ったこともないということをお認めいただいた上で、もしそういうことが出てきたら、経営委員長の任にあらずということで潔く辞めるということをお約束いただけますかということです。
  100. 森下俊三

    ○森下参考人 全くそういう事実はございません。(奥野(総)委員「辞めるかどうか」と呼ぶ)  それは必要ないと思います。むしろ、そういう間違った記事の方が問題だと思います。議事録は、何度も言っていますが、のみの会であろうが全体の会議であろうが、全て議事録に書いてございますので、そのほかに別にやっているという事実はございません。
  101. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 いや、だから、記事を認めないから辞任だと言っているわけじゃないわけですよ。国会での答弁で、ないと言ったんだから、それに反することが出てきたら、経営委員長として責任を取って辞めるべきじゃないですかと。ないんだったら、自信を持って、そうだと言えばいいじゃないですか。安倍総理だって、辞めると言ったじゃないですか。
  102. 森下俊三

    ○森下参考人 そういう事実はございません。
  103. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 じゃ、辞めるかどうかはともかく、責任は取るという言い方でいいですよ。何らかの形で責任は取りますね、そこですよ。どうぞ。  答えてください。だから、もし出てきたら責任は取りますね。じゃ、辞めるというのはちょっと過激かもしれない、責任は取ります、責任は認めますね。
  104. 森下俊三

    ○森下参考人 そういう事実は一切ございません。
  105. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 最後ですけれども、最後、例の、会長がお約束いただいた情報開示の問題、情報公開審査会の問題もありますよ。この間、会長が私に対して答弁いただいた経営委員会の議事録の開示、これについてまだ答えがありません。審査会の開示の勧告があるにもかかわらず出ていないんですが、これはなぜ開示されないのか、そして、いつ開示になるんでしょうか。  これはお二方に伺いたいと思いますし、こういうこと……
  106. 石田祝稔

    石田委員長 奥野君、申合せの時間は過ぎています。
  107. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 最後です。  答えていただきたいということと、それから、そういうことがあるから、こっちは聞きたくなるんですよ。責任は感じない、責任を取らないということは、それは何かやましいところがあるんじゃないですかと思うわけです。議事録にきちんと書いてあれば、そういうことも、痛い腹も探られなくて済むわけですよね、放送法違反だと。だから、きちんとまず議事録を開示していただきたい。  最後の質問は、この間、私がお願いしている議事録の開示ですね。例のかんぽの問題についての議事録開示について今どうなっているか、いつ開示するのか、最後に伺いたい。  会長と二人ですよ。共同責任です。
  108. 森下俊三

    ○森下参考人 お答えいたします。  その前に、ないものは議事録には出てこないと思いますね。なかった場合は議事録には出てこない。あった場合しか議事録に出てこないということで、御理解いただきたいと思います。  それから、先ほどの情報公開・情報審議委員会の答申の件ですが、これは二月四日に答申が出されまして、二月九日の経営委員会で情報共有、二十四日以降、検討を始めてきたんですが、三月一日に新しい委員が入りましたので、それからまたしっかりとやっております。  特に、二回目の答申だということで、私どもは、慎重に、徹底的に、幅広く検討をしてまいりました。三月、四月、五月と大分内容は整理できてきておりまして、まとめの段階に入っているんですが、ちょっとコロナの感染拡大で、この五月は二回ともリモートになりまして、全国六か所と東京をつないでやっています。  どうしても、情報管理の観点から資料の閲覧が十分できないということで、委員の皆さんからも是非集合でやりたいという意見をいただいているんですが、何しろこういう状況ですので、集合ではできないということで、整理をしてきております。  いずれにしましても、この三か月間で、三月以降、徹底的な議論で大分整理をしてきておりますので、今、まとめの段階に入ってきておるんですが、そういった意味で、ちょっとコロナの状況も含めまして、今、スケジュールを調整している段階でございます。  以上です。
  109. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 同僚に御迷惑をかけまして、最後、もうこれで終わりたいと思いますが、あるものをないことにするのはできるわけです。今の議事録もそうなんですよね。だから、本当にないんだったら、責任を取ると言ったって怖くないはずじゃないですか。極めて怪しいですね、森下委員長。  以上です。
  110. 石田祝稔

    石田委員長 次に、川内博史君。
  111. 川内博史

    川内委員 川内でございます。  委員長理事の先生方の御許可をいただいて発言の機会をいただきますことに心から感謝を申し上げます。武田大臣以下政府の皆様、そしてまたNHKの皆様、よろしくお願いを申し上げます。  まず、NHK決算というか、NHKの様々なことについて教えていただきたいと思っておるんですけれども、東京オリンピック・パラリンピックの放映権料について教えていただきたいというふうに思います。
  112. 正籬聡

    ○正籬参考人 お答えいたします。  オリンピックの契約ですけれども、NHKと民放連、日本民間放送連盟でつくるJC、ジャパン・コンソーシアムとして契約しております。  二〇一四年、平成二十六年六月に、二〇一八年冬の平昌オリンピック、二〇二〇年に予定されていました夏の東京オリンピック、さらに二〇二二年冬の北京オリンピックと二〇二四年夏のパラリンピックの合わせて四大会の放送権をIOC、国際オリンピック委員会から取得いたしました。  放送権料ですが、平昌と東京大会で六百六十億円、北京とパリ大会で四百四十億円でございます。
  113. 川内博史

    川内委員 切り分けられていないということなのかなというふうに思うんですが。  もし、そんなことは政府的にはないとおっしゃるんでしょうけれども、世の中何が起きるか分かりませんので、東京オリンピック・パラリンピックが中止になった場合は、この放映権料というのはどうなるのかということを教えていただきたいと思います、契約上ですね。
  114. 正籬聡

    ○正籬参考人 お答えいたします。  東京オリンピックの放送権につきましては、IOC、国際オリンピック委員会と、NHK及び民放連でつくっていますJC、ジャパン・コンソーシアムとの間で契約を締結していまして、その中には不測の事態に備えた条項が盛り込まれております。  契約には秘密保持条項があるために、詳細は申し上げられないんですけれども、仮に大会が中止等不測の事態になった場合は、契約に基づいてIOCと交渉を行うことになります。  いずれにせよ、どのような状況になっても受信料が無駄にならないような内容になっているというふうに承知しておりまして、適切に対応してまいりたいと考えております。
  115. 川内博史

    川内委員 聞いて安心いたしました。不測の事態が起きた場合には、IOCとちゃんと交渉するよと。  私も、受信料を払っている者の一人として、自分が払っている受信料が無駄になるようなことがあっては、特に最近は、IOCのバッハさんとかコーツさんとか、何かちょっと、あなた何者というぐらい上から目線でいろいろなことをおっしゃっていらっしゃるので、そんな人たちに中止になったときにただ金だけ取られるんじゃ、私もちょっと片腹痛いところがありますので、今、しっかりと受信料が無駄にならないように交渉してまいりますということだったので、ちょっと安心をいたしましたけれども。  前田会長はよろしいですかね。ちょっと、ちゃんとやると言ってください。
  116. 前田晃伸

    前田参考人 お答え申し上げます。  今副会長が申し上げたとおり、受信料が無駄にならないような形で契約がございますので、しっかりと交渉していきたいと思います。
  117. 川内博史

    川内委員 それから、NHK受信料というのは、会社の経営的にも、事業会社的には結構、旅館、ホテルなんかの場合には、毎月、ばかにならない負担になるんですよね。  NHKさんも気を遣っていただいて、持続化給付金を給付されたお会社については二か月間受信料を免除するよという施策を講じていただいておったわけですけれども、これは一回こっきりで、これは去年の話ですね。  今年に入って、もう緊急事態宣言がずっと続いていて、そしてまた、人流を抑制するということで、地方の旅館、ホテルなどは甚大な被害を受けておるというところでございまして、この受信料の免除についても更なる施策を講じていただかなければならないのではないか。緊急事態宣言が続く中で、対応策についてどのようなことをお考えかということを教えていただきたいと思います。     〔委員長退席、國重委員長代理着席〕
  118. 前田晃伸

    前田参考人 お答え申し上げます。  今回の持続化給付金の給付決定を受けた事業者に対する免除につきましては、災害免除と同様の緊急の対応でございまして、免除基準に定める災害免除の期間が二か月でありましたので、その期間に準じて実施をいたしました。  また、事業者の方から一か月以上休業するというようなお申出があった場合には、休業の事実を確認した上で、免除ではなく、受信契約を解約していただいて、営業を再開したときに改めて御契約いただく、そういう対応をさせていただいております。  今後も、新型コロナウイルス感染症の社会経済に与える影響とか公的支援策などの動向を注視しながら、適切に対応させていただきたいと思います。
  119. 川内博史

    川内委員 皆様のNHKでございますし、豊かでよい番組を提供するために受信料を様々なところでお取りになっていらっしゃるわけでしょうから、適切な対応というものを今後もお願いをしておきたいというふうに思います。  次に、私は、自民党の馳浩先生と共々に、障害のガイの字ですね、「害」の字は非常に、害虫とか害悪とか害毒とか、「害」の字にいい意味がないので、これはそもそも使うべき漢字ではないのではないかと、障害とか障害者という場合にですね。特にパラリンピック等で、障害がある方、あるいは障害者スポーツ、パラスポーツに注目が集まる年でもございますし、NHKさんが使われる文字、漢字というのは非常に重要なものがあります。  今年の三月二十二日に、障害者政策委員会というところで、全国に数百万人の会員がいらっしゃる障害者団体の理事長さんが、このように発言をしていらっしゃいます。  文字を変えたことの影響はすぐにどうのこうのはないが、時間の経過の中でじわじわ浸透するものです、以上のことから、私自身は、命ある、尊厳のある人を表すことに、「害」は不快を覚えるのも、当事者や家族がいるのも事実、人を指し示す言葉である、「害」は使わない方がいい、そのためには、法律用語の見直しが必要ではないかというのが私の考えですというふうに、障害者団体のトップの方が、政府の正式な障害者政策委員会で今年三月二十二日に御発言をされていらっしゃいます。  今日は、内閣府の障害者施策担当にも来ていただいております。  この御発言は、そのとおりでよろしいですね。     〔國重委員長代理退席、委員長着席〕
  120. 難波健太

    難波政府参考人 お答えします。  委員お尋ねのとおりでございますが、本年三月二十二日に開催されました障害者政策委員会において、委員が先ほど指摘されたような御発言が障害者団体の家族団体の理事長をされている委員の方からあったというふうに承知をしております。
  121. 川内博史

    川内委員 NHKさんにお尋ねしますが、本年三月二十二日の障害者政策委員会でこのような御発言があったということについて、NHKとして認識をしていらっしゃったかどうか、そしてまた、それに対してどう考えるかということを教えていただきたいというふうに思います。
  122. 正籬聡

    ○正籬参考人 お答えいたします。  今御指摘がありました発言、今年三月二十二日に開かれた内閣府障害政策委員会で全国精神保健福祉会連合会の理事長の発言として理解しております。発言内容については承知しております。  その上で、我々の対応ですけれども、障害の表記について様々な意見があることを踏まえまして、二〇一九年に、放送の言葉の基本方針などを議論します放送用語委員会というのがありますけれども、複数回にわたって検討してまいりました。  放送用語委員会で検討するに当たって、NHKでは、二〇一九年に、「障碍」の使用を国に要望している団体などへの聞き取りをしました。  さらに、十月に、全国の二十歳以上の四千人を対象に世論調査を行いました。この世論調査では、「障害」、「障がい」、「障碍」のそれぞれについて、見たことがあるかを質問しました。その結果、最も多いのが「障害」で九七%、次いで「障がい」が八〇%、「障碍」が一八%の順になりました。  また、同じ二〇一九年十月から十一月にかけまして、合わせて十三の障害者団体を対象に郵送によるアンケート調査を実施いたしました。この十三の団体ですけれども、内閣府の障害者政策委員会並びに厚生労働省社会保障審議会障害者部会のいずれかに委員を出しています団体であります。十三団体にどの表記を使うのがよいと考えているのかと質問したところ、「障害」との回答が五団体、次いで「障がい」が一団体、「障碍」はゼロでした。決めていないが七団体でした。  世論調査や団体へのアンケート調査の結果について、言語学、教育学、国字研究の専門家など七人で構成する放送用語委員会に報告した上で、障害の表記についての検討をお願いいたしました。委員会が取りまとめた意見は、原則は「障害」とする、必要に応じて「障がい」を使うこともできる、固有名については「障がい」と「障碍」を使うこともできる、障害の表記については、今後も実情に応じて不断の見直しを行うというものです。NHKとしても、その基本方針も委員会に沿ったものにしております。  それから、先ほど委員から御指摘ありましたパラリンピックの対応ですけれども、東京パラリンピックの放送スケジュールについては、現在、最終的に検討している最中でして、まだ内容の詳細を申し上げる段階ではありませんが、表記をどのようにするかについては、パラリンピックの組織委員会が「障がい」と表記していることを踏まえて対応していく考えでございます。
  123. 川内博史

    川内委員 パラリンピックの組織委員会が「害」を使わずに「がい」にしていることを踏まえて今後対応するということでございますので、それはそれでいい。  ただし、今の御答弁の、長々と御説明いただいた認識に大変重大な間違いがありますからね、申し上げておきますけれども。「害」と「碍」、昔は両方使っていたんです。法律用語としては、人体に使う場合は「碍」が最も日本の法令の中では最初に出てきています、明治時代。いいですか。  じゃ、なぜ「害」だけになったのか。それは、「碍」を使っていないから、みんな知らないのは当然なんです。なぜ「害」になったのかというのは、文化庁が一九五六年に書換え指導をしました。「碍」は使わないでね、「害」にしましょうねと「害」に統一したんですよ。  そのときの理由は、言語学とか関係ないです。当用漢字表に「害」しかないからというのが、文化庁が書換え指導したことの理由です。文化庁、そうですね。
  124. 出倉功一

    ○出倉政府参考人 お答えいたします。  先生が今おっしゃられました、障害のガイの字に「害」が使用されているのは、漢字の使用頻度などを基に、当時の国語審議会で慎重に審議を重ねて決定されました昭和二十一年の当用漢字表、それから昭和五十六年以降に用いられております常用漢字表に「害」が採用されているということのためでございます。
  125. 川内博史

    川内委員 NHKさん、いいですか。当用漢字表に「害」しかないから、「害」で統一しましょうということになったという、それだけの理由なんです。それで、「害」をずっと使わされてきたから、みんなそれに慣れている。しかし、「害」にいい意味は一つもないです。それはみんな分かっていますよ、そうだねと。  当時、優生保護法という法律がありました。障害者は子供を産んじゃいけませんと。これも全会一致で成立しているんですよ。全会一致で成立して、そういう時代の空気の中で「害」が採用されて、統一されてきた。  改めて、今、障害者の方々の中で「害」は嫌だという意見がある。それを受けて、日本障がい者スポーツ協会は、せめて「害」は使わないようにしようねということで平仮名に開いた。そして、パラリンピックの組織委員会は、障害の害を平仮名に開いた。  これが歴史的な流れなので、そこを踏まえて対応するということにしていただきたい。余り演説してもしようがない、あと十分しかありませんから、この辺にしておきたいというふうに思いますが。  六月にオリパラに向けて計画を発表される。そこで、このガイについてNHKの見解が表明されるということでよろしいですね。ちょっと、余り時間がないので、短くお願いします。
  126. 正籬聡

    ○正籬参考人 先ほどと一部重なりますけれども、パラリンピックの組織委員会が「がい」という字を使うことにしておると聞いております。それを踏まえて対応していきたいと考えております。
  127. 川内博史

    川内委員 前田会長も、よろしくお願いを申し上げます。NHKなんで。  それでは、東北新社の件について若干触れさせていただきたいと思います。  私、外資規制違反をなぜ総務省さんが見過ごしたのかということに非常に疑問を持ちまして、いろいろ見てみたんですけれども、平成二十八年十月十七日に東北新社さんから衛星放送業務についての申請が行われた、このときは全く気づいていませんでした、こうさらっと報告書に書いてあります。そもそも、なぜ法令違反の申請を総務省が受け付けたのかという総務省側の問題というのもあるのではないかというふうに思うんですね。  総務大臣は、武田大臣は、受け付ける体制に問題があったというふうに予算委員会で御答弁されていらっしゃるんですけれども、体制というより、審査が十分ではなかったということよりも、法律事項である外資規制に適合しているか否かを判定するための省令あるいはその下にある認定申請マニュアルという、ちゃんと外資規制をクリアしているよということを証する書類を作らせる仕組みに、そもそも省令や認定申請マニュアルが作られていなかった、規定されていなかった、不備があったということではないかというふうに思いますが、よろしいですか。
  128. 吉田博史

    吉田政府参考人 お答えいたします。  二〇一七年一月の株式会社東北新社のザ・シネマ4Kの業務に係る認定のときにおきまして、外資規制についても審査を行っております。その際に、実際には、この申請書におきます欠格事由の有無について申請者側から申告が行われ、総務省において、申告が行われたチェック欄を確認するということにより外資規制を満たしていると判断したものでございます。  本件は、委員指摘のとおり、総務省側の審査も十分ではなかったと考えております。元々は、株式会社東北新社も認めているとおり、同社の申請時におけるミスがあって、それが原因ではありますけれども、総務省側の審査も十分ではなかったということで、こうした事態が生じたことは重く受け止めております。  こうした事態を二度と起こさないようにしなければならないと考えておりまして、認定の申請時及び認定後、定期的に、外資比率の数値やその裏づけとなる資料、そういう手続面も含めまして、求めることができるようにするなど、そういう手続面も含めた広い意味での総務省における審査体制の強化ということを検討してまいりたいと考えております。
  129. 川内博史

    川内委員 審査が十分ではなかったと今おっしゃったんですけれども、その後、書類を整えるとおっしゃったわけで、省令や認定申請マニュアルにそもそも不備があった、省令や認定申請マニュアルで、外資規制をきちんと数字で判断する書類の徴求を求めていなかった、そこに不備があったんですねということを確認しているんですから、それをもう早く認めなさいよ。時間がないんだから。
  130. 吉田博史

    吉田政府参考人 お答えいたします。  申請書の様式におきましては、放送法第九十三条第一項第七号の欠格事由の有無について申請者において記載することとなってございますけれども、省令とか申請マニュアルの改正につきましても御指摘をいただきましたが、そのような点も含め、審査をきちんとする体制の強化について検討してまいりたいと存じます。
  131. 川内博史

    川内委員 じゃ、省令や認定申請マニュアルに、外資規制に適合しているかどうか、議決権割合を記載するという項目がありましたか。
  132. 吉田博史

    吉田政府参考人 お答えいたします。  現在の外資比率についての具体的な数値を記載する項目は、現時点ではございません。
  133. 川内博史

    川内委員 だから、そういうところを改めていかなきゃいけませんね、そもそも総務省側にも不備がありましたねということなんですね。何でここにこだわったかというと、委員長、この次につながるわけです。  そこで、さっき、うちの奥野さんからも出ましたけれども、外資規制に違反しているということは、実は総務省側から東北新社側に示唆をしたのではないか。だって、東北新社側は、申請マニュアルに基づいて、これでよかれと思って、大丈夫ですといって書類を提出して、何にも気づいていないわけですから。疑問にも何にも思っていない。総務省側が作った申請マニュアルに基づいて申請して、これでいいですね、はい、オーケーということで認可をもらっているわけですね。気づきようがないんですよ。  外資規制違反に、ちょっとまずいね、違反していますねということを総務省側が示唆したのではないかということについて、いかがですか。
  134. 原邦彰

    ○原政府参考人 お答えいたします。  東北新社の外資規制違反の問題について、総務省に設置しました情報通信行政検証委員会において、総務省それから東北新社の両者の関係者から、資料、データの収集、確認、ヒアリング等の取組が精力的に行われ、現在検証が進められております。総務省としては、客観的かつ公正に検証が進むよう、委員会の求めに応じ、万全の協力をしていきたいと考えております。  今御指摘のありました点、先日公表されました東北新社側の報告書では、同社の社員が外資規制への抵触を認識し、社内で相談を行ったメール等の記述も記載されてございます。  いずれにしても、それも含めまして、委員会で十分検証を現在進めている、こういう状況でございます。
  135. 川内博史

    川内委員 今官房長から言及のあった東北新社の報告書には、担当者が自ら気づいたとは一行も書いてないですからね。自ら気づいたとは書いてないです。  私が不思議なのは、この外資規制違反の申請、そして事業の承継、この間に、会食、接待がむちゃくちゃ繰り返されている。しかし、その会食は今回の報告書で初めて明らかにされた。総務省の二月二十四日の処分内容には全くこの会食は出ていないわけですね。全くつかんでいなかったんですか、総務省は。  さっき、東北新社から報告がなかったからということを最初の理由に挙げられましたね。しかし、私は、優秀な、そして正直な霞が関の役所の皆さんが、ヒアリングされたら、いや、実は八月二十八日も御飯をごちそうになっていましたと言わないわけがないと思うんです。  ヒアリングではその事実をつかんでいたが、東北新社から申告がなかったため、懲戒事由にはしなかったというのが真実なんじゃないですか。
  136. 原邦彰

    ○原政府参考人 お答え申し上げます。  先ほど御答弁申し上げましたとおり、今回、今の東北新社の許認可の近接した時期の会食、これは、前回私どもの調査では、東北新社からも出てきていませんでした。それから、私どもの職員のヒアリングでも出てきておりませんでした。それで、それはもうまさにその時点で把握したものを全て正直にあの二月二十四日の時点で御報告し、懲戒処分を行っているところであります。  ただ、今回、東北新社からも出ておりますし、先ほども御答弁しましたが、改めて、私ども、情報通信関係の部局中心に百四十四名の課長以上に、全員、全て、東北新社も含めて、改めて、何せ三年前とか四年前で、手帳に残っている人もいますし、記憶で答えている人もいるものですから、そこのところをもう一度しっかりと思い起こして出してくださいということで、今、第三者のチェックを受けながらやっている、こういう状況でございます。
  137. 川内博史

    川内委員 通信をつかさどる総務省の役所の皆さんが予定をデータで残していないなんということはあり得ないと思いますので、データを見れば分かるはずで、ちょっと今の答弁は、外資規制違反の前後の会食については東北新社からも最初出てこなかったし、自分たちのヒアリングでも全く把握していなかったというのは、ちょっとにわかには私は信じられないですね。官房長も、答弁しながらちょっと目が泳いでいましたけれどもね。  大臣、そう思いませんか。だって、役所の人が、あなた、どのぐらい会食を受けたのと聞かれて、全く答えていないんですよ。井幡さん、六回、さっき奥野さんが言いましたけれども。そのうちの一回や二回は覚えているでしょう。あるいはメモに残っているでしょう。それがないというのがよく分からない。  じゃ、最後に、これはNTTさんも接待でちょっと話題になったわけですけれども、今日、公取に来ていただいているんですけれども、NTTによるNTTドコモ株取得の前後、公取の事務総長は、独禁法上の観点で、会見で自ら言及をこの点についてされているわけです。  公正取引委員会の幹部の皆さんとNTTあるいはNTTドコモ、NTTグループの幹部との会食あるいは接待について、あったのかなかったのか、あったとすればそれはいかなるものであったのかということについて教えていただきたいというふうに思います。
  138. 杉山幸成

    杉山政府参考人 お答えいたします。  御指摘のNTTグループの方と公正取引委員会の幹部との間の会食に関しましては、国家公務員倫理法との関係で具体的な違反が疑われる情報に接しておりません。  いずれにしましても、当委員会においても国家公務員倫理法を遵守することは当然のことと考えておりまして、今後とも、職員に対し周知を徹底してまいりたいと考えております。
  139. 川内博史

    川内委員 疑われる事案は発見されておりませんと。ということは、会食はあったということですね。
  140. 杉山幸成

    杉山政府参考人 お答えいたします。  国家公務員倫理法との関係で問題が生じ得るような会食が行われたとの具体的な情報には接しておりません。
  141. 川内博史

    川内委員 だから、会食したのかしなかったのかということを聞いておる。  国家公務員倫理規程に抵触しないというのであれば、届けが出ていたということで理解してよろしいですね。
  142. 杉山幸成

    杉山政府参考人 今御質問にありました国家公務員倫理法の届出でございますが、国家公務員倫理法及び国家公務員倫理規程に基づく各種届出の件数は、内閣人事局において取りまとめられ、国会報告されております。それによりますと、御指摘の期間において、公正取引委員会における同規程に基づく利害関係者とともに飲食をする場合の届出はございませんでした。
  143. 川内博史

    川内委員 何かちょっとよく分からないですね。会食があったのかなかったのかと聞いて、いや、規程に違反するような会食はありませんでした。じゃ、届出を出していたんですかと言うと、届出は出していません。一体どういうことなんですか。  無駄な時間を使いたくないんですよ。何でそんな、よく訳の分からないことをおっしゃるんですか。あったのかなかったのかということだけ答えてくださいよ。
  144. 石田祝稔

    石田委員長 では、時間も来ておりますから、簡潔に御答弁願います。
  145. 杉山幸成

    杉山政府参考人 お答えいたします。  繰り返しになって恐縮でございますが、国家公務員倫理法との関係で問題が生じ得るような会食が行われたという認識はございません。(発言する者あり)
  146. 石田祝稔

    石田委員長 静粛にお願いいたします。
  147. 川内博史

    川内委員 委員長、こんな答弁でいいんですか。ちょっと、私は極めて遺憾ですよ。  昨日のレクの段階では、ないとは言えないので、質問していただければ答えますと言ったんですよ。
  148. 石田祝稔

    石田委員長 川内君、時間も来ているし、指名もしていませんから。
  149. 川内博史

    川内委員 いや、だけれども、今のは答弁になっていないじゃないですか。
  150. 石田祝稔

    石田委員長 いや、答弁の云々ということは、それぞれの質問の仕方もあるわけですから。
  151. 川内博史

    川内委員 いや、私は、だから、ばかだから質問の仕方は悪いですよ。だけれども、国民に分かるように説明するのが政府の責任なんじゃないんですか。
  152. 石田祝稔

    石田委員長 ちょっと時間を止めてください。     〔速記中止〕
  153. 石田祝稔

    石田委員長 速記を起こしてください。  杉山事務総局官房総括審議官質問者の意図に答えてください。
  154. 杉山幸成

    杉山政府参考人 失礼いたしました。  お答えいたします。  倫理法との関係で問題が生じ得るような会食が行われたという認識はございません。(発言する者あり)
  155. 石田祝稔

    石田委員長 質問者以外はちょっと静かにしてください。(発言する者あり)ちょっと待って。  では、再度、杉山事務総局官房総括審議官
  156. 杉山幸成

    杉山政府参考人 お答えいたします。  では、端的にお答えいたします。  倫理法との関係で問題が生じ得るような会食が行われておるという話は聞いてございません。(発言する者あり)
  157. 石田祝稔

    石田委員長 ちょっと時間を止めてね。     〔速記中止〕
  158. 石田祝稔

    石田委員長 速記を起こしてください。  杉山事務総局官房総括審議官
  159. 杉山幸成

    杉山政府参考人 お答えいたします。  必ずしも悉皆的、網羅的な調査をしているわけではございませんので、はっきりは申し上げることはできませんが、具体的な状況は把握しておりません。  ただ、今の段階では、ないというふうに、国家公務員倫理法との関係で、ないというふうに考えております。
  160. 川内博史

    川内委員 きちんと調査していただきたいと思います。  武田大臣が変な答弁するから、みんなまねしちゃっているんですよ。疑われるような会食はないとかなんとか言ったじゃないですか、一回。いや、だから、それはそれでいいんですよ。だけれども、その答弁をみんなまねするんですよ。  終わります。
  161. 石田祝稔

    石田委員長 次に、本村伸子君。
  162. 本村伸子

    ○本村委員 日本共産党の本村伸子でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。  三月二十二日のこの総務委員会でNHK予算の審議がございました。そのときにも取り上げさせていただきましたけれども、NHK情報公開・個人情報保護審議委員会が、二度にわたって、二〇一八年の十月九日、十月二十三日、十一月十三日の経営委員会の議事録を全面開示するようにということで、答申が出されました。これは、御存じのように、かんぽ不正を報道した「クローズアップ現代+」に圧力をかけた日本郵政側にNHK経営委員会が立って、当時の上田会長に厳重注意をしたのではないかという問題の議事録でございます。  私は、質問の中で、答申に従い議事録を全面的に開示するようにということで質問させていただきました。これに対して、森下経営委員長は、「二度目の答申では、前回の対応、そういう整理したものではなくて、対象文書そのものを開示せよという指摘がございました。そういったことで、私どもは、この二度目の答申というものを尊重いたしまして、現在検討している最中であります。 経営委員会は十二名の合議制でございますし、三月一日に新しい委員も入りましたので、しっかりと議論をして、対応をしていくつもりでございます。」と答弁をなされました。  今日、資料を出させていただいたんですけれども、一枚目を見ていただきますと、ピンクの部分が経営委員会が開かれた日にちでございます。二回目の答申が出されたその後に、八回、経営委員会をやっているんですけれども、この答申の対応についてどうするかという議論をしているその当該議事録が、一人一人がどういう発言をしたのかという議事録が掲示をされていないわけでございます。  ですから、内容が分からないということで、その後、議論はどうなっているのかということ、早く全面開示していただきたいということで、まず、経営委員長に御質問させていただきたいと思います。
  163. 森下俊三

    ○森下参考人 お答えいたします。  先ほど先生の方から話がございましたように、私どもとしても、二回目の答申ということですので、慎重に、幅広く検討をしているところでございます。  二月九日にまず情報共有した上で、二十四日以降検討をしておるんですが、三月一日にメンバーが新しくなりまして、基本的には、それをベースに、幅広くあらゆる面から検討を進めてきております。  ほぼ整理がついてきておりましたので、まとめの段階に入っているんですが、コロナ感染拡大防止のために、五月以降はリモート開催になっておりまして、全国六か所、札幌から福岡まで六か所との対応をしております。  そういう中で、情報管理の観点で、資料の閲覧がなかなかうまくいかない、ネットでやるにはちょっと情報管理上問題があるということで、リモート開催ではなかなか難しい部分があるんですが、そういった意味で、委員の方からは、集合で是非やりたいという、最後の整理をしたいという話があるんですが、ちょっと、そういった意味で、今、少し遅れている段階でございます。  いずれにしましても、一回目の答申のときには、二か月かけて四回の委員会で議論をいたしました。今回も、実質的には三月一日から今三か月で、一昨日を含めて六回なんですが、そういった意味で、整理をして、できるだけ早い時期にまとめたいというふうに考えております。  以上です。
  164. 本村伸子

    ○本村委員 新型コロナの関係でリモートでやっていると。  NHKの技術力をもっても共有できない、そういう資料というのはどういう資料でしょうか。
  165. 森下俊三

    ○森下参考人 これはNHKの技術力とは関係なくて、リモートをやる、いわゆるテレワークのシステムでありまして、そういった意味では、現在、世の中でもセキュリティー上の問題がいっぱいありまして、そういう意味で、各種資料をネットで流して議論するには情報管理上問題があるという指摘がございまして、情報管理の観点で、なかなか情報共有がうまくいかないというのが今の現状でございます。
  166. 本村伸子

    ○本村委員 大きな内容でいいんですけれども、どういう機密が書かれた資料でしょうか。
  167. 森下俊三

    ○森下参考人 これは、検討するためにいろんな参考にする文献等ございますので、そういったものを全部流すということ、それから、過去のものを全部ネットで流すのは、情報管理上、情報セキュリティー上問題があるということでなかなか難しい、こういうことでございます。
  168. 本村伸子

    ○本村委員 議事録を全面開示ということを議論するのに、そういう機密情報で議論するわけでしょうか。一刻も早く全面開示していただきたいというふうに思います。  答申について何を議論しているのかということを調べようと思っても、経営委員会のホームページには、対応方針決定後、公表予定というふうに書いてございまして、その部分が、一人一人の発言がどういうものであったかという議事録が非公開ということになっております。それ自体が、遅滞なく議事録を公開するというのが原則の放送法に反しているというふうに思います。  高橋監査委員にお伺いをしたいんですけれども、三月二十二日の総務委員会で、私は、監査委員が、放送法四十六条に基づく権限を行使し、そして議事録の公開を請求するべきだということを質問をいたしました。高橋監査委員は、経営委員会の検討状況を注視してまいりたいという答弁がございましたけれども、注視だけしているのかということ、見解を伺いたいと思います。
  169. 高橋正美

    ○高橋参考人 お答えいたします。  本件につきましては、NHK情報公開・個人情報保護審議委員会が本年二月の四日に行いました答申を受けて、経営委員会が現在対応を検討している状況であると理解しております。  監査委員会といたしましては、経営委員会の検討状況を引き続き注視してまいりたいと考えている所存でございます。
  170. 本村伸子

    ○本村委員 事案の発生は、資料の二ページ目、見ていただきますけれども、二〇一八年に起こったことでございます。それのことを今まだ、その後の経営委員会、厳重注意の議事録がどうなのかということで議論をしているんですけれども、かなりたっているわけですね。ですから、注視するだけではなくて、監査委員としてしっかりと役割を果たしていただきたいというふうに思います。  ちょっと確認をさせていただきたいんですけれども、高橋監査委員は常勤の監査委員ということになるというふうに思います。経営委員、監査委員、それぞれ報酬についてお示しをいただきたいと思います。
  171. 森下俊三

    ○森下参考人 お答えいたします。  報酬につきましてですね。報酬につきましては、ホームページで公開してあると思いますが、常勤の委員の場合は二千二百六万、非常勤の委員は四百九十五万、それから非常勤の経営委員委員監査委員会委員に任命された者は六百八十一万ということでございます。よろしいですか。
  172. 本村伸子

    ○本村委員 先ほど、常勤の監査委員はお幾らと。
  173. 森下俊三

    ○森下参考人 常勤は、監査委員だけでありますので、常勤は委員という一本になっておりますが、二千二百六万ということです。
  174. 本村伸子

    ○本村委員 その報酬が高橋監査委員に当たるというふうに思いますけれども、受信者の皆さんに納得していただける仕事をしていただくというのが重要だというふうに思います。  高橋監査委員は、経営委員会の委員でもございますけれども、このNHK会長厳重注意に関わる議事録についてどのような対応を取ってきたかということをお示しをいただきたいんです。まず、答申が出る前、この議事録についてどういう態度で議論に参加をされていたのか、一回目の答申が出された後、どういう対応をされていたのか、二回目の答申が出された後、今ですね、どういう立場で議論に参加をされているのかということをお示しいただきたいと思います。
  175. 高橋正美

    ○高橋参考人 お答え申し上げます。  本件に関しましては、経営委員会で検討している状況であると理解しております。本件は、検討途中にある経営委員会での私の発言につきましては、お答えをすることを控えさせていただきたいと考えております。
  176. 本村伸子

    ○本村委員 情報公開・個人情報保護審議委員会の中で批判をされている、経営委員会が勝手にまとめた文書を開示するというのでは駄目だと、文書そのものを出せという答申なんですけれども、その批判があった要約の文書で高橋委員は了承している発言が、ここの一回目の答申が出た後のこの四回の議論は議事録が開示をされておりますので議論が分かるわけですけれども、高橋委員はそれは了承しているわけでございます。  総務大臣にお伺いをしたいんですけれども、監査委員は、議事録を開示しないというふうに決定をした経営委員でございまして、実際には監査できない状況にあるのではないかと考えますけれども、総務大臣、これは法律に基づくことですから、総務大臣にお伺いをしたいと思います。
  177. 武田良太

    武田国務大臣 NHK監査委員会は、平成十九年の放送法改正により、NHKガバナンス強化の一環として、経営委員会とは別個の独立した機関として設けられたものであり、独立した事務局を有し、自律的な運営が行われていると承知をいたしております。  なお、監査委員会を構成する監査委員について、放送法第四十二条第三項により、経営委員の中から任命することとされているのは、経営委員としての職務を通じて得た知見を監査に生かすことにより、機動的かつ十分な監査ができるという考えに基づくものであります。  よって、監査委員会の独立性を担保した制度的枠組みを前提としつつ、経営委員会の委員の中から監査委員を任命する現行制度は妥当なものと考えております。  総務省としては、NHK国民視聴者の皆さんからの受信料によって支えられていることを十分に踏まえ、経営委員会と監査委員会が現行制度の下でそれぞれの役割を果たすことによりガバナンス強化に取り組んでいただきたい、このように考えております。
  178. 本村伸子

    ○本村委員 私ども、そもそも、合議制である経営委員会に、一部の委員に権限を集中させる監査委員在り方について、そのものが間違っているということで批判をしてまいりましたけれども、そういう矛盾も出ているなというふうに思っております。  別の視点から議論をしていきたいというふうに思うんですけれども、経営委員会の議事録の公表は、放送法の改定がございまして、そのときに経営委員会議運営規則が定められております。この経営委員会議運営規則は、二〇〇八年四月一日に制定をされまして、五回の改正が行われております。  どのように改正してきたのか調べようと思っても、この経営委員会の発言を逐語的に載せた議事録が一切公開されておりません。経営委員会議運営規則は、議事録はどの部分は非公開でいいということも規定がございますので、重要な中身だというふうに思うんですけれども、この運営規則の制定と改正の議論の逐語的議事録を公表していただき、変遷が分かる新旧対照表を出していただきたいと思いますけれども、これは経営委員長にお願いしたいと思います。
  179. 森下俊三

    ○森下参考人 お答えいたします。  経営委員会議運営規則は、放送法に基づいて自主的に定める内規でありまして、制定された当初から、当時の経営委員会の規定により非公表としてまいりました。  ただ、今回の問題に関する国会での御議論、御指摘などを踏まえまして、昨年、二〇二〇年の五月十二日の経営委員会で改正を決議し、経営委員会の透明性の向上を図るために、それ以降、公表をしております。それ以前のものは非公表ということになっております。  以上です。
  180. 本村伸子

    ○本村委員 森下経営委員長経営委員長に就任をいたしました以降、二度の改正が行われております。二〇二〇年一月一日改正、二〇二〇年五月十二日改正、それぞれどういうものだったかということをお示しをいただきたいと思います。
  181. 森下俊三

    ○森下参考人 公表前のものにつきましてはお答えすることは差し控えたいと思いますけれども、基本的には、会議の招集とか会議出席の特例など、こういったものについて改正しているのでございます。  以上です。
  182. 本村伸子

    ○本村委員 経営委員会の議事録を開示しなくてもいい理由を増やしたということはございませんね。
  183. 森下俊三

    ○森下参考人 お答えいたします。  そのようなことはございません。
  184. 本村伸子

    ○本村委員 だから、今ある条文ですね、開示に関する条文については全て改正はなかったということでよろしいでしょうか。第五条の四の部分ですね。
  185. 森下俊三

    ○森下参考人 開示するに当たりまして、五月十二日に変えたのは、国の文書公開規定に平仄を合わせたということで、期限三十年というところを入れただけであります。そのほかは、単なる、語句を一部修正したという程度でございます。
  186. 本村伸子

    ○本村委員 やはり、新旧対照表を出していただいて、分かるようにしていただきたいんですけれども。五回の改正の新旧。
  187. 森下俊三

    ○森下参考人 お答えいたします。  過去のものにつきましては、先ほどお話ししましたように、非公表として扱ってきておりますので、そういった意味では、公表については差し控えたいというふうに思います。
  188. 本村伸子

    ○本村委員 もう一つなんですけれども、ちょっと別の視点なんですけれども、二〇二〇年七月二十一日と二〇二一年三月二十三日の経営委員会で、経営委員長は、経営委員会の服務に関する準則の遵守と情報管理の徹底を強調されていますけれども、これは、上田会長を厳重注意をしたことに関する経営委員会での非公開の議論が外部に漏れたことを問題にしての発言でしょうか。
  189. 森下俊三

    ○森下参考人 お答えいたします。  経営委員委員の服務に関する準則は、放送法第六十二条に基づいて、職務を適切に執行するために必要な服務に関する事項を定めたものでありまして、これは、これまでも委員会で随時、遵守することを確認しております。特別にこのときだけやったということではございません。
  190. 本村伸子

    ○本村委員 経営委員会の服務に関する準則があったとしても、公益通報、不正、違法の告発は保障されるべきだと思いますけれども、経営委員長、お答えいただきたいと思います。
  191. 森下俊三

    ○森下参考人 お答えいたします。  経営委員委員の服務に関する準則では、機密保持と情報の私的利用の禁止が定められておりまして、職務を適切に執行するために必要な服務であると考えておりまして、御指摘のこととは別の問題と認識しております。
  192. 本村伸子

    ○本村委員 だから、公益通報、不正、違法の告発は保障されるということでよろしいですね。
  193. 森下俊三

    ○森下参考人 お答えいたします。  全く別物でありまして、NHKには内部通報制度が整備されていると認識しております。
  194. 本村伸子

    ○本村委員 いずれにいたしましても、その議事録、審議委員会が答申で、全面開示をするべきだ、文書そのものを、逐語的な議事録そのものを出すべきだということに一刻も早く応えていただきたいということを強く申し上げたいというふうに思います。  次に、別の問題なんですけれども、二〇二一年度から二〇二三年度経営計画では、訪問によらない営業へ転換する方針となっておりますけれども、これまで、契約の取次ぎですとか、受信料を集めたり、NHKに対する住民の皆様の声を生で聞いてこられた地域スタッフの方々を始め、貢献をされてきた方が使い捨てにされるようなことがあってはならないというふうに考えております。  本来、NHK本体、そしてNHKの一〇〇%子会社などが直接雇用して、NHKを理解してもらうために働いていただくべきだというふうに考えております。是非、この点、NHK会長に御答弁いただきたいというふうに思います。  また、コロナ禍で、今、地域スタッフの皆さんは本当に業務も大変になっております。六月以降も四月、五月と同じようなコロナ対応の報酬の考え方でいいのかと、本当に直前までそういう情報がなくて、御不安の声がございました。  地域で本当にNHKを理解していただくために一生懸命やっておられる方々に対して、NHKが誠実な対応をするべきだと思いますけれども、御答弁をお願いします。
  195. 前田晃伸

    前田参考人 お答え申し上げます。  地域スタッフなど個人事業者との業務委託につきましては、現経営計画の期間中は継続していく考えでございます。また、法人事業者との業務委託につきましては、原則、委託期間満了をもって終了いたしますが、二〇二三年度までに段階的に縮小していくことを計画しております。  各事業者との対応につきましては、誠心誠意丁寧に御説明し、御理解をいただくように努めてまいります。  なお、コロナ禍を踏まえた地域スタッフの業績評価などの対応につきましては、六月、七月の第二期につきましても変わりはございません。八月以降につきましては、そのときの状況を踏まえて判断をしてまいります。
  196. 本村伸子

    ○本村委員 二〇二三年度までは、地域スタッフの方、継続してということですけれども、それ以降の御不安もあるわけですよね。是非、今まで貢献されてこられた、受信料で支えられているNHKですから、その受信料に関わって重要な貢献をされてこられた方々を使い捨てにするようなことが絶対ないようにということを強調させていただきたいと思います。  次に、放送バリアフリーの問題なんですけれども、解説放送、字幕放送、自ら定めた計画値を達成しているというふうに今日いただいた資料の中でも書かれているわけですけれども、このそもそもの計画値がかなり低いわけでございます。毎年毎年、本当に右肩上がっているかというぐらいの計画でございまして、予算もかなり少ないと言わざるを得ません。  視覚障害者の方々や聴覚障害者の方々の声をしっかりと聞いていただき、当事者も雇用していただき、そして解説放送も一〇〇%行くように、外国人の声を聞かせたい場合はその後に日本語の翻訳の音声が入るというようなことを進めていただくということや、字幕放送、手話つきの番組を抜本的に増やしていただきたい、予算も抜本的に増やしていただきたい、そして、技術開発も、NHKならではのことだというふうに思いますので、技術的な研究開発にももっともっと力を入れていただきたい、放送バリアフリーを進めていただきたいと思いますけれども、会長の御答弁をお願いしたいと思います。
  197. 前田晃伸

    前田参考人 お答え申し上げます。  総務省が二〇一八年に策定いたしました放送分野における情報アクセシビリティに関する指針を踏まえ、NHKは、二〇二七年度までの新たな長期計画を策定し、字幕、解説、手話放送の拡充に取り組んでおります。  計画を進めるに当たりまして、NHKでは、年に数回程度、視覚障害者の方の団体や聴覚障害者の方の団体と意見交換会を実施して、御意見を承っております。  NHKの二〇二〇年度の障害者雇用率は二・二八%で、法定雇用率二・二%を上回っており、手話番組や解説放送などの制作に当たりましては、障害のある職員、スタッフの意見も参考にしております。  副音声で情景描写などをコメントする解説放送では、二〇一九年度、普及目標の対象となる放送番組に占める解説番組の割合は、総合テレビで一七・九%、教育テレビで二〇%となりまして、前年度実績を上回っております。  また、外国人のインタビューにつきまして、多くの番組で吹き替えを行っているほか、外国人の会見などを中継で伝える場合には同時通訳をつけて放送をいたしております。  字幕放送につきましては、二〇一九年度、総合テレビにおきまして、普及目標の対象となる番組では九七・六%の番組に字幕を付与いたしました。前年度の実績を上回っておりまして、着実に字幕の付与時間を増やしてまいっております。  手話番組では、「おはなしのくに」、「ダーウィンが来た!」といった人気番組に手話をつけて放送する手話放送プロジェクトを「ハートネットTV」の中でこれまで六本放送しております。この番組は、当事者の方の意見を尊重し、聾者の方に監修や出演の形で御協力をいただき、手話表現で制作をいたしました。  技術開発では、CGやアニメーションによる手話サービスの研究や、自動音声認識装置による字幕付与の実験を一部の地域放送局で行うなど取組を進めておりまして、引き続き、人に優しい放送・サービスの拡充に努めてまいりたいと思います。
  198. 本村伸子

    ○本村委員 放送バリアフリーの予算は本当にまだ少ないわけですから、抜本的に拡充を求めて、質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  199. 石田祝稔

    石田委員長 次に、足立康史君。
  200. 足立康史

    ○足立委員 日本維新の会の足立康史でございます。  今日はNHK決算ということで、いろいろ振り返ると感慨深いものがあります。ちょうど議題になっております二十八年、二十九年は、私は、NHKについては、放送通信の大融合時代の中で、公共メディアとしての枠組みをしっかりとつくれていないということで、毎回否定的な立場を取っておりましたが、我が党の共同代表である片山虎之助国会議員団代表の厚い壁に阻まれて、賛成を余儀なくされた時代であります。その後、三十年、元年。それで、令和二年、令和三年は、ようやくその壁を、破るというよりは、よじ登って、党としてNHKの予算については反対ということで、二年連続反対をさせていただいております。  ちなみに、先ほど奥野総一郎委員が大変威勢のいい質問をされていましたが、彼はNHK予算は賛成していますから。だから、結局、いろいろ言っても……(発言する者あり)いや、あれでしょう、NHK会長が誰ということでやっているだけです。そうじゃなくて、私たち国会議員が大事なのは、やはり仕組みづくりですよ、法律を作るんだから。だから、もしNHK経営委員会に問題があるんだったら、法律を変えたらいいんですよ。でも、そういうことをせずに、とにかくいろいろわあわあ言うだけ。これでは世の中は前に進みません。  だから、私は今日、具体的に、放送通信の大融合時代にふさわしいNHK在り方について、前田会長にお越しいただいていますので、議論をしていきたい、こう思います。  前田会長、かつて、かつてというか、今、党の名前が変わったかもしれませんが、立花さんという方が参議院選挙で議席を二つかな、ちょっと失念しましたが、得られて、NHK改革を訴えていらっしゃいました。私もNHK改革を訴えてきていますが、彼らと私たちは大きく違うことがあります。彼らは、あくまでも放送電波を前提にスクランブルをうまく使ってやってくれという、あくまでも電波が前提なんです。私は違うんです。もう電波の時代は、少なくとも映像を視聴するときに電波は使わなくていいと思っています。場合によっては、地上波なんか全部返上したらいい。  そういう立場から、逆に、公共メディアというのであれば、なぜスマホしか持っていない人はこれを視聴できないんだと。公共メディアなんでしょう。公共メディアなのに、電波の受信設備を居間に置いている国民しかそれを享受できない。スマホしか持っていない方は、技術的には、だって、NHKプラスというのがあるんだから、IDを提供していないだけですね。だから、技術的には、NHKプラスで、IDとパスワードを提供すれば、自宅の居間に受信設備を置いていない者であってもNHKを視聴することができますね。なぜそれをしないんですか、前田会長
  201. 前田晃伸

    前田参考人 お答え申し上げます。  放送法上、NHKプラスは、放送受信料で実施される放送を補完するサービスと位置づけられております。受信料制度を毀損しないように、利用に当たっては受信契約の有無を確認させていただき、確認が取れた方にはIDを発行して御利用いただいているということでございます。  このため、現行の制度では、テレビ放送を受信できる設備を設置していない方がNHKプラスだけを利用する受信契約を締結することは想定しておりませんので、できないということでございます。  NHKプラスだけを御覧になりたいという方への対応は、私は今後の課題だと考えております。
  202. 足立康史

    ○足立委員 その今後の課題なんですけれども、やってみたらいいじゃないですか。  例えば同時配信だって、法律が変わる前に実験でやっていましたよね、オリンピックとかいろいろなものは。だから、社会実験したらいいんですよ、社会実験。社会実験として、例えば、NHKのアプリを入れると三百円とか、いや、百円だという人もいますし、千円ぐらい払ってもいいという方もたまにいらっしゃいますが、社会実験してみたらいいんですよ。今日は、だから、会長に、社会実験を始めましょうと。  二年前の七月二十九日に、この総務委員会に東京大学の宍戸先生がいらっしゃって、私はこういう議論をしました。どうやったらそういうことが可能か。彼はこうおっしゃいました。一つのやり方は、例えばアプリを入れて専用のビューアーで見る。普通にスマホでアプリで見るわけですね。そういうふうな方については、スマホをテレビとしていわば使うということなので、受信料あるいはそれ相当の負担をしていただく。それを入れていない、すなわちアプリを入れていない方はそうではない。  すなわち、アプリを、サブスクリプションというんですね、やっていますね。だから、NHKのアプリをサブスクリプトすれば、毎月百円ちゃりんちゃりんと落ちる。百円というのはちょっと失礼ですね。三百円、いや、やはり百円にしておこう。そのアプリをくるくるくるっとやって消せば契約解除ですよ。まさに、居間にある、受信設備を電気屋さんから買ってきて設置したら受信契約をする、そうでなければ、テレビを捨てないといけない。でも、今の放送法は、そのテレビを捨てるという選択肢は用意しているわけですね。アプリもそうです。アプリを消せばいいんです。当たり前でしょう。  会長、そろそろそういう社会実験をやりませんか。どうですか。
  203. 前田晃伸

    前田参考人 貴重な御意見でございますが、まだNHKプラスは十分に普及しておりませんで、実験するにはもうちょっと普及させるのが先かと思っております。  それから、NHKプラスは別に料金をいただいているわけでございませんで、付随業務として、サービスの一環としてやっておりますので、まだまだ、去年から始まったばかりでございます。もうちょっと使い勝手もよくしないと、実験するところまでいかないと思っております。
  204. 足立康史

    ○足立委員 そういう問題なのかな。NHKプラス、今どれぐらいの方が使っていらっしゃるか分かりますか。
  205. 正籬聡

    ○正籬参考人 お答えいたします。  NHKプラスですけれども、去年四月の本格サービス開始から一年余りとなりまして、利用いただいております。先月、四月一日からは、同時配信の時間を一時間延長しまして、午前五時から深夜零時までの十九時間程度としております。  御質問の利用者については、NHKプラスの先月、四月末までのID登録申請はおよそ百七十万件、登録数はおよそ百三十五万件というふうになっております。
  206. 足立康史

    ○足立委員 しかし、少ないですよね。だから、国民が必要だと思っていないのかな。ちなみに、私は、別にNHKだけではありません、いろいろなメディアをサブスクリプトしています。自宅にテレビがありますが、自宅でテレビを見ることはもうありません。仕方ないから置いているだけです。NHKプラスは頻繁に見ております。逆に言うと、NHKプラスでしかNHKを視聴できない日々でございます。私はまあNHKを見ているんですけれども、それだけ少ない理由は、今会長は、使いにくいかもしれないという、何か、謙虚というのかな、卑下されておられましたが、アプリに課題があるから伸びないんですか、それか、NHKコンテンツ公共メディアとして国民に受け入れられていないから少ないんですか。何が少ないんですか。
  207. 正籬聡

    ○正籬参考人 NHKプラスの普及の実態の理由ですけれども、まず、まだ開始から一年余りということですけれども、一つは、まだまだ知られていない。受信料をお支払いいただいている世帯は四千万を超えていますけれども、調査しますと、まだまだ認知度が低いというのが一つございます。  それから、そのために、我々、地方向けの放送番組の見逃し配信もできるようにということで、地域サービスをもっともっと充実させていきたいということで、今週からは、大阪拠点放送局で夕方六時十分から放送しているニュース番組等の見逃し配信も開始して、これを徐々に拡大していきたいと考えております。実際、登録していただくと、ニュース番組を始め、大河ドラマですとか朝ドラですとか、これは多くの方に利用していただいております。  それから、もう一つの課題は、登録の方法が難しいというところで、途中まで行って、成り済まし等を防ぐために登録の方法を、かなり段階を踏むようになっているんですけれども、そのところが難しいということで途中でやめてしまう方もいらっしゃいまして、その点は課題だと考えていまして、改善を図りたいというふうに今考えております。
  208. 足立康史

    ○足立委員 いや、だから、公共メディアというのはもう返上した方がいいと思うんですよね。恥ずかしいですよね。  今、コロナで、ステイホームで、要はそういうのを見る機会が多いわけですよ。だから、ネットフリックスとか、すごい伸びているわけでしょう。そういう中で、だから、NHKとか見ている方々は、別にそれは悪いとは言わないけれども、要は、自宅で居間にずっといれるような方々しかもう見ていないということですよ。  活動性の高い現役世代がNHKを必要としていないなら、これは大変な事態を招くというか、反省した方がいいし、私はそういうふうに思って、今、正籬副会長がおっしゃいましたが、私は、ちょっと分析が甘いんじゃないかな、自分たちに甘いんじゃないかなと。そんなの、使い勝手なんかよくしたらいいんだから、コンテンツにも課題があるわけで、私はやはりそれは結構深刻なテーマだと思います。  事務方で結構ですけれども、総務省、この公共放送受信料制度の在り方に関するとりまとめを見ると、現時点の我が国においては、イギリス型の制度、要は、付随業務ではなくて本来業務インターネット配信等を公共放送の本来業務とするイギリス型の制度については、現時点の我が国においては、かえってインターネット配信の利用者の拡大の阻害となるおそれがあると書いてあるんですけれども、これはちょっとにわかに意味が分からないんですけれども、ちょっと解説いただけますか。
  209. 吉田博史

    吉田政府参考人 お答えいたします。  イギリス型のように、受信料につきまして義務化とセットでやっていく場合に阻害になり得るということを言っているのだと理解をしておりまして、という趣旨で書かれているものと考えております。
  210. 足立康史

    ○足立委員 いやいや、それは、義務化したらみんなに怒られますよ、そんなの。だから、私が申し上げたように、アプリを入れて、局長社会実験でいいんだから、アプリを入れる。百円から始めたらいいじゃないですか。あるいは、五百円から始めて、サブスクリプトしてくれる人がいなければ下げていって、最後、五十円ぐらいになるかもしれないけれども、そういう社会実験をやってみませんか、局長。  本来業務としてすぐやってくださいと言っているんじゃないんです。今は、スマホしか持っていない方は、国民なのに、日本国民なのに、技術的には可能なのに、公共メディアたるNHKコンテンツにアクセスできないんですよ。その状況を放置しているのは余りに不作為が過ぎる、こう思いますが、局長、どうですか、社会実験。
  211. 吉田博史

    吉田政府参考人 御指摘のように、インターネットを通じたコンテンツ視聴の拡大など、国民、利用者の視聴スタイルが急速に変化しておりますので、こうした中で、NHKがその役割、使命を引き続き果たしていくためにはどのような施策が必要か、議論を行っていく必要があると認識しております。  一方、NHK受信料というのが、放送を広く薄く支えるための特殊な負担金でありまして、それとの関係NHKはどうあるべきかということを考えていかなければならない問題だと思っております。  既存の受信者との公平の問題など、様々な論点があると思っておりますが、総務省としては、NHK公共放送の担い手として、国民視聴者の理解を得るために、まず目の前にある課題業務経営受信料在り方などについて取り組んでいただくということがまずは重要だと思っておりますが、御指摘のような点、先のNHKのあるべき姿について更に議論を行ってまいりたいと思っております。
  212. 足立康史

    ○足立委員 大臣、聞いていただいて、大臣は前回も、この総務委員会で私が同じような御質問をしたら、もっと足下の課題があって、それを今やっているんだと。その御努力は、要は、総務省も課題が山積で、大臣も御苦労されておられるわけだから、それは多といたしますが、そんな大議論しなくても、ちょっと実験的に、例えば高速道路、あれは民主党政権だっけ、高速道路の無料化みたいなのを社会実験とかいってやったじゃないですか。だから、別に法改正をやってどんとやらなくても、ちょっと実験的に、そういうのを期間限定で使ってみたら使ってくれる人がいるかどうかとか、幾らぐらいの料金設定だったらサブスクリプトしてくれるかとか、そういうのをちょっと検討していただけないでしょうか。
  213. 武田良太

    武田国務大臣 今、目まぐるしく国民の価値観だとか生活様式とかいうのが変化を遂げている中で、やはり公共放送として、その時代の流れというものに沿うように進化をしていく必要というのは常に求められてくるのではないかなと思っております。そうしたこと、様々な意見を取り入れながら、しっかりと研究に励んでいただきたい、このように期待したいと思います。
  214. 足立康史

    ○足立委員 会長、お願いしますね、会長会長らしく。周りに手足を羽交い締めにされていると思いますが。ちょっとここは、それは外からやってきたんだから、それぐらいやってくださいよ、社会実験。これはまたしっかり取り上げてまいりたいと思います。  ちょっとお時間をかりて、LINEの話を一言やっておきたいと思います。  実は、ファクタというひどい雑誌がありまして、ひどい雑誌。何かファクスで答えろと言ってきて、電話したら返事もないみたいなひどい雑誌が、足立がLINEを擁護している、きっと金をもらっているんじゃないかみたいな記事を書いているわけですよ。ひどい話です。お金もらっていません。  私がなぜLINEの問題を取り上げたかといえば、いや、LINEも問題があったかもしれないけれども、そんなこと言ったらほかだってたくさん問題があるから。森友学園と一緒ですよ。森友学園もずさんだったけれども、日本中の公有地、国有地の払下げがずさんなんですよ。同じ。LINEもずさんな部分があるかもしれないけれども、日本中の様々なビジネスが、そういう個人情報の管理ということでは問題があるんですよ。  個人情報保護委員会、おいでいただいています。結局、立入りとかやったけれども、LINEは特別に悪かったんですか。LINEで見つかったぐらいの話はほかにもあり得る、そういう私の理解は間違っていますか。どうですか。
  215. 三原祥二

    三原政府参考人 お答え申し上げます。  まず、個人情報保護委員会では、主に委託先の監督及び外国にある第三者に個人データを提供する際の個人情報保護法上の規律の遵守状況に関して調査を行いまして、四月二十三日付で、LINE社に対し、個人情報保護法第四十一条に基づき行政指導を行ったものでございます。  他方、今委員お尋ねの、LINEに限った問題かという点につきましては、これはまさに越境移転ということでございまして、当委員会におきましては、国内主要企業における個人データの越境移転の実態等を把握するために、経団連等の経済団体を通じて調査を実施しているところでございます。
  216. 足立康史

    ○足立委員 だから、ほかでもあり得るから調査しているわけでしょう、ほかでもあり得るから。何でLINEだけ立ち入ったの。ほかも立ち入ったらいいじゃない。よく分からないんですよ。総務省も同じですね。総務省も報告を求めましたね。  いや、僕、本当に、これをやるとまた何かいろいろな人たちが、足立はやはり韓国と深いんだろうとか。何だそれ。私は、公正な行政、問題はそれじゃないでしょう、問題はもっと大きいでしょう、その大きな問題を解決する気が政府はあるのかと言っているわけです。どうですか。
  217. 竹内芳明

    竹内政府参考人 お答えいたします。  政府としては、しっかり対応していく気がございます。  本件につきましては、まず、LINE社から総務省に対しまして報告がございました。その内容を分析いたしました結果、委託先の個人データへのアクセス権限を付与する際の安全管理措置などについて不十分な点があったということで、四月二十六日付で行政指導を行いまして、社内システムへのアクセス管理の徹底、システム開発に係るプロセスや開発組織ガバナンス強化などを求めております。  ただ、この問題はLINE社一社にとどまるとは私ども考えておりません。近年では、様々な企業におきまして、海外に保管されるデータの管理が必ずしも十分と言えない事案でありますとか、業務委託先などを通じて個人情報などにアクセス可能な状態になっていた事案、さらにはサイバー攻撃による事案など、重要なデータの外部への漏えいリスクが深刻化しつつあると認識しております。  そのために、こうした問題について、どういうふうに対応していくべきか、どのような管理体制を求めていくべきなのか、有識者による検討を深めていきたいということで、今月、総務省に、電気通信事業ガバナンス検討会を開催いたしまして、規律の在り方対応在り方について検討を進めております。
  218. 足立康史

    ○足立委員 とにかく、私は、別にLINEの手先でもなければ、韓国と特段関係が深いわけでもありません。そういうことをネットで何か吹聴している、吹聴されても別に痛くもかゆくもありませんが、そういうひどい言論空間が発生しているわけです。  私が申し上げたかったことは、繰り返しになるが、経済安全保障の観点からいえば、この問題はもっと大きな問題だから、本当の問題にアドレスしていきましょうねということを申し上げているんだということを改めて指摘をしておきたいと思います。  最後に、高原局長、おいでいただいています。以前、私の地元で、ある市議会が維新の会派だけを排除した百条委員会をつくったことについて、答弁を求めました。その局長の答弁を聞いた私の地元の共産党が、ほらね、総務省も駄目だと言っていないでしょう、これからもどんどんやろう、委員会をつくるときに維新だけ排除しよう、そういうことを示唆するようなひどいチラシやブログを拡散しています。共産党というのは本当にね、まあやめておきましょう。  高原さん、もう少し正確に、この委員会の構成の問題、御答弁をいただきたいと思います。
  219. 高原剛

    高原政府参考人 御答弁申し上げます。  地方議会の委員会についてのお尋ねでございますが、地方議会の委員会に関し必要な事項は、地方自治法で定めるもののほかは、議会の自主性、自律性を尊重する観点から、条例で定めることとされております。  これは委員会の委員の選任についても当てはまるものでありますが、一方で、会派制を取る地方議会における委員の選任については、会派の所属議員数に比例して委員数を割り当てる方式が広く採用されていること、国会においては、各会派の所属議員数に比例して委員数を割り当てることが法定されていることなどに鑑みれば、各会派の所属議員数に比例した委員数の割当ては、委員の選出に関する標準的な方式と考え得るものでございます。  各議会において、委員会の委員の選任について条例で定め、これを運用するに当たりましては、こうしたことを踏まえて十分に検討していただき、合理的に説明し得る方式を採用することが望ましいと考えております。  以上でございます。
  220. 足立康史

    ○足立委員 ありがとうございます。これが私の思いと一致する御答弁であり、それで私は結構だと思います。  地方自治というのは規律密度が大変低い。国会テレビが追っかけてくるけれども、地元はテレビが張りついていません。いろいろなことがやり放題です。しかし、しっかりと、地方自治法を所管している立場から、国会で、総務省でしっかり規律していくことをこれからもお誓いして、質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  221. 石田祝稔

    石田委員長 次に、井上一徳君。
  222. 井上一徳

    ○井上(一)委員 国民民主党・無所属クラブの井上一徳です。  今日はNHK決算ということですけれども、その前に、新型コロナウイルス対策、特に水際対策、これについてお聞きしたいと思います。  四月八日のときにもこの水際対策について、ここに厚労省の方に来ていただいて質問させていただきました。そのときも、四月八日の時点で、変異株が猛威を振るっておるということで、大変な危機感を持っていた。そういう状況が続いて、この新型コロナウイルスについてはまだまだ収束の見通しがついていない。そういう中で、明日にでもまた緊急事態宣言の再延長というようなことになっています。  今、今日の朝日新聞でもありましたけれども、インド株がじわり拡大ということで、強い感染力で、国内で市中感染のおそれということで、英国株についても非常に危機感を持っていましたけれども、今度はインド株になっている。  それで、四月八日のときにも非常に問題意識を持って私は質問しまして、そのとき厚労省の方からも、非常に強い危機感を持ってこれについては水際対策強化していますということでした。  そのときにお答えになったときが、入国後十四日間の待機について誓約書の提出を求めているんです、それで、出国前と入国時の二回の検査に加えて、入国後三日目に追加の検査を実施する、それで問題がなければ宿泊施設を出ていってもらって、自主的に隔離をしてもらう、そのときにはアプリを使って位置情報をしっかり提供してもらうんですということで、万全を尽くしてやっていますという答弁だったわけです。私は、それで一人一人しっかりフォローしてくださいねという強いお願いをしました。  そうすると、このアプリについてはどうも不具合がある、本当に一人一人しっかりその位置情報確認できているのかどうか分からない、そういう状況になっていますし、この朝日新聞によれば、もう二十五日までに十四人からインド株が見つかった、インド型が見つかった、うち九人は、海外渡航歴がある人との接触などが確認された例で、検疫での流入防止には限界があったことも表しているということで、強化はしているんですけれども、やはりまだ穴があるということを言わざるを得ないと思うんです。  この水際対策に係る新たな措置ということで、この間聞いたときは、四月八日のときは三日間だったのを、五月七日には六日に延ばした、五月二十五日には、今度はこれを十日に延ばしている。  逆に言うと、本当の意味の危機管理でいうと、やはり十四日間、宿泊施設でしっかり隔離する、それを大原則にした上で、収束が見通せる時期になってきたら、これを十日にしたり、六日にしたり、三日にしたりといって緩めていく、これが私は危機管理の原則だと思うんですけれども、今厚労省がやっていることは、後追い、後追いなんですよね。  こういうインド型が拡大している兆候を踏まえて、政府の対策分科会の尾身会長も、やはり十四日間にした方がいいのではないかという声も出ているわけです。  私は、もう一度基本に返って、水際対策を徹底するという意味からも、十四日間、政府施設でしっかり隔離をする、これをもう一度、基礎を徹底した方がいいと思うんですけれども、どうですか。
  223. 浅沼一成

    浅沼政府参考人 お答えいたします。  今議員から御質問がございました、インドで初めて確認された変異株、B1・617、便宜上、いわゆるインド株と言わせていただきますが、こちらの方ですが、三月中旬にインド政府が新たに変異株に係る発表を行っておりまして、その後、四月二十六日に国立感染症研究所が、この株を注目すべき変異株とし、さらに、五月十日にWHOが、五月十二日は国立感染症研究所が、当該のこの変異株を、VOC、懸念すべき変異株と評価を変更したところでございます。  それに対しまして、私どもといたしましては、四月二十八日に、今議員御指摘の、入国後三日目の検査をして、三日間待機、三泊四日をしていただいた後に、入国後十四日間の待機を求める扱いとし、五月七日には、インド、ネパール、パキスタンからの入国者につきまして、入国後三日及び六日目に追加の検査を実施し、検疫措置の強化を講じたということで、懸念すべき変異株への評価の変更前には、先んじて強化措置を行っていたところでございます。  さらに、五月二十五日からは、インド株が流入するリスクがより高いと懸念されるインド、ネパール等六か国からの入国者につきましては、更に入国後十日目にも、宿泊施設に留め置いて検査を実施する、一層の強化措置を講ずることを決定したところでございます。  十四日間ということでございまして、私たちも、原則的には、コロナウイルスの潜伏期十四日間ということで考えてはいるんですが、CDC、アメリカの疾病管理庁というところがあるんですが、CDCの数理分析によりますと、十四日間何もしないで留め置く効果と、十日間ぐらいきちっと留め置いた上で、そこの施設を出るときに陰性だと確認してリリースする、その後の感染のリスクというのがほぼ一緒、あるいは、検査をちゃんとした上でリリースする方がその後の感染リスクが高くないということも踏まえまして、もちろん、これは拘束することになりますので、できる限り効率的、効果的なことをするということで、十日間とさせていただいたところでございます。  もちろん、念には念が大事ですので、この十日後のいわゆる自宅等待機につきましても、健康フォローアップを確実に実施した上で、入国後十四日間の自宅等待機を求めることとしております。  この健康フォローアップも、今議員御指摘のとおり、まだいろいろ不備があるのではないかという御指摘でございまして、それにつきましても、日夜改善を続けて、いわゆる確認ができない人数というのも日々減ってきております。さらに、連絡が取れない場合は見回りの強化なども行って、この十四日間の健康状態の確認と自宅等待機の徹底を図ることとしております。  また、水際対策につきましては、我々、検疫だけにとどまらず、インド、ネパール等の六か国からの再入国を、当分の間、特段の事情のない限り拒否する水際強化措置も講じているなど、関係省庁が連携して取り組んでいるところでございます。  引き続き、政府全体として機動的な対応を講じてまいりたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
  224. 井上一徳

    ○井上(一)委員 危機管理の発想からいうと、やはり構えは大きい方がいいと思うんです。空振りしてもいいんですよ。構えを大きくしておいて、あらゆる危機に対応できるようにしておく、それが安心感にもつながるわけです。  私は、やはり十四日間、政府として、特定の施設、宿泊施設に十四日間しっかり隔離する、離れてもらう、これをやるべきだと思います。感染してからでは遅いんですよね。それを強く求めたいと思いますので、是非、政府部内でもう一度しっかり検討していただきたいというふうに思います。  それからあと、緊急事態宣言がまた延期されるということで、前回の総務委員会でも、持続化給付金、もう一度やるべきだということをお願いしました。強く要望しました。大臣にもお話をさせていただきました。  さらには、雇用調整助成金、これは六月三十日で切れることになっているわけです。緊急事態宣言の中でも雇用を確保している企業に対しては、やはり政府は手厚く支援すべきだと思うんです。早めに、この雇用調整助成金、もう六月三十日ですから、速やかに、これは延期するということを政府として決めて発表すべきだと思いますが、いかがですか。
  225. 志村幸久

    志村政府参考人 お答えさせていただきます。  雇用調整助成金の特例措置につきましては、新型コロナウイルス感染症の感染が拡大する中で、前例のない措置を講じることにより、事業主の雇用の維持の取組等を強力に支援してきたところでございます。  五月、六月について、特に業況が厳しい事業主等に対し、日額上限一万五千円、助成率最大十分の十の手厚い支援を引き続き行うこととしております。仮にこれに該当しない場合でも、日額上限一万三千五百円等、リーマン・ショック時を超える水準の支援を行うこととしております。  このため、七月以降、雇用情勢が大きく変化しない限り、通常制度に向けて段階的な見直しを進めていく旨お示ししてきているところですけれども、いずれにしても、雇用情勢等をしっかり見極めながら早急に検討していきたいと考えております。
  226. 井上一徳

    ○井上(一)委員 早急に検討するのは当然なんですけれども、七月以降の延長についても、是非政府として決断していただきたいということを強く求めたいと思います。  それでは、NHK決算について質問をさせていただきます。  新型コロナの影響で、非常に家計の負担も、日常生活を送っている皆さんも大変苦しい状況にあります。そういう中で、このNHK受信料、これの負担をどう減らしていくかというのも喫緊の課題だと思います。  昨年の十月からは二・五%の受信料の引下げということになっておりますけれども、この受信料の引下げについては、大臣も、放送法を成立させて、そして、この法案の成立に全力を尽くし、月額で一割を超える思い切った受信料の引下げにつなげるというふうにおっしゃったわけです。  私は、今の、NHKの現在の受信料の引下げの方針、これは、二〇二三年度に衛星放送受信料を一割下げるということが基本方針だと思っているんですが、やはり国民の声は、二〇二三年度ではなくて、今、コロナで困っているまさに今、そして、衛星放送ということではなくて、地上波も含めて、一割ではなくて更なる引下げ、こういう声が強いんだと思うんです。私は、この声にいかに応えていくかということだと思うんです。  まず、総務大臣に、報道によれば、放送法審議政府としてもう諦めたんだというような報道もありますけれども、これについて、放送法、今国会で是非成立させたいという強い思いを述べておられましたので、総務大臣、いかがですか。
  227. 武田良太

    武田国務大臣 今回提出させていただいております法案については、御指摘受信料引下げの仕組みの導入を含めたNHK改革に関するものであり、国会で御審議いただき、成立させていただきたい、このように考えております。
  228. 井上一徳

    ○井上(一)委員 であれば、私は、緊急事態宣言も延長される、国会の会期をまたいで延長されるわけです。先ほど申し上げた持続化給付金、雇用調整助成金、政府としてもいろいろな支援策をこれから更に講じていかないといけないということになると、補正予算もやはり審議しないといけないと思うんです。  私は、国会を延長して、補正予算を審議する、であれば、この放送法も議論できるのではないかと思うんですよ。そういうような思いでこの国会で取り組んで、NHK受信料の引下げにつながる放送法を成立させていく、そういう思いを大臣は今述べられたんだと思います。  これは会長にもお聞きしたいんですけれども、放送法、これは議論されることになっているわけですが、私は、二〇二三年度に衛星放送に特化して一割を下げるというのが今のNHKの基本方針だと思うんですが、これを、先ほど申し上げたように、二〇二三年度を前倒しして、衛星放送だけではなくて地上放送にも広げて、そして、一割ではなくてそれ以上の引下げということを早期にやるべきだと思うんですが、会長、いかがでしょうか。
  229. 前田晃伸

    前田参考人 お答え申し上げます。  NHKは、受信料につきまして昨年十月に二・五%の値下げを実施いたしました。これまでの負担軽減策と併せ、今年度は年間四百億円規模の還元を行うことになっております。  さらに、コロナ禍の影響もございまして、受信料収入は、二〇一八年度のピーク時に比べて、今年度予算では四百億円余り少ない六千七百億強になる予定であります。  NHKには、災害報道強化や全国ネットワークを生かした情報発信による地域社会への貢献、国際発信強化、ユニバーサルサービスの拡充などに努める義務がありまして、二〇二三年度に予定しております値下げで受信料を値下げした後でもしっかりと取り組んでいく必要があると考えております。  これを実現するためには、来年度、構造改革に取り組みまして、スリムで強靱なNHKとなるとともに、値下げの原資として七百億円程度を確保して、二〇二三年度に確実に値下げを実施してまいりたいということは今まで御説明申し上げてまいりました。  値下げを予定しております二〇二三年度は、衛星波の整理、削減を実施する方針でありますし、衛星付加受信料が従来から地上契約に比べて割高感がずっと継続して指摘されておりますので、今回は値下げは衛星付加受信料について実施したいと現在では考えております。  その具体的内容につきましては、新型コロナウイルス感染症の社会経済への影響、また、今年度から本格的にやります訪問によらない営業活動への移行の状況などを見た上、収支構造をしっかり見極めた上でないとできないと思っております。  受信料の値下げ、ワンショットで下げるということでございませんで、構造的にしっかりと収支が成り立つように見極めませんとできませんので、その点は是非御理解いただきたいと思います。
  230. 井上一徳

    ○井上(一)委員 先ほど会長からも、改革に今取り組まなければもうNHKの未来はないというような話もありました。是非、会長のリーダーシップで強い改革を成し遂げてもらって、国民の皆さんの声に応えられるような改革をしていただきたいと思います。  それでは、残りの時間で、これも総務委員会で何回かやらせていただいております、北朝鮮向けの、拉致被害者や特定失踪者に向けたラジオ放送についてお尋ねしたいと思います。  政府の方としては、拉致対策本部が「ふるさとの風」というラジオ放送を持っており、それから、民間の特定失踪者問題調査会が「しおかぜ」というラジオ放送を行っております。  「ふるさとの風」は、外国の配信会社に委託して、年間費用約一億二千八百万円かけてやっているわけです。それで、民間の特定失踪者問題調査会の方は、日本の送信所、具体的にはKDDIの八俣送信所、これはNHK国際放送の拠点でもあるわけです。  私は、北朝鮮にいる拉致されている方々、それから特定失踪者の方々に対しては、日本の国内からやはりラジオ放送した方がいいのではないかということで議論させていただいて、その点については、NHK、それから特定失踪者問題調査会等で話をしてもらって、できる限り日本の方から放送してもらうということで話を進めていただくということになっておりましたが、今その状況についてどういうふうになっているか、お聞かせいただきたいと思います。
  231. 松坂千尋

    ○松坂参考人 お答えいたします。  政府は、特定失踪者問題調査会に委託し、毎日一回、「しおかぜ」の枠を使いまして、三十分間、八俣送信所から「ふるさとの風」のコンテンツを現在送信しております。  同調査会からは、この政府コンテンツの送信時間を拡大するため、来年度から送信機の使用時間を一時間程度延長したい旨の要望が寄せられ、先日、NHK調査会、それに送信機の所有権を有するKDDIの三者で協議を行いました。その際、NHKからは、NHK国際放送に支障がないことなどを条件に、来年度調査会の要望どおり使用時間の延長に応じることが可能である旨を回答しております。
  232. 井上一徳

    ○井上(一)委員 NHKとしても努力していただいているというふうに私自身は評価させていただきたいと思います。  それで、もう一つは、この今あるKDDIの八俣送信所、これは、先ほど申し上げたように、KDDIの所有ですが、NHK国際放送の拠点になっているという場所です。ここの送信所が老朽化が進んでいるということで、このままずっといくと、もう放送できないかもしれないという状況になっている。  これはやはり新規更新が必要だと思うんですが、NHKとして、この八俣送信所の新規更新についてはどのように考えておられますか。
  233. 松坂千尋

    ○松坂参考人 お答えいたします。  先ほど述べましたように、「しおかぜ」につきましては、NHKやKDDI、特定失踪者問題調査会の三者で覚書を結び、NHKの短波国際放送に支障がないことなどを条件に、一部の送信機の使用を認めているところです。  「しおかぜ」が使用しております送信機は、KDDIの所有物でありますけれども、老朽化は進んでおります。現在、NHK国際放送にはこの送信機をほとんど使用しておらず、今後も使用する見込みはないため、現状では更新する必要はないと考えております。  「しおかぜ」が使用している送信機に不具合が発生して、別の送信機の使用を調査会から要望された場合は、その時点での送信機の使用状況を踏まえまして判断したいと考えております。
  234. 井上一徳

    ○井上(一)委員 けれども、今の答弁だと、使えなくなったときに改めて相談してもらって、そのときにNHKとして支障がなければ、特定失踪者問題調査会に使うこともその時点で検討しますということだと、送信できない可能性も出てくるわけですよね。私、それはおかしいと思いますよ。今時点でしっかりと、特定失踪者問題調査会が引き続き放送ができるようにNHKとしても協力していきますという答弁になるんじゃないですか。会長、どうですかね。
  235. 前田晃伸

    前田参考人 お答え申し上げます。  御指摘の送信機は、KDDIの所有物でございまして、老朽化が進んでおります。現在、NHK国際放送にはほとんど使っておりませんで、今後も使う見込みはございません。このため、現時点では更新の必要性は感じていません。  短波による国際放送に関しましては、NHKが通常使用しております送信機を十分に活用し、国際発信を行っていきたいと思います。  「しおかぜ」が使用しております送信機に不具合が発生いたしまして、別の送信機の使用を調査会から要請された場合には、その時点でしっかりと対応してまいりたいと思います。
  236. 井上一徳

    ○井上(一)委員 だから、そのしっかり対応というのが、送信できない可能性も残されているような含みのある答弁なわけです。  総務大臣、済みません、最後にここ、総務省としてもしっかりやりますという答弁をいただけないですか。
  237. 武田良太

    武田国務大臣 拉致問題は菅政権の最重要課題でありますので、この解決のためにはできることは何でもやる、こういう方向性を持って臨んでいきたい、このように考えています。
  238. 井上一徳

    ○井上(一)委員 是非、総務省としても強くバックアップしていただきたいと思います。  ありがとうございました。
  239. 石田祝稔

    石田委員長 これにて両件に対する質疑は終局いたしました。     ―――――――――――――
  240. 石田祝稔

    石田委員長 これより両件を一括して討論に入ります。  討論の申出がありますので、これを許します。本村伸子君。
  241. 本村伸子

    ○本村委員 私は、日本共産党を代表して、NHKの二〇一六年度決算に反対、二〇一七年度決算には賛成の立場から討論を行います。  二〇一六年度予算について、日本共産党は、次の点から反対をいたしました。  当時の籾井勝人会長は、二〇一四年一月の会長就任以来、日本軍慰安婦被害者に関わる問題で歴史の事実を歪曲する発言を行い、放送法への著しい不理解を露呈する発言を繰り返し、公共放送会長としての資質が深刻に問われました。視聴者国民の皆様の信頼は大きく損なわれました。  また、NHKNHK子会社で、職員のタクシー券の不正利用や子会社職員の着服問題など不祥事が相次ぎ、会計上の信頼も大きく揺らぎました。  さらに、株式会社海外通信放送・郵便事業支援機構に対する二億円の出資は、リスクの高い営利目的の活動です。受信料収入で成り立つNHKは本来できないものであり、容認できません。  これらの問題は、決算期においても解決されているとは言えません。  以上の点から、二〇一六年度決算については反対といたします。  以上申し述べ、討論といたします。
  242. 石田祝稔

    石田委員長 これにて討論は終局いたしました。     ―――――――――――――
  243. 石田祝稔

    石田委員長 これより両件について順次採決に入ります。  まず、日本放送協会平成二十八年度財産目録貸借対照表損益計算書資本等変動計算書及びキャッシュフロー計算書について採決いたします。  本件について異議がないと決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  244. 石田祝稔

    石田委員長 起立多数。よって、本件は異議がないものと決しました。  次に、日本放送協会平成二十九年度財産目録貸借対照表損益計算書資本等変動計算書及びキャッシュフロー計算書について採決いたします。  本件について異議がないと決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  245. 石田祝稔

    石田委員長 起立総員。よって、本件は異議がないものと決しました。  お諮りいたします。  ただいま議決いたしました両件に関する委員報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  246. 石田祝稔

    石田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――     〔報告書は附録に掲載〕     ―――――――――――――
  247. 石田祝稔

    石田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時三十五分散会