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2021-02-16 第204回国会 衆議院 総務委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    令和三年二月十六日(火曜日)     午前九時開議  出席委員    委員長 石田 祝稔君    理事 橘 慶一郎君 理事 寺田  稔君    理事 冨樫 博之君 理事 松本 文明君    理事 務台 俊介君 理事 岡島 一正君    理事 岡本あき子君 理事 國重  徹君       井林 辰憲君    石田 真敏君       小倉 將信君    金子万寿夫君       川崎 二郎君    高村 正大君       佐藤 明男君    斎藤 洋明君       杉田 水脈君    鈴木 淳司君       田畑 裕明君    谷川 とむ君       百武 公親君    古川  康君       宮路 拓馬君    山口 俊一君       神谷  裕君    櫻井  周君       田嶋  要君    高木錬太郎君       松尾 明弘君    松田  功君       道下 大樹君    山花 郁夫君       桝屋 敬悟君    本村 伸子君       足立 康史君    井上 一徳君     …………………………………    総務大臣         武田 良太君    内閣府副大臣       藤井比早之君    総務大臣        熊田 裕通君    総務大臣        新谷 正義君    財務副大臣        中西 健治君    内閣大臣政務官     和田 義明君    総務大臣政務官      谷川 とむ君    総務大臣政務官      古川  康君    総務大臣政務官      宮路 拓馬君    衆議院委員部長      花島 克臣君    政府参考人    (内閣官房内閣審議官)  時澤  忠君    政府参考人    (内閣官房内閣審議官)  梶尾 雅宏君    政府参考人    (内閣官房内閣審議官)  内山 博之君    政府参考人    (内閣官房内閣審議官)  岡本  宰君    政府参考人    (国家公務員倫理審査会事務局長)         荒井 仁志君    政府参考人    (総務省大臣官房長)   原  邦彰君    政府参考人    (総務省大臣官房総括審議官)           吉田 博史君    政府参考人    (総務省大臣官房総括審議官)           竹村 晃一君    政府参考人    (総務省大臣官房地域力創造審議官)        大村 慎一君    政府参考人    (総務省大臣官房審議官) 湯本 博信君    政府参考人    (総務省自治行政局長)  高原  剛君    政府参考人    (総務省自治行政局選挙部長)           森  源二君    政府参考人    (総務省自治財政局長)  内藤 尚志君    政府参考人    (総務省自治税務局長)  稲岡 伸哉君    政府参考人    (総務省情報流通行政局長)            秋本 芳徳君    政府参考人    (総務省総合通信基盤局長)            竹内 芳明君    政府参考人    (消防庁次長)      山口 英樹君    政府参考人    (財務省大臣官房審議官) 小野平八郎君    政府参考人    (厚生労働省大臣官房審議官)           宮崎 敦文君    政府参考人    (厚生労働省大臣官房審議官)           志村 幸久君    政府参考人    (厚生労働省大臣官房審議官)           榎本健太郎君    政府参考人    (中小企業庁事業環境部長)            飯田 健太君    政府参考人    (国土交通省道路局次長) 宇野 善昌君    政府参考人    (観光庁観光地域振興部長)            村田 茂樹君    政府参考人    (気象庁地震火山部長)  森  隆志君    参考人    (日本放送協会専務理事) 松坂 千尋君    総務委員会専門員     阿部 哲也君     ――――――――――――― 委員の異動 二月十六日  辞任         補欠選任   田畑 裕明君     百武 公親君 同日  辞任         補欠選任   百武 公親君     田畑 裕明君     ――――――――――――― 二月十六日  地方税法等の一部を改正する法律案内閣提出第九号)  地方交付税法等の一部を改正する法律案内閣提出第一〇号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  政府参考人出頭要求に関する件  参考人出頭要求に関する件  地方税法等の一部を改正する法律案内閣提出第九号)  地方交付税法等の一部を改正する法律案内閣提出第一〇号)  地方自治及び地方税財政に関する件(令和三年度地方財政計画)  行政基本的制度及び運営並びに恩給地方自治及び地方税財政情報通信及び電波郵政事業並びに消防に関する件      ――――◇―――――
  2. 石田祝稔

    石田委員長 これより会議を開きます。  行政基本的制度及び運営並びに恩給に関する件、地方自治及び地方税財政に関する件、情報通信及び電波に関する件、郵政事業に関する件及び消防に関する件について調査を進めます。  この際、お諮りいたします。  各件調査のため、本日、参考人として日本放送協会専務理事松坂千尋君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 石田祝稔

  4. 石田祝稔

    石田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――
  5. 石田祝稔

    石田委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。鈴木淳司君。
  6. 鈴木淳司

    鈴木(淳)委員 皆さん、おはようございます。自由民主党の鈴木淳司でございます。  この度、大臣所信に対する質疑機会をいただきまして本当にありがとうございます。  質問に先立ちまして、冒頭、このようなことを言わざるを得ないのは誠に残念ではありますけれども、先般来、総務省幹部職員の不祥事が大きな問題となっております。大臣所信冒頭にも、国民疑念を抱く事態となったことに対してのおわびの言葉がありましたけれども、まずは早期実態解明、そして同時に、この機会に、根底となります総務省課題につきまして、しっかり向き合っていただきたいと思います。  さて、私はかつて石田真敏総務大臣の下で、一年間、副大臣を務めさせていただきましたけれども、皆さん御存じの方もあるかもしれませんけれども、総務省大臣室には実に大きな机がございます。横幅もさることながら、奥行きが非常に深い、いかにも重々しい雰囲気がある机でありますけれども、これは何と大久保利通の机だそうであります。では、なぜそれほど奥行きが深いかというと、サーベルが届かない、この長さと言われますけれども、こうしたことを聞くときに、まさに総務省の持っているその歴史重みを感じたものであります。  考えてみれば、大久保利通初代内務卿でありました。明治維新以来の歴史的変革期にありまして、近代日本国家としての基盤骨格そのものの原点を築いたという大久保が、まさにその机が、旧内務省を経て、自治省、そして総務省に伝わっている、そのことを思うときに、何か、内務省以来の伝統のあるこの総務省歴史重みを感じる次第でございます。  さて、昨年、世界中に広がりました新型コロナウイルスの中で、今まさに世界が大きく変わろうとしております。その一つが、間違いなく、今進みつつあるデジタル革命がもたらす社会変革なんだろうと思います。  そこで、デジタル革命ともいうべき大きな社会変革が起こりつつある今、新たな国家像社会変革を築く上での基盤となる多くの政策を担う総務省として、デジタル変革を通じた新しい地域社会、新たな日常について、以下、個々の課題についてお尋ねをしたいと思います。  まず一点目は、コロナ禍の中で、行政デジタル化についての国と地方課題認識対応策であります。  昨年、国民一人一人に一律十万円を配るという定額給付金給付に際しまして、せっかくマイナンバー制度マイナンバーカードがあったにもかかわらず、給付に至る現場実態が、デジタルからはほど遠い、まさにアナログでありまして、実際に給付金国民一人一人に届くまでには相当な手間と時間を要したことは記憶に新しいのでありますけれども、それにはいかなる要因があったのでありましょうか。  私としては、せっかくデジタル技術があったものの、残念ながら、それが実際の現場で十分に機能しない、いわゆる社会実装として機能する段階に至っていなかったのではないかと思うのであります。  行政デジタル化につきまして、国と地方それぞれにおける課題認識対応につきましてお尋ねをいたします。
  7. 武田良太

    武田国務大臣 まずは、委員から冒頭指摘ありました、この度多くの疑念を招くに至った事態になりました。本当におわびを申し上げたいと思いますし、事実解明に全力を挙げて取り組んでまいることをお約束を申し上げたいと存じます。  コロナ禍で明らかになった課題についてであります。  まずは、行政情報システム国民視点で十分に構築されていなかったこと、また、国、地方を通じて横断的なデータの活用が十分にできなかったことなどと認識をいたしております。  総務省では、行政手続オンライン化マイナンバー制度など、国、地方デジタル化に率先して取り組んでまいりました。引き続き、各府省が共通で利用する情報システムの効率的な整備や安定的な運用、自治体DX推進計画に基づく地方行政デジタル化自治体情報システム標準化統一化などに取り組んでまいります。  社会全体のデジタル変革と新たな日常の構築に向け、デジタル大臣を始め関係閣僚と緊密に連携するとともに、地方公共団体意見を丁寧に聞きながら、国、地方を通じたデジタルガバメントを強力に推進してまいりたいと思います。
  8. 鈴木淳司

    鈴木(淳)委員 ありがとうございます。  マイナンバー制度並びにマイナンバーカードは、世界先進事例を学んだ上で、後発として日本が仕上げたものであります。したがって、本来ならばその機能安全性世界で最もハイスペックなものとなっているものかと思われますけれども、残念ながら、いまだマイナンバーカード普及が十分ではありません。それゆえ、実際の行政手続現場ではいまだアナログの部分が多い、つまり、デジタル技術社会実装となり得ていないことが本当にもったいないと実は思います。  デジタル社会恩恵を享受するには、住民個々人にとっては、例えばマイナンバーカード普及活用がベースになりますけれども、マイナンバーカードその他の普及課題としては、紛失や、暗証番号パスワード忘れ等に起因するデジタルに対する基本的な不安と恐れがあるのだろうかと思います。ただ、ここを乗り越えない限り、その人は永久にデジタル社会恩恵に接せられないことになってしまいかねないのではないかと危惧をします。  とりわけ高齢者は、長いパスワード等記憶をしてカードを使いこなすことは容易ではなく、そのため、将来的には、パスワードによらない、生体認証単独での活用等を検討すべきではないかと思います。さらには、高齢者単身世帯についてデジタル活用法具体的サポートを行うことも必要かと思われますけれども、マイナンバーカード普及策と、高齢者単身者に対するサポートの在り方についてお尋ねをしたいと思います。
  9. 高原剛

    高原政府参考人 御答弁申し上げます。  マイナンバーカード安全性については、ICチップに税や年金などの機微な情報は記録されておらず、仮に紛失しても、二十四時間三百六十五日体制コールセンターへ連絡することで速やかにその機能を一時停止できることなどについて、引き続き、関係府省連携し、周知に努めてまいります。  次に、マイナンバーカード利用に当たっての生体認証活用については、顔認証技術は、暗証番号記憶する必要がないという便利な面がある反面、一定の確率で本人を拒否したり他人を本人と誤認してしまうといったセキュリティー上の課題もございます。  このため、マイナンバーカード電子証明書利用に当たっては、一定の性能や機能を持つ端末の設置などの設備体制を整えて総務大臣の認可を受けることを要件とした上で、暗証番号の入力に代えて顔認証利用する方式を令和元年に制度化し、この三月からのマイナンバーカード健康保険証利用でも活用されることとなっております。  また、署名用電子証明書暗証番号初期化、再設定手続については、顔認証技術活用したアプリを開発し、コンビニエンスストアのマルチコピー機利用してこれを行うことを可能とする予定でございます。  次に、高齢者に対するデジタル活用支援については、本年度から、総務省予算において、まずは全国一千か所程度オンラインによる行政手続利用方法等に関する講習会を開催する予算を計上しております。また、国事業と併せて、来年度地方財政計画地域デジタル社会推進費を計上しており、地域におけるきめ細かなデジタル活用支援促進してまいります。  引き続き、高齢者の方を含め、マイナンバーカード利用しやすい環境整備に努めてまいります。  以上でございます。
  10. 鈴木淳司

    鈴木(淳)委員 是非頑張ってほしいと思います。  それでは次に、携帯電話料金NHK受信料引下げの動きの評価と必要な投資確保についてお尋ねをいたします。  大臣陣頭指揮に立っておられる携帯電話料金NHK受信料引下げは、国民から大きな期待が寄せられております。  まず、NHK受信料引下げに向けての動向の現状評価、次に、同じく携帯電話料金引下げ状況に関する評価事業者間の競争が働く環境づくりに向けた取組を、また、携帯電話につきましては、料金引下げのみにとどまらず、同時に安定的な投資確保も必要かと思いますけれども、その両立についての大臣の所見をお伺いしたいと思います。
  11. 武田良太

    武田国務大臣 携帯電話並びNHK受信料のお話であります。  この二つとも、やはり家計における固定費となっておりまして、特に携帯電話料金についてはその負担というものがかなり大きなものとなっておるわけであって、このコロナ禍において、家計そして地域経済共に冷え込む中に、やはり国民目線に立った政策というものをしっかりと責任を果たしていかなくてはならない、このように考えております。  その中で、NHKは、先般、中期経営計画において受信料引下げの方針を明確に示しました。これは紛れもなく受信者である国民に対する約束でありますので、その内容を早期に具体化し、着実に実現していただきたいと考えております。  次に、携帯電話料金引下げにつきましては、昨年十月にアクションプランを策定して以降、各社は昨年末より新しく低廉な料金プランを相次いで発表しており、いよいよ事業者間の本格的な料金競争が活発化しているものと受けております。  今月から、順次、新しい料金プランの提供が開始されているところではありますが、総務省としては、国民利用者皆様に実際に料金低廉化恩恵を実感していただけるよう、乗換えの円滑化利用者への情報発信など、アクションプランの着実な実行を通じた公正な競争環境整備に努めてまいりたいと考えております。  また、御指摘のように、投資促進も重要であります。現在整備が進められている5Gについて、総務省としては、5G周波数の割当ての際に基地局整備計画の履行を義務づけており、各事業者はこれを更に前倒しする投資を計画していると承知をいたしております。さらに、設備投資を下支えするため税制支援措置予算措置を講じており、しっかりバックアップをしております。  料金引下げ設備投資がしっかりと両立するように対応してまいりたいと考えております。
  12. 鈴木淳司

    鈴木(淳)委員 それでは次に、デジタル変革と新たな日常についてお尋ねをしたいと思います。  コロナ禍の中で進みつつありますのは、都心から郊外への移住あるいはテレワーク等の新しい働き方の進展かと思います。ここで鍵となりますのが、総務省による新たな働き方導入支援取組通信環境整備かと思います。  そこで、改めて、ICT活用した新しい働き方、住み方の促進に関する総務省取組につきましてお聞かせをいただきたいと思います。
  13. 竹村晃一

    竹村政府参考人 お答えいたします。  テレワークは、国民一人一人の生活スタイルに合った新たな働き方を可能とするものであり、都市から郊外地方への人の流れの促進にもつながるものと考えております。  このような様々なメリットをもたらすテレワークを一層普及させるべく、総務省としては、テレワーク導入を検討する中小企業等を対象とした専門家による無料相談実施、セミナー、相談会実施などを通じた地域におけるサポート体制整備テレワークに必要なサテライトオフィス整備を行う地方自治体等に対する助成などに取り組んでいるところでございます。  また、テレワークを導入する上で必要な光ファイバーの整備につきましては、令和二年度補正予算などにおいて五百億円を超える予算を計上し、市町村が希望する全ての地域での基盤整備を進めることとしております。  総務省としては、ICT活用した新たな働き方促進する観点から、関係府省とも連携し、引き続きテレワーク普及にしっかりと取り組んでまいります。
  14. 鈴木淳司

    鈴木(淳)委員 次に、ビヨンド5Gへの取組と5G段階での敗因分析についてお尋ねしたいと思います。  さきに議決されました情報通信研究機構法NICT法改正案の際も論議されましたけれども、基金を設けてビヨンド5Gに取り組むのはいいとしても、それ以前に、5G段階日本企業はなぜ敗退してしまったのか、そして、その現状から、ビヨンド5Gで勝ち得るための戦略と勝算はあるのか、いかに考えるかにつきましてお尋ねをしたいと思います。
  15. 竹内芳明

    竹内政府参考人 お答えいたします。  我が国の5G国際競争力について、例えば5G必須特許では、欧州アジアなどの企業はそれぞれ一〇%程度シェアを獲得しているのと同じく、我が国企業シェアは合計すると一〇%超に達しているなど、我が国企業技術そのもの世界に比肩し得るものと考えております。  しかしながら、現状、例えば携帯電話基地局世界市場では、欧州アジア主要企業がそれぞれ一〇%から三〇%程度シェアを占める一方で、日本企業は全体で約一%にとどまっております。無線通信機器市場における日本企業存在感は限定的と言わざるを得ません。  この要因といたしましては、欧州アジアなどの企業は早い時点からグローバル市場での展開を見据えて取り組んでいたことに対しまして、我が国企業各社が個別に開発した製品を日本市場において展開することを重視した、このために国際展開につながらなかったというふうに考えております。  こうした経験を踏まえますと、ビヨンド5Gについては、研究開発初期段階から、グローバル展開を意識し、海外パートナーとの連携による研究開発国際標準化活動を強力に推進することにより、グローバル市場の獲得につなげていくことが必要と考えております。  こうした考え方に立ちまして、先般お認めいただいた基金による、海外戦略的パートナーとの連携も視野に入れた研究開発を推進するとともに、昨年設立されましたビヨンド5G新経営戦略センタービヨンド5G推進コンソーシアムを通じました産学官一体となった戦略的な知財標準化活動を有機的に連携させて取り組むことにより、ビヨンド5G市場において我が国企業が高い国際競争力を発揮できるよう努めてまいります。
  16. 鈴木淳司

    鈴木(淳)委員 時間が参りましたのでこれで終わりますけれども、武田総務大臣には、是非、時代の要請に応えた仕事にしっかりと果敢に取り組んでいただきますことを期待して、質問を終わります。  ありがとうございました。
  17. 石田祝稔

    石田委員長 次に、國重徹君。
  18. 國重徹

    國重委員 おはようございます。公明党の國重徹でございます。  十五分という限られた時間になりますけれども、今日はどうかよろしくお願いいたします。  私からも、まず冒頭、報道や予算委員会等で取り上げられている総務省幹部接待問題、これに関してお伺いをいたします。  本件一連接待によって行政がゆがめられるようなことがあったのかどうか。仮に、万一これがゆがめられていたとしたら、これはとんでもないこと、大問題であります。まずは、過去の分も含めて、大臣リーダーシップで正確に、そしてできるだけ速やかに事実関係調査、確認していただきたいと思います。  その上で、行政が実際にはゆがめられていなかったということが後に明らかになったとしても、これはどうなるか分かりませんけれども、そういうことが明らかになったとしても、それとは別に、公務に対する国民信頼確保、この観点から、国民疑惑や不信を招くような行為があってはならないということが国家公務員倫理法に定められております。そして、これに基づいて、一回一万円を超える利害関係者との飲食の事前届出、あるいは、利害関係者が費用を負担する接待国家公務員倫理規程で禁じられております。  本件接待というのは、主観はさておき、客観的に見た場合に、国家公務員倫理法また国家公務員倫理規程に抵触し得る、こういったものであります。大臣所信でもるる述べられておりましたとおり、まさにこれから総務省として、様々な施策、改革というのを大きく前に進めていかないといけないときです。そのときにやはり土台となるのは、国民皆様行政、政治に対する信頼であります。この点、とりわけ本件では、衛星基幹放送の業務の認定更新が行われるような時期に事業者と会食を行っております。こういった行動はいかがなものか。  一般論として、認定更新については、マスメディア集中排除原則等に適合しているかどうかを見るだけであって、裁量の余地はない、これまで認定更新を認めなかった事例も存在しない、こういったことは承知をしておりますけれども、やはり、国民疑惑を招く行為、こういったことは厳に慎むべきであります。  今回の一連の事案の解明も含め、総務省として、大臣リーダーシップの下、職員公務員倫理の徹底を図っていただきたいと思います。大臣、いかがでしょうか。
  19. 武田良太

    武田国務大臣 行政また公務員は、その中立性公正性に対して疑念を抱かれることは決してあってはならないものであります。そうした中で、多くの疑念を招くことに至りましたことにおわびを申し上げたいと存じます。  現在、徹底的にこの事実解明真相究明調査に入っているわけでありますけれども、やはり、委員指摘倫理法そして倫理規程、理由のいかんを問わず、これに抵触しない行動を取るのは当然のことでありまして、しっかりと身を律して国民のために働いていく、このことを改めて自覚するように、私の方から改めて指摘をさせていただいたところであります。  現在、倫理審査会の指導に基づいて急ピッチに、しかし一方で、正確な報告書というものを作成していく分、いささか時間はかかっておりますけれども、誠心誠意その事実解明に努めてまいりたい、このように考えておる次第であります。
  20. 國重徹

    國重委員 是非しっかりと進めていただきたいと思います。  それとともに、利害関係者に当たり得る業界のコンプライアンス、これも私は重要だと思います。もちろん公務員の倫理というのも重要ですけれども、そういった業界のコンプライアンス、これも重要だと思います。大臣が直接何かそこにしていくということは難しいかもしれませんけれども、業界の皆さんとの様々な協議等もあると思いますので、そういった際に、是非、こういった観点からの促しもお願いしたいと思います。  次に、武田大臣も力を入れている携帯電話料金に関してお伺いをいたします。  昨年十月、国民目線に立った携帯電話料金、サービスの実現に向けた公正な競争環境整備に関しまして、私ども公明党といたしまして、武田総務大臣に具体的な提言を申入れをさせていただきました。大臣からは、携帯料金また通信費を下げることは家計の可処分所得を上げることになる、何よりの景気対策につながるんだ、国民の納得のいくシステムまた制度、こういったものを政治の責任として追求していきたい、是非今後とも御協力をお願いしたいというお話をいただきました。  その後、総務省は、携帯電話料金引下げに向けた競争環境整備するためのアクションプラン、行動計画を発表しました。  このような政府また与党の取組、また、当然のことながら市場の状況を見た上で、携帯各社が今、大容量プランを中心に思い切った料金プランを打ち出しております。  武田総務大臣として、携帯料金低廉化に関する成果をどのように捉えられているのか、お伺いいたします。
  21. 武田良太

    武田国務大臣 日本の携帯はちょっと高過ぎるのではないかという問題提起をされたのは、二〇一八年、菅総理御自身でありました。その間、今日まで多くの、公明党の皆さんからも幾度となく提言を賜りましたし、関係方面の方々の力をかりて今日までずっとその調整に入ったわけであります。  公正取引委員会ともしっかりと連携し、また、消費者庁ともしっかり連携し、まずはモバイル市場の健全な競争環境というものをつくり上げていくことが重要である、それが低廉化につながるということが一点。それともう一個は、余りにも事業者側に立ったシステムばかりが導入されて、消費者が分かりやすく利用できるシステムではなかった、そうした状況というものを変えるために、消費者庁とも連携して、今日まで取り組んだわけであります。  そうした多くの皆さん方の協力の成果もあって、昨年末、ようやく、大容量における低廉プランというものを大手三社が打ち出しました。それに伴って、楽天モバイルでありますとかMVNOの皆さん方もしっかりとそれに対抗できるプランというものを打ち出してきた。ようやく健全な市場競争環境が整ってきたのではないかなと思っております。  マーケットは、市場競争に値段は任せるとしまして、いよいよ、この二月に開始した、三月から、国民皆様方が安くなったなということを実感していただける、こうした時期を迎えるわけでありますけれども、今後とも、国民目線に立った必要な取組というものを進めていくよう努力を重ねてまいりたいと考えております。
  22. 國重徹

    國重委員 ありがとうございます。  大臣おっしゃったとおり、今、着々と料金低廉化も進んでおります。  その上で、今も少しお話ございましたけれども、様々な環境整備利用者目線に立って、携帯会社の乗換手続をできるだけ簡素に、また円滑にしていくことが重要であります。これがまた公正な競争促進することにもつながってまいります。  私どもの提言でも様々な方策を求めたところでありますけれども、現在、どのような取組をしているのか、どのように取組が進んでいるのか、お伺いいたします。
  23. 竹内芳明

    竹内政府参考人 お答えいたします。  先ほど武田大臣からも答弁申し上げましたが、昨年十月のアクションプランを踏まえまして、総務省においては、有識者会議を設置いたしまして、事業者間の乗換えの円滑化に資する取組として、eSIMの促進、SIMロック解除の一層の推進、キャリアメールの持ち運びの実現、事業者間の番号持ち運び制度、いわゆるMNPの手続の更なる円滑化に向けた検討を行っております。  例えばSIMロックについては、これまで、SIMロックがかかっていることを前提としてルール整備を進めてまいりましたが、そもそもSIMロックは、利用者の利便を損なうとともに、事業者間の競争の阻害にもつながるものということから、今回、発想を転換いたしまして、SIMロックを原則禁止するという方向で検討を行っております。  各種乗換手続の具体的なルールの詳細につきましては有識者会合で検討中でありますが、三月中には結論を得た上で、できる限り速やかに実現したいと考えております。
  24. 國重徹

    國重委員 ありがとうございます。  今、るる述べていただきましたけれども、今の答弁の中でありました、例えばSIMロック解除、事業者の都合で行っていたこのSIMロック解除につきましては、先ほどの答弁でありましたとおり、購入者から申し出るという従来の形を、事業者の責任において解除をするというように、原則と例外を逆転させた、大きな方向転換を図っていただいた。これは極めて重要なことだと思います。  消費者、利用者にとって不便、不都合なこの仕組み、これは精査をして、説明のつかない慣行というのはシラミ潰しに改めていっていただきたいというふうに思います。武田大臣も、お会いしたときにそういうようなことを言っていただきましたけれども、しっかりと国民目線に立って進めていただきたいと思います。  この点で更に言えば、今かなり進んできていると思いますけれども、更に言えば、楽天やMVNO、こういったところは既にSIMロックをしておりません。にもかかわらず、それよりも技術力等の高いと思われる大手三社がなぜ同じことができないのか。この機会にこれはとことん突き詰めていただきたいというふうに思いますので、これは答弁結構ですけれども、よろしくお願いいたします。  最後に、デジタル活用支援に関してお伺いをいたします。  携帯料金、この値下げが実現したとしても、携帯、スマホ、これを使いこなせなければ、これは意味がありません。  昨年十二月二十五日に閣議決定をされましたデジタル社会の実現に向けた改革の基本方針には、デジタル社会の目指すビジョンとして、誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化と打ち出されてあります。  スマホの料金の値下げは大事、マイナンバーカード普及も大事、また、デジタルガバメント、これを構築するのも大事。でも、高齢者を含めた皆さんがこれを使えないと、これはどうしようもありません。これが一番大事であります。  私、総務大臣政務官、かつて務めさせていただいた二〇一八年の十一月に、総務省と厚労省で共催をして、デジタル活用共生社会実現会議という新たな会議を立ち上げさせていただきました。  ここには、障害を持たれた方、目の見えない方、耳の聞こえない方、あるいは知的障害を持たれた、そのかいわいのリーダー格の方、また八十歳を超えた高齢者の方、こういった方にも会議に御参加をいただきまして、支援策を種々議論をいたしました。  その中の取りまとめた提言の一つが、高齢者等の皆さんが身近な場所で、身近な人からスマホ等の使い方を学べる環境づくりを推進するデジタル活用支援の仕組みであります。  昨年十月から、全国十一か所、十二団体でこの実証事業が始まっております。総務省では、来年度、携帯ショップを中心に全国千か所程度で、オンラインによる行政手続や、ニーズの高い民間サービスの利用方法の助言や相談を行うこととしております。スマホを使ったマイナンバーカードの申請方法、またマイナンバーカード健康保険証利用の申込み、こういったものも教えてくれる。民間では光の当たらない公共分野のサービスに関しても、様々これを教えてくれるということで、これはこれで非常にすばらしいと思います。  他方で、課題もございます。まず、場所が十分なのか、数が十分なのか。千か所だと、約千七百ある自治体、これに、全てには行き届きません。そして、教える人材、この支援員の質と量、これは大丈夫なのか。携帯ショップを活用するのは、即戦力の人材がそこにいるからだというふうに思いますけれども、それだけで、だったら、これは十分じゃないんじゃないか。  来年度だけではなくて、複数年かけて計画的に取り組んでいくということだと思いますけれども、このような点に留意をして、誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化、この理念の下、是非強力に推進していただきたいと思います。  大臣の見解をお伺いします。
  25. 武田良太

    武田国務大臣 先生御指摘のように、基本方針に示されました、誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化、これはスローガン倒れになっては絶対になりません。  七十歳以上の方、六割以上の方がスマホ等の情報通信機器を使っていないというのが現状であって、分からない人はそれでしようがないというのではなくて、こちらから手を差し伸べて、一人も取り残さずにデジタル化に溶け込んでいただく、そして恩恵を享受していただくということを目指していかなくちゃならない。その試みが、千か所程度講習会を開催する事業、また、地方財政計画地域デジタル社会推進費などを計上する、こうした活動につながっているんだろう、このように考えております。  また、もう一個御指摘の、そうした方々にいろいろなアドバイスをしてくださる技術的な人材の育成も併せて努めていく。地域格差が起こらないように、偏在性が生じないように、徹底的にきめ細やかな体制を構築していくことが重要であろうかと思っております。  日本の中に、取り残さない、そして人に優しいデジタル時代が到来するように、しっかりと対応してまいりたいと考えております。
  26. 國重徹

    國重委員 是非よろしくお願いいたします。  以上で質問を終わります。ありがとうございました。
  27. 石田祝稔

    石田委員長 次に、岡島一正君。
  28. 岡島一正

    ○岡島委員 立憲民主党・無所属の会派の岡島一正であります。  今日は、大臣所信質疑というお時間でありますので、大臣を主に質問対象としてお相手願いたいと思っておりますが、今般、今、世間、国会、社会を騒がせている総務省幹部接待問題、このことにも触れざるを得ません。  この問題は、公務員の倫理、すなわち公平公正な行政がゆがめられたのではないかという視点が大いに注目されなきゃならない点でありますが、と同時に、この問題は結局、国民に、政府や行政、そうしたものに対する不信感を抱かせているということであります。その不信感が広がっているのは事実として社会にあります。そういった中で、私は、この問題をいろいろ突き詰めて考えると、これが、政治による官僚への圧力が強まる中で官僚の忖度が更に強まったとか、あるいは、菅政権の政治姿勢、そういったものが官僚に対してこういった体質をつくってしまったのか、そういった根本的な政治のテーマでもあるというふうにも言えるだろうと考えているところであります。  そうした観点から、今日は、そういった問題について明らかにするという姿勢で質疑に立ちたいと思っております。  そうした中で、今回の、今回というのは、昨年末、暮れの接待問題ですね、この接待問題について、国家公務員倫理法倫理規程違反が疑われるような件に関し、総務省としては調査チームを立ち上げているんだろうと思います。いつ、どのような調査チームを立ち上げ、どのような事項を調査し、どのようなメンバーで対応しているのかについてまずお答えください。これは官房長で。
  29. 原邦彰

    ○原政府参考人 お答え申し上げます。  本件調査については、倫理法違反の可能性がある旨が判明後、速やかに総務大臣へ報告するとともに、人事院倫理審査会への端緒の報告、二月二日でございますが、調査の開始の通知を行いまして、人事院といろいろ調査項目等に御指導いただきながら、そうした中、二月九日付で調査チームを立ち上げました。現在、国家公務員倫理審査会の指導を受けながら調査を進めているところでございます。  調査体制としては、倫理監督官たる事務次官をトップに、弁護士の方を含め、大臣官房秘書課において、私も当然入っておりますが、全力で調査を行っており、中心メンバーは服務関係の八名でございますが、作業の進捗等に応じ、秘書課全体で全力で今取り組んでいるところでございます。  調査項目でございますが、会食、お土産、タクシーチケットの費用やその負担者といった行為の内容、それから、相手方事業者との間の許認可、補助金の交付、文書による行政指導を行うなど、職務上の関わりがあったかどうかといった具体的な事実関係、それから、四名の総務省職員について、今回問題となった事業者以外の者との間で倫理法違反と疑われるような事実がなかったか、今回問題となった事業者について、四名以外の総務省職員との間にも倫理法違反と疑われるような事案がなかったかなど、今回の問題となった事案以外のものがあるかについても、総務省職員及び相手方事業者に対して調査を行っているところでございます。  調査の手法といたしましては、本人や相手方それぞれに対するヒアリングの実施、証拠資料の確認として、請求書、領収書、レシート、社内経理書類の写し、案内メールの写しの確認などにより事実関係の精査を行っているところでございます。  いずれにいたしましても、公務員倫理審査会の指導もいただきながら、大臣からも御指示がありますとおり、正確に、かつ可能な限り迅速に、しかるべき対応をしてまいりたいと存じます。
  30. 岡島一正

    ○岡島委員 それは、今、進捗状況でいって、発表できるのはいつなのですか。
  31. 原邦彰

    ○原政府参考人 お答え申し上げます。  ただいま申し上げましたとおり、大臣から御指示がありますとおり、正確に、かつ可能な限り迅速に、とにかく全力で、休日返上で、私もやっておりますが、進めているということでございます。
  32. 岡島一正

    ○岡島委員 総務省の管轄の、大臣所信にあった様々なテーマについて、法案もあります、地方税のこともあるし、これからNHK予算などもあるし、つまり、総務省が責任ある官庁だという信頼の下に、私たち国民の代表の議員は審議し、進めていかなきゃならない。その総務省に不信があったままで、これからの総務省の出してくる法案などを含めて、我々がそれを信用して審議できるのか、そこが問われている。  とすれば、もうあさってから地方税などについての質疑が始まるかもしれないというようなこともあります。だから、今日あしたにも発表できるもの、総務省の信用を取り返したいなら、それをすべきだと思います。今日あしたのうちにできる報告はあるのでしょうか。官房長。
  33. 原邦彰

    ○原政府参考人 お答え申し上げます。  大臣からも、適宜適切にその時点で明らかにできるものは明らかにせよという御指示もいただいておりますので、毎日毎日、刻一刻と変わる事情を踏まえながら、対応できるものについては対応してまいりたい、このように思ってございます。
  34. 岡島一正

    ○岡島委員 いずれにしても、信用できる官庁、総務省でなければ、信用できる法案の審議ができないという、そういったことが国民にとって大きな関心なんだということを是非お忘れなくいただきたい、迅速に対応していただきたいと思っているわけであります。  この今回の週刊誌報道であった谷脇総務審議官、吉田総務審議官、秋本局長、湯本審議官、このほかの、この四人のほかに調査対象となっている人、具体的に名前を挙げられる方はいらっしゃるんでしょうか。官房長。
  35. 原邦彰

    ○原政府参考人 お答え申し上げます。  今、相手方から、先ほどの四名以外についての事案についてもヒアリングを行っております。しっかりと精査した上で、しっかりと明らかにできる段階になれば、四名の方以外にいるかどうかも含めて明らかにしてまいりたいと存じます。
  36. 岡島一正

    ○岡島委員 もう一点だけ官房長に聞きますけれども、自浄作用として、相手方に問合せしなくても、自ら、そういったことに関与したことがあるとか、そういった情報を基に官房長のところに報告に来るという、自らのそういった報告をするような職員はいないんですか。
  37. 原邦彰

    ○原政府参考人 お答え申し上げます。  職員の不利益処分ということでございますので、そういった点も含めて、慎重に、正確に、かつ迅速に対応してまいりたいと存じます。
  38. 岡島一正

    ○岡島委員 今日は、人事院の方も呼んでおります。先ほどの原官房長の答弁の中にも、人事院と相談しながら調査を進めているということがありました。この四名の調査以外に、人事院として、こういうこと、こういう人、こういうものを調査すべきだと、この四人以外の対象者についてのそういった指導は、あるいは相談の答えをしているんでしょうか。人事院、どうぞ。
  39. 荒井仁志

    荒井政府参考人 お答えいたします。  総務省から、既に倫理法二十二条に基づく端緒の報告を受けまして、現在、総務省において倫理法及び倫理規程違反に係る事実関係調査が行われているところでございます。  一方、倫理審査会の方では、調査の内容、倫理法令の適用の適否等について、総務省が行う調査が厳正かつ公正に行われるように随時総務省と事務的に相談を進めておるところでございまして、調査結果の報告書が適切にまとめられますよう、必要な支援、指導等を行ってまいる考えでございます。
  40. 岡島一正

    ○岡島委員 今回の調査というのは、要するに、週刊誌で発覚した四名について、供応接待に関して、それを総務省内で調査をしているということでありますが、それ以外にも、どういったことがあったのか、どういった職員が絡んだのかということについて積極的に調査することは、とても自浄作用として大事だと思います。週刊誌が言ったから調べたという程度の話ではないはずだと思うんですね。その対応としてすべきは、総務省全体を洗い流す、丸洗いするということが必要なんだろうと思うわけです。  例えば、先ほど後藤議員がいましたけれども、二〇一八年のCS放送の業務の認定で、東北新社の囲碁チャンネルが総務省から特別扱いを受けたのではないかという事案も、我が党の後藤祐一議員の調査で明らかになりつつあります。  この件の発覚から見ても、菅総理の御長男の関わる接待問題などが総務省全体で起きていないのか、総務省全体を点検する必要はないのか、いわば総務省の自浄作用が問われている、この案件は。この四人だけが問われているんじゃない。総務省の自浄作用が問われている。原さんはそれは頑張っていると答えているけれども、それについて十分じゃないと私は見ている。  であるならば、ここで大臣にお聞きしますが、今回の四人以外の職員についても、どういうことが問題なのか、例えばCSの問題もありましたけれども、大臣の御認識調査すべきだと私は思うんですよね。例えば後藤議員が指摘している問題についても、これは倫理審査会にかける、かけない以前に調査すべきだと思うんですね。そういったことを含めて、四人以外のこういった問題について調査すべきだと思いますが、大臣の見解を教えてください。
  41. 武田良太

    武田国務大臣 御指摘のとおり、いかなる理由があっても、行政中立性公正性に対して国民疑念を招くようなことがあってはならない、これは当然のことであろうかと思っております。  総務省に対する責任、御指摘のとおりだと思います。こうした、不正が起こらない、再発防止策のまず一番重要なことは、やはりしっかりとした真相と事実解明を果たすことだ、このように考えておるわけでありまして、その旨を倫理審査会の方に指示をいたしているところであります。
  42. 岡島一正

    ○岡島委員 たしか、私が調べているところでは、総務省に倫理審査会はないと思います。倫理審査会は人事院で、総務省はチームを立ち上げるんですよね。違いますか。
  43. 武田良太

    武田国務大臣 私も審査会じゃなかったんじゃないかなと思って、言い間違えたんですけれども、倫理監督官は事務次官でありまして、その下にチームを編成しておりまして、そのチームに対して指示を出しました。
  44. 岡島一正

    ○岡島委員 このチームは、何かそういった供応接待など、あるいはそういった案件があったときに立ち上がるものであるというふうに認識しておりますけれども、私が言いたいのは、そういった対象の事案がなくても、やはり、こういったことがこれまで何年も、各省庁を入れれば起きている中で、自浄作用として常日頃からウォッチするという意識が大事だということを、大臣も共有していらっしゃると思いますが、そのことをどうしても申し上げておきたいと思うわけであります。  東北新社側の話ですけれども、これは大臣、もう既に調査は、菅総理の御長男は、調査チーム、事務次官以下は面会なりして調査を行ったのか。大臣、御存じですか。大臣が御存じかどうかをお答えください。
  45. 武田良太

    武田国務大臣 全てに対する調査を指示しておりますので、事務方から答えさせていただきたいと思います。
  46. 原邦彰

    ○原政府参考人 お答え申し上げます。  今回、会食に同席した方、菅正剛氏も含めてヒアリングを行ってございます。
  47. 岡島一正

    ○岡島委員 大臣、今、官房長がヒアリングを行ったと過去完了で言いましたね。その報告を大臣はまだ受けていない、あるいは受けている、どうでしょうか。
  48. 武田良太

    武田国務大臣 一つ一つの調査に対する報告を一つ一つ受けるということはございません。常日頃、例えば、今日はどういう日程、どういう調査をやるということについての報告は全て起きていますけれども、その中身について、日々、その時々に報告が上がるということはございません。
  49. 岡島一正

    ○岡島委員 報告が上がるということは、事実関係としては、こういうことをやるだろうことは知っていた。やったことは知っている。中身については、報告は最終的には受けていない、最終報告は受けていないということで。  しかし、大臣、私は思うんですよね、これは官僚任せでいい話なのかと。もちろん実務的に調査は官僚がすべきですけれども、しかし、その情報大臣が日々ちゃんと把握して、こういった問題について事務次官、監督官、管理官ですか、らと相談して、こういった方向性をちゃんと調べようと。こういった問題点があるんだったら、政治家も調べなきゃいけないかもしれない、もしかして当時の政務三役も含めて調べなきゃいけないとか、様々な指摘も、やはり官僚任せのままの調査でいいのかというところを、大臣、どうお考えですか。
  50. 武田良太

    武田国務大臣 調査項目というのは我々が勝手に決められるものではなく、まさに倫理審査会の方から、こういったことに対するということが来るわけですね。それに伴ってやるわけですけれども。  公平公正な調査ということを考えたときに、やはり政治の介入の仕方も非常にデリケートになってくると私は考えているんです。大臣である私がどうせいこうせいということを現場の方に一々言って、果たして公正さが維持できるかといえば、そういう保証もない。やはりここは、倫理審査会という組織の指導の下にしっかりとした公正な調査を心がけること、これに尽きると思います。
  51. 岡島一正

    ○岡島委員 大臣、基本的に、政治家の介入が、大臣もう御指摘のとおりなんですよね、御指摘のとおり。政治の圧力が行政にあり過ぎることはいかがなものか、それはいけないことですよね。  だけれども、政治家ではありますが、大臣以下政務三役の方は、総務省という行政組織の最終責任者です。会社でいえば、会長であったり社長であったり。それが正しいかどうかは別にしても、少なくとも、この組織の官僚がダイナミックに働けるかどうか、そういったものを保証し、間違いがあれば正していく、自らに間違いがあれば正す、まさに民間でいえば経営者です。単なる政治の圧力とは違う。大臣です。副大臣です。政務官です。組織の人間です。  だから、その調査について、きちんと報告を受けながら、日々指導もしていくことはおかしくないと私は思うんですね、少なくとも相談をすることは。  そんな中で、人事院に聞きますけれども、審査会、この項目は人事院が何を調べるか決めるんですか。私、昨日のヒアリングではそう聞いていません。端緒報告があったことを受けて、人事院の意見を言うというふうにしか聞いていません。  人事院、そこを言ってください。倫理審査会が調査項目を決めているんですか。
  52. 荒井仁志

    荒井政府参考人 お答えいたします。  具体的な調査項目につきましては、今般の事案に限らず、倫理法令違反の疑いがある職員や相手方事業者等に対しまして、倫理法令違反に係る調査への対策を講ずる機会を与え、また、その結果として、正確な事実把握を困難にするおそれもございます。  したがいまして、調査項目自体についての、中身についてはお示しすることはあれでございますけれども……(岡島委員「あれって。ちょっともう一回言い直して。調査項目の何。聞こえなかった」と呼ぶ)
  53. 石田祝稔

    石田委員長 すぐ答弁できますか。
  54. 荒井仁志

    荒井政府参考人 はい。
  55. 石田祝稔

    石田委員長 どうぞ。(岡島委員「ちょっと止めて、止めて」と呼ぶ)ちょっと待って。  答弁してください。(発言する者あり)  じゃ、時計をちょっと止めてください。     〔速記中止〕
  56. 石田祝稔

    石田委員長 じゃ、時計を動かしてください。
  57. 荒井仁志

    荒井政府参考人 調査項目に関しましては、総務省に対しまして、相手方事業者との職務上の関係や具体的な行為の事実関係等について速やかに調査するようにお願いしておるところでございます。それを踏まえて、現在、総務省において調査が進められておるものと理解をいたしております。
  58. 岡島一正

    ○岡島委員 そもそも二月二日に端緒報告が上がってきて始まるわけですよね。そもそも端緒報告に、こういった事案があった、こういったことを調べなきゃならぬという、総務省の自浄作用としての、こういった項目を調査していきますということも含めた端緒報告じゃないんですか。それを受けて倫理審査会としての意見を交わしていくというふうに私は昨日説明を受けました。それでいいですね。人事院、もう一度。
  59. 荒井仁志

    荒井政府参考人 調査項目につきましては先ほど申し上げましたとおりでございますが、調査の経過に伴いまして、事実関係の把握の観点から、必要があれば、調査主体である総務省において適宜必要な調査を追加していくことになるものと承知をいたしております。
  60. 岡島一正

    ○岡島委員 彼は今言いました、総務省で追加していくことになろうと承知していると言いました。つまり、総務省が自らの問題として、原さんを中心にして、自ら、この問題を扱うには何が問題か、課題かを整理して、そして対応していっているんだと。人事院はそれにアドバイスするんだという立場じゃないですか。であるならば、総務省としての判断で調査すべき問題を挙げていくことはできるということです。  そこで、大臣、私は思うんです。政務三役を含めた政治家が今回の問題でどう関わったのかということは全然問われていないですね。  ちょっとお聞きしたいんですけれども、今日は大臣ほか熊田副大臣、新谷副大臣谷川政務官、古川政務官、宮路政務官いらっしゃいますね。それぞれについて、短く、一言でもいいですから、これまでに、この今問題となっている、問題というか話題になっている菅総理の御長男、菅正剛さんと会食したことがありますか。大臣からお答えください。あるかないか。飲食をしたことがありますか。
  61. 武田良太

    武田国務大臣 ございません。
  62. 熊田裕通

    ○熊田副大臣 ございません。
  63. 新谷正義

    ○新谷副大臣 私も、ございません。
  64. 古川康

    古川大臣政務官 ございません。
  65. 谷川とむ

    谷川大臣政務官 ございません。
  66. 宮路拓馬

    宮路大臣政務官 私も、ございません。
  67. 岡島一正

    ○岡島委員 今、私は、時期も特定せずに、菅正剛氏と飲食したことがあるか、それぞれにお聞きしました。全員がないです。これは議事録に残ります。ないです。  そうした中で、秋本局長、それから湯本審議官に来ていただいていますけれども、じゃ、まず秋本さんから行きましょう。これまで、今の現職に限らずでもいいんですが、政務三役の誰かと菅正剛さんと同席して飲食を共にしたことがありますか、秋本さん。そこの一点だけ。
  68. 秋本芳徳

    秋本政府参考人 お答えいたします。  政務三役の方が同席する形で菅正剛氏と私が会食したことはございません。(岡島委員「では、湯本さん」と呼ぶ)
  69. 湯本博信

    湯本政府参考人 お答え申し上げます。  私も、政務三役の方が同席する形で菅正剛氏と飲食を共にしたことはございません。
  70. 岡島一正

    ○岡島委員 私が指摘したいのは、今回のような供応接待の問題などに当たって、マスコミが情報を出したから、マスコミが記事を書いたから、週刊誌が書いて発覚したから、その点にだけ調査するということではならないだろうということなんです。  先ほど申し上げました、大臣始め三役の方々、皆指導者です。責任者です。そして、官僚を含めて、様々にこういった問題が各省庁に何年にもわたって起きている中で、やはり、ニュースになった、スクープされたこと以外にもこういった問題があるのかないのか。しかも、官僚だけを対象じゃなくて、当時の責任者、今の責任者自らが、政治家として、自らを自浄作用を高めるために調査対象にする、そういった観点が私は絶対必要だと思うんです。  大臣、これについてどうお考えでしょうか。
  71. 武田良太

    武田国務大臣 先ほどから申し上げているとおり、一々、人から言われて自らを律するのではなくて、公務員としてやはりあるべき姿を全員が取っていくのが当たり前だと私は考えております。  今回、この事案が発覚して、審査会の方からこういった項目に対して調査しろというあれに応じた。それについては徹底的に、今まで国会議員活動を私も長くしていますけれども、資料を出して、報告書を出した後にまた違ったものが出てきて、逆に国会に迷惑をかけることをいっぱい見てきたんですね。急ぐことも大事だけれども、確かなものを出すこと、これの重要性というのも部下の方に私はさんざん言っているんです。再発防止を果たす上でも、ここは徹底的に事実究明を果たす、そのことが重要だと私は先ほどのチームの方に指示しておるところであります。
  72. 岡島一正

    ○岡島委員 是非、ニュースに出たその担当だけでなく、総務省全体としてそれを調査する、政務三役も含めて、そういった視点を持っていただければというふうに希望をいたします。  そうした中で、自浄作用の観点からいけば、東北新社について、二〇一八年のCS放送の業務の認定で、東北新社の囲碁チャンネルが総務省から特別扱いを受けていたのではないかという件です。この件も含め、菅正剛氏に官僚の誰が接待を受けていたのかという点を今、後藤祐一議員などが取り上げている最中でありますけれども、本質は、最終的に責任を持つのは政治家だという点だと思っているんです。菅総理の御長男が絡んでいるということが、そのCS問題と今回、これは共通項なんですね。  そうした中で、二〇一八年の囲碁チャンネルの認可をめぐる疑惑を、やはり政治家の圧力があっちゃならないと大臣おっしゃる。そのとおり。でも、総理、あるいは総務大臣総務省に強い政治家の御長男が絡んでいる案件なんだということを考えれば、大臣の姿勢からいっても、徹底究明しなきゃならぬというテーマなはずなんですね。であるならば、二〇一八年当時のCSの問題、許認可の問題も政務三役まで対象に含めて、だってそうじゃないですか、政治の圧力があっちゃいけないと武田さんはいつもおっしゃっている。そのとおりなんです。だったら、その当時のことも、役人だけじゃなくて、官僚だけじゃなくて、やはり政治家も、調査、あるいは事情を聞くなどのそういう対象にして調べるべきだと私は思います。大臣はいかがでしょうか。  CSの二〇一八年の問題についても、今回の件のみならず、政治家、政務三役も対象にして、そういったことがあったのかどうかを調べるべきではないかと聞いているんです。
  73. 武田良太

    武田国務大臣 その当時の政務三役がどなたか、ちょっと私も把握していませんが、とにかく、現在指摘されている調査項目というものを、すぐに私はこれを上げさせなければならない、このように思っております。  今委員からの御指摘も含め、再発防止策はどうあるべきか、このことに努めていきたいと思います。
  74. 岡島一正

    ○岡島委員 この点で申し上げたいのは、官僚を調査し、官僚がそういったことを、供応接待を受けていたということが分かればそれで終わりじゃなく、その最終責任者たる政務三役を含め、大臣を含め、そういった政治家の責任も問われている。何かあったら官僚を処分する、そして、政治家は一生懸命やりましたと言うだけで、官僚を切って、トカゲの尻尾切りをするというようなことを続けていてはならぬということを私は思っているし、大臣もそうお思いだと思います。その点について、是非お願いしたいと思っているわけであります。  もう時間がありませんので、あと一つだけ聞かせていただきたいんですが、コロナ禍ですから、大臣所信で述べておられました、コロナの問題で、救急、消防署、コロナの発熱患者と思われる人から保健所などに電話をしますよね、医者とか。そういったときに、それを手配する職員が足りなくて右往左往してしまう、救急搬送ができないという問題が起きています。  千葉県千葉市では、千葉市長の熊谷俊人市長が、これを、行政の壁を越えて、消防署の職員を保健所に、救急手配に慣れている職員を五名ぐらい入れているんです。  そういった事例を考えると、今日、厚生省の方も来ていますので、そういったことを工夫して、保健所のそういう救急搬送の手配に慣れていない人を助けるという仕組みを指導するようなことはできないんでしょうか。厚生労働省。
  75. 石田祝稔

    石田委員長 もう時間が来ていますから、短く答弁をお願いします。
  76. 宮崎敦文

    宮崎政府参考人 お答え申し上げます。  御指摘のような取組は、大変他の自治体においても参考になる取組だと考えております。保健所の業務の負担が軽減が図られるという点においても非常に参考になると思いますので、こうした取組を含めまして、参考となる好事例については収集、横展開をしてまいりたいとも考えております。
  77. 岡島一正

    ○岡島委員 総務省の方の消防庁の方もこういった問題について取組をやっていただけますか。一言だけお答えください。
  78. 山口英樹

    山口政府参考人 消防庁といたしましても、厚生労働省と協力しながら、参考となる事例について周知をしてまいりたいと考えております。
  79. 岡島一正

    ○岡島委員 ありがとうございます。是非進めてください。  質問できなかった厚生労働省の方もいらっしゃいますが、これで質問を終わります。自浄作用、よろしくお願いします。ありがとうございました。
  80. 石田祝稔

    石田委員長 次に、岡本あき子君。
  81. 岡本あき子

    岡本(あ)委員 立憲民主党の岡本あき子でございます。  初めに、私、二月十三日の深夜に福島県沖を震源とする震度六強の地震が発生しました。重軽傷者百五十名を超える方、被災された方全てにお見舞いを申し上げたいと思います。  大震災から十年でようやくというところだったときに、またという思いです。非常に落胆の思いを持っています。飲食店では、コロナで大幅に減収したところに、地震で食器やグラスが破損して、涙も出ないと言われています。  こういう状況の中で、初めに総務省接待問題から質疑をしなければならないことが本当に残念です。大臣リーダーシップをと、先ほども大臣、答弁されています。ちょっと、岡島議員の質疑のところで幾つか確認をしたいと思います。  大臣にお伺いしたいんですが、この事案、報道されたのが二月二日で、チームを立ち上げたのが二月九日と先ほど御答弁あったと思います。一週間かかっているんですが、私からすると、逆に一週間もかかったのかという思いで答弁を聞いておりました。  大臣としては、二日に事案が発覚して、九日まで、チームが立ち上がるまで一週間かかっているというこの点はどうお考えでしょうか。
  82. 原邦彰

    ○原政府参考人 事実関係にわたる面でございますので、私からお答え申し上げます。  二月二日に発覚をいたしました。すぐ大臣に御報告申し上げ、それから人事院にも、こういう事案があったので、すぐにしっかりと真相究明に入りたいということを申し上げました。  その後、具体的には、いろいろと週刊誌報道等もございまして、対応しているのは秘書課でございましたので、いろいろ、まさに国会に対する、ちょうど木曜日から予算委員会の基本的質疑が始まりまして、かなり昼間は秘書課全体でそちらの対応にされておりました。  そうした中、人事院の方から、先ほどもありましたが、こういう調査項目を調査しなさいという中で、いろいろと、例えば、五千人、職員全員に調査するような、いろいろなやり方があるものですから、そういう人事院の方からいろいろな御指示をいただいて、調査をまずどう設定するか、そういうのをまずいろいろやっているわけです。  したがって、調査自身は、当然、二月二日から着手しています。それから、事務次官をヘッドにして、大臣にも御相談しながらやっておりますが、チームという形で対外的に言えるような形をつくったのは九日でございますが、実態としては二日から、事務次官、大臣と御相談しながら、実質的にはチームの体制で取り組んでいたということでございます。
  83. 岡本あき子

    岡本(あ)委員 武田大臣は、二月二日からもう動き出したという話でした。大臣は、二月二日、それを受けて指示をされているということでしょうか。
  84. 武田良太

    武田国務大臣 週刊誌報道という、一方的なことが私の耳に入りました。それが実は本当かどうかというところもある程度確かめずに、チームを立ち上げろということというのは、またふさわしくないんじゃないかなと思うんですね。  ただ、私の方は、そうした動きがあるという端緒に関しては、その日のうちに倫理審査会の方に通告、通知をしなさいと。もう一個は、伴って、これに対する調査に入りますよと。ごめんなさい、さっき、端緒の通告になるのかな。通知。それと、調査に入りますよということの通知も、その日のうちに私は指示を出したんですね。  総務省内部の中の倫理監督官は事務次官でありますので、事務次官の方にも、すぐさま、ありとあらゆる手段を行使して徹底的に、これが事実なのかどうか、週刊誌内容というものが本当なのかどうかということをまずしっかりと調査を、本人に聞き取るなり対象者に聞き取るなりして調査をするようにということで指示を出したところであります。
  85. 岡本あき子

    岡本(あ)委員 週刊誌に載ったということで、事実確認というと、載った本人にまずは事実かどうかと聞くことが当然当たり前だと思います。これが二月二日には行われたということでよろしいんですね。
  86. 武田良太

    武田国務大臣 そのとおりです。  それは、まだその週刊誌が発売される前だったと思うんですね、二日の日は。週刊誌が市場に出回る、恐らく出回ったのは四日じゃなかったかなと思うんですけれども。そこのところの時間差は御理解いただきたい。
  87. 岡本あき子

    岡本(あ)委員 あと、先ほど原さんの方から、八名のメンバーで調査をしているという話がございました。次官、それから弁護士、秘書課含め八名ということでした。具体的にお名前を御紹介いただけますか。
  88. 原邦彰

    ○原政府参考人 監督官たる次官、それから官房長の私、秘書課長、それ以外は補佐以下でございますので、名前ということはちょっと控えますが、秘書課の服務担当の職員ということです。  ただ、八名は中心メンバーでございまして、今、秘書課を挙げて、秘書課は今七十名おりますが、国会対応も含めて秘書課全体でこの問題に取り組んでいるということでございます。
  89. 岡本あき子

    岡本(あ)委員 これは確認ですが、弁護士もいらっしゃると聞きました。これは、総務省の通常相談されている弁護士ということですか。私から聞きたいのは、ここに第三者という立場の人はいるのかどうか、その確認です。
  90. 原邦彰

    ○原政府参考人 総務省でコンプラ、こういう問題が起こったときに日頃相談させていただいている弁護士の方に、第三者ということで入っていただいております。  それから、第三者性ということになりますと、国家公務員倫理審査会に必ず報告し、御意見をいただきながら進めますので、国家公務員倫理審査会のメンバーの方は、裁判官の方を含めて経済界の方、学識経験者の方、国会の同意人事の対象になっている、そういう第三者のところでしっかりとチェックをいただくということになってございます。
  91. 岡本あき子

    岡本(あ)委員 コンプライアンスの担当の弁護士ということで、総務省の中の調査に関しては、内部の調査という位置づけと私は思います。可能な限り本当は第三者を入れるべきじゃないかと思っています。  大臣にお答えいただきたいんですが、昨日の予算委員会のときの今井議員の質問で菅総理が答弁をされているんですが、ルールに基づいて、透明な形で総務省でしっかり対応してほしいと思いますという御答弁がありました。私、この透明な形というのは非常に重要なんだと思います。しっかり調査するという御答弁を再三いただいているんですが、透明な形でという部分、総務大臣としては、どういう形で取り組んでいる、あるいは取り組もうとしている、あるいは今まで取り組んだ、この点、お答えいただけますか。
  92. 武田良太

    武田国務大臣 それは紛れもなく、法令に基づく手続にのっとってやるということだと思います。
  93. 岡本あき子

    岡本(あ)委員 私は、ちょっと違うんじゃないかと思っています。いずれにしても、国民疑惑を招いているということが一番問題になるんだと思うんですね、もし抵触するとすれば。国民疑惑を招いているかどうか。  私、週末に地震がありまして、地元で避難所とか自主防災活動に加わっておりました。安全のためにエレベーターが停止して、高層マンション、二十階、三十階の安否確認の手伝いをして、私も階段で三往復させていただいてもう足が今ぷるぷるなんですが、その中で言われたのが、被災した地域では、深夜に町内会が安否確認したり、学校の先生とか市の職員が避難所の準備をしたり、懸命に活動しているのに、国の役人は緊急事態とか不要不急以外、出かけるなという中で接待を受けて会食している、国会のやり取りを見ているとがっかりするという声をいただいています。  また、残念ながら、国会での答弁を伺っていると、森友、加計、桜に続いて、官邸への忖度とか身内をかばうような、誠意が見えない答え方が続いている、そんなのらりくらりと答弁を繰り返す暇があるんだったら、瓦が落ちている、雨漏りがする家のブルーシートがけでも手伝いに来てほしい、そういう声をいただいているんです。  これは、透明性が見えていないから、総務大臣、しっかりやるとはおっしゃっています、内部的には確かにしっかり頑張ろうとしているのかもしれないんですが、国民からすると、この問題、隠しているように見える、あるいは、内部で、閉じた形でまずは引き延ばしをしようとして見えている、こういうふうに見えているということ自体が問題なんだと思います。  先ほど、調査項目の中で、四名に関しては、会食の接待を受けたのか、お土産の問題、タクシーについて、これは本人と相手方にヒアリングをされたと伺っています。この点は終わっているんでしょうか。週刊誌に載っている項目で、会食の接待を受けたのか、お土産をもらったのか、タクシーの提供を受けたのか、本人それから相手方、これのヒアリングは終わったんでしょうか。
  94. 原邦彰

    ○原政府参考人 お答え申し上げます。  ヒアリングはもちろん行っておりますが、いろいろと双方の主張にそごがある、そういうところもございますので、そういうところをしっかりまた精査して、改めて分析をし、また必要に応じてヒアリングを行う、こういう、ヒアリングをやっている途上ということでございます。
  95. 岡本あき子

    岡本(あ)委員 そごというのは、具体的にどういうことですか。
  96. 原邦彰

    ○原政府参考人 調査途上で具体的に申し上げるのは、そこはなかなか難しいところでございますが、例えば、いろいろ御指摘いただいている金額の問題ですとか、そういうのをしっかりと、領収書と証拠書類を見ながらチェックをして精査しております。その辺りが多少ずれているというようなことも、例えばということでございます。
  97. 岡本あき子

    岡本(あ)委員 金額は、それこそ領収書、それから振り込んだ金額、明らかなんじゃないんですか。そこが、どちらが間違っているかなんて、逆に分かり得るんじゃないかと思うんです。請求書とか領収書、会計書類、確認作業をしていると先ほど御答弁されておりましたが、そういうことが事実と違っているのであれば、御本人が言った、相手方の方が言った、でも、書類として残っているものと違うのであれば、どこが違っているかなんてすぐ分かるんじゃないですか。
  98. 原邦彰

    ○原政府参考人 お答え申し上げます。  これは、私ども、相手方はある意味、倫理規程の違反というのは任意に調査をさせていただいているところでございます。だから、余り権限に基づいて、お願いベースでいろいろやっておりますので、そういうところを踏まえながら、今しっかりと精査をしているということでございます。
  99. 岡本あき子

    岡本(あ)委員 今の御答弁を伺うと、相手方の方にそごがあるというような受け止め方、御答弁のように聞こえますが、内部の、官僚の皆さんのところではそごはないということですか。
  100. 原邦彰

    ○原政府参考人 お答え申し上げます。  いずれにしても、適宜適切に、ある程度明らかにできる段階になりましたら、それについては申し上げているというところでございまして、金額については引き続き精査をしているということでございます。
  101. 岡本あき子

    岡本(あ)委員 いずれにしてもの前のところがよく分からなかったんですけれども、今の御答弁を聞いていると、事実は明らかなんじゃないかと思います。  もう一点、ちょっと確認したいんですが、私、秋本さんをお呼びしていないので、もし御本人じゃなきゃ答えられないというのであれば、次の方に質問、確認してもらいたいと思うんですが、御答弁で、東北出身者の懇親会という色彩が強かったという御答弁がありました。これは、ほかの三人も同じものだということなんでしょうか。ここを御確認ください。
  102. 原邦彰

    ○原政府参考人 お答え申し上げます。  まず、谷脇総務審議官でございます。会食の目的は、内外の情報通信市場の動向等についての意見交換というふうに聞いております。  それから、吉田総務審議官、親睦を図るためということを聞いております。  それから、秋本局長は、昨日答弁があったとおり、東北出身者ということの懇談会ということでございます。  それから、湯本審議官は、忘年会として参加したというふうに聞いてございます。
  103. 岡本あき子

    岡本(あ)委員 それぞれということですね。  私、この秋本さんのお答えだけ聞いても、東北出身者の懇親会で、菅正剛氏自身は東北の出身ではないんですね。お父様は東北の出身ですが、御本人は多分横浜で育っているんじゃないかと思うんですが、親が東北出身又は本人が出身の関係者ということは秋本さんも答えていらっしゃいます。これは、いわゆる正剛氏はお父様が東北出身者という意味での懇親会という立場で参加をされていたということになりますが、ここの点もお答えください。
  104. 原邦彰

    ○原政府参考人 秋本局長に、懇親会に同席した木田由紀夫氏、それから菅正剛氏、それから秋本自身の本人又は親が全員東北出身者だったというふうに聞いております。
  105. 岡本あき子

    岡本(あ)委員 菅正剛氏に関しては、親が東北出身者、その親は現総理。結局、親御さんのつながりで東北ゆかりの方という位置づけに秋本さんが思われたということは、お父さんの存在があるんじゃないかというのは明らかじゃないかと思います。また、もしそうじゃなかったとすると、東北新社の社員として東北ゆかりの人間として参加したといえば、東北新社の会社というつながりで参加をしたということも明らかだと思います。  一方、相手方にも伺ったと先ほど聞きましたけれども、相手方は、参加の目的は、この四回、それぞれどういう目的で参加をされたとヒアリングではお答えになっているんでしょうか。
  106. 原邦彰

    ○原政府参考人 まだヒアリング途上でございますので、一つ一つつまびらかにはまだ明らかにできる段階ではございませんが、基本的には、そういう年末の会合ですとか、そういう通常の意見交換というようなことを皆さんおっしゃっていたというふうに承知してございます。
  107. 岡本あき子

    岡本(あ)委員 意見交換という中身、総務省取組情報をいただきたい、秋田の湯沢の灯籠祭りがどうなっているのかという話題のために集まったとはとても思えないんですけれども、意見交換という意味の目的というところは、やはり、国民疑惑を招くという意味ではかなりシビアに見なきゃいけないんだと思います。  武田大臣に伺いたいんですけれども、先ほど、岡島議員に対する原参考人の答弁では、まずこの四名のことについて調査をする、それ以外に、ほかの事業者に違反がないのか、ちょっと間違っていたらおっしゃってくださいね、あと、総務省の中の四名以外にもいないのか、これらの調査をしなきゃいけないという御答弁があったと思います。  まずはこの四名に関して、この四名に関しては、総務大臣としては、いつまでに調査をして報告をしろという指示をされていらっしゃいますか。
  108. 武田良太

    武田国務大臣 与えられた調査課題というものにしっかりと取り組んで、できる限り早く、ただ、そこで確かなものを作り上げなければならないと私は思っております。今の段階、まだ調査中でありますので、今の段階で私がいつと申し上げることは正直言ってできないわけであります。
  109. 岡本あき子

    岡本(あ)委員 今私申し上げました、まず四名のことについての事実確認、それ以外にも、例えば東北新社さん以外の事業者で何かあるのかどうか、あるいは四名以外の方についても確認をしなきゃいけないとおっしゃっています。  私、これは段階が必要だと思うんですね。満遍なく、ほかの事業者も全部、四名以外も全部、四名も一緒に、これを同時並行で全部やろうとするには、普通、調査という形でいくと、まず、この四名をしっかり事実確認を取って相手方の確認も取る、ここで問題がある、ないというところの一定の判断。さらに、四名以外どうなんだろう、あるいは東北新社さん以外の総務省に許認可を受ける事業者に似たようなことがないのか、あるいはこれの関わりでないのかというのは調べるというのは当然あってしかるべきと思いますが、まずは四名のことを調べろ、次に例えば四名以外を調べろ、あるいは東北新社さん以外の事業者を調べろ、こういう、普通、調査であれば、何でもかんでも満遍なく、各自、分かる範囲で調べてこい、それを上げてこいということはないと思うんですが、そういう組立てというのはされていらっしゃるんですか、大臣
  110. 武田良太

    武田国務大臣 冒頭指摘があった二月二日の時点で、こうした事案が、その当時としてはまだそういった週刊誌も発売されていませんので、こうした情報があるということで、管理官である事務次官に徹底した調査をというのと、あわせて、審査会の方には、端緒の報告と、あと、調査に入りますよという通知をしたんです。そのときは、その事案に関わった当事者、内容に関しての端緒報告と通知をしたわけでしょう。  ただし、ほかの今御指摘の事案に関しても、これは重要な問題なので、これもしっかりと取り組んでいかなくてはならぬと私は思っていますけれども、この報告書に関しては、端緒報告した内容は、今回の事案の報告を、これを早くまずは提出していかなくては、全て、先生御指摘の、ほかのものも全部どんどんどんどんやっていけと、それが、例えば今この事案に関するいろいろな調査実態調査の時間をちょっと奪うような形になっても問題があると私は思っているんですね。  ただ、御指摘のように、先ほど岡島先生からも御指摘あったように、総務省に対する信頼を回復していかないかぬということは、これは当然のことであって、徹底的にやはり直さないけぬところは直さないかぬわけですから、私としては、しっかりとした真相究明、事実究明、実態究明をやっていきたい、このように考えております。
  111. 岡本あき子

    岡本(あ)委員 まず、週刊誌に載った、結果からすると、十月七日、十二月八日、十二月十日、十二月十四日、この四日間での四名に関する件、これは当事者の方、相手方、毎日毎日ヒアリングするわけでは、お互いに人権もありますし、お仕事の尊重もあるので、毎日毎日ということではないんだと思うんですね。逆に、そうであればなおさら、区切りを決めて、しっかりとここまでに必要な調査を集中的に行う、こういう必要性があると思います。  武田大臣、是非、まずは、ここまでの日に、そこまでに出ているものをちゃんと報告してこい、そういうことはされないんですか。しっかりしっかりということをおっしゃっていますけれども、どこまでできたらしっかりというのか、それすら、言葉で、しっかりという言葉の定義自体がなされていないので、一定程度、一週間単位に報告を出すのか、例えば、今月中、二月末までには一つの報告を出せ、そういうようなことをされるべきだと私は思うんですが、いかがでしょうか。
  112. 武田良太

    武田国務大臣 これは、やはり、この調査結果が一人一人の処分につながる問題なんですね。それで、大臣たる私が、いつまでに結論を出せと、時ありきでやってしまったときに、その時点までの調査結果が結論になってしまえば、その後に出てきたことの真実というものは全部打ち消されてしまうわけです。  ですから、私も、先生と一緒に、一刻でも早く、これは早く出すべきだということで、相当な、現場に対しては、現場は私のプレッシャーを物すごく感じていると思うんですね。しかし一方で、絶対に間違った報告だけは国会に提出することだけはまかりならぬということも私言っているんです。  ですから、いつまでにということ、これを決めろということは、今の段階では私はコメントをすることはできないわけです。
  113. 岡本あき子

    岡本(あ)委員 何一つ間違いないかどうかということ自体も、これはいつまでたっても分からないと思うんです。逆に言うと、追加調査だって当然必要になる部分というのはあると思うんですね。  ただ、一つは、やはり今月中に一つのまとまりを大臣の判断でする。更に追加調査が……(武田国務大臣「僕の判断で」と呼ぶ)内部調査ですから、大臣のところに報告がまず来るんですよね。(武田国務大臣「事実関係なしに」と呼ぶ)
  114. 石田祝稔

    石田委員長 いや、大臣、ちょっと。  どうぞ。
  115. 岡本あき子

    岡本(あ)委員 再三、私たち、予算にも影響する、それから総務省信頼にも及ぶものなので、予算委員会の採決の前までには明らかにせよということは言っております。そこは努めていただきたいと思いますし、ただ、最終的に何一つ間違いない状態にまでして持ってこいと言われたら、それこそ調査チームの方が何をもって、その後に何一つ新たな事実が出てこない、そんな保証なんてどこにもないじゃないですか。逆に言うと、一定の報告を受けて、その上で当然人事院とも相談して、追加の報告が必要なのか、あるいはほかの事業者、あるいは四人以外をどこまでやっていくのか、そういうものの段階が必要なんじゃないかと思います。  これは何か月も何か月もかかることも想定するという考えですか。
  116. 武田良太

    武田国務大臣 時期に対する予断というのは、これは避けなければならないんだと私は思います。ただ、先ほど申しましたように、これは処分につながる問題なので、ただ大臣の決断でこれをやればいいという問題でもないと思うんですね。やはり徹底した事実というものをしっかりと積み上げてきて、そしてそこを、証拠もあるでしょうし、記憶に基づく証言もあるでしょうし、そうしたものをしっかりと整合性を見出した上で、この処分についても、倫理審査会、これは倫理審査会の了承を求めなければ前に進まない問題でありますので、倫理審査会の了承をいただけるように我々としては全力で取り組んでいく、そのことだと思います。
  117. 岡本あき子

    岡本(あ)委員 再三申し上げておりますが、やはり予算の採決にも影響を及ぼすものだということは十分心に置いて、私たちからすると、やはり一つの区切りという目標を設けた方がいいですし、あと、総理がおっしゃっているように、透明性、これは、国民に対しての透明性というところは是非頭に置いて取り組んでいただきたいと思います。  残り時間僅かなので、ちょっと私からは一点、地震に関して確認をさせていただければと思います。  資料四ですが、福島県沖を震源とする、会見、総理がおっしゃっています。ここで、津波の心配はありませんと十三日の深夜に総理がおっしゃいました。しかし、結果からすると、資料四の二を見ていただければ分かるんですが、赤線を引いております、石巻港で〇・二メートルなど、津波を観測したとなっております。  これは、実際、津波は起きたんでしょうか。済みません、気象庁に今日お越しいただいておりましたので、お答えください。
  118. 森隆志

    ○森(隆)政府参考人 お答え申し上げます。  この地震につきまして、気象庁では、地震発生直後の二十三時十一分に、この地震により、日本の沿岸で若干の海面変動、海面変動というのは災害のおそれがない範囲での津波という意味でございます、若干の海面変動があるかもしれませんが、被害の心配はありませんという情報を発表いたしました。  その後、実際に観測された津波の高さは、宮城県の石巻港等四か所で〇・一メートル又は〇・二メートルでありまして、これによる被害は報告されていないものと承知しているところでございます。
  119. 岡本あき子

    岡本(あ)委員 これは、気象庁の発表で、各県や自治体もそれに信頼を置いて、自治体の災害対策本部で発表しているんですが、この津波の心配がないという言葉と津波による被害の心配がないという言葉は、私、非常に重たい違いがあると思うんです。これは消防庁にも伺ったんですけれども、気象庁の判断だということで、結果からすると、私は、総理の今回の、透明性を確保しろはすごく評価をするんですが、ちょっと、国民を安心させるがために逆に疑念を抱くような表現があるということをとても心配しています。  資料四の一で、津波の件もそうです、その下に、原発、全て正常と書いていますが、実はプールの水があふれていた。影響はないという意味と全て正常という言葉は全く異なるんですね。こういう総理の言葉に、国民を安心させようとして、結果として、いや、津波があったじゃないかと。地元では、逆に、いや、総理、津波はないと言ったのにうそを言ったのかというような誤解を招くことになりますので、この件については、閣僚の一人として是非武田大臣には、総理の発言は重いということを何かの機会で伝えていただければと思います。  あと、消防庁から発災直後、被災地に職員を派遣していただいたと思うんですが、どういう状況だったのかお知らせください。
  120. 山口英樹

    山口政府参考人 お答えさせていただきます。  消防庁では、今回の地震発生を受けまして、直ちに消防庁長官を長とする災害対策本部を設置し、震度五弱以上を観測した都道府県、市町村、消防本部と連携し、被害情報の収集を行いました。  震度六強を三か所で記録した福島県においては、高速道路上の土砂災害が報告されるなど甚大な被害が見込まれたことから、県の災害対策本部と一体となって被害状況の早期把握、県外からの消防の応援受入れの調整等を行うため、二月十四日午前二時に福島県庁へ消防職員五名の派遣を行ったところでございます。  派遣職員は、早朝に到着後、県の災害対策本部に入り、消防庁との連絡調整などの活動に当たったところでございます。
  121. 岡本あき子

    岡本(あ)委員 消防庁の派遣はもう既に引き揚げたと伺っております。  私、東京に来て思ったんですが、思ったより被害がなくてよかったね、安心だねというような声をかけていただきます。ただ、防災科学研究所ですか、だと、宮城県の山元町では震度七レベルの揺れがあったという報告も、起きておりまして、今着々と被害報告が上がってきております。一段落ということではなく、これから様々な被災状況が上がってくることには是非全庁挙げて取り組んでいただきたいということを申し上げます。  最後に、今、東北、北海道に暴風雪警報が出ております。ちょっと御答弁いただけないと思いますが、除雪費用についても、三分の二の保証と、プラス臨時特例措置をと求めさせていただきますし、特別交付税、総務省ですけれども、今までの雪も当然特別交付税措置、御考慮いただきたいと思いますし、これから荒れるこの暴風雪、しっかり見て、必要な自治体の支援をしていただきたいということを申し上げ、質問を終了させていただきます。  ありがとうございました。
  122. 石田祝稔

    石田委員長 次に、松田功君。
  123. 松田功

    ○松田委員 立憲民主党の松田功です。  質問機会をいただき、ありがとうございます。それでは、質問をさせていただきたいと思います。  もう数多く、仲間の議員の方からも質問をたくさんさせていただいております。本当に残念な質問ばかりで恐縮です。本当に、是非こういったことがないように、切に思っております。この接待疑惑について、私の方からも質問をさせていただきたいと思います。  今のところ、お答えをいただいている谷脇総務審議官、吉田総務審議官、秋本局長、湯本大臣官房審議官が昨年接待を受けた日付、タクシーチケット、贈答品の受領の有無のみです。我が党の森山議員が会食費、会食場所、会食に要した時間についてお尋ねをしております。精査中とのことでした。予算委員会の方で質問させていただいております。  その後、どこまで調査が進み、また、吉田総務審議官は、今回問題になっている二回の会食以外にも複数回会食したと調査に対してお答えをされておられますので、それ以前の会食についても調査は行われておりますでしょうか。お答えください。
  124. 原邦彰

    ○原政府参考人 お答え申し上げます。  本件については、これまでの国会からの御指摘も踏まえ、迅速かつ正確に調査を行うよう大臣からも御指示を受けているところでございます。先ほど申し上げましたとおり、その時点で適宜適切に、明らかにできることは明らかにしてまいりたいという基本的なスタンスで臨んでございます。  ただし、事実関係の確定には証拠と確認を幾重にも積み重ねていく必要があり、ある程度やはり正確性ということで時間がかかることには御理解をいただきたいと思います。  例えば、本人記憶だけが頼りになるようなケースでは、客観的な証拠はもっとないのかということも精緻に検証していかなければなりませんし、その都度、また相手方とか関係者への確認作業が生じることがございます。正確な調査を行うには、どうしても時間がかかる面がございます。  また、これも先ほど私申し上げましたが、相手方が民間企業でございまして、法令で強制力を持った調査を行うことができません。したがって、あくまで協力要請という形でお願いしております。先ほどもありましたが、会社の中ならすぐ持ってこいとかと言えますけれども、なかなか、相手、そういうところでございますので、窓口でありますコンプライアンス担当の役員さんを通じて、民間企業の当事者の業務の都合を確認しながら、ヒアリングあるいはいろいろ追加の御質問等を行っている、こういう状況でございます。  さらに、国家公務員倫理審査会の確認に堪え得る厳正な調査とするためには、関係法令の解釈あるいは調査方法等について審査会の事務局とも密に連携を取りながら、丁寧に確認をしながら進める必要がございます。  いずれにしても、繰り返しになりますが、慎重かつ丁寧な扱いが求められますが、一日でも早く調査が行えますよう、調査に当たっている大臣官房、私も、土日も含めて、休日返上で今作業を行っており、しっかりと迅速にやってまいりたいと思います。  それから、吉田総務審議官、二回、御本人の御記憶では二回と先日御答弁させていただきました。御本人記憶ですと、それ以前にも木田氏と複数回会食を行ったというふうな御記憶があるようでございまして、これを更に検証するためには、何といっても、やはり相手方からのヒアリング、それからいろんな書類等々も見ながら、それから国家公務員倫理審査会の指導も受けながら、今、速やかに事実関係を確定しながら、しかるべき対応を行っていきたい、このように思ってございます。
  125. 松田功

    ○松田委員 審査をしている、土日も返上してということも言っておられます。本気で、当事者も含めた中で問題がないということであるならば、もっとスムーズに回答も出てくるのではないかというふうに思いますし、調べる中身も、実際、会食した、タクシーチケットもらった、贈答品もらった、またその会費等々ということ。逆に、それ以外に何かあるのかということも思えてきてしようがなくなるのですが、その辺についてはいかがでしょうか。
  126. 原邦彰

    ○原政府参考人 お答え申し上げます。  本件調査の項目は、会食、それからお土産、それからタクシーチケットの費用、それからその負担者といった行為の内容、それから、相手方事業者との間の許認可、補助金の交付、文書による行政指導といった、職務上の関わりがあったかといった具体的な事実関係や、それから、四名の総務省職員について、今回問題となった事業者以外の者との間で倫理法違反と疑われるような事案がなかったのか、それから、今回問題となった事業者について、四名以外の総務省職員との間にも倫理法違反と疑われるような事案がなかったかなど、今御指摘ありましたが、今回問題となった事案以外のものがあるかどうかについても、総務省職員、相手方事業者に対して調査を行っております。  それから、手法は、これも繰り返しでございますが、本人、相手方、それぞれからのヒアリング。それぞれのヒアリングを受けると、微妙に、例えばさっき申し上げたそごが、例えば日付とかそういうのが違いますと、じゃ、それぞれ今残っているやつを出してもらえませんかと。こういった証拠書類の確認、あるいは請求書、領収書、レシート、社内経理書類の写し、これはあくまでも民間企業の御協力という前提でございますので、それから案内メールの写し、こういったものまで確認をしてございます。  そして、加えて、国家公務員倫理審査会の指導もいただきながら、可能な限りしかるべき対応をしてまいりたい、今こういう状況でございます。
  127. 松田功

    ○松田委員 民間企業の御協力というような表現になっているので、非常にちょっと複雑な思いになっているところなんですね。確かに、疑惑がなければ、問題がないというところをお伝えしたい部分もあるかもしれませんが、そのことを今精査をされているところだということを多分お答えになられると思いますし、また、その会話の内容が重点であるし、また、それに対して忖度が生まれるということが非常に問題となっている状況であります。  その意味において、民間企業側の発言、行動、現状が重要であるとやはり考えざるを得ません。その意味において、東北新社また菅正剛氏の聞き取りをされたというふうに先ほど岡島議員の方の質問に対して答えられたと思いますが、それは間違いございませんか。
  128. 原邦彰

    ○原政府参考人 お答え申し上げます。  先ほど御答弁申し上げたとおり、今回の事案に、既にもう御答弁申し上げている会食に同席した者、この方々につきましてはヒアリングをさせていただいてございます。
  129. 松田功

    ○松田委員 その東北新社、菅正剛さん、また私たちが知らないほかの方にも聞かれたかもしれませんが、その聞かれた、調査された中身をお聞かせいただけますでしょうか。
  130. 原邦彰

    ○原政府参考人 お答え申し上げます。  まさに精査の途中で、まだいろいろと分析をする必要があるものがございますので、しかも、相手方にこういうものを公表するよということも御了解いただきながらいろいろ明らかにする必要がございますので、現時点で予断を与えるようなことについては、ここは具体的には申し上げられないということでございます。
  131. 松田功

    ○松田委員 チケットの負担者のことについては聞かれましたでしょうか。先ほど言われたというふうでありますけれども。会食代、タクシー、お土産代。先ほど答えられたというふうに伺っていますが。
  132. 原邦彰

    ○原政府参考人 今御指摘があったことについては、必要な事項についてはヒアリング等で聞いてございます。
  133. 松田功

    ○松田委員 それだけちょっと答えられるのならほかも答えられるような気がするんですが、いかがでしょうか。
  134. 石田祝稔

    石田委員長 ちょっともう一度詳しく言ってください。
  135. 松田功

    ○松田委員 ほかにも聞いたことを答えることは可能だと思いますが、いかがでしょうか。具体的に。
  136. 原邦彰

    ○原政府参考人 先ほど御答弁申し上げましたが、飲食の具体的な日時、場所、それから参加者、それからお土産、それからタクシーチケット、お支払い、それから今回の四名以外にもそういう事案がなかったのか、こういったことを確認している、こういうことでございます。
  137. 松田功

    ○松田委員 その回答について、今、具体的なことは、多分、精査中だから答えられないということでありますが、お伺いした中で問題があるというふうに少し認識されたかどうか、お聞かせいただけますか。
  138. 原邦彰

    ○原政府参考人 これも先ほど申し上げましたが、一つ一つということではございませんが、印象としますと、通常の親睦会といいましょうか、意見交換という形の会食であったというのが現時点での私の印象でございます。
  139. 松田功

    ○松田委員 ちょっと大臣にお伺いしたいんですが、この今の話を聞いた中で、昨年の十二月の十四日、十二月十日、十二月四日等々に会食をされている日時があります。不要不急の外出は控えてください、また、地方で働いている自治体の職員皆さんも、コロナにかからないようにできるだけ会食を控えたり、そういうことをすごくされているというのを現場でも私は聞いております。  そんな中、今の話の内容の中で、どうしても会食をしなきゃいけないようなふうに大臣は思われますでしょうか。いかがでしょうか。
  140. 武田良太

    武田国務大臣 いずれにせよ、国民から疑念を抱かれるような行動を取る、これは私はいけないことだと思っています。
  141. 松田功

    ○松田委員 やはり普通の感覚でいうと、この時期はやめましょうというので、非常にみんな我慢をしている国民が圧倒的な部分だと僕は思っているところであります。しかしながら、やはり総理の息子さんであったりとかという形になると、現場では断り切れない部分で、非常に難しい状況にあるのか。いや、はたまた、ふだんからコンタクトを取っているので、それの延長線上な形で懇親をされているのか。  調査の流れの中で、そういった雰囲気はどういうふうに捉えられておられますでしょうか。
  142. 原邦彰

    ○原政府参考人 お答え申し上げます。  少なくともこちら側については、非常にそういうことは反省すべきというような印象を持ってございました。
  143. 松田功

    ○松田委員 その反省すべきという形に、皆さんが反省されているという延長線上でもあるかもしれませんが、皆さんのその思われている意識と国民全体の意識のかなりのずれ、それは認識はされているのかということをお伺いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
  144. 原邦彰

    ○原政府参考人 お答え申し上げます。  先日、秋本局長の方でも国会で御答弁されましたが、そういう時期にそういうことで非常に反省しているということですから、そのほかの方も皆同じような認識でいるというふうに思います。
  145. 松田功

    ○松田委員 地方自治体の総括を総務省の方が担っている部分からすると、大臣、本当に地方自治体に示しがつかない、また、それも接待疑惑が起きている状況であります。是非そこは、本当に襟を正す以上に、しっかりと審査もしていただきたい、捜査をしていただきたいと思います。  私、ここで大臣が非常に苦慮しながら答弁しているのは、黒川さんの問題のときに、同じように賭けマージャン問題のときに非常に答弁に苦慮して、私たちは、いろいろ中の内部情報を出していただいて審査をしっかりしようよとかいうことも言っていたのが、なかなか出してもらえなかった。時間もかかって、なかなか出なかった。  そういった形で、非常に私たちも真摯に受け止めて、しっかり審査をしていきたいという中でありますから、先ほど岡本議員の方からもありました、菅総理自身が、透明性を持って挑んでいく、透明性を持った形でということを言われている中であれば、早くやっていただくこともそうですし、また、調査項目、今現在の調査項目自体を是非挙げていただきたいなというふうに思うのですが、いかがでしょうか。
  146. 原邦彰

    ○原政府参考人 お答え申し上げます。  調査項目については、先ほど来御答弁申し上げていますとおり、会食、お土産、タクシーチケットの費用やその負担者といった行為の内容、それから、相手方事業者との間の許認可、補助金の交付、文書による行政指導を行うなどといった、職務上の関わりがあったかといった具体的な事実関係や、四名の総務省職員について、今回問題となった事業者以外の者との間の倫理法違反が疑われる事案がなかったか、今回問題となった事業者について、四名以外の総務省職員との間にも倫理法違反と疑われるような事案がなかったか、今回問題となった事案以外のものがあるかについても、総務省職員及び相手方事業者調査してございます。  その手法は、先ほどから申し上げますが、本人、相手方、それぞれのヒアリング、そしてそれをまた分析して、更に疑問点があれば更にいろいろ照会をかける、それから証拠書類の確認、そういったものを、いろいろ書類の事実関係の精査を行う、こういう形で行ってございます。
  147. 松田功

    ○松田委員 証拠書類を集めるのに時間がかかるのと、認定をしていく、それに対して処罰等々にされるのかどうかも含めた中で、その要件を見るのに時間がかかるというふうに大臣も先ほどお話をされておりました。しかしながら、岡本議員の方からも言われておりますように、予算委員会内で結論が出るように。  やはり、市民一人一人から見ても、何かすごく、何か隠しているというのは、先ほども出ていましたが、意識はどうしても持つ。それを払拭するために総務省自らがそれを行わないと、地方自治体も同じようなことが起きないようにする意味で取組を進めていく意味では、スピード感あるものが非常に重要かと思われます。  多分、同じことを聞けば同じように返事をされると思いますが、僕は、法務委員会のときに、所属していたときにも、黒川さんのときの話で、大臣が一生懸命答えられている姿を見たときも思いましたけれども、一生懸命取組をされておりますが、今求められているのはスピード、スピード感だというふうに思っておりますので、スピードを是非上げるように、大臣の方からも促していただきたいというふうに思っております。  これについては、答弁は結構でございます。  それでは、次の質問に移らせていただきたいと思います。  住民直接請求制度について質問をさせていただきます。  愛知県の大村秀章知事のリコール、解職請求運動をめぐり、県選挙管理委員会に提出された署名が、四十三万人のうち、実に八三%が不正なものであるとされました。愛知県選管は、県内六十四選管に提出された署名の大部分に不正が疑われるとして、地方自治法違反での刑事告発、昨日出したということであります。  住民直接請求制度は、住民の意思を反映させる大切な制度であります。今回の調査結果は、直接民主制を揺るがす重大な問題だと思います。八割以上もの不正が疑われてしまうような事案は特異であると思います。だからこそ、この大切な制度であります住民直接請求制度を御理解いただくためにも、また、このような事案が起こらないようにするためには、原因究明し、実態解明を徹底することが必要であります。  今回の場合、必要署名数に満たなかったわけですから、本来であれば署名を返却することになっていたはずです。しかし、今回は、選管が不正を見つけたという案件です。人口の多い都市では必要署名数が集まらないことは多々あり、それを見越して名簿を集めるということも可能になっています。こういった問題を解決するには、必要署名数を見直すとか、必要署名数に満たなくても署名をチェックするとか、署名を返却しないなど、いろいろ考える必要があると思います。  リコールの乱発も署名活動の悪用もされないようにしなければなりませんが、何より、住民の自治的監視の権利も守らなければなりません。  武田大臣、この問題の本質をどのように捉えられておりますでしょうか。また、今後の対応をお聞かせください。
  148. 武田良太

    武田国務大臣 御指摘のとおり、極めて特異性というか、本当にこんなことがあったのかと、私自身も驚くような事案なんですけれども。  直接請求制度というのは代表民主制度を補完する重要な制度となっており、これを侵すということは許されないことだと私は思っております。  先生は、本事案についての対策ということで、こういう御指摘がありましたけれども、我々の調査によると、昨日、県選管が愛知県警本部の方に告発状を提出したという事実がございます。こうした捜査に予断を与えることは避けなければなりませんので、この場においてはコメントを差し控えさせていただきたい、このように思います。
  149. 松田功

    ○松田委員 なかなか今、告発されたということで、昨日、まさにそういうことになりました。  私は、市民の大切な権利を脅かすようなことはあってはならないと。それは大臣も思われていることと思います。それをまた利用するような形になってもいけないというふうに思っております。  また、新聞で出ました、記載を下請業者に依頼して、時給幾らでということまで記事が載っているのも出ておりました。佐賀県の方で何か書かせていたというような記事であります。そこまでしなきゃいけないことも含めてですけれども、それにはお金もかかっています。  つまり、こういった、本当に市民一人一人が積み重ねて行っていくものを、そういった、組織的なのかどうか分かりません、また、お金を使って署名を書かせるというような、こういったものの制度であってはならないということは大臣も思われると思いますが、いかがでしょうか。
  150. 武田良太

    武田国務大臣 この民主主義制度というものを確立する上で重要な制度を侵すということは言語道断なことであると私は認識をいたしております。
  151. 松田功

    ○松田委員 この後は、また警察の方やいろいろなところで調べが入ることかと思います。本当に情けなくて悲しい限りな状況にならないことを祈っておりますけれども、実態解明については、是非総務大臣の方からも力強く、協力をしていただくように促していただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。  それでは、次の質問に移らせていただきます。  菅政権の目玉政策の一つであるデジタル庁、その行政デジタル化について質問をしたいと思います。  行政デジタル化を徹底することによって、行政サービスの質の向上や業務の効率化を図るとのことですが、例えば、今回、コロナ対策支援、自分はどのような支援を受けることができるのか分からない、手続が煩雑で無理などの申請を諦めるケースがあった事業者や個人への経済支援について、スムーズにフォローができるシステムとなりますでしょうか。  イギリスでは、受給対象者が送られてきたメールのリンクをたどって国民保険番号などの情報を入力すれば、六営業日以内に支援金が振り込まれるというプッシュ型の支援を行っていたということですが、政府は、この行政デジタル化によってどのような行政サービスができるようになるとグランドデザインを描いておられるのか、お答えいただきたいと思います。
  152. 武田良太

    武田国務大臣 まずは行政の効率化と行政サービスの利便性の向上というもの、これを追求していかなくてはなりませんし、先ほど十二月に閣議決定されたと申しましたけれども、基本方針には、誰一人取り残さない、人に優しい、こうした社会をつくり上げていくということを目標に掲げているわけであります。  とにかく、国民が望んでいる行政サービスというものを実現することが大事だと思いますし、デジタル化の利便性というのを一人一人の全ての国民が実感できる、そうした社会をつくっていかなくてはならないと思います。この新たな日常の構築に向けて、積極的に取り組んでまいります。
  153. 松田功

    ○松田委員 偉大な構想だと思っておりますし、大臣も、しっかり進めたいということでおられると思います。  その中で、少し問題点も考えられると思います。  一つは、政府の体質というか考え方的なものでありますが、先日、基礎年金額に上乗せされる振替加算をめぐり訴訟がありましたが、厚労省は、事務処理ミスを認めながらも、再通知、再調査をしないとしております。  自分から訴えた人のみ救済するというやり方を取っている政府に個人情報を託したとして、国民のための行政サービスの向上につながるのか、十分に責任が果たせるのか疑問ということであります。  もう一つには、こちらが重要かと思いますが、地方分権に対する政府の考え方です。  何が言いたいのかというと、今回のコロナ禍で、うまく連携の取れない医療、介護、福祉、教育など混乱した自治体の現場があり、自治体による対応の違いをデジタル化することにより国が統一しようとしているんだと思います。  確かに、国が主導して責任を持つ法定受託事務がスムーズに運ぶことは重要であります。しかし、デジタル改革の一つ、自治体システムの標準化は、各自治体独自のそれぞれの住民に合わせた制度を削り、統一させることになりませんか。  自治体独自にカスタマイズされたシステムを標準化させるということは、その独自性を削除することになると思いますが、そういう捉え方をしてしまいますが、よろしいでしょうか。
  154. 高原剛

    高原政府参考人 御答弁申し上げます。  自治体の情報システム標準化についてでございますが、第三十二次地方制度調査会の答申では、住民基本台帳や税務など、法令等で多くの事務が定められており、創意工夫を発揮する余地が比較的小さく、標準化の必要性が高い事務に関して、一定の拘束力ある手法で国が関わることが適当であるとしております。  また、それを踏まえまして、先般、法案を提出させていただいたわけですが、その法案の中でも、地方が独自給付とかを行うときは、その部分については必要な標準システムを改変できるといったような規定も入れさせていただいておるところでございます。  以上でございます。
  155. 松田功

    ○松田委員 若干独自仕様を残していく部分ということもあるというふうに考えられるんですが、そうすると、発注コストが下がらず、若干非効率が残り、住民サービスの改善が不十分になるという可能性が残されているのではないかというふうに思われます。  今日はもう、ちょっと質問時間がなくなってしまいましたので、引き続きこの問題に取り組んでまいりたいと思いますが、やはり、市民、住民あってこその自治でありますので、効率的になることもそうですし、また安全面、セキュリティーの問題等々、数多くまだデジタルにははらんでおりますので、引き続き進めてまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。  質問、ありがとうございました。
  156. 石田祝稔

    石田委員長 次に、櫻井周君。
  157. 櫻井周

    ○櫻井委員 立憲民主党・無所属の櫻井周です。  本日も総務委員会質問機会をいただきまして、ありがとうございます。  早速でございますが、質問に入らせていただきます。  通告しておったのは四つ、大項目で通告させていただいておりますが、この順番について、ちょっと随時入れ替えて質問させていただきます。  まず最初にちょっと、ワクチン接種の自治体での状況について、一点だけまず先に質問させていただきます。  といいますのは、この週末、うちの地元の神戸新聞に記事が載っておりまして、予防接種、これから医療関係者が始まるということではあるんですが、その中で、病院の中で、全員接種だ、そういう通知があった、そういうことが記事に載っておりました。  ワクチン接種については、接種するかしないかは国民自らの意思に委ねられているものであることを周知することということ、そして、ワクチン接種をしないからといって不利益扱いは決して許されるものではない、これは、昨年秋の臨時国会で予防接種法等の改正をするときに、附帯決議で一番目それから二番目にわざわざ付したことでございます。  であるにもかかわらず、そうしたことが徹底されていないという状況があるようでございます。  特に、医療現場で働いている方、いろいろいらっしゃいますが、例えば、妊娠されている方、妊娠しているかもしれない方、そういった方については、法律でも努力義務すら課されていないわけでございます。これは、事前の治験の段階で、妊婦さんについての治験というのは十分でない、安全性が確認されていない、どうなるか分からない、もしかしたら安全かもしれないけれども、安全でないかもしれない、どっちか分からないという状況なので、こうした取扱いに法律上もなっているわけでございます。  にもかかわらず、全員接種ということを職場で通知があるということになりますと、これはやり方として間違っているということになります。  そこで、厚生労働省にも本日来ていただいておりますので、まず確認をさせていただきますが、こうした事案があるのかどうなのか、厚生労働省として把握をしているのかどうか。また、附帯決議の内容について実施現場に改めて周知徹底をして、確認していくことが必要だというふうに考えますが、いかがでしょうか。
  158. 宮崎敦文

    宮崎政府参考人 お答え申し上げます。  ワクチンの接種につきましては、委員指摘のように、有効性や安全性を国が分かりやすく発信をいたしまして、そのような情報を踏まえて、国民皆様が自らの判断で受けていただくということが大変重要であると考えております。  また、御指摘のように、接種を強制することですとか、接種の有無によって不利益な取扱いを行うことは全く適切ではないというふうに考えております。  御指摘の点につきましては、報道があることを承知しておりますし、先ほど御紹介ございましたように、さきの臨時国会における附帯決議なども踏まえまして、こうしたことのないように、副反応や効果を含めて、科学的知見に基づいた正確で分かりやすい情報を発信し、厚生労働省のホームページあるいは総理官邸のホームページでも特設サイトが設けられておりますけれども、こうしたルートも活用しながら、改めて周知を図ってまいりたいと思っております。  医療従事者の方々への接種が始まるに当たりまして作成いたしましたリーフレットにおきましても、御本人の同意が必要であるということ、そして強制されるものではないということ、職場や周囲の方などに接種を強制したり、強引に勧めたりすることがないようにしてくださいという内容を記載をいたしまして、周知をしてまいりたいと考えております。
  159. 櫻井周

    ○櫻井委員 是非よろしくお願いいたします。  特に医療関係、病院でもクラスター感染ということが確かに発生していて、だからこそ、ワクチンの重要性というのも、これは一方として非常に重要な観点としてあります。他方として、それぞれ個人の方、事情もあるわけですから、そしてなかなかそのことについて言えない場合もあるわけですから、このことについてしっかりとやっていただきたい。特に、先行する病院でこうした、全員接種だというようなことを強制されることが発生しないように、是非ともよろしくお願いいたします。  続いて、実は私、立憲民主党の中でワクチンの接種に関するプロジェクトチームが立ち上がりまして、そこで事務局長を仰せつかっているので、地方自治体に関連するワクチン接種について様々質問させていただきたいと思って準備はしておったんですが、その前に、先ほど来同僚議員が質問させていただいておる、菅総理御長男、菅正剛さんと総務省幹部との違法接待疑惑についてやはり質問せざるを得ません。ちょっとこちらの方に先に移らせていただきます。  そもそも、行政がゆがめられたというのは、よその省庁でもこうした話が、言葉が出てきたことはございました。今回も行政がゆがめられたのではないのか、そういう疑惑がかかっているわけです。  特に、今回発生した事案では、デジタル、それから情報通信、まさに、コロナ感染症のさなか、またその後に我が国で非常に重要になってくる、経済なり社会を更に発展させていくための鍵になる、こういう分野で行政がゆがめられたのではなかろうか、こういう疑惑が出ているわけでございます。  即刻こうした疑念は払拭されなければならない。これがぬれぎぬということであれば、それは即刻明らかにしていただくべきでございますし、また、そういったことがあったというのであれば、すぐに処分をして再出発するべきでございます。  特に、今、通常国会真っ最中ということで、先ほど来同僚議員が申し上げているように、予算審議をやっている、ゆがめられた行政で作られた予算案だったら、これは到底賛成することはできません。また、情報通信デジタル分野、関連する法案、たくさんこれから審議をしていくことになろうかと思います。そうした法案についても、ゆがめられた行政の中ででき上がったそうした法案であっては、これもまた審議にならないわけです。ですから、早く結論を出していただきたい、そういう思いで質問させていただいております。  そこで、まずお尋ねをいたしますが、谷脇康彦総務審議官、それから吉田眞人総務審議官、秋本芳徳情報流通行政局長、湯本博信大臣官房審議官については、菅正剛氏との会食、既に認められておるというところでございます。つまり、行政がゆがめられたということの疑念がかかっている真っ最中なわけでございますが、この四名の方々、これは総務省の中でお仕事はどうされているんですか。通常どおり業務をされているんでしょうか。
  160. 原邦彰

    ○原政府参考人 お答え申し上げます。  通常業務をしているというふうに承知してございます。
  161. 櫻井周

    ○櫻井委員 いや、これは通常業務していていいんですか。だって、行政はゆがんでいるかもしれないんでしょう。ゆがんでいるかもしれない人が行政をやっていたら駄目じゃないですか。ゆがんだまま、そのままどんどん行っちゃうんですか。いいんですか、それで。  大臣、ちょっとこれ、本人、ちゃんと疑惑解明されるまで通常業務やっちゃ駄目でしょう。どうですか、大臣
  162. 武田良太

    武田国務大臣 まずは、放送行政自体がゆがめられているとは一切考えておりません。  今、その四名については、実態調査を徹底的にやらせていただいておるわけであります。私は、そのチームに対して、一刻も早く、可能な限り早く出すように指示を出しております。
  163. 櫻井周

    ○櫻井委員 ちょっと今の大臣の答弁はおかしいですよ。だって、さっきまで、予断を持って判断しないとずっと言っているじゃないですか。予算委員会でもそうやって答弁されていますよね。今、ゆがめられたことはないと予断で結論を出しちゃっているじゃないですか。今の答弁、撤回された方がいいんじゃないですか。
  164. 武田良太

    武田国務大臣 公務員倫理法、公務員倫理規程の議論を先ほどまでやっておりました。
  165. 櫻井周

    ○櫻井委員 例えば、昨日の予算委員会で、大臣出席されておりましたけれども、私もパネル持ちで出席しておったんですが、今井議員からの質問の中で、この菅正剛氏、まさに総務省、放送に関する許認可の利害関係者に当たるということで、予算委員会の中で確認をさせていただいておるんです。  ということは、更に言うと、刑法上の贈収賄の可能性すらないわけではないわけですよね。そういうところにつながるかもしれない。だから、行政はゆがんでいないという結論を今の段階で出せないじゃないですか。
  166. 武田良太

    武田国務大臣 関係法令に従って粛々と、行政法令については進められてきたということを私は申し上げたいわけであります。
  167. 櫻井周

    ○櫻井委員 いやいや、だから、行政がゆがめられているかもしれない、公務員倫理に反する、それはまさに、行政がゆがめられているかもしれないから、昔、かつて、何でしたっけ、ノーパンしゃぶしゃぶでしたっけ、財務省がそういったこともあって、銀行行政、金融行政がゆがめられた、大いなる反省の下に、そういうことがないように公務員倫理の規則が決められたわけですよね。  今回もまた、ノーパンしゃぶしゃぶではないけれども、かなり高級な料亭で会食がされたのではないのかということで疑惑がかかっているわけですよ。行政がゆがめられちゃったかもしれない。その方が通常業務をやっている。これはまずいですよ。まずいですよ。まずいので、これはちゃんと、はっきりするまで業務は一旦外れてもらうのが筋だと思うんですが、どうですか。
  168. 原邦彰

    ○原政府参考人 事実関係にわたるところがございますので、ちょっと私から御答弁させていただきたいと思います。  まず、この件、今、行政がゆがめられているという御議論がございました。そこのところは、まず、谷脇総務審議官については、当日の東北新社との会食の中で具体的な事業が話題に上ったことはないと思うというふうに発言しております。それから、吉田眞人総務審議官、これも、東北新社の事業が話題に上ったことはないと思うというふうに言っております。それから、秋本局長、これも、東北新社の事業が話題に上ったことはないと思うというふうに言っております。それから、湯本審議官、東北新社の事業が話題に上がったことはないと思うというふうに言っております。  加えて、先ほど私申し上げましたが、相手方からもこの点については確認したところ、先ほど申し上げたとおり、通常の意見交換あるいは親睦ということであったというふうに承知してございます。  事実関係は以上でございます。
  169. 櫻井周

    ○櫻井委員 こちらが聞いたときには詳細についてお答えいただけないのに、調査中だと言ってお答えされないのに、一旦業務から外れてください、疑義があるんだからと言ったら、突然、都合のいい部分だけつまみ食いしてお知らせいただいたということで、これはまた不可解だなというふうにも思いますが、せっかくですから、まず、ちょっと網羅的にお聞かせいただきます。  先週の金曜日、予算委員会で後藤議員が質問されまして、その中で、職務権限が発生する場合として、特に菅正剛さんに関連するところで申し上げると、まず、認定基準を作成したとき、すなわち、囲碁・将棋チャンネルについては、二〇一七年の夏頃に放送の認定の基準が作成されております。この二〇一七年の夏頃が一つです。それから、囲碁・将棋チャンネルの認定を受けるときについて、これは二〇一八年の春頃になりますけれども、それまでの期間、これはまたまさに職務権限が発生をしているとき。それから、放送権を更新するとき、スター・チャンネルについては二〇二〇年の秋頃に五年に一回の更新の時期があったということで、こうした時期に職務権限が発生した。  それぞれの、職務権限が発生した、職務権限を持っている方々について、網羅的にちゃんと調べるべきだということで、これまで同僚議員も質問させていただいておりますが、一応、念のため確認をさせていただきます。  特に、大臣、副大臣、政務官、政務三役ですね、それから官房長、情報流通行政局長、大臣官房審議官のうち情報流通行政局担当、それから情報流通行政総務課長、情報流通行政局放送政策課長、それから情報流通行政局衛星・地域放送課長は、まさに許認可に関係する部署というふうに理解をさせていただいておりますので、それぞれのポストにいた方、この三つの時期、先ほど申し上げた三つの時期にそれぞれのポストにいた方、菅正剛氏と会食したかどうか、きちっと調べるべきだというふうに考えますが、これについて調べていただいている最中という理解でよろしいでしょうか。
  170. 原邦彰

    ○原政府参考人 お答え申し上げます。  先日の国会の御議論を踏まえまして、文春報道の四人以外に東北新社関連の放送番組に係る認定事務等を担当していた、これは先日、秋本局長から申し上げましたが、ラインは、情報流通行政局長、それから情報流通行政局担当の大臣官房審議官、それから担当課は衛星・地域放送課長でございます。この経験者たる総務省職員については、東北新社それからBS事業者との会食の有無については調査をしたい、このように思ってございます。
  171. 櫻井周

    ○櫻井委員 この調査については、食費が、会食の費用ですね、これが幾らだったのか、支払いはどうなっていたのか、プレゼントを受け取ったのかどうなのか、それから、タクシーチケット、帰りの交通費を工面してもらったのかどうなのか、これも全部調査の対象になる、こういう理解でよろしいでしょうか。
  172. 原邦彰

    ○原政府参考人 御指摘いただいた点を含めて調査の対象になるというふうに承知してございます。
  173. 櫻井周

    ○櫻井委員 名前が現時点で挙がっていない方についてまで通常業務から外れるべきだとは申しませんが、少なくとも、既に疑義が上がっている、また、菅正剛さんについては、倫理規程上の利害関係者に該当するという疑義があることは否定できないと昨日答弁されていますよね。ですから、いろいろ問題がある可能性が残っているわけですよ。それは、記憶にないと言って、これまでの国会審議の中で、森友学園でも、記憶になかったのが全部記憶に出てきたりとか、あと、桜を見る会の疑惑でも、記憶になかったりとか勘違いした答弁で、勘違いだと言っていますけれども、本当にそうなのかどうか分かりませんけれども、百回以上の虚偽答弁があったりとかいうようなことがあったわけですよ。  ですから、本当に、思っているという程度で、しかも、記憶にないとか、記憶になくても、実は会食していましたとかいうことは後から出てくるのではないのか、そういう可能性だって十分あるわけですよ。本当に、ばしっと言い切っているわけでもないわけでしょう。ですから、通常業務からは外れてもらうべきだということを改めて申し上げます。  その上で、今日は秋本局長にも来ていただいております。連日御答弁でお疲れさまで申し訳ないんですが、他方で、やはりちゃんと、疑念がぬれぎぬだというんだったら、全て明らかにして、そして早くきれいさっぱりと、すがすがしい気持ちで業務に戻っていただきたいという思いで質問をさせていただきます。  タクシーチケットを受け取ったというふうに、報道、承知をしておりますけれども、このタクシーは、どこからどこまで乗って、代金は幾らかかったんでしょうか。
  174. 秋本芳徳

    秋本政府参考人 お答えいたします。  その使用金額、区間も含めて、大臣官房の服務、倫理担当の方で、相手先企業、東北新社様に対して確認中でございます。  私は調査を受ける身でございますので、その調査に真摯に対応させていただきます。
  175. 櫻井周

    ○櫻井委員 いやいや、別に、それぐらい言ったって、何も影響ないでしょう。  多分、普通に考えれば、お店のある場所、銀座だったのかどこだか存じ上げませんが、都内のどこかで会食をされて、それからおうちまで帰ったと。まさか、何か二軒目も行ったとかそういうことではないと思いますので。だったら、その区間で、そんな隠し立てするような話じゃないと思いますよ。  それから、プレゼントは受け取ったんでしょうか。何をもらったのか、幾らぐらいするものだったのかも教えていただけますか。
  176. 秋本芳徳

    秋本政府参考人 お答えいたします。  贈答品については、受領いたしました。  相当する金額については、総務省大臣官房の服務、倫理担当の方で、相手先企業、東北新社様に対しまして確認中でございますので、この場で私から申し上げるのは控えさせていただきたいと思います。
  177. 櫻井周

    ○櫻井委員 プレゼントについては、幾らぐらいのものかというのは素人目には分からない、よっぽど値札がそのままついていれば話は別ですけれども、それは分からないかもしれないです。ただ、食費については、これは返金したというふうにお答えされていますけれども、幾ら返金されたのか、誰に返金したのかについてはお答えいただけますか。
  178. 秋本芳徳

    秋本政府参考人 お答えいたします。  事後に確認できる範囲での額をお支払いしております。  ただ、その事後に負担した金額及び支払った方法が妥当だったかどうかも含めて、大臣官房の服務、倫理担当の方で、相手先企業、東北新社様に確認している最中でございます。  私、調査を受ける立場でございますので、私からその詳細を述べるのは控えさせていただければと思います。
  179. 櫻井周

    ○櫻井委員 いやいや、妥当かどうかを聞いているんじゃないです。幾ら払ったか、返金したのか、それは銀行振り込みか何かでされたんですか。されたんだったら、どこか相手先の口座番号か何かを入力しないといけないでしょう。それを聞いているんですよ。妥当かどうかを聞いているんじゃないんです。それぐらいは答えていただけるでしょう。
  180. 秋本芳徳

    秋本政府参考人 お答えいたします。  調査主体である大臣官房の服務、倫理担当の方で特定すべき事実関係について調査途上で公にすることで予断を与える、また、相手先企業、東北新社様にかえって迷惑になるということも考えられますことから、現時点で私から数字をお示しすることは控えさせていただきたいと思います。
  181. 櫻井周

    ○櫻井委員 いや、それはないでしょう。だって、別に、事実なんだから。しかも、ATMの振り込みの紙等が残っていたら、もう動かぬ事実なわけですから。通帳を見れば分かるでしょう。だから、それは別にいいじゃないですか、出したって。何の調査にも影響しませんよ。  それから、秋本さん、少なくとも四回、菅正剛さんと会食をされているということで、二〇一六年の二回、それから二〇一九年の一回、これについては当日に会食費を確認して現金で支払ったというふうに昨日答弁されていますが、これはそれぞれ幾らお支払いされたんですか。
  182. 秋本芳徳

    秋本政府参考人 お答えいたします。  先方との間で、当日のうちに先方に私の負担額をお聞きして現金でお支払いしたというところまでは確認をしております。  その際に負担した金額については、ちょっとこの場では、私自身、調査を受け、今後懲戒処分を受ける立場でございます。全体を通じて判断されると伺っておりますので、この場で私から数字をお示しすることは控えさせていただきたいと思います。
  183. 櫻井周

    ○櫻井委員 あと、それから、昨年十二月十日ですね、菅正剛さんと会食をされておりますが、どういった用件で会われて、そしてどのような協議をされたのか、これについても御説明をお願いします。
  184. 秋本芳徳

    秋本政府参考人 お答えをいたします。  昨年の十二月十日に会食に及びました際には、同席者のお一人でございます木田様からお声がけをいただきまして、日程調整の結果、十二月十日に会食に及びました。その際に、菅正剛さんも同席するということをお知らせいただきました。  会合の趣旨は、忘年会といいますか、本人又は両親のうちいずれかが東北出身者の懇談会ということで、十二月十日の会食を持たせていただいた次第でございます。
  185. 櫻井周

    ○櫻井委員 懇談会、忘年会、これは去年の十二月十日ですよね。まさに、菅総理が、そして西村大臣が勝負の三週間と言っていたど真ん中ですよね。不要不急のこうした会食はやめてください、こういう話だった中でわざわざされたんですから、よっぽど重要な協議を行ったんじゃないんですか。そうじゃないんだったら、与党の議員は離党とか、あと議員辞職しているんですよ。どんな重要な協議をされたんですか。
  186. 秋本芳徳

    秋本政府参考人 お答えいたします。  協議事項というのは特にございませんでした。  勝負の三週間の最中に会食に及んだという点は、私自身、反省しております。
  187. 櫻井周

    ○櫻井委員 今日は湯本審議官にも来ていただいているかと思いますが、湯本審議官、来ていただいていますよね。  ちょっと同じ質問をさせていただきますが、タクシーチケットを受け取ったということで、タクシーはどこからどこまで乗って、代金は幾らでしたか。
  188. 湯本博信

    湯本政府参考人 お答え申し上げます。  当日、会合でタクシーチケットは受け取りましたが、使用しておりません。
  189. 櫻井周

    ○櫻井委員 では、タクシーチケットはもらったけれども使わなくて、電車で帰った、こういうことですか。そのタクシーチケット、使わなかったのはどうしたんですか。
  190. 湯本博信

    湯本政府参考人 後日返却いたしました。
  191. 櫻井周

    ○櫻井委員 返却された場合にはすぱっとお答えいただけるんですよね。それ以外のことは、だって、これだって事実関係というか相手方のある話だから、いや、返却したかどうかとか、相手は受け取っていないとかいう話になるかもしれないところを、本当は答えていいのかどうか分からないですけれども、湯本審議官は正直に答えていただけるので、では、プレゼントは受け取ったかどうか、何をもらったか、幾らぐらいするものだったのか、こちらも併せてお答えください。
  192. 湯本博信

    湯本政府参考人 当日、贈答品に関しましては受領しております。  その内容、相当する金額等につきましては、現在、総務省大臣官房で全体を精査中だとお聞きしておりますので、ちょっとこの場での私からの御回答は控えさせていただければと思います。
  193. 櫻井周

    ○櫻井委員 いや、タクシーチケットは返したってはっきりおっしゃるのに、もらったプレゼントについては何も言えない。これはちょっとおかしいですね。  食費は幾らかかったんでしょうか。
  194. 湯本博信

    湯本政府参考人 お答え申し上げます。  当初、出席者の中に利害関係者がいないと認識しておりましたが、後日、今般の取材を受ける過程で出席者の中に利害関係者の可能性がある方もいるということが判明いたしましたので、まずは確認できる範囲の負担というのを事後的にいたしました。  その内容の詳細につきましては、先ほど申し上げたとおり現在調査中でございまして、私自身、調査を受ける立場でございますので、詳細につきましてはお答えすることはできませんが、いずれにいたしましても、私の方といたしましては、調査には真摯に対応させていただければと思います。  以上です。
  195. 櫻井周

    ○櫻井委員 自分にとって有利になる話はされて、不利になる話については調査中だからといって答弁を避けるということになりますと、疑念は全然解消されないんですよね。  先ほど、冒頭申し上げましたけれども、やはり疑念が解消されないうちは業務から外れていただいた方がいいんじゃないですか。外れていただかなきゃいけないんじゃないですか。総務行政がゆがんでいる状態でこのまま突き進んでしまったら、それこそ後で、いやいや、それこそ大きな問題だ、刑法に反するようなことになったということになれば、これは大問題ですよ。  先ほど、昨日の予算委員会の審議でも、重ねて申し上げますが、利害関係者に該当する可能性があるわけですから、そのことは、可能性があるというか、そのものずばりだと思うんですよね。  総務省は、放送事業について許認可権を持っている。それから、株式会社囲碁将棋チャンネルは放送事業を行っている者に該当します。菅総理の御長男、菅正剛さんは株式会社囲碁将棋チャンネルの取締役である。だったら、もうずばり利害関係者ですよ。そういった方と一万円を超えるような会食をされていた、そしてごちそうになっていた。ごちそうになったということは、まさに贈収賄の利益供与に当たるということも昨日の予算委員会で確認をされております。  そういう状況の中なわけですから、一旦ラインから離れていただく、業務から離れていただく、だからこそ早く解明してくださいと申し上げているんですけれども、大臣、いかがですか。
  196. 武田良太

    武田国務大臣 本当に、疑念を与えたということは申し訳なく思っています。この疑念を払拭させるためにも、徹底した調査を必要としております。御理解いただきたいと思います。
  197. 櫻井周

    ○櫻井委員 いやいや、それは、ちゃんと正しい調査をやってもらわなきゃいけないんですけれども、過去にこうした類似の案件で調査をやって、こんなに時間はかかっていないですよ。かかったのもありますけれども。  少なくとも四名の方については、特に名前が挙がっているわけですから、早く、そんな、二週間三週間あったらできることだと思いますよ。過去に、大体ほかの案件ではそうなっているんですから。早くやってくださいよ。是非お願いいたします。  ということで、時間になりましたので、私の質問はこれで終わらせていただきます。
  198. 石田祝稔

    石田委員長 この際、休憩いたします。     午前十一時五十分休憩      ――――◇―――――     午後二時四十三分開議
  199. 石田祝稔

    石田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。本村伸子君。
  200. 本村伸子

    ○本村委員 日本共産党の本村伸子です。  本会議に続き、よろしくお願いを申し上げます。  この委員会でも、福島県沖の地震の被害に遭われた皆様に心からのお見舞いを申し上げたいというふうに思います。総務省としても全力で被災地の皆さんに寄り添って支援をしていただきたいということも、強く求めておきたいというふうに思います。  武田大臣は、所信表明演説の中で、先ほども御紹介がありましたけれども、総務省幹部職員の行動について、国民疑念を招く事態に関し、大臣としておわびを述べられておられます。総務官僚の接待問題というのは本当に総務行政信頼を失う重大事態だというふうに考えております。  この点について引き続き伺っていきたいというふうに思いますけれども、予算委員会あるいは先ほど来の議論の中で名前が挙がっている谷脇総務審議官、そして吉田眞人総務審議官、秋本局長、そして湯本審議官、この四人の方の十二回の会食が明らかになっております。  かなり会食が繰り返されてきたというふうに思いますけれども、先ほどもちょっと議論があったんですけれども、それ以前の会食というのはないのかという点といつからの関係かという点、総務省がつかんでいる点、お示しをまずいただきたいと思います。
  201. 原邦彰

    ○原政府参考人 お答えいたします。  先日、予算委員会でも御指摘があり、御答弁申し上げたのは、現時点で判明しているということで、谷脇総務審議官は三回の会食、吉田眞人審議官は二回の会食、それから秋本局長が四回の会食、それから湯本審議官が三回の会食。それ以外の会食については、先ほども御答弁申し上げたとおり、相手方等からも聞いておりまして、現在精査をしているという状況でございます。  それから、知り合った経緯ということでございますけれども、菅正剛氏ということ……(本村委員「はい、そうです」と呼ぶ)そうしますと、谷脇総務審議官は、記憶していないということでございます。  それから、吉田眞人総務審議官は、菅総理が総務大臣当時、平成十八年でありますが、政務秘書官をしていた頃知り合ったということでございます。  それから、秋本局長は、これは先日本人が御答弁されていますが、木田由紀夫氏を介して平成二十七年以降に知り合ったということでございます。  それから、湯本審議官は、菅総理が総務大臣当時、先ほどと同じ平成十八年、政務秘書官をしていたとき知り合ったということでございます。  以上でございます。
  202. 本村伸子

    ○本村委員 ありがとうございます。  今日は、更に事実解明をしていくという点で、接待を受けた総務省の谷脇審議官、そして吉田審議官、秋本局長、そして湯本審議官、そして総務省出身の山田内閣広報官、直接質問したいということで答弁をお願いしたんですけれども、先ほど来そうですけれども、秋本局長そして湯本審議官しか来ていただけなかったということで、引き続き、今日来ていただけなかった方については、この総務委員会にも来ていただいて、是非審議をしていただきたいというふうに思いますので、委員長、是非呼んでいただきたいと思います。
  203. 石田祝稔

    石田委員長 理事会で協議します。
  204. 本村伸子

    ○本村委員 秋本さんと湯本さんの方にお伺いをしたいというふうに思います。  東北新社の関係者、そして菅総理の息子さんである菅正剛氏との関係なんですけれども、予算委員会でも明らかになったわけですけれども、秋本さんは二〇一六年から会食四回、湯本さんは二〇一九年から会食三回ということが明らかになっております。  先ほどもお話がありましたけれども、もう一度御本人の口から、いつからの関係なのかと、先ほど来、四回、三回とありますけれども、それ以外に全くないのかという点、御本人からお示しをいただきたいと思います。
  205. 秋本芳徳

    秋本政府参考人 お答えいたします。  私が菅正剛氏と知己を得ましたのは、会食の場にも同席しておられました木田由紀夫氏の紹介によるものでございまして、平成二十七年、二〇一五年以降に知り合いましたということでございます。
  206. 湯本博信

    湯本政府参考人 お答え申し上げます。  私の方は、先ほど官房長からもお話がありましたとおり、菅正剛氏と知り合った経緯につきましては、菅総理大臣総務大臣時代、菅正剛さんは政務秘書官をやっておりまして、その頃知り合ったということでございます。
  207. 本村伸子

    ○本村委員 秋本さんについては、昨日の予算委員会の中で、菅正剛氏と二〇一五年以降に名刺交換をさせていただき、知り合うことになったということですけれども、いつ、どんな会合だったんでしょうか。
  208. 秋本芳徳

    秋本政府参考人 お答えいたします。  会合ではなく、木田由紀夫氏と菅正剛氏が総務省の私の執務室においでになって名刺交換をしたというふうに記憶しております。
  209. 本村伸子

    ○本村委員 どんな話合いをされたんでしょうか。
  210. 秋本芳徳

    秋本政府参考人 挨拶にとどまり、名刺交換して、お互いの所属先、現時点ここに所属して仕事しているということの挨拶を交わしたというふうに記憶しております。
  211. 本村伸子

    ○本村委員 それ以降は、二〇一六年の七月に会食をされているかと思いますけれども、その間は何も接触がなかったんでしょうか。
  212. 秋本芳徳

    秋本政府参考人 お答えいたします。  現時点で確認できた範囲での事実関係で申しますと、会食は平成二十八年七月二十日からでございます。
  213. 本村伸子

    ○本村委員 現時点ではという限定されている言い方だなというふうには思うんですけれども、秋本さんは、二〇一六年七月二十日が一回目、二〇一六年十一月二十八日が二回目、二〇一九年二月十四日が三回目、四回目が二〇二〇年十二月十日ということで、四回会食をしておりますけれども、それぞれどなたと会食をしたのか、それぞれ届出は出していたのか、そして会食の会費の有無、お土産ですとかタクシー代の物品の贈与の状況、そして会食代の出所についてお示しをいただきたいというふうに思います。  湯本さんについては、二〇一九年二月十四日、二〇一九年十一月二十七日、二〇二〇年十二月十四日、三回会食をしていますけれども、その点、お答えをいただきたいと思います。
  214. 秋本芳徳

    秋本政府参考人 お答えいたします。  まず、お尋ねの一回目、二回目、三回目、四回目の会食の同席者は、いずれも木田由紀夫氏と菅正剛氏でございます。  当日の負担の有無につきまして、一回目、二回目、三回目は、締めくくりの会計の際に、お幾らですかとお尋ねして、先方の申出額を負担いたしました。四回目、昨年の十二月十日、当日は負担しておりませんでした。負担は事後に行いました。  幾ら負担したかについてお尋ねをいただきました。負担した金額につきましては、現在、国家公務員倫理審査会の助言を受けつつ、総務省大臣官房の服務、倫理担当からの調査を受けているという立場にありますことと、相手方、東北新社様の確認を得ながら事実関係の精査が行われているということで、現時点で私から金額をお示しすることはできませんけれども、いずれにしても、調査を受ける立場にある者として、真摯に対応させていただきたいというふうに考えております。
  215. 湯本博信

    湯本政府参考人 お答え申し上げます。  私の、お話ありました三回の会合につきましては、いずれも、各回の参加者は木田由紀夫氏と菅正剛氏でございます。  会食当日の負担につきましては、一回目、二回目につきましては、先方の申出額を負担しております。三回目につきましては、当日負担すべき金額がありましたので、事後的に負担をさせていただきました。  以上でございます。
  216. 本村伸子

    ○本村委員 済みません、手土産とタクシー代などが、答えていないかと思います。
  217. 秋本芳徳

    秋本政府参考人 お答えいたします。  大変失礼いたしました。答弁漏れがございました。  まず、タクシーチケットについて、一回目、二回目、三回目については、利用した記憶はございません。四回目、昨年の十二月十日につきましては、受領しております。  贈答品についてもお尋ねをいただきました。一回目、二回目、三回目につきましては、受領した記憶はございません。四回目、昨年の十二月十日の際には、受領しております。  タクシーチケット、そして贈答品の相当する金額については、現在、相手先企業との間で精査がなされているところでございます。
  218. 湯本博信

    湯本政府参考人 お答え申し上げます。  まず、タクシーチケットにつきましては、一回目、二回目ともなしというふうに記憶しております。三回目につきましては、受領しておりますが、午前中も答弁申し上げたように、使ってはおりません。  贈答品につきましては、一回目、二回目共に受け取っておりません。三回目につきましては、受領しております。ただし、金額につきましては、ただいま調査を受けている身でございますし、今調査中で精査しているという状況でございますので、こちらの方ではちょっと答弁は控えさせていただければと思います。  よろしくお願いします。
  219. 本村伸子

    ○本村委員 届出の状況についてもお尋ねしたんですけれども。
  220. 秋本芳徳

    秋本政府参考人 大変失礼いたしました。  国家公務員倫理法に基づく事前の届出につきましては、いずれの会合におきましても、しておりませんでした。
  221. 湯本博信

    湯本政府参考人 お答え申し上げます。  私の方も、いずれの場合におきましても、国家公務員倫理法に基づく届出はしておりません。
  222. 本村伸子

    ○本村委員 そこの、届出をしていなかったという認識についても後で問いたいというふうに思うんですけれども、もう一問、秋本さんにお願いをしたいんです。  昨日、今井議員の質問に対して、これも少し先ほど御議論がありましたけれども、不要不急の外出は控えるようにというふうに言われている、そういうときに菅正剛さんとお会いになった。昨日はお答えにならなかったんですね。なぜ不要不急と言われる時期に会ったのかということについて、昨日お答えにならなかったんですけれども、今日はお答えいただきたいというふうに思っております。
  223. 秋本芳徳

    秋本政府参考人 お答えいたします。  勝負の三週間という時期にお会いすることになった点については、今反省をしております。  ただ、これまで、現時点で確認できた範囲で四回の会合を重ねてまいりましたのは、本人又は御両親のうちいずれかが東北出身者の懇親会という性格がございますのと、菅正剛氏は総務大臣の政務秘書官をお務めの経験がございます。  総務大臣室は、政務秘書官と事務秘書官、大臣の日程を管理する職員、来客を受け付ける職員が一丸となって大臣をお支えしてまいりませんと、特にこの二月、三月、予算委員会総務委員会が入れ子になって組み合わされる時期、厳しい時期を乗り切れません。そうした厳しい時期を乗り切った者同士の集まりという色彩もございまして、お声がけいただいた際に、都合がつく限りでお互い日程を調整して、過去、現時点で確認できている段階で四回の会合を重ねさせていただいたということでございます。  繰り返します。勝負の三週間と言われる期間に控えるべきではなかったかと言われれば、その点は反省をしております。
  224. 本村伸子

    ○本村委員 総理の息子さんということで、断ることが難しかったという点がもしかしてあるのかもしれないわけですけれども。  それで、今のやり取りの中で、今総務省から調査を受けているという話で、明らかになっていないのが金額、会食の金額と手土産の金額、相当額ですかね、そこが明らかになっていないというふうに思うんですけれども、これは調査をしている側の総務省の方にお伺いをしたいんですけれども、その点については総務省調査をされているんでしょうか。御本人に聞いたんでしょうか。
  225. 原邦彰

    ○原政府参考人 お答え申し上げます。  もちろんその点についても調査をしております。ただ、その点は、金額というのは不利益処分をいろいろ勘案するにかなり重要な要素でございまして、慎重にそれぞれからのヒアリング、それから、証拠書類、請求書、領収書、レシート、社内経理の写し、社内メールの写しの確認等を行っております。  一方、強制的な調査権限があるわけではないので、御協力いただきながらやっているということで、とにかく迅速に、かつ正確に精査をしている、こういう状況でございます。
  226. 本村伸子

    ○本村委員 今、いろいろ、調査の対象である四人の方にも聞いたということでよろしいでしょうか、総務省
  227. 原邦彰

    ○原政府参考人 ヒアリングといいましょうか、具体的には、調書を出してもらうとかそういう形でこちら側の四人にも聞いていますし、先方の四人にもこの件は聞いてございます。
  228. 本村伸子

    ○本村委員 秋本さんと湯本さんなんですけれども、総務省にはお話しになったわけですよね。総務省にはお話しになったわけです。なぜ国会にはお話しすることができないのか。国会に対してしっかりと事実を明らかにしていただきたいと思うんですけれども。
  229. 石田祝稔

    石田委員長 お二人に聞きますか。(本村委員「お二人に、はい」と呼ぶ)
  230. 秋本芳徳

    秋本政府参考人 大臣官房の倫理、服務担当の方で、相手先企業、東北新社様に対しまして、確認書類の提出やヒアリングもされながら、額が妥当なものかどうかという点を一つ一つ確認されているものと承知をしております。  私が申し上げることで予断を与えるということになってもいけませんし、私自身は調査を受ける立場でございますので、その調査に真摯に対応させていただくという、その一念でございます。
  231. 湯本博信

    湯本政府参考人 ただいま秋本局長の方からも話がありましたが、私も今調査を受ける立場でございます。  今、その金額も含めまして、会合の詳細につきましては、大臣官房の方で相手方にきちんと確認を取りながら正確な情報を洗っているというふうに聞いているところでございまして、私どもの方としては、調査を受ける立場でございますので、相手方の方に予断を与えてもいけないということで、こちらの方のお答えは一応差し控えさせていただければということでございます。
  232. 本村伸子

    ○本村委員 総務省調査総務省調査でやっていただきたいんですけれども、国会側も、行政監視という観点からしても、しっかりと調査をしなければならないんです。総務省に話したことをこの場所で話していただきたいと思います。
  233. 秋本芳徳

    秋本政府参考人 お答えいたします。  私が額を申し述べることで予断を与えてしまった後、また額が違うということになりますと、恐らくは調査に手戻りも生じるということかと思います。私としては、調査に真摯に対応させていただくということでございます。
  234. 湯本博信

    湯本政府参考人 お答え申し上げます。  繰り返しになりますが、私自身、調査を受けている立場でございます。したがいまして、私の一方的な言い分というものを与えてしまうことによって、相手方の方にも何らかの予断を持って判断されてしまうなど、そういうことが想定されますので、今回は、会合の詳細につきましてはお答えを控えさせていただければということでございます。
  235. 原邦彰

    ○原政府参考人 調査をする側の話としてちょっとお答え申し上げたいと思います。  我々がこちら側から聞いているのは、当初、直近の、今回問題になっている事案は支払いをしていなかった事案でございますので、取りあえずの額ということで返金しているわけでございます。具体的には、今私が精査しておりますのは、まさに、しっかりと証拠書類等に基づいて、一体誰が幾ら負担したのかということを精査しておりますので、正確に、かつ迅速にしっかりと調査をして、しっかりと明らかにしてまいりたい、こういうことでしっかり対応したいと思っております。
  236. 本村伸子

    ○本村委員 だから、総務省調査も必要なんですけれども、国会の調査も是非真摯に対応していただきたいんですよ。  それで、接待をした側と値段が違うとまた調査が云々というお話があったんですけれども、それも含めて真実を明らかにしていくということが必要だと思うんですよ。是非お答えをいただきたいと思います。  済みません、秋本さんと湯本さん、お願いします。
  237. 秋本芳徳

    秋本政府参考人 お答えいたします。  相手先企業である東北新社様を含む関係者からの資料提出、証拠と確認を大臣官房の方で幾重にも積み重ねていただいている途上でございます。その調査途上で、中途半端な形で公にすることで予断を与えるべきものではないと思っておりますし、私自身、その調査を受ける立場でございまして、その調査に真摯に対応するということで臨んでまいりたいと思っております。
  238. 湯本博信

    湯本政府参考人 お答えいたします。  繰り返しになりますが、私自身、調査を受けている立場でございます。金額等につきましては、私の一方的な言い分のみならず、総務省の全体の調査の中で相手方の方にも確認を取って最終的に決めるものだと承知しておりまして、繰り返しになりますが、やはり予断を与えてはいけないということで考えております。  いずれにいたしましても、先ほど申し上げたとおり、調査を受ける側として、調査に関しては、真摯に、できるだけ正確かつ迅速な結果が出るように対応してまいりたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
  239. 本村伸子

    ○本村委員 総務省調査で言ったことを国会にも述べてほしいということを申し上げているんですけれども。やはり、私たち、国民皆さんから選挙で選ばれて国会に来ているわけです。行政監視をしていく責任があるわけです。引き続き誠実な対応を求めていきたいというふうに思います。  谷脇総務審議官そして吉田眞人総務審議官についても、三回と二回、会っておりますので、先ほど申し上げました湯本さんと秋本さんと同じ問いで、是非お答えをいただきたいと思いますけれども。
  240. 原邦彰

    ○原政府参考人 お答え申し上げます。  まず、先ほど御指摘があった点について。  谷脇総務審議官でございますが、一回目の会食は令和元年の六月六日、出席者は、三上義之氏、木田由紀夫氏、菅正剛氏、三名でございます。それから、二回目、令和元年の十月二十三日でございますが、出席者は、二宮清隆氏、三上義之氏、木田由紀夫氏、菅正剛氏の四名でございます。  それから、会食当日の負担の有無でございますが、一回目は記憶していない、二回目、記憶していない、三回目は、既に申し上げておりますが、当日は負担していないが事後に負担したということでございます。それから、金額等については、先ほど来申し上げた、しっかりと今精査をしているところでございます。  それから、タクシーチケットの交付の有無でございます。一回目、記憶していない、二回目、記憶していない、三回目、受領している。使用金額は精査中ということでございます。  それから、贈答品の有無。一回目、記憶していない、二回目、記憶していない、三回目、受領している。金額は精査中ということでございます。  それから、吉田総務審議官、二回会食ですが、一回目の会食は令和二年の一月二十四日でございまして、出席者は、木田由紀夫氏、菅正剛氏の二名、二回目と同様でございます。  それから、会食当日の負担の有無でございますが、一回目は記憶していない、二回目は、当日は負担していないが事後に負担したということでございます。それから、金額については、ただいま精査中ということでございます。  それから、タクシーチケットの交付の有無でございます。一回目は記憶していない、二回目は受領している。金額は精査中ということでございます。  それから、贈答品の有無でございますが、一回目、記憶していない、二回目、受領している。金額は精査中ということでございます。  なお、吉田総務審議官については、先日来御答弁申し上げておりますが、今の二回の会食以前にも、本人記憶では、木田由紀夫氏と複数回会食し、毎回ではないが、その場に菅正剛氏が同席することもあったということでございます。この点についても、引き続き、ただいま精査を行っている、こういう状況でございます。
  241. 本村伸子

    ○本村委員 記憶にないということが結構多くて、嫌な予感もするわけですけれども。  繰り返し会食をしていたことが明らかになっております。そして、東北の関係者だというふうにおっしゃるわけですけれども、しかし、接待をしている側は、明らかに、じゃ、何で四人連続してという話にもなります。やはり国民皆さん疑念というのはますます広がっていくというふうに思います。  予算委員会でも、大臣は、調査報告を一日でも早く出さなければいけないという答弁もされておりますけれども、まだ、総務省には答えているけれども国会には答えていない、そういうことがございまして、やはり、調査の経過ですとか内容についてはオープンにしていくべきだというふうに考えておりますけれども、総務大臣、お答えをいただきたいと思います。
  242. 武田良太

    武田国務大臣 疑念を持たれたことに対する調査ですから、当然オープンなものにしていかなくてはならないと私は考えております。なおかつ迅速さも求められると思いますし、最も重要なことは、正確な調査というものを報告するということも重要なことになってくるんだと思います。  その重要なポイントというものをしっかりとつかんだ形での調査というものを実行して、信頼回復に努めていきたいと考えております。
  243. 本村伸子

    ○本村委員 届出のことも後でお話をいただきたいんですけれども、国家公務員倫理規程の八条に基づく届出ですけれども、週刊誌で報道された後に提出をしたということもございました。  二〇〇五年以降、八条に基づく届出は、年度ごとに何件ぐらいあるんでしょうか。
  244. 原邦彰

    ○原政府参考人 お答えいたします。  御指摘のありました倫理規程八条に基づく届出でございますが、文書の保存期間の期限でございます平成二十七年度から令和五年度までの五年間で八件ございます。平成二十七年度が五件、平成二十八年度が二件、平成二十九年度が一件でございます。  令和二年度分については、現時点で、今回の分、本省へ届出分が三件ということでございます。
  245. 石田祝稔

    石田委員長 ちょっと訂正した方がいいんじゃないの。令和五年度と言ったよ、今。
  246. 原邦彰

    ○原政府参考人 済みません、失礼いたしました。  平成二十七年度から令和元年度までの五年間ということです。大変失礼いたしました。
  247. 本村伸子

    ○本村委員 これまでの届出の件数に、先ほど来調査をされておられます四人の方は入っておられますでしょうか。また、総務省にいらっしゃいました山田さんが入っておりますでしょうか。
  248. 原邦彰

    ○原政府参考人 お答え申し上げます。  今回報道のあった四名については、文書の保存期間期限である平成二十七年度から令和元年度までの五年間において届出はなかったものの、今回問題となった会食について、費用が一万円を超えたと考えられる三名について、本年二月二日付で八条に基づく届出があったということでございます。  それから、山田真貴子氏に関しては、平成二十七年度から令和元年度までの五年間において届出はされてございません。
  249. 本村伸子

    ○本村委員 会食が繰り返されていたわけですけれども、届出は、事後、三人の方が行った、直近の会食でやったというだけでございまして、やはり、倫理規程に照らして全体的に意識が薄れているのではないかということも私は大変懸念をしております。  週刊誌の指摘を受けて、利害関係者認識をして届出が出されたという経過だというふうに思いますけれども、免許の許可のタイミングに接待を受けていたということは非常に重要ですし、長期にわたって関係性があるということも政治をゆがめていく可能性はあるわけで、返金したといっても、やはり重大な問題だというふうに思っております。  そもそも、声をかけた側は衛星放送事業者の方でございます。警戒をしなかったのかという疑念が湧くわけでございます。  予算委員会などで大臣、局長が答えている利害関係者というのは、一体どういうものを指しているのか、お示しをいただきたいと思います。
  250. 原邦彰

    ○原政府参考人 お答え申し上げます。  国家公務員倫理規程の第二条に、利害関係者とは、この一号で、許認可等を受けて事業を行っている事業者等、許認可等の申請をしようとしている事業者等又は個人、許認可等の申請をしようとしていることが明らかな事業者等又は個人などと記載をされてございます。  いずれにいたしましても、昨日も御議論がございましたが、利害関係者に該当するか否かという具体的な当てはめにつきましては、まずはしっかりと事実関係を精査する必要がございます。それを前提といたしまして、国家公務員倫理規程の有権解釈は人事院にございます。したがって、私どもが、その上で、人事院にお諮りをして、その上で個別具体的な該当性を判断する、こういう制度になってございます。
  251. 本村伸子

    ○本村委員 今日、人事院にも来ていただいておりますけれども、国家公務員倫理教本というものがございまして、そこの中でも示されております国家公務員法の倫理規程の二条一項の一号と六号をお示しいただきたいと思います。
  252. 荒井仁志

    荒井政府参考人 お答えいたします。  倫理規程第二条一項におきまして利害関係者となる者が列挙されておりまして、その第一号では、許認可等の事務に関連して、当該許認可等を受けて事業を行っている事業者等、当該許認可等の申請をしている事業者等、そして、当該許認可等の申請をしようとしていることが明らかである事業者等といった者が利害関係者とされております。  また、第六号におきましては、各府省が所掌する事務のうち事業の発達、改善、調整に関する事務に関連して、当該事業を行っている事業者等が利害関係者とされておるところでございます。
  253. 本村伸子

    ○本村委員 事業の発展、改善、調整に関する事務、この事業を行っている事業者等も利害関係者なんですよ。  今、何か利害関係者かどうか精査をしているということですけれども、明らかにこういう事業者だったと私は思うわけですけれども、この点が緩く見られているんじゃないか、そして、届出さえも出さなくていい、緩くなっているんじゃないかということを大変懸念をしております。  大臣にお伺いをしたいんですけれども、先ほども一号と六号で示させていただきましたように、届出の範囲は広く捉えるべきだというふうに思いますけれども、大臣、お答えをいただきたいと思います。
  254. 武田良太

    武田国務大臣 届出の範囲についての御質問だと思います。  国家公務員倫理規程において、利害関係者とともに飲食をする場合において、自分の飲食に要する費用が一万円を超える場合に届出を行う旨規定をされております。各職員は、この倫理規程にのっとり、適切に対応しているものと承知をいたしております。
  255. 本村伸子

    ○本村委員 今回していなかったことについてはどのようにお考えでしょうか。
  256. 武田良太

    武田国務大臣 それに対する事実関係調査を今行っているところであります。
  257. 本村伸子

    ○本村委員 総務省とやり取りをさせていただきますと、大変緩く、利害関係者のところはかなり狭く狭く考えよう考えようということを聞き取りの中でも感じまして、それでは抜け穴になってしまうというふうに思いますので、改善をしていただきたいというふうに思います。  一社から繰り返し複数の官僚が接待を受けていることは不自然だというふうに思いますけれども、大臣、その点、いかがでしょうか。
  258. 武田良太

    武田国務大臣 自然、不自然という問題ではなくて、行政公正性中立性というものに疑念を生じさせたということ自体は私は問題であろう、このように認識をいたしております。
  259. 本村伸子

    ○本村委員 菅総理が大臣当時秘書官の息子さんが東北新社に入社したのが二〇〇八年でございます。それ以降の会食を全て明らかにしていただきたいというふうに思います。会食の会費の有無ですとか手土産とかタクシーチケットですとか、会費代の出所、この点も是非お示しをいただきたいと思いますけれども、大臣、お願いします。
  260. 武田良太

    武田国務大臣 御指摘の今回問題になっている事案はもとより、それ以外でも総務省職員との間で国家公務員倫理法違反と疑われるような事案がなかったかも含めて、今、調査を行うよう指示をいたしております。
  261. 本村伸子

    ○本村委員 ちょっと時間がないものですから、次の問題に移りたいというふうに思いますけれども、次は、地方公共団体情報システム機構、J―LISの問題についてお伺いをしたいというふうに思います。  J―LISのマイナンバーカードに関する契約実績、これはずっと不明だったわけです。情報が公開されておりませんでした。不明だった金額ですとか入札の参加状況がやっとこの間公表されたということで、資料をおつけをいたしました。それが二枚目、三枚目のところですけれども。これまでなぜ公開せずに、今回公開されるということに至ったのか、理由を伺いたいと思います。
  262. 高原剛

    高原政府参考人 御答弁申し上げます。  個人番号用ICカード製造業務等の予定価格等については、J―LISにおいて、これを競争性の確保観点から非公表としてまいりましたが、国や独立行政法人における公共工事の調達に係る取扱いも参考に再度検討したところ、入札手続の透明性を一層高める観点から公表することとしたものというふうに伺っております。  また、落札外の事業者名や当該事業者の入札金額については、事業者の利益や地位を害することのないよう非開示としておりましたが、これらについても、同様の観点から、事業者の同意を得て公開することとしたものと承知をしております。  以上でございます。
  263. 本村伸子

    ○本村委員 前回も、この個人番号カード用ICカード製造業務等でNTTコミュニケーションズと凸版印刷が繰り返し入札しているということを質問をいたしました。  この開札調書のところを見ていただきますと、この日の入札というのは何回か不調になって、そして、二枚目の随意契約というふうになっているんですけれども、この資料を見てみますと、入札価格と随意契約となった金額に落差があるんですね。  どういうふうに随意契約になったのか、合意に至ったのか、そして、入札額の適正さが疑われるわけですけれども、その点について御見解をお示しいただきたいと思います。
  264. 高原剛

    高原政府参考人 御答弁申し上げます。  令和元年六月二十四日にJ―LISが実施いたしました個人番号カード用ICカード製造業務等における一般競争入札については、従来の数百万枚規模の調達に比べて数千万枚規模の調達となりましたため、事業者において新たな設備投資体制強化が必要との判断となり、事業者側の入札価格がJ―LISが設定した予定価格を上回る結果となったため、不調となったものと聞いております。  その後に実施した再入札、再々入札においても入札価格が予定価格を上回る結果となったため、J―LISの契約事務の処理手順に基づき、入札価格が予定価格に最も近い事業者に対し、予定価格を提示した上で、その範囲内で随意契約の締結に向けた調整を行った結果、事業者のコスト削減等の実施により、予定価格内での受注、製造が可能との回答を得て契約に至ったものと承知をしております。  入札不調という形にはなりましたが、最終的には、過去の調達と比べても遜色のない単価で契約を締結することができたと思っております。  今後の調達においては、競争性の確保のため、発注規模や納入スケジュールについて更に工夫できることがないか、J―LISにおいて改めて検討していくというふうに聞いております。  以上でございます。
  265. 本村伸子

    ○本村委員 過剰発注の問題や、あるいは、まだ出てきていない資料があるものですから、是非情報開示していただきますよう大臣にお願いを申し上げ、質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  266. 石田祝稔

    石田委員長 次に、足立康史君。
  267. 足立康史

    ○足立委員 日本維新の会の足立康史でございます。  先ほどは本会議でありがとうございました。丁寧な御答弁をいただきました。ちょっとその続きを、事務方の皆様でも構いませんので、やっておきたいと思います。  まず、どっちから行くかな。大阪の池田市議会で、私は、石田委員長を始め公明党の皆様には日頃から敬意を表していますし、支持団体の皆様も、戦後日本が左傾化しかけたときに、日本が左傾化することから救ったというような歴史的な意義もあるわけでありまして、公明党は尊敬をしてきたわけでありますが、中にはおかしな議員もいらっしゃるということで、私の地元池田市議会で、公明党の議長率いる議会が百条委員会をつくったときに、その百条委員会から維新会派を排除しました。これは、国会法でいうとアウトです。国会法ではそういうことが禁じられています。  今日は、衆議院の委員部長かな、ありがとうございました。ちょっと、簡単で結構ですから、国会法がどうなっているか、御紹介ください。
  268. 花島克臣

    ○花島参事 お答えいたします。  御指摘のありました国会法ですが、第四十六条第一項に「常任委員及び特別委員は、各会派の所属議員数の比率により、これを各会派に割り当て選任する。」との規定がございます。
  269. 足立康史

    ○足立委員 端的な御答弁をありがとうございます。  まさに今おっしゃったように、今日私が本会議でも御紹介したように、これは会派制を取っている中で、しっかりと各会派に委員の席を割り当てていただく。まさにこの総務委員会もそうなっているわけでありますが、地方自治法には同様の規定がありません。  私は、今日、本会議場で勝手に、それは地方議会、特に小規模の議会では会派制を取らない場合があるので、会派云々という規定がどうしても設けられません、大臣からも、それは議会で決める部分があるんだ、こういう御答弁をいただいていますが、ただ、例えば池田市は十万人以上ですが、十万人以上の市議会で会派制を取っていないということを余り私は聞いたことがありません。したがって、地方議会でも会派制が普通です。  その会派制を取っている、私が申し上げている大阪の池田市議会では、委員会をつくる、あるいは、今回は地方自治法に基づく百条委員会をつくるときに特定の会派だけを排除したわけですけれども、それは、私は、それこそ今日取り上げた立憲民主党による時間を左右する、質問時間を左右することにも匹敵するというか、それは時間を左右するんだけれども、今私が申し上げている地方議会の話は、委員をそもそもそこに座るなと言っているわけですから、こんな反民主主義的な取扱いはないと思います。  事務方でも結構ですが、そういうことが地方議会で執り行われることは想定していたかどうか、想定していたかどうか御答弁ください。
  270. 高原剛

    高原政府参考人 御答弁申し上げます。  地方自治法では、委員の選任その他委員会に関し必要な事項は条例で定めることとされており、委員の選任方法については各議会の判断に委ねられているということで、まさに各それぞれの議会の御判断でやっていただくということが法制度として想定しているということでございます。
  271. 足立康史

    ○足立委員 いやいや、それは立法趣旨ですね。立法趣旨というか立法経緯ですね。私が申し上げているのは、そういう立法、地方自治法を作ったときに、地方議会が私が指摘したようなことをすることを想定していたかと言っているんです。イエスかノーか、お願いします。
  272. 高原剛

    高原政府参考人 地方自治法として委員の選任方法は各議会の判断に委ねたということでございますので、そこはもう、まさに想定するしないというより、各議会が決めていただく、各議会がしっかり説明責任を果たした上で決めていただくということが法律のたてつけではなかろうかと思っております。
  273. 足立康史

    ○足立委員 余りこういう下々のことに、下々じゃないな、大臣のお手を煩わすのはしたくないんですが、僕はおかしいと思うんですよね。だって、民主主義の基本でしょう。想定していなかったかしていたかを正面からは御答弁されないんだけれども、そういう事態が起こったんだから、私は、それを立法事実として、何らかのそういうことが起こらないようにするための法的な、法制的な措置が必要ではないかというのが今日の趣旨なんですけれども、局長、そういうのは必要はないと思うか、本当に。いや、何かもうちょっといい答弁をしてよ。  しかし、皆さんは、地方自治法で地方議会について一定の規制をしているわけでしょう。いや、全部任せていたらいいですよ。でも、ある部分は規制しているわけです。  じゃ、聞きますよ。どういうものは国が規制し、どういうものは地方に委ねているんですか。その線引きはできますか。
  274. 高原剛

    高原政府参考人 御答弁申し上げます。  地方自治法では、全国的に統一して定めることが望ましい地方自治に関する基本的な準則に関する事務などを国の役割としつつ、地方公共団体に関する制度の策定等に当たっては、地方公共団体の自主性及び自立性が十分に発揮されるようにしなければならないこととされております。  地方議会制度についても、このような基本的な考え方に基づいて、これまで地方自治法の改正が行われてきておりますが、例えば、平成二十四年にも委員会のところは改正しておりますが、方向性としては、議会の権限を強化する、より自由度を高めていくという方向で、これまで、戦後、改正がなされておるという状況でございます。  以上でございます。
  275. 足立康史

    ○足立委員 日本の民主主義が成熟をしていく中で、それは任せておけばいいということは、当然そういう方向になっていくわけですよ。ところが、ばかな人がいて、まさに民主主義を後退させるような取扱いをやっている。今やっているわけです、現実に。  私は、それは、本来基本的な準則として規制すべき事項が起こってしまっているのではないか、なぜなら、国会法でも規制しているよねと。国会法が議運に任せずに法律で規制しているようなことは、地方議会においても同じように基本的な準則ではないのか。それが破られたという立法事実があるんだったら、何らかの法制的措置を講じるのが当たり前ではないかと私は言っているんですが、ちょっと局長、そういう私の問いに対して正面から答えてください。
  276. 高原剛

    高原政府参考人 御答弁申し上げます。  足立先生の言われる御趣旨は十分理解しているつもりではございますが、やはり、この地方自治法の議会のところの体系から見ますと、もし、今御紹介がございました国会法のような規定を設けるのであれば、それぞれの団体の条例で定めるような形になるのが法体系として適当なのではないかというのが私どもの今の考えでございます。  以上でございます。
  277. 足立康史

    ○足立委員 私が今指摘したようなことが、地方自治法で定めるべき基本的準則には当たらずに、条例でそれぞれが縛るべきものだという見解は、どういうロジックで出てくるんですか。分かりますか。なぜそれは法律じゃなくて条例なのか、理屈を教えてください。
  278. 高原剛

    高原政府参考人 御答弁申し上げます。  現実問題として、地方自治法では、委員の選任その他委員会に関し必要な事項は条例で定めることとするというふうに明言されております。しかも、これはそんな古い改正ではございませんで、平成二十四年に、たしかそれまでは、議長が議会に諮って委員を選任するとか、いろいろもうちょっと書き込んでおったのをこういう形に修正した経緯がございます。  そういうことを考えますと、この間の地方分権あるいは地方自治をめぐる議論の中で、やはりこの議会、地方議会、そういった委員会構成等について各自治体に任せようと。ちょっと話はそれますが、昔は定数の上限とかいろいろな各種規制がありましたが、そういうのが非常に、地方自治地方分権の観点でどんどん取っ払われていって、今の形になっているということでございます。
  279. 足立康史

    ○足立委員 すると、今私が指摘した議会では、実際に特定の会派が排除されています。その当該市議会は、市は、そういう条例でそれを縛っていません。今実際に私が指摘している大阪府池田市で発生している事態は適正なものであるということでいいですね。
  280. 高原剛

    高原政府参考人 御答弁申し上げます。  大阪府池田市議会における百条委員会の構成問題については、私ども、地方自治法に基づいて各団体それぞれの議会の判断に委ねた以上、コメントする立場にはないものと考えております。
  281. 足立康史

    ○足立委員 いやいや、逃げちゃ駄目だよ、逃げちゃ。これは不適切なもので、民主主義にもとる事態が実際に発生しているのであるから、それについては何か指導するのか、あるいは、地方自治法で縛るべき立法事実であると認識すれば地方自治法を改正せなあかんし、それを、いやいや、もう、一回それは任せているんだから知りません、判断しません、コメントしません、それは私はないと思いますけれどもね。  今起こっている事態は適切なのか、適切でないのか、それは自治行政局長としてコメントあるでしょう。それをコメントしないというのがあり得るのかな。  大臣、やはりそういうのはコメントしないということですかね。ちょっとやめておきましょうか、大臣。ちょっと嫌ですね。(武田国務大臣「大丈夫、大丈夫」と呼ぶ)大丈夫。
  282. 武田良太

    武田国務大臣 我々が説明するというよりも、その市議会自体が説明する立場にあるのではないかなと私は考えています。
  283. 足立康史

    ○足立委員 さすが尊敬する武田大臣、私も全く同感です。これは説明責任を果たす必要があると思います。  まさに、池田市議会は、別に私はあれですよ、池田市議会の中身に関心があるんじゃないんですよ、それは市政ですから。私は国会議員ですから。ただ、私は、民主主義というものが破られているとすれば、それは、国権の最高機関である国会として、あるいは総務委員会として、関心を持って注視をし、何らかのアプローチが必要であればすべきだと思っています。  これを、局長はさっきのようにおっしゃったけれども、私は、それはいいけれども、局長は局長だから仕方ないけれども、今、武田大臣がおっしゃったように、それは説明をちゃんとしないとなというのが、民主主義を理解している人間、政治家としては僕は当たり前だと思う。  そういう中で、石田委員長には大変恐縮ですが、この池田市議会はもう大変な権力闘争をしているわけです。前、五期か何期か務めた、もう天皇陛下、天皇陛下と言ったらいかぬな、とにかく大統領みたいな、そういう前市長がいて、これが、世襲化、市長職を息子に譲ろうとして失敗して、そこに私の元秘書をしていた人間が、このままでは地域が私物化される、市政が私物化されるということで、そこに市長として乗り込んだわけです。だから、もう大変な、それはもう五期二十年、何十年やっているわけですから、大変な、改革をしようとすると一つ一つ潰しにかかってくる。とうとうその市長を今追い出しにかかっているわけでありますが、何かよく分からないんですよ。  パワハラとかで百条委員会だと百条委員会をつくったわけですけれども、市の職員皆さん、市長からパワハラを受けたことはありますかと、今からアンケートを取っているんですよ。もうやっていることがむちゃくちゃで、その百条委員会で、例えば秘密会でいろいろ議論した内容を、多田隆一さんという公明党の議長がフェイスブックで全部ばらしている、中身。もうやっていることがむちゃくちゃ。  いや、公明党はすばらしい政党ですよ。でも、私は、こういう議員が地域で、その前市長のかいらいである青風会という会派と共謀して、青風会と共謀して、多田隆一議長がそういうことでその権力闘争に加担をし、改革派市長を守旧派の市長側に立って潰しにかかっている。  そのとき、別に公正な手段で権力闘争してもらったらいいですよ。武田大臣だって、いろいろなところで権力闘争されていますよ。権力闘争は、これは民主主義だから当たり前です。でも、不公正な手段を使ったら駄目でしょう。何で地方自治法に基づく百条委員会から特定の会派を排除して、自治行政局長がぽっとしていられるんですか。僕は、おかしいと。  ただ、それを余り言っても仕方ないので、先ほど大臣が言っていただいた、多田議長は説明すべきだ、市民に対して。なぜ、特定の会派を排除するようなことをしたのか。だから、私は明らかに、先ほど私は法律改正すべきだと思っていると申し上げましたが、このまま百条委員会で結論を出しても、こんなもの、正当性はありませんよ。正当性が疑われる事態。  局長、こんな特定の会派を排除したような百条委員会、ちょっと通告していないけれども、百条委員会で何らかの結論が出た、例えば、百条委員会はいろいろな強い権限を持っていますね、それで出した結論は有効ですか。明らかに有効ですか。
  284. 高原剛

    高原政府参考人 御答弁申し上げます。  私どもも、池田市議会の事務局からお伺いした範囲では、地方自治法に基づくそれぞれの議会条例に基づいて、適切に議決を積み重ねてこの百条委員会が構成されているというふうに聞いておりますので、通常の百条委員会と同じ効力を、大臣がおっしゃられました説明責任という意味で、市民に対する説明の仕方、どういう説明をするかというのは別途あると思いますが、構成としては通常の百条委員会と同じ形で今成立しているというふうに認識しております。
  285. 足立康史

    ○足立委員 僕は、大変これは疑義があります。今日の局長の答弁は、もう一回、私、よく考えますよ、本当にそういうことでいいのか。  引き続きこの問題はこの総務委員会で取り扱わせていただくことを申し上げておきたいと思います。  それから、今日、財務省から中西副大臣と、和田政務官もおいでいただいていて、お二人で済みません。何か役割分担がある。まあ、いいですね。  今日、本会議で財務大臣にも御質問しました。一言で言うと、臨財債をやめようよという話です。今日、財務大臣にそんなに国の財政は危機的かと申し上げたら、ああいう御答弁でした。  中西先生、和田政務官でもいいんだけれども、全然大丈夫ですよね。ちょっと端的に、全然大丈夫だと言ってください。
  286. 中西健治

    ○中西副大臣 全然大丈夫かと言われると、そうとは言えないだろうというふうに答えざるを得ないかなというふうに思います。  地方の財政も大変ではありますけれども、国の財政も予断を許せるような状況では決してありませんので、財政への信認というのを確保する形で財政運営を行っていかなきゃいけない、こういうふうに考えております。
  287. 足立康史

    ○足立委員 元々、臨財債は、もう釈迦に説法でありますが、平成十三年にできた。でも、その前には交付税特会があって、交付税特会が昭和二十九年にできた最初の頃は国税で賄われていた。いいですね、それは。総務省、事務方でいいですが、要は、交付税特会ができて、三十九年に財投からの借入れをするまでは、これは国税で賄われていた。いいですね、それは。
  288. 内藤尚志

    内藤政府参考人 地方交付税でございますけれども、今御指摘がございました部分で申しますと、法定率を変更することによって賄われてきたということでございます。
  289. 足立康史

    ○足立委員 そうですね。だから、交付税は、法定率を順次引き上げる中で、昭和二十九年から、私が生まれた頃まで、昭和三十九年か四十年かその辺りまで、法定率の引上げということで、基本的に交付税特会は国税で見ていたわけです。  その後、財投から借入れが入ってきて、その財投の借入れについては国と地方が何か折半するみたいな形になっているが、その財投の借金は今も積み上がったままですね。返せていませんね。すぐ分かりますか。どれぐらい借金が残っているか分かりますか。難しいか。やめておこうか。大体分かるでしょう、大体。
  290. 内藤尚志

    内藤政府参考人 お答えを申し上げます。  交付税特会の借入金の残高でございますけれども、令和二年度末で三十一兆円を予定しております。
  291. 足立康史

    ○足立委員 それが、言ったら、この三十一兆円がそのまま置いてある。それは多少出入りはあるでしょうけれども、積み上がっている。  平成十三年にできた臨財債は、現在のところ、現時点でどれぐらい積み上がっているか分かりますか。
  292. 内藤尚志

    内藤政府参考人 お答え申し上げます。  令和二年度末で五十三・五兆円という見込みでございます。
  293. 足立康史

    ○足立委員 三十一兆と五十三ですから、八十四ですか、八十四兆、八十五兆。八十四兆、八十五兆ぐらい、中西副大臣、和田政務官、要は、地方が国の肩代わりで、だって、元々交付税特会は国で見ていたんだから。それを、何か財務省がいろいろ、財務省の皆さん総務省皆さんで相談をして、適当に握ったわけですよ。一対一なんて適当でしょう。特に、臨財債もそうですよ。  その八十五兆について、今、日本がその八十五兆を全て赤字国債でチャラにして、チャラというか、国の借金で、赤字国債で調達して、全てその八十五兆を国の財源で、赤字国債で埋める。すなわち、臨財債と、そして三十一兆の財投の借金、これをチャラにすると、何か国の財政に問題は起こりますか。
  294. 中西健治

    ○中西副大臣 お答え申し上げます。  御承知のとおり、国の借金、国債も大きな金額に膨らんできておりますので、八十数兆円といえども小さな金額ではないというふうに思います。  チャラにするということでありますが、これまでいろいろな議論を経た上でこうした制度としてつくってきているわけでありますから、今、そうする方向で議論をしているわけではございません。
  295. 足立康史

    ○足立委員 いや、副大臣がおっしゃるとおりで、今そんな議論をしている人は永田町、霞が関に僕は聞いたことがない。でも、私たちは、これはやはりおかしいと、もうずっと結党当初から思っているんですよ。地域で生まれた政党だから、どうしてもそういうところはコンシャスであります。  それで、おかしいよなということを詰めていくと、いや、元々、だって国税でやっていたわけでしょう、繰り返しになるけれども。元々、国税の世界です。  財政がいろいろ厳しくなってきた、地方財政が大変厳しくなってくる中で、財投から借金をするようになったときに地方負担分も生まれた。それが、先ほど、三十一兆ですね。その後、また景気がよくなって、昭和五十九年ぐらいにこの財投からの借金はやめていますね。その後、平成六年に再開された。要は、苦しくなると、ちょっと苦しいから総務省も協力してよと。でも、楽になるとまた国税一〇〇パーになるんですよ。そうですよね。事務方は、そうですよね。違う。細かいことだからいいけれどもさ。  とにかく、元々、発射台というかベースは国税なんです、この世界は。だから、いつまでも、何か、法定率を上げてくれと言っているけれども財務省は嫌だと言っているとか、そういう茶番はやめて、だって、必要ないんだから。  今日も本会議で申し上げた。イタリアのように、国の借金をカモフラージュして、地方政府につけ替えて、EUに加盟するために、国の財政赤字がそれほど、要はGDPの三%以内だとかいうカモフラージュが必要な国は仕方ないですよ。  日本が、国の借金が今幾らあるのか、もう、一千何百。中西副大臣、その一千何百ある中で、何で地方に、八十五兆の借金を地方に押しつけておくことに何の合理的、いや、財務省が総務省ちょっと苦労しろと言うのはいいよ、それは。せやけど、合理的理由が分からないんですよ、誰のためか。  イタリアが地方政府につけ替えたのは、EUに加盟するためです。日本みたいな立派な大国にあって、全然、いや、財政健全化をやりたいという人もいるのは分かるけれども、少なくとも現時点では全く余裕、まあいいや、その論争をするつもりはないが、少なくとも一千数百兆の借金がある中で、八十五兆を地方におっかぶせておく合理的理由はないと思うんです。発射台も、発射台、制度が始まったときにもその理由は埋め込まれていない。  足下で、昭和から平成、令和に変わっても、まだまだインフレを心配せなあかん状況ではない。なぜ、その中で、一千数百の借金がある日本国が八十五兆を地方にかぶせておく必要があるのか、合理的理由が分からないんですよ。  中西副大臣、僕の言っていることは分かりますね。中西副大臣、もう、一回ちょっと副大臣のよろいを脱いで、本当にどうか、ちょっと言ってくださいよ。
  296. 中西健治

    ○中西副大臣 おっしゃられることはよく分かります。  ただ、仮に、国が全額赤字国債を発行して臨時対策債の分を負担するということになりますと、地方の財政、歳入も歳出もそうですけれども、そちらに対する責任というのは国だけが負うのかということになりかねないということが一つの大きな懸念だと思います。  もう一つは、冒頭申し上げましたとおり、国の財政も非常に厳しいということの中で、更に国の財政状況を悪化させることになるだろうということ、この二つを考えているということであります。  これが合理的な理由になるだろうと我々は考えているということでございます。
  297. 足立康史

    ○足立委員 この議論は、私はこの総務委員会で、今年の、二〇二一年の通常国会の総務委員会における最大のテーマにしようと思っていますので、ちょっと、中西副大臣総務委員会担当副大臣として通っていただきますようお願いしたいと思いますが、とにかく、こんなものはやめた方がいい。  もう地方はそんなものを徳政令でチャラにしたって厳しいんだから。今、いかに地方が、地方財政が苦労しているかは御存じですよね。それに対して、国は、通貨発行権だってあるんだから、経済対策、景気対策、全部責任を持ってやっているんだから、地方にそんなことをおっかぶせていることが地方の何かそういう努力みたいなものを促す効果があるなんということは、私は全く認められませんので、これは引き続きやっていく。  今日、冒頭申し上げたのは民主主義の問題です。国会の民主主義も、岡島さんはいい人だけれどもね。岡島先生は、何か立憲民主党とは思えない差配を最近していますよね。ですが、とにかく、質問時間の問題、それから地方議会における会派の委員構成の問題。これは、総務大臣が今日答弁されている総務行政の不正の問題なんかよりもっともっと深刻ですよ。だって、今皆さんが寄ってたかって下手なサッカーみたいに集まっているこの例の問題は、あれでしょう、行政がゆがめられているかどうかでしょう。  それは大事ですけれども、民主主義の基本、国会や地方議会の民主制が、民主主義がゆがめられている方がもっと根源的な問題だと思うけれども、彼らは、岡島さんはいいけれども、立憲民主党は、一切この問題を、要は加害者側で、加害者側というのは訂正します、それをやる方向でプレッシャーをかけてきているわけです。民主主義にもとるようなことをやっている人たちが、より深刻な民主主義にもとる行為をやっているグループが役所の不正を追及している欺瞞、これを毎回この場で私は指摘をせざるを得ない、こう申し上げます。  あと残る時間、ごめんなさい、お待たせしまして、内閣官房にお越しをいただいています。今日は事務方かな。あっ、和田先生がそれを。和田さん、済みませんね。もう、一言で。  さきの緊急事態宣言の中で新型インフル等特措法を改正しました。私は、もう一回、収束して落ち着いた環境下で特措法改正に取り組む、特に国と地方関係をもう一回整理し直す必要があると思いますが、和田政務官、そういうお考えはないでしょうか。
  298. 和田義明

    ○和田大臣政務官 お答え申し上げます。  新型コロナ感染症の蔓延が始まってからほぼ一年が経過をいたしました。この間、現行制度の下で取組を進める中で得られました経験、知見を法制度に反映させ、感染の早期収束につなげていくべく、今般の改正案が提出され、そして成立させていただいたところでございます。まずは、改正後の特措法の活用、これをもって現下の感染状況を収束させるべく全力を尽くしてまいりたいと思っております。  その上でですけれども、改正法の附帯決議において、政府のこれまでの対応や今般の法改正の実施状況を検証し、法制度面も含め必要な見直しを行うこととされておりますので、このことを踏まえまして、政府としても適切な対応をしっかりとやってまいりたいと思っております。  国と地方との関係につきましては、特措法改正後も、国は基本的対処方針で大きな方針を示し、そしてその上で、各都道府県知事が、対処方針を踏まえた上で、地域の感染状況等に応じて講ずるべき措置を御判断いただくという役割分担の下で、各都道府県と連携を密にしながら、それぞれの立場で役割を果たすことで感染症対策に取り組んでいきたいと思っております。  国と知事の権限と責任につきましては、よりよい関係、在り方がどうであるかという議論につきましては、これは不断の検討が必要であると思いますので、しっかりとやってまいりたいと思います。
  299. 足立康史

    ○足立委員 ありがとうございます。  これは、ちょっとここで短時間でできる話ではないので、今日は議論の入口として、予算委員会もまだちょっと残っているので、そういうところを含めてまたちょっとやらせていただきます。  今日は、中西副大臣、和田政務官はこれで大丈夫ですので、ありがとうございました。済みません。またよろしくお願いします。  それでは、残る時間、今日、実は、今日じゃないな、昨日、予算委員会で、国民民主党の岸本周平議員が給付つき税額控除の話をされたときに、財務大臣が、マイナンバーが入ったとしても所得を把握するのは難しいのである、例えば、課税最低限以下の方々には申告義務がないからよく分からないというような御答弁をされて、それは財務省、財務大臣の答弁はそうだけれども、しかし、地方はもっといろいろな情報を持っていると思います。  これはどなたでも結構ですが、地方公共団体、市町村はそういう住民の収入、まあ資産はなかなか難しいんですけれども、住民の収入と資産についてどの程度把握しているのか、御紹介をいただけるでしょうか。
  300. 稲岡伸哉

    稲岡政府参考人 お答えを申し上げます。  課税当局としての立場からお答えをいたしますと、収入につきましては、市町村は、個人住民税の賦課決定のため、課税に必要な個人の前年中の所得情報を把握しております。  より具体的には、例えば、給与所得者につきましては、事業者から提出される給与支払い報告書によって、前年中に従業員に支払われた給与情報を把握しております。給与以外の所得を有する者につきましては、所得税の確定申告が行われた場合、税務署を経由して、確定申告書の情報を入手することで、あるいは、個人住民税の申告が行われた場合にはその提出された申告書によって、その者の前年中の所得情報を把握しております。  ただし、これらの情報はあくまで個人住民税の課税に必要な範囲において収集しているものでございまして、例えば、給与所得者ではなく、個人住民税が課税されない程度の所得のみを有する方については、個人住民税の申告義務がございませんので所得情報を把握していないなど、全ての住民についての所得情報について網羅的に把握しているものではございません。  それから、資産についてもお尋ねがあったと思いますけれども、固定資産税を市町村は課税をしておりますことから、土地や家屋の所有者とか価格などの情報は把握しておりますけれども、預貯金や株式等の金融資産の保有状況などについては把握しておらず、網羅的な把握は行っていないというところでございます。
  301. 足立康史

    ○足立委員 財務省に、予算委員会で財務大臣に聞くと、網羅的に把握していないと言う。今おっしゃったように、税務局長も、網羅的に把握していないと言う。  それはそうなんだけれども、ただ、改めてそれを並べてというか整理すると、所得税、確定申告、申告義務がある課税最低限までは税務署が知っているわねと。で、住民税の、先ほど住民税が課税されないところはとおっしゃったけれども、住民税はもっと、低いところというか、低いところまで課税されていますよね。大体どれぐらいの所得の方までは住民税が課税されるので把握していると言えるんでしたっけ。
  302. 稲岡伸哉

    稲岡政府参考人 世帯の構成によっても違いますが、独身者の場合のいわゆる都市部でございますと、給与所得者の場合、百万円というのが非課税限度額ということになりますので、これ以下、これを下回る場合には個人住民税は課税はされない、こういうことになっております。
  303. 足立康史

    ○足立委員 その年間百万円も収入がない方々は、私はその全てとは言わないけれども、幾らかは生活保護の対象になってくる方もいらっしゃる。  要すれば、例えばですよ、すごく粗っぽく言って、所得税、住民税、生活保護という、課税やあるいは福祉の手が届いている人々、住民の人々を、ちゃんとそれを整理して、今、先ほど目的、その使用目的等もあると思うけれども、そういったものを例えばマイナンバーでつなげば、今回のコロナみたいに、昨年の話じゃなくて、いや、今年、先月失業したのである、先月事業が五〇%以上売上げが減ったのであるというような掌握はまた別ですよ。別だけれども、平時について言えば、今私が申し上げたような情報をしっかりと活用すれば、住民、国民のどれぐらいの方がどういう収入実態にあるのか、あるいは、何らかの施策を講じるときには資産についても申告ベースで把握すれば、もっともっと住民に寄り添った、本当に困っている方に手を差し伸べるような行政地方自治現場においてはできると思うんですね。  国会で議論するとどうしても、財務大臣は、いやいや、課税最低限があるから、それ以下は知りませんと言う。税務局長も、いやいや、住民税の最低限があるから、それ以上を私たちは見ているんだと。でも、別の部署で生活保護をし、あるいは別の部署で児童手当を給付する。全部つなげたら、ほとんど分かるんじゃないですか。  これは、どうしよう、大臣、私の問題意識は、やめておきましょうか。(武田国務大臣「いや、いい」と呼ぶ)大丈夫。一々聞いて済みません。  何かもう少し、今はやはりそういうことが問われているわけですよ。どれぐらい国民の困窮の現状、足下は別ですよ、でも、どれぐらい国民が御苦労されている中で生活をそもそもされてきたのか、そういうことを国がなかなか掌握できないでみんな苦労しているわけです。もう少し、国税や年金機構や、あるいは総務省地方公共団体、市町村がマイナンバーでもっともっと連携をしていけば、もっと住民に寄り添った、手を差し伸べるプッシュ型のサービス、困っているんじゃないですかと、元々低い、元々厳しい中で生活されているんだから、このコロナ禍できっと御苦労されているだろうなというようなことを、もっともっとプッシュ型のサービスができる時代が私は近くつくれるのではないかという感覚を持っているんです。それを今日は確認したかった。  大臣はどんな印象を持っていらっしゃいますか。
  304. 武田良太

    武田国務大臣 重要な御指摘だと思いますし、これは、一方的な観点ではなくて、様々な観点から議論すべき問題である、このように認識をいたしております。
  305. 足立康史

    ○足立委員 なかなか包括的な御答弁をいただきましたが、私は、今申し上げたように、マイナンバーを使ってやればいい。  ちょっと、もう最後、終わりますので、最後、総務委員皆様に共有させていただきたい、大臣にも改めて認識をしておいていただきたいんですが、僭越ながら。  自民党、公明党、民主党の三党合意で社会保障と税の一体改革をやった。あのときに、三つありますね、総合合算制度、給付つき税額控除、軽減税率、その三つが選択肢だったわけです。ところが、公明党が強く主張された軽減税率に決着をしたわけです。でも、決着する前に、そもそも総合合算制度と給付つき税額控除はマイナンバーが普及、定着する前提じゃないと議論できないねと書いてあったわけです、法律に。あのときの法律に、一体改革の法律にそう書いてあったわけです。だから、その二つはマイナンバーが定着していないから選択肢ではないので、軽減税率に落ち着いたわけです。  でも、いよいよ今年、菅政権はマイナンバーを本格的に使うと言ったので、私は予算委員会で総理に、いよいよ環境が整いますね、これからマイナンバーを定着させるんでしょう、そうであれば総合合算制度と給付つき税額控除が選択肢に入ってきますねと質問したんです。菅総理は何と御答弁されたか。かつての法律の言い方を変えて、当時はマイナンバーが定着したらと書いてあった、今年から菅政権はどう言っているか。マイナンバーが定着したとしてもまだ無理ですと言っているんです。私の予算委員会も、それから昨日の岸本さんへの答弁も全部そうでした。マイナンバーが定着したとしても無理だと答弁しているんです。だから今日質問したんです。  でも、自治体や政府は情報を持っているでしょう。それをマイナンバーでしっかり連携し、足らざるところはもちろんある、足らざるところはもちろんあるが、それをしっかりと把握していけば、もっと国民の困窮に寄り添った、本当の意味での、令和の時代にふさわしい、デジタル社会にふさわしい住民サービス、福祉、社会保障を実現できると私は考えていますので、また質問を続けさせていただきたいと思います。  本日はありがとうございました。
  306. 石田祝稔

    石田委員長 次に、井上一徳君。
  307. 井上一徳

    ○井上(一)委員 国民民主党・無所属クラブの井上一徳です。  今日は、新型コロナ対策を始めいろいろな質問をしたいんですけれども、その前に、まず、拉致被害者の方々に対する北朝鮮向けラジオ放送、これについて議論をしておきたいというふうに思っています。  資料でお配りしているんですけれども、北朝鮮向けラジオ放送は二つありまして、一つが「ふるさとの風」という政府の番組です。これは、後でまた質問したいと思うんですけれども、拉致対策本部が実施しておりまして、二〇〇七年七月から、英国の配信会社に委託して海外から送信しているんです。費用が年間約一億五千万円、これは令和二年ですね。  もう一つが、民間のやつがありまして、これは「しおかぜ」というやつなんです。特定失踪者問題調査会が実施されておりまして、最初は英国の配信会社に委託してやっていたんですけれども、今はNHKの国際放送の拠点であるKDDIの八俣送信所より送信しているということで、年間約二千二百万円、これは寄附金とかそういうのを使ってやっているというふうに聞いております。  私の問題意識は、北朝鮮におられる拉致被害者の方々、非常につらい立場で今なおおられると思います。生きる希望がもう本当にないような状況で今生活しておられると思います。そういう方々に対して、日本からラジオ放送を送って、希望をつなげてください、日本政府は救出しますというメッセージを送っているわけです。  そういう意味でいくと、私は、この「ふるさとの風」、政府がやっている「ふるさとの風」こそが日本から送信すべきだというふうに思っていまして、なぜこれを、「ふるさとの風」を海外の配信会社に委託し、しかもそれを海外から送信しているのか。やはりこれを日本から送信すべきだという問題意識で、ちょっと質問なり議論をさせていただきたいと思います。  それではまず、この「ふるさとの風」の前に、「しおかぜ」、これは民間の特定失踪者問題調査会が実施されているやつですけれども、この民間の「しおかぜ」について、政府が承知している範囲でちょっと御説明ください。
  308. 岡本宰

    岡本政府参考人 お答えいたします。  特定失踪者問題調査会のホームページによりますと、北朝鮮向けラジオ放送「しおかぜ」は、拉致被害者に対して日本での救出努力について伝えること、北朝鮮当局に注意しつつ情報を外部に出すよう伝えること、北朝鮮情勢について外部から情報注入することなどを目的として、平成十七年より放送されているとのことでございます。  現在、毎日二時間、国内の送信所から放送されているものと承知しております。  以上でございます。
  309. 井上一徳

    ○井上(一)委員 それでは続いて、政府が行っている「ふるさとの風」について、その概要を御説明いただきたいと思います。
  310. 岡本宰

    岡本政府参考人 政府拉致問題対策本部は、北朝鮮に向けて、日本語ラジオ放送「ふるさとの風」と韓国語ラジオ放送「日本の風」を平成十九年より放送しております。  「ふるさとの風」におきましては、拉致被害者に向けて、御家族の声や励ましのメッセージ、拉致問題に対する政府の取組や国内外の情勢などを伝えており、また、「日本の風」におきましては、北朝鮮の人々に対して、日本の文化や生活の紹介など我が国に対する理解を増進する情報や、拉致問題を含む国内外の情勢などについて伝えております。  現在、「ふるさとの風」、「日本の風」合わせて毎日四時間、海外の送信所から放送しております。
  311. 井上一徳

    ○井上(一)委員 済みません、予算も含めて御説明ください。
  312. 岡本宰

    岡本政府参考人 令和二年度予算に計上された「ふるさとの風」、「日本の風」関連経費は、約一億二千八百万円でございます。
  313. 井上一徳

    ○井上(一)委員 済みません。年間約一億二千八百万円ということですね。  それで、「しおかぜ」は、KDDIの八俣送信所、NHKの国際放送の拠点から送信されていますが、「ふるさとの風」は、先ほど申し上げましたように海外から送信されているわけです、英国の子会社に委託して。この経緯を御説明ください。
  314. 岡本宰

    岡本政府参考人 お答え申し上げます。  平成十九年に「ふるさとの風」、「日本の風」の放送を開始するに当たりまして、どの送信所を使って放送するのか検討いたしましたが、日本国内にある海外向け短波ラジオ放送の送信所は、KDDIが所有し、NHKが独占的使用権を有する茨城県古河市の八俣送信所しかございません。他方、NHKは、拉致問題に限らず、政府が制作した番組の放送を行うことができないことから、海外の送信所を利用することとしたものであります。  平成十九年当時、海外に送信拠点を有する会社で、安定的、継続的に北朝鮮向け短波ラジオ放送を実施できる会社は、英国とオーストラリアの会社のみでございましたので、当初この二社に送信を委託しました。その後、オーストラリアの会社が北朝鮮向けに短波放送を送信していた送信所を閉鎖したために、平成二十二年以降、英国の会社に送信を委託してきております。
  315. 井上一徳

    ○井上(一)委員 私の問題意識は、先ほど言ったように、英国の会社を通して第三国から送信するのではなくて、日本から送信するべきだというふうに思っているんですけれども、この点については、政府拉致対策本部としてはどういう認識ですか。
  316. 岡本宰

    岡本政府参考人 お答え申し上げます。  日本国内の海外向け短波ラジオ放送に係る送信所、先ほど申し上げましたように、八俣送信所のみでございます。この送信所は、NHKが独占的使用権を有しておりますので、北朝鮮向け短波ラジオ放送「ふるさとの風」を国内から放送するには、この番組をNHKから放送してもらうか、八俣送信所の使用権、放送枠ですね、これを一部NHKから借り受ける、このいずれかによる必要があります。  このうち、「ふるさとの風」をNHKに放送してもらうことは、NHKは自ら制作した番組以外の番組の放送は行っておりませんので、これはできないと考えられます。また、NHKが独占的使用権を有しておりますこの八俣送信所の使用権、放送枠の一部を政府が借り受けることについても、NHKに照会いたしましたが、困難としております。  一方、民間団体の特定失踪者問題調査会は、同会が運営する北朝鮮向け短波ラジオ放送「しおかぜ」の放送のために、一日二時間三十分の放送枠をNHKから借り受けております。この二時間三十分の放送枠のうち、二時間を「しおかぜ」の放送に充てて、残りの三十分につきましては、政府からの委託を受けて「ふるさとの風」の放送に充てております。  したがいまして、現在も、「ふるさとの風」は、海外の送信所を使って放送するとともに、加えて、一日三十分、国内の送信所を使って北朝鮮に向けて短波ラジオ放送を行っております。  「ふるさとの風」の送信拠点につきましては、北朝鮮に向けて安定的に放送できるよう、日本国内からの送信も含めまして、いかなる手段によることが最も望ましいのか、不断の検討を重ねつつ、適切に対応してまいりたいというふうに考えております。
  317. 井上一徳

    ○井上(一)委員 済みません、全部答えていただいたので、多分聞いている人は分からなかったと思うんですけれども、拉致対策本部としては国内から送信したいという思いなんです。その思いで、八俣の送信所を使いたいと。けれども、ただ、これはNHKが持っている。  NHKに対して、昨年の二月十七日に、内閣官房の拉致対策本部から二つ聞いたんですね。一つは、NHKの放送網を使って「ふるさとの風」の番組内容を放送できますか、もう一つが、「ふるさとの風」を放送するに当たり、NHKの放送拠点となっているKDDIの八俣送信所を使用できますかという、この二つを質問されたわけですね。昨年の二月十七日、もう一年近くたつわけです。  そういう問合せ、まず、問合せの内容について簡潔に御説明ください。総務省を通じてNHKに二つ質問されたわけですよね。その質問の内容を簡潔に御説明ください。
  318. 岡本宰

    岡本政府参考人 お答え申し上げます。  ただいま先生からお話があったとおりでございますけれども、正確にその質問内容を申し上げますと、二月十七日付で、NHKに対しまして、二点でございますが、一点目は、当方から、私どもから「ふるさとの風」、「日本の風」のコンテンツをNHKに渡して、NHKの放送として、現行の「ふるさとの風」、「日本の風」の海外からの送信と同じ時間帯又はそれ以外のNHKが送信機を使用しない空き時間でNHKの放送枠を用いて放送することの可否、それから二点目が、当方が、私ども政府が、特定失踪者問題調査会と同様に、総務省から無線通信業務に係る特別業務の局として免許を取得した上で、NHKから八俣送信所の使用権を一部借り受けて北朝鮮向けに「ふるさとの風」、「日本の風」を送信することの可否、この二点について照会いたしました。
  319. 井上一徳

    ○井上(一)委員 それで、これは昨年の二月十七日ですから、約一年たっているわけですけれども、NHKとしてはこの問合せに対してどういう回答をされたか、御説明ください。
  320. 松坂千尋

    松坂参考人 お答えいたします。  拉致問題は、NHKにとってもしっかり扱うべき重要なテーマだと認識をしております。  拉致問題対策本部からの検討依頼のうち、政府のコンテンツをそのままNHKの放送として放送することについては、番組編集の自主自律の観点からお受けできないと考えているというふうにお答えいたしました。  それから、八俣送信所の送信機につきましては、これまで、独占的使用権を有するNHKと所有権を有するKDDI、それに特定失踪者問題調査会の三者の合意の下、調査会の使用を認め、「しおかぜ」の送信が行われてきております。使用を認める相手方が増えまして複数になると、調整が複雑になると考えているところであります。
  321. 井上一徳

    ○井上(一)委員 二つ、NHKは回答されたわけですけれども、まず一つ目、自主自律の編成権ということでした。  この点について一つ確認しておきたいんですけれども、放送法の六十五条ですね。これについては、国際放送の実施の要請等ということで、総務大臣は、協会に対し、放送区域、放送事項、邦人の生命とか身体及び財産の保護に係る事項、国の重要な政策に係る事項、国の文化、伝統及び社会経済に係る重要事項云々、その他必要な事項を指定して国際放送又は協会国際衛星放送を行うことを要請することができると。国際放送に対しては総務大臣は要請できるということになっているわけです。  私は、この規定を使うこともできるのではないかなというふうに思っているんですが、その点について、総務省はどういうようなお考えでしょうか。
  322. 秋本芳徳

    秋本政府参考人 お答えいたします。  委員から今御指摘のございました放送法の六十五条に、国際放送の実施要請についての規定がございます。  この規定に基づきまして、今年度、令和二年度につきましては、北朝鮮による日本人拉致問題に特に留意することなどの文言を入れたラジオ国際放送の実施要請を行っております。  一方で、同じ六十五条の第二項におきまして、「要請をする場合には、協会の放送番組の編集の自由に配慮しなければならない。」という規定がございます。個別の放送内容については、NHKの自主的な判断に委ねられるものと認識をしております。
  323. 井上一徳

    ○井上(一)委員 今の放送法の解釈をしていただきました。  そうすると、二つ目なんですね。  NHKというか、KDDIが所有している八俣の送信所、これを使うことはできないかということで、それは先ほどNHKからの回答がありましたけれども、今まで三者でやっているやつがもう一者入ると調整が複雑になると。これは当たり前のことなんですよね、調整は複雑になる。調整が複雑になるということだけで、使えるか使えないかは分からないわけです。これを使うことができるかどうかということについてはどうですか、NHK
  324. 松坂千尋

    松坂参考人 八俣送信所の送信機につきましては、先ほども述べましたけれども、NHK、KDDI、特定失踪者問題調査会の三者で覚書を結び、NHKの国際放送に支障がないことなどを条件に調査会に対して使用を認めてきました。  この枠組みをそのまま利用し、政府が調査会への委託を増やすということであれば、仮にその分、調査会による送信機の使用時間の延長が必要になったとしても、NHKにとっては使用を認める相手方は変わらないことになります。  先ほど拉致対策本部からの答弁でありましたけれども、現状でも、毎日一回「しおかぜ」の枠を使って、三十分間、八俣送信所からコンテンツを送信していることは承知しております。  今後、調査会から使用時間を延長したいとの要望があれば、NHK、KDDI、調査会の三者の枠組みの下、NHKの国際放送に支障がないかなどの観点から検討を行っていきたいというふうに考えております。
  325. 井上一徳

    ○井上(一)委員 私は、やはり依然として、三者が四者になって調整が複雑になるというだけで、その八俣の送信所を政府が使うことはできるのではないかというふうに思っているんですけれども、このNHKの回答に対して内閣官房拉致対策本部はどういうような見解ですか。
  326. 岡本宰

    岡本政府参考人 お答え申し上げます。  ただいまNHKから答弁がございましたように、「しおかぜ」による「ふるさとの風」の委託放送枠、これは現在も行っておりますが、この現在の三十分からこれを拡大することにつきましては、NHK、特定失踪者問題調査会、それから八俣送信所を所有するKDDI等関係者の意向を踏まえながら、その可能性を検討する余地はあるということでございました。  他方、この検討を行うに当たりましては、調査会がNHKから借り受けていますこの放送枠については、八俣送信所の保守用送信設備、すなわちバックアップ用の予備機の使用権でありまして、仮にNHKの放送に不具合が生じた際には、予備機がNHKに優先的に割り当てられて、調査会は使用できなくなり、調査会に委託している政府の「ふるさとの風」も放送できなくなってしまう可能性があるということに留意する必要があります。  したがいまして、仮に「しおかぜ」による「ふるさとの風」の委託放送の時間枠の拡充が実現したといたしましても、北朝鮮に対する安定的な放送の継続を確保する観点から、海外からの送信につきましても、引き続き維持する必要があるとは考えております。  いずれにしましても、「ふるさとの風」の送信拠点につきましては、北朝鮮に向けて安定的に放送できますように、国内からの送信も含めまして、いかなる手段によるのが最も望ましいのか、不断の検討を重ねながら適切に対応してまいりたいと考えております。
  327. 井上一徳

    ○井上(一)委員 今の政府の説明を聞いていると、拉致対策本部としては、自分自らがそこの管理をするという考えはないけれども、今「しおかぜ」の方で委託している部分、これを拡充していくというのが一つの考え方だということだったと思います。  私も調整に時間がかかるということはよく分かりますので、一つのやり方としては、「しおかぜ」が持っている番組の中で政府の枠を広げるとか、さらには、政府がほとんどそれを使用するということも私は考えられると思うんです。そういう方向で是非、政府、拉致対策本部、それからNHK、それから総務省関係してくると思いますので、しっかり調整をしていただきたいと思います。  まず、その点について、拉致対策本部、どうでしょうか。
  328. 岡本宰

    岡本政府参考人 安定的な放送を確保するためには放送手段を多元的に構えておく必要があると思いますので、国内からの放送の拡充も含めまして検討してまいりたいというふうに考えております。
  329. 井上一徳

    ○井上(一)委員 是非、検討するというよりは、やる方向で詳細を詰めていってほしいというふうに思います。  ちょっとNHKにも見解をお聞きしたいと思います。
  330. 松坂千尋

    松坂参考人 三者の間で検討を進めていきたいというふうに考えております。
  331. 井上一徳

    ○井上(一)委員 では、これは最後はちょっと総務大臣に締めで御発言いただきたいんですけれども、周波数の割当てとか、こういうことについてはやはり総務省総務大臣の権限になると思います。そういう意味で、総務省もしっかり両者の調整をバックアップしていただきたいと思いますし、日本からの放送がしっかりできるように総務省の御支援もいただきたいと思います。いかがでしょうか。
  332. 武田良太

    武田国務大臣 菅政権の最重要課題がこの拉致の問題でありまして、拉致被害者等に向けた情報発信の強化というものを図っていくことは、これは政府を挙げて取り組んでいかなくてはならない問題だと思っております。  御指摘のように、周波数の国際調整などの、今後とも必要な対応を行ってまいりたいと考えております。
  333. 井上一徳

    ○井上(一)委員 是非、大臣、御支援よろしくお願いいたします。  それでは、拉致問題に関する国際放送の質疑はこれまでとして、続いて、コロナ対策について伺います。  二月七日に緊急事態宣言が延長されました。ただ、感染者数も徐々に減ってきてはおりますけれども、経済状況は本当に深刻で、今日も、日経というか、株価は三万円を超えたとか、そんなような報道がありましたけれども、地方の経済状況は本当にひどい状況なんですね。もう店は本当にやっていられないという方々が地元を回っても本当に多くおられます。  それで、まず、時短要請協力金についてお聞きしたいと思います。  緊急事態宣言対象地域では一律に六万円ということになっていますが、大規模な飲食店にしてみれば、六万円では固定費を賄えないというような意見も出ていますし、個人経営のような小さな飲食店、これについては売上げを超える支給になっているのではないかというような意見も他方であります。  小さな飲食店の方々、私の地元にもたくさんあるんですけれども、正直、そんなに六万円も必要ではないと思っておられるんです。ただ、周りの人からは、あなたのところはいいね、六万円ももらえて、私のところは何も出ないのに、そういう声も聞こえてきて、飲食店の方々も、自分のところに全く非がないにもかかわらず、困っておられるわけです。  やはり私は、国民全体が心を一つにしてこのコロナを乗り越えていこうというときに、余り分断があるのはよくないと思っているんですね。  そういう意味で、私はやはり、補償をするのであれば、補償というか、支援するのであれば、事業規模に応じた支援、これが大事だなと思っているんですが、まず、この一律六万円の支援について、私のところには不平不満の声が結構聞こえてくるんですけれども、政府には聞こえてきているでしょうか。
  334. 梶尾雅宏

    梶尾政府参考人 お答え申し上げます。  ただいま御指摘のありましたような一律の支給になっているということで、大規模な店では固定費も賄えないような場合、あるいは小規模な店では売上げより多い、そういったような御意見があることは私どもも承知しているところでございます。
  335. 井上一徳

    ○井上(一)委員 済みません、小さな飲食店のところはどうでしょうか。
  336. 梶尾雅宏

    梶尾政府参考人 失礼しました。  小さなお店については、売上げよりも多いというようなことが、御意見があるということも承知しているところでございます。
  337. 井上一徳

    ○井上(一)委員 それで、一月二十九日の官房長官の記者会見のときに、事業規模に応じた支援の在り方を検討するというような御発言もあるんですけれども、これを踏まえて内閣官房として何か検討はされているんでしょうか。
  338. 梶尾雅宏

    梶尾政府参考人 お答え申し上げます。  協力金につきましては、地域の実情に応じました各自治体での判断で対象事業者ごとに異なる支援額を設定することは制度上可能ではございますけれども、事務負担の軽減ですとか交付手続の迅速化の観点から、一般に支援額を一律にしているというふうに承知しております。  そして、これまでも、大企業も含めて対象にしますとか、あるいは店舗ごとで協力金を算定するということ、また雇用調整助成金により人件費も含めた対応ということもございまして、規模に配慮した支援となっておりまして、飲食店の人件費や固定費のかなりの部分をカバーできるというふうには考えております。  引き続きしっかりとした支援を行っていくことでございますけれども、今般、特別措置法の改正で、支援の規定というのを創設いたしました。したがいまして、特別措置法に基づく要請に伴います支援につきましては、要請の内容やそれによる経営への影響の度合いなどを勘案して、公平性の観点や円滑な執行が行われることに配慮して、要請に十分な理解と協力が得られるようにするために、必要な支援となるように取り組んでいきたいというふうに思っております。
  339. 井上一徳

    ○井上(一)委員 是非、やはり公平性というのも支給に当たっては重視していただきたいと思いますので、引き続き、事業規模に応じた補償的支援、これを検討していっていただきたいと思います。  次は、緊急事態宣言の影響緩和に係る一時支援金ということで、飲食店の方々以外にも困っておられる方に支援をしていくということで、今、政府の方で、中小企業庁の方で検討されていると思いますが、この概要について御説明ください。
  340. 飯田健太

    飯田政府参考人 お答えいたします。  一時支援金の検討状況でございます。  今、要件の詳細につきまして検討中でございます。三月頭の申請の受付の開始に向けまして、申請を検討されておられる事業者の方々の参考となるように、二月の十日に現時点での検討内容を公表させていただいております。その中では、対象となる事業者のより具体的なイメージですとか、申請プロセスや事務手続の概要などについて触れさせていただいております。  また、制度の概要の公表と併せまして、申請要領ですとかQAの作成に当たって参考とするために、御質問、御意見などを受け付ける問合せフォームをホームページ上に設置をしてございます。  こういった御意見、御質問なども参考にしながら、二月の下旬を目途に、もう少し詳細な申請要領やQAを作成、公表していく予定でございます。
  341. 井上一徳

    ○井上(一)委員 飲食店というと、居酒屋さんとかそういうところをイメージしやすいんですが、他方で、喫茶店とかそういうところも、同じように、コロナ対策をしっかりやった上で、感染が広がらないようにという努力をされているわけです。  ただ、喫茶店なんかでいうと、例えば七時ぐらいに終わってしまうというようなところがあって、そこは時短要請の対象ではないですから、自分のところはもらえない。他方で、隣の居酒屋さんはもらえているということで、不公平感になっているわけですけれども。  そういう意味で、この一時支援金、額は休業支援金に比べれば少ないですけれども、それでも支援をするという姿勢は大事だと思うんですが、今言った例えば喫茶店のようなところ、こういうところも対象に含まれるというふうに考えておいてよろしいでしょうか。
  342. 飯田健太

    飯田政府参考人 お答えいたします。  一時支援金、御地元などの喫茶店のお話でございますけれども、一時支援金につきましては、緊急事態宣言に伴う飲食店の時短営業に加えまして、不要不急の外出、それから移動の自粛により影響を受けた事業者の方々も対象になり得ます。  したがいまして、時短要請の対象となっていない喫茶店などの事業者を含めて、主に対面で個人向けに商品、サービスの提供を行う事業者の方々であっても、緊急事態宣言に伴いまして外出自粛の要請を受けて売上げが大幅に減少した事業者であれば対象となり得ると考えておりまして、先ほど申し上げましたQAなどの中でもしっかりお示しをしていきたいと考えてございます。
  343. 井上一徳

    ○井上(一)委員 先ほども申し上げたように、大変困っている業者の方々は本当に多くおられるので、幅広く業種の対象を考えていただきたいと思います。  その上で、何回も言っているんですけれども、持続化給付金の第二弾、これについても是非実施していただきたいということを強く要望しておきたいと思います。  続きまして、GoToトラベルです。  京都北部も例えば天橋立とか観光地はたくさんあるんですけれども、今回GoToトラベルが急に停止ということになって大打撃になっているわけです。全国一律でGoToキャンペーンをやるかやらないかとなると、京都北部なんかは感染者の方はほとんどおられないわけです。にもかかわらず、全国的にどんとやったりどんとやめたりするので影響がすごい大きいんですね。  私はもっと地方ごとにGoToキャンペーンができないかというふうに思っておりまして、この点について、二月八日の予算委員会でも、赤羽国土交通大臣がトラベル事業に関して、地域を限定して再開することも一法ではないかみたいな発言をされているんですけれども、今この検討はどういうふうな状況になっているでしょうか。
  344. 村田茂樹

    村田政府参考人 お答え申し上げます。  現在、GoToトラベル事業につきましては、先生御指摘のとおり、緊急事態宣言の発出に伴いまして、年末からの全国一律の停止措置を継続しているところでございます。  緊急事態宣言が今後解除された後の本事業の取扱いにつきましては、今後の感染状況の見通しや医療の提供体制の状況等を踏まえまして、政府の分科会の御意見もいただきながら、内閣官房を始めとした関係省庁とも連携の上、改めて政府全体として判断していくものと考えております。  御指摘地域限定での再開でございますが、全国知事会から、GoToキャンペーン事業については、感染状況などの地域の実情を踏まえ、感染が落ち着いている地域の宿泊施設をその地域の住民が利用する場合に限って再開してほしいとの緊急提言もいただいているところでございまして、一つのアイデアとして検討を進めていきたいというふうに考えております。  いずれにいたしましても、事業の再開の検討に際しましては、国民皆様が安心して旅行できる環境を醸成できますように、改めて感染防止対策を徹底するなど、必要な見直しを含めて今後取り組んでまいります。
  345. 井上一徳

    ○井上(一)委員 感染防止対策を徹底するのはもちろんですけれども、地域限定のGoToキャンペーンについても是非検討を更に深めていっていただきたいと思います。  次は、これも地元を回っていて聞く話なんですが、コロナ禍において、子育て、非常にストレスを感じながらやっているという方もおられまして、今回、財務省の個人所得課税改正の説明を聞いた中で、国や地方自治体の実施する子育てに係る助成、これは非課税にするということで考えておられるようですけれども、こうした措置を行う背景について御説明いただきたいと思います。
  346. 小野平八郎

    ○小野政府参考人 お答えいたします。  保育の負担軽減を図る形での少子化対策は重要でございまして、こうした観点から、保育を主とする助成を国、さらには自治体が実施する動きが広がってきていると認識しております。  このため、今般の所得税法等の改正におきましては、学資金が所得税法上非課税とされていることや、幼児教育、保育無償化により国から受ける補助については子ども・子育て支援法で非課税とされていることなども踏まえまして、子育て支援観点から、保育を主とする国や自治体からの子育てに係る助成等について所得税を非課税とする措置を講じることとしておりまして、現在、所要の法案を国会に提出して御審議をお願いしているところでございます。
  347. 井上一徳

    ○井上(一)委員 私は、子育てに係る助成で支援していくというのは、これはいい方向だというふうに評価しておるんです。  これも地元を回っているときに聞いた話なんですが、中小企業の経営者で、従業員の方で子育てしている人がいる、その人に対して保育料を是非支援してあげたいというふうに思って、どうですか、こういった手当をした場合にもらいますかと。  本人は、当然、保育料の支援になるわけですから、いただけるものはいただきたいということだったんですけれども、よく調べてみると、それは課税対象になっている。課税対象になると扶養控除を超えてしまうので、せっかくの申出ですけれども、その保育料に対する手当というか支援はちょっと遠慮させていただきますというような話があって、是非これも、先ほどの国と地方公共団体支援と同じように、企業から保育料を支援する、そういった場合についても非課税措置、これはしてもらってもいいのではないかというふうに思うんですけれども、いかがですか。
  348. 小野平八郎

    ○小野政府参考人 お答え申し上げます。  御指摘のような、企業から従業員への助成につきましては様々なものがあり得ると承知してございます。その中で、給与その他対価の性質を有するものは給与所得として課税することが原則となってございまして、保育に係る助成を企業が直接従業員に行った場合についても、基本的には給与として課税されることとなります。  仮に、企業から従業員への保育に係る助成について所得税を非課税とする場合には、本来給与とされるべき収入からの振替が生じるなど課税逃れが起こり得ること、企業はいろいろな助成を従業員に対して出しておりますけれども、そうしたものとのバランス、あるいは事業所得者の方との公平性など、様々な観点を踏まえる必要があり、慎重な検討が必要であると考えております。
  349. 井上一徳

    ○井上(一)委員 慎重な検討ということは、ほとんどやらないというふうに聞こえたんですけれども、問題意識は私は共有していただいてもいいのではないかなと思っていて、例えば非課税所得、これは九条にいろいろずらっと書いているわけですね。先ほど言ったように、学資金みたいなものもそうですね。それから通勤手当、これなんかも非課税ですよね。そういうものと同じように、保育料についても私は非課税にした方がいいし、これから子育てしやすい社会にしていくという観点からは、逆に言うと、すべきだと思っているんですけれども、どうですかね。
  350. 小野平八郎

    ○小野政府参考人 お答えいたします。  繰り返しになりますけれども、恐らく、子育て支援という名目で従業員に直接企業が助成を行っているような場合には、本来給与とされる収入、これとの区別をどうするかといったことを始めとして様々な問題があると考えておりまして、いずれにせよ、慎重な検討が必要であると考えております。
  351. 井上一徳

    ○井上(一)委員 正直、やはり今のそういう答弁だと、菅政権、自民党、子育てに対して非常に後ろ向き。私はそれは強く言いますよ、そういうふうに。やはりいろいろ検討はしないといけないけれども、すぐに、法律改正だからできないにしても、今の状況を踏まえたら、前向きに検討していくべきじゃないですか、これは。  自民党の皆さん、どうですか、これ。子育て、保育料を中小企業の経営者が出したい、だけれども、受け取ると課税になっているから困るんです。これは非課税にしてもいいんじゃないですか。  では、済みません、今日は事務方しか呼んでいないので、政治的な判断はなかなか難しいと思うんですけれども、総務大臣に振ると総務大臣に迷惑かけるかもしれないですけれども、何か一言。
  352. 武田良太

    武田国務大臣 こうしたコロナ禍において、やはり柔軟な発想で、過去にとらわれず、国民のために新たなる発想でどんどんチャレンジしていくというのはしかるべき態度だと私は考えています。
  353. 井上一徳

    ○井上(一)委員 大臣、やはり心強いです。だから、それが勇気になるんですよ、子育てしている方々の。政府はやはり温かい、そういうメッセージを発することでこのコロナ禍を乗り越えていこうという意欲が湧いてくるんですよ。是非、総務大臣もバックアップしていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  じゃ、残りで消防団について。  消防団の処遇についてもこの総務委員会質問をさせていただいているんですが、消防庁も随分取り組んでいただいて、処遇は大分よくなってきたというふうに聞いております。  今、消防団の処遇改善に向けてどういう取組をされているか、御説明ください。
  354. 山口英樹

    山口政府参考人 お答えをさせていただきます。  消防団員の処遇の改善につきましては、これまでも、本委員会におきまして委員からも御質疑等を賜っているところでございます。また、平成二十五年に成立いたしました消防団を中核とした地域防災力の充実強化に関する法律においても、処遇改善について盛り込まれているところでございます。  消防庁といたしましては、これまでも、大臣書簡あるいは消防庁長官通知によりまして年額報酬などの引上げを市町村に要請してきたところでございます。また、特に、年額報酬が極めて低額な市町村につきましては、市町村の首長などに対し個別に引上げをお願いする、そういった働きかけを行ったところでございます。  こうした取組もございまして、平成二十七年四月一日時点で年額報酬を支給していなかった団体も三団体ほどございましたが、これらは平成二十八年四月一日時点で全て解消され、平成二十七年四月一日時点で三十八団体ございました一万円未満の団体につきましては、平成三十一年四月時点では十九団体でございましたが、令和二年四月一日時点では六団体というふうに減少してきております。また、年額報酬の全国の条例平均額も毎年上昇してきているところでございます。
  355. 井上一徳

    ○井上(一)委員 やはり消防団というのは地域の宝ですから、是非、処遇面もいろいろな意味で配慮していただきたいと思います。  じゃ、最後になりますけれども、消防団の皆さん、本当に休みの日、自分の仕事を持ちながらボランティアで、ボランティア精神でやっておられます。年末年始の警戒とか、それも本当に私は頭の下がる思いなんです。最後になりますけれども、総務大臣から消防団の皆さんに激励のメッセージをいただいて、終わりにしたいと思います。
  356. 武田良太

    武田国務大臣 全国に八十一万八千人と言われる消防団の皆様方には本当に感謝をいたしております。また、今日、この席に御臨席の委員皆様方の御地元の消防団の皆様方にも、是非ともその組織の拡大に更に御尽力をいただくようお願いをしていただきたいと思います。  過去においては、井上議員と一緒に防衛行政に携わったこともありますし、私は前任は防災担当を引き受けさせていただきました。大きな災害があった地域の方々は、そのときに例えば自衛隊であるとか消防団のありがたさというものを初めて気づくというふうなことをよく言われる方がおられます。  災いというのは、時と所というものを選びません。必ずや、何かあったときに地域消防団という方々の役割というものは大きなものになると思います。命に直結、地域の安全保障に直結する消防団を是非とも皆様方にも応援していただきたいと思いますし、総務省を挙げてこの組織拡大のために取り組んでいきたい、このように考えております。
  357. 井上一徳

    ○井上(一)委員 ありがとうございました。      ――――◇―――――
  358. 石田祝稔

    石田委員長 次に、地方自治及び地方税財政に関する件について調査を進めます。  この際、令和三年度地方財政計画について説明を聴取いたします。武田総務大臣
  359. 武田良太

    武田国務大臣 令和三年度地方財政計画の概要について、御説明申し上げます。  本計画の策定に際しては、通常収支分については、地域社会デジタル化や防災・減災、国土強靱化、地方創生の推進、地域社会の維持、再生等に対応するために必要な経費を計上することとしております。  あわせて、新型コロナウイルス感染症の影響により地方税等が大幅な減収となる中、引き続き生ずる財源不足については、適切な補填措置を講ずることとして、地方の一般財源総額について、交付団体ベースで、実質前年度の地方財政計画を上回る額を確保することとしております。  また、東日本大震災分については、復旧復興事業について、直轄・補助事業に係る地方負担分等を措置する震災復興特別交付税を確保することとしております。  以上の方針の下に、令和三年度の地方財政計画を策定いたしました結果、歳入歳出総額の規模は、通常収支分については、前年度に比べ九千三百三十七億円減の八十九兆八千六十億円、東日本大震災分については、復旧復興事業が、前年度に比べ五千六百五十六億円減の三千三百二十八億円などとなっております。  以上が、令和三年度地方財政計画の概要でございます。
  360. 石田祝稔

    石田委員長 以上で説明は終わりました。      ――――◇―――――
  361. 石田祝稔

    石田委員長 次に、本日付託になりました内閣提出地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。  順次趣旨の説明を聴取いたします。武田総務大臣。     ―――――――――――――  地方税法等の一部を改正する法律案  地方交付税法等の一部を改正する法律案     〔本号末尾に掲載〕     ―――――――――――――
  362. 武田良太

    武田国務大臣 地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案につきまして、御説明申し上げます。  まず、地方税法等の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  現下の経済情勢等を踏まえ、地方税に関し、所要の施策を講ずるため、本法律案を提出した次第です。  以下、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。  第一に、固定資産税及び都市計画税の改正です。令和三年度の評価替えに当たり、現行の土地に係る負担調整措置等を継続した上で、令和三年度に限り、負担調整措置等により課税標準額が増加する土地について前年度の課税標準額に据え置く特別な措置を講ずることとしております。  第二に、不動産取得税の改正です。住宅及び土地の取得に係る不動産取得税の税率の特例措置の適用期限を三年延長することとしております。  第三に、車体課税の改正です。自動車税及び軽自動車税の環境性能割の税率区分等の見直しを行うこととしております。  その他、税負担軽減措置等の整理合理化等を行うこととしております。  以上が、この法律案の提案理由及び内容の概要でございます。  次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  地方財政の収支が引き続き著しく不均衡な状況にあること等に鑑み、地方交付税の総額の特例等の措置を講ずるため、本法律案を提出した次第です。  以下、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。  第一に、地方交付税の総額の特例です。令和三年度分の通常収支に係る地方交付税の総額は、地方交付税の法定率分に、法定加算額、令和二年度からの繰越額、臨時財政対策のための特例加算額及び地方公共団体金融機構の公庫債権金利変動準備金の活用による加算等を加え、交付税特別会計における借入金利子支払い額等を控除した額十七兆四千三百八十五億円とすることとしております。  また、交付税特別会計借入金について、各年度の償還額を見直し、令和三十八年度までに償還することとするほか、令和元年度における地方交付税の精算減額四千八百十一億円について、令和九年度から令和十八年度までの各年度分の地方交付税の総額から減額することとしております。  第二に、地方交付税の基準財政需要額の算定方法の改正です。地域社会デジタル化に集中的に取り組むための経費の財源を措置するため、令和三年度及び令和四年度における措置として、地域デジタル社会推進費を設けるほか、各種の制度改正等に伴って必要となる行政経費の財源を措置するため、令和三年度分の普通交付税の算定に用いる単位費用を改正することとしております。  第三に、東日本大震災の復旧復興のための財源となる震災復興特別交付税の確保です。令和三年度分の震災復興特別交付税については、新たに千三百二十六億円を確保することとしております。  その他、令和二年度から令和六年度までの間に限り河川等におけるしゅんせつ等に要する経費に充てるため発行できることとされている地方債の対象に、防災重点農業用ため池等を追加するほか、自動車税環境性能割の臨時的軽減の適用期限を延長することによる地方公共団体の減収額を埋めるため、自動車税減収補填特例交付金の交付年度を令和三年度まで延長することとしております。  以上が、この法律案の提案理由及び内容の概要でございます。  何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同を賜りますようお願い申し上げます。
  363. 石田祝稔

    石田委員長 これにて両案についての趣旨の説明は終わりました。  次回は、来る十八日木曜日委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時七分散会