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鈴木(馨)
委員 ありがとうございます。
まさにこうした長期的な
収益、これは正直、長い将来のところは分かりませんから、そこをどうきちんと、投資家が知ることができる、あるいは推測をすることができるか、こういったことのベースがあって初めて、長期的な
収益に基づいた資本主義の再
構築、そういったロジックモデルを組み立てられるんだろうと
思います。
そういった
意味でいうと、今おっしゃっていただきましたけれ
ども、今ちょうどパブリックコメントにもかかっておりますコーポレートガバナンス・コード、こういった長期の視点において必要なファクターというもの、ある
意味かなり広範に盛り込まれている
状況になっていると
思いますので、是非、そうした流れの中で更に前向きに政策を進めていっていただきたいと思っております。
こうした長期的な視点、そういった
経済体系にするには、やはり
金融の、マネーの力というもの、これはかなり私は大きいと思っています。今申し上げましたようなコーポレートガバナンス・コードというのもかなり大きな
影響がありますけれ
ども、それと同時に、例えばESGということで申し上げると、ESG銘柄にお金が入るかどうか、そのことが、ESG銘柄がほかの銘柄に比べてアウトパフォームするかどうかに決定的に大事になってくる。となるとすれば、実は、最初にこうしたESG銘柄が、リスクは長期的に見れば少ないということで、きちんと買われていくような、ある
意味でエコシステムというか、そういったモデルが成り立っていくことが極めて大事なんだろうと思っております。
その点で、最近、欧米を中心に、中央
銀行のそういった役割というものへの注目がかなり出てきている、そういった
状況であろうと
思います。今日は日銀の
黒田総裁にもお越しをいただいておりますので、こうした点で
質疑をさせていただきたいと思うんです。
ちょうど三月には、
イギリスにおいて、
財務大臣が
イギリスのイングランド
銀行に対して、マンデートの
一つとして気候変動というものを定義づけをするようにと、そういった
動きもありました。たしかこれは、BOEはそこを歓迎する、そういった話になっていたと記憶していますけれ
ども。
もちろん、
日本銀行においては、マンデート自体にこうした気候変動ということを盛り込むということはないんだろうと
思いますが、ちょうど
黒田総裁も、三月の二十五日ですか、
日本銀行の主催の気候変動関連の
会議でのスピーチもされておりまして、その中で、総裁のスピーチの中では、気候変動は中長期的に実体
経済や
金融システムに大きな
影響をもたらすことから、中央
銀行の政策運営にも重要な
影響を与えます、したがって、中央
銀行としても必要な対応を
考えていくことになります、すなわち、
金融政策運営においては、当然ながら、前提となる
経済、物価に関する情勢判断を、気候変動やこれに対する政府の政策対応の
影響を踏まえて行っていく必要がありますと。そうされた上で、実際にこうしたサステーナブルファイナンスを支援するかどうかについては、中銀のマンデートや
金融政策手段の
市場中立性との関係が論点となるでしょう、そういったことをおっしゃられております。
そこでお伺いをしたいんですけれ
ども、これまで、
日本銀行、言ってみれば、物価、
経済というものを目標とした
金融政策を行うに当たって、その資産買入れに当たっては、例えばETFだったりとか、かなり冒険的なというか、これまでもアプローチをされています。
そういった中で、同じく、これからそうした資産の買入れの面において、当然、総裁のスピーチの中でも、気候変動ファクターというものが
経済全体のレジリエンスにはかなり大きなファクターとなっている、そういった認識は恐らく共有をされていると
思いますので、将来的に、こうしたグリーンであったりあるいはESGの
観点、こういったことを買入れ資産の中で反映をしていくという
可能性は皆無と言っていいのかどうなのか。まさにこの中立性の判断ということであると
思いますけれ
ども、今後の
議論の見通しについてどうお
考えなのかを是非お伺いできればと
思います。