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2021-04-15 第204回国会 衆議院 総務委員会 第15号 公式Web版

  1. 会議録情報

    令和三年四月十五日(木曜日)     午前九時一分開議  出席委員    委員長 石田 祝稔君    理事 橘 慶一郎君 理事 寺田  稔君    理事 冨樫 博之君 理事 松本 文明君    理事 務台 俊介君 理事 岡島 一正君    理事 岡本あき子君 理事 國重  徹君       安藤 高夫君    井林 辰憲君       石田 真敏君    小倉 將信君       金子万寿夫君    川崎 二郎君       木村 弥生君    高村 正大君       佐藤 明男君    斎藤 洋明君       杉田 水脈君    鈴木 淳司君       田畑 裕明君    谷川 とむ君       古川  康君    穂坂  泰君       宮路 拓馬君    簗  和生君       山口 俊一君    奥野総一郎君       神谷  裕君    櫻井  周君       田嶋  要君    高木錬太郎君       長尾 秀樹君    松尾 明弘君       松田  功君    道下 大樹君       山花 郁夫君    桝屋 敬悟君       本村 伸子君    足立 康史君       井上 一徳君     …………………………………    総務大臣         武田 良太君    総務大臣        熊田 裕通君    総務大臣政務官      谷川 とむ君    総務大臣政務官      古川  康君    総務大臣政務官      宮路 拓馬君    厚生労働大臣政務官    大隈 和英君    政府参考人    (内閣官房内閣審議官)  時澤  忠君    政府参考人    (内閣官房内閣審議官)  冨安泰一郎君    政府参考人    (内閣官房内閣審議官)  内山 博之君    政府参考人    (内閣法制局第一部長)  木村 陽一君    政府参考人    (内閣大臣官房審議官) 酒田 元洋君    政府参考人    (公正取引委員会事務総局経済取引局長)      粕渕  功君    政府参考人    (個人情報保護委員会事務局次長)         三原 祥二君    政府参考人    (総務省大臣官房総括審議官)           竹村 晃一君    政府参考人    (総務省大臣官房地域力創造審議官)        大村 慎一君    政府参考人    (総務省自治行政局長)  高原  剛君    政府参考人    (総務省自治行政局公務員部長)          山越 伸子君    政府参考人    (総務省自治税務局長)  稲岡 伸哉君    政府参考人    (総務省情報流通行政局長)            吉田 博史君    政府参考人    (国税庁課税部長)    重藤 哲郎君    政府参考人    (厚生労働省大臣官房サイバーセキュリティ・情報化審議官)         岡崎  毅君    政府参考人    (厚生労働省大臣官房審議官)           間 隆一郎君    政府参考人    (厚生労働省大臣官房審議官)           小林 洋子君    政府参考人    (厚生労働省大臣官房審議官)           榎本健太郎君    政府参考人    (厚生労働省大臣官房審議官)           横幕 章人君    政府参考人    (中小企業庁事業環境部長)            飯田 健太君    総務委員会専門員     阿部 哲也君     ――――――――――――― 委員の異動 四月十五日  辞任         補欠選任   田畑 裕明君     簗  和生君   松尾 明弘君     長尾 秀樹君 同日  辞任         補欠選任   簗  和生君     田畑 裕明君   長尾 秀樹君     松尾 明弘君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  政府参考人出頭要求に関する件  地方公共団体情報システム標準化に関する法律案内閣提出第三一号)      ――――◇―――――
  2. 石田祝稔

  3. 石田祝稔

    石田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――
  4. 石田祝稔

    石田委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申出がありますので、順次これを許します。小倉將信君
  5. 小倉將信

    小倉委員 自由民主党の小倉將信です。  本日、御質問機会をいただきまして、ありがとうございます。  今回、地方公共団体情報システム標準化ということで、この議論は、今から三年前、当時、私、総務省大臣政務官でした。同じく政務官だった小林史明君と一緒に立ち上げましたスマート自治体検討会、これが本格的な議論出発点だったと思います。それから、コロナ禍我が国行政デジタル化の遅れ、こういったことに起因する危機感もあったとは思いますけれども、そのときの議論がこういう大がかりな法律となって国会に提案をされるということは、非常に個人的には感慨深いものであります。  そのときにも、やはり、このシステム標準化するということは地方自治を侵すのではないかというような慎重論もございました。  しかし、地方自治というのは、例えば、住民票の様式を別々なものにするとか、A市B市、隣り合っていてもシステムを違うものにするというものではなくて、むしろ、いかに地域に密着をした、その地域住民の意思を反映したきめ細かい住民サービスができるかというところに私はあると思いますし、むしろ、そういった観点から考えると、年間五千億円近くかかっております自治体システム関連予算、これも三割は削減できるというふうに言われておりますし、自治体財政事情が厳しい中で、住民サービス予算の面で充実をさせる意味でも、システムの統合は重要だというふうに考えています。  また、人口減少地方公務員確保がこれからますます厳しくなってまいります。そういった中で、システム標準化、さらにはAIやRPAの導入によって関連業務にかける人手を減らすことも、これまた住民サービス充実には不可欠なのではないかと思います。  これらの点につきましては、総務省にしっかりと説明をしていただきたいと思います。その上で、幾つか質問をさせていただきます。  まず最初質問は、標準システムへの移行スケジュールであります。  標準仕様がそろうのは再来年の夏、それを待ってベンダーアプリケーション開発するのが一年半はかかると言われておりますので、実際に、二五年が移行期限だとすると、移行期間は二年程度しかありません。  特に、大規模自治体、政令市もそうですけれども、独自の基幹システムの上に、大量に、区ごとですとか支庁ごとといった、複雑な業務対応できるような様々なアプリケーションを構築しておりますので、そのそれぞれを政府クラウドと新しいアプリケーションにアジャストしていく作業に相当な時間を要するのは目に見えております。そこで、せめて、大規模自治体はこの終了時期を柔軟に解釈をすべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。  あわせて、これは大規模団体がネックでありますので、こういった団体向け特別支援を講じてはいかがかと思っています。例えば、モデル自治体を指定をいたしまして、この標準仕様書ができ上がる前に、データベースのクレンジング作業等々の課題の洗い出しは可能でありますので、そういった作業を先んじて国、自治体共同で進めてはいかがと思いますけれども、この点について政府の御見解をお伺いしたいと思います。
  6. 高原剛

    高原政府参考人 御答弁申し上げます。  今般の新型コロナウイルス感染症対応を踏まえ、行政デジタル化を加速化する必要が認識されたところであり、昨年末に閣議決定されたデジタル・ガバメント実行計画において、国、地方を通じたデジタル化を今後五年間で進めることとされており、標準化共通化についての目標時期を二〇二五年度とすることとされております。  もっとも、委員指摘のとおり、大規模団体システム規模が大きく、標準準拠システムへの移行に相当の期間を要する場合があり得るなど、多様な実情があるものと承知しております。  標準化共通化取組推進していくに当たりましては、こうした多様な実情を踏まえることが重要であり、地方公共団体意見を丁寧に伺いつつ、場合によっては個別の団体の御相談にも応じながら、円滑な移行が実現できますように、国としても必要な支援策を講じてまいります。
  7. 小倉將信

    小倉委員 どうもありがとうございます。  このシステム開発というのは、予想外の不具合とか作業の遅れというのはつきものであります。目標をいたずらに守ることがすばらしいのではなくて、逆に、無理なスケジュールを守ろうとして、より大きなミスを誘発をして、その取組自体せっかくいいものであるのに信頼性が薄れていくことの方が私は問題だと思っておりますので、そこら辺は是非政府には柔軟に取り組んでいただきたいと思います。  二つ目質問は、国の法令改正自治体システム関係についてであります。  私、なぜ自治体システム複雑化するかというと、国にも責任の一端があるのではないかと思います。特に社会保障分野が顕著だと思いますけれども、毎年のように国の法令が改正されますので、それに合わせて自治体システムを更新をしなければなりません。その中で、システムのことを十分に想定していない法改正が交ざれば、自治体システムの改修の負担が更に大きくなりまして、これを自治体ごと対応しようとすると、更に複雑化やタコつぼ化が進んでいくというような悪循環に陥ってしまいます。  デンマークにはデジタル版法制局のような組織がありまして、システムの面で無理のある法律は通せない仕組みがあります。  私、今回好都合だと思いますのは、法令を所管する省庁は、法改正に合わせて、今回導入するシステム標準仕様書改定も行う点だと思っています。その際に、デジタル庁に、標準仕様書の作成における権限を持たせるとか、せめて、事前にこの標準仕様書システムの面で無理を起こさないかどうかコンサルティングを行わせる手続にすれば、システムの面から無理の大きい法令にはならないのではないかと思います。  今、このタイミングでそういった枠組みを強化すべきだと私は思いますけれども、その点についての政府の御見解を伺いたいと思います。
  8. 時澤忠

    ○時澤政府参考人 お答えいたします。  標準仕様につきましては、一度作成したら終わりということではなくて、環境の変化に対応して常に見直していくことが必要と考えております。  議員御指摘のとおり、法改正を行う場合には、標準仕様改定検討と並行して行っていくということが重要であると考えております。  具体的には、法令改正の施行に間に合うように標準仕様改定を行うべきと考えておりまして、そのためには、法令改正検討段階から標準仕様改定検討を同時に行うことが必要というふうに考えております。この点につきましては、標準化法案の第五条、基本方針を定めるという規定がございます。この基本方針に規定するとともに、詳細な仕組みにつきましては、今後、関係省庁検討してまいりたいと考えております。  IT室といたしましては、データ要件連携要件などの共通的な基準を定める観点からも、標準仕様改定が適切に行われるよう関わっていきたいというふうに考えております。
  9. 小倉將信

    小倉委員 ありがとうございます。  自治体システムに関しては、是非標準仕様書を使ってシステムの面で無理のない法令改正にしてもらいたいと思いますけれども、実は、この問題は、自治体システムだけじゃなくて、当然、国のシステムの問題にも起こり得ることであります。そういったときには、標準仕様書ではこれは解決できないので、是非IT室、あるいは今秋にでき上がりますデジ庁には、国のシステムについてもシステムの面で問題のない法令改正になるような、そこら辺のグリップはしっかりと握っていただきたいなというふうに思います。  三点目は、システム障害についてであります。  クラウドの活用に際して言われておりますのが、オンプレのシステムに比べて、クラウド事業者アプリケーション事業者との間で責任領域が曖昧になってしまう、責任分界点の問題が存在しているというふうに言われています。そこの対策をきちんと講じなければ、この問題が、ガバメントクラウド移行した場合にシステム障害の元になるのは明らかであります。そこら辺の対策をどのように考えているのか、お考えをお聞かせください。
  10. 時澤忠

    ○時澤政府参考人 ガバメントクラウドにつきましては、これは政府情報システムにつきまして共通的な基盤機能を提供する複数クラウドサービス利用環境でございまして、地方自治体情報システムにつきましてもガバメントクラウドを活用できるように、具体的な対応方針課題等について検討を進めることとしております。  クラウドサービス提供事業者アプリケーション開発事業者責任分界点明確化、これは非常に重要な課題だというふうに認識しております。国、そして地方公共団体クラウドサービス提供事業者アプリケーション開発事業者、こういった役割がありますので、それぞれの間で責任分界につきましての基本的なルールを取り決めるとともに、個々の業務システム状況を把握しながら、その状況に応じて詳細なルールを取り決めてまいりたいと考えております。
  11. 小倉將信

    小倉委員 ありがとうございます。  大体、クラウドアプリケーションの不具合というのは、クラウドのバージョンアップですとか定期メンテナンス、パッチの適用の際に、十分にクラウド事業者からアプリケーション事業者に連絡が行っていない、情報提供が行っていないということに起因することが多うございます。そういう意味では、クラウドと契約するのは国、それぞれのアプリケーション事業者と契約するのは地方自治体で、情報経路が迂遠になる可能性があります。  そういう意味では、このガバメントクラウド情報アプリケーション事業者に遅滞なく通知する仕組み、あるいは、クラウドアプリケーション相性というものもありますので、アプリケーションの選択の際には、是非クラウドとの相性のよさを勘案をする、こういった制度上の工夫を施していけば、今申し上げたようなシステム障害というのを未然に防止できるのではないかというふうに私は思っていますので、是非検討をお願いしたいと思います。  四つ目質問は、地域ITベンダーへの支援でございます。  ガバメントクラウドができるということはどういうことかというと、これまで市町村がそれぞれの地域ITベンダーに発注していたものの多くが、国内外の大手のベンダーに流れて発注をされるということであります。そうすると、勢い地域ITベンダーは先細っていってしまう可能性がありますけれども、しかし、地域ITベンダーというのも地域の重要な担い手であることは変わりません。  そういった意味では、こういった新たな状況の下でも、彼らが持続可能なビジネスへと事業転換をできるようなことを政府としても促していかなければいけないと思いますけれども、この点についてお考えをお聞かせください。
  12. 高原剛

    高原政府参考人 御答弁申し上げます。  標準化共通化取組は、国が定める標準仕様に準拠したシステムを各ベンダー開発し、全国規模クラウド基盤上に構築することを想定しており、この機会システム保守管理事業から撤退する地域ITベンダーもあると考えられる一方、活動範囲全国に広げていこうとする地域ITベンダーもあるというふうに考えられます。  総務省としては、標準化共通化に積極的に取り組む意向のある地域ITベンダーに対しては、例えば、自治体を通じた標準仕様書に関する情報提供を行うほか、全国規模クラウド基盤に円滑に移行するための必要な支援検討するなど、関係省庁連携して対応してまいります。  また、地域ITベンダーシステム保守管理事業から撤退する場合であっても、デジタル社会を実現していくために、地域ITベンダーが新たな価値やサービスを創造するための業務にシフトしていくということが考えられると思っております。この場合、地域ITベンダーは、その貴重な人材自治体地域デジタル化に向けた取組に活用するなど、ますます重要な役割を担っていただくことも想定されます。  総務省といたしましては、地域実情を丁寧に伺いながら、地域ITベンダー地域担い手としての役割を果たすことができるよう、関係省庁連携し、必要な対策について検討してまいります。  以上でございます。
  13. 小倉將信

    小倉委員 ありがとうございます。  高原局長がおっしゃってくださったように、自治体DXに関するコンサルティング機能を担っていただくことも可能でしょうし、ガバメントクラウド移行すれば、今度、逆に、ベンダー自治体の距離が遠くなる可能性がありますので、自治体にとっての身近な相談窓口としても彼らは機能するのではないかというふうに言われております。  これから質問しますけれども、デジタル人材自治体で不足をしているというふうに言われております。こういった自治体デジタル人材外部登用に際しても、彼らは利活用できるのではないかと思います。  今、高原自治行政局長がお答えいただきましたけれども、業として彼らと密接に関係をしているのは、同じ総務省でもテレコム分野だというふうにも思いますので、是非その両者の連携をしっかりと図っていただきたいと思います。  最後の質問は、今申し上げた、自治体システム業務職員確保でございます。  今申し上げたように、官民合わせて我が国デジタル人材が圧倒的に不足していると言われておりますので、当然、自治体システム業務に関わる職員も不足しております。他方で、自治体システム標準化をしても、どのアプリケーションを採択をするのか、そのアプリケーション自治体業務に合わせてどのように修正を図っていくのか、反対に、システムに合わせてどのようにBPRを進めていくのか、あるいは、システム障害が発生をしたときにどのように対応すべきかなど、彼らに求められる役割は、むしろより重要になっていきます。  そういった中で、量だけではなくて、質の高い職員をいかに確保できるかが自治体デジタル化の鍵を握ると言っても過言ではないと思っておりますけれども、この点についての政府対策をお伺いしたいと思います。
  14. 大村慎一

    大村政府参考人 お答えいたします。  自治体DX推進に当たりましては、ICTの知見を持った上で、現場の実務に即した技術導入判断等を行うことができるデジタル人材が必要でございます。一方で、デジタル人材の需給は、委員指摘のとおり逼迫しておりますので、限られた人材を有効に活用する観点から、市町村間の広域連携都道府県支援による人材確保は有効であると考えております。  総務省としては、こうした広域的な連携観点も含めて、昨年末に、自治体DX推進計画を策定したところでございますが、今後、より具体的な進め方等について検討し、今年の夏をめどに、自治体DX推進手順書として提示をしたいと考えております。その中には、市町村間の広域連携都道府県支援によるデジタル人材確保手法、研修やキャリアパス形成等人材育成手法などについても盛り込むとともに、先進的な自治体の事例も紹介してまいりたいと考えております。
  15. 小倉將信

    小倉委員 質問時間が終了しましたので、これで終わります。ありがとうございました。
  16. 石田祝稔

    石田委員長 次に、桝屋敬悟君。
  17. 桝屋敬悟

    桝屋委員 おはようございます。公明党桝屋敬悟でございます。  時間がないので、直ちに質問に入りたいと思います。  最初に、思い出話をしたいと思っております。  今回の法律案は、必要性十分理解をしているつもりですが、何でこういう法律が必要なのかということを、改めて問題点を整理しておきたい。  私は、思い出話と言いましたが、平成十年、住民基本台帳ネットワークシステム、十一桁の住民票コード、あのときに総務部会部会長で担当しておりました。  当時は、まだ私ども公明党与党になっておらず、その後に与党になるわけで、言ってみればユ党みたいな時代であったわけでありますが、自民党の皆さんと随分、住基ネットのあの法律は苦しんだわけであります。四つ国会をまたいで、国民番号をつけるなという大変野党皆さん方の厳しい御指摘をいただきながら議論したことを覚えております。  地方自治体ごとに全く別々であった住民基本台帳、この住基情報全国統一規格化することで、業務効率化に大いに貢献するんだろうと考えましたし、その後の十二桁のマイナンバー制度にもつながったということで、日本における国民識別番号制度基盤となったと今から考えると思っております。当時、番号をつけるなと叫び続けた、どこかの市長さんになられた方がありますけれども、思い出しているわけであります。  ところが、今回の法律では、標準化対象事務として、この業務プロセス情報システム標準化対象十七業務住民記録システム住基台帳システムも入っているわけでありまして、何でこうした事態になったのか。この二十年間、私は、確かにあの住基ネットシステムは、国民はどちらかというと非常にネガティブな見方もあって、定着に時間がかかったというのは事実でありますけれども、今回、改めて標準化事務標準化をしなきゃいかぬ、システム標準化をしなきゃいかぬということが、もう少し早くできなかったのか、こういう思いもありまして、この二十年間、総務省は一体何をやっていたのかというような思いもないわけではありません。  住民記録システム住基台帳、この自治体標準化がなかなか進まなかったということ、最大の理由は一体どこにあるのか、まず総務大臣の御所見を伺ってみたいと思います。
  18. 武田良太

    武田国務大臣 住民記録システムを含む各自治体情報システムにつきましては、住民ニーズへの対応利便性向上等観点から個別にカスタマイズ等が行われるとともに、特定の技術仕様等に依存し、他のベンダーへの乗換えが困難になるいわゆるベンダーロックインが発生しやすい状況が生じておりました。  こうした状況の中で、複数自治体による情報システム共同利用を通じた仕様共通化取組を進めてまいりましたが、自主的な取組基本とする中では業務プロセスの相違や団体間の調整コストなどが課題となって円滑に進みづらいという面がございました。  このため、標準化法案により、国が自治体意見を聞きながら標準を策定するとともに、自治体標準準拠システム利用を義務づけるなどの法的枠組みを設けることで、全国自治体が足並みをそろえ、実効性のある取組として推進していくことが可能となるものと考えております。
  19. 桝屋敬悟

    桝屋委員 要するに、私がさっき思い出話をした平成十年以来の住基ネットシステム、これは、全国共通の個人情報の確認ができるようになったということは情報連携ということで大いによかったわけでありますが、しかしながら、住民基本台帳システムは、それぞれの自治体が持っていたということで、これを統一することがなかなかできなかった、こういうことであります。ベンダーの話も今出ましたけれども、ベンダーの存在も大きかったというふうに私は思っております。  そこで、総務省は、私が部会長をやっているときも自治体クラウドというようなことを、導入についても進めていこうというようなことがあったんですが、この住民記録システムについてはなかなかそれに乗っかれないという状況があったりしました。  今の住民基本台帳システム自治体クラウド化の進捗状況を確認したいと思います。事務方で結構でございます。
  20. 高原剛

    高原政府参考人 御答弁申し上げます。  いわゆる住民情報に係るシステム自治体クラウド導入状況でございますが、令和二年四月時点で五百八十団体でございます。
  21. 桝屋敬悟

    桝屋委員 千七百の自治体の中で、五百八十程度ということでございます。  総務省も、先ほど同僚の小倉委員議論されました、それから小林史明さんの名前も出ました、という世代から、平成の時代から相当巻き返しを図ってデジタル化に取り組まれてきたわけでありますが、もう一つ確認したいのは、地域情報プラットフォーム標準仕様、あるいは中間標準レイアウト仕様なども、まさにデジタル改革として最近は取り組まれるようになったというふうに思っていますが、この状況をちょっと確認したいと思います。
  22. 竹村晃一

    竹村政府参考人 お答え申し上げます。  地域情報プラットフォーム標準仕様は、自治体業務システム間のデータ連携を実現するために、各システムのデータ項目や通信手順などを標準化したものでございます。平成三十一年四月一日現在、全国千七百四十一の市区町村の中で、九二・一%の市区町村がこの標準仕様に準拠した業務システムを一つ以上導入してございます。また、八五・五%の市区町村が標準仕様に準拠した住民基本台帳システム導入してございます。  次に、中間標準レイアウト仕様でございますが、業務システムの更改に際して、異なるベンダー間のデータ移行を円滑に行うため、データ形式のレイアウトを定めたものでございます。平成二十四年度から平成三十年度までの七年間の累計で、二一・三%の市区町村が中間標準レイアウト仕様を活用した実績がございます。
  23. 桝屋敬悟

    桝屋委員 ありがとうございます。  今報告がありましたように、各自治体も相当そうした動きを開始しているということでありまして、今回のこの法律の準備が着々とできている、こう思っているんですが、政府が想定するスケジュール、令和四年夏までに全ての標準仕様の策定を終え、七年度までに標準準拠システムへの移行を目指す、この目標が果たして本当にできるだろうか。先ほど実施状況の御報告がありましたが、とりわけ大きい自治体、自分のところで大きなベンダーを抱えているところなんかはなかなか動きづらいわけでありまして、本当にできるんだろうかなと。  各自治体職員の負担、窓口の混乱を回避するため、国として、この法律ができますれば、しっかりと自治体への支援をお願いしたいと思うわけでございますが、この辺はいかがでございましょうか。
  24. 高原剛

    高原政府参考人 御答弁申し上げます。  スケジュールの御答弁に入ります前に、先ほど、住民基本台帳システム自治体クラウドを五百八十団体と申し上げましたが、五百八十三団体でございました。大変失礼いたしました。修正させていただきます。  そこで、スケジュールでございますが、昨年末に閣議決定されましたデジタル・ガバメント実行計画において、国、地方を通じたデジタル化を今後五年間で進めることとされたことを踏まえまして、標準化共通化についての目標時期を令和七年度としております。  もっとも、標準準拠システムへの移行に当たりましては、現行システム分析やデータの移行など、移行作業に相当の負担、期間を要するものと認識しており、地方公共団体意見を丁寧に伺いながら、円滑な移行が実現できますよう、国として必要な支援策を講じてまいります。  具体的には、まず、情報システム標準仕様が各地方公共団体情報システムの現状や運用を踏まえたものになることが重要と考えておりまして、地方公共団体情報システム開発している事業者意見を丁寧に聞きながら、標準仕様を作成してまいります。  加えて、令和三年夏を目途に、標準化共通化の実現に向けた必要な工程などをまとめた手順書をお示しすることを考えているほか、令和二年度第三次補正予算において、準備経費を含めた標準化共通化のための経費として一千五百九億円を計上しております。  こうした取組によりまして、国としては、地方公共団体目標時期までに標準準拠システムへ円滑に移行することができるよう、適切な助言、財政支援などを行ってまいります。  以上でございます。
  25. 桝屋敬悟

    桝屋委員 是非よろしくお願いいたします。  それで、大臣にここからちょっと聞いていただきたいのでありますが、今、こんな動きの中で、コロナ禍でありまして、例の一律十万円の給付について自治体がえらい苦労したという実態もあるわけでありますが、今、足下で何が起きているかといいますと、ワクチン接種が始まっておりまして、ここも、担当の河野大臣が新たに、ワクチンの接種記録システム、VRSと言われておりますが、これは、各自治体住基台帳住基ネット、それから予防接種台帳システム、ここから情報を取りながら、接種記録をリアルタイムで確認できる仕組みを入れたい、こういうことであります。  これは内閣官房で結構でございますが、最新の自治体取組状況、いよいよ今週から高齢者の接種が始まっているわけでありますが、自治体取組状況を確認したいと思います。
  26. 内山博之

    内山政府参考人 お答えいたします。  ワクチン接種記録システム、VRSについては、当初の予定どおり、四月十二日、高齢者への優先接種の開始に合わせて運用を開始し、これまでのところ、システムのトラブル等がなく運用されてございます。十三日時点での高齢者接種の実績の入力は、二千七百四十二回分となってございます。  接種会場等において接種記録を入力するためのタブレット端末については、既に、全国ほぼ全ての自治体から三万台を超える要望を受けて、順次配送を行っておるところでございまして、追加の要望にも随時お応えしているところでございます。また、接種対象者の登録に必要なVRSの利用登録が完了し、VRSの利用を開始した自治体は、全体の九五%を超えてございます。  引き続き、自治体の声を伺いながら、個々の自治体の事情についてきめ細かく相談に乗りつつ、運用を進めてまいりたいと考えております。
  27. 桝屋敬悟

    桝屋委員 ありがとうございます。何とか動いているということでございます。  大臣、コロナワクチン、私は、高齢者のワクチン接種が終われば新しいステージが始まる、こう思っているわけでありますが、円滑な体制をつくるために、厚労省の供給システムでありますV―SYS以外に今の接種記録システム導入しようと、これがなければ、自治体は接種した情報が三月後、四月後にしか把握できない、こういう状況でありまして、新たにこのシステム導入すると。これはお願いベースでやってきておりますが、ここまで来ているということでありまして、各自治体、相当現場では苦労しているという状況があります。  これは、大臣総務省におかれても、それは河野大臣の仕事だということではなくして、各自治体、大変苦しみながら今取組を進めておりますので、十分関心を持っていただいて、必要であれば、総務省もしっかり御支援をいただきたい。  最後に大臣の御所見を伺って、終わりたいと思います。(熊田副大臣委員長」と呼ぶ)  副大臣でも結構です。訂正いたします。副大臣のお話を伺いたいと思います。
  28. 熊田裕通

    ○熊田副大臣 済みません。お答えいたします。  先ほど内閣官房において御答弁がありましたが、いよいよ運用が開始されたと承知しておりますが、このシステムによって、自治体は個人単位の接種状況等を逐次把握できることとなり、自治体における事務効率化が図られ、住民の利便性の向上が期待できるものと認識をしております。  こうした取組を始めとする、住民の利便性の向上につながるデジタル化取組につきましては、国と自治体連携協力が重要であり、今後も、こうした考えの下、関係府省と連携をしながら地方行政デジタル化に取り組んでまいりたいと思っております。
  29. 桝屋敬悟

    桝屋委員 ありがとうございます。  先ほど内山審議官から報告がありました、大体順調に進んでいるということですが、始まったばかりでありまして、全国民ですから、厚労省のV―SYSも含めて、私は、順調にいくはずがない、どこかで問題が起きるだろう、その問題を克服することが今回の法律の目的を前に進めることになると思っておりまして、大きなコロナ禍のレガシーとして新しい仕組みができ上がるということを考えたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。  以上でございます。
  30. 石田祝稔

    石田委員長 次に、松尾明弘君。
  31. 松尾明弘

    松尾委員 立憲民主党の松尾明弘です。  先日来、この総務委員会におきまして、株式会社フジ・メディア・ホールディングスが放送法上の外資規制に違反をしていたという問題について議論がされております。  改めて申し上げるまでもありませんが、この放送法上の外資規制は、放送に用いられる電波が有限であって、公共物というべきものであり、日本人が優先的に用いるべきものであるという考え、そして、社会的影響が強いとされている放送が外国人に占拠されることによって国家の安全保障上のリスクにも関わるという非常に重要な問題であるというふうに考えております。  昨日、これまで議論対象となっておりました、昭和五十六年に旧郵政省が内閣法制局に対して問合せをした意見照会の回答書等の関連文書が総務省より提出されましたので、まずはこれに関連して幾つか質問をさせていただきたいと思います。行った質問通告と少し順番を入れ替えて質問させてください。  まず、放送事業者に対する外資規制の適用状況、運用状況についてお伺いをしたいと思います。  本件、そもそもの出発点が、先週の月曜日、四月五日にフジ・メディア・ホールディングスがプレスリリースしたことを受けて、翌四月六日に総務大臣から各放送事業者に対して、議決権の計算方法及び外資比率の確認について報告の要請がされたというふうに認識をしております。このように迅速に対応されたことは非常によいことだというふうに私も思っております。  この調査報告要請について、まず、現在の進捗状況を教えてください。何社に対して報告要請を行って、現在どのくらい報告が戻ってきているのかということを教えてください。
  32. 吉田博史

    吉田政府参考人 お答えいたします。  御指摘いただきました調査につきましては、対象となっている者が、認定放送持ち株会社十社、特定地上基幹放送事業者、これはいわゆる地上民放と、あとコミュニティー放送事業者も含まれています、合計で五百二十九社、認定基幹放送事業者四十一社、計五百八十社に対して総務大臣名で文書を発出し、外資規制の遵守状況について四月三十日までに回答を求めているところでございます。  現時点においては、期限までまだ間がありますので、放送事業者の回答はほとんど提出されていない状況でございます。
  33. 松尾明弘

    松尾委員 ありがとうございます。  この戻ってきた報告については、取りまとめて結果の公表はされるのでしょうか。されるとしたら、いつぐらいの時期に、どのような内容で公表される予定なのか、教えてください。
  34. 吉田博史

    吉田政府参考人 調査結果の取りまとめ時期につきましては現時点で未定でございますけれども、事業者からの報告後、可能な限り速やかに内容を精査し、取りまとめたいと考えております。公表につきましても考えてまいりたいと思っております。
  35. 松尾明弘

    松尾委員 総務大臣もこれまでの答弁の中で、本件を受けて、政令、省令の改正のみでなくて法改正まで視野に入れて抜本的な改革を進めるということもおっしゃっています。  その議論のやはり出発点になる、現状把握がその出発点になるものだというふうに考えていますので、速やかに詳細な公表をされることをお願いいたします。  今回、フジ・メディア・ホールディングスとあと東北新社、この二社において外資規制違反があったということが立て続けにぽんぽんと明らかとなりました。今回、今行っている調査は結果がほとんどまだ戻ってきていないということなので、ないと思いますけれども、このフジ・メディア・ホールディングス、あと東北新社、これらを除いて、これまでに放送事業者が外資規制違反をしていたのではないかと問題になったというケースというのはあるのでしょうか。
  36. 吉田博史

    吉田政府参考人 お答えをいたします。  これまでに外資規制に違反した事例として確認できている範囲では、フジ・メディア・ホールディングスと東北新社の案件でございます。ほかにあるかにつきましては、先ほど来御指摘ありました調査を行っているところでございます。
  37. 松尾明弘

    松尾委員 これも先日来話に出ていますけれども、この外資規制に違反しているかどうかというのは、総務省又は監督官庁から主体的に確認をする、それをチェックする、報告を求めるみたいなことというのは、そもそも現在では制度的にはないので行っていないということで、多分、仮にあったとしても、向こうから自己申告がされるまでは把握をすることができない状態であるということでよろしいですか。
  38. 吉田博史

    吉田政府参考人 外資規制の遵守状況につきましては、現在、放送局の無線局免許を持っている者につきましては、五年に一度の再免許がございます。また、事業計画の変更届という形で、状況が変化すれば届け出るということになっています。例えば、上場企業であれば、半年に一回、株主名簿を閉鎖して、外国法人等の議決権比率が確定した段階で届出が行われるような仕組みにはなっております。  ただ、先方の自主的な申告でございますので、私どもとしては、それを、この出てきた数字を把握しているという状況でございますので、それをもっと実効性のある確認方法というものにしていく必要があると考えております。
  39. 松尾明弘

    松尾委員 その届出、報告がされた内容について、それが正しいものかどうかということの確認はされていない、今は制度上そういう制度になっていないということと理解をしました。  今回のこのフジ・メディア・ホールディングス、二〇一四年に相談があったときの対応について、口頭で厳重注意をしたのにとどまったことであるとか、今のところ、やり取りのメモは残っていない、発見されていないというような状況について、ちょっと担当者の認識が甘かったのではないかというようなことも、大臣の方からも御発言ありましたし、甘かったのではないかなと私自身も思っているところです。  これについても、これまで、先ほどおっしゃったとおり、同じように外資規制違反の事案が今までなかったので、初めてといえば初めてだから、どういうふうにやるべきかというのがきちんと省内でマニュアル化されていなかったというようなことなんですかね、その甘さの原因というのは。
  40. 吉田博史

    吉田政府参考人 二〇一四年当時、フジ・メディア・ホールディングスの認定放送持ち株会社としての認定につきまして、外資規制違反の状態がその時点で存在しないのであれば、放送法上、認定の取消しを行うことができないと判断した考え方は今も妥当と考えておりますが、その判断過程の手続におきまして、局長限りで判断した点や公表しなかった点など、当時の担当者の認識は甘かったと言わざるを得ません。  なぜかというのは、当然、当時の状況でございますので詳細には分かりませんけれども、きちんと、御指摘のような必要な対応というのを行っていくような体制を組んでまいりたいと思います。
  41. 松尾明弘

    松尾委員 今の答弁、ちょっとおかしいなと思っているのが、やはりこれだけ甘さがあるのが問題となっていて、当時どうなっていたのかというのが問題になっている中で、そして吉田さんも、当時の長塩さんに電話で何度もやり取りして、聴取しているというのにもかかわらず、当時のことがよく分からないというのは、それはちょっとおかしいんじゃないのかなというふうに思います。  それと、やはり今回、抜本的に制度を変えようということであれば、甘かったよねといって終わらせるのではなくて、なぜそういった甘さが出てしまったのかというのをきちんと突き詰めて、それを変えていかないと制度というのは変わっていかないので、それはきちんと突き止めて、確認していただきたいというふうに思っております。  そうしたら、昨日提出された資料についてちょっとお話を伺いたいと思います。  昭和五十六年六月に行われました内閣法制局にある旧電波法の七十五条の解釈についてなのですけれども、その内容に入る前にちょっと一個お伺いしたいのが、四月九日の総務大臣の会見において、今回のフジ・メディア・ホールディングスに対する処分、対応が妥当なものであったという根拠として、この昭和五十六年の内閣法制局見解などによりというふうにおっしゃっているんですけれども、この根拠となった資料というものは、この法制局見解以外にも何かあるのでしょうか。あるのだったら、何かを教えてください。
  42. 吉田博史

    吉田政府参考人 お答えいたします。  資料といたしましては、内閣法制局相談しまして、この示された回答に基づきまして判断したということでございます。
  43. 松尾明弘

    松尾委員 私の質問は、この「など」が何を指しているのかということなのですが、その「など」が指しているものはないので、まあ言葉で言っている話ですから、それは、言い間違いというか言葉のあやで言ったことにすぎないということでしょうか。いや、ないのなら、ないと明言してもらえればと思うんですけれども。
  44. 吉田博史

    吉田政府参考人 お答えいたします。  「など」と大臣がおっしゃいましたのは、昭和五十六年当時は放送局自体が無線局免許という形で行われておりましたが、その後、放送を取り巻く環境の変化に伴いまして、認定放送持ち株会社制度導入であるとか、あと、ハード、ソフト分離の導入などによりまして、放送法の方にも、元々の電波法にありました同じ仕組みで外資規制ということを入れてきたという経緯がございます。  そういう経緯を踏まえますと、同様の考え方によることが合理的であるということも一つの判断の材料でございます。そういう経緯を、「など」という形で表現いただいたところでございます。
  45. 松尾明弘

    松尾委員 ちょっと日本語としてはおかしいかなというふうには思いますけれども、普通に考えたら、今、吉田さんがおっしゃったことが正しいのであれば、この内閣法制局見解に基づいて検討した結果みたいな、そういう表現になるかなと思うんですけれども、ちょっと、これ以上は深くは言いませんが。  昨日提出されました、昭和五十六年に旧郵政省が内閣法制局相談をしたその回答、解釈の回答が来ているんですけれども、その意見照会の回答の概要をちょっと説明してもらえますか。
  46. 木村陽一

    木村政府参考人 当局の作成の見解でございますので、当局から御説明をさせていただきます。  御指摘見解につきましては、昭和五十六年六月に、内閣法制局が当時の郵政省に対しまして、当時の電波法に関し、放送局の免許を受けている株式会社について、一定時点に外国人の、外国法人も含まれます、議決権が全体の五分の一以上を占めるという事実が生ずれば、現時点において当該事実が認定できなくても、郵政大臣は電波法七十五条により免許の取消しをしなければならないかという質問につきまして、消極に解すると回答したものでございます。  これにつきましては、電波法七十五条は、外国性排除という公益実現のための規定でございまして、この規定の実現を、一旦欠格事由に該当すれば当然に免許が失効するという方法によってまでは確保する必要はないとして、欠格事由に該当することを免許の必要的取消し事由とするにとどめており、これを踏まえると、外国人の持ち株数が全体の五分の一以上を占めるという事実が現に存在する以上は、郵政大臣は免許の取消処分をすべきものであるが、たまたま過去の一時点に当該事実があったとしても、事態の推移によって現在当該事実がないのであれば、郵政大臣は免許の取消処分をすることはできないという考え方を示したものでございます。
  47. 松尾明弘

    松尾委員 ありがとうございます。  昨日総務省から提出された一式資料があるのですが、その中に同じような内容のものが二種類入っているのですけれども、一つは普通の白黒のコピーのもので、もう一つはカラーで、写真をコピーしたような、ちょっと薄灰色っぽくなっているものがあるのですが、この二つは何が違うのでしょうか。
  48. 木村陽一

    木村政府参考人 御提出したもの、内閣法制局の資料の方が、全体といいますか、より大きいものかなというふうに思っておりまして、共通しておりますのは、問い、結論、それから理由について書かれた、内閣法制局という罫紙に手書きで書かれたものということかと思います。  それ以外の部分につきましては、一番最初に、頭紙として意見照会の処理表というのがございます。その後ろに附属資料があるんですけれども、これについてはクレジットがございません。  いずれにいたしましても、御相談がある中で、私どもとして、その回答の部分につきまして手交をしたものと思われますし、そういったやり取りの中で、このような形でそれぞれで保存がされたというものかというふうに存じております。
  49. 松尾明弘

    松尾委員 ありがとうございました。その中身は後で聞こうと思ったんですが。  私が知りたいのは、一見すると同じものが二つ出てきているんですけれども、何でこれは二つ出てきているのか、何が違うのかということを知りたかったんですけれども。出してくれた総務省の方が。
  50. 吉田博史

    吉田政府参考人 一点目は、当時の郵政省が内閣法制局からメモとして交付を受けたものでありまして、総務省内で保管されていたものでございます。もう一点は、内閣法制局に保管されていた資料でございまして、私どもの資料だけをお出ししてもよかったんですが、それに付加的な情報がございましたので、併せてお出しをしたという次第でございます。
  51. 松尾明弘

    松尾委員 確認ですが、総務省で保管をされていた資料と内閣法制局で確認をされていた資料、内容としては重複するけれども、一部違うので両方をお出しいただいたという理解でよろしいですかね。
  52. 吉田博史

    吉田政府参考人 お答えいたします。  総務省内で保管されていた資料は、内閣法制局で保管されていた資料の部分と考えております。ですから、その中身が違うとは認識してございません。その部分につきましては共通のものだと認識しております。
  53. 松尾明弘

    松尾委員 ありがとうございます。  この頭紙であったりとか別紙がついている方が内閣法制局が保管していたもので、その一部である、七枚の、内閣法制局という縦書きのものだけが総務省のものだというふうに理解をしています。  この内閣法制局が保管していたもの、この資料について、内閣法制局から総務省に対して提供、提出がされたのはいつ頃でしょうか。
  54. 吉田博史

    吉田政府参考人 四月十三日の総務委員会後に、内閣法制局から提供されたものでございます。
  55. 松尾明弘

    松尾委員 ありがとうございます。  そうしたら、昭和五十六年の意見照会の回答、これが今回の判断の根拠となっているというふうにされていますけれども、その判断の根拠になったものというのは、この総務省が保管していた七ページの方の、一部を抜粋している方が判断の材料、資料となった、先ほど総務大臣がおっしゃっていた資料もそうだと思うんですけれども、それに該当するものであって、内閣法制局が出したものではないというふうな理解で大丈夫ですか。一応、確認です。
  56. 吉田博史

    吉田政府参考人 お答えいたします。  総務省側から提出した部分以外につきましては、総務省で入手していなかったものと考えております。
  57. 松尾明弘

    松尾委員 分かりました。  総務省の方で保存、保管をしていたこの資料なんですけれども、総務省の中ではどういった状態、どういった状況で保管をされていたのでしょうか。物理的な保管場所であるとか、誰がアクセスできる棚に保管してあったとか、若しくは書庫の奥深くに眠っていたとか、そういった保管状況を教えてもらえますか。
  58. 吉田博史

    吉田政府参考人 紙媒体の形で情報流通行政局地上放送課内のキャビネットに保存されていたものでございます。
  59. 松尾明弘

    松尾委員 随分大きいキャビネットがあるんだなと思うんですけれども。というのが、これが作られたのは四十年前なので、もう四十年間ずっと紙の資料は増え続けているはずで、それが保存されて置いてありました、しかも、先ほど話があったとおり、この外資規制について、これまで問題になったことが一度もないにもかかわらず、それがオフィスのキャビネットにずっとありましたというのも非常に不自然な気がしますけれども、そのキャビネットに置いてあったということは間違いないですか。念のため、もう一回確認させてください。
  60. 吉田博史

    吉田政府参考人 お答えいたします。  事務室内のキャビネットに保存されていたものでございます。
  61. 松尾明弘

    松尾委員 事務室内でも、本当に執務スペースの横のキャビネットということでよろしいでしょうか。ちょっと細かくて済みません、それも教えてください。
  62. 吉田博史

    吉田政府参考人 お答えいたします。  執務室内でございます。
  63. 松尾明弘

    松尾委員 この資料が、先ほども言ったとおりもう四十年近く前のものなのですけれども、この資料を作ったときの内容の詳細であったりとか、作成経緯、どういう意図で、どういうやり取りがされて作られたとかというような、当時の事情を分かる方というのは、総務省内若しくは内閣法制局内というか、外の方であったとしても、これから遡って確認して、内容を聞いてとか、そういうことというのはできるんですかね。
  64. 吉田博史

    吉田政府参考人 お答えいたします。  四十年前の資料でございますので、資料自体に記載していることしか確認ができておりません。
  65. 松尾明弘

    松尾委員 ありがとうございます。  先ほどちょっと内閣法制局の方からお答えいただいたんですが、内閣法制局の方で御提出いただいた資料の方のこの頭紙、口頭による意見照会処理表という頭紙については、これは内閣法制局の方で作成されたものでしょうか。
  66. 木村陽一

    木村政府参考人 口頭による意見照会処理表というものでございますけれども、法制局が当時作成したものというふうに考えております。
  67. 松尾明弘

    松尾委員 この中の備考のところ、備考という欄がございまして、ちょっとお手元にない方は申し訳ないです、備考のところに書いてあるメモ的なものは、東京放送(TBS)の昭和五十六年三月における外国人の持ち株数が一五%強となった、そのことが自民党の通信部会の有志懇談会で取り上げられ、その際、質問のようなことが話題となり、郵政省に対し法制局相談の上検討せよとの話があったという備考の記載があるのですが、これは、もうここに書いてあるものからしか分からないとは思うんですけれども、今回の意見照会の端緒となった、きっかけとなった事情について、郵政省から説明されたものを内閣法制局が記載をした、そういうふうに理解すればよろしいんですか。
  68. 木村陽一

    木村政府参考人 口頭意見処理表の備考のところに記載をしたのは、恐らく、もちろん法制局の人間かというふうに思います。この旨の御説明が恐らく当時の郵政省からなされたという事実はあるんだろうと思いますけれども、このこと自体を直接に私どもが何か、ある意味体験したわけではなくて、そういう意味でいうと伝聞ということにはなろうかなというふうには思いますけれども、ここに記載したのは確かに法制局の人間だろうということでございます。
  69. 松尾明弘

    松尾委員 今おっしゃっていた私どもというのは、広い、内閣法制局という組織のことで、今いる方ではなくてという理解でいいんですよね。そうすると、恐らく当時の内閣法制局の方が伝聞で聞いたことを書いたのだろう、そういうことですよね。
  70. 木村陽一

    木村政府参考人 当時、内閣法制局に所属していた者が書いたということでございます。
  71. 松尾明弘

    松尾委員 この法制局が作成した意見処理表、こっちの方には、別紙として、先ほどクレジットがないとおっしゃっていましたが、設問の背景というものが付されています。  何度も言うように、当時のことはもう分からないという前提で、これを見る限りのお考えを伺いたいのですけれども、この別紙というものがこの意見照会表に付されている、これはどういうふうに理解したらいいのか、どういう事情で付されたものだというふうに考えればよろしいんでしょうか。
  72. 木村陽一

    木村政府参考人 この設問の背景、別紙というものがどのような文書で、どのような経緯でここに附属しているかということにつきましては、申し訳ございませんけれども、詳細はもう分かりません。それで、クレジットもついておりませんので、誰が作成したのかも正直言って分からないということでございます。  内容的には、設問の背景でございますので、内閣法制局が自ら作成したものでは恐らくないのではないかというふうには思いますが、それ以上のことは、確たることは少し申し上げかねるということでございます。
  73. 松尾明弘

    松尾委員 そうしたら、ちょっと一般論でお伺いしたいんですけれども、このような照会表にこうして別紙という形で設問の背景、背景事情というものが付されるということはよくあることなんでしょうか、それとも珍しいことなんでしょうか。
  74. 木村陽一

    木村政府参考人 一般論として、私どもが意見事務を行いますときに、御相談に見えられる場合に、背景事情というのは当然踏まえられて、原省庁の皆様方は当然、法執行にとって必要なので御相談に来られるということでございますので、背景事情は踏まえられて御説明はされるものでございますけれども、他方、当局で検討いたしますのは、あくまでも法律問題の部分であるということでございます。  ちょっと言い方が難しいんですけれども、事情が、背景事情があるにせよ、検討に当たっては、私どもとしては、ある意味抽象化したものとして受け止めて、当局は法令の解釈について意見を述べるということかなというふうに思っております。
  75. 松尾明弘

    松尾委員 ありがとうございます。  あと、この内容についてちょっと御意見を伺いたいんですけれども、この回答書の理由の部分を見ると、放送局の免許を受けている株式会社について、外国人の株主の持ち株数が全体の五分の一以上を占めることとなれば、それがいかなる時点であっても、法第五条四項二号の欠格事由に該当することとなり、郵政大臣は法七十五条により免許を取り消さなければならないというのがまず大前提としてあって、これが大原則ではないかなというふうに考え、その上で、たまたま過去の一時点に右の事実があったとしても、現在それが治癒されていれば取り消すことができないという、例外的な書き方、原則、例外という記載になっているのではないかと読むのが普通かなと思うのですが、これはどのように理解したらよろしいんですか。
  76. 吉田博史

    吉田政府参考人 お答えいたします。  私どもといたしましては、放送事業者について、外国人等の議決権の割合が現に五分の一以上を占めることとなればその免許を取り消さなければならないものの、そういう事実が現に存在しないのであれば取消処分を行うことができないもの、そういうふうに理解をしております。
  77. 松尾明弘

    松尾委員 過去の一時点、この一時点というのを非常に私は限定的に解釈するべきだというふうに考えています。  というのが、この外資規制が、先ほども述べたとおり、日本の安全保障であったりとか資源を有効に使うという意味で非常に重要な規定であるということを考えると、これが過去に仮に外資規制に違反をしていたとしても、今よければ大丈夫なんですよという判断をすると、先日来から議論になっていますけれども、結局、隠した者勝ち、気づいたとしても、それを修正してから報告に行けばもうオーケーという、すごくざる法になってしまうんです。  これをざる法的に取り扱うべしとすることは、この規定の重要性であったりとか物事の重大性から考えるとやはりおかしいというふうに思わざるを得ず、やはりこれは非常に限定的に解釈をするべきだというふうに考えているのですが、そこは法制局の方で何か御意見があったら教えてください。
  78. 木村陽一

    木村政府参考人 正直申し上げまして、口頭による意見照会に対する回答に書かれていることしか私どもとしても分からないということでございまして、これを更にどのように解釈するのかということにつきましては、ちょっと、私どもとして今何か答えを持ち合わせているということはございません。  ただ、この見解そのものは、その後、電波法あるいは放送法といった体系そのものが、累次の改正等なされているようには思いますけれども、基本的に、積極的に私どもとして現在に至るまで何か変更したというようなことはないということでございますけれども、これの読み方というのは、もうここに書かれていることがある意味全てであるというふうにお受け止めいただければというふうに思います。
  79. 松尾明弘

    松尾委員 なかなか中身に踏み込めていないかなと思ってはいるのですが、そうなると、今後、総務省の方で積極的に確認をしていくような制度をつくっていきましょうという検討がされるというふうに理解はしているのですが、じゃ、総務省が確認をしました、外資規制に違反をしていることがそこで発覚をしました、本来であれば取消処分をしなければいけないのですが、当然、そこには若干のタイムラグが生じると思うんですけれども、その間に治癒がされちゃったらどうするんですかという話にもなってきて、やはりこれは非常におかしな法律の解釈、考え方である。  やはり限定的に考えるべきであるのではないかということで、多分同じ話になってしまうのでこれ以上は言いませんけれども、これを改めて申し上げまして、ちょっと先に進みたいと思います。  二〇一四年十二月に行われましたフジ・メディア・ホールディングスから総務省に対する相談、一連の相談ですけれども、この一連の事実関係について、フジ・メディア・ホールディングスからこうでしたというのは、おととい金光社長から聞いているので、総務省側から見た概要、事案の概要についてちょっと教えてもらえますか。
  80. 吉田博史

    吉田政府参考人 お答えいたします。  総務省は、フジ・メディア・ホールディングスから、二〇一四年十二月八日頃に、二〇一二年九月期から二〇一四年三月期までの間、外資規制違反状態にあったことなどについて報告を受けたところでございます。  このときのやり取りとしては、フジ・メディア・ホールディングスから、不注意により外資規制違反の状態にあったことについて、どういう理由であろうと申し訳なかった旨のおわびがあったこと、フジ・メディア・ホールディングスから、総務省への報告の遅れについておわびがあったこと、あと、総務省からの確認に対して、同社が、外資規制違反の状態はその当時において既に解消されていると回答したこと、また、総務省から同社に対し、今後このようなことを二度と起こさないよう厳重に注意をしたことが確認されております。
  81. 松尾明弘

    松尾委員 今のお話は、長塩さんに聞き取った内容を報告していただいたということでよろしいんですか。
  82. 吉田博史

    吉田政府参考人 お答えいたします。  当時の担当課長とフジ・メディア・ホールディングスから聞き取った内容を突き合わせまして、このような形のやり取りがあったと判断したものでございます。
  83. 松尾明弘

    松尾委員 フジ・メディア・ホールディングスからの相談、面談は二回行われているはずなのですが、一回目に相談に来たのは十二月八日だということで日時が特定されていますが、二回目、十二月中ということで、はっきりしないのですけれども、これはいつだったんですか。
  84. 吉田博史

    吉田政府参考人 十二月中ということまでは確認できておりますけれども、日の特定までは至ってございません。
  85. 松尾明弘

    松尾委員 口頭であれ、厳重注意をするという、行政からの事業者に対する処分が行われているにもかかわらず、それがメモがないということはおかしいのではないかとか、もう重々言われてはいますけれども、その記録もない。  当時の担当課長であったりとか局長のスケジュール、そうはいってもまだ七年前ですから、そんなに昔でもないので確認できると思うのですが、それらの客観的な資料も全部確認した上で分からないということなんですか。それが分からないとしたら、それ自体が問題じゃないかと思うのですが、いかがでしょうか。
  86. 吉田博史

    吉田政府参考人 お答えいたします。  当時の担当課長に確認をいたしましたが、正確な日付につきましては覚えていないことと、あと、記録などについても、ないということでございました。
  87. 松尾明弘

    松尾委員 その一回目と二回目の相談の間に総務省内でどのような検討がなされたのかということは、いかがですか。
  88. 吉田博史

    吉田政府参考人 これも担当課長に聞き取ったところ、昭和五十六年の法制局見解も踏まえ、認定の取消処分を行う時点で取消し事由が必要であり、当該事由が存在しないのであれば取消処分を行うことができないと判断した上で、口頭で厳重に注意をすることを検討したものと考えております。
  89. 松尾明弘

    松尾委員 その検討の過程で、内閣法制局に、昭和五十六年見解についての考え方、これは確認されましたか。
  90. 吉田博史

    吉田政府参考人 内閣法制局相談は特に行っていないと承知しております。
  91. 松尾明弘

    松尾委員 法律の解釈で、これに基づいて、根拠にしてその判断を行っていて、しかも、これはすごく、内閣法制局が書いたので背景事情とかもよく分からない資料にもかかわらず、これについて、詳細について、頭紙もないので具体的なものもよく分からないままに、何も問合せをしないで、これを根拠に判断をしたというのはにわかに信じ難いのですけれども、それは本当ですか。
  92. 吉田博史

    吉田政府参考人 お答えいたします。  そのように聞いております。
  93. 松尾明弘

    松尾委員 その検討というのは、フジ・メディア・ホールディングスから相談最初に受けたのは担当課長だというふうに答弁されておりまして、担当課長の方から局長に対して相談して検討したというような総務省内部での検討過程だと思うのですけれども、その担当課長が局長に対して説明相談をするときに用いた資料というのが、昨日提供いただいた、認定放送持ち株会社の相互保有株式の議決権取扱いについてというこの一枚紙と、条文がくっついているこの三枚の資料ということでよろしいですか。
  94. 吉田博史

    吉田政府参考人 御指摘のありました部内の共有用に作成したダイジェスト版の資料は、局長に対する説明に用いたものと理解しております。
  95. 松尾明弘

    松尾委員 今、先ほども、昭和五十六年見解に基づいて判断をしたということもおっしゃって、それに基づいて検討して判断をしたということもおっしゃっていますけれども、その検討に用いた資料には、この昭和五十六年見解というものは一言も触れられておらず、引用もされていないのですけれども、なぜそれでこれを使ったと、検討したというふうに言えるんですか。
  96. 吉田博史

    吉田政府参考人 今申し上げました部内の共有用に作成した資料というものも使っておりますが、当然、内閣法制局から示されました昭和五十六年の考え方ということも含めて相談をしているものと考えております。
  97. 松尾明弘

    松尾委員 いやいや、当然、それを踏まえたのであれば、課長から局長に対する資料にそれがくっついているはずですし、ここに記載が一切ないというのはどう考えてもおかしいですよね。  それって本当に長塩さんに確認したんですか。それの上で言っているんですか。
  98. 吉田博史

    吉田政府参考人 長塩当時の担当課長に関しましては、法制局見解を踏まえて相談をしたと聞いております。
  99. 松尾明弘

    松尾委員 総務省見解を踏まえてと聞いておりますと言っていますけれども、これまでの、大臣の会見もそうですけれども、これに基づいて判断したと考えられますというような表現がずっと続いていて、とても、事実の断定ではないんですよ。現在の、今総務省にいる方の推測でしかなくて、きちんと長塩さんから話を聞いて、どういった形でやったんですかというのを確認しないと、そもそもここに記載がない以上は、それに基づいて検討したということは到底認められないと思うのですが、何をもって、長塩さんが、それが正しい、まあ言っているのか言っていないのか、それは私は怪しいと思っていますけれども、それは何をもってそれが行われたというふうに判断しているのか、その根拠を教えてもらえますか。
  100. 吉田博史

    吉田政府参考人 当時の放送政策課長に確認をしております。その中で、法制局から示された考え方というものも局長に説明したというふうには聞いております。そのように行われたものと私どもも考えております。
  101. 松尾明弘

    松尾委員 そのとき、この資料、総務省で確認していた資料というのは用いられたのですかね。用いられたとすれば、ちょっとごめんなさい、繰り返しになっちゃいますけれども、ここに全く記載がないのは非常に不自然であって、おかしいかなというふうに思っています。  今回のこの五十六年見解が出てきたのも、四月五日に問題が発覚して総務委員会で議論が始まって、四月六日にも議論をしていますよ、そこでは一切触れられずに、四月九日の総務大臣の会見でいきなり出てきているんですよ。これってもう本当に後づけで、後から理由をつけるために、結論ありきでやっているのではないかというふうに考えられるんですが、そういったことはないんですか。
  102. 吉田博史

    吉田政府参考人 御指摘のようなことではなく、当時の放送政策課長が、内閣法制局相談した考え方を踏まえてこの判断を行っていると聞いております。
  103. 松尾明弘

    松尾委員 仮に検討したとしても、先ほども確認したとおり、昭和五十六年当時の事情は、まだTBSの持ち株比率は一五%にしか達していなくて、二〇%は全然いっていない、でも危ないかもしれないから検討しようみたいな話でもありますし、内容を見ると、日々の株式の取引の中でたまたま一時的に超過をすることがあったとしてもというような内容であって、今回のように二年近く超過をしていたところと同列に扱うべきではないというような検討が当然されるべきだと思うのですけれども、そういうのを一切すっ飛ばして、この使ったか使わないか分からない資料に基づいて、そういう根拠に基づいて判断をするというのでは、余りにもずさんで、恣意的な判断をされていると評価せざるを得ないと思いますけれども、その辺り、御見解を聞かせてください。
  104. 吉田博史

    吉田政府参考人 過去の一時点に右の、該当する事実があったとしても、事態の推移によって現在そのような事実が存在しないのであれば、郵政大臣は免許の取消処分をすることはできないということが書かれておりますので、それに基づきまして検討し判断したということでございます。
  105. 松尾明弘

    松尾委員 ここで書かれている、たまたま一時的にというような表現があるのですが、このたまたま一時的にというのはどのくらいの期間ということを想定されているのでしょうか。それも教えてください。
  106. 吉田博史

    吉田政府参考人 お答えいたします。  期間については示されておりませんので、現に右の事実、当該事実が存在するかどうかということが重要な要件ではないかと私どもは考えております。
  107. 松尾明弘

    松尾委員 やはり大分状況が違うというふうに言わざるを得なくて、先ほども言いましたけれども、日々の取引の中で一時的に、あとは、株主名簿の書換えのタイムラグの、二週間ぐらいかかると書いていますけれども、そういったことを念頭に置いてこれは書いているというふうに考えれば、少なくとも検討するのが当然だというふうに思いますし、これを根拠だといって、ぽんと決められるような、そんな軽々しい話ではないというふうに指摘をせざるを得ないと思っています。  それと、今回のフジ・メディア・ホールディングスの厳重注意、口頭での厳重注意で済んだというこの処分について、東北新社との判断のバランスが悪いのではないかということも非常に懸念をしているところです。  この東北新社と違う処分をするということになる法律上の根拠というのはどこにあるんですかね。
  108. 吉田博史

    吉田政府参考人 フジ・メディア・ホールディングスの事案と東北新社の事案の違いは、フジ・メディア・ホールディングスの件につきましては、当初の認定時におきまして外資規制に抵触せず、その認定は適正であったということでございます。一方で、東北新社につきましては、そもそも当初の認定時において外資規制に抵触してあり、本来であれば認定そのものを受けることができなかった点にあると考えております。
  109. 松尾明弘

    松尾委員 その事実が違うと違う処分、違う取扱いをするという法律上の根拠を聞いているのですけれども、それはどこですか。
  110. 吉田博史

    吉田政府参考人 お答えいたします。  東北新社につきましては、当初の認定という行政処分に重大な瑕疵があったということで、総務大臣の職権により、行政手続法に基づく手続も経まして、認定を取り消したものでございます。
  111. 松尾明弘

    松尾委員 しかし、これまで金科玉条のように言っている昭和五十六年の見解を根拠にすると、別に東北新社であっても、現時点で外資規制の違反が治癒されているのであれば、先ほども述べられていたとおりに、外資によって支配をされる危険性というもの、守るべき法益というものは守られているので、そこは別に構わないという判断になるのが論理的帰結じゃないかなというふうに思っています。  これは、フジ・メディア・ホールディングスと東北新社、異なる取扱いをするのは、非常に恣意的な運用をしているというふうにやはり評価をされてしまい、放送行政が公正に行われているのかという、国民の皆様からの信頼というものに関わってくるというふうに思っています。  この東北新社の処分についても、職権での取消しであっても、不利益処分ですから、東北新社に対して告知、聴聞の機会を与える必要があると思うのですが、それを具体的にいつ行って、どのような反論をされたのか、教えてください。(発言する者あり)
  112. 石田祝稔

    石田委員長 では、ちょっと時計を止めてください。     〔速記中止〕
  113. 石田祝稔

    石田委員長 では、時計を動かしてください。  吉田情報流通行政局長。
  114. 吉田博史

    吉田政府参考人 お答えいたします。  株式会社東北新社メディアサービスの認定の取消しにつきましては、令和三年三月十七日に同社を当事者とする聴聞を開催してございます。
  115. 松尾明弘

    松尾委員 その内容はどういった内容だったんですか、東北新社からの。
  116. 吉田博史

    吉田政府参考人 お答えいたします。  聴聞自体は非公開ということでやってございますので、内容は差し控えさせていただきたいと存じます。
  117. 松尾明弘

    松尾委員 その聴聞の場で、この昭和五十六年見解の話であったりとか、フジ・メディア・ホールディングスとの違いについての説明というのは、フジ・メディア・ホールディングスは、ごめんなさい、まだ表面に出ていないから言わないですよね、ごめんなさい、昭和五十六年見解について、これについての説明というのはされたんですか。
  118. 吉田博史

    吉田政府参考人 聴聞というのは、私どもが行政処分を行おうとすることに対し、処分の対象者から意見を聴取するというものでございます。その内容については非公開ということで元々やらせていただいております。  なお、先ほど、東北新社につきましては、本来であれば認定そのものを受けることができなかったと申し上げましたが、東北新社は衛星基幹放送事業者として不適格な者であったにもかかわらず私どもが認定をしてしまったということに、この点の、職権による認定の取消しを行ったという、重大な瑕疵があったと考えております。
  119. 松尾明弘

    松尾委員 最後、内閣法制局にちょっと一般的な用語の理解についてお伺いをしたいのですけれども、この意見照会書の中にあります、六ページの、たまたま過去の一時点、たまたま一時点という表現があるのですが、この一時点というのは、一般的な用語の使い方としてどのくらいの期間、点だから、私はもう本当に点だと思うのですが、どのくらいの時間の長さというものを想定して使うものなのかという、一般論で結構ですので、教えてください。
  120. 木村陽一

    木村政府参考人 この理由の中に、どういう意図で、どの程度のスパンの長さをイメージして書いたかということにつきましては、申し訳ございませんけれども、つまびらかには分かりません。  それで、一般的にというお尋ねでございますけれども、法令用語として私どもとしては恐らく審査等をするということになるのかなというふうに思うんですけれども、一時点というような表現をそもそも法令の中で例えば用いたりというようなことがあるのかどうかも、少し調べてみませんと、この場でにわかにちょっとお答えすることは難しゅうございますので、その点ちょっと御容赦をいただければというふうに思います。
  121. 松尾明弘

    松尾委員 では、追って見解を出していただきますようお願いいたします。  今日いろいろお話をお伺いしたのですけれども、内閣法制局から提出されたのが四月十三日以降であったということであったりですとか、昨日総務省から提出された資料、内部の検討資料においては、全くこの五十六年見解、これが触れられていないということも踏まえると、やはり後づけで、フジ・メディア・ホールディングスの処分についてはもう結論ありきで話が進んでいて、今回、明るみに出てから後づけでこの昭和五十六年見解を持ち出してきたと言わざるを得ません。  四月九日の大臣の記者会見においても、恐らく根拠がないままに後づけで出してきたのではないかなというふうに判断せざるを得ない、非常に残念だと思っていると申し上げたいと思います。  最初にも申し上げましたとおり、この放送法の外資規制の問題は、非常に日本の国にとって重要な問題ですし、これから議論を与野党で積み重ねていく必要がある、そういった分野でもあると思いますので、是非、その前提として事実関係を本当に真摯に明らかにしていただいて、つまびらかにした上で議論を重ねていきたいということを申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございます。
  122. 石田祝稔

    石田委員長 次に、櫻井周君。
  123. 櫻井周

    ○櫻井委員 立憲民主党の櫻井周です。  本日も質問機会をいただきまして、ありがとうございます。  時間も押しておりますので早速質問に入りたいところでございますが、まず冒頭、大臣に、ちょっとこの法案に関する事務についての進捗をお伺いしたいというふうに思っております。  私は、国会議員になる前は地方議員をやっておったんですが、そのときから、やはりこの地方自治体システムについて、それぞれの自治体がばらばらにやっているということはいろいろ問題が大きいな、いろいろな面で無駄が多いなというふうにも思っておりました。本来は国でやるべきことだけれども、国がやってくれないんだったら地方自治体同士で、私の地元は人口二十万人の町なんですけれども、近隣にも同じぐらいのサイズの町があるから協力してやったらどうかというようなことも、当時、地方議会で提案をしたりしたこともございます。そうした思いでおりますので、今回の法案、大きな方向、進めていただいたということに本当に感謝をしております。  これは、いつかはやらなきゃいけないけれども、いろいろ話が大きいからということでなかなか前に進んでこなかった、ようやく今回これで進んだということでありますが、ただ、新型コロナウイルス感染症、これの対応地方自治体が大変な時期に、今やるのかなというのも、若干、思いとしても一方であります。ただ、そういう言い訳を始めると、言い訳はいつでもたくさん出てきますから、やはり、やろうと思ったときに進めるというのが必要だというふうにも思います。勇気ある一歩に敬意を表したいというふうに思います。  一方で、この法案に関連しましては、デジタル社会形成基本法と重なる部分もあって、三月、内閣委員会でデジタル関連法案を審議されているときに、いろいろ議論も既にされております。連合審査会においても大臣も答弁をされているという状況であります。議論が煮詰まってきたのかなというふうにも思っておったんですが、先ほどの、これまでの質疑を聞いていますと、なかなか、大丈夫かなというふうな思いを持つようになりました。  といいますのも、先ほどの小倉議員の質問、本当にポイントをついたいい質問だったというふうに私も感じておって、聞き入っておったんですが、その答弁は、なかなか、不十分といいますか、与党質問に対してこんな、何か雑といいますか、不十分な答弁でいいのかな、しかも、政務官をされていた方に対して失礼じゃないかというふうにも感じるぐらいのものでした。  例えば、責任分界についての質問についても、適切にと言って、それは適切にやるのは当たり前ですよ。それをどうするのかというのがポイントなのに、それについて何ら説明がなかったり、あと、いい提案がありました。デンマークにおいては、条文については法制局はチェックをするけれども、それ以外に、システムのフィージビリティーについて、それについてもチェックをするという提案もあって、そういうのも日本でも考えるべきだけれども、どうですかという質問についても、各省庁連携しますと、いつもの答弁しかしなかった。  それから、デジタル人材について、不足をしているという話に対して、地方自治体広域連携しますという話ではあったけれども、そもそもデジタル人材は不足しているんだから、まず育成しなきゃいけないでしょう。その育成の話については一切言及がなかったりということで、本当に大丈夫かなという気になってきました。  そこで大臣、お尋ねをしますけれども、準備、大丈夫ですか。
  124. 武田良太

    武田国務大臣 それぞれこの分野に精通された方々の力を結集して、確実なものに仕上げるために今総力を挙げているものと承知しております。  いずれにせよ、委員指摘があったように、この災害大国、そしてこういった非常事態が起きるときに、とにかく全てにおいて国と地方自治体が一体となっていく、その国づくりが必要となってくるわけで、それを実現するための大きな重要な手段になってくるわけですから、これは、野党の皆さん方意見も踏まえ、そして専門家の意見も踏まえ、何と申しましても地方自治体意見も踏まえ、完璧な形を目指して一歩一歩進んでいくことが重要ではないかなと考えております。
  125. 櫻井周

    ○櫻井委員 いいものになるように、是非大臣にもリーダーシップを取っていただくようお願いいたします。  先ほども小倉議員も指摘をされておりましたけれども、急いでやり過ぎて失敗しちゃって、かえって不信が募ると、結局、いい方向性であっても前に進まなくなってしまう、こういう御指摘もありました。重要な指摘だと思います。是非お願いいたします。  それでは、通告に従って質問させていただきますが、ちょっと時間が押していることもありまして、順番を入れ替えて質問させていただきます。細かい、技術的な話になりますので、政府参考人中心に御答弁いただければと思いますが、答弁が不十分であった場合には大臣に改めてお尋ねをしますので、よろしくお願いいたします。  まず、標準化対象事務について、二条一項でざくっと書いてあるわけでございますが、これは、二〇二〇年十二月閣議決定のデジタル・ガバメント実行計画において規定される十七の基幹業務に限定されるのかなというふうにも理解をしております。これまでの議論でもそのような議論になっておりました。  では、それ以外はどうなのかという疑問があるわけでございますが、三月十二日の内閣委員会で、平井大臣が、まずは十七業務について、令和七年度末までに、ガバメントクラウド上で提供される標準準拠システム移行すると。まずはと、こういうふうに言われているわけですが、二条一項の要件を満たせば、十七の事務以外にも追加はあり得るんでしょうか。
  126. 高原剛

    高原政府参考人 御答弁申し上げます。  標準化法案では、事務処理の内容が各地方公共団体で共通し、統一的な基準に適合する情報システム利用することが住民の利便性向上や行政運営の効率化に寄与する事務対象として規定しております。  現在進めております標準化取組においては、デジタル・ガバメント実行計画などの累次の閣議決定において、地域情報プラットフォーム標準仕様等を参考として整理された、住民記録、地方税、社会保障、教育に関する十七分野業務でございます。  それで、十七業務以外の業務でございますが、事務の共通性など、標準化法案における標準化対象事務の趣旨に合致するものについては、関係府省及び地方自治体意見を十分に踏まえた上で、対象に加えることも検討し得るというふうに考えております。  以上でございます。
  127. 櫻井周

    ○櫻井委員 今おっしゃられた趣旨からしますと、十七業務以外のものについて入れていくということについて、私も反対するものではないですし、むしろ、ある地方自治体にとってはその方がいいと思えば、そういう、いいと思う自治体が参加できるような、しかし、うちのところはちょっと、大分違うから嫌だというんだったら、そういう自治体に対しては、不利益にならないように従前どおりの支援をしていくような仕組み是非お願いしたいというふうに思います。  標準化対象事務として挙げられている事務は、当該事務に関する全ての事務意味するのかどうか、お尋ねをいたします。  例えば、国民健康保険が挙げられますけれども、こうした事務においては、ある自治体では、独自の施策として、一部の生活困窮者について保険料の支払いを免除するというような施策を実施する場合がございますけれども、こういった場合でも、標準化対象事務として、標準化された情報システム利用しなければならないということになるんでしょうか。
  128. 高原剛

    高原政府参考人 御答弁申し上げます。  累次の閣議決定等において標準化共通化取組を進めていくこととされた十七業務については、現在、関係府省において標準仕様書検討が進められているところであり、その検討を踏まえ、標準化法案第二条第一項の規定に基づく政令において、十七業務のうち、具体的に標準化対象となる事務の範囲が定められることになります。したがいまして、その対象業務の全てが自動的になるというものではございません。  御指摘国民健康保険については、昨年十二月に閣議決定されたデジタル・ガバメント実行計画に基づき、令和四年夏までに標準仕様書の内容について見直しを行うこととされていると承知しておりまして、関係府省における今後の検討によるというふうに考えておりますが、御指摘いただきました事務が広く一般に実施されているべきかも踏まえ、この標準仕様対象に入れるかどうか検討すべきものというふうに考えております。  以上でございます。
  129. 櫻井周

    ○櫻井委員 入れた方がいい自治体と入れない方がありがたい自治体といろいろあろうかと思いますので、柔軟に対応できるような仕様にしていただければと思います。  次に、松尾議員が先ほど質問されておりましたけれども、通告していて質問し切れなかったことについてもお尋ねをしたいのですが、DVなどの支援対象者に対する配慮というのもこれは重要になってくるかと思います。これは、時々情報が漏れてしまって、それで殺人事件につながったりというようなこともございました。過去にそういった不幸な事件もあったわけですので、この情報管理といいますか、また、必ずしも住民票を移せないような、いろいろな事情がある方もいらっしゃいます。こうした方々に対する配慮をどのようにされる予定でございますでしょうか。
  130. 高原剛

    高原政府参考人 御答弁申し上げます。  DV支援につきましては、非常に今日的な重要な課題であると認識しておりまして、例えば私ども総務省がやっております住民基本台帳標準仕様書の作成に当たりましては、DV支援ということを標準仕様書の中に盛り込ませていただいておるところでございます。  以上でございます。
  131. 櫻井周

    ○櫻井委員 ありがとうございます。標準仕様書の中に盛り込んでいただけるということで、適切な事務ができるように期待をしております。  それから、地方自治体の単独事業を継続するために必要な最小限度の改変又は追加を行うために費用が発生するということがございますが、これは大臣、三月二十四日の内閣委員総務委員会の連合審査会におきまして、システムの実態をよく伺いながら検討してまいりたい、この費用負担の在り方についてこのように答弁をされております。  ただ、これは何度も我々の仲間の議員が申し上げてまいりました。高木議員も申し上げてまいりましたが、国が標準化法を作ったがゆえにシステム改修が必要になるわけです。ですから、ある種、地方意見も聞いていますけれども、国がやると言い出したわけですから、やはりそれに伴う費用負担は全額国において財政措置されるべきだというふうに考えますが、大臣、適切に検討をされるという、まあ、検討していくということでございます。やはり一歩踏み込んで、全額ちゃんと国で面倒を見るよと言っていただけませんでしょうか。
  132. 武田良太

    武田国務大臣 独自施策に係る情報システムにつきましては、基本的には国庫補助の対象とすることは考えておりません。一方、標準化対象システム連携を行っている場合に、連携のインターフェース部分に何らかの影響が生じることが考えられてまいります。  このため、システムの実態をよく伺いながら、令和二年度第三次補正予算で計上した標準化共通化のための経費に対する財政支援対象経費の範囲に含めるかどうかについては更に検討が必要と考えております。
  133. 櫻井周

    ○櫻井委員 更に検討ということで、まだ検討しているということでございます。これは自治体にとって、非常にここの部分を恐れているわけですよね。標準化して、いいこともあるからそこには期待しているんですけれども、今までやってきたことができなくなる、ないしは続けるためにえらいお金がかかってしまうというようなことになりはしないか。まさにここが地方自治体にとってちゅうちょするポイントですので、そうした心配のないように、大丈夫だということを是非進めていただきたいと思います。  それから、次、ちょっと四ポツの質問の方に移らせていただきます。  ガバメントクラウドに関連する質問でございますが、官民データ活用推進基本法二条四項では、「インターネットその他の高度情報通信ネットワークを通じて」、こういうことでガバメントクラウドを運営されるように書かれておりますけれども、ガバメントクラウド、これはインターネットに接続することが前提となっているんでしょうか。その場合のセキュリティーはどのようにして確保されるんでしょうか。
  134. 時澤忠

    ○時澤政府参考人 お答えいたします。  地方公共団体が基幹業務システムにおいて活用するガバメントクラウド地方自治体との接続でございます。  これは、ネットワークのセキュリティーを確保するため、専用回線により行うこととしております。
  135. 櫻井周

    ○櫻井委員 専用回線でやるということで、そこはちょっと安心をいたしました。  これまでの審議の中でも、多くの地方自治体の個人情報保護条例では個人情報のオンライン結合を禁止している、こういう実態がある旨出てきているわけなんですけれども、これはハッカーなどから個人情報を保護するため必要な措置だというふうに理解をしております。  ただ一方で、今般、三月十七日の内閣委員会におきまして、この審議の中で、条例による個人情報のオンライン結合禁止はできないという旨の答弁がございました。オンライン結合しておいて、どうやって個人情報の安全性を確保できるのか。これはまた大変心配な点ですが、どのようにして確保するつもりでいらっしゃいますか。
  136. 時澤忠

    ○時澤政府参考人 現在、地方公共団体が制定している条例の中で、オンライン結合による個人情報の提供を原則として禁止して、公益上必要があると認められる場合はオンライン結合を可能としているものがあるのは承知しております。  今回、改正案におきます個人情報保護法案におきましては、地方公共団体を含む行政機関に対しまして個人情報の安全管理措置義務を規定することによりまして、これで安全管理義務を規定することによりまして、オンライン、オフラインを問わず、個人情報の提供の適正や安全性の確保を図るというふうにしております。その上で、オンライン結合については特段の規定は設けておらないというふうなことにしているものでございます。
  137. 櫻井周

    ○櫻井委員 ちょっとその答弁ではまだ心配なので大臣にお伺いをいたしますが、これまで自治体がオンライン結合を禁止をしてきたということは、やはりオンライン結合するとリスクが高いから。もちろん、オンライン結合していようがしていまいが、リスクがあるからちゃんと注意しなきゃいけない。個人情報は一回漏れてしまったらもうどうにもならないわけです。  地方自治体が持っている個人情報というのは正確な情報なわけですから、これは狙う側からすると非常に価値があるわけで、欲しいわけです。欲しがっているある種悪徳業者はたくさんいるわけなので、狙われているところに、ですから、より高いセキュリティーのレベルが必要だというところの中で、オンラインもオフラインも同じようにしっかり注意していきますということでは不十分、大丈夫かなというふうに心配するんですが、大臣、もっとオンライン結合については非常に注意してやるべきだと考えますが、どうですか。
  138. 高原剛

    高原政府参考人 地方公共団体におけるオンライン結合禁止のところでございますが、地方自治体の条例を子細に見てみますと、もとより一律禁止ということではございませんで、一定の手続でオンライン結合する場合もあるという形になっているのが通例でございます。  そして、今回の個人情報保護法の改正に係る内閣官房の検討の過程におきましては、私ども総務省も立案の段階から積極的に参画をさせていただきました。そして、その間、地方団体から二度にわたるヒアリングを行い、基本的な方向性について賛同を得ましたし、総務省独自でも、内閣官房の検討への参画に際しまして、まずは地方団体の意向をしっかり聞こうということで、全ての自治体に対してアンケートを実施し、現状や意向の把握を行いました。  こういった過程を経まして、私ども、今回の個人情報保護法の改正法案によりまして、地方自治体の個人情報保護のレベルはしっかり守っていけるという判断の下でこういう改正を内閣官房とともにお願いしているということでございます。  以上でございます。
  139. 櫻井周

    ○櫻井委員 これは、一回漏れてしまったら大変というか、取り返しがつかないわけですので、是非ここは慎重にやっていただきたい。私は、やはり原則禁止で、もしどうしても必要だというんだったら、きちっとした手続を経た上で、ごくごく例外的に可能にするとか、そういった規定にするべきではないのかということを改めて御提案申し上げておきます。  続きまして、ガバメントクラウドのサーバーの設置の場所なんですけれども、これは日本国内に設置することを義務づけるのかどうかということについてお尋ねをいたします。  といいますのも、昨今、例えば日本年金機構が保有する個人情報が漏えいしたのではないのか、こういう問題もございました。これも国会で大変大きな問題になっております。また、先般の内閣委員会でのデジタル関連法案の審議の中でも、LINE社が保有する個人情報の管理不備の問題、これが取り上げられておりました。  そうしたことを考えますと、やはり、きちっと日本の国内の法令が行き渡るところ、そういったところでしっかりと管理をしていくべきだと考えますが、こうした業務委託先、サーバーの所在地、事業者情報管理、こういったものについてはどのような取組考えておられますか。
  140. 時澤忠

    ○時澤政府参考人 ガバメントクラウドにおきましては、政府情報システムのためのセキュリティ評価制度というのがございます。ISMAPというふうに呼んでいますが、それに登録されたサービスから調達するということを原則にする、そして、データセンターの物理的所在地を日本国内とする、そして、情報資産につきまして、合意を得ない限り日本国外への持ち出しは行わないこと、さらに、一切の紛争は日本の裁判所が管轄するとともに、契約の解釈が日本法に基づくものであること、これを契約等により担保できることなどを選定基準とすることを考えているところでございます。
  141. 櫻井周

    ○櫻井委員 さらにその上、日本国内にサーバーがあったとしても、海外からアクセスすることはできなくはなかったりするわけでございまして、他方で、特定の国の名前を挙げて恐縮ではございますが、中国には国家情報保護法という法律があって、中国国内にいる中国人だけじゃなくて、世界中にいる中国人はある種スパイ活動をやれとも読まれかねないような、そういう条文も入っているわけでございますので、こうしたものに対してどうやって防衛していくのかということは大変重要な課題でございますので、この点についても是非ともしっかり取組を進めていただきたいというふうにお願いいたします。  一方で、これまで民間企業の情報漏えいの問題というのも出てまいりましたけれども、やはり地方自治体が持っている情報、特に住民基本台帳とか税の情報とか社会保険の情報ですとか、こういったものは非常に個人としても重要な情報ですし、また、情報を欲しがる側からしてみれば、非常に価値の高い、正確な情報なわけでございます。  こうしたものが一旦漏れてしまうと取り返しがつかないわけなんですが、こうした情報が漏れてしまった場合、責任の所在はどうなるのか。また、この被害者の方、情報が漏れてしまった住民の方々の権利はどうやって回復するのか。この点についてはどのようにお考えですか。
  142. 時澤忠

    ○時澤政府参考人 ガバメントクラウドにつきましては、個人情報が漏えいしないように高度なセキュリティー対策を講じることとしております。  契約形態と併せまして、国、地方公共団体アプリケーション開発事業者クラウドサービス提供事業者の間の責任分界につきましても、これは今後検討すべき課題というふうに認識しておりますけれども、仮に個人情報が漏えいした場合におきましては、具体的なシステム構成あるいは発生するセキュリティー上の問題によって様々なケースが想定されます。責任の所在についてはそれぞれのケースによって異なるというふうに考えておりますけれども、この辺につきましてもしっかりと検討していきたいと思っております。  なお、一般論として申し上げますと、仮に個人情報が漏えいした場合におきましては、民事上の不法行為が認定されたときは、生じた損害に対して損害賠償請求が認められることも考えられるところでございます。
  143. 櫻井周

    ○櫻井委員 そうすると、今の話からすると、一回漏れてしまった個人情報、これを取り消すとかというのは、何か日本の法令ではなかなか難しいですよね。技術的にも、どこまで追いかけるのか問題というのがあって、なかなか難しいわけなんですが、最終的には、じゃ、その分、お金で解決、損害賠償で解決ということの答弁だと理解をいたします。  ただ、言っても、日本の損害賠償制度というのはこれまた貧弱でございまして、損害の立証責任は被害者の方にあるわけですよ。だから、損害はあるけれども、立証できなかった分は取れないわけですよ。また、弁護士費用もかかる。弁護士費用だってカバーしてもらえるかどうか分からない。ですから、それですと、なかなかカバーし切れない、結局、被害者が泣き寝入りするという問題になってしまうんです。  これは、この法案に限らず、前もこの委員会で、プロバイダー責任制限法の議論の中でも、日本の損害賠償は貧弱で、結局、被害者が泣き寝入りしちゃうという原因になっているんだということも申し上げて、これは法務省を今日は呼んでいませんので、これ以上文句を言ってもしようがないんですけれども、この点についても、一応、大臣、こういう問題があるということで是非御認識いただきたいというふうに思います。  今、漏れてしまった情報をどうやって回復するのかということについて、例えば、欧州連合、EUにおいては、一般データ保護規則、GDPRというような規則といいますか法律があって、個人が自分の個人情報を管理する権利、自己情報コントロール権というのが定められているわけですが、我が国の個人情報保護法には、そういう固有の権利としての自己情報コントロール権というのは明確には規定されていない。情報の流通に関しての規定であって、そもそもの情報の固有の権利みたいなものはないわけなんですけれども、この点についてもやはりこの際きちっと規定をしておくべきだと考えますが、いかがでしょうか。
  144. 時澤忠

    ○時澤政府参考人 お尋ねのありました、個人が自己の情報を管理できる権利、いわゆる自己情報コントロール権につきましては、その内容、範囲及び法的性格に関しまして様々な見解がございます。明確な概念として確立していないことや、表現の自由との調整原理も明らかでないということから、一般的な権利として法律に明記することは適当でないと考えているところでございます。  一方、現在国会で御審議いただいております個人情報保護法改正案におきましては、従来から引き続きまして、事業者行政機関等が保有する個人情報の取扱いに対します本人の関与を重要な仕組みとして位置づけまして、本人による開示、訂正、利用停止請求等を可能とする規定を個別に設けているところでございます。  衆議院の内閣委員会で改正法案に付されました附帯決議にもこれは触れられているところでございますが、個人情報をめぐる社会情勢の変化等に合わせまして、規定の内容についても必要な検討を行ってまいりたいと考えております。
  145. 櫻井周

    ○櫻井委員 これは非常に大事な点でございますので、大臣にもちょっと改めてお伺いをしたいんですけれども、やはり、自己情報コントロール権、これを制定する方向で考えていきませんか。どうでしょうか。  以前の、紙で情報管理していた時代であれば、そこから広がるというようなことはそんなに、コピー機ができて多少広がりやすくなったとか、ファクスが出て広がりやすくなったというのはありますけれども、やはりインターネットになってから、サーバーの上にぽんと置くだけで世界中にわっと一瞬にして広めることができてしまう。やはり、情報の拡散力というのはもう格段に違うようになってしまったわけです。  ですから、こうした権利、EUでも定めたわけですし、アメリカでもEUのある種後追いで決めているわけです。日本もいいものはどんどんまねしていったらいいと思うんですが、大臣、いかがですか。
  146. 武田良太

    武田国務大臣 先ほど答弁があったわけですし、こういったことというのは、いいことというのは非常に参照していく必要というのはあると思います。しっかり定義が確立するということが今から重要になってくると思いますので、冷静に対処していきたいと思います。
  147. 櫻井周

    ○櫻井委員 冷静に対処すれば、この自己コントロール権というのは制定するという結論に至るというふうに考えますので、是非よろしくお願いいたします。  続きまして、実施上の課題についてもお尋ねをいたします。  新型コロナウイルス感染症のための様々な事務が発生していて、今、地方自治体職員業務負荷は大きくなっているところ、そこに今般の情報システム標準化が乗っかってくると更に大きな業務負荷が発生するということが懸念されるところでございます。  特に、これからワクチンの接種、基礎自治体において、基礎自治体責任において、高齢者のワクチン接種、そして、それ以外の、一般のワクチン接種というのが順次進んでいくわけでございますから、これは大変な事務というか、そこに今、地方自治体は注力をしているわけでございます。  一方で、今回は、二〇二五年度までに移行を終えるということとしております。先ほどの小倉議員の質問でも、急いで、慌ててやって失敗すると後で取り返しがつかないようなことになってしまう、不信が募ってしまうとできるものもできなくなってしまう、こういう御指摘もございました。  やはり、地方自治体からもスケジュールがタイトで厳しいという声もありますので、もう少しゆったりとしたスケジュール目標目標で掲げるのは結構なんですけれども、いろいろな、日本は災害がたくさんある国でございます。今後五年間、まあ今後四年間、日本全国で、どこでも災害が起きないとは限らない、むしろ、多分どこかで災害が起きてしまうだろうというふうに考えれば、災害が発生した自治体においては、この二〇二五年度というのは必ずしも守らなくてもいいよ、守れないよねというようなこと、こうしたことを今から、そんなに慌ててやらなくていいから、ちゃんと確実に、丁寧にやる方を優先してねと。  せいては事をし損じるという言葉がございますし、古代ローマより、フェスティーナレンテという言葉、ゆっくり急げ、こういう言葉もございます。ですから、こうした方針で臨むべきだというふうに考えるんですが、いかがでしょうか。
  148. 高原剛

    高原政府参考人 御答弁申し上げます。  今般の新型コロナウイルス感染症対応を踏まえ、行政デジタル化を加速化する必要が認識されたところであり、昨年末に閣議決定されたデジタル・ガバメント実行計画において、国、地方を通じたデジタル化を今後五年間で進めることとされており、標準化共通化についても、目標時期を二〇二五年度とすることとされております。  もっとも、委員から御指摘ございましたように、災害あるいは新型コロナウイルス対策のため、標準準拠システムへの移行に想定外の時間を要する場合があり得るなど、多様な実情があるものと承知をしております。  私ども、標準化共通化取組推進していくに当たりましては、こうした多様な実情を踏まえることが重要であり、地方公共団体意見を丁寧に伺いながら、円滑に移行できますよう、今年の夏に標準化共通化の実現に向けた必要な工程などをまとめた手順書をお示ししたり、あるいは、令和二年度第三次補正予算における準備経費を含めた標準化共通化のための経費を計上しておりまして、そういった財政的な支援を通じながら、丁寧に移行を進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。
  149. 櫻井周

    ○櫻井委員 あと、先ほども質問が出ておりましたデジタル人材の問題でございます。  きめ細やかな行政サービスを提供していくためには、スマートフォンなどの端末で簡易に利用できるアプリケーションソフトのソフトウェアの開発であるとか、効率的な、的確な行政システム開発のためには、やはり、地方自治体において、デジタル人材は大変ニーズが高まっているというふうに考えます。  従来の行政職の雇用や給与体系ではなかなかこれは確保が難しいのではないのか、デジタル人材は、別に、地方自治体に限らず、日本国内のあらゆる産業で、また世界中でニーズが高まっているわけですので、やはり何か独自の考え方というのが必要なのではないのかというふうにも考えるんですが、この点、政府見解をお願いしたいと思います。  また、あわせて、そもそもデジタル人材が不足しているわけですから、これを育成していくということも必要になってくるわけです。この点についても政府のお考えをお聞かせください。
  150. 山越伸子

    山越政府参考人 お答えいたします。  地方公共団体デジタル人材確保するためには、職務の内容や量に応じて、適切な任用形態や給与等の勤務条件を設定することが必要と認識をしております。  各地方公共団体におきましては、CIO補佐官などの高度な専門的知識経験が求められる職については、任期付職員制度あるいは特別職非常勤職員としての任用などによりまして、民間人材の活用が図られているものと承知をしております。  例えば、高度専門人材対象とする特定任期付職員制度を活用するケースでは、通常の行政職の給料表とは異なり、業務の専門性に見合った給料表を用いることとなっているところでございます。  このように、現行制度でも、各地方公共団体の判断により、民間のデジタル人材の給与水準を考慮して給与を設定することが可能であるなど、それぞれのニーズに即して柔軟に対応していただけるものとなっていると認識をしております。  現時点におきましては、デジタル人材確保に関し、現行の地方公務員制度に支障があると認識はしておりませんが、今後、自治体デジタルトランスフォーメーションを推進していく中で、地方公共団体の声を丁寧にお聞きし、実態を把握しながら、必要な対応をしてまいります。
  151. 大村慎一

    大村政府参考人 デジタル人材の育成についてお答えいたします。  自治体においてデジタル化を進めるに当たりましては、情報担当部局の職員の専門性の向上や、一般職員のICTリテラシーの向上などの人材育成が重要と認識をしております。  これまでも、総務省の自治大学校、地方公共団体情報システム機構、市町村職員中央研修所等の関係機関におきまして、一般職員向けの研修から専門性の高い研修まで幅広い研修が実施をされているところでございます。  総務省としては、関係機関と協力いたしまして、コロナ禍でも、オンライン研修の拡充や最新の技術動向等を踏まえた研修内容の見直しなど、研修の充実が図られるように努めるとともに、自治体に対して、研修情報を取りまとめて提供し、積極的な活用を促してまいりたいと考えております。  また、今年の夏をめどに、昨年末に策定をした自治体DX推進計画の手順書を提示したいと考えておりますが、その中で、こういった研修ですとかキャリアパス形成等人材育成手法について盛り込むとともに、先進的な自治体の事例も紹介してまいりたいと考えております。
  152. 櫻井周

    ○櫻井委員 まず、給料の体系の問題なんですけれども、自前でそういうデジタル人材とかIT人材を抱えていて、ちょっとその分高い給料を仮に出したとすると、これは別な問題がありまして、ラスパイレス指数というのがちょっとでも高くなっちゃうと、何か総務省から怒られちゃうんですね。だから、これは、例えば税の担当の方はラスの計算から外すとかやっていますけれども、デジタルの人材についてもちょっと外すとか工夫しないと、別な問題が出てくるんじゃないのかということもありますから。  そもそも、ラスパイレス指数で自治体職員の給料が高過ぎるとかいってぽこぽこたたくのは私はおかしいと。これは結構、計算の仕方をいろいろ工夫すれば幾らでも下げたり上げたりできるので、その辺、ずる賢いといいますか上手にやる自治体は、上手にここを下げる。高卒で優秀な職員が管理職になっていくと、ラスが上がっちゃうから、その人を、だからといって登用しないわけにはいかないので、やはり、登用するときに、じゃ、大学の通信講座を受けて取りあえず大卒にしておけとか、いろいろなやり方はあるわけなんですよ。  ですから、余りラスパイレス指数で振り回すのはやめてほしいと思うんですが、少なくともこのデジタル人材についてはひっかかることになりかねないので、そこも工夫していただきたいなということを御提案申し上げます。  それから、自治体によっては、昔は、デジタル人材といいますかIT人材システムの担当者を自前で育てていた自治体もあるんですね。私の地元の近くでは、西宮市がかつて、一生懸命、自前でシステム改修もなるべくやるようにするようなことでやっていたように聞いています。ですが、先ほど小倉議員からも指摘ありましたとおり、毎年のようにいろいろな法改正があると、結局は自前では間に合わなくなってしまうというので、自前主義を西宮市も随分前に諦めてしまったそうです。  自前主義のいいところというのは、やはり、要はベンダーにぼったくられない、ちゃんと自分たちでシステムのことを分かっているから、根幹のところはちゃんと自分たちでコントロールできる。もちろん足らずなところはベンダーとかいろいろな業者にお願いするということにはなりますけれども、やはり、システムのことを自分たちで分かっているから、ちゃんとコントロール、マネージできるというのもございます。  そうした意味で、自前主義というのは非常に重要な観点だと思いますので、こうした観点も含めて、是非このデジタル人材について考えていただきたいというふうに思います。  あともう一つ、デジタル人材関連で、特に、小さな自治体ですね、規模の小さな自治体については、これを確保するというのは非常に大変になってくるかと思います。  一方で、この標準化システムによって、デジタル人材が限られている地方自治体にとっては過剰になってしまったりとかいうようなこともあるかもしれません。  こうした場合、どうしても必要だということであれば、地方交付税の措置などで特段の配慮をするべきだというふうに思いますし、また、システムが過大とならぬよう、その小さな自治体向けにはシンプルなシステムにするとか、いろいろ工夫していただきたいというふうに考えるんですが、これを最後の質問とさせていただきます。
  153. 高原剛

    高原政府参考人 御答弁申し上げます。  私どもが今作成途上にあります住民記録システム標準仕様書についてでございますが、対象自治体は全ての市区町村となっておりますが、自治体ベンダー意見を踏まえ、指定都市、中核市等と一般市区町村の団体規模に応じた要件を設けております。  小規模団体は、指定都市等と比べ、処理件数が少なくデータベースの規模も小さいと考えられますことから、私どもが作っております住民記録システム標準仕様書第一・〇版においても、検索用の一部機能をオプション機能とする、実装してもしなくてもよい機能とするなど、団体規模に配慮した取扱いを定め、小規模団体を含めた全ての市区町村において利用いただけるよう、整理をしつつあるということでございます。  なお、標準システムへの移行には一定の経費を要するものの、これは国庫補助により支援をさせていただくこととしておりますし、その後の運用経費や制度改正に伴う改修経費については一定の削減効果が見込まれるところであり、小規模団体にとっても財政負担の軽減につながるものと考えております。  今後とも、標準化を進めるに当たりましては、小規模団体を含め、自治体の多様な意見を丁寧に聞きながら取組を進めてまいります。  以上でございます。
  154. 櫻井周

    ○櫻井委員 時間になりましたので終わります。ありがとうございました。
  155. 石田祝稔

    石田委員長 次に、神谷裕君。
  156. 神谷裕

    ○神谷(裕)委員 立憲民主党・無所属の神谷裕でございます。  貴重なお時間でございますので、早速質問の方に入らせていただきます。  まず冒頭なんですが、これは、今ほど松尾議員がるるお話をされたことについて、私からも若干質問させていただけたらと思います。  大臣、この事案、フジメディアの事案というのは、この前言っていただいているように、放送法、これをしっかりやっていかなきゃいけないよねという話と同時に、放送行政あるいは電波行政、これが大丈夫なのかということなんだろうというふうに私自身も思っています。  その上で、先ほどの松尾議員の質疑を聞いておりますと、金科玉条のようにおっしゃっていただいている昭和五十六年の法制局見解、本当にこの見解で今回の事案は大丈夫なのかというのが率直な私の思いでございます。  この昭和五十六年見解でございますが、前年、外資法の改正があった、外国人の方が株式を買えるようになる、自由になるんだという中で、ひょっとすると日々の取引の中で瞬間的に超えてしまうことがあるかもしれないよね、だったら最終的に元に戻っていればいいんじゃないのというような、いわば瞬間最大風速、こういうのは仕方ないでしょうというような見解だなというふうに私は思っていました。  そんな意味で、今回、この二年という期間がこの瞬間最大風速に相当するような期間と同じなのかと言われると、やはり疑義が残るんじゃないかと思いますし、あるいは、その後に法改正が幾つかされていると思いますが、そういった意味において、この見解をこれからも、というか今回の事案もそうなんですが、適用してきた、やはりここには、総務省のいわば、手抜きと言ってはいけないんですけれども、そんなものを感じるんです。  大臣にこういったことも含めて、この見解ができた背景も含めてしっかり説明がなされているのかなという心配も実はしていまして、むしろ、これがあるから大丈夫なんですみたいなことで、ざっくりとというのか、詳細を説明されないままに今回来てしまったんじゃないかと正直私は非常に心配であります。  大臣、いかがでしょう。この見解で今回の事案を見ることについて、私はちょっと無理が出てきたなと思うんですけれども、率直なところをお聞かせいただけたら。
  157. 武田良太

    武田国務大臣 この外形の話なんですけれども、やはり我々日本という国というのは、こういうのに非常に鈍感で来たことは間違いないと思うんです。これは事業者に対しても、我々総務省にとっても。だから、これに対する緊張感を招くような制度にしなきゃいけないというのは、これは、今の時点の反省点に立った今後の私の方針なわけですけれども。  この件に関しては、先ほど法制局からも答弁があったように、五十六年の考え方から法制局自体はもう全然変更がなされていないということは先ほど答弁で明確にされました。これは非常に難しいんですけれども、やはり何かの基準というものがなければ何かの決断はできないというのも御理解はいただけると思うんですね。(発言する者あり)東北新社とは全く違うんですね。  だから、私はさっきから申しますように、何かの基準がなければ何かの判断ができない。私は、いろいろとこの五十六年の考え方についてもお聞きしましたし、私の知り合いのこうした道に精通した方々にも意見を求めたのは事実なんですね。これは、今、私の判断では、五十六年のその考え方というものが妥当である、このように判断させていただいた次第であります。
  158. 神谷裕

    ○神谷(裕)委員 大臣、今、妥当と言っていただいた、これはどうかなと実は思います。  というのは、もちろん基準がなきゃいけない、それが昭和五十六年見解だとおっしゃるんだと思いますけれども、昭和五十六年見解を変えていないというのは先ほど法制局から言っていただいたとおりですが、今日的には、実はこの見解がこの事案にふさわしいかどうかというのはまた別の話かなと思っていますし、むしろ、総務省さんにおいては、今回の事案について法制局にもう一回確認するとか、もう一回法制局に対して、二年という時日があって、これがこの見解とそごがないのかという確認をむしろするべきだったと思うんですが、いかがでしょうか。
  159. 吉田博史

    吉田政府参考人 当時、二〇一四年当時は法制局に対して相談をしていないとは聞いています。  いずれにいたしましても、当時の対応につきまして、局長限りで判断したことなど、認識が甘かったという部分があるとは思っております。そういうことも踏まえまして、外資規制の確保をきちんと、確保できるような検討を進めてまいりたいと思います。
  160. 神谷裕

    ○神谷(裕)委員 大臣、今聞いていただいたとおり、やはりこの当時は聞いていないんです、法制局に聞いていないんですよ、二〇一四年は。この事案が、相談がありました、フジ・メディア・ホールディングスから総務省に対して来ました。しかし、総務省は、そこで法制局に対して何らか聞いたわけではなくて、これはそういう過去の見解があるから、それで大丈夫なんだというふうにお考えになって、判断されたんだと。  ただ、その際に、当然、当時の局長に対してはこの昭和五十六年の見解説明をしているという先ほどの答弁でございましたから、やはりここは聞いておくべきだったと思いますし、あるいは、その背景まで思いが行っていたのかな、私はそこが実は心配なんです。むしろ、神話のように、これがあるから大丈夫なんだというようなことで実は走ってきたんじゃないか。そういう意味でいうと、ここにも総務省の怠慢があったんじゃないかなと私は思います。  大臣、いかがでしょう。もう一回。
  161. 武田良太

    武田国務大臣 いずれにしても、本当に認識が甘かった、これに尽きると思うんです。  過去、その五十六年のそうした考え方があった、それに沿ってやったといえども、もうちょっときちっと、野党の方から御指摘があったように、記録を残すだとか、いろいろな手だてがあったのではないか、もっと神経質に、重要に対処すべきであったのではないか、これは、反省すべき点は多々あると思っております。
  162. 神谷裕

    ○神谷(裕)委員 大臣、そういうふうに言っていただけたので、もうこれ以上余り言いたくはないんですけれども、例えば大臣の会見を伺っていますと、四月九日の会見でお話しをいただいていたと思いますが、このときには、先ほどのお話にあったことでありますと、この見解を基に、大丈夫なんだということをやはり言っておられるんですね。そのときに、きちっと大臣には説明がされていたのかな、私、それが心配なんです。大臣がもちろん全てを知っておられたら、今みたいな答弁になると思うんです、実は。やはりちょっと、反省じゃないですけれども、ちょっと瑕疵があったんじゃないかと。こんなに適切だとばっちり言えたのかなと思ったりするわけです。  大臣は、四月九日の会見のときに、実際に資料、例えば先ほどの総務省が提出していただいた法制局見解であるとか、そういったものを示された上で説明を受けたんでしょうか。
  163. 武田良太

    武田国務大臣 私がこの事案に対してまず質問したのは、やはり昭和五十六年、郵政省から、電波法の放送局の免許に係る外資規制に関して内閣法制局相談した、そして、同法においては、免許の取消処分を行う時点で取消し事由が必要であり、その事由が存在しないのであれば取消処分を行うことができないと整理されているという報告を受けたときに、その以降に対して、その考え方というものを法制局というものは変わりはないんだろうかということをまず疑問を呈したら、その後は変わりがないということを確認できたということであります。
  164. 神谷裕

    ○神谷(裕)委員 それを伺うとなおさらに、先ほどの松尾さんが聞いた背景というものを想起したときに、本当にそれが適切なのかどうか、もちろん大臣はそのときは判断できないと思います、言われたような説明であれば。そこまで見抜けなかったと私は思いますけれども、その上で答弁させられたということであれば……(武田国務大臣「答弁じゃない」と呼ぶ)答弁というか、質問に答えたということになれば、これもやはり問題だと思うんですよ。  実際に、その後で、四月十三日に法制局から資料が提供されているわけですから。実は総務省もその時点では、四月十三日に法制局から提供されたその資料を見ていないままに、金科玉条のように言っていたのかもしれない。そこにもやはり私は瑕疵があるんじゃないかなと思うんですけれども、いかがですか。
  165. 武田良太

    武田国務大臣 まず、これは先生、分けて考えていただきたいのは、平成二十六年当時に、担当者が、電波法に関する整理を踏まえて、そして、当該事由がこの時点で存在しないのであれば取消処分を行うことができないと判断したものというものに関しては、私はこれは妥当であると思っているんです。  ただし、野党の皆さんからいろいろ御指摘があったときに、もっとこの問題に対して神経質に、もっと敏感になるべきじゃないか、例えば省内の議論に関しても、そのときの例えば記録にしても、そうしたところにはやはり反省すべき点は私はあるのではないかなと思う。  しかし、今回のこの決断に関しては妥当であると考えておるところであります。
  166. 神谷裕

    ○神谷(裕)委員 大臣、今、判断妥当とおっしゃっていただいた。そう思われているんだと思うんですけれども、ただ、私たちが申し上げているのは、その判断の根拠になった部分、それが昭和五十六年見解だとするならば、その昭和五十六年見解が直ちに今回の事案に適用していいものかどうか、そこが大丈夫なのかという話をしているわけです。
  167. 武田良太

    武田国務大臣 先ほど申しましたように、何かの基準がなければ判断できないわけですね、私の感情でやったら駄目な話ですから、これは。そのときに、何か判断材料、一番説得力のある判断材料は何かといったら、五十六年のこの法制局による考え方であることは御理解をいただけると私は思うんですね。  それに基づいてやる。一番ここで重要なポイントは、過去においてではなく、今の時点においてどうなのかという状況にこだわった考え方だったと思うんです、五十六年は。現段階で、外資規制に関する状況はどうなんだろうかと。  そうしたら、今の段階で外資規制に抵触していなければ、処分するしないじゃなくて、我々はできないと判断したんです。するしないではなくて、できない。それはなぜかといったら、この五十六年の考え方に基づいて、それが妥当であると判断したからであります。
  168. 神谷裕

    ○神谷(裕)委員 大臣、そこが多分、我々と若干考え方が違うのかなと思うんです。  この見解にありますのは、先ほども松尾さんも明快にしていただいたように、本当に一瞬、一時的な出来事です。先ほど申し上げたように、日々、株価、株式の市場の中で取引がされています。その中で、一時、本当に一瞬かもしれない、あるいは、五分、十分かもしれないけれども、その間、ひょっとすると外国の株主さんが二〇%を超えるかもしれない。ただ、最終的には、放送法あるいは電波法があるわけだから、五分の一規制というのは、これはしっかりやらなきゃいけないわけなので、結果として、最後にそこに収まっているのであればいいですよという話ですから、ですので、本当にたまたま一時的にということなんだと思います。また、法制局見解にもそういう言葉が出てくるわけです。  ただ、今回の事案では、たまたま一時的と呼ぶにしては、二年間というのが余りにも長い。二年間をたまたま一時的な期間と言えるかどうかというと、私はなかなか難しいんじゃないかなというのが率直なところです。  ただ、そこで、少なくとも総務省さんは、法制局さんにもう一回見解を聞いていればよかったんです。それをなさっていない。なさっていない上に、この見解を持ち出されて、だから正しいんですと言われても、そこは違うんじゃないんですかという話なんです。大臣、いかがですか。
  169. 武田良太

    武田国務大臣 先ほど言いましたように、判断基準というものを、我々は五十六年のそうした考え方に基づいてやっているわけですけれども、それで妥当であるというふうに私は判断したわけでありますが、であるからといって、このまま放置していいとは私は考えていないんです。  そもそも、こういうことが起きるような、皆さんが、いろいろな考え方、いろいろな議論になるような、制度が不備だったんですよ。ですから、ここは反省点に立って、今からの日本を考えていかなくちゃならないわけですから、これをきっかけとして、こうしたことが起こらないようにする制度整備というものを我々が今からやっていく。そのために、今、全ての方々に、それぞれの外資規制の状況についてつまびらかにしていただきたい。まだ出てきておりません。そうした状況も踏まえて、今からしっかりとした、法改正も含めた制度整備に努めていく、これが私らに与えられた責任だと考えております。
  170. 神谷裕

    ○神谷(裕)委員 大臣、その思いは共有させていただきます。ですので、これから先、しっかり放送法なり電波法なり、見直し、又はいいものにしていこう、そのお考えには激しく賛同いたしますし、是非野党も協力させていただこうと思います。  ただ、その前段としてこの事案、ただというわけじゃないですよ、この前段の事案として、これは、もう一回やはりしっかり検証すべきだと思いますし、大臣も御覧になっていて、やはりちょっとこの間、総務省に甘い部分があったというのは、これは否めない事実だと思うんです。この見解も、ひょっとしたら総務省の中に、そういうのがあるから大丈夫なんだみたいな形で、実際にしっかり確認がされないままに来たんじゃないか。今回改めて見てみたら、こういうことだった、ちょっと心配だなということになったんじゃないかなとも思ったりするわけです。ここは私の推測です。  ただ、やはりここはしっかり見ておかなきゃいけない。何しろ、この五分の一規制、外資の五分の一規制というのは非常に重い規制です。安全保障のこともある。あるいは、取消しになってしまうという、生殺与奪の権のある非常に重い規定です。たとえフジ・メディア・ホールディングスという大きな会社であっても、ひょっとしたら取り消さなければいけないようなことができる法律ですから、ここの運用というのは本当にしっかりやらなきゃいけない。  だとするならば、総務省さんのこれまでの放送行政は大丈夫だったのかということ、これを再度見ていただきたいと思いますし、そういった立場に立って、私は何も、フジ・メディア・ホールディングスさんに処罰を与えなさいということを言っているわけじゃないんです。そこは何も思っていません。ただ、行政というものはしっかり行われなきゃいけないし、時に、個々の会社会社によって運用、適用が変わるということでは、これはあってはならないこと。罰則を与える以上は、当然、罪刑法定主義ではないけれども、根拠も明示した上で、しっかりやらなきゃいけない。ただ、その根拠がちょっと曖昧だよな、ちょっとというよりはかなり曖昧だよなということが非常に心配なんです。  これは絶対しっかりしなきゃいけないし、ここのところがやはり大事だと思っているんです。ですから、野党はしつこく聞かせていただいていました。そこは大臣も御理解をいただいていると思うんです。  そういった意味で、これからもしっかりやっていこうと思いますので、私もデジタル標準化法の質問をやりたいものですから、この辺にさせていただきますが、是非大臣、最後にもう一回、この案件、今の趣旨に沿ってお願いします。
  171. 武田良太

    武田国務大臣 今委員から御指摘あったように、明確な判断基準を設けて、フェアな形で、しっかりとした制度整備に努めていきたいと考えておりますし、やはり委員が御指摘あったように、緊張感が足らなかったというのは、これは御指摘のとおりなんです。ここのところは、やはり体質の改善も含めて、今からしっかりと指導してまいりたいと考えております。
  172. 神谷裕

    ○神谷(裕)委員 そうなんです。是非お願いをいたします。  ですので、今回の、ひょっとすると後づけじゃないかなというふうに見られるわけですよ。ひょっとするとそうなのかなとも思うんですが、是非そこはしっかりお願いをしたいと思います。  それでは、デジタル標準化法の質疑に入らせていただきたいと思います。  ちょっと時間が限られてまいりましたので、途中、はしょる部分があるかもしれませんが、そこは御容赦をいただきたいと思います。  まず、私からも、標準化対象事務についてちょっとお伺いをしたいと思っています。十七の事務が今想定されるということで、先ほど、るる各委員の方々から御質問ありました。ですので、今後追加されるんだろうということは想像に難くありませんし、そういう事務もあるんだろうということで思うんですけれども、ただ、決めるに当たっては、当然、当事者たる地方自治体や、有識者や、あるいは実際に自治体業務に当たっている職員の方、こういった方々の意見聴取、あるいは地方自治体の実態を考慮の上で決定されることが非常に重要であると考えますけれども、大臣の所感を伺いたいと思います。
  173. 熊田裕通

    ○熊田副大臣 標準化法案において、標準化対象事務につきましては、事務処理の内容が各自治体で共通し、統一的な基準に適合する情報システム利用することが住民の利便性向上や行政運営の効率化に寄与する事務として政令で定めることとしております。  この標準化対象事務の内容につきましては、範囲等について、自治体職員にも参加をいただきながら、関係府省における標準仕様検討の中で、システム業務の実態を十分に確認し、創意工夫を発揮する余地も含めて、事務の共通性等を精査することとしております。  また、標準化対象事務を定める政令の制定に当たっては、地方自治法第二百六十三条の三第五項の規定に基づき、地方団体への情報提供を行うことも考えております。  このように、政令において標準化対象事務を定めていくに当たっては、自治体職員意見等を丁寧に伺いながら検討をしてまいりたいと思っております。
  174. 神谷裕

    ○神谷(裕)委員 是非お願いします。  ただ、二百六十三条の三だと、地方団体とか限られてしまうので、その皆さんだけじゃなくて、今の御趣旨だと、もっと広く、地方自治体関係者、職員等も含めてしっかりやっていただけるという趣旨でよかったですよね。(熊田副大臣「はい、そうです」と呼ぶ)ありがとうございます。  それでは、次に基本方針の策定についても伺いたいと思います。  第五条にあって、政府は、システム標準化推進を図るための基本方針を定めることといたしております。基本方針を作成するに当たっては、当事者たる地方自治体等の意見等をしっかり聞いていただいて反映することがやはり重要なんだろうと思うんですけれども、これについて大臣の所感をお伺いをしたいと思います。
  175. 武田良太

    武田国務大臣 標準化法第五条第四項では、基本方針の策定に当たり、地方団体等へ意見聴取することが定められております。  これは、地方実情を踏まえて策定することが必要とされているものであり、地方公共団体意見をしっかり反映させていくことが重要であると考えております。  標準化共通化推進に当たっては、これまでも地方団体との意見交換を実施するなど、地方実情を把握し、検討を進めてまいりましたが、引き続き、様々な場を活用して地方公共団体の御意見を丁寧にお伺いし、関係府省と連携して取組を進めてまいります。
  176. 神谷裕

    ○神谷(裕)委員 ありがとうございます。  本法律案では、基本方針の案の作成について、地方団体その他の関係者の意見を聞かなければならないとされております。その他の関係者としてはどのような方を想定されているのか、伺いたいと思います。
  177. 高原剛

    高原政府参考人 御答弁申し上げます。  標準化法第五条第四項で規定しているその他の関係者としては、議長会等を想定しておりまして、基本方針の案の内容に応じて、必要な者に意見を聞くことを念頭に置いております。  基本方針の案の作成に当たりましては、地方公共団体情報システム実情等を踏まえる必要があることから、地方公共団体意見を十分にお伺いしながら進めるべきものと考えております。  以上でございます。
  178. 神谷裕

    ○神谷(裕)委員 次の質問に移ります。標準化基準の策定についてです。  市町村は、人口、権能、地域特性など様々でございます。そういったことの中で、標準化基準は、自治体実情を踏まえた幅のある柔軟なものとするべきであると考えます。標準化基準はどのような点に留意して策定するのか、大臣に所感を伺います。
  179. 武田良太

    武田国務大臣 標準化法第六条第三項及び第七条第三項では、標準化基準の策定について、地方公共団体等の意見を反映させるために必要な措置を講じなければならないことが定められております。  例えば、住民記録システム標準仕様検討においては、指定都市、中核市、一般市、町村の担当者の参画を得て議論を進め、地方公共団体規模や権能等の特性を踏まえたものとしております。  今後、標準化基準を定める場合におきましても、これと同様に、地方公共団体規模や権能等の特性を十分に考慮することが重要であると考えており、地方公共団体の御意見を丁寧にお伺いし、関係府省と連携しながら取組を進めてまいります。
  180. 神谷裕

    ○神谷(裕)委員 大臣、ありがとうございます。  本当に幅があります。小さなところから大きなところまで、本当にしっかりと丁寧にお願いをしたいと思います。  その上で、標準化基準の策定に当たっては、地方公共団体その他の関係者の意見を反映させるために必要な措置を講じなければならないとされておりますけれども、その他の関係者としてどのような者を想定をされているのか、お伺いをしたいと思います。
  181. 高原剛

    高原政府参考人 御答弁申し上げます。  標準化法案では、標準化基準の策定に当たり、地方公共団体その他の関係者の意見を反映させるために必要な措置を講じなければならない旨を規定しております。  標準化基準を定める際に、地方公共団体のほか、意見を聴取することとしておりますその他の関係者としては、標準化対象事務に係るシステム事業者などを想定しております。  現在、関係府省において進められている標準仕様検討におきましても、地方公共団体職員システム事業者検討会の構成員とするほか、広く全国地方公共団体事業者への意見照会を行うなどしており、標準化取組においては、地方公共団体等から丁寧に意見を伺うことが重要だと考えております。  以上でございます。
  182. 神谷裕

    ○神谷(裕)委員 今のお話の中で出ていたんですけれども、実際にこの事務をやる方、実際に触る方、実際に使う方ですから、こういう方々からしっかり意見を聞くべきだと思うんですけれども、再度そこについて御答弁願えますでしょうか。
  183. 高原剛

    高原政府参考人 御答弁申し上げます。  現在、私ども総務省も含め関係府省において進められている標準仕様検討においても、自治体職員システム事業者検討会の構成員とするほか、広く全国自治体の職場の方々や事業者への意見照会を行うなどし、そのフィードバックを得て標準化取組をやっておるということでございます。  いずれにいたしましても、地方公共団体の現場の職員の声をしっかり反映した形で標準化基準を作っていくということが重要であるというふうに認識しております。  以上でございます。
  184. 神谷裕

    ○神谷(裕)委員 ありがとうございます。  次の質問ですが、総務省が主体となって策定した住民記録システム標準仕様書は、地方意見も踏まえた一定の幅のあるものとなっておりますけれども、今後、IT室デジタル庁が主体となって標準化基準を策定、改定するようになった場合、標準化基準の内容に地方意見が反映されにくくなることはないのか、そこがちょっと懸念をされるんですが、あるいは、デジタル庁設置後も、総務省地方の立場から標準化基準の策定に関与するべきということで考えておりますけれども、総務省はどのような観点標準化基準の策定に関与していくのか、大臣の所感を伺いたいと思います。
  185. 熊田裕通

    ○熊田副大臣 標準化法案では、関係府省が標準化対象事務に係る基準を定めるときや、新たに設置されることとなるデジタル庁及び総務省が共通する基準を定めるときは、あらかじめ、地方公共団体その他の関係者の意見を反映させるために必要な措置を講じなければならない旨を規定しており、標準化基準の策定に当たっては、地方公共団体意見を丁寧に聞くこととしております。  また、関係府省が標準化対象事務に係る標準化基準を策定するときは、基準の粒度や共通的な事項との整合、地方公共団体への関与の度合い等の観点から、デジタル庁及び総務省に協議することとなっております。  総務省といたしましては、地方公共団体との連絡調整の役割を担うこととされており、標準化共通化に関する企画と総合調整を行うデジタル庁連携しながら、適切に標準化基準が策定されるよう、しっかり役割を果たしてまいりたいと思っております。
  186. 神谷裕

    ○神谷(裕)委員 副大臣、ありがとうございます。  やはり、地方自治体とこれまでつき合いが長いのは明らかに総務省です。今回、地方自治体にしっかり頑張っていただかなきゃいけない。当然、いろいろな課題、問題も生じると思います。そういう中にあって、総務省がやはりしっかり前に出て、声を聞いていただいて、届ける。これからもしっかりと総務省にやっていただかなきゃいけないということでございますし、今そういった趣旨の答弁だったというふうに理解をいたしますので、これからもよろしくお願いをしたい、このように思います。  続いて、標準準拠システムのカスタマイズについてお伺いをしたいと思います。  本法律案では、地方公共団体は、一定の要件の下に、情報システム機能について必要最小限度の改変又は追加を行うことができることとされております。自治体独自の行政サービス等を考慮すれば、当然必要な配慮であると考えるのでございますけれども、大臣の所感を伺いたいと思います。
  187. 熊田裕通

    ○熊田副大臣 地方公共団体は、住民の福祉の増進を図ることを基本として、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担っており、法令に基づく事務のみならず、条例などに基づく独自事務も含め、多様な住民サービスを提供しております。  標準化対象事務につきましては、地方公共団体の創意工夫の余地が小さい事務であり、それ以外の独自性を発揮すべき事務につきましては標準化対象としておらず、地方公共団体において、地域実情を踏まえた独自の取組を行うためのシステム整備は引き続き実施可能と考えており、地方公共団体の自主性、自立性をも配慮しております。  また、標準化対象事務と一体的に処理することが効率である場合には、御指摘標準化法案第八条第二項に基づいて、標準準拠システム機能に必要な最小限度の改変又は追加することも可能としているものであり、地方公共団体において効率的かつ合理的にシステムが構築できるようにしているところでございます。
  188. 神谷裕

    ○神谷(裕)委員 ありがとうございます。  これからも、そういった創意工夫も発揮できるような、そういった法制度にしていただきたいと思いますし、実際の運用に当たってもそういうふうにやっていただきたいと思います。  その上で、自治体がカスタマイズを行うための負担を理由として、その負担が重いよなというようなことがあって、独自の上乗せ給付などが廃止されないか。廃止されないように、是非、実際にカスタマイズするのにもそれなりにお金がかかるものですから、それだけお金がカスタマイズにかかるんだったらできないよ、やらないよなんということがないように、カスタマイズについても財政支援考えていくべきだと思うんですけれども、お考えはいかがでございましょうか。
  189. 高原剛

    高原政府参考人 御答弁申し上げます。  独自施策に係る情報システムについては、基本的には国庫補助の対象とすることは考えておりませんが、標準化対象システム連携を行っている場合に、連携のインターフェース部分に何らかの影響が生ずることも考えられます。  このため、システムの実態をよくお伺いしながら、令和二年度第三次補正予算で計上した標準化共通化のための経費に対する財政支援対象経費の範囲に含めるかどうかについて、更に検討を進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。
  190. 神谷裕

    ○神谷(裕)委員 是非前向きに検討をお願いします。  続きまして、政府は、令和七年度末までに標準準拠システムへの移行を目指すとされておりますが、自治体では、情報システム標準化に伴って、データ移行作業業務プロセスの見直しなど、多くの作業が必要となってまいります。移行を急いだ場合、自治体業務の混乱につながると考えられるわけでございますけれども、現在の移行期間について、大臣の所感を伺いたいと思います。
  191. 武田良太

    武田国務大臣 今般の新型コロナウイルス感染症対応を踏まえ、行政デジタル化を加速化する必要が広く認識されたところであります。また、デジタル・ガバメント実行計画においても、国、地方を通じたデジタル化を今後五年間で進めることとされ、標準化共通化についても令和七年度を目標とすることとされました。  国としては、自治体目標時期までに標準準拠システムへ円滑に移行することができるよう、各自治体情報システムの現状や運用を十分に踏まえた標準仕様の作成、標準化共通化のための手順書の作成、標準化共通化のための経費に対する財政支援などの取組を通じて、しっかりと支援をしてまいりたいと考えております。
  192. 神谷裕

    ○神谷(裕)委員 大臣、これは今のところ目標ですから、当然そこに向かって頑張るんだということになると思います。ですが、本当に最終的には、実情を見ていただいた上で、そこはまた、目標ですから、今、いいよということにならないと思いますけれども、考えていただけるような方向で是非お願いをしたいと思います。うなずいていただいたので、ありがたく思います。  それでは、次の質問です。  情報システム標準化に要する経費について、政府はどの程度と見込んでおられるのでしょうか。令和二年度第三次補正予算で計上した一千五百九億円、これで十分とは私は思わないんですけれども、これで十分と考えているのか、伺いたいと思います。  また、情報システム標準化に要する経費については、やはり全額国費で措置すべきと考えるんですけれども、大臣の所感はいかがでございましょうか。
  193. 熊田裕通

    ○熊田副大臣 令和二年度第三次補正予算において、ガバメントクラウド上で提供される標準準拠システムへの移行のため必要となる経費を支援するため、一千五百九億円を計上しております。  本補正予算の計上に当たっては、ガバメントクラウド上の標準準拠システムへの移行に必要となる準備経費や移行経費について、ガバメントクラウド仕様検討中である状況等に鑑み、複数自治体クラウドを活用し情報システムを共同で利用する取組である自治体クラウドへの移行実績を参考としながら、必要と見込まれる額を計上したものでございます。  なお、補助率につきましては十分の十で考えておりますが、支援対象範囲等の詳細につきましては、システムの実態をよく伺いながら更に検討してまいりたいと考えております。
  194. 神谷裕

    ○神谷(裕)委員 次の質問です。  ちょっと一個スキップをさせていただいて、標準化に伴う運営経費の削減の取扱いについて伺いたいと思うんですが、自治体では、情報システムの運営経費の負担が大きく、職員を削減して運営経費に充てたいという団体も聞いております。情報システム標準化は、このような団体にとって、システムの運営経費が削減されるというメリットはありますけれども、その分だけ地方交付税が減額されてしまっては意味がないのではないかと言っておられます。  標準化によってシステム運営経費が削減された分についてはほかの経費に振り替えるなど、地方交付税の減額につながらないよう措置するべきではないかというふうに考えますけれども、大臣の所感を伺いたいと思います。
  195. 武田良太

    武田国務大臣 自治体情報システム標準化につきましては、各自治体におけるシステム改修や維持管理に係る負担の軽減を図り、行政運営の効率化に資するものであると考えております。  標準化取組による情報システムに要する経費の減額分に関する地方財政計画上の取扱いにつきましては、自治体意見もよく伺いながら適切に検討してまいりたいと考えています。  その上で、自治体行政サービスを安定的に提供しつつ、地域の重要課題対応できるよう、必要な一般財源総額を確保し、その中でも、できる限り地方交付税総額というものを確保してまいりたいと考えております。
  196. 神谷裕

    ○神谷(裕)委員 大臣、ここは本当に大事なところなので、是非お願いをしたいと思います。  その上で、もう時間も来てまいりましたので、この後、ガバメントクラウドと個人情報保護、これを本当は聞きたかったんですけれども、これも非常に大事な視点だと思います。もう質疑通告もさせていただいているので、十分に御検討いただいていると思いますから、あえてここでは申しませんが、しっかり対応していただけることを心からお願いをして、私の質問とさせていただきます。  ありがとうございました。
  197. 石田祝稔

    石田委員長 午後三時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。     午前十一時五十一分休憩      ――――◇―――――     午後三時二分開議
  198. 石田祝稔

    石田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。本村伸子君。
  199. 本村伸子

    ○本村委員 日本共産党の本村伸子でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。  フジ・メディア・ホールディングスの外資規制違反がございました。武田大臣が取消しはしないとした根拠に挙げました内閣法制局見解、そして、二〇一四年十二月、フジが持参をした資料、二〇一四年十二月、総務省が概要をまとめた資料が昨日、やっと出てまいりました。  午前中も、松尾議員そして神谷議員の議論もございましたけれども、この一九八一年の内閣法制局への問合せの背景ともなっている放送事業者の事案の経過、そして、これらの資料を基に、二〇一四年当時、長塩放送政策課長、局長が、どう検討議論をしたのか、なぜ改めて法制局に問合せをしなかったのか、様々な検証が必要でございます。  当時の担当者も含めた参考人招致をまず冒頭、求めたいと思います。委員長、お願いします。
  200. 石田祝稔

    石田委員長 理事会で協議します。
  201. 本村伸子

    ○本村委員 法案に入らせていただきます。  この地方公共団体情報システム標準化に関する法律案では、全国自治体が同じような情報システムにする標準化事務については、政令で定める事務とされておりますけれども、国会審議もなく、政令で対象事務がどんどん拡大することになるのではないかという懸念がございますけれども、その点、御答弁いただきたいと思います。
  202. 高原剛

    高原政府参考人 御答弁申し上げます。  標準化法案においては、法令でほとんどの事務が定められているなど、自治体にとって創意工夫を発揮する余地の小さい事務対象を限定することとしております。  具体的には、事務処理の内容が各地方公共団体で共通し、統一的な基準に適合する情報システム利用することが住民の利便性向上や行政運営の効率化に寄与する事務として政令で定める事務標準化対象事務としております。  この標準化対象事務の内容や範囲等については、自治体職員にも参加いただきながら、関係府省における標準仕様検討の中で、システム業務の実態を十分に確認し、創意工夫を発揮する余地も含めて、事務の共通性等を精査することとなります。  また、標準化対象事務を定める政令の制定に当たりましては、地方自治法第二百六十三条の三第五項の規定に基づき、地方団体への情報提供を行うことになるものと考えております。  このように、政令において標準化対象事務を定めていくに当たりましては、自治体職員意見等を丁寧に伺いながら検討してまいります。  以上でございます。
  203. 本村伸子

    ○本村委員 全国自治体が、それぞれの状況に応じて様々な情報システムだったものが、このシステムでないと駄目だ、標準化だといって国の鋳型にはめていくということになってまいります。  このこと自体、地方自治に反するものでございますし、個性豊かな地方自治体、カラフルだったものが単色になっていくイメージもあるわけですけれども、政令で定めるということで、国会審議もなく決められてしまう仕組みでございます。  法案では、第八条一項で、地方公共団体情報システムは、標準化基準に適合するものでなければならないとし、第二項で、標準化対象事務以外の事務で、一体的に処理することが効率的で、互換性が確保される場合に限り、必要な最小限度の改変又は追加を行うことができるとしております。これがカスタマイズなんだというふうに説明を事前にいただいているわけですけれども。  現時点では、標準化する事務は十七事務というふうに言われておりますけれども、この十七事務の中で、第八条二項の、一体的に処理することが効率的で互換性が確保される業務とそれに当てはまらない業務、それぞれどういうふうに把握をされておられますでしょうか。
  204. 高原剛

    高原政府参考人 御答弁申し上げます。  標準化法案第八条第二項において、条例などに基づく地方公共団体の独自サービスについて、標準化対象事務と一体的に処理することが効率的であると認めるときは、標準に準拠したシステム機能などに一定の改変や追加を行うことを可能とすることを定めております。  この規定は、例えば福祉などの分野において、地方公共団体が国事業の上乗せ助成を行っているような場合を想定したものでございます。  いずれにいたしましても、この八条第二項の対象になるもの、あるいはならないものをあらかじめ類型的に想定しているものではございませんで、各業務ごとに、標準仕様検討の進捗に応じて明らかになってくるものというふうに考えております。  以上でございます。
  205. 本村伸子

    ○本村委員 この法案の第八条の規定なんですけれども、自治体独自の施策をできなくさせるものではないということを明確に大臣に答弁していただきたいというふうに思いますし、各自治体では、子供さんや障害者の方々、あるいは高齢者などの医療費の無料化、助成制度などを行っておりますけれども、法案はこうした各自治体の独自施策の前進を阻むものであってはならないというふうに考えますが、大臣見解を伺いたいと思います。
  206. 武田良太

    武田国務大臣 標準化法案では、事務処理の内容が各地方自治体で共通し、統一的な基準に適合する情報システム利用することが住民の利便性向上や行政運営の効率化に寄与する事務として政令で定める事務標準化対象事務としております。  このような標準化対象事務に係る情報システム標準化が、自治体の独自施策を制限するものとは考えてはおりません。  なお、自治体における独自の施策がどのようなシステムを用いて実施されるかは個々の団体の判断によりますが、標準化法案第八条第二項においては、標準化対象事務と一体的に処理することが効率的であると認めるときは、互換性が確保される場合に限り、システム機能等について必要最小限度の改変又は追加を行うことができることとしております。
  207. 本村伸子

    ○本村委員 少し確認なんですけれども、塩川鉄也衆議院議員が何度も内閣委員会などで指摘をされておりますけれども、富山県の上市町の町議会では、三人目の子供の国保税の均等割の減免、あるいは六十五歳以上の重度障害者の方々の医療費の窓口負担の償還払いを現物給付へという町議の提案に対して、国が導入を進める自治体クラウドを使っていることを理由に、町独自のシステム仕様変更はできないというふうに町長が答弁をされ、その施策ができないという答弁がございました。  この法案によって、全体としてそのシステム仕様変更はできないから独自の施策ができないということにはなりませんねということを改めて確認をさせていただきたいと思います。
  208. 高原剛

    高原政府参考人 御答弁申し上げます。  富山県上市町長さんの議会答弁について個別にコメントすることは差し控えたいと存じますが、ただいま大臣から御答弁申し上げましたように、この標準化法案が、住民サービスの維持向上を図ろうとする個別の団体における政策決定の支障になるものではないと考えております。  以上でございます。
  209. 本村伸子

    ○本村委員 もう一つ、具体的にお伺いしたいんですけれども、情報システム標準化基準に適合させた場合、自治体が独自に実施している次のような事務はこれまでどおり実施できるということを明言していただきたいというふうに思います。  一つ目なんですけれども、住民税について独自の基準を設けて減免をする事務、また、母子保健法に基づく妊娠届出書に独自の質問、アンケートの項目を設けて記載を求める、そういう事務、また、国民健康保険料、国民健康保険税や介護保険料、利用料について独自に基準を設けて免除をする事務、そして、災害の被災者の皆様方の料金負担の減免をする事務、年間の納期区分を独自に設ける事務、こういうことはこれまでどおりできますねということを確認をさせていただきたいと思います。
  210. 稲岡伸哉

    稲岡政府参考人 個人住民税についてお答えを申し上げます。  現在、個人住民税の標準化につきましては、税務システム標準化検討会の個人住民税ワーキングチームにおいて標準仕様書の策定を進めているところでございます。地方団体が条例を定めて行っております個人住民税の減免につきましても、標準仕様書により対応できるよう、地方団体意見を丁寧に伺いながら進めてまいりたい、このように考えております。
  211. 岡崎毅

    岡崎政府参考人 母子健康法に基づく妊娠届出書及び国民健康保険料や介護保険料、利用料についてお答えさせていただきます。  御質問いただいた事務でございますけれども、昨年十二月に閣議決定されましたデジタル・ガバメント実行計画書に基づきまして、現在、標準仕様書の作成に向けた作業を行っているところでございます。  この標準仕様書ですけれども、一般論として、地方自治体システム面における統一化を図るものでありまして、それによりまして地方自治体の独自施策を制約するものではないというふうに考えております。  厚生労働省といたしましては、今後とも、御指摘いただいた独自施策の取扱いも含めまして、地方自治体意見を丁寧に聞きまして、内閣官房、総務省とも協力しつつ、自治体システムの統一、標準化取組を進めてまいりたいと考えております。
  212. 本村伸子

    ○本村委員 今、母子保健法の関係国民健康保険料、介護保険料ですけれども、今の御答弁は、被災者の方々のことですとか、あるいは納期区分のことも入っているという理解でよろしいでしょうか。
  213. 岡崎毅

    岡崎政府参考人 入っておると考えております。
  214. 本村伸子

    ○本村委員 各自治体では、先ほども申し上げましたように、子供さんに対する医療費の無料化、助成制度障害を持った方々、あるいは高齢者の方々への医療費の無料化、助成制度を行っていますけれども、これは基準ではどのように位置づけられるんでしょうか。
  215. 岡崎毅

    岡崎政府参考人 お答え申し上げます。  繰り返しになりますけれども、標準仕様書はあくまで地方自治体システム面における統一を図るものでございまして、独自施策を含めた各種施策を制約するというものではございませんので、そういうことにはならないかというふうに考えております。
  216. 本村伸子

    ○本村委員 引き続き同じようにできる、システム障害にならないということでよろしいでしょうか。
  217. 岡崎毅

    岡崎政府参考人 お答え申し上げます。  繰り返しになりますけれども、あくまでシステム標準化自治体システム面における統一を図るものでございますので、独自施策を含めた各種施策を制約するものではございません。
  218. 本村伸子

    ○本村委員 今、国会に提出をされております国民健康保険法案の中で、都道府県国民健康保険運営方針に都道府県内の市町村の保険料の水準の平準化や法定外繰入れ解消について定めることを求めておりますけれども、公共団体の判断で法定外繰入れができる標準化基準になるのかどうかということも問われるというふうに思います。  前も御指摘させていただいたんですけれども、例えば、三重県の名張市では、御夫婦と子供さんお二人の御家庭で、自営業で、所得が三百万円という世帯が、国民健康保険料が五十六万八千六百円と物すごく高額になっている、物すごく高い。そういう中で、一般会計からの繰り出しということをやらなければ、この高い保険料を引き下げることができないわけでございまして、法定外繰入れができる、そういう標準化の基準にするべきだというふうに思いますけれども、その点、お答えをいただきたいと思います。これは副大臣でお願いしたいと思います。
  219. 大隈和英

    ○大隈大臣政務官 お答え申し上げます。  今、先ほどからるる申し上げていますとおり、このシステム自体は、標準仕様書地方自治体システム面における統一化を図るものでございまして、その政策を、独自施策を制約するものではないということをまず繰り返して申し上げたいと思います。  御指摘の点は、市町村が行う法定外繰入れ等につきましては、受益と負担の均衡を図る観点から、従来より、その計画的な削減、解消をお願いしてきているものでございます。  今般の医療保険制度改正法案では、その削減、解消に向けて、都道府県市町村が一体となった取組推進していただく観点から、都道府県国保運営方針に、市町村の国保特別会計における財政の均衡を保つために必要な措置を定めるよう努めるという旨の規定を設けていることと承知しております。
  220. 本村伸子

    ○本村委員 法定外繰入れができる標準化基準になるんでしょうか、仕様書になるんでしょうか。
  221. 大隈和英

    ○大隈大臣政務官 従来どおりのものでございまして、市町村独自の施策を縛るものではないというふうに御理解いただきたいというふうに考えております。
  222. 本村伸子

    ○本村委員 国民健康保険料、保険税が本当に高くて、生活が大変な中で一層苦しくなっている現実がございまして、これを引き下げて何とか生活を支援しようということで自治体は努力をされておりますので、そのことの足を引っ張るということはやめていただきたいということも強調させていただきたいと思います。  資料を今日出させていただいておりますけれども、裏表で出させていただいております。  二〇一九年三月二十九日、総務省地方公共団体自治体クラウド導入における情報システムのカスタマイズ抑制等に関する基本方針におけるカスタマイズ、ここに書かれているカスタマイズと、次、裏で、内閣官房の、これは閣議決定されたものですけれども、成長戦略フォローアップ、情報システムのカスタマイズとここでも書かれているんですけれども、それぞれ、カスタマイズの概念についてお示しをいただきたいと思います。
  223. 高原剛

    高原政府参考人 御答弁申し上げます。  委員指摘の、地方公共団体自治体クラウド導入における情報システムのカスタマイズ抑制等に関する基本方針では、パッケージソフトに対するカスタマイズの例示といたしまして、業務効率化や過誤防止、情報システム間の情報連携を目的とする機能の追加や独自の住民対応や外部団体との関係等に起因する独自の様式の規定などが示されております。  成長戦略フォローアップにおけるカスタマイズについても、この基本方針と同様の趣旨のものと考えております。  以上でございます。
  224. 本村伸子

    ○本村委員 総務省はこれまでも、クラウド導入をする場合に、カスタマイズは行わないことを原則とすべきというふうに基本方針で出し、そして閣議決定でも、情報システムのカスタマイズをなくすことが重要というふうに言ってまいりました。  カスタマイズができるんだ、八条二項でできるんだという法案の説明はございましたけれども、この基本方針と閣議決定とこの法案、どのような関係になるのかという点をお示しをいただきたいと思います。
  225. 高原剛

    高原政府参考人 御答弁申し上げます。  標準化法案八条は、第一項において、標準化基準に適合した情報システム利用地方公共団体に義務づけております。  これは、地方公共団体ごと、ベンダーごとに安易に標準準拠システムのカスタマイズを認めた場合、カスタマイズ抑制やベンダー間の円滑なシステム更改、クラウドによる共同利用の促進といった標準化の目的が果たせないこととなるためであり、地方公共団体自治体クラウド導入における情報システムのカスタマイズ抑制等に関する基本方針や成長戦略フォローアップにおいて言及されておりますカスタマイズの抑制と同様の目的をもって今回規定をさせていただいているというふうに認識しております。  以上でございます。
  226. 本村伸子

    ○本村委員 今日資料を出させていただきましたこの総務省基本方針、そして閣議決定なんですけれども、これは十七業務にも限っていないわけでございます。  カスタマイズは行わないことを原則とすべきと書かれた基本方針、そして、各地方自治体が行っている情報システムのカスタマイズをなくすことが重要としたこの閣議決定の成長戦略フォローアップは、やはりこの文言が独り歩きをして地方自治を侵害する書きぶりになっているというふうに思います。これは撤回するべきだというふうに思いますけれども、大臣、お答えをいただきたいと思います。これは大臣に通告をさせていただいております。
  227. 高原剛

    高原政府参考人 御答弁申し上げます。  総務省が各自治体に示しております委員指摘基本方針では、パッケージソフトに対するカスタマイズは行わないことを原則とすべきとすると同時に、住民サービスの維持向上等の観点からパッケージ機能による対応では不十分である場合であって、カスタマイズ以外の代替措置で対応することが困難であるなどの事由がある場合にはカスタマイズを行うこともやむを得ないとの考えを併せてお示ししているところであり、また、地方公共団体へのお示しの仕方も技術的助言としてお示しをさせていただいているということでございまして、委員指摘地方自治を侵害する形にはなっていないというふうに考えております。  成長戦略フォローアップにつきましても、基本方針と同じ趣旨を端的に表現したものであり、委員指摘地方自治を侵害する書きぶりには当たらないというふうに考えております。  以上でございます。
  228. 本村伸子

    ○本村委員 この総務省基本方針の中を見させていただきますと、市区町村独自の住民対応に起因するカスタマイズ、起因するカスタマイズという書きぶりも少しおかしいのではないかというふうに思うんですけれども、住民サービスの維持向上のために行われるカスタマイズであり、カスタマイズを行うこともやむを得ないが、可能な限り抑制できないか検討する必要があるということまで書かれておりまして、それはイコール、住民サービスを抑制できないか検討するということにもつながるんじゃないでしょうか。
  229. 高原剛

    高原政府参考人 カスタマイズの在り方につきましては、それが結果的に地方公共団体システム運用経費を増嵩させて市町村財政を圧迫していく、あるいは共同化が進まないといったいろいろな問題がある中で、カスタマイズを抑制していこうということでございます。  それで、これは私ども今作成している標準仕様考え方でもあるんですが、地方公共団体が独自にサービスできるような部分は、標準仕様の中で、パラメーターの設定といいますか、オプション機能で給付ができるようにするというような考え方がまず一つございます。それと、データベースが一体的であって、必要最小限のカスタマイズで独自施策をするという考え方もある。さらに、そういうので難しいということであれば、API連携ということで、標準システム情報連携をして独自の給付サービスをするということもできますので、このカスタマイズの抑制ということが、たちまち独自施策ができなくなるということにはならないのではないかというふうに思っております。  以上でございます。
  230. 本村伸子

    ○本村委員 それで財政的にもかさんでいくのではないか。オプションをつけたらその分また料金が発生するという仕組みになるんでしょうか。先ほどオプションというふうに言われましたけれども、それは、別料金が必要だ、オプションをたくさん、また財政的にかさんでいくということになるんでしょうか。
  231. 高原剛

    高原政府参考人 御答弁申し上げます。  基本的に、標準仕様書の中のパラメーターの変更で例えば給付を手厚くするということであれば、その追加費用は、もちろんパラメーターの設定は動かさないといけませんが、かからないというふうに思います。  それから、当然、この八条二項で必要最小限のカスタマイズをするということになりますと、やはり一定の経費はもちろんかかるというふうに考えます。  以上でございます。
  232. 本村伸子

    ○本村委員 住民皆さんの切実な要求を実現するために必要なカスタマイズ、これは地方自治体が判断したら自由にやらせていただきたい、できるようにしてほしいというふうに思います。  基本方針とか閣議決定とか財政支援の差で圧力をかけるというのはやめていただきたいというふうに思いますけれども、御答弁いただきたいと思います。
  233. 高原剛

    高原政府参考人 御答弁申し上げます。  今回の標準化法案の理念は、人口減少社会の中で、自治体がそれぞれカスタマイズしながら情報システムを維持運営していくのがやはりもう限界に来ているんじゃないかという、これは地方団体からの意見でもございます。  そういったことを踏まえまして、標準化法案の八条で標準化基準に適合した情報システム利用地方公共団体に義務づける、そして、八条二項で、独自施策をするときに必要最小限のカスタマイズができるという構成を取らせていただいて、多くの地方公共団体関係者の皆様にも意見照会させていただきましたけれども、それが中長期的に、地方自治の発展といいますか、システム運営経費に係る負担を減らして、もっと職員皆さんに対住民サービス等に回ってもらうということを実現していく上にはこういった取組が欠かせないということで、こういった法案を出させていただいているということでございます。
  234. 本村伸子

    ○本村委員 先ほど来、自治体独自の施策を阻むものじゃないというふうに言いながら、この総務省基本方針あるいは閣議決定は撤回されないということで、カスタマイズするな、抑制しろと実際には言っているわけで、それはやはり矛盾しているというふうに思っております。  総務省にお伺いしたいんですけれども、全ての自治体情報システム状況というのはもう既に把握をされているんでしょうか。
  235. 高原剛

    高原政府参考人 御答弁申し上げます。  これまで総務省では、全ての自治体対象情報システム状況等について調査を行ってきております。  この調査を通じて、各自治体情報システムクラウド化の状況情報システムの類型などについて把握をしております。
  236. 本村伸子

    ○本村委員 八条二項の必要最小限度の改変又は追加というのは何かということを具体的にお示しを、例示をしていただきたいと思います。
  237. 高原剛

    高原政府参考人 御答弁申し上げます。  八条二項は、例えば福祉などの分野において、地方公共団体標準仕様に位置づけられないような独自の取組として国事業の上乗せ事業を行っているような場合を想定したものでございます。
  238. 本村伸子

    ○本村委員 先行して総務省住民記録システム標準化検討会で検討され、標準仕様書が出されておりますけれども、その中で必要最小限度の改変又は追加となっている部分を具体的にお示しをいただきたいと思います。
  239. 高原剛

    高原政府参考人 御答弁申し上げます。  住民記録システム標準化検討会においては、不在住証明書など、自治体によっては発行されている諸証明関係の様式について、標準化対象とすべきかどうか議論がなされましたが、標準仕様には含めないこととされました。  そして、標準化法案八条二項において、このような不在住証明書など自治体独自の諸証明については、標準化対象事務と一体的に処理することが効率的であって、互換性が確保できるということで、必要最小限度の改変又は追加の対象になり得るものというふうに考えているところでございます。
  240. 本村伸子

    ○本村委員 全ての自治体情報システムを把握されているということですので、お伺いしたいんですけれども、住民記録システム標準化仕様書の中で、今までは自治体がやっていたけれども、今回できなくなるというものはございますでしょうか。この八条関係でできなくなるというものがございますでしょうか。
  241. 高原剛

    高原政府参考人 御答弁申し上げます。  私ども、検討会で、各自治体住民基本台帳事務をそれぞれ参照させていただきながら標準仕様書の作成作業を進めておるところでございますが、標準仕様の中に含まれておらないのは、先ほど申し上げました自治体独自の諸証明ということでございまして、それは八条二項のカスタマイズの対象というふうに考えているところでございます。
  242. 本村伸子

    ○本村委員 総務省住民記録システム標準化検討会の準構成員として、RKKコンピューターサービス、Gcomホールディングス、TKC、電算、NEC、日立システムズ、富士通の方が入っておられます。また、オブザーバーとして十八事業者の方が参加をされておりますけれども、こうしたベンダーなどの民間事業者が参加することで、全ての自治体利用しているシステムが大体把握できているということでよろしいでしょうか。
  243. 高原剛

    高原政府参考人 御答弁申し上げます。  私どもが開催しております住民記録システム標準化検討会では、準構成員又はオブザーバーとして二十五のベンダーに御参加いただいておりますが、それに加えまして、標準仕様全国自治体に照会する際には、自治体を通じて、検討会に参加をしていないベンダーにも情報が行き届き、標準仕様検討案に対する意見を出せるよう配慮をしております。  そういう意味で、全国自治体利用しているシステムの現状を踏まえた検討が行えているものというふうに考えております。  以上でございます。
  244. 本村伸子

    ○本村委員 この検討会の準構成員、先ほど名前を挙げました事業者や、オブザーバーとして参加されている十八の事業者、各事業者自治体システムのシェアというのはどのようになっているのか、お示しをいただきたいと思います。
  245. 高原剛

    高原政府参考人 御答弁申し上げます。  ただいま御紹介いただきました個別の事業者における自治体へのシステムの提供シェアについては、それぞれの事業者における営業の秘密に該当すると考えておりますので、お答えは差し控えさせていただきたいと存じます。
  246. 本村伸子

    ○本村委員 検討会に参加をし、基準を作る段階から入っている企業が今後のビジネスでも有利になるのではないかというふうに思いますけれども、その点、いかがでしょうか。
  247. 高原剛

    高原政府参考人 私ども、市町村に対して一定規模以上の納品をされておりますベンダーに準構成員として入っていただいているわけでございますが、そのほかにもオブザーバーとして入っていただいている会社もかなりございます。それに加えて、自治体皆さん標準仕様書意見を求めるときには、必ず地元のベンダーさんにも見ていただいて御意見をいただくようにということで事務をやっておりますので、御懸念のところは当たらないんじゃないかというふうに思います。
  248. 本村伸子

    ○本村委員 今後、寡占化していないかどうか、情報公開というものはなされるべきだと思いますけれども、その点、お答えをいただきたいと思います。寡占化していないかのチェックができるようにするべきだと思いますけれども。
  249. 高原剛

    高原政府参考人 御答弁申し上げます。  標準仕様書でなされた議論等につきましては詳細に情報公開させていただいているところでございますし、引き続きやらせていただきたいと思っております。
  250. 本村伸子

    ○本村委員 寡占化していないかという情報開示も是非やらなければいけないというふうに思っております。  自治体事務には、法定受託事務、自治事務法令に基づくものに自治体が上乗せをしている事務、そして法令に基づかず任意に行っている自治事務がありますけれども、それぞれ、今、システムを構築し、活用しております。その中には、入力の際に複数システムがリンクする仕組みになっているケースがあると思われます。  今回の法案では、国が十七事務を抜き出してシステム標準化を行います。新たに十七事務については対応し直さなければいけないということになってまいります。それだけではなくて、抜き出したためにリンクできなくなって、独自に行っている事務で新たに独自に対応しなければいけないという場合も考えられると思います。  国は、標準化のために必要な財政措置をするというふうに法文でもなっておりますけれども、その対象について、四つの点から大臣に伺いたいというふうに思います。  一つ目、八条一項に対応した標準化対応の経費、対応を行うための契約変更した場合の経費も含めて、これも一〇〇%出すべきだ、国が補償するべきだ。  二番目ですけれども、八条二項の、標準化対象事務以外の事務で、一体的に処理することが効率的であると認めるときに行える必要最小限度の改変、追加の経費、これも一〇〇%見るべきだというふうに思います。  そして、システムをリンクさせて行っていた場合のシステムの変更の経費、これも一〇〇%見るべきだというふうに思っております。  四つ目ですけれども、パッケージ等で対応していた、自治体独自のシステムで改めて対応しないといけなくなった場合の経費、これも一〇〇%国が必要な財政措置を取るべきだというふうに思います。  大臣、この点、お願いをしたいと思います。いや、ここは大臣でということでお願いをさせていただいているので。
  251. 高原剛

    高原政府参考人 御答弁申し上げます。  まず、ちょっと事務的な整理ということになるわけですが、令和二年度第三次補正予算において、ガバメントクラウド上で提供される標準準拠システムへの移行のために必要となる経費を支援するため、千五百九億円を計上しており、補助率については十分の十で考えております。  支援対象範囲等の詳細につきましては、地方公共団体システムの実態をよくお伺いしながら、今後検討していくということになろうかと思っております。  それで、その上で、八条一項について委員の言及がございましたが、標準化システムへの移行経費については、基本的に国費による対応をしていくということになろうかと思います。  それから、八条の二項の関係でございますが、標準化対象事務以外の独自事務に係るシステムについては、基本的には国庫補助の対象とすることは考えておらないわけですが、システムのリンクというお話もございましたが、標準準拠システムとの連携部分に一定の影響を及ぼすことも考えられますので、そこら辺の財政支援につきましては、引き続き検討していきたいと思っております。  それから、パッケージソフトについてのお話がございましたが、現行、パッケージソフトを利用している小規模団体につきましては、パッケージソフトを提供している事業者が、ほかの業務ももちろん今までどおりあるわけですが、その中で、十七業務については標準仕様に準拠した形でパッケージソフトを多分提供されるだろうということでございますので、私ども、そこら辺で財政支援は今の段階では必要ないんじゃないかなというふうに思っております。  委員指摘の点につきましては、大体事務的には以上の形で今検討しているということでございます。
  252. 本村伸子

    ○本村委員 今回のこの法案によって、様々自治体対応しなければならなくなるわけでございます。それに対してしっかりとした財政措置をしていくんだという大臣の答弁をお願いしたいと思います。
  253. 武田良太

    武田国務大臣 まずはしっかりとそれぞれの実情を伺って、適切に対応してまいりたいと考えています。
  254. 本村伸子

    ○本村委員 一〇〇%、必要な財政措置は対象にするべきだということを重ねて申し上げたいというふうに思います。  第五条では、国が基本方針を定めるに当たって地方団体意見を聞くということになっておりますけれども、どのような段階で聞くのかということと、聞いた意見をどう取り入れて合意を図っていくのか。結局、最終的に国の判断が優先されるのではないかということが懸念をされるわけですけれども、基本方針を定める際、そして標準化の基準を定める際、自治体の声をしっかりと反映させるべきだというふうに思います。  また、この基本方針標準化基準を定める際に、自治体で働く方々、この自治体で働く方々がいなければ地方自治体は回っていきませんので、そして現場の声を一番よく知っている方々ですので、自治体職員の方々、労働組合の皆さん意見を聞いて反映させるべきだというふうに思いますけれども、これは大臣、お願いしたいと思います。
  255. 武田良太

    武田国務大臣 本法案では、基本方針の策定に当たり、地方団体等へ意見聴取することが定められているほか、標準化基準の制定時に、地方自治体その他の関係者の意見を反映させるために必要な措置を講じなければならないこととしております。  これは、地方実情を踏まえて策定することが必要とされているものであり、地方公共団体意見をしっかり反映させていくことが重要であると考えております。  例えば、住民記録システム標準仕様検討する総務省検討会では、全国市長会や全国町村会から推薦をいただいた、住民担当課や情報システム担当課などのシステムの実務に直接携わる方にも構成員として参加をいただいております。  基本方針標準化基準の策定に当たっても、自治体の幅広い御意見が十分に反映されるよう、丁寧に進めてまいりたいと考えております。
  256. 本村伸子

    ○本村委員 第十条についてもお伺いしたいというふうに思います。  ガバメントクラウド利用するよう努めるものとすると規定されております。ガバメントクラウド利用しない自治体利用した自治体も同等の地方財政措置を図るべきだというふうに考えますけれども、御答弁をお願いしたいと思います。
  257. 高原剛

    高原政府参考人 御答弁申し上げます。  自治体情報システム標準化取組クラウド利用の促進につながるものでございますが、全国規模のより広域的なクラウド環境を共同で利用することにより、自治体行政運営の更なる合理化、効率化に寄与することが期待されるところであります。  標準準拠システムへの移行に要する経費については国費により支援することとしておりますが、ガバメントクラウドを活用した場合には、最新のセキュリティー対策、技術革新対応力の向上、コストの低減が実現されるなどの効果が期待されることから、ガバメントクラウド上で標準準拠システム利用していただくことが基本考えております。  ただ、補助対象範囲などにつきましては、システムの実態をよく伺いながら検討してまいりたいと考えております。  そして、移行後の運用経費の地方財政措置についてでございますが、これは、標準準拠システムの運用に要する経費については、その実態も十分に踏まえながら、適切な地方財政措置が講じられますよう検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。
  258. 本村伸子

    ○本村委員 最後に大臣にお伺いしたいと思います。  この法案によって、住民自治、団体自治が侵害されるようなことがあってはならないというふうに思いますけれども、最後に御答弁をお願いしたいと思います。
  259. 武田良太

    武田国務大臣 本法案における情報システム標準化は、こうした地方行政デジタル化基盤となり、住民の利便性の向上や行政運営の効率化に資するものであり、地方自治の本旨を尊重しながら進めていくものである、このように考えております。
  260. 本村伸子

    ○本村委員 終わります。ありがとうございました。
  261. 石田祝稔

    石田委員長 次に、足立康史君。
  262. 足立康史

    ○足立委員 日本維新の会の足立康史でございます。  共産党の本村委員が時間どおり終わるのが珍しいので、ちょっと一瞬焦りまして、走ってまいりましたが、政府参考人の出入りに時間がかかっておるようでありまして、これはまず全部出てから入ったらいいですよね、という余計なことは言わない方がいいと思います。  大臣基本的に吉田局長に聞きますが、フジの話は、今、松尾委員とか神谷委員もやっていましたが、ちょっとやはり、先ほど大臣おっしゃったように、とにかく決めないといけないからなということだから、私も大臣のお立場なら分からないでもないわけでありますが、ただ、結局分かったことは、菅正剛氏は関係ないということですね、分かったことは。この話は最初は菅正剛氏から始まったわけです。しかし、菅正剛氏が所属する東北新社はぼこぼこにして、フジは不問に付す。これは逆だったらもう大変ですよ、予算委員会をまたやれということになって。  だから、元々、当初の問題設定は、やはり私が指摘したとおり。私は当初から、この郵政省の問題は菅正剛氏は関係ない、単に郵政省の職員皆さんが飲むのが好きだった、こういう問題だということを私は最初から指摘をしてきました。だから、大体私の見立てが合っていたなと思うんですが。  問題は、やはり放送法、電波法の外資規制のずさんさであります。これは、先般の委員会でも大臣から、認識は同じだから、この法改正も視野に入れてしっかりやっていくという御答弁をいただいていますので、未来に向けてはもういいと思うんです、未来に向けては。  ただ、私がかねがね申し上げているように、国会役割は三つある。政権を争うという機能法律を作るという機能、そしてもう一つが行政監視でありまして、私は決して行政監視を軽視しているわけではありませんので、ちょっとこの点だけはもう少し時間を取ってやらせていただきたいと思います。吉田局長、大変ですが。  先ほど、今日午前中の審議で分かったことは、昭和五十六年の見解のときは、いろいろ自民党の部会の要請も背景にあって、法制局見解を求めたということで紙が残っているわけでありますが、今般、そのフジのケースは法制局に照会をしなかったということですね。  ところが、当時は、これは電波法です、今回は放送法です。たてつけが、それはお隣さんということかもしれないけれども、基本的には、持ち株会社に関する今回の規律の問題ですから、基本的には別の話ですよね。  それを同じだと判断して、かつ、その判断には、東北新社は認定、認可のときに、一番最初のイニシャルで問題があったからアウトというんだけれども、でも、私からすれば、東北新社はかわいそうだと思いますね。だって、もしそのとき分かっていたら、おまえら、これはおかしいだろうと言っていれば、すぐに直して、こんなものはすぐに直るんだから、すぐに直して認可を取れていましたよね、絶対。絶対というか、そういうことが容易に想像できるわけです。  だから、イニシャルに問題があったからアウト、途中はそれなりの期間問題があってもセーフというのは、まさに立憲民主党の皆様がおっしゃっていたのと私は全く同じ意見で、これは恣意的に過ぎる。  局長、恣意的に過ぎると自分でお思いになりませんか。
  263. 吉田博史

    吉田政府参考人 お答えいたします。  先ほど来御説明申し上げたとおり、東北新社メディアサービスの認定の職権による取消処分は、当初の認定におきまして外資規制に抵触していた、つまり、本来であれば認定を受けることができなかったということで、それにもかかわらず不適格な者を認定したということで、当初の認定の行政処分自体に瑕疵があったというふうに考えています。  当然、これは、今御指摘もありましたとおり、事業者が確かに原因とはいえ、私どもの審査が甘かったということも一因であるということは、そこは真摯に反省しておりまして、その審査体制のチェックの強化、そういうことを私どもとしてはきちんと取り組んでまいりたいと思っております。
  264. 足立康史

    ○足立委員 いや、だから、さっき私が申し上げたように、そんなもの、株式の議決権なんというのは幾らでも操作できるわけだから。  だから、私どもの当時の扱いにも問題があったと今おっしゃったけれども、九九%郵政省の問題ですよ。郵政省が自らを何かするのはいいですよ。しかし、東北新社については、僕はちょっとかわいそうだな。私は、別に菅正剛氏がいるからかわいそうだと言っているんじゃないんですよ。一般論として、これはかわいそうに過ぎる、こう思うわけです。  逆に、フジについては、今、先ほど行政処分がとおっしゃったけれども、フジだって、その違反している間に見つけていたら、これは欠格事由でアウトでしょう。何でそれはセーフでという話が、今日の質疑では全く分からなかったわけです。  今日、法制局木村部長はいらっしゃる。済みません、お忙しいのに残っていただいて。  今回は、今回というか、フジのケースは照会がなかったということが、先ほど、午前中分かりましたが、かつて、昭和五十六年の見解について、今の内閣法制局がそれについて何か議論を、今、判断を変えるなんという立場にないことは、状況にないことは、そうですね。  そやけど、一方で、では、その話がそのまま放送法に適用できるかというと、それは内閣法制局的には、私は自明ではないと思いますが、ちょっと堅めに、自明ではないと思うので、自明ではないと。もうそれだけでいいですから、自明ではないと。お願いします。
  265. 木村陽一

    木村政府参考人 御指摘の五十六年六月の見解につきましては、当時の電波法の規定に基づいて、規定の文言、趣旨等に即しつつ解釈を行ったものでございます。  放送法における解釈につきましては、やはり一義的には所管省庁において判断されるべき事項であるというふうに考えております。  仮に放送法について検討するということであれば、その放送法の趣旨、文言に照らして解釈をすることになろうかとは思いますが、他方、五十六年の見解で示しておりますのは個別の当てはめの話ではございませんので、あそこであくまでも法理的な物の考え方を示しているという面もございます。それを所管省庁がどのように参照されて、その御見解を放送法について作られるかというのは、所管省庁の御判断ということかとは思っております。
  266. 足立康史

    ○足立委員 これは、国民の皆様には大変申し訳ないけれども、多分もうここまでだと思います。  いろいろ、よう分からぬという国民の声も届いていますので、本来は国会でこれを明らかにしてただしていく必要があるんですが、今法制局もおっしゃっているように、一義的には総務省の判断で、かつそれは、政治家としての大臣の最終判断がそこにあるわけですから。  私は総務大臣は応援しておりますが、この件について御不満がある国民の皆様は、次の選挙でしっかりと判断をいただく。日本の統治機構というのはそうなっていますから、国会でできるだけの行政監視はいたしますが、最終的には、今あったように、行政には一定の裁量がありますから、これ以上多分、フジの問題、東北新社の問題を論理的にこの場で詰め切るのはちょっと難しいかなと思います。  もしまた新しい追及の切り口が発見できましたら、また取り上げますが、一旦この話は私も終わりに、終わりというか、にしたいと思います。立憲はどんどんやってくださいね、立憲。岡島さんね。  次、LINEの問題ですね。地方公共団体への調査は終わっていると思いますが、事務方で結構ですが、大臣でもいいんだけれども、どうなっていますか。
  267. 高原剛

    高原政府参考人 総務省では、今回の事案、LINE問題の事案を受けまして、自治体に対して、三月十八日付で、LINEの利用に係る現状を確認し、その結果を総務省に報告するよう依頼したところでございまして、締切りは過ぎているところでございますが、まだ自治体からの報告がないところもこれありでございまして、精査中ということでございます。  申し訳ございません。
  268. 足立康史

    ○足立委員 あっ、木村部長を始め、問い一だけの関係者の方はもう引いていただいて結構ですので、よろしくお願いします。  今のLINEの関係について、個人情報保護委員会にもおいでをいただいています。当時、個人情報保護委員会は立入調査もいたしました。何か分かったことはあるでしょうか。
  269. 三原祥二

    三原政府参考人 お答え申し上げます。  まず、個人情報保護委員会におきましては、三月十九日に、LINE社及びZホールディングス社に個人情報保護法に基づく報告徴収を行ってございます。その後、個人情報保護委員会では、中国に所在する業務委託事業者から、日本ユーザーの個人情報へのアクセスは三月二十三日までに遮断した旨の報告を受け、アクセス遮断の方法を確認いたしましたところ、その方法につきましては一定の信頼を置けるものと考えてございます。  委員指摘の立入検査ということでございますが、LINE社等に対する立入検査を行ってございまして、その中で、LINE社から報告を受けていたアクセス遮断が実施されていることを一定程度確認したところでございます。  現在、アクセス遮断の実施状況等について更に確認を進めるとともに、委託先の安全管理に関する内部規律の実施状況、監査の実態等の資料を確認し、担当者からのヒアリング等を継続しているところでございます。
  270. 足立康史

    ○足立委員 これはもう、また調査がまとまったらということにいたしたいと思います。大臣、もういいですよね、今日は。何かこの際、LINEについて言っておきたいこととか。大丈夫。ちょっと通告が入っていたので。  これはまた、調査がまとまってからしっかりやっていく。繰り返しになりますが、経済安全保障の観点から大変重要、ただ、LINEの問題に矮小化せずにこれからも扱っていくということです。今日のところは調査を待つということにしたいと思います。  今日は、この法案、地方公共団体情報システム標準化法案ということで、新法でありますので、大変重要であります。ただ、私はちょっと、いろいろ委員の方が御質問されているのとは切り口を変えて、そもそも、もうちょっと基礎的なところから入りたいんですが、通告の四、五、六は後にします。  まず、内閣官房。だから、これは平井大臣の部下の方々がお越しいただいていると思いますが、私の今日の問題意識は、一番の問題意識はこうです。結局、立派な法律が出てきたけれども、自治体情報システム標準化をする前に、やるべきことが本当はあるんじゃないのと。それは例えば、ベースレジストリーを整備するとか、本人認証の仕組みをどうこうするとか、いろいろな、もっと自治体システムのベースになる、標準化をする前に、デジタルガバメントそのもののベースがまだ整っていないのに、今、こんな立派な法律を運用を始めたら、そこで標準化基準に基づいて大変な情報システムができるわけでしょう。でも、その立派な情報システムが実は砂上の楼閣だったら大変だ、大丈夫ですかという問題意識ですが、どなたになるのかな、ちょっとお願いします。
  271. 冨安泰一郎

    ○冨安政府参考人 御答弁申し上げます。  委員指摘ございましたように、共通的な機能、例えば公的個人認証のような本人認証手段ですとか、申請の入口としてのマイナポータルの活用ですとか、そういったことを、現在、IT室としても推進しているところでございます。  また、デジタル庁ができました暁には、今後策定することとなりますが、情報システムの整備、管理に関する基本方針というようなものも策定いたします。  こうした、今申し上げたような公的個人認証あるいはマイナポータルの活用などの共通的な機能の活用もそういったところに盛り込んで、各府省や地方公共団体にお示しすることになると考えているところでございます。  また、自治体業務システム標準化検討におきましても、業務間の連携方式の共通化など、共通機能を意識した検討を進めているところでございます。  あと、ベースレジストリーにつきましては、これは様々な場面で、公的機関が持っている情報につきまして、アクセス権限がある機関が参照するデータベースをベースレジストリーと呼びますけれども、そういったものは社会の基盤的なデータとして整備していくこととしております。  一方、今申し上げましたとおり、地方公共団体情報システム標準化におきましても、システム更新時のデータ移行システム間の連携が円滑に進むように、連携要件標準化を行うこととしているところでございます。  したがいまして、ベースレジストリーにつきましては段階的に整備を進めてまいりますし、標準化につきましても、今後、標準仕様の要件等をお示しすることになりますけれども、どちらが先ということではなくて、両者が連携しつつ、並行して検討を進めていくことで、効率的、効果的に進めてまいりたいと考えているところでございます。
  272. 足立康史

    ○足立委員 大臣、今日はもうこれで大臣には通告ないので、答弁は結構ですから、よく聞いておいてほしいんですよ。  今、冨安審議官の答弁、全く分からないですね、何を言っているか。いやいや、いろいろおっしゃっているよ。それは、おっしゃっているとおりでしょう。でも、私の質問には全く答えていないんです。  大臣、今日は、大臣議論するときに、役人の皆さんにいろいろ解説をしていただいて、これってどうなんだということを大臣と共有したくて時間を使わせていただきたいと思いますので、ちょっと気楽に、よく聞いていただきたいんですが、例えば番号制度ですが、今日、財務省にお越しをいただいています。  いわゆるインボイス登録番号というものが振られます。これは、マイナンバーがあるから、法人番号と個人番号があれば全てですよ。なぜ、法人番号と個人番号があるのに、それとは別にインボイス登録番号なるものが必要になるのか。財務省からお答えいただけますか。
  273. 重藤哲郎

    重藤政府参考人 お答えいたします。  まず、マイナンバーでございますが、これは番号法に規定がございまして、その使用目的は社会保障、それから税、災害対策分野に限定される、また、その取扱いは厳重に管理をするということが定められております。  一方、インボイス制度におきます登録番号、これは広く日常的に事業者間でやり取りをされるインボイスに記載されるものでございます。  私ども国税当局といたしましては、このような利用目的、それから秘匿性の程度の違い、そういった観点から、インボイス制度における登録番号にはマイナンバーは活用しないということにしたということでございます。
  274. 足立康史

    ○足立委員 要は、マイナンバーの取扱いの決まり事を踏まえるとそうなるということですね。要は、マイナンバーは使いにくいから、マイナンバーとは別に、個人事業主向けに、法人は法人番号があるからいいんだけれども、個人事業主がマイナンバーでは使いにくいから、だからインボイス番号をもう一回振り出さないといけないんだということ、ちょっと間違っているかもしれませんが、大体そうですね。  では、ボールは、マイナンバーをやっている人にボールが移るわけです。これはまた冨安さんでいいのね。  では、マイナンバーについての今の制度が使いにくくなっているのは、それはいいですよ、承知しています。なぜそんな仕様にせざるを得なかったのかが分からないんですよ。何で、マイナンバーってそんながちがちにしないといけないの。それをちょっと分かりやすく説明できますか。
  275. 冨安泰一郎

    ○冨安政府参考人 御答弁申し上げます。  マイナンバーの利用につきましては、法律又は条例で利用できることとされた社会保障、税、災害対策の各分野行政事務に限定することとされております。また、マイナンバーをその内容に含む特定個人情報の収集、保管及び特定個人情報ファイルの作成につきましては、番号法に規定されているものを除いて禁止されております。また、特定個人情報の第三者提供の制限についても、番号法に規定されているものを除いて禁止されております。今申し上げたことが、先生おっしゃったように、現状の取扱いでございます。  このように、マイナンバーを含む特定個人情報につきまして厳格な取扱いが要求されておりますのは、マイナンバーは、全住民に悉皆的に付番され、ほかの識別子に比べまして識別強度が強く、情報のマッチングや集積した情報の名寄せなどの処理にたけている番号のためであると承知しております。
  276. 足立康史

    ○足立委員 最後の一番核心的なところが僕はちょっと分からないんだけれども。  識別強度が何とか、こうおっしゃったけれども、ちょっとそこだけを詳しく教えてくれないですか。要は、なぜ法人番号はああいう形で扱っているのに個人番号は云々というところだけでいいから、もうちょっと詳しく教えてください。
  277. 冨安泰一郎

    ○冨安政府参考人 御答弁申し上げます。  ただいま、マイナンバーにつきましては、ほかの識別子、識別する符号とか番号とかそういうことだと思いますけれども、に比べて、識別する強度、要するに識別する能力と申しましょうか、そういうのが強いと申し上げました。  それは、悉皆的に、一対一で、それ以外ない番号でございますので、悉皆的に振られておりますので、今申し上げた、情報のマッチングや集積した情報の名寄せなどの処理にたけている番号であることから、一方で、今申し上げましたような各般の保護措置も講じているところでございます。
  278. 足立康史

    ○足立委員 いや、いろいろな人とこれは実は議論してきたんだけれども、僕だけかな、分からないのは。あっ、ちょっと発言していただけますか、松本先生。分かりますか。(発言する者あり)分からぬ。やはり私の問題意識は、一定、合理性のある問題意識ですね。ありがとうございます。与党の皆様にも私のこの問題意識を共有していただけるということで、大変ありがたく思いますが。  私の仮説は、なぜこういうことになっちゃったか、共産党ですよ。共産党が、いや、共産党もいいことを言うときもあるんだけれども、本件については、共産党が国会でうわっと言うものだから、個人情報だろう、個人情報だろうということでなっちゃったけれども、しかし、そもそも、マイナンバーが外に漏れたからといって芋づる式に個人情報が出ていくことなんかないんだから。ないんでしょう。じゃ、いいじゃない、全然。分からないんだな。  だから、私は、これは、私たち日本維新の会が政権に関与するようになれば、この問題はもう一回見直します、マイナンバーの問題は。  なぜ、法人番号と個人番号以外にまた、個人事業主番号と私が言っているもの、その先駆けであるインボイス登録番号なるものが必要なのか、これは、私は実は理解ができません。これは、まさに番号制度についてだってまだ議論があるんじゃないですかということを私は申し上げている。  もう一つ、本人認証です。本人認証について、今ちょうど、コロナで、河野大臣小林史明補佐官と一緒に、VRSという、ワクチンの、マイナンバーを使ったあの仕組みをつくりました。その話をいろいろな人に聞くと、あれは、G―MISという、いわゆる医療機関の何か仕組みがあるわけです、そのG―MISの認証の仕組みに乗ったから、パスワードは一つでいいんですよと。要は、G―MISのログインの仕組みでVRSもログインできるから煩雑じゃないんですよという説明をしている。いいことだと思いますね。でも、そもそも何でG―MISはG―MISだけの認証の仕組みがあるのか、僕には分からないんですよ。  経産省がGビズIDというのを持っています。もう縦割りで、様々な認証制度が乱立している、だからこそ経産省は、これでは情報化社会、デジタル社会がむちゃくちゃになるということで、経産省主導でGビズIDというものをつくり、それを今度はデジタル庁に移管して、これからは、いろいろな機関、法人とか事業者の認証はGビズIDで統一されるわけです。  なぜ、GビズID以外にG―MISの認証の仕組みが必要なんですか。厚労省、いかがですか。
  279. 間隆一郎

    ○間政府参考人 お答えいたします。  委員指摘のG―MISの目的は、病院におけるコロナ患者の受入れ状況を把握して、各地域で患者受入れ体制の構築のために活用したりとか、あるいは、個々の医療機関で、医療マスクなどの逼迫、個人防護具が逼迫している場合にはそれを教えていただいて、それをお届けするといったようなことを目的として構築されておりますので、法人単位ではなくて医療機関単位ででき上がっているということでございます。  このG―MISでは、保険請求にも用います医療機関コードを基礎とするIDを使うこととしておりますけれども、これは、一つには、医療機関に一個ということなので重複してIDを振り出すことがない、重複することがないという点と、それから、実はこのIDは既にほかの医療機関向けの調査報告でも活用しておりまして、それを用いることが適切であろうと考えたからでございます。
  280. 足立康史

    ○足立委員 今の答弁で分かる人はいないと思うけれどもね。そういうのをつくっちゃっているからやっていますということなんですが。  もう一つ、じゃ、番号は、保険医療機関番号というのがありますね。G―MISはそういう医療機関に番号が振られている。今御答弁あったとおりかもしれませんが、要は、認証の仕組みも、それから保険医療機関の番号も別途あるわけです。でも、それはさっき私が申し上げた法人番号と個人番号があればいいじゃない。  えっ、何か言いたい。内閣官房でいいんだけれども、もう出番はないんだけれども、何か言いたいことがあればいいよ。いい。  内閣官房、どうですか。結局、あえて言えば、法人番号と個人番号以外に必要なものは確かにあります。何かといったら、事業所番号です。法人は事業所を幾つも持っているかもしれない。だから、法人と個人の番号に加えて事業所番号があれば、それが医療機関であろうと社会福祉法人であろうと何であろうと、それで全部賄えますよね。  今の、間審議官、ちょっと、せっかくだから、私の言っていることは分かりますか。法人番号と個人番号と事業所番号がもしできれば、それで使えると思いませんか。ちょっと一言。
  281. 間隆一郎

    ○間政府参考人 お答えいたします。  委員おっしゃるように、そういう個別のものまで割り振られているものがあれば、そういうものを活用する可能性というのは当然あると思います。現状は法人単位のものになっておりますので、厚労省の方でつくってある医療機関単位のものを活用したということでございます。
  282. 足立康史

    ○足立委員 大臣質問はしませんよ、でも、これはもう明らかにおかしいんです。縦割りです。みんな縦割りで自分のところの世界をつくっているわけです。今あった番号制度一つ取っても、独自の番号制度を持っているわけです。  でも、よく考えてみたら、医療機関を特定するんだったら、繰り返しになるけれども、法人番号、個人番号、もしマイナンバーが特別な扱いをせなあかんのだったら、百歩譲って、それとは別の、インボイス番号でも個人事業主番号でもいいですよ、加えて事業所番号がまさにベースレジストリーとして整備されていれば、日本中の国のどの機関でも自治体でも、その三つ、法人、個人、事業所、この三つの番号が統一されていれば、独自の医療機関の番号とか社会福祉法人がどうのこうのとか要らないだろうというのが、まず、番号制度に関する私の基本的認識です。松本先生、ありがとうございます。今度、僕の時間を差し上げますから、一回やっていただいて。  番号制度一つ取ってもそうですよ。そこに加えて、さっきあった認証。認証というのは、要はログインするときの話です。ログインするときの仕組みを、また、今も、日本で活動する様々な主体がそれをしっかりと使えるような、いわゆる、今、デジタルガバメントの政府検討の中ではGビズIDが重用されているはずです。そうであれば、GビズIDに統一して、いわゆる認証の仕組みはGビズIDでいくんだと、事業者は。個人はマイナポータルでいくんだと。そうやって決めればいいじゃない。  というようなことをしっかりと決め切らないで、それを私は砂上と言っているんです、砂の上だと。  それで、今日の私の議論番号だけではありません、認証の仕組みだけでもありません。例えば、先ほどあったベースレジストリーの議論でいうと、例えば住所の地番の表記の問題とか、それから、よくある口座番号、これは民間ですが、民間だって口座番号の一律の仕組みはまだちゃんとできていないわけです。それから、土地建物の登記の問題、土地建物。道路、河川。それから、公共でいうと電気、ガス、水道。今あったみたいな医療、介護、福祉のサービス。それから様々な資格。それから政策、予算、事業。そういう今大体私が並べたようなことに全部番号を振っておけば、政策番号、事業番号を日本中で振れば、ほぼ、幾つかのベースとなるデータベースというか軸をつくれば、きれいに効率的な仕組みができるのに、今申し上げた認証の仕組み一つ取っても、番号制度一つ取っても、いろいろなゆがんだ形で過剰なものをつくっている。その上に自治体システム標準化していいんですかというのが今日の私の問題意識で、ちょっと終わっちゃうんですけれども、通告はまだいろいろあるんだけれども、これはこれでいいかな。冨安さんがいいのかな、これは冨安さんだよね。  冨安さん、私が言っていることは多分分かるよね。もう役人答弁はいいから。役人に役人答弁はいいからと言ってもあれだけれども、冨安さん、本当に僕は議論したいんだ、これを。どうするんだと。論点としてはある、それかナンセンス、どっち。
  283. 冨安泰一郎

    ○冨安政府参考人 済みません、ちょっと長くなるかもしれません。(足立委員「長くていいよ。あとの時間を全部上げるから」と呼ぶ)済みません。  業務システム標準化につきましては、現在、標準仕様を定めるとなっておりますけれども、まさにその業務に関しまして、業務フローや機能要件の標準仕様を示すものでございます。この中で、ほかのシステムとの連携を容易にするような連携要件も示すこととしております。  ベースレジストリーの整備につきましては、まさに、権限がある人が容易に参照できるシステム、それが最新で正しいというようなデータベースを構築していく、整備していくものでございます。  したがいまして、データベースが整備されれば、先ほど申し上げましたように、業務システム標準化によりまして、ほかのシステムとの連携も容易になるような連携要件を課しておりますので、そういった形で、ベースレジストリーとシステム標準化とがうまく連携できることになると考えているところでございます。  また、先ほど事業所の問題がございました。私どもも、事業所の問題は非常に重要と思っておりまして、ただ、先ほどのログインID、認証のIDの話でございますけれども、確かに、全ての行政制度が法人を単位としていれば一本でいいのかもしれないんですけれども、先生御案内と思いますけれども、まさにおっしゃった、事業所単位であったり、支店と本店が分かれていたり、あるいは地域で分かれていたりとか、それぞれの行政制度によってやはり対象が違うところがございますので、いかんせん、そういう形でそれぞれのログインID、認証のIDが振られている局面もあろうかと思います。  ただ、先生おっしゃいましたように、デジタル庁となってまいりますと、本人を特定して識別する番号あるいは本人確認の手段等につきまして、電子署名もそうですけれども、その企画立案を担うこととなりますので、やはり整合的あるいは効果的、あるいは国民の利便性を向上するというような観点から、しっかりと検討対応してまいりたいと考えているところでございます。
  284. 足立康史

    ○足立委員 ありがとうございます。  まさに、今御答弁いただいたようなことをやるためにデジタル庁というのをつくるんだろうから、こども庁が要るかどうかはちょっと僕はよく分からないけれども、デジタル庁は確かに、今みたいな仕事をつかさどるという意味では本当に重要だと思いますので、頑張っていただきたいと思います。  残る時間、通告でいうと四、五、六に戻りたいんですが、どうするかな、まず五ポツから行きたいんですけれども、よく、今日の午前中の議論を拝見すると、自治体規模がいろいろあるから標準化基準は柔軟にやってよ、こう言っているんです。だから、今あるリアルに対してITの側をひん曲げていこう、こう思っているんですけれども、私は、逆なんですね。標準化基準を作ったら、それに合わせて自治体規模なんて変えたらいいと思っているんですよ。  だって、かつて平成の大合併というのはそういうことでやったんですよね。平成の大合併というのは、小さ過ぎると財政的に問題があるので合併させようということで合併させたわけです。ところが、平成の大合併が失敗したから、仕方なく国保の財政基盤都道府県移行したわけでしょう。おかしいですよ。だって、自治体の合併がうまくいっていたら、国保の財政基盤市町村のままでよかったんだから。違う。  これは討論したいんですよね、一回。委員長、これは自由討論を、憲法審査会みたいな自由討論をして、ここでやはり言っていただくということを一回理事会で検討いただけないですか。
  285. 石田祝稔

    石田委員長 これは私に質問。(足立委員「いやいや、理事会で引き取ってください」と呼ぶ)  はい、分かりました。
  286. 足立康史

    ○足立委員 自由討論、やるべきだと思いますが。  総務省、私のような議論はありませんか。
  287. 高原剛

    高原政府参考人 御答弁申し上げます。  足立委員の御持論であります、ある意味システムに合わせた市町村規模があるべきじゃないかという御議論もあろうかと思いますが、やはり、我が国市町村規模等につきましては、明治の合併、昭和の合併、平成の合併という歴史的経緯の中で培ってきたところでございます。  そして、平成十一年以来政府が行ってまいりました市町村の合併の推進は平成二十一年度末で一区切りをしたということで、現在私どもは、合併特例法を昨年の三月に十年間延長させていただきましたけれども、自主的な市町村合併、市町村間の広域連携都道府県による補完などの多様な手法の中から、各市町村が最も適したものを自ら選択して、持続可能な形で行政サービスの提供体制を構築していただきたいというふうに考えているというところでございます。  以上でございます。
  288. 足立康史

    ○足立委員 これも大臣、よくまた、是非検討いただきたいんですけれども、結局、今ある現状、自治の現状、あるいは地方公共団体の現状、この今ある日本社会における自治の、自治体の現状を追認して、それにいわゆる地方公共団体情報システム標準化なるものをばっと当てはめていくというか適用していく、それはまあやったらいいんだけれども、それだと多分変わらないですよ、日本の社会は。  そうじゃなくて、やはりデジタルというものをもっと有効に使おうと思ったら、場合によっては、よくあるじゃないですか、オフィスでITを入れたときに、単にITを入れても全く効率化されないけれども、業務フロー自体を、IT時代にふさわしい、デジタル時代にふさわしいように業務プロセス自体を見直したら、イノベーティブというか生産性が上がるという議論がよくありますね。これは労働省の世界ですよ。これはあるわけです。  この統治機構についても、本当にこれからアナログの時代からデジタルの時代に変えていこうと思ったら、行政仕組み自体がデジタルの時代にふさわしいように変容していってしかるべきなんだけれども、今ある国会議論は、全部、とにかく、小さな町もあるからよろしくね、大都市、政令市は政令市で大変だからよろしくねと。そんな議論をしていたら、デジタルの時代なんて絶対に、生産性というか競争力があるデジタル社会をつくることは私はできないと思うんですね。  だからこそ、私は、デジタル化というのは、今日のテーマであるデジタル化というのは、総務省の世界でいうと、地方行財政全般の見直しにつなげないと意味がない。  だから、僭越ながら私が大臣だったら、僭越ながら、これを機に、そういうデジタル化に伴う地方行財政の姿、新しい姿って何なんだということをゼロベースで議論して、三十年後でもいいからそれを目指して、競争力ある地域社会をつくっていく、こういうものを私は大臣のリーダーシップでやっていただきたい、そんな思いで今日は質問させていただいています。  そういう意味で、今申し上げた、例えば行政運営の効率化といったら、経費は削減されるはずです。経緯は削減されるけれども、今みたいな議論だったらもう微々たるものですよ。そうじゃなくて、ああ、そうか、通告はそこでしているんだな。  今、総務省として、この法律地方公共団体情報システム共通化標準化を進めることによって経費が節約できると思うんですが、そういうところの見立てというか、経費削減効果について、もし見解があれば教えてください。
  289. 高原剛

    高原政府参考人 御答弁申し上げます。  自治体情報システム標準化については、各自治体におけるシステム改修や維持管理に係る負担の軽減を図り、行政運営の効率化に資するものであると考えております。  この点、自治体クラウド導入したグループですと、大体三割以上の情報システムの運用コストの削減効果が生じている例が多いものと承知をしております。また、ベンダーへの聞き取りによりましても、直近の制度改正に伴う住民記録システムの改修経費を例に取ると、標準化取組が進めば、制度改正に伴う改修に必要な経費が三割程度は削減される可能性があるとの指摘もございます。さらに、国が整備するガバメントクラウド利用することに伴う各自治体基盤の構築、運用経費の削減効果も期待されます。  これらを踏まえ、デジタル・ガバメント実行計画二〇二〇においては、標準化クラウド化の効果を踏まえ、地方公共団体情報システムの運用経費等については、標準準拠システムへの移行完了予定後の二〇二六年までに、二〇一八年度比で少なくとも三割の削減を目指すこととしているところでございます。  以上でございます。
  290. 足立康史

    ○足立委員 今局長がおっしゃったことだけでもそれだけあるんだから、私が申し上げた、地方行財政の枠組み全体をデジタルに合わせて変えていく、そんなことを私たちは引き続きお訴えをしてまいりたいと思います。  通告の十二番が、何回もお呼びしていつも時間切れになっていまして、今日も済みません、また機会を見つけてお願いしたいと思います。本当に申し訳ありません。  ありがとうございます。
  291. 石田祝稔

    石田委員長 次に、井上一徳君。
  292. 井上一徳

    ○井上(一)委員 国民民主党・無所属クラブの井上一徳です。  本日は、地方公共団体情報システム標準化法案について質疑をさせていただきたいと思います。  私も、衆議院議員になる前に防衛省におりまして、そのときに、指揮システム、今までは陸海空にそれぞれシステムがあって、それを、例えば大臣が見るときに、陸のシステムを見る、海のシステムを見る、空のシステムを見る、それで判断するのかと。やはり一つの画面を見て大臣は判断する、そのときは陸の情報も海の情報も空の情報も一つのシステムの中に入っている、そういうような中央指揮システムというものをつくったんですけれども、その担当でやっていたときに、システム標準化するというか、情報を一つに、システムの中にやるというのは相当大変だなと思いまして。  今回、この地方公共団体情報システム標準化目標はすごくいいと思うんです。各地方公共団体がそれぞれ独自のシステム開発をして、それがいっぱいある。今回の新型コロナでも分かったように、情報の共有もできない。国と地方情報の共有もできないし、機関の情報の共有もできない。迅速に対応しようとしてもなかなかできない。そういうのを、日本全国地方公共団体情報交換をしやすいようにする。これはもうすばらしい発想だと思うんですけれども、私は、本当にこれは、大がかりな体制を組んで、予算もしっかり組んで、そうしないと目標倒れに終わってしまう可能性が非常に高いと思っているんです。  まず大臣に、私は、この新型コロナで、いろいろやはりデジタルについては日本は遅れているというのが本当によく分かったと思います。今、テレワークということで、地方で仕事ができる環境、これも整えていくというようなことも言われています。地方においてデジタルを進めていく必要性、意義、これについてまずお伺いしたいと思います。
  293. 武田良太

    武田国務大臣 こうした情報システムの統合化というのは本当に厄介なもので、特に陸海空のシステム統合は大変だったと思います。敬意を表したいと思います。  デジタル化推進によりまして、全国どの地域に住んでおっても同様の社会経済活動を営むことができるようになることから、地域における魅力ある多様な就業の機会の創出や、東京一極集中の是正にも資する取組考えております。  また、地方公共団体情報システム標準化は、デジタル化基盤として住民サービスの向上に寄与するとともに、システムの維持管理、改修の負担を軽減することにより、職員がより創意工夫を発揮できる業務に注力できるようになるものであり、その結果として、地方創生にもつながっていくものと考えております。
  294. 井上一徳

    ○井上(一)委員 デジタル・ガバメント実行計画というのを見ますと、こういう考え方なんですね。まず、ガバメントクラウド政府として大きなシステムをつくる、まず大きなシステムをつくる。その大きなシステムを各地方公共団体も使えるようにしていく。  まず、このガバメントクラウドについて、質問の順番は違うんですけれども、ガバメントクラウドについて、どういうような意義、構想、スケジュール、ちょっと御説明していただけますでしょうか。
  295. 時澤忠

    ○時澤政府参考人 お答えいたします。  ガバメントクラウドでございますが、これは、政府情報システムにつきまして共通的な基盤機能を提供する複数クラウドサービス利用環境というものでございます。地方自治体情報システムにつきましてもガバメントクラウドを活用できるよう、具体的な対応方針課題について検討を進めているところでございます。  このガバメントクラウドの要件につきましては、令和三年度の第一・四半期をめどに検討を行いまして、早期に契約手続を進めていくことを予定しているものでございます。
  296. 井上一徳

    ○井上(一)委員 ガバメントクラウドもまだ検討している状況にあって、これから契約をしていくということなんですけれども、まず、各省庁がどういうシステムを持っていて、それで、各省庁のどのシステムを統合していくのか、これも非常に難しい課題だと思うんです。  私は、これから検討されるということなので検討を待ちますが、一つだけお願いしたいのは、ガバメントクラウドが、海外のベンダーと契約する、こういうようなこともあり得るんでしょうか。
  297. 時澤忠

    ○時澤政府参考人 まず、ガバメントクラウドにつきましては、政府情報システムのためのセキュリティ評価制度というのがございます。ISMAPというものですが、このISMAPに登録されたサービスから調達するということを原則にいたします。  その上で、不正アクセス防止やデータ暗号化などにおきまして最新かつ最高レベルの情報セキュリティーが確保できること、加えまして、データセンターの物理的所在地が日本国内であること、さらに、一切の紛争は日本の裁判所が管轄するとともに、契約の解釈が日本法に基づくものであること、こういったことを契約等により担保できることなどを選定基準とするということを考えております。  したがいまして、これらの基準を満たす者であれば、国産企業か外国企業かによって区別されるものではないというものでございますが、最新の動向を注視して、慎重かつ適切な対応をしてまいりたいと考えております。
  298. 井上一徳

    ○井上(一)委員 私は、ここはやはり、国内企業と契約するという基本原則を立てた方がいいと思いますよ。  これは何で国産企業と契約するという基本原則が立てられないんですか。
  299. 時澤忠

    ○時澤政府参考人 先ほども申し上げましたが、まず、セキュリティーがきちんとしていること、そしてさらに、データセンターが日本にあるということ、さらに、裁判管轄、解釈が日本法に基づくものということであれば、我々の求めているもの、例えば、海外に流出とかということがないということがありますので、そうしたことを満たす者であれば、これは国内、海外を区別するものではないだろうという判断の下に、こういう判断基準で選んでいきたいということを考えているところでございます。
  300. 井上一徳

    ○井上(一)委員 私は、これからしっかり検討していってもらいたいと思うんですけれども、日本のセキュリティー、それが本当にしっかり確保できる、私はやはり国内企業だと思いますよ、本当に。そこはしっかり検討してください。  では、ガバメントクラウドについてはこれで結構ですので、もう退席していただいて結構です。  次に、その上で、この地方公共団体システムをどうしていくかということなんですが、まず、地方公共団体についても、どういうシステムがあるかというのを全て細かく調べないといけないと思うんですが、今、その実態把握はどうなっていますか。
  301. 高原剛

    高原政府参考人 御答弁申し上げます。  これまで総務省では、全ての自治体対象情報システム状況等について調査を行ってきております。  この調査を通じて、各自治体情報システムクラウド化の状況情報システムの類型などについて把握をしております。  具体的に申し上げますと、住民情報とか選挙人名簿、固定資産税等々、システムの種類ごとに、例えば、自治体クラウドでやっているのかとか、メインフレームを使っているのかとか、そういったいろいろな観点から調査をして、各自治体ごとに把握しているということでございます。  以上でございます。
  302. 井上一徳

    ○井上(一)委員 だから、その把握しているのは、どのぐらいのシステムがあって、今どういう状況ですかというのをお尋ねしているんですが。
  303. 高原剛

    高原政府参考人 私どもが調査しておりますのは、二十程度の業務ごとのシステムがどういう形態で運営されているかということを調べております。  例えば、住民基本台帳ですと、千七百四十一ございますが、自治体クラウドと言われている類型が五百八十三、単独クラウドが六百三十七、そのほか、メインフレームで自分の庁内に置いてという、昔からやっているような形が二十団体とか、そういうことを業務ごとに調べているということでございます。
  304. 井上一徳

    ○井上(一)委員 かみ合わないのは、多分、調査の質というか奥深さだと思うんですけれども、やはり、標準化するということになると、本当に相当細かく調べていかないと、標準化というのは本当に難しい作業だというふうに思います。  今現在、地方自治体システム、大体どのぐらいの予算が使われていて、この標準化システムを入れればどのぐらいの経費が削減されるのか、おおよその数字でいいので教えていただきたいと思います。
  305. 高原剛

    高原政府参考人 御答弁申し上げます。  地方公共団体システム運営経費は、大体、今、約五千億程度というふうに想定しておりまして、この標準化取組によって三割削減を目標にしているということでございます。
  306. 井上一徳

    ○井上(一)委員 済みません、これはもう質問がもしかしたら出たかもしれませんけれども、標準化対象事務として十七に限定しているのは、理由は何で、今後、追加もあり得るのか、この点についてはどうでしょうか。
  307. 高原剛

    高原政府参考人 御答弁申し上げます。  標準化法案では、事務処理の内容が各地方公共団体で共通し、統一的な基準に適合する情報システム利用することが住民の利便性向上や行政運営の効率化に寄与する事務ということで、そういった事務対象として規定しております。  そして、現在進めている標準化取組においては、デジタル・ガバメント実行計画などの累次の閣議決定において、地域情報プラットフォーム標準仕様等を参考としつつ整理された、住民記録、地方税、社会保障、教育に関する十七分野業務を念頭に置いております。  十七業務以外の業務についても、事務の共通性など、標準化法案における標準化対象事務の趣旨に合致するものについては、関係府省、地方公共団体意見を十分に踏まえた上で、対象に加えることも検討し得るものと考えております。  以上でございます。
  308. 井上一徳

    ○井上(一)委員 この十七の中に住民基本台帳というのがあるんですけれども、他方で、これまでに、住民基本台帳ネットワークシステム、いわゆる住基ネット、これがもう既に全国展開されているというふうに承知しておりますけれども、この標準化に当たっての住民基本台帳と、これまでに整備してきた住民基本台帳ネットワークシステム、この違いについて御説明ください。
  309. 高原剛

    高原政府参考人 御答弁申し上げます。  住民基本台帳ネットワークシステムは、各自治体が個別に整備している住民記録システム情報のうち、氏名、住所等の一定の本人確認情報に限って全国共通仕様のサーバーを通じてネットワーク化し構築した全国的な本人確認のためのシステムであって、マイナンバー制度基盤となるとともに、行政手続における住民票の写しの省略を可能とするなど、住民の利便の増進や行政の合理化に貢献してきているところでございます。  ただ、この住民基本台帳ネットワークシステムによって各自治体住民記録システム標準化したわけではないということでございまして、住民記録システムから住民基本台帳ネットワークシステムに接続する部分を共通化しただけでございます。  そして、今回の取組でございますが、住民記録システムを含む各自治体情報システムの多くが個別の自治体ごとに異なる仕様で整備されているため、情報システムの改修等を行おうとする自治体の人的、財政的負担や、住民、企業の利便の妨げとなるといった課題が残されているということでございまして、この機に、住民記録システムなど自治体の基幹系システム標準化を図って、システムの共同化や連携を促進することで、住民の利便の向上や行政運営の効率化につなげてまいりたいと考え、法案を提出させていただいたところでございます。  以上でございます。
  310. 井上一徳

    ○井上(一)委員 この標準化について専門家の人といろいろ意見交換していると、これは地方自治事務効率化に資する取組だということは重々承知しているんですが、例えば図書館の事務、こういった事務についても同じように標準化すると、例えば、テレワークで地方に行った人が、ある図書館、地方の図書館に行ったときに、日本全国にこんな本がないだろうかということを探すときに便利になるんじゃないかというようなことを聞きまして、そういう取組是非やってみたらいいのではないかなと思いました。  図書館事務というのは、先ほど言ったように、地方自治事務効率化とはつながらないんですけれども、住民の利便性の向上ということからいうと、非常に意義があることだとはそのとき思ったんですが、こういった業務を追加するということについてはどうでしょうか。
  311. 高原剛

    高原政府参考人 御答弁申し上げます。  現在、標準化法案標準化対象事務としては、デジタル・ガバメント実行計画などの累次の閣議決定において整理されてきております住民記録システムなど十七分野業務を念頭に置いているところでございます。  他方で、この十七業務以外の業務についても、事務の共通性でありますとか、標準化法案における標準化対象事務の趣旨に合致するものについては、関係府省又は自治体意見を十分に踏まえた上で、対象に加えることも検討し得るというふうに考えます。
  312. 井上一徳

    ○井上(一)委員 私は京都府なんですけれども、京都市で、二〇一四年以降に百億円程度を使って、住民基本台帳とか税とか福祉、こういった基幹業務処理を行う大型汎用コンピューターをオープン化しようとして、今までやっていた大手のベンダーから、入札で新しいIT企業と契約をした。それでオープン化しようとしたんですけれども、なかなかうまくいかない。  そういうようなことで、やはりシステム移行というのは本当に大きなリスクが伴うと思うんですが、こういった、これから取り組む標準化に当たってのリスクとか、そのリスクをどういうふうにこれから乗り越えようとしているのか、今時点で検討課題等があれば教えていただきたいと思います。
  313. 高原剛

    高原政府参考人 御答弁申し上げます。  情報システム標準化共通化につきましては、デジタル・ガバメント実行計画に基づき、令和七年度を目標時期として取組を進めていくことになっております。  ガバメントクラウド上の標準準拠システムへの移行に当たっては、限られた期間内において計画的な移行を進める推進体制を構築すること、円滑なデータ移行移行後の運用テストや業務運営体制の検証、それから、移行に伴う情報システム障害などの影響が生じないようにすることなどの幾つかの課題があると考えております。  これらに対しましては、今年の夏を目途に、標準化共通化の実現に向けた必要な工程などをまとめた手順書をお示しすることを考えているほか、令和二年度第三次補正予算において、準備経費を含めた標準化共通化のための経費を計上しております。  また、やはり、標準仕様というものは自治体業務に即したものを作っていくというのがまず第一でございますので、地方公共団体皆さん意見を十分に伺いながら、現在、標準仕様の策定作業も進めているところでございます。  私どもとしては、自治体標準準拠システムへ円滑に移行することができますよう、適切な助言、財政支援、京都市のような大変大きな団体については個別の御相談などにも応じながら、しっかり対応してまいりたいと考えております。  以上でございます。
  314. 井上一徳

    ○井上(一)委員 それで、この京都市の場合の例でいうと、そもそもやっていたベンダー企業から新規のITに、入札の結果、行ったわけですけれども、それはもう入札の結果ですから、こっちの方が取ったわけです。こっちの方が取ったんですけれども、結果としてやはり失敗してしまった。それはなぜかというと、元々つくっていたシステムというのはその入札で負けた方なわけですね。それで、こっちの新しい方は新規のものをつくるわけですけれども、どうしてもこっちの古いシステムのデータが欲しいわけです。だから、こっちの方に協力をもらわないとうまくシステムの構築ができないわけですね。けれども、こっちの元々の企業が協力しようとしても、入札制度上、協力することができない、そういうふうに聞いたんです。  けれども、そんなことをやっていたら、いつまでたっても新しい企業が参入することもできない。もう少し入札制度上も何か工夫があっても私はいいんじゃないかなと思うんです。そうしないと競争が成り立たない。ずっと古い企業と、古いというか、今までつくってもらった企業に入札を続けてもらわない限りは新しいものに更新できないということにもなってしまいかねないわけです。  こういった点で、何か公正取引委員会としてコメントはないでしょうか。
  315. 粕渕功

    粕渕政府参考人 お答え申し上げます。  公共調達におきましては、安価で質の高い物品やサービスを調達することが要請されるものであることから、発注機関におきましても、可能な限り競争性の確保に配慮した調達を行われることが競争政策上望ましいと考えております。そのため、落札者が請け負った業務を適正に行うことができる環境を整備することも重要であると認識しております。  そのような環境を整備するためには、一般論で申し上げますと、情報システム調達の発注機関が入札を行う際には、落札者が情報システムを適正に提供できるような仕様を定めるなどして、入札を経てシステムを提供する事業者が変更されたとしても、円滑な移行確保できるようにすることが重要であるというように考えております。
  316. 井上一徳

    ○井上(一)委員 入札するときに、やはり入札者が、本当にシステム移行のことまでよく理解している人が仕様書とかを作らないと、結局、同じような失敗が出てくると思うんですね。そういった教訓というんですか、これからシステムの更新をしていかないといけないわけですから、そういった調達に当たる人、仕様書を作る人に対してしっかり周知しておく必要があると思うので、総務省としても、是非、この点の教訓というんですか、そういうのを周知していただきたいと思いますが、いかがですか。
  317. 高原剛

    高原政府参考人 御答弁申し上げます。  これまでも総務省では、自治体に対して、地方公共団体における情報セキュリティポリシーに関するガイドライン等において、情報システムの調達、移行等に関する留意点を示してまいりました。  今委員から御指摘いただきましたが、ベンダーロックインを解除して、ベンダー間のシステム移行をデータ移行等を含めて円滑に行うことは極めて重要であるというふうに考えておりますので、先ほど公正取引委員会さんから御説明があった点も含めて、必要に応じてガイドラインの見直し等を行い、自治体に周知してまいりたいと考えております。  以上でございます。
  318. 井上一徳

    ○井上(一)委員 是非よろしくお願いしたいと思います。  それで、これは今、標準化基準とか、これからシステムをいろいろガバメントクラウド上に展開して、試験とか評価していかないといけないわけですが、専門家、有識者の活用というのが非常に重要になってくると思うんですけれども、この有識者の活用についてはどのようにお考えになっているでしょうか。
  319. 高原剛

    高原政府参考人 御答弁申し上げます。  標準化基準を策定するに当たりましては、標準化法案六条三項、七条三項において、地方公共団体のほか、標準化対象事務に係るシステム事業者などから意見を聴取することとしております。  また、現在関係府省において進められている標準仕様検討に当たっては、関係府省間で共有された作業方針を踏まえ、業務システムに通じる市町村の課長級や係長級の担当者を検討会の構成員とするほか、市町村の担当部局の御意見を丁寧に伺うとともに、適宜、政府CIO補佐官の確認を取りながら進めていくこととしております。  今後も、標準化推進に当たっては、こうした地方公共団体の実務に通じた方や政府CIO補佐官の意見を広く伺いながら取組を進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。
  320. 井上一徳

    ○井上(一)委員 地方自治体でこれからいろいろデジタル化を進めるというのに当たっては、やはり人材が非常に重要だということで、地方自治体におけるデジタル人材の、職員の研修、これを進めていく必要があると思いますが、国からどういうようなサポートをされる予定か、お答えしていただきたいと思います。
  321. 大村慎一

    大村政府参考人 お答えいたします。  自治体におきましてデジタル化を進めるに当たっては、情報担当部局の職員の専門性の向上や一般職員のICTリテラシーの向上などの人材育成が大変重要であると認識しております。  そうしますと、育成のための研修が大切ですので、これまでも、自治大学校、地方公共団体情報システム機構、市町村職員中央研修所等の関係機関において、一般職員向けの研修から専門性の高い研修まで幅広い研修がされているところでございます。  総務省としては、関係機関と協力して、特にコロナ禍で効果が認識をされてきたオンライン研修の拡充ですとか最新の技術動向等を踏まえた研修内容の見直しなど、研修の充実が図られるように努めるとともに、自治体に対して、研修情報を取りまとめて提供し、積極的な活用を促してまいりたいと考えております。  また、今年の夏をめどに、昨年末に策定をした自治体DX推進計画の手順書を提示したいと考えておりますが、その中で、研修とともにキャリアパスの形成といった観点からも人材育成手法について盛り込むこととし、先進的な自治体の事例も紹介していきたいと考えております。
  322. 井上一徳

    ○井上(一)委員 これまでの質疑の中でも、地方自治体意見を丁寧に聞いて進めていくというふうに言われていますけれども、意見を聞くだけではなくて、やはりこれを反映していく、そういう仕組みが必要だと思いますけれども、その点についてはどのようにお考えですか。
  323. 高原剛

    高原政府参考人 御答弁申し上げます。  現在、関係府省において進められている標準仕様検討に当たりましては、関係府省間で共有された作業方針を踏まえ、業務システムに通ずる市区町村の課長級や係長級の担当者を検討会の構成員とするほか、市区町村の担当部局の御意見を丁寧に伺いながら進めていくこととしております。  例えば、総務省自治体システム標準化検討会では、住民担当課や情報システム担当課の課長や係長といったシステムの実務が分かる方を構成員とするほか、標準仕様書案の作成に向けた全国照会では、全市区町村の住民担当課及び情報システム担当課宛てに直接意見照会を行い、実務の観点から意見聴取を行っておりまして、昨年の六月ぐらいにも意見照会をやりましたが、六百件とか七百件とかいうオーダーで御意見をいただいております。それを自治体システム標準化検討会にフィードバックして、要はその原案を修正していくという作業を経て、標準仕様書案を作成している途上にあるということでございます。  今後も、標準化推進に当たりましては、こうした地方公共団体の実務に通じた方からの意見等を広く伺いながら、できる限り現場の声を反映させるように努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。
  324. 井上一徳

    ○井上(一)委員 この標準化法案については質問はこれ以上いたしませんけれども、専門家の人に聞いてみても、五年間でやるというのは相当無理があるということをおっしゃっていました。本当に専門家の人はおっしゃっています。特に、標準準拠システム開発を六か月でやるとかになっているんですが、いや、これだけでもやはり二、三年はかかるんじゃないかと言われるんですね。  標準化スケジュール感を持って進めていくというのは非常に重要なことだとは思うんですが、余り急ぐがゆえに、さっき言った準備ですね、地方公共団体がどういうふうなシステムを持っているのか、その現状把握とか、準備にすごく時間がかかると思いますので、余り準備をおろそかに、スケジュール感だけでやっていると、さっきの京都市の例ではないですけれども、やはりうまくいかない。相当なお金を投資するわけですから、やはり準備をしっかりして、データ移行システム移行がしっかりできる、そういうような計画を作ってからやってほしいと思います。  あと一問だけ、済みません。  地方自治体で先行的というか先駆的な地方自治体と協力して、いろいろシステム開発とかそういうのをやっていくということをレクで聞いたんですけれども、その点についてちょっと御紹介していただけないでしょうか。  なければいいです。そういうようなことを聞きましたので、是非、一挙にやるのではなくて、そういう先進的な気持ちを持っている自治体と一緒になって、まずはそこでやってみる、そして課題の洗い出しをして、そこの成功事例を広げていくというような、そういうような取組是非していっていただきたいと思います。  では、法案に関する質問は以上です。  続きまして、地元を回っているときに聞いた話についてちょっと御質問させていただきたいと思います。  特にこのコロナ禍で、子供食堂や放課後支援活動、これが非常に重要だといって真剣に取り組んでおられる方々がおられるんです。私は、特にこのコロナ禍において人のつながりが希薄になっている中で、特に子供さんたちの居場所づくりに頑張っておられる皆さんに敬意を表しますし、できる限りのサポートをしてあげたいなと思っているんですが、行政として最大限の支援を行う上に当たって、子供食堂それから放課後学習支援活動などの活動のまず意義をどう評価しているか、それからどのような支援策があるか、教えていただきたいと思います。
  325. 酒田元洋

    酒田政府参考人 お答えいたします。  子供食堂や子供への学習支援につきましては、子供の食事の確保や学校以外におけます学習機会の提供はもとより、子供たちが安心して過ごせる場所を提供されておりまして、大変有意義な活動をされていると考えております。  内閣府では、平成二十七年度に、企業や個人からの寄附金を原資といたしまして子供の未来応援基金を創設いたしまして、子供食堂や学習支援を始めとして、居場所の提供、相談支援や衣食住などの生活の支援といった、草の根で子供に寄り添った支援を行っておられる団体へ活動資金を提供しておりまして、これまで、延べ四百四十九団体に総額約十一億一千七百万円を支援してまいりました。  直近におきましては、昨年七月に、毎年度の支援に加えまして、緊急に新型コロナウイルス感染症対策を踏まえました追加支援を行いまして、例えば、オンラインによる学習支援を行うなどの団体に総額約五千三百万円を支援いたしますとともに、引き続き、本年度におきましても、九十六の団体に約一億四千六百万円を支援いたしておりまして、子供たちを支える団体への支援充実強化に取り組んでいるところでございます。  引き続き、子供の未来応援基金を活用しながら、草の根で子供に寄り添った支援を行っておられる団体の活動をしっかりと支えてまいりたいと考えております。
  326. 井上一徳

    ○井上(一)委員 お子さんをお持ちのお母さん方とかは、やはり、子供食堂、それから放課後学習支援、これに非常に期待されていますし、是非とも引き続き温かい支援をよろしくお願いしたいと思います。  もう一つですけれども、これは賃金の話なんですが、中小企業の皆さんを回っていると、この新型コロナ禍で本当に厳しい状況だ、何とか雇用を守りたい、その上で、賃上げも何とかしてあげたいんだというふうに思っておられる経営者の方がおられるんですけれども、他方で、賃上げをするとやはりもう死活問題になってくるんだ、これはどうしても下請だとそのしわ寄せが全部自分たちに来るんだ、何とか、この賃上げをした分、それを元請の方でしっかりと、中小企業に負担がかからないように見てくれないだろうか、もっとそういうところに政府として温かい支援をしてくれないのかというふうに言われます。  私も本当にそのとおりだなと思っているんですが、まず、最低賃金が今どういう状況になっているのか、全国、それから京都府、ちょっと教えていただきたいと思います。
  327. 小林洋子

    小林政府参考人 お答え申し上げます。  地域別最低賃金の全国加重平均額でございますけれども、令和元年度が九百一円、令和二年度が九百二円でございます。  また、京都府の地域別最低賃金額でございますけれども、こちらは、令和元年十月一日から九百九円となっておりまして、令和二年度においても据置きとなっております。  以上でございます。
  328. 井上一徳

    ○井上(一)委員 調べてみると、諸外国の実質賃金というのはかなり上がっているんですね。一九九五年を一〇〇とすると、例えばアメリカだったら、たしか一一五ぐらいまでいっているんです。ほかの国も結構伸びているんです。けれども、日本はむしろ下がっているんですね、実質賃金。  この状況を何とかやはり変えて実質賃金を上げる、それによって個人消費を増やしていく、そういう経済の回し方をしていかないといけないと思うんですが、さっき言いましたように、賃金を上げるということについては、中小企業の経営者の皆さんにとってはもう本当に死活問題なわけです。だから、何とか賃金を中小企業の経営者の皆さんも上げられるんだ、その分は、きちんと元請の方もコストとしてそこを見るんだ、そういうことを政府としてしっかり大手の企業に伝えてほしいと思うんですけれども、そういった取組について、政府は何かされていますでしょうか。
  329. 飯田健太

    飯田政府参考人 お答えいたします。  まず、委員の方から中小企業の賃金の上昇ということでございまして、やはりこれは私どもも非常に大事な課題だと思っております。  中小企業が賃金を上げるためには生産性を向上していただかないといけないということでございますので、ものづくり補助金ですとかIT導入補助金ですとか、様々な補助金なども使いまして、中小企業の生産性の向上に向けた取組をまず応援してまいりたいというふうに考えてございます。  その上で、最低賃金のお話もございましたが、最低賃金の引上げなども含めまして、合理的な労務費の上昇というものに関しましては、下請中小企業にしわ寄せにならないように、しっかり取引の適正化を進めてまいりたいというふうに思っております。  具体的には、まず最初取組といたしましては、下請中小企業振興法というのがございます。この中の振興基準におきまして定めているんですけれども、この中で、親事業者に対しまして、人手不足や最低賃金の引上げに伴う労務費の上昇、こういったものの影響をちゃんと加味して、十分に協議をした上で取引対価を決定することを定めております。この振興基準がしっかり守られているかということを見るために、全国百二十名の下請Gメンによる取引実態の把握を行うとともに、問題事例がございましたら業所管官庁に対して改善への指導助言を要請していくということを行っております。  それから、二つ目に、この問題は様々な業種特性があると思っておりまして、その業種特性を踏まえた取引の適正化の取組を促すという観点から、自主行動計画というものを業界の方々に作っていただいております。現在、十六業種四十九団体により策定をされておりますけれども、そのフォローアップを毎年行いまして、各業界内での取組の定着を図ってまいりたいというふうに思っております。  それから、三つ目でございますけれども、この取引適正化のためには、経営者の巻き込みが重要だというふうに考えております。そのために、大企業と中小企業が共存共栄していくという関係を構築する、取引適正化の徹底を図る、こういった取引環境を整備することを企業の代表者の名前で宣言していただくパートナーシップ構築宣言という仕組みを今活用しております。現在、千八十社が宣言を公表しておりまして、引き続き、更なる企業による宣言を促してまいりたいと思っております。  こうしたことを通じまして、親事業者による適正な取引を促してまいりたいと考えてございます。
  330. 井上一徳

    ○井上(一)委員 時間が来ましたのでこれで終わりますけれども、是非政府においては、力強い取組をして、中小企業の経営者の皆さんができる限り賃上げをしやすい、そういう環境づくりに尽力していただきたいと思います。  では、終わります。ありがとうございました。
  331. 石田祝稔

    石田委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。     ―――――――――――――
  332. 石田祝稔

    石田委員長 この際、本案に対し、橘慶一郎君外四名から、自由民主党・無所属の会、立憲民主党・無所属、公明党、日本維新の会・無所属の会及び国民民主党・無所属クラブの五派共同提案による修正案が提出されております。  提出者より趣旨の説明を求めます。神谷裕君。     ―――――――――――――  地方公共団体情報システム標準化に関する法律案に対する修正案     〔本号末尾に掲載〕     ―――――――――――――
  333. 神谷裕

    ○神谷(裕)委員 ただいま議題となりました修正案につきまして、提出者を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。  本修正案は、法律案の附則に、政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、この法律の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする規定を追加するものであります。  以上が、本修正案の趣旨であります。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  334. 石田祝稔

    石田委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。     ―――――――――――――
  335. 石田祝稔

    石田委員長 これより原案及び修正案を一括して討論に入ります。  討論の申出がありますので、これを許します。本村伸子君。
  336. 本村伸子

    ○本村委員 私は、日本共産党を代表して、地方公共団体情報システム標準化法案に対し、反対の討論を行います。  国、地方行政が保有する膨大な個人情報を企業利益のために利活用していくデジタル社会形成基本法案などのデジタル関連法案と一体的な本法案は、地方自治体事務処理に使う情報システム標準化の基準を定め、地方自治体にそれに適合したシステムを義務づけ、さらに、デジタル庁が整備するガバメントクラウド利用を求めるものです。  地方自治体業務を国のシステムの鋳型にはめていくこととなり、地方自治を深く侵害するものであり、反対です。  政府は、標準化対象を、住民記録、地方税、福祉など十七事務としていますが、標準化対象事務以外であっても、一体的に処理することが効率的であると認められ、互換性が確保される場合に限り、必要最小限度の改変、追加を認めるとしています。従来からの、カスタマイズをなくすことが重要との閣議決定や、カスタマイズ抑制との総務省基本方針は撤回されておらず、結局、カスタマイズできるといっても極めて限定的なものとなるおそれがあり、財政措置も明らかになっていません。  住民福祉向上のために自治体が独自に実施している業務が、行政効率化、財政健全化を理由に削られていく危険性があります。  標準化対象事務も政令で定めることとなっており、国会審議もなく拡大され、標準化基準、仕様書もはっきりと見えておらず、白紙委任となっていることも大問題です。  また、新たな自治体リストラを推進することにつながることも重大です。  政府は、自治体情報システム標準化を進め、スマート自治体の実現を掲げていますが、その柱は、半分の職員数でも担うべき機能が発揮される自治体への転換です。  窓口業務の整理を始め、人員削減など、新たな自治体リストラの推進は行うべきではありません。  住民の福祉、暮らしを支え、災害に対応し、地域の公衆衛生を維持拡充していくためにも、公的基盤の強化こそが必要です。また、住民の多様な行政ニーズに応えるためにも、対面サービスの拡充こそが求められています。  標準化対象事務として想定されている十七事務のうち、十四事務は自治事務です。本法案は、自治事務の処理方法についても詳細にわたって義務づけを課すものですが、自治事務に対する新たな義務づけ、枠づけの創設は、機関委任事務の廃止と自治事務の原則化等を通じた地方の権限拡大という地方分権の流れにも真っ向から逆行するということを申し述べ、討論といたします。
  337. 石田祝稔

    石田委員長 これにて討論は終局いたしました。     ―――――――――――――
  338. 石田祝稔

    石田委員長 これより採決に入ります。  地方公共団体情報システム標準化に関する法律案及びこれに対する修正案について採決いたします。  まず、橘慶一郎君外四名提出の修正案について採決いたします。  本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  339. 石田祝稔

    石田委員長 起立多数。よって、本修正案は可決されました。  次に、ただいま可決いたしました修正部分を除く原案について採決いたします。  これに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  340. 石田祝稔

    石田委員長 起立多数。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。     ―――――――――――――
  341. 石田祝稔

    石田委員長 この際、ただいま議決いたしました法律案に対し、橘慶一郎君外四名から、自由民主党・無所属の会、立憲民主党・無所属、公明党、日本維新の会・無所属の会及び国民民主党・無所属クラブの五派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  提出者から趣旨の説明を求めます。松田功君。
  342. 松田功

    ○松田委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。  案文の朗読により趣旨の説明に代えさせていただきます。     地方公共団体情報システム標準化に関する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法施行に当たり、次の事項について適切な措置を講じ、その運用に万全を期すべきである。  一 標準化対象事務を定める政令の制定等に当たっては、地方自治法に基づき、都道府県知事、市長又は町村長の全国的連合組織である地方団体に対し情報提供するとともに、意見聴取するほか、有識者からも意見を聴くなど、地方公共団体意見を最大限尊重すること。  二 地方公共団体利用する情報システムは、地方公共団体が構築することが基本であり、その整備・管理の方針についても地方公共団体が策定すべきものであることに鑑み、国による基本方針の策定に当たっては、地方団体に加え、その他の地方関係団体等とも十分な調整を行った上で、地方公共団体実情に即したものとすること。  三 標準化基準については、地方公共団体規模、権能及び地域特性等の違いを踏まえた柔軟なものとすること。  四 標準化基準の策定・変更に当たっては、全ての地方公共団体関係事業者意見を丁寧に聴取するとともに、情報システムの運用実態を踏まえたものとなるよう、標準化対象事務に従事している職員及び情報システムを担っている職員等の意見を聴取するなど、関係者の幅広い意見を十分に反映したものとすること。また、標準化基準の検討状況について、逐次公表すること。  五 地方公共団体情報システムについて、地方公共団体関係事業者の創意工夫による改善が図られるよう、地方公共団体及び関係事業者からの新たな機能に関する提案を受け付け、当該提案のうち有用性が認められるものについては、積極的に標準化基準に反映すること。  六 地方公共団体情報システム標準化及び業務プロセスの見直し等によって、地方公共団体の窓口業務に混乱が生じ、住民サービスの提供に支障が生じることのないよう、地方公共団体との十分な調整を行った上で、必要な人的・財政的支援を行うなど、万全の対策を講ずること。また、標準準拠システムへの円滑な移行が図られるよう、十分な移行期間確保するとともに、やむを得ない事由のある地方公共団体については、移行期間の取扱いについて検討すること。  七 地方公共団体情報システム標準化を始め、地方公共団体デジタル化推進に当たっては、これを支える人材確保及び育成が不可欠であることに鑑み、市町村において、高度な専門的知識を有するデジタル人材確保及び育成が円滑に図られるよう、必要な人的・財政的支援を行うこと。  八 地方公共団体情報システム標準化に要する経費については、国の責任において全額国費で支援すること。また、標準準拠システムの維持・管理及び改修等に要する経費について、必要な財政措置を講ずること。  九 地方公共団体情報システム標準化に伴う情報システムの運営経費等の減少額については、地方行政デジタル化住民サービスの維持・向上のための経費に振り替えるなど、地方財政計画において適切な措置を講ずること。  十 地方公共団体情報システム標準化を契機として、上乗せ給付などの地方公共団体独自の施策が廃止・縮小されることのないよう、地方公共団体情報システム機能等について、当該施策を継続するための改変・追加が行えるようにするとともに、当該改変・追加に要する経費について必要な財政支援を行うこと。  十一 地方公共団体情報システム標準化を始めとした地方公共団体デジタル化推進に伴い、地方公共団体の保有する個人情報について、情報連携機会の増加が見込まれることを踏まえ、個人情報の漏えいや不適正な利用が生じることのないよう万全の措置を講ずること。  十二 地方公共団体の保有する個人情報に関しては、地域の特性等に応じた独自の保護措置が講じられてきたことを踏まえ、改正後の個人情報保護法下で講じられる独自の保護措置についても、標準化基準等において特段の配慮を行うこと。  十三 ガバメントクラウドの構築に当たっては、セキュリティ対策に万全を期すとともに、システム障害が発生することのないよう十分な対策を講じること。また、標準準拠システムへの移行を円滑に進めるため、ガバメントクラウドの構築に向けた検討段階においても、地方公共団体に対する適時適切な情報提供を行うこと。  十四 ガバメントクラウドの活用による地方公共団体情報システム利用に当たっては、個人情報の適切な管理を徹底する観点から、地方公共団体ごとのデータをクラウド上で分離するとともに、厳格なアクセス制限を行うなど、個人情報を保護するための必要な対策を講ずること。  十五 本法附則第二項に基づく検討に当たっては、地方公共団体独自の施策への影響等にも留意しつつ、地方公共団体意見を踏まえて検討を加え、その結果に基づいて、標準化対象事務基本方針及び標準化基準の在り方等について必要な見直しを行うこと。 以上であります。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  343. 石田祝稔

    石田委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。  採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  344. 石田祝稔

    石田委員長 起立多数。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。  この際、総務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。武田総務大臣
  345. 武田良太

    武田国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。     ―――――――――――――
  346. 石田祝稔

    石田委員長 お諮りいたします。  ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  347. 石田祝稔

    石田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――     〔報告書は附録に掲載〕     ―――――――――――――
  348. 石田祝稔

    石田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時三十一分散会