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江田(憲)
委員 いみじくも認められたように、このIR
構想というのは、やはりカジノ抜きでは語れないんですよね。だから、私の
地元でも、もう自民党や公明党の議員が、いやいや、カジノはIRの面積のたった三%なんだ、IRというのは、ホテルもありまっせ、国際
会議場も展示場もレストランもショッピングセンターもすばらしい施設なんだ、三%なんだと。しかし、いみじくも
大臣が認められたように、もう最近では、IRの収益の八割、九割はカジノがもうける、そのお金で展示場や
会議場を運営するというビジネスモデルなんですよ。ですから、だからこそ、それを問題にしているわけですよ。
それで、これは
日本政策投資銀行とJTBが一九年に
調査した。
日本でIRを造ったら、外国の皆さん、何に関心がありますかと訪日客に聞いたんですね、
調査で。その
調査によると、トップはショッピングですよ、四二%。あと、アミューズメント、温泉、温浴と続きまして、カジノに行きたいという人はたった九%で最下位ですよ。でも、九%もいたということが、まあ私はあれですけれども。
いずれにせよ、何度も言いますけれども、カジノ目当てで来るのは、せいぜいそれは、今のマレーシアだ
フィリピンだシンガポールのカジノを見たって、中国人客ですよ。だけれども、その中国人客でカジノをやりたい人は、わざわざ横浜や大阪に来ません。
これはもう釈迦に説法ですけれども、これはもう自公政権の一つの成果でもありますけれども、カジノなんか造らなくても、
コロナ禍前はどんどん、倍々ゲームで観光客は増えていたじゃないですか、外国人。二〇一二年は八百三十六万人だった外国人観光客が、二〇一八年には三千百十九万人ですよ。順調に増えていた。これは何で増えていたか。
日本特有のパチンコをしたいからじゃないでしょう。風光明媚な自然、温泉、食、これはもう観光庁の
調査でも明らかです。そういう
日本らしい魅力、エキゾチックな魅力、そういったものに引かれて外国人客がどんどん増えているのに、何でわざわざこんなもう時代遅れの、古びた、後で言いますけれども、カジノ、しかも弊害の多いものを導入するのか、本当に私は情けなくてたまらないんですよね。
とにかく、まず一つ、カジノで観光立国だというのが大うそだということは今証明されたと思います。だって、まともに答えられないんだから、どこの国の人がどのぐらいと。大体、需要予測というのを普通するんですから。大体、これは初めて、しかも賭博罪を解禁しようというときには、より大きな理由で、ここまで波及効果が高いんだ、プラスがあるんだ、ここまで外国人客が増えるんだと証明しないと、そんなこともなく強行採決したというのが実態だということを
指摘しておきたいと思います。
それから、二つ目の大きな論点。
安倍さんも、さっき出たシンガポールを見て、経済成長の目玉だ、成長戦略の目玉だと、小一時間見て。
私も行きましたよ、シンガポール、予算
委員会の正式派遣で。自民党、公明党の皆さん、
委員長も含めて行きましたよ。それで、よく分かった、シンガポールが、ある
意味で成功例だというのが。あそこは島国、
都市国家、五百七十万。しかも、私は初めてそこで現地の大使に聞きましたけれども、シンガポールというのは明るい北朝鮮と呼ばれていると。その
意味は、厳しい取締り、監視国家です、植栽の陰には全部監視カメラがあって。
私、ちょうどラッキーなことに、二つありましたよね、シンガポール、セントーサ島と、マリーナ・ベイ・サンズですか、てっぺんにプールがある豪華な。あそこを両方所轄していた警察署長出身の国
会議員とも会えたんですよ。それで、聞いてみた。そうしたら、もうあそこは、ガムを捨てても、たばこを吸っても、すぐ重罪ですよ。それで、彼がこう言っていました、うちでは
タクシーを乗り逃げしただけで即逮捕なんですよと。何でですかと言ったら、監視カメラが全部映していると。それから、指紋認証、顔認証は当たり前。
今、
日本で、マイナンバーカード、いろいろ言われていますけれども、シンガポールなんて個人情報を徹底的に国が管理している。それで、カジノの出入りを全部チェックしているんです。
そこまでして、それで、これが決定的な理由。大体、古今東西、歴史が教えるとおり、賭博、ばくちと暴力団は結びつくんですよ。これは理屈じゃないんです。暴力団の資金源となって、それで闇金やサラ金や風俗店ができる、これが韓国の江原ランドです。これは私も直接見てきました。
江原ランドというのは、御承知のように、炭鉱の町ですよ。
日本もありました。炭鉱が閉鎖された、
地域の振興に目玉の、雇用増や収益金が要る、夢と希望を持ってカジノを誘致した。今はどうなったか。韓国で自殺率トップ、飲酒、喫煙率トップ、風俗店が建ち並ぶ、闇金、質屋が建ち並ぶ。奇怪な風景の町として韓国中で有名になりましたと地方
自治体の職員の方が嘆いておられた。もう青少年に顔向けできない、夢と希望を持って誘致した結果が風紀、治安の乱れだ、人口も半減した、小学校までが隣町に移転してしまう、そういう町になり果てていましたね。
だから、私が言いたいことは、シンガポールは例外中の例外。しかし、今はシンガポールはよく反論で言うんですよ、依存症患者が減っていると。それはよく調べたら、ほとんど個人情報に基づく入口チェックで、出入チェックで、どんどん国内人をもう入れないようにしているんですよ、シンガポールは。ほぼ外国人専用のところにしているんですね。それが依存症患者が減っている理由です。
ですから、とにかくカジノ
推進議連のメンバーも安倍さんも、こういうシンガポールを小一時間駆け足で見ただけで、すばらしいと。私は違うと思います。
そこで、これは根本的な問題なんですけれども、カジノはもう百三十か国で解禁をされ、過当競争、飽和状態、
コロナ禍以前から倒産続出ですよ。アトランティックシティーなんか三分の一、トランプさんが経営するカジノも含めて、三分の一以上倒産した。ミシシッピ州のテュニカというところも、最大のカジノは倒産しました。その後、コロナが襲って、それで続々、倒産が続出して、さっき言ったように、ラスベガス・サンズですらがカジノを売却した、パンデミックで。
それから、
コロナ禍は
デジタル化を進めている。今、菅政権も
デジタル化を進めている、これはいいことでしょう。MICEだって、カジノだって、どんどんオンライン化、
デジタル化が進んでいる。だから、
コロナ禍以前からオンラインカジノの普及で、カジノというビジネスモデルがもう成り立たなくなっている。
そして、
大臣、これは順調に政権のもくろみどおりいっても、どんなに早くたって二〇年代後半、三〇年近い開業でしょう。そういう時代がどうなっているかというと、もう5Gどころか6G、バーチャルリアリティーの世界、今スポーツですらeスポーツ。
こんなでっかい建物を建てて、そこに集客して三密状態でギャンブルを延々と続けさせるビジネスモデル、こんなものが通用するとお思いですか、
大臣。こんなものが、もう今や既に廃れているビジネスモデル。どんどんこれから
デジタル化、オンライン化が進んでいく、そうした中で、こういうビジネスモデルが、いや、通用すると思う方が僕はおかしいと思いますよ。これが根本的な問題だと思うんですけれども、
大臣のお考えをお聞きしたいと思います。