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2021-03-17 第204回国会 衆議院 国土交通委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    令和三年三月十七日(水曜日)     午前九時開議  出席委員    委員長 あかま二郎君    理事 古賀  篤君 理事 谷  公一君    理事 土井  亨君 理事 平口  洋君    理事 簗  和生君 理事 城井  崇君    理事 小宮山泰子君 理事 岡本 三成君       秋本 真利君    井上 貴博君       泉田 裕彦君    岩田 和親君       小里 泰弘君    加藤 鮎子君       門  博文君    金子 恭之君       菅家 一郎君    工藤 彰三君       小林 茂樹君    鈴木 貴子君       田中 英之君    田中 良生君       高木  啓君    中谷 真一君       中村 裕之君    鳩山 二郎君       深澤 陽一君    堀井  学君       三ッ矢憲生君    山本  拓君       荒井  聰君    伊藤 俊輔君       岡本 充功君    辻元 清美君       広田  一君    松田  功君       道下 大樹君    屋良 朝博君       山本和嘉子君    北側 一雄君       吉田 宣弘君    高橋千鶴子君       井上 英孝君    古川 元久君     …………………………………    国土交通大臣       赤羽 一嘉君    農林水産大臣      宮内 秀樹君    国土交通大臣      大西 英男君    内閣大臣政務官     和田 義明君    国土交通大臣政務官    小林 茂樹君    国土交通大臣政務官    鳩山 二郎君    政府参考人    (厚生労働省大臣官房審議官)           宮崎 敦文君    政府参考人    (厚生労働省大臣官房審議官)           度山  徹君    政府参考人    (農林水産省農村振興局整備部長)         安部 伸治君    政府参考人    (水産庁資源管理部長)  藤田 仁司君    政府参考人    (経済産業省大臣官房審議官)           福永 哲郎君    政府参考人    (国土交通省大臣官房公共交通物流政策審議官)  久保田雅晴君    政府参考人    (国土交通省総合政策局長)            石田  優君    政府参考人    (国土交通省都市局長)  榊  真一君    政府参考人    (国土交通省水管理国土保全局長)        井上 智夫君    政府参考人    (国土交通省道路局長)  吉岡 幹夫君    政府参考人    (国土交通省住宅局長)  和田 信貴君    政府参考人    (国土交通省鉄道局長)  上原  淳君    政府参考人    (国土交通省航空局長)  和田 浩一君    政府参考人    (観光庁長官)      蒲生 篤実君    政府参考人    (海上保安庁長官)    奥島 高弘君    政府参考人    (防衛省地方協力局次長) 青木 健至君    国土交通委員会専門員   武藤 裕良君     ――――――――――――― 委員の異動 三月十七日  辞任         補欠選任   松田  功君     屋良 朝博君 同日  辞任         補欠選任   屋良 朝博君     松田  功君     ――――――――――――― 三月十六日  踏切道改良促進法等の一部を改正する法律案内閣提出第一三号) 同月十五日  新型コロナ危機打開のため観光業などへの直接支援実施に関する請願(田村貴昭紹介)(第二六六号)  同(高橋千鶴子紹介)(第二六七号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  政府参考人出頭要求に関する件  踏切道改良促進法等の一部を改正する法律案内閣提出第一三号)  国土交通行政基本施策に関する件      ――――◇―――――
  2. あかま二郎

  3. あかま二郎

    ○あかま委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――
  4. あかま二郎

    ○あかま委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。城井崇君。
  5. 城井崇

    城井委員 立憲民主党城井崇です。  本日も質疑機会をいただき、ありがとうございます。今回も赤羽国土交通大臣との議論ということで、大臣、よろしくお願いをいたします。  さて、今日は、タクシー特措法に関する国会報告から入りたいと思います。  先日、三月十二日の本委員会理事会にて国土交通省から御報告がありました、タクシー適正化活性化に関する特措法施行状況及び効果に関する国会報告についてお伺いをいたします。  「タクシー特措法運用により、需要が減少する中でも、運転者労働環境一定程度改善する効果。」との効果報告がありました。特措法施行後、全国日車営収指定地域での時間当たり賃金で増額をした状況を踏まえ、一定の前進と評価をいたしたいと思います。  しかし、一方で、他業種と比較した場合に、日車営収や時間当たり賃金を比べましたときに、必ずしも高い状況にはありません。  例えば、今日お手元資料を一枚お配りをいたしております。御参照いただければと思いますが、令和元年タクシー運転者賃金労働時間の現況、これは全国ハイヤータクシー連合会皆様作成のものでございますが、こちらを見ますと、タクシー運転者男性と全産業男性労働者労働時間、賃金比較令和元年のものでございますが、これにおきまして、賃金年間推計額比較すると、タクシー運転者男性は全産業男性労働者の六四・二%にすぎず、前年より一・八ポイント縮まってはいるものの、依然大きな賃金差があります。実額の差でも二百万五千九百円で、前年の二百十万一千三百円よりは九万五千四百円縮まっているものの、大きな実額の差であります。  実際に、タクシー現場皆様もお声を聞くことが多いと思いますが、年金を受給しながら働く方も多い、タクシー収入だけで暮らしていくことが厳しいという声は絶えません。  報告でも課題として指摘をされているように、新型コロナウイルス感染拡大の影響による需要減もあります。タクシーの業態の特質もあるとは思いますが、待遇改善も含め、タクシー特措法運用に当たり、国からも一層の取組が必要だと考えますが、大臣はいかにお考えでしょうか。
  6. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 タクシー特措法に基づく様々な効果として、タクシー運転手皆さん労働環境改善が図られているのは今御指摘のとおりでございますが、まだ道半ばだというふうに思っております。引き続き、タクシー特措法を適切に運用しながら、タクシー需給バランス、供給の過剰という状況改善するというのは大事なので、引き続き適切に運用していきたい。  もう一つ需要を喚起するという点も必要でございまして、配車アプリを通じた新たなサービスの導入、普及、これは始まっておりますが、しっかり支援をする。  また、今回のコロナ対策では、感染防止対策、具体的な予算もつけさせていただいております。昨日も国交省の中で、空調、今回の令和二年度三次補正予算で計上してあります、コロナ対策としての空調設備も実地に拝見させていただいたところでございますので、こうしたことをしっかり取り組んでいく。  また、コロナウイルス対策で急激な需要低下に伴う休車特例措置、これも期限も延長しているところでございます。  また他方タクシー会社が押しなべて同じような状況かというと、私も随分業界といろいろ交流がありますが、意識のある会社と言っていいかどうかは分かりませんが、そこはやはり、従業員皆さんタクシードライバー皆さんの給与をしっかり確保する、そうしなければ人材を集めることができない、そういう信念で経営されている方もいらっしゃいまして、私は、そうした姿が本来あるべきであろうと思うし、多くの経営者皆さんがそうした思いで経営ができるようなサポートをするというのが国交省の役目だというふうに思っております。
  7. 城井崇

    城井委員 大臣おっしゃるように、各タクシー会社での努力もお願いしていかなきゃいけないというふうに私自身も思います。ただ、今回のこの施行状況効果報告をいただきながら、先ほど資料でお示しした表なども参照いたしますと、タクシー運転者の方の月間の労働時間が全産業男性労働者に比べるとかなり多い状況が各都道府県でも見て取れるところがあります。  その意味では、頑張れている会社に引き続き頑張っていただくということも大事だと思いますが、国がしっかり目を凝らしながら、支えていくべき、あるいは、正していくべき部分があるならばということについても、引き続き、きちんと目を光らせるということを、この法律運用を通じて行っていただきたいということを改めてお願いしたいというふうに思います。  続きまして、内航及び外航における船員確保育成についてお伺いをいたします。  まず、船員確保育成体制強化における予算について伺います。  令和三年度予算案では一億一千五百万円となっていました。補正予算で四千万円の底上げが図られていますけれども、補正予算は本来イレギュラーなものであります。この予算傾向を見てみますと、逓減傾向がようやく下げ止まったという数字になっております。船員確保育成政策に逆行しているのではないかという現場の声もあります。今後の船員確保育成体制強化における予算の方針について、大臣見解をお聞かせください。
  8. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 令和三年度の予算案で、前年と比べますと、前年までは入っておりませんでした船員の働き方改革の推進という項目がございまして、これは四千万入っておりますので、これを合計しますと、船員皆さん確保育成に関する予算という意味で、当初予算比ですと、令和二年度は一億二千九百万、今年は一億五千五百万ということでございますので、そういった意味では、この予算が削られているというのは正確ではないのではないかというふうに思っております。  いずれにいたしましても、船員確保育成について、業界の実情を踏まえながら、必要な予算確保に努め、そして、しっかりと育成が図られるように取り組む、これが大事だというふうに思っております。
  9. 城井崇

    城井委員 今の大臣のおっしゃった、確保育成予算のところと働き方改革のところを足し算するとというのが国土交通省の現在の見解かというふうに私自身も受け止めております。ただ、そこだけ見たときに、本当に船員の数を増やしていこうという大目標がある中での支援の適切な形かというところを少し掘り下げた議論をさせていただきたいというふうに思いますが、次に、船員育成の中心を担う海技教育機構運営費交付金について伺いたいと思います。この話をすると少し実態が見えてくるというふうに思うので、取り上げたいと思います。  お手元資料もお配りしておりますので、委員皆様も御覧いただければと思います。  この二十年間で運営費交付金相当に落ち込んでいます。令和三年度予算案では六十九億八千万円となっています。補正予算で約三億円の底上げを図っていますが、運営費交付金そのもの逓減傾向には歯止めがかかっていないというふうに受け止めています。ちなみに、二〇〇一年度は約百五億円という形でした。  この二十年間で国土交通省運営費交付金を減らし続けた理由、そして今後の取組について、大臣からお答えいただきたいと思います。
  10. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 この間、皆様方も賛成されていたと思いますが、独立行政法人整理合理化ということがあって、その計画に従って、組織がこれまで三つ、例えば三法人あったものが一つになったわけでありますが、三法人それぞれの管理費が、これは統合することによって削減されたりですとか、人件費削減も行われた。そうした効率化によって、全体の予算が、三法人の合計が百五・一億円だったのが、今回、形では七十二・八億円となっておるわけでございますが、ここは、三割減少している中の、効率化による削減というところが、私はかなりの部分があるのではないかというふうに思っております。  他方で、減ったままかというとそうではなくて、これは平成十九年八月の閣議決定において受益者負担を求められて以降、この機構としても、自己収入についてそれは拡大を続けておりまして、ここ五年ほどは、そういう意味では総額八十億円程度予算で安定をしているというふうに承知をしております。  今後も引き続き、独立行政法人に求められる業務の改革を進めながら、自己収入の一層の増加を図って安定した船員教育実施してまいりたい、こう考えておるところでございます。
  11. 城井崇

    城井委員 大臣おっしゃったように、独立行政法人としてのということですが、一定合理化あるいは自己収入を増やす自主努力を求めるという意味は、私自身も理解をしているつもりです。  ただ、この海技教育機構教育機関です。教育を施していくときに、人が真ん中で、そこに教育費用をかけていかなきゃいけないときに、そうして減らし続けてきた結果、今も海技教育機構が、ある意味で絞れる雑巾なのか絞れない雑巾なのかということはきちんと見なきゃいけないんじゃないか。予算をかけて教育内容を充実したり、あるいは練習船整備をしたりといったことを更に行うべきところを、国からの交付金を絞り込んだり自主努力ということだけで、肝腎の教育は本当に届くのだろうか、おぼつかない状況にならないかということを大変心配しています。  そうしたことも頭に置きながら二つほどお伺いしたいと思いますが、まず、海上技術学校海上技術短期大学校養成定員の件についてお伺いしたいと思います。  これらの学校養成定員は、二〇二一年四月から四百人ということになります。小樽海上技術学校から同短期大学校としての存続、そして定員も十名増やすという形になったことにつきましては、国の努力協力にお礼を申し上げたいというふうに思います。一方で、平成二十九年発表の内航未来創造プランで示された、この海上技術学校海上技術短期大学校入学定員数値目標は五百人でした。この五百人には達していないという状況がございまして、船員不足解消に本当の意味で至ったかというと、そこはまだ道半ばだというふうに受け止めています。  ここ三年は、内航船員新規就業者数、お手元にも資料を配っておりますが、九百人台まで押し上げてきているということで、官民挙げての努力一定実ってきている形に見えるんですが、その中身を見ますと、海上技術学校等は、この人数は横ばいです。押し上げているのは、水産海洋高校商船系の高専、そしていわゆる民間新六級によるところが大きい状況が、このグラフからも見て取れます。  大臣数値目標五百人確保にどのような道筋をつけるのか。先ほどのいわゆる整理合理化ですとか自主努力というところだけではなかなか届かないのではないかというふうに思うのでこの質問をするんですが、大臣、いかがいたしますか。
  12. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 海事局から私が報告を受けている範囲での答えになりますが、海技教育機構の四級海技士養成定員につきましては、今お話がございました内航未来創造プランで五百名の数値目標を示しておりますが、これは段階的な拡大を目指している途上だというふうに承知をしております。ですから、今五百人に届かないからということは、それはそういう前提でやっているというふうに局長からは報告を受けております。  また、委員指摘のとおり、本年四月からは小樽海上技術学校短期大学校化することによりまして定員を十名増やして、機構全体の養成定員を四百名としたところです。  また、海技教育機構につきましては、教育内容を高度化して、条約改正技術革新対応した知識、技能を習得させて、教育の量だけではなく質を重視して、大手や中堅船社基幹職員を養成することを目指しております。  私が海事局長から報告を受けているのは、今の一番のニーズ業界ニーズはこうした基幹職員を養成することだというふうに報告を受けておりますので、いずれにしても、養成定員につきましては、業界ニーズを綿密に把握しながら、また需給状況を見ながら適切に判断して、見直しを図ってまいりたい、こう考えております。
  13. 城井崇

    城井委員 海事局からの報告によるとという前置きがございましたけれども、大臣船員不足がどのような状況にあるかというのは、若い世代が選んでもらう職種になっているかという入り口の部分議論と、後ほどお伺いいたしますが、六十歳以上の方が、ある意味で勤め続けていただくことで何とかしのいできた現状もあってというところと、両方見ながらやらなきゃいけない。そのときに、現場ニーズ、質の確保、重要なんですけれども、でも、頭数の部分がずっと問題として言われてきているところについても、国としての取組できちんと手を届かせなきゃいけないんじゃないかというふうに思っています。  特に、五百人目標に本当にたどり着こうと思いますと、教育内容練習船の建造、改善など、それなりの準備が必要だというふうに私自身国土交通省から伺いました。だとするならば、海技教育機構に任せるだけということではなくて、では国がどう後押しするかという、もう一押しが必要なのではないかというふうに思うわけであります。  もう一点、人材確保について伺いますが、奨学金についてお伺いいたしたいと思います。  海上技術学校中学校卒業者対象だと聞きました。高校実質無償化が実現されている現在、海上技術学校学生授業料負担を求め、受益者負担の原則を押しつけるんでしょうか。国公私立高校同様に授業料相当を国が負担するのが公平な仕組みの在り方ではないかというふうに考えます。  また、海技学校では給付型奨学金事業が行われておりませんが、文部科学省所管の大学、専門学校対象高等教育修学支援と少なくとも同様の仕組みを適用すべきではないかというふうに考えます。この文科省所管高等教育修学支援には、この海技学校対象には残念ながら入っておりませんので、別の対応が必要だという意味合いでございます。  以上のように、船員が選ばれる職種になるように、十五歳あるいは十八歳、船員を目指すスタート時点での学生支援を公平にすべきだというふうに考えます。この海上技術学校授業料の扱い、そして海上技術短期大学校及び海技学校貸与型、給付型奨学金の拡充について、大臣見直し検討を行っていただけませんか。
  14. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 海上技術学校授業料につきましては、公立高校と同水準授業料となっているというふうに承知をしています。また、無償化につきましても、これも公立高校と同様の条件実施をされております。  海上技術短期大学校につきましては、海技教育財団等貸与型、給付型の奨学金事業実施していただいておりまして、またさらには、海技教育機構独自で授業料減免制度を設けております。  また、海技学校につきましては、これは給付型の奨学金はございませんけれども、海技教育財団等貸与型の奨学金事業実施しておりまして、さらには、海上技術短期大学校と同様に、独自の授業料減免制度を設けているところでございます。  今後とも、こうした支援実施、継続されるように、しっかりと国交省としても努めてまいりたい、こう考えております。
  15. 城井崇

    城井委員 そうした授業料減免、あるいは貸与型、給付型の奨学金が、同じ年代が進路が違ってもきちんとスタートラインで同様な取扱いになるようにきちんと確認いただきたいというのがこの質問趣旨でございますので、この機会に一度、実態人数なども含めてのチェックの検討を是非、大臣、お願いできませんか。
  16. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 済みません、質問意味がちょっと定かでないんですけれども。  今、私が承知しておりますのは、公立高校と同水準授業料であり、無償化についても同様の条件実施をしているというふうに承知をしておりますが。  今の質問、私、ちょっと済みません、明確に聞いておりませんでした。
  17. 城井崇

    城井委員 分かりました。私の質問趣旨は、スタート地点でそろえていただくことを、きちんと引き続き続けていただきたいということでありますので、その点を受け止めていただければと思います。引き続きよろしくお願いします。  続いて、船員不足の件についてお伺いしますが、これまで内航海運での船員不足は、定年延長などで対応を先送りしてきたとの指摘があります。六十歳以上の船員人数はこの十年間でどのように変わってきたと認識をされているか、定年延長に関する認識も含めて、大臣見解をお聞かせください。
  18. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 私も、当初、内航海運というのはやはり高齢化が進んで若手がいないのではないか、こう思っておりましたが、まず、六十歳以上の内航船員人数、この十年間で約一・五倍、増加をしておりますが、これは、一九八〇年代以降に漁船分野等から内航分野に再雇用された大勢の方々が、年代とともに年を重ねて今六十歳以上になっているところが背景だというふうに承知をしております。  また他方若年層はいないのかというと、実はこれは私も驚いたんですが、内航船員のうち若年層、三十歳未満の人数はこの十年間で約一・五倍に増加をしており、全体に占める割合も増加するなど、内航船員は若返りが進んできておる、こういうふうに承知をしております。  船員定年延長につきましては、これは各船社の判断によりますけれども、私が個人的に思うのは、いわゆる定年後、元気な方が働き続けられる社会というのはいいことだと思いますし、船員という意味では、そのスキルというか技術も持たれている方が多いでしょうから、そうした方は引き続き活躍いただいて、若手皆さんにそうした仕事を伝承できるような、そういう環境というのは私は望ましいのではないかというふうに思っております。
  19. 城井崇

    城井委員 続きまして、外航日本人船員確保育成についてお伺いをいたします。二問まとめて伺います。  トン数標準税制導入に当たり設定した確保すべき日本船隻数、そして日本人船員数値目標が何人か、その達成状況についてまずお答えいただきたいと思います。その上で、船舶数増加していますが、外航日本人船員増加していないというのが現場の受け止めなんですけれども、こうした理由も含めて、大臣、お答えいただけますか。
  20. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 今お尋ねの件は、平成十九年の交通政策審議会で御議論をいただいた結果、全て日本籍船で輸送しなければならない状態が一年程度継続をした際、そういった状況になった際に最低限必要な日本籍船隻数としては、約四百五十隻必要だというふうに試算をされております。その場合、外航日本人船員につきまして、船舶職員を全て日本人船員で賄うというふうに計算をした場合は、これは約五千五百名と試算をされているところでございます。  そうした数字から現状どうかという比較をすると、まず日本籍船隻数については、最も減少していた平成十九年の九十二隻から、令和元年には二百七十三隻まで増加をしております。他方外航日本人船員については、平成二十四年以降二千二百人前後で推移して、この状況、減少傾向に歯止めがかかっているとはいえ、目標にはなかなか、上昇機運には見られない、こういうことでございます。  その理由というのを分析をすると、一つは、日本人船員のコストが割高であって、競争力がない。他方、外航海運はリーマン・ショック以降まだ影響が続いておりまして、長期にわたる海運不況が続いていて、なかなか日本人船員を雇いにくい状況が続いてしまっている、こういうふうに言われております。
  21. 城井崇

    城井委員 外航における日本人船員確保は、我が国の経済安全保障に大きく関わる問題だというふうに私自身認識しています。  コロナ禍における水際対策での船員交代におきましても、寄港船での外航日本人船員の交代は一定程度円滑に実施されていて、外国人船員に比べると円滑だという現場報告もあります。自国での船員交代に優位性が期待されることに加えて、日本商船隊の中心的な存在として我が国の経済安全保障を支えるとともに、海事産業を下支えする役割を果たす外航日本人船員、安定的な国際海上輸送の確保に不可欠な存在だと考えます。  先ほど、なかなか数字が届いていない現場の御事情の説明もいただきましたけれども、国自体が定めた外航日本人船員確保数値目標実現に向けて、国はどのように責任を持って対応するかという点、具体的な取組について改めて大臣からお答えいただけますか。
  22. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 国交省としての取組は、一つは、トン数標準税制を通じた事業者による計画的な外航日本人船員確保を進めていくということが一つと、また、官労使一体でキャリア形成のための訓練の実施等を通じながら中小の外航船社への若年層の就業をしっかり支援をしていく。また、三つ目は、これがやはり一番、裾野を広げるということが大事だと思いますが、ウェブサイト、SNS等を活用し海や船に関する情報発信、また、小中学生皆さんに海洋教育の推進などなど、若年層への海への関心の喚起を通じた船員志望者の裾野の拡大取組を行っているところでございます。  さらに、幅広い分野からの人材確保に向けた海技教育機構における船員養成課程の拡充についても今検討を進めているところでございまして、なかなか、環境自体は非常に難しい、容易でない環境でございますけれども、しっかりと海運業界ニーズも聞きながら、外航日本人船員確保を図っていくための不断の取組を行ってまいりたい、こう考えております。
  23. 城井崇

    城井委員 引き続きよろしくお願いしたいと思います。  続きまして、宅地建物取引についてお伺いします。具体的には、宅地建物取引における心理的瑕疵に係るガイドラインの作成についてお伺いをいたします。  心理的瑕疵となり得る取引等について、国民全体の利益の保護及び適正な宅地建物取引を実現するため、宅建業者が重要事項として説明すべき心理的瑕疵の範囲及び期間を明確にするガイドラインを作成してほしいとの現場からの要望が長らくございます。  令和二年二月から、国土交通省として、宅地建物取引業者と消費者団体、弁護士の方々による不動産取引における心理的瑕疵に関する検討会を立ち上げたとのことでした。が、この会議自体は非公開で、ウェブサイトなども調べましたが、詳細が伝わってこない状況です。  社会的関心もインパクトも大きい、この心理的瑕疵に関するガイドラインの作成、明確化に向けての検討状況と今後の改善策を大臣から具体的にお示しいただけますか。お願いします。
  24. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 今お話ありましたように、昨年二月、これまで国会でも心理的瑕疵に関するガイドラインの作成についての御意見をいただいたことから、国交省の不動産・建設経済局におきまして、昨年二月から有識者による不動産取引における心理的瑕疵に関する検討会を立ち上げまして、心理的瑕疵に係る告知対象に関するガイドラインの検討を進めているというふうに報告を受けておるところでございます。  ただ、本検討会、人の死に関わる個別具体的な事例を取り扱うという特殊性もありまして、プライバシー、機微情報への配慮のため、非公開で開催をされているというふうに承知をしておるところでございます。  主な論点は、不動産で発生した殺人、自殺等について、宅地建物取引業者がどこまで告知すべきかですとか、告知に当たってどこまで調査すべきかとか、また、告知、調査に当たりましてはプライバシーの配慮をどのように考えるかといったものが主な論点になっているというふうに承知をしております。  ここがしっかりしないとなかなか、現状、逆に単身高齢者の入居が困難になる、こうしたことも起きているのも事実でございますので、そうしたことが起きないようなガイドラインの策定をお願いしているところでございまして、まだちょっと、先は具体的には、私のところにも結果は出ていませんけれども、この夏を目指して報告をまとめるというふうに承知をしているところでございます。
  25. 城井崇

    城井委員 この夏に向けてということで詳細をお話しいただきまして、ありがとうございました。引き続き、慎重ながらにも、現場ニーズにかなう検討を是非お願いしたいと思います。  次に、空き家所有者に係る税情報の開示についてお伺いをいたします。  平成二十七年五月に全面施行された空家対策特別措置法により、周囲に危険を及ぼしているような特定空家について、固定資産税情報から空き家の所有者を特定できる仕組みが構築されましたが、開示される固定資産税情報はあくまで自治体内での内部利用に限られていることから、急増する空き家の流通を促進等をするために、住宅ストック流通の担い手である宅建業者に対して、空き家所有者に係る固定資産税情報を開示できる仕組みを構築すべきだとの現場からの要望があります。  ただ、この要望は、個人情報の開示になるものですから、民間業者に行うのはなかなか難しいなというのが私自身も考えておるところでありますが、少なくとも行政経由で空き家所有者に連絡が取れる仕組みの構築など、工夫ができないかというふうに考えています。  実際に、私の地元の北九州市内でも、特定空家になりそうだったところに連絡を取るのに、民間の方との連絡を行政も通じてお手伝いいただいて、連絡が取れて対策が取れたというところもあったりいたしましたけれども、こうした空き家所有者の部分での連絡方法などを含めて、大臣、この工夫が何とかできないかと思うわけですが、いかがお考えでしょうか。
  26. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 今御指摘ありました平成二十七年施行の特別措置法によって、そうした、ある意味では規制緩和がなされたわけでございますが、それを受けて国交省において、各市町村の空き家部局は、所有者本人の同意が得られれば、所有者に関する情報を外部の事業者等に提供できるということになっておりますので、平成三十年六月に空き家所有者情報の外部提供に関するガイドラインを策定いたしまして、これを関係のところに周知徹底をしているところでございます。  地域の実情はあるかと思いますが、こうしたことを地方公共団体が活用していただいて、空き家問題が改善されることを強く期待しておるところでございます。
  27. 城井崇

    城井委員 時間が参りましたので、終わります。  ありがとうございました。
  28. あかま二郎

    ○あかま委員長 次に、荒井聰君。
  29. 荒井聰

    ○荒井委員 前回は、JR問題で、時間が三十分と短かったので、少し積み残しがございました。  あの後、私にとっては非常に思い出深い人が説明員として来ていたことがその後分かりました。  一九八〇年代だったと思いますけれども、ちほく銀河線という百キロ以上の長大路線の廃止に伴う議論をしていて、当時の副知事と一緒に、この廃線予定の線に乗ろうといって、北海道庁の若手と一緒に乗りに行きました。その若手の一人が、この間、旧自治省、総務省の説明員として来ていただいた馬場さんであったことがその後分かりまして、奇妙な縁だと。きっと荒井さんならちほく線の話をするだろうと話をしていたよという話がございました。  鉄道というのは、何かしら心を打つ、ほかの施設と違う何かがあるなというふうに私は思っておりました。前回、JR貨物についてもう少し突っ込んだ議論をしたかったんですけれども、その時間がありませんでしたので、今日の一般質疑をかりて少し話をしたいと思います。  と申しますのは、あのとき大臣もおっしゃっておりましたけれども、釧路からほくれん丸が就航していたという話をちらっとお述べになりましたけれども、実は、ほくれん丸の就航は、私がちょうど道庁時代の企画室長というポスト、政策企画の総括をしていたときに、元々、あれはJR貨物が輸送していたものなんですね。ところが、それがどういうことか、深い事情は知りませんけれども、JR貨物から、ホクレンという大きな協同体ですけれども、それが自分自ら船を造って、それで牛乳を輸送するという、大胆な方式に切り替えたんです。それは、自分で造るわけですから相当なコストを覚悟したと思うんですけれども、それだけのことをやる理由があったんだろうと思います。  これは何を物語っているのかというと、もう四十年前ですよ、JR貨物では、高品質の、高価格の、付加価値の高いものを輸送するということに関しては後れを取っていた。結局、ジャガイモだタマネギだというような、そういうものの輸送、つまり、付加価値の余りかからないものに特化せざるを得なかったという、私は、経営上の大きな課題がそのときに解決しないまま残っていたのではないかと。  今でもその傾向は、JR貨物グループの長期ビジョン、見させてもらいました、よく書かれていると思います。しかし、これで本当にJR貨物の近代化あるいは合理化というものができるんでしょうか。私は、JR貨物というのは、JR東やJR東海並みの、日本を代表するような大きな企業になるポテンシャルはあると思います。そのポテンシャルが本当にこれで生かされるのかということを私はまだ疑問に思うところであります。  こういう点を踏まえて、鉄道局長、どうでしょうか。
  30. 上原淳

    上原政府参考人 お答えいたします。  御指摘のとおり、JR貨物におきましては、様々な経営上の強みというものを持っているというふうに認識しております。  例えば、全国ネットワークの貨物鉄道サービスを提供する我が国唯一の鉄道会社であること、全国ネットワークを基盤に、全国各地に利便性の高い物流倉庫などの物流拠点を有していること、また、高い輸送効率と定時性を有し、スピーディーな輸送が確実に行われること、こういった強みを持っている。  さらに、カーボンニュートラルの実現に向けて政府一丸となって取り組んでいく中では、鉄道貨物輸送は、CO2排出量が営業用トラックに比べて十一分の一でありまして、地球環境に優しいことに加えまして、貨物列車一編成で営業用トラック六十五台分の貨物を輸送できる。近年のトラックドライバー不足にも対応し、物流の生産性向上を図る上でも重要な役割を担っているというふうに考えております。  JR貨物の経営は、最近になりまして黒字基調という形になってきております。一方で、様々な国鉄改革の際に取られたJR貨物に対するいわゆる支援措置、こういうものを前提として、やっと今黒字になってきているところでございます。  その意味で、今回の改正におきましても、今後、JR貨物に対して無利子貸付制度を引き続き行うことにしておりますが、私どもとしましては、カーボンニュートラルの実現に向けたそうした取組の中でも、今後、JR貨物の完全民営化を念頭に置いた支援の在り方ということを検討していきたいと考えております。
  31. 荒井聰

    ○荒井委員 私は、JR貨物というのは、日本で唯一の総合貨物輸送というか、それは鉄道をベースにしたですね、そういうものになり得る可能性がある、なぜ船を持たないのか、なぜ航空貨物に関心を示さないのかと。ずっとアボイダブルコスト方式というこの方式、つまり国が支えるというその方式を前提とした経営ということは、本来あり得ないんじゃないか。もっと遡れば、三十年前に遡れば、どうして経営安定基金をこのJR貨物にだけは適用しなかったのかというところまで遡るんですけれども、民営鉄道、私も随分知り合いが民鉄にいますけれども、民鉄はもう航空貨物に調査をかけていますよ。それは付加価値が高いからですよね。  それから、JR貨物は、先ほど定時性の話をしましたけれども、これは北海道開発局の調査ですけれども、必ずしも船よりも速いということはないのではないかという疑問を呈されていますよ。  本当に、JR貨物の特殊性、鉄道の特殊性、それをベースにしながら、社長さんは船会社の社長さんだったわけですから、そういう点も利用しながら、総合的な、そういうものを展開していく今その時期なのではないかなというふうに思うんですよ。  もう一つ。JR北海道問題というのは、議論していくと、JR貨物との関係というのをしっかり解決していかなければJR北海道問題というのは解決できないということが、この数年間の私の勉強といいますか調査で分かりました。  その中で、一番可能性が高いのは、JR北海道の一番採算、ゴールデンラインと言われているのは札幌―千歳間なんですね。ここはインバウンドがこれからも膨らみますから、この札幌―千歳ラインというのがゴールデンラインであることは、これからも高くなると思います。しかし、そのゴールデンラインにJR貨物が、数十本、百本近い本数がここを走っているんですね。  そして、千歳線と並行したように室蘭線が、線路があります。この室蘭線は元々、北空知で産炭、石炭ですね、あるいは北空知の木材を運ぶ貨物用の線路として開発されたものであり、この岩盤も、それから基盤も、貨物用ですからがっちり造られているんです。しかし、今ここはほとんど使われていません。せいぜいタマネギのシーズンにここを使うぐらいなんですね。  だから、千歳線はもう北海道旅客に明け渡して、貨物は、岩見沢から苫小牧なんですけれども、ここへ行く路線を専用で使う。その代わり、明け渡すわけですから、恐らくここで百億ぐらいの増収になると思います、その百億の増収の半分をよこせというぐらいの交渉を貨物がやってもいいんじゃないですかというようなことを私は思うんですけれども、これは大臣、どう思いますか。
  32. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 ちょっと私は、そういった大胆なお話を今初めて聞きましたので、ここで即断するということはありませんけれども、いずれにしても、これは直感的に、JR北海道を立て直そうとしたときに、貨物とのすみ分けをどうするかというのは多分大変大きな話だと思います。  荒井委員は、この委員会でも、食材の輸送というのは海上でというお話があって、ほとんど私も随分洗脳されて、現場を見に行くと、確かに、ホクレンの生乳というのはすごい勢いで出ているんですね。私は元々、北海道の牛乳を自分で、単身赴任生活で東京で買っているんですけれども、それから、よく見ますと、大体工場は首都圏なんだけれども、元々生乳は釧路とか道東周辺から持ってこられている、それも相当な量だということは認識していました。  ただ、ちょっとまだ勉強不足で、そこにほかの食材とかが相積みできるのかどうかとか、船の問題というのは、多分、特殊船だと思いますので、少し、いずれにしても、研究、改善しなければいけないんだろうなと思いますし、あえて加えて言うと、十年のうちには新幹線が札幌まで延伸するわけですから、これは、そのときには必ず青函トンネルも、JR貨物と新幹線をどうするのかという話は避けて通れない議論ですから。  今、荒井委員の提案というのは、今すぐの話の課題、問題点があるんだけれども、この数年間には議論をし、一定の方向性というのはやはり出さなければいけない問題なんだろうなというふうに、ちょっと感想めいて申し訳ありませんけれども、そういうふうに認識をしております。
  33. 荒井聰

    ○荒井委員 大臣、ありがとうございます。  是非検討に着手をしてください。JR貨物、あるいはJR北海道の立て直しという観点だけではなくて、JR貨物が本当に伸びていくのには、今、流通革命とか、そういうものが急速に伸びているんですね。一番付加価値の高いのは、新鮮な水産物なんですよ。トラック輸送が非常に発達したのは、水槽のまま運ぶ輸送形態、輸送革命みたいなものができ上がったからなんですね。それにJR貨物は追いついていけなかった。  その一番最初が、私は牛乳だったと思いますよね。牛乳なんて一番プリミティブなものなんだけれども、一番付加価値の高い水産物、北海道で発生する水産物を輸送できなかったということが、私は、競争として勝てなかった原因なんじゃないか。一番付加価値の低いジャガイモだとかタマネギだとかしか、輸送する、そういうものが残っていなかったというところにJR貨物の大きな課題があるのではないだろうか。新幹線で運ぶ、新幹線だけではなくて、普通の列車ででも貨物が運べるような、そういう規制改革というものを是非やるべきだというふうに思います。  それともう一つ、ほくれん丸の件で、あのとき物すごく苦労したのが内航海運の規制なんですね。内航海運の規制ぐらい、これは恐らく日本で一番強い規制なんじゃないかと思うんですけれども、新規参入が物すごく厳しかった。しかし、あのときにいろいろな人の知恵をかりて、協力も得て、ほくれん丸の一号、今度二号まで、第二号が建設されるみたいですけれども、そういうことも踏まえて、是非、JR貨物が海運に関しても関心を持っていくという改革、それが必要なんじゃないかなというふうに思います。  さて、次にコロナ対策について話をしたいと思います。  コロナ対策は、今、日本の抱える、いや、世界が抱えるかもしれません、最大の安全保障問題であります。コロナにかかわらず、検疫というものの歴史をひもといていきますと、私は歴史が好きなものですから、歴史を調べてみますと、二代目か三代目の衛生局長が後藤新平だったんですね。  当時、後藤新平は、衛生局長のときに、精神薄弱の人を、裁判で証人ができるかどうか、あるいは精神薄弱の人たちの人権というものをどう考えるのかということを一番最初に提起した人だったんですね。そのことが裁判でも問題になって、結局彼は衛生局長を棒に振ります。牢屋に入っちゃうんですけれどもね。それで、役所も辞めてぶらぶらしていたときに児玉源太郎に呼ばれて、日清戦争が終わって二十三万人の将兵が中国大陸から戻ってくる、この二十三万人の将兵の検疫をしなければならない、その責任者になってくれないかということを頼まれるんです。  当時、検疫だとか何だとかといううるさいことをやるのは、陸軍の将兵が戻ってくるわけですから、森鴎外だったんですよね。森鴎外という偉大なるお医者さん兼軍医さんだったんだけれども、児玉源太郎はこの後藤新平に頼むんです。そのとき、後藤新平は、一切全部自分に任せてくれ、一切余計なことは耳に入れないでくれといって、それを引き受け、三か月で二十三万人の検疫をやるんです。  一番最初にやったことは、瀬戸内海の離島と言われている島三つに検疫所を造るんです。大阪だとか神戸だとか東京だとかじゃないんです。検疫をするのは離島じゃないと駄目だ、真っすぐ港に入れちゃ駄目だといって、そこで検疫施設を造ります。そして、その次に、北里柴三郎を呼んで、どうやったら殺菌あるいは消毒というものができるのかということを検討してもらうんです。結局、その当時は、熱消毒、熱湯消毒ということになるんですけれども、それでどのぐらいの効果があるかということを北里柴三郎に調べてもらいます。  当時、北里柴三郎も、東大病院で東大の教授とけんかして追い出されて、多分、福沢諭吉に支援を受けていたんだと思いますけれども、彼も後藤新平と相通ずるところがあったんでしょうか、分かったといって、彼はその消毒の仕方を研究します。結果的には世界水準のボイラーを造るんですけれども、そういうことをやって、二十三万人、三か月で検疫をいたします。  この検疫の状態を見て、当時最も進んでいると言われていたドイツの皇帝が、日本に負けた、検疫の技術については我が国を凌駕したと言ったという話が残っており、また、結果的には、それまで、幕末につくられた不平等条約で外国人の検疫はできなかったんですね。外国人から入ってきていたんです。それを平等条約にする機運が高まり、これならできるだろうということで、不平等条約の改定に進んでいくんです。  検疫だったんですよね。この例に、私は、本当の意味で、今の厚労省なり、あるいは旧内務省と言われている役所がこの事例を本当に学んでいるんだろうかと。政治家も行政官も歴史に学ぶ必要があるし、歴史観を持つ必要があると思うんです。  その意味で、残念ながら、この間のクルーズ船を横浜に着けるなどということを後藤新平が知ったら、烈火のごとく怒ったと思いますね。あるいは、この話は厚労省だけの話だから厚労省がやっていればいいやといって、結果的にはCOCOAがずっと機能していないのも知らない。それは、厚労省、忙し過ぎますよ。そういう状況で放っておかれたというようなことも、日本全体がコロナの対策のために邁進しているのかということを疑わしめることにつながっていったんじゃないでしょうか。  今、日本は、コロナ対策水準からいくと、世界全体で四十番目か五十番目ぐらいだと言われています。そのぐらい、世界的な標準から見れば、技術的にもあるいは政策的にも劣っているというふうに見られているんだろうというふうに思います。  長々と話をして恐縮だったんですけれども、その意味で、私は、国交省も、これは厚生省の仕事だ、これは何とかの仕事だというのではなくて、貢献できることがあれば積極的に貢献していく、積極的に臨んでいくということが今求められているんじゃないだろうか。  その意味では、下水道というのは、世界各国で、下水道を使ったPCR検査をすることによってある程度の感染の状況というのを把握している。一番成功しているのはオーストラリアです。オーストラリアはこの数か月間、感染者ゼロです。そういう状況をつくり出したのが、下水道のPCR検査だと思います。  私は、この間、昨年十二月に、下水道部長にかなり厳しく、荒っぽい言葉で話をしましたけれども、そのことが効いたのか、あるいは、大臣が引き受けていただきましたので大臣からの話があったのか、下水道の検査についてホームページで掲載をされ、また、委員会も行われるようになりました。  それを見ると、東北大学の大村教授というのが既にノロウイルス対策で過去に実績を持っているんですね。これ、使わない手はないですよね。下水道部長、どうですか。
  34. 井上智夫

    井上政府参考人 水管理国土保全局長で、下水道部長でございませんが、よろしくお願いいたします。  先生からお話ありましたいろいろな調査研究、民間会社も含め、いろいろな各研究所、大学の先生がやられております。  先ほど先生からお話がありました、国交省の中でも調査検討委員会というのを立ち上げて、検出手法を使ってどのようにこの下水道のデータを活用できるのかとやっております。非常に私たちも前向きにそういうものを取り入れたいと思っておりますので、どういうふうなやり方でやったらいいかも含めてこの検討会の中で考えております。御紹介のありましたいろいろな研究についても検討させていただきたいと考えております。
  35. 荒井聰

    ○荒井委員 参考資料として、札幌市の話を挙げておきました。塩野義製薬と北大で一緒になって下水道の調査をすると。札幌市長は、集水地域だけではなくて、マンホールごとで感染の拡大、そういうものもできるのではないかということをおっしゃっておりましたので、恐らくそういう方向につながっていくだろうというふうに思います。  このときに問題なのは、せっかくそういう技術があるにもかかわらず、ノロウイルスのときには仙台が中心ですけれども、地方自治体が本当にそれをうまく利用するだろうか、あるいはそれを使った感染拡大のための手法というものはあるのだろうか、地方自治体はどう評価するだろうかということが恐らく大きな課題になるんだろう、問題になるんだろうというふうに思います。  そこで、これは国交省だけでは済まない話であります。衛生部局あるいは地方自治体のそのものに強く働きかけないと駄目だと思うんですけれども、本来そういう役割をするのは、官房の、まあ、名前を言ったらあれですけれども、杉田さんですよね、官房副長官ですよ。各省庁を調整し、あるいは各省庁にこういうことをやったらどうだということを伝えていく、全体をまとめるのは官房副長官の仕事ですよ。今、官房副長官やあるいは危機管理監がどこで何をやっているのか、私には見えません。これを働きかけるのは、私は大臣しかいないと思うんです。  是非、こういう技術を開発するから、これを使って、どこの地域でどういう感染症が蔓延しているのか。ヨーロッパ、フランスでは、英国型や南アフリカ型の新ウイルスの形態を、これがとても効果的だということで機能しているようであります。  こんなことを踏まえて、大臣、いかがでしょうか。
  36. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 下水道における新型コロナウイルスに関する調査というのも、この当委員会で荒井委員から御提案を受けて、しっかりとその対応をしていこうということを指示させていただき、昨年十一月から、感染率の高い九の自治体、十一か所の下水処理場において、流入する下水中のコロナウイルスの濃度分析等々を進めているところでございます。  まだ現時点では下水中のコロナウイルスの濃度が低いということもあります。これは喜ぶべきことなのかもしれませんが、ただ、そこで終わるのではなくて、現状は、市中感染状況と下水中のコロナウイルス濃度の明確な相関が見られておりませんが、引き続き、マンホール等での下水も新たに調査対象として、もう少し深掘りしたことをやっていきたい、こう考えています。もちろんそれは国交省でやりますけれども、関係五閣僚会議という場もありますから、そうした話を共有していけるようにしていきたいと思います。
  37. 荒井聰

    ○荒井委員 二百時間以上残業しているなどというのは私には信じられないんですけれども、そういうことをやらせている管理職が悪いと思いますけれども。二百時間以上やっている人たちにちゃんと残業代を払っているんだろうかという心配もするんですけれども、そういう状況の中では、厚労省だけに今のコロナ対策をやらせているというところにもう無理があったんだろう。  COCOAなんか経産省の方が、マスクを配布するよりもCOCOAのソフトを作る方が経産省にとって絶対得意なはずですよね。そこにやってもらう方がよかったのであって、そういう仕事の配分も含めて、是非その五大臣の中で議論をしていただきたいというふうに思います。  政令指定都市ではどこもコロナの市中感染がもう広がっていますから、どこでどういうふうになっているか。特に病院だとか、あるいは介護施設、そういうところでの感染経路、感染経緯というものは非常に関心を持っているというふうに思います。  もう一つ、次に、国交省と関係があるのは、GoToキャンペーンを使って隔離。感染症対策というのは、検疫というのは、感染症を患っているかどうかという検査、そして隔離、そして消毒という、この三つのプロセスを後藤新平はしっかりやったんですね。ある意味ではシンプルじゃないかと思うんです。  今、日本は隔離がちゃんとできていない。これは、PCR検査もいいかげんにやっていましたから、市中感染がどんどん広がったんですけれども、感染が分かっても、病院が十分対応できませんので、病院のベッドが少ないので、家庭内隔離をしたんですね。しかし、家庭内隔離したら必ず家族にうつります。私の学校でも何人かの生徒が家庭内感染で感染をいたしました。外で感染しているんじゃないんですね。学校で感染しているんじゃないんですね。家庭内感染なんです。  家庭内感染でウイルスに感染している人を病院に入院させることができないのであれば、感染をしていない家族を逆に隔離をする。隔離をすると言うと怒られますけれども、今、ホテルだとか旅館だとかというのが、残念ながら、かんからかんです。そういう人たちを引き受けてやる、その経費をGoToキャンペーンの経費で持っていくということをやってもいいのではないかというふうに思います。これは観光庁に聞くと、いや、その予算の性格は違うから云々かんぬんと言うので、事務的な話とはちょっと違いますので、大臣からお願いします。
  38. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 まず、そもそも、家庭内隔離というのについていろいろ御意見があるかというふうに今拝聴しましたが、これはあくまで保健所の指導どおりやっているということですから、私たちは、そこは正規の対応だというふうに思っております。  それとは別に、これまでもベッド数云々ということの御心配の中で、軽症者を、病院で、すぐ入院という方ではなくて、ホテルで対応をできないかという話が当初からありまして、それについては国交省としても協力をさせていただいて、三月十日現在で、全国で三万二百二十五室を宿泊療養施設の部屋数として確保しているところでございます。  ですから、これはまた、その予算は別にGoToトラベルの予算を使う必要もなくて、政府全体としてはそうした予算はちゃんと出していただいて、我々はその協力をしているということでございますので、それは国交省からというのではないんですが、コロナ室とか政府全体、西村担当大臣、田村厚労大臣の中で、様々な対応の中でそうした指示があれば国交省としても対応していく、こうしたことであると思います。  他方で、あと、GoToトラベルは今やっておりませんけれども、全国で二十以上の県で、県民割引等々でそれなりに観光事業として回しておりますので、全国ががらんとしている状況ではもうないということ、余り言う必要もないかもしれませんが、そうした動きもあるということを御報告しておきたいと思います。
  39. 荒井聰

    ○荒井委員 検疫の最後の消毒について質問を用意してきたんですけれども、ちょっと時間がなくなりましたので、消毒については次に、厚労委員会かあるいは決算委員会で集中してここをやりたいと思いますけれども、室内消毒ということにもっと関心を持つべきだ。特に、いろいろな技術が今出てきていますよね、紫外線を使うとかオゾンを使うとか。そういう開発を民間企業と一緒に、私は国交省を中心にやられたらどうかというふうに思いますので、次の公共事業の在り方についての中でも少し触れますけれども、次の問題に入りたいと思います。  次の資料の中で、中国が、「デジタル中国の野望」という新聞記事、これは毎日新聞ですか、公共事業を使ってというか、公共事業の中で様々な新しい技術開発を指向しているという記事であります。  私も、もっと国交省は、道路局にしても、あるいは鉄道局にしても、あるいは下水道局、あるいは河川局、そういうところは、こういう新しい技術開発ということにもっと関心を持つべきではないだろうか。例えば鉄道なんかは自動運転の最もやりやすいものなんじゃないだろうか、既に東は山手線でやっていますけれども。  そういうことをこれからの公共事業の在り方として、私は流域治水なんというのは、新しい今までとは違う技術開発の一環じゃないかと思いますけれども、そういうものをもう少し関心を持って詰めるべきではないかなというふうに思います。これは大臣、どうでしょうか。
  40. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 公共事業というと、一昔前はアナログの究極みたいな私もイメージを持っていましたが、就任以来、とにかく災害が多いものですから、被災現場に行っております。  そうすると、この前も南阿蘇の阿蘇大橋、開通式ができましたけれども、私はあそこに行ったときには、あの大規模な斜面の崩落で、あれであのでかい、巨大建築物の橋が落橋すること自体驚きだったわけですが、あそこの状況だと、とても復旧復興というのは難しいのではないかと内心思っておりましたが、当初の予定より一年四か月早く開通ができたというのも、これは無人施工ですとか、今どの地域に行っても、まず現地の職員から説明を受けるのはドローンでの撮影なんですね。  ちょっと話が前後しますが、佐賀県の六角川があふれたときも、あそこもボタ山がいっぱいあって、そこでちょっと可視できない、見えないところというのはドローンで上から撮影して、陥落しそうな場所が分かったとか、私は、率直に言うと、想像以上に現場でそうしたAIを使った無人施工とかいうことが進んでいることに、ちょっと私自身認識を新たにしているところでございます。  これはやはり、災害が頻発化、激甚化して、そうしたものを使わないとなかなか復旧復興ができないというニーズと、あと人手も、それは当然少なくなっている構造の中で、省力化できるものはしていかなければいけないという、そうしたことも相まってというふうに思っております。  これはしかし日本だけじゃなくて、冒頭、中国のお話がありました。中国も恐らく相当な勢いでやっていることだというふうに思っておりますので、私は、そうしたことは、たゆみなく不断にそういう方向で取り組んでいく、技術力と生産性を上げていくということは当然のこれからの基本的な考え方だというふうに思っております。
  41. 荒井聰

    ○荒井委員 私はその中から新しい産業の芽が出てくるんだろうというふうに思いますので、従来のようにコンクリートだけ造っていればいいということではなくて、新しい産業をつくっていくんだ、そういう意識が担当者に必要なんだろうというふうに思います。  時間がなくなりましたので、最後に、東京上空で頻発する米軍ヘリ低空飛行の問題について。ドローンの規制もしようとしているその状況の中で、米軍の飛行機だけは有視界だから低空飛行してもいいんだ、そういうのは僕はあり得ないんじゃないかと。東京は皇居もありますし、国会もありますし、六本木周辺の羽田に近いところでは、相当トラブルが発生をする可能性のあるところですね。  防衛省はしっかりとこの問題をアメリカに対して物申す必要があるんだというふうに思いますけれども、ちょっと時間がないんだけれども、防衛省、短く、今の状況をどういうふうに把握をしているのか。
  42. 青木健至

    青木政府参考人 お答え申し上げます。  御指摘の米軍機の飛行につきましては、現在、米側に事実関係を確認中でございます。  防衛省といたしましては、事実関係を確認した上で、外務省及び国土交通省等と緊密に連携し、適切に対処してまいります。
  43. 荒井聰

    ○荒井委員 時間が来ましたので、最後に、この問題について、赤羽大臣の。  日本の空を所管しているのは赤羽大臣です。その赤羽大臣が知らないというか、あるいは把握ができていないと。防衛省は今把握していると言っていますけれども、こんなの、イタリアやドイツだったら、すぐさま反発しますよ。すぐアメリカ軍にやめろと言うと思いますよ。そのぐらいのことをしなければ、本当の対等の日米関係というのはならないんじゃないですか。  赤羽大臣から最後に見解をお聞きして、終わります。
  44. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 発言を求められない方が本当は気持ちが通じ合うと思うんですけれども。発言になりますと、やはり、日米地位協定の実施に伴う航空法の特例法というのが厳然とあるということは事実です。ですから、これは外務省、防衛省に任せなければいけない。  他方で、日本の上空の安全を守るというのは国土交通省の役目ですから、その本来与えられた使命はしっかりと責任を果たさなければいけない、こう思っております。
  45. 荒井聰

    ○荒井委員 地位協定の関係では、外務省や防衛省は過去のしがらみがあり過ぎて、なかなか新しいところに踏み込めないのかもしれませんけれども、これは民間人としての、そういうセンスで、アメリカもアメリカの基地を守ろうとするならば、日本国民の国民感情というのは大事にしないと駄目だということを誰かが言わなきゃ駄目ですよね。そういう話を最後にして、私の質問を終わります。  ありがとうございました。
  46. あかま二郎

    ○あかま委員長 次に、岡本充功君。
  47. 岡本充功

    岡本(充)委員 今日は、国土交通委員会での時間をいただきまして、理事皆さん委員長、ありがとうございます。  また、今日は、私が一番よく知る地元の状況をお話をしながら、翻ってみて、全国に似たような箇所がたくさんあるんじゃないか。もちろん、そういう要望が、国土交通省、今日は農水省にも来ていただいていますけれども、上がっていると思います。本当に、そういう意味で、優先順位をつけてやっていかなきゃいけないというのは当然でありますけれども、しかし、極めて重要な課題だと思いますので、少し地元の課題から説明をしていきたいと思います。  まず、河川整備から行きたいと思います。  河川整備につきましては、皆様のお手元資料をお配りをしているかと思いますけれども、そこに、カラーでお配りをしておりますのが、一つ目が、木曽三川と言われる木曽川、長良川、揖斐川のいわゆる堤防の整備計画であります。  昨年の河川整備計画に基づいて新たに工事が行われるということでありますが、これまでも、私は、都市近郊の河川の整備、もちろん木曽川だけではありません、首都圏にも、それから関西にもあるわけでありますけれども、こうした河川の堤防、それは、降雨であり、高潮であり、そして、近年は地震に伴う液状化で堤防が沈下をするのではないかということを取り上げてまいりました。  今回、様々な予算をつけていただく中で、木曽川の河川堤防の液状化対策、これは、想定をされる東南海地震、南海地震などによる津波に対して、液状化によって津波が今住民のお住まいの地域に入ることがない、こういう状況ができた、国土交通省分についてはそうなっている、こういう御説明をいただける状況になったと理解をしていますが、それでいいか、事務方に確認をしたいと思います。
  48. 井上智夫

    井上政府参考人 お答え申し上げます。  木曽川の三川の耐震対策でございます。  木曽三川につきましては、約三十一キロの区間において、堤防が地震動による液状化等によって沈下するおそれがあることから、そのような状況でも高潮による浸水を防ぐことができるよう、河口部から順次、堤防の天端にあらかじめ約五十センチの盛土をする工事を実施していく予定です。  この工事につきましては、毎年度の当初予算や防災・減災、国土強靱化のための五か年加速化対策の活用により、年平均でおおむね六キロ程度進捗させ、令和七年度頃にはこの木曽三川下流の工事を完了させることを目指しております。
  49. 岡本充功

    岡本(充)委員 局長、よく聞いてください、それは次の質問です。  今の質問は、液状化対策、津波対策としての、堤防が液状化で沈む、最も高いところは八メートル以上ある堤防が僅か七十センチに沈むということを、私は、この国土交通委員会だったか、ちょっと災害特だったか忘れましたけれども、この国会で、皆さんから資料を見せられ、指摘をしてきたわけです。この対策として、液状化対策のための工事をやってきました、これは完了したということでいいですか、こう聞いているんです。
  50. 井上智夫

    井上政府参考人 お答えいたします。  耐震対策の液状化対策については、基本的には、堤防の下の地盤の地盤改良ということをする必要が本格的には必要になります。ただし、これにつきましては大量の年数が必然的にかかる。それはなぜかというと、非常にコストが高いからです。それはもちろん、これからもやっていくということは考えておりますが、一方で、今でも地震が起きる、発生する可能性がありますので、少しでもそれに対しての安全性を確保するということで、堤防が沈下しても、高潮が入ってきたときに、それをできるだけを抑える盛土ということも並行してやる。これをまず優先的にやった上で、併せて液状化対策の方も続けてやっていきたいと思っております。
  51. 岡本充功

    岡本(充)委員 ちょっと事務方、ちゃんと局長に説明した方がいいですよ。  この間の私の質問は、局長、理解されていますか。過去の分、ちゃんとレクを受けられましたか。  私、この河川整備計画の前の河川整備計画に基づいて液状化対策の実行をお願いしてきて、残る場所は、ここにある黒と赤の、木曽川右岸、三重県側のところだけが残っているという今状況なんです。それ以外のところは完了しましたねと聞いているんです。  完了したという答えだと私は理解をしているんですが、完了していないんですか。ちゃんと説明してください。
  52. 井上智夫

    井上政府参考人 失礼いたしました。  木曽川の全川のことではなくて、優先対策区間というのがございますので、これは令和二年度の完了を目指して工事を進めていて、これまでに約三・四キロ完成しております。残りの〇・七キロの工事を行っているところですけれども、ここは現場状況がございまして、工事期間を延長して、残り〇・三キロは令和三年六月末、今年の六月末、約〇・四キロは令和四年一月末に完了する見込みで進めております。
  53. 岡本充功

    岡本(充)委員 木曽川右岸にその僅か残っているところはあるけれども、木曽川左岸は完了した、これでいいですね。いいですと、ちゃんとそう答えてくださいよ。(発言する者あり)  はい、結構ですと。議事録にも残りましたかね、今の。大丈夫ですか。
  54. あかま二郎

    ○あかま委員長 それでは、岡本委員の確認に対して、井上水管理国土保全局長
  55. 井上智夫

    井上政府参考人 失礼いたしました。  そのとおりでございます。
  56. 岡本充功

    岡本(充)委員 これは、一問目でやるべき、何分かかったかというこの状況ですね。私、随分説明しているんですよ。でも、この問いを理解してもらうのにこれだけ時間がかかるようでは困るんです。ちゃんとレクをしておいてください。お願いします。政府参考人を呼んでもこのような答弁では、やはり困るわけですね。是非そこは、こうした答弁がないようにお願いをしたいと思います。  それで、残っているのは、二枚目の、この赤と黒が残っている鍋田川という方です。これは県管理のところが残っていまして、ここが残念ながら、耐震工事それから液状化対策が残っています。  赤い部分、鍋田川の新緑風橋から上流側、そして下水門と言われるこの緑のラインのところ、さらに、今日は農水省に来てもらっていますが、ここから先の、更にこの図で言うところの右側のここは船着場があって、プレジャーボートなどが係留されている。そして、その横は、プレジャーボートも係留されていない、単なるのり面もあります。そこは低いです。ここを津波が越えてくるんじゃないか。  越えると、この図を見ていただくと分かるとおり、右側には、ちょうどこの写真では赤い字で「水門耐震詳細設計実施中」と書いているこの下には、家が多数ある、団地があるんです。ここに津波が入ってくる。  東南海地震、大きな地震が起こったときに、ここに液状化した堤防を越えて津波が入ってくるという状況が続いているし、この赤い、新緑風橋から上流のこの赤いエリアも、すぐ堤防の内側に住宅が並んでいます。これは三重県になるわけでありますけれども、まさにこの赤い、新緑風橋から上流は三重県、先ほど言った右側の部分は愛知県ということで、県の境ではありますけれども、どちらもこれ、現状では津波が地震のとき入ってくる、こういう状況が続いている。  こういう理解でいいか、局長、まず確認しています。
  57. 井上智夫

    井上政府参考人 はい、先生おっしゃるとおり、この鍋田川のことにつきましては、非常に津波、地震対策、重要でございますので、現在、耐震対策、鋭意進めているところでございます。
  58. 岡本充功

    岡本(充)委員 この写真では、住宅が写っているのはこの限りですけれども、この先にはもっとたくさんの方がお住まいであります。  そこで、お伺いをするわけでありますが、これはもう繰り返し、当委員会又は災害対策特別委員会等で質疑をしておりますけれども、ここの工事は一体いつになったら完了するのか。これについて、国交省及び農水省からお答えをいただきたいと思います。
  59. 井上智夫

    井上政府参考人 お答え申し上げます。  まず、配付資料にございますこの赤いところ、緑のところについての状況について、私の方から御説明いたします。  三重県が管理している鍋田川の堤防のうち、緑風橋から下流区間約六百メートルの耐震対策につきましては、今年度、完了いたしました。緑風橋から上流約八百メートルの耐震対策につきましては、令和二年九月から工事に着手しており、令和七年頃に完了させることを目標としているというふうに三重県から聞いております。  愛知県と三重県が管理する鍋田川の下水門、この配付資料のちょうど緑色の丸のところでございますが、これにつきましては、現在進めている耐震対策の設計を踏まえ、来年度から工事に着手し、令和七年度頃に完了させることを目指していると聞いております。  さらに、その下水門の両側の、鍋田川を横断する堤防四百メートル、緑の部分でございますけれども、これについては令和三年度に対策工法等の検討を行う予定で、この検討の中で事業期間を明らかにするとともに、対策工法の決定後、速やかに工事に着手すると両県から聞いております。
  60. 宮内秀樹

    ○宮内副大臣 お答えをさせていただきます。  愛知県が実施しております木曽川河川部の海岸、農地海岸であります鍋田海岸の耐震化工事につきましては、令和二年度までに、総延長約七千五十メーターのうち六千百八十メーター、約八八%の整備が完了する見込みとなっております。  今後の見通しにつきましてですけれども、実施主体であります愛知県からは、液状化防止のための工事と並行いたしまして、先ほどお話もありましたように、船舶の係留施設の利用者等と調整をした上で当該係留施設の耐震化を行い、令和七年度に完了する見込みと伺っております。  この地域は南海トラフ地震発生が想定されていることは承知しておりまして、海岸堤防は地域を守る重要な施設であることから、農林水産省といたしましても、実施主体であります愛知県と連携、調整を図りつつ、早期に完成を進めてまいりたいというふうに考えております。
  61. 岡本充功

    岡本(充)委員 せっかく今日副大臣に来ていただいたのは、是非知っておいていただきたいし、事務方にも今日は聞いていただきたいと思って来てもらっていますが、船舶の利用者との調整をするというのはすごい難しいんですよ。  ここまでの国交省の話は、言い方は悪いけれども、お金つけたら、それはできるとは言わないけれども、まあまあ、予算をつけて工事をするということがある意味しやすいわけです、物があるだけですから。ここには船舶の利用者がいて、様々な権利関係があるということが想定をされていて、その整理をするのに相当時間がかかるはずです。  したがって、この権利関係を整理ができたかどうかを速やかに聞いてもらいたい。これはそんな予算がかかる話じゃないです。つまり、どういう難しい案件があるかというのを早く把握をしないと、七年に国交省の工事が全部終わったときに、農水省だけ残りますよ、これ。  今指摘しておきますから、これは速やかに権利関係をきちっと整理をして、どういう難しい案件があるのかというのをきちっと把握をする、まずこれを速やかに着手。そんなに予算がかかる話じゃないです、堤防にお金をかけるわけじゃないですから。  これを速やかにやるように愛知県にきちっと、国として、指導、要請する、こういったことをお約束をいただきたいと思って、今日は政務の方に来ていただいているので、副大臣、御答弁お願いします。
  62. 宮内秀樹

    ○宮内副大臣 先生から御指摘いただきましたので、愛知県の方にはまたコミュニケーションを図っていきたいというふうに思っております。  いずれにしましても、実施主体はあくまでも愛知県でございますので、どうやってサポートできるのか、他の事例を様々紹介をするとか技術的な助言をするなり、国として、農水省としてできるサポートをしっかりしてまいりたいというふうに思います。
  63. 岡本充功

    岡本(充)委員 繰り返しになりますけれども、本当に、愛知県がやるんだからと言っていて、ここだけ残って、地震が起こって津波がここを越えてきたら、ほかの国交省が一生懸命やったところも、やったのにここだけ弱いところが残っていて、結局そこを乗り越えて津波が入ってきたら、結果として同じことですからね。  農水省だけ、若しくは愛知県だからといってここができないようなことにならないように、是非、進捗状況、私も知恵が出せることがあったら出すから、一緒になってこれを進めていきたいと思います。  それで、前回、十一月の二十日に、河川の話、今度はちょっと毛色が変わって、堤防でも低いところがあるという話をしました。木曽川の河川には国道一号線が走っています。ちょうど皆さんにお配りをした木曽川の、木曽三川の絵の右側のところ、緑の線がちょうど切れている辺りに、国道一号線、それからJRの関西線、それから近畿日本鉄道の線路が走っています。  この中でも、国道一号線のところだけ堤防が低いんですね。ここのところを土のうで補強する、いざというときには、愛知県側、三重県側、土のうで補強するということになっています。  土のうが一体どのくらいあるのかと聞くと、愛知県側では百九十四個袋を動かす、それから三重県側では九十四個動かして、愛知県側では二百十メートル、三重県側では百メートル、この一トンの土のうを持っていって、そのときには堤防を補強する、こういう話です。  これにかかる時間が、設置をするまでに四時間、撤去をするまでに四時間。結局、合計少なくとも八時間、国道一号線はストップをする、こういうことで、この決断をするのには相当程度の、住民、それから自治体、道路管理者、調整が要るんじゃないかということで指摘をしました。  二月にこの協議会を開催をしたということを聞いてはいます。関係自治体による協議会を開催したとは聞いています。そこで配られた資料を下さいと言ったけれども、結局もらった資料はこの土のうの絵だけでありますけれども、実際にどういう協議が行われ、そして今年の出水期までにその基準は決められるんでしょうか。  結局、土のうは確かに置いています。全部で二百個を超える、全部でもしかしたら三百個を超えるのかな、物すごくたくさんの土のうが積んであるけれども、一トンの土のうを一体誰が動かすのか、どのぐらい雨が降ったときに動かすのか、こういったことを決めておかないと、そしてそれを周知しないといけないということを指摘をしてきたわけですけれども、今年の本当に出水期に間に合うのか。  会議でどういう議論がなされ、課題がどういうものがあり、そして出水期に間に合うのか、これについて御答弁をお願いします。
  64. 井上智夫

    井上政府参考人 国道一号の尾張大橋を含む上下流の堤防は、計画に対して最大二メートル程度不足しており、高潮や洪水が発生したときに氾濫が発生するおそれがあります。  先生今御指摘いただきましたように、この尾張大橋の緊急時の対応につきましては、二月五日に、河川管理者、道路管理者、交通管理者、関係自治体による検討会を開催し、役割分担や実施手順の検討を進めてきているところです。  具体的には、台風の進路や大雨の状況が分かる数日前から関係者間で情報を共有する、河川の氾濫が予測される七時間程度前から道路管理者、交通管理者が通行止めの準備を開始する、通行止めの後、四時間程度かけて水防管理団体等が土のうを設置する等をたたき台として、それに関する課題の抽出や解決方法を議論しており、今年の出水期までに結論を得ることとしております。  ただし、先生が御指摘のとおり、四時間もかかるということは私どもも大きな課題だというふうに考えておりますので、土のうをあらかじめ設置しておいて、緊急的に設置する部分を短くするとかそういうことの工夫、それによって全体の交通への影響をできるだけ縮減するということを考えていきたいと思っています。ただし、できるところからやっていって、順次改善するということが重要だと思っております。  この役割分担や実施手順がまとまった段階で公表して、地域住民の方々にもこの中身を知っていただくとともに、御協力いただけるよう進めてまいりたいと考えております。
  65. 岡本充功

    岡本(充)委員 この道路は、地域の住民が利用する道路だけではないんです、国道一号線ですからね。国道一号線ですから、かなり多くの、しかも広範囲の方が利用することが想定をされている道路ですから、それを止めるんですよ、八時間。どういう基準になったら止めるのかというのを決めておかないと、いや、行ってみたら止まっていましたというんじゃ、困っちゃう人がいっぱい出るんですから。だからこそ、どういう基準なのかというのをきちっと周知をする期間も含めてやるとすれば、これはかなり早い段階に取りまとめないと、出水期に間に合いました、そこから周知を始めますというんじゃ、これは間に合わないということになりかねません。  これは、今日ここまでちょっと河川の話をしてきて、私、自分の地元だからよく分かっていて見ているんだけれども、こういうところは全国にたくさんあるんですか。やはり、やらなきゃいけないところ、こういう河川の堤防の高さが足りなくて土のうを積まなきゃいけないようなところはほかにもあるんでしょうか。いや、調べてくれと言って、一日で調べてもらうのはちょっと申し訳ないと思ったから、余り負荷をかけてもいけないのでそれは求めませんでしたけれども。  是非、大臣、こうした、今ちょっと聞いていていただいたと思います、答弁は求めなかったですけれども、これはこれからの取組ですから。大臣全国に同じように広域で主要な道路を止めなければいけないような河川がもしあるのであれば、そこで、今言ったような、どういう段取りで土のうを積むかまで全然決まっていなかったんです。この土のうを用意し始めて、もう十年以上ですかね。長きにわたってずっと決まっていなかった。  私も、正直言って、取り上げたのは去年ですから、遅かったと反省をしています。しかし、これに気づいた以上は、全国でも同じような話があるんじゃないか。今日、皆さん、先生方がそれぞれの選挙区でも、いざというときに土のうで、若しくは陸閘などで止めなきゃいけない道路があるのなら、きちっとした基準をつくるように推進をするべきだと思います。  大臣全国的にこれを、私は地元のことしか分からなかったけれども、ほかにもあると思うから、是非調べてもらって、速やかに関係者を集めて協議会をやっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  66. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 今の御発言で、私の頭にあるのは京成線、鉄道ですけれども、あれは荒川ですね、先日もちょっと地元に行きました。これは地元の関係自治体、あそこでいいますと葛飾区ですとか荒川区、江戸川区、ちょっと東京の東部のところです。ですから、そこは、全国はどうなっているかというのは私はちょっとよく、今明確に答えられませんけれども、そうした箇所は数多くあると思います。ただ、当然、地元自治体から、その京成線の件については相当前から要望をいただいておりまして、当然、我々もやることをやる。京成電鉄も巻き込んで、移設という、そういう工事も決めました。その間の災害の応急対応についての土のうの設置の仕方というのは、これはもう国が云々ということではなくて、地元の該当の区でお決めになっているというふうに承知をしているところでございます。  ですから、全国総点検ということを、道路局と河川局、水局ですね、ちょっと確認をいたしまして、現状どうなっているのか、必要であるならば適時適切にしっかり対応させていただきたい、こう思っております。
  67. 岡本充功

    岡本(充)委員 必要でないはずはないんです。やはりそういう、今私が言ったように、地元で協議をしてこなかったところもあるわけですよ。結果として、今回、私の指摘もあって、二月に初めてやりました、今から準備をやりますということですけれども、是非、きちっとした対策が取られるように、網羅的に見ていただきたいと思います。  次に、ちょっと別の話題に行きたいと思います。踏切です。  踏切について、ちょっと少し、これまた私の地元のテーマで恐縮なんですが、これは全国にやはり同じようなのがあるんじゃないかと思っています。  蟹江町というところに、町道の東郊線という道路が走っているんですね。この道路が、JRの関西線と踏切をつくっています。この踏切が、ちょっと写真を持ってこれなかったんですけれども、直前までは歩道がある。ところが、踏切のところだけ歩道がない。踏切を越えるとまた歩道がある。ここを子供たちが通っていて、車も通る。大変車の通りも多い。国交省においても、この踏切が課題があるということで、自動車がボトルネックになっている踏切、自動車の交通量が多い、そしてもう一つが、歩道が狭隘な踏切、こういうことで、改良の計画があるとは聞いています。  町はここに立体交差や道路を架ける予定にしているという理解をしていますが、これまでも私、この問題を取り上げてきたんですけれども、近くに蟹江駅がありまして、駅がありまして、駅に入るために、単線の線路が切替えポイントで複数の線路に広がるわけです。この切替えポイントの移設がなかなかできないから、町からの要望があったけれどもなかなかこれは広げられなくて、子供たちが車の中を踏切を渡るという、たくさんの車が通るところを子供たちが渡っているという、近くに公園もあるので、こういう光景を目にしてきました。  この度、機会があって、JR東海の幹部の方とお話をする機会もありました。そういった中で、この踏切の問題を改めて、十年ぶりぐらいですけれども、もう一度、技術も革新されたことでしょうし、広げることができないのかということをちょっと聞いたところであります。  ここでちょっと国交省に、事務方で結構です、この踏切は、いわゆるこの踏切の切替えポイントを少し西に動かすということは今の技術では可能であって、大体その費用は一体幾らぐらいかかるのか、これについてまず御答弁いただきたいと思います。
  68. 上原淳

    上原政府参考人 お答えいたします。  JR関西本線東郊線踏切の拡張に伴う当該踏切の改良につきましては、現在、JR東海と蟹江町との間で検討が進められているものと承知いたしております。  委員指摘の踏切拡幅に伴うポイントの移設につきましては、JR東海からは、踏切の東側、駅の反対側に歩道を拡幅する場合にはポイントには支障しないが、踏切の西側に歩道を拡幅する場合は、拡幅の幅員によってはポイントに支障する可能性があるとのことでございます。  この件につきましては、JR東海は既に蟹江町に伝えておりまして、現在蟹江町で検討が行われているものと認識しております。今後、両者の間で具体的な歩道の拡幅案の検討が行われていると認識しております。  このため、委員お尋ねのポイントを移設する必要があるかどうかも含めて、現時点では決定していないものと認識しております。
  69. 岡本充功

    岡本(充)委員 いや、昨日通告しているはずです。それは分かっているんです。ポイントを動かした場合、技術的に、前は動かせないと私は聞いていました、今動かせるようになったと聞いています、費用はどのくらいかかるのか、JRに聞いてくださいということを昨日質問通告しています。  動かすとすれば、費用は幾らぐらいかかるんですか。
  70. 上原淳

    上原政府参考人 お答えいたします。  先ほども申し上げましたとおり、現在、蟹江町とJR東海におきまして、歩道の拡幅内容について検討をしているところでございます。まだポイントを移設する必要性については決定していない状況というふうに認識しております。  そのような状況であるため、JR東海にも確認をいたしましたが、具体的な移設の費用については、現在、同社では算定していないということでございます。
  71. 岡本充功

    岡本(充)委員 それは結局、町だってその費用が分からなければ検討ができないんですよ。それで、その費用をやはり明らかにして、町にも検討してもらうべきであると思います。  そういう意味では、私は、通告をして、聞いてくれと。大体どのくらいかかるのか、それは細かな費用までは分かりませんよ、おおよそこのくらいだということを求めているわけです。  通告もしていたわけですから、是非、委員長、改めて、後日で結構ですから、当委員会に出していただくように理事会で御協議いただきたいと思います。
  72. あかま二郎

    ○あかま委員長 理事会で後日、後刻協議いたします。
  73. 岡本充功

    岡本(充)委員 つまり、JR東海と蟹江町、一つの自治体、なかなか力の差があるんです、はっきり言いますけれども。技術力の差があるんですよ、それははっきり言いますけれども。それはやはり、JR東海にしか分からないんですよ。踏切を動かすその費用が、町の職員が計算しようと思ってもなかなかそれは難しいですよ。やはりそこはきちっと情報を出して検討するということをやっていかなければできないと思います。  もう一つ伺いますけれども、こうした立体交差を一つ目標として、最終形として踏切改良を求めている事例は全国にもあると思います。その場合、一時的に現存の踏切を拡張する、この費用というのは社会整備事業の補助として国から補助が出る対象となるのか。先ほどお話をしました踏切のポイントを動かすような費用も含めて対象となり得るのか、なり得るとすればどういう条件が必要なのか、御答弁をいただきたいと思います。
  74. 榊真一

    ○榊政府参考人 お答えを申し上げます。  都市内の踏切は、交通事故や渋滞の発生、市街地の分断をもたらしますことから、その解消を図ることが大変重要な課題となっております。  踏切の対策に当たりましては、速効対策としての踏切道の拡幅等と、抜本対策としての都市計画道路の整備による踏切の除却を組み合わせて進めることも考えられるところであり、これら踏切対策の進め方を地域にも明らかにした上で計画的に進めることが重要であると考えております。  具体的な補助の条件等につきましては、踏切道の置かれております状況や段階的な整備の進め方などにつきまして地方公共団体からよくお話をお聞きする必要がございますので、蟹江町から御相談があった場合にはよくお話を伺ってみたいと思います。その上で、地域の実情や要望を踏まえつつ、どのような支援ができるのか、検討してまいりたいと存じます。
  75. 岡本充功

    岡本(充)委員 今の御答弁であれば、これは社会資本整備事業の補助対象になり得るという理解でいいのか、そこについて端的に答えてください、局長
  76. 榊真一

    ○榊政府参考人 お答えを申し上げます。  地域の状況あるいは段階整備の考え方についてよくお伺いする必要がございますけれども、踏切道の拡幅について社会資本整備総合交付金を使って行っているといったことは、これはございます。
  77. 岡本充功

    岡本(充)委員 だから、したがって、なり得るということでありますけれども、これもきちっと丁寧にやはりお手伝いをいただきたいと思います。  お手伝いをいただきたい話で、もう一つ、恐縮ですけれども、これも前回お話をさせていただきましたけれども、同じく、鉄道の状況皆様資料をお配りをしておりますけれども、いわゆる名古屋圏の高速鉄道網の新設路線の進捗状況と書いてあるペーパーでありますが、前回、地元での議論が進むように必要な協力を行ってまいりたいと思いますということを、昨年の十一月二十日、本委員会で御答弁をいただいています。  評価が少なくともできるところまではお手伝いいただきたいと思いますし、手伝っていただけるということでよろしいですよねということでお尋ねをしておりますけれども、この協議が今後どのように進む見込みなのか、そしてまた、どういうお手伝いをしていただけるのか、評価ができるところまでは少なくともお手伝いいただける、こういう理解でいいのか。ここ、最後重要です、評価ができるところまではお手伝いいただけるということでよろしいのか、御答弁をいただきたいと思います。
  78. 上原淳

    上原政府参考人 お答えいたします。  委員から、令和二年十一月に、桜通線の延伸につきまして御質問をいただいております。  前回の委員会後、国土交通省では、桜通線延伸の検討に対する協力といたしまして、中部運輸局を通じて、昨年十一月から本年一月にかけまして、関係地方公共団体である愛知県、名古屋市、あま市、津島市及び大治町に対しまして、複数の地方公共団体にまたがる鉄道プロジェクトにおいて、地方公共団体、鉄道事業者、有識者等の関係者による議論の場を設けている事例の紹介を行っております。  具体的には、小田急多摩線の延伸につきまして、関係地方公共団体、鉄道事業者、交通計画に関する学識経験者、関東運輸局等が参画する協議の場が設置され、収支採算性等の調査を行ったという事例を紹介いたしました。  本件につきましては、関係地方公共団体に対して、議論の場の設置に対する意向を確認したところ、愛知県は、地元の地方公共団体が主体となって設置し検討を行いたいという意向があるならば検討の場に参加する、名古屋市は、他の関係地方公共団体が設置した検討の場に参加する可能性はある、あま市、大治町は、関係機関のコンセンサスが得られるならば協議の場を設置する、津島市は、協議の場の設置による検討には賛成という回答でございました。  国土交通省といたしましては、引き続き関係地方公共団体の動向を把握しつつ、議論の場が設置された場合には、専門家の御紹介や収支採算性等の算出方法など、プロジェクトの検討に当たって必要な事項につきまして専門的な助言を行ってまいりたいと考えております。
  79. 岡本充功

    岡本(充)委員 今の話だと、皆さん、決して後ろ向きじゃないんですよ。その前の質問でも、一定ニーズがあるということは確認しているわけです。  したがって、やはり、先ほどの話ではないですけれども、協議の場ができたらなんということではなくて、その協議の場をどうやってつくればいいのか、そしてどうやって評価をすればいいのか、こういった知見があるのは圧倒的に国なんですから、きちっと評価ができるところまではお手伝いをいただける、評価の結果によってはやらないという選択肢はあると思いますけれども、評価ができるところまではしっかりお手伝いいただくということでいいですね。ここ、確認なんです。どうですか。
  80. 上原淳

    上原政府参考人 お答えいたします。  既に、そうした協議会の設置についてお手伝いさせていただいている認識でございます。  今後、協議会ができました際には、専門的な知識を生かしまして、お手伝いを続けていきたいというふうに考えております。
  81. 岡本充功

    岡本(充)委員 したがって、協議の場を設置をする、そして評価をする、そこまでが一連の流れですからね。お手伝いいただけるということでいいか。  前回は、議事録に言葉が残っていないんです。お手伝いしていただく、今してもらっていますよ、今後ともしてもらうということでいいですね。確認です。ちゃんと答えてください。前回、議事録に残っていないんです。今も手伝ってもらっていますよ、これからも手伝ってもらえるということでいいですね。
  82. 上原淳

    上原政府参考人 お答えいたします。  先ほど答弁をしたとおりでございますが、これまでも、この協議会の設置に関しまして、いろいろ、他の事例を紹介をいたしましたり、あるいは各自治体の意向の確認をして、さらにその情報共有を図ってきているところでございます。  ただ、協議会を設置するしないにつきましては、これは地域の御意向が最大限尊重されるべきだというふうに考えておりますので、我々といたしましては、情報共有やあるいは専門的な知見を活用して助言ということは、今後ともお手伝いとしてさせていただきたいというふうに思っております。
  83. 岡本充功

    岡本(充)委員 是非、じゃ、助言をまずしていただきたいと思います。設置に向けてもいろいろハードルがあるんですよ。やはりそこも助言が必要だということです。その上で、こうしたニーズがどのようなものなのか、採算がどうなのかということをしっかり評価していく必要があると思います。  今日、大臣、GoToトラベルの議論をしたかったんですが、時間がなくなってしまいました。いろいろ調査をすると、一点だけ指摘をしておきますけれども、やはりGoToトラベルが終わったら観光業者の感染者数は伸びなくなったという事実が、いや、旅行者は当然、GoToトラベルに参加していませんからゼロですよ。でも、GoToトラベル事業参加登録宿泊施設の従業員におけるコロナ感染症の感染者数は、二月は四十八人、十一月は九十五人でしたから、全国の感染状況比較的似ていた十一月と、十一月の方がむしろ少なかったわけでありますけれども、むしろ全国の新規感染者が多かった二月に比較すると、これは半分なんですね。十一月九十五人、従業員で感染が出ています。  したがって、やはり影響があった、従業員の感染者数を見ると、全国の感染者数に比べてちょっと多かったという印象を持ちます。それについて、大臣、最後に感想だけ述べていただいて、終わりたいと思います。
  84. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 済みません、ちょっと時間がないのであれですけれども、そもそもが、絶対数が決定的に違いますよね、全国の新規発生者数と今の何十人というのは。(岡本(充)委員「十一月と二月は一緒ですよ、十一月と二月」と呼ぶ)  私は専門家ではありませんので、基本的に、この感染対策については、政府対策本部の感染症の分科会の専門家の皆さんからの御指導をいただいて判断をしております。これはもう一貫しております。  このことについて、当初から、昨年の、分科会からは、明確なエビデンスはないという、その認識は変わっていないというふうに認識をしておりますので、私は、そこの部分については、私自身がそこについて何かとやかくコメントする立場にはないというふうに思っています。
  85. 岡本充功

    岡本(充)委員 数字の事実だけお伝えしました。  終わります。
  86. あかま二郎

    ○あかま委員長 次に、高橋千鶴子君。
  87. 高橋千鶴子

    ○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。  緊急事態宣言を二十一日どおりに解除をするということが、ほぼ政府の意向を固めたということや、それを明日決定するということが報じられております。  一方、毎日新聞と社会調査研究センターの全国調査で、緊急事態宣言を二十一日以降も延長すべきだと答えた方が五七%いたと十四日付が報じています。ただし、内訳が、四都県の宣言地域では五二%なのに対し、宣言地域外では六二%と、一〇ポイントも高いということです。感染率が低い県においては、高い地域から来てほしくないとか感染を広げてほしくないという気持ちがあると見て取れます。  先週末は、繁華街だけではなく、人出も多く、コロナ疲れ、あるいは慣れが指摘をされていると思います。四知事の意見も分かれている中でありますが、解除に明確な根拠がないのではないか、解除してもしなくても何も変わらないとか打つ手がないという声が聞こえる、それが理由だったら困るんですよね。しかし、このまま解除に踏み切ればリバウンドもあるということが言われていますが、どのように考えているのか、内閣府に、政務三役、お願いします。
  88. 和田義明

    和田大臣政務官 お答え申し上げます。  まず、冒頭ですけれども、飲食店を始めとする事業者の方々、そして国民の皆様方の御協力もあり、新規感染者数は一月中旬以降減少が続き、ピーク時から約八割減の効果が見られておりまして、皆様方の御協力に心から感謝を申し上げます。  そして、首都圏の各都県の指標でございますけれども、現在でもステージ3相当を下回っている状況でございまして、ステージ4に戻ることがないよう、都県から医療機関に対し、支援策を活用して病床確保の更なる働きかけを行うなど対策の徹底を図るとともに、事業者への営業時間短縮の見回り、呼びかけ、文書による働きかけ、テレワーク七割の要請など、対策の徹底を図っているところでございます。この結果、病床の使用率は現に低下をしてきております。  あわせまして、諮問委員会から感染の再拡大を防ぐための七項目について提言をいただいておりまして、国としては、一都三県と連携をして、モニタリング検査を早期に開始するための準備や保健所の体制整備、見えない感染源を特定していくため、深掘積極的疫学調査などの取組を進めております。  ステージ3相当に確実になっているかどうかを見極めることと併せ、これら七項目についても準備体制が整っているかを見極め、専門家の意見をお聞きしながら、三月二十一日の期限に向けて適切に判断してまいりたいと思います。
  89. 高橋千鶴子

    ○高橋(千)委員 なかなか一般論でしかお答えできないとは思うんですけれども。  一番最初にお話しされた、一月中旬以降減少傾向にあると。それは、逆に言うと、もう下げ止まりであるということが指摘をされていることや、むしろ、一週間単位で見ると、ずっと高くなって、また増えてきているじゃないかという指摘もあるという中で、やはり、ここは単純ではないということがありますし、変異株の影響ということが指摘をされている中での、ちょっと、何というかな、同じ解釈でよいのかということが心配されているんじゃないかと思うんですね。  それで、資料の1は十四日付の日経新聞です。解除をにらみ、感染の再拡大を防止する対策パッケージとして、一つは病床拡充、二つは集中検査、三つはモニタリング検査、四つはワクチン、これは六月までに累計一億回分確保してあると書いてあります。ワクチンを除いては、解除を待たずとも、もっと前からやっておくべきことではなかったかと思うんですね。  昨年、第一回の緊急事態宣言を解除した五月は、全国で二桁まで落ちておりました。その安定した時期にこそ、医療提供体制の確保とか地域の病院の間での役割分担や連携を決めておく、こうしたことをやるべきだったんじゃないか。これはずっと言ってきたことなんですけれども、そのことを指摘させていただきたい。  その上で、政府としては、新型コロナウイルス感染症の収束状態とはどういう姿を描いているのか、伺います。
  90. 和田義明

    和田大臣政務官 お答え申し上げます。  収束の定義は、国内外における感染状況や病原体の性質、社会情勢等の具体的な状況に即して判断すべきものでありまして、一概に定義することは困難でございます。  新型コロナウイルス感染症は、ゼロにすることが困難な感染症であり、今後も流行の波は起こり得るが、小さな波を大きな波にしないことが必要だと考えてございます。  このため、必要な対策を徹底的に講じ、感染者数の減少傾向を継続させ、病床を安定的に確保できる状況にすることが必要であると考えております。  いつかは緊急事態宣言は解除しなければならず、解除するときは緊張感が途切れるため、いつ解除しても感染再拡大の防止が必ず課題になってくると考えております。  その上で、緊急事態宣言解除後に感染を再拡大させないために、これから申し上げる五つの点をステージ2相当以下に下がるまで継続したいと考えております。  一点目は、営業時間短縮要請や当面のテレワークの推進、イベント開催制限などの対策の段階的な緩和、そして二点目は、感染拡大の予兆を早期に探知するための幅広いモニタリング検査、高齢者施設での集中的検査を含めた検査の戦略的拡充、三点目が、濃厚接触者に積極的疫学調査を行い、その範囲で封じ込めるクラスター対策、四点目が、感染拡大の兆しをつかんだ場合に特措法改正による蔓延防止等重点措置の活用、五点目が、ワクチン接種の着実かつ円滑な実施ということを柱として対策を講じていきたいと考えております。  いずれにしても、こうしたことをしっかりとやることで、感染の再拡大、しっかりと防止してまいりたいと思っております。
  91. 高橋千鶴子

    ○高橋(千)委員 だから、やるべきことは、今、私の方から言っているわけだし、報道もされているし、何回も分科会の資料とかも見ております。問題は、政府がどういう姿を描いているかというのが全然メッセージとして伝わってこない、そこが問題だと言っているんです。  宣言を解除したからといって、それで収束じゃないということは、今の答弁で再拡大もあり得るからとおっしゃっていたので、当然のことだと思うんですけれどもね。一般的には、国民の六割、七割が免疫を獲得した状態というのはよく言われていることだと思うんですね。私は、やはり、それが重症化しない程度に弱毒化をして、季節性インフルエンザのようになっていくというのがイメージじゃないのかなと思うんですね。  参議院の予算委員会で分科会の尾身会長が、それには二、三年くらいかかるという答弁をされていましたけれども、やはりそのくらいはかかるだろう。けれども、やはりそこがはっきりイメージができていけば、そこに向かって腰の据えた対策をきちっとやっていくんだ、つまり、収束に二、三年かかるからといって何もするなという意味ではなくて、そのために何ができるかという議論ができるんじゃないかと思いますが、この考え方、これは一緒でよろしいですか。
  92. 和田義明

    和田大臣政務官 済みません、質問をもう一度、具体的にお願いします。
  93. 高橋千鶴子

    ○高橋(千)委員 時間がないのでね。ちゃんと通告しているわけですからね。  六、七割が免疫を獲得する、結果としては季節性インフルエンザのようになっていくことをイメージできるんじゃないか、それには二、三年かかると尾身会長も言っていますよね、いいですかと言っています。
  94. 和田義明

    和田大臣政務官 お答えします。大変失礼しました。  尾身会長の御意見は、確かにあったと思います。ただ、専門家の先生の方々の意見、これをお一人お一人、内閣府としてコメントをすることは差し控えさせていただきます。  いずれにしても、しっかりと諮問会議等々で専門家の方々の御意見を承った上で、適切に判断をしていきたいと思います。
  95. 高橋千鶴子

    ○高橋(千)委員 極めて無責任な答弁だと思います。  内閣府の今日は政務官に来ていただいていますけれども、赤澤副大臣が参議院の国交委員会で我が党の武田良介参議院議員に、GoToトラベルの問題を質問して、収束後に本当は開始するというのが閣議決定じゃなかったのかという質問をされたのに対して、収束後とは第一回の緊急事態宣言の後だ、だから、そのときは一旦収まっているからという答弁だったんですよ。本当に驚きました。これほどの詭弁はないと思うんですね。  その後、更に高い第二波、第三波が来ても、第一波は終わったからGoToトラベルをやってもいいんだと、もしそう言うのであれば、これはやはり失策だったと言わなければならない。だけれども、今の答弁ではやはりそこが全然見えてこないということを、あえて指摘をさせていただきたいと思います。  今日は、そういう中での国交省の所管事業者に対する支援策について伺います。  地方創生臨時交付金の、二次、三次と補正予算を積み上げて、地域公共交通についても予算を積んできました。今、分かっている取組状況を教えてください。また、大臣には、これをどう評価しているのか、伺います。
  96. 久保田雅晴

    ○久保田政府参考人 お答え申し上げます。  新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金につきましては、令和二年度一次補正予算におきまして一兆円計上され、第二次補正予算におきまして二兆円が増額、第三次補正予算におきまして更に一・五兆円が増額されたところでございます。  本交付金につきましては、国土交通省におきまして各地方自治体に聞き取ったところ、これまでに約三百六十自治体、約千事業におきまして、公共交通事業者の感染症対策はもとより、運行費支援や利用促進などに活用いただいているものと承知をしてございます。
  97. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 この地方創生臨時交付金の一番いい点は、地方独自で、使い勝手がいいことだというふうに思います。加えて、メニューが多分百以上あるのではないか。  ですから、私、全国回っておりまして、これは地方自治体ごとによって千差万別でした。ある地方ではタクシー事業者に対して一台二十万円支給されているけれども、隣の市ではそういうものはないというのが現実であって、ですから、我々は、この地方創生臨時交付金はありがたいですけれども、医療の件とか感染対策に使うということの方がどうしても優先されるので、我々として、本来、所管省庁である国交省として、公共交通機関の路線維持等々についての予算はしっかり取らなければいけないということで、二年度の三次補正予算と今審議いただいている三年度当初予算で五百億以上のそうした公共交通に対する支援策を計上させていただいておるところでございます。
  98. 高橋千鶴子

    ○高橋(千)委員 ありがとうございます。  資料の2に交通政策課がまとめたものをつけておいたんですけれども、今大臣おっしゃってくれたように、やはり交付金、大事なんですよ。医療にもしっかりとつけなきゃいけないんだけれども、それだけでなくて、ちゃんと地域経済を支えるために使えるということは、やはり国交省自身もメッセージをしていく必要があると思っていたわけですけれども、ここは、ですから、三百六十自治体、一千事業が、地域公共交通だけでもこれだけあるということを示している。すごく大事だと思うんですね。  そのうち、運行支援が、下を見て、内訳を見ていただければ分かると思うんですが、一番多い。運行支援そのものに使っているということは、私、すごくいいなと思うんです。それが地域の大変な実情を示していると思うんです。  我が青森県では、広域路線バス、地域鉄道、フェリーに対して、減収補填、線路、船体などの維持費の支援で、事業費総額四億七千五百八十六万円を始め、きめ細かい支援策がほかにもたくさんあります。ほとんどが中小企業である観光バスやタクシー事業者への支援メニューがあること、国の例えば持続化補助金であれば五割減という厳しい要件があるのに対して、三割や二割減という、要件がより受けやすい規模になっているというのが特徴だと思うんですね。内閣府の予算ではあるけれども、国交省がその各県の取組をつかむということは大変大事なことだと思っていますし、当然のことながら、ただ、予算規模は小さいものが多いので、歓迎されている事業やその効果を国として酌み取って、国としての支援策にもつなげていただきたいと思います。  そこで伺いますが、GoToトラベルキャンペーンは、総額二兆七千億円予算がつきました。今どこまで執行され、執行予定を除く残額は幾らでしょうか。
  99. 蒲生篤実

    蒲生政府参考人 お答え申し上げます。  GoToトラベル事業の予算のうち、旅行代金の割引支援と地域共通クーポン券のための給付金につきましては、令和二年度第一次補正予算で一兆一千二百四十八億円を計上しており、このうち、昨日、三月十六日までで、本事業の割引支援を受ける旅行商品のために七千二百六十三億円を旅行会社や宿泊事業者に配分しており、これに対応する地域共通クーポンのための予算等を合計いたしますと、一兆三百億円強を事実上使用している形になっております。  また、第一次補正予算給付予算額から事実上使用されている額を除きました額は九百億円弱でございまして、第一次補正予算から予備費、第三次補正予算までの給付予算額を合計した額から除いた残額は一兆三千三百億円強となっているところでございます。  以上でございます。
  100. 高橋千鶴子

    ○高橋(千)委員 要するに、予備費とそれから三次補正で積んできた予算、一兆三千から四千億が残っているということがまず確認できたと思います。  それで、大臣は三月十日の本委員会で、GoToトラベル事業はどのような条件がそろえば再開するのかという小宮山委員質問に対して、ステージ2相当の地域であれば構わないという見解を述べたのと同時に、これまで四十二の観光地の皆さんと意見交換してきて、直接支給を望んでいる方はほとんど聞かないと答えていらっしゃいます。ただ、直接支援の中身を今、いろいろ考え方があると思うんですよね。観光は裾野が広いから、観光そのものを回すことが最大の要望であることは当然理解できます。  ただ、一月二十六日の大臣会見で、今私が紹介した地方創生臨時交付金、これを観光関連のところでも活用していただくのが具体的には有用というふうに大臣は述べていらっしゃるわけです。そういう意味では、やはり、例えばGoToトラベル事業の県民版、県民割のようなこともやっているわけですけれども、私自身はトラベル交付金がいいんじゃないかと言ってきた。トラベルの予算を都道府県に配分して、感染が拡大している地域は減収補填、そうじゃないところは県内旅行を大いに支援していくとか、そんなこともできるじゃないかと言ってきたつもりなんですけれども、考え方はそんなに違わないのではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
  101. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 GoToトラベル事業というのは本来全国一斉にやっていくということで、国の事業としてやっております。それは原則論は変わらないんですが、他方、今、高橋委員言われたように、地域地域によって感染状況が随分違っています。  現在も実は、全国一斉に止めていますが、近々三十を超える知事から、県単位で観光支援を頑張ってくれというような趣旨の要望があるというふうにちょっと聞いておりまして、近々、それに対応するんですが、そうした意味で、西村担当大臣から言われていたことというか、政府の中の共通認識として、県民割引とか市割引、独自でもう随分やられています。今、県でも二十以上やっておりますが、現状、もう多くが地方創生臨時交付金で使われているというのが事実ですし、そのことは使っていただいて構わないのではないでしょうかということでございました。  ただ、島根県の知事も来られたときに、同じような話を対面の会談のときにしましたが、島根は島根で地方臨時創生交付金を観光に優先的に回すという心の余裕がない、だから観光庁の予算でしっかりしてくれないかという、そういった御要望もあったということは申し上げておきます。
  102. 高橋千鶴子

    ○高橋(千)委員 とても大事な答弁だったと思います。やはり余裕、その島根の知事の、臨時創生交付金ではなかなかそこまで回す余裕がないんだと。だからトラベル交付金ということを私が言っておりますので、そういうのも含めて、本当に県の要望にちゃんと応えていくという意味でも検討いただきたい、このように思います。  失礼しました。和田政務官、よろしいですので、ありがとうございました。  次に、厚労省に伺います。  二月八日の予算委員会でも取り上げたんですけれども、高齢者施設におけるPCR検査の実施について、十都府県の計画がまとまったようであります。基本的対処方針では、特定都道府県に対し、感染多数地域における高齢者施設の従事者等の検査の集中的実施計画を策定して、三月末までを目途に実施とありました。  この策定した自治体数と施設数、その特徴などを御説明ください。
  103. 度山徹

    ○度山政府参考人 お答えを申し上げます。  緊急宣言事態の対象区域となりました十都府県の計画策定の主体は保健所を設置している自治体ということで、全部で三十九団体ございます。現状のところ、この全てで計画が策定をされております。  それから、対象の施設ですけれども、高齢者施設を中心に、地域によってちょっと差はあるんですけれども、およそ三万施設が対象になっているという状況でございます。
  104. 高橋千鶴子

    ○高橋(千)委員 ありがとうございます。  資料の3に、今の私が言った基本的対処方針にはどう書いてあるかということと、計画の策定状況というのをつけたんですけれども、めくっていただいて、出していただいた計画の一部抜粋なんですけれども、これを見ますと、あれっと思うんですよね。つまり、対象者が、一番上の川口市でいいますと「新規入所者」、ということは、それ以外は含まないのかとか、「派遣・委託職員を含む。」と書いています。ということは、書いていない施設は派遣や委託職員は検査の対象にならないのかと思います。あるいは越谷は、「事務職員、調理、清掃、運転等の職員を含む」と書いております。ということは、単に「施設従事者」としか書いていないほかの市では、こういう現業職員を含んでいないのかと思います。ばらばらな解釈が起きてしまうんですよね。  これはどういうことなんでしょうか。どのように把握されているんでしょうか。
  105. 度山徹

    ○度山政府参考人 この資料は、自治体から報告のあったそのままを記述をしておりますので、我々の基本的な考え方は、そういう意味でいうと、入所者と直接接している者というのは、これはやはり検査をすることが必須だというふうに思います。  その上で、あとは、地域の感染状況とかいろいろなことを考慮した上で対象範囲を定めてやってほしい、そういうふうにお願いをして上がってきた結果ということでございます。
  106. 高橋千鶴子

    ○高橋(千)委員 ですから、そのままを見たらさっぱり分からないというのでは困るんですよ。もしかしたら、従事者という中に当然に含んでいるかもしれないし、含んでいないかもしれない。正職員だけ、それも介護の接するところだけと言うかもしれない。地域によっては、本当に利用者に接する人だけと、同じ職員の中でも限定しているのもあります。  でも、やはりそれじゃ本当の効果が得られないんじゃないか。そこは強く、ちょっと厚労省として考え方を整理してやっていただきたいと思うんですね。  それで、資料の5に、ワクチンの接種順位の考え方というのがあります。医療従事者に対するワクチン接種はもう始まっていて、一か月で三十五万人がもう接種済みであるということが聞かれています。  四月十二日から高齢者への接種が始まるんですが、三千六百万人を考えられているということを聞いています。その後が基礎疾患を有する者、その後が高齢者施設の従事者ということで、ここでは、従事者に対するワクチンはすごく遅くなることが分かるんですよね。  聞きたいのは、計画を見ても、三月に何回やるのか、あるいは四月以降何回やるのかというのは全く分からないです。逆に言うと、四月を過ぎたらワクチンの接種が始まるので、後はもう検査しなくてもいいと思っているんでしょうか。そうではないと思いたいんですけれども、確認をしたいと思います。
  107. 度山徹

    ○度山政府参考人 お答えを申し上げます。  私どもは従前より、感染の拡大地域における高齢者施設の職員等への検査の実施ということを、保健所が感染状況等を踏まえて判断をして行ってほしいということをずっと言い続けてまいりました。  今回、今先生御指摘資料でまとめられているものに関しては、緊急事態宣言の発出を受けて、特に集中的に取り組む計画を作ってやってほしいということの概要でございます。この中では、三月までに、そういう意味でいうと、一通り地域の中での検査を実施をするということを求めておりまして、それに沿う形で自治体の方が対応してくれたものというふうに思います。  なお、ワクチンの接種との関係をちょっと言及されましたけれども、高齢者から四月にワクチンを接種することになっていることと、それから、この検査を実施することということは、直接関連はございません。  なので、四月以降も、先ほど申し上げましたように、従前から申し上げているとおり、地域の感染状況を踏まえて、必要があると認める場合には検査の実施をお願いをしていく、そういう立場に変わりはございません。
  108. 高橋千鶴子

    ○高橋(千)委員 社会的検査をしっかりお願いしたいということを繰り返し述べてきて、集中的な、十都府県だけではあるけれども、ここを始めるということは私たちは評価をしているんです。だけれども、実際に見てみるとどうなのかなと思う実態であるということで、指摘をさせていただきました。  ワクチンが始まったらそれで要らないという意味ではないということを確認をさせていただきましたので、そうじゃないと、やはり最初の質問に戻るわけですけれども、まだまだ収束というのが見通せない中で、どうやって支援策や経済対策をやっていくのかということが問われると思いますので、改めてそこは徹底をしていただきたいということを述べて、残念ながら、時間ですので、終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  109. あかま二郎

    ○あかま委員長 次に、井上英孝君。
  110. 井上英孝

    井上(英)委員 日本維新の会の井上です。  それでは、一般質疑に入らせていただきますけれども、今日は、水産庁の藤田資源管理部長、ありがとうございます、お越しをいただいています。また、和田住宅局長、先日は失礼いたしました。今日は先にやらせていただきますし、奥島長官も、ありがとうございます。  それでは、前回の大臣所信のときにできなかったんですけれども、ブロック塀について住宅局にちょっとお聞きをしたいと思います。  最近も東日本大震災の余震ということで、非常に大きい余震が東北地方を中心にありました。先般も、東日本大震災から今年で十年ということで、また、私の地元、阪神・淡路大震災、これは大臣の今の選挙区の地元でもありますけれども、二十六年ということになっています。  阪神大震災時には、僅か十五秒だったんですね。もっと長く揺れていたような記憶があるんですけれども、その強い揺れによって二千四百六十八か所のブロック塀に被害が発生をした。その倒壊により、神戸市だけで当時十四名の方が亡くなられたというふうにお聞きをしています。  ブロック塀によって人の命が奪われるという教訓は、実はこの阪神・淡路大震災以前からやはりあったんですね。一九七八年の宮城沖地震、小学生を含む十八名がブロック塀の倒壊で命を亡くされた。その後、宮城県では熱心に対策が講じられましたが、全国的に見れば、教訓というのは十分にやはり生かし切れなかったのではないかなというふうに思います。二〇〇五年の福岡県西方沖地震で一名、二〇一六年の熊本地震で一名、そして、私の地元の大阪も二〇一八年、大阪北部地震で二名お亡くなりになりました。  この大阪府北部地震の犠牲者の一人が登校中の小学生女児だったということもあってやはり注目も集まりましたけれども、その後、文科省は、幼稚園等も含む五万一千八十二校園の学校施設を対象とした調査実施されていますが、昨年の令和二年九月時点の調査なんですけれども、二千二百四十三校に安全性に問題のあるブロック塀がまだ残っている。うち八百五十二校が今年度工事が完了予定だというふうに聞いていますので、一定対策、しっかりと進めてくれているというふうには思っています。ただ、大阪、京都、東京、沖縄というのは、やはりまだ安全性に問題があるブロック塀というのが多いというふうに言われています。  こういったブロック塀の撤去、やり替えといいますか、それがちょっと進みにくくなっていたのはどういう理由があるのか、和田局長にお伺いしたいと思います。
  111. 和田信貴

    和田(信)政府参考人 お答えいたします。  委員指摘のとおり、大規模地震に備えて危険なブロック塀の対策を進めること、これは、住宅・建築物そのものの耐震性向上とともに、非常に重要な課題と思ってございます。  先ほど委員もおっしゃられたように、平成三十年六月の大阪北部地震、このときのブロック塀の倒壊被害、これを踏まえまして、国交省では、ブロック塀の耐震診断あるいは改修、撤去について、防災・安全交付金等を強化して支援してまいりました。また、これに加えまして、耐震改修促進法の政令を改正して、通学路を含む避難路沿道の建築物について、義務づけを可能としてまいりました。  この結果、令和二年の四月現在で、防災・安全交付金等を活用するなどによって、危険なブロック塀の改修、撤去に係る支援制度を設けている市区町村数が、大阪北部地震当時の百九十九から九百十五に増加してきてございます。  一方で、委員まさにおっしゃられましたように、小中学校あるいは幼稚園、こういった学校施設に比べて、民間の住宅などのブロック塀についてはまだ十分に対策が進んでいないというのは、そのとおりだと存じます。  先ほど申しましたが、取り組んでいる公共団体の数は増えてはきておりますが、地方公共団体の理解あるいは積極的な取組、特に、古いブロック塀について、非常に危険で命にも関わるものだということについての理解、これを、住民も含めて、その理解がまだ十分でないということが大きな要因ではないかと考えてございます。
  112. 井上英孝

    井上(英)委員 局長、ありがとうございます。  やはりこういう災害というのは、そんなに、当然、特に地震も、いつもいつも本当に頻繁に、毎日のように別に起きているわけではないので、ただ、その瞬間に、起きたときに、やはり被害が出たときに初めて、皆さん、必要性というのを物すごい感じるんですけれども、やはりちょっとそれがまた時間がたってくると、その意識がちょっと低くなってしまうといいますか、それは我々も気をつけないと駄目ですし、当然、担当者の皆さん方も気をつけていただかなければなりませんし、不断の努力というのをくれぐれもお願いしたいなというふうに思います。  国土交通省も様々な施策というのを講じています。  ある自治体ではブロック塀撤去費用の九割というのを補助するとか、手厚い支援策を用意している自治体も少なくはありません。また、耐震改修法の政令改正によって避難路沿いのブロック塀などの耐震診断が義務づけられ、令和二年春から、東京、大阪、また大阪府の中の茨木市というところで運用が開始をされました。  しかし、阪神・淡路大震災から二十六年、さらに、宮城県沖地震からは四十二年というのが経過しましたが、相変わらず、やはりその問題のあるブロック塀という、撤去がまだあるというのが現実であります。  東日本大震災から先日も十年というタイミングでしたけれども、ブロック塀の安全対策について、改めて重要性を広く国民に訴える必要があると思いますが、どのような方法がいいか、局長、お考えがあれば、お教えいただきたい。
  113. 和田信貴

    和田(信)政府参考人 お答えいたします。  まず、地方公共団体に向けまして、公共団体と私どもの会議等の場を用いまして、特に、古いブロック塀が地震時に倒壊する危険性というのを周知していきたいと思っていますし、積極的な取組をしている事例、これをほかの公共団体にも展開する。  委員おっしゃられたように、時間がたって、どうしてもそのリスクの意識が少し弱くなる、あるいは、ほかの地域のことだと思ってなかなか気が回らない、そういったことが、なるべく、できる限りないように、しっかりと周知し、働きかけを行い、あるいは、毎年二回、建築物の防災週間というのもございます。こういった場で、全国に発信するなどの取組、これをしっかりやりたいと思います。また、住民に対しましても、公共団体が啓発に取り組む、こういったときに、我々、支援を、助成をしていきたいと思ってございます。  このように、公共団体と住民の双方の理解の促進を図るとともに、防災・安全交付金、これらによって危険なブロック塀の改修、撤去、これらの取組支援を行ってまいりたいと考えております。
  114. 井上英孝

    井上(英)委員 局長、ありがとうございます。  先ほども言いましたけれども、やはり不断の努力ですね、本当に。やはり課題意識というのをしっかりと持って、決して緊急性は低くないとは思います。ただ、予算の問題だとか様々な、それは各自治体もそうですけれども、様々な問題というのは、課題はあると思うんですけれども、しっかりと取り組んでいただくように、よろしくお願いを申し上げたいというふうに思います。  それでは、ちょっと時間もなくなってきて、残り六分なんですけれども、今日はちょっと海警法について触れさせていただきたいということで、保安庁の長官、それから水産藤田部長にお越しをいただいています。  昨日、日米両政府で、外務、防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会、通称2プラス2が開かれ、国際秩序を脅かす中国の行動に共同で対処する方針というのを確認をしました。中国海警船の武器使用条件を定めた海警法に対して深刻な懸念と、尖閣諸島周辺での一方的な行動に反対するということが改めて強調されました。  中国を名指ししての批判というのはやはり異例で、中国は2プラス2を開催したことについて、アジア太平洋地域の平和と安定に資するべきものであるべきで、第三国の利益を損ねるべきではないというふうに牽制されているというか、報道されています。  今後も日米両政府で協議を進め、国際法に違反する中国の行為に抗議をして、国内法整備を含めて具体策の検討を急ぐことを我々は求めたいというふうにも思っています。  その中でお聞きしたいんですけれども、まずは日本の漁船の操業状況について水産庁にちょっとお聞きをしたいんですけれども、我が国の領土、領海である尖閣諸島、尖閣海域において、中国の海警局の船舶が日本の漁船の操業を妨害するという事案がよく生じているとお聞きします。現状、尖閣領域において、また、これは海上保安庁でいう九管区ですね、水産庁でいう新潟支部ですね、大和堆の近辺の、ここも非常に好漁場でありますけれども、安全に漁業ができるような状況というのがしっかりと確保されているのか、水産庁にお聞きしたいと思います。
  115. 藤田仁司

    藤田政府参考人 お答え申し上げます。  まず、尖閣諸島周辺海域でございますけれども、沖縄県などの漁船が操業を行っておりまして、この海域では、高級魚として知られますアカマチなどのマチ類ですとか、カツオ、マグロ類を目的とする一本釣り漁業及びはえ縄漁業などが行われてございます。これらの漁船の操業日数につきましては、近年減少傾向にございます。  また、中国の海警船による我が国漁船への接近事案が繰り返し発生しているということにつきまして、漁業者から不安の声が上がっているということは事実でございまして、私どもも承知をしてございます。  次に、大和堆周辺海域でございます。  ここは我が国のイカ釣り漁業等の好漁場ということになっておりまして、イカ釣り漁業で漁獲するスルメイカ資源につきましては全国的に近年減少傾向ということで、昨年の漁獲量は約三・七万トンということで、非常に低い水準になってございます。  漁獲量の減少につきましては、水産研究・教育機構調査によりますと、産卵海域における水温が適していなかったことが主な原因だというふうに考えられますけれども、外国漁船による違法漁獲は、資源だけでなく、我が国漁船の安全操業の妨げにもなっておりまして、大きな問題だというふうに考えてございます。
  116. 井上英孝

    井上(英)委員 答弁、部長、ありがとうございます。  尖閣においては、やはり今の緊張感のある環境もあって、漁船自体が減っているということであります。これはやはりゆゆしき事態で、そういうことで、日本の漁船の操業が、出にくくなるというか、出ていないということは、やはりちょっと考えていかないと駄目なんじゃないかなというふうに思っています。  それから、大和堆周辺に関しては、これは中国漁船の違法操業というのがあって、水揚げ量が減っていっているということですね。ですから、これも非常に危機的な状況で、しっかりと対応をしていかないと駄目だと思うんです。  もう残り二分なので、今日はスタートということで、これから通常国会中ずっと、一般等もありますので、この問題、しっかりと、我々党としても私としてもやっていきますので、まずは海上保安庁の奥島長官、現状、雰囲気ですね、この現状を見た上での長官としての思いをお聞きさせていただけたらというふうに思います。
  117. 奥島高弘

    ○奥島政府参考人 お答えいたします。  尖閣諸島の接続水域におきましては、ほぼ毎日、中国海警局に所属する船舶による活動が確認をされております。領海侵入につきましても、領海侵入し、日本漁船に接近しようとする事案、これも繰り返し発生しているところでございます。  海上保安庁では、中国海警局に所属する船舶が日本漁船へ接近しようとする動きを見せた場合には、日本漁船の周囲に巡視船を配備し、安全確保に万全を期しております。  また、こうした日本漁船への接近事案、これが繰り返し発生していることにつきましては、外交ルートにおける抗議など、政府全体で様々な対応をしております。  現場状況は引き続き予断を許さない厳しい状況にあると認識しており、海上保安庁におきましては、あらゆる事態を想定いたしまして、万全な警備体制を構築しているところではありますが、今後とも、水産庁を始めとした関係省庁と不断の検討を行うなど緊密に連携し、日本漁船の安全確保に努めてまいります。
  118. 井上英孝

    井上(英)委員 是非、保安庁、日頃から本当に大変な、特に現場の保安官の皆さん方は大変な思いをされていると思いますので、しっかりと従事していただいているということは改めて敬意を表したい、そして感謝を申し上げたいと思います。ただ、やはり、まだまだ厳しい環境がありますので、是非それをみんなで取り組んでいきたいと思いますので、長官、またよろしくお願いいたします。  ありがとうございました。      ――――◇―――――
  119. あかま二郎

    ○あかま委員長 次に、内閣提出踏切道改良促進法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  趣旨の説明を聴取いたします。国土交通大臣赤羽一嘉君。     ―――――――――――――  踏切道改良促進法等の一部を改正する法律案     〔本号末尾に掲載〕     ―――――――――――――
  120. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 ただいま議題となりました踏切道改良促進法等の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。  道路と鉄道は、いずれも重要かつ基幹的な交通であり、平常時の安全性の確保はもとより、近年頻発化、激甚化する災害時におきましても、その防災機能を強化し、安全かつ円滑な交通の確保を図ることが重要であります。特に、踏切道につきましては、これまで改良対策を進めてきた結果、その数や事故件数等は着実に減少してまいりましたが、依然として事故や渋滞が多数発生しており、また、災害時に長時間の遮断が発生した場合には、救急救命活動等の大きな支障になるとの課題も明らかになっていることから、災害時における適確な管理も含め、対策を更に促進することが必要です。  このような趣旨から、この度、この法律案を提案することとした次第です。  次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。  第一に、国土交通大臣による改良すべき踏切道の指定について、従来の五か年の期限に代えて、交通安全基本計画等の国の五か年計画と連動しつつ、改良を優先的に実施する必要性等を勘案し、機動的に指定できるようにすることとしております。あわせて、踏切道の改良の方法として、踏切道と交通上密接に関連する道路の改良を追加する等の措置を講ずることとしております。  第二に、災害時の管理の方法を定めるべき踏切道を国土交通大臣が指定する制度を創設し、指定された踏切道の鉄道事業者及び道路管理者は、災害時における対処要領の作成等、踏切道の適確な管理の方法を定めなければならないこととしております。  第三に、広域災害応急対策の拠点となる道の駅等の駐車場を国土交通大臣が指定し、災害時には、道路管理者が、防災拠点としての利用以外の利用を制限できる等の措置を講ずることができることとしております。  第四に、道路区域に隣接する沿道区域内で道路管理者が指定した届出対象区域においては、電柱等の工作物の設置は、事前の届出を要することとし、道路管理者は設置場所の変更等の必要な措置を講ずべきことを勧告することができることとしております。  第五に、災害が発生した場合に、市町村が管理する道路の啓開及び災害復旧を都道府県が代行することができる制度を創設することとしております。  第六に、鉄道事業者が、国土交通大臣の許可を受けて、鉄道施設に障害を及ぼすおそれのある植物の伐採等や、災害時の早期復旧のための作業場などとして他人の土地を一時使用することができることとしております。  そのほか、これらに関連いたしまして、所要の規定の整備を行うこととしております。  以上が、この法律案を提案する理由でございます。  この法律案が速やかに成立いたしますよう、御審議をよろしくお願い申し上げます。
  121. あかま二郎

    ○あかま委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。  次回は、来る十九日金曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午前十一時四十分散会