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2021-03-19 第204回国会 衆議院 国土交通委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    令和三年三月十九日(金曜日)     午前九時開議  出席委員    委員長 あかま二郎君    理事 古賀  篤君 理事 谷  公一君    理事 土井  亨君 理事 平口  洋君    理事 簗  和生君 理事 城井  崇君    理事 小宮山泰子君 理事 岡本 三成君       青山 周平君    秋本 真利君       井上 貴博君    泉田 裕彦君       岩田 和親君    小里 泰弘君       加藤 鮎子君    門  博文君       金子 恭之君    菅家 一郎君       工藤 彰三君    小林 茂樹君       鈴木 貴子君    田中 英之君       田中 良生君    高木  啓君       中谷 真一君    中村 裕之君       鳩山 二郎君    深澤 陽一君       堀井  学君    本田 太郎君       三ッ矢憲生君    山本  拓君       荒井  聰君    伊藤 俊輔君       岡本 充功君    武内 則男君       津村 啓介君    辻元 清美君       広田  一君    松田  功君       道下 大樹君    山本和嘉子君       北側 一雄君    吉田 宣弘君       高橋千鶴子君    井上 英孝君       古川 元久君     …………………………………    国土交通大臣       赤羽 一嘉君    国土交通大臣      大西 英男君    防衛副大臣        中山 泰秀君    国土交通大臣政務官    小林 茂樹君    国土交通大臣政務官    鳩山 二郎君    政府参考人    (国土交通省都市局長)  榊  真一君    政府参考人    (国土交通省道路局長)  吉岡 幹夫君    政府参考人    (国土交通省鉄道局長)  上原  淳君    国土交通委員会専門員   武藤 裕良君     ――――――――――――― 委員の異動 三月十九日  辞任         補欠選任   秋本 真利君     青山 周平君   小里 泰弘君     本田 太郎君   辻元 清美君     武内 則男君   広田  一君     津村 啓介君 同日  辞任         補欠選任   青山 周平君     秋本 真利君   本田 太郎君     小里 泰弘君   武内 則男君     辻元 清美君   津村 啓介君     広田  一君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  政府参考人出頭要求に関する件  踏切道改良促進法等の一部を改正する法律案内閣提出第一三号)      ――――◇―――――
  2. あかま二郎

    ○あかま委員長 これより会議を開きます。  内閣提出踏切道改良促進法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  この際、お諮りいたします。  本案審査のため、本日、政府参考人として国土交通省都市局長榊真一君、道路局長吉岡幹夫君及び鉄道局長上原淳君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. あかま二郎

    ○あかま委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――
  4. あかま二郎

    ○あかま委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申出がありますので、順次これを許します。伊藤俊輔君。
  5. 伊藤俊輔

    伊藤(俊)委員 立憲民主党伊藤俊輔でございます。  トップバッターに順番が入れ替わりましたので、よろしくお願いいたします。  今日は、踏切道改良促進法等の一部を改正する法律案について質問をさせていただきたいというふうに思います。  昭和三十六年の踏切道改良促進法の制定以降、様々な踏切道対策が講じられ、当時約七万か所あった踏切道は約三万三千か所に半減をし、踏切事故減少傾向にあると承知をしておりますが、依然として踏切事故が起こっており、また、いわゆる開かずの踏切解消が求められており、今回の法改正等につながっているものと理解をしております。  平成二十八年度から令和年度まで五年間に全国一千百八十か所の踏切道が、現行の踏切道改良促進法に基づく改良すべき踏切道指定をされております。指定された踏切道においては、原則として、令和年度末までに踏切道改良を実施することとされております。間もなく令和年度末であります。  指定された踏切道改良進捗をまずお伺いをしたいと思いますのと、また、平成二十九年一月に、私の地元東京町田市でも四か所の踏切道指定を受けております。その改良状況についても併せてお伺いできたらと思います。
  6. 吉岡幹夫

    吉岡政府参考人 お答えいたします。  平成二十八年度から令和年度までの五年間で、従来の指定箇所数を大幅に上回る千百八十か所を指定しました。このうち、約六割の箇所対策が完了する見込みでして、また、二割の箇所事業中であり、合わせて八割の箇所踏切道事業進捗してございます。残りの二割の箇所についても、今月末までに改良計画作成される見込みであり、引き続き、事業進捗が進むように努めてまいりたいというふうに考えてございます。  御質問の、東京町田市の四か所の踏切道については、自動車ボトルネック等の緊急に対策の検討が必要な踏切に該当しておりまして、平成二十九年一月、御指摘ありましたとおり、踏切道改良促進法に基づきまして、改良すべき踏切道として国土交通大臣より指定したところでございます。  現時点では、東京都道、これは町田街道だと思いますけれども、それと横浜線が交差する大戸踏切道において、東京都が単独の立体交差事業を実施しておりまして、今用地を買収しているというふうに聞いてございます。用地進捗すれば来年度から工事もというような話も聞いているところでございます。また、残りの三か所は、改良計画作成中というふうになっているということでございます。  国土交通省といたしましては、引き続き改良計画作成提出に向けまして助言や指導等を行っていくとともに、着実に改良を実施するよう支援してまいりたいということでございます。
  7. 伊藤俊輔

    伊藤(俊)委員 ありがとうございます。  二割、これからの計画を含めてですけれども、早急に実施がされるように検討していただきたいというのと、それと、私の地元町田市も、約四十三万人の町でありまして、中心町田駅においては一日三十万人以上が利用する駅であります。その中心にある踏切道においても、指定をされておりませんけれども、開かずの踏切の対象として課題を抱えております。隣接をする踏切も含めると、指定されているのが四つ、そして五つの踏切、足して九つの踏切が開かずの踏切ということで、地元課題も抱えております。  先ほど御答弁いただいた大戸踏切においては、数十年かけて住民説明会を繰り返して、着手という方向になりました。アンダーパス計画であります。ありがたいと思いますけれども、数十年にわたってこの住民説明会を繰り返してきて、率直に、時間がかかったなという思いであります。私も参加をさせていただきながら今日に至りますけれども、だんだん住民説明会に出る方々が少なくなってくるのと、そしてまた、どちらにしろ早く結論を出してほしいという思い住民の方が多く持たれていながら、この数十年間にわたって、今日に至ったということであります。  数十年たてば、当時の課題や、人口構成や、あるいは交通量も大きく変わります。この時間がかかり過ぎるという問題、これも課題一つかと、地元踏切と含めて強く実感をしているところであります。  令和元年九月、京浜急行本線神奈川新町駅南側の踏切において、列車トラックに衝突、脱線をし、トラック運転手一名が亡くなり、列車乗客運転士、車掌の計七十七名が重軽傷を負う重大な事故発生をいたしました。  先月、運輸安全委員会は、この事故に関する調査報告書を公表いたしましたけれども、報告書では、ブレーキをかけるのが遅れたことが事故原因であり、ブレーキをかけるのが遅れた要因として、運転士に異常を知らせる信号が見えにくい上に、信号設置位置踏切に近過ぎたという可能性指摘されております。また、京浜急行内部規定で、使用するブレーキの選択を運転士に任せており、この規定事故要因となった可能性があるとされております。  改めて、この事故の概要、そして事故原因、さらには事故後の京浜急行国交省の講じた措置、お伺いをしたいというふうに思います。
  8. 上原淳

    上原政府参考人 お答えいたします。  令和元年九月五日、京浜急行電鉄本線神奈川新町駅構内の神奈川新町第一踏切で、青砥駅発三崎口駅行きの快速特急列車踏切道に進入した大型トラックと衝突し、脱線し、重傷十五名、軽傷六十二名、あとトラック運転手さんが死亡されておりまして、七十八名の死傷者を生じる事故発生いたしました。  先月十八日に運輸安全委員会が本事故調査報告書を公表しておりますが、それによりますと、今回の事故原因は、踏切道特殊信号発光機停止信号を現示していたにもかかわらず列車踏切道までに停止できなかったこと、運転士特殊信号発光機を視認可能となる位置で、踏切道までに停止するためのブレーキ操作ができなかったことによるものとされています。  国土交通省においては、本件事故後に、全国鉄道事業者に対して、本事故の内容を周知するとともに、特殊信号発光機設置状況停止現示を認めた場合のブレーキ操作等取扱いについて、再点検を行うように指示いたしました。  また、京浜急行鉄道におきましても、特殊信号発光機増設特殊信号発光機設置ルール見直し、全運転士に対し、非常ブレーキ取扱いに関するルール見直し及び教育訓練等措置を講じております。
  9. 伊藤俊輔

    伊藤(俊)委員 このような事故を防ぐために、信号増設運転士等訓練を充実させることというのは重要なことと思いますけれども、科学技術の進歩が著しいこの時代に、時速百二十キロで走行する列車緊急停止を瞬時の運転士の判断に頼るというのはいかがなものかというふうにも考えてしまいます。  例えば、小田急電鉄では、自動的に列車ブレーキが動作をする踏切障害物検知装置を、二百二十九の踏切のうち、百三十七の踏切設置をしているとお聞きをしております。東急電鉄でも同様の装置導入しており、ほぼ全ての踏切設置をされているとお聞きをしております。  また、二〇二〇年二月に、私の地元小田急線町田駅の北口の踏切において、AI人工知能を用いた踏切異常状態検知に関する実証実験が行われております。この実証実験は、踏切監視カメラ映像を、カメラ映像AIによる異常状態検知システム活用して解析をすることで、踏切内での異常状態検知をより強化することを目的とするものであります。将来的には、AIによる解析の結果を用いて、付近を走行する列車を自動で停止をさせるなど、踏切での事故を未然に防止する監視体制の構築を目指すものとされております。山陽電鉄や富士急行などでも同様の実証実験がされていると聞いております。  踏切事故防止安全性向上のために有効な取組踏切の安全を人の力に頼るということではなくて、最新技術活用と併せることによって、より安全向上を図るべきだというふうに考えております。  そこで、踏切障害物検知装置導入状況と、このような装置開発の動向についてお伺いするのとともに、装置鉄道事業者導入する際の更なる国の支援が必要だというふうに思いますけれども、大臣見解をいただきたいと思います。
  10. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 踏切事故防止というのは、これはもう最優先、最重要の課題だというふうに思っております。  鉄道に関する事故は、踏切事故と、あとホームからの転落、こうしたことを大変重要に、何とかしなければいけないというふうに思っております。伊藤委員御提案のように、最新技術活用導入しながらより安全性を高めるというのは、まさに御指摘のとおりだというふうに思っております。  ちょっと今の状況を少し簡潔にお話しさせていただきますが、まず、踏切内で閉じ込められた自動車などを検知する方法としましては、いわゆる光電式と呼ばれる装置踏切道に閉じ込められた自動車検知目的として、発光器から照査された光が受光器に届く前に自動車によって遮られたということで、線路内に閉じ込められた自動車検知するという仕組みになっております。  また、他方で、これは歩行者や車椅子が閉じ込められたときには検知されないことが間々ありますので、この改善をするために、近年では、光電式に代わりまして、面的又は立体的な検知が可能な二次元のミリ波方式や三次元レーザーレーダー方式障害物検知装置設置も進められているところでございます。  このような障害物検知装置設置されている踏切は、令和元年度末で一万百五か所となっております。これらの装置のうち、光電式導入につきましては平成十三年度から、また、検知精度の高い高規格方式導入及び光電式からの切替え、バージョンアップに対しましては平成二十八年度から補助を行っていて、より精度の高いものと切替えを進めているところでございます。  また、今委員指摘AI技術活用した画像解析により踏切を監視する方式技術開発も進められておりまして、これは、私どもの認識では、より安価でも導入ができるということでありますし、踏切道安全性向上する意味では大変有効な技術になり得る、こう考えておりますし、もう既に、御紹介のように、一部の鉄道事業者では実証実験も行われているところでございます。  安全最優先のために、それがより広く普及できるようにするためには、委員指摘のとおりの方向国交省としてもしっかりと対応しながら、新たに技術開発された方式を含めて、踏切安全性向上につながるように必要な支援をしっかりと行ってまいりたいと考えております。
  11. 伊藤俊輔

    伊藤(俊)委員 ありがとうございます。  技術開発への支援、あるいはそういった装置導入支援と、様々な支援の視点があると思いますけれども、こういった技術においては必ず必要になるだろうというふうに思いますので、是非前向きにその支援をしていただきたいとお願いを申し上げたいというふうに思います。  そして次に、第四種踏切道対策についてもお尋ねをしたいというふうに思います。  第四種踏切道とは、もう御承知のとおりでありますが、踏切警報機及び遮断機設置をされていないものであります。令和元年度時点で全国に二千六百三か所存在するとお聞きをしておりますけれども、長年にわたってこの改善がなかなか進んでいないとも感じております。全国にある全ての踏切道の、全体に占めるこの第四種踏切道は八%と少ないと言われておりますが、しかし、踏切事故件数割合は高いということであります。現在、対策としても、全国で百四十か所程度手動ゲート設置がされていると承知をしております。  このような課題を踏まえて、JR西日本でも、第四種踏切道手前での物理的な一旦停止等左右確認を促し、直前横断に起因した事故を防ぐことを目的とした踏切ゲート開発し、現在、山口県の長門市で現地試験中と承知をしております。  第四種踏切道において事故発生する要因一つは、踏切通行者踏切手前で一時停止をしないことが指摘をされていることから、手動ゲート設置取組は非常に効果的ではないかというふうに感じております。また、第一種踏切道化と比較をしても、コスト安にできるのではないかということも思います。第一種踏切道化対策はもちろん急務でありますけれども、抜本的な対策がすぐに行うことができないということであれば、できる取組から行っていくことも地域住民の安全、安心のために必要だというふうに思います。  手動ゲート導入に当たり、どれだけの効果につながるのか、調査、検証の必要性があるというふうに思いますけれども、現状をお聞きしたいと思います。また、効果があるとすれば、手動ゲート設置取組を更に横展開をする必要性がある、そのための国の支援が必要だというふうにも思いますけれども、見解をお伺いしたいというふうに思います。
  12. 上原淳

    上原政府参考人 お答えいたします。  委員指摘のとおり、現在、JR西日本では、踏切通行者に物理的な一旦停止左右確認を意識の面で促して、直前横断に起因した事故を防ぐことを目的といたしました踏切ゲート導入に向けた試験を実施しているところでございます。  第一種化することにより維持管理すべき施設を増やすことは困難と考えている事業者が多い中で、こうした踏切ゲートを始めとする手動ゲートは、第一種化に比べて少ない費用で整備維持管理が可能であると考えられることから、その導入によって第四種踏切道安全性向上に資することが期待されております。  国といたしましても、現在行われております現地試験の結果を踏まえまして、手動ゲートなどを活用することにより、第四種踏切の効率的な安全対策全国的に進めてまいりたいと考えております。
  13. 伊藤俊輔

    伊藤(俊)委員 済みません、現地のその調査というものが現在行われているかどうかだけ、もう一度教えていただけますでしょうか。
  14. 上原淳

    上原政府参考人 現在、JR西日本で、踏切ゲート開発、狙い、試験が三月下旬まで行われているというふうに認識をいたしております。  これらにつきましてJR西日本と連携をいたしまして、この結果を踏まえまして、今後の普及促進を図ってまいりたいというふうに考えております。
  15. 伊藤俊輔

    伊藤(俊)委員 ありがとうございます。  JR西日本取組に対しての御回答だと思います。全国百四十か所で手動ゲートがもうつけられている中において、そういったものが、現状事故防止減少につながっているのか等、現地調査も踏まえながら次の課題につなげていただきたい、そして横展開をしていただきたいというふうに思っております。要請をさせていただきたいと思います。  次に、災害時の管理方法を定めるべき踏切道指定制度の創設についてお伺いをしたいというふうに思います。  平成三十年六月に発生した大阪北部地震において、多数の列車が駅の間に停車をしたために、長時間にわたり踏切道遮断した状態となりました。これにより緊急車両の大幅な迂回救急活動等支障を来したことを踏まえて、今回、災害時の管理方法を定めるべき踏切道指定制度を創設することで、管理方法を定めるべき踏切道指定することとしております。  緊急輸送道路等鉄道が交差する踏切において、災害時に迂回をするのか優先的に開放するのか、その仕分をしているとお聞きをしております。現在、約五百の踏切優先的に開放し、約七百の踏切迂回として仕分をしているとも聞いております。  今回、国土交通省令で定める基準とは、具体的にはどのようなものが想定をされているのか、また、どの程度の数の踏切道指定される見込みなのか、お伺いをしたいというふうに思います。
  16. 吉岡幹夫

    吉岡政府参考人 お答え申し上げます。  災害時の管理方法を定めるべき踏切道については、救急救命活動人流物流等への影響に鑑み、重要物流道路緊急輸送道路等にある踏切道のうち、立体交差を通る迂回に十分以上を要するものや、地域防災上、緊急車両等通行が必要なもの等、災害時に優先的に開放すべき必要性緊急性の高いものを指定することを想定しておりまして、その旨を省令で定めることとしてございます。  委員指摘のとおり、令和二年一月からスタートした総力で挑む防災減災プロジェクトとして、緊急輸送道路等にある全国約千五百か所の踏切道について、災害時に優先的に開放するのか、迂回路等対策を行う踏切とするのかということで、分類をしてございます。この中で、約五百の踏切災害時に優先的に開放する踏切として分類してございまして、この踏切中心に、災害時の管理方法を定める踏切として、国土交通大臣指定することとしています。
  17. 伊藤俊輔

    伊藤(俊)委員 ありがとうございます。  現在のその五百という、大体同じような数字になるんだろうというふうに承知をいたしました。  今回の法改正により指定された踏切道については、鉄道事業者道路管理者があらかじめ協議をした手順により踏切開放を行うということでございますけれども、踏切開放する時間の目安等があるのでしょうか。  鉄道の規模や時間帯、あるいは御担当する方がどういう距離感で来られるのか、いろいろな様々な要因開放の時間が異なるということは理解をいたしますけれども、円滑な避難又は緊急輸送の確保などのため、優先的に開放する踏切道として指定をされた場合は、例えば、災害発生後三十分以内には踏切道開放をするなどの一定目安が必要なのではないかというふうに考えますけれども、見解をお伺いしたいのと、また、今回の大阪の事案を含めて、七分のところが四十数分かかったという実態も踏まえながら、時間の短縮そして改善にどれだけつながるのかということも、併せてお聞きをしたいというふうに思います。
  18. 上原淳

    上原政府参考人 お答えいたします。  平成三十年の大阪北部地震におきまして、列車駅間停車等により踏切道の長時間遮断が生じ、救命救急活動等に大きな支障が生じたことを受けまして、今回、災害時の円滑な避難緊急輸送を確保するため、災害時の管理方法を定めるべき踏切道国土交通大臣指定する制度を創設することといたしております。  御指摘いただきました、開放までに要する時間は、おっしゃられるとおり、鉄道施設道路等被災状況鉄道事業者従業員等被害状況踏切立地条件発災時間等により大きく異なると考えております。  また、災害時におきましては、道路管理者は、管内のパトロールや迂回路の設定、前後道路啓開等、あるいは、鉄道事業者は、乗客避難誘導鉄道施設被災状況の把握、被災施設応急復旧等を行う必要があることから、実際の場面では、踏切道開放は、両者の状況を勘案した上で可能になるというふうに考えております。  災害時における踏切の長時間遮断解消につきましては、平成三十年の大阪北部地震以降、本格的に取り組んでおりまして、現時点で一律に目安を設定することは困難と考えております。  一方で、今後、指定を受けた踏切道におきまして検討される管理方法具体例を踏まえまして、そうした知見の蓄積をした上で、開放までの時間を含めて、災害時における踏切道適確管理の在り方や目安についても検討してまいりたいと考えております。
  19. 伊藤俊輔

    伊藤(俊)委員 ありがとうございます。  なかなか、時間の指定目安というのは難しいだろうというふうに理解をいたしますけれども、災害時において、今回の事例を含めて、改善がどれだけされるのかということも念頭に置きながら対策を取っていただきたいというふうに思っております。  そして、最後に、踏切道における事故防止等交通円滑化を図るために、遮断機警報機等踏切保安設備整備を推進する鉄道事業者支援する制度として、鉄道施設総合安全対策事業費補助ということがあります。他方で、設置をされた遮断機警報機等踏切保安設備は、その後、数十年にわたって鉄道事業者維持管理をしていかなければならない状況であります。  この維持管理については、現在、国の支援制度はないということであります。これは、事業者方々からも日々要請があることだと承知をしておりますけれども、もちろん、設置をされた踏切保安設備鉄道事業者のものですから、一義的には鉄道事業者の、その維持管理に責任を持つべきだというふうに考えております。  しかし、踏切保安設備維持管理することは、鉄道事業者の収益のためだけではなくて、踏切道における事故防止交通円滑化を図るという公益のためであり、一定の国の支援があっていいのではないかというふうに考えております。  国土交通省見解最後にお聞きしたいというふうに思います。
  20. 大西英男

    大西大臣 踏切交通安全に直接関わる施設でありまして、適切に維持管理される必要があります。このため、各鉄道事業者には年に一度の踏切の定期検査を義務づけているところです。  この定期検査の結果を受けて、各鉄道事業者は、部品の交換や補修等の維持管理を行うことになりますが、特に経営の厳しい地方の鉄道事業者にとりましては、踏切維持管理の効率化は重要な課題となっています。  踏切維持管理に対しては、国は直接的な支援は行っていませんが、例えば、警報機の電球として交換が不要なLEDを導入することや、踏切の非常用電源として電気自動車のバッテリーを再利用することなど、効率的な維持管理につながる施設整備に対して支援を行っているところであります。  また、踏切警報機遮断機については、レールを流れる電気回路ではなく、衛星測位システムを用いて接近する列車検知することで動作させる新たな技術開発も進めているところでありまして、このような取組に対しても国は支援を行っております。  国土交通省といたしましては、まずは鉄道安全性が確保されることを大前提としつつ、このような効率的な施設導入技術開発に対する支援を通じて、踏切等の鉄道施設維持管理の負担の軽減を図ってまいりたいと思います。
  21. 伊藤俊輔

    伊藤(俊)委員 ありがとうございます。  事業者方々思いといいますか、現地の、この維持管理における国の支援を求める声というものは、引き続き強いものだというふうに感じております。  質問通告はしておりましたが、時間があれですよね、大臣から一言いただきたかったですけれども、是非、事業者の声を受け止めていただいて、これはいろいろなところに波及する話だというふうに理解をしておりますが、是非前向きに検討していただきたいということを申し上げて、質問を終わりたいというふうに思います。  ありがとうございます。
  22. あかま二郎

    ○あかま委員長 次に、井上英孝君。
  23. 井上英孝

    井上(英)委員 日本維新の会の井上です。  ちょっと質疑順が早くなりまして、先にやらせていただきます。  それでは早速、踏切道改良促進法等の一部を改正する法律案について質疑をさせていただきますけれども、先ほどの伊藤委員も含めて重なる部分もあるんですけれども、答弁をしっかりお願いしたいというふうに思います。  今回、踏切法の審議ということでありますが、恐らく四十七都道府県、全国であると思いますけれども、私の地元大阪でも、開かずの踏切と言われる踏切がまだ百弱あるというふうにお聞きしています。やはり、そのエリア周辺、お住まいの地域の方々の生活には一定の影響というのを与えているというふうに思います。  全国的な踏切という状況を俯瞰してみると、依然として約二日に一件、先ほど事故の話もありましたけれども、踏切事故というのが発生して、そのうちで約半分の方が、半分の件が死亡事故になっているという非常に痛ましい現状であります。やはり、引き続き課題解消されるように取組をしっかりと継続していく必要があるということで、この法律の改正の大きい意義なのではないかなというふうに思います。  その中で、この踏切法も、前回、私も審議したんですけれども、改正は平成二十八年ということで五年前とのことですが、この五年間の取組によって開かずの踏切等の踏切対策についてはどの程度やはり進捗をしてきたのか、まだどのような課題があると認識しているのか、まず道路局長、お答えいただけますでしょうか。
  24. 吉岡幹夫

    吉岡政府参考人 お答え申し上げます。  平成二十八年度から令和年度までの五年間で、従来の指定箇所数を大幅に上回る千百八十か所を指定しました。このうち、約六割の箇所対策が完了する見込みです。また、約二割の箇所事業中であり、合わせて約八割の箇所踏切道事業進捗しています。  残り二割の箇所についても、今月末までに改良計画作成する見込みであり、引き続き、事業進捗するよう努めてまいります。  一方、依然として、開かずの踏切など抜本的な改良が必要な踏切、いわゆるカルテ踏切が約八百か所も未指定で残ってございます。また、高齢者等の通行円滑化のためにバリアフリー化が必要な箇所など、地域において課題認識の大きい、改良ニーズの高い踏切道もまだ多く残ってございまして、遮断機のない踏切も依然として、これは道路法の道路でございますけれども、約千八百か所も残っているということでございます。  そのために、今後もより強力にその改良に取り組む必要があるというふうに認識してございます。
  25. 井上英孝

    井上(英)委員 道路局長、ありがとうございます。今、局長の答弁にもあったように、一定進捗というのは迎えられているというふうにお聞きをしています。  ただ、まだ課題が解決できていない、そしてまた、まだ未着手になっているところもあるというような、こうした状況を踏まえて、今回の踏切法改正においては、これまでの五年という指定期限を撤廃して恒久化する、開かず踏切等の改良に長時間を要する踏切について、機動的な指定を可能とするものという考え方で承知をしておりますけれども、いいんですよね。この点については、開かずの踏切解消に一役買っていただけるものと思っています。  一方で、これまでのように期限を区切って進めていく、要は五年なら五年という時限でやることによって、踏切対策進捗状況とか、こういった成果を定期的に把握する機会、例えばこのように改正案が出てくることによってそういうことができますけれども、恒久化することによって、国として踏切対策進捗状況や成果を定期的に明らかにしていく必要があるというふうに思いますが、そのお考えをお聞かせいただけますでしょうか。
  26. 吉岡幹夫

    吉岡政府参考人 お答え申し上げます。  委員の御指摘のとおり、踏切対策進捗状況取組の成果を見える化していくことは、対策を促進を図る観点や政策のアカウンタビリティーの観点からも、重要だと認識してございます。  そのため、平成二十八年の六月には、道路管理者鉄道事業者が連携して、開かずの踏切など緊急に対策の検討が必要な踏切道を対象として、踏切の諸元、対策状況、今後の対応方針をまとめた踏切安全通行カルテを作成し、公表したところです。今後は、カルテ踏切を含め、法指定した踏切道進捗状況を定期的に公表するなど、見える化を進めていきたいというふうに考えてございます。  また、今般の改正において、改良実施後に道路管理者鉄道事業者による自己評価を新たに義務づけ、必要に応じ、国土交通大臣が追加対策を勧告するなどの措置を講ずることとしてございます。  このようなPDCAサイクルの強化により、指定年限を撤廃、恒久化した後も対策のスピード感を後退させることがないよう、しっかりと取り組んでまいります。
  27. 井上英孝

    井上(英)委員 是非お願いをしたいと思います。恐らく五年単位ぐらいになるのかなというふうにちらっとお聞きはしたんですけれども、三年になるのか五年になるのか。先日も、タクシーの経営環境といいますか、経営状況も含めて報告というのがありましたけれども、しっかりと、やはりそういった意味では、一般の方々ももちろんそうですけれども、見える化というのもありますし、見せることによっての緊張感、いい意味での緊張感というのもありますので、是非お願いしたいと思います。  それでは、先ほどもちょっと議論があったんですけれども、踏切については、先ほど大阪北部地震の話もありました。救急車が病院に七分で普通なら着くところ、四十二分かかったということがありました。本当に、この件に関しては、不幸中の幸いで命に別状はなかったということでありますけれども、やはり看過できる状況ではありませんので、今回、この踏切法改正は、こうした状況を踏まえて、災害時の管理方法を定めるべき踏切道国土交通大臣指定して、指定のあった踏切道鉄道事業者道路管理者がその方法を定めなければならないというふうにしたというふうに先ほど上原局長からも答弁があったかと思います。  災害時の管理方法は、定めることそのものに意味があるというわけではないと私は思っています。災害発生し、実際には定められた方法に基づく管理が行われる。この実行されるということがやはり非常に大事で、緊急車両などが確実に通行できるようにすることがやはり一番必要なことではないかなと思っています。  遮断機を実際に開けに行くこととなる鉄道事業者には、厳しい経営状況の中、対応されている方々もいらっしゃるため、国としてしっかりと支援を行う必要があるというふうに考えますが、災害時の管理方法に基づき円滑な優先開放が実施されるよう、鉄道事業者に対する支援が必要だというふうに思いますが、上原局長、どのようにお考えでしょうか。
  28. 上原淳

    上原政府参考人 お答えいたします。  平成三十年の大阪北部地震におきまして、列車駅間停車等により踏切道の長時間遮断が生じ、救急救命活動等に大きな支障が生じたところでございます。  こうしたことを受けまして、今回の法改正により、災害時の管理方法を定めるべき踏切道国土交通大臣指定する制度を創設することとしておりますが、委員指摘のとおり、災害時の円滑な避難緊急輸送を確保するためには、あらかじめ定められた方法に基づく管理を実際に現場で行うことが必要となります。  一方、多くの鉄道事業者では、職員を現地へ派遣することにより、災害時の踏切道の稼働状況等を把握しておりまして、鉄道事業者の人的な負担が非常に大きくなっているところでございます。そのため、令和年度から、リアルタイムかつ遠隔で踏切道被災状況や稼働状況の把握を可能といたします踏切監視用カメラに対する補助制度を創設したところでございます。  本補助制度活用によりまして、限られた人員を踏切道の安全確保や開放作業に充てることが可能となります。鉄道事業者による円滑な優先開放の実施を、国としても支援してまいります。
  29. 井上英孝

    井上(英)委員 上原局長、ありがとうございます。しっかりとやっていただけるように、くれぐれも、鉄道事業者も含めてタッグを組んでいただいてやっていただけるように、改めて要望しておきます。  緊急輸送道路等の、そういう災害が起きたときの関連で、道路局長に改めて一つ聞きたいんですけれども、やはり、電柱が道路に倒れて、それによって緊急車両が通れなくなるというようなことが度々ありました。古くは、阪神大震災なんかでもそういうことが起きていましたし、今でも、やはりまだ町に電柱がたくさんあります。  その中で、やはり無電柱化というのは一つ大きい課題であるというふうに、恐らく皆さん、国土交通省の皆さんが認識されておられることかと思いますが、緊急輸送道路等においては、円滑な避難又は緊急物資の輸送の観点から、道路区域の内か外かにかかわらず無電柱化が重要であると考えます。  今回の法改正による措置も含め、無電柱化をより一層推進するための国交省の今後の取組方針についてお伺いしたいと思います。
  30. 吉岡幹夫

    吉岡政府参考人 お答え申し上げます。  円滑な避難又は緊急物資の輸送の観点から、緊急輸送道路等における無電柱化は緊要な課題であると考えており、道路区域内に電柱を立てさせないことが重要と認識してございます。  このため、平成二十八年度から、緊急輸送道路における新設電柱の占用を禁止する措置導入し、現在、全体延長約九万キロのうち約七万六千キロで実施してございます。  一方、占用が禁止されている道路区域を避けて、その沿道民地に設置されている電柱等については、現在では道路管理者が関与できない状況となっています。  そこで、今回の法改正では、道路の損害等を防止するため、道路管理者指定する沿道区域を対象とした届出、勧告制度を創設することによりまして、電柱を設置する前に設置場所の調整機会を設けまして、その際、電線地中化を働きかけることにより、無電柱化にもつながるというふうに考えてございます。  なお、現行の無電柱化推進計画は今年度末が期限となってございますが、令和年度を初年度とする次期無電柱化推進計画では、三つのポイントとして、新設電柱を増やさない、徹底したコスト縮減を推進する、事業の更なるスピードアップを図るを盛り込んで策定する予定でございます。  現在、計画策定に向けて、総務省、経済産業省や電線会社と検討を進めているところでございまして、今回の法改正措置も含めて、引き続き関係機関が連携し、無電柱化を加速してまいります。
  31. 井上英孝

    井上(英)委員 局長、ありがとうございます。本当にいいことだと思います。  五十か所で無電柱化して百か所新設ができていたら、やはり本末転倒なところもあります。ただ、一方で、国土交通省自身が所管できていないことというのも多々あるかと思いますので、それをしっかりと、そういう制度をつくったということは非常に意義があるというふうに思っています。是非頑張っていただきたいと思います。  最後に、大臣に、この法の改正を受けて、踏切対策に対する意気込みをお聞かせいただけたらと思います。
  32. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 踏切対策は、これはもう大変重要だというのは先ほど述べたとおりでございまして、鉄道事故等々の悲惨な事故の数多くの発生がこれを原因としておりますし、また、先ほどの大阪北部地震の際にも、防災のときのボトルネックになって、大変な被害拡大の要因となっておると思います。  これまでも、長年にわたって様々対策を取ってまいりましたが、それぞれ、一種、二種、三種、四種ですか、地域の状況も違う、様々なケースがありまして、なかなか簡単にはいかない部分もありますし、また、五年間という指定年限もあったりして、そのうちに関係者の意見調整に時間がかかって実際の工事に着手できなかった等々、様々ありますが、今回の改正案は、その五年間の指定年限を撤廃して、期間にとらわれない、機動的に指定できる、恒久化もできるということとか、また、鉄道事業だけではなくて、周辺の迂回路整備など面的、総合的な対策をするですとか、また、高齢者も増えておりますので、踏切道そのもののバリアフリー化の局所的な対策とか改良をしっかりと総合的に推進していく、一つの大きな法改正だと思っております。  こうしたことをしっかりと着実にしながら、また、必要な補助制度等々もフルに活用しながら、本当に防災・減災が主流となる社会、これはもう、一つ踏切対策が前に大きく進むことだというふうに考えておりますので、しっかり取り組んでまいりますので、御指導よろしくお願いしたいと思います。
  33. 井上英孝

    井上(英)委員 ありがとうございました。
  34. あかま二郎

    ○あかま委員長 次に、泉田裕彦君。
  35. 泉田裕彦

    ○泉田委員 自由民主党の泉田裕彦でございます。  本日は質問の機会をいただき、誠にありがとうございました。時間も限られておりますので、早速質問に入らせていただきたいと思います。  ここまでで、踏切事故の悲惨さ、対応等、質疑がなされたわけでありますけれども、今日、お手元に資料を今配らせていただいております。  グラフを見ていただきたいので、まず人数だけ先に申し上げますけれども、令和元年の死亡者数は八十四名、そしてまた、踏切事故は年間二百十一件ということでございました。これは、十年単位で見ると着実に減少はしてきているんですが、減少スピードがやはり落ちてきているということだと思います。これは、踏切対策を、どういうふうな形、原因事故が起きて、どういう対策を取るかということを的確に当てはめていかないと、減少スピードがこのまま下がっていくのではないかという危惧も感じるところであります。  踏切事故、私、頭の中でいつも思い浮かべるのは竹ノ塚の事故でございました。これは手動踏切で、間違って操作をして、買物帰りの方々も含め体が鉄輪にひかれてしまう、そしてまた命を落とされてしまうという大変悲惨な事故が起きました。  また、この事故の経験を踏まえて、手動踏切は全部撤去されたというふうに承知しておりますけれども、対策を的確に取れば事故は減っていくということだと思います。  私の地元は雪国ですので、また雪国は雪国の事情があります。今年、豪雪でした。踏切が豪雪になるとどうなるのかというと、二メートル、三メートルの雪で視界が遮られます。  地方の遮断機警報機のない踏切というのは、見通しのいいところも多いんですが、雪が降ると、何と、見通しが全くなくなるのに加えて、更に雪が音を吸収するので音も聞こえない。そうすると、そろそろと車を前に出しながら前進をしないと踏切を渡れないという事態になります。そろそろと出たら、横から列車が来て事故になるというケースも定期的に発生をしている、こういうことでございます。  事故原因に応じた対策をどうつくっていくのか。本当に難しい問題でありますけれども、今回の法改正によって、災害に強い便利なまちづくりを進める上で、この法改正が大きく寄与してくれるのではないかというふうに期待をいたしております。  その前提でまずお伺いをしたいんですが、踏切事故原因、これを国交省としてどのように認識をしているのか、そしてまた、その事故原因に対してどういう対策を取ればいいのかというふうに考えているのか、伺いたいと思います。
  36. 上原淳

    上原政府参考人 お答えいたします。  令和元年度における踏切での事故発生件数は二百十一件となっております。そのうち、列車が接近しているにもかかわらず無理に踏切を横断する、いわゆる直前横断が百八件、人や車両が踏切内に閉じ込められる落輪、エンスト、停滞といったものが六十五件、通過する列車自動車等が側面から追突する側面衝撃や、停止位置が不十分だったために列車に接触する限界支障が二十八件、その他が十件となっております。  これらの事故のほとんどは、踏切手前での安全確認が不十分だったものであり、まずは横断するドライバーや通行者がきちんと安全確認を徹底いただくことが前提となります。  その上で、遮断機警報機設置や、視認性向上のための警報機の高機能化を進め、横断する際により注意喚起を図るとともに、踏切内に閉じ込められた場合には車両や人を検知列車停止させる障害物検知装置導入や、非常用押しボタンの設置を進めることが重要であると考えております。
  37. 泉田裕彦

    ○泉田委員 ありがとうございました。  ドライバーへの注意喚起、そしてまた様々な設備の増強によるハイテク化、こういったことで踏切事故を減らしていこうということだというふうに認識をいたしました。  警報機遮断機がない、いわゆる第四種踏切ということになると思いますけれども、これが先ほどの質疑で二千六百三件というふうにお聞きをいたしました。ただ、これはやはりなくしていかないといけないんだろうというふうに思います。第一種化を進めていけばいいんでしょうけれども、例えば地方のローカル線を含め、経営的に厳しいところもあります。三セクもあります。こういったところが全部、第四種踏切を第一種にできるのかというと、難しいところもある、経済的にも大変ということだと思います。  先ほど、手動ゲートのお話もありましたけれども、手動ゲートだけなのか、第四種踏切をなくしていくため、もう少し経済的にできないのか、俯瞰的にどのような対策を考えておられるか、伺いたいと思います。
  38. 上原淳

    上原政府参考人 お答えいたします。  遮断機警報機設置されていない、いわゆる第四種踏切につきましては、踏切道数当たりの事故発生割合が高く、安全性向上が求められていると認識しております。  そのため、第四種踏切につきましては、統廃合や遮断機警報機設置を進めているところでございますが、地域住民との合意、あるいは遮断機警報機の費用負担などの課題がありまして、委員指摘のとおり、いまだに二千六百三か所の踏切が第四種踏切として残っております。  こうした第四種踏切安全対策といたしましては、先ほども御議論ございました、歩行者の安全確認を促す手動ゲートのほか、簡易な方法列車接近を知らせるような、そうした設備の設置、あるいは列車が第四種踏切に接近する際の警笛の吹鳴など、第一種化に比べて、整備費や維持管理費が少ない方策も講じられてきているところでございます。  さらに、AIカメラを用いまして、踏切内に取り残された人や車両を自動で検知して列車に知らせるシステム開発が進んでおりまして、これが実用化されれば、低コストで安全対策が可能となります。国としても、こうしたシステムの普及に向けて支援を行っているところでございます。  今後とも、こうした新技術なども開発支援することによりまして、第四種踏切安全対策を経済的に進めてまいりたいと考えております。
  39. 泉田裕彦

    ○泉田委員 ありがとうございました。  是非とも、二千六百三しかないわけです、ここが安全になるよう頑張っていただきたいと思います。  次に、先ほど冒頭でも申し上げたんですけれども、第四種踏切警報機遮断機もない踏切、本当にこれは雪が降られると、道路管理者鉄道事業者が双方で除雪をすると、角のところが全く見えなくなる。ここでやはり事故が起きる。さらに、雪が降っていると滑っちゃって動けなくなるというようなことも生じるわけなんですけれども、第四種踏切の中で、特に豪雪地帯の踏切対策、今後どのように考えていかれるか、伺いたいと思います。
  40. 上原淳

    上原政府参考人 お答えいたします。  委員指摘のとおり、豪雪地域におきましては、踏切道及び接続道路の除雪を実施するものの、道路側にできました雪だまりなどによりまして、左右の安全確認が困難となる踏切もございます。そのため、鉄道事業者側では、除雪後に踏切の視認性の確認を徹底させること、あるいは、場合によっては自治体と協議の上、冬の期間は当該踏切を閉鎖するなどの対策を講じているところでございます。  先ほど御紹介いたしましたAIカメラなどによる安全対策につきましても、これを支援し、今後実用化させることで、簡易型の警報機として、豪雪地域における踏切安全対策として活用可能と考えておりまして、豪雪地域については特段の対策が必要だと考えております。
  41. 泉田裕彦

    ○泉田委員 ありがとうございました。是非ともよろしくお願い申し上げます。  そして、今回、法律改正の後に、改良の必要な踏切道としての指定、どの程度の数を考えていらっしゃるのか。やはり限界があるということだと思います。残りの、今回指定から漏れた踏切道対策、これは、どれぐらいのものをどうするのか、どれぐらいの期間でどうしていくのかというところ、今後の考え方等あったら教えていただきたいと思います。
  42. 吉岡幹夫

    吉岡政府参考人 お答え申し上げます。  現行の踏切改良促進法では、一律に五年以内に改良することが必要な踏切道指定することが原則となってございまして、地域との調整に長期間を要する開かずの踏切など、多く未指定となってございます。  今般、これを改め、一律五年間の指定期限を撤廃し、期間にとらわれず機動的な法指定を可能とするとともに、改良方法を拡充し、踏切道の周辺における迂回路整備など、面的、総合的な対策を法律に位置づけることや、改良後の評価の実施によりPDCAサイクルを強化することなどにより、より中長期的な対策を促進できるようにしたところでございます。  これらを踏まえ、現行法の下で直近五年間に指定した踏切の数と同程度となる、五年間でおおむね百か所の踏切道指定することにより、更に改良対策を推進してまいりたいと考えてございます。  また、今般の改正案では、これまで法指定後にしか設置できなかった地域の関係者で構成される協議会を、指定に先立ち設置可能としたところであり、未指定踏切道についても、指定前から事業化に向けた機運醸成などの取組を実施していただくよう働きかけてまいりたいと思っております。  私、百か所と言ったのは千か所でございますので、済みません、失礼いたします。
  43. 泉田裕彦

    ○泉田委員 ありがとうございました。是非頑張っていただきたいと思います。  次に、災害踏切について、先ほどから質疑がありますが、一点、特に地方の第四種踏切を念頭に置いて質問をさせていただきたいと思います。  平成三十年の大阪北部地震での対応と今後の見通しについては伺いましたので、結構でございます。  一方、東日本大震災で、遮断機に遮られて津波からの避難支障が生じたという事例も生じております。このような事態、どういうふうに対応したらいいのか。すなわち、都市部と違って距離が離れているので人が行くわけにもいかない、かつ、時間が切迫している中で、踏切が下りているということは、待っている人が遮断機を開けちゃっていいのか、それともやはり鉄道会社の人が来て対応しなければいけないのか。この辺の判断をとっさに求められると相当厳しいなというところがあるものですから、この辺の考え方を教えていただければと思います。
  44. 上原淳

    上原政府参考人 お答えいたします。  東日本大震災では、具体的にどこの踏切でいろいろな事故が起きたかということについては、残念ながら、鉄道事業者も把握し切れていない部分がございますが、いろいろ経験者の、被災された方のお話を聞くと、踏切遮断されたままになった、それによって、車がそこに一台あって、多分、その遮断された中に閉じ込められた車のドライバーの方は降りて逃げたんだと思うんですけれども、その後の車がずっと数珠つなぎに道路に渋滞がなったために被災された方もいらっしゃるというふうに私どもは承知をいたしております。  今回の管理方法、法制度的に申し上げますと、災害の中にこの津波ということも盛り込んでおりますので、これに対する管理方法につきまして、道路管理者鉄道事業者が連携をして対処要領を作成することになろうかと思います。  先ほど答弁もございましたとおり、それぞれの災害の種類によって、例えば大雨の場合はどうするとか、そうした種類によってこの管理方法が決められるというふうに思います。津波の場合は極めて迅速に対応しないといけないので、それらにつきまして、またそれぞれの、道路管理者鉄道事業者の対処要領を作成する際の検討を踏まえまして、私どもとしましても、先ほど申し上げましたとおり、在り方でありますとか目安といったものを検討してまいりたいと考えております。
  45. 泉田裕彦

    ○泉田委員 ありがとうございます。現場に即した対応を是非よろしくお願いをいたします。  踏切改良、それからまたバリアフリー化もそうなんですけれども、これは期待が大きいものがあります。改正法によって、今回、住民に身近な市町村が踏切改良を申し出ることができるようになる、これも期待が大変大きいところでございます。  現行法でも、知事が踏切改良を申し出ることが可能なんですが、事実関係でいうと、知事からの申出は過去ゼロであるというふうに承知をいたしております。  これは何でなのか。いろいろあるんでしょうけれども、私の経験で一つ感じるのは、先ほども出ていたんですが、電柱の地中化、これを進めるときに、実は配分比率が決まっています、道路管理者と、国と、それから電力会社若しくは通信会社。特に東日本大震災の後に電柱の地中化を進めようとすると、電力会社の財務が傷んでいてとてもできない。自治体は、出すと言っても、比率に阻まれて工事ができない。つまり、合意ができないということによって事業が進まなかったという事例もあります。  今回の踏切工事も、今、鉄道会社の財務内容が極めて傷んでいる、コロナの影響で。そうすると、せっかく法律を作ったのに、うまく進まなくなるケースもあるんじゃないかということを懸念しています。市町村については、特に財政力が弱いですので、市町村申出制度があるんですが、これは本当に機能するんだろうかというところの心配もあるわけです。  そこで、大西大臣にお伺いをしたいんですが、開かずの踏切対策を含め、踏切改良を進めていくためには、法律のみならず、踏切改良予算についての支援も重要だと思いますが、政治的リーダーシップについて大西大臣見解伺いたいと思います。
  46. 大西英男

    大西大臣 開かずの踏切等の課題解消をしていくためには、立体交差化等による除却が抜本的な対策となりますが、事業の実施には多額の費用と時間を要するものとなっており、委員指摘のとおり、踏切対策の更なる推進のためには、予算面での支援の強化も重要であると考えております。  連続立体交差事業については、特に規模が大きな事業になることから、個別補助により計画的かつ集中的に支援してきたところです。  また、連続立体交差事業以外の踏切対策については、これまで防災・安全交付金等、支援してきたところですが、計画的かつ集中的な支援が行えるよう、今般新たに個別補助制度を創設し、令和年度予算として約百億円を計上しているところです。  今般の改正法の施行とともに、道路管理者鉄道事業者への財政支援の充実を図ることにより、課題のある踏切改良を更に促進してまいります。
  47. 泉田裕彦

    ○泉田委員 大西大臣には、国土の強靱化のために是非頑張っていただきたいと思います。  最後質問になりますけれども、大規模な災害時、何が起きるかといいますと、多くの関係者が現場に向かうことになります。人命救助のために、消防、警察、さらには自衛隊、場合によっては、内陸だけれども海上保安庁の出動というのもあります。それからまた自治体関係者も駆けつけますし、道路建設関係事業者だけではなく、電気、ガス、水道などの復旧のための工事事業者もやってくる。  これは、資材とか駐車をするスペースというのを被災地に置いておくというのは極めて重要。さらには、行き来をする時間がかかるものですから、ヘリポートも必要になるケースというのもあるわけです。  今回の法改正によって、道の駅を防災拠点自動車駐車場として国交大臣指定することができるようになります。災害時に活用しやすくなるものと期待していますが、ライフラインが途絶をしても、これはバックヤードですから、水、食料、寝る場所、こういったものが供給できるように、電気、水、食料の供給機能を持っていた方が望ましい。  是非この支援制度を更に強化していくべきだと考えますけれども、国交省見解伺いたいと思います。
  48. 大西英男

    大西大臣 泉田委員におかれましては、新潟県知事時代に中越沖地震等で先頭に立って御努力をいただいた、そうした成果を踏まえて御指摘をいただいておりまして、心から敬意を表します。  道の駅は、東日本大震災や令和二年七月豪雨など大規模災害時において、復旧復興活動の拠点や避難場所としての事業を果たしています。災害が頻発化、激甚化する中、道の駅の防災機能の更なる強化が求められております。  このためには、災害時においても道の駅が事業継続することが大事であり、議員御指摘のように、その機能を維持するため、自立した電源や水、通信施設などのライフラインを確保することが重要です。  国土交通省では、これまで、道の駅のインフラ確保に向け、地域防災計画位置づけられた道の駅を対象に、社会資本整備総合交付金等を活用して、無停電化対策、貯水対策防災トイレなどの整備支援しております。  また、平成二十六年度に、道の駅の機能強化に関わる支援施策集を作成するなど、関係省庁が連携して応援する体制を構築し、通信施設防災備蓄倉庫など、ライフライン整備支援しております。  今回の法改正によって、防災拠点自動車駐車場における非常用電源施設などの設置について、占用基準を緩和することとしており、民間事業者と連携して、災害発生する前から、あらかじめ必要な防災施設を配置しておくことも可能となります。  国土交通省といたしましては、道の駅が災害時にも自立して機能し、避難者や災害対応関係者が安全にかつ安心して利活用できるよう、引き続き関係省庁とも連携を図りながら、しっかりと支援してまいります。
  49. 泉田裕彦

    ○泉田委員 ありがとうございます。よろしくお願いします。  時間ですので、終わります。
  50. あかま二郎

    ○あかま委員長 次に、吉田宣弘君。
  51. 吉田宣弘

    ○吉田(宣)委員 おはようございます。公明党の吉田宣弘です。  約三年数か月ぶりに国会に戻ってまいりました。戻ってきてすぐ国土交通委員会に所属をさせていただいたわけでございます。このお計らいに関しましては、あかま委員長始め各党各会派の理事の皆様、また委員の皆様に厚く御礼を申し上げるところでございます。また、今般このように質疑の機会をいただきましたことに、重ねて感謝の意を表したいと思います。  それでは、踏切道改良促進法等の一部を改正する法律案について質問をさせていただきます。  まず、本法案の背景、必要性について若干お尋ねいたします。  踏切事故踏切に起因する渋滞が着実に減少しているというふうにお聞きをしました。平成元年では、踏切事故件数、これは八百六十件、死亡者数は百九十三人、平成十六年では、事故件数が四百十件、死亡者数は百四十四名、令和元年度では、事故件数が二百十一件、死亡者数は八十四名と、着実に減少してきているとお聞きをいたしました。  これには、国会における諸先輩方や国土交通省、また、都道府県や市町村などの歴史的なお取組が継続して行われてきた、このことによるのだろうと思います。このことには深く感謝を申し上げたい、そのように存じます。  しかし、依然として事故や渋滞が多数発生をしているとお聞きをしております。そして、踏切事故に巻き込まれる方の中には、お年寄り、また障害者、はたまたベビーカーを押しておられるお母さんやそこに乗っている赤ちゃん、また通学中の児童生徒、そういった方々もおられる。すなわち、歩行や移動に困難や負担、まだ未熟さが残っている方々も多く含まれているのではないのかなと私は推察を申し上げます。  そこで、まず一つ目の質問でございますけれども、統計上、最新の数字で、踏切事故の件数の中で、その事故における高齢者が巻き込まれた割合、同じく、死亡者数における高齢者の割合、加えて、障害者やベビーカーを利用している方々が含まれているか、含まれているとして、そのような事故状況について、お教えいただければと思います。
  52. 上原淳

    上原政府参考人 お答えいたします。  令和元年度における踏切での事故発生件数は二百十一件となっております。そのうち、六十五歳以上の高齢者の方が巻き込まれた件数は百二件となっており、全体の約五割。身体障害者の方が巻き込まれた件数は一件となっております。  また、同年度における踏切での死傷者数は八十四人となっております。そのうち、六十五歳以上の高齢者の方は四十人となっており、全体の約五割。身体障害者の方、死亡事故一件が発生しておりまして、この方につきましては、全盲の方で、踏切道内で立ち止まってしまったため列車と接触した事故承知しております。
  53. 吉田宣弘

    ○吉田(宣)委員 御説明いただきましたとおり、高齢者の割合は五割と非常に高い。また、移動に困難を伴う方が、障害者の方がお亡くなりになった事例もあるということが分かりました。  そこで、今般の改正におきましても、高齢者や障害者などの移動に負担を伴う方々の視点からしっかり審査をしていくことが、結果として、事故や死亡者を限りなくゼロに近づけるところになるのではないのかなというふうに私は考えております。そのような視点で、以後、質問させていただきます。  さて、踏切道の更なる改良という観点から、今般の改正におきましては、改良が必要な踏切道国土交通大臣が機動的に指定をできるように改正するというふうにお聞きをいたしました。具体的には、これまでの日切れ扱いを廃止して、交通安全基本計画などの国の計画と連動して指定をする改正とお聞きしております。  機動的に指定できるという効果を得られるという意味では、非常に有意義な改正であると私は考えております。ただ、この国土交通大臣指定というものは、これまでの法制度上でも行われてきたものというふうに承知をしております。  そこで、まずお伺いしたいのは、これまでどのような基準で指定してきたのかというところです。先ほど申し上げたとおり、高齢者や障害者などの踏切道通行する負担や困難を伴う方々踏切道が通学路になっている場合など、通学する子供たち、特別な配慮が必要な方々の視点がその基準に入っているかどうか。その基準について、その概要をお示しいただきたく存じます。
  54. 上原淳

    上原政府参考人 お答えいたします。  国土交通省では、学識経験者、鉄道事業者道路管理者、警察庁をメンバーといたします高齢者等による踏切事故防止対策検討会を設置し、高齢者等の踏切事故原因対策の検討を進め、平成二十八年の踏切法改正時に対策を盛り込んだところでございます。  具体的には、踏切道改良促進法施行規則第二条におきまして、改良すべき踏切道指定基準が位置づけられておりますが、その中で、「通学路であるものであって幼児、児童、生徒又は学生の通行の安全を特に確保する必要があるもの」「付近に老人福祉施設、障害者支援施設その他これらに類する施設があるものであって高齢者又は障害者の通行の安全を特に確保する必要があるもの」と改正をしたところでございまして、改良すべき踏切道指定の基準に、委員指摘の特別の配慮が必要な方々の視点が含められることになりました。  現行の踏切道改良促進法の期間内、平成二十八年度から令和年度指定された千百八十か所の踏切のうち、いわゆる通学路、先ほど申し上げました通学路の観点では百八十か所、高齢者又は障害者の安全の確保の観点では四百六十六か所の踏切道指定されておりまして、指定された踏切におきまして、非常用押しボタンの設置障害物検知装置設置踏切の構造改良などを進めているところでございます。
  55. 吉田宣弘

    ○吉田(宣)委員 御丁寧な御説明、誠にありがとうございます。  これまでも、しっかりと弱者視点の基準で踏切改良が行われてきたことが分かりました。国交省のお取組については、これは国民の期待にお応えをする取組であったことが、私は高く評価されてしかるべきであろうというふうに存じます。  次に、今般の改正では、踏切道のバリアフリー化、このようなものについて、市町村による申出を可能にするということが含まれているとお聞きをいたしました。  地域や踏切道のリアルな、その現場の状況ということをより詳しく認識しているのは基礎的自治体である、これは市町村であることは言うまでもないことだと思います。よりきめ細やかな対応を踏切道改良に促すという意味では、非常に有意義な改正の内容だというふうに思います。  ただ、今御説明をいただいた指定に関わる基準において、バリアフリー化という視点は聞かれなかったかと思われます。  そこで、今般の改正を受けて、この基準にバリアフリー化などの基準もしっかり盛り込んでいくべきではないかというふうに考えます。このバリアフリー化を進めることによって、移動に困難を伴う方、負担を伴う方の移動が、歩行やそういったものが非常にやりやすくなるという意味では、必ずこれは事故を減らす効果につながっていくというふうに考えておりますけれども、国土交通省のお考えをお聞かせいただければと思います。
  56. 吉岡幹夫

    吉岡政府参考人 お答え申し上げます。  高齢者、障害者等が、いつでも、どこへでも、安全、安心かつ円滑に移動できる社会の実現のため、踏切道において、地域の実情に応じてバリアフリー化を推進していくことが大変重要であると考えています。  令和元年には、鉄道駅を中心とした、バリアフリー化された面的な道路ネットワークを形成するため、バリアフリー法に基づき、高齢者、障害者等の移動の円滑化を図るべき特定道路として、従来の主要鉄道駅と福祉施設等を結ぶ道路等に加え、新たに福祉施設等を相互に結ぶ道路を追加しました。この結果、特定道路上の踏切道がこれまでの約五倍の約三百五十か所となるなど、踏切道のバリアフリー化を更に推進する必要が高まっていると考えております。  このため、今回の法改正において、地域の実情をよりきめ細かく把握している市町村長からの指定の申出制度を創設しているところでございまして、あわせて、鉄道と特定道路が交差している踏切道指定基準に加える方向で検討を進めてございます。  さらに、踏切道改良方法として、レールと路面の隙間を埋める等により段差を解消する路面の平滑化を追加する等、改良基準も併せて見直すことで踏切道のバリアフリー化をより一層推進してまいります。
  57. 吉田宣弘

    ○吉田(宣)委員 御説明ありがとうございます。  踏切のレールと道路のがたがた感、これも解消されるような基準を設けていただけるということで、先ほど私も申し上げた、ベビーカーを押すお母さんも、そこを通るときに負担なく通れることになることを期待しておりますし、是非検討を進めていただきたいと存じます。  さて、今般の法改正は、今取り上げさせていただいた踏切道の更なる改良以外にも、踏切道災害時における適確管理の促進、また道路災害機能の強化、また鉄道防災機能の強化などが盛り込まれております。いわゆる平時だけでなく、災害を念頭に置いていることで、国民の命をどんな状況にあっても守り抜くという強い決意が私はこの法改正から感じられるところでございます。  そこで、最後になりますけれども、踏切道の更なる改良においては、国民の命を断じて守り抜く、そういった思いから、是非、踏切事故、これはゼロを目指して取り組んでいただきたく存じますが、最後大西国土交通大臣の御見解をお聞かせいただければと思います。
  58. 大西英男

    大西大臣 昭和三十六年に踏切道改良促進法が施行して以来六十年で踏切の数は半減し、過去三十年間で事故件数は約四分の一、事故による死亡者数は半減となりました。しかしながら、依然として踏切事故は二日に約一件発生しており、四日に約一人が亡くなっておられます。また、渋滞の原因となる開かずの踏切全国に約五百か所以上残されているなど、引き続き対策が必要であると認識しています。  特に、開かずの踏切等の緊急に対策の検討が必要な踏切のうち、約半数の踏切対策が決まっておりません。これらの多くは、立体交差化など長期間を要する抜本的な対策が必要なものとなっています。  こうした状況を踏まえ、今般の改正案においては、期間にとらわれず、課題のある踏切を機動的に指定し、周辺迂回路整備などの面的、総合的な対策踏切道のバリアフリー化等の局所的な対策も含めて、改良を更に推進する措置を講ずることとしています。  あわせて、踏切道改良のための新たな補助制度の創設など、道路管理者鉄道事業者への支援の充実を図ることとしており、このように、中長期的な対策を含めて、課題のある踏切改良をより一層強力に促進し、最終的な目標として、委員指摘のとおり、踏切事故ゼロを目指してしっかりと取り組んでまいります。
  59. 吉田宣弘

    ○吉田(宣)委員 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
  60. あかま二郎

    ○あかま委員長 この際、暫時休憩いたします。     午前十時二十二分休憩      ――――◇―――――     午前十一時十五分開議
  61. あかま二郎

    ○あかま委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。松田功君。
  62. 松田功

    ○松田委員 お疲れさまでございます。  立憲民主党・無所属、衆議院議員の松田功でございます。  質問に入らせていただく前に、今日から、実は選抜高校野球が始まっております。コロナ禍で、本当に、なかなか明るい話題が少ないところもありますが、高校球児たち、若い子たちが一生懸命頑張っている、その姿に、ある意味感動を覚えるところもあります。是非皆さんも、夜のニュース等々、またスポーツニュース等々で見ていただいて、応援をしていただきたいと思います。  それでは、質問に入らせていただきます。  カルテ踏切について、質問を行わせていただきたいと思います。  踏切道改良促進法に基づき、平成二十八年度から、緊急に対策の検討が必要な踏切道、カルテ踏切が千四百七十九か所存在をしています。法指定がされていない踏切がまだ七百七十三か所あります。平成二十八年の法改正により、道路管理者鉄道事業者による改良方法の合意がなくとも大臣指定することが可能になったわけですが、それにもかかわらず、改良が必要なカルテ踏切のうち七百七十三か所、五二%が未指定となっております。  踏切道指定基準に該当する踏切道全てを指定しなかった理由について、お答えをください。
  63. 吉岡幹夫

    吉岡政府参考人 お答え申し上げます。  委員指摘のとおり、現行踏切法の改正時に、道路管理者鉄道事業者改良方法を合意しなければ指定できなかったところを、改良方法が合意に至らなくとも国土交通大臣指定できる仕組みに改正いたしました。  指定に当たっては、鉄道事業者及び道路管理者計画検討体制などの事情を把握するなどして、指定により対策の検討が進むよう、現場の状況も勘案しながら、順次指定してまいりました。  その結果、平成二十八年度から令和年度までの五年間で、従来の指定箇所数を大幅に上回る千百八十か所を指定し、このうち約六割で対策が完了、約二割で事業中であるなど、対策が大きく進捗していると認識しております。  一方、委員指摘のとおり、緊急に対策の検討が必要な踏切、いわゆるカルテ踏切でございますけれども、のうち、約半数が未指定となってございます。  未指定のカルテ踏切の約九割が、開かずの踏切など立体交差等の抜本的な対策が必要な踏切となってございまして、鉄道事業者及び道路管理者の検討体制が不十分であること、地元での対策実施に向けた機運が十分高まっていないことなどにより、地元の調整等に長期間要することがありまして、このため、五年間の指定年限に改良計画作成提出すら困難となるおそれがあることなどがその要因ではないかと考えてございます。  そこで、今回の法改正では、指定年限が五年で区切られているのを撤廃、恒久化し、期間にとらわれず、機動的に指定できるように見直すこととしてございます。
  64. 松田功

    ○松田委員 踏切道指定基準に該当する踏切道から、さらに、独自の基準でもって指定するかどうかの判断をされているということであるということであります。  カルテ踏切対策状況を見ますと、対策完了一七%、事業中一五%、改良計画作成一六%、その他は未指定となっておりますので、改良計画すら提出できないようなところは指定がなされないというか、指定するだけでは駄目だということで、改良の機運が上がるようサポートされているという御理解でよろしいでしょうか。
  65. 吉岡幹夫

    吉岡政府参考人 お答え申し上げます。  なかなか、地元状況で難しいところではありますけれども、機運が上がるよう、あるいは検討体制が十分になるよう、国としても努力してまいりたいというふうに思います。
  66. 松田功

    ○松田委員 今改正で五か年の期限を取り払うことになりますので、未指定は減ることになると思いますが、改良の速度が遅くなることも考えられますので、是非、これからも注意してまいりたいというふうに思います。  次の質問に移らせていただきたいと思います。  第四種踏切道対策についてお伺いをさせていただきたいと思います。  近年の踏切事故の特徴として、発生件数でいうと第一種踏切道が最も多いわけですが、これは第一種踏切の数が多いからであり、踏切道百か所当たりの踏切事故件数は第四種踏切道が多いと報告をされております。  第四種踏切道改良は、立体交差などと比較をすれば、時間も予算もかからず済むため実現しやすく、改良を促進をさせる上で有効と考えられます。先ほどの独自基準をもって第四種踏切道優先するなど、国土交通省として進められたらと思いますが、いかがでしょうか。  また、レクでお聞きしたところ、踏切道指定基準、第二条の六の、踏切道を通過する列車の速度が百二十キロメートル毎時以上のものという要件のために、第四種踏切道指定を受けられない踏切道があるとお伺いしました。この要件が取り払われることで何か所指定が可能になるのでしょうか。お答えください。
  67. 上原淳

    上原政府参考人 お答えいたします。  御指摘の第四種踏切につきましては、昭和三十五年度末時点では約六万二千か所ございましたけれども、昭和三十六年の踏切道改良促進法施行以降、統廃合や踏切保安設備整備によりまして、令和元年度末現在で二千六百三か所となっております。  一方で、ここ五年間では、平均して年間六十か所程度減少しておりますけれども、その減少ペースは鈍化してきております。  その理由といたしましては、残された四種踏切道が、近くにほかの踏切道迂回路がないなど、周囲の状況等から統廃合が困難な場合が多く、地元との協議や調整に時間を要していることが考えられます。  先ほど委員指摘のとおり、この遮断機警報機設置されていない第四種踏切道につきましては、踏切道数当たりの事故発生割合が、例えば、第一種踏切道につきましては、踏切道数百か所当たりの事故発生割合は〇・五九、第三種踏切道、これは警報機設置されている踏切道でございますが、こちらは〇・八八に対しまして、第四種踏切道は一・一一と事故発生割合が高く、安全性向上が非常に重要な課題となっていると認識をいたしております。  また、委員指摘のとおり、保安設備整備による第四種踏切道改良は、立体交差事業や構造改良事業、歩道の拡幅等に比べまして、事業費や工事期間がかからないという傾向がありますが、一方で、特に経営の厳しい地方の鉄道事業者中心に、単独では保安設備整備を行うことが困難な事業者が少なからず存在しております。  このため、踏切道改良促進法に基づく指定を受けた踏切道におきましては、鉄道事業者保安設備整備する場合に費用の一部を補助することで整備を促進し、第四種踏切道につきましても保安設備整備支援しているところでございます。  また、御質問いただきました遮断機又は警報機設置されていない踏切道指定基準につきましては、通過する列車の速度に関する要件が設けられておりました。具体的には、通過速度百二十キロ以上の第四種踏切道指定の対象となっておりまして、これが四十五か所でございます。  前回、この要件を撤廃することで、残りの二千五百五十八か所全ての第四種踏切道指定が可能になります。これによって、国の補助の対象ということが拡大されることになると思います。
  68. 松田功

    ○松田委員 今ちょっと御答弁の中に、地方の、それぞれ地元との協議の難しさも若干あるように見えますが、私もいろいろなところで視察も行ったり、また、地方自治体議員をやったときに、鉄道高架事業の絡みのこともいろいろお話しして、予算もそうなんですけれども、結構地元との協議が最大のネックになっているように思われるんですけれども、その辺についてはいかがなお考えがありますでしょうか。
  69. 上原淳

    上原政府参考人 お答えいたします。  先ほど申し上げましたとおり、第四種踏切につきましても着実に数は減少してきておりますが、残っている第四種踏切というのは、やはり何らかの形で制約がある、物理的な制約であったり、あるいは拡幅が難しいといった、そうした難しい案件が最後残ってきているというふうに認識をしております。このため、地域との協議が難航することも散見されております。  また、一方で、この第四種踏切の数を減少させられないもう一つ要因といたしまして、鉄道事業者に対しましては、自動車歩行者交通量列車の通過本数が多い、いわゆる事故の危険性が高い、そうした市街地の、こういう踏切は大体第一種踏切になっているわけなんですけれども、この第一種踏切道安全対策の充実に対して、地域からは、そちらの方に重点的、優先的な対策を求める、そういった場合も多く見られておりまして、こうしたことで、地域との合意を図ることが難しくなっている場合もあると考えております。
  70. 松田功

    ○松田委員 現場でいろいろと自治体の職員の方々とかが交渉したりとか、いろいろ現場での御苦労があったり、そこの部分も私もお伺いをしたりとかということもありますので、できるだけ国の方としてもアシストをしていただけるといいかなというふうに思っているところであります。  意図的な独自基準には疑問の部分もありますが、国土交通省としても方針を明確にしていただき、この意図により、また効率よく改良促進をしていただければというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。  それでは、引き続き質問を続けさせていただきたいと思います。  コロナ禍における改良事業対策についてお伺いをいたします。  新型コロナウイルスの感染拡大により、公共交通事業は大変厳しい状況となっていることは御承知のことと思います。JRと私鉄主要十八社の令和三年三月期の最終赤字は、一兆三千億円を超す見通しとなっております。また、地方自治体も税収減となっている中、踏切安全対策事業への優先度は下がることが予想がされます。  令和年度鉄道施設総合安全対策事業制度補助件数をお尋ねしたところ、現在精査中とのことで、正確な数字はいただけませんでしたが、例年より少ないということで、原因はコロナであろうというお答えをいただきました。  であれば、このコロナ禍において、改良事業に取り組んでいただくための対策を取る必要があると考えます。例えば、鉄道施設総合安全対策事業補助対象事業者の緩和や補助率の見直しを行うことを考えていただければどうかと思います。現在は、赤字若しくは営業利益率が少ない事業者のみとなっておりますが、これを全鉄道事業者とし、補助率をかさ上げすることにより、優先順位が下がると思われる踏切安全対策の促進につながると考えます。  また、踏切などの設備は、設置しただけではなく、その後の整備も必要となってまいります。イニシャルコストについてのみ補助制度があるようですが、問題は、そのずっと先に発生するランニングコストではないかというふうに思います。そこについても援助策を講じなければ、持続的な安全対策は進まないと考えます。  このコロナ禍において、踏切道改良促進対策は検討されているのでしょうか。大臣、お答えをください。
  71. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 新型コロナウイルス禍の長期化、拡大化で公共交通機関の皆さんは大変御苦労され、その経営状況も大変悪化しているというのは御指摘のとおりだと思いますが、私、ちょっと確認をしなければいけないところではありますけれども、おっしゃられているような、彼らと話していると、経営状況は厳しいけれども、安全対策についてはそれはやはり別物で、公共交通機関としては安全対策ですとかバリアフリーは進めていくということを、私はそういう認識でいるというふうに思っております。  今年度、ちょっとその踏切対策が遅れているということは、私は、予算の云々ということよりも、接触ができないから現場の段取りがはかどらないとか、そうしたことの方が多いのではないか、地域の住民の皆さんに対する説明会とかもしにくいとか等々、様々な要因があるのではないかというふうに思っております。  この鉄道施設総合安全対策事業費補助につきましては、委員もおっしゃられたように、黒字の鉄道事業者に対しては補助率三分の一、赤字の事業者に対しては二分の一として、経営の厳しい鉄道事業者に対してもそうした配慮というのはしておりますが、私、ちょっとその辺の筋目というのは、基本的に考えて、コロナで大変なところについてはしっかりと支援はする。これまでも、雇用調整助成金に対してもそうですし、今回の、先月、可決をしていただいたJR北海道、四国、また貨物に対しても相当踏み込んだことをやらせていただいている。  しかし、それと、安全についての、この踏切対策ですとかそれのランニングコストまで国が全部持つというのは、少々、金に色目はないとしても、私は、そこはやはり筋目はつけるべきではないか。ランニングコストとか等々というのは、安全対策というのは鉄道事業者がやはりしっかり責任を持っていただく、しかし、その経営全体に対する支援というのは我々もしっかり支える。  それは、令和年度の三次補正予算でも、今参議院で議論していただいている当初予算にも、公共交通の路線の維持のことは、合わせて五百億を超える、相当踏み込んだこれも予算を計上していますので、そうしたことはしっかりやらせていただくけれども、そこの部分はちょっと、私は、一緒くたにして何でもかんでも国がやるということは、実はそこの中から安全神話みたいな変な話になっていくのではないかなというふうに心配をしておりまして、基本的には、支援はしっかりやって、支えていかなければいけないと思っていますけれども、このことについては、現場の皆さんからの声は、しっかりと安全対策は引き続き行っていくというふうに言われていると承知をしております。
  72. 松田功

    ○松田委員 大臣、お答えをいただきまして、何でもかんでもというつもりでは、質問しているわけではないのであれなんですが、やはりどうしても、経営者にせよ、いろいろな地域、自治体にせよ、総合的なコスト、ましてや地域、地方へ行くと、より厳しい財政の中で運営をしているということになるわけです。また、地域格差がますます大きくなっている時代でもあります。そういった意味において、地域地域、それぞれ苦労されている中であります。安全対策優先ということは、それぞれの自治体の職員やそれぞれ鉄道業者の職員の方、皆さん思われているということは間違いないと僕は確信をいたしております。  ただ、安全に対しての予算、結果的には予算の、お金のことになってくる中で、どうしてもその部分で優先順位が下がる可能性というのは否めない部分も出てくるのではないかというふうに思うんですが、非常にそこの部分が、安全対策に向けての取組、例えば、スペースシャトルの爆発事故も、人件費を減らされた中で起きたのではないかというふうにも言われている。安全対策が少し不備な部分もあったのではないかというようなことも言われたりして、決してそうではないと現場の人は思いますし、経営者の方もそう言われるんですが、そういった意味で、将来のことを考えた安全の部分で、もう少し心温まるようなことを大臣の方から言っていただけるとありがたいなというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
  73. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 私は、支援しないなんてことは全く思っていませんし、そうした思いだったら、先日のJR関連法案も提出しておりません。支援はちゃんとやる、それは最大の温かい気持ちでやったつもりでございますけれども、そうではなくて、財政、もちろんこれは別に全部否定しているわけじゃなくて、かつてのJR北海道で経営が非常に厳しくなって、やはりそれが安全面に響いたのではないか、そういう教訓はありますので、だからしっかりとした支援をしていこうということです。  ですから、鉄道事業者に対して、公共交通機関を担っていただいている以上、しっかりとした支援をしていくというのは全くそのとおりだと思っていますが、その中で安全面を最優先にして取り組んでいくというのは、私は公共交通機関を担う事業者の矜持だと思っていますし、そこは信頼しているということでございます。
  74. 松田功

    ○松田委員 特に、地域、地方の私鉄の関係の皆さんも苦労されている部分もありますので、大臣がJRの関連の部分を一生懸命していただいていることは重々承知の上でいるところでありますが、やはり地域、地方で、非常に経営がまた苦しい中で鉄道事業を行っているということもございます。そういったことの意味で私も質問させていただいているところもありますので、是非そういったことを御理解をいただきたいというふうに思っているところでございます。いろいろ大臣の方でもお考えもありますし、そういったことを継続的に、公共交通支援をしっかりとこれからも是非検討いただきたいというふうに思っております。  次の質問に参らせていただきたいと思います。  鉄道用地外からの災害対応検討会の提言についてお伺いをいたします。  近年、豪雨や台風などの自然災害が頻発しており、鉄道用地外から被害拡大への懸念は、鉄道事業者から寄せられております。法整備を求められてまいりました。  特に、平成三十年七月に起きた西日本豪雨災害において、公共交通機関に甚大な被害が発生をいたしました。その復旧作業に近隣住民の同意が得られず、重機が使用できないということがございました。酷暑の中、本来数時間で終わる作業を手作業で行うこととなったため、復旧が遅れたという事案でございます。今回の法改正が待たれたところでありました。今回の鉄道事業法改正案には、事前防災と応急復旧について明記され、自然災害時の公共交通の早期復旧のために前進したと評価できると思います。  しかし、検討会において、災害時における一定の特例として、大臣の許可を得て鉄道用地外の立入り、一時使用ができるところを、災害時などの緊急時に限り、大臣への事後報告により鉄道用地外の立入り、一時使用ができるなどの法制度の実現に向けて更に検討を進めるべきであると提言がなされました。しかし、なぜ本改正でこのような措置が講じられなかったのか、理由をお聞かせいただきたいと思います。  また、昨年五月二十日の国土交通委員会において、我が党の広田議員の方から今回の件について質問され、当時の水嶋鉄道局長と提言についてやり取りをされております。その中で、既に用地外の事前防災、応急復旧の法整備がなされている電気通信、道路制度を参考とするが、鉄道道路と違って公物ではない、電気通信は、民間であるけれども、サービスの供給義務が課せられているため、鉄道とは違うと発言をされております。  しかし、検討会において、公物ではない一方、輸送を担う交通インフラとして、一般的には道路と同様の公共性を有していると認識されているとあり、また、電気や通信について、鉄道と同様に民間企業が事業主体でありながら、一定程度の公共性を有すると認識をされていると記されております。  そこで、電気事業法、電気通信事業法には認められている、大臣の許可を受けなければならない、ただし、後の、天災、事変その他緊急事態が発生した場合において、十五日以内の期間一時使用するときはこの限りではないという部分が盛り込まれなかった理由とともに、現鉄道局長に鉄道事業に対する認識も併せてお伺いをいたします。
  75. 上原淳

    上原政府参考人 お答えいたします。  昨年五月二十日に本委員会で行われた質疑におきます前鉄道局長の発言でございますが、鉄道事業者災害復旧のため鉄道用地外への立入り、一時使用ができる制度が存在していない当時の現状に関しまして、鉄道道路とは異なり民間事業者が保有する施設である点、電気事業等はサービス供給義務が課されている、鉄道事業はサービス供給義務が課されていないといった点の法的な位置づけの違いがあることを説明して、その時点での制度についてそうした違いがあることを説明し、これを踏まえながら、一方で、鉄道用地外からの災害対応検討会におきまして、法制度の検討をその時点で行っているといったことを申し上げる趣旨であったものと認識しております。  今回の改正では、こうした法的な位置づけの違いも踏まえながら、一方で鉄道インフラが有する公共性も考慮し、さらに、災害の激甚化など最近の現状も踏まえて総合的に検討を行った結果、鉄道事業者が、災害時には国土交通大臣による許可を受けて、他人の土地を作業場等として一時使用することを可能とすることとしたいと考えております。  一方で、大臣への事後報告で足りるかどうかということにつきましては、電気事業等は、国民の生命に直結をいたしておりまして、災害時におけるそれらの設備の復旧は一刻一秒を争うため、例外規定として、各事業者の判断で一時的に他人の私権を制限し、他人の土地の立入り、一時使用ができることとされております。  他方鉄道施設の復旧につきましては、災害復旧の際に、必ずしも電気事業等と同等の急迫性を持つとは考えにくく、鉄道用地外の立入りや一時使用という、他人の私権を制限する行為について事後報告とすることについては、なお慎重な検討を要するため、今回の法律案におきましては、災害時であっても大臣の許可を必要とすることが適当であると法的な整理を行ったところでございます。  ただし、災害時に鉄道事業者から立入り、一時使用に係る大臣の許可の申請があった場合の対応につきましては、その手続につきまして可能な限り迅速化を図ることによりまして、実務の点では大きな差異がない運用となるよう制度設計を検討してまいりたいと考えております。
  76. 松田功

    ○松田委員 ありがとうございます。  鉄道は公共交通としても重要なインフラであることはもう御承知のとおりだと思いますし、また、JRなどは、指定公共機関として、緊急事態宣言下においても鉄道も走らせておりました。各地域の公共交通もそうであります。水嶋前局長の鉄道事業への認識がどういうふうであったのかということもございましたので、質問もさせていただいております。  時間も押しておりますので、次の質問に移らせていただきたいと思います。  踏切道対策の抜本的な方法として、連続立体交差にするということがございます。まちづくりの計画とともに複数の踏切道を一挙に除去できるため、町の景観とともに渋滞の緩和、安全対策などができるため、是非立体交差事業を促進させていただきたいと思っております。しかし、そのための制度活用をされておりません。その周知を図る意味で質問をさせていただきたいと思います。  鉄道事業者などに対する無利子貸付制度です。貸付実績を見ますと、平成二十八年から令和二年までの、全国で毎年一件でした。  この制度における鉄道事業者の窓口は自治体ですので、私の地元、愛知県の担当者にもこの制度についてお伺いをしました。今まで、愛知県の立体交差事業において使ったことは一度もないということでございました。鉄道事業者の方からそのような申込みがされたことはなかったということでしたので、この制度の申請作業や要件が複雑といった、使い勝手が悪いのかについてもお尋ねをいたしました。申込みがなされたことがないので、具体的にどのような事務手続や作業が発生するか分からないとのことでした。  今では、大手の鉄道事業者はこの制度を使う必要がなかったかもしれませんが、コロナで実績が悪化している中、踏切道対策の促進策としてこの制度の周知を図るべきではないかと思いますが、国交省としてコメントがあれば、お伺いしたいと思います。
  77. 榊真一

    ○榊政府参考人 お答えを申し上げます。  連続立体交差事業の無利子貸付制度につきましては、平成十八年度に創設されて以来、これまで、京都市が実施いたしました阪急京都線と、堺市が進めております南海本線の二つの連続立体交差事業において活用をいただいております。  国土交通省では、この無利子貸付制度について、毎年、地方公共団体の担当課長会議、あるいは、連続立体交差事業を実施しております地方公共団体、鉄道事業者から成ります協議会等の場を通じて、その周知に努めてきております。  連続立体交差事業につきましては、現在、全国三十八か所で工事が進められ、また、十か所で着工に向けた準備が進められております。  コロナ禍の状況も踏まえまして、事業に携わる全ての地方公共団体と鉄道事業者に対し、この制度が積極的に活用されますよう、改めて制度の周知を図ってまいりたいと存じます。
  78. 松田功

    ○松田委員 ありがとうございました。終わります。
  79. あかま二郎

    ○あかま委員長 次に、津村啓介君。
  80. 津村啓介

    ○津村委員 危険踏切、そして米軍ヘリ低空飛行、この二つの問題について質問いたします。  私、踏切道改良促進法案は致命的な欠陥を抱えた法律だと思っております。  第一条の目的規定を御覧ください。「この法律は、踏切道改良を促進することにより、交通事故防止及び交通円滑化に寄与することを目的とする。」目的規定には二つの目的が書かれておりまして、交通事故防止は命を守るということ、交通円滑化は経済効率を考慮するということだと思います。  この二つを、共にバランスを持って考えていくというのは、現在の新型コロナ対策も同じでありまして、命も経済も大事、しかし命が第一であって、共に経済も考える、こういう物の考え方なのかと思っておりますが、この法案の第二条以下は全く主客転倒しておりまして、第二条、「この法律で「踏切道」とは、鉄道道路法による道路とが交差している場合における踏切道をいう。」道路法による道路というのは公道ということでありまして、私道は対象になっておりません。  しかし、資料を御覧いただきますと、この二ページ、今、ツー・イン・ワンにしていますので下の方ですけれども、道路法の道路が二万九千五百に対して、道路道路以外の私道で設置されている踏切が三千五百四ございます。つまり、現存する三万三千四の踏切のうち、一割以上は公道以外の踏切になっているわけですけれども、これに対しては、踏切道改良促進法はその対象にさえしていないということで、改良を促進すべき踏切から除外されているということなわけです。これは、目的として、じゃ、その踏切事故が起こらないのかといえば、同じように起きているわけですから、数字も載せておりますけれども、これは、目的を達するための手段を持たない、欠陥のある法律だと私は思うんです。  そこで御質問しますけれども、本法の対象外の踏切道の現在数と事故件数について大臣がどう認識されているか、そして、私道等と交差する踏切道も対象に加えて事故防止対策を推進すべきと私は考えますが、大臣の御所見を伺います。
  81. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 津村委員がおっしゃられているとおり、多様な主体が管理をされる、いわゆる私道と交差する踏切道について、我々がそうした踏切道事故防止対策を全く軽んじるということではございません。これは大変重要だというふうに受け止めております。ただ、この法律、踏切道改良促進法という法律の対象としていないということでございます。それはちょっと後ほど申し上げますが。  まず、御質問の、これらの踏切道における箇所数は、令和元年度末の時点で三千五百四か所でございます。そして、これらの踏切道における令和元年度の事故件数につきまして、これは今回初めてお示しするものになるかと思いますが、十九件となっております。  冒頭申し上げましたのは、踏切道改良促進法というこの法律は、鉄道事業者道路管理者との協議を促すことで、一般に広く公共の用に供される道路に関わる踏切道につきまして、まず、立体交差道路の拡幅など、道路改良を含む踏切道改良事業を進めることをこの法律の目的としているところでございます。そういう意味では、国や地方公共団体等が道路管理者となっている道路法上の道路、公道を法の対象としているものでございます。  他方、私道等と交差する踏切道につきましても、繰り返しになりますが、踏切道事故防止対策は重要と考えておりまして、このために、鉄道営業法及びこれに基づく技術基準省令におきまして、踏切事故防止のため、道路法で規定していない私道等と交差する踏切も含めて、踏切保安設備設置等を鉄道事業者に義務づけをさせていただいているところでございます。  国交省といたしましては、この技術基準省令などに基づきまして、私道等と交差する踏切道も含めて、事故防止対策が適切に講じられるよう、引き続き鉄道事業者支援してまいりたい、こう考えております。
  82. 津村啓介

    ○津村委員 本題の危険踏切です。  私がここで言う危険踏切とは二種類ございますが、正規の踏切でありながら遮断機がなく、事故が多発している四種踏切、そして、正規の踏切以外の場所を近隣住民が日常的に不法に通行している勝手踏切というものもございます。  五年前、私はこの質疑をさせていただいておりますが、四種踏切は当時二千九百六十八、そして勝手踏切も約一万九千あるという御答弁をいただきました。  現在、それがどういう数字になっているのか、また、仄聞するに必ずしも減少していないようですけれども、減少ペースが鈍化している理由も伺いたいと思います。
  83. 上原淳

    上原政府参考人 お答えいたします。  第四種踏切につきましては、令和元年度末現在で二千六百三か所となっております。ここ五年間では、平均して年間六十か所程度減少してきておりますが、委員指摘のとおり、減少ペースは鈍化してきております。  第四種踏切の数を減少させる方法といたしましては、統廃合、第一種化が想定されますが、減少ペースが鈍化している理由としては、残された第四種踏切道は近くにほかの踏切道迂回路がないなど周囲の状況等から統廃合が困難な場合が多く、地元との協議や調整に時間を要すること、鉄道事業者におきましては、自動車歩行者交通量及び列車の通過本数が多く、事故の危険性が高い第一種踏切道等の安全対策の充実に対し、地域からも重点的、優先的な取組を求められる場合があること等が考えられます。  一方で、先ほど委員指摘がございました勝手踏切と呼ばれておる、これはもう踏切道として鉄道事業者が認めていないものでございます。本年一月現在で一万七千か所と私どもは確認をさせていただいております。一万九千か所に比べると二千か所減少しているということでございます。  ただ、勝手踏切につきましては明確な定義がないため、数を調べるに際しては、全国鉄道事業者に対しまして、鉄道事業者として踏切道としては認めていないが、明らかに線路内を横断した形跡があるもの又は横断していることを情報として認識しているものという問合せをしておりまして、その調査の結果でございます。  このため、各鉄道事業者によって計上の仕方に疎密の差がございまして、ただ、参考までに申し上げると、委員の御地元の岡山県では約五百八十か所、最も多い愛媛県では千三十か所、少ない事例としては、東京都は約三十か所というふうになっております。
  84. 津村啓介

    ○津村委員 事前通告の結果、御協力いただきまして、皆様、お手元、三ページに、四種踏切道の都道府県別の数字をいただいております。地方によって相当偏りがございまして、中国地方、北海道、そして長野、岐阜の中部地方ですか、こういったところが大変多くなっておりまして、これは五年前と余り変わっておりません。歴史的な経過や事業者取組姿勢などいろいろあると思いますが、こうしたことは残念ながらこの法律の中で盲点となっているのではないかと思います。  この委員会には、各地域の代表の議員の方、代議士らがいらっしゃると思いますので、是非御地元の数字も御確認いただいて、これはまさに国民の命に関わることで、遮断機がないわけですから、ぴゅっと子供やお年寄りが入っちゃいますし、都会から来た人は遮断機がないところが踏切だと思わないものですから、都会の方が田舎でびっくりするということはよく起きているわけです。是非こうしたことについて問題意識を共有させていただければと思います。  そして、上原局長にお願いしたいんですが、勝手踏切についても今数字を挙げていただきましたので、こうした都道府県別の数字があるんだろうと思います。そのことを私にも御教示いただきたい、都道府県別の数字をいただきたいんですが、お願いいたします。
  85. 上原淳

    上原政府参考人 お答えいたします。  先ほど申し上げましたとおり、各事業者からの報告には疎密の差がございますけれども、私どもが今持っておりますデータにつきましては、お渡ししたいというふうに思います。
  86. 津村啓介

    ○津村委員 ありがとうございます。  続きまして、非常押しボタンの話をさせていただきたいと思います。  これは五年前の改正の一つの目玉だったと思うんですけれども、非常押しボタンを一つつけても、遮断機が何しろあるものですから、遮断機の内側につけるか外側につけるかで、遮断機をまたがなければいけないということになると、それ自体が実効的なのかということがございます。  これは、今現時点で、非常押しボタンのある踏切の数について、また、ミリ波障害物検知装置というのも新しい装置としてあると思いますが、それぞれの設置状況、数字だけで結構ですので、局長、お答えください。
  87. 上原淳

    上原政府参考人 お答えいたします。  委員指摘のとおり、平成二十八年度から、この非常押しボタンについての設置補助を行っているところでございます。  非常押しボタンが設置された踏切数でございますが、令和二年末現在で二万二千六百三十六か所ということになっております。  また、障害物検知装置につきましては、令和元年度末で一万百五か所に検知装置設置されております。その内訳は、いわゆる光電式と呼ばれる自動車検知目的としているものが八千三百か所、先ほど御指摘いただきました二次元のミリ波方式が約百か所、さらに、三次元で、レーザーレーダー方式といいまして、検知できるものが千七百か所となっております。
  88. 津村啓介

    ○津村委員 この踏切道改良促進法、五年に一回審議をし、国会でのチェックをしてきたわけですけれども、今後はそういう機会が、ともすれば失われることになると聞いております。こうした数字を今後ともフォローさせていただきまして、国民の安全を守る役割をしっかり果たしていきたいと思っております。  最後大臣伺いますけれども、非常押しボタンの中に、そうした押しづらい位置にあるものが、私、多数含まれていると思うんですけれども、補助事業の対象にしている際に、設置基準、審査基準を、書式の中に書く欄があると思います。そこに、非常押しボタンが押しやすい位置設置することというふうになっていると理解しているんですけれども、両側から押しやすいというふうに、表記をより詳細に改めるべきだと思うんですが、大臣、今後の省令、通達の中で、そうした取扱いをお願いできないでしょうか。
  89. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 まず、御質問の前の今後の推移、やはり安全というのは常に改善していかなければいけませんので、これがしっかり可視化できるような情報発信を心がけていきたいということはお約束したいと思います。  また、踏切内でトラブルが生じた場合に、これを列車運転士に知らせるための非常押しボタンは、踏切事故を未然に防ぐ方策として大変有効だということで、設置に対する補助を行っているところでございます。  非常押しボタンの設置位置につきましては、緊急時に使用されるものでございます、これはケースが二つぐらいあるんじゃないかと。一つは、踏切内に閉じ込められた車の運転手さんが自ら踏切の内側から押す場合、他方踏切内に閉じ込められた車等の発見者が踏切の外側から押す場合ということがあると思いますので、これは踏切道の内側からも外側からも分かりやすく、また押しやすい位置であることが望ましいと考えております。  そうしたことから、今、技術基準省令の解釈基準、これは局長通達でございますが、設置位置につきましては、「踏切道付近であって、容易に取り扱うことができる箇所に設けること。」というふうに規定をされております。  また、非常ボタンに対しまして補助を行う際は、補助金の審査を行う鉄道・運輸機構が当該解釈基準に適合していることを確認して補助を行っているところでございます。  一方で、実情の中でいいますと、踏切施設箇所における構造上の制約がある場合もありまして、非常押しボタンを踏切の内側からも外側からも押せる位置設置することが難しい場合もあるというふうにも伺っております。こうした場合は、非常押しボタンがどこに設置されているかが踏切の内側からも外側からも瞬時に分かるような標識を設けることも、これは緊急事態のときの対応ですから非常に重要だというふうに考えておりますので、そうしたことは鉄道事業者に推奨をしているところでございます。  いずれにいたしましても、冒頭申し上げましたように、この非常押しボタン、大変重要でございますし、委員指摘のように、設置基準を明確にすることが必要と考えておりますので、どのような形で明確にするかについて、引き続きしっかりと検討してまいりたい、こう思っております。
  90. 津村啓介

    ○津村委員 米軍ヘリコプターの低空飛行訓練について伺わせていただきます。  本年二月二十四日以降、新聞紙上で、米軍ヘリコプターが再三にわたって、数えますと、十一、十二回という報道がございますが、東京都心を低空飛行している旨の記事が掲載されています。  三月二日の衆議院予算委員会における共産党宮本議員の質疑に対して、菅総理は、事実関係については米側に確認中というふうに、菅さん、そして岸防衛大臣が御答弁されております。  これは、羽田新ルートの運用開始と時期も平仄しておりますし、様々関係性が想像される事案でございますけれども、まず、国土交通大臣に事実関係を伺わせていただきます。  米軍がこうした飛行をする場合、航空法によりまして、国土交通大臣又は防衛大臣に通報されることとなっていると思いますが、報道された米軍ヘリの飛行について、飛行計画の通報を受けていたか、防衛大臣に通報された分も含めてお答えいただきたいと思います。  お聞きいただいている委員の皆様には、この四ページが記事でございますし、五ページが根拠法、根拠の法律でございます。また、六ページが、報道によれば、都心で低空飛行がなされた日付でございます。  大臣、お答えください。
  91. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 今、資料もつけていただいておりますが、航空法第九十七条及び日米地位協定の実施に伴う航空法の特例に関する法律に基づきまして、米軍機が飛行する場合には、国土交通大臣に対し、飛行計画の通報が必要でございます。  そのうち、米軍機を含め、自衛隊飛行場から出発する航空機につきましては、航空法第百三十七条に基づきまして、飛行計画の受理等の国土交通大臣の権限が防衛大臣に委任されております。米軍機が自衛隊飛行場から飛行する場合には、防衛大臣に対して飛行計画の通報が必要となります。  この資料につけていただきました新聞記事において、都心上空を米軍機が飛行していたとされている日付のうち、直近三か月分まで国交省及び防衛省において確認をさせていただきました結果、これらの全ての日におきまして、都心上空を飛行した可能性のある米軍機の飛行計画が米軍から通報されていたことは確認ができております。  なお、報道の対象となった日に、実際に米軍機の飛行があったかなどの事実関係につきましては、今、外務省及び防衛省において米軍側に確認中と承知をしておるところでございます。
  92. 津村啓介

    ○津村委員 委員の皆さんには、資料の一番最後、十ページにあります、在日米軍による低空飛行訓練についてという日米間の平成十一年の合意、このうち、特に二ポツを御覧いただきながら聞いていただければというふうに思いますが、大臣伺います。  米軍ヘリは航空法の最低安全高度の基準が適用除外になっている一方で、日米地位協定及びこの日米合同委員会の合意に基づいて、我が国の国内法を尊重し、航空法の当該基準に従うこととなっているわけでありますけれども、その理解でよろしいかということと、この航空法の最低高度基準の内容を伺わせていただきたいと思います。
  93. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 その理解で結構かと思いますが、航空法の規定に基づきまして、航空機は、離陸又は着陸を行う場合を除いて、一定以下の高度で飛行してはならないこととされております。  具体的には、有視界飛行方式の場合には、人又は家屋の密集している地域の上空では、当該航空機から水平距離六百メートルの範囲内にある最も高い障害物の上端から、上の端から三百メートルの高度以下で飛行してはならないこと等の規定が設けられているところでございます。
  94. 津村啓介

    ○津村委員 つまり、つづめますと、米軍ヘリは、都心部においては、建物から換算した高度三百メートル以下で飛ぶことはできないというルールになっているということでよろしいですね。
  95. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 そのとおりでございます。
  96. 津村啓介

    ○津村委員 最後質問にいたします。  羽田新ルートの設定により、特別管制空域というものが設定をされております。委員の皆さんには、この八ページと九ページを御覧いただけると、縦横立体的に御理解いただけるかというふうに思います。  八ページの方は、これは平面図でして、これは左上から新ルートが入ってくるわけですけれども、新宿駅、原宿駅、渋谷駅の真上を通るわけですね。午後の時間帯、こういう時間帯が風向きによっては設定をされております。  これを縦割りにしたものが九ページでございまして、新宿周辺でヘリコプターはどういうところを飛べるのかということですけれども、まず、四百五十メートルより上は羽田新ルートの羽田空域になりますので、これは絶対飛べないというわけではないんですけれども、許可を受けながら飛ばなければいけない、いわば少し条件付の飛行可能空域ということになります、米軍のヘリから見て。  他方、この左側の黄色いエリア、先ほど大臣から御答弁いただきましたように、直近の建物の高さよりも更にプラス三百メートル、そして半径六百メートルの範囲は、これはもう飛んじゃ駄目と先ほど大臣の答弁をいただきましたので、この黄色のゾーンは飛んじゃ駄目なゾーンということになります。  ですので、例えば、厚木から六本木のヘリポートに米軍ヘリが飛んでくるときに、避けて通らなければいけない、飛んではならないエリアというものが、一定程度、羽田新ルートの運用開始によって生じたということでありまして、これが、私、米軍ヘリコプターが今低空飛行訓練を繰り返している直接の引き金になっているんじゃないかというふうに思います。  と申しますのは、今までと空域が狭まったわけですから、狭まった空域の中で要人輸送等を安全にできるかどうかということを確認するというのは、これはある意味では合理的な行動でありまして、この新ルート設定の在り方、その交渉の進め方が果たして適当であって、今ちょうどいい状態にあるのかどうかということを確認したいという趣旨で最後質問をさせていただきますし、また、本日午後、あと二十分、外務委員会でいただいていますので、中山さん、申し訳ない、その場も含めて議論をさせていただきたいと思いますが、問いでございます。  例えば、新宿付近におきまして、この羽田新ルートという意味ですけれども、米軍ヘリが特別管制空域及び最低安全高度の制限を受けることなく自由に飛行可能な範囲というのは数字的に見るとどの程度の範囲があるのか、いただける数字で結構ですので御答弁ください。
  97. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 お尋ねのございました新宿付近につきまして、新宿駅付近から原宿駅付近にかけて、高度四百五十メートルから千三百五十メートル未満の範囲で特別管制空域を指定しております。  この特別管制空域と航空法第八十一条に規定する最低安全高度の制約を受けずに飛行が可能な範囲の距離、これは幅でございますが、新宿駅付近から原宿駅付近までの約二・八キロメートルのうち約一・一キロメートルとなっております。
  98. 津村啓介

    ○津村委員 事務方には、その一・一キロというのが何丁目付近から何丁目付近かというところをお答えいただきたいとお願いして、了解いただいていると思うんですが、どのあたりからどのあたりまでの一・一キロか、正確に御答弁ください。大事なことです。(発言する者あり)
  99. あかま二郎

    ○あかま委員長 速記を止めてください。     〔速記中止〕
  100. あかま二郎

    ○あかま委員長 速記を起こしてください。  赤羽国土交通大臣
  101. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 済みません。先生、よく御存じだと思いますけれども、幅になりますので、ちょっと、例えて言うならば、参宮橋の駅から渋谷のNHKにかけてぐらい、この幅で約一・一キロの範囲が飛行、航空可能ということでございます。
  102. 津村啓介

    ○津村委員 それは縦のことを私議論していると思うんですけれども、それは幅じゃないんじゃないですか。(発言する者あり)
  103. あかま二郎

    ○あかま委員長 速記を止めてください。     〔速記中止〕
  104. あかま二郎

    ○あかま委員長 速記を起こしてください。  赤羽国土交通大臣
  105. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 済みません。昨日、通告を受けた航空局がちょっと誤解をしているかもしれません。改めて確認させていただきたいと思いますが、資料でいただいた九ページのこの図、先生が出された図の、私が申し上げたのは、このいわゆる黄色じゃない部分ですね、ビルのいわゆる真ん中ぐらい、真ん中やや右ぐらいのところから原宿の駅のところ、これは住所でいうと渋谷区千駄ケ谷三丁目から神宮前一丁目にかかるこの約一・一キロだということを答弁させていただきました。
  106. あかま二郎

    ○あかま委員長 申合せの時間が経過しておりますので、御協力を願います。
  107. 津村啓介

    ○津村委員 確認ですけれども、AルートとBルートの幅ではなくて、ルート線上の一・一キロという意味での御答弁でよろしいですね。それだけの確認で結構です。
  108. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 そのとおりです。
  109. 津村啓介

    ○津村委員 ありがとうございました。
  110. あかま二郎

    ○あかま委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時二十一分休憩      ――――◇―――――     午後一時開議
  111. あかま二郎

    ○あかま委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。高橋千鶴子君。
  112. 高橋千鶴子

    ○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。  踏切道改良促進法が成立して六十年たちました。七万一千七十か所あった踏切道が、現在三万三千四か所に半減をしています。踏切事故は、当時五千四百八十三件だったものが今二百十一件に、死傷者事故が、三千九百十八件だったものが二百十六人ということで、大幅に減少したとは思います。事故の種類を見ると、歩行者事故自動車事故の割合はほぼ半々で、いわゆる直前横断が五一・二%、自動車では、踏切道の中でのエンストなどが三〇・八%に上ります。第十次交通安全基本計画では、「踏切事故のない社会を目指して」とうたっておりますが、踏切事故件数を五年間で一割減としているもので、文字どおりゼロを目指したいと思います。  そこで、資料の1にあるように、踏切道改良促進法の延長では、五年の指定期限を撤廃するといいます。私は、ここは本法案最大のポイントなのかなと思うんですけれども、やはり五年という期限では大規模で長期になる工事を決断し切れないということがあるのか、期限撤廃の理由について伺います。
  113. 吉岡幹夫

    吉岡政府参考人 お答え申し上げます。  踏切法は、昭和三十六年の法制定時より、踏切による事故防止を図るため、期間を定め緊急に効果を得るべく、五年間の期限を区切って集中的に改良を実施してきたところです。  これまで十一次にわたる、五年ずつ指定期限を延長し、踏切の数の半減、踏切事故の件数の減少等の成果は上がっております。  しかしながら、開かずの踏切など、地域との調整に長期間を要する踏切道が多く未指定で残っており、法指定による対策は、なお当分の間は必要でございます。  また、現行制度では、五年の指定期限内に対策が完了しない場合は改良計画提出が必要となることでございますけれども、その際、調整に五年以上の長期を要するものや指定期限が近くなった場合は、指定自体が困難となって、対策の促進の支障となっているということでございます。  このため、五年の指定期限を廃止し、期間にとらわれず機動的に指定できるように見直すことが必要だということでございます。
  114. 高橋千鶴子

    ○高橋(千)委員 調整に五年以上かかる、そういう中で、なかなか、五年で区切って、それは集中的にやりたいという気持ちはそうだけれども、現実はそう簡単ではない、もっと長期にかかるという中で、今回期限を撤廃したということは、私は賛成したい、このように思っています。  踏切そのものが減って、確実に事故は減ってきたとは思うものの、やはり六十年たって半分かという思いがあります。しかも、半分に減ったその内訳を見ますと、警報機設置されているが遮断機がない第三種踏切と、警報機遮断機もない第四種踏切の合計がやはり圧倒的に減ったというもので、現在三千二百八十七か所ですけれども、二十分の一に減ったというのがその中心だったのかなと思います。  警標並びに警報機遮断機もある第一種踏切は、四千三百五十五からスタートして、平成になって三万を超えてからは、ほぼ横ばいになっております。もちろん、その中には、第三種、四種から第一種に繰り上げたというものもあると思いますが、これは急いでやる必要があると思うんですけれどもね。  JR代々木駅が最寄りの我が日本共産党本部も、間に、埼京線が走る、まさに開かずの踏切がございます。遮断機が下りても突っ込んでいく人をよく見かけます。私も、遮断機が上がってから渡り出すんですけれども、もう途中ですぐ鳴るんですよね。本当に怖くて、走ります。  この周辺の十一町内会と商店会で踏切問題連絡協議会が発足されたのは、一九九三年のことでした。もう三十年間も行政やJRに交渉してきたけれども、全く事態が動かないと諦めておりました。ただ、踏切問題だけではなくて、駅周辺まちづくり協議会として、活動はまちづくりと一体でできないかということで今も取り組んでおられます。こうした方々は本当に各地にいらっしゃると思うんです。  そこで、大臣に、今回の改正で踏切問題が前に進むのか、その決意をお聞かせください。
  115. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 実は、私の実家もまさに踏切沿いに住んでいるパン屋でございまして、開かずの踏切というのは本当に様々な弊害を生んでいますし、やはり鉄道に関する事故というのは、この踏切、又は、今、ホームの転落、こうしたことに限られるというか、そこが多いのではないか。  ですから、こうしたことの対策というのはしっかりと取らなければいけない、こう思っておりますが、まだ開かずの踏切全国で約五百か所以上残されておりまして、私もよく言われて現地視察をしておりますが、なかなか簡単じゃないというか、意見を集約するのは簡単じゃないし、規模が大きくなればなるほど、立体交差化ですとか、工事そのものが抜本的に長期間かかってしまうということだと思います。  しかし、そうした中で、様々なこれまでの総括というか反省をしながら、今回法改正を出させていただきまして、今御賛同いただきました、五年間の指定年限も撤廃をするということですとか、また周辺の迂回路整備鉄道局だけではなくて道路局や都市局も入れて面的や総合的な対策をするですとか、また、高齢者も増えていますので、踏切道のバリアフリー化、こういう局所的な対策も含めて、改良を更に推進していかなければいけない、こう思っております。  決意ということでございますので、交通事故を撲滅しようという、そういうことを申し上げたと同じぐらい、この踏切改善していくということについては、今回、法改正一つの大きな契機として前に進めていきたい、しっかりと取り組んでいきたいと思っています。
  116. 高橋千鶴子

    ○高橋(千)委員 ありがとうございます。  今の新しいスキームを、同資料の一枚目につけておきました。  改良が必要な踏切道として指定されたのは、二〇一六年からの五年間で千百八十か所、それとは別に、二〇一六年五月に緊急に対策の検討が必要な踏切として抽出された踏切安全通行カルテ、これが千四百七十九か所あります。その見本を二枚目につけておきました。見本といっても実際のやつですが、札幌市中央区、東九丁目の踏切であります。遮断時間がピーク時に四十八分など、課題がどこにあるのかが文字どおりカルテになっていると思います。ただ、カルテはあっても、改良計画へと進む法指定されていない踏切道は、そのうちまだ半分もあるというのが実態だと思います。  複数の踏切を一挙に除却する連続立体交差事業、これは資料の三枚目にありますが、政令市、人口二十万人以上などの都市、特別区が対象で、国と地方で九割、一割を鉄道事業者が負担するということで聞いています。  それで、ちょっと局長、申し訳ないんですが、通告にないんですが、一つここで問いをしたいんですけれども、さっき大臣に決意を伺いました。ただ、法改正する以上は、期限を取っ払うだけではなくて、この予算を増やすということや、それから要件緩和ということも課題となっていると思いますが、そこで工夫することはありますか。お願いします。
  117. 吉岡幹夫

    吉岡政府参考人 突然の質問でございますけれども、要件緩和というよりも、大臣から申しましたとおり、対策を工夫するということで、周辺の迂回路とかそういうのも含めて対策をして、短期的に、速効的に効果を出すとか、そういうこともやっていきたいと思います。  また、予算も、重点的に支援する、連続立体交差事業も個別補助になってございますし、来年度から踏切改良も個別補助として創設させて、重点的にやらせていただきたいというふうに考えておるところでございます。
  118. 高橋千鶴子

    ○高橋(千)委員 個別補助の方は、百三億という、規模がちょっとね。立体交差は五百億の予算だと聞いておりますけれども、やはり一定その分がないとまずいというのと、要件緩和と私が言ったのは、カルテをせっかく作って、課題がいっぱいあるねと分かっていながら、まだ改良計画に進まない、指定されていないところがそのうち半分もあるという理由に、もちろん、地元との調整とかもあるんだけれども、要件が厳し過ぎるんじゃないかという声もあるんですね。  そういう点で、やはり積極的に指定をしていって、計画を俎上にのせるということが必要じゃないかということで、ちょっと提案をさせていただきました。  それで、高架化や歩道橋といった抜本的な対策を目指すべきだと思いますが、それには、先ほど来議論しているように、住民合意も含めて大変な時間がかかり、事業費も大きいです。それを目指しつつも、その間に何らかの改良ができないかということであります。  先ほど紹介した代々木の駅の踏切道では、埼京線がともかく過密ダイヤで、十両編成の電車が短い間隔で走るために、ちょっとでも遅延が起きたりすると、踏切道の中で電車が居座ってしまい、下手すると一時間も待たされる。迂回路もずっと回り込まなきゃいけないので、仕方なくみんな待っている、だから、消防車や救急車も通れないということなんですね。なので、もうちょっと原宿側で止まって、三百メートル手前でどうにかならないのとか、そういうこともいろいろ提案してきたんです。だけれども、JRが残念ながら同意してもらえないということがあるんですね。  なので、それは地域によっていろいろなアイデアがあると思うんですけれども、やはり鉄道事業者側の工夫で踏切遮断時間を減らすといった改良というのはまだまだできることがあるんじゃないかと思いますが、また、そこに、間に立ってもらいたいなという思いを込めて伺いたいと思います。
  119. 上原淳

    上原政府参考人 お答えいたします。  開かずの踏切の抜本的な解消には、委員も御指摘のとおり、立体交差や歩道橋の整備が有効であると考えておりますが、鉄道事業者側におきましても、工夫して閉鎖時間を減らす取組が進められているところでございます。  例えば、列車種別ごとに踏切が鳴り始める起動点を切り替えることによりまして、速度が遅い各駅停車の通過時に無駄な遮断時間を削減できるシステム、踏切警報時間制御装置、いわゆる賢い踏切と呼んでおりますが、こうしたものを、特に列車種別が多い路線では閉鎖時間の短縮に効果があるということでございます。  各鉄道事業者では、列車種別の多い三大都市圏の路線を中心にこの賢い踏切導入が進められているところでございまして、令和二年三月末現在で三千三百九十三の踏切導入をされているところでございます。また、国土交通省としても、鉄道施設総合安全対策事業補助を行っているところでございます。  御指摘の駅ホームの移転につきましては、移転先にまとまった用地が必要となるなど、物理的な制約もあろうかと思います。一般的に、踏切遮断時間の短縮だけのためにホームを移設させるということは、時間面でも費用面でも難しいものと考えております。  ただ一方で、先ほど申し上げました、賢い踏切導入と併せましてホームを移転した例がJR南武線でもございます。  いずれにしましても、駅ホームの移転につきましては、地方自治体と鉄道事業者の間でよく御相談をいただきたいと考えております。
  120. 高橋千鶴子

    ○高橋(千)委員 こちらもいろいろアイデアを出せば、いろいろ全国にもそういう取組があるという御紹介でありましたので、長く取り組んできた皆さんが諦めなくていいように、やはり今度の法改正が、何らかの光明が見えるといいますか、道筋が見える、そういう取組につなげていただきたいなと思っておりますので、重ねてよろしくお願いしたい、このように思います。  それで、次に、ちょっと順番を変えまして、防災道の駅について質問したいと思います。  東北六県を選挙区とする私は、立ち寄った道の駅の数でいえば誰にも負けないかもしれません。今回の法案は、東日本大震災のときに、内陸部の災害対応派遣や救援物資のステーションとして内陸にある岩手県遠野市の道の駅が活躍したことがモデルと聞いております。岩手県は、沿岸部に行くためには、どこに行くにも、盛岡市や花巻市、一関市など新幹線駅のある最寄りの都市から二時間以上はかかる、そういう大変な苦労をするのが常識でありました。今般、三陸沿岸道が、復興道路として全線開通しましたので、大分便利になったということはあると思います。  私自身も、あの大震災のときに、サービスエリアに自衛隊や国交省のTEC―FORCEや、あるいは全国から集まってくださったボランティアの皆さんが集結して、そこを拠点として動いていたのを鮮明に覚えていますし、被災地に入るときに、水が出ませんので、ペットボトルとウェットティッシュを持参して、常備しながら入らなきゃいけないんですけれども、立ち寄ったサービスエリアのトイレが大変なことになっていたのを今でも覚えています。だけれども、その存在がどれだけありがたかったかということなのであります。  それで、質問は、本法案で整備する防災拠点自動車駐車場、これはどのくらい整備して、どのような機能を期待しているのか。この防災拠点自動車駐車場の指定に当たっては、地域住民あるいは高速道路の利用者にとっても、今お話ししましたけれども、大事な拠点となる可能性があります。利用制限が混乱を与えないためにどのようにしようとしているのか、伺います。
  121. 吉岡幹夫

    吉岡政府参考人 お答え申し上げます。  道の駅やSA、PAについては、東日本大震災を始め大規模災害時の復旧復興活動の拠点や避難場所としての機能を果たしており、災害が頻発化、激甚化する中で、その更なる機能強化が求められております。  そのため、今般、災害時に、広域的な災害応急対策の拠点として、道路の啓開、救命救急活動、災害復旧等のために活用されることが期待される道の駅や高速道路のサービスエリア、パーキングエリア等の駐車場を防災拠点自動車駐車場として指定することを考えています。  具体的には、国が整備した道の駅のうち、地域防災計画位置づけられた道の駅やサービスエリア、パーキングエリアを中心全国で二百か所程度指定を予定してございます。  なお、防災拠点自動車駐車場に指定される場合は、災害応急対策以外の利用の制限を行うことが可能となりますが、委員指摘のとおり、地域住民の方や高速道路利用者の避難場所などとして利用が期待される道の駅やサービスエリア、パーキングエリアも存在しているというところでございます。  こうした利用に支障を来すことのないよう、指定に当たりましては、地域防災計画への位置づけなどについて市町村に十分な確認を行うとともに、指定後における駐車場の制限区域の設定に当たっては、一般利用者用の駐車スペースを一定程度一定数確保するなどの適切な対応を行ってまいりたいというふうに考えてございます。
  122. 高橋千鶴子

    ○高橋(千)委員 地域防災計画位置づけて地域の住民にちゃんと使用できるように確保するというお話であったんですけれども、問題は、そこが見た目で分からないと困るという、行ってから混乱する、行ってみたら大型車がどさっと集まっていてどうしようということになってもいけないし、利用制限ができると書いているわけですから、そこを大変心配しています。その点を、はっきりくっきり、混乱しないようにお願いしたいと思うので、次の質問に併せて、もし追加のお答えがあればお願いしたいと思います。  資料の4に、今の「「防災道の駅」のイメージ」というのをつけてあるんですが、今聞いたのは一つ目のところで、今度は二つ目の、緑のところなんですけれども、地域の防災拠点機能を持つ道の駅が約五百か所とあります。  このうち、最後の資料を見ていただきたいんですが、一つ飛ばして最後の資料です。二月十三日の福島県沖地震で震度六強の揺れに襲われた福島県国見町では、道の駅国見あつかしの郷、あつかしというのは地元の山の名前だそうですけれども、も被災した道の駅なんですが、冷蔵庫や商品棚が倒れ、天井など建物も損傷しました。ここ、たまたまこのホームページに写っていないんですが、天井ががばっと下りてきているわけですね。それで、真ん中辺りに書いてあるように、この道の駅は災害時に避難者の受入れや炊き出しなどを想定していた、非常に悔しいという支配人の言葉を紹介しております。  ですから、地域でこうした、避難所にもなり得る、炊き出しなどもできる、そういう形で道の駅を指定するのはとても大事なことだと思うんですね。それであるならば、そのための安全対策、そして、例えば耐震改修なども必要になってくる場合もあると思いますが、そうしたものに対しての国としての補助支援策をどういうふうに考えているのか、伺います。
  123. 吉岡幹夫

    吉岡政府参考人 先ほどの話でございますけれども、制限をかける場合でございますけれども、やはりこれはちゃんと周知するということが最も大事ですので、どういう範囲を公示するのかというものをちゃんと外に出す、公示する予定でございますし、利用者の方、地域の方にしっかりと御説明するということですし、あと、ホームページとか道路情報板とか、突然現地に来られる方もおられますので、そういうものも使ってお知らせするというようなこともしっかりやっていきたいというふうに考えてございます。
  124. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 今お示ししていただきましたように、近年、道の駅が、災害時の復旧復興の活動の拠点ですとか避難場所の機能を果たしているところがたくさん、多いこと、大変ありがたく思っております。  現在、地域防災計画位置づけられて防災拠点機能として期待されている道の駅、全国で、先ほどありましたが、約五百駅存在しております。こうした道の駅につきましては、建物の耐震化を始め、一定期間の避難生活を想定した、自立した電源ですとか水、通信施設などを確保することが重要と考えております。  国交省としては、これまで、地域防災計画位置づけられた道の駅を対象に、社会資本整備総合交付金等を活用して、トイレ、休憩施設の耐震化、また無停電化対策、貯水タンクなどの整備支援させていただいております。  また、こうした機能強化に関わる支援施策集も作成しておりまして、関係省庁と連携しながら、しっかりと、多くの道の駅でもこうした応援ができる体制も構築をしておるところでございます。また、駅舎の耐震化、防災備蓄倉庫の整備などにつきましては、総務省を始め関係省庁によりまして、財政的な支援が行われているところでございます。  やはり道の駅というのは、今いろいろな地方で大変評価もされ、信頼もされ、活用もされておりますので、いざというときにもしっかりと地域の御期待に応えられる施設として充実できるように、国交省としてもできる限りの応援をしていきたい。また、当然のことながら、関係省庁とも連携を図りながら、しっかりと支援してまいりたいと思います。
  125. 高橋千鶴子

    ○高橋(千)委員 ちょっとここは要望にしたいかなと思います。  今大臣、いろいろな支援施策集を出してくださっているということで、大いにいいかなと思うんですが、実際には、地震や台風やいろいろな形でステーションとなるべき道の駅が被災をした経験も、今紹介した国見に限らずあるわけで、そこをきちっと備えていくためには、やはりかなりの支援が必要であろうということで、重ねてお願いをしたいというのと、前回の委員会で、私、大雪問題を質問をしましたけれども、やはりさっきの局長の答弁の、周知をやっていくというお話で、やはり大雪のときにそれだけではなかなか難しいかな、そもそもサービスエリアに寄ることさえも厳しいような状態になっていくであろうと。そのときに一定の利用制限というふうなことも難しいだろうし、エリアの周知の仕方、区分けの仕方、あるいは活用の仕方も、もう少しその手前のところで何かできないかとか、知恵を出す必要があるのかなと思って、ずっと気になっていましたものですから、また引き続き御相談をしたい、このように思います。  今日はこれで終わります。ありがとうございました。
  126. あかま二郎

    ○あかま委員長 次に、古川元久君。
  127. 古川元久

    ○古川(元)委員 国民民主党の古川元久です。  時間が限られておりますので、早速質問に入りたいと思います。  開かずの踏切とか、また事故の多い踏切とか、そういう踏切道改良、これまで順次進められてきたのだとは思いますけれども、私の実感としてみると、なかなかやはり遅々として進んでいないんじゃないか、そういう感覚なんですね。  私の地元の名古屋市の守山区にも名鉄瀬戸線というのがありまして、ここもよく朝とか夕方とか踏切のところで結構渋滞があって、なかなか、はまると、そこを越えるのに時間がかかるというところがあるんですけれども、相当前から高架化の話が、もう数十年ぐらい前からあっていたんですけれども、なかなか実際には着手されない。  今、その一部区間、ようやく二、三年前から高架化の工事が始まっているんですけれども、とにかく、何でこんなに時間がかかるんだろうというのが私を始め地元の皆さんの実感でありますし、やはりそういう状況に非常にストレスも高いんですね、住民の皆さん方。  だから、この踏切改良というのは、やはり地元住民の皆さん方にとって、どうして必要性認識されているのに進まないんだろうか。誰が悪いのかとよく私にも聞かれるんです、これはどこが悪いんだと。行政が悪いのか、あるいは事業者が問題なのかとよく地元でも問われるんですけれども、そういった意味で、今回の改正、これが、必要な踏切道改良、それが急速に進む、そういう一端になることを心から切に望む者として質問したいと思います。  さて、この法律、累次にわたって改正をされてきているわけなんですけれども、この改正によって踏切道改良のスピードというのは上がってきたのかどうか、ちょっと数字で確認したいと思うんですけれども、直近のこの三十年間、大体平成の間ですが、一九九一年から二〇二〇年までの改良が行われた踏切道について、十年ごとでどれぐらいできたのかなと。九一年から二〇〇〇年、二〇〇一年から二〇一〇年、一一年から二〇年、十年ごとでどれくらい具体的にそれぞれ改良できたのか、スピードが上がってきているかどうか、事実関係を教えていただけますか。
  128. 吉岡幹夫

    吉岡政府参考人 お答え申し上げます。  この三十年間に改良が行われた踏切道についてでございますけれども、一九九一年度から二〇〇〇年度までに千二百十七か所、二〇〇一年度から二〇一〇年度までに千百七十七か所、二〇一一年度から二〇二〇年度までで八百六十か所であり、合計三千二百五十四か所になってございます。
  129. 古川元久

    ○古川(元)委員 ちょっとびっくりしましたが、数が減ってきちゃっているんですね、これは。むしろ、もっと加速しているのかと思ったんですけれども、数が減ってきているということですね。  これはどうしてこんなに数が減ってきちゃったのか、そういう原因とか何かは分析されていらっしゃるんですか。
  130. 吉岡幹夫

    吉岡政府参考人 お答え申し上げます。  法指定の五年ごとに対策が完了した踏切数を確認したところ、五年間で約五百から七百か所の対策が完了しているわけでございますけれども、平成二十三年から二十七年までの五年間については対策完了数が二百か所を下回り、極端に少ない結果となっております。  これは、道路管理者鉄道事業者改良方法を合意しないと国土交通大臣が法指定できない制度であったこと、また、対策を順次進めてきた結果、両者のみでは改良方法の合意が難しい箇所が多く残って、指定数の減少により、対策完了箇所が少なくなったものと推察されます。  そのため、平成二十八年、前回の改正におきまして、国土交通大臣改良方法を特定せずに指定し、道路管理者鉄道事業者が協議して改良方法を決定する仕組みに改めたところ、平成二十八年から令和年度では千百八十か所を指定しまして、約七百か所の対策が完了したということでございます。
  131. 古川元久

    ○古川(元)委員 いろいろ、そういう改良が進まない理由があったんだと思いますが、じゃ、これから改良をしていくについて、今現在、改良が必要というふうに把握している踏切道の数は幾つあるんですか。
  132. 吉岡幹夫

    吉岡政府参考人 お答え申し上げます。  依然として、開かずの踏切など抜本的な対策が必要なもの、いわゆるカルテ踏切は、約八百か所がまだ未指定で残っているという状況でございます。  さらに、高齢者の通行円滑化のためのバリアフリー化が必要な箇所など、地域において課題認識の大きい、改良のニーズの高い踏切道はまだ多く、遮断機のない踏切も、依然として、これは道路法の道路だけでも約千八百か所が残っているという状況でございます。  そのため、今後も強力にその改良に取り組む必要があるというふうに考えてございます。
  133. 古川元久

    ○古川(元)委員 実際にはもっとあるような気がするんですけれどもね。  では、今回の改正によりまして、さっき進んでこなかった原因を少し挙げられましたけれども、その原因がどこにあって、それが今回の改正でどのように解消されることになったのか、そのところを説明していただけますか。
  134. 吉岡幹夫

    吉岡政府参考人 お答え申し上げます。  まず、原因から御説明をいたしたいと思います。  踏切法施行後六十年間で踏切数は半減するなど、これまで踏切対策一定の成果を上げていると考えてございます。  また、二十八年度から令和年度までの五年間で、従来の指定数を大幅に上回る千百八十か所を指定し、このうち約六割で対策が完了、約二割で事業中であるなど、対策は大きく進捗していると認識しておりますが、一方で、踏切課題を抜本的に解消する方法立体交差等の除却でございますけれども、合意形成等の地元調整に時間を要すること、事業化には多額の費用や時間が必要となること、周辺の地形や市街地状況等からそもそも大規模な工事が困難な箇所も多いといった現状課題として挙げられます。  また、事業化しても、鉄道道路の工事は交通に影響があるため、施工が終電から始発までの短時間に限られるなどの特異性もあり、完成までに時間を要する面もございます。こうした事業の特性を踏まえながら、踏切対策を続けていかなければいけないというふうに考えているところでございます。  解消方法はということで、もう一つ質問がございました。  今般の法改正において、地元の合意形成が難しいという部分でございますけれども、その合意形成を図る観点から、地域の関係者で構成される協議会を指定に先立ちまして設置可能といたしまして、指定前から事業化に向けた機運の醸成などの取組を行うというふうにします。  また、財政面の支援といたしましては、踏切道改良のための新たな補助制度の創設など、道路管理者鉄道事業者への支援を充実するということを考えてございます。  また、地形等の状況によりまして踏切道自体の改良が困難な場合の対策として、近接する立体交差交通転換を促す迂回路整備など、面的、総合的な改良方法を新たに追加するなどの対策を行うこととしています。  これらによりまして、開かずの踏切など抜本的な対策が必要となる踏切道を含めて、課題となっている踏切道対策がより着実に進むものと考えてございます。
  135. 古川元久

    ○古川(元)委員 いろいろ原因を挙げられて、解決策を取ったんだというふうに言われていますが、私の感覚だと、やはりこれは費用負担の問題が最大の障壁になっているんじゃないかなという気がするんですね。  地方自治体と、特にやはり鉄道事業者、この負担、確かに貸出しはしてくれますけれども、貸付けがあっても、結局は返さなきゃいけないわけです、負担がある。だから、ここの事業者がうんと言わない限りは前に進まないというところがあって、ここをどうやってやはりクリアしていくかということを考えないと、特に今、コロナ禍で、費用負担の一部、かなりを負担する地方自治体の財政状況は一気に悪化しておりますし、鉄道事業者は、このコロナ禍で乗客も減って、非常に経営状況も厳しくなっているわけであります。  こうした状況の中で、新たにこの踏切改良のために事業費を負担してくれ、お金は貸しますよという制度があるからといって、鉄道事業者として、はい、分かりましたと言えるのか。ですから、なかなか、今後ますますこれは、話がまとまらないと、今日の話を聞いても、着手もできないわけですから、しかも、着手してからも時間がかかるわけですから、まず話をまとめるためにも、やはり費用負担の在り方、これを見直す必要があるんじゃないか。  国の負担割合、これを増やして、自治体とか事業者、本当に必要なところは事業者負担がなくてもそれはやるというくらいの、やはりこの費用負担の見直しが必要じゃないかと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
  136. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 踏切による事故を撲滅する、そういう強い決意で総合的な対策を取り組むということは当然大前提で大事ですし、そのための法改正だとも承知をしておりますが、古川委員よく御存じのように、この費用負担の国と地方のスキームを変えるのは、相当、財政当局が難しいと言うのは、古川委員が一番よく知っていただいていると思います。  ただ、当然のことながら、コロナ禍で経営状況が厳しくなっておりますので、先ほども別の委員にも御答弁させていただきましたが、特に地方の鉄道事業者は経営が本当に厳しいわけですので、今回も公共交通機関に対する路線の維持ということで、直接支援ができるような補正予算、また当初予算、五百億を超えるような予算措置もしておりますし、そうしたことは、公共交通機関として支えるということをしっかりやっていく。その中で、交通事業者の全てにおいて、踏切事故はなくさなければいけないというのは認識にはあるはずでございますので、そうしたことが醸成できるように様々な工夫をしていかなければいけない、こう思っております。  あと、踏切道改良を行う鉄道事業者に対しては、保安設備整備において法律による補助制度もございますし、鉄道事業者から要望のあった額を令和年度予算案に計上するなど、支援を行っているところでございますが、なかなか予算も限られている中で、しかし、やはり政策をしっかりと進めていくために、最大限の汗をかかなければいけない、こう思っております。
  137. 古川元久

    ○古川(元)委員 一般的に全部、その費用負担を全部変えろと私は申し上げるつもりはありませんが、しかし、非常に早期の改良が必要な踏切、特に危ないとか、本当に開かずのみたいになって、よくテレビなんかでも放映されるような、やはりそういうところは、話がまとまらない、事業者が負担してくれると言わなければ進まないじゃなくて、やはりそういうところは、むしろ公共の目的のところから国が積極的に出ていってやるということが必要じゃないか、そういうことを是非検討していただきたいということをお願いしたいと思います。  最後に、今回の改正で、今までは五年ごとということでしたけれども、期限の定めがなくなります。そうなると、何か期限をちゃんと決めていないと、だらだらだらだらとかえって長引いてしまう、そういう懸念もあるわけなんですけれども、そういう事態を招かないためには、これはやはり、この法改正は私はいいと思いますけれども、同時に、アクションプログラムとか具体的な数値とか目標を据えて、そこまでやりますとか、そういう、何らかちゃんと、先送りされないような具体的な方策を政府として取る必要があると思いますが、その点はどのように考えていらっしゃいますか。
  138. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 これまでの五年という期間設定が様々な弊害があったということで、今回そこをいじらせていただきますが、同時に、今、古川委員の言われたようなことにならないためにも、踏切事故件数の削減目標を定める交通安全基本計画の国の五か年計画と連動する、そこに、改良優先的に実施する必要性等を勘案しつつ指定することを法律に明記をさせていただいて、計画の達成に向けた適確指定をしてまいりたい、こう考えております。  また、先ほど局長からの答弁にもありましたが、個々の踏切道改良が着実に進捗するように、指定の際には、個別の踏切道状況を踏まえて、計画作成すべき期日を適切に設定すること、カルテをしっかり作ることとか、あと、道路管理者鉄道事業者による改良後の評価を義務づけて、必要に応じて国交大臣から追加的対策を勧告できるようにすること、また、指定前からの協議会設置など機運を醸成する等々の措置を講じながら、この法改正によりまして逆の効果が出ないように、しっかりと前に進めていけるように努力していきたいと思います。
  139. 古川元久

    ○古川(元)委員 一日も早くこういう改良が進むことを期待して、質問を終わります。  どうもありがとうございました。
  140. あかま二郎

    ○あかま委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。     ―――――――――――――
  141. あかま二郎

    ○あかま委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申出がありませんので、直ちに採決に入ります。  内閣提出踏切道改良促進法等の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  142. あかま二郎

    ○あかま委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。  お諮りいたします。  ただいま議決いたしました法律案に関する委員報告書作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  143. あかま二郎

    ○あかま委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――     〔報告書は附録に掲載〕     ―――――――――――――
  144. あかま二郎

    ○あかま委員長 次回は、来る二十四日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後一時四十一分散会